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「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「『特徴・評価点』の分離・記述整理」です。 ---- *ゼルダの伝説 スカイウォードソード 【ぜるだのでんせつ すかいうぉーどそーど】 |ジャンル|>|アクションアドベンチャー|&image(https://m.media-amazon.com/images/I/81SIhjt1mHL.jpg,height=160,https://www.amazon.co.jp/dp/B002C1ARK8)| |対応機種|>|Wii|~| |発売・開発元|>|任天堂|~| |発売日|通常版&br;ゼルダ25周年パック|2011年11月23日|~| |~|Wiiリモコンプラスセット|2012年1月31日|~| |定価|通常版|6,800円|~| |~|ゼルダ25周年パック&br;Wiiリモコンプラスセット|8,800円|~| |プレイ人数|>|1人|~| |周辺機器|>|''要WiiモーションプラスorWiiリモコンプラス''|~| |配信|>|【WiiU】2016年9月2日 / 2,700円(税込)|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|「濃密ゼルダ」の名に恥じないボリュームと手ごわさ&br;バトルの数だけ、謎解きがある&br;空中と水中の操作性が悪い|~| |>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス]]』に続く、Wii用『ゼルダ』の2本目。~ ただし、『トワプリ』が元々ゲームキューブ向けに開発されていたのに対し、本作は当初からWii専用ソフトとして開発されている。~ 開発期間は実に5年にも及び、キャッチコピーに「濃密ゼルダ」とあるように、ゲームのボリュームだけでなく遊びそのものの密度に重点が置かれている。~ 操作面ではWiiリモコンを剣に見立てて振るなど体感的な要素が多い。 ---- **特徴・評価点 ''システム'' -基本的には3Dゼルダ過去作のゲームシステムを引き継ぎながらも、アイテムの強化やダッシュなどのアクションの追加など、遊戯性を突き詰め快適なプレイを可能にしたシステムが追加された。 -ポーチアイテム --本作は「ポーチ」というアイテム欄に、ビンや盾、各所持数を追加するバクダン袋や矢筒などのアイテム、持っているだけで効果を発揮するメダルを入れる事になる。いわゆる「付け替えスキル」に相当する。 --初期は4つまで入れる事が可能。イベントをこなせば最大8つになるが全てのアイテムを持ち運べるわけではない。相棒のファイからポーチアイテムが現在の状況にあっているかアドバイスをもらうこともできるので、何を持っていくか迷った時はこのアドバイスを参考にできる。 --バクダン等の消耗品の所持数を増やすか、予備の盾を持っていくか、メダルで強化するか、ビンを持って薬を多めに持っていくか等、プレイヤーに合わせたスタイルを選択することが可能。 --メダルはハートが出やすくなる・ハート最大が増える、虫の居場所がマップに表示されるようになるなど、アイテム枠を取る分便利な効果を持っている。なお、本作でハートを最大にするにはメダルが必須となる。 -ダンジョンの謎解きに使う弓矢やクローショットなどのアイテムと、薬など冒険の補助に使われるポーチアイテムが分けられたことにより、アイテムを探す手間が省けた。 -新アイテム「ビートル」 --遠隔操作をすることが出来、直接行けない場所の偵察が可能になった。飛行距離もかなり長く、非常に離れた場所のアイテムを手に入れたり、スイッチを押すこともでき、何をすればいいのか分からなくなったときに隅々まで探索することが出来るようになった。強化すれば飛行距離、移動速度が上昇し、さらに快適な探索が可能になる。 -ダウジング --相棒ファイの能力で、対象がどこにあるのか、大まかな距離と方向を知ることが出来る。これにより、ゼルダの居場所や、冒険を進めるためのキーアイテムやハートなどのアイテムを探すことが出来るようになる。 &br; ''Wiiリモコンのフル活用'' -Wiiモーションプラスによるジャイロセンサーを用いた直感的な操作に特化しているのが特徴。''剣による攻撃は、振った方向により縦・横・斜め・突き''を自由に繰り出すことが出来る。~ この使い分けがうまくできるかどうかが、本作の難易度を極度に左右するほどの''基本操作''となっている。 --さらにリモコンを縦にしたままにして剣を掲げ、しばらくすると''スカイウォード''が使用できる。旧ゼルダにおける剣ビームであり、今作では攻撃だけでなく謎解きにも使用する。これも使いこなすか否かで、難易度に影響する。 -本作は『[[PUNCH-OUT!!]]』さながらに、不用意な剣攻撃は確実に防御する敵がかなり増加している。例えば敵が上を防御していれば下にゆっくり構えてから振り上げるなど、防御のスキを狙うような形でリモコンを振り分けねばならない。 --これはつまり、''今までのように適当に剣を振っているだけでは雑魚敵を一体倒すことすらままならない''ということである。 ---しかし逆に言えば、敵の動きを見極めて、適切に操作する重要さが増しており、より臨場感のある戦闘を楽しめる。最初は思うように敵を倒せず手こずるだろうが、 慣れていくにつれてまるで自分自身がリンクになったかのように、自由自在に剣を操る体験ができ、主人公との一体感と腕の上達を味わえるという見事な操作体系を実現している。 -弓矢やパチンコで狙いをつけるにもWiiリモコンを使用する他、マップの各所にある綱を渡る際のバランス取りや水中を泳ぐ際の方向転換など、様々な部分でWiiリモコンを使う。むしろWiiリモコンを使わない操作の方が少ない。 --特にヌンチャクにより「引き絞る動作」を疑似的にできるようになった弓矢の評価は高い(従来と同じボタンでの引き絞りもできるが、ヌンチャクを使えば瞬時に構えが完了するという凝った設計)。 -ちなみに剣をWiiリモコンで振る仕様に合わせて、本作のリンクは右利きに設定されている。ゲーム内に加えて公式イラストなどでも右利きで統一されている。 -この操作体系のため、本作はWiiモーションプラスの着用、またはWiiリモコンプラスが必須となっている。 --それを前提に調整されているため全体的なレスポンスは非常に良好で、落ち着いて操作すれば前作のように誤入力が起こることは少ない。また、使用中にWiiリモコンの動きにズレが生じてきた場合は十字キーの下でいつでも補正できる。 --逆にゲーム中はWiiリモコン自体のセンサーバーを一切使わない仕様となっている。 //Wiiモーションプラスの補正は「ボタンの面を下にして水平の場所に置く」 &br; ''テンポのよさ'' -アイテム選択時にはゲームがポーズされず動作したまま選択する事になる。Bトリガーを押しっぱなしにするとアイテム画面が表示され、Bを離した時にWiiリモコンを傾けている方向に応じてアイテムを切り替える仕組みとなっている。 --アイテム画面がどの配置になっているのかを覚えておけば、あらかじめWiiリモコンを傾けておき、素早くアイテムを切り替える事も可能。慣れれば慣れるほどスムーズに操作が出来るようになり、剣の操作同様に自分の腕の上達を実感できる。 --ゲーム進行中にアイテムを選択する事になるので、選んでいる間に攻撃を受ける場合もある。前作までは薬を飲む際にはゲームが停止していたが、今作では薬を飲む際にもゲームが停止せず移動しながら飲むことが出来る。ピンチで薬を飲みたい時も、敵から離れて安全な場所に逃げてから飲むなど、素早い判断力が要求され緊張感も増している。 -2ボタンを押す事によって、いつでも操作のヘルプが呼び出せる。 --ヘルプもゲームが停止せず表示され、リンクのそのときの状況(何も持っていないとき、剣や各種アイテムを出しているとき、泳いでいるときなど)に応じて随時内容が変化し、操作のヒントを教えてくれる。 &br; ''有機的に関連した収集要素'' -今までのゼルダでは、お宝を集めてもルピーをもらうこと以外にあまり使い道がなく、虫にしてもただ集めるだけといった向きが強かった。 --だが、今作ではお宝はアイテムの強化に、虫は薬の強化に使うため、それぞれ集めることで非常に冒険に役立つようになった。 --また、ルピーに交換してもアイテムの強化、予備の盾を含むポーチアイテムの購入…などなどかなり出費が増えた為、収集要素が無駄になることなく、冒険につながるようになった。 &br; ''濃密なゲームボリューム'' -キャッチコピーにもあるように、本作は非常に濃密。公式曰くプレイ時間は70~100時間にも及ぶ。さらに虫やお宝の収集、各地におかれた女神キューブや感謝のかけら集め、ミニゲームなどのやり込み・寄り道要素も満載。 --女神キューブとは大地の各地に置かれたキューブで、これにスカイウォードをあてると対応した大空にある宝箱が開くようになる。宝箱の中には冒険に役立つ便利なアイテムや多額のルピーが入っている。 --感謝のかけらは、人に感謝されたときに出るもので、集めると同様に役立つアイテムがもらえる。 --どちらも集めるのは大変だが、ゲームが進むとダウジングによってどこにあるか知ることが出来、収集の手助けになる。 -ミニゲームはシリーズ恒例の弓矢を用いた射的の他にも、ルピーの掘り当てやトロッコレース等バラエティに富んでいる。 &br; ''伝説のはじまり''を描くストーリー -今作の世界にはまだ「ハイラル」という言葉すら存在しない。マスターソードの誕生までのエピソード等が描かれ、テレビCMでは「ゼルダの伝説、はじまりの物語」とされているように、現時点で今作がシリーズ通して時系列的に最初の物語となる。 --シナリオは従来のゼルダシリーズを踏襲した極めて王道的な作風で、期待を裏切らない出来である。 ---伏線の張り方等も絶妙で、何度もよく目にしていたアレが実は…という仕掛けも多い。 //ex.) 天と大地に切り離された神殿、老婆とインパの関係性など。 --『[[時のオカリナ>ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』や『[[風のタクト>ゼルダの伝説 風のタクト]]』等の歴代ゼルダ経験者向けのネタも多数仕込まれているが、時系列上は最初の話なので、ゼルダの知識が全く無くても問題なく楽しめる。 //ex.) 時のオカリナ:各種賢者のメダルマーク,風のタクト:マスターソードが力を取り戻す際の変形 &br; ''魅力的なキャラクター'' -今作のゼルダは姫ではなく、リンクと幼馴染で同級生というかなり近しい関係であり、ゼルダ個人に関する描写も多いため、「助けたい」という気持ちをより強くさせる。 -敵のボスであり作中幾度となく闘うことになるギラヒムも、その独特のセリフ回しや行動・動作も含めた奇抜なキャラデザインがとても印象的。~ ファンは彼を本当に''「ギラヒム様」''と呼んで親しんでいる。 -本作のパートナーキャラのポジションである、剣の精霊ファイ。人造生命体らしく機械的な思考・台詞が特徴だが、駄洒落を交えた解説をしたりリンクの行いに注意や苦言を行ったりするなど、印象的な部分も多い。 --そして彼女は出会う人物・敵全てに解説を行ってくれる。中には思わず笑ってしまうものも。 ---ただし、スカイロフトレスキュー隊などは解説がない。 -他にもドラえもんで言うジャイアンに相当するキャラのバドを始め、どのキャラクターもそれぞれの魅力にあふれている。ゲームやイベントを進めるに連れて彼らの意外な一面も見られたりすることも。特にバドは初登場シーンからは考えられないほど非常にカッコよくなる。 -また『風のタクト』以降ちょくちょく出演している「テリー」や、ムジュラ以降シリーズの定番ネタとなりつつある「手」などお馴染のサブキャラも登場する。 &br; ''高い難易度'' -これまでのゼルダシリーズはどちらかというと低難易度化の傾向にあったが、本作はそれらに喝を入れるかのような高難易度になっている。そのため''『風のタクト』『ふしぎのぼうし』以降と同じ感覚でプレイすると、確実に痛い目に遭う。'' --その分ハート初期値は従来の倍の6から始まるが、最初のダンジョン時点ですでに1ミスで1ハート分というよりシンプルな攻撃力設定になっているため、難易度感覚は初期作とほぼ変わらない。詳しくは後述するが、ゲームに慣れるための意図的な設計ではないかと思われる。 -ただの雑魚敵も適当に剣を振れば倒せるような相手ではなく、的確にこちらの攻撃を防御してきたり、特定の切り方でないとダメージを与えられないといった一癖ある敵ばかり。剣の振り方やアイテムの使い分け、時には逃げた方がいい、そもそも逃げるしかない場合もある。 --例として挙がるのがスタルチュラ。「時オカ」から出ている巨大なクモで、腹部が弱点……なのだが、倒すにはまずひっくり返すか剣撃で向きを変えてから腹部に突きを入れなければ倒せない。地上にいる時はともかく、宙にぶら下がっている場合は反動での体当たりを食らうリスクを常に覚悟しなければならないため、地上に引きずり下ろす手段のない初プレイ時は高確率でこいつに返り討ちにされることだろう。 --それでも、相手の動きを見極め、相手の隙に乗じて攻撃すれば気持ちよく斬る事が出来る。前述の通り慣れてくると自由自在に斬ることが出来るようになるので、苦戦させられた敵を思うがままに攻撃出来るようになる。回転斬りなどがヒットするとかなり吹っ飛んだりするので、爽快感もある。 -「がんばりゲージ」の導入 --所謂スタミナゲージで、ダッシュしたり重いものを持ち上げたり、ツタなどにしがみついていると消費する。なくなるとリンクはヘロヘロになってしまい、ゲージが回復し切るまで動きが鈍くなって一部の動作も行えなくなってしまう。これによりツタや崖の移動時に常に落下の危険性が伴う等の緊迫感が加わった。 --ダッシュが実装されたことで遠いところへも短時間でたどり着けるようになり、非常に快適なプレイが可能になった。また、壁にダッシュすると、壁を蹴ってよじ登るという”かけあがり”というアクションが追加された。これにより、今までブロックがなければ上ることが出来なかった壁にも登れるようになり、よりリンクの挙動がリアルになった。普段の移動の他にも、大きな盾を構える敵に向かってダッシュし、その盾を駆け上がって後ろに回り、隙だらけの背面を斬りつけるなど、戦闘にも応用できる重要テクニックとなっている。 --ダッシュが出来るようになったので、敵と戦ってピンチになったら全力で逃げ出すなど、幅広い戦略をとれるようになった。 --ツタの移動時にも、リモコンを振れば飛び移ることが出来るようになり、移動が非常に快適に。がんばりゲージは大きく減るものの、がんばりの実というアイテムをとれば瞬時に全回復する。ツタ移動の場面では大抵設置されているので、よほど無計画なプレイをしない限り落下するようなことはない。 ---がんばりゲージの減少をしばらく遅くする薬もある。この薬を強化すればがんばりゲージが一定時間減らずに行動できる為、ダッシュし続けることも可能になる。 --とはいえ、実質ダッシュに制限がかかってるような状態である故、ダッシュぐらい無制限にさせて欲しいという意見もあり、賛否両論となっている。 -これまで盾は無敵の存在で、一部の盾を除いて防御すればほとんどの攻撃を防ぐことが出来たが、''本作は盾までもが消耗品扱い''になっている。弱点だけでなく耐久度が設定されており、普通にダメージを防ぎ続けただけでも壊れてしまう。 //木の盾が燃やされるのは以前もあったが、鉄製の盾は電気を通してしまう。 --この仕様のために今までの常套手段であった「盾で防御しつつ時間をかけて攻撃のチャンスをうかがう」といったことが出来なくなっている。 ---また、今作では鉄製の盾にも電気攻撃を防げないという弱点が設定された。 --壊れた場合は当然新しいのを買い直さなければならないし、何よりこれから向かう先に合わせて持ち替える必要もある。一応弱点が無く、自己修復する「聖なる盾」も存在しているが、こちらは高い上に名称の割に耐久度が極めて低く、盾アタックに習熟しきるまでは耐久度が回復するまでは敵から逃げ回る事になりやすい。道場で盾アタックの練習はできるが。 ---後述の「空中での操作性」もあり、「壊れた直後に買いに行く」というのも手間がかかる。一応「盾を複数個持ち歩く」はできる。 --弱点が無く、ゲージが減らない従来通りの仕様の盾((ただし、前述の「聖なる盾」にある「くされボコブリンを孕ませる」効果はない為他の盾の完全上位ではない))もあるが、入手可能になるのが終盤も終盤になってから。 ---しかも入手条件が「ミニゲームのボスラッシュで8連勝」になっている。このボスラッシュは武器が初回の戦闘時に持っているものしか使えない((剣の強化されたまま。))上、ポーチのアイテムも盾しか使えない((一応、一部の薬は挑戦前に飲んでおけばしばらくは薬の効果を維持したまま戦う事が出来る。))ため入手がやや難しい。 --盾は強化して壊れにくくしたり、壊れる前ならジャンク屋や薬で盾を修理することもできる。また、敵の攻撃を受ける際にヌンチャクをタイミングよく振る「盾アタック」が決まれば盾の耐久ゲージは減らず、さらに敵を怯ませる事もできる。 ---盾アタックはほとんどの敵に有効。さらに「盾で突く」という動作のためか、(後の「ブレスオブザワイルド」よりも)受付タイミング自体はいうほど厳しくなく、タイミングがズレても直撃してしまうことが少ないため、気兼ねなく狙うことが出来る。 --盾を能動的に外したまま進行することも可能。