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参戦作は80年代頃の古い作品から、現在まで続いている作品まで様々で、本作独自の設定付けや世界観の味付けがなされているものもある。 #region(参戦作品・操作キャラ一覧) |>|BGCOLOR(#cccccc):''オリジナル''| |NAMCO X CAPCOM|有栖零児&br()小牟| |>|BGCOLOR(#cccccc):''ナムコ''| |[[クロノア>風のクロノアシリーズ]]ヒーローズ|クロノア&br()ガンツ| |[[源平討魔伝]]((時系列はAC版終了後であり、続編の敵も登場するため実質的には「巻之弐」がベースとなっている))|平景清| |[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]|KOS-MOS&br()シオン・ウヅキ&br()M.O.M.O.| |[[ソウルキャリバーII]]|御剣平四郎&br()タキ| |[[超絶倫人ベラボーマン]]|ベラボーマン&br()わや姫| |[[ディグダグ]]|ホリ・タイゾウ| |[[テイルズ オブ デスティニー]]/[[2>テイルズ オブ デスティニー2]]|スタン・エルロン&br()ルーティ・カトレット&br()ジューダス| |[[鉄拳シリーズ]]|三島平八&br()キング&br()アーマーキング&br()風間仁| |[[ドルアーガの塔]]/[[イシターの復活]]|ギルガメス&br()カイ| |[[バーニングフォース]]|天現寺ひろみ| |[[バラデューク]]|トビ・マスヨ| |[[ワルキューレの伝説]]/[[冒険>ワルキューレの冒険 時の鍵伝説]]|ワルキューレ&br()クリノ・サンドラ&br()サビーヌ| |[[ワンダーモモ]]|ワンダーモモ| |[[妖怪道中記]]|たろすけ| |>|BGCOLOR(#cccccc):''カプコン''| |[[ヴァンパイアシリーズ>ヴァンパイアハンター]]|デミトリ・マキシモフ&br()モリガン・アーンスランド&br()フェリシア&br()レイレイ&br()リリス| |ガンサバイバー4 バイオハザード HEROES NEVER DIE|ブルース・マッギャヴァン&br()鳳鈴| |[[キャプテンコマンドー]]|キャプテンコマンドー&br()フーバー&br()ジェネティー&br()翔| |[[ストライダー飛竜]]|飛竜| |[[ストリートファイターシリーズ]]|リュウ&br()ケン・マスターズ&br()春麗&br()キャミィ&br()春日野さくら&br()神月かりん&br()ローズ| |[[ディノクライシス]]|レジーナ| |[[ファイナルファイト]]|マイク・ハガー&br()凱| |[[魔界村シリーズ]]|アーサー| |[[燃えろ!ジャスティス学園]]|島津英雄&br()水無月響子| |ロストワールド|名無しの超戦士1P&br()名無しの超戦士2P&br()シルフィー| |[[ロックマンDASHシリーズ>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]|ロック・ヴォルナット&br()ロール・キャスケット&br()トロン・ボーン&br()コブン| #endregion 操作キャラ以外にも、様々なキャラが上記作品から敵やNPCとして登場する。~ 他にも両社のゲームやエレメカ等からアイテムが登場している他、固有名詞がアイテム名として多数引用されている。 ---- **システム シミュレーションゲームとしてのインターフェイスは、ディレクターの森住惣一郎氏が関わっていた『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』に酷似しているが、根本面では大きく異なる戦闘システムが採用されている。 &bold(){行動}~ -行動は従来のSRPGに見られるターン制ではなくAP(アクティブポイント)制。 --APは各種行動を取るのに必要なポイントでフェイズ経過毎に1ずつ加算されていき、敵味方含めて10に達した時点で行動可能になる。 ---数値上、APは10が上限で、先に10に到達した順に行動が回ってくる。10に到達したユニットが複数いた場合、速度値が早い順から行動が開始される。 --「移動→待機orオブジェクト破壊((画面上の障害物やアイテムキャリアーを壊す))((「移動して待機」「移動してオブジェクト破壊」の場合、「移動」の分と「待機」及び「オブジェクト破壊」の分の必要APが上乗せの上で消費される))」「攻撃」「防御」のいずれかの行動をとることで消費され、フェイズ経過及び防御行動時のコマンド入力、特定のスキル使用で回復する。 --このシステムにより常に敵味方入り乱れての戦闘となり、自軍の行動をどうこなすかにより自軍キャラ1人1人の行動タイミングが常時変動する。 &bold(){戦闘}~ ''攻撃戦闘(BA攻撃)''~ -攻撃範囲内の敵を選択すると戦闘開始。 --戦闘方法は方向キーの上下左右と○ボタンの組み合わせによって変化する攻撃を使い分けて戦う。攻撃回数の数だけ攻撃出る。攻撃すると必殺値が増え、100に達するとそれを全て消費して必殺技を使用できる。 --空中に浮かせた敵に続けてヒットさせると「AERIAL HIT」表示がされ、ヒット数とユニットごとに設定されたタイプにより与えるダメージや攻撃回数、獲得アイテム等のボーナスを得る。 --その他にも、すべての通常技で攻撃するとHPかMPのどちらかが回復する「攻撃エクストラ」。宙に浮いたキャラが地面に落ちるギリギリでヒットさせると発生する「クリティカル」などがある。 ''防御戦闘''~ 防御時は「ノーガード」「通常防御」「攻撃回避」、特定ユニット固有の「カウンタースキル」のいずれかを選択する。 -&bold(){ノーガード} --受けるダメージをそのまま全て受けることになり気絶値の上昇が大きいが、必殺値の上昇も大きい。 -&bold(){「通常防御」} --APを1消費。ダメージを通常の1/2に抑えることができ気絶値の上昇も抑えられる。反面、必殺値の上昇率も半減する。 -&bold(){「攻撃回避」} --APと必殺値を消費することで防御戦闘を回避できる。敵の追撃によりダメージは必ず受け、クリティカルダメージが発生する確率も高いが毒の攻撃を受けない、相手の必殺ゲージが増えないというメリットもある。 -&bold(){カウンタースキル} --APと必殺値を消費。ダメージを0にする「回避」「完全防御」、ダメージ0の後に反撃する「回避カウンター」「完全防御カウンター」、小ダメージのあと反撃する「防御カウンター」がある。 -この他、隣接する味方ユニットが「かばう」能力を持っていれば、AP1を消費して代わりに防御させる事ができ、ダメージが通常の1/4となる。 --「ノーガード」「通常防御」「かばう」では攻撃を受ける際に表示されるキーの方向をタイミングよく押すことで、成功率により防御エクストラが発生しAPが上昇する。これによりAPが10を超えた場合はすぐに行動可能となる。防御エクストラの成功の可否自体はダメージの増減には影響しない。 &bold(){ソロユニットとペアユニット} -本作の味方側ユニットは単独キャラからなる「ソロユニット」、2人1組からなる「ペアユニット」の2種類に分かれる。 --本作では通常のSRPG同様に、ソロ、ペアいずれも独立したユニットとして運用される。 --ソロユニットの中にはゲーム進行を経てペアユニットに変化するものも存在する(それに伴ってステータスや戦闘中に使用する攻撃技も変化する) --ペアユニットの場合、戦闘開始時のファーストアタックや、防御戦闘時の防御担当は予め決められている。 &bold(){その他} -初回プレイ時のみ、敵ターンにおける戦闘開始前のスタンバイ画面でスキルやアイテムを使用して予め備えることが可能。 --2周目以降はエキスパートモードに切り替わるため不可能になる。 ---- **評価点 &bold(){とにかくキャラ同士の絡みが多い} -敵にも味方にもそれぞれのキャラ独自の思惑や考えをもっており、会話の中でも様々な意見や会話が飛び交うので見ていて飽きない。 --サラリーマン魂全開で戦うベラボーマン、敵は問答無用で殺そうとする飛竜など一癖も二癖もあるキャラが一堂に会する、まさにお祭りゲームである。 --クロスオーバーの醍醐味であるが、特にファイナルファイトの登場人物である凱とキャプテンコマンドーの主役勢であるコマンドーチームは全く違和感無く溶け合っており、原作を知らない人は確実に凱=コマンドーチームの一人、と勘違いするだろう。 -主人公・有栖零児は持ち前の実直な性格と冷静なツッコミにより、極端な性格の曲者揃いのパーティを一人で見事にまとめてあげている。~ もう一人の主人公である小牟は、まとめ役を零児にすべて任せてプロレス・アニメ・ゲームのパロセリフを喋りまくっており、プレイヤーを驚愕させ爆笑させた。 --2人とも版権キャラを踏み台にするような行動・言動は一切なく、物語の牽引役はあくまで版権キャラたち。~ しかしきちんとストーリーに絡み、盛り上がる見せ場も完備している、とクロスオーバーもののお手本のような主人公である。ユーザー人気も高く、ナムコ(バンナム)のクロスオーバーゲームにおける主人公の代表格と目されているほど。 -クロスオーバーゲームの性質上、版権キャラクターのイメージや設定・担当声優が異なる場合はもちろんあるが、悪い意味で原作から逸脱した描写でイメージを損ねているようなことはほぼない。 &bold(){ネタ} -マニアックなネタ、原作ネタも多くちりばめられており、知っているとにやりとされられる。 --思考が壊れ始めたロックマン・ジュノを見て「イレギュラー」と呼ぶ『[[ロックマンDASH>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]』のロックや、「シルフィーの服」を買うとあのセリフをボイス付きで喋る『ロストワールド』のシルフィーなど例を挙げるときりがない。 --ユニットの攻撃技などにも『ストリートファイター』のリュウのカウンター「ブロッキング→昇龍拳」や、『ファイナルファイト』のマイク・ハガーの回復スキル「原始肉」など細かなネタが随所にちりばめられている。 --シルフィーは原作では武器ショップの店員という設定のサブキャラクターだが、本作では「お店の武器を活かして戦う」という設定となっている。更に技が全てカプコンのレトロゲームにちなんだマニアアックなネタ要素満載の仕様となっており、原作を知るものを爆笑させた。 ---超必殺技は『[[ポケットファイター]]』の目玉システム「フラッシュコンボ」でカプコンレトロゲーのヒロインに次々とコスプレしたり、カウンター技はどこから仕入れたのか[[ブロ>パワード ギア]][[ディア>サイバーボッツ フルメタルマッドネス]][[パンチ>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]をぶっ放す等、''突っ込みどころを探したらキリが無い''。