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「[[判定不一致修正依頼]]」および「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容は評価点の補強です。 ---- *雪割りの花 【ゆきわりのはな】 |ジャンル|やるドラ(アドベンチャー)|#amazon(B00006LJP6)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|シュガーアンドロケッツ|~| |発売日|1998年11月26日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|PlayStation the Best&br()2001年8月16日/2,940円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''やるドラシリーズ''&br()[[ダブルキャスト]] / 季節を抱きしめて / サンパギータ&br()''雪割りの花'' / スキャンダル / [[BLOOD THE LAST VAMPIRE>BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻]]| ---- *やるドラ ポータブル 雪割りの花 【やるどら ぽーたぶる ゆきわりのはな】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|#amazon(B00097D9PM)| |開発元|ウィル|~| |発売日|2005年7月28日|~| |定価|3,990円|~| |配信|2009年9月24日&br()2,800円(UMD Passport:1,000円)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 当時SCEが「見るドラマからやるドラマへ」をキャッチフレーズに展開していたやるドラシリーズ四部作の最終作で、冬の北海道を舞台とした切ないラブストーリー。~ 前作まではアニメ的なキャラデザインにより、(少なくても外見的には)「萌えキャラ」も多くビジュアル面での人気も高かったが、今作は写実的でやや地味な作風である。~ また絵柄だけでなく、ストーリーの内容も非常に重く沈鬱なこと知られるシリーズ唯一の異色作である。~ **あらすじ ヒロインであるOL桜木花織は、ある日恋人が交通事故死したとの知らせを受け、そのショックで気を失い、記憶を喪失してしまう。~ そして目が覚めたとき、付き添いとして病室にいた隣人である大学生の主人公を恋人の伊達昂だと思い込んでしまう。~ 主人公は密かに花織に恋をしていたこともあり、彼女を傷つけないためにも昂になりきることにするのだが…… **登場人物 -主人公 --道南大学に通う、20歳の大学生という設定。アパートで独り暮らしをしており、隣の部屋に住む花織に密かな恋心を抱いていたが、花織からはむしろ弟のように思われていた。 --あまりにも立場が違いすぎることを自覚しつつも、彼女のために何とか嘘を突き通そうとするが…… -桜木 花織 --この物語のヒロイン。主人公より年上のOLながら、どこか子供っぽいところを残している。 --両親と育ての親である祖母は死去しており、身寄りはいない。そんなこともあって、恋人である昂のことを何よりも大切に想っていた。PSのゲームであるため直接的な描写はされないものの、昴と肉体関係があったことも示唆されている。 --後述の記事にもあるが、思い込みがかなり激しく、どこか夢見がちな性格。決して悪気のある人ではないのだが、なかなか癖のあるヒロインだと言える。 -伊達 昂 --3年前に花織と知り合い、相思相愛となった恋人。仕事でアメリカのマイアミに出張中、交通事故で死亡してしまう。 --かなりドライな性格の持ち主であったことが窺えるが、ぬいぐるみを海に落とした女の子の為に海に飛び込む優しさも持つ。また、彼もまた身寄りがおらず、それゆえに花織のことを深く深く愛していた。 --物語のキーパーソンであり、主人公が昂に成りきるというストーリー上、趣味や性格等も語られるが、昂本人は作中には出ない。 -ちなみに本作は上記2名を中心に物語が展開し、前3作と比べ登場人物が非常に少ない。他にメインとなるのは昂の幼なじみだった小林勇一と、達成度によって後から出るサブヒロインのみ。脇役も精神科医と主人公の友人2人くらいである。 **特徴 -とにかくストーリーが重い。 --上述の通り、「記憶喪失の女性の恋人に成りすます」というシチュエーション自体が緊迫感ある上に、前3作品に有ったノーマルエンドが存在しないのも手伝ってバッドエンド数が際立って多い。 --もともと不自然な状況であるために、ちょっとしたことで花織の記憶が蘇ってしまうのだが、そうなるとほとんどの場合、バッドエンド直結である。しかも花織は先述の癖のある性格ゆえに「真実を知った途端、躊躇いなく命を絶ってしまう」という結末が非常に多い。 ---記憶の蘇り方もピンからキリまであり、「それを言っちゃバレて当然だろ」なものから、「そんな細かいことまで…さすがに気づかなかった」レベルのものまで様々。余程注意深くプレイしている人以外は、クリアするまでは花織の絶叫やら、飛び降りシーンを何度も見る羽目になるだろう。 -当初は憧れていた女性との恋人気分に浮かれていた主人公だが、花織の語る思い出話から自分が偽者の昂に過ぎないことを思い知らされ、彼女を騙している事実が重荷となり、精神的に段々と追い詰められていく。 --自分を抱いてくれない昂に花織が迫ってくるシーンまで存在。拒むか、状況に流されて抱いてしまうかは選択しだい。 -クライマックスシーンでは、ついに記憶が戻ってしまった花織さんと主人公がビルの屋上で魂のぶつけ合い。選択を一つ間違えると花織さんは飛び降りてしまうので、緊迫感が凄い。 **評価点 -ストーリー内容こそ重いものの、シナリオ構成はしっかりしており、初期やるドラ4部作の中でも完成度は非常に高い。 -イラストは写実的で簡素な印象を受けるが、アニメーションの出来は前3作同様に高い。アニメ的な表現でクオリティが高かった前3作とは違い、本作では人の動きや表情の描き方が非常にリアル。まるで実写映画を見ているような気になる。 -出演声優は主人公を演じる檜山修之氏やヒロインの花織を演じる日高のり子氏といったメインキャラはもちろん、サブキャラにも堀内賢雄氏や渕崎ゆり子氏、森川智之氏といった豪華なメンツが起用されている。当然演技力も申し分なく、写実的な本作に合わせたドラマ的な演技も、物語への没入感を一層深めてくれる。 **問題点 -前述の通りストーリー的にはかなり陰鬱のため、万人受けするADVとは言いがたく、人を選ぶ部分が多い。 --ストーリーは常に悩み続ける主人公とふとしたことで壊れてしまう花織の危うい関係性のみに焦点が絞られており、途中に笑えるシーンや気の休まるといったシーンもほぼ無い。最初から最後まで付きまとう陰鬱な空気と花織への緊張感で、プレイしているだけで気が滅入らされる。 --また内容に合わせた写実的なイラストや声優の演技力の高さは評価点ではあるが、そのために花織の記憶が戻って精神が崩壊したり自殺に至ってしまうシーンや、その様を見て絶叫する主人公の演技等は、あまりにもリアルで生々しく怖い。本作がトラウマになったという声も上がっているほどである。 -これまでのやるドラシリーズ同様、バッドエンドの分岐が分かりづらかったり、プレーを何度も繰り返して達成度100%までに何度も同じシーンをスキップしなければならないのはやはり同じで、最終的には作業になりがちである。 --もちろん過去作同様に一度見たシーンは高速スキップする事が可能で、特定ポイントから開始することも可能なのだが、本作はシナリオの内容が陰鬱なだけに、何度も周回プレーを行ってバッドエンドを埋めるのは非常に辛い **総評 とにかくゲームとは思えない沈鬱なストーリー展開が見もの。~ 「恋人は唯一無二のもの。代わりなど誰にもできない」ということを、嫌というほど思い知らせてくれる作品でもある。 当時のコンシューマー完全新作としては、稀なレベルの鬱ゲーと言えるのではないだろうか ---- **移植版 2005年にPSP版が発売され、2009年からダウンロード販売も開始された。 ---- **余談 -本作のCMは電気の消えた暗い室内に置かれたテレビに本作のヒロイン・香織の姿と、有名女優・岸田今日子のつぶやきが交互にインサートされるというホラーチックなものであった。 -本作のヒロイン花織の知人曰く、花織の恋人と主人公の共通点は背丈くらいだと発言するが、PS版発売当時にソフトバンクから出版された攻略本のプロフィール記載では10cm近くも違う(主人公→170cm代、花織の恋人→180cm代)。 -ラジオ番組で全4作のストーリーに関連したラジオドラマが放送されたのだが、本作のみ何故か本編とは一切関係の無い物になっている。 --ヒロインの声優、登場人物の名前、各種キーワード等が一致はするがまったくの別物であり、時代もストーリーも何一つ本編には繋がらない。内容的に本作の内容そのものからサブストーリーを展開するのは難しかったのかもしれないが、本編以前の主人公の日常だったり、花織と昂の馴れ初めとかで良かったような気がするが……。 //#region(予告編ムービー) //&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=WH0q9rR9pbE){425,350} //#endregion //動画が再生できなかったので削除。
