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#contents() ---- *ロックマンX4 【ろっくまんえっくすふぉー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000879.jpg,height=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141000766.jpg,height=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/145003690.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション&br()セガサターン&br()Windows 95/98|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS/SS】1997年8月1日&br()【Win】1998年12月3日|~| |定価|【PS/SS/Win】6,090円&br()【PS/SS】限定版:7,140円|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br() ※ゲームアーカイブスで付与 |~| |廉価版|【PS】PlayStation the Best for Family&br()1998年11月26日/2,940円|~| |~|【Win】ULTRA2000シリーズ&br()メディアカイト発売&br()1998年12月3日/2,000円|~| |~|【SS】サタコレ&br()1998年12月10日/2,940円|~| |~|【PS】PS one Books&br()2003年9月13日/1,890円|~| |~|【Win】遊遊&br()メディアカイト発売&br()2004年7月16日/1,980円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2014年12月17日/617円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|次世代機への移行に伴いグラフィックを一新&br()ゼロがゲームを通して使用可能に&br()キャラボイス・アニメーションの追加&br()エックス、ゼロのそれぞれ異なる能力・シナリオ&br()|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- ~ ~ #center(){{ &big(){''ヒーローはそれぞれの戦いを選んだ。''} }} ~ ---- **概要 93年以降毎年発売されていたロックマンXシリーズであったが、本作は前作から1年半以上空け、プラットフォームをセガサターンとプレイステーションに移しての発売となった。~ 翌年にはWindowsでも発売。イージーモード、一部BGMの差し替えなどの変更点がある。 主人公はエックスまたはゼロの選択制で、それぞれ異なるストーリー展開となっている。ストーリー中で両者が絡むことはほとんど無い。~ シリーズ初のキャラクターボイス搭載ソフトであり、アニメパートも挿入される。旧作に比べ、ストーリー性が重視されていることも大きな特徴。 ---- **ストーリー >西暦21XX年。~ 完全な人間的思考の高度AIロボット:レプリロイドの普及により、人類を取り巻く環境は良くも悪くも大きく様変わりし、その暮らしはレプリロイドの力で支えられていた。~ 中でも戦闘用レプリロイド部隊で構成された二大組織は、社会治安の維持に大きく貢献している。~ ~ 犯罪行為に及ぶ危険レプリロイド:イレギュラーを破壊・抹消する警察機関「イレギュラーハンター」。~ 大規模災害などに対応する軍隊「レプリフォース」。~ 両組織は協力関係にあり、形は違えど共に人類の平和を願い活動していた。~ ~ しかし、巨大メカニロイド「イレギオン」によって引き起こされ大惨事となった「スカイラグーン落下事件」によって状況は一変。~ 事件の首謀者がレプリフォースではないかという容疑により、レプリフォース全体にイレギュラー化の嫌疑がかけられてしまう。~ 荒唐無稽だと憤るレプリフォースに対しイレギュラーハンターは、武装解除と出頭の要請を送るも、レプリフォース側はこれを拒否。~ やむを得ずイレギュラーハンターは遂に、レプリフォースをイレギュラーと認定するに至ってしまうのだった。~ ~ この一連の事態を受け、レプリフォース最高司令官「ジェネラル」は正式にイレギュラーハンターとの全面対決の意向を表明。~ レプリロイドが統治する独立国家を建国する声明と共に、これは自由と安全を勝ち取るための戦いであるという宣戦布告の後、世界各地で軍事クーデター作戦を実行に移した。~ かくしてエックスとゼロは、クーデター実行部隊の鎮圧へと出撃。後に「レプリフォース大戦」と呼ばれる熾烈な戦いへとその身を投じる。 ---- **誕生の背景 当時、講談社の児童誌「コミックボンボン」には、岩本佳浩氏による本シリーズのコミカライズが連載されており、児童誌の作品としては非常にハードな内容で好評を博していた。~ 本作の発売に合わせて同誌に掲載されたプロデューサー、稲船敬二氏のインタビューには~ 「ボンボンさんで岩本先生がXの漫画をとても熱く描いて下さっている。ならば予め熱いストーリーを用意しておいたら、漫画はどれだけ熱くなるだろうか」という発言があった。~ 本作がストーリー性を重視した内容になっているのは、こういった背景があったことも影響していると考えられる。 ---- **特徴・評価点 ***ダブルヒーロー制の導入 -ゲーム冒頭、エックスかゼロのどちらかを操作するかを選択し本編が開始される。 途中での操作キャラ変更は不可能。 --キャラクターによって性能が異なり、それぞれの特性を生かした攻略方法が必要となる。 -''エックス'' --バスターによる飛び攻撃を主体とし、攻撃範囲は狭いが遠距離から攻撃できる。 --過去作同様に8ボスを倒すと多彩な特殊武器が得られ、全てのボスに対し何らかの特殊武器で弱点を突ける。 --ステージ中に隠されたパーツカプセルによって身体性能が強化される。今作ではアームパーツが2種類から選択可能。 -''ゼロ'' --前作では限られた場面でしか扱えなかったゼロだが、今作から完全なプレイアブルキャラクター化を果たす。 --体力の初期値もエックスと同等になり、サブタンクやライフアップも取得可能だが、パーツカプセルは存在しない。 ---今作以降ゼットセイバー((前作まではビームサーベルという名称だったが、今作から名称変更。))による近接攻撃を主体とする。攻撃力・攻撃範囲に優れるもののバスターは使えない。 ---8ボスを倒すとエックス同様に、倒したボス由来の特殊攻撃や特殊能力を得られる。エックスと違って武器を切り替える必要はなく、ゲージ消費も一つの特殊攻撃のみ。特殊能力は一部エックスのパーツ効果に相当する。 ---一部ボスのアビリティが非攻撃能力に割り当てられる結果、必然的に特殊攻撃のバリエーションが少なくなるため弱点を突けないボスが存在するが、1つの特殊攻撃が2体のボスに有効な場合がある((例えばクジャッカーとキバトドスは共に「龍炎刃」が弱点))。 --接近戦主体なためダメージを受けやすく防御力の強化手段がないことに加えて、上述のように弱点をつけないボスがいるため、ゼロは実質的なハードモードと言える。ただし、登場するボスやステージの構造はエックスとほぼ共通であり、難易度に極端な差はない。 ---このシステムは翌年の『[[ロックマン&フォルテ]]』にも採用された。 ***演出の強化 -前作に比べキャラクターが大きくなり、これによりキャラクターの動きがより鮮明になった。それによって画面表示範囲が相対的に狭くなったが、画面に収まらないような巨大なボスもいる。 -キャラクターボイスを搭載しており、主人公以外にもボスやサブキャラクターが攻撃時などに発声する。 --ゼロ役の置鮎龍太郎氏、シグマ役の麦人氏は定番となり、シリーズ作品や外部出演でもこの2名が演じるようになった。 --エックスは今作のみ伊藤健太郎氏が担当。エックスの声優については詳しくは余談にて後述。 ---ボイスは敵ボスにも搭載されている。中には、弱点武器で攻撃した際に専用のセリフを発するボスもおり、弱点がより分かりやすくなっている。 -ボスとの戦闘前に会話が追加され、各ボスの個性や主人公との関係が際立つようになった。 --また、ボスのライフゲージには二種類の記号が表示されており、レプリフォースかシグマ傘下のイレギュラーかはっきりわかるようになっている。 ---他のシリーズでも記号が複数使われる場合はあるが、基本的にラスボスとそれ以外のみの区別でしかなく、本作独自の仕様と言える。 -ボスとの戦闘直前に「WARNING」の警告メッセージが表示される演出が追加された。 --以降この演出はシリーズの枠を越え、ロックマン関連作には必ずと言っていいほど使用されるようになった。 -前年末~年明けにかけて発売された『[[ロックマン8>ロックマン8 メタルヒーローズ]]』と同様、オープニング、エンディング、中間イベントにはアニメーションが導入されている。作画も良し。また、前作X3の移植版で「PS版のアニメーションがカクカクしているのに対し、SS/Win版は滑らかに動く」という問題があったが、今作では解決され、PS版も滑らかに動くようになっている。 --本作の他にXシリーズで2Dのアニメが収録されている作品は、PS/SS版[[X3>ロックマンX3]]と『[[イレギュラーハンターX]]』のみである。 -本シリーズでも今作からOPとEDにはテーマソングが採用された。 --OP曲「負けない愛がきっとある」及びED曲「One More Chance」は当時ブレイク前でゲーム・アニメ関連の仕事をメインにしていた頃の仲間由紀恵が歌っており、説明書には顔写真も掲載されている。珍しい事に「One More Chance」は発売当時放送していたアニメ『みすて・ないでデイジー』でも同様にED曲として使用された。 --ファミ通の記事では声優時代の仲間由紀恵の記事が有名。この時代がよくネットでは仲間の黒歴史として取り沙汰されるが、公式のプロフィールにはこの頃のキャリアがちゃんと載っているので本人的には一応無かった事にはしていない模様、曲も現在でも人気がある。 -BGMは全体的にアニメミュージックの色合いを強くした曲調となっているが、従来のメロディアスなデジロックも継承している。 --OPステージとステージクリア時のBGMはエックスとゼロで異なる。また、それぞれのシナリオのキーキャラクターであるダブルとアイリスの他、従来通りシグマにも専用のBGMが与えられている。 -強制スクロールステージが初登場。 -ステージ中に破壊可能な障害物(コンテナや氷ブロック)が設置されているステージがあり、爽快感を強めている。 -シリーズ初の女性キャラクターであるアイリスが登場。彼女の最期はシリーズ屈指の名シーンとされている。 --ちなみに女性キャラを登場させた理由は「男性キャラばかりで暑苦しいから」とのこと。 -エックスのアーマーパーツはこれまでは一度取得すると四六時中装備し続けていたが、本作からは「非戦闘時は外しており、現場(ステージ)に降り立った時に装着する」という設定が追加された。 --恐らくアニメシーンやステージ選択の立ち絵との兼ね合いと思われる。 ***2種類のアームパーツ -エックスの今作のアームパーツは、性能の異なる2種類のチャージショット~ 「''ストックチャージショット''」「''プラズマチャージショット''」からどちらかひとつを選択可能。取得後も所定のカプセルに入り直す事でそれらを任意に切り替えられる。 -''ストックチャージショット'' --チャージショットを4発分ストックしておける能力。