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*スーパーロボット大戦α外伝 【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁがいでん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005OVX8)|CENTER:&amazon(B00005OVXV)限定版| |対応機種|プレイステーション|~|~| |発売元|バンプレスト|~|~| |開発元|バンプレソフト|~|~| |発売日|2001年3月29日|~|~| |定価|通常版:6,980円 / 限定版:9,800円|~|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~|~| |廉価版ほか|PS one Books:2002年12月5日/2,800円&br()PREMIUM EDITION(初代・第2次とのセット):2005年5月28日/9,240円|~|~| |配信|ゲームアーカイブス:2011年12月21日/1,500円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|主な舞台は未来の世界&br()戦闘バランスが劇的に改善され、戦闘アニメもさらに強化&br()戦闘のテンポの悪さと初期版のバグの多さが玉に瑕&br()人気キャラ「ゼンガー・ゾンボルト」のデビュー作|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| |>|>|>|CENTER:&color(blue){αシリーズ}:[[α>スーパーロボット大戦α]]&[[forDC>スーパーロボット大戦α#id_5a8c6bb7]] / &color(black){''α外伝''} / [[第2次α>第2次スーパーロボット大戦α]] / [[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーロボット大戦α]]』に続く、通称「αシリーズ」の2作目。前作『α』の好評を受け、3部作構想のはずが急遽開発される事となったPS最後のスパロボ。&br() 『α』のシステムを引き継ぎつつ、数々の新システムや意欲的な試みを導入。『α』と共に現在まで続くスパロボの基礎を築いた。&br() 『戦闘メカ ザブングル』『機動新世紀ガンダムX』『∀(ターンエー)ガンダム』『銀河旋風ブライガー』の4作品がシリーズ初参戦。~ 基本的には前作からの続投だが、このうち『初代ガンダム』『0080』『F91』『ダンバイン』『トップをねらえ!』『エヴァシリーズ』『ジャイアントロボ』は参戦していない。 //GブレイカーはDC版のみ&本作発売時点では未発売 #region(参戦作品一覧) |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''参戦済み''}|超獣機神ダンクーガ| |~|機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY| |~|機動戦士Zガンダム| |~|機動戦士ガンダムZZ| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア| |~|Z-MSV(機体のみ)| |~|M-MSV(機体のみ)| |~|CCA-MSV(機体のみ)((スパロボシリーズ全体に言えることだが、ガンダムシリーズの『MSV』が付く作品に登場、または本編未登場機のゲーム中の登場作品表記は、全て関連の深いMSの登場作品(例えばZIIやフルアーマー百式改は『機動戦士Zガンダム』)となる。))| |~|機動戦士Vガンダム| |~|新機動戦記ガンダムW Endless Waltz| |~|無敵鋼人ダイターン3| |~|マジンガーZ| |~|グレートマジンガー| |~|劇場版マジンガーシリーズ(機体のみ)| |~|ゲッターロボ| |~|ゲッターロボG| |~|真・ゲッターロボ(原作漫画版)| |~|超電磁ロボ コン・バトラーV| |~|超電磁マシーン ボルテスV| |~|勇者ライディーン| |~|超時空要塞マクロス| |~|超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか| |~|マクロスプラス| |~|超機大戦SRX| |~|スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''初参戦''}|銀河旋風ブライガー| |~|戦闘メカ ザブングル| |~|機動新世紀ガンダムX| |~|∀ガンダム| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(機体のみ)((本作初登場のHi-νガンダムは、『ベルトーチカ・チルドレン』のことには触れておらず、例によって登場作品表記も『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』である。))| #endregion ---- **特徴 ***システム 前作をベースに追加、改良が施されている。 -COMPACT2で実装された援護攻撃・援護防御を据え置きスパロボで初採用。 --対応する技能を持ったユニットと隣接した状態で戦闘をすると、支援を受けられるシステム。 -特殊能力「指揮」が新登場 --「指揮」を持っているユニットの周辺では命中率・回避率が上昇。 --その代わり、前作に比べて削除された特殊能力も少なくない。 -ユニットの能力値「運動性」が、敵の攻撃を回避する時だけ影響し、自分の攻撃の命中率には影響しないようになった。 -パイロット能力値「反応」と、特定のレベルに達する事で全パイロットが自動習得する「二回行動」の廃止。 --それに代わり、新たなパイロット能力値「防御」を導入。 -パイロット毎に上昇する能力値が異なる新システム「成長タイプ」が追加された。 --「格闘系・万能」「射撃系・回避」など、数種類のタイプのいずれかに分類され、タイプによって上昇する能力値が異なる上に「レベルいくつになったら急成長する」という設定もなされている。 -改造の仕様が大幅に変更 --機体改造は上昇値が一律でなくなり基の値の○%となった。 --武器の改造はこれまでの個別方式から一括改造方式に変更された。 ---その影響か今作は全体的に武器改造費用が高めになっている。 -熟練度システムの変更 --選択肢による変動は廃止され、各ステージ毎に決められた条件を満たすことでのみ上がる仕様に変更。自分が獲得した熟練度もメニューに表示されるようになった。 ---獲得熟練度によって、難易度が「易」「普」「難」の3つに自動的に変化。 -新システム「バザー」と、そこで用いる通貨「ブルーストーン」 --ブルーストーンは『戦闘メカ ザブングル』劇中に登場する鉱石で、一種の通貨として用いられている。~ 本作でも舞台が惑星ゾラに移行してからは、敵の撃破時やマップ上のコンテナなどからブルーストーンを得られる。そしてインターミッションの「バザー」コマンドから、強化パーツや機体を売買できる。 --売買できる機体は『ザブングル』のウォーカーマシンと、一部のモビルスーツ、モビルアーマー。いずれも弱小~中堅クラスの性能だが、機体改造によっては一線級に化ける機体もある。 --隠し要素として、機体能力を一つでもフル改造してから売却すると、項目ごと、及び項目数に応じて隠し強化パーツがもらえる。 -「マウンテンサイクル」 --元々は「∀ガンダム」の劇中にあったものだが、未来世界ではマウンテンサイクルから、強力な強化パーツやMSを入手できる場面が多々存在する。 --山などの地形に混じってマウンテンサイクルが見づらい場合もある。 -新強化パーツの追加 --ENの最大値を上昇させるパーツやこれまで敵専用だったEN回復(大)を味方に付与できるパーツの追加。 --安価で地上ユニットの移動能力をフォローできるホバークラフト等地形適応を向上させる効果を持つパーツが増加し、全地形適応をAにするものも追加。 --運動性が命中率に反映されないため、命中補正を補助するパーツも追加。 --スーパー系に特に向いた複合能力上昇パーツの勇者の印、鋼の魂の追加。 --分身を付与する強化パーツの追加。 --更にSP(精神ポイント)を全回復する消費パーツが初登場し、以後は性能抑えつつ定番になった。 -クリア後の引継ぎ要素の採用 --今後のスパロボのようなクリアデータの引継ぎではなく、周回プレイの開始時に、前の周のクリア難易度に応じた一定額のボーナス資金がもらえるというもの。 **評価点 ***システム面 -システム面の改修で戦略性が増した。 --援護攻撃・防御は攻略上非常に重要だが、これらの技能はいわゆる脇役パイロットの方が覚えやすいため、運用の幅が広がった。 ---一方でまだ黎明期だったためか、いくつか問題点がある(問題点の項を参照)。 --「指揮」により上記の援護システムと合わせ、SRPGらしい陣形を組む面白さを強調している。一方で、援護防御や指揮官技能の存在は難易度の上昇にも一役買っている。 -計算式の変更により命中させやすくなった。 --攻撃当てるのに「必中」に依存していたスーパーロボット系も雑魚程度なら少し工夫するだけで精神コマンドに頼らずに攻撃を当てられるようになった。 -「成長タイプ」による個性化 --この新システムと、前作『α』から受け継いだ「技能ポイント」システムが相まって、パイロットごとに異なる個性ある成長を見せることになった。 ---初導入であったためかキャラ間の格差が激しく、バランスの粗さが目立った(後述)。 -改造システムの変更 --固定値でなくなったことで長所を伸ばす機体改造がよりしやすくなった。 --これまでは複数の武器を持っていても特定の武器しか使わないのが普通だったが、様々な武器を使い分ける楽しみが増えた。 -- 量産型など低性能な機体ほど、武器や機体改造の費用対効果が高い傾向にある。そういった機体はパーツスロットも多いため、同じ資金をかけた場合に主人公機を超える強力機体に化けることも。 ---一方でこの仕様変更には全体的な獲得資金の低下が合わさった事もあり、不満が少なからずあった(後述)。 -熟練度の把握しやすさの改善 --前作で明示されなかった熟練度によるステージ変化(敵の数やステータス値、撤退条件、クリア後のボーナス、入手できる機体、最終ステージへと至る最後のルート分岐の条件など)が視認できる難易度をもとに決められるため、確認しやすくなった。 -強化パーツの追加で各種のカスタマイズ性が増した --後のシリーズにも採用されることになるこれまでに無かった強化パーツが大幅に増えた。 ---特にENのフォローをできるパーツはバザーの隠し強化パーツの中でも特に費用対効果が高く((味方のENの平均が100で、フル改造で2倍の200になる=ENフル改造で100上昇が平均の中、ENをフル改造した機体を売却すると、EN+150の強化パーツになって帰って来る。))、武器改造の費用が高い関係で「何発も打てる武器を強力な武器になるよう改造する」よりも「(燃費に難のある)強力な武器を改造と隠し強化パーツで何発も打てるようにする」方が安価にできたりする。 -引継ぎ要素の追加 --今後のスパロボでは定番である「クリアしたデータの引き継ぎ」ではないが、周回プレイのモチベーションを高める効果は十分にあった。 ***ゲームバランス かなり易しい難易度だった前作に対し、難易度調整が行われシミュレーションゲームとしてのやり応えは増している。なお、「易」ルートであればそこまで深く考え込まずともクリアは可能。一方「難」ルートは旧シリーズ並みの難易度を誇り、幅広いプレイヤーに対応できるようになった。 -難易度が上がると、出現する敵の機体の数も増えるケースがとても多い。 --隠し要素についても、各MAPの開始時の難易度によって変わり、例外もあるが、難易度が低い方が高性能な機体や換装パーツを手に入れやすい傾向にある。 -指揮官技能、援護、EN回復(大)パーツの登場、サテライトキャノンの仕様、そしてマップ兵器を持つ敵が非常に少ないため、待ちゲーが非常に有利。熟練度条件が〇ターン以内に~のものもあるが、どちらかというと条件付きのボスを倒すものが多く、総ターン制限のあるイベントも無いため、システム的にも待ちゲー主体で進めやすい。 --ただターン制限イベントが無いわけでもなく、サテライトキャノンも使用制限を受けることもあり、敵によっては単純な「HPが低い相手狙い」ではなく、「ダメージ効率が良い相手や、反撃不能相手狙い」がいるため、反撃重視の場合は従来通り精鋭のみの突撃も依然有効。 --後半は''敵も援護陣形を敷いてくる''ため、その突破が重要となる。以降のシリーズでも援護陣形で来る敵は多い。ただその対処方法が限定される点は不満点としても挙げられる。(後述) -ダメージ計算式が変化し、敵味方共に与ダメージが大きく減少した。前作終盤では数万のダメージが飛び交っていたが、本作では「熱血(ダメージ2倍)」を用いても、大半の機体が10000弱程度のダメージに収まる事が多い。終盤で武器をフル改造+「魂(ダメージ2.5倍)」などを用いたとしても15000~17000前後が関の山。20000越えのダメージを出せるのは極々一部の機体に限られる。 --そのため上記の援護システムを活用する必要があり、戦略性が増している。またその極みが「大地の守護神」のゼンガーであり、倒すにはスパロボ史上最高のやりこみと戦略が必要となる。寺田Pからの究極の挑戦状である。 ---なお、2023年現在、やりこみと戦略と精神コマンドと親愛度システム等々、使える要素を駆使して実際に撃墜しているプレイヤーも存在する。 --全体的なダメージ減少傾向のため、従来はあまり硬いという印象がなかった超電磁系やゲッター系などのユニットもザコの攻撃にはかなり耐えてくれる。それでもボス級の攻撃は激しく、食らうとかなりの大ダメージになるためボスキャラとしての威厳を保つ事に成功している。 -難易度を問わず、38話「月光蝶」の後半ステージは、ストーリーの流れや演出の力の入れようが他のステージと比べると段違いでアツい展開となっている。アムロ・クワトロ、そしてギンガナムの3名による、フルボイスで展開されるやりとりは必聴。~ 同時に本作屈指の難関ステージでもある為、多くのユーザーに強い印象を残した一方で、根強いトラウマを抱えたユーザーもいた。 -精神コマンドについても、前作よりも弱めに設定されている。 --前作の非常に強力な精神コマンドは軒並み廃止、弱体化され習得者も限られるようになった。 ---具体的に魂(攻撃力3倍→2.5倍 習得者は主役級のみ)、戦慄(敵全員の気力10ダウン→5ダウン 習得者は『ザブングル』のファットマン1人のみ)が代表的。また、集中(命中と回避を+30%)の消費SPが10→15に増加している。 --逆に自分の周囲に効果を及ぼす形に戻った激励など、使いやすい方に修正されたものもあり、精神コマンド間の使い勝手の差は無くす方向の調整がされている。 --これに関連して全体的に味方のSPが低めになっており、精神コマンドの使いどころを選ばなくてはいけなくなった。 -敵CPUの思考力向上。フロスト兄弟等名有りパイロットの多くは、こちらの攻撃によって回避や防御を選択するようになった。 --それと同時に、終盤のボスユニットが一定ダメージ毎に精神コマンドを発動するようになった。これらもボスキャラの強敵感を出すには良かったのだが、今作は少々やりすぎた感がある。(後述) --この思考ルーチン、および前述したダメージのデフレの影響により、宇宙ルート33話「ターンX起動」で出現するターンXは、HP40000かつHP70%以下で撤退・ターン制限あり・出撃できるメンバーが強制出撃機体のみな上にスーパー系がいない・ギンガナムはPPでは必ず防御する…という条件の為、上述したゼンガーと違い、どうあがいても撃墜は不可能とされている。 -後半以降は後のシリーズでは非常に希少な''「消費型のSP全回復強化パーツ」を販売しているバザーごとに9個補充できる''ため、活用すると非常にゲームが楽になる。 --ただそれでも数量制限はあり、所謂「エリクサー症候群」の対象となりやすいため、かなり凶悪な効果ではあるがそこまで問題視はされていない。付け加えると、後述しているが、強化パーツの数を迂闊に9個にすると悪質なバグが発生する問題も存在している。 ***戦闘アニメ・演出 -グラフィックの質は前作からの大きな進歩はないが、戦闘アニメは大幅にパワーアップしている。 --本作から新規登場したユニットの中でも、文字通り歩行モーションが頻繁に挟まれコミカルな動きを見せる『ザブングル』のウォーカーマシンや、細かい演出の光る『∀ガンダム』に登場するMS、『魔装機神』などオリジナル機体の派手な演出は特筆すべきもので、これらのユニットは攻撃を外した際に特殊な動きをするなど芸も細かい。 ---特に人気が高いのは、後述するオリジナル機のスレードゲルミル、本作唯一の二段カットイン付き&s(){でロリコン垂涎モノ}のディアブロ、入手が難しい隠しユニットのHi-νガンダムなど。 --既存ユニットでも『マクロスプラス』、『ガンダムW』系の機体、νガンダム、マジンカイザー、ゲッタードラゴン、真・ゲッターロボなどの一部武器、そしてマジンガーZ、ダイターン3はデフォルトポーズから、ほぼ全武器に渡るまで、見事に作り直されている。((α時代のダイターンは[[IMPACT>スーパーロボット大戦IMPACT]]で偽ダイターンとして流用されている。)) ---特に、美少女型ロボットであるヴァルシオーネRはPSとは思えないほどヌルヌル動く。これはヴァルシオーネ好きのスタッフによる暴走だったらしく(『α』でも片鱗が見える)、それに引きずられて全体的に戦闘アニメがパワーアップしたらしい。 --また、ガンダム系の大口径ビーム兵器の演出が変更されている。具体的には旧作では一定して太いビームだったものが、今作では発射からだんだん太くなり、撃ち終わった後は粒子がほのかに残る演出となり細かい演出の技が光る形となった。 --他に前作から大きく変わった点として、スーパー系敵メカを中心にある程度の敵ユニットの戦闘アニメーションがよく動くようになった。特に顕著なのがゲッターロボのメカザウルスで、今作で所属勢力である恐竜帝国が初めて参戦したためか非常に気合いが入っている。ノッシノッシと歩く様などは大きな進歩と呼べる。 --戦闘アニメ開始時に、ユニットが枠外から登場するようになった。 ---初出は『64』だが、αシリーズでは本作が初めてとなる。 --スポット参戦で、ダイターン3が4人乗りパイロットで扱える場面がある。~ 隠し扱いではないため常時4人乗り不可だが、多人数乗りのダイターンが使える貴重な機会を得た。 -戦闘台詞パターンの増加。前作にいた多数のキャラの戦闘台詞が新たに収録され、因縁の相手(例:カミーユ→ジェリド)に攻撃する時や攻撃された時に相手を名指しで呼ぶもの、他に自機名を呼ぶもの、合体ロボット(コンバトラー等)でのパイロット同士の掛け合い、新規キャラへの対応台詞、そして新規キャラも作品の垣根を超えた特殊台詞に、ザブングルやウォーカーギャリア、Gファルコン合体状態専用の掛け合い、果ては敵一般兵がニュータイプやガンダムに反応したり、女性キャラ相手ならナンパしてくる等、戦闘台詞のバラエティが豊かになった。これも戦闘アニメの演出をより豊かにするのに大きな役割を果たしている、と言えよう。後のシリーズにもしっかりと受け継がれた。 --この要素がおおむね好評であったことと、ハードが進化していったこともあり、演出重視の姿勢は後のシリーズでも続けられていくことになった。 --ただハードの性能を限界まで引き出しているためか、場合によっては処理落ちを起こしてしまうのが難点。 ---また、ハードの型番によっては一部戦闘アニメの音声の末尾が途切れてしまう場合がある。 //順序の訂正と追記 前作とデフォルトポーズが同じものは、使い回しが全く見れない、ほどではないので -インターミッション用のキャラクターグラフィックはそのほとんどが描き直された。 --『α』ではあまり似ていなかったキャラクターも、より原作の雰囲気に近づいている。 ***ストーリー -序盤では『α』直後の地球圏での権力争いが行われるが、その後、舞台は『ザブングル』『ガンダムX』『∀ガンダム』などの新規参戦作品の世界観を主軸にした荒廃した地球・惑星ゾラ(ザブングルの舞台)へと移動する。 --スパロボ全体から見ても本作は宇宙に行く場面が非常に少なく、それまでにはなかった大胆なクロスオーバーと外宇宙を見据えたスケールの大きい展開が特徴のαとは対極的。しかし物語が進むにつれ前作との関係が明らかになっていく構造や仲間同士のやり取りに重点をおくなど、より緻密な展開になっている。 -リアル系が「ザブングル」「X」「∀」らの原作再現を主としたストーリーなのに対し、スーパー系はゲッター・マジンガーを中心にチーム同士やロボットとの絆を描いた独自の展開を見せるシナリオが主体。中でも甲児、鉄也、ゲッターチームら常連でありながらもシナリオ的には目立つ事の少なかったスーパー系にスポットが当てられることで、本作は良い意味で暑苦しく泥臭い「スーパーロボット」大戦の名に相応しい出来となっている。 --特筆すべき点として、旧シリーズでは「甲児のためにグレートを持ってきた」と言われるほど冷遇されてきた剣鉄也が、本作ではストーリーの要所で主役的な活躍を見せ、ファンを増やした。同じく過去のシリーズでは単純な上位機体としての域を出なかった真・ゲッターロボやマジンカイザーも、本作ではドラマ的にも重要な意味合いを持つ機体として登場する。 --未来編の敵となる勢力にもそれぞれ厚みがある。未来でも続く地球と宇宙の敵対関係を体現するイノセントとムーンレィスの対立を軸に、いまだかつてないほどに脅威として描かれる((温厚なキャラであり、直接因縁の無いロランが「彼らを止めないと人類が絶滅するため、人類同士で争っている場合ではない」と戦慄するシーンや、実際に人類絶滅計画と方法が明示されるシーンが挟まれる。))スーパー系の敵連合軍、地下勢力と、その地下勢力を過度に敵視するオリジナル組織アンセスターが絡み合い、物語が進展していく。ただヌビアコネクションのみは現代から引っ張った割に幕引きがあまりに雑だった。詳しくは後述。 -Zガンダムは、過去シリーズだと攻撃力不足や最強武器の属性(ビーム兵器)が原因で、終盤は二軍落ちすることが多かったが、本作では性能が従来より良好なうえに強化イベント(隠し)も用意され、最終戦までの運用も十二分に可能となった。 --強化イベントを発生させると機体性能の向上と強力な武装「突撃」が追加される。また、強化後はBGMが「水の星に愛をこめて」に変わる。 ---ただファンサービスとしては豪華なのだが、肝心の突撃が格闘武器で、パイロット特性とも機体特性とも噛み合わないため、使用するにはかなりの愛が必要になる欠点はある。しかも取得はとあるキャラの死亡と引き換えという、少々後味の悪いものになる……正しい原作再現ではあるが。 --好評だったためか以後のシリーズでもZガンダムの強化イベントはほぼ定番となっている。 -また、本作を語るのに欠かせないのが、敵として登場するオリジナルキャラであるゼンガー・ゾンボルト。 --本人はもとより、搭乗機体であるスレードゲルミルのその強さやデザインと共に圧倒的なインパクトを誇り、特に「斬艦刀」のすさまじい演出はプレイヤーに強烈な印象を与えた。また、その単純明快な造形から多くのファンを獲得し、『第2次α』では主人公の一人に抜擢された。 -人気の高い魔装機神シリーズから多数の機体が参戦。その数敵味方合わせて10体以上とファンを喜ばせた。 --ジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが久しぶりの登場。戦闘グラフィックも気合が入っており(上述したヴァルシオーネR等一部入りすぎとも言える機体もあるが)評価が高い。 -最初期から長きにわたって参戦しているゲッターロボ(TV版)のまともな原作再現が初めて行われた。 --敵勢力の恐竜帝国が初めてシリーズに登場し、それまで弱小ユニットでしか無かったメカザウルスも全体的に強まった。敵キャラクターのイベントも見逃せなくなっている。 --なお本来αシリーズは外伝の予定のない3部作構想で、地底勢力は『第2次α』から登場させる構想だったとのこと。 ***BGM+テーマソング -スーパーロボット大戦シリーズとしては初めて、タイトル画面とスタッフロールで流れる歌詞付きの主題歌としてOP、EDテーマが採用された。 --歌手はこの先もスパロボと大きな関わりを持つことになるJAM Project。本作品のOP曲「鋼の救世主」は、今なお人気が高い。~ 以後、家庭版スパロボシリーズの定番となり、後に様々な名曲・神曲が誕生する足掛かりとなった。 -『第4次』以降、定番だったカラオケモードが収録されている最後のスパロボでもある。~ また、家庭版スパロボではZガンダムの「水の星へ愛をこめて」が最後に収録されたスパロボとなった。(携帯機はスパロボAが最後) ---- **賛否両論点 ***技能ポイントの仕様変更 -技量・SPを除く全能力が成長可能になったが、各能力の上昇限界が+50までになった。 --前作はパイロット成長における技能ポイントが大きく、常に一軍で戦い続けてきたパイロットとベンチウォーマーでは、技能ポイントが原因で能力差が生じたが、本作ではそれほど極端ではなくなった。 //---もっとも、前作においても、単騎無双でもしない限り寄与する値はトップエースで20%程度と圧倒的な値ではなかった。(もちろん大きなファクターではあるが) //この手のゲームの20%は十分圧倒的と思われるためCO --防御・回避の技能ポイント獲得が厳しい。こちらの被害が大きいほど獲得ポイントが増える使用のため、こちらが強いとポイントを獲得するのが難しい。回避は相手の命中が0から4%だと1、5から25%だと2と、二倍も成長速度が違い、防御はダメージを受けなければ成長すらできない(回避は上昇する)。 //格闘、射撃も限られた敵数の中で攻撃ごとに1、撃破で5なので、大変さは同等と判断して、こちらが強い際に不利、としました。 -以後のスパロボでは技能ポイントは廃止され、PPもしくはBPというポイントを任意に振り分けて成長させるシステムが採用されている。どうやらあまり良いシステムではないと判断されたようだ。 //***最終分岐の条件 //-従来のスパロボでは、エンディングへと至る最終分岐は累計総ターン数による場合が多かったが、前作からは熟練度(難易度)によって分岐する。 //--総ターン数を気にかける必要がなくなり「早解き」の必然性が低下。どれだけターンを費やしても一向に構わなくなった。 //---早解き一辺倒の攻略ではなく、状況に応じた多様な戦略が取れるようになっている。 //--ただしマップによって、早解きが作戦目的や熟練度獲得条件となっている場合はある。 //前作からの変更点なのなら、こちらに記入する必要ないのでは?そもそも、早解きから熟練度への移行は、評価点でも問題点でもないような。 ***スーパー系、多人数乗り、マップ兵器優遇のユニットバランス -味方の最大SPが低下し、好きなだけ精神コマンドを使いまくれるゲームバランスでは無くなったため、複数人数分の精神コマンドを駆使できる多人数乗りスーパー系ユニットが強力かつ有用となっている。 --更に精神コマンド「期待」(SP50回復)や、消費パーツ「ドンキーのパン」(SP全回復)が、''全サブパイロット''にも適用されるため、余計に有利に。殊更に、5人乗りの超電磁ロボ2体は非常に大きな恩恵を受けられるため、精神コマンド要員としても非常に有用になった。 -また、各種仕様の関係で、複数合体ユニットの分離形態が非常に便利になった。 --援護の登場により、援護攻撃を引き出すために分離して攻撃、敵の精神使用に対してひらめきを使って、熱血や魂を無駄打ちさせる、といったことが本体の行動を消費せずに可能。 --超電磁ロボは分離形態の中に修理装置を持つ機体がいるため、分離→修理→合体で行動回数を減らすことなく修理行動を行う事が可能なのも大きい。 --分離機体そのものの攻撃力も、本体と改造が連動するため、本体の武器改造のついでにフォローが可能。ダメージバランス的にもそれなりの威力が期待できるため、大いに活用する価値がある。性能のフォローのため、スーパー系でも運動性を改造するのも有効。バザーシステムで強化パーツが揃えやすいのも助かる。 ---サブパイロット達の能力が低めなのはそのままだが、そうでもない機体もおり、特にダンクーガ、スーパーガンダムは攻撃力も非常に優秀。 ---このように、使いこなすと分離できないユニットと結構な差が付く。流石に強力すぎたのか、コンバトラーなどが分離できるのは今作までで、援護と合わさったのも今作のみとなっている。 -一人乗りのスーパーロボットでも、加入こそ終盤だがすさまじいスペックを持つマジンカイザー、パイロットが念動力を持つ為にスーパー系らしからぬ命中と回避をもつ上に、武器改造の上昇値が高めな為に最高攻撃力6000を持ち援護技能も持つライディ―ン、高い機体性能を持ち、異例の第2話から参戦するダイターン3など、有用なキャラや機体が多数存在する。 -ではリアル系は全てが不遇なのかと言われるとそうでもなく、後半の援護防御陣形を組む相手へはリアル系のマップ兵器所持ユニットが大きく幅を利かせることになる。 --そのマップ兵器所持で多人数乗りのユニットは二人乗りになるのが終盤で、マップ兵器の威力の低いアイアン・ギアー、制限が非常に厳しいガンダムDX+Gファルコン、そして特例のウッソ+ハロのみ。 --そのため、マップ兵器要員として一人乗り機体も有用となっている。だがそちらも攻撃力と範囲が段違いで優秀なΖΖガンダム、ウィングガンダムゼロカスタム、月光蝶追加後の∀(易ルートのみ試作2号機)がとびぬけすぎている。一方でせっかく参戦した魔装機神系ユニットはそちらの威力が非常に低いため、この方面では活躍しにくい。 -反面、通常戦闘においては、囮こそできるもののやりすぎだった前作ほどの万能感はなくなった。特にνガンダムやウイングガンダムゼロカスタムなどは前作に比べて大幅に弱体化しており、ファンを落胆させた。 --本作では地上での戦闘がかなり多く、武器の地形対応が全体的に悪いガンダム系、特に量産機系にとって大きな逆風となっている。 //ガンダム系主役機で最強武器の地形適応に難があるのはνガンダム系のみだったので記述変更。 --防塵装置が追加されたことで地上適応は前作より容易になった。一方でこれも当然強化パーツなのでパーツスロットを要求する関係上スロットの多い機体がより優遇される結果になっている。 --パイロットも含めてみれば、回避こそ後述の仕様で主役級ニュータイプ達は高いものの、「魂」の弱体化、援護を覚えないため、囮役としては優秀だが攻め手としては弱体化している。 --その点で高レベルの援護や「必中」、もしくは「奇襲」(複合効果の中に必中がある)を覚えるサブキャラが、ニュータイプ達が苦手とする高回避ユニット相手や集団戦闘が得意という形で新たな出番を得ている。またガンダム作品以外のキャラであれば、主役級でも援護を高レベルで覚えられる。それでも、スーパー系主人公のほとんどが「必中」を初期から持ち、早期に援護をレベル1までだが覚える点が辛いが…。 -新規、復帰組では、魔装機神系ユニットは後半に追加される武器が強力で、最終的な攻撃力はスーパー系をも上回るが、そのスーパー系が「覚醒」と「熱血」を覚えるキャラが別々に搭乗しているため、実質的なダメージ面では勝てていない点が辛い。マップ兵器の威力も前述の通り。 -ガンダムX系ユニットは後述の通り、主役機が後半、およびディバイダーを除いては月頼りである点が辛いが、武装のディバイダーの総合性能は全ユニット中最高クラス。月さえあれば、気力とターン経過だけで連射可能なサテライトキャノンももちろん強力。 -∀系ユニットは、∀の性能は最初こそ弱いがシナリオと共に向上し、最終的には月光蝶を習得。戦艦では後半のソレイユも非常に強力。パイロット達の技能もしくは、精神も優秀。 -ザブングル系ユニットはWMが買えるなどの要素もあるが、ザブングル、ウォーカーギャリア、隠しのブラッカリィ以外の性能は微妙。一方でパイロット達はガッツや底力と援護を交えた戦闘が得意で、二人乗りでの精神の組み合わせも面白いとなかなかの評価。 -ブライガーは上記の多人数乗りスーパー系な上、リアル系サイズに変形可能なため、言わずもがな強力。多少耐久が低い代わりに、武装が非常に優秀で使い勝手が良く、距離を選ばない。 ***改造関連 -全武器一括改造になった事とあわせて、武器改造の費用対効果が前作よりも圧倒的に低くなった。 --スーパー系の改造効率の悪さは特に顕著で、''終盤2マップ分の稼ぎとなる64万投入して攻撃力が800しか伸びない機体も多い。'' ---しかしこれらの機体は上昇率が低いだけに無改造でも素の威力が相当強く、改造が必要なのはやりこみプレイで特定のボスを撃破するなどの場合が殆どなので、普通にプレイするには武器改造を後回しにしたり、いっそ最後まで無改造でも特に問題ない。 --効率的なプレイをしたい層にとっては不要な武器に改造費を取られる形となり、前作のような個別方式の方が良いという否定的な意見も出た。 ---獲得資金も終盤まで少ないこともあり、爽快感がないという意見も。 --一方でこの形式になった事で普段使いにおいてサブとなる武器も自動で強化される為、色々な状況には対応しやすくなり、色々な武器を使う事でマンネリ感の解消にも繋がった。 --なお武器改造をしなくても、スーパー系を中心にトドメ役を選んで行けば熟練度や隠し要素の獲得に重大な支障が出ない((前作では熟練度獲得のために特定の武器改造(断空光牙剣の追加、改造)が必須に近い場面が多くあった。))など、武器改造をしにくい環境に合わせてゲームバランスは整えられている。 -元が弱い機体の改造システム周りが極端 --改造による機体性能の上昇が倍率を掛ける仕様になったため、元の能力値が極端に低い機体は改造を施しても殆ど成長しない。例えばHP2000のユニットならばフル改造しても3000にしかならない。強化パーツ一個分である。 ---弱い機体ほど強化パーツの余裕が多いため、パーツでの補完に任せる形で対応は可能になっている。 --逆に元が弱い機体ほどで武器の改造効率が良く、主役機を超える性能の汎用武器をぶっ放せるようになる。 ---特にガンブラスターとトーラスの性能は凄まじく、武器改造費が安く、攻撃力がそこそこあり、継戦能力も高く、パーツスロット4つ、飛行可能、更に多くのパイロットが乗り換え可能…とあまりにも使い勝手が良すぎる。~ 反面、マップ兵器がない、主武装がビーム兵器、攻撃力が最強クラスとは言えないなどの弱点もあるが、それでもラストまで十分すぎるほど戦える。 ---素の性能はそれらに一回り劣るが、上記の複数合体機の利点もあり、二人乗りで1枠で出せるスーパーガンダムは、人によってはそれ以上の評価をされることも。 --上記のようなシステムから、改造で伸びないステータスはパーツで補強し、改造効率の良い武器を改造する事で元が弱い機体を活躍させやすくなったが、主役機の必殺武器を超えるような汎用武器を連発する事については主役機らしさが薄れてしまい難色を示すプレイヤーも出た。 //***難易度「難」のラストMAP //-MAP名、ボス共に旧シリーズ第三次の隠しマップと同じ //--αシリーズで魔装機神のシナリオを展開した結果であり、後にOGシリーズでも同じ展開があった。 //--版権作品が別タイトルで同じ展開を繰り返す事はスパロボシリーズでは良くある事ではあり、魔装機神も半ば版権作品に近い。 //---とはいえ、オリジナル作品には違いなく、最終マップで同じ事を繰り返した事で、「またかよ」と一部から思われてしまった。 //否の意見が言いがかりに近いのでコメントアウト。 ---- **問題点 ***バグ 本作はバグが非常に多く、突貫工事的な制作を思わせるものがある。 -各強化パーツの所時数が1種類あたり9個に達すると、大小様々なバグが発生し、ついには''36話で確実にフリーズが発生して進行不可能となる''。 --何より厄介なのは''バグの原因発生と、バグの表面化との間に、何マップ分にも及ぶタイムラグがある''こと。もう絶対にクリアできない状態になったセーブデータで長期間のプレイができてしまうので、気付いたら時すでに遅し、という最悪のケースが生じる事も珍しくない。 --更に輪をかけて厄介なのが、先述の「バザー」で強化パーツを容易に増やせるという点である。「ブースター」(移動力+1)などの安価かつ有用なパーツを知らずに買い漁った被害者も多い。こんな単純な事でここまで致命的なバグが発生するとは誰も思わないだろう。 ---パーツはバザーで売却できるため、事前にバグの存在を把握していれば回避は容易である。 //似たような記述が多いので圧縮 -29話で兜甲児をグレートマジンガーに乗り換えさせると地上ルート36話でフリーズする。このバグも上記同様、表面化までにラグがあるのでハマりに陥る危険性が高い。 -ゲームを進めると自軍のユニットリストに敵の戦艦である「グレタ・ガリー」が追加される。 --しかし''追加されるだけで使用はできず、しかも最後まで居座り続ける''。改造も可能だが資金を損するだけで意味は無い。 --原作ではアイアン・ギアーが大破した後、同型艦であるグレタ・ガリーを鹵獲して色を塗り替え2代目アイアン・ギアーとする展開がある。しかしデータ管理上わざわざ自軍にグレタ・ガリーを入れる必要などないはずであり、全くもって不可解。 -一部のバルキリーの武装は形態毎に最大弾数が異なっており、残弾数が別形態ではマイナスに到達するほど使用した後、マイナスになる形態に変形すると、逆に残弾数が120発を超える。 --これはVF-11のガンポッドは後に修正されたが、Sバルキリー柿崎機の反応弾は修正されていない。 --プレイヤー有利のバグであり、一部機体の残弾数が極端に増えてもゲームバランス崩壊までには至らないため、重大な欠点というよりは便利な裏技として知られている。 -29話でミリアをアーマードバルキリーに乗せていると、強制出撃時に必ずフリーズする。これはミリアは出撃時に変形するイベントがある為、変形機能を持たないアーマードバルキリーではエラーを起こしてしまう為である。変形機能を持つデフォルトの専用バルキリーなどに乗せていれば大丈夫。 --ミリアを何の機体にも乗せておらず、かつミリア専用バルキリーに他のパイロットが乗っている場合、勝手にアーマードバルキリーに乗ってきて勝手にフリーズを起こすことも。 -宇宙ルート35話にいくつかバグがある。 --目的地周辺5マスにラー・カイラムを入れて増援を出させると、勝利条件達成時に100%必ずフリーズする。 ---また、それとは別に敵の増援を出現させすぎたり、敵を全滅させたりしてもフリーズする。獲得資金が多い敵ばかりなので、できる限り倒しておきたいと考えるプレイヤーの多くが引っ掛かった。 --同シナリオは敗北条件の一つに「マップ兵器の使用」があるが、ヴァル・ヴァロのプラズマリーダーだけは使用してもゲームオーバーにならない。 -機体とパイロットの地形適応が全く反映されていない。BやCと表示されていても全てAとして計算されている。 --自軍に限って言えば、地形適性が芳しくない機体・パイロットも気にせず使用できるため、怪我の功名と言えなくもない。 --一方で敵側も、適応Bの機体でも適応Aの回避・命中となっているため、本来想定されていたものとは別のゲームバランスになっている。 --なお武器の地形適性は正常に反映されている。…だからこそ地上適性の低いファンネル装備の機体がワリを食ってしまっているわけだが。 //--これのせいで本作は命中率がかなりシビアであり、エースパイロットが雑魚相手に命中率100%未満になる事も多々ある。 //命中に関しては、地形以外の問題があると思われますので、表現を緩和。 -ニュータイプ・強化人間・カテゴリーF・念動力等の回避補正が本来の効果の2倍になっている。 --こちらも想定されたゲームバランスを大きく崩す要因となってしまっている。(後述) -成長タイプの「万能系・大器晩成型」が正常に設定されていない。 --同じく晩成の「格闘or射撃系・大器晩成型」(あるレベル以降、能力の上昇率が伸び、最終的に「格闘or射撃系・万能型」より一回り下の高い能力になる)と比べると、SPだけは非常に伸びるが、他の能力はその伸び幅があまりに小さいためSPのみが優秀という、まるで別の成長具合となっており、バグあるいは設定ミスではないかと言われている。 //((一説によると100以上。))このゲーム99までしか上がらないんだけど…。チートで確認? //99にしたデータを参考に修正 SPだけは非常に上昇します --当てはまるのはオリジナルの「リュウセイ」「ミオ」「プレシア」、ガンダムXの「サラ」、∀ガンダムの「ロラン」、ザブングルの「チル」、そして能力の関係ないVガンダムの「ハロ」となる。 --支援精神が豊富なプレシア、サラ、基本的にサブパイロットであるチル、サブパイロット固定のハロは「精神ポイント重視型」(SP以外の能力は低めだが、SPは伸びる)の互換のようなものなのでむしろ優秀なのだが、問題はリュウセイ、ミオ、ロラン。 ---彼らは精神が完全に戦闘用で、前線で戦うのがメインのキャラでありながら、戦闘に必要なステータス値が最後まで低い。 ---リュウセイは前作では最強クラスの合体ロボSRXのメインパイロットを務める強敵殲滅の切り札だったが、本作では最後まで合体前の単体ロボR-1改が乗機となるためこれといった必殺技を持たず、しかも本人のステータス値も低いという弱体化が目立つ。加えて復帰するのがかなり後半にさしかかるあたりなのも辛い。~ もっともステータス値こそ低いが、機体の回避性能の優秀さ、先述のバグにより2倍化した念動力補正、加えてガッツの発動もあるため味方最高クラスの回避能力を持っておりクリティカル率も高められる。武器も低燃費の物が多く反撃や援護で暴れられるので、前作とは別ベクトルの強さを備えており、最前線でも十分戦える。 ---ミオは遠距離攻撃が弱くガッツを活かして近距離必殺武器を使用していく機体であるため、能力の低さが辛い。レア精神の「脱力」が使用可能な辺り支援機的な設定をしたのかもしれないが、どうにも中途半端。おまけに搭乗機のザムジードがHP回復(小)を持ってる為、ガッツ状態を維持し続けるのが難しいのもネック。 ---ロランは乗機の∀ガンダムが優秀なのでそれに合わせた能力なのかもしれないが、問題は∀ガンダムが乗り換え対応機体である事。そのためイベントが起こるマップ以外では他の優秀なパイロットに割り当てた方が有効であり、本人は放置されるケースも少なくない。幸い精神ラインナップが優秀かつ無駄がない上にSPも豊富なため、きちんと乗機を改造強化して、精神コマンド多用の戦い方をすれば戦力的にはさほど問題ない。 //リュウセイも強力なためロラン1強的な意見は削除しました。 -本作は製作期間が比較的短く、前作からのシステム流用も多い事から、このような多数のバグを抱える事になってしまったと思われる。 --また、いずれもバグも中盤~終盤までプレイしないと発生・確認しにくく、また100%確実に発生するものも存在する事から、テストプレイやデバッグが不十分だったものと思われる。 --なお、廉価版やPREMIUM EDITION、PSN配信版ではいくつかのバグが修正されている。 ---有志による検証では、パーツバグ、宇宙35話フリーズバグ、バザー値段バグ、グレタ・ガリーバグ、VF-11ガンポッドバグ、ギャロップ消失バグは改善されている。 ***システムの粗 //改造関連は全体的に賛否両論に見えたので、そちらに移しました。 -命中関連 --運動性の仕様変更は、スーパー系や戦艦系にとっての評価点・改善点となった一方で、別の問題点も生まれた。 --運動性の強化で命中率を能動的に補強できなくなったため、使用ユニットによっては一部の高回避を持つボス敵が非常に大きな壁となった。 --具体的には、''序盤9話から登場する''ゴーストX9、能力値が高い上に特殊技能「カテゴリーF」を備え、更に頻繁に防御・回避を行うフロスト兄弟が代表格。また難ルートのラスボスも該当する。 --精神コマンド「必中」持ちは問題ないが、「必中」を持たないリアル系パイロット達は「集中」では命中率上昇が追いつかず、それらが売りのボス相手には非常に苦戦することに。 ---運動性を改造できる『F完結編』終盤でもあった問題で「相性の存在」または「ボスの強さの表現」という意味では正しいかもしれないが、不満は多く出た。 --救済としてか、今作は「命中率が上昇する強化パーツ」が前作よりも非常に入手しやすいため、こちらと集中を併用すればいくらか改善できる。が存在が地味、もしくは複合効果の一部なため、考慮に入れられることは少ない。 --結果として、「仕様変更したのはいいが調整不足」といわれている。回避を敵の強さとして生かすのはいささかストレス性が高すぎた点と、補強はちゃんとできるが、それが目立たなかったことが難点か。次回作では特殊技能の補正(後述)がほぼ従来通りに戻ったことや、バランスや精神コマンドが整備され、あまり命中率に悩まされる事はなくなった。 //命中パーツについて追記。精神コマンドを使わないと困る点は同じなので他含め追記修正 -動作関連 --マップ上ではユニット移動だけは前作より素早いものの、軽度の処理落ちが常時発生しており、カーソル移動・精神コマンドのエフェクト等がのっそりしている。~ また、本作では簡易戦闘アニメの演出が強化されたせいで長くなっており、それに上記の処理落ちが加わるせいで非常にテンポが悪い。 --コンティニュー時のロード時間も長くなっており、テンポの良さやストレスの有無の面では前作『α』から大きく劣化したと言える。 -ボスユニットの行動 --本作ではより戦略性を深めるため、ボスユニット等がこちらの攻撃によって回避や防御を選択する仕様になっている。 ---「自分が倒される場合にのみ防御、回避」思考の敵はクリティカル、援護攻撃のダメージを考慮しないことから、ダメージと敵HPを計算し、精神コマンドを駆使して撤退ボスを倒そうとするも、クリティカルか援護でトドメをさせるように調整しないと防御・回避を選択されるため失敗…という事態になってしまう。 //援護も計算に入れた場合は問題ないため改定しました。 ---戦略の練り直しになる他、セーブ・リセット・ロードへの依存も強まり、更には上記の通りロード時間が長い…という悪循環に悩まされがち。結果、意欲的な試みではあったものの、ゲームとしての面白さには繋がらなかった。 --本作では(主に終盤の)ボスの強さを演出するためか、一定ダメージを与える度に精神コマンドを発動するようになっている。 ---これ自体は『α』にも見られた要素だが、『α』は最終ステージのボス2体のみであり、使用する精神コマンドも「ド根性」のみであった。 ---また、戦法次第は「ド根性」の使用を無視し、一撃での撃破も可能だった。無論入念な手間と準備が必要であり、決して簡単ではないが。 ---しかし本作では「ド根性」どころか「熱血」や「鉄壁」といった、多数の精神コマンドを大量に使ってくる。しかも1度や2度でない。 ---「普」ルート最終ボスを例にすると、HP80%以下で「熱血」「必中」「閃き」を、HP60%以下で「熱血」「必中」「閃き」「根性」「気合」を、HP50%以下で「魂」「集中」「鉄壁」「気合x3」を、HP40%以下で「魂」「必中」「閃き」「ド根性」「鉄壁」「覚醒」「気合x2」「補給」を、と怒涛の勢いで使用してくる。しかもボスどころか取り巻きの中ボスですら(軽度ながら)使用してくる。勿論これは「普」ルートでの話であり、「難」ルートだと精神ラッシュ回数や使用する敵の数が増大する。 ---特に「必中」や「鉄壁」等の持続系コマンドが非常に厄介であり、「ひらめき」がほぼ必須になるか、ターン経過による効果の解除を待つ必要がある。ボスユニットは大抵「HP回復30%」を備えており、それに「根性」「ド根性」が加わるため、これまで与えたダメージが大幅に消えてしまう。前述の与ダメージ減少により「大ダメージによる精神コマンドラッシュの無視」も非常に難しい。 ---困難ではあるものの一番厄介な「鉄壁」を使用させずに撃破することは、ゴール(ラスト手前の大ボス)以外には通常プレイでも可能。ひらめき持ちのボスキラーメンバーを選抜するなどの計画を楽しむユーザーも少数ながらいる。 ---恐らくHPを16ビット以内(65535以内)に抑えつつ、それ以上の耐久力を実現させるため、もしくは前作の「一撃で倒せる」という声を受けての調整だと思われるが、今度は逆に「難しすぎる」「ウザすぎる」「理不尽」という声が上がってしまった。前作は手軽な難易度とテンポの良さで大量の新規ユーザーを獲得していたため当然であろう。 --不評だったせいか、どちらの仕様も以降の作品では殆ど採用されなかった。 ---前者は「特定イベント・状況で出現する敵のみ防御や回避を行う」という、従来通りの仕様に戻されるが、一部作品では同様の挙動、更に一部の作品では雑魚も死にかけると防御、回避をする事態になっている。ただクイックセーブ&ロード環境の向上、防御の軽減率も50%から下がっている作品もあるためなど、『α外伝』よりは問題視されにくい。 ---後者は精神コマンドラッシュではなく、状態異常効果・HPの多さ・攻撃力や命中率の高さ等でボスの強さを演出するようになったが、これにも賛否が分かれた。なお、それらのボスの中にも精神コマンドを使うものはいるが、攻撃系精神がほとんどで、ド根性などの使用は1度程度になっている。 //精神関連に関して編集、追記。一部以外鉄壁無視もできます。 -技能補正関連 --「ニュータイプ以外は人にあらず」と言われた『F』を反省し、前作では回避命中補正を得られる技能の効果が低くされていた。 --ニュータイプ(以下NT)を例にすると、『F』のNT補正は命中・回避共にLv9で+43%だったのに対し、前作のNT補正はLv9で+30%である。 --しかし本作ではこのNT補正がやたらと高く設定されており、Lv9の補正は前作を超える+35%。回避補正は前述のバグにより''『F』をも遥かに超える+70%''もの超強烈な補正を得られる。 --普通にプレイしていて最大Lvまで上がり切る事はあまりないが、それでもあまりに高過ぎる。参考までに前作における最大補正の+30%は、本作におけるLv4である。 --上記のフロスト兄弟が鬼のように高い回避率を持っているのはこれが原因である。前作のように命中補正と回避補正が同数値なら、NT持ちパイロットに相手をさせる事で対処できたが、本作では命中補正と回避補正の間で2倍もの差があるためこのような事になってしまった。 ---これに関連して、回避+運動性が限界以上になった時に赤い警告は出るものの、実はレベル制の技能補正の分も限界に影響されるため、見た目は問題なくても限界に引っかかっている状態になるという罠もある。 ---また敵側の機体は限界のパラメータが味方に比べると低めであり、実はその回避補正をフルに活かすことができないという一面もある。例として『難』ルートのラスボスだが、本人の回避320に機体の運動性90、念動力LV9で回避+70されるので計算上は480だが、機体の限界が450の為、そこで引っかかってしまうのである。 //↑α外伝は敵も味方も【(回避+運動性)+NT回避補正】という計算だから限界反応に引っ掛かる事はない。 //↑試すと分かりますが、表示上は赤くならなくても、今回は限界に引っかかります(底力、ガッツは除外)ので、訂正します。 --また、これは自軍でもNTと非NTで大きな格差が生まれてしまったという事でもある。『F』で散々指摘されていたNT格差を再燃させてしまったのは情けないと言わざるをえないだろう。一応、前述の技能や精神などで主役級ニュータイプと他との調整もされているが、それでも回避が圧倒的すぎる。 --そもそも前作から引き続き存在する、ガッツ(HP1/4以下で命中・回避・クリティカル率共に+50%される)の存在もあり、命中回避に関してのバランスは技能に依存しすぎており、大雑把すぎる点が目立つ。 //ガッツの問題も盛り込み、追記、編集。 -ダメージ計算式に組み込まれた「距離補正」の存在。 --「ファンネルなどの遠隔属性武器やMAP兵器を除いて、武器の最大射程と攻撃距離の差が大きいほどダメージが高くなる」という『α』から存在していた仕様が、難易度の上昇に伴い改めて問題点として挙げられた。 ---実際、今作の燃費に対する攻撃力は、最大改造を施すと殆ど均一化されるため、「同じ燃費の武器なら射程が非常に重要」となっている。 --同じ武器なら近い方が威力が高く、距離が遠ければ威力も減衰するだろう、という事なのかもしれないが、補正値が高めなので、短射程の武器はダメージ的にかなり割を食っており、攻撃力での直感的な判断と大きな差が出てくる。 ---具体的には「射程差1につき3%」で、隣接を前提とすると、射程が4も有れば攻撃力200,300程度の差は余裕で覆り、最大射程が8以上の武器は21%以上の高い補正がかかる。『α』もだが、敵味方共に最強攻撃にこの距離補正が大きく関係しているのは、流石にやりすぎと取られても仕方がない。 --ただ今回は「実際にP属性の無い長射程武器を隣接して撃つ」には2回行動が廃止されたことも有り、ターンを回すか消費の重い覚醒、再動を使う必要があるため、使い勝手の面で差別化はされている。 --またこの「距離補正」は敵にも適用されている。滞りなく反撃できるように設定された、ボスや中盤以降の敵の長射程武器は文字通り脅威。 //燃費に対する消費が異なる点と、直感と異なる点を重視した文章に追記、編集しました。 -援護関連 --援護の参加キャラ、使用武器が自動選択であり、援護攻撃時に想定外の強力な武器を参照されることが多々ある。 ---これでも「相手の現在HPと自分の残EN、弾薬を考慮している」のだが、「援護を受ける側の攻撃命中を考慮していない」ため、無駄に強力な武器を使いがち。燃費の悪いユニットはなかなか困ったことになる。 ---また、ガンダムXやガンダムダブルエックスに援護させようとすると、使える場合は必ずといっていいほどサテライトキャノン系の武器が参照されてしまうので、配置も考えなくてはならない。 --難易度が高いと、ボスが援護防御用ユニットを大量導入してくる。そして、そちらを狙うとボスがかばうなど、非常に手間がかかる。 ---援護防御を崩す手段もあるにはあるがマップ兵器のみ。つまりマップ兵器を持つユニットの強さの比重が、難易度が高いと恐ろしく上がってしまう。スーパーロボット大戦シリーズ共通の問題ではあるが、やはりマップ兵器がこの点でも強力すぎる。 --なお後のシリーズでは援護攻撃時の武器選択が可能になり、「コンボ」「ダブルアタック」「直撃」などのマップ兵器以外による援護防御突破手段が設けられるようになった。 -その他 --前作で強力だった機体が弱体化された。これ自体は当然の処置だが、かなり極端な弱体化をされており、「他を使った方がマシ」とまで言われた。 ---その筆頭が、前作でボスキラーとして大活躍したダンクーガ。&brまず、HP・EN・運動性のいずれもが主役スーパーロボット系で最も低い。次にENや弾数を無消費で使える武装がないので長期戦には不向きなのにEN改造の仕様変更で燃費が致命的なまでに悪化。おまけにそこまでして撃った必殺技の攻撃力は野生化ありきでもまずまず程度。加えて断空剣系統とフォーメーション以外地形適応が空B。とどめとばかりに武器改造費用もトップクラスの高さである。精神コマンドも熱血・気合の習得者が減った(『α』では4人全員が習得できた)ため「開幕直後から最大火力が撃てる」という運用方法までも剥奪され、複数乗りスーパーロボットでは唯一覚醒や援護を誰も覚えない。シナリオ上の影も薄く、『第3次α』の中断メッセージでネタにされたほど。&br序盤で非常に貴重な熱血使用可能、分離状態での強さがダメージバランスや改造連動などの要素で格段に上昇したため別の強さも得た他、有用な支援系精神コマンドも覚えるのが救いか。 (裏を返せば分離を活用しないと他のスーパー系と同等のダメージが出せないということでもある) ---νガンダムは「機体性能控えめ」「メイン武器の地形適応が低い上に距離補正も掛からない」「武器改造費は高め」とあまりにも使い辛い。しかも中盤以降は大半が宇宙ステージだった前作とは違い、本作は9割以上が地上マップなので地形適正の酷さがより際立っている。~ 無改造同士ならバズーカの性能と最大射程がそこそこ良い繋ぎ機体程度の性能となり、これまで本機の割を食っていたΖガンダムや、比較的入手条件が緩いキュベレイやガンブラスターに乗り変えた方がよい(なお換装でHWS装着型、別機体でHi-νガンダムも登場し、そちらはある程度は強い)。 ---ウイングガンダムゼロ・トールギスIIIも大きく下方修正され、特に燃費が超悪化。「強化パーツを用いない限り、ENをフル改造しても主武装を4発しか撃てない」という極端すぎる調整を受けた。ウイングゼロはマップ兵器があるためまだいいものの、トールギスIIIは倉庫送りにされ、ゼクスは先述のトーラスに乗せられる事が多い。 ---一方で、前作でも強かったデスサイズヘルカスタムは、メイン武装の射程が5(前作は3)、武器使用制限なし、クリティカル+40%とさらに強化されている。その代わり、移動性能がパーツスロット込みでは最悪でメインパイロットのデュオが魂を覚えなくなった。 ---さらに、ガッツ持ちリアル系であり、前作で凄まじい強さを誇ったイサム、フォッカーの2人は2回行動の廃止でそちらの早期習得の利点こそなくなったものの、微妙なマップ兵器がなくなっただけの弱体化にとどまっている。フォッカーに至っては指揮を持つためより重要性が増したと言っていいが、バルキリー系パイロットは柿崎を除き「ひらめき」を持たないため、命中の高い、もしくは「必中」使用後の敵ボス相手が苦手という形でバランスがとられている。 --ガンダムX・ガンダムDXのサテライトキャノンは、ゲームバランスの兼ね合いで独自のシステムが搭載されている。 ---その中で最も問題点とされているのが「月が出ていないとサテライトキャノンを撃てない」という点。 ---「難」ルートでは月が出ているマップが激減するため、月がないとサテライトキャノンを撃てないこの2機は、隠し武器を入手しないと攻撃力が大幅に低下する事に。 ---ガンダムXはディバイダーに換装できるため使っていけるものの、隠し武器を入手してないガンダムDXは「難」ルートだとほぼ戦力外となってしまう。 ---加えて難易度「普」だと最終MAP後半で月がでてないので、ここでも戦力外となってしまうのだった…。 ***主人公の不在 -第4次以降定番となっていたオリジナル主人公の登場だが、本作はそれがない久しぶりのスパロボである。 --プレイヤーの分身として、版権作品のキャラクターとして肩を並べる主人公に愛着を持っていた層からは、本作の大きな欠点としてこの点がよく挙げられる。 --一方、前作では主人公がシナリオ上重要なキーパーソンであり、目立ちすぎと批判されたこともあってその反動であるとも言える。 ---実際、インタビュー等で寺田Pがそういうニュアンスの発言をしている。 --『第3次α』のインタビューによると、主人公なしでα外伝とCOMPACTを作ったところ、バンプレストオリジナルの主人公&機体を要望する意見がビックリするくらい多く寄せられたため、以降は基本的に主人公を入れることになったとのこと。 -また、前述した通り魔装機神関連は充実しているのだが、もう片方のオリジナル代表であるSRXチームは、リュウセイとヴィレッタ以外はほぼ出番がない。((厳密に言えば難ルートのラスト2話のみ使用可能で、ライ(と、ついでにイルム)は前半に1話だけスポット参戦もある。が、出番が少なく機体も弱いので、アヤとレビに補助精神コマンドを使わせるのが精々。易・普ルートでは正式参戦すらない。))。また、この二人もシナリオ、強さ、自軍参加期間いずれの面においてもやや控えめな扱いとなった。 //主人公不在については前作目立ちすぎた反動だろうってのはこうなった理由であって、不在で嬉しいって話を聞くようなゲームじゃない(実際、今書かれてる通り主人公要望が強かった)から、「多少フォローできる理由はある問題点」でしかないかと。 //リュウセイは『新』の主人公とは言い難い(宇宙編ではかなり遅めの参戦)なので記述を変更。 ***シナリオの問題 -外伝という作品の性質上、前作をやってるかその元になった原作を知らないと理解困難な展開がある。~ 特に、本作のストーリーの大前提となっている「イージス計画」が前作のクライマックス(前作参戦の『トップをねらえ!』の太陽系絶対防衛戦をベースにした展開)に由来する物なので、これを理解できないと導入部からいきなり躓くことになる。一応、オープニングの字幕や序盤のキャラの会話で説明はされるが、より詳しく知りたいなら前作のプレイが必要となる。 -『ザブングル』『∀ガンダム』がいい感じに原作再現されており、『ガンダムX』はDVEが豊富に用意されており、シナリオ上でもよく目立つ。一方で、『ブライガー』はやや不遇。 --『ブライガー』もDVEは多くシナリオ上での活躍の機会は多いが、登場キャラクターも機体も少なく原作再現は著しく少ない。 ---原作において最後の強敵となるカーメン・カーメンを主な敵として配置しているのだが、原作からして表に出ずに暗躍するキャラであるため、本作でも現代から未来にかけて暗躍。そのせいで作品の名有り敵と3回しか戦う機会がなく、他組織と比べても、その計画の進行度によるシナリオ的な脅威(侵攻が進んでいる・人類を滅ぼす準備が整ってきている等)が一切無し。何より下記の最終決戦の戦力と戦法から、やる気があるのかわからない夢想家というイメージが付きかねない事態になっている。それも含めて原作再現と言えなくもないが。 ---ただし『ブライガー』という作品自体、ロボットアニメ版必殺仕事人とも言える作品で、レギュラーキャラが少なく単話形式の人情話がメイン。戦闘自体はブライガーが出たらあっさり敵を倒して終わりという話ばかりで、強力なロボットとの戦闘が主題ではないため、ある程度は仕方ない面もある。以降の作品で出演した際も登場キャラや機体は相変わらず少なかった。 //-本作のEDは難易度によって変化するが、真のEDを見るためには「難」ルートをクリアしなくてはならない。 //--前述通り本作は難易度が前作から大きく向上していおり、なまじ前作が優しいバランスで大量の新規ユーザーを獲得していただけに、続編として買ったプレイヤーを難易度の乖離に苦しませる事となった。 //どのエンディングも続編につながる終わり方だから一応「真のED」ではないと思う。 //問題点を「積み重ね」「システム的な強さ」として編集しました。 //ガンダムXに関しては、64のジャイアントロボやαのマクロスプラスに比べればずっとマシだし、問題にするまでのことではない。 //-前作で散々思わせぶりな言動をとり、ストーリー上の重要要素と思われた『ジャイアント・ロボ』関係のキャラや設定がすべて未登場。 //--これは版権の問題があったようで、続編では本来敵のボス、ビッグファイアに当たるであろうキャラがオリジナルキャラに変わっている。 //不参加作品に関しては、ジャイアントロボに限らず、そもそも発売前に告知しているため本作の問題とは言えないためCO。 //-同じく最大の脅威と描かれていた宇宙怪獣やゼ・バルマリィ関係も今回はノータッチ。 //--こちらは『第2次α』以降でストーリー展開されたが、前作で未解決の問題が外伝とはいえ丸々スルーされたので、気にしていたプレイヤーは相変わらず疑問が残ったままに。 //---幸い本作で中途半端にネタを振るような事はなかったので、作品内で変なしこりを残す結果にはなっていない。 //---ただし、宇宙怪獣については前作終盤で荒っぽい手段を取ったツケが回ってきて地球圏が危機に陥り、その件をティターンズのジェリドから「お前たちのせいで地球圏が危機に陥ったがために俺たちティターンズが治安維持に努める羽目になった」''「お前たちでは地球圏を守る事など不可能だ」''と批難されるのだが、宇宙怪獣の件については徹底スルーしている上に前作終盤のティターンズが迷走しかしていなかった((αのティターンズはジオンと密約を交わしてジオンの地球降下を招く、ジュピトリアンに降る、ゼーレにこき使われる等地球連邦の組織としてはろくな働きをしていない上に、宇宙怪獣に対してなにか出来たわけでもない。更にこの舌戦ではこれだけプレイヤー部隊を批判しておきながら「地球圏を守るためにお前たちの人員や設備・兵器を寄越せ」と要求してくるが、いくらなんでも他力本願過ぎる))事も踏まえるといくらなんでもバカすぎる描写になってしまっている。しかも、とくに頭のキレる人物という訳でもない武蔵から''「自分たちは何もしなかったくせに」''と突っ込まれてしまうオチまで付いている。 //バルマーは2次αでも出てないし、今回は代わりにアンセスターが出てる。宇宙怪獣についても、今回はそもそもトップが参戦してないのでCO。 //-若干ゲーム的な展開を意識した強引さもある。 //--恐竜帝国が用意したゲッターロボへの対抗策「ウランスパーク」(ウラン放射能によってゲッター線を汚染して人間にも有害な性質にしてしまう)だが、汚染からの回復手段が描かれずに勝手に治っており、味方のフォローで助けられただけでゲッターロボ側の対策手段は明示されないのに敵が1度しか使わない。 //---同作の他の「敵の作戦でピンチ」系統の話は、明確に「2度は使えない」理由が示される。ウランスパークもアニメだと対抗策がしっかり用意されていた(詳細は各自で検索されたし)ため、非常に不自然なことになっている。 //#region(原作では) //---なお「ウランスパーク」は原作アニメ第31話でキャプテン・ギランのメカザウルス・ヤバに搭載されていたが、本作ではバット将軍のメカザウルス・ゾリに搭載されている。また、ゲッターロボはウランスパークに被弾していない(ゲッターロボが汚染されてしまうのはアニメ33話 後述)。&br()しかし敵がこの性質を知るきっかけになった事故でハヤトが有害放射線化したゲッター線を浴びており衰弱しながらの戦いとなった。その後、「放射能中和光線」が開発されハヤトは治療された。 //---その次のアニメ第32話では敵はウラン液を霧や雪のように散布する作戦に出たが、ハヤトだけは中和光線を浴びていたおかげで平気だった。ウラン液には中和剤を開発して対処、敵は新ウラン液に改良してきたが新しい中和剤を開発して対処した。 //---その次のアニメ第33話「果てしなき大空に誓う!」ではハヤトの独断専行により研究所のバリア発生装置が破壊されてしまい((α外伝では同タイトル「果てしなき大空に誓う!」でこの後の竜馬とハヤトのケンカ展開部分が再現されている。))、敵はこの隙に研究所を狙おうとスーパーウラニウム爆弾と放射能光線を搭載したメカザウルス・ガルを繰り出している。&br()研究所は守ったがゲッターロボが汚染されてしまい、戦いの後ゲッター2で地中に埋まり、「放射能中和光線発生装置」によりゲッターロボが正常化されて、3話かけたウラン放射能による危機を乗り越えた。 //#endregion //regionで隠してあるとはいえここで長々と書くことではない --ダイターン3対アイアン・ギアーの展開が2度あるが、どちらも人的ミスが目立つ。 ---1度目は「見かけない相手だから、という理由で通告も無しに味方側が戦闘を仕掛けたため」、2度目は「降伏してきた相手を武装解除していないまま、母艦まで連れて来て、そのまま母艦が占領されたため」。とぼけた展開のある『ザブングル』のイベントとはいえ、いささか軽率。 //--「敵のGX(DX)が危険だから排除しよう」という話が、奪い取る明確な目的も特に示されないまま「奪い取ろう」という話になる。なおMAP兵器で破壊すると何のメッセージもなくゲームオーバーになる。&s(){おかげで全滅プレイが捗るが。} //---この時DXは無人で棒立ちだがチャージは進行中で、それが終わると戦艦轟沈の危機的状況。そのため、奪い取るにしても「奪い取るの優先、できなかったら破壊しよう」くらいの展開になるのがシリーズ的にも自然。ましてや何のメッセージも表示さないイベント的なゲームオーバーはシリーズでも異例。 ***図鑑登録の不便さ 本作では前作αと異なり、ユニットが図鑑登録されるためにはそのユニットが実際にMAPに出なければならない。~ そのため、バザーで売ってる弱小ユニットなども「登録の為に出撃」→「クイックセーブして登録」→「再度インターミッションにて準備」としなければならない。 -序盤に易ルートでリュウセイの乗る「量産型グルンガスト弐式」は、敵として登場したものが戦闘MAPにいても登録されず、序盤の2回、後半の選択ルート中でしか登録できない。(普、難ルートの2機の方は難ルートに行けば加入する。) -こうした仕様の為、登録率100%にするのはなかなか不便。 --それでも初期の分岐で後半に影響する要素がほぼないため、熟練度による登場分岐直前のセーブを活用して熟練度を調整すれば、最短2周で図鑑100%が達成可能。シナリオも短めなので隠し要素が多めのスパロボとしてはかなり達成しやすい部類に入る。もちろん、そのためにはMAPに出さなければいけないが・・ --スパロボの図鑑は一部ユニット・キャラが登録されない(『α』、『第3次α』等)不具合がよくあり、その後パーセント表示は廃止されてしまった。 ---- **総評 「援護システム」「武器の一括改造」「二回行動の廃止」など、現在まで受け継がれる多くのシステムを据え置き機ハードで採用した初のスパロボである。スパロボの歴史における、ひとつのターニングポイントと言ってもいいだろう。~ 前作よりクロスオーバー要素が強まった魅力的なシナリオや、さらに進化したド派手な戦闘アニメも素晴らしく、特に後者は前作に驚かされたプレイヤーですらも感動させたほど。~ ~ しかし簡易戦闘アニメのテンポの悪さやロード時間の長さ、ゲームプレイ・ゲームバランスに多大な影響を与えるバグなど、短期開発による弊害も発生してしまった。~ 今からプレイするのならば、バグ情報だけでもネット等を通じて押さえておく事を薦める。予習として前作『α』からプレイするのもいいだろう。 //総評などを編集、追記。乗り越えられない部分はあるものの、いろんな要素で差別化はされていると思いますので。 //修正依頼を受けて、総評を修正。一長一短であることは事実だが、むしろそうでない作品の方が珍しい。 ---- **余談 -αシリーズでは以後、魔装機神系のキャラは登場しなくなり、新シリーズのスパロボとしての道を本格的に歩んでいくこととなった。 --αシリーズ完結後もしばらく版権スパロボには登場しなかったが、『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』のDLCで再登場し、『[[X>スーパーロボット大戦X]]』以降は毎回出演している。 //問題点に記載されていた「本作を最後に不参加」は、本作の問題とは言えないので削除しました。 -本作発売のほぼ2年後、続編となる『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』が発売された。 -のちにリリースされた『[[スーパーロボット大戦Z]]』では、本作で初参戦した『ガンダムX』、『∀ガンダム』、『ザブングル』がメイン作品として活躍。荒廃した世界を舞台にしているなど、本作を意識したシナリオが展開される。 -後にOGシリーズでは本作のゼンガーを元にしたキャラクター「ウォーダン・ユミル」が登場し、''ゼンガーVSゼンガー''という非常に濃い組み合わせも生まれた。 -4〜5機以上に分離・使用可能な合体機(超電磁機やダンクーガ)は本作が最後となり、以後は武装や演出のみの登場となり、サブパイロットに能力が設定されなくなった。~ 3機合体の機体は以後も分離可能な作品はあるが、元祖合体機のゲッターロボもゲットマシン(分離機)による単独ユニットとしては本作が最後となった。 ----