「[[判定不一致修正依頼]]」および「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容は評価点の補強です。 ---- *雪割りの花 【ゆきわりのはな】 |ジャンル|やるドラ(アドベンチャー)|#amazon(B00006LJP6)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|シュガーアンドロケッツ|~| |発売日|1998年11月26日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|PlayStation the Best&br()2001年8月16日/2,940円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''やるドラシリーズ''&br()[[ダブルキャスト]] / 季節を抱きしめて / サンパギータ&br()''雪割りの花'' / スキャンダル / [[BLOOD THE LAST VAMPIRE>BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻]]| ---- *やるドラ ポータブル 雪割りの花 【やるどら ぽーたぶる ゆきわりのはな】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|#amazon(B00097D9PM)| |開発元|ウィル|~| |発売日|2005年7月28日|~| |定価|3,990円|~| |配信|2009年9月24日&br()2,800円(UMD Passport:1,000円)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 当時SCEが「見るドラマからやるドラマへ」をキャッチフレーズに展開していたやるドラシリーズ四部作の最終作で、冬の北海道を舞台とした切ないラブストーリー。~ 前作まではアニメ的なキャラデザインにより、(少なくても外見的には)「萌えキャラ」も多くビジュアル面での人気も高かったが、今作は写実的でやや地味な作風である。~ また絵柄だけでなく、ストーリーの内容も非常に重く沈鬱なこと知られるシリーズ唯一の異色作である。~ **あらすじ ヒロインであるOL桜木花織は、ある日恋人が交通事故死したとの知らせを受け、そのショックで気を失い、記憶を喪失してしまう。~ そして目が覚めたとき、付き添いとして病室にいた隣人である大学生の主人公を恋人の伊達昂だと思い込んでしまう。~ 主人公は密かに花織に恋をしていたこともあり、彼女を傷つけないためにも昂になりきることにするのだが…… **登場人物 -主人公 --道南大学に通う、20歳の大学生という設定。アパートで独り暮らしをしており、隣の部屋に住む花織に密かな恋心を抱いていたが、花織からはむしろ弟のように思われていた。 --あまりにも立場が違いすぎることを自覚しつつも、彼女のために何とか嘘を突き通そうとするが…… -桜木 花織 --この物語のヒロイン。主人公より年上のOLながら、どこか子供っぽいところを残している。 --両親と育ての親である祖母は死去しており、身寄りはいない。そんなこともあって、恋人である昂のことを何よりも大切に想っていた。PSのゲームであるため直接的な描写はされないものの、昴と肉体関係があったことも示唆されている。 --後述の記事にもあるが、思い込みがかなり激しく、どこか夢見がちな性格。決して悪気のある人ではないのだが、なかなか癖のあるヒロインだと言える。 -伊達 昂 --3年前に花織と知り合い、相思相愛となった恋人。仕事でアメリカのマイアミに出張中、交通事故で死亡してしまう。 --かなりドライな性格の持ち主であったことが窺えるが、ぬいぐるみを海に落とした女の子の為に海に飛び込む優しさも持つ。また、彼もまた身寄りがおらず、それゆえに花織のことを深く深く愛していた。 --物語のキーパーソンであり、主人公が昂に成りきるというストーリー上、趣味や性格等も語られるが、昂本人は作中には出ない。 -ちなみに本作は上記2名を中心に物語が展開し、前3作と比べ登場人物が非常に少ない。他にメインとなるのは昂の幼なじみだった小林勇一と、達成度によって後から出るサブヒロインのみ。脇役も精神科医と主人公の友人2人くらいである。 **特徴 -とにかくストーリーが重い。 --上述の通り、「記憶喪失の女性の恋人に成りすます」というシチュエーション自体が緊迫感ある上に、前3作品に有ったノーマルエンドが存在しないのも手伝ってバッドエンド数が際立って多い。 --もともと不自然な状況であるために、ちょっとしたことで花織の記憶が蘇ってしまうのだが、そうなるとほとんどの場合、バッドエンド直結である。