盾を温存できる以上のメリットはないが、今迄は盾によって見えなかったリンクの背中や剣の鞘を好きなだけ見られる。 -アイテム選択画面で時間が止まらないようになった。装備変更や回復アイテムを選ぶ間も常に状況は変わり悠長にしていられず、ゲームポーズは画面が隠れるマップかオプションしかない。 --また、薬を飲んでる間も一時停止しないのでピンチになる前に飲むか温存しておくかの判断が重要になった。その代わりに飲みながら歩けるようになった。 -試練として、「サイレン」が登場。ここは「リンクの心の試練」という設定で、「しずく」というアイテムを15個入手するのが目的。 --ここには剣も含めて一切のアイテムを持ち込むことが出来ず、よって敵からは逃げる事しかできない上に攻撃を受けるとまた最初から集め直し。しずくを1個入手する度に敵の動きは止まるが、その時間も限られている。よって敵が動いている間は見つからないように進まなければならない。全てのしずくを入手して指定の場所まで戻ればクリアとなる。 --また、スタート地点のレリーフから出る度に敵が動き出すムービーが入るため、少しうっとうしく感じる。 --ただ目の前のしずくを闇雲に取るのではなく、取りやすいものは後回しにするなどの戦略も必要。「急がば回れ」「短気は損気」ではあるが、「しずく入手する度に敵の動きは止まり、頑張りゲージも回復する」という点を念頭に、敵に見つかる前提で次のしずくまでノンストップで走るという一見無茶な選択の方がいい場合もある。 -本編を一度クリアすると出現する「辛口モード」。雑魚を倒してもハートが出てこずハート花もすべて撤去されているというのに、受けるダメージが2倍になっているなど、文字通りの激辛アクションアドベンチャーが待ち構える。 --敵の攻撃をしっかり見切る戦術以上に、スカイウォード((辛口モードでは最初からスカイウォード能力だけ最後まで強化された状態になっている。))を使い、遠距離から攻撃をさせずに倒すという安全確保が重要になってくる。 --一応あるアイテムを持っているとハートが出てくるようになるが、元から攻撃が中々痛いこのゲームで被ダメ2倍はハートが出てこようが凶悪。回復アイテムはあくまでも気休め程度に考え、そもそも敵の攻撃を受けないノーダメージプレイの安定が前提となる。辛口の名は字面以上である。 ---しかもそのアイテムはポーチに入れる為、スペースを取る。 -セーブがこれまでのどこでも自由に行える方式から、各地に配置された「鳥のモニュメント」前で行うという、いわゆるセーブポイント方式に変更。少し進んではセーブ、という手段が取れなくなり、ピンチの時は無理しても進むか、回復に戻るか、という駆け引きが生まれた。 --シビアになったように感じるが、モニュメントは各地のエリア毎はもちろんダンジョン内にも適度な間隔で置かれているので、ゲームが中断しにくいと感じる場面は意外と少ないと思われる。 --なお、地上に配置された各モニュメントは大空から降り立つ際の降下地点として機能し、大空へ戻る時にもモニュメントを経由する必要がある。ダンジョン内のものは大空へ繋がる機能はないが、ダンジョン外へ脱出する機能が与えられている。 &br; ''グラフィック'' -今作のグラフィックデザインは『時のオカリナ』から始まった「リアルゼルダ」を踏襲しており、リアルな高頭身でキャラクターが描かれている。 --一方で、写実路線だった『トワプリ』と異なり、キャラクターデザイン自体はややアニメ調のデフォルメの効いたハーフトゥーンという技法で描かれており、水彩画風の淡い色彩で統一されている。 ---これについては「開発初期はキャラクターも水彩画風にしていたが、これでは背景に埋もれて見えづらくなってしまったため」と公式ホームページの「社長が訊く」で説明されている。 //-今作のグラフィックは淡い色合いの水彩画風でキャラクターはリアルとアニメを足して割ったようなハーフトゥーンという技法が使われている //--これは「開発初期はキャラクターも水彩画風にしていたがこれでは背景に埋もれて見えづらくなってしまったため」と公式ホームページの社長が訊くで説明している //下記問題点の「グラフィックの志向性が見えてこない」の記述の一部をこちらに統合。 ---- **賛否両論点 -操作性の問題 --直感的な操作は評価点でもあるが、それでも完璧という訳ではない。水中操作に関しては問題点として後述するが、剣の「突き」動作や「とどめ」、「回転切り」といったアクションを自由に繰り出せるようになるには慣れが必要。これはどちらかといえばゲームよりもWiiヌンチャクの問題で、コントローラとしての挙動のコツを掴む必要がある。 -シリーズ恒例の「ハートのかけら」と「感謝のしるし」に気が引けてしまう入手条件のものがある。 --前者は「バーの壁に体当たりしてシャンデリアを壊す(ハートの器がシャンデリア上に乗っている…というより、装飾品の一部になっている)」というもので、多大な迷惑行為を行わねばならない。 ---しかも事前にマスターから「壁に体当たりするとシャンデリアが壊れるから気を付けてくれよ」と警告されており、もどかしい想いをしたプレイヤーもいる。&s(){警告がヒントになっているとも} --ちなみにシャンデリアを壊すと弁償の為にバーで働く事になり、これをクリアで「感謝のしるし」が手に入るという流れになる。&s(){自業自得なのに…。} ---なお仕事の中に「一列に積んだカボチャを落とさずに運ぶ」いうものがあるのだが、カボチャが揺れて落ちないようにする必要があり妙に難易度が高い。運ぶ途中で「カボチャ一個ずつ運ぶ方が手っ取り早いだろうに…」と零すプレイヤーも多かったと思われる。&s(){リンクの不幸こそ最高の賠償なのだろうか?} ---一応、やめたくなったら中断する事ができるし、シャンデリアを壊したままで弁償をしなくともエンディングまでは行ける。 -回復アイテムに「かぼちゃスープ」があるが、この回復アイテムは購入してから5分で回復量が半減する上、他の回復アイテムと比べて安いわけでもないため活用する価値がほとんど無い。 --他の回復アイテムのほぼ下位互換であり、上記の「シャンデリア弁償」の一環の「かぼちゃスープを冷めないうちに配達する」という仕事くらいでしか使い道がない趣味アイテムとなっている。 -プレイテンポに関する賛否 --「社長が訊く」でも触れられているが、ダンジョンや大まかな地域の種類が少なく、世界の広がりにやや乏しい。密度重視でボリュームのある本作だが、物語のルート上を問題無くプレイできている間はともかく、次の攻略場所やキーアイテム探しなどで迷っている最中は何度も同じ所を行き来することになる。良くも悪くも直接的なヒント((分かりやすくはあるのだが、そのものズバリな場所や行動を指すものばかりではなく、紛らわしい要素も少なからず存在する。))は少なめで、迷わされる分だけ飽きがきやすい。 ---テンポ向上を重視するあまり、ファイが然程アドバイスしてくれなくなるというのも、それはそれで世界観やストーリー上問題ではあるが…。 ---また、地形は非常に複雑で作りこまれているため、一度の来訪では探索しきれるものではない(逆にそれが迷わされる原因にもなっているのだが)。何度も訪れる間にも、新しい場所を見つけるなどの発見もあり、通いつめてその地形を覚えるほどスムーズに冒険を進められる。 ---地域の種類は少ないといってもフィールドの様変わりやより奥地など、舞台の広がりは決して小さいものではない。冒険を進めて再び訪れた時には火山の噴火などによって大きく変化することもあり、非常にバラエティに富んでいる。 ---ダンジョンの数にしても、流石に4つしかなかった『ムジュラの仮面』よりは多いし、丁寧に作りこまれていて、ボリュームの少なさを感じることはない。 --2周目の辛口モードは徐々に作業感が増してくる。 ---1周目で培った経験で攻略ルートに迷う事はなくなる一方、今度はそこに至るためのお使い系のクエストの煩わしさが忍び寄る。もっとも2周目はあくまでオマケと見る事もできるが…。 #region(ソフト全体の難易度が高いとはいえ最初のボスが……(序盤のネタバレについて)) -なんと最初のダンジョンのボスがいきなり前述のギラヒムである。最初だから手加減を…等ということは無く割と本気で殺しにかかってくる。 --ギラヒム自身は初戦は相当手加減をしているつもりらしく、実際に初戦は攻撃パターンはかなり少ないが、''この時点で「正しい方向から斬る」操作ができなければ絶対に勝てないという、初戦にしては過度に強い相手''。剣の振り分けを基本操作と上述したのはこのためである。 ---しかも攻略法が「剣を構えて特定の場所にだけ注目させ、注目していない場所から斬る」という方法。無防備でない方から斬ると剣を掴まれ、最悪の場合剣を奪われてしまう。ギラヒムが投げつけた剣を拾うまではリンクは一方的に攻撃される。 --ファイのヒントも「無防備な方から狙う必要がある」とだけで、その手段がわかりにくい。