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*おさわがせ! ペンギンBOY 【おさわがせ ぺんぎんぼーい】 |ジャンル|アクション|#image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4234&file=opb_front.jpg,height=160)|#image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4234&file=opb_back.jpg,height=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~|~| |発売・開発元|ナツメ|~|~| |発売日|1990年8月8日|~|~| |定価|3,000円(税抜) |~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ペンギンの王子様を操作して、占領された王国奪還を目指し地上絵の封印をといて回る。~ 網目の辺の上にある封印を破壊することで網目が塗りつぶされていき、すべての網目を塗りつぶせばステージクリア。全40ステージ。~ ドットイート『[[パックマン]]』と陣取りゲーム『[[ヴォルフィード]]』を掛け合わせたような独特のシステムを持つパズルアクション。 ---- **特徴・評価点 ''フォロワーが出なかったことが不思議なほどの完成度を持つ基本ルール'' -ルール --プレイヤーはライン上を移動しながら、配置されたオブジェクト(以下封印)を破壊していく。 --パネルを囲うライン上のすべての封印を破壊すると、そのパネルが塗りつぶされる。 --ステージ内のすべてのパネルを塗りつぶす(=すべての封印を破壊する)とステージクリア。 --ライン上を移動する敵キャラクターに触れるか、時間切れになるとミス。 -ドットイート、陣取りゲームとも、本来しらみつぶすことが快感のゲームだが、双方のシステムを手軽化して合成することで、~ ''直感にしたがって走り回る''という正反対のゲーム性を引き出している点が見事。 ''整合性のとれたサブルール'' -「封印」に関するサブルール --白い封印を破壊すると敵の移動方向が反転する。 --黒い封印は通常の破壊のほかに、蹴って敵にぶつけることができる。 --パネルが塗りつぶされるときに、パネルを構成しているラインにいる敵を倒すことができる。(倒した敵は一定時間で復活) -黒い封印を蹴るシステムが秀逸で、ラインを''無視して''一直線に飛ぶため、無関係なラインにいる敵の巻き込みも狙うことが出来る。 --巻き込みによる単純な爽快感に加え、偏差射撃のテクニックを追求する楽しさと、「敵も味方もラインの上」に対する~ アンチルールを突くような優越感を、Aボタンひとつで実現しているのがすばらしい。 -白い封印による反転と倒した敵の復活が、絶妙な擬似ランダムを作り出している。 --本作のすべての敵は一定の法則にのっとって動く((例えば、あみだくじの要領であったり、特定のラインを行ったりきたり等。))ため、本来すべての動きは予想可能である。 --ところが、敵を倒したり反転を使うタイミングによって、敵の動作周期((厳密には"位相"))・方向がずれて、とたんに予想が難しくなる。 --これによって、ミクロ的には敵の動きにパズルとしての納得感を持たせつつ、マクロ的に擬似的な偶発性が出る作りになっている。 --無論、同じ手順、タイミングなら100%の再現性なので理不尽に詰むことも無い。 ''意外と突き詰められるスコア要素'' -巻き込み数で倍々に増えるボーナスが病み付きに。 -タイムボーナスもあるので、ひたすら巻き込みを待っていれば良いわけでもないのも上手い。 -上手く立ち回れば2~3面に1度のハイペースでエクステンドするので、クリアラーなりにも稼ぎを楽しむことができる。 -- 操作事故や挟み撃ちで死にやすいゲームでありながら、エクステンドの多さによって易しめの難易度に収まっている。 -- この死の軽さのおかげで、ミスを恐れてじりじりしたプレイになることを上手く回避している。 -敵アルゴリズムの性質上、再現性も高いのでストイックにスコアを詰める遊び方にも堪える。 ''良好な操作性'' -GB初期でありながら、レスポンス抜群で処理落ち等も無く快適。 -キャラの移動速度が速めで、いい意味でアクションらしい親指捌きが求められる。 -地味に快適さに影響している、Bボタンを押しっぱなしで乗っても封印を破壊できる仕様。 --タイミングよくボタンを押すという余計な負荷が発生しないので、爽快感を重視したドットイート+陣取りというゲーム性がぶれない。 -ポーズから復帰するときに即復帰ではなくカウントダウンが入る。 --最新のゲームでも珍しいこの親切仕様を90年に導入していたことに恐れ入る。 ''プリミティブながら完成度の高い演出面'' -小気味良いSEとあいまって、敵のやられ動作がやたら爽快 --例えば黒い封印を蹴った場合、2体、3体と巻き込みつつカッ飛んで行き、壁にぶつかったところで効果音とともにボーナス得点が表示、といった具合。 -水谷郁、山西こういち両名による何処となくロックンロール(notロック)なBGMが、また楽しさを盛り上げる。 -特定ステージの地上絵に表れる、意外とかわいくクオリティの高いおまけイラスト。 --ただしゲーム内容とほとんど無関係。ある意味潔いまでの割り切りっぷり。 ---- **問題点 -グラフィックは初期GBクオリティ。記号的なゲームであることもあいまって、全体的に地味。 -Aボタン(蹴り)は位置・タイミング合わせが若干シビア。アクションの差別化にはなっているが、スコアなりでリターンが欲しかったところ((もちろん、使わなければスコアが下がるのでリターンはあるが、巻き込みボーナスが白い封印と同じであるため納得感に欠ける。))。 -後半ステージは、分割が細かく地形が複雑なため、白、黒とも巻き込みボーナスを狙いにくく勿体無い。 -角を曲がる操作に若干の癖があり、ぴったり入らないと角に引っかかる --斜め入力をしておくことでスムーズに入れるものの、細かい曲がり角の連続は少々面倒。 --その操作性の問題点を難易度上昇の手段として使ってしまったステージがある。 -ラストステージのゲーム性が違っているが、あまり効果的とはいえない。 -有って無いようなものではあるが、ゲーム本編からストーリーを読み取ることは多分不可能。 ---- **総評 よく整理されたルールと軽快な操作性、楽しげな演出でとっつきやすい小粒なパズルアクション。~ 擬似的なランダム性によって、アドリブ重視からガチプレイまで幅広く応えられる面白い作り。~ GB初期ゆえの地味さが玉に瑕だが、ゲームに多くの時間を割けない、そんな今の時代こそ評価されてほしいミニマルな良作。 ---- **参考動画 #region(※海外版である"Amazing Penguin"の解説動画) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=bz4Ke3dNd5Q){320,240} #endregion ---- **余談 同時期のナツメのマイナーGB作品では、『ラッキーモンキー』や『しっぽでブン!』なども、一歩良作には及ばないもののお勧め。
*おさわがせ! ペンギンBOY 【おさわがせ ぺんぎんぼーい】 |ジャンル|アクション|#image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4234&file=opb_front.jpg,height=160)|#image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4234&file=opb_back.jpg,height=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~|~| |発売・開発元|ナツメ|~|~| |発売日|1990年8月8日|~|~| |定価|3,000円(税抜) |~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ペンギンの王子様を操作して、占領された王国奪還を目指し地上絵の封印をといて回る。~ 網目の辺の上にある封印を破壊することで網目が塗りつぶされていき、すべての網目を塗りつぶせばステージクリア。全40ステージ。~ ドットイート『[[パックマン]]』と陣取りゲーム『[[ヴォルフィード]]』を掛け合わせたような独特のシステムを持つパズルアクション。 ---- **特徴・評価点 ''フォロワーが出なかったことが不思議なほどの完成度を持つ基本ルール'' -ルール --プレイヤーはライン上を移動しながら、配置されたオブジェクト(以下封印)を破壊していく。 --パネルを囲うライン上のすべての封印を破壊すると、そのパネルが塗りつぶされる。 --ステージ内のすべてのパネルを塗りつぶす(=すべての封印を破壊する)とステージクリア。 --ライン上を移動する敵キャラクターに触れるか、時間切れになるとミス。 -ドットイート、陣取りゲームとも、本来しらみつぶすことが快感のゲームだが、双方のシステムを手軽化して合成することで、~ ''直感にしたがって走り回る''という正反対のゲーム性を引き出している点が見事。 ''整合性のとれたサブルール'' -「封印」に関するサブルール --白い封印を破壊すると敵の移動方向が反転する。 --黒い封印は通常の破壊のほかに、蹴って敵にぶつけることができる。 --パネルが塗りつぶされるときに、パネルを構成しているラインにいる敵を倒すことができる。