しかも花織は先述の癖のある性格ゆえに「真実を知った途端、躊躇いなく命を絶ってしまう」という結末が非常に多い。 ---記憶の蘇り方もピンからキリまであり、「それを言っちゃバレて当然だろ」なものから、「そんな細かいことまで…さすがに気づかなかった」レベルのものまで様々。余程注意深くプレイしている人以外は、クリアするまでは花織の絶叫やら、飛び降りシーンを何度も見る羽目になるだろう。 -当初は憧れていた女性との恋人気分に浮かれていた主人公だが、花織の語る思い出話から自分が偽者の昂に過ぎないことを思い知らされ、彼女を騙している事実が重荷となり、精神的に段々と追い詰められていく。 --自分を抱いてくれない昂に花織が迫ってくるシーンまで存在。拒むか、状況に流されて抱いてしまうかは選択しだい。 -クライマックスシーンでは、ついに記憶が戻ってしまった花織さんと主人公がビルの屋上で魂のぶつけ合い。選択を一つ間違えると花織さんは飛び降りてしまうので、緊迫感が凄い。 **評価点 -ストーリー内容こそ重いものの、シナリオ構成はしっかりしており、初期やるドラ4部作の中でも完成度は非常に高い。 -イラストは写実的で簡素な印象を受けるが、アニメーションの出来は前3作同様に高い。アニメ的な表現でクオリティが高かった前3作とは違い、本作では人の動きや表情の描き方が非常にリアル。まるで実写映画を見ているような気になる。 -出演声優は主人公を演じる檜山修之氏やヒロインの花織を演じる日高のり子氏といったメインキャラはもちろん、サブキャラにも堀内賢雄氏や渕崎ゆり子氏、森川智之氏といった豪華なメンツが起用されている。当然演技力も申し分なく、写実的な本作に合わせたドラマ的な演技も、物語への没入感を一層深めてくれる。 **問題点 -前述の通りストーリー的にはかなり陰鬱のため、万人受けするADVとは言いがたく、人を選ぶ部分が多い。 --ストーリーは常に悩み続ける主人公とふとしたことで壊れてしまう花織の危うい関係性のみに焦点が絞られており、途中に笑えるシーンや気の休まるといったシーンもほぼ無い。最初から最後まで付きまとう陰鬱な空気と花織への緊張感で、プレイしているだけで気が滅入らされる。 --また内容に合わせた写実的なイラストや声優の演技力の高さは評価点ではあるが、そのために花織の記憶が戻って精神が崩壊したり自殺に至ってしまうシーンや、その様を見て絶叫する主人公の演技等は、あまりにもリアルで生々しく怖い。本作がトラウマになったという声も上がっているほどである。 -これまでのやるドラシリーズ同様、バッドエンドの分岐が分かりづらかったり、プレーを何度も繰り返して達成度100%までに何度も同じシーンをスキップしなければならないのはやはり同じで、最終的には作業になりがちである。 --もちろん過去作同様に一度見たシーンは高速スキップする事が可能で、特定ポイントから開始することも可能なのだが、本作はシナリオの内容が陰鬱なだけに、何度も周回プレーを行ってバッドエンドを埋めるのは非常に辛い **総評 とにかくゲームとは思えない沈鬱なストーリー展開が見もの。~ 「恋人は唯一無二のもの。代わりなど誰にもできない」ということを、嫌というほど思い知らせてくれる作品でもある。 当時のコンシューマー完全新作としては、稀なレベルの鬱ゲーと言えるのではないだろうか ---- **移植版 2005年にPSP版が発売され、2009年からダウンロード販売も開始された。 ---- **余談 -本作のCMは電気の消えた暗い室内に置かれたテレビに本作のヒロイン・香織の姿と、有名女優・岸田今日子のつぶやきが交互にインサートされるというホラーチックなものであった。 -本作のヒロイン花織の知人曰く、花織の恋人と主人公の共通点は背丈くらいだと発言するが、PS版発売当時にソフトバンクから出版された攻略本のプロフィール記載では10cm近くも違う(主人公→170cm代、花織の恋人→180cm代)。 -ラジオ番組で全4作のストーリーに関連したラジオドラマが放送されたのだが、本作のみ何故か本編とは一切関係の無い物になっている。 --ヒロインの声優、登場人物の名前、各種キーワード等が一致はするがまったくの別物であり、時代もストーリーも何一つ本編には繋がらない。内容的に本作の内容そのものからサブストーリーを展開するのは難しかったのかもしれないが、本編以前の主人公の日常だったり、花織と昂の馴れ初めとかで良かったような気がするが……。 //#region(予告編ムービー) //&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=WH0q9rR9pbE){425,350} //#endregion //動画が再生できなかったので削除。

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