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本項目ではプレイステーション用ソフト『アークザラッドII』と、その関連作品『モンスターゲームwithカジノゲーム』の紹介をしています。 ---- #contents(fromhere) ---- *アークザラッドII 【あーくざらっどつー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069SPT)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1996年11月1日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |廉価版|PlayStation the Best:1998年7月9日/2,940円&br()PS one Books:2001年11月22日/1,890円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年11月14日/600円(PS3非対応)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[アークザラッドシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- **概要 「光と音のRPG」がキャッチフレーズのRPG『[[アークザラッド]]』の続編。~ 前作が「シナリオが短く中途半端」と批判されたのに対し、本作はそのストーリーの完結編的位置づけでもある。 ---- **特徴及び評価点 -前作の物語の続きではあるが、ストーリーは新主人公「エルク」の視点から始まり、新しいキャラと舞台による展開がしばらく続く。 --前作では精霊の力を得た主人公「アーク」が世界を救う手段を求めて奔走する話だったが、本作序盤は「ハンター」であるエルクがモンスターを操る少女リーザと出会い、やがて自身の過去の因縁に決着を付けに向かう…と言う、一見前作とあまり関係なさそうなシナリオとなっている。しかしストーリーが進むにつれて前作とのリンクが強まっていき((コンバートした場合だと、エルク視点の頃にもアーク達の活躍を描くイベントが挿入される。))、やがてエルクとアークの物語は交差し、一つに収束していく。 --アーク一行はテロリストとして指名手配されていたり、ある理由からエルクに仇として敵視されていたりと当初は(前作の彼等を知らない人からすれば)悪と思えるような描かれ方をされるが、徐々に彼等もエルクの物語の舞台上に姿を現し、エルク一行と関わり合う事になる。 ---しばらくエルク一行がバラバラに行動する期間があるのだが、ここでエルク側の各キャラがアーク側のキャラと出会い、行動を共にするという形で少しずつ合流していく。前作からプレイしている人は、手塩に掛けた二つのパーティが徐々に手を取り合っていく展開に胸が熱くなる事請け合い。 --中盤にはアーク一行とエルク一行が完全に合流し、以降はアークとエルクのダブル主人公と言った形となる(余談で述べる通りかなりアーク寄りだが)。ここからが前作の戦いの本格的な続きと言え、前作で決着をつけられなかった敵とも決着をつけられるようになった。 -後述の通り暗めのストーリーだが、鬱や暗い展開一辺倒ではなく、希望的な明るい展開や心温まる感動的なエピソード、シュールなギャグやメタ発言なども数多く存在する。 -シナリオのボリュームは膨大で、特に悪役「四将軍」の1人ガルアーノとの戦いはストーリーの半分ほどを占め、ガルアーノ本人との戦いもBGM"四天王戦"との相乗効果で迫力がある。~ 前作の問題点でもあったボリューム不足を補って余りありすぎる大作となっており、「茶碗一杯で少なすぎると文句を言ったら炊飯機ごと出てきた」と某雑誌のレビューでもネタにされた。 -魅力あるキャラクター。 --前作の見どころだった「随所で声優によって吹き込まれた台詞を喋る」は健在。またドット絵ながら多彩なアニメーションを見せるのも魅力の1つ。 --本作での仲間は新キャラ7人((火のエルク・水のシャンテ・風のシュウ・地のリーザ・光のグルガ・闇のサニア・属性なしのヂークベック。))+前作の七英雄5人((前作も仲間キャラは7人だったが、一人はストーリーの関係でスポット参戦、もう一人は司令官的ポジションで非戦闘員になっている(代わりに彼の特殊能力で召喚できた召喚獣が仲間になる)。))+隠しキャラ1人+αとかなり多く、これに加えてモンスターを仲間に加えることが可能(後述)。 ---ただし戦闘に参加できるのは5人まで。またモンスターは防具を装備できないため、防御力や状態異常耐性に劣る。 --新キャラ・旧キャラ問わず、全員に''必ず1回以上は個別エピソード・見せ場が存在''するため、ストーリーでのキャラの空気化はほとんど無いと言っていい。 ---但し、序盤でほぼ決着が付いてしまうシャンテや、水先案内人という立ち位置のポコとゴーゲンはやや出番が少ない。それぞれグルガ、エルク、リーザの引き立て役という感じである。 -広大な世界観 --前作の舞台となった国は全て再登場する他、新たに多数の国に訪れる事になる。それぞれの国で文化や風土が異なり、一般的なRPGによくある中世的な世界観のみならず、ビルの立ち並ぶ近代都市からウエスタン、アジアン、ヨーロッパ風…と様々な文化を取り入れているのが特徴。 ---魔法や精霊などが登場するいわゆるファンタジーに属するが、その一方で近代的なハイテク兵器や巨大飛行船、研究所、改造人間等のSF的要素もかなり強い。 --前作でもややオリエンタルな国から始まり、アジアン、アラビアン風など、王道的な中世ファンタジーとは少々異なった雰囲気の国を巡ったが、本作は登場する国が激増した事で、更にバリエーションに富んだ世界となっている。 ---無論、再登場した前作の舞台も全てRPGマップとして作り直されている。 --これらの要素が調和して、王道かつ斬新な世界観に仕上がっている。 ---本作は近代都市から始まるので、前作の直後だと本当に同じ世界観か疑わしくなるかもしれないが、ストーリーを進めて様々な国が登場しても違和感が殆ど無く、驚くほど調和が取れている事が分かる。 --尚、本作の世界は''現実の世界地図''にどことなく似たものになっており、その位置にある現実の国の文化や風土を意識した国が多い。多種多様な国が入り混じりながらも調和が取れているのも、現実の地球に準えているからかもしれない。 ---前作は上述のような雰囲気の国を巡った訳だが、それもそのはず。前作の冒険範囲を実際の地球に当てはめるとアジアや中東近辺に当たるからである。 -より進化した戦闘システム。 --戦闘システムは基本的に前作と同じなのだが、攻撃時のエフェクトやSE、スピード感は大きく進化。「槍」や「マシンガン」など遠距離に攻撃できるものをはじめ、武器の種類も大きく増えた。 --一部を除いたほぼ全てのキャラクターは、2~3種類の武器を装備可能。これにより様々な戦い方が可能となった。アニメーションも各種個別に用意されている。 --各武器には熟練度システムが設けられており、これが上がる事でより高いダメージを与えられるようになり、攻撃エフェクトも多彩化していく。 --魔法や技などの特殊能力の数も大幅に増えた。また、前作と違ってレベル1-3を任意で使い分けられるようになり、利便性が大きく向上している。 ---ただし、ディバイドや天の裁き等の一部の魔法は最大レベルでの射程範囲がレベル2の時と変わらなくなり、範囲の点では前作と比べると微妙に弱体化しているものもある。 -基本システムも一般的なRPGのものとなった。 --元々前作は戦闘とイベント以外は全体マップから目的地を選択する程度で、むしろ戦闘システムと合わせてシミュレーションに近いゲーム内容だった。サブイベント自体は多数用意されていたが行ける場所は少なく、主人公を操作できるのも一部のマップだけで、ストーリーを進めるのとアイテム探し以外は基本戦闘ぐらいしかやる事が無かった。 --今作からは各種ショップに、街やダンジョンの探索と言った要素が追加され、正真正銘RPGを名乗れるシステムとなっている((奇しくも数ヶ月前には同じくソニーからSRPG風の戦闘システムを持つRPG『ポポロクロイス物語』が発売されている。))。 -武具・アクセサリー・アイテムの成長システム --キャラクターや特殊能力はおろか、武器などにもレベルが設けられており、戦闘で使い込む事でより強力になっていく。 ---また、武器によっては名前が変化し、能力値上昇やステータス異常付加などの様々な特殊効果が付くものもある。 -鍛冶屋・合成屋システム --武具の成長システムに伴い鍛冶屋システムを追加、費用を支払う事で武具を強くする事ができる。 ---また、前述の特殊効果の追加はこの鍛冶屋でも可能。中には鍛冶屋でしか追加できない特殊効果もある。 --一定条件を満たす事で、レベルの上昇とは別に、最大レベルの底上げや最大攻撃力の更なる向上を行う事ができるようになる。 ---ランダム要素がある上に膨大なお金が掛かるのでかなり骨が折れるが、膨大な時間と乱数の果てを極めると鬼のように強くなる。 --特定のアイテム複数を使用して強力なアイテムを作り出す「合成屋」なる店も存在する。 ---後述のバグで出なくなったアイテムを素材とする合成アイテムがあるため、2重の意味でアイテムコンプリートは不可能になっている。 -コンバートシステム --前作『アークザラッド』のセーブデータを引き継ぐ事が出来る。 --前作からのメンバーのステータスがそのまま引き継がれ、コンバート専用アイテムや前作にまつわるイベントの追加挿入などの特典がある。 ---特に前作で隠し仲間キャラ扱いだった「ちょこ」を仲間にしていると、彼女に関するイベントが追加されるという側面は大きい((ただ仲間にするだけなら本作のみでも可能。))。 --後に様々なゲームに受け継がれる機能だが、プレイステーションではこのゲームで初めて使用された。 -仲間モンスターシステム --キャラクターの一人であるリーザが特殊能力「ラヴィッシュ」を使用する事で、一定確率でモンスターを仲間にできる。 ---ただしアークデーモンやTYPE-Aクローン、ボスなどの一部のモンスターは仲間にできない。 --クラスチェンジ(条件付き)を利用する事で仲間モンスターを別種のモンスターにチェンジさせる事ができる。 ---クラスチェンジをすると姿または色が変化し、ステータスが変動する他、変化させたモンスターの持つ特殊能力を新たに覚えさせる事ができる。 --上述のようにモンスターは防具やアクセサリーを装備できないという大きな欠点があるが、一部のモンスターは人間キャラには無い独自の強みを持つ。 ---例としては、防御率・回避率が高い、移動力が広い、モンスターによっては専用の特殊能力を持つ、アンデッド属性((普通の攻撃で倒されてもHP1でとどまり行動不能になるだけになる。しかも少し後に一定量回復して復活する。行動不能状態に追撃をすることで初めて撃破扱いになる。光属性攻撃で倒すと即座に撃破となる。))を持つ等。 -モンスター図鑑 --前作同様、プレイヤーキャラやモンスターの情報を閲覧できる図鑑。 --リーザの特殊能力「調べる」をモンスター(敵味方問わず)に使用すると、モンスター図鑑にてそのモンスターの情報が詳細に記されるという一種の収集要素がある。~ また、情報が登録されていれば敵であっても戦闘中に詳細なステータスの確認ができるようになる。 ---ただし図鑑に載るモンスターに限られ、一部の敵やボスは調べても図鑑に載らず、詳細なステータスも表示されない。 --今作ではプレイヤーキャラやモンスターの種類が前作の2.5倍以上と大幅に増えているが、モンスターのクラスチェンジや、特定キャラの特殊能力「チェンジエネミー」を活用すれば図鑑を埋めていくのは比較的容易。 --リーザが調べた体になっているので、図鑑には彼女の一言コメントが載っている。…が、極めて主観的な感想や辛辣なコメントも少なくない。~ 例:キラードッグ(パンディット)…普段はおとなしくて、頭のいい子なの。みんなこの子みたいだったら、戦わずに仲良くなれるのにな。~ エルク…私のお友達。危ないときには頼りになるわ。でも、いつもは''私がいないと何もできないの''。~ グルガ…''いつもハダカでカゼひかないのかな?'' -ギルド --依頼をこなしたり、各ギルドにポスターに貼られている指名手配モンスターを倒すことによって現金の報酬と「ギルドポイント」を受け取ることが出来るというもの。依頼の遂行や手配モンスター討伐を請け負うことで、サイドストーリーを楽しむことが出来るようになった。 --依頼の中には分岐やミニイベントがあり、その結果によって報酬を全額もらえる大成功の他に中成功・小成功・失敗が存在する。当然大成功以外は報酬が落ち、大成功以外が多いと「ギルドポイントを一定以上得る」という条件が必要な依頼が開始できなくなる。 --ゲーム内では全く書かれてないが依頼はストーリーが進むと消滅((受注してからクリアしないままその依頼の消滅時期を過ぎると「他のハンターが終わらせた」という事になる。))してしまうため、サブイベントなどのメリットを最大限に得るためには出ている依頼はどんどん受けていき解決していくべきである。また、依頼人と話して仕事を開始してから依頼達成に時間をかけたり、ギルドで依頼を受ける時期自体が遅いと悪い結末になるものも一部ある。 ---やや面倒だが、イベントを進めて自由行動が可能になる度に逐一各地のギルドをチェックすれば基本的に取り逃しはない。しかしごく一部には別の発生条件があったり、受注可能期間が極めて短いものもある。 --手配モンスターはおおむねレアアイテムを持っており、倒すか盗むかして入手できる。手配モンスターの中には依頼の途中に立ちふさがるものも存在するので、全てのアイテムを見るためには依頼も手配モンスターもこなす必要がある。 -ヂークベック --新登場の仲間キャラクターの1人((ストーリー中に登場はするが、仲間にするのは任意。))。ロボットなのでレベルアップはしないが、獲得した経験値を蓄積し、後から仲間達に分配することができる。 ---本作は相手とのLV差が大きい程経験値の量も変化し、強い敵を倒さなければ効率よくレベルアップは出来ない。しかしヂークベックのレベルは常に1であるため、必然的に獲得経験値は多くなる。これを上手く活用すれば効率的なレベル上げが可能。 --ヂークベックは成長しないため、各地の遺跡に隠されたパワーユニットを装備する事で強くなる。これもやり込み要素の一つに。 ---更に、これに関連した隠しイベントも用意されている。 -改名 --ほとんどのアイテム、仲間モンスターを改名可能。漢字もある程度備わっている。 ---ただこのことがアイテム最大所持数を落としている可能性もあるが…。 //---この時期のRPGには時折あるシステムだが、このボリュームでバグなく実装できているのが素晴らしい。←この点においてバグがないかもしれないが下記のバグが多い記述と合わせると変なのでカット。 -高い自由度 --グレイシーヌ攻略後は世界を巡ることができるため、封印の遺跡を攻略するもよし、ギルド仕事をクリアしまくるもよし、仲間モンスターを集めるもよし。 ---後述するが、システム面の自由度も相当なもの。バグまで絡めるとさらにできることが増える。 -小ネタ --本作は操作キャラの切り替えが可能であり、一部には操作キャラによって反応が変わるNPCやオブジェクトが存在する。そのキャラの個性をしっかり反映させたネタも多く、見つけるとちょっと得をした気になる。 ---ちょこは前作でコンバートして且つ最短で会うと、あるキャラの単独行動中というかなり特殊な時期に仲間に出来る。ストーリー的には明らかにあり得ないのだが、それでもちゃんとちょこの有無による台詞の差分が用意されている。 -こういった多彩なシステムにより、ディスク1枚のみでありながらやり込み要素が恐ろしい事になっており、サブイベントをも網羅すると100時間近いプレイ時間となる。 -BGMはF1のテーマこと「TRUTH」や『[[グランツーリスモ]]』のメインテーマ「Moon Over The Castle」などでおなじみの安藤まさひろ(T-SQUARE)が前作から引き続き担当。明快なメロディでダイレクトに感情に訴えかけてくる楽曲の数々はいずれも名曲揃い。前作の曲も多く使用されている。 ---- **賛否両論点 -アイテム欄が96(縦6*横16)しかなく、中盤以降はすぐいっぱいになってしまう。アイテムコンプリートは不可能。 --前作のような種類毎の個数管理も出来ず、同じアイテムでも複数所持すればその分だけアイテム欄を埋めてしまう。 --消費品と装備品、貴重品の区別がなく、成長・鍛冶屋システムの関係でアイテム一つ一つに非常に細かくパラメータを設定して管理しているのが原因になっていると思われる。 --ギルドの依頼のイベントに依頼成功させても捨てられず使うこともできないアイテムが残ってしまうものがある。プレイの利便性を考えてその依頼を無視するのも手((BEST版以降は修正されている模様。))。 --見方によってはアイテム欄が限られているからこそ、アイテムの取捨選択という思考性があったり、プレイヤーによって所持アイテムの構成が変わってきたりして、面白い部分でもある。しかし、アイテム種類が非常に多く、コレクション性の高い本作においてはその方面のやり込みと噛み合っていない設計なのも否めない。 -攻略情報がないと''極めて気付きにくい''要素や取り返しがつかないものが多い。 --期間限定のギルド仕事で、また仕事を大量にこなすことが発生条件で報酬も貴重な「海龍の卵返却」、レベルアップ時にキャラの攻撃力に成長ボーナスをつける武器「骸」((本編中イベントで2回だけ戦闘になるマップでのみ入手可能。余談だが、鍛冶屋の説明を見る限りでは「攻撃時に自傷ダメージも入る」という能力になるはずだったような設定がされている。つまり成長ボーナスは設定ミスと考えられる。))、強力な合成武器「光の剣」の材料である「炎の剣」((ストーリー中一度しか来ないイベントマップの戦闘中に、極めて低確率で手に入る剣であり、知らなければまず間違いなく取り逃す。知っていても直前のセーブポイントが非常に遠く、繰り返し作業にも時間がかかる。))、入る期間が限定されている海底油田の指名手配モンスター((四将軍の1人を倒しに海底油田に訪れるのだが、撃破後にしか該当モンスターには出会えない。四将軍撃破後は時間制限有の脱出をこなす必要もありアイテムの回収をしつつだと結構大変。さらにその部屋は脱出過程で寄る必要はない。一応ボス前にセーブ地点はあるので取り返しはつきやすい。))、とあるボスの''お供''が持つレアアイテム((取得経験値1.5倍という美味しいアクセサリーで、コンバートでも手に入るのだが本編中で入手できるのはここだけ。))など。 ---発売当時は攻略本や雑誌による情報を見るまでこれらに気づかなかったプレイヤーも多かった。 //(そのマップの敵も弱いので取得に苦労する)←逆では? --評価点で上述した通り、鍛冶屋は条件を満たすと項目が増えるのだがそれについての説明は皆無。どうやったら項目が増えるのか、そもそも何の項目があるのかも一切教えてくれないため、初見では何も分からない。 ---増える条件も知っていても、''長時間のボタン連打''を伴う面倒な操作が必要になる。 --ちょこ関連のイベントは情報無しではまず気付けないほどに複雑。しかも行動によってはフラグが折れてそれ以上進行不可になる。挙句、前作でちょこを仲間にしたデータをコンバートしていないと、ちゃんとイベントを進めたとしても''一番気になる所でイベントが終わってしまう''。 --他にも期間限定のモンスター、特定のイベントの戦闘でしか会えないモンスターも多い。「ラヴィッシュ」で捕まえたいときは要注意。 -鬱ゲーとまではいかないがストーリーは全体的に暗く、主要キャラの家族・友人といった大切な人物の死別が何度も描かれ、人類世界が破滅に向かっていく様が何度も描写される。 //ネタバレ。特に、ラスボスの直前に大きな災厄が起き、塔の高みにいたアーク一行以外の生物がほぼ息絶えてしまうというイベントが名高い。3でいう「大災厄」であり、その情け容赦ない破滅ぶりは新桃太郎伝説のカルラの悪行やFF6の世界崩壊に引けを取らない。またラスボスを封じるための聖櫃も破壊されてしまううえ、精霊力の衰えも激しく描写されるので終末感が半端ない。しかし、ドラマ性を高めるためとはいえ、ここまで完膚なきまでに世界を崩壊させてしまったせいで、続編以後のシナリオの出来に大きく響くことになった。特に直系の3は世界が崩壊しきった後の世界であるため2とはあまり関係がなくなっている。←ネタバレはregionタグでやりましょう。うっかり見てしまいます。それに異様に長いです。他ゲームに例えるのも知らない人にはよろしくない。またこの時点で存在しない3のことは3の記事で記述するべきです。 --ゲーム開始直後のオープニングから虐殺シーンが始まるあたりで察して欲しい。それに伴い、敵は揃いも揃って反吐が出るほどのド外道ばかりなので、何の気兼ねも無く思い切りぶちのめす事が出来る訳でもあるのだが、そこに至るまでの胸糞悪さは覚悟する必要がある。 --ラスボス~EDの内容も有名である。本記事では詳細は避けるが、これまでの戦いは何だったのかと徒労感と絶望感に苛まれる事請け合いで、ラスボスを倒してもそれが綺麗に解消される訳ではない。 ---無論、ただ絶望なだけのバッドエンドで終わる訳ではないが、本作の描写だけでは僅かに残っているとされる希望も見え辛く、膨大なプレイ時間と陰鬱なストーリーを乗り越えたにもかかわらずクリアのカタルシスは薄い。 ---結果として、これらに関しては続編でフォローされていく事になる。 ---- **問題点 -敵を倒した際の演出 --敵をまとめて倒しても撃破時のアニメーションは順に1つ1つ消化されていく。その為雑魚をまとめて倒した時などでは無駄に時間が掛かってしまう。 --前作では同時に倒した場合は一斉に消えていったのだが。今作では敵を倒した後に資金を入手した事を表す演出が入るため、処理の関係でまとめて同時にはできなかったのだろう。 ---やはり問題視されたのか次回作では資金の演出は無くなり、前作同様の一斉に消える方式に戻った。 -特技にあたる特殊能力の火力が総じて低い。 --特に顕著なのはトッシュの「桜花雷爆斬」などの物理系特殊能力。MPを使うにもかかわらず、「魔法のりんご((装備すると毎ターン攻撃補正が入る「チャージ」が1回だけ掛かった状態になる。))」を装備して通常攻撃を仕掛けた方が圧倒的に強いし、使い勝手も良い。 --範囲攻撃であれば使い勝手の面では気にならなくなるものの、火力の面においては通常攻撃との差を埋められるほどではない。魔法系特殊能力でもギリギリ使用に堪えるのはゴーゲンやサニアなどの一部の魔法系キャラに限られる。 --前作では主力として使っていけたような特殊能力も軒並み弱体化。例えば終盤の敵も一掃できるほど高威力だったアークの「ゲイルフラッシュ」などは今作ではごくごく普通の攻撃魔法に。 ---チート級の威力を誇ったフウジンとライジンの連携技は文字通り桁違いに弱体化しており、最早使い物にならない。 --特殊能力はレベル1-3まで補正を選べるが、レベルが上がると攻撃範囲が広まる特殊能力はともかく、威力補正の方は多量のMPを消費するにもかかわらず補正が低い。 -終盤の難易度がきつめ。育成に適した狩場がほとんど存在せず味方のレベルが上げにくくなるのに対し、敵のレベルは変わらずに上がっていく。 --詳細は後述するが、パーティメンバーの多さに対して戦闘での出撃枠は5名分しか無く、控えメンバーに十分な経験値を行き渡らせる手段も限られており(後述するが、無いわけではない。)、明らかにバランスが取れていないのも拍車を掛けている。 ---そのため中盤以降は5名ほどの主力メンバーで固定されやすく、ゲームを進めるにつれて育成が不十分なキャラが出やすい。にもかかわらず、いくつかパーティを二手に分けて同時攻略しなければならない場面や特定キャラの強制出撃が存在するのが厄介。 //--主力メンバーを5名前後に抑えて育成すれば極端にレベル差は開かないが(というよりそうせざるをえないが)、いくつかパーティを二手に分けて同時攻略しなければならない場面や特定キャラの強制出撃が存在するのが厄介。 ---ヂークベックの経験値分配機能を使えばある程度解消されるが、ヂークベック自体があまり強くないキャラ((後述の通り通常攻撃の命中率に「敵とのレベル差」が大きく影響する本作において「レベルが1のまま固定」のヂークベックは後半になればなるほど通常攻撃が当たらなくなるという問題を抱えている。また装備も専用の物しかなく特殊能力も安定ダメージは狙えるものの高火力にはならないため終盤で扱うにはかなりきつい))な上に完全に作業プレイ状態になってしまうのも辛い。~ また、この方法では武器の熟練度や魔法経験値が伸び悩むので完全に対策できるとも言い難い。 ---実は終盤の稼ぎ用に用意されるはずだったと思しき没マップが見つかっていたりする。正式に実装されていれば解消されていた問題点だったかもしれない。 --通常攻撃の命中率は自分と敵のレベル差で決まるのだがその説明がなく、上記のレベルの上げにくさと相まってなかなか解決方法に気付かない。そのため、レベル差が開きがちな後半以降に理由も分からず攻撃を外しまくって苛立ったり、魔法一辺倒になってしまう事も。 ---ただ、通常攻撃の命中率に関しては、相手が眠り・麻痺・石化・暗闇状態であればレベル差に関係なく必中になるため、これらとの連携であれば魔法一辺倒でなくても立ち向かえる。その他、チャージを使えば大ダメージを叩き出しやすく、回避もされないので、これらのシステムを知ることが重要と言える。 --ラスボスの強さも異常。詳細は伏せるが、第一形態の時点でHPはラスボス1歩前のボスの約3倍。第二形態のHPは第一形態の2倍で、直前のボスの6倍である。