*スーパーロボット大戦α外伝 【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁがいでん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005OVX8)|CENTER:&amazon(B00005OVXV)限定版| |対応機種|プレイステーション|~|~| |発売元|バンプレスト|~|~| |開発元|バンプレソフト|~|~| |発売日|2001年3月29日|~|~| |定価|通常版:6,980円 / 限定版:9,800円|~|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~|~| |廉価版ほか|PS one Books:2002年12月5日/2,800円&br()PREMIUM EDITION(初代・第2次とのセット):2005年5月28日/9,240円|~|~| |配信|ゲームアーカイブス:2011年12月21日/1,500円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|主な舞台は未来の世界&br()戦闘バランスが劇的に改善され、戦闘アニメもさらに強化&br()戦闘のテンポの悪さと初期版のバグの多さが玉に瑕&br()人気キャラ「ゼンガー・ゾンボルト」のデビュー作|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| |>|>|>|CENTER:&color(blue){αシリーズ}:[[α>スーパーロボット大戦α]]&[[forDC>スーパーロボット大戦α#id_5a8c6bb7]] / &color(black){''α外伝''} / [[第2次α>第2次スーパーロボット大戦α]] / [[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーロボット大戦α]]』に続く、通称「αシリーズ」の2作目。前作『α』の好評を受け、3部作構想のはずが急遽開発される事となったPS最後のスパロボ。&br() 『α』のシステムを引き継ぎつつ、数々の新システムや意欲的な試みを導入。『α』と共に現在まで続くスパロボの基礎を築いた。&br() 『戦闘メカ ザブングル』『機動新世紀ガンダムX』『∀(ターンエー)ガンダム』『銀河旋風ブライガー』の4作品がシリーズ初参戦。~ 基本的には前作からの続投だが、このうち『初代ガンダム』『0080』『F91』『ダンバイン』『トップをねらえ!』『エヴァシリーズ』『ジャイアントロボ』は参戦していない。 //GブレイカーはDC版のみ&本作発売時点では未発売 #region(参戦作品一覧) |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''参戦済み''}|超獣機神ダンクーガ| |~|機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY| |~|機動戦士Zガンダム| |~|機動戦士ガンダムZZ| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア| |~|Z-MSV(機体のみ)| |~|M-MSV(機体のみ)| |~|CCA-MSV(機体のみ)((スパロボシリーズ全体に言えることだが、ガンダムシリーズの『MSV』が付く作品に登場、または本編未登場機のゲーム中の登場作品表記は、全て関連の深いMSの登場作品(例えばZIIやフルアーマー百式改は『機動戦士Zガンダム』)となる。))| |~|機動戦士Vガンダム| |~|新機動戦記ガンダムW Endless Waltz| |~|無敵鋼人ダイターン3| |~|マジンガーZ| |~|グレートマジンガー| |~|劇場版マジンガーシリーズ(機体のみ)| |~|ゲッターロボ| |~|ゲッターロボG| |~|真・ゲッターロボ(原作漫画版)| |~|超電磁ロボ コン・バトラーV| |~|超電磁マシーン ボルテスV| |~|勇者ライディーン| |~|超時空要塞マクロス| |~|超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか| |~|マクロスプラス| |~|超機大戦SRX| |~|スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''初参戦''}|銀河旋風ブライガー| |~|戦闘メカ ザブングル| |~|機動新世紀ガンダムX| |~|∀ガンダム| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(機体のみ)((本作初登場のHi-νガンダムは、『ベルトーチカ・チルドレン』のことには触れておらず、例によって登場作品表記も『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』である。))| #endregion ---- **特徴 ***システム 前作をベースに追加、改良が施されている。 -COMPACT2で実装された援護攻撃・援護防御を据え置きスパロボで初採用。 --対応する技能を持ったユニットと隣接した状態で戦闘をすると、支援を受けられるシステム。 -特殊能力「指揮」が新登場 --「指揮」を持っているユニットの周辺では命中率・回避率が上昇。 --その代わり、前作に比べて削除された特殊能力も少なくない。 -ユニットの能力値「運動性」が、敵の攻撃を回避する時だけ影響し、自分の攻撃の命中率には影響しないようになった。 -パイロット能力値「反応」と、特定のレベルに達する事で全パイロットが自動習得する「二回行動」の廃止。 --それに代わり、新たなパイロット能力値「防御」を導入。 -パイロット毎に上昇する能力値が異なる新システム「成長タイプ」が追加された。 --「格闘系・万能」「射撃系・回避」など、数種類のタイプのいずれかに分類され、タイプによって上昇する能力値が異なる上に「レベルいくつになったら急成長する」という設定もなされている。 -改造の仕様が大幅に変更 --機体改造は上昇値が一律でなくなり基の値の○%となった。 --武器の改造はこれまでの個別方式から一括改造方式に変更された。 ---その影響か今作は全体的に武器改造費用が高めになっている。 -熟練度システムの変更 --選択肢による変動は廃止され、各ステージ毎に決められた条件を満たすことでのみ上がる仕様に変更。自分が獲得した熟練度もメニューに表示されるようになった。 ---獲得熟練度によって、難易度が「易」「普」「難」の3つに自動的に変化。 -新システム「バザー」と、そこで用いる通貨「ブルーストーン」 --ブルーストーンは『戦闘メカ ザブングル』劇中に登場する鉱石で、一種の通貨として用いられている。~ 本作でも舞台が惑星ゾラに移行してからは、敵の撃破時やマップ上のコンテナなどからブルーストーンを得られる。そしてインターミッションの「バザー」コマンドから、強化パーツや機体を売買できる。 --売買できる機体は『ザブングル』のウォーカーマシンと、一部のモビルスーツ、モビルアーマー。いずれも弱小~中堅クラスの性能だが、機体改造によっては一線級に化ける機体もある。 --隠し要素として、機体能力を一つでもフル改造してから売却すると、項目ごと、及び項目数に応じて隠し強化パーツがもらえる。 -「マウンテンサイクル」 --元々は「∀ガンダム」の劇中にあったものだが、未来世界ではマウンテンサイクルから、強力な強化パーツやMSを入手できる場面が多々存在する。 --山などの地形に混じってマウンテンサイクルが見づらい場合もある。 -新強化パーツの追加 --ENの最大値を上昇させるパーツやこれまで敵専用だったEN回復(大)を味方に付与できるパーツの追加。 --安価で地上ユニットの移動能力をフォローできるホバークラフト等地形適応を向上させる効果を持つパーツが増加し、全地形適応をAにするものも追加。 --運動性が命中率に反映されないため、命中補正を補助するパーツも追加。 --スーパー系に特に向いた複合能力上昇パーツの勇者の印、鋼の魂の追加。 --分身を付与する強化パーツの追加。 --更にSP(精神ポイント)を全回復する消費パーツが初登場し、以後は性能抑えつつ定番になった。 -クリア後の引継ぎ要素の採用 --今後のスパロボのようなクリアデータの引継ぎではなく、周回プレイの開始時に、前の周のクリア難易度に応じた一定額のボーナス資金がもらえるというもの。 **評価点 ***システム面 -システム面の改修で戦略性が増した。 --援護攻撃・防御は攻略上非常に重要だが、これらの技能はいわゆる脇役パイロットの方が覚えやすいため、運用の幅が広がった。 ---一方でまだ黎明期だったためか、いくつか問題点がある(問題点の項を参照)。 --「指揮」により上記の援護システムと合わせ、SRPGらしい陣形を組む面白さを強調している。一方で、援護防御や指揮官技能の存在は難易度の上昇にも一役買っている。 -計算式の変更により命中させやすくなった。 --攻撃当てるのに「必中」に依存していたスーパーロボット系も雑魚程度なら少し工夫するだけで精神コマンドに頼らずに攻撃を当てられるようになった。 -「成長タイプ」による個性化 --この新システムと、前作『α』から受け継いだ「技能ポイント」システムが相まって、パイロットごとに異なる個性ある成長を見せることになった。 ---初導入であったためかキャラ間の格差が激しく、バランスの粗さが目立った(後述)。 -改造システムの変更 --固定値でなくなったことで長所を伸ばす機体改造がよりしやすくなった。 --これまでは複数の武器を持っていても特定の武器しか使わないのが普通だったが、様々な武器を使い分ける楽しみが増えた。 -- 量産型など低性能な機体ほど、武器や機体改造の費用対効果が高い傾向にある。そういった機体はパーツスロットも多いため、同じ資金をかけた場合に主人公機を超える強力機体に化けることも。 ---一方でこの仕様変更には全体的な獲得資金の低下が合わさった事もあり、不満が少なからずあった(後述)。 -熟練度の把握しやすさの改善 --前作で明示されなかった熟練度によるステージ変化(敵の数やステータス値、撤退条件、クリア後のボーナス、入手できる機体、最終ステージへと至る最後のルート分岐の条件など)が視認できる難易度をもとに決められるため、確認しやすくなった。 -強化パーツの追加で各種のカスタマイズ性が増した --後のシリーズにも採用されることになるこれまでに無かった強化パーツが大幅に増えた。 ---特にENのフォローをできるパーツはバザーの隠し強化パーツの中でも特に費用対効果が高く((味方のENの平均が100で、フル改造で2倍の200になる=ENフル改造で100上昇が平均の中、ENをフル改造した機体を売却すると、EN+150の強化パーツになって帰って来る。))、武器改造の費用が高い関係で「何発も打てる武器を強力な武器になるよう改造する」よりも「(燃費に難のある)強力な武器を改造と隠し強化パーツで何発も打てるようにする」方が安価にできたりする。 -引継ぎ要素の追加 --今後のスパロボでは定番である「クリアしたデータの引き継ぎ」ではないが、周回プレイのモチベーションを高める効果は十分にあった。 ***ゲームバランス かなり易しい難易度だった前作に対し、難易度調整が行われシミュレーションゲームとしてのやり応えは増している。なお、「易」ルートであればそこまで深く考え込まずともクリアは可能。一方「難」ルートは旧シリーズ並みの難易度を誇り、幅広いプレイヤーに対応できるようになった。 -難易度が上がると、出現する敵の機体の数も増えるケースがとても多い。 --隠し要素についても、各MAPの開始時の難易度によって変わり、例外もあるが、難易度が低い方が高性能な機体や換装パーツを手に入れやすい傾向にある。 -指揮官技能、援護、EN回復(大)パーツの登場、サテライトキャノンの仕様、そしてマップ兵器を持つ敵が非常に少ないため、待ちゲーが非常に有利。熟練度条件が〇ターン以内に~のものもあるが、どちらかというと条件付きのボスを倒すものが多く、総ターン制限のあるイベントも無いため、システム的にも待ちゲー主体で進めやすい。 --ただターン制限イベントが無いわけでもなく、サテライトキャノンも使用制限を受けることもあり、敵によっては単純な「HPが低い相手狙い」ではなく、「ダメージ効率が良い相手や、反撃不能相手狙い」がいるため、反撃重視の場合は従来通り精鋭のみの突撃も依然有効。 --後半は''敵も援護陣形を敷いてくる''ため、その突破が重要となる。以降のシリーズでも援護陣形で来る敵は多い。ただその対処方法が限定される点は不満点としても挙げられる。(後述) -ダメージ計算式が変化し、敵味方共に与ダメージが大きく減少した。前作終盤では数万のダメージが飛び交っていたが、本作では「熱血(ダメージ2倍)」を用いても、大半の機体が10000弱程度のダメージに収まる事が多い。終盤で武器をフル改造+「魂(ダメージ2.5倍)」などを用いたとしても15000~17000前後が関の山。20000越えのダメージを出せるのは極々一部の機体に限られる。 --そのため上記の援護システムを活用する必要があり、戦略性が増している。またその極みが「大地の守護神」のゼンガーであり、倒すにはスパロボ史上最高のやりこみと戦略が必要となる。寺田Pからの究極の挑戦状である。 ---なお、2023年現在、やりこみと戦略と精神コマンドと親愛度システム等々、使える要素を駆使して実際に撃墜しているプレイヤーも存在する。 --全体的なダメージ減少傾向のため、従来はあまり硬いという印象がなかった超電磁系やゲッター系などのユニットもザコの攻撃にはかなり耐えてくれる。それでもボス級の攻撃は激しく、食らうとかなりの大ダメージになるためボスキャラとしての威厳を保つ事に成功している。 -難易度を問わず、38話「月光蝶」の後半ステージは、ストーリーの流れや演出の力の入れようが他のステージと比べると段違いでアツい展開となっている。アムロ・クワトロ、そしてギンガナムの3名による、フルボイスで展開されるやりとりは必聴。~ 同時に本作屈指の難関ステージでもある為、多くのユーザーに強い印象を残した一方で、根強いトラウマを抱えたユーザーもいた。 -精神コマンドについても、前作よりも弱めに設定されている。 --前作の非常に強力な精神コマンドは軒並み廃止、弱体化され習得者も限られるようになった。 ---具体的に魂(攻撃力3倍→2.5倍 習得者は主役級のみ)、戦慄(敵全員の気力10ダウン→5ダウン 習得者は『ザブングル』のファットマン1人のみ)が代表的。また、集中(命中と回避を+30%)の消費SPが10→15に増加している。 --逆に自分の周囲に効果を及ぼす形に戻った激励など、使いやすい方に修正されたものもあり、精神コマンド間の使い勝手の差は無くす方向の調整がされている。 --これに関連して全体的に味方のSPが低めになっており、精神コマンドの使いどころを選ばなくてはいけなくなった。 -敵CPUの思考力向上。フロスト兄弟等名有りパイロットの多くは、こちらの攻撃によって回避や防御を選択するようになった。 --それと同時に、終盤のボスユニットが一定ダメージ毎に精神コマンドを発動するようになった。これらもボスキャラの強敵感を出すには良かったのだが、今作は少々やりすぎた感がある。(後述) --この思考ルーチン、および前述したダメージのデフレの影響により、宇宙ルート33話「ターンX起動」で出現するターンXは、HP40000かつHP70%以下で撤退・ターン制限あり・出撃できるメンバーが強制出撃機体のみな上にスーパー系がいない・ギンガナムはPPでは必ず防御する…という条件の為、上述したゼンガーと違い、どうあがいても撃墜は不可能とされている。 -後半以降は後のシリーズでは非常に希少な''「消費型のSP全回復強化パーツ」を販売しているバザーごとに9個補充できる''ため、活用すると非常にゲームが楽になる。 --ただそれでも数量制限はあり、所謂「エリクサー症候群」の対象となりやすいため、かなり凶悪な効果ではあるがそこまで問題視はされていない。付け加えると、後述しているが、強化パーツの数を迂闊に9個にすると悪質なバグが発生する問題も存在している。 ***戦闘アニメ・演出 -グラフィックの質は前作からの大きな進歩はないが、戦闘アニメは大幅にパワーアップしている。 --本作から新規登場したユニットの中でも、文字通り歩行モーションが頻繁に挟まれコミカルな動きを見せる『ザブングル』のウォーカーマシンや、細かい演出の光る『∀ガンダム』に登場するMS、『魔装機神』などオリジナル機体の派手な演出は特筆すべきもので、これらのユニットは攻撃を外した際に特殊な動きをするなど芸も細かい。 ---特に人気が高いのは、後述するオリジナル機のスレードゲルミル、本作唯一の二段カットイン付き&s(){でロリコン垂涎モノ}のディアブロ、入手が難しい隠しユニットのHi-νガンダムなど。 --既存ユニットでも『マクロスプラス』、『ガンダムW』系の機体、νガンダム、マジンカイザー、ゲッタードラゴン、真・ゲッターロボなどの一部武器、そしてマジンガーZ、ダイターン3はデフォルトポーズから、ほぼ全武器に渡るまで、見事に作り直されている。((α時代のダイターンは[[IMPACT>スーパーロボット大戦IMPACT]]で偽ダイターンとして流用されている。)) ---特に、美少女型ロボットであるヴァルシオーネRはPSとは思えないほどヌルヌル動く。これはヴァルシオーネ好きのスタッフによる暴走だったらしく(『α』でも片鱗が見える)、それに引きずられて全体的に戦闘アニメがパワーアップしたらしい。 --また、ガンダム系の大口径ビーム兵器の演出が変更されている。具体的には旧作では一定して太いビームだったものが、今作では発射からだんだん太くなり、撃ち終わった後は粒子がほのかに残る演出となり細かい演出の技が光る形となった。 --他に前作から大きく変わった点として、スーパー系敵メカを中心にある程度の敵ユニットの戦闘アニメーションがよく動くようになった。特に顕著なのがゲッターロボのメカザウルスで、今作で所属勢力である恐竜帝国が初めて参戦したためか非常に気合いが入っている。ノッシノッシと歩く様などは大きな進歩と呼べる。 --戦闘アニメ開始時に、ユニットが枠外から登場するようになった。 ---初出は『64』だが、αシリーズでは本作が初めてとなる。 --スポット参戦で、ダイターン3が4人乗りパイロットで扱える場面がある。~ 隠し扱いではないため常時4人乗り不可だが、多人数乗りのダイターンが使える貴重な機会を得た。 -戦闘台詞パターンの増加。前作にいた多数のキャラの戦闘台詞が新たに収録され、因縁の相手(例:カミーユ→ジェリド)に攻撃する時や攻撃された時に相手を名指しで呼ぶもの、他に自機名を呼ぶもの、合体ロボット(コンバトラー等)でのパイロット同士の掛け合い、新規キャラへの対応台詞、そして新規キャラも作品の垣根を超えた特殊台詞に、ザブングルやウォーカーギャリア、Gファルコン合体状態専用の掛け合い、果ては敵一般兵がニュータイプやガンダムに反応したり、女性キャラ相手ならナンパしてくる等、戦闘台詞のバラエティが豊かになった。これも戦闘アニメの演出をより豊かにするのに大きな役割を果たしている、と言えよう。後のシリーズにもしっかりと受け継がれた。 --この要素がおおむね好評であったことと、ハードが進化していったこともあり、演出重視の姿勢は後のシリーズでも続けられていくことになった。 --ただハードの性能を限界まで引き出しているためか、場合によっては処理落ちを起こしてしまうのが難点。 ---また、ハードの型番によっては一部戦闘アニメの音声の末尾が途切れてしまう場合がある。 //順序の訂正と追記 前作とデフォルトポーズが同じものは、使い回しが全く見れない、ほどではないので -インターミッション用のキャラクターグラフィックはそのほとんどが描き直された。 --『α』ではあまり似ていなかったキャラクターも、より原作の雰囲気に近づいている。 ***ストーリー -序盤では『α』直後の地球圏での権力争いが行われるが、その後、舞台は『ザブングル』『ガンダムX』『∀ガンダム』などの新規参戦作品の世界観を主軸にした荒廃した地球・惑星ゾラ(ザブングルの舞台)へと移動する。 --スパロボ全体から見ても本作は宇宙に行く場面が非常に少なく、それまでにはなかった大胆なクロスオーバーと外宇宙を見据えたスケールの大きい展開が特徴のαとは対極的。しかし物語が進むにつれ前作との関係が明らかになっていく構造や仲間同士のやり取りに重点をおくなど、より緻密な展開になっている。 -リアル系が「ザブングル」「X」「∀」らの原作再現を主としたストーリーなのに対し、スーパー系はゲッター・マジンガーを中心にチーム同士やロボットとの絆を描いた独自の展開を見せるシナリオが主体。中でも甲児、鉄也、ゲッターチームら常連でありながらもシナリオ的には目立つ事の少なかったスーパー系にスポットが当てられることで、本作は良い意味で暑苦しく泥臭い「スーパーロボット」大戦の名に相応しい出来となっている。 --特筆すべき点として、旧シリーズでは「甲児のためにグレートを持ってきた」と言われるほど冷遇されてきた剣鉄也が、本作ではストーリーの要所で主役的な活躍を見せ、ファンを増やした。同じく過去のシリーズでは単純な上位機体としての域を出なかった真・ゲッターロボやマジンカイザーも、本作ではドラマ的にも重要な意味合いを持つ機体として登場する。 --未来編の敵となる勢力にもそれぞれ厚みがある。未来でも続く地球と宇宙の敵対関係を体現するイノセントとムーンレィスの対立を軸に、いまだかつてないほどに脅威として描かれる((温厚なキャラであり、直接因縁の無いロランが「彼らを止めないと人類が絶滅するため、人類同士で争っている場合ではない」と戦慄するシーンや、実際に人類絶滅計画と方法が明示されるシーンが挟まれる。))スーパー系の敵連合軍、地下勢力と、その地下勢力を過度に敵視するオリジナル組織アンセスターが絡み合い、物語が進展していく。ただヌビアコネクションのみは現代から引っ張った割に幕引きがあまりに雑だった。詳しくは後述。 -Zガンダムは、過去シリーズだと攻撃力不足や最強武器の属性(ビーム兵器)が原因で、終盤は二軍落ちすることが多かったが、本作では性能が従来より良好なうえに強化イベント(隠し)も用意され、最終戦までの運用も十二分に可能となった。 --強化イベントを発生させると機体性能の向上と強力な武装「突撃」が追加される。また、強化後はBGMが「水の星に愛をこめて」に変わる。 ---ただファンサービスとしては豪華なのだが、肝心の突撃が格闘武器で、パイロット特性とも機体特性とも噛み合わないため、使用するにはかなりの愛が必要になる欠点はある。しかも取得はとあるキャラの死亡と引き換えという、少々後味の悪いものになる……正しい原作再現ではあるが。 --好評だったためか以後のシリーズでもZガンダムの強化イベントはほぼ定番となっている。 -また、本作を語るのに欠かせないのが、敵として登場するオリジナルキャラであるゼンガー・ゾンボルト。 --本人はもとより、搭乗機体であるスレードゲルミルのその強さやデザインと共に圧倒的なインパクトを誇り、特に「斬艦刀」のすさまじい演出はプレイヤーに強烈な印象を与えた。また、その単純明快な造形から多くのファンを獲得し、『第2次α』では主人公の一人に抜擢された。 -人気の高い魔装機神シリーズから多数の機体が参戦。その数敵味方合わせて10体以上とファンを喜ばせた。 --ジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが久しぶりの登場。戦闘グラフィックも気合が入っており(上述したヴァルシオーネR等一部入りすぎとも言える機体もあるが)評価が高い。 -最初期から長きにわたって参戦しているゲッターロボ(TV版)のまともな原作再現が初めて行われた。 --敵勢力の恐竜帝国が初めてシリーズに登場し、それまで弱小ユニットでしか無かったメカザウルスも全体的に強まった。敵キャラクターのイベントも見逃せなくなっている。 --なお本来αシリーズは外伝の予定のない3部作構想で、地底勢力は『第2次α』から登場させる構想だったとのこと。 ***BGM+テーマソング -スーパーロボット大戦シリーズとしては初めて、タイトル画面とスタッフロールで流れる歌詞付きの主題歌としてOP、EDテーマが採用された。 --歌手はこの先もスパロボと大きな関わりを持つことになるJAM Project。本作品のOP曲「鋼の救世主」は、今なお人気が高い。~ 以後、家庭版スパロボシリーズの定番となり、後に様々な名曲・神曲が誕生する足掛かりとなった。 -『第4次』以降、定番だったカラオケモードが収録されている最後のスパロボでもある。~ また、家庭版スパロボではZガンダムの「水の星へ愛をこめて」が最後に収録されたスパロボとなった。(携帯機はスパロボAが最後) ---- **賛否両論点 ***技能ポイントの仕様変更 -技量・SPを除く全能力が成長可能になったが、各能力の上昇限界が+50までになった。 --前作はパイロット成長における技能ポイントが大きく、常に一軍で戦い続けてきたパイロットとベンチウォーマーでは、技能ポイントが原因で能力差が生じたが、本作ではそれほど極端ではなくなった。 //---もっとも、前作においても、単騎無双でもしない限り寄与する値はトップエースで20%程度と圧倒的な値ではなかった。(もちろん大きなファクターではあるが) //この手のゲームの20%は十分圧倒的と思われるためCO --防御・回避の技能ポイント獲得が厳しい。こちらの被害が大きいほど獲得ポイントが増える使用のため、こちらが強いとポイントを獲得するのが難しい。回避は相手の命中が0から4%だと1、5から25%だと2と、二倍も成長速度が違い、防御はダメージを受けなければ成長すらできない(回避は上昇する)。 //格闘、射撃も限られた敵数の中で攻撃ごとに1、撃破で5なので、大変さは同等と判断して、こちらが強い際に不利、としました。 -以後のスパロボでは技能ポイントは廃止され、PPもしくはBPというポイントを任意に振り分けて成長させるシステムが採用されている。どうやらあまり良いシステムではないと判断されたようだ。 //***最終分岐の条件 //-従来のスパロボでは、エンディングへと至る最終分岐は累計総ターン数による場合が多かったが、前作からは熟練度(難易度)によって分岐する。 //--総ターン数を気にかける必要がなくなり「早解き」の必然性が低下。どれだけターンを費やしても一向に構わなくなった。 //---早解き一辺倒の攻略ではなく、状況に応じた多様な戦略が取れるようになっている。 //--ただしマップによって、早解きが作戦目的や熟練度獲得条件となっている場合はある。 //前作からの変更点なのなら、こちらに記入する必要ないのでは?そもそも、早解きから熟練度への移行は、評価点でも問題点でもないような。 ***スーパー系、多人数乗り、マップ兵器優遇のユニットバランス -味方の最大SPが低下し、好きなだけ精神コマンドを使いまくれるゲームバランスでは無くなったため、複数人数分の精神コマンドを駆使できる多人数乗りスーパー系ユニットが強力かつ有用となっている。 --更に精神コマンド「期待」(SP50回復)や、消費パーツ「ドンキーのパン」(SP全回復)が、''全サブパイロット''にも適用されるため、余計に有利に。殊更に、5人乗りの超電磁ロボ2体は非常に大きな恩恵を受けられるため、精神コマンド要員としても非常に有用になった。 -また、各種仕様の関係で、複数合体ユニットの分離形態が非常に便利になった。 --援護の登場により、援護攻撃を引き出すために分離して攻撃、敵の精神使用に対してひらめきを使って、熱血や魂を無駄打ちさせる、といったことが本体の行動を消費せずに可能。 --超電磁ロボは分離形態の中に修理装置を持つ機体がいるため、分離→修理→合体で行動回数を減らすことなく修理行動を行う事が可能なのも大きい。 --分離機体そのものの攻撃力も、本体と改造が連動するため、本体の武器改造のついでにフォローが可能。ダメージバランス的にもそれなりの威力が期待できるため、大いに活用する価値がある。性能のフォローのため、スーパー系でも運動性を改造するのも有効。バザーシステムで強化パーツが揃えやすいのも助かる。 ---サブパイロット達の能力が低めなのはそのままだが、そうでもない機体もおり、特にダンクーガ、スーパーガンダムは攻撃力も非常に優秀。 ---このように、使いこなすと分離できないユニットと結構な差が付く。流石に強力すぎたのか、コンバトラーなどが分離できるのは今作までで、援護と合わさったのも今作のみとなっている。 -一人乗りのスーパーロボットでも、加入こそ終盤だがすさまじいスペックを持つマジンカイザー、パイロットが念動力を持つ為にスーパー系らしからぬ命中と回避をもつ上に、武器改造の上昇値が高めな為に最高攻撃力6000を持ち援護技能も持つライディ―ン、高い機体性能を持ち、異例の第2話から参戦するダイターン3など、有用なキャラや機体が多数存在する。 -ではリアル系は全てが不遇なのかと言われるとそうでもなく、後半の援護防御陣形を組む相手へはリアル系のマップ兵器所持ユニットが大きく幅を利かせることになる。 --そのマップ兵器所持で多人数乗りのユニットは二人乗りになるのが終盤で、マップ兵器の威力の低いアイアン・ギアー、制限が非常に厳しいガンダムDX+Gファルコン、そして特例のウッソ+ハロのみ。 --そのため、マップ兵器要員として一人乗り機体も有用となっている。だがそちらも攻撃力と範囲が段違いで優秀なΖΖガンダム、ウィングガンダムゼロカスタム、月光蝶追加後の∀(易ルートのみ試作2号機)がとびぬけすぎている。一方でせっかく参戦した魔装機神系ユニットはそちらの威力が非常に低いため、この方面では活躍しにくい。 -反面、通常戦闘においては、囮こそできるもののやりすぎだった前作ほどの万能感はなくなった。特にνガンダムやウイングガンダムゼロカスタムなどは前作に比べて大幅に弱体化しており、ファンを落胆させた。 --本作では地上での戦闘がかなり多く、武器の地形対応が全体的に悪いガンダム系、特に量産機系にとって大きな逆風となっている。 //ガンダム系主役機で最強武器の地形適応に難があるのはνガンダム系のみだったので記述変更。 --防塵装置が追加されたことで地上適応は前作より容易になった。一方でこれも当然強化パーツなのでパーツスロットを要求する関係上スロットの多い機体がより優遇される結果になっている。 --パイロットも含めてみれば、回避こそ後述の仕様で主役級ニュータイプ達は高いものの、「魂」の弱体化、援護を覚えないため、囮役としては優秀だが攻め手としては弱体化している。 --その点で高レベルの援護や「必中」、もしくは「奇襲」(複合効果の中に必中がある)を覚えるサブキャラが、ニュータイプ達が苦手とする高回避ユニット相手や集団戦闘が得意という形で新たな出番を得ている。またガンダム作品以外のキャラであれば、主役級でも援護を高レベルで覚えられる。それでも、スーパー系主人公のほとんどが「必中」を初期から持ち、早期に援護をレベル1までだが覚える点が辛いが…。 -新規、復帰組では、魔装機神系ユニットは後半に追加される武器が強力で、最終的な攻撃力はスーパー系をも上回るが、そのスーパー系が「覚醒」と「熱血」を覚えるキャラが別々に搭乗しているため、実質的なダメージ面では勝てていない点が辛い。マップ兵器の威力も前述の通り。 -ガンダムX系ユニットは後述の通り、主役機が後半、およびディバイダーを除いては月頼りである点が辛いが、武装のディバイダーの総合性能は全ユニット中最高クラス。月さえあれば、気力とターン経過だけで連射可能なサテライトキャノンももちろん強力。 -∀系ユニットは、∀の性能は最初こそ弱いがシナリオと共に向上し、最終的には月光蝶を習得。戦艦では後半のソレイユも非常に強力。パイロット達の技能もしくは、精神も優秀。 -ザブングル系ユニットはWMが買えるなどの要素もあるが、ザブングル、ウォーカーギャリア、隠しのブラッカリィ以外の性能は微妙。一方でパイロット達はガッツや底力と援護を交えた戦闘が得意で、二人乗りでの精神の組み合わせも面白いとなかなかの評価。 -ブライガーは上記の多人数乗りスーパー系な上、リアル系サイズに変形可能なため、言わずもがな強力。多少耐久が低い代わりに、武装が非常に優秀で使い勝手が良く、距離を選ばない。 ***改造関連 -全武器一括改造になった事とあわせて、武器改造の費用対効果が前作よりも圧倒的に低くなった。 --スーパー系の改造効率の悪さは特に顕著で、''終盤2マップ分の稼ぎとなる64万投入して攻撃力が800しか伸びない機体も多い。'' ---しかしこれらの機体は上昇率が低いだけに無改造でも素の威力が相当強く、改造が必要なのはやりこみプレイで特定のボスを撃破するなどの場合が殆どなので、普通にプレイするには武器改造を後回しにしたり、いっそ最後まで無改造でも特に問題ない。 --効率的なプレイをしたい層にとっては不要な武器に改造費を取られる形となり、前作のような個別方式の方が良いという否定的な意見も出た。 ---獲得資金も終盤まで少ないこともあり、爽快感がないという意見も。 --一方でこの形式になった事で普段使いにおいてサブとなる武器も自動で強化される為、色々な状況には対応しやすくなり、色々な武器を使う事でマンネリ感の解消にも繋がった。 --なお武器改造をしなくても、スーパー系を中心にトドメ役を選んで行けば熟練度や隠し要素の獲得に重大な支障が出ない((前作では熟練度獲得のために特定の武器改造(断空光牙剣の追加、改造)が必須に近い場面が多くあった。))など、武器改造をしにくい環境に合わせてゲームバランスは整えられている。 -元が弱い機体の改造システム周りが極端 --改造による機体性能の上昇が倍率を掛ける仕様になったため、元の能力値が極端に低い機体は改造を施しても殆ど成長しない。例えばHP2000のユニットならばフル改造しても3000にしかならない。強化パーツ一個分である。 ---弱い機体ほど強化パーツの余裕が多いため、パーツでの補完に任せる形で対応は可能になっている。 --逆に元が弱い機体ほどで武器の改造効率が良く、主役機を超える性能の汎用武器をぶっ放せるようになる。 ---特にガンブラスターとトーラスの性能は凄まじく、武器改造費が安く、攻撃力がそこそこあり、継戦能力も高く、パーツスロット4つ、飛行可能、更に多くのパイロットが乗り換え可能…とあまりにも使い勝手が良すぎる。~ 反面、マップ兵器がない、主武装がビーム兵器、攻撃力が最強クラスとは言えないなどの弱点もあるが、それでもラストまで十分すぎるほど戦える。 ---素の性能はそれらに一回り劣るが、上記の複数合体機の利点もあり、二人乗りで1枠で出せるスーパーガンダムは、人によってはそれ以上の評価をされることも。 --上記のようなシステムから、改造で伸びないステータスはパーツで補強し、改造効率の良い武器を改造する事で元が弱い機体を活躍させやすくなったが、主役機の必殺武器を超えるような汎用武器を連発する事については主役機らしさが薄れてしまい難色を示すプレイヤーも出た。 //***難易度「難」のラストMAP //-MAP名、ボス共に旧シリーズ第三次の隠しマップと同じ //--αシリーズで魔装機神のシナリオを展開した結果であり、後にOGシリーズでも同じ展開があった。 //--版権作品が別タイトルで同じ展開を繰り返す事はスパロボシリーズでは良くある事ではあり、魔装機神も半ば版権作品に近い。 //---とはいえ、オリジナル作品には違いなく、最終マップで同じ事を繰り返した事で、「またかよ」と一部から思われてしまった。 //否の意見が言いがかりに近いのでコメントアウト。 ---- **問題点 ***バグ 本作はバグが非常に多く、突貫工事的な制作を思わせるものがある。 -各強化パーツの所時数が1種類あたり9個に達すると、大小様々なバグが発生し、ついには''36話で確実にフリーズが発生して進行不可能となる''。 --何より厄介なのは''バグの原因発生と、バグの表面化との間に、何マップ分にも及ぶタイムラグがある''こと。もう絶対にクリアできない状態になったセーブデータで長期間のプレイができてしまうので、気付いたら時すでに遅し、という最悪のケースが生じる事も珍しくない。 --更に輪をかけて厄介なのが、先述の「バザー」で強化パーツを容易に増やせるという点である。「ブースター」(移動力+1)などの安価かつ有用なパーツを知らずに買い漁った被害者も多い。こんな単純な事でここまで致命的なバグが発生するとは誰も思わないだろう。 ---パーツはバザーで売却できるため、事前にバグの存在を把握していれば回避は容易である。 //似たような記述が多いので圧縮 -29話で兜甲児をグレートマジンガーに乗り換えさせると地上ルート36話でフリーズする。このバグも上記同様、表面化までにラグがあるのでハマりに陥る危険性が高い。 -ゲームを進めると自軍のユニットリストに敵の戦艦である「グレタ・ガリー」が追加される。 --しかし''追加されるだけで使用はできず、しかも最後まで居座り続ける''。改造も可能だが資金を損するだけで意味は無い。 --原作ではアイアン・ギアーが大破した後、同型艦であるグレタ・ガリーを鹵獲して色を塗り替え2代目アイアン・ギアーとする展開がある。しかしデータ管理上わざわざ自軍にグレタ・ガリーを入れる必要などないはずであり、全くもって不可解。 -一部のバルキリーの武装は形態毎に最大弾数が異なっており、残弾数が別形態ではマイナスに到達するほど使用した後、マイナスになる形態に変形すると、逆に残弾数が120発を超える。 --これはVF-11のガンポッドは後に修正されたが、Sバルキリー柿崎機の反応弾は修正されていない。 --プレイヤー有利のバグであり、一部機体の残弾数が極端に増えてもゲームバランス崩壊までには至らないため、重大な欠点というよりは便利な裏技として知られている。 -29話でミリアをアーマードバルキリーに乗せていると、強制出撃時に必ずフリーズする。これはミリアは出撃時に変形するイベントがある為、変形機能を持たないアーマードバルキリーではエラーを起こしてしまう為である。変形機能を持つデフォルトの専用バルキリーなどに乗せていれば大丈夫。 --ミリアを何の機体にも乗せておらず、かつミリア専用バルキリーに他のパイロットが乗っている場合、勝手にアーマードバルキリーに乗ってきて勝手にフリーズを起こすことも。 -宇宙ルート35話にいくつかバグがある。 --目的地周辺5マスにラー・カイラムを入れて増援を出させると、勝利条件達成時に100%必ずフリーズする。 ---また、それとは別に敵の増援を出現させすぎたり、敵を全滅させたりしてもフリーズする。獲得資金が多い敵ばかりなので、できる限り倒しておきたいと考えるプレイヤーの多くが引っ掛かった。 --同シナリオは敗北条件の一つに「マップ兵器の使用」があるが、ヴァル・ヴァロのプラズマリーダーだけは使用してもゲームオーバーにならない。 -機体とパイロットの地形適応が全く反映されていない。BやCと表示されていても全てAとして計算されている。 --自軍に限って言えば、地形適性が芳しくない機体・パイロットも気にせず使用できるため、怪我の功名と言えなくもない。 --一方で敵側も、適応Bの機体でも適応Aの回避・命中となっているため、本来想定されていたものとは別のゲームバランスになっている。 --なお武器の地形適性は正常に反映されている。…だからこそ地上適性の低いファンネル装備の機体がワリを食ってしまっているわけだが。 //--これのせいで本作は命中率がかなりシビアであり、エースパイロットが雑魚相手に命中率100%未満になる事も多々ある。 //命中に関しては、地形以外の問題があると思われますので、表現を緩和。 -ニュータイプ・強化人間・カテゴリーF・念動力等の回避補正が本来の効果の2倍になっている。 --こちらも想定されたゲームバランスを大きく崩す要因となってしまっている。(後述) -成長タイプの「万能系・大器晩成型」が正常に設定されていない。 --同じく晩成の「格闘or射撃系・大器晩成型」(あるレベル以降、能力の上昇率が伸び、最終的に「格闘or射撃系・万能型」より一回り下の高い能力になる)と比べると、SPだけは非常に伸びるが、他の能力はその伸び幅があまりに小さいためSPのみが優秀という、まるで別の成長具合となっており、バグあるいは設定ミスではないかと言われている。 //((一説によると100以上。))このゲーム99までしか上がらないんだけど…。チートで確認? //99にしたデータを参考に修正 SPだけは非常に上昇します --当てはまるのはオリジナルの「リュウセイ」「ミオ」「プレシア」、ガンダムXの「サラ」、∀ガンダムの「ロラン」、ザブングルの「チル」、そして能力の関係ないVガンダムの「ハロ」となる。 --支援精神が豊富なプレシア、サラ、基本的にサブパイロットであるチル、サブパイロット固定のハロは「精神ポイント重視型」(SP以外の能力は低めだが、SPは伸びる)の互換のようなものなのでむしろ優秀なのだが、問題はリュウセイ、ミオ、ロラン。 ---彼らは精神が完全に戦闘用で、前線で戦うのがメインのキャラでありながら、戦闘に必要なステータス値が最後まで低い。 ---リュウセイは前作では最強クラスの合体ロボSRXのメインパイロットを務める強敵殲滅の切り札だったが、本作では最後まで合体前の単体ロボR-1改が乗機となるためこれといった必殺技を持たず、しかも本人のステータス値も低いという弱体化が目立つ。加えて復帰するのがかなり後半にさしかかるあたりなのも辛い。~ もっともステータス値こそ低いが、機体の回避性能の優秀さ、先述のバグにより2倍化した念動力補正、加えてガッツの発動もあるため味方最高クラスの回避能力を持っておりクリティカル率も高められる。武器も低燃費の物が多く反撃や援護で暴れられるので、前作とは別ベクトルの強さを備えており、最前線でも十分戦える。 ---ミオは遠距離攻撃が弱くガッツを活かして近距離必殺武器を使用していく機体であるため、能力の低さが辛い。レア精神の「脱力」が使用可能な辺り支援機的な設定をしたのかもしれないが、どうにも中途半端。おまけに搭乗機のザムジードがHP回復(小)を持ってる為、ガッツ状態を維持し続けるのが難しいのもネック。 ---ロランは乗機の∀ガンダムが優秀なのでそれに合わせた能力なのかもしれないが、問題は∀ガンダムが乗り換え対応機体である事。そのためイベントが起こるマップ以外では他の優秀なパイロットに割り当てた方が有効であり、本人は放置されるケースも少なくない。幸い精神ラインナップが優秀かつ無駄がない上にSPも豊富なため、きちんと乗機を改造強化して、精神コマンド多用の戦い方をすれば戦力的にはさほど問題ない。 //リュウセイも強力なためロラン1強的な意見は削除しました。 -本作は製作期間が比較的短く、前作からのシステム流用も多い事から、このような多数のバグを抱える事になってしまったと思われる。 --また、いずれもバグも中盤~終盤までプレイしないと発生・確認しにくく、また100%確実に発生するものも存在する事から、テストプレイやデバッグが不十分だったものと思われる。 --なお、廉価版やPREMIUM EDITION、PSN配信版ではいくつかのバグが修正されている。 ---有志による検証では、パーツバグ、宇宙35話フリーズバグ、バザー値段バグ、グレタ・ガリーバグ、VF-11ガンポッドバグ、ギャロップ消失バグは改善されている。 ***システムの粗 //改造関連は全体的に賛否両論に見えたので、そちらに移しました。 -命中関連 --運動性の仕様変更は、スーパー系や戦艦系にとっての評価点・改善点となった一方で、別の問題点も生まれた。 --運動性の強化で命中率を能動的に補強できなくなったため、使用ユニットによっては一部の高回避を持つボス敵が非常に大きな壁となった。 --具体的には、''序盤9話から登場する''ゴーストX9、能力値が高い上に特殊技能「カテゴリーF」を備え、更に頻繁に防御・回避を行うフロスト兄弟が代表格。また難ルートのラスボスも該当する。 --精神コマンド「必中」持ちは問題ないが、「必中」を持たないリアル系パイロット達は「集中」では命中率上昇が追いつかず、それらが売りのボス相手には非常に苦戦することに。 ---運動性を改造できる『F完結編』終盤でもあった問題で「相性の存在」または「ボスの強さの表現」という意味では正しいかもしれないが、不満は多く出た。 --救済としてか、今作は「命中率が上昇する強化パーツ」が前作よりも非常に入手しやすいため、こちらと集中を併用すればいくらか改善できる。が存在が地味、もしくは複合効果の一部なため、考慮に入れられることは少ない。 --結果として、「仕様変更したのはいいが調整不足」といわれている。回避を敵の強さとして生かすのはいささかストレス性が高すぎた点と、補強はちゃんとできるが、それが目立たなかったことが難点か。次回作では特殊技能の補正(後述)がほぼ従来通りに戻ったことや、バランスや精神コマンドが整備され、あまり命中率に悩まされる事はなくなった。 //命中パーツについて追記。精神コマンドを使わないと困る点は同じなので他含め追記修正 -動作関連 --マップ上ではユニット移動だけは前作より素早いものの、軽度の処理落ちが常時発生しており、カーソル移動・精神コマンドのエフェクト等がのっそりしている。~ また、本作では簡易戦闘アニメの演出が強化されたせいで長くなっており、それに上記の処理落ちが加わるせいで非常にテンポが悪い。 --コンティニュー時のロード時間も長くなっており、テンポの良さやストレスの有無の面では前作『α』から大きく劣化したと言える。 -ボスユニットの行動 --本作ではより戦略性を深めるため、ボスユニット等がこちらの攻撃によって回避や防御を選択する仕様になっている。 ---「自分が倒される場合にのみ防御、回避」思考の敵はクリティカル、援護攻撃のダメージを考慮しないことから、ダメージと敵HPを計算し、精神コマンドを駆使して撤退ボスを倒そうとするも、クリティカルか援護でトドメをさせるように調整しないと防御・回避を選択されるため失敗…という事態になってしまう。 //援護も計算に入れた場合は問題ないため改定しました。 ---戦略の練り直しになる他、セーブ・リセット・ロードへの依存も強まり、更には上記の通りロード時間が長い…という悪循環に悩まされがち。結果、意欲的な試みではあったものの、ゲームとしての面白さには繋がらなかった。 --本作では(主に終盤の)ボスの強さを演出するためか、一定ダメージを与える度に精神コマンドを発動するようになっている。 ---これ自体は『α』にも見られた要素だが、『α』は最終ステージのボス2体のみであり、使用する精神コマンドも「ド根性」のみであった。 ---また、戦法次第は「ド根性」の使用を無視し、一撃での撃破も可能だった。無論入念な手間と準備が必要であり、決して簡単ではないが。 ---しかし本作では「ド根性」どころか「熱血」や「鉄壁」といった、多数の精神コマンドを大量に使ってくる。しかも1度や2度でない。 ---「普」ルート最終ボスを例にすると、HP80%以下で「熱血」「必中」「閃き」を、HP60%以下で「熱血」「必中」「閃き」「根性」「気合」を、HP50%以下で「魂」「集中」「鉄壁」「気合x3」を、HP40%以下で「魂」「必中」「閃き」「ド根性」「鉄壁」「覚醒」「気合x2」「補給」を、と怒涛の勢いで使用してくる。しかもボスどころか取り巻きの中ボスですら(軽度ながら)使用してくる。勿論これは「普」ルートでの話であり、「難」ルートだと精神ラッシュ回数や使用する敵の数が増大する。 ---特に「必中」や「鉄壁」等の持続系コマンドが非常に厄介であり、「ひらめき」がほぼ必須になるか、ターン経過による効果の解除を待つ必要がある。ボスユニットは大抵「HP回復30%」を備えており、それに「根性」「ド根性」が加わるため、これまで与えたダメージが大幅に消えてしまう。前述の与ダメージ減少により「大ダメージによる精神コマンドラッシュの無視」も非常に難しい。 ---困難ではあるものの一番厄介な「鉄壁」を使用させずに撃破することは、ゴール(ラスト手前の大ボス)以外には通常プレイでも可能。ひらめき持ちのボスキラーメンバーを選抜するなどの計画を楽しむユーザーも少数ながらいる。 ---恐らくHPを16ビット以内(65535以内)に抑えつつ、それ以上の耐久力を実現させるため、もしくは前作の「一撃で倒せる」という声を受けての調整だと思われるが、今度は逆に「難しすぎる」「ウザすぎる」「理不尽」という声が上がってしまった。前作は手軽な難易度とテンポの良さで大量の新規ユーザーを獲得していたため当然であろう。 --不評だったせいか、どちらの仕様も以降の作品では殆ど採用されなかった。 ---前者は「特定イベント・状況で出現する敵のみ防御や回避を行う」という、従来通りの仕様に戻されるが、一部作品では同様の挙動、更に一部の作品では雑魚も死にかけると防御、回避をする事態になっている。ただクイックセーブ&ロード環境の向上、防御の軽減率も50%から下がっている作品もあるためなど、『α外伝』よりは問題視されにくい。 ---後者は精神コマンドラッシュではなく、状態異常効果・HPの多さ・攻撃力や命中率の高さ等でボスの強さを演出するようになったが、これにも賛否が分かれた。なお、それらのボスの中にも精神コマンドを使うものはいるが、攻撃系精神がほとんどで、ド根性などの使用は1度程度になっている。 //精神関連に関して編集、追記。一部以外鉄壁無視もできます。 -技能補正関連 --「ニュータイプ以外は人にあらず」と言われた『F』を反省し、前作では回避命中補正を得られる技能の効果が低くされていた。 --ニュータイプ(以下NT)を例にすると、『F』のNT補正は命中・回避共にLv9で+43%だったのに対し、前作のNT補正はLv9で+30%である。 --しかし本作ではこのNT補正がやたらと高く設定されており、Lv9の補正は前作を超える+35%。回避補正は前述のバグにより''『F』をも遥かに超える+70%''もの超強烈な補正を得られる。 --普通にプレイしていて最大Lvまで上がり切る事はあまりないが、それでもあまりに高過ぎる。参考までに前作における最大補正の+30%は、本作におけるLv4である。 --上記のフロスト兄弟が鬼のように高い回避率を持っているのはこれが原因である。前作のように命中補正と回避補正が同数値なら、NT持ちパイロットに相手をさせる事で対処できたが、本作では命中補正と回避補正の間で2倍もの差があるためこのような事になってしまった。 ---これに関連して、回避+運動性が限界以上になった時に赤い警告は出るものの、実はレベル制の技能補正の分も限界に影響されるため、見た目は問題なくても限界に引っかかっている状態になるという罠もある。 ---また敵側の機体は限界のパラメータが味方に比べると低めであり、実はその回避補正をフルに活かすことができないという一面もある。例として『難』ルートのラスボスだが、本人の回避320に機体の運動性90、念動力LV9で回避+70されるので計算上は480だが、機体の限界が450の為、そこで引っかかってしまうのである。 //↑α外伝は敵も味方も【(回避+運動性)+NT回避補正】という計算だから限界反応に引っ掛かる事はない。 //↑試すと分かりますが、表示上は赤くならなくても、今回は限界に引っかかります(底力、ガッツは除外)ので、訂正します。 --また、これは自軍でもNTと非NTで大きな格差が生まれてしまったという事でもある。『F』で散々指摘されていたNT格差を再燃させてしまったのは情けないと言わざるをえないだろう。一応、前述の技能や精神などで主役級ニュータイプと他との調整もされているが、それでも回避が圧倒的すぎる。 --そもそも前作から引き続き存在する、ガッツ(HP1/4以下で命中・回避・クリティカル率共に+50%される)の存在もあり、命中回避に関してのバランスは技能に依存しすぎており、大雑把すぎる点が目立つ。 //ガッツの問題も盛り込み、追記、編集。 -ダメージ計算式に組み込まれた「距離補正」の存在。 --「ファンネルなどの遠隔属性武器やMAP兵器を除いて、武器の最大射程と攻撃距離の差が大きいほどダメージが高くなる」という『α』から存在していた仕様が、難易度の上昇に伴い改めて問題点として挙げられた。 ---実際、今作の燃費に対する攻撃力は、最大改造を施すと殆ど均一化されるため、「同じ燃費の武器なら射程が非常に重要」となっている。 --同じ武器なら近い方が威力が高く、距離が遠ければ威力も減衰するだろう、という事なのかもしれないが、補正値が高めなので、短射程の武器はダメージ的にかなり割を食っており、攻撃力での直感的な判断と大きな差が出てくる。 ---具体的には「射程差1につき3%」で、隣接を前提とすると、射程が4も有れば攻撃力200,300程度の差は余裕で覆り、最大射程が8以上の武器は21%以上の高い補正がかかる。『α』もだが、敵味方共に最強攻撃にこの距離補正が大きく関係しているのは、流石にやりすぎと取られても仕方がない。 --ただ今回は「実際にP属性の無い長射程武器を隣接して撃つ」には2回行動が廃止されたことも有り、ターンを回すか消費の重い覚醒、再動を使う必要があるため、使い勝手の面で差別化はされている。 --またこの「距離補正」は敵にも適用されている。滞りなく反撃できるように設定された、ボスや中盤以降の敵の長射程武器は文字通り脅威。 //燃費に対する消費が異なる点と、直感と異なる点を重視した文章に追記、編集しました。 -援護関連 --援護の参加キャラ、使用武器が自動選択であり、援護攻撃時に想定外の強力な武器を参照されることが多々ある。 ---これでも「相手の現在HPと自分の残EN、弾薬を考慮している」のだが、「援護を受ける側の攻撃命中を考慮していない」ため、無駄に強力な武器を使いがち。燃費の悪いユニットはなかなか困ったことになる。 ---また、ガンダムXやガンダムダブルエックスに援護させようとすると、使える場合は必ずといっていいほどサテライトキャノン系の武器が参照されてしまうので、配置も考えなくてはならない。 --難易度が高いと、ボスが援護防御用ユニットを大量導入してくる。そして、そちらを狙うとボスがかばうなど、非常に手間がかかる。 ---援護防御を崩す手段もあるにはあるがマップ兵器のみ。つまりマップ兵器を持つユニットの強さの比重が、難易度が高いと恐ろしく上がってしまう。スーパーロボット大戦シリーズ共通の問題ではあるが、やはりマップ兵器がこの点でも強力すぎる。 --なお後のシリーズでは援護攻撃時の武器選択が可能になり、「コンボ」「ダブルアタック」「直撃」などのマップ兵器以外による援護防御突破手段が設けられるようになった。 -その他 --前作で強力だった機体が弱体化された。これ自体は当然の処置だが、かなり極端な弱体化をされており、「他を使った方がマシ」とまで言われた。 ---その筆頭が、前作でボスキラーとして大活躍したダンクーガ。&brまず、HP・EN・運動性のいずれもが主役スーパーロボット系で最も低い。次にENや弾数を無消費で使える武装がないので長期戦には不向きなのにEN改造の仕様変更で燃費が致命的なまでに悪化。おまけにそこまでして撃った必殺技の攻撃力は野生化ありきでもまずまず程度。加えて断空剣系統とフォーメーション以外地形適応が空B。とどめとばかりに武器改造費用もトップクラスの高さである。精神コマンドも熱血・気合の習得者が減った(『α』では4人全員が習得できた)ため「開幕直後から最大火力が撃てる」という運用方法までも剥奪され、複数乗りスーパーロボットでは唯一覚醒や援護を誰も覚えない。シナリオ上の影も薄く、『第3次α』の中断メッセージでネタにされたほど。&br序盤で非常に貴重な熱血使用可能、分離状態での強さがダメージバランスや改造連動などの要素で格段に上昇したため別の強さも得た他、有用な支援系精神コマンドも覚えるのが救いか。 (裏を返せば分離を活用しないと他のスーパー系と同等のダメージが出せないということでもある) ---νガンダムは「機体性能控えめ」「メイン武器の地形適応が低い上に距離補正も掛からない」「武器改造費は高め」とあまりにも使い辛い。しかも中盤以降は大半が宇宙ステージだった前作とは違い、本作は9割以上が地上マップなので地形適正の酷さがより際立っている。~ 無改造同士ならバズーカの性能と最大射程がそこそこ良い繋ぎ機体程度の性能となり、これまで本機の割を食っていたΖガンダムや、比較的入手条件が緩いキュベレイやガンブラスターに乗り変えた方がよい(なお換装でHWS装着型、別機体でHi-νガンダムも登場し、そちらはある程度は強い)。 ---ウイングガンダムゼロ・トールギスIIIも大きく下方修正され、特に燃費が超悪化。「強化パーツを用いない限り、ENをフル改造しても主武装を4発しか撃てない」という極端すぎる調整を受けた。ウイングゼロはマップ兵器があるためまだいいものの、トールギスIIIは倉庫送りにされ、ゼクスは先述のトーラスに乗せられる事が多い。 ---一方で、前作でも強かったデスサイズヘルカスタムは、メイン武装の射程が5(前作は3)、武器使用制限なし、クリティカル+40%とさらに強化されている。その代わり、移動性能がパーツスロット込みでは最悪でメインパイロットのデュオが魂を覚えなくなった。 ---さらに、ガッツ持ちリアル系であり、前作で凄まじい強さを誇ったイサム、フォッカーの2人は2回行動の廃止でそちらの早期習得の利点こそなくなったものの、微妙なマップ兵器がなくなっただけの弱体化にとどまっている。フォッカーに至っては指揮を持つためより重要性が増したと言っていいが、バルキリー系パイロットは柿崎を除き「ひらめき」を持たないため、命中の高い、もしくは「必中」使用後の敵ボス相手が苦手という形でバランスがとられている。 --ガンダムX・ガンダムDXのサテライトキャノンは、ゲームバランスの兼ね合いで独自のシステムが搭載されている。 ---その中で最も問題点とされているのが「月が出ていないとサテライトキャノンを撃てない」という点。 ---「難」ルートでは月が出ているマップが激減するため、月がないとサテライトキャノンを撃てないこの2機は、隠し武器を入手しないと攻撃力が大幅に低下する事に。 ---ガンダムXはディバイダーに換装できるため使っていけるものの、隠し武器を入手してないガンダムDXは「難」ルートだとほぼ戦力外となってしまう。 ---加えて難易度「普」だと最終MAP後半で月がでてないので、ここでも戦力外となってしまうのだった…。 ***主人公の不在 -第4次以降定番となっていたオリジナル主人公の登場だが、本作はそれがない久しぶりのスパロボである。 --プレイヤーの分身として、版権作品のキャラクターとして肩を並べる主人公に愛着を持っていた層からは、本作の大きな欠点としてこの点がよく挙げられる。 --一方、前作では主人公がシナリオ上重要なキーパーソンであり、目立ちすぎと批判されたこともあってその反動であるとも言える。 ---実際、インタビュー等で寺田Pがそういうニュアンスの発言をしている。 --『第3次α』のインタビューによると、主人公なしでα外伝とCOMPACTを作ったところ、バンプレストオリジナルの主人公&機体を要望する意見がビックリするくらい多く寄せられたため、以降は基本的に主人公を入れることになったとのこと。 -また、前述した通り魔装機神関連は充実しているのだが、もう片方のオリジナル代表であるSRXチームは、リュウセイとヴィレッタ以外はほぼ出番がない。((厳密に言えば難ルートのラスト2話のみ使用可能で、ライ(と、ついでにイルム)は前半に1話だけスポット参戦もある。が、出番が少なく機体も弱いので、アヤとレビに補助精神コマンドを使わせるのが精々。易・普ルートでは正式参戦すらない。))。また、この二人もシナリオ、強さ、自軍参加期間いずれの面においてもやや控えめな扱いとなった。 //主人公不在については前作目立ちすぎた反動だろうってのはこうなった理由であって、不在で嬉しいって話を聞くようなゲームじゃない(実際、今書かれてる通り主人公要望が強かった)から、「多少フォローできる理由はある問題点」でしかないかと。 //リュウセイは『新』の主人公とは言い難い(宇宙編ではかなり遅めの参戦)なので記述を変更。 ***シナリオの問題 -外伝という作品の性質上、前作をやってるかその元になった原作を知らないと理解困難な展開がある。~ 特に、本作のストーリーの大前提となっている「イージス計画」が前作のクライマックス(前作参戦の『トップをねらえ!』の太陽系絶対防衛戦をベースにした展開)に由来する物なので、これを理解できないと導入部からいきなり躓くことになる。一応、オープニングの字幕や序盤のキャラの会話で説明はされるが、より詳しく知りたいなら前作のプレイが必要となる。 -『ザブングル』『∀ガンダム』がいい感じに原作再現されており、『ガンダムX』はDVEが豊富に用意されており、シナリオ上でもよく目立つ。一方で、『ブライガー』はやや不遇。 --『ブライガー』もDVEは多くシナリオ上での活躍の機会は多いが、登場キャラクターも機体も少なく原作再現は著しく少ない。 ---原作において最後の強敵となるカーメン・カーメンを主な敵として配置しているのだが、原作からして表に出ずに暗躍するキャラであるため、本作でも現代から未来にかけて暗躍。そのせいで作品の名有り敵と3回しか戦う機会がなく、他組織と比べても、その計画の進行度によるシナリオ的な脅威(侵攻が進んでいる・人類を滅ぼす準備が整ってきている等)が一切無し。何より下記の最終決戦の戦力と戦法から、やる気があるのかわからない夢想家というイメージが付きかねない事態になっている。それも含めて原作再現と言えなくもないが。 ---ただし『ブライガー』という作品自体、ロボットアニメ版必殺仕事人とも言える作品で、レギュラーキャラが少なく単話形式の人情話がメイン。戦闘自体はブライガーが出たらあっさり敵を倒して終わりという話ばかりで、強力なロボットとの戦闘が主題ではないため、ある程度は仕方ない面もある。以降の作品で出演した際も登場キャラや機体は相変わらず少なかった。 //-本作のEDは難易度によって変化するが、真のEDを見るためには「難」ルートをクリアしなくてはならない。 //--前述通り本作は難易度が前作から大きく向上していおり、なまじ前作が優しいバランスで大量の新規ユーザーを獲得していただけに、続編として買ったプレイヤーを難易度の乖離に苦しませる事となった。 //どのエンディングも続編につながる終わり方だから一応「真のED」ではないと思う。 //問題点を「積み重ね」「システム的な強さ」として編集しました。 //ガンダムXに関しては、64のジャイアントロボやαのマクロスプラスに比べればずっとマシだし、問題にするまでのことではない。 //-前作で散々思わせぶりな言動をとり、ストーリー上の重要要素と思われた『ジャイアント・ロボ』関係のキャラや設定がすべて未登場。 //--これは版権の問題があったようで、続編では本来敵のボス、ビッグファイアに当たるであろうキャラがオリジナルキャラに変わっている。 //不参加作品に関しては、ジャイアントロボに限らず、そもそも発売前に告知しているため本作の問題とは言えないためCO。 //-同じく最大の脅威と描かれていた宇宙怪獣やゼ・バルマリィ関係も今回はノータッチ。 //--こちらは『第2次α』以降でストーリー展開されたが、前作で未解決の問題が外伝とはいえ丸々スルーされたので、気にしていたプレイヤーは相変わらず疑問が残ったままに。 //---幸い本作で中途半端にネタを振るような事はなかったので、作品内で変なしこりを残す結果にはなっていない。 //---ただし、宇宙怪獣については前作終盤で荒っぽい手段を取ったツケが回ってきて地球圏が危機に陥り、その件をティターンズのジェリドから「お前たちのせいで地球圏が危機に陥ったがために俺たちティターンズが治安維持に努める羽目になった」''「お前たちでは地球圏を守る事など不可能だ」''と批難されるのだが、宇宙怪獣の件については徹底スルーしている上に前作終盤のティターンズが迷走しかしていなかった((αのティターンズはジオンと密約を交わしてジオンの地球降下を招く、ジュピトリアンに降る、ゼーレにこき使われる等地球連邦の組織としてはろくな働きをしていない上に、宇宙怪獣に対してなにか出来たわけでもない。更にこの舌戦ではこれだけプレイヤー部隊を批判しておきながら「地球圏を守るためにお前たちの人員や設備・兵器を寄越せ」と要求してくるが、いくらなんでも他力本願過ぎる))事も踏まえるといくらなんでもバカすぎる描写になってしまっている。しかも、とくに頭のキレる人物という訳でもない武蔵から''「自分たちは何もしなかったくせに」''と突っ込まれてしまうオチまで付いている。 //バルマーは2次αでも出てないし、今回は代わりにアンセスターが出てる。宇宙怪獣についても、今回はそもそもトップが参戦してないのでCO。 //-若干ゲーム的な展開を意識した強引さもある。 //--恐竜帝国が用意したゲッターロボへの対抗策「ウランスパーク」(ウラン放射能によってゲッター線を汚染して人間にも有害な性質にしてしまう)だが、汚染からの回復手段が描かれずに勝手に治っており、味方のフォローで助けられただけでゲッターロボ側の対策手段は明示されないのに敵が1度しか使わない。 //---同作の他の「敵の作戦でピンチ」系統の話は、明確に「2度は使えない」理由が示される。ウランスパークもアニメだと対抗策がしっかり用意されていた(詳細は各自で検索されたし)ため、非常に不自然なことになっている。 //#region(原作では) //---なお「ウランスパーク」は原作アニメ第31話でキャプテン・ギランのメカザウルス・ヤバに搭載されていたが、本作ではバット将軍のメカザウルス・ゾリに搭載されている。また、ゲッターロボはウランスパークに被弾していない(ゲッターロボが汚染されてしまうのはアニメ33話 後述)。&br()しかし敵がこの性質を知るきっかけになった事故でハヤトが有害放射線化したゲッター線を浴びており衰弱しながらの戦いとなった。その後、「放射能中和光線」が開発されハヤトは治療された。 //---その次のアニメ第32話では敵はウラン液を霧や雪のように散布する作戦に出たが、ハヤトだけは中和光線を浴びていたおかげで平気だった。ウラン液には中和剤を開発して対処、敵は新ウラン液に改良してきたが新しい中和剤を開発して対処した。 //---その次のアニメ第33話「果てしなき大空に誓う!」ではハヤトの独断専行により研究所のバリア発生装置が破壊されてしまい((α外伝では同タイトル「果てしなき大空に誓う!」でこの後の竜馬とハヤトのケンカ展開部分が再現されている。))、敵はこの隙に研究所を狙おうとスーパーウラニウム爆弾と放射能光線を搭載したメカザウルス・ガルを繰り出している。&br()研究所は守ったがゲッターロボが汚染されてしまい、戦いの後ゲッター2で地中に埋まり、「放射能中和光線発生装置」によりゲッターロボが正常化されて、3話かけたウラン放射能による危機を乗り越えた。 //#endregion //regionで隠してあるとはいえここで長々と書くことではない //--「敵のGX(DX)が危険だから排除しよう」という話が、奪い取る明確な目的も特に示されないまま「奪い取ろう」という話になる。なおMAP兵器で破壊すると何のメッセージもなくゲームオーバーになる。&s(){おかげで全滅プレイが捗るが。} //---この時DXは無人で棒立ちだがチャージは進行中で、それが終わると戦艦轟沈の危機的状況。そのため、奪い取るにしても「奪い取るの優先、できなかったら破壊しよう」くらいの展開になるのがシリーズ的にも自然。ましてや何のメッセージも表示さないイベント的なゲームオーバーはシリーズでも異例。 -ダイターン3対アイアン・ギアーの展開が2度あるが、どちらも人的ミスが目立つ。 --1度目は「見かけない相手だから、という理由で通告も無しに味方側が戦闘を仕掛けたため」、2度目は「降伏してきた相手を武装解除していないまま、母艦まで連れて来て、そのまま母艦が占領されたため」。とぼけた展開のある『ザブングル』のイベントとはいえ、いささか軽率。 ***図鑑登録の不便さ 本作では前作αと異なり、ユニットが図鑑登録されるためにはそのユニットが実際にMAPに出なければならない。~ そのため、バザーで売ってる弱小ユニットなども「登録の為に出撃」→「クイックセーブして登録」→「再度インターミッションにて準備」としなければならない。 -序盤に易ルートでリュウセイの乗る「量産型グルンガスト弐式」は、敵として登場したものが戦闘MAPにいても登録されず、序盤の2回、後半の選択ルート中でしか登録できない。(普、難ルートの2機の方は難ルートに行けば加入する。) -こうした仕様の為、登録率100%にするのはなかなか不便。 --それでも初期の分岐で後半に影響する要素がほぼないため、熟練度による登場分岐直前のセーブを活用して熟練度を調整すれば、最短2周で図鑑100%が達成可能。シナリオも短めなので隠し要素が多めのスパロボとしてはかなり達成しやすい部類に入る。もちろん、そのためにはMAPに出さなければいけないが・・ --スパロボの図鑑は一部ユニット・キャラが登録されない(『α』、『第3次α』等)不具合がよくあり、その後パーセント表示は廃止されてしまった。 ---- **総評 「援護システム」「武器の一括改造」「二回行動の廃止」など、現在まで受け継がれる多くのシステムを据え置き機ハードで採用した初のスパロボである。スパロボの歴史における、ひとつのターニングポイントと言ってもいいだろう。~ 前作よりクロスオーバー要素が強まった魅力的なシナリオや、さらに進化したド派手な戦闘アニメも素晴らしく、特に後者は前作に驚かされたプレイヤーですらも感動させたほど。~ ~ しかし簡易戦闘アニメのテンポの悪さやロード時間の長さ、ゲームプレイ・ゲームバランスに多大な影響を与えるバグなど、短期開発による弊害も発生してしまった。~ 今からプレイするのならば、バグ情報だけでもネット等を通じて押さえておく事を薦める。予習として前作『α』からプレイするのもいいだろう。 //総評などを編集、追記。乗り越えられない部分はあるものの、いろんな要素で差別化はされていると思いますので。 //修正依頼を受けて、総評を修正。一長一短であることは事実だが、むしろそうでない作品の方が珍しい。 ---- **余談 -αシリーズでは以後、魔装機神系のキャラは登場しなくなり、新シリーズのスパロボとしての道を本格的に歩んでいくこととなった。 --αシリーズ完結後もしばらく版権スパロボには登場しなかったが、『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』のDLCで再登場し、『[[X>スーパーロボット大戦X]]』以降は毎回出演している。 //問題点に記載されていた「本作を最後に不参加」は、本作の問題とは言えないので削除しました。 -本作発売のほぼ2年後、続編となる『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』が発売された。 -のちにリリースされた『[[スーパーロボット大戦Z]]』では、本作で初参戦した『ガンダムX』、『∀ガンダム』、『ザブングル』がメイン作品として活躍。荒廃した世界を舞台にしているなど、本作を意識したシナリオが展開される。 -後にOGシリーズでは本作のゼンガーを元にしたキャラクター「ウォーダン・ユミル」が登場し、''ゼンガーVSゼンガー''という非常に濃い組み合わせも生まれた。 -4〜5機以上に分離・使用可能な合体機(超電磁機やダンクーガ)は本作が最後となり、以後は武装や演出のみの登場となり、サブパイロットに能力が設定されなくなった。~ 3機合体の機体は以後も分離可能な作品はあるが、元祖合体機のゲッターロボもゲットマシン(分離機)による単独ユニットとしては本作が最後となった。 ----

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