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*ナイツオブザラウンド 円卓の騎士 【ないつおぶざらうんど えんたくのきし】 |ジャンル|ベルトスクロールアクション|&image(https://game.capcom.com/manual/BEUB/locale/ja/img/page/51_1_1.png,width=160)| //元画像のリンク切れにつき『カプコン ベルトアクション コレクション公式Webマニュアル』より引用 |対応機種|アーケード(CPシステム)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1992年1月|~| |プレイ人数|1~3人(同時プレイ可)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ガード、大斬り操作マスター必須|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アーサー王の伝説『円卓の騎士』をモチーフにしたベルトアクションゲーム。~ 戦乱の嵐が吹き荒れるイングランドで、全土の支配を企むアーロン軍に、アーサー、ランスロット、パーシバルの3人の騎士が立ち向かう。 **システム -HPゲージ&残機制。全7面。 --HPが0になると1ミス。残機も0だとゲームオーバー。『[[ファイナルファイト]]』に準ずる方式である。 -使用可能なキャラクターは以下の3人。3人まで同時プレイ可能だが、同キャラ使用はできない。 --アーサー:長剣を使うバランス型の剣士にして主人公。しかし実は意外と性能的に癖が強く、特に重要な技である大斬りがリーチこそあるものの、技の出が一番遅く隙が大きいのが痛い。使いこなすまでには慣れが要る。 --ランスロット:曲刀を使うスピード型の剣士。欠点らしい欠点が少なく、むしろ彼こそバランスタイプと呼ぶべき性能。三人の中では最もクリアが楽と言われている。 --パーシバル:斧を使うパワー型の戦士。歩行の出だしは遅いが、加速込みなら最も早い。また、一人だけレバー2回入れの前方ダッシュがあり、そこからリーチの長いダッシュ攻撃を出せるため、パワーとスピードを兼ね備えているといってもいい。ただしリーチの短い技が多く、そこを補っていく必要がある。 -8方向レバー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。基本的な操作体系は『ファイナルファイト』に準ずるが、以下のように本作独自の操作が幾つかある。 --本作は剣劇アクションなので、プレイヤー側に掴み技、投げ技は存在しない((敵キャラクターには投げ技を使う者が一部登場する))。 --「進行方向と逆方向のレバー入力+攻撃ボタン」で、一定時間ガードをする事が出来る。 ---ガード中は進行方向からダメージを受けない上、敵の攻撃をガードすると一定時間無敵となる。 ---ただ、ガード中は動けず、また進行方向以外の方向からの攻撃に対しては無防備。さらにガードし続けて相手の攻撃を受け止められなかった場合、疲れて2秒間も完全無防備になってしまう。なので、闇雲に使えばいいというものではない。 --「進行方向のレバー入力+攻撃ボタン」で「大斬り」を出すことが出来る。 ---通常攻撃よりも隙が大きい代わりに威力も大きい。本作の通常攻撃は威力が小さく、連打しても敵の体力をさほど減らせないため、大斬りは必須ともいえる。 ---出し方にクセがあり、「レバーを入れた後少し遅れて攻撃ボタンを押すのがコツ」である。この旨はインストカードにも記載されている。 --また、3人のプレイヤーキャラクターはそれぞれ得意技を使うことが出来る。 --なお『ファイナルファイト』譲りのメガクラッシュもあるが、体力消費量がゲージの約7分の1と多く、気軽に使えるものではない。 -面によっては敵から奪うなどして馬に乗って闘うことも可能。 --騎乗中は移動や攻撃の速度が上昇し、専用攻撃を出すことができる。威力はまあまあ。 --騎乗中はザコ敵があまり攻撃してこなくなるため、かなり一方的に攻撃できる。相手によっては通常攻撃一段目の繰り返しで完封することも可能。 ---馬を失ってしまうと、とたんに難易度が上昇してしまうので、上手く馬を失わずに立ち回れるかもポイント。 -同社の『ザ・キング・オブ・ドラゴンズ』と同じくレベル制を採用している。 --得点を稼ぐと一定得点ごとにレベルアップし、体力が全回復すると共に攻撃力も上がる((同社D&Dシリーズもレベル制を導入しているが、こちらは面クリアごとに1レベルであり、点数とは連動していない別物。))。 --レベルによって外見も変わり、鎧などの武具が豪華になっていく。 -柵などの設置物や宝箱などからは様々なアイテムが出る。 --主に出るのは財宝(得点アイテム)や食べ物(回復アイテム)など。 ---大きな財宝や食べ物は、攻撃を加えることで分割できる。''基本的には''そのまま拾うより分割して全て拾ったほうが得点/回復量が多くなる。なぜ基本的にはという注釈がつくのかは問題点にて。 --特定のポイントでは低確率で残機UPアイテムが出現。スコアエクステンドが無い本作においては唯一の残機を増やす手段である。 -同種の敵を倒していくと最大で4倍までスコアが上昇する。 --本作はレベルアップによるプレイヤーの強化に重点を置かれているタイトルの為、これと得点アイテムの分割はほぼ必須のシステムではある。 **評価点 -グラフィックとBGMは中世欧州ファンタジーの世界観を表現出来ているとして評価が高い。 --ただ、後半戦になると明らかに世界観を間違えている日本の鎧武者「村正」(6面ボス)や時代設定を無視したロボットの「アイアンゴーレム」(7面中ボス)が登場し、中世欧州とはかけ離れた世界になってしまう。 -ボス戦の際に画面下部に体力の内訳が表示される様になった。 --これまでのカプコン製ベルトアクションにおけるボスや中ボス格の敵の体力ゲージは、その他の雑魚敵と同様にプレイヤー体力の下で小さく表示されていた関係で緑や白といった別の色に統一にせざるを得ず視認性に若干の難があったが、本作のボス戦では画面の下部にボスの体力ゲージがデカデカと表示される様になり、ボス体力の推移が分かりやすくなった。 ---カプコンベルトゲー史では厳密には『[[天地を喰らう>天地を喰らう (AC)]]』や『ザ・キング・オブドラゴンズ』の2作でも使用されていたのだが、本作で『ファイナルファイト』タイプの表示形式との合流を果たした事により、次回作に当たる『[[天地を喰らうII 赤壁の戦い]]』や『[[パニッシャー]]』等のタイトルに引き継がれた。また、従来の表示形式を採用しているタイトルも同様に体力の推移をわかりやすい表示へシフトしていった事から、ボスの体力関連で進展が見られたのは大きいだろう。 **問題点 -操作性が悪い。 --「ガードを駆使し、成功時の無敵時間を利用して敵に反撃する」ことを前提にしたゲームバランスのため、ガード操作が的確に出来ないようだと1面ボスを倒すことすらおぼつかない。 --しかし肝心のガードがかなり出しにくく、「後ろへ攻撃」に化けたり、ガード成功直後に後ろを向いてしまいがち。また大斬りもガードほどではないが出しにくい。~ &bold(){入力自体に気を使わなければならない}→&bold(){気を使っても出にくい}→&bold(){出ないと被ダメージ確定}というように、仕様が悪い方向に連鎖してしまっている。 --ガードや大斬りは「レバーとボタン同時」となっているが、同時と判定する時間が非常に短い。特にガードは同時判定より振り向きを優先する、という超問題有り仕様なため猶予時間はほぼゼロ。 ---ただ「ボタンが先でも同時と判断する」点に付け入る隙がある。よってコツとしては、レバーニュートラルから攻撃ボタンを押し、ボタン押しっぱなしのまま攻撃モーションが出る前にレバーでキャンセル、のつもりで微妙にレバーを遅らせれば少しはマシになる。