直前のイベントとの相乗効果もあり、ちょっとしたトラウマになることも。 ---外見こそ巨大だがあくまで1マスに収まる1ユニットと言う扱いで、しかもマップ端の1マス飛び出た部分に常に陣取る為、通常攻撃の場合は斜め攻撃や遠距離攻撃の出来る武器以外ではラスボス正面のマスからしか攻撃出来ない。HPの多さと相俟ってとてつもない長期戦になりがち。加えて純粋なパラメーターも高く、しかも魔法攻撃はMP消費無しで無限に放ってくる。 ---このラスボスに対抗するためには、やはりラスボス戦に参加させる一部のキャラだけを集中的に育成することになる。 ---その対策なのか、ラストダンジョンの無限に敵が湧く部屋にはアンデッドの高レベルモンスターが出現する。ひたすらヂークベックでトドメを刺して経験値を稼げという事なのだろうか。 //-後半以降敵レベルが急なインフレーションを起こし、敵のLVと能力値が上がる。味方キャラを均等に使っていると到底追いつけない。むしろ絞っていてもきつい。 //--正確には、敵レベルのインフレではなくこちらのレベルアップが遅くなる。 //--ギルド仕事や封印の遺跡等のサブイベントをフルにこなしていてもきつい。 //--にもかかわらず北極・南極の塔で2PTに分かれるため10人LVを上げておかねばならずそもそも絞るわけにもいかない。 //↑攻略情報ありきの部分なのでカット //攻略情報ありきって…そういう問題じゃないと思う。何も知らずに北極南極の塔に入ってしまって「初めて」10人育成するべきことに気付き結局育成することになる。それまで育成していなかったキャラを適正にするには時間がかかるし、攻略情報無しということはどちらにボスがいるのか知らない=どちらにエースを連れていけばいいかわからない。 //--また味方キャラが多いのに対して出撃枠が5人と少ないこともあってメンバーが使いやすいキャラで固定化しやすい。 //--通常攻撃の命中率は自分と敵のLV差で決まるため、後半は攻撃を外しまくってイライラする。 //---『命中率』というパラメータがステータス画面にあるわけでもなく、LV差が命中率に影響するという説明があるわけでもないため、上記のLVの上げにくさと相まってなかなか解決方法に気付かない。人によっては魔法一辺倒になり、トッシュ等が不遇と化す。 //---特にヂークベックの武器と攻撃力は空気と言ってよい。 //--以上の問題は、ヂークベックを利用した経験値稼ぎという方法で解決が可能である。しかしインターネットにより攻略情報が出回っている今だから言えることであり、初見でこのような『小技』はガイドブックを使ってもまず気付かない。 -パーティ編成の問題 --前述の通りメインキャラの多さに対して各戦闘での出撃枠が5名しか無く、多くのキャラは活躍させにくい。 ---必ず仲間になるメインキャラだけでも10名以上、これに加えて召喚獣、ちょこ、パンディットという準メインキャラに仲間モンスターまで含めると総勢20名を超えることも珍しくない。 --モンスター図鑑やモンスター捕獲に欠かせないリーザ、敵からアイテムを盗めるシュウといった、コレクション要素と関わるキャラも複数名いるため、そういったやり込み要素とパーティ編成の自由度も相反する。このことが、ただでさえ少ない出撃枠の取り合いの問題に拍車を掛けている。 -ラヴィッシュで捕獲不可能なモンスターが十数種類も存在する。しかもゲーム中で一切説明無し。判別する方法も無し。 --捕獲失敗の時と、捕獲不可能なモンスターにラヴィッシュを使った時とでは演出が同じ(相手がガードしてラヴィッシュを弾く)なので、これだけではとても判別できない((次回作『III』でラヴィッシュに代わるカーディッシュは、効かない相手にはそもそも使う事が出来なくなっている。本作の教訓だろうか。))。気付かずひたすらラヴィッシュを繰り返してしまう事も。 --モンスターの捕獲育成もかなり人気が高くかつ大きな要素の一つであり、さすがにこれは不親切と言わざるをえない。 //-捕獲可能なモンスターと捕獲不可能なモンスターの区別が分かりづらく((実はモンスター図鑑にLV255で登録されるモンスターはラヴィッシュ不可。最高位モンスターやデーモン系、アピス系などが相当する。しかしこういった説明はゲーム中で一切ない。))、そのような相手にはラヴィッシュは徒労に終わる。 -いわゆるラストダンジョンに突入後は、外に出られなくなる。一応武器防具屋や鍛冶屋などの各種施設は利用できるし、ラスダン内でレベル上げも可能なので、詰むことは無いだろうが…。 --当然サブイベントややり残しの類は、ラストダンジョンに突入前に全て済ませておく必要がある。 -ギルド仕事は序盤のうちは主人公達も会話したりとストーリー性が強いのだが、シナリオが進めば進むほど主人公達は無言になり、味気なくなっていく。 --メンバーが増えてくる関係や、本筋に集中するようになるシナリオ展開上、仕方ない面はある。しかし時折思い出したように主人公達が喋る依頼は登場し、特に違和感も無くストーリーを展開する。このノリがもっと多くの依頼にあれば良かったのだが。 --しかしそれを別としても、依頼そのものがそっけない物も幾つかある。特にふとっちょの美食家の依頼は「言われた通りの場所に言って言われた通りの物を持ってくる(無論、主人公側は無反応)」という内容の薄さに加え、完了後の報告書も''1行''という投げやりぶり。 ---三つ目の依頼はやや異なるが、「子供がモンスターに変化してしまったので''何とかしてほしい''」というもので、依頼人は勿論のこと、主人公達からも具体的な行動方針すら提示されず、別の依頼で採ってきた薬草を渡せば即終了である。 ---報告書の件を好意的に解釈するなら、主人公達が依頼のバカバカしさに呆れて真面目に書かなかったという事かもしれないが、だとすればそのような依頼を盛り込む意義が疑わしくなってしまう。 --また、(ふとっちょの美食家関連も含む)ブラキアの依頼を全部こなそうとすると、非常に面倒なダンジョン「バンザ山」に何度も行かされるなど、単純に面倒なだけの依頼もある。ストーリー性の無さも相俟って余計に退屈に感じやすい((ブラキアの依頼七つのうち、バンザ山に行くのは五つで二つは最奥部まで行かされる上、その一つは隅々まで探索させられる。尚、主人公達が喋る依頼はその中で一つだけ。))。 ---ブラキアと同時期に攻略するフォーレスはリーザの故郷であり、そちらの仕事は彼女を中心にストーリーを展開するものが多い。ブラキアも出身者であるグルガ中心のストーリーを盛り込めば退屈さを緩和できたのではないだろうか。 -テキストが全体的に調整不足 --誤字、脱字がかなり多いほか、主人公の協力者であるダニーが、当初は普通の青年のような喋り方であったはずが、ある時を境に突然丁寧な言葉遣いをするようになるなど、詰めが甘いと思しき部分が散見される。 //問題点の一項目として移動 ***バグ 本作はバグが非常に多い。~ 関連しているかどうかは不明だが、データ量が非常に多いため、ディスクにちょっとでも傷がつくと何かしらの不具合やリードミスが起きる可能性がある。 -データ上は存在するが通常プレイでは絶対に入手不能なアイテムが相当数存在する。特に「紫の思い出草」は早い段階で合成用素材として確認できるが、絶対に入手できない。 --一部は解析によって仕様上のミスで入手不能になってしまっているということが明らかになっている。よほどデバッグ期間が短かったのだろうか。 -戦闘中のキャラのボイスなどがなぜが途切れる時がある。起きてしまったらゲームの電源の入れ直しやPS2の場合はディスク読み込み速度を通常に戻すことで改善される場合がある。 -フリーズも多く、特定の施設に入るだけでブラックアウトする事がある。 --特定の特殊能力を使うと必ずフリーズする、特定の町へ入ると必ずフリーズするといった報告もあるほど。(流石に進行不能になるほどのフリーズはディスクの傷などによる読み込み不良の可能性が高いが…) ---必ずフリーズを起こさないまでも、動作が不安定になるため使用非推奨な特殊能力も存在する。 -条件を満たしてしまうと完全にシナリオが進行不能になってしまう凶悪なバグも搭載。 --その状態で上書きセーブしてしまうと1からやり直しという罠まである。 -他にも大小様々なバグが数多く存在する。中には故意に起こせてプレイヤーに有利に働くものもあるが。 --マザークレアの館が特にバグが多く、装備できないはずのアイテムが装備できるなどの不具合が多い。 --最大HPとMPが限界値に達するという、''もはや笑うしかない''バグもある。実際にやってみた動画は[[こちら>https://www.nicovideo.jp/watch/sm1043878]]。何故このようなことが起こるかは不明。 -マザークレアの館で特殊能力を追加すると、本来習得する特殊能力が習得できなくなる。 --これを防ぐには1キャラにつき用意された特殊能力8コを全て習得してから追加する必要がある。 ---人間キャラはマザークレアに辿り着く前にほぼ確実に8コ習得できるが、召喚獣や仲間モンスターはなかなか揃わない。また仲間モンスターはマザークレアの館でさまざまな種類にクラスチェンジさせて8コ揃えた後に特殊能力を追加という手順をとる必要がある。 -ベスト版では多数のバグが修正されており、現在配信されているアーカイブス版はこれがベースとなっている。 -後に、本来装備できない武器を装備したり、防具の欄に武器を装備できたりしてしまうバグが発見された(通称「バグバラード封印の遺跡」)。 こちらは発見時期がかなり遅かった事もあって、ベスト版でも修正されていない。 -その他、各バグについては[[外部サイト>https://arinosu.ari-jigoku.com/arc2/databasetop.html]]が詳しい。 ---- **総評 キャラクターやストーリーのみならず、ゲームシステムまでもが魅力的な一作。このゲーム自体も他の様々な名作RPGの面白い要素を多く取り入れ、それらを大ボリュームを持った一作に纏め上げているのが本作の最大の評価点であり、名作RPGとして名を連ねる理由であろう。~ 一方で装備品やアイテムの強化と仲間モンスターの強化といったやり込み要素はおそらく''スタッフでも想定外''であり、''大量のバグ''も含めてそれらを未だに研究をしているチームがある。上記で紹介したページもそのチームの一部なので興味がある人は一度覗いてみるといい。後世にまで愛されることは良いことである。どうも何かが間違っている気もするが…~ ---- **その後の展開 -ファンディスクとして『アークザラッドII モンスターゲームwithカジノゲーム』が発売。~ 前作の悪役が傲慢な口調でカジノを取り仕切り、自分で仲間にしたモンスター・キャラクターを戦わせる「闘技場」がメインコンテンツ。詳しくは後述。 -1999年10月28日に、直接の続編となる『[[アークザラッドIII]]』が発売された。 --また、2018年8月23日に同じく続編となる『アークザラッドR』がリリースされたが、この二つは異なる展開を迎えている。 ---- **余談 -シリーズの中で特に多くのメディアミックス展開がなされている。 --少年ガンガンにて本作の漫画版『アークザラッドII~炎のエルク~』(著者・西川秀明)が連載された。 ---西川氏の過去作『Z MAN』同様、「燃える少年漫画でありつつ、心の闇も描いて」おり、序盤から原作にかなり独自の味付けが成された展開を描いていたが、途中からは白い家やジーンを主体に全くのオリジナル展開に進んで行った。また、アンデルやジーンといった一部キャラの容姿がゲームと大幅に異なっている。~ 今では『職業:殺し屋』や『偽書ゲッターロボ ダークネス』で有名になっている為、そちらの読者が見ると作風の違いに驚く事だろう。((ただし元々氏はドラクエ4コマや少年漫画をメインに描いていた。)) ---また、ガンガンWINGで『アークザラッドII~炎のエルク~〈SEVENFOLD STORIES〉』というタイトルでキャラ個別の短編も短期連載しており、そちらも1冊のコミックスとして発売されている。 --休刊してしまった「月刊少年ギャグ王」にて、藤凪かおる史による連載もあった。 ---休刊の都合か、ガルアーノを倒したところで終わってしまう。大筋は原作通りに進むものの、掲載紙のためにかなりのギャグ重視作品になっている。 --1999年には本作をベースとしたアニメ版がWOWOWにて放映。 ---一部のキャスト・キャラ造形がゲーム版が異なり(上記の漫画版のドラマCDではゲームと同じキャストだった)、14話以降は完全にアニメオリジナルストーリー(グロ描写有り)となっているため評価は低い。 ---ただし、こちらは結末がゲームと比べて明るい内容となっている。 -登場人物の一人「グルガ」がカルト的な人気を誇る。 --「勇敢で心優しい正義感溢れる革命の英雄」「革命時に殺した相手の娘を引き取るが、その娘は盲目で今の父親が別人とは気付いていない。