他は強いて挙げればギラヒムが剣を奪うと「剣を見ていれば片手で掴める」というだけ。 ---ヒントがないせいで過去作をやった人なら「パチンコやビートルでギラヒムを失神させてから斬る」と解釈されかねないが、ギラヒムにはこういった武器が使い物にならず、初回だけではないものの剣と盾のテクニックだけで立ち向かわなければならない。近年のゼルダのダンジョンボスとしては型破りな存在。 ---このせいで「剣もパチンコもビートルも効かない」と誤解され、「最初のボスで詰んだ」「負けイベント」と思ってしまう可能性がある。 ---一応、離れていればナイフを発射してくるので、そのナイフを盾アタックで反射して反撃してもダメージを与える事は出来る。 #endregion -電気を防ぐ盾は存在するが、電気を防ぐ剣は存在しない。そもそも剣の選択自体が出来ないのだが… --電気を帯電している状態の敵を斬りつけたり、電気を帯びた武器を使う敵を間違った方向から斬りつけると、感電して逆にこちらがダメージを受けてしまうのだが、これを防ぐ手段がない。ストーリーを進めて剣を最終段階まで強化しても、帯電している敵を攻撃する時の感電は防げない。 ---これまでのシリーズにもこのような敵は存在したし、一応スカイウォードや弓矢で遠距離から攻撃したり、パチンコで隙を作るなどして安全に戦う手段はある。だが、防ぐのはできるのに剣ですぐ倒せないのはもどかしいという意見もある。 -ファイによる「敵への注目」がボタンを押したときだけ注目しかできない。 --大半のボス戦や中ボス戦は敵が複数いる場合でもない限りは注目を解除するメリットがほぼないのだが、ボタンを離すと解除される使用にしかできない為、人によってはもどかしさを感じる。 ---同時期にリメイクされた「時のオカリナ」では「ボタンを放しても注目し続け、再び押すと解除((ただし、倒したりリンクから見えない場所に消えたりすると強制的に解除される。))」という仕様にもできるため、本作でも導入できなかったのか。 //↑具体的にどう問題なのか説明が足りない。察するに「モーメンタリ式(押しっぱなし)とトグル式(押す毎)のどちらの操作がいいか」といった話になるのだと思うが、メトロイドプライムシリーズ等は前者の方式であるが問題点として挙がった事はない。 //--『風のタクト』の海の移動が散々批判されたにもかかわらず、同じ失敗を繰り返してしまった形である。もっとも、自分で操作する必要があるため『タクト』よりは退屈さは緩和されたという意見もあるが。 //--またゲーム冒頭でロフトバードによる空中移動をクリアしないと先に進めないチュートリアルがあるが、この難易度が前述の操作性の悪さも相まって高い。独特の操作にまだ慣れていない状態でノルマを課せられるので、苦手な人はここで何十分も詰まってしまう可能性がある。 //---新しいゲームを開始したばかりの時点でこんな面倒でストレスの溜まる操作を強いるのは、プレイヤーのモチベーションを大きく下げる要因になってしまうが、これも『トワプリ』で釣りのミニゲームを冒頭で強制させた失敗を繰り返してしまっている。 //--「[[ポケモンレンジャー 光の軌跡]]」のように「一度行った場所なら指定するだけで行ける」というシステムにできなかったのか。 //↑「散々批判された」「同じ失敗を繰り返した」と強調しているが、そういった話は見た事が無い。ざっとレビューを検索してもこの点について詳しく言及している記事はヒットしない。 ---- **問題点 -''致命的な進行不能バグ'' --後半、ある特定の順序で進めてしまうと後のイベントが発生しなくなり、そのまま進行不能となる。 --これに対して任天堂は謝罪し、本作のデータを入れたSDカードを送ることで修正をするという対処がされた([[詳細>https://www.nintendo.co.jp/wii/souj/info/]])。~ 修復プログラムもWiiチャンネルとして配信。ネットに接続している人は、自宅での修復も可能である。 --回避不能というわけではないが発生条件がやや気づきにくいため、犠牲となったプレイヤーも多い。 -水中の操作性が悪い --操作性の難点として最も挙げられる事の多い問題点。 --地上移動がコントローラで行っていたのに対し、空中・水中では「リモコンの傾きに合わせて進行方向が変わる」という操作方法になっている事が原因。 --空中はプレイヤーが任意的に起こすモードかつインターバルが挟まれるのでそこまで問題ではないが、水域はフィールドやダンジョンに存在する上、地上⇔水中の移動のたびにエイミング(照準)操作とリンクの操作が入れ替わるため非常に動かしにくくなっている。この挙動に慣れるまで時間を要したプレイヤーも多く、ストレス要素として挙げられる事も少なくない。 //-グラフィック・アートデザインが中途半端であり、志向がいまいち見えてこない。 //--今作のグラフィックデザインは基本的には『時のオカリナ』から始まった「リアルゼルダ」を踏襲しており『トワプリ』と同じ等身でキャラクターが描かれている。…のだが、テクスチャーなどが『風のタクト』にやや寄ったようなアニメ調の雰囲気も持っており、早い話トワプリと風タクの折衷のような感触になっている。温かみがあるなど評価する意見もあればどっちつかずでパッとしないなどの反対意見もある。 //特徴か、賛否両論点にするべき //特徴のグラフィックの項目に記述の一部を統合。取り立てて賛否両論の項目に立てるまでもないと思いCOに留めるが、もし復帰させるならば↑の方と同じく賛否両論の項目を設けるのが妥当と思う。 -その他のゲーム上のテンポの問題点 --地上に配置されたモニュメントはワープポイントとして利用できるのだが、地上から同地域のモニュメントへ直接アクセスすることができない。必ず大空へ飛び立つ必要がある。あくまで「ロフトバードからの降下」であってワープ移動ではないことを意識した仕様と思われるが、エリア移動のためにわざわざ大空へ飛翔→回れ右して再度降下しないといけないため少々不便。 --ゲームを起動するたびに、お宝と虫を入手した時の演出(解説)が入り、足を止められる。 ---レアなアイテムや重要アイテムはともかく、さして重要でもないものやどうでもいいものまで再び起こる。しかもスキップ不可。 ---この演出は注目などの操作もキャンセルされるため、戦闘中に発生するといらぬダメージを受けて損害を被ることも少なくない。 #co{ -内容とは直接関係ないが、Wiiリモコンプラス、或いはWiiモーションプラスが必須の内容である事を積極的に宣伝・アピールしなかった事、そして''Wiiリモコンプラス同梱セットを限定販売''とした姿勢。 --メモリー拡張パック専用だった『[[ムジュラ>ゼルダの伝説 ムジュラの仮面]]』と同様、別売の周辺機器必須の作りでありながら、何故かその事に関する宣伝とアピールが積極的に行われなかった。この為、通常版を買ったがリモコンプラス、或いはモーションプラスが無くて遊べないと悲鳴を挙げるユーザーが一部で発生した。 ---『ムジュラ』単品版と違い、必須である旨の注意書きがパッケージ表面に記されていない事も拍車をかけた。 --とりわけリモコンプラス同梱セットを限定販売した姿勢にも一部で疑問の声が上がった。その後、2012年1月31日からWiiリモコンプラス(シロ)を同梱した新セットの販売を開始している。 ---ただし、限定販売の同梱セットのWiiリモコンプラスはゼルダバージョンの限定カラーであったため、「25周年パックはWiiリモコンプラス同梱セットの限定版であり、新セットはWiiリモコンプラス同梱セットの通常版という形になった」という見方もできる。 //--といってもWiiリモコンプラスが発売されてからかなり時間もたっており、Wii本体にもリモコンプラスが同梱されるようになっていたので、Wiiリモコンしかもっていなくてプレイできないという人はかなり少数だったと思われる。 //↑実際に買ったら遊べなかったを経験した身には馬鹿にされてるように聞こえるんだが。こういう少数派を切り捨てるような記述は宜しくない。そもそもWii持ちの人の大半にリモコンプラスが行き渡ってるソースは何処にもない。 } //↑が企業問題っぽく読めなくもないのでその要素を緩和してみる -Wiiモーションプラスの機能が必須 --本作ではWiiリモコンを振った方向などをより正確に把握するために、初期のWiiリモコンには搭載されていなかったジャイロセンサーを追加する「Wiiモーションプラス」を利用している。そのため、Wiiリモコンに別売りの同パーツを装着するか、組み込み済みの「Wiiリモコンプラス」が必要。 ---ソフト単品版では『ムジュラ』のような注意書きがなかった点が批判されている。 ---なおWiiリモコンプラス同梱版は当初限定カラー同梱の25周年パックしか存在しなかったが、2012年1月31日に通常カラーである白のものを同梱した新パッケージが発売された。