~ だが結局、猶予数フレームの出掛かりキャンセルを頻繁に行うことになり、一々気を使わなくてはならず、爽快感がそがれてしまう。当時のカプコンベルトアクションの伝統である2ボタンの操作系にこだわり過ぎたあまりの弊害と言えるだろう。 -レベルアップで防御面が成長しない。 --自キャラのレベルが上がっても、体力の最大値・防御力・メガクラッシュの使用回数などは一切伸びない。これに対し、敵の強さは終盤に向けてどんどん上がるため、たとえ最大レベルであっても終盤の雑魚敵に圧殺されかねない。結果、レベルアップが全回復+外見変化くらいにしか感じられない。これらの仕様とガード前提のゲームバランスが合わさることで、爽快感の欠如を招いてしまっている。 --ステージクリア時にレベルアップしなかった場合、体力が減ったまま次のステージが始まってしまうという問題もある。 -ボスが非常に強い。 --高火力・ガード持ちに加え、1面ボスからしてリーチの長い攻撃を繰り出してくる。 --カプコン製ベルトアクションに多く見られる「初心者殺しの2面ボス」も健在。 ---馬に乗って登場するため、攻撃を加えて落馬させないと厳しい。さらに、馬から下ろしても素早くトリッキーな動きでプレイヤーを苦しめる。 --中盤以降のボスは隙が少ない上、広範囲攻撃や無消費のメガクラッシュを多用するため、ガードをマスターしなければ話にならないレベル。 -体力の回復方法について。 --被弾と隣り合わせのガードシステム、メガクラッシュの体力消費量などを踏まえると、回復アイテムの設置数が少なすぎる。 ---「しばらく放置すると消えてしまう」「大きいものは分割した方が得」という仕様上、危なくなったらすぐに取るといった戦略も取りづらい。 ---更に分割する際にランダム性があり、分割したら損になってしまうことさえある。酷い時は大皿に盛られた肉料理を斬ったらリンゴ1個になってしまったなんてことも割とよくある((当時のゲーメストの読者投稿コーナーでもこれをネタにした4コマが掲載されていた。))。 ---ボス撃破時に回復アイテムが出現する場合、数秒以内に分割・回収しなければならず、協力プレイで分け合うのは困難。 --レベルアップ時に全回復できるとはいえ、レベルが高いほど必要なスコアも増えるため、終盤に向けて頻度が下がっていく。また「レベルアップ直前でメガクラッシュを多用する」などの工夫はできるが、レベルアップのタイミング自体を調整することは非常に難しい。 -残機が増えにくい。 --先述のように残機UPアイテムを取らなければ増えないが、これは特定のポイントに低確率で出現するのみ(即ち1個も出ないこともある)。 -同種の敵を倒していくとスコアに倍率が掛かるシステムも、戦闘の自由度が下がるという理由で不評。 **総評 ベルトアクションの新たな可能性を模索した本作ではあるが、上記のように特徴となる操作のハードルの高さのためさほど客付きは良くなかった。~ 出来自体は及第点であり普通に遊べるレベルを保っているので、その点だけが惜しい作品であった。 ---- **余談 -プレイヤーキャラクターの一人であるパーシバルは、キャラクター選択画面やLV11までは''金髪おかっぱでヒゲの無い顔''だが、LV12になった途端に何の説明もなく''スキンヘッドの黒ヒゲ面に変わる。'' --一応、キャラクター紹介デモやインストカードのイラストで事前に描かれてはいるのだが、''体力ゲージ横の顔アイコンは元のまま''なので違和感が強烈。 --アーサーかランスロットで初クリアし、エンディングで様変わりしたパーシバルに驚く人もいるのではないだろうか。 -CPシステムのゲームはコインを投入するとタイトル画面に移行するのだが、本作ではコイン投入後にキャラセレ画面に直接移行する方式が取られている。 --ちなみに、コイン投入後の画面では専用のBGMも流れる仕様になっているのだが、似た仕様の『[[パニッシャー]]』とは異なり移植版では再現されていない事が多い。 **家庭用移植 -SFC版(1994年6月10日) --敵配置の変更や一部演出のカット、最大同時プレイ人数が3人から2人に減少しているが、その他の内容は業務用とほぼ同一。グラフィック、BGMも良好。 --ガードが1ボタンで済むようになっており、かなり操作性が改善されている。 --だがオプションはキー設定と3段階の難易度設定しかできず、残機数の設定もできない。 -CPSチェンジャー版(1995年) -PSP『カプコン クラシックス コレクション』(2006年9月7日) --オムニバスソフト中の一作品として、業務用をほぼ忠実に再現した内容で収録されている。 ---しかし説明書に重要アクションの大斬りとガードの操作方法が書かれておらず、コレクションモードでインストカードを見ないとやり方が分からなくなっている点がやや不親切。 --また忠実移植が故にか、SFC版にあったガードボタンのような操作改善は取り入れられていない。 --サブゲームのスロットである絵柄が揃うとチートモードが可能となり、最初からレベルMAXなどにできる。またコンティニュー無制限なので、遊びやすくはなっている。 -Switch/PS4/XboxOne/Win『カプコン ベルトアクション コレクション』(2018年9月14日) --こちらもオムニバスソフト中の一本としてAC版が収録されている。 --オンライン協力プレイに対応しているほか、海外版も収録。 --こちらもAC版の忠実移植である。ただ、オプションのキーアサインは攻撃連打と同時押しボタンが設定できるくらいと非常に貧相で、ガードボタンなどの改善も取り入れられていない。
*ナイツオブザラウンド 円卓の騎士 【ないつおぶざらうんど えんたくのきし】 |ジャンル|ベルトスクロールアクション|&image(https://game.capcom.com/manual/BEUB/locale/ja/img/page/51_1_1.png,width=160)| //元画像のリンク切れにつき『カプコン ベルトアクション コレクション公式Webマニュアル』より引用 |対応機種|アーケード(CPシステム)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1992年1月|~| |プレイ人数|1~3人(同時プレイ可)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ガード、大斬り操作マスター必須|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アーサー王の伝説『円卓の騎士』をモチーフにしたベルトアクションゲーム。~ 戦乱の嵐が吹き荒れるイングランドで、全土の支配を企むアーロン軍に、アーサー、ランスロット、パーシバルの3人の騎士が立ち向かう。 **システム -HPゲージ&残機制。全7面。 --HPが0になると1ミス。残機も0だとゲームオーバー。『[[ファイナルファイト]]』に準ずる方式である。 -使用可能なキャラクターは以下の3人。3人まで同時プレイ可能だが、同キャラ使用はできない。 --アーサー:長剣を使うバランス型の剣士にして主人公。しかし実は意外と性能的に癖が強く、特に重要な技である大斬りがリーチこそあるものの、技の出が一番遅く隙が大きいのが痛い。使いこなすまでには慣れが要る。 --ランスロット:曲刀を使うスピード型の剣士。欠点らしい欠点が少なく、むしろ彼こそバランスタイプと呼ぶべき性能。三人の中では最もクリアが楽と言われている。 --パーシバル:斧を使うパワー型の戦士。歩行の出だしは遅いが、加速込みなら最も早い。また、一人だけレバー2回入れの前方ダッシュがあり、そこからリーチの長いダッシュ攻撃を出せるため、パワーとスピードを兼ね備えているといってもいい。ただしリーチの短い技が多く、そこを補っていく必要がある。 -8方向レバー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。基本的な操作体系は『ファイナルファイト』に準ずるが、以下のように本作独自の操作が幾つかある。 --本作は剣劇アクションなので、プレイヤー側に掴み技、投げ技は存在しない((敵キャラクターには投げ技を使う者が一部登場する))。 --「進行方向と逆方向のレバー入力+攻撃ボタン」で、一定時間ガードをする事が出来る。 ---ガード中は進行方向からダメージを受けない上、敵の攻撃をガードすると一定時間無敵となる。 ---ただ、ガード中は動けず、また進行方向以外の方向からの攻撃に対しては無防備。さらにガードし続けて相手の攻撃を受け止められなかった場合、疲れて2秒間も完全無防備になってしまう。なので、闇雲に使えばいいというものではない。 --「進行方向のレバー入力+攻撃ボタン」で「大斬り」を出すことが出来る。 ---通常攻撃よりも隙が大きい代わりに威力も大きい。本作の通常攻撃は威力が小さく、連打しても敵の体力をさほど減らせないため、大斬りは必須ともいえる。 ---出し方にクセがあり、「レバーを入れた後少し遅れて攻撃ボタンを押すのがコツ」である。この旨はインストカードにも記載されている。 --また、3人のプレイヤーキャラクターはそれぞれ得意技を使うことが出来る。 --なお『ファイナルファイト』譲りのメガクラッシュもあるが、体力消費量がゲージの約7分の1と多く、気軽に使えるものではない。 -面によっては敵から奪うなどして馬に乗って闘うことも可能。 --騎乗中は移動や攻撃の速度が上昇し、専用攻撃を出すことができる。威力はまあまあ。 --騎乗中はザコ敵があまり攻撃してこなくなるため、かなり一方的に攻撃できる。相手によっては通常攻撃一段目の繰り返しで完封することも可能。 ---馬を失ってしまうと、とたんに難易度が上昇してしまうので、上手く馬を失わずに立ち回れるかもポイント。 -同社の『ザ・キング・オブ・ドラゴンズ』と同じくレベル制を採用している。 --得点を稼ぐと一定得点ごとにレベルアップし、体力が全回復すると共に攻撃力も上がる((同社D&Dシリーズもレベル制を導入しているが、こちらは面クリアごとに1レベルであり、点数とは連動していない別物。))。 --レベルによって外見も変わり、鎧などの武具が豪華になっていく。 -柵などの設置物や宝箱などからは様々なアイテムが出る。 --主に出るのは財宝(得点アイテム)や食べ物(回復アイテム)など。 ---大きな財宝や食べ物は、攻撃を加えることで分割できる。''基本的には''そのまま拾うより分割して全て拾ったほうが得点/回復量が多くなる。なぜ基本的にはという注釈がつくのかは問題点にて。 --特定のポイントでは低確率で残機UPアイテムが出現。スコアエクステンドが無い本作においては唯一の残機を増やす手段である。 -同種の敵を倒していくと最大で4倍までスコアが上昇する。 --本作はレベルアップによるプレイヤーの強化に重点を置かれているタイトルの為、これと得点アイテムの分割はほぼ必須のシステムではある。 **評価点 -グラフィックとBGMは中世欧州ファンタジーの世界観を表現出来ているとして評価が高い。 --ただ、後半戦になると明らかに世界観を間違えている日本の鎧武者「村正」(6面ボス)や時代設定を無視したロボットの「アイアンゴーレム」(7面中ボス)が登場し、中世欧州とはかけ離れた世界になってしまう。 -ボス戦の際に画面下部に体力の内訳が表示される様になった。 --これまでのカプコン製ベルトアクションにおけるボスや中ボス格の敵の体力ゲージは、その他の雑魚敵と同様にプレイヤー体力の下で小さく表示されていた関係で緑や白といった別の色に統一にせざるを得ず視認性に若干の難があったが、本作のボス戦では画面の下部にボスの体力ゲージがデカデカと表示される様になり、ボス体力の推移が分かりやすくなった。 ---カプコンベルトゲー史では厳密には『[[天地を喰らう>天地を喰らう (AC)]]』や『ザ・キング・オブドラゴンズ』の2作でも使用されていたのだが、本作で『ファイナルファイト』タイプの表示形式との合流を果たした事により、次回作に当たる『[[天地を喰らうII 赤壁の戦い]]』や『[[パニッシャー]]』等のタイトルに引き継がれた。また、従来の表示形式を採用しているタイトルも同様に体力の推移をわかりやすい表示へシフトしていった事から、ボスの体力関連で進展が見られたのは大きいだろう。 **問題点 -操作性が悪い。 --「ガードを駆使し、成功時の無敵時間を利用して敵に反撃する」ことを前提にしたゲームバランスのため、ガード操作が的確に出来ないようだと1面ボスを倒すことすらおぼつかない。 --しかし肝心のガードがかなり出しにくく、「後ろへ攻撃」に化けたり、ガード成功直後に後ろを向いてしまいがち。また大斬りもガードほどではないが出しにくい。~ &bold(){入力自体に気を使わなければならない}→&bold(){気を使っても出にくい}→&bold(){出ないと被ダメージ確定}というように、仕様が悪い方向に連鎖してしまっている。 --ガードや大斬りは「レバーとボタン同時」となっているが、同時と判定する時間が非常に短い。特にガードは同時判定より振り向きを優先する、という超問題有り仕様なため猶予時間はほぼゼロ。 ---ただ「ボタンが先でも同時と判断する」点に付け入る隙がある。よってコツとしては、レバーニュートラルから攻撃ボタンを押し、ボタン押しっぱなしのまま攻撃モーションが出る前にレバーでキャンセル、のつもりで微妙にレバーを遅らせれば少しはマシになる。~ だが結局、猶予数フレームの出掛かりキャンセルを頻繁に行うことになり、一々気を使わなくてはならず、爽快感がそがれてしまう。当時のカプコンベルトアクションの伝統である2ボタンの操作系にこだわり過ぎたあまりの弊害と言えるだろう。 -レベルアップで防御面が成長しない。 --自キャラのレベルが上がっても、体力の最大値・防御力・メガクラッシュの使用回数などは一切伸びない。これに対し、敵の強さは終盤に向けてどんどん上がるため、たとえ最大レベルであっても終盤の雑魚敵に圧殺されかねない。結果、レベルアップが全回復+外見変化くらいにしか感じられない。これらの仕様とガード前提のゲームバランスが合わさることで、爽快感の欠如を招いてしまっている。 --ステージクリア時にレベルアップしなかった場合、体力が減ったまま次のステージが始まってしまうという問題もある。 -ボスが非常に強い。 --高火力・ガード持ちに加え、1面ボスからしてリーチの長い攻撃を繰り出してくる。 --カプコン製ベルトアクションに多く見られる「初心者殺しの2面ボス」も健在。 ---馬に乗って登場するため、攻撃を加えて落馬させないと厳しい。さらに、馬から下ろしても素早くトリッキーな動きでプレイヤーを苦しめる。 --中盤以降のボスは隙が少ない上、広範囲攻撃や無消費のメガクラッシュを多用するため、ガードをマスターしなければ話にならないレベル。 -体力の回復方法について。 --被弾と隣り合わせのガードシステム、メガクラッシュの体力消費量などを踏まえると、回復アイテムの設置数が少なすぎる。 ---「しばらく放置すると消えてしまう」「大きいものは分割した方が得」という仕様上、危なくなったらすぐに取るといった戦略も取りづらい。 ---更に分割する際にランダム性があり、分割したら損になってしまうことさえある。酷い時は大皿に盛られた肉料理を斬ったらリンゴ1個になってしまったなんてことも割とよくある((当時のゲーメストの読者投稿コーナーでもこれをネタにした4コマが掲載されていた。))。 ---ボス撃破時に回復アイテムが出現する場合、数秒以内に分割・回収しなければならず、協力プレイで分け合うのは困難。 --レベルアップ時に全回復できるとはいえ、レベルが高いほど必要なスコアも増えるため、終盤に向けて頻度が下がっていく。また「レベルアップ直前でメガクラッシュを多用する」などの工夫はできるが、レベルアップのタイミング自体を調整することは非常に難しい。 -残機が増えにくい。 --先述のように残機UPアイテムを取らなければ増えないが、これは特定のポイントに低確率で出現するのみ(即ち1個も出ないこともある)。 -同種の敵を倒していくとスコアに倍率が掛かるシステムも、戦闘の自由度が下がるという理由で不評。 **総評 ベルトアクションの新たな可能性を模索した本作ではあるが、上記のように特徴となる操作のハードルの高さのためさほど客付きは良くなかった。~ 出来自体は及第点であり普通に遊べるレベルを保っているので、その点だけが惜しい作品であった。 ---- **余談 -プレイヤーキャラクターの一人であるパーシバルは、キャラクター選択画面やLV11までは''金髪おかっぱでヒゲの無い顔''だが、LV12になった途端に何の説明もなく''スキンヘッドの黒ヒゲ面に変わる。'' --一応、キャラクター紹介デモやインストカードのイラストで事前に描かれてはいるのだが、''体力ゲージ横の顔アイコンは元のまま''なので違和感が強烈。 --アーサーかランスロットで初クリアし、エンディングで様変わりしたパーシバルに驚く人もいるのではないだろうか。 -CPシステムのゲームはコインを投入するとタイトル画面に移行するのだが、本作ではコイン投入後にキャラセレ画面に直接移行する方式が取られている。 --ちなみに、コイン投入後の画面では専用のBGMも流れる仕様になっているのだが、似た仕様の『[[パニッシャー]]』とは異なり移植版では再現されていない事が多い。そういった意味では実質『カプコンアーケード2ndスタジアム』配信版までは厳密な意味でのアーケードの完全移植は存在していなかったと言える。 **家庭用移植 -SFC版(1994年6月10日) --敵配置の変更や一部演出のカット、最大同時プレイ人数が3人から2人に減少しているが、その他の内容は業務用とほぼ同一。グラフィック、BGMも良好。 --ガードが1ボタンで済むようになっており、かなり操作性が改善されている。 --だがオプションはキー設定と3段階の難易度設定しかできず、残機数の設定もできない。 -CPSチェンジャー版(1995年) -PSP『カプコン クラシックス コレクション』(2006年9月7日) --オムニバスソフト中の一作品として、業務用をほぼ忠実に再現した内容で収録されている。 ---しかし説明書に重要アクションの大斬りとガードの操作方法が書かれておらず、コレクションモードでインストカードを見ないとやり方が分からなくなっている点がやや不親切。 --また忠実移植が故にか、SFC版にあったガードボタンのような操作改善は取り入れられていない。 --サブゲームのスロットである絵柄が揃うとチートモードが可能となり、最初からレベルMAXなどにできる。またコンティニュー無制限なので、遊びやすくはなっている。 -Switch/PS4/XboxOne/Win『カプコン ベルトアクション コレクション』(2018年9月14日) --こちらもオムニバスソフト中の一本としてAC版が収録されている。 --オンライン協力プレイに対応しているほか、海外版も収録。 --こちらもAC版の忠実移植である。ただ、オプションのキーアサインは攻撃連打と同時押しボタンが設定できるくらいと非常に貧相で、ガードボタンなどの改善も取り入れられていない。 -Switch/PS4/XboxOne/Win『カプコンアーケード2ndスタジアム』(2022年7月22日) --こちらは配信タイトルの一本として収録されている。 --内容自体は『カプコン クラシック コレクション』『カプコン ベルトアクション コレクション』とほぼ同様。だが、今回の移植の際に上述したコイン投入時の演出が再現されていて、これでようやく真の意味での『アーケードからの完全移植』が実現できたと言えなくもない。

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