しかしそれでも彼女の目を治すべく奮闘する」という物凄くかっこいいバックボーンを持ちながらも''常時ふんどし一丁・焼けた肌に筋肉もりもりマッチョ''という威圧的な外見に加え回復時の''「美しい…」「完璧だ…」''という濃すぎるボイスや''ボディビルダーのようなポージング''もあり、非常に濃いキャラに仕上がっている。上述した通り、図鑑での解説も完全にネタに走っている。 --ストーリー本編でギャグ描写は一切無く、むしろ感動的なエピソードが用意されているものの、後述のモンスターゲームの劇場では思う存分ネタにされている。興味がある方は是非見ていただきたい。 ---また、『III』でも(主に娘関連で)少々コミカルな所が描かれている。流石にふんどし一丁では無くなった。 --性能面では見た目通りの前衛パワーキャラ。ご丁寧に専用のチャージ技、その名も「''グルガチャージ''」なる技が用意されており、ただでさえ高い攻撃力が更に加速する。棒も装備できるので、範囲攻撃もこなせる。~ おまけに光属性のキャラのため、アンデッド属性の敵をHP1状態を経ずに倒せるなど、''外見さえ気にしなければ極めて優秀なキャラ''である。 --本作の主要な制作スタッフの一人はあの「超兄貴」開発関係者とのこと。彼がこの様なキャラクターとなったのは&bold(){その辺りも大きく関係しているのかもしれない}。 -主人公「エルク」も''「うへぇ、ロリコンか」((とある敵の「金髪の女(リーザのこと)は俺によこせ」という台詞に対する返し。ちなみにリーザは14歳。巨乳。))、「だいたいてめえ、さっきからセリフがひらがなばっかりじゃねえか」((合流シーンでのトッシュとの口喧嘩にて。台詞が字幕のみだからこそ出来るメタ発言である。この台詞の所為でトッシュ=セリフがひらがなというイメージが定着してしまっている。))''等、メタ的な名言が多い。 --彼自身凄く暗い過去を持ちながらも、勇者として成長していく姿はネタ抜きにしても人気が高い。但し、中盤以降から見せ場をアークに取られがちで、序盤から時折見せるギャグ描写等からどうしても「2番手」ポジションが強い。 ---とはいえ、彼の見せ場もかなり多く戦力としても十分一軍を張っていける性能ではある。また、諸事情で退場するアークと違って以降の『III』や『機神』でも扱いは良い。 --性能は主人公らしくバランス型。直接戦闘は勿論、魔法攻撃や能力バフ等もこなせて何かと器用。掟破りの「インビシブル」も自力で習得できる。 -戦闘ボイスが一部ネタにされている。滑舌の問題で別のセリフに聞こえたり、真面目なセリフでも別の意味に聞こえたりするからである。 --例:アーク「蹴散らせ!」→「ケツ出せ!」、エルク「焼かれたいヤツから来な!」→「抱かれたいヤツから来な!」~ リーザ「かったぁーい」→本来なら(防御されて)敵の防御力が高いという意味だが妙にエロい、「あん!」→攻撃を防御された時のセリフだが、妙にエr…~ トッシュ「おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!」「いちげきだぜ!」→ダメージが敵の最大HPを上回った時の台詞。何回も攻撃しているのにいちげきだぜ!と言ってのける。ダメージ判定は1回だが…((四コマアンソロジーでも案の定ネタにされており、「あの人、数が数えられないんだよ」というヒドいオチが付く。))。 ~ ヂークベックも同シチュエーションで「一撃ジャ!」と言うのだがこちらはあまりネタにされない。やはりトッシュの方がインパクトが強いからだろうか。 --後述のモンスターゲームでは、「シャンテの劇場」なるものがあり、ボイスの組み合わせのみで作る寸劇(ショートコント集)が作られた。また、前作と『III』にも同様のサブイベントが用意されている。 -敵が全滅する隠しコマンド(通称:瞬殺コマンド)というものが存在する。 --極めて強力だが、当然ゲームとしてつまらなくなる上にタイミングによってはフリーズ等の原因になるのでご利用は計画的に。 -最高LVは1000((ただし通常のレベル上げではLV150を目指すのもきつい。))。ちなみにこれまでのRPGでの最高LVは『[[イデアの日]]』の999である。 -武器の中に『デスクリムゾン』という銃が存在する。 --名前だけでなく銃である点まで共通しているので、同年に発売された[[あのクソゲー>デスクリムゾン]]が元ネタである。~ …のかもしれないが、本作にはデスの名の付く多数の装備が存在するので、実際にはただの偶然の可能性の方が高いだろう((デスブレイド・デスイレイザー・デスニードル・デスクリムゾン・デスイリュージョン・デスロザリーと何と6種類も存在する。また、デスクリムゾンの鑑定文に、同名のクソゲーの事を示唆する記述等は特にない。))。~ ちなみに鍛えれば最大5種類もの状態異常を付加でき、攻撃力もまずまずの優秀な武器なので、愛用するプレイヤーは多い。 ---- *アークザラッド・モンスターゲームwithカジノゲーム 【あーくざらっど もんすたーげーむうぃずかじのげーむ】 |ジャンル|シミュレーションRPG+ミニゲーム集|&amazon(B00005OVEZ)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1997年7月31日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年12月12日/600円(PS3非対応)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| **概要(MwG) 『アークII』のやり込み用ディスク『モンスターゲーム』とファンディスク的な作品『カジノゲーム』のセット品。~ 『モンスターゲーム』は元々は『アークII』の初回出荷版に付属する応募券を送る事で抽選でプレゼントされた非売品だった経緯がある。~ キャッチコピーは「''アーク、たまには脇役になりなさい。''」。 **モンスターゲーム -『アークII』のリーザのラヴィッシュで捕まえたモンスターを使用して闘技場を制覇する事が目的。 --『II』のデータを共有する仕組みのため、ゲームをプレイするには『II』のデータが必要不可欠。また、こちらで新たにデータを作る事は出来ない。 --ゲーム中は主人公となるアバターを男女から選択する。プレイの度に選択するので、その時の気分で変えられる。 -試合に参加できるのはモンスターのみで、相手は全15チーム(1チーム3人パーティ制)が用意されている。 --敵のレベルはこちらの出撃キャラのレベルによって変動する。その為、レベルを上げまくれば楽勝という事は無く、逆に武器や戦略が重要となる。敵のレベルはこちらの出撃中のキャラの最もレベルの高い者が基準となる為、出撃させるキャラのレベルはなるべく均等にした方が良い。変動率はチームによって異なる。 --初期チームを全員撃破すると新たな15チームが出現する他、1チーム5人パーティ制となり人間キャラも使えるようになる。%%モン…スター?%% ---ただしパーティに人間キャラを一人でも加えると、そのパーティが戦う相手のレベルが40%高くなるというデメリットもある。 --どこまで連勝できるかを競うモードもある他、対戦機能も存在する。 ---1Pが人間が使用可能なデータであれば、この2つでも使用可能となる。 -鍛冶屋やマザークレアの館((モンスターの技追加やクラスチェンジなどを行う施設))、ヴィルマー研究所((ヂークベックの蓄積した経験値を仲間たちに分配する施設))など『II』では世界各地に分散されていた便利な施設が一同に揃っている。 --ヴィルマー研究所は内容もありヂークベックが居ない間は利用出来ないが 、鍛冶屋とマザークレアは本編では利用できない時期でも全て利用可能となっている。 -キャラクターの戦闘用ボイスを使用した寸劇「シャンテの劇場」やセーブデータ同士のアイテムとモンスターの交換機能「トレードセンター」も存在する。 --仲間達の戦闘用ボイスを好きに再生できるおまけもある。但し、覚醒ちょこの声を聴くには本編をストーリー終盤まで進める必要がある。 ***評価点(M) -闘技場を勝ち進むことで様々な報酬を得ることができる。非常に強力な武器防具や、通常では絶対に習得不能な特殊能力を持っていたり、ステータスにドーピングを施されたモンスター等。 --本編では設定ミスで登場しなかった「紫の思い出草」、入手できる可能性のある戦闘が限られている上に低確率であった「炎の剣」等も入手できるようになっている。 --人間解禁後全ての対戦に制覇すると、無改造で全アイテム中最強の攻撃力を誇る最強の剣「エルソード」が手に入る。 -モンスターやアイテムの交換機能があるため、他データを倉庫代わりにすることができる。つまり、本編の「アイテム欄が少ない」という問題点をある程度解消することができる。 --また、セーブ&ロードを繰り返して好きなだけ増殖を行ったり、新しくプレイするデータに引き継ぎを行うといったこともできる。 -対戦機能を利用することで、本来敵にしか使用できない「チェンジエネミー」を味方に使用することができる。これによりかなり自在にモンスターを改造することが可能。 --そのため、事実上モンスターの育成手段に幅が出る。 ---例として初期からいるパンディットだとキラードッグ系なのでキラードッグとデスハウンド((加えてウェアウルフ、ウェアタイガー、ウェアジャッカル、ウルフアンデッドの計六種))にしかなれないが、チェンジエネミーを使用すると、先の二種に加えてヘルハウンド、キラーウルフ、ヌエ、ケルベロス((前者二種はヘルハウンド系、後者二種はグリフォン系))の計六種と系統の壁を越えてクラス変更が行える。~ ***問題点(M) -基本的なパーティバトルでは指示が出せず、前もって設定した作戦に沿ってオートで戦闘が展開される。 --問題はこのAIの頭がかなり悪い事である。弱くて役に立たない技を連発したり、狭い通路の変な所に居座って渋滞を起こしたりなどは日常茶飯事。 --加えて敵は本編終盤で手に入るような強い武器を標準装備している為、慣れないうちはすぐに負けてしまう。 -当然ながら、上記機能をフル活用すると、序盤から強力な武器防具やモンスターを使えるし、ドーピングアイテムを増殖することによってお手軽にパラメータを強化できてしまう。ご利用は計画的に。 -ロードできないはずのデータをロードするバグがある。乱用すると本編の進行に異常をきたすこともある。 -セーブ&ロードを担当するサニアの口調が必要もなくキツい。本編ではそこまできつい口調ではないのだが…。 --逆に『II』では立場上、淑やかに振舞っていたククルは本来の快活な口調に戻っている。『I』の彼女が好きだったプレイヤーには嬉しい点だろう。 **カジノゲーム -チョンガラが経営するカジノを舞台としたミニゲーム集。何故か店員は『II』登場キャラのそっくりさんとなっている。 --こちらは本編とは無関係のゲーム。単体で遊べるが、新たにデータを作る必要がある。 --『II』本編ではボイスを発する機会の無いチョンガラもこちらではよく喋る。 -ミニゲームはナンバーズとスロット、ビンゴと競馬と''射的''を組み合わせた「ビンゴダービー」((ベットしていない邪魔なキャラを射撃してレースに介入できる要素がある。))やルービックキューブの形をしたスロット、「大富豪」を元にしたカードゲームなどがある。 --ミニゲームを制覇するとチョンガラが元気を取り戻し、ゲームも絵柄を変更した上で高難易度になり、部屋内のジュークボックスが聞けるようになる。 ***評価点(C) -陰鬱な本編に比べ、明るく楽しい世界観。 --これはモンスターゲームの劇場なども同一だが、本編で時折見せるギャグやユーモアに満ち溢れたポップな世界観になっている。 ---特に陰鬱なストーリーだけでなく、レベル上げの作業も長引いてしまいストレスを溜めがちな本編をやる際に''心の清涼剤''としてもってこいな一本に仕上がっている。 -ミニゲームはどれも面白い --上記「ビンゴダービー」はルールの独自性は勿論、''絵本のような背景を走るプレイヤーキャラたちが書かれた板+本編のシリアスなBGM''というポップ通り越してシュールな演出になっており、腹筋崩壊間違いなし。 ***問題点(C) -本作との連動は無し。 --稼いだポイントでアイテムと交換…等の要素は残念ながら用意されていないため、完全なミニゲーム集として落ち着いてしまっている。 **総評(MwC) やりこみディスク+ファンディスクとしては非常に凝った作り。本編を極めた人にもより極めたい人にも、単純にアークの世界観が好きな人にもオススメできるセットである。 **余談(MwC) -後付けではあるがカジノゲームの舞台となるカジノは、次回作『[[III>アークザラッドIII]]』終了後にチョンガラが開業したものという設定である。 --カジノの建物も実は『III』に登場した歓楽街パンディラにある。しかし『機神』の頃には閉業している。つまり時系列では『II』→『III』→『CG』→『機神』という事に。