(倒した敵は一定時間で復活) -黒い封印を蹴るシステムが秀逸で、ラインを''無視して''一直線に飛ぶため、無関係なラインにいる敵の巻き込みも狙うことが出来る。 --巻き込みによる単純な爽快感に加え、偏差射撃のテクニックを追求する楽しさと、「敵も味方もラインの上」に対する~ アンチルールを突くような優越感を、Aボタンひとつで実現しているのがすばらしい。 -白い封印による反転と倒した敵の復活が、絶妙な擬似ランダムを作り出している。 --本作のすべての敵は一定の法則にのっとって動く((例えば、あみだくじの要領であったり、特定のラインを行ったりきたり等。))ため、本来すべての動きは予想可能である。 --ところが、敵を倒したり反転を使うタイミングによって、敵の動作周期((厳密には"位相"))・方向がずれて、とたんに予想が難しくなる。 --これによって、ミクロ的には敵の動きにパズルとしての納得感を持たせつつ、マクロ的に擬似的な偶発性が出る作りになっている。 --無論、同じ手順、タイミングなら100%の再現性なので理不尽に詰むことも無い。 ''意外と突き詰められるスコア要素'' -巻き込み数で倍々に増えるボーナスが病み付きに。 -タイムボーナスもあるので、ひたすら巻き込みを待っていれば良いわけでもないのも上手い。 -上手く立ち回れば2~3面に1度のハイペースでエクステンドするので、クリアラーなりにも稼ぎを楽しむことができる。 -- 操作事故や挟み撃ちで死にやすいゲームでありながら、エクステンドの多さによって易しめの難易度に収まっている。 -- この死の軽さのおかげで、ミスを恐れてじりじりしたプレイになることを上手く回避している。 -敵アルゴリズムの性質上、再現性も高いのでストイックにスコアを詰める遊び方にも堪える。 ''良好な操作性'' -GB初期でありながら、レスポンス抜群で処理落ち等も無く快適。 -キャラの移動速度が速めで、いい意味でアクションらしい親指捌きが求められる。 -地味に快適さに影響している、Bボタンを押しっぱなしで乗っても封印を破壊できる仕様。 --タイミングよくボタンを押すという余計な負荷が発生しないので、爽快感を重視したドットイート+陣取りというゲーム性がぶれない。 -ポーズから復帰するときに即復帰ではなくカウントダウンが入る。 --最新のゲームでも珍しいこの親切仕様を90年に導入していたことに恐れ入る。 ''プリミティブながら完成度の高い演出面'' -小気味良いSEとあいまって、敵のやられ動作がやたら爽快 --例えば黒い封印を蹴った場合、2体、3体と巻き込みつつカッ飛んで行き、壁にぶつかったところで効果音とともにボーナス得点が表示、といった具合。 -水谷郁、山西こういち両名による何処となくロックンロール(notロック)なBGMが、また楽しさを盛り上げる。 -特定ステージの地上絵に表れる、意外とかわいくクオリティの高いおまけイラスト。 --ただしゲーム内容とほとんど無関係。ある意味潔いまでの割り切りっぷり。 ---- **問題点 -グラフィックは初期GBクオリティ。記号的なゲームであることもあいまって、全体的に地味。 -Aボタン(蹴り)は位置・タイミング合わせが若干シビア。アクションの差別化にはなっているが、スコアなりでリターンが欲しかったところ((もちろん、使わなければスコアが下がるのでリターンはあるが、巻き込みボーナスが白い封印と同じであるため納得感に欠ける。))。 -後半ステージは、分割が細かく地形が複雑なため、白、黒とも巻き込みボーナスを狙いにくく勿体無い。 -角を曲がる操作に若干の癖があり、ぴったり入らないと角に引っかかる --斜め入力をしておくことでスムーズに入れるものの、細かい曲がり角の連続は少々面倒。 --その操作性の問題点を難易度上昇の手段として使ってしまったステージがある。 -ラストステージのゲーム性が違っているが、あまり効果的とはいえない。 -有って無いようなものではあるが、ゲーム本編からストーリーを読み取ることは多分不可能。 ---- **総評 よく整理されたルールと軽快な操作性、楽しげな演出でとっつきやすい小粒なパズルアクション。~ 擬似的なランダム性によって、アドリブ重視からガチプレイまで幅広く応えられる面白い作り。~ GB初期ゆえの地味さが玉に瑕だが、ゲームに多くの時間を割けない、そんな今の時代こそ評価されてほしいミニマルな良作。 ---- **参考動画 #region(※海外版である"Amazing Penguin"の解説動画) &video(http://www.youtube.com/watch?v=bz4Ke3dNd5Q){320,240} #endregion ---- **余談 同時期のナツメのマイナーGB作品では、『ラッキーモンキー』や『しっぽでブン!』なども、一歩良作には及ばないもののお勧め。

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