~ また、「金に目がない守銭奴」という性格付けは本作独自の設定であり、ゲーム中で遺憾なく発揮される曲者ぶりもかなりの異彩を放っている。 --ベラボーマン&ワンダーモモのスキルは「ダンシング・ブービー」「[[すてきなオーダイン>オーダイン]]」など、当時リリースされていたサウンドトラックアルバム「ナムコゲームグラフィティ」シリーズに収録された、ナムコゲームのボーカルアレンジ版の曲名から引用されている。発動時のモモの「歌います!」等と合わせ、原作でアイドル設定だったことを取り入れた小ネタになっている。 --各話のサブタイトルにも何かしら作品に関係したものが使われている。原作作品内でのセリフや、作品のキャッチコピー、サブタイトル、主題歌のタイトルや歌詞など、出典は様々。 -その他、登場アイテムからMAP背景にいたるまで様々なネタが仕込まれている。 --実際の主役は『[[魔界村]]』『[[ストライダー飛竜]]』『[[ドルアーガの塔]]』『[[ワルキューレの伝説]]』といった80年代のレトロアーケードゲームのキャラ達。豪華声優陣がそのキャラ達を演じており、昔ながらのファンにも、原作を知らないファンにもウケる作り。 ---特にドルアーガはMAPタイトル、使用技、登場アイテムが鈴木直人氏が執筆したゲームブック3部作((日本製ゲームブックの最高傑作と誉れ高いが、ナムコ公式ではなく、あくまでも公認作品である))から取られている。 #co{ ***テンポは冗長だが良いバランス -基本的にどのキャラもそれなりに使っていけ、お気に入りのキャラを主力として進めていける。その中でも強いキャラ、使いやすいキャラは分かれてくるが。 --中でも与えたダメージによってMP回復が可能で、そのMPでHP回復・行動追加も可能な永久機関と化しているKOS-MOS、「ホアァァァァァ!!」の掛け声でスモークボムを連発し、楽に高ダメージを叩き出せる凱&翔、継続能力が高く毒の槍&キリモミとスキルの効果で最高ダメージが叩き出せるクリノ・サンドラ&サビーヌが三強とされ、ユーザー間で「邪神・武神・緑神」と通称されることになった。 --逆に使いにくいキャラとしては、移動力が低く攻撃が単発ヒットで攻撃回数の追加が難しい御剣、肉弾戦キャラでありながら防御力が全キャラ中ダントツで低いマイク・ハガーなどが挙げられるが、どちらも攻撃力は高くアイテムなどの装備により弱点も補えるレベルではある。 --キャラはレベル成長によって、多彩なスキルを獲得していく(プレイヤーが望みのスキルを選択する事はできず、あらかじめ定められたものを覚えていく)。この内容によっては、攻撃力は平均未満でもスキルによるサポート役として大成するキャラもいる。 } //どう考えてもバランスは悪い。むしろひどい。また、長所についてもほとんどが後の方の記述と重複。 &bold(){音楽} -BGMおよび主題歌『すばらしき新世界』は出来がよく、高評価を得ている。 -作曲者は『[[イース>イースI/II]]』や『[[アクトレイザー]]』『[[世界樹の迷宮]]』で知られるゲームミュージック界の重鎮・古代祐三。 -OPアニメも素晴らしく、各作品のキャラが主題歌に合わせて暴れまわっているその様子は一見の価値あり。クロスオーバーもののOPとしては屈指の出来栄えである。 //-ちなみにOPはのちに『天元突破グレンラガン』を生み出す今石洋之が監督を務めている。 #region(OP) &u2b(http://www.youtube.com/watch?v=ZRCm2L-Gn5Q) #endregion &bold(){格闘ゲームに似たアクション戦闘} -自軍キャラが敵に攻撃を仕掛けた際には、先にも述べた通り、数々の技をリアルタイムで繰り出して、コンボを狙う事になる。 --各キャラの持つ各技は、単純なダメージ量のみならず、ヒット数、攻撃の隙、ふっ飛ばし性能など、格闘ゲームなみに多彩で細かな設定がなされている。 ---原作が格闘ゲームやアクションゲームであるキャラは、その技が再現されている。 -敵は棒立ちでこちらから一方的に攻撃するだけなので格闘ゲームのような駆け引きはないが、「いかにコンボを繋げて最大ダメージを叩き出すか」という課題が立ち現れる。これに挑む事が本作の大きな楽しさである。 --そして一定のコンボ数を達成したプレイヤーには、ダメージ増加、攻撃回数増加、レアアイテム獲得、等のご褒美がもたらされるという仕組みになっている。 -HP一定数減少で撤退するボスキャラのHPをギリギリまで削っておきたい場合、適度にダメージを与えてから攻撃をストップして戦闘を強制終了させればよいため、ターン制の同ジャンルよりはHP調整が楽という長所もある --ただし、その仕様やHP減少系スキルの存在もあるため、基本的にボスのHP最大値は多く、撤退するHP条件値も味方側のダメージ性能に対してかなりの余裕をもって設定されている。~ 更に中盤から終盤にかけて、状態異常攻撃やスキル効果を無効にするスキルを持つようになるボスも多くなってくるため、いざ狙おうとなると入念な下準備が必要になる。 ほぼ全てがアクション系のゲームジャンルである原作作品群の魅力を活かすには最適のシステムと言えるだろう。 #co{ ***多彩なスキルが飛び交う戦場 -本作ではキャラたちが千差万別さまざまなスキルを持っており、MPを消費して使用する。このスキルの中に''「単体では大したことがないが、複数を組み合わせる事で恐るべき威力を発揮する」''ものがある。 --たとえばアーマーキングというキャラは「指定した味方のAPを10にした上で自分のターンのすぐ後に行動させる」スキルと「敵にダメージを与えるたびに自分のMPが回復する」スキルを持っている。彼はどんな戦い方をすべきだろうか。 --最適解は「自分に再行動スキルをかける」→「敵を殴る」→「味方のうちの最強キャラに再行動スキルをかける」→「また敵を殴る」である((ただし、その再行動スキルは単純にAPを10にするだけのものと違い、味方1人につき1フェイズに1回までの制限付なので、1フェイズ内で同じキャラを無限ループさせることは不可能))。その過程でMPに余りが生じたら、他の戦闘補助スキルを使えばいい。これを行うと自軍の総合的な戦闘能力は目に見えて向上する。 ---これはあくまで一例に過ぎない。他にもスキルを活かした色々な戦法が存在する。 } &bold(){誰もが役に立てる役割分担制} -本作の戦闘は、先述のようにやや複雑なシステムをとっていた。このため「攻撃力は高いが使いこなすにはテクニックを要するキャラ」と「同じボタンを連打するだけで安定したダメージを出せるキャラ」などが存在する事になった。 --加えて、本作では各キャラが千差万別さまざまなスキルを持っている。これによりさらなる個性が生まれ、「攻撃力が平均未満であっても、個性的なスキルを活かしたサポートが可能なキャラ」「敵からのレアアイテムの入手確率が通常より高いキャラ」「極端に移動力が高くてマップ上に点在するアイテムの回収に向いたキャラ」なども生まれた。 ---これにより、単なる「強い弱い」とは一味違った、キャラごとの強い個性を生み出した。メインで使用するキャラを変えるだけで、全く違ったゲーム性が楽しめる。 ---- **賛否両論点 -基本的に、味方キャラの性能が敵に比べ圧倒的に高い。 --「戦闘面のテンポの悪さゆえに強キャラをつっこませてさっさと終わらせる」となりがちで戦略性は低い。~ キャラゲーとしては難易度がこれくらいの方が気楽に楽しめるとも言えるが、物足りない人には物足りない。「スキルを使って自キャラに効率よく順番をまわし、味方側の高い火力で敵を一方的に蹂躙していく」というのが本作独自の戦略スタイルともいえるが、純粋なシミュレーションとしてみるとやはり大味である。 --他のSRPG同様「既定ターン以内に指定のボスを倒せない」「特定の味方キャラが倒れる」「指定の陣地内に踏み込まれる」といった敗北条件が存在するが、味方側の性能が強いこともあり、普通にプレイしている限りではまずゲームオーバーになることはないだろう。 -加入時期が遅い仲間キャラ --おおよそのキャラは中盤までに揃うものの、かなりの終盤になるまで加入しない仲間キャラも存在する。一番最後の仲間は残り11話で加入する。 ---シナリオ上それが自然なキャラではあるが、好きなキャラの活躍機会が少ないというのはやはり不満点になるだろう。特に最後の最後に仲間になるキャラは原作人気も高いキャラである。 -マップ毎にキャラクターの入れ替わりが激しい --「部隊分割」も頻繁に発生する為、すべてのキャラを万遍なく育てるプレイスタイルが強制される。 ---色々なキャラを使える楽しみはあるが、純粋なSRPGとしてみると戦略自由度の低さに繋がっている。 --また仲間が全員揃った状態で好きなユニットを出撃させることのできる話は最終2話のみ。 -主人公の行動選択の意味が薄い --作中でチーム分けをする際、主人公がどのチームと共に行動するかの選択肢が出たりするのだが、どの選択肢を選んでも主人公がいるかどうか(とそれに伴う敵のセリフ)が変化するだけで、主人公のいないチームのマップも攻略する必要がある。((一部、主人公の有無によって、主人公のライバルキャラが出現するマップが変わるステージもあるので全く変化なしというわけではないが。)) ---これについては「面倒だ」「選択の意味が薄い」という意見と「周回プレイをしなくても全てのマップを体験できる」という意見があり、賛否両論である。 ---- **問題点 &bold(){冗長なゲーム展開} -戦闘面のテンポが非常に悪い。 --ターン制の概念がなく敵味方共にコマンド入力によるアクション性を伴った戦闘システムである都合で戦闘シーンそのものをスキップできないため、1回あたりの敵との攻防のやり取りに非常に時間がかかるのが大きな要因である。 --こちらから敵に攻撃を仕掛けるのであれば、多彩な攻撃を駆使してコンボを繋げボーナスを狙っていく楽しみがあるものの、効率よくボーナスを稼ぐことを意識すると作業的になりがち。 --防御戦闘に至っては、ただでさえ敵の攻撃を一方的に受け続けなくてはならない上、防御コマンドを入力しなくてはならないため、煩わしさが特に大きい。~ 行動順で先手を取っている敵が多い場合、一方的に防御に徹し続ける羽目になり、増援回数の多さも相まって非常にテンポが悪くなってしまう。 ---防御コマンド自体はダメージ値に影響するものではないので放置したくなるところだが、防御行動の選択で減少したAPを防御エクストラで補わないと不利になってしまうので、結局やらざるを得ない。 --防御戦闘のみ、戦闘回避で短縮が可能であるが、ダメージは必ず受ける(クリティカルヒットを受ける可能性も高い)上、APと必殺値を消費するため、回避に徹すると行動順に悪影響が出て却って不利になる。AP、必殺値いずれかが尽きた場合、回避行動すら取れなくなる。~ 面倒でも防御戦闘をまめに実行し、AP支援系スキルを駆使して積極的に味方に行動順を回さないと却って効率が悪くなってしまう --カウンターやMA攻撃時の演出がスキップできない。 -1ステージ辺りの敵増援回数が多い。 --これもテンポ悪化の大きな原因で、増援の度に敵味方の行動順に変動が生じるためクリアにかかる時間が余計に伸びてしまう。 -経験値稼ぎのための全滅プレイもできることはできるが、既出の通り1ステージの攻略に時間を食うのであまり現実的ではない。 -シナリオ進行に伴ってマンネリ感の増す戦闘展開 --シナリオの骨子として取り上げられている原作作品が限られているためか、同じボスキャラがしつこく襲撃してくる展開が繰り返されるため、マンネリになりがち。ボスキャラと完全に決着を着ける終盤になるまではこの流れが非常に顕著。 --大まかな流れとしては、「味方キャラ達がステージに立つ」→「敵が出てくる」→「その敵と戦っているうちにボスキャラを含めた敵、もしくは別の味方キャラの増援」→「ボスキャラのHPをゼロにする、もしくはゼロ近くにまで減らすとそのボスキャラが捨てセリフを吐いて逃亡」→「残ったザコ敵を全滅させてステージクリア」という感じである((主人公の零児との因縁の敵キャラである沙夜が出てくるステージだと、こういう流れが非常に多い。))。 ---毎回のステージでこうした流れが何度も繰り返された挙句、自軍キャラがウンザリして「またかよ」的なニュアンスのセリフを頻繁に吐くようになる。 ---オリジナル敵組織の逢魔は首領に当たるキャラクターが存在せず、幹部格のキャラも実質的に沙夜1人((仲間キャラに当たる毒牛頭、毒馬頭は中ボス格ながらセリフが一切ない、名有りのモブ敵兵扱い。))だけであるため、彼女がシナリオに関わってくる局面では余計にマンネリ感が感じられやすい。((このことは森羅にも言えることなのだが、そちらも含めて後続の作品でネタにされている。)) &bold(){シナリオ面の問題} -あちこちの世界への転移を繰り返すのでストーリーの展開が掴み難い。 --転移を繰り返すこと自体はシナリオの都合であるものの、「転移に巻き込まれる」という受身の展開が終始続いていく(先導役のNPCの助言に従って転移してもらって目的地に向かうという展開もあるにはあるが)ため、右往左往させられているという印象がぬぐえない。その展開自体にもシナリオ上の意味があるので仕方なくはあるのだが。 --また、中盤から終盤にかけて『キーアイテムの争奪戦が発生→敵をかいくぐりようやく手に入れたと思ったらそれが転移してどこかへ消失』という展開がしつこいくらいに繰り返される。 -『企業間のクロスオーバー』は、実はかなり少ない。 --シナリオ面ではほとんどはカプコンはカプコン、ナムコはナムコ内で話が完結してしまっており、別企業のキャラや組織に関しては『住む世界が同じで顔見知り』『ごく一時的に手を組む』程度の関係である場合が多い。 --前述のペアユニットにおいても、大半が原作が同じメーカーのキャラ同士で組まれており、別企業のキャラ同士で組まれたのは「キング&フェリシア」のみ。MA攻撃においても別企業のキャラ同士で発動する組み合わせは2つ((「ギル&カイ+アーサー」「キング&フェリシア+アーマーキング」のみ。))しかない。 ---正義のヒーローであるキャプテンコマンドーやベラボーマンなど、世界観やキャラクター設定上、共通点のあるキャラは多いだけにもったいない。 -うやむやなまま放置されてしまう設定や、シナリオ上の扱いが中途半端なキャラの存在 --該当のキャラはベラボーマン&ワンダーモモで、「ドルアーガの復活を果たすための贄として狙われているモモの身を守ること」が戦いの動機づけの1つになっているのだが、序盤こそ何度かその設定に言及されるものの、話が進むに連れて表に出てこなくなり、狙っていた当の本人にすら言及されないまま、あっさりドルアーガは復活してしまう。(復活できたことの理由付けも特にない)~ その後はもう1つの目的である「洗脳されて手駒にされた同僚のアマゾーナを救う」にシフトするものの、ドルアーガ本人は彼女の存在に目もくれない。 ---後に倒したはずのドルアーガがシナリオ上2度復活し、その回の戦闘にこの2人が参加する機会自体はあるが、会話を交わすことすらない。~ 因縁の相手だというのにテキスト上の絡みも全編通じて皆無である。 --また、ドルアーガとの戦いも、元のライバルキャラであるギルガメス&カイのお株を奪わないようにするためか、敵の本陣であるドルアーガの塔の中に入ることなく戦いを両者に任せてしまう。 --クロノアは『ヒーローズ』準拠で終始相棒ガンツの仇討ちが主軸となっているため、彼自身は目立った活躍を見せられていない。原作ではヒロインのロロが敵にさらわれる展開もあったのだがシナリオには未採用である。 -描写や扱いがいまいちな一部のサブキャラ --『[[ワンダーモモ]]』のライバルキャラクターであるアマゾーナは、原作でモモと同じ舞台劇に出演している相手役という設定なのだが、モモと異なり原作では本名などの細かいプロフィール設定が存在していない。そのためなのか、ナムカプ本編では、モモ本人はおろか、味方側の誰からも「アマゾーナ(役名)」としか呼ばれないという、不自然な扱われ方になっている。 --『超絶倫人ベラボーマン』のラスボス爆田博士はベラボーマンに敗北したのち、アンドロイド開発の腕を買われて三島財閥に拾われたという設定だが、完全なNPCであるため、部下のブラックベラボーとわや姫にベラボーマンとのやり取りを完全に任せたまま自身は先頭の矢面に立つことはない。その上、会話シーンでの出番がシナリオ再序盤の1度しかないというチョイ役程度の扱いである。 -次回作があるともないとも取れる煮え切らない終わり方を迎えるエンディング。 --全体的な傾向としてカプコンキャラはさらなる戦いを予感させる結末が多く、ナムコキャラは一応の決着をつける結末が多い。 --『ヴァンパイアセイヴァー』のジェダの帰還や、『バイオハザード』のTウィルス((作中では「あのウイルス」と言われる))の行方、『ロックマンDASH』のロックの出生の秘密など、むしろ続編のために故意にネタを使い残しているような印象もあるのだが・・・。 ---余談にあるように、本作のシステムとナムコとカプコンのキャラが共演という点、そして本作の主人公をゲスト出演という形で引き継いだ完全新作『[[PROJECT X ZONE]]』が本作と同じ開発元の制作によりリリースされており、そちらの続編である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に渡って本作の続編を意識した脚本構成になっている。 更に本作からの続投キャラも多くナムカプからの流れでストーリーが進み決着がついた作品もあるにはあるが、参戦作品自体が大幅に入れ替わっていることもあり、本作限りで決着がつかないまま終わった作品(PXZシリーズにも再登場していない作品)も多い。 &bold(){キャラ間バランスの悪さ} -一部のキャラの攻撃力およびスキル構成が、明らかに他者より優遇されている。 --中でもKOS-MOSはあまりにも強すぎる。極論でもなんでもなく、彼女1人だけでマップ上の全ての敵を当たり前のように殲滅できる。この場合KOS-MOS以外のキャラは、彼女が攻撃する機会を増やしてやったり、マップ上に点在したアイテムを回収するといった行為のために存在する、完全なサポート役と化す。 --彼女の抱える問題点としては、KOS-MOSの唯一の欠点である速度の低さのために、ステージ開始時など敵味方全員のAPが10である際は行動順がほぼ最後となってしまう点があげられる。味方のAPを増やす手段が少ない序盤では特に、彼女が動き出す番はどうしても遅くなってしまう(敵から攻撃を受け防御戦闘を行うことでAPを11以上にすれば優先的に行動できるが)。しかし、AP回復手段が増える中盤以降は他のキャラからAP回復スキルを使ってもらうことで、比較的自由に行動順に割り込めるようになってしまうため、その弱点もほぼ完全に解消されてしまう。 //「速度」は初期AP値ではなく、同時にAP10になった際の行動順なので、そのような記述に書き換えました。 --そして、彼女は最終的に他者からのサポートなしに確実に2回行動が可能なスキル構成となる。己のAPを回復させるスキル(コマンド)と、攻撃するたびに己のMPが回復するスキル(特性)。この2つを併せ持つことにより「1ターンに1度、自分の行動回数を+1する」という行為を毎ターン実行し、それでいて使用した分のMPはそのターンのうちに補充されるのだ((しかしまるで皮肉のごとく、彼女のAP回復スキルの対象は彼女自身限定である。))。このスキル構成により「永久機関」というあだ名で呼ばれることもあった。さらにそれに加えて、己を強化・回復するスキルと敵を弱体化させるスキルまで持っている。 //「永久機関」のあだ名は「AP回復」と「MP回復」の両方を一人で持っていることが由来です。そのことがわかるような文章に書き換えました。 --これらの強スキルを持っているだけに飽き足らず、攻撃・防御・技術といったステータスも全ユニット中最高クラス。ステージを縦横無尽に駆け回ることもできる、全ユニット中最高クラスの移動力まで持っている。さらに隣接キャラの代わりに攻撃を受けられる「かばう」さえ持っている。 ---また、KOS-MOSは敵の攻撃を楽に耐えきれるだけの防御力が備わっているため、敵陣に放り込んでひたすら防御に徹してAPを稼げば楽に無双できる。(防御戦闘に時間がかかるというデメリットはもちろんあるが)~ いくら開発元の看板キャラとはいえ、さすがに贔屓し過ぎの感が否めない。 --彼女の他には、お手軽に攻撃回数を増やす事ができる上にスキルも強力な凱&翔とクリノ・サンドラ&サビーヌの攻撃性能が抜きん出ており、戦闘1回あたりの総ダメージ量ならKOS-MOSを上回る。これら3つのユニットをあわせて「邪神・武神・緑神」の三神ユニットなどと渾名されており、バランスブレイカーとされている。((「邪神」の名は『ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸』の限定版に付属したKOS-MOSフィギュアの造形の不気味さから名付けられた通称「邪神モッコス」に由来し(同項目を参照)、「武神」はガイ&ショウの流派である「武神流忍術」から来ている。「緑神」は前記2つの「神」になぞらえてクリノの緑色から名付けられた。)) -逆に使いにくいユニットとしては、移動力も火力も低い((正確には『鈍足だが単発攻撃力が高い』キャラ。