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*武装神姫バトルマスターズ 【ぶそうしんきばとるますたーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B003INDC42)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|ピラミッド|~| |発売日|2010年7月15日&br()ベスト版&DL版価格改定日:2011年3月3日|~| |定価|UMD版:5,800円&br()UMDベスト版:2,940円&br()DL版:4,800円→2,300円&br()特別版:&font(red){19,800円}(限定フィギュア2セット同梱)|~| |判定|なし|~| |ポイント|武装神姫のキャラゲーとしては及第点&br()だが、良作と言うには問題や課題も多い&br()フィギュア部門との連携不足|~| |>|>|CENTER:''武装神姫シリーズ''&br()[[BATTLE RONDO>武装神姫BATTLE RONDO]] / ''バトルマスターズ'' / [[バトルマスターズ Mk.2>武装神姫バトルマスターズ Mk.2]] / [[バトルコンダクター>武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -2006年にコナミから発売されたアクションフィギュアをオリジナル(原作)として、オンラインゲーム『[[BATTLE RONDO>武装神姫BATTLE RONDO]]』や漫画など、メディアミックスを展開している「武装神姫」プロジェクトの一つ。通称「バトマス」。 --玩具発祥のメディアミックスといえば『ゾイド』『トランスフォーマー』などの前例もあるが、武装神姫は美少女モノであることで一線を画し、本作発売時点で5年目と息も長い。前二者と同様の休止期間もあったが…。 -人工知能を搭載した全長15cm程度の少女型ロボット「神姫」を武装させた「武装神姫」によるバトルホビーが流行している世界観を持つ。 --媒体によって(半ば意図的に)設定を変えている箇所がある。本作では、神姫をマスターの意思で動かせる「神姫ライドシステム」が導入された…というアクションゲーム向きの設定が存在する。&br()本作以外の作品では、自律稼働する神姫にマスターが指示し、それに従うかは性格や信頼度次第…という描写が主。 --周囲の環境などの要因で((本作ではビジュアルが若干登場する程度だが、神姫の起動に使用した「コアセットアップチップ(CSC)」によるものもあるとされる))、個体によって形成される性格が異なるという設定がある。プレイヤーの神姫は標準的な設定だが、ライバルは千差万別。 ---- **システム ***ゲームの流れ -主人公は神姫を初めて購入するため、物語はショップから始まる。最初は他機種の在庫不足を理由に「天使型アーンヴァルMk2」しか選べないが、ゲームの進行に伴い他の神姫も販売されるようになる。 -ショップでパーツを買い揃えたり神姫を買い足したり、ゲームセンターでフリーバトルを行い、神姫センターの公式戦でFバトルへの挑戦権を獲得し、Fバトル会場でランカーとなったライバルを打ち倒し、頂点を目指していく。 --Fバトルは下から順にF3/F2/F1のグレードが設定されており、F1チャンピオンになればゲームクリア。 ---言うなれば、ミッションがほとんど無いアリーナ主体の『[[アーマード・コアシリーズ]](AC)』。カスタマイズは『AC』ほど難しくなく、アクションも『[[ガンダムVS.シリーズ]]』ほど難しくない。 --合間合間に神姫との会話イベント、対戦相手との会話イベントも挟まれる。人間はシルエットしか描かれておらず、あくまで主役は神姫。 -やりこみ要素として、ゲーム内で特定の条件を満たすと「称号」が手に入る。 ***カスタマイズ -持ち込める武器は3種類まで。威力が低いが出が早い「ハンドガン」、出が遅いが攻撃時は怯み無効になる「大剣」、相手に向けて子機を飛ばす「ビット」など、武器のカテゴリごとに性能は大きく異なる。 -持ち込める防具は「ヘッド」「ボディ」「アーム」「スカート」「レッグ」「シューズ」「リア」「シールド」8系統を各1種類ずつと、「アクセサリ」を3種類まで。 --防具にはHP増強やスピードアップといったステータス強化の他にも、「ダッシュ性能」「空中ダッシュ」「二段ジャンプ」「武器エネルギー回復」といったアビリティも設定されており、総合的なセッティングが求められる。 ---「ダッシュ性能」のアビリティを例に挙げると、コレが無い状態では「4方向ダッシュ、方向転換前に停止」だが、アビリティを付与すると「ダッシュ中1度だけ方向転換が可能」になる。&br()アビリティの重ねがけも可能で、ダッシュ性能アビリティレベル2では「斜めを含めた8方向ダッシュ、方向転換が無制限」になる。 --武器・防具には「ランク」「コスト」が設定されており、神姫は同ランク以下かつ総合コスト内のパーツしか装備できない。「LOVE(経験値)」を対戦で一定値まで稼ぐと、ランクとコストの制限が緩まる。 ***アクション -レールアクション(RA) --カスタマイズで設定した4つまでを持ち込め、時間経過で回復する「SP」を消費して発動する。移動・攻撃が一体となった「ATK」、移動のみの「MOVE」に分けられる。 --発動後はレールを滑るような高速・自動での操作に切り替わり、全RAが共通してロックオン外しを持つなど、通常とは大きく異なる挙動を取る。 ---「ATK:小剣」は「相手の右前方へ移動し、真横から突く」、「ATK:ショットガン」は「上昇して乱射、相手の背後に回り込んでもう一発」、「MOVE:ROUTE1」は「弱射撃攻撃による怯みを無効にする直進」など。 ---RAによっては「ボタン入力で経路を変更する」「近距離で発動すると即座に攻撃する」ものなどもあり、安直に挙動を予測できるとも限らない。 --各神姫の必殺技とも言うべき、ATK相当の「専用レールアクション」も用意されている。 -アタックチェイン(AC) --武器の使用中に別の武器で追加攻撃を行う。RAと同じくSPを消費する。 ---射撃武器には弾数制限、格闘武器には連打コンボによるヒット数の制限があるが、ACによって更に大きなダメージを与えられる。 --ACからRAを発動させることも可能。 -ターン --アビリティでアクション解禁。通常はダッシュ移動で使われる「ブーストゲージ」を消費して発動。相手の攻撃に合わせてターンを行うことで完全回避となる。 -ライドレシオ --攻撃を当てる、ターン回避に成功するといったプラス評価によって上昇していく。 --最大まで溜めると「ダッシュ速度上昇」「SP回復速度上昇」「ブーストゲージ・SP消費半減」、神姫に応じたその他の強化を一定時間得られる。 ---神姫固有の効果を度外視しても十分強力で、RA/ACという本作の特徴的な要素を存分に生かして戦える。 ***アドベンチャー -神姫のLOVEレベルを高めるとアドベンチャーゲーム形式のイベントが発生する。神姫がヒロインのギャルゲーということで、こちらも十分メイン。 --イベントによっては選択肢が表示される場合もあるが、前後の会話が若干変わる程度。ゲームオーバーになるようなことはなく、ハッピーエンドで終わる。 --イベントクリアの特典が、前述の「専用レールアクション」。本編の進行とは無関係だが、クリアせずに終わるのは勿体無い。 ***神姫一覧 #region(パッケージ) -天使型 アーンヴァルMk.2(声:阿澄佳奈 デザイン:島田フミカネ) --先に述べた通り、本作の初期キャラクターとなる神姫。 --素直で真面目だが時々妙にドジだったり冗談が通じない、メインヒロイン然とした性格設定。いわば天使。 --ベストセラー機「アーンヴァル」((武装神姫フィギュア第1弾として発売され、不定期的な再生産、パーツを追加してのリニューアル販売も行われ、今尚根強いファンが多く存在する、現実でもベストセラーのモデル。))の後継モデルという設定で、本作が初登場となった。 -悪魔型 ストラーフMk.2(声:茅原実里 デザイン:島田フミカネ) --普段はクールで辛辣だが、感情的になることもある。ダークヒーローっぽい悪魔。 --アーンヴァルと同じく、ベストセラー機「ストラーフ」の後継モデルという設定で本作から初登場。 -犬型 ハウリン(声:喜多村英梨 デザイン:BLADE) --熱血で攻撃的だがオーナーには従順、暑苦しく愛らしい犬。 -猫型 マオチャオ(声:橋本まい デザイン:BLADE) --好奇心旺盛なようで飽きっぽくマイペース、なのだ口調の猫。 -忍者型 フブキ(声:福井裕佳梨) --命令に従順で寡黙だが、無感情というわけではなく、誉められたりもしてみたい、意外と人間的な忍者。 -火器型 ゼルノグラード(声:白石涼子 デザイン:柳瀬敬之) --軍人気質ではないノリの軽い軍オタ。的確に現状を分析する一方で、武器のロマンを語ったり''死亡フラグを立てまくったり''。 -ハイスピードトライク型 アーク(声:堀江由衣 デザイン:CHOCO)((最高速を追求したタイプ。略称HST型。)) --猪突猛進、熱血極まる姉御肌。時にはオーナーをも引っ張る。 -ハイマニューバトライク型 イーダ(声:田村ゆかり デザイン:CHOCO)((旋回性を追求したタイプ。略称HMT型。)) --ひねくれ者で高飛車なお嬢様気質。主従関係が逆転しかねない。 -戦乙女型 アルトレーネ(声:中島愛 デザイン:羽音たらく&柳瀬敬之) --素直なのだが、天然な上に頑固でドジなトラブルメーカー。なのです口調。 -戦乙女型 アルトアイネス(声:水橋かおり デザイン:羽音たらく&柳瀬敬之) --自信過剰がちで小生意気で世話焼きなボクっ子。 -以上の性格設定はプレイヤーキャラクターとしてのもの。 #endregion #region(DLC) -エレキギター型 ベイビーラズ(声:平野綾 デザイン:CHOCO) -ヴァイオリン型 紗羅檀(しゃらたん、声:高垣彩陽 デザイン:CHOCO) -九尾の狐型 蓮華(れんげ、声:金田朋子 デザイン:いづなよしつね) -地獄の番犬型 ガブリーヌ(声:小林ゆう デザイン:いづなよしつね) -鷲型 ラプティアス(声:遠藤綾 デザイン:かこいかずひこ) -山猫型 アーティル(声:中原麻衣 デザイン:かこいかずひこ) -ケンタウロス型 プロキシマ(声:朴璐美 デザイン:NiΘ) -テンタクルス型 マリーセレス(声:桑谷夏子 デザイン:NiΘ) -''本項に性格設定を記さない理由は後述する。'' #endregion ---- **評価点 ***個性豊かな神姫とマスター -「ストライクウィッチーズ」などで知られる島田フミカネをはじめとした著名なデザイナーによりかっこよく・かわいくデザインされた神姫に、''代表作を挙げるのが面倒になるほど''豪華な声優陣が命を吹き込み、ACT/ADVのどちらも楽しめる。 --神姫はフルボイス。前出の『BATTLE RONDO』で既に決まっていたキャストも一切変更なし。 -対戦の前後には、相手側のマスターと神姫、こちら側の神姫によるちょっとした会話が展開される。相手側が喋ったあと、それに対してこちらの神姫がコメントするのが基本的な流れ。 --概要でも述べたように、神姫は同機種であっても異なる性格に育つ可能性があり、実際ライバルの神姫には似て非なる個体・別機種も同然に育ってしまった個体も見受けられる。 --そして、それを育てたマスターたちもいる。シルエットの立ち絵とボイスのない台詞しか与えられていないのだが、フルボイスの神姫との掛け合いによるキャラの濃さで、十分な存在感を持つ。 ---「ジョジョの奇妙な冒険」「フルメタルジャケット」「漢坂」などの有名所のパロディは序の口。 ---「''神姫の中の人((現実のボーカロイドのように、ボイスのサンプリングを行っている設定らしい。「中の人」と本当に言っている。))を目指してるけど結局バトルしてるだけ''」というメタなブラックジョークが出てくる「笠嶋京香」と「あざみ(ストラーフ)」 ---主従が完全に逆転して''神姫が女王様のSMプレイをしている''「恥豚」と「ミランダ(イーダ)」 ---妻を持つ身でありながら''神姫を愛人として扱っている''「給料シーフ」と「シルファ(アーク)」 ---心理学者としての研究材料だったはずの神姫バトルにハマってしまった「埴場怜太」と「クラリス(アルトアイネス)」((埴場怜太→はにばれいた→「ハ○ニバ○・レ○ター」と「クラリス」と言えば…)) --などなど、挙げればキリが無い。 --また、ライバルとの初回対戦時には、自分の神姫のコメントが専用のものになり、周回プレイを飽きやすくさせなくなっている。 -変人揃いのライバルたちに対して主人公くらいはマトモか、と言えばそうでもない。 --まだ仲良くなっていない状態の神姫に対しては「とりあえずバトルを重ねて仲良くなるしかないな」 --問題が発生している時は「バトルしながら様子を見よう」 --女性をデートに誘う際は「よろしければ今度ご一緒にバトルでもいかがでしょうか?」 --「『人間の』彼女が出来たらマスターとして認めてやる」と神姫から言われて「''よし、さっさと彼女作ってマスターとして認めてもらうぞ!''」 ---''重度のバトル脳である。''ゲームシステム上バトルしないと話が進まないし、不自然と言うほどではなく半ばギャグとして笑える範疇だが。 ---神姫も神姫で「二人っきりになったところで…バトルしに行きましょう!」とか言い出したり、バトルに誘われた女性も終盤でバトル脳が感染している様子が見受けられる。 -メインシナリオはコネがあった外部デザイナーの柳瀬敬之がさらに「ガンダムOO」のコネを頼ってスタジオオルフェに依頼しており、対戦時のセリフはプロデューサーも含めたスタッフ総出で執筆しているあたりに開発規模の大きさ、というか小ささが感じられる。これは後述の問題点にも影響している。 -BGMはベイシスケイプの作曲家がほぼ全てのBGMを担当しており、概ね高評価を得ている。 ---- **問題点 ***UMD版のロード時間 -''本作最大のゲーム以前の問題点''。PS1時代に戻ったかのように頻発する上に長く、メディアインストールも無い。 --ひたすら対戦をこなしていくゲームであるにも拘らず… ---対戦相手の選択・立ち絵の表示でロード ---使用神姫の決定前の立ち絵の表示でロード ---戦闘前会話でロード ---戦闘終了後の賞金・パーツ獲得でロード ---戦闘後会話でロード --1回対戦するだけでも5回もロードが入り、最新型のPSP-3000でも''20秒前後''かかる。ロード中に回転音が絶えないことから、UMDの限界と思われる。 --ダウンロード版が同時に発売されており、ロードの発生頻度こそ同じだが、所要時間は短く概ね許容範囲。[[比較した動画はこちら。>https://www.nicovideo.jp/watch/sm11549617]] --ゲーム開始直後はチュートリアルを受けるようNPCから提案されるのだが、UMD版ではチュートリアルを受けるだけでもロード地獄。ここで早々と投げ出したくなる。 ***登場キャラクターの少なさ -本作発売時点で神姫は40体近く((39体。バージョン違い、本作初登場キャラの2体、発表はされていたが発売未定だった「紗羅檀」「ベイビーラズ」の2体(こちらはDLC枠行き)を除いた数。))発売されていたが、本作に登場しているのは8体((前述の通り、本作初登場の2体を除く。))。 --登場キャラクターとしては少なくはないかもしれないが、プロジェクト全体の総数に対しては少ないと言わざるを得ない。『[[ポケモンスタジアム]]』か。 ***低クオリティのグラフィック -アクションパート --''3Dが粗い。''ハードの制約もあるとはいえ、円が角ばっていたり、テクスチャを貼り付けただけで立体感が無かったり。 --顔は比較的精密だが、表情が変らない。このせいで一部の神姫の勝利のポーズが不気味。 ---高笑いのつもりなのだろうが、''無表情で顔を激しく上下させるマリーセレス''は最早危険。 -アドベンチャーパート --ACTパートの3Dモデルとは違い、ADVパートはアニメ塗りの2D。 ---立ち絵をデザイナー本人に描かせるわけにはいかない(主に費用の問題で)とはいえ、''長い長いロード画面ではデザイナー本人のイラストが表示されるので、微妙な気分になる。'' ---こちらも3Dで良かったのでは…と思うかもしれないが、表情の差分を作る余裕が無かったであろうことを考えると、これはこれで微妙。 --神姫によっては両パートで頭の大きさなどのバランスも違っていることがあり、違和感がある。また神姫によっては立ち絵で中途半端に武装しており、不自然で統一感にも欠ける。 ---同じデザイナーが手がけた「アーク」と「イーダ」でも、アークは胸部のみ武装、イーダは肩のみ武装。 ---ほとんどの神姫が素体状態にも拘らず、「紗羅檀」「ベイビーラズ」はしっかり着込んでいる。 -神姫に著名なデザイナーを起用し、神姫だけでなく本作オリジナル武装のデザインも描き下ろしているにも拘らず、両パートで低クオリティのグラフィックに悩まされるという苦行。 ***バランス・システムの調整不足 -ボタン設定の悪さ --RAは方向キー+○+△の同時押し、ターンは□+×同時押しで発動するが、武器(○/△/□)とジャンプ(×)のボタンが含まれており、同時押しの判定がシビアで、ミスしやすい。 --PSPのボタン数に起因する問題でもあるが、必要以上にシビアな判定、「方向入力を十字キーとアナログパッドのどちらかにする」ことしか出来ないキーコンフィグも問題。 -凶悪な「ターン」 --ターン中は行動不可でターン終了時にも隙がある、というデメリットでバランスを取っているはずなのだが、アビリティの重ねがけでデメリットが緩和されると「半永久ターン」になってしまう。 --対人戦で自粛しないと、ターンを連発して相手のミスを待つだけの不毛な展開になりがち。 //&s(){「ずっと俺のターン」ってね! コナミだし!!} -2対1or3対1の自分が不利な状況で戦う「ハンディキャップマッチ」 --''挑戦状が届く頃に挑んでもリンチされるだけ。''「強い武器を手に入れてからごり押しする」しか手がない。 --ゲーム本編の進行には影響しないので、無視していてもクリアは可能だが、一定期間内に対戦しておかないと以降現れなくなり、称号の獲得に悪影響を及ぼす。 ---敗北しても再戦フラグを立てておくことはできるので「お礼参り」と揶揄される。 -「入手不可能パーツ」の存在 --「対戦相手に勝つと、その相手が装備していたパーツが一定確率でショップに並ぶ」という単純なゲームシステムなのだが、誰も装備していないためにショップへ入荷されないパーツが''1つだけ''存在していた。 --称号の中には「特定カテゴリのパーツを全て集める」というものがあったため、その称号も入手不可、称号のコンプリートで解禁される隠し要素も''解禁不可能''になっていた。 ---パッチ、というかDLCの無料カタログデータによって修正はされたが、開発体制への不安は拭えない。 -キャラ個別イベントをクリアすると「髪の色」のパターンが追加される。 --''ただし、新規購入時に限る。既に持っている神姫の髪の色は変えられない。''更にライバルは「瞳の色」も変えているので不公平である。 ***高額で不出来なDLC -本作から数ヶ月後にフィギュアが発売される神姫8体をDLCで先行登場させる、というものがあったのだが… --神姫1体につき''素体が600円、専用の武装セットが1000円''という高額な設定。素体のみでもプレイすることはできるが、武装セットがなければ専用のRAは使用できない。 --各神姫の会話イベントも本作の大きな魅力であることは先に述べたが、''DLC神姫にイベントは無い。戦闘前の会話すら無い。キャラクターセレクトと戦闘中の掛け声だけ。'' --神姫のDLC配信は4回に分けて行われたが、2回目から「戦闘前会話もない」と記載されるようになった。''根本的には何も解決していない。'' --もう1体、ゲームの発売直後にフィギュアが発表された「オールベルン」は武装セットのみがDLCで購入できるが、素体は販売されていない。また、フィギュアとは異なるプロトタイプのデザインになっていて、ゲームとフィギュアの開発時期にズレがあったことが窺える。たとえ有料でもDLC神姫にシナリオが用意できなかったのも、そのためだろうか(続編ではDLCとして購入できる)。 ---ゲームの開発中は完全新作が丸1年もの間発売されないなどフィギュアの展開は停滞しており、前述の「紗羅檀」「ベイビーラズ」はフィギュアの発表から実際に発売されるまで、実に2年以上が経過している。 -その他にも''セーラー服やスクール水着などのコスプレ衣装''(平均500円)やカッコイイ武器(平均200円)も多数配信されており、全部揃えると&font(b,red){21,900円}。PSP本体よりも高額。 --2010年12月のクリスマスの時期と、廉価版が発売された2011年3月に、期間限定のDLC半額セールが行われていた。それでも総額は1万円を超えるが…。 --性能面においてはDLC装備だからといって優れた物は少なく、前述の専用武装セットも性能の点では必須というほどでもない。 --コナミのコンシューマーゲームではDLC自体ほぼ初めてだったとプロデューサーが語っており、また初回出荷数が一万本強に過ぎなかったこともこの価格に影響していると思われる。 ---- **総評 神姫は対戦相手の物も含めてフルボイスで、対戦オーナーによって神姫ごとに違う会話まで用意されている。~ 武装神姫のキャラゲーとして一定の水準は満たしている…どころか、十分すぎるボリュームを持っていると評価できる。~ 対戦ゲームとしても一部の粗にさえ目を瞑れれば中々の出来で、装備の揃ったプレイヤー同士なら機敏に飛び回っての爽快な対戦が楽しめるだろう。 しかしそれを踏まえた上でも、あまりに長すぎるロード時間という問題は見過ごせない。~ また、対戦ゲームとしての粗は気になる人にとってはとことん気になる性質のものであり、キャラゲーとして見た場合でも少なくない数の問題点が目立つ。~ ハマった層からも「決してクソゲーではないが、胸を張って良ゲーと言い切る事もできない」と評される、プレイヤーの神姫愛を試される一品である。 ---- **余談 -フィギュア同梱の高価な限定版を購入したユーザーからでさえも、ロード地獄に耐え切れないDL版への乗り換えが続出した。 --意図的にロード時間を長くして両方買わせようとしたのではないか、と皮肉られたほどである。バグや設定ミスが多々見受けられるので、実際は開発スキルの低さが原因と思われるが。 --マイナーな題材ゆえに出荷本数も少なく、UMD版は店頭で2日程度で完売し、ダウンロード販売ランキングでは''一時期トップの座に付いていた。''しかし、乗り換え組の存在を考えると大ヒットを喜ぶのは微妙な気分。 --UMDには神姫の内部メカをプリントするという遊び心とファンアイテムとしての価値もあり、ゲームがどうであれ両方購入していたユーザーも少なからず存在していた…と思われる。 ''販促になっていない展開'' -ちょうど発売と近い時期にオープンしたコナミの直営店「コナミスタイル東京ミッドタウン店」では、人気絶頂の『[[ラブプラス]]』や『ときメモGS』でなく本作を大きくPRしていた。しかし前述したように二日で完売してしまったため肝心の商品がないという自体になり、再販されるまで試遊台も撤去されてしまった。 --発売直後のワンダーフェスティバルでは開発者のトークショーが開かれ、試遊台も置かれたが(以下略)。 --その後もじわじわ売れ続け、異例のロングセラーとなったことが後にプロデューサーから語られている。 -10体の神姫が登場するが「プレイしてからフィギュアが欲しくなったのに、売っていない」という本末転倒な状態。 --本作の「特別版」に同梱された「アーンヴァルMk.2」「ストラーフMk.2」。 --本作発売直後に新規パーツを追加して受注再生産を開始した「アーク」「イーダ」。 --本作発売時点で受注生産の申し込みを''締め切っていた''「アルトアイネス」「フブキ」。前者はカラーバリエーションが発売されており、デザイナーの柳瀬敬之はこちらを宣伝していた。 ---10体中上記6体がコナミスタイル(直販サイト)での限定販売。ただし一般販売されていた神姫は一年ほど前に大多数が在庫処分セールになっていたため、安価で入手できるものが多かった。 ---アーンヴァルMk.2とストラーフMk.2は本作のメインキャラとして扱われているにも拘らず、高額な限定版でしか入手できなかった。&br()発売以前は余裕をもって予約できたが、フィギュアの完成度が評価された発売日以降は早々に完売、続編の限定版が発売されるまでは入手困難となった。 ---「5,800円のゲームと、7,000円のフィギュア2体セット」という19,800円の内訳は不当ではないはずだが、この限定版を入門用に位置づけるには無理がある。 ---余談ながら、特別版のパッケージはお中元を意識し光沢のある黒地に金の箔押しが施されたやたら豪華なギフトボックスとなっている。 -フィギュア発売前だったDLC神姫も、イベントや素体が用意できず販促になっていたかと言われると微妙。 **その後 -2011年にアッパーバージョンである『[[武装神姫バトルマスターズ Mk.2]]』がリリースされた。