本項目ではプレイステーション用ソフト『アークザラッドII』と、その関連作品『モンスターゲームwithカジノゲーム』の紹介をしています。 ---- #contents(fromhere) ---- *アークザラッドII 【あーくざらっどつー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069SPT)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1996年11月1日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |廉価版|PlayStation the Best:1998年7月9日/2,940円&br()PS one Books:2001年11月22日/1,890円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年11月14日/600円(PS3非対応)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[アークザラッドシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- **概要 「光と音のRPG」がキャッチフレーズのRPG『[[アークザラッド]]』の続編。~ 前作が「シナリオが短く中途半端」と批判されたのに対し、本作はそのストーリーの完結編的位置づけでもある。 ---- **特徴及び評価点 -前作の物語の続きではあるが、ストーリーは新主人公「エルク」の視点から始まり、新しいキャラと舞台による展開がしばらく続く。 --前作では精霊の力を得た主人公「アーク」が世界を救う手段を求めて奔走する話だったが、本作序盤は「ハンター」であるエルクがモンスターを操る少女リーザと出会い、やがて自身の過去の因縁に決着を付けに向かう…と言う、一見前作とあまり関係なさそうなシナリオとなっている。しかしストーリーが進むにつれて前作とのリンクが強まっていき((コンバートした場合だと、エルク視点の頃にもアーク達の活躍を描くイベントが挿入される。))、やがてエルクとアークの物語は交差し、一つに収束していく。 --アーク一行はテロリストとして指名手配されていたり、ある理由からエルクに仇として敵視されていたりと当初は(前作の彼等を知らない人からすれば)悪と思えるような描かれ方をされるが、徐々に彼等もエルクの物語の舞台上に姿を現し、エルク一行と関わり合う事になる。 ---しばらくエルク一行がバラバラに行動する期間があるのだが、ここでエルク側の各キャラがアーク側のキャラと出会い、行動を共にするという形で少しずつ合流していく。前作からプレイしている人は、手塩に掛けた二つのパーティが徐々に手を取り合っていく展開に胸が熱くなる事請け合い。 --中盤にはアーク一行とエルク一行が完全に合流し、以降はアークとエルクのダブル主人公と言った形となる(余談で述べる通りかなりアーク寄りだが)。ここからが前作の戦いの本格的な続きと言え、前作で決着をつけられなかった敵とも決着をつけられるようになった。 -後述の通り暗めのストーリーだが、鬱や暗い展開一辺倒ではなく、希望的な明るい展開や心温まる感動的なエピソード、シュールなギャグやメタ発言なども数多く存在する。 -シナリオのボリュームは膨大で、特に悪役「四将軍」の1人ガルアーノとの戦いはストーリーの半分ほどを占め、ガルアーノ本人との戦いもBGM"四天王戦"との相乗効果で迫力がある。~ 前作の問題点でもあったボリューム不足を補って余りありすぎる大作となっており、「茶碗一杯で少なすぎると文句を言ったら炊飯機ごと出てきた」と某雑誌のレビューでもネタにされた。 -魅力あるキャラクター。 --前作の見どころだった「随所で声優によって吹き込まれた台詞を喋る」は健在。またドット絵ながら多彩なアニメーションを見せるのも魅力の1つ。 --本作での仲間は新キャラ7人((火のエルク・水のシャンテ・風のシュウ・地のリーザ・光のグルガ・闇のサニア・属性なしのヂークベック。))+前作の七英雄5人((前作も仲間キャラは7人だったが、一人はストーリーの関係でスポット参戦、もう一人は司令官的ポジションで非戦闘員になっている(代わりに彼の特殊能力で召喚できた召喚獣が仲間になる)。))+隠しキャラ1人+αとかなり多く、これに加えてモンスターを仲間に加えることが可能(後述)。 ---ただし戦闘に参加できるのは5人まで。またモンスターは防具を装備できないため、防御力や状態異常耐性に劣る。 --新キャラ・旧キャラ問わず、全員に''必ず1回以上は個別エピソード・見せ場が存在''するため、ストーリーでのキャラの空気化はほとんど無いと言っていい。 ---但し、序盤でほぼ決着が付いてしまうシャンテや、水先案内人という立ち位置のポコとゴーゲンはやや出番が少ない。それぞれグルガ、エルク、リーザの引き立て役という感じである。 -広大な世界観 --前作の舞台となった国は全て再登場する他、新たに多数の国に訪れる事になる。それぞれの国で文化や風土が異なり、一般的なRPGによくある中世的な世界観のみならず、ビルの立ち並ぶ近代都市からウエスタン、アジアン、ヨーロッパ風…と様々な文化を取り入れているのが特徴。 ---魔法や精霊などが登場するいわゆるファンタジーに属するが、その一方で近代的なハイテク兵器や巨大飛行船、研究所、改造人間等のSF的要素もかなり強い。 --前作でもややオリエンタルな国から始まり、アジアン、アラビアン風など、王道的な中世ファンタジーとは少々異なった雰囲気の国を巡ったが、本作は登場する国が激増した事で、更にバリエーションに富んだ世界となっている。 ---無論、再登場した前作の舞台も全てRPGマップとして作り直されている。 --これらの要素が調和して、王道かつ斬新な世界観に仕上がっている。 ---本作は近代都市から始まるので、前作の直後だと本当に同じ世界観か疑わしくなるかもしれないが、ストーリーを進めて様々な国が登場しても違和感が殆ど無く、驚くほど調和が取れている事が分かる。 --尚、本作の世界は''現実の世界地図''にどことなく似たものになっており、その位置にある現実の国の文化や風土を意識した国が多い。多種多様な国が入り混じりながらも調和が取れているのも、現実の地球に準えているからかもしれない。 ---前作は上述のような雰囲気の国を巡った訳だが、それもそのはず。前作の冒険範囲を実際の地球に当てはめるとアジアや中東近辺に当たるからである。 -より進化した戦闘システム。 --戦闘システムは基本的に前作と同じなのだが、攻撃時のエフェクトやSE、スピード感は大きく進化。「槍」や「マシンガン」など遠距離に攻撃できるものをはじめ、武器の種類も大きく増えた。 --一部を除いたほぼ全てのキャラクターは、2~3種類の武器を装備可能。これにより様々な戦い方が可能となった。アニメーションも各種個別に用意されている。 --各武器には熟練度システムが設けられており、これが上がる事でより高いダメージを与えられるようになり、攻撃エフェクトも多彩化していく。 --魔法や技などの特殊能力の数も大幅に増えた。また、前作と違ってレベル1-3を任意で使い分けられるようになり、利便性が大きく向上している。 ---ただし、ディバイドや天の裁き等の一部の魔法は最大レベルでの射程範囲がレベル2の時と変わらなくなり、範囲の点では前作と比べると微妙に弱体化しているものもある。 -基本システムも一般的なRPGのものとなった。 --元々前作は戦闘とイベント以外は全体マップから目的地を選択する程度で、むしろ戦闘システムと合わせてシミュレーションに近いゲーム内容だった。サブイベント自体は多数用意されていたが行ける場所は少なく、主人公を操作できるのも一部のマップだけで、ストーリーを進めるのとアイテム探し以外は基本戦闘ぐらいしかやる事が無かった。 --今作からは各種ショップに、街やダンジョンの探索と言った要素が追加され、正真正銘RPGを名乗れるシステムとなっている((奇しくも数ヶ月前には同じくソニーからSRPG風の戦闘システムを持つRPG『ポポロクロイス物語』が発売されている。))。 -武具・アクセサリー・アイテムの成長システム --キャラクターや特殊能力はおろか、武器などにもレベルが設けられており、戦闘で使い込む事でより強力になっていく。 ---また、武器によっては名前が変化し、能力値上昇やステータス異常付加などの様々な特殊効果が付くものもある。 -鍛冶屋・合成屋システム --武具の成長システムに伴い鍛冶屋システムを追加、費用を支払う事で武具を強くする事ができる。 ---また、前述の特殊効果の追加はこの鍛冶屋でも可能。中には鍛冶屋でしか追加できない特殊効果もある。 --一定条件を満たす事で、レベルの上昇とは別に、最大レベルの底上げや最大攻撃力の更なる向上を行う事ができるようになる。 ---ランダム要素がある上に膨大なお金が掛かるのでかなり骨が折れるが、膨大な時間と乱数の果てを極めると鬼のように強くなる。 --特定のアイテム複数を使用して強力なアイテムを作り出す「合成屋」なる店も存在する。 ---後述のバグで出なくなったアイテムを素材とする合成アイテムがあるため、2重の意味でアイテムコンプリートは不可能になっている。 -コンバートシステム --前作『アークザラッド』のセーブデータを引き継ぐ事が出来る。 --前作からのメンバーのステータスがそのまま引き継がれ、コンバート専用アイテムや前作にまつわるイベントの追加挿入などの特典がある。 ---特に前作で隠し仲間キャラ扱いだった「ちょこ」を仲間にしていると、彼女に関するイベントが追加されるという側面は大きい((ただ仲間にするだけなら本作のみでも可能。))。 --後に様々なゲームに受け継がれる機能だが、プレイステーションではこのゲームで初めて使用された。 -仲間モンスターシステム --キャラクターの一人であるリーザが特殊能力「ラヴィッシュ」を使用する事で、一定確率でモンスターを仲間にできる。 ---ただしアークデーモンやTYPE-Aクローン、ボスなどの一部のモンスターは仲間にできない。 --クラスチェンジ(条件付き)を利用する事で仲間モンスターを別種のモンスターにチェンジさせる事ができる。 ---クラスチェンジをすると姿または色が変化し、ステータスが変動する他、変化させたモンスターの持つ特殊能力を新たに覚えさせる事ができる。 --上述のようにモンスターは防具やアクセサリーを装備できないという大きな欠点があるが、一部のモンスターは人間キャラには無い独自の強みを持つ。 ---例としては、防御率・回避率が高い、移動力が広い、モンスターによっては専用の特殊能力を持つ、アンデッド属性((普通の攻撃で倒されてもHP1でとどまり行動不能になるだけになる。しかも少し後に一定量回復して復活する。行動不能状態に追撃をすることで初めて撃破扱いになる。光属性攻撃で倒すと即座に撃破となる。))を持つ等。 -モンスター図鑑 --前作同様、プレイヤーキャラやモンスターの情報を閲覧できる図鑑。 --リーザの特殊能力「調べる」をモンスター(敵味方問わず)に使用すると、モンスター図鑑にてそのモンスターの情報が詳細に記されるという一種の収集要素がある。~ また、情報が登録されていれば敵であっても戦闘中に詳細なステータスの確認ができるようになる。 ---ただし図鑑に載るモンスターに限られ、一部の敵やボスは調べても図鑑に載らず、詳細なステータスも表示されない。 --今作ではプレイヤーキャラやモンスターの種類が前作の2.5倍以上と大幅に増えているが、モンスターのクラスチェンジや、特定キャラの特殊能力「チェンジエネミー」を活用すれば図鑑を埋めていくのは比較的容易。 --リーザが調べた体になっているので、図鑑には彼女の一言コメントが載っている。…が、極めて主観的な感想や辛辣なコメントも少なくない。~ 例:キラードッグ(パンディット)…普段はおとなしくて、頭のいい子なの。みんなこの子みたいだったら、戦わずに仲良くなれるのにな。~ エルク…私のお友達。危ないときには頼りになるわ。でも、いつもは''私がいないと何もできないの''。~ グルガ…''いつもハダカでカゼひかないのかな?'' -ギルド --依頼をこなしたり、各ギルドにポスターに貼られている指名手配モンスターを倒すことによって現金の報酬と「ギルドポイント」を受け取ることが出来るというもの。依頼の遂行や手配モンスター討伐を請け負うことで、サイドストーリーを楽しむことが出来るようになった。 --依頼の中には分岐やミニイベントがあり、その結果によって報酬を全額もらえる大成功の他に中成功・小成功・失敗が存在する。当然大成功以外は報酬が落ち、大成功以外が多いと「ギルドポイントを一定以上得る」という条件が必要な依頼が開始できなくなる。 --ゲーム内では全く書かれてないが依頼はストーリーが進むと消滅((受注してからクリアしないままその依頼の消滅時期を過ぎると「他のハンターが終わらせた」という事になる。))