ただし、本作ではコンボの繋げにくさとヒット数の少なさが最終ダメージに大きく響く。))ためどうにもならない御剣平四郎、登場が遅い上に防御が最下位のマイク・ハガー等が上げられる。他の弱ユニットは、アイテム回収役やスキルによるサポート役として活躍してくれるが、彼らはそれにさえ向いていない。 --上述の通り本作の難易度は非常に低いため、アイテム等のフォローがあればこれらの弱いユニットに戦っても余裕でクリア出来るレベルで攻略の難度自体も案外あまり変わらないが、強ユニットを使うのに比べれば攻略にかかる時間は雲泥の差となってしまう。 &bold(){エリアルシステムの問題点} -大きな魅力であるはずのエリアルシステムが、非常に解りにくい。理解できるようになるまでは、それなりの試行錯誤や検証などが必要になる。 --実はコンボで最も効率が良いのは「可能な限りコンボを繋げる」事ではなく、「攻撃回数増加までコンボを繋げてから、わざと途切れさせる」事。(ゲーム内でも説明書でもこれに関する説明は一切存在しないため、気付かないプレイヤーはいつまでも気づかない) ---これにより、「長く難しいコンボを繋げる」楽しみはほぼ自己満足になってしまう。 -各ユニットが持つ技の性能に差がありすぎ、『複雑なコンボを決めるより特定の技を連発している方が良い』と言うキャラも少なくない。 --特に顕著なのは凱&翔。最も強力なコンボは「方向キー下を押し続けながら適当に○ボタン2回%%スモークボム!ホアァァァァァァ!!%%」「敵が下に落ちたらもう1度%%ホアァァァァァァ!!%%○ボタン2回」と言うのを延々繰り返すだけ。完全な作業である。 ---ただし全てのユニットがそうと言う訳ではなく、相手の重量や状況に応じて技を選んだり、シビアなタイミングでコンボを決めなければならないキャラも多く存在する。こういったキャラならば、エリアルシステムの魅力を存分に楽しめる。 //凱&翔の最適手が指一本の単純作業なのは、彼らの特徴・長所であり本作の欠点ではない。また「そうじゃないキャラもちゃんといる」というフォローは、すでに長所のところに書いてある内容と重複する。 //凱&翔だけじゃなく、「エリアルを繋げる魅力が無い」キャラはかなり多い。スモークボムが最も顕著なだけで、何も考えず2つか3つの技をテキトーなタイミングで押してりゃオッケー、ってキャラは正直かなり多い。あと、1人であっても「コンボ繋ぐのがつまらん強キャラがいる」と言うのはキャラの長所ではなく立派なゲームの短所だろう。 &bold(){その他} -MA攻撃の威力が低く、使いづらい。 --スパロボシリーズで言うところのMAP兵器((攻撃範囲内にいる複数の敵をまとめて攻撃する兵器のこと。))に相当するものだが、MP50という燃費の割に、攻撃できる対象が最大で3体までと少ない上にLVを上げても威力が全く上昇しないため、シナリオ後半あたりでは無用の長物と化してしまう。 ---長所は敵の必殺値を上昇させないことと、HPを削ったザコをまとめて始末するのに便利であることくらいだが、威力が壊滅的に低いので、その長所が生かせる場面は少ない。 --また、敵側にはMA攻撃が存在しないため、うっかり敵陣に突っ込んで敵ターンで全体攻撃による返り討ちに合うといったようなこともないので、混戦時の緊張感もない。 -ソフトリセットコマンドが未搭載。 --一応、次の味方の行動時に、中断コマンドを入力→「セーブしますか?」に「いいえ」を入力→「タイトルに戻りますか?」に「はい」を入力、という手順を踏むことで、ソフトリセットに似たことはできる。 ---行動順が状況によって変わるため敵の行動が延々と続く場合はリセットボタンを押す方が速いが、タイトル画面に戻るまで時間がかかってしまうのが欠点。 -原作BGMの扱い --ペアユニットの内、出典が同じだが個別にテーマ曲が存在するキャラクター((格闘ゲーム出身で個別のホームステージが存在する「モリガン&リリス」「春麗&キャミィ」が該当))や、別ゲーム同士のキャラクターが組んだユニット((「キング&フェリシア」「凱&翔」「タキ&わや姫」「ベラボーマン&ワンダーモモ」「平景清&たろすけ」が該当))の場合、ユニット名の先頭に来ているキャラクターの出典のBGMがユニット固有のBGMと扱われて((「トビ・マスヨ&天現寺ひろみ」は、マスヨの出典であるバラデューク本編でメロディ主体のBGMが存在しなかったため例外となっている。))おり、ユニット名の後ろに来ているキャラクターの関連BGMは戦闘BGMとしては流れない。((キャプテンコマンドーの翔は、同作出身者が二人おりなおかつどちらも原曲が戦闘BGMになっているので曲そのものは聞けるが、別ゲーのキャラとのペアなので自分のターンでは流れない。)) ---該当の場合でもイベント専用のBGMとして原曲のアレンジが流れるキャラもいるがごく一部のキャラのみであり関連BGMが全くあてがわれていないキャラも多く、一部のソロユニットにも該当するキャラがいる((該当するのは『ストリートファイター』シリーズのローズで、同作出身のソロユニット中、唯一自ステージのBGMが使用されていない。(なぜか『春日野さくら&神月かりん』の行動時に流れる「STAGE SAKURA」で代用されている)))。戦闘BGMとイベントBGM両方に原曲が採用されているキャラがいることもあり、扱い的に微妙な格差が生じている。~ 些細な点ではあるが、お祭りゲーだけにやはり気になるところなのは確かで、「戦闘中のBGMについてはパーティメンバー全員分用意して、自由に切り替えられるようにしてほしかった」という声もある。~ 「ベラボーマン」のわや姫の忍者屋敷ステージBGMなど、公式なテーマ曲ではないがテーマ曲として扱える曲が存在するキャラクターも少なくないのでもったいない。 -一部、原作設定と矛盾のあるキャラクターが存在する。 --ただしクロスオーバーものではつきものの点であり、他作品とのすり合わせやシナリオ内容も考慮すれば仕方なくはある。上述の通り、改悪レベルの改変は皆無である。 ---- **総評 キャラクターたちの掛け合いや、隅々に至るまでに充実した原作由来の小ネタなど、原作ファンを意識したサービスに溢れており、それぞれのキャラにそれなりの見せ場も用意されている。原作ファンにはたまらない要素も多々含まれており、クロスオーバーゲームにありがちなキャラ崩壊、改悪などもほとんどなく、とにかくキャラクターを動かしていて楽しい、お祭りゲーとしてのクオリティは十分に保たれている。 一方、純粋なSRPGとしてみた場合、肝心のゲームシステム面、戦闘システム面では練りきれていない面や調整が足りない部分も散見し、詰めの甘い点が多い。キャラゲーとして楽しみたいにしても、キャラクター育成の自由度の低さやひとつのシナリオの攻略に多大な時間を必要とする戦闘システムやシナリオ周りの詰めの甘さからくる単調さがネックとなってしまい、中途半端になっている感が否めない。 とはいえ、企業を越えたクロスオーバーという事例だけで話題となり易かった当時の時代に、その期待に応えるだけのキャラゲー要素を詰め込んだ作品としては十分な評価を得ている。 ---- **余談 -本作の主人公・有栖零児と小牟は、さらに別会社のSRPG『[[スーパーロボット大戦IMPACT]]』に登場した主人公キャラのキョウスケ・ナンブとエクセレン・ブロウニングに造形や性格設定が酷似している。 --本作の企画者がこの『IMPACT』((厳密にはその前身の『COMPACT2』))の企画者と同一人物なので、まあうなずける話ではある。 -『[[無限のフロンティア>無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ]]』シリーズ及び『[[PROJECT X ZONE]]』シリーズに有栖零児と小牟もゲスト参戦している。 --またストーリーや会話のノリ、サブタイトルのセンスも、全体的に近いものがある。 --『無限のフロンティア』シリーズはRPGだが、本作のアクション戦闘をより発展させた上で継承している。ゲームジャンルの垣根を越えて戦闘システムが継承されたという珍しい例であり、本作の戦闘システムが好評だった事がうかがえる。 --『PROJECT X ZONE』ではあくまで参戦作品の1つという扱いだったのだが、続編である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』では零児と小牟が主人公を務めている。ナムカプの事件の後日談がストーリーの中心に据えられた他、BGMもナムカプから10曲以上が採用される等、事実上のナムカプ2と呼んで差支えの無い内容となっている。 -『[[勇現会社ブレイブカンパニー]]』にも小牟がゲスト出演。 -ディグダグの主人公ホリ・タイゾウは、今作では姿に大幅なアレンジを加えられて参加しており、ものすごいイケメン(というかシブメン)となっている。 --ホリ・タイゾウ=ディグダグの主人公、トビ・マスヨ=バラデュークの主人公という図式は『ミスタードリラー』における後付け設定であり、後付け設定をシナリオ上にうまく組み込む形でアレンジされている。 ---ドリラーの後付け設定上では『2人の間に生まれたのがドリラーの主人公『ホリ・ススム』であるとされている(時系列上、ナムカプ本編では結婚前として描かれている) --また、本作ではマスヨとコンビを組んでいる『[[バーニングフォース]]』の主人公、天現寺ひろみだが、原作作品にUGSFの世界観とに繋がりを持たせた設定は本作が初。その後、本作を機に正式にUGSF系列の作品として組み込まれるようになった。 -島津英雄役の声優・水鳥鐵夫氏が2010年7月に逝去。本作がゲームにおける最後の出演作になった。 ----