*武装神姫バトルマスターズ 【ぶそうしんきばとるますたーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B003INDC42)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|ピラミッド|~| |発売日|2010年7月15日&br()ベスト版&DL版価格改定日:2011年3月3日|~| |定価|UMD版:5,800円&br()UMDベスト版:2,940円&br()DL版:4,800円→2,300円&br()特別版:&font(red){19,800円}(限定フィギュア2セット同梱)|~| |判定|なし|~| |ポイント|武装神姫のキャラゲーとしては及第点&br()だが、良作と言うには問題や課題も多い&br()フィギュア部門との連携不足|~| |>|>|CENTER:''武装神姫シリーズ''&br()[[BATTLE RONDO>武装神姫BATTLE RONDO]] / ''バトルマスターズ'' / [[バトルマスターズ Mk.2>武装神姫バトルマスターズ Mk.2]] / [[バトルコンダクター>武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -2006年にコナミから発売されたアクションフィギュアをオリジナル(原作)として、オンラインゲーム『[[BATTLE RONDO>武装神姫BATTLE RONDO]]』や漫画など、メディアミックスを展開している「武装神姫」プロジェクトの一つ。通称「バトマス」。 --玩具発祥のメディアミックスといえば『ゾイド』『トランスフォーマー』などの前例もあるが、武装神姫は美少女モノであることで一線を画し、本作発売時点で5年目と息も長い。前二者と同様の休止期間もあったが…。 -人工知能を搭載した全長15cm程度の少女型ロボット「神姫」を武装させた「武装神姫」によるバトルホビーが流行している世界観を持つ。 --媒体によって(半ば意図的に)設定を変えている箇所がある。本作では、神姫をマスターの意思で動かせる「神姫ライドシステム」が導入された…というアクションゲーム向きの設定が存在する。&br()本作以外の作品では、自律稼働する神姫にマスターが指示し、それに従うかは性格や信頼度次第…という描写が主。 --周囲の環境などの要因で((本作ではビジュアルが若干登場する程度だが、神姫の起動に使用した「コアセットアップチップ(CSC)」によるものもあるとされる))、個体によって形成される性格が異なるという設定がある。プレイヤーの神姫は標準的な設定だが、ライバルは千差万別。 ---- **システム ***ゲームの流れ -主人公は神姫を初めて購入するため、物語はショップから始まる。最初は他機種の在庫不足を理由に「天使型アーンヴァルMk2」しか選べないが、ゲームの進行に伴い他の神姫も販売されるようになる。 -ショップでパーツを買い揃えたり神姫を買い足したり、ゲームセンターでフリーバトルを行い、神姫センターの公式戦でFバトルへの挑戦権を獲得し、Fバトル会場でランカーとなったライバルを打ち倒し、頂点を目指していく。 --Fバトルは下から順にF3/F2/F1のグレードが設定されており、F1チャンピオンになればゲームクリア。 ---言うなれば、ミッションがほとんど無いアリーナ主体の『[[アーマード・コアシリーズ]](AC)』。カスタマイズは『AC』ほど難しくなく、アクションも『[[ガンダムVS.シリーズ]]』ほど難しくない。 --合間合間に神姫との会話イベント、対戦相手との会話イベントも挟まれる。人間はシルエットしか描かれておらず、あくまで主役は神姫。 -やりこみ要素として、ゲーム内で特定の条件を満たすと「称号」が手に入る。 ***カスタマイズ -持ち込める武器は3種類まで。威力が低いが出が早い「ハンドガン」、出が遅いが攻撃時は怯み無効になる「大剣」、相手に向けて子機を飛ばす「ビット」など、武器のカテゴリごとに性能は大きく異なる。 -持ち込める防具は「ヘッド」「ボディ」「アーム」「スカート」「レッグ」「シューズ」「リア」「シールド」8系統を各1種類ずつと、「アクセサリ」を3種類まで。 --防具にはHP増強やスピードアップといったステータス強化の他にも、「ダッシュ性能」「空中ダッシュ」「二段ジャンプ」「武器エネルギー回復」といったアビリティも設定されており、総合的なセッティングが求められる。 ---「ダッシュ性能」のアビリティを例に挙げると、コレが無い状態では「4方向ダッシュ、方向転換前に停止」だが、アビリティを付与すると「ダッシュ中1度だけ方向転換が可能」になる。&br()アビリティの重ねがけも可能で、ダッシュ性能アビリティレベル2では「斜めを含めた8方向ダッシュ、方向転換が無制限」になる。 --武器・防具には「ランク」「コスト」が設定されており、神姫は同ランク以下かつ総合コスト内のパーツしか装備できない。「LOVE(経験値)」を対戦で一定値まで稼ぐと、ランクとコストの制限が緩まる。 ***アクション -レールアクション(RA) --カスタマイズで設定した4つまでを持ち込め、時間経過で回復する「SP」を消費して発動する。移動・攻撃が一体となった「ATK」、移動のみの「MOVE」に分けられる。 --発動後はレールを滑るような高速・自動での操作に切り替わり、全RAが共通してロックオン外しを持つなど、通常とは大きく異なる挙動を取る。 ---「ATK:小剣」は「相手の右前方へ移動し、真横から突く」、「ATK:ショットガン」は「上昇して乱射、相手の背後に回り込んでもう一発」、「MOVE:ROUTE1」は「弱射撃攻撃による怯みを無効にする直進」など。 ---RAによっては「ボタン入力で経路を変更する」「近距離で発動すると即座に攻撃する」ものなどもあり、安直に挙動を予測できるとも限らない。 --各神姫の必殺技とも言うべき、ATK相当の「専用レールアクション」も用意されている。 -アタックチェイン(AC) --武器の使用中に別の武器で追加攻撃を行う。RAと同じくSPを消費する。 ---射撃武器には弾数制限、格闘武器には連打コンボによるヒット数の制限があるが、ACによって更に大きなダメージを与えられる。 --ACからRAを発動させることも可能。 -ターン --アビリティでアクション解禁。通常はダッシュ移動で使われる「ブーストゲージ」を消費して発動。