前者が限定版、後者が通常版という見方もできる。 #region(一部作り込みが甘い設定(ネタバレあり)) --上昇気流に乗る際はパラショールで風を受けることで上昇するが、サイレン挑戦時はパラショールが持ち込めないにもかかわらず普通に上昇気流に乗ることが出来る。バンザイをした状態で風を受けクルクル回りながら上昇していくリンクは中々シュール。 //--ギラヒム(1回目)はリンクの剣を奪う攻撃をしてくるのだが、ボスラッシュで再戦した際に剣を奪われるとなんとギラヒムが真のマスターソードを持つことが出来てしまう。「悪しき者は触れることすらできない」というマスターソードの設定と思い切り矛盾する状況になってしまう //---1回目と2回目のギラヒムはそのような設定がない女神の剣だったので問題はなかった。最後の戦いでは剣を奪ってこない。 //---また、剣を投げつけてきてもリンクが受けるダメージが強化されていない。 //---この時にステータスを見ても女神の剣に戻ってはいない。ボスラッシュ時限定で戻してもよかったはずだが… //オマケ要素で問題とか言われても --アクシデントで持ち物を無くす・ボコブリンに盗まれるイベントで紛失する真のマスターソードはとある場所に突き刺さっている。しかしその場所には天井があり、「落下中に鞘から抜け落ちて突き刺さった」と解釈するにはかなり無理がある場所になっている。加えてマスターソードには「悪しき者は触れることができない」という設定のためボコブリンが運んで雑に突き刺したとも考えられない。火山の爆風にふっとばされてあの場所に突き刺さったのだろうか。 ---そもそも他のアイテムは全て箱に保管して見張りもいるため、ボコブリンが盗んだとも思えない。 --ギラヒムとの最後の戦いで「空中の足場から魔王の封印されている地へ転落させる」という究極処刑の「無限奈落」を味わわせてやると宣言しているにもかかわらず、リンクが奈落に落ちても一切ダメージを受けずに戻ってきてしまう。 ---究極処刑と言っておきながらダメージを一切受けないのはいかがなものか… ---むしろギラヒムを剣で押し出して奈落に落とすと攻撃チャンスになってしまう上、ある程度ダメージを与えると空中の足場から降ろされ、地に下ろされて戦う。 #endregion ---- **総評 5年の歳月をかけて作られた期待の新ゼルダ、その出来は当時のファンの期待に応えるべきものとなっている。~ シリーズの時系列の始祖に相応しい壮大なストーリー、高難易度でかつ操作体系やシステムを一新しながらも緻密なバランスを保つゲーム性は、その変化の激しさ故の賛否こそあれど多方面でハイクオリティな水準を保っている。 //シリーズの重大な転換点としての一作「ブレスオブザワイルド」が発売されて、改めて今作の評価を見直した限り、開発スタッフからも国内外のファンからも、最高傑作とは言い難いものに落ち着いている印象を受けます。期待を裏切らないという評価は言い過ぎじゃないかと。 今までの低難易度志向によりゼルダから離れていたプレイヤーも振り向かせることに成功した一作ではあるが、逆に言えばそれだけ初心者やライトユーザーを突き放しているという事でもある。~ それ故、「人気のあるシリーズだから~」と気軽な気持ちで手を出すことはオススメできない。ゲームとWiiリモコンプラスの操作にある程度慣れた上で、覚悟を持って伝説の序章に挑んでいただきたい。 ---- **余談 -シリーズ25周年記念作品でもあり、ソフト単品の追加出荷分以外には25周年記念スペシャルCDが同梱。 --Wiiリモコンプラス同梱版は25周年パック・新パッケージどちらにも同梱されている。 //概要から移動 -発売前の大手ゲームメディア各社によるレビュー評価は高く、その中でもIGN, Eurogamer, Game Informer, Edgeなどは、本作を10点満点とするレビューを発売前に発表していた。~ また、ファミ通クロスレビューでも史上16本目となる40点満点を獲得し、『ゼルダ』シリーズとしては『時のオカリナ』『風のタクト』に続いて3回目となった。 --その結果、これらのメディアレビューの集計値である[[メタスコア>https://www.metacritic.com/game/wii/the-legend-of-zelda-skyward-sword]]は90点超えの高い数値となり、この件については発売前の[[社長が訊く>https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/souj/vol8/]]でも語られていた。 -公式サイトに発売前から過剰なネタバレ要素が含まれていた。 #region(若干ネタバレ要素あり) -公式サイトでは発売前よりワールドマップ全体とほぼ全てのエリア・ダンジョン名及び映像が公開されていた。ダンジョンについては、5つめと7つめを除いた全てのダンジョンが公開されていた。(現在も当時のまま公開されている) --ゼルダの醍醐味は「冒険」である。特にエリアが比較的少なくワールド全体が狭いこのゲームにおいて、それら及びその終着点であるダンジョンや景観をほぼ全て事前に明かしてしまうのは、確実にプレイヤーの期待や楽しみを損ねることとなる。 --その上で問題となるのが公開されていなかった終盤部分。このゲームの内容を3部に分けるならば、序盤・中盤についての行動範囲とダンジョン名については(公式サイト上では)5つめを除き全て公開されてしまっている。つまり事前に公式情報に目を通していたプレイヤーはここからがいよいよ未知の領域となるわけだが、これが(『風のタクト』のそれ程ではないものの)非常に異質で作業的なものとなっており、ダンジョンもラストダンジョンを除き登場しないため、従来のゼルダらしい冒険に相当する部分はほぼ全て公式情報のネタバレ範囲内ということになる。これにより事前に公式情報に目を通すか通さないかではプレイ後の印象が大幅に変わり得る。 -「社長が訊く」では『"濃密"な作り込みゆえ"濃密"な情報が印象を損ねることはないので安心して欲しい』と随所で強調されているが、本当にその通りであろうか? //--デバッガーの如く虱潰しに世界を見て回れば「こんなところがこんなに凝って作られてる、すごい!」と思えるかもしれないが、さすがにそんなにじっくり見る人など多くない。 #endregion -2021年7月16日にリメイク((タイトルはHDリマスターのような名称ではあるが公式サイトではリメイクという体裁をとっている))版となる『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』がNintendo Switchで発売。 --Joy-Conの機能によってWiiリモコンプラスの操作を継承している他、携帯モード(Switch Lite)やProコントローラー用にジャイロ/モーション操作をカメラ操作のみに限定する操作体型が新たに追加されている。
「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「『特徴・評価点』の分離・記述整理」です。 ---- *ゼルダの伝説 スカイウォードソード 【ぜるだのでんせつ すかいうぉーどそーど】 |ジャンル|>|アクションアドベンチャー|&image(https://m.media-amazon.com/images/I/81SIhjt1mHL.jpg,height=160,https://www.amazon.co.jp/dp/B002C1ARK8)| |対応機種|>|Wii|~| |発売・開発元|>|任天堂|~| |発売日|通常版&br;ゼルダ25周年パック|2011年11月23日|~| |~|Wiiリモコンプラスセット|2012年1月31日|~| |定価|通常版|6,800円|~| |~|ゼルダ25周年パック&br;Wiiリモコンプラスセット|8,800円|~| |プレイ人数|>|1人|~| |周辺機器|>|''要WiiモーションプラスorWiiリモコンプラス''|~| |配信|>|【WiiU】2016年9月2日 / 2,700円(税込)|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|「濃密ゼルダ」の名に恥じないボリュームと手ごわさ&br;バトルの数だけ、謎解きがある&br;空中と水中の操作性が悪い|~| |>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス]]』に続く、Wii用『ゼルダ』の2本目。~ ただし、『トワプリ』が元々ゲームキューブ向けに開発されていたのに対し、本作は当初からWii専用ソフトとして開発されている。~ 開発期間は実に5年にも及び、キャッチコピーに「濃密ゼルダ」とあるように、ゲームのボリュームだけでなく遊びそのものの密度に重点が置かれている。