してしまうため、サブイベントなどのメリットを最大限に得るためには出ている依頼はどんどん受けていき解決していくべきである。また、依頼人と話して仕事を開始してから依頼達成に時間をかけたり、ギルドで依頼を受ける時期自体が遅いと悪い結末になるものも一部ある。 ---やや面倒だが、イベントを進めて自由行動が可能になる度に逐一各地のギルドをチェックすれば基本的に取り逃しはない。しかしごく一部には別の発生条件があったり、受注可能期間が極めて短いものもある。 --手配モンスターはおおむねレアアイテムを持っており、倒すか盗むかして入手できる。手配モンスターの中には依頼の途中に立ちふさがるものも存在するので、全てのアイテムを見るためには依頼も手配モンスターもこなす必要がある。 -ヂークベック --新登場の仲間キャラクターの1人((ストーリー中に登場はするが、仲間にするのは任意。))。ロボットなのでレベルアップはしないが、獲得した経験値を蓄積し、後から仲間達に分配することができる。 ---本作は相手とのLV差が大きい程経験値の量も変化し、強い敵を倒さなければ効率よくレベルアップは出来ない。しかしヂークベックのレベルは常に1であるため、必然的に獲得経験値は多くなる。これを上手く活用すれば効率的なレベル上げが可能。 --ヂークベックは成長しないため、各地の遺跡に隠されたパワーユニットを装備する事で強くなる。これもやり込み要素の一つに。 ---更に、これに関連した隠しイベントも用意されている。 -改名 --ほとんどのアイテム、仲間モンスターを改名可能。漢字もある程度備わっている。 ---ただこのことがアイテム最大所持数を落としている可能性もあるが…。 //---この時期のRPGには時折あるシステムだが、このボリュームでバグなく実装できているのが素晴らしい。←この点においてバグがないかもしれないが下記のバグが多い記述と合わせると変なのでカット。 -高い自由度 --グレイシーヌ攻略後は世界を巡ることができるため、封印の遺跡を攻略するもよし、ギルド仕事をクリアしまくるもよし、仲間モンスターを集めるもよし。 ---後述するが、システム面の自由度も相当なもの。バグまで絡めるとさらにできることが増える。 -小ネタ --本作は操作キャラの切り替えが可能であり、一部には操作キャラによって反応が変わるNPCやオブジェクトが存在する。そのキャラの個性をしっかり反映させたネタも多く、見つけるとちょっと得をした気になる。 ---ちょこは前作でコンバートして且つ最短で会うと、あるキャラの単独行動中というかなり特殊な時期に仲間に出来る。ストーリー的には明らかにあり得ないのだが、それでもちゃんとちょこの有無による台詞の差分が用意されている。 -こういった多彩なシステムにより、ディスク1枚のみでありながらやり込み要素が恐ろしい事になっており、サブイベントをも網羅すると100時間近いプレイ時間となる。 -BGMはF1のテーマこと「TRUTH」や『[[グランツーリスモ]]』のメインテーマ「Moon Over The Castle」などでおなじみの安藤まさひろ(T-SQUARE)が前作から引き続き担当。明快なメロディでダイレクトに感情に訴えかけてくる楽曲の数々はいずれも名曲揃い。前作の曲も多く使用されている。 ---- **賛否両論点 -アイテム欄が96(縦6*横16)しかなく、中盤以降はすぐいっぱいになってしまう。アイテムコンプリートは不可能。 --前作のような種類毎の個数管理も出来ず、同じアイテムでも複数所持すればその分だけアイテム欄を埋めてしまう。 --消費品と装備品、貴重品の区別がなく、成長・鍛冶屋システムの関係でアイテム一つ一つに非常に細かくパラメータを設定して管理しているのが原因になっていると思われる。 --ギルドの依頼のイベントに依頼成功させても捨てられず使うこともできないアイテムが残ってしまうものがある。プレイの利便性を考えてその依頼を無視するのも手((BEST版以降は修正されている模様。))。 --見方によってはアイテム欄が限られているからこそ、アイテムの取捨選択という思考性があったり、プレイヤーによって所持アイテムの構成が変わってきたりして、面白い部分でもある。しかし、アイテム種類が非常に多く、コレクション性の高い本作においてはその方面のやり込みと噛み合っていない設計なのも否めない。 -攻略情報がないと''極めて気付きにくい''要素や取り返しがつかないものが多い。 --期間限定のギルド仕事で、また仕事を大量にこなすことが発生条件で報酬も貴重な「海龍の卵返却」、レベルアップ時にキャラの攻撃力に成長ボーナスをつける武器「骸」((本編中イベントで2回だけ戦闘になるマップでのみ入手可能。余談だが、鍛冶屋の説明を見る限りでは「攻撃時に自傷ダメージも入る」という能力になるはずだったような設定がされている。つまり成長ボーナスは設定ミスと考えられる。))、強力な合成武器「光の剣」の材料である「炎の剣」((ストーリー中一度しか来ないイベントマップの戦闘中に、極めて低確率で手に入る剣であり、知らなければまず間違いなく取り逃す。知っていても直前のセーブポイントが非常に遠く、繰り返し作業にも時間がかかる。))、入る期間が限定されている海底油田の指名手配モンスター((四将軍の1人を倒しに海底油田に訪れるのだが、撃破後にしか該当モンスターには出会えない。四将軍撃破後は時間制限有の脱出をこなす必要もありアイテムの回収をしつつだと結構大変。さらにその部屋は脱出過程で寄る必要はない。一応ボス前にセーブ地点はあるので取り返しはつきやすい。))、とあるボスの''お供''が持つレアアイテム((取得経験値1.5倍という美味しいアクセサリーで、コンバートでも手に入るのだが本編中で入手できるのはここだけ。))など。 ---発売当時は攻略本や雑誌による情報を見るまでこれらに気づかなかったプレイヤーも多かった。 //(そのマップの敵も弱いので取得に苦労する)←逆では? --評価点で上述した通り、鍛冶屋は条件を満たすと項目が増えるのだがそれについての説明は皆無。どうやったら項目が増えるのか、そもそも何の項目があるのかも一切教えてくれないため、初見では何も分からない。 ---増える条件も知っていても、''長時間のボタン連打''を伴う面倒な操作が必要になる。 --ちょこ関連のイベントは情報無しではまず気付けないほどに複雑。しかも行動によってはフラグが折れてそれ以上進行不可になる。挙句、前作でちょこを仲間にしたデータをコンバートしていないと、ちゃんとイベントを進めたとしても''一番気になる所でイベントが終わってしまう''。 --他にも期間限定のモンスター、特定のイベントの戦闘でしか会えないモンスターも多い。「ラヴィッシュ」で捕まえたいときは要注意。 -鬱ゲーとまではいかないがストーリーは全体的に暗く、主要キャラの家族・友人といった大切な人物の死別が何度も描かれ、人類世界が破滅に向かっていく様が何度も描写される。 //ネタバレ。特に、ラスボスの直前に大きな災厄が起き、塔の高みにいたアーク一行以外の生物がほぼ息絶えてしまうというイベントが名高い。3でいう「大災厄」であり、その情け容赦ない破滅ぶりは新桃太郎伝説のカルラの悪行やFF6の世界崩壊に引けを取らない。またラスボスを封じるための聖櫃も破壊されてしまううえ、精霊力の衰えも激しく描写されるので終末感が半端ない。しかし、ドラマ性を高めるためとはいえ、ここまで完膚なきまでに世界を崩壊させてしまったせいで、続編以後のシナリオの出来に大きく響くことになった。特に直系の3は世界が崩壊しきった後の世界であるため2とはあまり関係がなくなっている。←ネタバレはregionタグでやりましょう。うっかり見てしまいます。それに異様に長いです。他ゲームに例えるのも知らない人にはよろしくない。またこの時点で存在しない3のことは3の記事で記述するべきです。 --ゲーム開始直後のオープニングから虐殺シーンが始まるあたりで察して欲しい。それに伴い、敵は揃いも揃って反吐が出るほどのド外道ばかりなので、何の気兼ねも無く思い切りぶちのめす事が出来る訳でもあるのだが、そこに至るまでの胸糞悪さは覚悟する必要がある。 --ラスボス~EDの内容も有名である。本記事では詳細は避けるが、これまでの戦いは何だったのかと徒労感と絶望感に苛まれる事請け合いで、ラスボスを倒してもそれが綺麗に解消される訳ではない。 ---無論、ただ絶望なだけのバッドエンドで終わる訳ではないが、本作の描写だけでは僅かに残っているとされる希望も見え辛く、膨大なプレイ時間と陰鬱なストーリーを乗り越えたにもかかわらずクリアのカタルシスは薄い。 ---結果として、これらに関しては続編でフォローされていく事になる。 ---- **問題点 -敵を倒した際の演出 --敵をまとめて倒しても撃破時のアニメーションは順に1つ1つ消化されていく。その為雑魚をまとめて倒した時などでは無駄に時間が掛かってしまう。 --前作では同時に倒した場合は一斉に消えていったのだが。今作では敵を倒した後に資金を入手した事を表す演出が入るため、処理の関係でまとめて同時にはできなかったのだろう。 ---やはり問題視されたのか次回作では資金の演出は無くなり、前作同様の一斉に消える方式に戻った。 -特技にあたる特殊能力の火力が総じて低い。 --特に顕著なのはトッシュの「桜花雷爆斬」などの物理系特殊能力。これらは攻撃力だけでなく、攻撃する側の魔力と攻撃される側の魔力も計算に入れているため、MPを使うにもかかわらず、「魔法のりんご((装備すると毎ターン攻撃補正が入る「チャージ」が1回だけ掛かった状態になる。))」を装備して通常攻撃を仕掛けた方が圧倒的に強いし、使い勝手も良い。 --範囲攻撃であれば使い勝手の面では気にならなくなるものの、火力の面においては通常攻撃との差を埋められるほどではない。魔法系特殊能力でもギリギリ使用に堪えるのはゴーゲンやサニアなどの一部の魔法系キャラに限られる。 --前作では主力として使っていけたような特殊能力も軒並み弱体化。例えば終盤の敵も一掃できるほど高威力だったアークの「ゲイルフラッシュ」などは今作ではごくごく普通の攻撃魔法に。 ---チート級の威力を誇ったフウジンとライジンの連携技は文字通り桁違いに弱体化しており、最早使い物にならない。 --特殊能力はレベル1-3まで補正を選べるが、レベルが上がると攻撃範囲が広まる特殊能力はともかく、威力補正の方は多量のMPを消費するにもかかわらず補正が低い。 -終盤の難易度がきつめ。育成に適した狩場がほとんど存在せず味方のレベルが上げにくくなるのに対し、敵のレベルは変わらずに上がっていく。 --詳細は後述するが、パーティメンバーの多さに対して戦闘での出撃枠は5名分しか無く、控えメンバーに十分な経験値を行き渡らせる手段も限られており(後述するが、無いわけではない。)、明らかにバランスが取れていないのも拍車を掛けている。 ---そのため中盤以降は5名ほどの主力メンバーで固定されやすく、ゲームを進めるにつれて育成が不十分なキャラが出やすい。にもかかわらず、いくつかパーティを二手に分けて同時攻略しなければならない場面や特定キャラの強制出撃が存在するのが厄介。 //--主力メンバーを5名前後に抑えて育成すれば極端にレベル差は開かないが(というよりそうせざるをえないが)、いくつかパーティを二手に分けて同時攻略しなければならない場面や特定キャラの強制出撃が存在するのが厄介。 ---ヂークベックの経験値分配機能を使えばある程度解消されるが、ヂークベック自体があまり強くないキャラ((後述の通り通常攻撃の命中率に「敵とのレベル差」が大きく影響する本作において「レベルが1のまま固定」のヂークベックは後半になればなるほど通常攻撃が当たらなくなるという問題を抱えている。また装備も専用の物しかなく特殊能力も安定ダメージは狙えるものの高火力にはならないため終盤で扱うにはかなりきつい))な上に完全に作業プレイ状態になってしまうのも辛い。~ また、この方法では武器の熟練度や魔法経験値が伸び悩むので完全に対策できるとも言い難い。 ---実は終盤の稼ぎ用に用意されるはずだったと思しき没マップが見つかっていたりする。正式に実装されていれば解消されていた問題点だったかもしれない。 --通常攻撃の命中率は自分と敵のレベル差で決まるのだがその説明がなく、上記のレベルの上げにくさと相まってなかなか解決方法に気付かない。そのため、レベル差が開きがちな後半以降に理由も分からず攻撃を外しまくって苛立ったり、魔法一辺倒になってしまう事も。 ---ただ、通常攻撃の命中率に関しては、相手が眠り・麻痺・石化・暗闇状態であればレベル差に関係なく必中になるため、これらとの連携であれば魔法一辺倒でなくても立ち向かえる。その他、チャージを使えば大ダメージを叩き出しやすく、回避もされないので、これらのシステムを知ることが重要と言える。 --ラスボスの強さも異常。詳細は伏せるが、第一形態の時点でHPはラスボス1歩前のボスの約3倍。第二形態のHPは第一形態の2倍で、直前のボスの6倍である。直前のイベントとの相乗効果もあり、ちょっとしたトラウマになることも。 ---外見こそ巨大だがあくまで1マスに収まる1ユニットと言う扱いで、しかもマップ端の1マス飛び出た部分に常に陣取る為、通常攻撃の場合は斜め攻撃や遠距離攻撃の出来る武器以外ではラスボス正面のマスからしか攻撃出来ない。HPの多さと相俟ってとてつもない長期戦になりがち。加えて純粋なパラメーターも高く、しかも魔法攻撃はMP消費無しで無限に放ってくる。 ---このラスボスに対抗するためには、やはりラスボス戦に参加させる一部のキャラだけを集中的に育成することになる。 ---その対策なのか、ラストダンジョンの無限に敵が湧く部屋にはアンデッドの高レベルモンスターが出現する。ひたすらヂークベックでトドメを刺して経験値を稼げという事なのだろうか。 //-後半以降敵レベルが急なインフレーションを起こし、敵のLVと能力値が上がる。味方キャラを均等に使っていると到底追いつけない。むしろ絞っていてもきつい。 //--正確には、敵レベルのインフレではなくこちらのレベルアップが遅くなる。 //--ギルド仕事や封印の遺跡等のサブイベントをフルにこなしていてもきつい。 //--にもかかわらず北極・南極の塔で2PTに分かれるため10人LVを上げておかねばならずそもそも絞るわけにもいかない。 //↑攻略情報ありきの部分なのでカット //攻略情報ありきって…そういう問題じゃないと思う。何も知らずに北極南極の塔に入ってしまって「初めて」10人育成するべきことに気付き結局育成することになる。それまで育成していなかったキャラを適正にするには時間がかかるし、攻略情報無しということはどちらにボスがいるのか知らない=どちらにエースを連れていけばいいかわからない。 //--また味方キャラが多いのに対して出撃枠が5人と少ないこともあってメンバーが使いやすいキャラで固定化しやすい。 //--通常攻撃の命中率は自分と敵のLV差で決まるため、後半は攻撃を外しまくってイライラする。 //---『命中率』というパラメータがステータス画面にあるわけでもなく、LV差が命中率に影響するという説明があるわけでもないため、上記のLVの上げにくさと相まってなかなか解決方法に気付かない。人によっては魔法一辺倒になり、トッシュ等が不遇と化す。 //---特にヂークベックの武器と攻撃力は空気と言ってよい。 //--以上の問題は、ヂークベックを利用した経験値稼ぎという方法で解決が可能である。しかしインターネットにより攻略情報が出回っている今だから言えることであり、初見でこのような『小技』はガイドブックを使ってもまず気付かない。 -パーティ編成の問題 --前述の通りメインキャラの多さに対して各戦闘での出撃枠が5名しか無く、多くのキャラは活躍させにくい。 ---必ず仲間になるメインキャラだけでも10名以上、これに加えて召喚獣、ちょこ、パンディットという準メインキャラに仲間モンスターまで含めると総勢20名を超えることも珍しくない。 --モンスター図鑑やモンスター捕獲に欠かせないリーザ、敵からアイテムを盗めるシュウといった、コレクション要素と関わるキャラも複数名いるため、そういったやり込み要素とパーティ編成の自由度も相反する。このことが、ただでさえ少ない出撃枠の取り合いの問題に拍車を掛けている。 -ラヴィッシュで捕獲不可能なモンスターが十数種類も存在する。しかもゲーム中で一切説明無し。判別する方法も無し。 --捕獲失敗の時と、捕獲不可能なモンスターにラヴィッシュを使った時とでは演出が同じ(相手がガードしてラヴィッシュを弾く)なので、これだけではとても判別できない((次回作『III』でラヴィッシュに代わるカーディッシュは、効かない相手にはそもそも使う事が出来なくなっている。本作の教訓だろうか。))。気付かずひたすらラヴィッシュを繰り返してしまう事も。 --モンスターの捕獲育成もかなり人気が高くかつ大きな要素の一つであり、さすがにこれは不親切と言わざるをえない。 //-捕獲可能なモンスターと捕獲不可能なモンスターの区別が分かりづらく((実はモンスター図鑑にLV255で登録されるモンスターはラヴィッシュ不可。最高位モンスターやデーモン系、アピス系などが相当する。しかしこういった説明はゲーム中で一切ない。))、そのような相手にはラヴィッシュは徒労に終わる。 -いわゆるラストダンジョンに突入後は、外に出られなくなる。一応武器防具屋や鍛冶屋などの各種施設は利用できるし、ラスダン内でレベル上げも可能なので、詰むことは無いだろうが…。 --当然サブイベントややり残しの類は、ラストダンジョンに突入前に全て済ませておく必要がある。 -ギルド仕事は序盤のうちは主人公達も会話したりとストーリー性が強いのだが、シナリオが進めば進むほど主人公達は無言になり、味気なくなっていく。 --メンバーが増えてくる関係や、本筋に集中するようになるシナリオ展開上、仕方ない面はある。しかし時折思い出したように主人公達が喋る依頼は登場し、特に違和感も無くストーリーを展開する。このノリがもっと多くの依頼にあれば良かったのだが。 --しかしそれを別としても、依頼そのものがそっけない物も幾つかある。特にふとっちょの美食家の依頼は「言われた通りの場所に言って言われた通りの物を持ってくる(無論、主人公側は無反応)」という内容の薄さに加え、完了後の報告書も''1行''という投げやりぶり。 ---三つ目の依頼はやや異なるが、「子供がモンスターに変化してしまったので''何とかしてほしい''」というもので、依頼人は勿論のこと、主人公達からも具体的な行動方針すら提示されず、別の依頼で採ってきた薬草を渡せば即終了である。 ---報告書の件を好意的に解釈するなら、主人公達が依頼のバカバカしさに呆れて真面目に書かなかったという事かもしれないが、だとすればそのような依頼を盛り込む意義が疑わしくなってしまう。 --また、(ふとっちょの美食家関連も含む)ブラキアの依頼を全部こなそうとすると、非常に面倒なダンジョン「バンザ山」に何度も行かされるなど、単純に面倒なだけの依頼もある。ストーリー性の無さも相俟って余計に退屈に感じやすい((ブラキアの依頼七つのうち、バンザ山に行くのは五つで二つは最奥部まで行かされる上、その一つは隅々まで探索させられる。尚、主人公達が喋る依頼はその中で一つだけ。))。 ---ブラキアと同時期に攻略するフォーレスはリーザの故郷であり、そちらの仕事は彼女を中心にストーリーを展開するものが多い。ブラキアも出身者であるグルガ中心のストーリーを盛り込めば退屈さを緩和できたのではないだろうか。 -テキストが全体的に調整不足 --誤字、脱字がかなり多いほか、主人公の協力者であるダニーが、当初は普通の青年のような喋り方であったはずが、ある時を境に突然丁寧な言葉遣いをするようになるなど、詰めが甘いと思しき部分が散見される。 //問題点の一項目として移動 ***バグ 本作はバグが非常に多い。~ 関連しているかどうかは不明だが、データ量が非常に多いため、ディスクにちょっとでも傷がつくと何かしらの不具合やリードミスが起きる可能性がある。 -データ上は存在するが通常プレイでは絶対に入手不能なアイテムが相当数存在する。特に「紫の思い出草」は早い段階で合成用素材として確認できるが、絶対に入手できない。 --一部は解析によって仕様上のミスで入手不能になってしまっているということが明らかになっている。よほどデバッグ期間が短かったのだろうか。 -戦闘中のキャラのボイスなどがなぜが途切れる時がある。起きてしまったらゲームの電源の入れ直しやPS2の場合はディスク読み込み速度を通常に戻すことで改善される場合がある。 -フリーズも多く、特定の施設に入るだけでブラックアウトする事がある。 --特定の特殊能力を使うと必ずフリーズする、特定の町へ入ると必ずフリーズするといった報告もあるほど。(流石に進行不能になるほどのフリーズはディスクの傷などによる読み込み不良の可能性が高いが…) ---必ずフリーズを起こさないまでも、動作が不安定になるため使用非推奨な特殊能力も存在する。 -条件を満たしてしまうと完全にシナリオが進行不能になってしまう凶悪なバグも搭載。 --その状態で上書きセーブしてしまうと1からやり直しという罠まである。 -他にも大小様々なバグが数多く存在する。中には故意に起こせてプレイヤーに有利に働くものもあるが。 --マザークレアの館が特にバグが多く、装備できないはずのアイテムが装備できるなどの不具合が多い。 --最大HPとMPが限界値に達するという、''もはや笑うしかない''バグもある。実際にやってみた動画は[[こちら>https://www.nicovideo.jp/watch/sm1043878]]。何故このようなことが起こるかは不明。 -マザークレアの館で特殊能力を追加すると、本来習得する特殊能力が習得できなくなる。 --これを防ぐには1キャラにつき用意された特殊能力8コを全て習得してから追加する必要がある。 ---人間キャラはマザークレアに辿り着く前にほぼ確実に8コ習得できるが、召喚獣や仲間モンスターはなかなか揃わない。また仲間モンスターはマザークレアの館でさまざまな種類にクラスチェンジさせて8コ揃えた後に特殊能力を追加という手順をとる必要がある。 -ベスト版では多数のバグが修正されており、現在配信されているアーカイブス版はこれがベースとなっている。 -後に、本来装備できない武器を装備したり、防具の欄に武器を装備できたりしてしまうバグが発見された(通称「バグバラード封印の遺跡」)。 こちらは発見時期がかなり遅かった事もあって、ベスト版でも修正されていない。 -その他、各バグについては[[外部サイト>https://arinosu.ari-jigoku.com/arc2/databasetop.html]]が詳しい。 ---- **総評 キャラクターやストーリーのみならず、ゲームシステムまでもが魅力的な一作。このゲーム自体も他の様々な名作RPGの面白い要素を多く取り入れ、それらを大ボリュームを持った一作に纏め上げているのが本作の最大の評価点であり、名作RPGとして名を連ねる理由であろう。~ 一方で装備品やアイテムの強化と仲間モンスターの強化といったやり込み要素はおそらく''スタッフでも想定外''であり、''大量のバグ''も含めてそれらを未だに研究をしているチームがある。上記で紹介したページもそのチームの一部なので興味がある人は一度覗いてみるといい。後世にまで愛されることは良いことである。どうも何かが間違っている気もするが…~ ---- **その後の展開 -ファンディスクとして『アークザラッドII モンスターゲームwithカジノゲーム』が発売。~ 前作の悪役が傲慢な口調でカジノを取り仕切り、自分で仲間にしたモンスター・キャラクターを戦わせる「闘技場」がメインコンテンツ。詳しくは後述。 -1999年10月28日に、直接の続編となる『[[アークザラッドIII]]』が発売された。 --また、2018年8月23日に同じく続編となる『アークザラッドR』がリリースされたが、この二つは異なる展開を迎えている。 ---- **余談 -シリーズの中で特に多くのメディアミックス展開がなされている。 --少年ガンガンにて本作の漫画版『アークザラッドII~炎のエルク~』(著者・西川秀明)が連載された。 ---西川氏の過去作『Z MAN』同様、「燃える少年漫画でありつつ、心の闇も描いて」おり、序盤から原作にかなり独自の味付けが成された展開を描いていたが、途中からは白い家やジーンを主体に全くのオリジナル展開に進んで行った。また、アンデルやジーンといった一部キャラの容姿がゲームと大幅に異なっている。~ 今では『職業:殺し屋』や『偽書ゲッターロボ ダークネス』で有名になっている為、そちらの読者が見ると作風の違いに驚く事だろう。((ただし元々氏はドラクエ4コマや少年漫画をメインに描いていた。)) ---また、ガンガンWINGで『アークザラッドII~炎のエルク~〈SEVENFOLD STORIES〉』というタイトルでキャラ個別の短編も短期連載しており、そちらも1冊のコミックスとして発売されている。 --休刊してしまった「月刊少年ギャグ王」にて、藤凪かおる史による連載もあった。 ---休刊の都合か、ガルアーノを倒したところで終わってしまう。大筋は原作通りに進むものの、掲載紙のためにかなりのギャグ重視作品になっている。 --1999年には本作をベースとしたアニメ版がWOWOWにて放映。 ---一部のキャスト・キャラ造形がゲーム版が異なり(上記の漫画版のドラマCDではゲームと同じキャストだった)、14話以降は完全にアニメオリジナルストーリー(グロ描写有り)となっているため評価は低い。 ---ただし、こちらは結末がゲームと比べて明るい内容となっている。 -登場人物の一人「グルガ」がカルト的な人気を誇る。 --「勇敢で心優しい正義感溢れる革命の英雄」「革命時に殺した相手の娘を引き取るが、その娘は盲目で今の父親が別人とは気付いていない。