相手の攻撃に合わせてターンを行うことで完全回避となる。 -ライドレシオ --攻撃を当てる、ターン回避に成功するといったプラス評価によって上昇していく。 --最大まで溜めると「ダッシュ速度上昇」「SP回復速度上昇」「ブーストゲージ・SP消費半減」、神姫に応じたその他の強化を一定時間得られる。 ---神姫固有の効果を度外視しても十分強力で、RA/ACという本作の特徴的な要素を存分に生かして戦える。 ***アドベンチャー -神姫のLOVEレベルを高めるとアドベンチャーゲーム形式のイベントが発生する。神姫がヒロインのギャルゲーということで、こちらも十分メイン。 --イベントによっては選択肢が表示される場合もあるが、前後の会話が若干変わる程度。ゲームオーバーになるようなことはなく、ハッピーエンドで終わる。 --イベントクリアの特典が、前述の「専用レールアクション」。本編の進行とは無関係だが、クリアせずに終わるのは勿体無い。 ***神姫一覧 #region(パッケージ) -天使型 アーンヴァルMk.2(声:阿澄佳奈 デザイン:島田フミカネ) --先に述べた通り、本作の初期キャラクターとなる神姫。 --素直で真面目だが時々妙にドジだったり冗談が通じない、メインヒロイン然とした性格設定。いわば天使。 --ベストセラー機「アーンヴァル」((武装神姫フィギュア第1弾として発売され、不定期的な再生産、パーツを追加してのリニューアル販売も行われ、今尚根強いファンが多く存在する、現実でもベストセラーのモデル。))の後継モデルという設定で、本作が初登場となった。 -悪魔型 ストラーフMk.2(声:茅原実里 デザイン:島田フミカネ) --普段はクールで辛辣だが、感情的になることもある。ダークヒーローっぽい悪魔。 --アーンヴァルと同じく、ベストセラー機「ストラーフ」の後継モデルという設定で本作から初登場。 -犬型 ハウリン(声:喜多村英梨 デザイン:BLADE) --熱血で攻撃的だがオーナーには従順、暑苦しく愛らしい犬。 -猫型 マオチャオ(声:橋本まい デザイン:BLADE) --好奇心旺盛なようで飽きっぽくマイペース、なのだ口調の猫。 -忍者型 フブキ(声:福井裕佳梨) --命令に従順で寡黙だが、無感情というわけではなく、誉められたりもしてみたい、意外と人間的な忍者。 -火器型 ゼルノグラード(声:白石涼子 デザイン:柳瀬敬之) --軍人気質ではないノリの軽い軍オタ。的確に現状を分析する一方で、武器のロマンを語ったり''死亡フラグを立てまくったり''。 -ハイスピードトライク型 アーク(声:堀江由衣 デザイン:CHOCO)((最高速を追求したタイプ。略称HST型。)) --猪突猛進、熱血極まる姉御肌。時にはオーナーをも引っ張る。 -ハイマニューバトライク型 イーダ(声:田村ゆかり デザイン:CHOCO)((旋回性を追求したタイプ。略称HMT型。)) --ひねくれ者で高飛車なお嬢様気質。主従関係が逆転しかねない。 -戦乙女型 アルトレーネ(声:中島愛 デザイン:羽音たらく&柳瀬敬之) --素直なのだが、天然な上に頑固でドジなトラブルメーカー。なのです口調。 -戦乙女型 アルトアイネス(声:水橋かおり デザイン:羽音たらく&柳瀬敬之) --自信過剰がちで小生意気で世話焼きなボクっ子。 -以上の性格設定はプレイヤーキャラクターとしてのもの。 #endregion #region(DLC) -エレキギター型 ベイビーラズ(声:平野綾 デザイン:CHOCO) -ヴァイオリン型 紗羅檀(しゃらたん、声:高垣彩陽 デザイン:CHOCO) -九尾の狐型 蓮華(れんげ、声:金田朋子 デザイン:いづなよしつね) -地獄の番犬型 ガブリーヌ(声:小林ゆう デザイン:いづなよしつね) -鷲型 ラプティアス(声:遠藤綾 デザイン:かこいかずひこ) -山猫型 アーティル(声:中原麻衣 デザイン:かこいかずひこ) -ケンタウロス型 プロキシマ(声:朴璐美 デザイン:NiΘ) -テンタクルス型 マリーセレス(声:桑谷夏子 デザイン:NiΘ) -''本項に性格設定を記さない理由は後述する。'' #endregion ---- **評価点 ***個性豊かな神姫とマスター -「ストライクウィッチーズ」などで知られる島田フミカネをはじめとした著名なデザイナーによりかっこよく・かわいくデザインされた神姫に、''代表作を挙げるのが面倒になるほど''豪華な声優陣が命を吹き込み、ACT/ADVのどちらも楽しめる。 --神姫はフルボイス。前出の『BATTLE RONDO』で既に決まっていたキャストも一切変更なし。 -対戦の前後には、相手側のマスターと神姫、こちら側の神姫によるちょっとした会話が展開される。相手側が喋ったあと、それに対してこちらの神姫がコメントするのが基本的な流れ。 --概要でも述べたように、神姫は同機種であっても異なる性格に育つ可能性があり、実際ライバルの神姫には似て非なる個体・別機種も同然に育ってしまった個体も見受けられる。 --そして、それを育てたマスターたちもいる。シルエットの立ち絵とボイスのない台詞しか与えられていないのだが、フルボイスの神姫との掛け合いによるキャラの濃さで、十分な存在感を持つ。 ---「ジョジョの奇妙な冒険」「フルメタルジャケット」「漢坂」などの有名所のパロディは序の口。 ---「''神姫の中の人((現実のボーカロイドのように、ボイスのサンプリングを行っている設定らしい。「中の人」と本当に言っている。))を目指してるけど結局バトルしてるだけ''」というメタなブラックジョークが出てくる「笠嶋京香」と「あざみ(ストラーフ)」 ---主従が完全に逆転して''神姫が女王様のSMプレイをしている''「恥豚」と「ミランダ(イーダ)」 ---妻を持つ身でありながら''神姫を愛人として扱っている''「給料シーフ」と「シルファ(アーク)」 ---心理学者としての研究材料だったはずの神姫バトルにハマってしまった「埴場怜太」と「クラリス(アルトアイネス)」((埴場怜太→はにばれいた→「ハ○ニバ○・レ○ター」と「クラリス」と言えば…)) --などなど、挙げればキリが無い。 --また、ライバルとの初回対戦時には、自分の神姫のコメントが専用のものになり、周回プレイを飽きやすくさせなくなっている。 -変人揃いのライバルたちに対して主人公くらいはマトモか、と言えばそうでもない。 --まだ仲良くなっていない状態の神姫に対しては「とりあえずバトルを重ねて仲良くなるしかないな」 --問題が発生している時は「バトルしながら様子を見よう」 --女性をデートに誘う際は「よろしければ今度ご一緒にバトルでもいかがでしょうか?」 --「『人間の』彼女が出来たらマスターとして認めてやる」と神姫から言われて「''よし、さっさと彼女作ってマスターとして認めてもらうぞ!''」 ---''重度のバトル脳である。''ゲームシステム上バトルしないと話が進まないし、不自然と言うほどではなく半ばギャグとして笑える範疇だが。 ---神姫も神姫で「二人っきりになったところで…バトルしに行きましょう!」とか言い出したり、バトルに誘われた女性も終盤でバトル脳が感染している様子が見受けられる。 -メインシナリオはコネがあった外部デザイナーの柳瀬敬之がさらに「ガンダムOO」のコネを頼ってスタジオオルフェに依頼しており、対戦時のセリフはプロデューサーも含めたスタッフ総出で執筆しているあたりに開発規模の大きさ、というか小ささが感じられる。これは後述の問題点にも影響している。 -BGMはベイシスケイプの作曲家がほぼ全てのBGMを担当しており、概ね高評価を得ている。 ---- **問題点 ***UMD版のロード時間 -''本作最大のゲーム以前の問題点''。PS1時代に戻ったかのように頻発する上に長く、メディアインストールも無い。 --ひたすら対戦をこなしていくゲームであるにも拘らず… ---対戦相手の選択・立ち絵の表示でロード ---使用神姫の決定前の立ち絵の表示でロード ---戦闘前会話でロード ---戦闘終了後の賞金・パーツ獲得でロード ---戦闘後会話でロード --1回対戦するだけでも5回もロードが入り、最新型のPSP-3000でも''20秒前後''かかる。ロード中に回転音が絶えないことから、UMDの限界と思われる。 --ダウンロード版が同時に発売されており、ロードの発生頻度こそ同じだが、所要時間は短く概ね許容範囲。[[比較した動画はこちら。>https://www.nicovideo.jp/watch/sm11549617]] --ゲーム開始直後はチュートリアルを受けるようNPCから提案されるのだが、UMD版ではチュートリアルを受けるだけでもロード地獄。ここで早々と投げ出したくなる。 ***登場キャラクターの少なさ -本作発売時点で神姫は40体近く((39体。バージョン違い、本作初登場キャラの2体、発表はされていたが発売未定だった「紗羅檀」「ベイビーラズ」の2体(こちらはDLC枠行き)を除いた数。))発売されていたが、本作に登場しているのは8体((前述の通り、本作初登場の2体を除く。))。 --登場キャラクターとしては少なくはないかもしれないが、プロジェクト全体の総数に対しては少ないと言わざるを得ない。『[[ポケモンスタジアム]]』か。 ***低クオリティのグラフィック -アクションパート --''3Dが粗い。''ハードの制約もあるとはいえ、円が角ばっていたり、テクスチャを貼り付けただけで立体感が無かったり。 --顔は比較的精密だが、表情が変らない。このせいで一部の神姫の勝利のポーズが不気味。 ---高笑いのつもりなのだろうが、''無表情で顔を激しく上下させるマリーセレス''は最早危険。 -アドベンチャーパート --ACTパートの3Dモデルとは違い、ADVパートはアニメ塗りの2D。 ---立ち絵をデザイナー本人に描かせるわけにはいかない(主に費用の問題で)とはいえ、''長い長いロード画面ではデザイナー本人のイラストが表示されるので、微妙な気分になる。'' ---こちらも3Dで良かったのでは…と思うかもしれないが、表情の差分を作る余裕が無かったであろうことを考えると、これはこれで微妙。 --神姫によっては両パートで頭の大きさなどのバランスも違っていることがあり、違和感がある。また神姫によっては立ち絵で中途半端に武装しており、不自然で統一感にも欠ける。 ---同じデザイナーが手がけた「アーク」と「イーダ」でも、アークは胸部のみ武装、イーダは肩のみ武装。 ---ほとんどの神姫が素体状態にも拘らず、「紗羅檀」「ベイビーラズ」はしっかり着込んでいる。 -神姫に著名なデザイナーを起用し、神姫だけでなく本作オリジナル武装のデザインも描き下ろしているにも拘らず、両パートで低クオリティのグラフィックに悩まされるという苦行。 ***バランス・システムの調整不足 -ボタン設定の悪さ --RAは方向キー+○+△の同時押し、ターンは□+×同時押しで発動するが、武器(○/△/□)とジャンプ(×)のボタンが含まれており、同時押しの判定がシビアで、ミスしやすい。 --PSPのボタン数に起因する問題でもあるが、必要以上にシビアな判定、「方向入力を十字キーとアナログパッドのどちらかにする」ことしか出来ないキーコンフィグも問題。 -凶悪な「ターン」 --ターン中は行動不可でターン終了時にも隙がある、というデメリットでバランスを取っているはずなのだが、アビリティの重ねがけでデメリットが緩和されると「半永久ターン」になってしまう。 --対人戦で自粛しないと、ターンを連発して相手のミスを待つだけの不毛な展開になりがち。 //&s(){「ずっと俺のターン」ってね! コナミだし!!} -2対1or3対1の自分が不利な状況で戦う「ハンディキャップマッチ」 --''挑戦状が届く頃に挑んでもリンチされるだけ。''「強い武器を手に入れてからごり押しする」しか手がない。 --ゲーム本編の進行には影響しないので、無視していてもクリアは可能だが、一定期間内に対戦しておかないと以降現れなくなり、称号の獲得に悪影響を及ぼす。 ---敗北しても再戦フラグを立てておくことはできるので「お礼参り」と揶揄される。 -「入手不可能パーツ」の存在 --「対戦相手に勝つと、その相手が装備していたパーツが一定確率でショップに並ぶ」という単純なゲームシステムなのだが、誰も装備していないためにショップへ入荷されないパーツが''1つだけ''存在していた。 --称号の中には「特定カテゴリのパーツを全て集める」というものがあったため、その称号も入手不可、称号のコンプリートで解禁される隠し要素も''解禁不可能''になっていた。 ---パッチ、というかDLCの無料カタログデータによって修正はされたが、開発体制への不安は拭えない。 -キャラ個別イベントをクリアすると「髪の色」のパターンが追加される。 --''ただし、新規購入時に限る。既に持っている神姫の髪の色は変えられない。''更にライバルは「瞳の色」も変えているので不公平である。 ***高額で不出来なDLC -本作から数ヶ月後にフィギュアが発売される神姫8体をDLCで先行登場させる、というものがあったのだが… --神姫1体につき''素体が600円、専用の武装セットが1000円''という高額な設定。素体のみでもプレイすることはできるが、武装セットがなければ専用のRAは使用できない。 --各神姫の会話イベントも本作の大きな魅力であることは先に述べたが、''DLC神姫にイベントは無い。戦闘前の会話すら無い。キャラクターセレクトと戦闘中の掛け声だけ。'' --神姫のDLC配信は4回に分けて行われたが、2回目から「戦闘前会話もない」と記載されるようになった。''根本的には何も解決していない。'' --もう1体、ゲームの発売直後にフィギュアが発表された「オールベルン」は武装セットのみがDLCで購入できるが、素体は販売されていない。また、フィギュアとは異なるプロトタイプのデザインになっていて、ゲームとフィギュアの開発時期にズレがあったことが窺える。たとえ有料でもDLC神姫にシナリオが用意できなかったのも、そのためだろうか(続編ではDLCとして購入できる)。 ---ゲームの開発中は完全新作が丸1年もの間発売されないなどフィギュアの展開は停滞しており、前述の「紗羅檀」「ベイビーラズ」はフィギュアの発表から実際に発売されるまで、実に2年以上が経過している。 -その他にも''セーラー服やスクール水着などのコスプレ衣装''(平均500円)やカッコイイ武器(平均200円)も多数配信されており、全部揃えると&font(b,red){21,900円}。PSP本体よりも高額。 --2010年12月のクリスマスの時期と、廉価版が発売された2011年3月に、期間限定のDLC半額セールが行われていた。それでも総額は1万円を超えるが…。 --性能面においてはDLC装備だからといって優れた物は少なく、前述の専用武装セットも性能の点では必須というほどでもない。 --コナミのコンシューマーゲームではDLC自体ほぼ初めてだったとプロデューサーが語っており、また初回出荷数が一万本強に過ぎなかったこともこの価格に影響していると思われる。 ---- **総評 神姫は対戦相手の物も含めてフルボイスで、対戦オーナーによって神姫ごとに違う会話まで用意されている。~ 武装神姫のキャラゲーとして一定の水準は満たしている…どころか、十分すぎるボリュームを持っていると評価できる。~ 対戦ゲームとしても一部の粗にさえ目を瞑れれば中々の出来で、装備の揃ったプレイヤー同士なら機敏に飛び回っての爽快な対戦が楽しめるだろう。 しかしそれを踏まえた上でも、あまりに長すぎるロード時間という問題は見過ごせない。~ また、対戦ゲームとしての粗は気になる人にとってはとことん気になる性質のものであり、キャラゲーとして見た場合でも少なくない数の問題点が目立つ。~ ハマった層からも「決してクソゲーではないが、胸を張って良ゲーと言い切る事もできない」と評される、プレイヤーの神姫愛を試される一品である。 ---- **余談 -フィギュア同梱の高価な限定版を購入したユーザーからでさえも、ロード地獄に耐え切れないDL版への乗り換えが続出した。 --意図的にロード時間を長くして両方買わせようとしたのではないか、と皮肉られたほどである。バグや設定ミスが多々見受けられるので、実際は開発スキルの低さが原因と思われるが。 --マイナーな題材ゆえに出荷本数も少なく、UMD版は店頭で2日程度で完売し、ダウンロード販売ランキングでは''一時期トップの座に付いていた。''しかし、乗り換え組の存在を考えると大ヒットを喜ぶのは微妙な気分。 --UMDには神姫の内部メカをプリントするという遊び心とファンアイテムとしての価値もあり、ゲームがどうであれ両方購入していたユーザーも少なからず存在していた…と思われる。 ''販促になっていない展開'' -ちょうど発売と近い時期にオープンしたコナミの直営店「コナミスタイル東京ミッドタウン店」では、人気絶頂の『[[ラブプラス]]』や『ときメモGS』でなく本作を大きくPRしていた。しかし前述したように二日で完売してしまったため肝心の商品がないという自体になり、再販されるまで試遊台も撤去されてしまった。 --発売直後のワンダーフェスティバルでは開発者のトークショーが開かれ、試遊台も置かれたが(以下略)。 --その後もじわじわ売れ続け、異例のロングセラーとなったことが後にプロデューサーから語られている。 -10体の神姫が登場するが「プレイしてからフィギュアが欲しくなったのに、売っていない」という本末転倒な状態。 --本作の「特別版」に同梱された「アーンヴァルMk.2」「ストラーフMk.2」。 --本作発売直後に新規パーツを追加して受注再生産を開始した「アーク」「イーダ」。 --本作発売時点で受注生産の申し込みを''締め切っていた''「アルトアイネス」「フブキ」。前者はカラーバリエーションが発売されており、デザイナーの柳瀬敬之はこちらを宣伝していた。 ---10体中上記6体がコナミスタイル(直販サイト)での限定販売。ただし一般販売されていた神姫は一年ほど前に大多数が在庫処分セールになっていたため、安価で入手できるものが多かった。 ---アーンヴァルMk.2とストラーフMk.2は本作のメインキャラとして扱われているにも拘らず、高額な限定版でしか入手できなかった。&br()発売以前は余裕をもって予約できたが、フィギュアの完成度が評価された発売日以降は早々に完売、続編の限定版が発売されるまでは入手困難となった。 ---「5,800円のゲームと、7,000円のフィギュア2体セット」という19,800円の内訳は不当ではないはずだが、この限定版を入門用に位置づけるには無理がある。 ---余談ながら、特別版のパッケージはお中元を意識し光沢のある黒地に金の箔押しが施されたやたら豪華なギフトボックスとなっている。 -フィギュア発売前だったDLC神姫も、イベントや素体が用意できず販促になっていたかと言われると微妙。 **その後 -2011年にアッパーバージョンである『[[武装神姫バトルマスターズ Mk.2]]』がリリースされた。

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