//「[[判定不一致修正依頼>https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8392.html#id_8c26f66a]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 //---- //企業を越えてクロスオーバーするというだけでお祭り騒ぎになる時代(他は格ゲーでカプエスが大きく話題になってたくらい)にその需要に十分こたえた事での良作判定だし、実質的にシリーズ一作目(戦闘システムはムゲフロとかPXZに続いてる)がシステムに荒があるのはよくある事だから不一致って程の話じゃない。総評は多少変えた。 *NAMCO×CAPCOM 【なむこ くろす かぷこん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0009PLCMQ)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|モノリスソフト|~| |発売日|2005年5月26日|~| |価格|7,140円|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2006年6月8日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''&BR''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンの許諾を受けてナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)が発売したシミュレーションRPG。~ ナムコやカプコンの新旧の人気キャラクター200以上が登場する両社のクロスオーバー作品である。~ 開発は『ゼノサーガ』シリーズで知られるモノリスソフトが担当。~ スーパーロボット大戦シリーズのシナリオを担当した森住惣一郎がディレクションを務めており、オリジナル主人公を立てつつ有名作品からのゲストが大きな位置を占める点が同シリーズと共通している。~ 一方で、参戦キャラクターがすべて等身大の人間キャラクターであるという点や、ターンの概念の排除やコマンド入力によるアクション性の伴った戦闘システムにより差別化されていることが大きな特徴となっている。 ---- **参戦作品 参戦作は80年代頃の古い作品から、現在まで続いている作品まで様々で、本作独自の設定付けや世界観の味付けがなされているものもある。 #region(参戦作品・操作キャラ一覧) |>|BGCOLOR(#cccccc):''オリジナル''| |NAMCO X CAPCOM|有栖零児&br()小牟| |>|BGCOLOR(#cccccc):''ナムコ''| |[[クロノア>風のクロノアシリーズ]]ヒーローズ|クロノア&br()ガンツ| |[[源平討魔伝]]((時系列はAC版終了後であり、続編の敵も登場するため実質的には「巻之弐」がベースとなっている))|平景清| |[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]|KOS-MOS&br()シオン・ウヅキ&br()M.O.M.O.| |[[ソウルキャリバーII]]|御剣平四郎&br()タキ| |[[超絶倫人ベラボーマン]]|ベラボーマン&br()わや姫| |[[ディグダグ]]|ホリ・タイゾウ| |[[テイルズ オブ デスティニー]]/[[2>テイルズ オブ デスティニー2]]|スタン・エルロン&br()ルーティ・カトレット&br()ジューダス| |[[鉄拳シリーズ]]|三島平八&br()キング&br()アーマーキング&br()風間仁| |[[ドルアーガの塔]]/[[イシターの復活]]|ギルガメス&br()カイ| |[[バーニングフォース]]|天現寺ひろみ| |[[バラデューク]]|トビ・マスヨ| |[[ワルキューレの伝説]]/[[冒険>ワルキューレの冒険 時の鍵伝説]]|ワルキューレ&br()クリノ・サンドラ&br()サビーヌ| |[[ワンダーモモ]]|ワンダーモモ| |[[妖怪道中記]]|たろすけ| |>|BGCOLOR(#cccccc):''カプコン''| |[[ヴァンパイアシリーズ>ヴァンパイアハンター]]|デミトリ・マキシモフ&br()モリガン・アーンスランド&br()フェリシア&br()レイレイ&br()リリス| |ガンサバイバー4 バイオハザード HEROES NEVER DIE|ブルース・マッギャヴァン&br()鳳鈴| |[[キャプテンコマンドー]]|キャプテンコマンドー&br()フーバー&br()ジェネティー&br()翔| |[[ストライダー飛竜]]|飛竜| |[[ストリートファイターシリーズ]]|リュウ&br()ケン・マスターズ&br()春麗&br()キャミィ&br()春日野さくら&br()神月かりん&br()ローズ| |[[ディノクライシス]]|レジーナ| |[[ファイナルファイト]]|マイク・ハガー&br()凱| |[[魔界村シリーズ]]|アーサー| |[[燃えろ!ジャスティス学園]]|島津英雄&br()水無月響子| |ロストワールド|名無しの超戦士1P&br()名無しの超戦士2P&br()シルフィー| |[[ロックマンDASHシリーズ>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]|ロック・ヴォルナット&br()ロール・キャスケット&br()トロン・ボーン&br()コブン| #endregion 操作キャラ以外にも、様々なキャラが上記作品から敵やNPCとして登場する。~ 他にも両社のゲームやエレメカ等からアイテムが登場している他、固有名詞がアイテム名として多数引用されている。 ---- **システム シミュレーションゲームとしてのインターフェイスは、ディレクターの森住惣一郎氏が関わっていた『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』に酷似しているが、根本面では大きく異なる戦闘システムが採用されている。 &bold(){行動}~ -行動は従来のSRPGに見られるターン制ではなくAP(アクティブポイント)制。 --APは各種行動を取るのに必要なポイントでフェイズ経過毎に1ずつ加算されていき、敵味方含めて10に達した時点で行動可能になる。 ---数値上、APは10が上限で、先に10に到達した順に行動が回ってくる。10に到達したユニットが複数いた場合、速度値が早い順から行動が開始される。 --「移動→待機orオブジェクト破壊((画面上の障害物やアイテムキャリアーを壊す))((「移動して待機」「移動してオブジェクト破壊」の場合、「移動」の分と「待機」及び「オブジェクト破壊」の分の必要APが上乗せの上で消費される))」「攻撃」「防御」のいずれかの行動をとることで消費され、フェイズ経過及び防御行動時のコマンド入力、特定のスキル使用で回復する。 --このシステムにより常に敵味方入り乱れての戦闘となり、自軍の行動をどうこなすかにより自軍キャラ1人1人の行動タイミングが常時変動する。 &bold(){戦闘}~ ''攻撃戦闘(BA攻撃)''~ -攻撃範囲内の敵を選択すると戦闘開始。 --戦闘方法は方向キーの上下左右と○ボタンの組み合わせによって変化する攻撃を使い分けて戦う。攻撃回数の数だけ攻撃出る。攻撃すると必殺値が増え、100に達するとそれを全て消費して必殺技を使用できる。 --空中に浮かせた敵に続けてヒットさせると「AERIAL HIT」表示がされ、ヒット数とユニットごとに設定されたタイプにより与えるダメージや攻撃回数、獲得アイテム等のボーナスを得る。 --その他にも、すべての通常技で攻撃するとHPかMPのどちらかが回復する「攻撃エクストラ」。宙に浮いたキャラが地面に落ちるギリギリでヒットさせると発生する「クリティカル」などがある。 ''防御戦闘''~ 防御時は「ノーガード」「通常防御」「攻撃回避」、特定ユニット固有の「カウンタースキル」のいずれかを選択する。 -&bold(){ノーガード} --受けるダメージをそのまま全て受けることになり気絶値の上昇が大きいが、必殺値の上昇も大きい。 -&bold(){「通常防御」} --APを1消費。ダメージを通常の1/2に抑えることができ気絶値の上昇も抑えられる。反面、必殺値の上昇率も半減する。 -&bold(){「攻撃回避」} --APと必殺値を消費することで防御戦闘を回避できる。敵の追撃によりダメージは必ず受け、クリティカルダメージが発生する確率も高いが毒の攻撃を受けない、相手の必殺ゲージが増えないというメリットもある。 -&bold(){カウンタースキル} --APと必殺値を消費。ダメージを0にする「回避」「完全防御」、ダメージ0の後に反撃する「回避カウンター」「完全防御カウンター」、小ダメージのあと反撃する「防御カウンター」がある。 -この他、隣接する味方ユニットが「かばう」能力を持っていれば、AP1を消費して代わりに防御させる事ができ、ダメージが通常の1/4となる。 --「ノーガード」「通常防御」「かばう」では攻撃を受ける際に表示されるキーの方向をタイミングよく押すことで、成功率により防御エクストラが発生しAPが上昇する。これによりAPが10を超えた場合はすぐに行動可能となる。防御エクストラの成功の可否自体はダメージの増減には影響しない。 &bold(){ソロユニットとペアユニット} -本作の味方側ユニットは単独キャラからなる「ソロユニット」、2人1組からなる「ペアユニット」の2種類に分かれる。 --本作では通常のSRPG同様に、ソロ、ペアいずれも独立したユニットとして運用される。 --ソロユニットの中にはゲーム進行を経てペアユニットに変化するものも存在する(それに伴ってステータスや戦闘中に使用する攻撃技も変化する) --ペアユニットの場合、戦闘開始時のファーストアタックや、防御戦闘時の防御担当は予め決められている。 &bold(){その他} -初回プレイ時のみ、敵ターンにおける戦闘開始前のスタンバイ画面でスキルやアイテムを使用して予め備えることが可能。 --2周目以降はエキスパートモードに切り替わるため不可能になる。 ---- **評価点 &bold(){とにかくキャラ同士の絡みが多い} -敵にも味方にもそれぞれのキャラ独自の思惑や考えをもっており、会話の中でも様々な意見や会話が飛び交うので見ていて飽きない。 --サラリーマン魂全開で戦うベラボーマン、敵は問答無用で殺そうとする飛竜など一癖も二癖もあるキャラが一堂に会する、まさにお祭りゲームである。 --クロスオーバーの醍醐味であるが、特にファイナルファイトの登場人物である凱とキャプテンコマンドーの主役勢であるコマンドーチームは全く違和感無く溶け合っており、原作を知らない人は確実に凱=コマンドーチームの一人、と勘違いするだろう。 -主人公・有栖零児は持ち前の実直な性格と冷静なツッコミにより、極端な性格の曲者揃いのパーティを一人で見事にまとめてあげている。~ もう一人の主人公である小牟は、まとめ役を零児にすべて任せてプロレス・アニメ・ゲームのパロセリフを喋りまくっており、プレイヤーを驚愕させ爆笑させた。 --2人とも版権キャラを踏み台にするような行動・言動は一切なく、物語の牽引役はあくまで版権キャラたち。~ しかしきちんとストーリーに絡み、盛り上がる見せ場も完備している、とクロスオーバーもののお手本のような主人公である。ユーザー人気も高く、ナムコ(バンナム)のクロスオーバーゲームにおける主人公の代表格と目されているほど。 -クロスオーバーゲームの性質上、版権キャラクターのイメージや設定・担当声優が異なる場合はもちろんあるが、悪い意味で原作から逸脱した描写でイメージを損ねているようなことはほぼない。 &bold(){ネタ} -マニアックなネタ、原作ネタも多くちりばめられており、知っているとにやりとされられる。 --思考が壊れ始めたロックマン・ジュノを見て「イレギュラー」と呼ぶ『[[ロックマンDASH>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]』のロックや、「シルフィーの服」を買うとあのセリフをボイス付きで喋る『ロストワールド』のシルフィーなど例を挙げるときりがない。 --ユニットの攻撃技などにも『ストリートファイター』のリュウのカウンター「ブロッキング→昇龍拳」や、『ファイナルファイト』のマイク・ハガーの回復スキル「原始肉」など細かなネタが随所にちりばめられている。 --シルフィーは原作では武器ショップの店員という設定のサブキャラクターだが、本作では「お店の武器を活かして戦う」という設定となっている。更に技が全てカプコンのレトロゲームにちなんだマニアアックなネタ要素満載の仕様となっており、原作を知るものを爆笑させた。 ---超必殺技は『[[ポケットファイター]]』の目玉システム「フラッシュコンボ」でカプコンレトロゲーのヒロインに次々とコスプレしたり、カウンター技はどこから仕入れたのか[[ブロ>パワード ギア]][[ディア>サイバーボッツ フルメタルマッドネス]][[パンチ>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]をぶっ放す等、''突っ込みどころを探したらキリが無い''。~ また、「金に目がない守銭奴」という性格付けは本作独自の設定であり、ゲーム中で遺憾なく発揮される曲者ぶりもかなりの異彩を放っている。 --ベラボーマン&ワンダーモモのスキルは「ダンシング・ブービー」「[[すてきなオーダイン>オーダイン]]」など、当時リリースされていたサウンドトラックアルバム「ナムコゲームグラフィティ」シリーズに収録された、ナムコゲームのボーカルアレンジ版の曲名から引用されている。発動時のモモの「歌います!」等と合わせ、原作でアイドル設定だったことを取り入れた小ネタになっている。 --各話のサブタイトルにも何かしら作品に関係したものが使われている。原作作品内でのセリフや、作品のキャッチコピー、サブタイトル、主題歌のタイトルや歌詞など、出典は様々。 -その他、登場アイテムからMAP背景にいたるまで様々なネタが仕込まれている。 --実際の主役は『[[魔界村]]』『[[ストライダー飛竜]]』『[[ドルアーガの塔]]』『[[ワルキューレの伝説]]』といった80年代のレトロアーケードゲームのキャラ達。豪華声優陣がそのキャラ達を演じており、昔ながらのファンにも、原作を知らないファンにもウケる作り。 ---特にドルアーガはMAPタイトル、使用技、登場アイテムが鈴木直人氏が執筆したゲームブック3部作((日本製ゲームブックの最高傑作と誉れ高いが、ナムコ公式ではなく、あくまでも公認作品である))から取られている。 #co{ ***テンポは冗長だが良いバランス -基本的にどのキャラもそれなりに使っていけ、お気に入りのキャラを主力として進めていける。その中でも強いキャラ、使いやすいキャラは分かれてくるが。 --中でも与えたダメージによってMP回復が可能で、そのMPでHP回復・行動追加も可能な永久機関と化しているKOS-MOS、「ホアァァァァァ!!」の掛け声でスモークボムを連発し、楽に高ダメージを叩き出せる凱&翔、継続能力が高く毒の槍&キリモミとスキルの効果で最高ダメージが叩き出せるクリノ・サンドラ&サビーヌが三強とされ、ユーザー間で「邪神・武神・緑神」と通称されることになった。 --逆に使いにくいキャラとしては、移動力が低く攻撃が単発ヒットで攻撃回数の追加が難しい御剣、肉弾戦キャラでありながら防御力が全キャラ中ダントツで低いマイク・ハガーなどが挙げられるが、どちらも攻撃力は高くアイテムなどの装備により弱点も補えるレベルではある。 --キャラはレベル成長によって、多彩なスキルを獲得していく(プレイヤーが望みのスキルを選択する事はできず、あらかじめ定められたものを覚えていく)。この内容によっては、攻撃力は平均未満でもスキルによるサポート役として大成するキャラもいる。 } //どう考えてもバランスは悪い。むしろひどい。また、長所についてもほとんどが後の方の記述と重複。 &bold(){音楽} -BGMおよび主題歌『すばらしき新世界』は出来がよく、高評価を得ている。 -作曲者は『[[イース>イースI/II]]』や『[[アクトレイザー]]』『[[世界樹の迷宮]]』で知られるゲームミュージック界の重鎮・古代祐三。 -OPアニメも素晴らしく、各作品のキャラが主題歌に合わせて暴れまわっているその様子は一見の価値あり。クロスオーバーもののOPとしては屈指の出来栄えである。 //-ちなみにOPはのちに『天元突破グレンラガン』を生み出す今石洋之が監督を務めている。 #region(OP) &u2b(http://www.youtube.com/watch?v=ZRCm2L-Gn5Q) #endregion &bold(){格闘ゲームに似たアクション戦闘} -自軍キャラが敵に攻撃を仕掛けた際には、先にも述べた通り、数々の技をリアルタイムで繰り出して、コンボを狙う事になる。 --各キャラの持つ各技は、単純なダメージ量のみならず、ヒット数、攻撃の隙、ふっ飛ばし性能など、格闘ゲームなみに多彩で細かな設定がなされている。 ---原作が格闘ゲームやアクションゲームであるキャラは、その技が再現されている。 -敵は棒立ちでこちらから一方的に攻撃するだけなので格闘ゲームのような駆け引きはないが、「いかにコンボを繋げて最大ダメージを叩き出すか」という課題が立ち現れる。これに挑む事が本作の大きな楽しさである。 --そして一定のコンボ数を達成したプレイヤーには、ダメージ増加、攻撃回数増加、レアアイテム獲得、等のご褒美がもたらされるという仕組みになっている。 -HP一定数減少で撤退するボスキャラのHPをギリギリまで削っておきたい場合、適度にダメージを与えてから攻撃をストップして戦闘を強制終了させればよいため、ターン制の同ジャンルよりはHP調整が楽という長所もある --ただし、その仕様やHP減少系スキルの存在もあるため、基本的にボスのHP最大値は多く、撤退するHP条件値も味方側のダメージ性能に対してかなりの余裕をもって設定されている。~ 更に中盤から終盤にかけて、状態異常攻撃やスキル効果を無効にするスキルを持つようになるボスも多くなってくるため、いざ狙おうとなると入念な下準備が必要になる。 ほぼ全てがアクション系のゲームジャンルである原作作品群の魅力を活かすには最適のシステムと言えるだろう。 #co{ ***多彩なスキルが飛び交う戦場 -本作ではキャラたちが千差万別さまざまなスキルを持っており、MPを消費して使用する。このスキルの中に''「単体では大したことがないが、複数を組み合わせる事で恐るべき威力を発揮する」''ものがある。 --たとえばアーマーキングというキャラは「指定した味方のAPを10にした上で自分のターンのすぐ後に行動させる」スキルと「敵にダメージを与えるたびに自分のMPが回復する」スキルを持っている。彼はどんな戦い方をすべきだろうか。 --最適解は「自分に再行動スキルをかける」→「敵を殴る」→「味方のうちの最強キャラに再行動スキルをかける」→「また敵を殴る」である((ただし、その再行動スキルは単純にAPを10にするだけのものと違い、味方1人につき1フェイズに1回までの制限付なので、1フェイズ内で同じキャラを無限ループさせることは不可能))。その過程でMPに余りが生じたら、他の戦闘補助スキルを使えばいい。これを行うと自軍の総合的な戦闘能力は目に見えて向上する。 ---これはあくまで一例に過ぎない。他にもスキルを活かした色々な戦法が存在する。 } &bold(){誰もが役に立てる役割分担制} -本作の戦闘は、先述のようにやや複雑なシステムをとっていた。このため「攻撃力は高いが使いこなすにはテクニックを要するキャラ」と「同じボタンを連打するだけで安定したダメージを出せるキャラ」などが存在する事になった。 --加えて、本作では各キャラが千差万別さまざまなスキルを持っている。これによりさらなる個性が生まれ、「攻撃力が平均未満であっても、個性的なスキルを活かしたサポートが可能なキャラ」「敵からのレアアイテムの入手確率が通常より高いキャラ」「極端に移動力が高くてマップ上に点在するアイテムの回収に向いたキャラ」なども生まれた。 ---これにより、単なる「強い弱い」とは一味違った、キャラごとの強い個性を生み出した。メインで使用するキャラを変えるだけで、全く違ったゲーム性が楽しめる。 ---- **賛否両論点 -基本的に、味方キャラの性能が敵に比べ圧倒的に高い。 --「戦闘面のテンポの悪さゆえに強キャラをつっこませてさっさと終わらせる」となりがちで戦略性は低い。~ キャラゲーとしては難易度がこれくらいの方が気楽に楽しめるとも言えるが、物足りない人には物足りない。「スキルを使って自キャラに効率よく順番をまわし、味方側の高い火力で敵を一方的に蹂躙していく」というのが本作独自の戦略スタイルともいえるが、純粋なシミュレーションとしてみるとやはり大味である。 --他のSRPG同様「既定ターン以内に指定のボスを倒せない」「特定の味方キャラが倒れる」「指定の陣地内に踏み込まれる」といった敗北条件が存在するが、味方側の性能が強いこともあり、普通にプレイしている限りではまずゲームオーバーになることはないだろう。 -加入時期が遅い仲間キャラ --おおよそのキャラは中盤までに揃うものの、かなりの終盤になるまで加入しない仲間キャラも存在する。一番最後の仲間は残り11話で加入する。 ---シナリオ上それが自然なキャラではあるが、好きなキャラの活躍機会が少ないというのはやはり不満点になるだろう。特に最後の最後に仲間になるキャラは原作人気も高いキャラである。 -マップ毎にキャラクターの入れ替わりが激しい --「部隊分割」も頻繁に発生する為、すべてのキャラを万遍なく育てるプレイスタイルが強制される。 ---色々なキャラを使える楽しみはあるが、純粋なSRPGとしてみると戦略自由度の低さに繋がっている。 --また仲間が全員揃った状態で好きなユニットを出撃させることのできる話は最終2話のみ。 -主人公の行動選択の意味が薄い --作中でチーム分けをする際、主人公がどのチームと共に行動するかの選択肢が出たりするのだが、どの選択肢を選んでも主人公がいるかどうか(とそれに伴う敵のセリフ)が変化するだけで、主人公のいないチームのマップも攻略する必要がある。((一部、主人公の有無によって、主人公のライバルキャラが出現するマップが変わるステージもあるので全く変化なしというわけではないが。)) ---これについては「面倒だ」「選択の意味が薄い」という意見と「周回プレイをしなくても全てのマップを体験できる」という意見があり、賛否両論である。 ---- **問題点 &bold(){冗長なゲーム展開} -戦闘面のテンポが非常に悪い。 --ターン制の概念がなく敵味方共にコマンド入力によるアクション性を伴った戦闘システムである都合で戦闘シーンそのものをスキップできないため、1回あたりの敵との攻防のやり取りに非常に時間がかかるのが大きな要因である。 --こちらから敵に攻撃を仕掛けるのであれば、多彩な攻撃を駆使してコンボを繋げボーナスを狙っていく楽しみがあるものの、効率よくボーナスを稼ぐことを意識すると作業的になりがち。 --防御戦闘に至っては、ただでさえ敵の攻撃を一方的に受け続けなくてはならない上、防御コマンドを入力しなくてはならないため、煩わしさが特に大きい。~ 行動順で先手を取っている敵が多い場合、一方的に防御に徹し続ける羽目になり、増援回数の多さも相まって非常にテンポが悪くなってしまう。 ---防御コマンド自体はダメージ値に影響するものではないので放置したくなるところだが、防御行動の選択で減少したAPを防御エクストラで補わないと不利になってしまうので、結局やらざるを得ない。 --防御戦闘のみ、戦闘回避で短縮が可能であるが、ダメージは必ず受ける(クリティカルヒットを受ける可能性も高い)上、APと必殺値を消費するため、回避に徹すると行動順に悪影響が出て却って不利になる。AP、必殺値いずれかが尽きた場合、回避行動すら取れなくなる。~ 面倒でも防御戦闘をまめに実行し、AP支援系スキルを駆使して積極的に味方に行動順を回さないと却って効率が悪くなってしまう --カウンターやMA攻撃時の演出がスキップできない。 -1ステージ辺りの敵増援回数が多い。 --これもテンポ悪化の大きな原因で、増援の度に敵味方の行動順に変動が生じるためクリアにかかる時間が余計に伸びてしまう。 -経験値稼ぎのための全滅プレイもできることはできるが、既出の通り1ステージの攻略に時間を食うのであまり現実的ではない。 -シナリオ進行に伴ってマンネリ感の増す戦闘展開 --シナリオの骨子として取り上げられている原作作品が限られているためか、同じボスキャラがしつこく襲撃してくる展開が繰り返されるため、マンネリになりがち。ボスキャラと完全に決着を着ける終盤になるまではこの流れが非常に顕著。 --大まかな流れとしては、「味方キャラ達がステージに立つ」→「敵が出てくる」→「その敵と戦っているうちにボスキャラを含めた敵、もしくは別の味方キャラの増援」→「ボスキャラのHPをゼロにする、もしくはゼロ近くにまで減らすとそのボスキャラが捨てセリフを吐いて逃亡」→「残ったザコ敵を全滅させてステージクリア」という感じである((主人公の零児との因縁の敵キャラである沙夜が出てくるステージだと、こういう流れが非常に多い。))。 ---毎回のステージでこうした流れが何度も繰り返された挙句、自軍キャラがウンザリして「またかよ」的なニュアンスのセリフを頻繁に吐くようになる。 ---オリジナル敵組織の逢魔は首領に当たるキャラクターが存在せず、幹部格のキャラも実質的に沙夜1人((仲間キャラに当たる毒牛頭、毒馬頭は中ボス格ながらセリフが一切ない、名有りのモブ敵兵扱い。))だけであるため、彼女がシナリオに関わってくる局面では余計にマンネリ感が感じられやすい。((このことは森羅にも言えることなのだが、そちらも含めて後続の作品でネタにされている。)) &bold(){シナリオ面の問題} -あちこちの世界への転移を繰り返すのでストーリーの展開が掴み難い。 --転移を繰り返すこと自体はシナリオの都合であるものの、「転移に巻き込まれる」という受身の展開が終始続いていく(先導役のNPCの助言に従って転移してもらって目的地に向かうという展開もあるにはあるが)ため、右往左往させられているという印象がぬぐえない。その展開自体にもシナリオ上の意味があるので仕方なくはあるのだが。 --また、中盤から終盤にかけて『キーアイテムの争奪戦が発生→敵をかいくぐりようやく手に入れたと思ったらそれが転移してどこかへ消失』という展開がしつこいくらいに繰り返される。 -『企業間のクロスオーバー』は、実はかなり少ない。 --シナリオ面ではほとんどはカプコンはカプコン、ナムコはナムコ内で話が完結してしまっており、別企業のキャラや組織に関しては『住む世界が同じで顔見知り』『ごく一時的に手を組む』程度の関係である場合が多い。 --前述のペアユニットにおいても、大半が原作が同じメーカーのキャラ同士で組まれており、別企業のキャラ同士で組まれたのは「キング&フェリシア」のみ。MA攻撃においても別企業のキャラ同士で発動する組み合わせは2つ((「ギル&カイ+アーサー」「キング&フェリシア+アーマーキング」のみ。))しかない。 ---正義のヒーローであるキャプテンコマンドーやベラボーマンなど、世界観やキャラクター設定上、共通点のあるキャラは多いだけにもったいない。 -うやむやなまま放置されてしまう設定や、シナリオ上の扱いが中途半端なキャラの存在 --該当のキャラはベラボーマン&ワンダーモモで、「ドルアーガの復活を果たすための贄として狙われているモモの身を守ること」が戦いの動機づけの1つになっているのだが、序盤こそ何度かその設定に言及されるものの、話が進むに連れて表に出てこなくなり、狙っていた当の本人にすら言及されないまま、あっさりドルアーガは復活してしまう。(復活できたことの理由付けも特にない)~ その後はもう1つの目的である「洗脳されて手駒にされた同僚のアマゾーナを救う」にシフトするものの、ドルアーガ本人は彼女の存在に目もくれない。 ---後に倒したはずのドルアーガがシナリオ上2度復活し、その回の戦闘にこの2人が参加する機会自体はあるが、会話を交わすことすらない。~ 因縁の相手だというのにテキスト上の絡みも全編通じて皆無である。 --また、ドルアーガとの戦いも、元のライバルキャラであるギルガメス&カイのお株を奪わないようにするためか、敵の本陣であるドルアーガの塔の中に入ることなく戦いを両者に任せてしまう。 --クロノアは『ヒーローズ』準拠で終始相棒ガンツの仇討ちが主軸となっているため、彼自身は目立った活躍を見せられていない。原作ではヒロインのロロが敵にさらわれる展開もあったのだがシナリオには未採用である。 -描写や扱いがいまいちな一部のサブキャラ --『[[ワンダーモモ]]』のライバルキャラクターであるアマゾーナは、原作でモモと同じ舞台劇に出演している相手役という設定なのだが、モモと異なり原作では本名などの細かいプロフィール設定が存在していない。そのためなのか、ナムカプ本編では、モモ本人はおろか、味方側の誰からも「アマゾーナ(役名)」としか呼ばれないという、不自然な扱われ方になっている。 --『超絶倫人ベラボーマン』のラスボス爆田博士はベラボーマンに敗北したのち、アンドロイド開発の腕を買われて三島財閥に拾われたという設定だが、完全なNPCであるため、部下のブラックベラボーとわや姫にベラボーマンとのやり取りを完全に任せたまま自身は先頭の矢面に立つことはない。その上、会話シーンでの出番がシナリオ再序盤の1度しかないというチョイ役程度の扱いである。 -次回作があるともないとも取れる煮え切らない終わり方を迎えるエンディング。 --全体的な傾向としてカプコンキャラはさらなる戦いを予感させる結末が多く、ナムコキャラは一応の決着をつける結末が多い。 --『ヴァンパイアセイヴァー』のジェダの帰還や、『バイオハザード』のTウィルス((作中では「あのウイルス」と言われる))の行方、『ロックマンDASH』のロックの出生の秘密など、むしろ続編のために故意にネタを使い残しているような印象もあるのだが・・・。 ---余談にあるように、本作のシステムとナムコとカプコンのキャラが共演という点、そして本作の主人公をゲスト出演という形で引き継いだ完全新作『[[PROJECT X ZONE]]』が本作と同じ開発元の制作によりリリースされており、そちらの続編である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に渡って本作の続編を意識した脚本構成になっている。 更に本作からの続投キャラも多くナムカプからの流れでストーリーが進み決着がついた作品もあるにはあるが、参戦作品自体が大幅に入れ替わっていることもあり、本作限りで決着がつかないまま終わった作品(PXZシリーズにも再登場していない作品)も多い。 &bold(){キャラ間バランスの悪さ} -一部のキャラの攻撃力およびスキル構成が、明らかに他者より優遇されている。 --中でもKOS-MOSはあまりにも強すぎる。極論でもなんでもなく、彼女1人だけでマップ上の全ての敵を当たり前のように殲滅できる。この場合KOS-MOS以外のキャラは、彼女が攻撃する機会を増やしてやったり、マップ上に点在したアイテムを回収するといった行為のために存在する、完全なサポート役と化す。 --彼女の抱える問題点としては、KOS-MOSの唯一の欠点である速度の低さのために、ステージ開始時など敵味方全員のAPが10である際は行動順がほぼ最後となってしまう点があげられる。味方のAPを増やす手段が少ない序盤では特に、彼女が動き出す番はどうしても遅くなってしまう(敵から攻撃を受け防御戦闘を行うことでAPを11以上にすれば優先的に行動できるが)。しかし、AP回復手段が増える中盤以降は他のキャラからAP回復スキルを使ってもらうことで、比較的自由に行動順に割り込めるようになってしまうため、その弱点もほぼ完全に解消されてしまう。 //「速度」は初期AP値ではなく、同時にAP10になった際の行動順なので、そのような記述に書き換えました。 --そして、彼女は最終的に他者からのサポートなしに確実に2回行動が可能なスキル構成となる。己のAPを回復させるスキル(コマンド)と、攻撃するたびに己のMPが回復するスキル(特性)。この2つを併せ持つことにより「1ターンに1度、自分の行動回数を+1する」という行為を毎ターン実行し、それでいて使用した分のMPはそのターンのうちに補充されるのだ((しかしまるで皮肉のごとく、彼女のAP回復スキルの対象は彼女自身限定である。))。このスキル構成により「永久機関」というあだ名で呼ばれることもあった。さらにそれに加えて、己を強化・回復するスキルと敵を弱体化させるスキルまで持っている。 //「永久機関」のあだ名は「AP回復」と「MP回復」の両方を一人で持っていることが由来です。そのことがわかるような文章に書き換えました。 --これらの強スキルを持っているだけに飽き足らず、攻撃・防御・技術といったステータスも全ユニット中最高クラス。ステージを縦横無尽に駆け回ることもできる、全ユニット中最高クラスの移動力まで持っている。さらに隣接キャラの代わりに攻撃を受けられる「かばう」さえ持っている。 ---また、KOS-MOSは敵の攻撃を楽に耐えきれるだけの防御力が備わっているため、敵陣に放り込んでひたすら防御に徹してAPを稼げば楽に無双できる。