しかしそれでも彼女の目を治すべく奮闘する」という物凄くかっこいいバックボーンを持ちながらも''常時ふんどし一丁・焼けた肌に筋肉もりもりマッチョ''という威圧的な外見に加え回復時の''「美しい…」「完璧だ…」''という濃すぎるボイスや''ボディビルダーのようなポージング''もあり、非常に濃いキャラに仕上がっている。上述した通り、図鑑での解説も完全にネタに走っている。 --ストーリー本編でギャグ描写は一切無く、むしろ感動的なエピソードが用意されているものの、後述のモンスターゲームの劇場では思う存分ネタにされている。興味がある方は是非見ていただきたい。 ---また、『III』でも(主に娘関連で)少々コミカルな所が描かれている。流石にふんどし一丁では無くなった。 --性能面では見た目通りの前衛パワーキャラ。ご丁寧に専用のチャージ技、その名も「''グルガチャージ''」なる技が用意されており、ただでさえ高い攻撃力が更に加速する。棒も装備できるので、範囲攻撃もこなせる。~ おまけに光属性のキャラのため、アンデッド属性の敵をHP1状態を経ずに倒せるなど、''外見さえ気にしなければ極めて優秀なキャラ''である。 --本作の主要な制作スタッフの一人はあの「超兄貴」開発関係者とのこと。彼がこの様なキャラクターとなったのは&bold(){その辺りも大きく関係しているのかもしれない}。 -主人公「エルク」も''「うへぇ、ロリコンか」((とある敵の「金髪の女(リーザのこと)は俺によこせ」という台詞に対する返し。ちなみにリーザは14歳。巨乳。))、「だいたいてめえ、さっきからセリフがひらがなばっかりじゃねえか」((合流シーンでのトッシュとの口喧嘩にて。台詞が字幕のみだからこそ出来るメタ発言である。この台詞の所為でトッシュ=セリフがひらがなというイメージが定着してしまっている。))''等、メタ的な名言が多い。 --彼自身凄く暗い過去を持ちながらも、勇者として成長していく姿はネタ抜きにしても人気が高い。但し、中盤以降から見せ場をアークに取られがちで、序盤から時折見せるギャグ描写等からどうしても「2番手」ポジションが強い。 ---とはいえ、彼の見せ場もかなり多く戦力としても十分一軍を張っていける性能ではある。また、諸事情で退場するアークと違って以降の『III』や『機神』でも扱いは良い。 --性能は主人公らしくバランス型。直接戦闘は勿論、魔法攻撃や能力バフ等もこなせて何かと器用。掟破りの「インビシブル」も自力で習得できる。 -戦闘ボイスが一部ネタにされている。滑舌の問題で別のセリフに聞こえたり、真面目なセリフでも別の意味に聞こえたりするからである。 --例:アーク「蹴散らせ!」→「ケツ出せ!」、エルク「焼かれたいヤツから来な!」→「抱かれたいヤツから来な!」~ リーザ「かったぁーい」→本来なら(防御されて)敵の防御力が高いという意味だが妙にエロい、「あん!」→攻撃を防御された時のセリフだが、妙にエr…~ トッシュ「おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!」「いちげきだぜ!」→ダメージが敵の最大HPを上回った時の台詞。何回も攻撃しているのにいちげきだぜ!と言ってのける。ダメージ判定は1回だが…((四コマアンソロジーでも案の定ネタにされており、「あの人、数が数えられないんだよ」というヒドいオチが付く。))。 ~ ヂークベックも同シチュエーションで「一撃ジャ!」と言うのだがこちらはあまりネタにされない。やはりトッシュの方がインパクトが強いからだろうか。 --後述のモンスターゲームでは、「シャンテの劇場」なるものがあり、ボイスの組み合わせのみで作る寸劇(ショートコント集)が作られた。また、前作と『III』にも同様のサブイベントが用意されている。 -敵が全滅する隠しコマンド(通称:瞬殺コマンド)というものが存在する。 --極めて強力だが、当然ゲームとしてつまらなくなる上にタイミングによってはフリーズ等の原因になるのでご利用は計画的に。 -最高LVは1000((ただし通常のレベル上げではLV150を目指すのもきつい。))。ちなみにこれまでのRPGでの最高LVは『[[イデアの日]]』の999である。 -武器の中に『デスクリムゾン』という銃が存在する。 --名前だけでなく銃である点まで共通しているので、同年に発売された[[あのクソゲー>デスクリムゾン]]が元ネタである。~ …のかもしれないが、本作にはデスの名の付く多数の装備が存在するので、実際にはただの偶然の可能性の方が高いだろう((デスブレイド・デスイレイザー・デスニードル・デスクリムゾン・デスイリュージョン・デスロザリーと何と6種類も存在する。また、デスクリムゾンの鑑定文に、同名のクソゲーの事を示唆する記述等は特にない。))。~ ちなみに鍛えれば最大5種類もの状態異常を付加でき、攻撃力もまずまずの優秀な武器なので、愛用するプレイヤーは多い。 ---- *アークザラッド・モンスターゲームwithカジノゲーム 【あーくざらっど もんすたーげーむうぃずかじのげーむ】 |ジャンル|シミュレーションRPG+ミニゲーム集|&amazon(B00005OVEZ)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1997年7月31日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年12月12日/600円(PS3非対応)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| **概要(MwG) 『アークII』のやり込み用ディスク『モンスターゲーム』とファンディスク的な作品『カジノゲーム』のセット品。~ 『モンスターゲーム』は元々は『アークII』の初回出荷版に付属する応募券を送る事で抽選でプレゼントされた非売品だった経緯がある。~ キャッチコピーは「''アーク、たまには脇役になりなさい。''」。 **モンスターゲーム -『アークII』のリーザのラヴィッシュで捕まえたモンスターを使用して闘技場を制覇する事が目的。 --『II』のデータを共有する仕組みのため、ゲームをプレイするには『II』のデータが必要不可欠。また、こちらで新たにデータを作る事は出来ない。 --ゲーム中は主人公となるアバターを男女から選択する。プレイの度に選択するので、その時の気分で変えられる。 -試合に参加できるのはモンスターのみで、相手は全15チーム(1チーム3人パーティ制)が用意されている。 --敵のレベルはこちらの出撃キャラのレベルによって変動する。その為、レベルを上げまくれば楽勝という事は無く、逆に武器や戦略が重要となる。敵のレベルはこちらの出撃中のキャラの最もレベルの高い者が基準となる為、出撃させるキャラのレベルはなるべく均等にした方が良い。変動率はチームによって異なる。 --初期チームを全員撃破すると新たな15チームが出現する他、1チーム5人パーティ制となり人間キャラも使えるようになる。%%モン…スター?%% ---ただしパーティに人間キャラを一人でも加えると、そのパーティが戦う相手のレベルが40%高くなるというデメリットもある。 --どこまで連勝できるかを競うモードもある他、対戦機能も存在する。 ---1Pが人間が使用可能なデータであれば、この2つでも使用可能となる。 -鍛冶屋やマザークレアの館((モンスターの技追加やクラスチェンジなどを行う施設))、ヴィルマー研究所((ヂークベックの蓄積した経験値を仲間たちに分配する施設))など『II』では世界各地に分散されていた便利な施設が一同に揃っている。 --ヴィルマー研究所は内容もありヂークベックが居ない間は利用出来ないが 、鍛冶屋とマザークレアは本編では利用できない時期でも全て利用可能となっている。 -キャラクターの戦闘用ボイスを使用した寸劇「シャンテの劇場」やセーブデータ同士のアイテムとモンスターの交換機能「トレードセンター」も存在する。 --仲間達の戦闘用ボイスを好きに再生できるおまけもある。但し、覚醒ちょこの声を聴くには本編をストーリー終盤まで進める必要がある。 ***評価点(M) -闘技場を勝ち進むことで様々な報酬を得ることができる。非常に強力な武器防具や、通常では絶対に習得不能な特殊能力を持っていたり、ステータスにドーピングを施されたモンスター等。 --本編では設定ミスで登場しなかった「紫の思い出草」、入手できる可能性のある戦闘が限られている上に低確率であった「炎の剣」等も入手できるようになっている。 --人間解禁後全ての対戦に制覇すると、無改造で全アイテム中最強の攻撃力を誇る最強の剣「エルソード」が手に入る。 -モンスターやアイテムの交換機能があるため、他データを倉庫代わりにすることができる。つまり、本編の「アイテム欄が少ない」という問題点をある程度解消することができる。 --また、セーブ&ロードを繰り返して好きなだけ増殖を行ったり、新しくプレイするデータに引き継ぎを行うといったこともできる。 -対戦機能を利用することで、本来敵にしか使用できない「チェンジエネミー」を味方に使用することができる。これによりかなり自在にモンスターを改造することが可能。 --そのため、事実上モンスターの育成手段に幅が出る。 ---例として初期からいるパンディットだとキラードッグ系なのでキラードッグとデスハウンド((加えてウェアウルフ、ウェアタイガー、ウェアジャッカル、ウルフアンデッドの計六種))にしかなれないが、チェンジエネミーを使用すると、先の二種に加えてヘルハウンド、キラーウルフ、ヌエ、ケルベロス((前者二種はヘルハウンド系、後者二種はグリフォン系))の計六種と系統の壁を越えてクラス変更が行える。~ ***問題点(M) -基本的なパーティバトルでは指示が出せず、前もって設定した作戦に沿ってオートで戦闘が展開される。 --問題はこのAIの頭がかなり悪い事である。弱くて役に立たない技を連発したり、狭い通路の変な所に居座って渋滞を起こしたりなどは日常茶飯事。 --加えて敵は本編終盤で手に入るような強い武器を標準装備している為、慣れないうちはすぐに負けてしまう。 -当然ながら、上記機能をフル活用すると、序盤から強力な武器防具やモンスターを使えるし、ドーピングアイテムを増殖することによってお手軽にパラメータを強化できてしまう。ご利用は計画的に。 -ロードできないはずのデータをロードするバグがある。乱用すると本編の進行に異常をきたすこともある。 -セーブ&ロードを担当するサニアの口調が必要もなくキツい。本編ではそこまできつい口調ではないのだが…。 --逆に『II』では立場上、淑やかに振舞っていたククルは本来の快活な口調に戻っている。『I』の彼女が好きだったプレイヤーには嬉しい点だろう。 **カジノゲーム -チョンガラが経営するカジノを舞台としたミニゲーム集。何故か店員は『II』登場キャラのそっくりさんとなっている。 --こちらは本編とは無関係のゲーム。単体で遊べるが、新たにデータを作る必要がある。 --『II』本編ではボイスを発する機会の無いチョンガラもこちらではよく喋る。 -ミニゲームはナンバーズとスロット、ビンゴと競馬と''射的''を組み合わせた「ビンゴダービー」((ベットしていない邪魔なキャラを射撃してレースに介入できる要素がある。))やルービックキューブの形をしたスロット、「大富豪」を元にしたカードゲームなどがある。 --ミニゲームを制覇するとチョンガラが元気を取り戻し、ゲームも絵柄を変更した上で高難易度になり、部屋内のジュークボックスが聞けるようになる。 ***評価点(C) -陰鬱な本編に比べ、明るく楽しい世界観。 --これはモンスターゲームの劇場なども同一だが、本編で時折見せるギャグやユーモアに満ち溢れたポップな世界観になっている。 ---特に陰鬱なストーリーだけでなく、レベル上げの作業も長引いてしまいストレスを溜めがちな本編をやる際に''心の清涼剤''としてもってこいな一本に仕上がっている。 -ミニゲームはどれも面白い --上記「ビンゴダービー」はルールの独自性は勿論、''絵本のような背景を走るプレイヤーキャラたちが書かれた板+本編のシリアスなBGM''というポップ通り越してシュールな演出になっており、腹筋崩壊間違いなし。 ***問題点(C) -本作との連動は無し。 --稼いだポイントでアイテムと交換…等の要素は残念ながら用意されていないため、完全なミニゲーム集として落ち着いてしまっている。 **総評(MwC) やりこみディスク+ファンディスクとしては非常に凝った作り。本編を極めた人にもより極めたい人にも、単純にアークの世界観が好きな人にもオススメできるセットである。 **余談(MwC) -後付けではあるがカジノゲームの舞台となるカジノは、次回作『[[III>アークザラッドIII]]』終了後にチョンガラが開業したものという設定である。 --カジノの建物も実は『III』に登場した歓楽街パンディラにある。しかし『機神』の頃には閉業している。つまり時系列では『II』→『III』→『CG』→『機神』という事に。

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