通常のチャージショットとは違う独特の操作が必要なことや、中チャージショットと同じSE、弾の小ささなど、いまいちお手軽に得られる爽快感に欠けるパーツだが… --見た目に反して威力や貫通力は高く、直線状に存在するザコの群れやボスの攻撃を一網打尽に出来る。 --無敵時間の短い敵には4連射(+豆連打)、無敵時間の長いボスには、無敵の切れ目切れ目に1発ずつ浴びせていくのが基本。 --ホバリングで敵との高さを合わせることで、高い位置にいる敵にも連続して弾を当てることが出来る。ラスボスのとある攻撃パターンに対しても非常に有効。 --ストックさえあればチャージの必要がない為、チャージしながらの操作が緩和され、さらにボス戦においてはプラズマチャージより秒間威力に優れる。 --弾が小さい為、段差下などの窪んだ位置の敵に対してやや弱いのでそういった場面では特殊武器に頼っていくことになる。 ---前作までに準じたピンク色のチャージエフェクトが採用されている。このチャージエフェクトは今作が最後となってしまった。 //---後述のプラズマチャージの方が何かと便利に感じる部分が多く爽快感も大きいため、どちらかと言えば通好みなパーツであると言える。 //↑賛否両論点へ移動しました。 -''プラズマチャージショット'' --貫通能力が高くヒットさせた敵に最大3つまでプラズマ球をその場に発生させ、追加ダメージを与えられるショット。 --前作以前の強化チャージショットに見られた「チャージ完了までに長い溜め時間を要する」という弱点を克服し、''通常のチャージショットと変わらない溜め時間で発射可能''となっており連打性能が格段に向上。~ 弾が大きく貫通力もストックチャージより更に上の為、ステージ攻略時には無類の強さ、爽快感を誇る。 --停滞するプラズマ球による連続ダメージは、無敵時間のない高耐久の中ボスなどに絶大な威力を発揮する。 --だが、無敵時間の長い大ボス相手の場合、プラズマ球が小ダメージで無敵時間を誘発するため攻撃の機会を減らし、攻撃毎にチャージを要するため秒間威力ではストックチャージに劣ってしまう側面もある。 --しかし停滞プラズマ球のおかげで、ストックチャージやゼロでは手も足も出ないラスボスのとある攻撃パターンに対して余裕で対処・追撃が可能。 --ステージ攻略では抜群の雑魚殲滅力を発揮し、少々難がある大ボス相手には特殊武器を使えばいいと割り切るプレイヤーも多く、こちらの方が使用率は高い。 ---アルティメットアーマーの武装にもプラズマチャージが搭載されており、後続作でも採用され続ける名アームパーツ。 ---ちなみにプラズマ時の腕のカラーリングは赤が採用されており、他部位のパーツとカラーリングの統一感から外れて浮いている。『X5』ではストックチャージのカラーでプラズマチャージの性能となっている。 -以上のアームパーツ選択が後作のアーマープログラム制による、複数のアーマーシステムやニュートラルアーマーへ繋がっていく。 ***その他の変更点 -旧作と比べアクション面・システム面共に意識的に難易度が下げられている。ライフアップ等も前作以前と比べかなり見つけやすくなった。 --ゼロの操作に慣れてもらうためだと思われる。 -ハードの変更に伴い、途中再開する方法が、従来のパスワード方式からセーブ&ロード方式となった。 -ボス戦前の会話時やボス部屋へのシャッターを通過する際など、操作できない場面でもチャージが出来るようになった。 -サブタンクの数が従来の4つから2つに減少し、ライフが満タンでなくとも蓄積されるようになった。 --更に「武器エネルギーのサブタンク」が追加された。 -エックスは特殊武器を選択した状態でも通常のバスターが使用できるようになった他、前作までの無駄に長い最大ショットまでのチャージ時間が短縮され、二種類のアームパーツを有効利用しやすくなった。 -フットパーツに新たに追加された滞空能力(ホバリング)は扱いやすさで賛否があるが、使いこなせばボスの攻撃の誘導など痒い所に手が届く性能を持つ。 --ストックチャージ派のプレイヤーにとっては高度調節のためになくてはならない存在だったりする。 -一部演出の変更 --[[X3>ロックマンX3]]まではティウン時、白くフェードしてからフェードアウトしていたが本作からはそれが廃止されて短縮化された。 ---この仕様は番外作品を除いて[[X7>ロックマンX7]]まで継続されることとなり[[X8>ロックマンX8]]で上記の仕様に戻された。 --[[X2>ロックマンX2]]、X3ではボスラッシュでボスを撃破後、すぐにステージBGMが流れてフェードアウトして元の場所へ戻っていたがテレポートする描写を追加。ステージBGMは元の場所へ戻っていた時に流れ始める。 ---簡単に言えば初代ロックマンと同じ形式にしている。 -シリーズ恒例の隠し要素 --今作でも前作までに引き続き通常のプレイではたどり着けない隠し要素が実装されている。 --ゲーム開始時のプレイヤー選択でとあるコマンドを入力するとエックスは「アルティメットアーマー」を入手可能になり、ゼロはボディが黒くなる通称「黒ゼロ」でプレイできるようになる。 ---ただし、強力な「ノヴァストライク」を無制限に使い放題のアルティメットアーマーに対し、黒ゼロは本当にただ黒くなるだけで性能は何も変わらないというやっつけ感漂うものである。制作サイドもさすがにあんまりだという自覚があったのか、X5以降の黒ゼロは性能面でも強化されるようになった。 ---- **賛否両論点 ***エックスの扱い -シナリオや演出面でゼロにはかなり力が入っている一方で、エックスはムービーに登場するのがエンディングのみだったりと今一つな印象を受ける((ゼロはエックス編のエンディングに登場するが、ゼロ編でのエックスは登場しない。一応エンディング以外にも出ているムービーが一つあるが、声のみである。))。ムービー自体もエックス編とゼロ編でそれなりの数の差がある((ゼロ編では中間ステージにムービーがある他、ラストステージでもED以外のムービーが二つ存在するが、エックス編ではラストステージの突入時しかない。))。発売時期のゲーム雑誌でも「影が薄くなった」と指摘されていた。 --エックス編のシナリオは大筋でもある「イレギュラーハンターとレプリフォースの対立」全体に焦点が向いており、エックスはあくまでも「ハンターの一員」に終始している印象がある。とはいえEDゼロのポジションと同じくゼロ編のEDぐらいは出して欲しかった所ではあるが。 --プロデューサー自身が''「『X4』の主人公は完全にゼロ」''と述べた通りの内容で、SS版のジャケットがゼロな事からも察せるうえ、ゼロを最初から最後まで使える点が売りである事は推察できる。とは言え、エックスの扱いについて不満を持つプレイヤーはおり、賛否の種となっている。 --なお、ムービーにエックスがほとんど映らないのは、プレイ状況によってアーマーの装備により外見が変わる事も一因だと思われる((ゲームクリア時のムービーでアーマーの無いエックスが映るが、続編での説明を見ると戦いの中で破壊されたようである))。~ [[X1>ロックマンX]]での会話シーンではアーマーを絶対装備していないオープニングステージでのみ顔グラフィックが表示され、本作ではアーマーに合わせて顔グラフィックが変わるなど、ちゃんと外見の整合性に気を使っているのである。 //-後のシリーズやお祭りソフトにおける扱いはともかく、『X4』ではあくまで「完全にプレイアブルキャラクターに昇格したゼロを宣伝、祝福する」という目的からくるゼロメインの作りである。 //宣伝効果などを見てもゼロを最初から最後まで使えると言う部分が本作最大の売りであるのは間違いないのでエックスの扱いが小さくされるのもある程度は致し方が無いのだが((もっとも、今まで単独主人公としてシリーズを引っ張ってきたキャラにナンバリングタイトルでこういう扱いをするのはどうかと思うが…))、結果的にエックスは『[[ロックマンX コマンドミッション]]』『[[ロックマンX8]]』『[[イレギュラーハンターX]]』が出るまで2番手・裏方に回ってしまう事になった。 //X6はエックスが一番目立ってたし、X7はゼロじゃなくてアクセルを目立たせたゲームだったので -尚、''批判の多くは演出面についてであり、システム面で冷遇されているという訳ではない。'' --ゼロはボスに対して弱点技が機能していないものが多くあるが、エックスはすべて機能しているため、ボスに対してはエックスがかなり有利である。 //--ゼロ編でのアイリスに当たる立ち位置のダブルは実際、かなりの初見殺しで強敵。しかも弱点武器を使った方が難易度が高い攻撃パターンに入るという厄介な相手で、BGMも相まってエックスのシナリオに合った狂気的な強さを見せ付けてくれる。 //ネタバレになるうえ、弱点武器を当てると難易度が上がるというのは賛否両論に近いのでこちらをCO。 --ステージボスを4体倒すとエックスはカーネルと戦闘になるが、ゼロは専用アニメが表示されて終わり。つまりゼロの方が演出面で優遇されているが、エックスの方がゼロより1戦多く戦闘を楽しめることになる。カーネルは終盤でゼロでも戦うことになるが、このエックス専用のカーネル戦は左右に壁が無い為、戦略が全然違ってくる。 --アームパーツを二種類から選択できるという新たな試みもある。 -シナリオについてもムービーが絡まない8大ボスとの会話はエックスの方が優遇されており((テキストの量自体はエックスとゼロで大差ないが、内容的にはエックスの方がボスから名指しされる機会も多いなど。))、更には本人の弱点を敵に研究されてピンポイントで刺客を放たれるなど、決してシリーズの主人公として立場が悪化しているという訳ではない。 -この辺りは''Xシリーズに何を求めているか''で評価が変わるだろう。 ***全体的なボリューム不足 -シリーズ初の上位ハード移行作品ではあるが、丁寧な作りに裏打ちされた良質な作品に仕上がってはいるものの、容量の割にはステージの規模や探索要素が小さく、2人の主人公それぞれでクリアしても総合的なボリュームは物足りなさが目立つ。全体的な難易度が低く、アイテムの隠し場所がセオリー化していたり、アーマーの新能力が地味だったりと新鮮味に欠けている事も拍車をかける。 -ゼロについては接近戦仕様のアクションもありこの限りではないが、エックスではどうしてもマンネリ感が漂う。 -従来のSFC作品と同程度のプレイ時間となるため、後の作品よりも何度もプレイするには手に取りやすいボリュームとも言える。 -エックス編+ゼロ編に加えて、エックスは2種のアームパーツや裏技アーマーなどもある為、周回プレイを行なう楽しさは十分にある。 ***ヘッドパーツや各種武器のバランス -頭部パーツは従来までの微妙な性能とは打って変わり、「特殊武器の通常使用のエネルギー消費がなくなる」というシリーズ屈指の高性能さで、使い勝手が非常に良い。 --しかしこの仕様に合わせてか、特殊武器の威力を全体的にかなり低く調整されてしまった。使い勝手もよくなく、前作と比べるとステージ内での活躍度は雲泥の差となっている。 ---メットールやバットンボーンすら一撃で倒せないものや、効果範囲の狭さの割に合わない威力のものばかり。武器自体の性能は面白いものが揃っているだけにかなりもったいない。 --特にフクロウルから入手できる「ダブルサイクロン」はエックスの斜め上に多段ヒットする竜巻を纏った玉を2つ発射すると言う対空系の特殊武器なのだが、飛び上がっていく高度がエックスのジャンプの最高点と同じな上、効かない敵が多く上への攻撃や多段ヒットという性能を活かすことができないという有様。一応効く敵もいるのだがスルーや他の武器を使ってやり過ごせてしまうためにますますその不憫さが目立ってしまっている。 ---さらに、終盤で戦うボスの中にダブルサイクロンが弱点の敵がいるのだが、彼は弱点を突かれると固有の攻撃をしてくるルーチンになっており、むしろ余計に苦戦するという逆転現象が発生している。 ---チャージ版は「エイミングレーザー」などの強力なものもあるが、エネルギーがフルの状態から4~8発しか打てず(8発のものは威力が低い)、他の作品と比較しても燃費が悪い。 --一応効ボス以外にも弱点武器が設定されているものもいる為、敵やシーンに合わせて使い分けていくことも可能。 ---基本的にストックチャージやプラズマチャージがほぼすべての敵に対して有効なので、そちらをメインで使ったほうが早かったりする。 --そんな特殊武器もボス戦では無類の強さを誇る。 -2種類のアームパーツもプラズマチャージの方が何かと便利に感じる部分が多く爽快感も大きいため、ストックチャージが通好みなパーツと言う扱いをうけてしまっている。 --プラズマチャージが今作では強すぎだったという判断からか、次回作のプラズマチャージは性能の下方修正を施された。 //---これに関しては、その性能に合わせて特殊武器の威力が非常に弱くなってしまっているので、ボス戦以外では恩恵を受けられない。 //↑それは特殊武器を使おうとしていないか、効く敵と効かない敵を吟味していないだけ。 //↑効く敵に使用しても、与えるダメージはさほど大きくないことが多い。 ***その他 -今作はスペースポートを除くすべてのステージがエリア1とエリア2の2部構成に分かれており、エリア2に入るとライフ・武器エネルギー共に全回復する。また、エリア2以降でゲームオーバーになってもエリア2の最初からコンティニューできるようになった、 --アクションゲームが苦手なプレイヤーに易しい仕様ではあるが、シリーズ経験者からは「ヌルゲー」という声も。 --この仕様はX5以降も継続されたものの、2部構成のステージは一部のみに留まっている。X7以降はライフ・武器エネルギーも回復されなくなった。 -ゼロにはキャンセル技が存在する。例として技の出の隙を省略したりする事が可能など見るべき点はあるが、問題は通常攻撃の2段目までは常に簡単なアクション動作でキャンセルでき、かつ対象が無敵状態にならないため、特にボスに対してダッシュと斬撃を小刻みに行うだけで凄まじい時間火力を発揮してしまう。 --もちろんボスが動きを止めている隙を突く必要があるが、人力でも一度の攻撃機会でゴッソリ削り取れてしまう。 -X3での意欲的な新要素の数々が、ゼロプレイとライドアーマー複数化以外全て削除されてしまった。 --確かにX3の時点では洗練されていなかったが、十分にブラッシュアップすればクオリティ向上に繋がるものも含まれていた。それらを玉石混淆のまま捨ててしまったことは大変もったいない。 --X3の意欲的な取り組みをブラッシュアップした結果、ゼロのメインプレイヤーキャラ化や近距離攻撃に特化させたことによるエックスとの差別化、能力の全く異なる厳選された2種のライドアーマーとチェイサーのステージ、ボス4体撃破後のカーネル戦、2種のアームパーツ切り替えなどといった発想が生まれたとも取れる。 -敵に細かなバグ(?)らしき不自然な動作が見受けられる。 --スパイダスステージのキングポセイドン(半魚人のレプリロイド)はゼロの空円斬を受けても何の変化も見受けられないが、通常のジャンプ切りを当てた場合は大きくよろめく特殊動作をする。 --通常ボスは体力が半分になると攻撃パターンが変化するものがほとんど(変化しないものもいる)だが、スプリット・マシュラームだけは一度7体の分身をぶつける攻撃を仕掛けた後、すぐに攻撃パターンを変えてしまう。 -シグマの火力がやや減少している。 --これはゼロに関しての攻撃・防御強化要素が一切無いための救済措置とも取れる。 --なお[[次作>ロックマンX5]]ではゼロに上方修正が入り、強化要素が追加されため前作までの仕様に戻された。 -隠しコマンドが複雑 --ネットがなかった当時解放するのが困難であり、仮に成功したとしても成功したかどうかさえわからない。 --これは[[次作>ロックマンX5]]では大きく改善されることとなる。 -サブタンクの仕様変更 --前3作では満タンの状態でライフ回復を取るとサブタンクが増える仕様だったが満タンの状態でなくても増えるようになった。 --しかし大と全回復で貯まる量が均一されており貯めるのは非常に困難。 --次作、次々作では均一化は改善されていないものの貯まる量が増えている。 --全回復ライフエネルギーでサブタンクが即満タンになるのは[[ロックマンゼロ>ロックマン ゼロ]]までお預けとなる。 //-特殊武器の使用ボタンが△になった。 //--SFC作品では同じ位置にあるXボタンを使う機会が唯の一度も無かったため、慣れるのに結構な時間を要する。 //X4の特殊武器使用はショットボタンと同じ□。△に割り当てられたのはX5から。 ---- **問題点 ***アクション面 -動作スピードが若干低下した。 //もっさりは言い過ぎかなと --SFC作品からスピード感そのものが減少。画面全体に占める主人公の割合が大きくなったことへの調整だと推察されるが、それを考慮しても少々遅い。 -ダッシュ関連のアクションが劣化した。 --ダッシュ速度が遅くなり、エアダッシュの飛距離が縮み、エアダッシュ後の加速が残らなくなった。 //--結果、ダッシュよりダッシュジャンプで移動した方が速いというおかしなことになってしまった。 //ダッシュよりダッシュジャンプのほうが早いのは初代から同じ --モーション描写が細かくなったため、ダッシュ後にブレーキが加わった。このためダッシュ開始時とブレーキ時に立ち判定が残るようになり、姿勢の低さを利用した回避が難しくなった。 -効果音の変化。 --エックスの着地や壁蹴りなどの効果音が鋭い音から妙に粘着質な音に変わったり、チャージショットの効果音がSFC時代から劣化したとの意見がある。 ---着地・壁蹴りはゼロの場合はSFC時代に近い音になっているが、『X5』以降は本作のエックスのものに統一されてしまった。 --ボスの無敵中や雑魚のガード中に起こる、跳ね返し音のキンキンした金属音が耳に障るなどの賛否がある。特に当たり判定が連続で長く残るエックスのプラズマチャージショット、ゼロの雷神撃などで顕著。敵に攻撃を与えた時の爽快感を薄くしているとの声も。 ---テキスト表示も同様に一文字ずつ高い音が鳴るため結構うるさい。少なくともSFC時代は控えめなサウンドが鳴っていた。 -一部ボス戦の賛否。 --物語のキーの一人であるジェネラル戦では、ジェネラル自身の攻撃方法が地味かつ単調な面が目立ち、特にゼロの場合は攻撃タイミングも待ちが多くなりがちで冗長になってしまっている。 //--シグマ第一形態はテレポートをしてくるのだが、出現場所が''弱点武器の攻撃先にどんぴしゃりの位置''。まるで接待ゲームである。 //前座な事、難易度の低さで総括できるのでCO //--シグマ第三形態の片割れはダメージチャンスが少ない上、運要素の強い攻撃を多用する。((この攻撃に対してエックスのプラズマチャージがかなり有利)) //どちらも攻撃しづらい時もあれば攻撃しやすい時もあるため一長一短。そもそも片割れがどちらを指しているのか曖昧 -前述の通り、アームパーツは再びカプセルに入ることで交換できるのだが''肝心のカプセルがステージ後半にある上に非常に厄介な場所に置かれており、そこに辿り着くまでの難易度が非常に高い''ため、一々切り替えに行くのは非常に面倒。 --切り替え以前に、そもそも取得するのも難しいため一度取得したら『X5』や『X6』のアーマーのようにステージ開始時に切り替え可能に出来ていたらよかったかもしれない。 -新たに追加された武器サブタンクの必要性がイマイチ。 --ヘッドパーツがあれば、''チャージしない限り武器エネルギーは減らなくなる''ので、ライフサブタンクを削ってまで武器タンクなど追加するべきものだったのか?と疑問さえ湧く。 --しかも、そのためにライフサブタンクを1つ減らしただけならまだわかるが、実際ライフタンクは''なぜか2つも減らされている''。いくらなんでもこれはあんまり。 --ついでに、ライフタンクの方は、ライフアイテムを取るとチャージされる音がするが、武器タンクの方は''なぜか無音''。 -戦闘前の会話がある弊害か前作まではシャッター出入りの動作中やボス戦前の演出中でもスタートボタンによる武器の切り替えが可能だったが、今作では演出中の武器切り替えが完全に不可能になった。 --その代わりにボス前やシャッター出入りの動作中でもチャージが出来るように。 ***ストーリー・演出 -「レプリフォースは独立する」と作中で述べているが、イレギュラーハンターとレプリフォースの対立から何がどうなって独立国家の樹立に思い立ったか噛み合っていない((「謎の軍隊」によるテロが発生した事でレプリフォースに疑惑が持ち上がり武装解除を要請するも、レプリフォースはこれを軍人への侮辱として拒否、イレギュラーハンターと決別に至っている。人類が無関係な上、独立に際し人類側の対応も描写されていない。))。地球を攻撃できる最終兵器を盾にしてまで宇宙に建国しようとした理由も判然としない((アイリスの台詞からは「レプリロイドだけの国を作りたい」事が示唆されているが、当初の武装解除要請からあまりに突飛し過ぎて動機が異常になっている。))。 //ジェネラルは人類から独立とは言っていない。 --レプリフォースの司令官はOPで、「イレギュラーハンター=人間に尻尾を振ってレプリロイドを破壊する奴ら」「イレギュラー判定基準=人間のいいなりになるかどうかに過ぎない」「やられる前にイレギュラーハンターをやれ」、と吹き込む黒幕に対して''人間への裏切りになるからと断っている''。しかし各地を占拠するようなクーデターを起こす際にはどういう理論武装なのか「ただしこれは人類に対しての敵対ではない」と言っている。黒幕が言ったように心変わりにしても、伏線も描写もなく早過ぎる。 ---イレギュラーハンターから干渉を受けず誰からも指図されることなくそれでいて従来の災害派遣などは宇宙から出動して引き続き行う立場か、あるいは人類ともイレギュラーハンターとも関わりを絶った立場か、ジェネラルがどのような形の独立を目指していたのかもハッキリとしない。(アイリス個人が最期に夢見たのは後者のようではあるが) --公式のストーリー文章では 巨大な軍事力を持ったレプリフォースが、最高司令官の「ジェネラル」をリーダーとして、いっせいにクーデターを起こし、各地を占拠してしまった。 イレギュラーハンター司令部は、ただちにレプリフォース全体をイレギュラーと認定し、エックスおよびゼロに出撃命令を下した。 となっている。ジェネラルは「今や我々レプリフォース全員がイレギュラーと決めつけられた。だが我々もこのまま汚名を着せられているわけにはいかない。」と演説しているが、ストーリーの文章に基づけば演説時点ではまだ嫌疑だけでイレギュラーとはされていなかったことになる。 ---実際イレギュラーハンター側が動いたのもクーデター後。 ---なお『X5』において、ジェネラルに賛同せずクーデターに参加しなかったレプリフォース所属のレプリロイドは普通にレプリフォースを引き継いでいる。 -中間ステージとしてカーネル戦が登場、ゼロ編ではムービーのみとなるが地味に描写が不可解。 --呼び出しの連絡内容があまりに簡素過ぎるのは置いておくとして、いざ現場に赴くとゼロから攻撃を受けた''カーネルは「何をする!?」と困惑する。''%%流れ的に決闘を申し込んだのはカーネルの筈だが…%% --掘り下げは一切ないので「X編と違ってカーネルは話し合いのつもりだった」「実は呼び出し自体が他者による物」といった解釈もすることができない。 --『歩いてきたカーネルをゼロが高所から強襲』するというのも冷静に考えるとあんまりなシーンである。開口一番「見損なったぞカーネル!」なのも全体はともかく、一連のシーンの流れとしては不自然。 //-本作の紹介文でやたらとゼロとアイリスの悲恋が強調されている。 //問題点というほどでは無いかと… -前作まで進行役として顔を見せていたDr.ケイン((設定上ではレプリロイド工学の権威であるキャラクター。シグマの生みの親でもある。))が未登場。 --一応、攻略本付属の設定資料では新型ライドチェイサー「アディオン」の開発者として名前が挙げられていたり、本編でもアニメムービー中でシグマの台詞として名前が出ていたりする((回想なので時系列は『X1』より前だが))ので、出番こそないものの存在が全く忘れ去られている訳ではない。 --後に発売された番外編『[[サイバーミッション>ロックマンX サイバーミッション]]』では普通に登場したものの、それを最後にその後の消息について何の言及もないままシリーズから姿を消してしまった((『X1』リメイクの『イレギュラーハンターX』では特典OVA『The day of Σ』で登場している(原作では名前のみの存在であり、本編には原作同様登場しない)。ただし『X2』〜『X3』に比べると身体の衰えが進んでおり、終盤ではシグマのミサイル攻撃に巻き込まれて爆死したかのような描写になっている。))。 -前作の『X3』でドップラー博士の作ったアンチウィルスプログラムで消滅したはずのシグマが何の説明もなく復活している。 --ストーリー分岐次第では、正気を取り戻したドップラー博士が贖罪として自らを犠牲にし、シグマの本体であるウィルスを滅ぼすという非常に熱い結末を迎えていたのだが、このせいで''彼の決死の行動が単なる犬死に終わってしまった''というなんともやるせない事態を招いている。 --ゲーム内ではウィルス関連の描写や言及すらもない。攻略本では本作で明かされるゼロの過去とシグマのイレギュラー化にウィルスが大きく関わっていることが明記されており、ケイン博士同様設定上は存在しているのだが、シグマ復活に関してはフォローされていない。 ---これらの不可解さから、極一部では「当初シグマは登場しない予定だったが、急遽登場するように変更されたのではないか」とする憶測も広まっている。 ---シグマの目的も、元々はレプリロイドの理想の世界を創ることだったのに、今作あたりから、''世界や地球自体を滅ぼすことに変化してしまっている。'' --ちなみに『X1』『X2』ではそれぞれラストできちんとシグマの再登場を示唆している。 //-エックスプレイでのゼロ、アイリスの扱い、ゼロプレイでのエックス、ダブルの扱いが不明瞭。 //不明瞭以前に、片方のストーリーにしか登場しないし。 ---- **総評 旧作と同様、複雑な操作はなくシンプルな仕上がりとなっている。致命的なバグもないため、従来作と同じく気軽にプレイできる。~ 本作の最大のポイントは、なんといってもダブルヒーロー制の導入だろう。近接攻撃を扱うキャラクターが使えるようになったことは、シリーズに新たな境地を見出したと言える。~ 以降のXシリーズでプレイアブルキャラクターが複数存在することが当たり前になったのも、本作の遺した大きな成果である。~ 演出面では、開発スタッフが目指したかった世界観を提示できた一方で、エックスの扱いが今一つだったり、旧作の硬派なイメージにそぐわなかったりしたため、眉をひそめる旧作ファンもいる。~ とはいえゲームとしては総合的によくまとまっており、後の作品に与えた影響も含め、良作と呼べる作品だろう。~ ---- **余談 //-エックスは後続作でもしばらくの間微妙な扱いをされている。上記のとおり主人公として復権したのはRPG作『[[ロックマンX コマンドミッション]]』。 //--結果的にエックスは「2番手・裏方に回ることが多いキャラ」と言う印象が付き纏う事となった((ほかのゲームにゲスト参戦した回数もゼロの方が多かったり、ゼロのほうが優遇されがちである))。他ソフトへのゲスト出演もゼロだけと言うことが多いのもエックスファンの神経を逆撫でする結果になってしまった。 //X6を忘れてあげないでください。 -本作の発売後はしばらくの間シリーズ新作が制作されなかった。3年後にようやく『[[ロックマンX5]]』が世に出たのだが…。 --ファンの間では「制作側の力の入れ様とは裏腹に売り上げ実績を残せず、シリーズが一時凍結されたのではないか」とする見方が多いが、ハッキリとした理由は不明。 --ちなみに本作の売り上げはPS版のみで約20万本。数字だけ見れば初作の半分以下であるが、元々続編が発売される度に売上は落ちており、本作で急激に悪化した訳では無い。 ---Xシリーズはこの作品以外12月前後に発売されているが、この作品だけ8月発売になっており、そうしたマーケティング戦略のミスも要因となっているように思える。 -ビストレオステージのライフアップは何故か順路に野ざらしで置かれている。 --ライドアーマーで下の地形を破壊すると台座のような出っ張りが現れる事を考えると、本来は地形を破壊すると見つかるように作られていたが配置を間違えてしまったものと思われる。 -本作のボスラッシュの配置はステージセレクト画面に対応している。 -CV担当の変遷 --エックスのCVを務めた伊藤健太郎氏は本作のみに限られ、『X5~X7』では森久保祥太郎氏が担当し、2004年に発売された『ロックマンX コマンドミッション』以降は櫻井孝宏氏が担当している。2度の声優変更があったのはエックスだけ。((森久保氏は声質はともかく「エックスのイメージに合わない」という意見があった。本作で伊藤氏のイメージが付いた為という事も考えられるが、森久保氏の演じるキャラクターはイケメンだが癖の強いキャラが多いためと思われる。)) ---不思議なことに海外版ではエックスの吹き替えをなんと''&color(red){女性}''が担当(!)している。普段は勇ましい掛け声を上げるので少年寄りの役柄…かと思いきや、''&color(red){ムービーシーンでは完全に少女の声色である}''。……向こうではエックスの内面を「女性的」と捉えているのだろうか? ---一応、過去作でも『X1』にて波動拳使用時に少年的な甲高い掛け声を発していた例はある((このボイスの担当声優については関係者間で証言が食い違っており、真相は不明。))。 //また、「[[ロックマン ゼロ]]シリーズ」でも、彼のクローンと言えるコピーエックスを女性の声優が演じている。 //↑コピーエックスの声優は風間勇刀氏であることが公式から明言されたので、誤情報かと。 ---もっとも、彼女に関しても本作だけの担当となり、『X5』『X6』は日本語ボイスのみで吹き替えは行われず、『X7』以降は日本版と同じく男性声優による青年的な声が当てられている。 //((ちなみに日本でもX1にて(波動拳のボイスのみだが)女性声優(緒方恵美氏)が担当していた。そちらはまだ「少年役」のイメージが濃い声優なのだが。)) //誤情報によりCO --ゼロ役の置鮎龍太郎氏とシグマ役の麦人氏はシリーズ通して演じ続けている。VAVAは『X8』で麦人氏が演じていたが、イレハンでは下崎紘史氏に交代した。 ---なお、「ロックマン ゼロシリーズ」では、風間勇刀氏がゼロを演じている。 -ボンボンとの決別 --本頁冒頭で述べたプロデューサーの発言に応えるかのように、コミカライズ版『X4』はそれまで以上にハードな展開を続けていた((プロローグだけに2話費やした程。このプロローグでは本作のゼロがなぜエックスとは別に戦っているのか、なぜバスターを使わなくなったのかを独自設定で描いている。))。~ しかし1998年7月15日、突然''誰が見ても打ち切りにしか見えない形''で終了した(8大ボスのうち3体が、''戦闘シーンも無くいきなり死体になっている''など)。 --続いて本家『ロックマン』の連載も打ち切られ、以降同誌からロックマン関係の記事が一切姿を消した(正確にはGBA版『ロックマン&フォルテ』までは、新作ソフトとして紹介されたが…)。~ これは当時の誌面刷新の一環であり、岩本氏も後に自身のサイト上で「大人の事情があった」と答えている。 --後に復刊.comにて要望が募り、旧作及び本作の新しい単行本化が実現した。旧単行本未収録話も収録、ボスとの戦闘シーンなどが加筆されている。 -限定版には当時販売されていた玩具シリーズ「メガアーマー」が付属していた。 --素体にアーマーパーツを取り付けることでエックスの武器チェンジやアーマー換装を再現するシリーズで、ゼロや『X3』の敵キャラ、ライドアーマーまで立体化されていた。 --本作に付属したのはエックスの専用素体と隠し装備であるアルティメットアーマー。設定イラストにあるアーマー単独での飛行形態も再現できる優れものであった。しかし、これを最後に国内での展開は終了している。 ---海外では『X5』や『DASH』のシリーズも展開された。 -PS版には『[[ロックマンDASH 鋼の冒険心]]』の体験版が付属していた。 --通常、おまけディスクは配信されないゲームアーカイブス版でも収録されており、珍しい例となっている。同内容を収録した『ロックマン バトル&チェイス』にも入っている。 -オープニングの最後のシーンはTVアニメらしい「主要キャラが全員集合」という構図になっているのだが、ゲーム内では''エックス・ゼロ以外全員敵かつ死亡する''ため、その和気藹々な雰囲気とのギャップがしばしばネタにされる。 --前作のPS・SS移植版のオープニングでも同様の構図が見られたが、こちらは全編通して「ドップラー博士がエックスの過去の戦いの映像を見ている」という描写になっており、集合しているキャラもドップラー博士とその側近の敵側キャラしかいないため、さほど違和感はない。 -ネットメディアでの扱い --とある動画投稿者によって作られたMAD動画の影響か、回想のイレギュラーハンター隊長だった頃のシグマがイレギュラー時代のゼロに挑むシーン(通称:部下と隊長)やゼロがカーネルに挑発するシーン(通称:見損なったぞカーネル)等のムービーが妙な人気になっている。~ 特に後者は同名のキャラクターが登場する[[エグゼ5>ロックマン エグゼ5 チーム オブ ブルース/チーム オブ カーネル]]、[[エグゼ6>ロックマン エグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー]]の動画でもネタにされる事がある。 -主要人物のアイリス、ダブル、ジェネラルにはボロボロの状態の顔グラフィックしかない。 --ひょっとするとこれは容量の都合で、もし仮に容量に余裕があったら通常版も作っていたのだろうか? --ダブルは本来の姿のみでありイベントの会話的に仕方がない面もあり、仮の姿の方の顔グラフィックは存在しない。(代わりに仮の姿は没データがいくつかあるが) --逆にカーネルは通常状態の顔グラフィックしかない。 --アルティメットアーマー・黒ゼロに至っては顔グラ自体がなく、前者はフォースアーマー姿のエックスで代用しているという珍現象が見られる。 -本作で登場したカーネルとアイリスは兄妹となっているが、これは元々一体のレプリロイドとして生み出されたことに由来する。 --レプリフォースの開発部は伝説のロボット「ロックマン」のように「平和を願う心」と「闘争心」を両立させたレプリロイドを生み出したが、相反する二つのプログラムにより暴走。結果として二つのプログラムは別々のレプリロイドに分けられた。~ こうして生まれたのが「闘争心」を持つカーネルと「平和を願う心」を持つアイリスである。~ ただし、アイリスは「レプリロイドだけの世界」を志しており、人類のことは何も考えておらず、彼女の考える「平和」はシグマに近い、歪んだものであることも事実である。これはゼロと敵対させるためのエッセンスとして機能している一方で、彼女が(エックスやゼロの考え方からすれば)イレギュラーである証左にもなっている。 ---なお、後のスマホアプリ『ロックマンXDiVE』にはアイリスが戦闘型になった『渾然たるアイリス』が登場。アイリスが持つ「平和を願う心」とカーネルが持つ「闘争心」が合わさった、レプリフォースの理想を体現したようなレプリロイドとなっている。 -2018年のシリーズ生誕30周年記念プロジェクトにおいて、Windows(Steam)、Nintendo Switch、PS4、Xbox One移植版が『[[ロックマンX アニバーサリー コレクション]]』として2018年に発売された。 --しかしパッケージ裏のX4の枠で''ストックチャージショット装備のアルティメットアーマー''がジェネラルと戦闘している不可解な描写がある。 ----