(防御戦闘に時間がかかるというデメリットはもちろんあるが)~ いくら開発元の看板キャラとはいえ、さすがに贔屓し過ぎの感が否めない。 --彼女の他には、お手軽に攻撃回数を増やす事ができる上にスキルも強力な凱&翔とクリノ・サンドラ&サビーヌの攻撃性能が抜きん出ており、戦闘1回あたりの総ダメージ量ならKOS-MOSを上回る。これら3つのユニットをあわせて「邪神・武神・緑神」の三神ユニットなどと渾名されており((「邪神」の名は『ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸』の限定版に付属したKOS-MOSフィギュアの造形の不気味さから名付けられた通称「邪神モッコス」に由来し(同項目を参照)、「武神」はガイ&ショウの流派である「武神流忍術」から来ている。「緑神」は前記2つの「神」になぞらえてクリノの緑色から名付けられた。))、バランスブレイカーとされている。 -逆に使いにくいユニットとしては、移動力も火力も低い((正確には『鈍足だが単発攻撃力が高い』キャラ。ただし、本作ではコンボの繋げにくさとヒット数の少なさが最終ダメージに大きく響く。))ためどうにもならない御剣平四郎、登場が遅い上に防御が最下位のマイク・ハガー等が上げられる。他の弱ユニットは、アイテム回収役やスキルによるサポート役として活躍してくれるが、彼らはそれにさえ向いていない。 --上述の通り本作の難易度は非常に低いため、アイテム等のフォローがあればこれらの弱いユニットに戦っても余裕でクリア出来るレベルで攻略の難度自体も案外あまり変わらないが、強ユニットを使うのに比べれば攻略にかかる時間は雲泥の差となってしまう。 &bold(){エリアルシステムの問題点} -大きな魅力であるはずのエリアルシステムが、非常に解りにくい。理解できるようになるまでは、それなりの試行錯誤や検証などが必要になる。 --実はコンボで最も効率が良いのは「可能な限りコンボを繋げる」事ではなく、「攻撃回数増加までコンボを繋げてから、わざと途切れさせる」事。(ゲーム内でも説明書でもこれに関する説明は一切存在しないため、気付かないプレイヤーはいつまでも気づかない) ---これにより、「長く難しいコンボを繋げる」楽しみはほぼ自己満足になってしまう。 -各ユニットが持つ技の性能に差がありすぎ、『複雑なコンボを決めるより特定の技を連発している方が良い』と言うキャラも少なくない。 --特に顕著なのは凱&翔。最も強力なコンボは「方向キー下を押し続けながら適当に○ボタン2回%%スモークボム!ホアァァァァァァ!!%%」「敵が下に落ちたらもう1度%%ホアァァァァァァ!!%%○ボタン2回」と言うのを延々繰り返すだけ。完全な作業である。 ---ただし全てのユニットがそうと言う訳ではなく、相手の重量や状況に応じて技を選んだり、シビアなタイミングでコンボを決めなければならないキャラも多く存在する。こういったキャラならば、エリアルシステムの魅力を存分に楽しめる。 //凱&翔の最適手が指一本の単純作業なのは、彼らの特徴・長所であり本作の欠点ではない。また「そうじゃないキャラもちゃんといる」というフォローは、すでに長所のところに書いてある内容と重複する。 //凱&翔だけじゃなく、「エリアルを繋げる魅力が無い」キャラはかなり多い。スモークボムが最も顕著なだけで、何も考えず2つか3つの技をテキトーなタイミングで押してりゃオッケー、ってキャラは正直かなり多い。あと、1人であっても「コンボ繋ぐのがつまらん強キャラがいる」と言うのはキャラの長所ではなく立派なゲームの短所だろう。 &bold(){その他} -MA攻撃の威力が低く、使いづらい。 --スパロボシリーズで言うところのMAP兵器((攻撃範囲内にいる複数の敵をまとめて攻撃する兵器のこと。))に相当するものだが、MP50という燃費の割に、攻撃できる対象が最大で3体までと少ない上にLVを上げても威力が全く上昇しないため、シナリオ後半あたりでは無用の長物と化してしまう。 ---長所は敵の必殺値を上昇させないことと、HPを削ったザコをまとめて始末するのに便利であることくらいだが、威力が壊滅的に低いので、その長所が生かせる場面は少ない。 --また、敵側にはMA攻撃が存在しないため、うっかり敵陣に突っ込んで敵ターンで全体攻撃による返り討ちに合うといったようなこともないので、混戦時の緊張感もない。 -ソフトリセットコマンドが未搭載。 --一応、次の味方の行動時に、中断コマンドを入力→「セーブしますか?」に「いいえ」を入力→「タイトルに戻りますか?」に「はい」を入力、という手順を踏むことで、ソフトリセットに似たことはできる。 ---行動順が状況によって変わるため敵の行動が延々と続く場合はリセットボタンを押す方が速いが、タイトル画面に戻るまで時間がかかってしまうのが欠点。 -原作BGMの扱い --ペアユニットの内、出典が同じだが個別にテーマ曲が存在するキャラクター((格闘ゲーム出身で個別のホームステージが存在する「モリガン&リリス」「春麗&キャミィ」が該当))や、別ゲーム同士のキャラクターが組んだユニット((「キング&フェリシア」「凱&翔」「タキ&わや姫」「ベラボーマン&ワンダーモモ」「平景清&たろすけ」が該当))の場合、ユニット名の先頭に来ているキャラクターの出典のBGMがユニット固有のBGMと扱われて((「トビ・マスヨ&天現寺ひろみ」は、マスヨの出典であるバラデューク本編でメロディ主体のBGMが存在しなかったため例外となっている。))おり、ユニット名の後ろに来ているキャラクターの関連BGMは戦闘BGMとしては流れない。((キャプテンコマンドーの翔は、同作出身者が二人おりなおかつどちらも原曲が戦闘BGMになっているので曲そのものは聞けるが、別ゲーのキャラとのペアなので自分のターンでは流れない。)) ---該当の場合でもイベント専用のBGMとして原曲のアレンジが流れるキャラもいるがごく一部のキャラのみであり関連BGMが全くあてがわれていないキャラも多く、一部のソロユニットにも該当するキャラがいる((該当するのは『ストリートファイター』シリーズのローズで、同作出身のソロユニット中、唯一自ステージのBGMが使用されていない。(なぜか『春日野さくら&神月かりん』の行動時に流れる「STAGE SAKURA」で代用されている)))。戦闘BGMとイベントBGM両方に原曲が採用されているキャラがいることもあり、扱い的に微妙な格差が生じている。~ 些細な点ではあるが、お祭りゲーだけにやはり気になるところなのは確かで、「戦闘中のBGMについてはパーティメンバー全員分用意して、自由に切り替えられるようにしてほしかった」という声もある。~ 「ベラボーマン」のわや姫の忍者屋敷ステージBGMなど、公式なテーマ曲ではないがテーマ曲として扱える曲が存在するキャラクターも少なくないのでもったいない。 -一部、原作設定と矛盾のあるキャラクターが存在する。 --ただしクロスオーバーものではつきものの点であり、他作品とのすり合わせやシナリオ内容も考慮すれば仕方なくはある。上述の通り、改悪レベルの改変は皆無である。 ---- **総評 キャラクターたちの掛け合いや、隅々に至るまでに充実した原作由来の小ネタなど、原作ファンを意識したサービスに溢れており、それぞれのキャラにそれなりの見せ場も用意されている。原作ファンにはたまらない要素も多々含まれており、クロスオーバーゲームにありがちなキャラ崩壊、改悪などもほとんどなく、とにかくキャラクターを動かしていて楽しい、お祭りゲーとしてのクオリティは十分に保たれている。 一方、純粋なSRPGとしてみた場合、肝心のゲームシステム面、戦闘システム面では練りきれていない面や調整が足りない部分も散見し、詰めの甘い点が多い。キャラゲーとして楽しみたいにしても、キャラクター育成の自由度の低さやひとつのシナリオの攻略に多大な時間を必要とする戦闘システムやシナリオ周りの詰めの甘さからくる単調さがネックとなってしまい、中途半端になっている感が否めない。 とはいえ、企業を越えたクロスオーバーという事例だけで話題となり易かった当時の時代に、その期待に応えるだけのキャラゲー要素を詰め込んだ作品としては十分な評価を得ている。 ---- **余談 -本作の主人公・有栖零児と小牟は、さらに別会社のSRPG『[[スーパーロボット大戦IMPACT]]』に登場した主人公キャラのキョウスケ・ナンブとエクセレン・ブロウニングに造形や性格設定が酷似している。 --本作の企画者がこの『IMPACT』((厳密にはその前身の『COMPACT2』))の企画者と同一人物なので、まあうなずける話ではある。 -『[[無限のフロンティア>無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ]]』シリーズ及び『[[PROJECT X ZONE]]』シリーズに有栖零児と小牟もゲスト参戦している。 --またストーリーや会話のノリ、サブタイトルのセンスも、全体的に近いものがある。 --『無限のフロンティア』シリーズはRPGだが、本作のアクション戦闘をより発展させた上で継承している。ゲームジャンルの垣根を越えて戦闘システムが継承されたという珍しい例であり、本作の戦闘システムが好評だった事がうかがえる。 --『PROJECT X ZONE』ではあくまで参戦作品の1つという扱いだったのだが、続編である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』では零児と小牟が主人公を務めている。ナムカプの事件の後日談がストーリーの中心に据えられた他、BGMもナムカプから10曲以上が採用される等、事実上のナムカプ2と呼んで差支えの無い内容となっている。 -『[[勇現会社ブレイブカンパニー]]』にも小牟がゲスト出演。 -ディグダグの主人公ホリ・タイゾウは、今作では姿に大幅なアレンジを加えられて参加しており、ものすごいイケメン(というかシブメン)となっている。 --ホリ・タイゾウ=ディグダグの主人公、トビ・マスヨ=バラデュークの主人公という図式は『ミスタードリラー』における後付け設定であり、後付け設定をシナリオ上にうまく組み込む形でアレンジされている。 ---ドリラーの後付け設定上では『2人の間に生まれたのがドリラーの主人公『ホリ・ススム』であるとされている(時系列上、ナムカプ本編では結婚前として描かれている) --また、本作ではマスヨとコンビを組んでいる『[[バーニングフォース]]』の主人公、天現寺ひろみだが、原作作品にUGSFの世界観とに繋がりを持たせた設定は本作が初。その後、本作を機に正式にUGSF系列の作品として組み込まれるようになった。 -島津英雄役の声優・水鳥鐵夫氏が2010年7月に逝去。本作がゲームにおける最後の出演作になった。 ----

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