#contents() ---- *ロックマンX4 【ろっくまんえっくすふぉー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000879.jpg,height=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141000766.jpg,height=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/145003690.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション&br()セガサターン&br()Windows 95/98|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS/SS】1997年8月1日&br()【Win】1998年12月3日|~| |定価|【PS/SS/Win】6,090円&br()【PS/SS】限定版:7,140円|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br() ※ゲームアーカイブスで付与 |~| |廉価版|【PS】PlayStation the Best for Family&br()1998年11月26日/2,940円|~| |~|【Win】ULTRA2000シリーズ&br()メディアカイト発売&br()1998年12月3日/2,000円|~| |~|【SS】サタコレ&br()1998年12月10日/2,940円|~| |~|【PS】PS one Books&br()2003年9月13日/1,890円|~| |~|【Win】遊遊&br()メディアカイト発売&br()2004年7月16日/1,980円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2014年12月17日/617円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|次世代機への移行に伴いグラフィックを一新&br()ゼロがゲームを通して使用可能に&br()キャラボイス・アニメーションの追加&br()エックス、ゼロのそれぞれ異なる能力・シナリオ&br()|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- ~ ~ #center(){{ &big(){''ヒーローはそれぞれの戦いを選んだ。''} }} ~ ---- **概要 93年以降毎年発売されていたロックマンXシリーズであったが、本作は前作から1年半以上空け、プラットフォームをセガサターンとプレイステーションに移しての発売となった。~ 翌年にはWindowsでも発売。イージーモード、一部BGMの差し替えなどの変更点がある。 主人公はエックスまたはゼロの選択制で、それぞれ異なるストーリー展開となっている。ストーリー中で両者が絡むことはほとんど無い。~ シリーズ初のキャラクターボイス搭載ソフトであり、アニメパートも挿入される。旧作に比べ、ストーリー性が重視されていることも大きな特徴。 ---- **ストーリー >西暦21XX年。~ 完全な人間的思考の高度AIロボット:レプリロイドの普及により、人類を取り巻く環境は良くも悪くも大きく様変わりし、その暮らしはレプリロイドの力で支えられていた。~ 中でも戦闘用レプリロイド部隊で構成された二大組織は、社会治安の維持に大きく貢献している。~ ~ 犯罪行為に及ぶ危険レプリロイド:イレギュラーを破壊・抹消する警察機関「イレギュラーハンター」。~ 大規模災害などに対応する軍隊「レプリフォース」。~ 両組織は協力関係にあり、形は違えど共に人類の平和を願い活動していた。~ ~ しかし、巨大メカニロイド「イレギオン」によって引き起こされ大惨事となった「スカイラグーン落下事件」によって状況は一変。~ 事件の首謀者がレプリフォースではないかという容疑により、レプリフォース全体にイレギュラー化の嫌疑がかけられてしまう。~ 荒唐無稽だと憤るレプリフォースに対しイレギュラーハンターは、武装解除と出頭の要請を送るも、レプリフォース側はこれを拒否。~ やむを得ずイレギュラーハンターは遂に、レプリフォースをイレギュラーと認定するに至ってしまうのだった。~ ~ この一連の事態を受け、レプリフォース最高司令官「ジェネラル」は正式にイレギュラーハンターとの全面対決の意向を表明。~ レプリロイドが統治する独立国家を建国する声明と共に、これは自由と安全を勝ち取るための戦いであるという宣戦布告の後、世界各地で軍事クーデター作戦を実行に移した。~ かくしてエックスとゼロは、クーデター実行部隊の鎮圧へと出撃。後に「レプリフォース大戦」と呼ばれる熾烈な戦いへとその身を投じる。 ---- **誕生の背景 当時、講談社の児童誌「コミックボンボン」には、岩本佳浩氏による本シリーズのコミカライズが連載されており、児童誌の作品としては非常にハードな内容で好評を博していた。~ 本作の発売に合わせて同誌に掲載されたプロデューサー、稲船敬二氏のインタビューには~ 「ボンボンさんで岩本先生がXの漫画をとても熱く描いて下さっている。ならば予め熱いストーリーを用意しておいたら、漫画はどれだけ熱くなるだろうか」という発言があった。~ 本作がストーリー性を重視した内容になっているのは、こういった背景があったことも影響していると考えられる。 ---- **特徴・評価点 ***ダブルヒーロー制の導入 -ゲーム冒頭、エックスかゼロのどちらかを操作するかを選択し本編が開始される。 途中での操作キャラ変更は不可能。 --キャラクターによって性能が異なり、それぞれの特性を生かした攻略方法が必要となる。 -''エックス'' --バスターによる飛び攻撃を主体とし、攻撃範囲は狭いが遠距離から攻撃できる。 --過去作同様に8ボスを倒すと多彩な特殊武器が得られ、全てのボスに対し何らかの特殊武器で弱点を突ける。 --ステージ中に隠されたパーツカプセルによって身体性能が強化される。今作ではアームパーツが2種類から選択可能。 -''ゼロ'' --前作では限られた場面でしか扱えなかったゼロだが、今作から完全なプレイアブルキャラクター化を果たす。 --体力の初期値もエックスと同等になり、サブタンクやライフアップも取得可能だが、パーツカプセルは存在しない。 ---今作以降ゼットセイバー((前作まではビームサーベルという名称だったが、今作から名称変更。))による近接攻撃を主体とする。攻撃力・攻撃範囲に優れるもののバスターは使えない。 ---8ボスを倒すとエックス同様に、倒したボス由来の特殊攻撃や特殊能力を得られる。エックスと違って武器を切り替える必要はなく、ゲージ消費も一つの特殊攻撃のみ。特殊能力は一部エックスのパーツ効果に相当する。 ---一部ボスのアビリティが非攻撃能力に割り当てられる結果、必然的に特殊攻撃のバリエーションが少なくなるため弱点を突けないボスが存在するが、1つの特殊攻撃が2体のボスに有効な場合がある((例えばクジャッカーとキバトドスは共に「龍炎刃」が弱点))。 --接近戦主体なためダメージを受けやすく防御力の強化手段がないことに加えて、上述のように弱点をつけないボスがいるため、ゼロは実質的なハードモードと言える。ただし、登場するボスやステージの構造はエックスとほぼ共通であり、難易度に極端な差はない。 ---このシステムは翌年の『[[ロックマン&フォルテ]]』にも採用された。 ***演出の強化 -前作に比べキャラクターが大きくなり、これによりキャラクターの動きがより鮮明になった。それによって画面表示範囲が相対的に狭くなったが、画面に収まらないような巨大なボスもいる。 -キャラクターボイスを搭載しており、主人公以外にもボスやサブキャラクターが攻撃時などに発声する。 --ゼロ役の置鮎龍太郎氏、シグマ役の麦人氏は定番となり、シリーズ作品や外部出演でもこの2名が演じるようになった。 --エックスは今作のみ伊藤健太郎氏が担当。エックスの声優については詳しくは余談にて後述。 ---ボイスは敵ボスにも搭載されている。中には、弱点武器で攻撃した際に専用のセリフを発するボスもおり、弱点がより分かりやすくなっている。 -ボスとの戦闘前に会話が追加され、各ボスの個性や主人公との関係が際立つようになった。 --また、ボスのライフゲージには二種類の記号が表示されており、レプリフォースかシグマ傘下のイレギュラーかはっきりわかるようになっている。 ---他のシリーズでも記号が複数使われる場合はあるが、基本的にラスボスとそれ以外のみの区別でしかなく、本作独自の仕様と言える。 -ボスとの戦闘直前に「WARNING」の警告メッセージが表示される演出が追加された。 --以降この演出はシリーズの枠を越え、ロックマン関連作には必ずと言っていいほど使用されるようになった。 -前年末~年明けにかけて発売された『[[ロックマン8>ロックマン8 メタルヒーローズ]]』と同様、オープニング、エンディング、中間イベントにはアニメーションが導入されている。作画も良し。また、前作X3の移植版で「PS版のアニメーションがカクカクしているのに対し、SS/Win版は滑らかに動く」という問題があったが、今作では解決され、PS版も滑らかに動くようになっている。 --本作の他にXシリーズで2Dのアニメが収録されている作品は、PS/SS版[[X3>ロックマンX3]]と『[[イレギュラーハンターX]]』のみである。 -本シリーズでも今作からOPとEDにはテーマソングが採用された。 --OP曲「負けない愛がきっとある」及びED曲「One More Chance」は当時ブレイク前でゲーム・アニメ関連の仕事をメインにしていた頃の仲間由紀恵が歌っており、説明書には顔写真も掲載されている。珍しい事に「One More Chance」は発売当時放送していたアニメ『みすて・ないでデイジー』でも同様にED曲として使用された。 --ファミ通の記事では声優時代の仲間由紀恵の記事が有名。この時代がよくネットでは仲間の黒歴史として取り沙汰されるが、公式のプロフィールにはこの頃のキャリアがちゃんと載っているので本人的には一応無かった事にはしていない模様、曲も現在でも人気がある。 -BGMは全体的にアニメミュージックの色合いを強くした曲調となっているが、従来のメロディアスなデジロックも継承している。 --OPステージとステージクリア時のBGMはエックスとゼロで異なる。また、それぞれのシナリオのキーキャラクターであるダブルとアイリスの他、従来通りシグマにも専用のBGMが与えられている。 -強制スクロールステージが初登場。 -ステージ中に破壊可能な障害物(コンテナや氷ブロック)が設置されているステージがあり、爽快感を強めている。 -シリーズ初の女性キャラクターであるアイリスが登場。彼女の最期はシリーズ屈指の名シーンとされている。 --ちなみに女性キャラを登場させた理由は「男性キャラばかりで暑苦しいから」とのこと。 -エックスのアーマーパーツはこれまでは一度取得すると四六時中装備し続けていたが、本作からは「非戦闘時は外しており、現場(ステージ)に降り立った時に装着する」という設定が追加された。 --恐らくアニメシーンやステージ選択の立ち絵との兼ね合いと思われる。 ***2種類のアームパーツ -エックスの今作のアームパーツは、性能の異なる2種類のチャージショット~ 「''ストックチャージショット''」「''プラズマチャージショット''」からどちらかひとつを選択可能。取得後も所定のカプセルに入り直す事でそれらを任意に切り替えられる。 -''ストックチャージショット'' --チャージショットを4発分ストックしておける能力。通常のチャージショットとは違う独特の操作が必要なことや、中チャージショットと同じSE、弾の小ささなど、いまいちお手軽に得られる爽快感に欠けるパーツだが… --見た目に反して威力や貫通力は高く、直線状に存在するザコの群れやボスの攻撃を一網打尽に出来る。 --無敵時間の短い敵には4連射(+豆連打)、無敵時間の長いボスには、無敵の切れ目切れ目に1発ずつ浴びせていくのが基本。 --ホバリングで敵との高さを合わせることで、高い位置にいる敵にも連続して弾を当てることが出来る。ラスボスのとある攻撃パターンに対しても非常に有効。 --ストックさえあればチャージの必要がない為、チャージしながらの操作が緩和され、さらにボス戦においてはプラズマチャージより秒間威力に優れる。 --弾が小さい為、段差下などの窪んだ位置の敵に対してやや弱いのでそういった場面では特殊武器に頼っていくことになる。 ---前作までに準じたピンク色のチャージエフェクトが採用されている。このチャージエフェクトは今作が最後となってしまった。 //---後述のプラズマチャージの方が何かと便利に感じる部分が多く爽快感も大きいため、どちらかと言えば通好みなパーツであると言える。 //↑賛否両論点へ移動しました。 -''プラズマチャージショット'' --貫通能力が高くヒットさせた敵に最大3つまでプラズマ球をその場に発生させ、追加ダメージを与えられるショット。 --前作以前の強化チャージショットに見られた「チャージ完了までに長い溜め時間を要する」という弱点を克服し、''通常のチャージショットと変わらない溜め時間で発射可能''となっており連打性能が格段に向上。~ 弾が大きく貫通力もストックチャージより更に上の為、ステージ攻略時には無類の強さ、爽快感を誇る。 --停滞するプラズマ球による連続ダメージは、無敵時間のない高耐久の中ボスなどに絶大な威力を発揮する。 --だが、無敵時間の長い大ボス相手の場合、プラズマ球が小ダメージで無敵時間を誘発するため攻撃の機会を減らし、攻撃毎にチャージを要するため秒間威力ではストックチャージに劣ってしまう側面もある。 --しかし停滞プラズマ球のおかげで、ストックチャージやゼロでは手も足も出ないラスボスのとある攻撃パターンに対して余裕で対処・追撃が可能。 --ステージ攻略では抜群の雑魚殲滅力を発揮し、少々難がある大ボス相手には特殊武器を使えばいいと割り切るプレイヤーも多く、こちらの方が使用率は高い。 ---アルティメットアーマーの武装にもプラズマチャージが搭載されており、後続作でも採用され続ける名アームパーツ。 ---ちなみにプラズマ時の腕のカラーリングは赤が採用されており、他部位のパーツとカラーリングの統一感から外れて浮いている。『X5』ではストックチャージのカラーでプラズマチャージの性能となっている。 -以上のアームパーツ選択が後作のアーマープログラム制による、複数のアーマーシステムやニュートラルアーマーへ繋がっていく。 ***その他の変更点 -旧作と比べアクション面・システム面共に意識的に難易度が下げられている。ライフアップ等も前作以前と比べかなり見つけやすくなった。 --ゼロの操作に慣れてもらうためだと思われる。 -ハードの変更に伴い、途中再開する方法が、従来のパスワード方式からセーブ&ロード方式となった。 -ボス戦前の会話時やボス部屋へのシャッターを通過する際など、操作できない場面でもチャージが出来るようになった。 -サブタンクの数が従来の4つから2つに減少し、ライフが満タンでなくとも蓄積されるようになった。 --更に「武器エネルギーのサブタンク」が追加された。 -エックスは特殊武器を選択した状態でも通常のバスターが使用できるようになった他、前作までの無駄に長い最大ショットまでのチャージ時間が短縮され、二種類のアームパーツを有効利用しやすくなった。 -フットパーツに新たに追加された滞空能力(ホバリング)は扱いやすさで賛否があるが、使いこなせばボスの攻撃の誘導など痒い所に手が届く性能を持つ。 --ストックチャージ派のプレイヤーにとっては高度調節のためになくてはならない存在だったりする。 -一部演出の変更 --[[X3>ロックマンX3]]まではティウン時、白くフェードしてからフェードアウトしていたが本作からはそれが廃止されて短縮化された。 ---この仕様は番外作品を除いて[[X7>ロックマンX7]]まで継続されることとなり[[X8>ロックマンX8]]で上記の仕様に戻された。 --[[X2>ロックマンX2]]、X3ではボスラッシュでボスを撃破後、すぐにステージBGMが流れてフェードアウトして元の場所へ戻っていたがテレポートする描写を追加。ステージBGMは元の場所へ戻っていた時に流れ始める。 ---簡単に言えば初代ロックマンと同じ形式にしている。 -シリーズ恒例の隠し要素 --今作でも前作までに引き続き通常のプレイではたどり着けない隠し要素が実装されている。 --ゲーム開始時のプレイヤー選択でとあるコマンドを入力するとエックスは「アルティメットアーマー」を入手可能になり、ゼロはボディが黒くなる通称「黒ゼロ」でプレイできるようになる。 ---ただし、強力な「ノヴァストライク」を無制限に使い放題のアルティメットアーマーに対し、黒ゼロは本当にただ黒くなるだけで性能は何も変わらないというやっつけ感漂うものである。制作サイドもさすがにあんまりだという自覚があったのか、X5以降の黒ゼロは性能面でも強化されるようになった。 ---- **賛否両論点 ***エックスの扱い -シナリオや演出面でゼロにはかなり力が入っている一方で、エックスはムービーに登場するのがエンディングのみだったりと今一つな印象を受ける((ゼロはエックス編のエンディングに登場するが、ゼロ編でのエックスは登場しない。一応エンディング以外にも出ているムービーが一つあるが、声のみである。))。ムービー自体もエックス編とゼロ編でそれなりの数の差がある((ゼロ編では中間ステージにムービーがある他、ラストステージでもED以外のムービーが二つ存在するが、エックス編ではラストステージの突入時しかない。))。発売時期のゲーム雑誌でも「影が薄くなった」と指摘されていた。 --エックス編のシナリオは大筋でもある「イレギュラーハンターとレプリフォースの対立」全体に焦点が向いており、エックスはあくまでも「ハンターの一員」に終始している印象がある。とはいえEDゼロのポジションと同じくゼロ編のEDぐらいは出して欲しかった所ではあるが。 --プロデューサー自身が''「『X4』の主人公は完全にゼロ」''と述べた通りの内容で、SS版のジャケットがゼロな事からも察せるうえ、ゼロを最初から最後まで使える点が売りである事は推察できる。とは言え、エックスの扱いについて不満を持つプレイヤーはおり、賛否の種となっている。 --なお、ムービーにエックスがほとんど映らないのは、プレイ状況によってアーマーの装備により外見が変わる事も一因だと思われる((ゲームクリア時のムービーでアーマーの無いエックスが映るが、続編での説明を見ると戦いの中で破壊されたようである))。~ [[X1>ロックマンX]]での会話シーンではアーマーを絶対装備していないオープニングステージでのみ顔グラフィックが表示され、本作ではアーマーに合わせて顔グラフィックが変わるなど、ちゃんと外見の整合性に気を使っているのである。 //-後のシリーズやお祭りソフトにおける扱いはともかく、『X4』ではあくまで「完全にプレイアブルキャラクターに昇格したゼロを宣伝、祝福する」という目的からくるゼロメインの作りである。 //宣伝効果などを見てもゼロを最初から最後まで使えると言う部分が本作最大の売りであるのは間違いないのでエックスの扱いが小さくされるのもある程度は致し方が無いのだが((もっとも、今まで単独主人公としてシリーズを引っ張ってきたキャラにナンバリングタイトルでこういう扱いをするのはどうかと思うが…))、結果的にエックスは『[[ロックマンX コマンドミッション]]』『[[ロックマンX8]]』『[[イレギュラーハンターX]]』が出るまで2番手・裏方に回ってしまう事になった。 //X6はエックスが一番目立ってたし、X7はゼロじゃなくてアクセルを目立たせたゲームだったので -尚、''批判の多くは演出面についてであり、システム面で冷遇されているという訳ではない。'' --ゼロはボスに対して弱点技が機能していないものが多くあるが、エックスはすべて機能しているため、ボスに対してはエックスがかなり有利である。 //--ゼロ編でのアイリスに当たる立ち位置のダブルは実際、かなりの初見殺しで強敵。しかも弱点武器を使った方が難易度が高い攻撃パターンに入るという厄介な相手で、BGMも相まってエックスのシナリオに合った狂気的な強さを見せ付けてくれる。 //ネタバレになるうえ、弱点武器を当てると難易度が上がるというのは賛否両論に近いのでこちらをCO。 --ステージボスを4体倒すとエックスはカーネルと戦闘になるが、ゼロは専用アニメが表示されて終わり。つまりゼロの方が演出面で優遇されているが、エックスの方がゼロより1戦多く戦闘を楽しめることになる。カーネルは終盤でゼロでも戦うことになるが、このエックス専用のカーネル戦は左右に壁が無い為、戦略が全然違ってくる。 --アームパーツを二種類から選択できるという新たな試みもある。 -シナリオについてもムービーが絡まない8大ボスとの会話はエックスの方が優遇されており((テキストの量自体はエックスとゼロで大差ないが、内容的にはエックスの方がボスから名指しされる機会も多いなど。))、更には本人の弱点を敵に研究されてピンポイントで刺客を放たれるなど、決してシリーズの主人公として立場が悪化しているという訳ではない。 -この辺りは''Xシリーズに何を求めているか''で評価が変わるだろう。 ***全体的なボリューム不足 -シリーズ初の上位ハード移行作品ではあるが、丁寧な作りに裏打ちされた良質な作品に仕上がってはいるものの、容量の割にはステージの規模や探索要素が小さく、2人の主人公それぞれでクリアしても総合的なボリュームは物足りなさが目立つ。全体的な難易度が低く、アイテムの隠し場所がセオリー化していたり、アーマーの新能力が地味だったりと新鮮味に欠けている事も拍車をかける。 -ゼロについては接近戦仕様のアクションもありこの限りではないが、エックスではどうしてもマンネリ感が漂う。 -従来のSFC作品と同程度のプレイ時間となるため、後の作品よりも何度もプレイするには手に取りやすいボリュームとも言える。 -エックス編+ゼロ編に加えて、エックスは2種のアームパーツや裏技アーマーなどもある為、周回プレイを行なう楽しさは十分にある。 ***ヘッドパーツや各種武器のバランス -頭部パーツは従来までの微妙な性能とは打って変わり、「特殊武器の通常使用のエネルギー消費がなくなる」というシリーズ屈指の高性能さで、使い勝手が非常に良い。 --しかしこの仕様に合わせてか、特殊武器の威力を全体的にかなり低く調整されてしまった。使い勝手もよくなく、前作と比べるとステージ内での活躍度は雲泥の差となっている。 ---メットールやバットンボーンすら一撃で倒せないものや、効果範囲の狭さの割に合わない威力のものばかり。武器自体の性能は面白いものが揃っているだけにかなりもったいない。 --特にフクロウルから入手できる「ダブルサイクロン」はエックスの斜め上に多段ヒットする竜巻を纏った玉を2つ発射すると言う対空系の特殊武器なのだが、飛び上がっていく高度がエックスのジャンプの最高点と同じな上、効かない敵が多く上への攻撃や多段ヒットという性能を活かすことができないという有様。一応効く敵もいるのだがスルーや他の武器を使ってやり過ごせてしまうためにますますその不憫さが目立ってしまっている。 ---さらに、終盤で戦うボスの中にダブルサイクロンが弱点の敵がいるのだが、彼は弱点を突かれると固有の攻撃をしてくるルーチンになっており、むしろ余計に苦戦するという逆転現象が発生している。 ---チャージ版は「エイミングレーザー」などの強力なものもあるが、エネルギーがフルの状態から4~8発しか打てず(8発のものは威力が低い)、他の作品と比較しても燃費が悪い。 --一応効ボス以外にも弱点武器が設定されているものもいる為、敵やシーンに合わせて使い分けていくことも可能。 ---基本的にストックチャージやプラズマチャージがほぼすべての敵に対して有効なので、そちらをメインで使ったほうが早かったりする。 --そんな特殊武器もボス戦では無類の強さを誇る。 -2種類のアームパーツもプラズマチャージの方が何かと便利に感じる部分が多く爽快感も大きいため、ストックチャージが通好みなパーツと言う扱いをうけてしまっている。 --プラズマチャージが今作では強すぎだったという判断からか、次回作のプラズマチャージは性能の下方修正を施された。 //---これに関しては、その性能に合わせて特殊武器の威力が非常に弱くなってしまっているので、ボス戦以外では恩恵を受けられない。 //↑それは特殊武器を使おうとしていないか、効く敵と効かない敵を吟味していないだけ。 //↑効く敵に使用しても、与えるダメージはさほど大きくないことが多い。 ***その他 -今作はスペースポートを除くすべてのステージがエリア1とエリア2の2部構成に分かれており、エリア2に入るとライフ・武器エネルギー共に全回復する。また、エリア2以降でゲームオーバーになってもエリア2の最初からコンティニューできるようになった、 --アクションゲームが苦手なプレイヤーに易しい仕様ではあるが、シリーズ経験者からは「ヌルゲー」という声も。 --この仕様はX5以降も継続されたものの、2部構成のステージは一部のみに留まっている。X7以降はライフ・武器エネルギーも回復されなくなった。 -ゼロにはキャンセル技が存在する。例として技の出の隙を省略したりする事が可能など見るべき点はあるが、問題は通常攻撃の2段目までは常に簡単なアクション動作でキャンセルでき、かつ対象が無敵状態にならないため、特にボスに対してダッシュと斬撃を小刻みに行うだけで凄まじい時間火力を発揮してしまう。 --もちろんボスが動きを止めている隙を突く必要があるが、人力でも一度の攻撃機会でゴッソリ削り取れてしまう。 -X3での意欲的な新要素の数々が、ゼロプレイとライドアーマー複数化以外全て削除されてしまった。 --確かにX3の時点では洗練されていなかったが、十分にブラッシュアップすればクオリティ向上に繋がるものも含まれていた。それらを玉石混淆のまま捨ててしまったことは大変もったいない。 --X3の意欲的な取り組みをブラッシュアップした結果、ゼロのメインプレイヤーキャラ化や近距離攻撃に特化させたことによるエックスとの差別化、能力の全く異なる厳選された2種のライドアーマーとチェイサーのステージ、ボス4体撃破後のカーネル戦、2種のアームパーツ切り替えなどといった発想が生まれたとも取れる。 -敵に細かなバグ(?)らしき不自然な動作が見受けられる。 --スパイダスステージのキングポセイドン(半魚人のレプリロイド)はゼロの空円斬を受けても何の変化も見受けられないが、通常のジャンプ切りを当てた場合は大きくよろめく特殊動作をする。 --通常ボスは体力が半分になると攻撃パターンが変化するものがほとんど(変化しないものもいる)だが、スプリット・マシュラームだけは一度7体の分身をぶつける攻撃を仕掛けた後、すぐに攻撃パターンを変えてしまう。 -シグマの火力がやや減少している。 --これはゼロに関しての攻撃・防御強化要素が一切無いための救済措置とも取れる。 --なお[[次作>ロックマンX5]]ではゼロに上方修正が入り、強化要素が追加されため前作までの仕様に戻された。 -隠しコマンドが複雑 --ネットがなかった当時解放するのが困難であり、仮に成功したとしても成功したかどうかさえわからない。 --これは[[次作>ロックマンX5]]では大きく改善されることとなる。 -サブタンクの仕様変更 --前3作では満タンの状態でライフ回復を取るとサブタンクが増える仕様だったが満タンの状態でなくても増えるようになった。 --しかし大と全回復で貯まる量が均一されており貯めるのは非常に困難。 --次作、次々作では均一化は改善されていないものの貯まる量が増えている。 --全回復ライフエネルギーでサブタンクが即満タンになるのは[[ロックマンゼロ>ロックマン ゼロ]]までお預けとなる。 //-特殊武器の使用ボタンが△になった。 //--SFC作品では同じ位置にあるXボタンを使う機会が唯の一度も無かったため、慣れるのに結構な時間を要する。 //X4の特殊武器使用はショットボタンと同じ□。△に割り当てられたのはX5から。 ---- **問題点 ***アクション面 -動作スピードが若干低下した。 //もっさりは言い過ぎかなと --SFC作品からスピード感そのものが減少。画面全体に占める主人公の割合が大きくなったことへの調整だと推察されるが、それを考慮しても少々遅い。 -ダッシュ関連のアクションが劣化した。 --ダッシュ速度が遅くなり、エアダッシュの飛距離が縮み、エアダッシュ後の加速が残らなくなった。 //--結果、ダッシュよりダッシュジャンプで移動した方が速いというおかしなことになってしまった。 //ダッシュよりダッシュジャンプのほうが早いのは初代から同じ --モーション描写が細かくなったため、ダッシュ後にブレーキが加わった。このためダッシュ開始時とブレーキ時に立ち判定が残るようになり、姿勢の低さを利用した回避が難しくなった。 -効果音の変化。 --エックスの着地や壁蹴りなどの効果音が鋭い音から妙に粘着質な音に変わったり、チャージショットの効果音がSFC時代から劣化したとの意見がある。 ---着地・壁蹴りはゼロの場合はSFC時代に近い音になっているが、『X5』以降は本作のエックスのものに統一されてしまった。 --ボスの無敵中や雑魚のガード中に起こる、跳ね返し音のキンキンした金属音が耳に障るなどの賛否がある。特に当たり判定が連続で長く残るエックスのプラズマチャージショット、ゼロの雷神撃などで顕著。敵に攻撃を与えた時の爽快感を薄くしているとの声も。 ---テキスト表示も同様に一文字ずつ高い音が鳴るため結構うるさい。少なくともSFC時代は控えめなサウンドが鳴っていた。 -一部ボス戦の賛否。 --物語のキーの一人であるジェネラル戦では、ジェネラル自身の攻撃方法が地味かつ単調な面が目立ち、特にゼロの場合は攻撃タイミングも待ちが多くなりがちで冗長になってしまっている。 //--シグマ第一形態はテレポートをしてくるのだが、出現場所が''弱点武器の攻撃先にどんぴしゃりの位置''。まるで接待ゲームである。 //前座な事、難易度の低さで総括できるのでCO //--シグマ第三形態の片割れはダメージチャンスが少ない上、運要素の強い攻撃を多用する。((この攻撃に対してエックスのプラズマチャージがかなり有利)) //どちらも攻撃しづらい時もあれば攻撃しやすい時もあるため一長一短。そもそも片割れがどちらを指しているのか曖昧 -前述の通り、アームパーツは再びカプセルに入ることで交換できるのだが''肝心のカプセルがステージ後半にある上に非常に厄介な場所に置かれており、そこに辿り着くまでの難易度が非常に高い''ため、一々切り替えに行くのは非常に面倒。 --切り替え以前に、そもそも取得するのも難しいため一度取得したら『X5』や『X6』のアーマーのようにステージ開始時に切り替え可能に出来ていたらよかったかもしれない。 -新たに追加された武器サブタンクの必要性がイマイチ。 --ヘッドパーツがあれば、''チャージしない限り武器エネルギーは減らなくなる''ので、ライフサブタンクを削ってまで武器タンクなど追加するべきものだったのか?と疑問さえ湧く。 --しかも、そのためにライフサブタンクを1つ減らしただけならまだわかるが、実際ライフタンクは''なぜか2つも減らされている''。いくらなんでもこれはあんまり。 --ついでに、ライフタンクの方は、ライフアイテムを取るとチャージされる音がするが、武器タンクの方は''なぜか無音''。 -戦闘前の会話がある弊害か前作まではシャッター出入りの動作中やボス戦前の演出中でもスタートボタンによる武器の切り替えが可能だったが、今作では演出中の武器切り替えが完全に不可能になった。 --その代わりにボス前やシャッター出入りの動作中でもチャージが出来るように。 ***ストーリー・演出 -「レプリフォースは独立する」と作中で述べているが、イレギュラーハンターとレプリフォースの対立から何がどうなって独立国家の樹立に思い立ったか噛み合っていない((「謎の軍隊」によるテロが発生した事でレプリフォースに疑惑が持ち上がり武装解除を要請するも、レプリフォースはこれを軍人への侮辱として拒否、イレギュラーハンターと決別に至っている。人類が無関係な上、独立に際し人類側の対応も描写されていない。))。地球を攻撃できる最終兵器を盾にしてまで宇宙に建国しようとした理由も判然としない((アイリスの台詞からは「レプリロイドだけの国を作りたい」事が示唆されているが、当初の武装解除要請からあまりに突飛し過ぎて動機が異常になっている。))。 //ジェネラルは人類から独立とは言っていない。 --レプリフォースの司令官はOPで、「イレギュラーハンター=人間に尻尾を振ってレプリロイドを破壊する奴ら」「イレギュラー判定基準=人間のいいなりになるかどうかに過ぎない」「やられる前にイレギュラーハンターをやれ」、と吹き込む黒幕に対して''人間への裏切りになるからと断っている''。しかし各地を占拠するようなクーデターを起こす際にはどういう理論武装なのか「ただしこれは人類に対しての敵対ではない」と言っている。黒幕が言ったように心変わりにしても、伏線も描写もなく早過ぎる。 ---イレギュラーハンターから干渉を受けず誰からも指図されることなくそれでいて従来の災害派遣などは宇宙から出動して引き続き行う立場か、あるいは人類ともイレギュラーハンターとも関わりを絶った立場か、ジェネラルがどのような形の独立を目指していたのかもハッキリとしない。(アイリス個人が最期に夢見たのは後者のようではあるが) --公式のストーリー文章では 巨大な軍事力を持ったレプリフォースが、最高司令官の「ジェネラル」をリーダーとして、いっせいにクーデターを起こし、各地を占拠してしまった。 イレギュラーハンター司令部は、ただちにレプリフォース全体をイレギュラーと認定し、エックスおよびゼロに出撃命令を下した。 となっている。ジェネラルは「今や我々レプリフォース全員がイレギュラーと決めつけられた。だが我々もこのまま汚名を着せられているわけにはいかない。」と演説しているが、ストーリーの文章に基づけば演説時点ではまだ嫌疑だけでイレギュラーとはされていなかったことになる。 ---実際イレギュラーハンター側が動いたのもクーデター後。 ---なお『X5』において、ジェネラルに賛同せずクーデターに参加しなかったレプリフォース所属のレプリロイドは普通にレプリフォースを引き継いでいる。 -中間ステージとしてカーネル戦が登場、ゼロ編ではムービーのみとなるが地味に描写が不可解。 --呼び出しの連絡内容があまりに簡素過ぎるのは置いておくとして、いざ現場に赴くとゼロから攻撃を受けた''カーネルは「何をする!?」と困惑する。''%%流れ的に決闘を申し込んだのはカーネルの筈だが…%% --掘り下げは一切ないので「X編と違ってカーネルは話し合いのつもりだった」「実は呼び出し自体が他者による物」といった解釈もすることができない。 --『歩いてきたカーネルをゼロが高所から強襲』するというのも冷静に考えるとあんまりなシーンである。開口一番「見損なったぞカーネル!」なのも全体はともかく、一連のシーンの流れとしては不自然。 //-本作の紹介文でやたらとゼロとアイリスの悲恋が強調されている。 //問題点というほどでは無いかと… -前作まで進行役として顔を見せていたDr.ケイン((設定上ではレプリロイド工学の権威であるキャラクター。シグマの生みの親でもある。))が未登場。 --一応、攻略本付属の設定資料では新型ライドチェイサー「アディオン」の開発者として名前が挙げられていたり、本編でもアニメムービー中でシグマの台詞として名前が出ていたりする((回想なので時系列は『X1』より前だが))ので、出番こそないものの存在が全く忘れ去られている訳ではない。 --後に発売された番外編『[[サイバーミッション>ロックマンX サイバーミッション]]』では普通に登場したものの、それを最後にその後の消息について何の言及もないままシリーズから姿を消してしまった((『X1』リメイクの『イレギュラーハンターX』では特典OVA『The day of Σ』で登場している(原作では名前のみの存在であり、本編には原作同様登場しない)。ただし『X2』〜『X3』に比べると身体の衰えが進んでおり、終盤ではシグマのミサイル攻撃に巻き込まれて爆死したかのような描写になっている。))。 -前作の『X3』でドップラー博士の作ったアンチウィルスプログラムで消滅したはずのシグマが何の説明もなく復活している。 --ストーリー分岐次第では、正気を取り戻したドップラー博士が贖罪として自らを犠牲にし、シグマの本体であるウィルスを滅ぼすという非常に熱い結末を迎えていたのだが、このせいで''彼の決死の行動が単なる犬死に終わってしまった''というなんともやるせない事態を招いている。 --ゲーム内ではウィルス関連の描写や言及すらもない。攻略本では本作で明かされるゼロの過去とシグマのイレギュラー化にウィルスが大きく関わっていることが明記されており、ケイン博士同様設定上は存在しているのだが、シグマ復活に関してはフォローされていない。 ---これらの不可解さから、極一部では「当初シグマは登場しない予定だったが、急遽登場するように変更されたのではないか」とする憶測も広まっている。 ---シグマの目的も、元々はレプリロイドの理想の世界を創ることだったのに、今作あたりから、''世界や地球自体を滅ぼすことに変化してしまっている。'' --ちなみに『X1』『X2』ではそれぞれラストできちんとシグマの再登場を示唆している。 //-エックスプレイでのゼロ、アイリスの扱い、ゼロプレイでのエックス、ダブルの扱いが不明瞭。 //不明瞭以前に、片方のストーリーにしか登場しないし。 ---- **総評 旧作と同様、複雑な操作はなくシンプルな仕上がりとなっている。致命的なバグもないため、従来作と同じく気軽にプレイできる。~ 本作の最大のポイントは、なんといってもダブルヒーロー制の導入だろう。近接攻撃を扱うキャラクターが使えるようになったことは、シリーズに新たな境地を見出したと言える。~ 以降のXシリーズでプレイアブルキャラクターが複数存在することが当たり前になったのも、本作の遺した大きな成果である。~ 演出面では、開発スタッフが目指したかった世界観を提示できた一方で、エックスの扱いが今一つだったり、旧作の硬派なイメージにそぐわなかったりしたため、眉をひそめる旧作ファンもいる。~ とはいえゲームとしては総合的によくまとまっており、後の作品に与えた影響も含め、良作と呼べる作品だろう。~ ---- **余談 //-エックスは後続作でもしばらくの間微妙な扱いをされている。上記のとおり主人公として復権したのはRPG作『[[ロックマンX コマンドミッション]]』。 //--結果的にエックスは「2番手・裏方に回ることが多いキャラ」と言う印象が付き纏う事となった((ほかのゲームにゲスト参戦した回数もゼロの方が多かったり、ゼロのほうが優遇されがちである))。他ソフトへのゲスト出演もゼロだけと言うことが多いのもエックスファンの神経を逆撫でする結果になってしまった。 //X6を忘れてあげないでください。 -本作の発売後はしばらくの間シリーズ新作が制作されなかった。3年後にようやく『[[ロックマンX5]]』が世に出たのだが…。 --ファンの間では「制作側の力の入れ様とは裏腹に売り上げ実績を残せず、シリーズが一時凍結されたのではないか」とする見方が多いが、ハッキリとした理由は不明。 --ちなみに本作の売り上げはPS版のみで約20万本。数字だけ見れば初作の半分以下であるが、元々続編が発売される度に売上は落ちており、本作で急激に悪化した訳では無い。 ---Xシリーズはこの作品以外12月前後に発売されているが、この作品だけ8月発売になっており、そうしたマーケティング戦略のミスも要因となっているように思える。 -ビストレオステージのライフアップは何故か順路に野ざらしで置かれている。 --ライドアーマーで下の地形を破壊すると台座のような出っ張りが現れる事を考えると、本来は地形を破壊すると見つかるように作られていたが配置を間違えてしまったものと思われる。 -本作のボスラッシュの配置はステージセレクト画面に対応している。 -CV担当の変遷 --エックスのCVを務めた伊藤健太郎氏は本作のみに限られ、『X5~X7』では森久保祥太郎氏が担当し、2004年に発売された『ロックマンX コマンドミッション』以降は櫻井孝宏氏が担当している。2度の声優変更があったのはエックスだけ。((森久保氏は声質はともかく「エックスのイメージに合わない」という意見があった。本作で伊藤氏のイメージが付いた為という事も考えられるが、森久保氏の演じるキャラクターはイケメンだが癖の強いキャラが多いためと思われる。)) ---不思議なことに海外版ではエックスの吹き替えをなんと''&color(red){女性}''が担当(!)している。普段は勇ましい掛け声を上げるので少年寄りの役柄…かと思いきや、''&color(red){ムービーシーンでは完全に少女の声色である}''。……向こうではエックスの内面を「女性的」と捉えているのだろうか? ---一応、過去作でも『X1』にて波動拳使用時に少年的な甲高い掛け声を発していた例はある((このボイスの担当声優については関係者間で証言が食い違っており、真相は不明。))。 //また、「[[ロックマン ゼロ]]シリーズ」でも、彼のクローンと言えるコピーエックスを女性の声優が演じている。 //↑コピーエックスの声優は風間勇刀氏であることが公式から明言されたので、誤情報かと。 ---もっとも、彼女に関しても本作だけの担当となり、『X5』『X6』は日本語ボイスのみで吹き替えは行われず、『X7』以降は日本版と同じく男性声優による青年的な声が当てられている。 //((ちなみに日本でもX1にて(波動拳のボイスのみだが)女性声優(緒方恵美氏)が担当していた。そちらはまだ「少年役」のイメージが濃い声優なのだが。)) //誤情報によりCO --ゼロ役の置鮎龍太郎氏とシグマ役の麦人氏はシリーズ通して演じ続けている。VAVAは『X8』で麦人氏が演じていたが、イレハンでは下崎紘史氏に交代した。 ---なお、「ロックマン ゼロシリーズ」では、風間勇刀氏がゼロを演じている。 -ボンボンとの決別 --本頁冒頭で述べたプロデューサーの発言に応えるかのように、コミカライズ版『X4』はそれまで以上にハードな展開を続けていた((プロローグだけに2話費やした程。このプロローグでは本作のゼロがなぜエックスとは別に戦っているのか、なぜバスターを使わなくなったのかを独自設定で描いている。))。~ しかし1998年7月15日、突然''誰が見ても打ち切りにしか見えない形''で終了した(8大ボスのうち3体が、''戦闘シーンも無くいきなり死体になっている''など)。 --続いて本家『ロックマン』の連載も打ち切られ、以降同誌からロックマン関係の記事が一切姿を消した(正確にはGBA版『ロックマン&フォルテ』までは、新作ソフトとして紹介されたが…)。~ これは当時の誌面刷新の一環であり、岩本氏も後に自身のサイト上で「大人の事情があった」と答えている。 --後に復刊.comにて要望が募り、旧作及び本作の新しい単行本化が実現した。旧単行本未収録話も収録、ボスとの戦闘シーンなどが加筆されている。 -限定版には当時販売されていた玩具シリーズ「メガアーマー」が付属していた。 --素体にアーマーパーツを取り付けることでエックスの武器チェンジやアーマー換装を再現するシリーズで、ゼロや『X3』の敵キャラ、ライドアーマーまで立体化されていた。 --本作に付属したのはエックスの専用素体と隠し装備であるアルティメットアーマー。設定イラストにあるアーマー単独での飛行形態も再現できる優れものであった。しかし、これを最後に国内での展開は終了している。 ---海外では『X5』や『DASH』のシリーズも展開された。 -PS版には『[[ロックマンDASH 鋼の冒険心]]』の体験版が付属していた。 --通常、おまけディスクは配信されないゲームアーカイブス版でも収録されており、珍しい例となっている。同内容を収録した『ロックマン バトル&チェイス』にも入っている。 -オープニングの最後のシーンはTVアニメらしい「主要キャラが全員集合」という構図になっているのだが、ゲーム内では''エックス・ゼロ以外全員敵かつ死亡する''ため、その和気藹々な雰囲気とのギャップがしばしばネタにされる。 --前作のPS・SS移植版のオープニングでも同様の構図が見られたが、こちらは全編通して「ドップラー博士がエックスの過去の戦いの映像を見ている」という描写になっており、集合しているキャラもドップラー博士とその側近の敵側キャラしかいないため、さほど違和感はない。 -ネットメディアでの扱い --とある動画投稿者によって作られたMAD動画の影響か、回想のイレギュラーハンター隊長だった頃のシグマがイレギュラー時代のゼロに挑むシーン(通称:部下と隊長)やゼロがカーネルに挑発するシーン(通称:見損なったぞカーネル)等のムービーが妙な人気になっている。~ 特に後者は同名のキャラクターが登場する[[エグゼ5>ロックマン エグゼ5 チーム オブ ブルース/チーム オブ カーネル]]、[[エグゼ6>ロックマン エグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー]]の動画でもネタにされる事がある。 -主要人物のアイリス、ダブル、ジェネラルにはボロボロの状態の顔グラフィックしかない。 --ひょっとするとこれは容量の都合で、もし仮に容量に余裕があったら通常版も作っていたのだろうか? --ダブルは本来の姿のみでありイベントの会話的に仕方がない面もあり、仮の姿の方の顔グラフィックは存在しない。(代わりに仮の姿は没データがいくつかあるが) --逆にカーネルは通常状態の顔グラフィックしかない。 --アルティメットアーマー・黒ゼロに至っては顔グラ自体がなく、前者はフォースアーマー姿のエックスで代用しているという珍現象が見られる。 -本作で登場したカーネルとアイリスは兄妹となっているが、これは元々一体のレプリロイドとして生み出されたことに由来する。 --レプリフォースの開発部は伝説のロボット「ロックマン」のように「平和を願う心」と「闘争心」を両立させたレプリロイドを生み出したが、相反する二つのプログラムにより暴走。結果として二つのプログラムは別々のレプリロイドに分けられた。~ こうして生まれたのが「闘争心」を持つカーネルと「平和を願う心」を持つアイリスである。~ ただし、アイリスは「レプリロイドだけの世界」を志しており、人類のことは何も考えておらず、彼女の考える「平和」はシグマに近い、歪んだものであることも事実である。これはゼロと敵対させるためのエッセンスとして機能している一方で、彼女が(エックスやゼロの考え方からすれば)イレギュラーである証左にもなっている。 --しかしこういった開発経緯の設定はゲーム中では一切語られず、アイリスが変身した姿は要するに何なのかは資料などを読まなければ知りようがない。 ---なお、後のスマホアプリ『ロックマンXDiVE』にはアイリスが戦闘型になった『渾然たるアイリス』が登場。アイリスが持つ「平和を願う心」とカーネルが持つ「闘争心」が合わさった、レプリフォースの理想を体現したようなレプリロイドとなっている。 -2018年のシリーズ生誕30周年記念プロジェクトにおいて、Windows(Steam)、Nintendo Switch、PS4、Xbox One移植版が『[[ロックマンX アニバーサリー コレクション]]』として2018年に発売された。 --しかしパッケージ裏のX4の枠で''ストックチャージショット装備のアルティメットアーマー''がジェネラルと戦闘している不可解な描写がある。 ----

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