~ 操作面ではWiiリモコンを剣に見立てて振るなど体感的な要素が多い。 ---- **特徴・評価点 ''システム'' -基本的には3Dゼルダ過去作のゲームシステムを引き継ぎながらも、アイテムの強化やダッシュなどのアクションの追加など、遊戯性を突き詰め快適なプレイを可能にしたシステムが追加された。 -ポーチアイテム --本作は「ポーチ」というアイテム欄に、ビンや盾、各所持数を追加するバクダン袋や矢筒などのアイテム、持っているだけで効果を発揮するメダルを入れる事になる。いわゆる「付け替えスキル」に相当する。 --初期は4つまで入れる事が可能。イベントをこなせば最大8つになるが全てのアイテムを持ち運べるわけではない。相棒のファイからポーチアイテムが現在の状況にあっているかアドバイスをもらうこともできるので、何を持っていくか迷った時はこのアドバイスを参考にできる。 --バクダン等の消耗品の所持数を増やすか、予備の盾を持っていくか、メダルで強化するか、ビンを持って薬を多めに持っていくか等、プレイヤーに合わせたスタイルを選択することが可能。 --メダルはハートが出やすくなる・ハート最大が増える、虫の居場所がマップに表示されるようになるなど、アイテム枠を取る分便利な効果を持っている。なお、本作でハートを最大にするにはメダルが必須となる。 -ダンジョンの謎解きに使う弓矢やクローショットなどのアイテムと、薬など冒険の補助に使われるポーチアイテムが分けられたことにより、アイテムを探す手間が省けた。 -新アイテム「ビートル」 --遠隔操作をすることが出来、直接行けない場所の偵察が可能になった。飛行距離もかなり長く、非常に離れた場所のアイテムを手に入れたり、スイッチを押すこともでき、何をすればいいのか分からなくなったときに隅々まで探索することが出来るようになった。強化すれば飛行距離、移動速度が上昇し、さらに快適な探索が可能になる。 -ダウジング --相棒ファイの能力で、対象がどこにあるのか、大まかな距離と方向を知ることが出来る。これにより、ゼルダの居場所や、冒険を進めるためのキーアイテムやハートなどのアイテムを探すことが出来るようになる。 &br; ''Wiiリモコンのフル活用'' -Wiiモーションプラスによるジャイロセンサーを用いた直感的な操作に特化しているのが特徴。''剣による攻撃は、振った方向により縦・横・斜め・突き''を自由に繰り出すことが出来る。~ この使い分けがうまくできるかどうかが、本作の難易度を極度に左右するほどの''基本操作''となっている。 --さらにリモコンを縦にしたままにして剣を掲げ、しばらくすると''スカイウォード''が使用できる。旧ゼルダにおける剣ビームであり、今作では攻撃だけでなく謎解きにも使用する。これも使いこなすか否かで、難易度に影響する。 -本作は『[[PUNCH-OUT!!]]』さながらに、不用意な剣攻撃は確実に防御する敵がかなり増加している。例えば敵が上を防御していれば下にゆっくり構えてから振り上げるなど、防御のスキを狙うような形でリモコンを振り分けねばならない。 --これはつまり、''今までのように適当に剣を振っているだけでは雑魚敵を一体倒すことすらままならない''ということである。 ---しかし逆に言えば、敵の動きを見極めて、適切に操作する重要さが増しており、より臨場感のある戦闘を楽しめる。最初は思うように敵を倒せず手こずるだろうが、 慣れていくにつれてまるで自分自身がリンクになったかのように、自由自在に剣を操る体験ができ、主人公との一体感と腕の上達を味わえるという見事な操作体系を実現している。 -弓矢やパチンコで狙いをつけるにもWiiリモコンを使用する他、マップの各所にある綱を渡る際のバランス取りや水中を泳ぐ際の方向転換など、様々な部分でWiiリモコンを使う。むしろWiiリモコンを使わない操作の方が少ない。 --特にヌンチャクにより「引き絞る動作」を疑似的にできるようになった弓矢の評価は高い(従来と同じボタンでの引き絞りもできるが、ヌンチャクを使えば瞬時に構えが完了するという凝った設計)。 -ちなみに剣をWiiリモコンで振る仕様に合わせて、本作のリンクは右利きに設定されている。ゲーム内に加えて公式イラストなどでも右利きで統一されている。 -この操作体系のため、本作はWiiモーションプラスの着用、またはWiiリモコンプラスが必須となっている。 --それを前提に調整されているため全体的なレスポンスは非常に良好で、落ち着いて操作すれば前作のように誤入力が起こることは少ない。また、使用中にWiiリモコンの動きにズレが生じてきた場合は十字キーの下でいつでも補正できる。 --逆にゲーム中はWiiリモコン自体のセンサーバーを一切使わない仕様となっている。 //Wiiモーションプラスの補正は「ボタンの面を下にして水平の場所に置く」 &br; ''テンポのよさ'' -アイテム選択時にはゲームがポーズされず動作したまま選択する事になる。Bトリガーを押しっぱなしにするとアイテム画面が表示され、Bを離した時にWiiリモコンを傾けている方向に応じてアイテムを切り替える仕組みとなっている。 --アイテム画面がどの配置になっているのかを覚えておけば、あらかじめWiiリモコンを傾けておき、素早くアイテムを切り替える事も可能。慣れれば慣れるほどスムーズに操作が出来るようになり、剣の操作同様に自分の腕の上達を実感できる。 --ゲーム進行中にアイテムを選択する事になるので、選んでいる間に攻撃を受ける場合もある。前作までは薬を飲む際にはゲームが停止していたが、今作では薬を飲む際にもゲームが停止せず移動しながら飲むことが出来る。ピンチで薬を飲みたい時も、敵から離れて安全な場所に逃げてから飲むなど、素早い判断力が要求され緊張感も増している。 -2ボタンを押す事によって、いつでも操作のヘルプが呼び出せる。 --ヘルプもゲームが停止せず表示され、リンクのそのときの状況(何も持っていないとき、剣や各種アイテムを出しているとき、泳いでいるときなど)に応じて随時内容が変化し、操作のヒントを教えてくれる。 &br; ''有機的に関連した収集要素'' -今までのゼルダでは、お宝を集めてもルピーをもらうこと以外にあまり使い道がなく、虫にしてもただ集めるだけといった向きが強かった。 --だが、今作ではお宝はアイテムの強化に、虫は薬の強化に使うため、それぞれ集めることで非常に冒険に役立つようになった。 --また、ルピーに交換してもアイテムの強化、予備の盾を含むポーチアイテムの購入…などなどかなり出費が増えた為、収集要素が無駄になることなく、冒険につながるようになった。 &br; ''濃密なゲームボリューム'' -キャッチコピーにもあるように、本作は非常に濃密。公式曰くプレイ時間は70~100時間にも及ぶ。さらに虫やお宝の収集、各地におかれた女神キューブや感謝のかけら集め、ミニゲームなどのやり込み・寄り道要素も満載。 --女神キューブとは大地の各地に置かれたキューブで、これにスカイウォードをあてると対応した大空にある宝箱が開くようになる。宝箱の中には冒険に役立つ便利なアイテムや多額のルピーが入っている。 --感謝のかけらは、人に感謝されたときに出るもので、集めると同様に役立つアイテムがもらえる。 --どちらも集めるのは大変だが、ゲームが進むとダウジングによってどこにあるか知ることが出来、収集の手助けになる。 -ミニゲームはシリーズ恒例の弓矢を用いた射的の他にも、ルピーの掘り当てやトロッコレース等バラエティに富んでいる。 &br; ''伝説のはじまり''を描くストーリー -今作の世界にはまだ「ハイラル」という言葉すら存在しない。マスターソードの誕生までのエピソード等が描かれ、テレビCMでは「ゼルダの伝説、はじまりの物語」とされているように、現時点で今作がシリーズ通して時系列的に最初の物語となる。 --シナリオは従来のゼルダシリーズを踏襲した極めて王道的な作風で、期待を裏切らない出来である。 ---伏線の張り方等も絶妙で、何度もよく目にしていたアレが実は…という仕掛けも多い。 //ex.) 天と大地に切り離された神殿、老婆とインパの関係性など。 --『[[時のオカリナ>ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』や『[[風のタクト>ゼルダの伝説 風のタクト]]』等の歴代ゼルダ経験者向けのネタも多数仕込まれているが、時系列上は最初の話なので、ゼルダの知識が全く無くても問題なく楽しめる。 //ex.) 時のオカリナ:各種賢者のメダルマーク,風のタクト:マスターソードが力を取り戻す際の変形 &br; ''魅力的なキャラクター'' -今作のゼルダは姫ではなく、リンクと幼馴染で同級生というかなり近しい関係であり、ゼルダ個人に関する描写も多いため、「助けたい」という気持ちをより強くさせる。 -敵のボスであり作中幾度となく闘うことになるギラヒムも、その独特のセリフ回しや行動・動作も含めた奇抜なキャラデザインがとても印象的。~ ファンは彼を本当に''「ギラヒム様」''と呼んで親しんでいる。 -本作のパートナーキャラのポジションである、剣の精霊ファイ。人造生命体らしく機械的な思考・台詞が特徴だが、駄洒落を交えた解説をしたりリンクの行いに注意や苦言を行ったりするなど、印象的な部分も多い。 --そして彼女は出会う人物・敵全てに解説を行ってくれる。中には思わず笑ってしまうものも。 ---ただし、スカイロフトレスキュー隊などは解説がない。 -他にもドラえもんで言うジャイアンに相当するキャラのバドを始め、どのキャラクターもそれぞれの魅力にあふれている。ゲームやイベントを進めるに連れて彼らの意外な一面も見られたりすることも。特にバドは初登場シーンからは考えられないほど非常にカッコよくなる。 -また『風のタクト』以降ちょくちょく出演している「テリー」や、ムジュラ以降シリーズの定番ネタとなりつつある「手」などお馴染のサブキャラも登場する。 &br; ''高い難易度'' -これまでのゼルダシリーズはどちらかというと低難易度化の傾向にあったが、本作はそれらに喝を入れるかのような高難易度になっている。そのため''『風のタクト』『ふしぎのぼうし』以降と同じ感覚でプレイすると、確実に痛い目に遭う。'' --その分ハート初期値は従来の倍の6から始まるが、最初のダンジョン時点ですでに1ミスで1ハート分というよりシンプルな攻撃力設定になっているため、難易度感覚は初期作とほぼ変わらない。詳しくは後述するが、ゲームに慣れるための意図的な設計ではないかと思われる。 -ただの雑魚敵も適当に剣を振れば倒せるような相手ではなく、的確にこちらの攻撃を防御してきたり、特定の切り方でないとダメージを与えられないといった一癖ある敵ばかり。剣の振り方やアイテムの使い分け、時には逃げた方がいい、そもそも逃げるしかない場合もある。 --例として挙がるのがスタルチュラ。「時オカ」から出ている巨大なクモで、腹部が弱点……なのだが、倒すにはまずひっくり返すか剣撃で向きを変えてから腹部に突きを入れなければ倒せない。地上にいる時はともかく、宙にぶら下がっている場合は反動での体当たりを食らうリスクを常に覚悟しなければならないため、地上に引きずり下ろす手段のない初プレイ時は高確率でこいつに返り討ちにされることだろう。 --それでも、相手の動きを見極め、相手の隙に乗じて攻撃すれば気持ちよく斬る事が出来る。前述の通り慣れてくると自由自在に斬ることが出来るようになるので、苦戦させられた敵を思うがままに攻撃出来るようになる。回転斬りなどがヒットするとかなり吹っ飛んだりするので、爽快感もある。 -「がんばりゲージ」の導入 --所謂スタミナゲージで、ダッシュしたり重いものを持ち上げたり、ツタなどにしがみついていると消費する。なくなるとリンクはヘロヘロになってしまい、ゲージが回復し切るまで動きが鈍くなって一部の動作も行えなくなってしまう。これによりツタや崖の移動時に常に落下の危険性が伴う等の緊迫感が加わった。 --ダッシュが実装されたことで遠いところへも短時間でたどり着けるようになり、非常に快適なプレイが可能になった。また、壁にダッシュすると、壁を蹴ってよじ登るという”かけあがり”というアクションが追加された。これにより、今までブロックがなければ上ることが出来なかった壁にも登れるようになり、よりリンクの挙動がリアルになった。普段の移動の他にも、大きな盾を構える敵に向かってダッシュし、その盾を駆け上がって後ろに回り、隙だらけの背面を斬りつけるなど、戦闘にも応用できる重要テクニックとなっている。 --ダッシュが出来るようになったので、敵と戦ってピンチになったら全力で逃げ出すなど、幅広い戦略をとれるようになった。 --ツタの移動時にも、リモコンを振れば飛び移ることが出来るようになり、移動が非常に快適に。がんばりゲージは大きく減るものの、がんばりの実というアイテムをとれば瞬時に全回復する。ツタ移動の場面では大抵設置されているので、よほど無計画なプレイをしない限り落下するようなことはない。 ---がんばりゲージの減少をしばらく遅くする薬もある。この薬を強化すればがんばりゲージが一定時間減らずに行動できる為、ダッシュし続けることも可能になる。 --とはいえ、実質ダッシュに制限がかかってるような状態である故、ダッシュぐらい無制限にさせて欲しいという意見もあり、賛否両論となっている。 -これまで盾は無敵の存在で、一部の盾を除いて防御すればほとんどの攻撃を防ぐことが出来たが、''本作は盾までもが消耗品扱い''になっている。弱点だけでなく耐久度が設定されており、普通にダメージを防ぎ続けただけでも壊れてしまう。 //木の盾が燃やされるのは以前もあったが、鉄製の盾は電気を通してしまう。 --この仕様のために今までの常套手段であった「盾で防御しつつ時間をかけて攻撃のチャンスをうかがう」といったことが出来なくなっている。 ---また、今作では鉄製の盾にも電気攻撃を防げないという弱点が設定された。 --壊れた場合は当然新しいのを買い直さなければならないし、何よりこれから向かう先に合わせて持ち替える必要もある。一応弱点が無く、自己修復する「聖なる盾」も存在しているが、こちらは高い上に名称の割に耐久度が極めて低く、盾アタックに習熟しきるまでは耐久度が回復するまでは敵から逃げ回る事になりやすい。道場で盾アタックの練習はできるが。 ---後述の「空中での操作性」もあり、「壊れた直後に買いに行く」というのも手間がかかる。一応「盾を複数個持ち歩く」はできる。 --弱点が無く、ゲージが減らない従来通りの仕様の盾((ただし、前述の「聖なる盾」にある「くされボコブリンを孕ませる」効果はない為他の盾の完全上位ではない))もあるが、入手可能になるのが終盤も終盤になってから。 ---しかも入手条件が「ミニゲームのボスラッシュで8連勝」になっている。このボスラッシュは武器が初回の戦闘時に持っているものしか使えない((剣の強化されたまま。))上、ポーチのアイテムも盾しか使えない((一応、一部の薬は挑戦前に飲んでおけばしばらくは薬の効果を維持したまま戦う事が出来る。))ため入手がやや難しい。 --盾は強化して壊れにくくしたり、壊れる前ならジャンク屋や薬で盾を修理することもできる。また、敵の攻撃を受ける際にヌンチャクをタイミングよく振る「盾アタック」が決まれば盾の耐久ゲージは減らず、さらに敵を怯ませる事もできる。 ---盾アタックはほとんどの敵に有効。さらに「盾で突く」という動作のためか、(後の「ブレスオブザワイルド」よりも)受付タイミング自体はいうほど厳しくなく、タイミングがズレても直撃してしまうことが少ないため、気兼ねなく狙うことが出来る。 --盾を能動的に外したまま進行することも可能。盾を温存できる以上のメリットはないが、今迄は盾によって見えなかったリンクの背中や剣の鞘を好きなだけ見られる。 -アイテム選択画面で時間が止まらないようになった。装備変更や回復アイテムを選ぶ間も常に状況は変わり悠長にしていられず、ゲームポーズは画面が隠れるマップかオプションしかない。 --また、薬を飲んでる間も一時停止しないのでピンチになる前に飲むか温存しておくかの判断が重要になった。その代わりに飲みながら歩けるようになった。 -試練として、「サイレン」が登場。ここは「リンクの心の試練」という設定で、「しずく」というアイテムを15個入手するのが目的。 --ここには剣も含めて一切のアイテムを持ち込むことが出来ず、よって敵からは逃げる事しかできない上に攻撃を受けるとまた最初から集め直し。しずくを1個入手する度に敵の動きは止まるが、その時間も限られている。よって敵が動いている間は見つからないように進まなければならない。全てのしずくを入手して指定の場所まで戻ればクリアとなる。 --また、スタート地点のレリーフから出る度に敵が動き出すムービーが入るため、少しうっとうしく感じる。 --ただ目の前のしずくを闇雲に取るのではなく、取りやすいものは後回しにするなどの戦略も必要。「急がば回れ」「短気は損気」ではあるが、「しずく入手する度に敵の動きは止まり、頑張りゲージも回復する」という点を念頭に、敵に見つかる前提で次のしずくまでノンストップで走るという一見無茶な選択の方がいい場合もある。 -本編を一度クリアすると出現する「辛口モード」。雑魚を倒してもハートが出てこずハート花もすべて撤去されているというのに、受けるダメージが2倍になっているなど、文字通りの激辛アクションアドベンチャーが待ち構える。 --敵の攻撃をしっかり見切る戦術以上に、スカイウォード((辛口モードでは最初からスカイウォード能力だけ最後まで強化された状態になっている。))を使い、遠距離から攻撃をさせずに倒すという安全確保が重要になってくる。 --一応あるアイテムを持っているとハートが出てくるようになるが、元から攻撃が中々痛いこのゲームで被ダメ2倍はハートが出てこようが凶悪。回復アイテムはあくまでも気休め程度に考え、そもそも敵の攻撃を受けないノーダメージプレイの安定が前提となる。辛口の名は字面以上である。 ---しかもそのアイテムはポーチに入れる為、スペースを取る。 -セーブがこれまでのどこでも自由に行える方式から、各地に配置された「鳥のモニュメント」前で行うという、いわゆるセーブポイント方式に変更。少し進んではセーブ、という手段が取れなくなり、ピンチの時は無理しても進むか、回復に戻るか、という駆け引きが生まれた。 --シビアになったように感じるが、モニュメントは各地のエリア毎はもちろんダンジョン内にも適度な間隔で置かれているので、ゲームが中断しにくいと感じる場面は意外と少ないと思われる。 --なお、地上に配置された各モニュメントは大空から降り立つ際の降下地点として機能し、大空へ戻る時にもモニュメントを経由する必要がある。ダンジョン内のものは大空へ繋がる機能はないが、ダンジョン外へ脱出する機能が与えられている。 &br; ''グラフィック'' -今作のグラフィックデザインは『時のオカリナ』から始まった「リアルゼルダ」を踏襲しており、リアルな高頭身でキャラクターが描かれている。 --一方で、写実路線だった『トワプリ』と異なり、キャラクターデザイン自体はややアニメ調のデフォルメの効いたハーフトゥーンという技法で描かれており、水彩画風の淡い色彩で統一されている。 ---これについては「開発初期はキャラクターも水彩画風にしていたが、これでは背景に埋もれて見えづらくなってしまったため」と公式ホームページの「社長が訊く」で説明されている。 //-今作のグラフィックは淡い色合いの水彩画風でキャラクターはリアルとアニメを足して割ったようなハーフトゥーンという技法が使われている //--これは「開発初期はキャラクターも水彩画風にしていたがこれでは背景に埋もれて見えづらくなってしまったため」と公式ホームページの社長が訊くで説明している //下記問題点の「グラフィックの志向性が見えてこない」の記述の一部をこちらに統合。 ---- **賛否両論点 -操作性の問題 --直感的な操作は評価点でもあるが、それでも完璧という訳ではない。水中操作に関しては問題点として後述するが、剣の「突き」動作や「とどめ」、「回転切り」といったアクションを自由に繰り出せるようになるには慣れが必要。これはどちらかといえばゲームよりもWiiヌンチャクの問題で、コントローラとしての挙動のコツを掴む必要がある。 -シリーズ恒例の「ハートのかけら」と「感謝のしるし」に気が引けてしまう入手条件のものがある。 --前者は「バーの壁に体当たりしてシャンデリアを壊す(ハートの器がシャンデリア上に乗っている…というより、装飾品の一部になっている)」というもので、多大な迷惑行為を行わねばならない。 ---しかも事前にマスターから「壁に体当たりするとシャンデリアが壊れるから気を付けてくれよ」と警告されており、もどかしい想いをしたプレイヤーもいる。&s(){警告がヒントになっているとも} --ちなみにシャンデリアを壊すと弁償の為にバーで働く事になり、これをクリアで「感謝のしるし」が手に入るという流れになる。&s(){自業自得なのに…。} ---なお仕事の中に「一列に積んだカボチャを落とさずに運ぶ」いうものがあるのだが、カボチャが揺れて落ちないようにする必要があり妙に難易度が高い。運ぶ途中で「カボチャ一個ずつ運ぶ方が手っ取り早いだろうに…」と零すプレイヤーも多かったと思われる。&s(){リンクの不幸こそ最高の賠償なのだろうか?} ---一応、やめたくなったら中断する事ができるし、シャンデリアを壊したままで弁償をしなくともエンディングまでは行ける。 -回復アイテムに「かぼちゃスープ」があるが、この回復アイテムは購入してから5分で回復量が半減する上、他の回復アイテムと比べて安いわけでもないため活用する価値がほとんど無い。 --他の回復アイテムのほぼ下位互換であり、上記の「シャンデリア弁償」の一環の「かぼちゃスープを冷めないうちに配達する」という仕事くらいでしか使い道がない趣味アイテムとなっている。 -プレイテンポに関する賛否 --「社長が訊く」でも触れられているが、ダンジョンや大まかな地域の種類が少なく、世界の広がりにやや乏しい。密度重視でボリュームのある本作だが、物語のルート上を問題無くプレイできている間はともかく、次の攻略場所やキーアイテム探しなどで迷っている最中は何度も同じ所を行き来することになる。良くも悪くも直接的なヒント((分かりやすくはあるのだが、そのものズバリな場所や行動を指すものばかりではなく、紛らわしい要素も少なからず存在する。))は少なめで、迷わされる分だけ飽きがきやすい。 ---テンポ向上を重視するあまり、ファイが然程アドバイスしてくれなくなるというのも、それはそれで世界観やストーリー上問題ではあるが…。 ---また、地形は非常に複雑で作りこまれているため、一度の来訪では探索しきれるものではない(逆にそれが迷わされる原因にもなっているのだが)。何度も訪れる間にも、新しい場所を見つけるなどの発見もあり、通いつめてその地形を覚えるほどスムーズに冒険を進められる。 ---地域の種類は少ないといってもフィールドの様変わりやより奥地など、舞台の広がりは決して小さいものではない。冒険を進めて再び訪れた時には火山の噴火などによって大きく変化することもあり、非常にバラエティに富んでいる。 ---ダンジョンの数にしても、流石に4つしかなかった『ムジュラの仮面』よりは多いし、丁寧に作りこまれていて、ボリュームの少なさを感じることはない。 --2周目の辛口モードは徐々に作業感が増してくる。 ---1周目で培った経験で攻略ルートに迷う事はなくなる一方、今度はそこに至るためのお使い系のクエストの煩わしさが忍び寄る。もっとも2周目はあくまでオマケと見る事もできるが…。 #region(ソフト全体の難易度が高いとはいえ最初のボスが……(序盤のネタバレについて)) -なんと最初のダンジョンのボスがいきなり前述のギラヒムである。最初だから手加減を…等ということは無く割と本気で殺しにかかってくる。 --ギラヒム自身は初戦は相当手加減をしているつもりらしく、実際に初戦は攻撃パターンはかなり少ないが、''この時点で「正しい方向から斬る」操作ができなければ絶対に勝てないという、初戦にしては過度に強い相手''。剣の振り分けを基本操作と上述したのはこのためである。 ---しかも攻略法が「剣を構えて特定の場所にだけ注目させ、注目していない場所から斬る」という方法。無防備でない方から斬ると剣を掴まれ、最悪の場合剣を奪われてしまう。ギラヒムが投げつけた剣を拾うまではリンクは一方的に攻撃される。 --ファイのヒントも「無防備な方から狙う必要がある」とだけで、その手段がわかりにくい。他は強いて挙げればギラヒムが剣を奪うと「剣を見ていれば片手で掴める」というだけ。 ---ヒントがないせいで過去作をやった人なら「パチンコやビートルでギラヒムを失神させてから斬る」と解釈されかねないが、ギラヒムにはこういった武器が使い物にならず、初回だけではないものの剣と盾のテクニックだけで立ち向かわなければならない。近年のゼルダのダンジョンボスとしては型破りな存在。 ---このせいで「剣もパチンコもビートルも効かない」と誤解され、「最初のボスで詰んだ」「負けイベント」と思ってしまう可能性がある。 ---一応、離れていればナイフを発射してくるので、そのナイフを盾アタックで反射して反撃してもダメージを与える事は出来る。 #endregion -電気を防ぐ盾は存在するが、電気を防ぐ剣は存在しない。そもそも剣の選択自体が出来ないのだが… --電気を帯電している状態の敵を斬りつけたり、電気を帯びた武器を使う敵を間違った方向から斬りつけると、感電して逆にこちらがダメージを受けてしまうのだが、これを防ぐ手段がない。ストーリーを進めて剣を最終段階まで強化しても、帯電している敵を攻撃する時の感電は防げない。 ---これまでのシリーズにもこのような敵は存在したし、一応スカイウォードや弓矢で遠距離から攻撃したり、パチンコで隙を作るなどして安全に戦う手段はある。だが、防ぐのはできるのに剣ですぐ倒せないのはもどかしいという意見もある。 -ファイによる「敵への注目」がボタンを押したときだけ注目しかできない。 --大半のボス戦や中ボス戦は敵が複数いる場合でもない限りは注目を解除するメリットがほぼないのだが、ボタンを離すと解除される使用にしかできない為、人によってはもどかしさを感じる。 ---同時期にリメイクされた「時のオカリナ」では「ボタンを放しても注目し続け、再び押すと解除((ただし、倒したりリンクから見えない場所に消えたりすると強制的に解除される。))」という仕様にもできるため、本作でも導入できなかったのか。 //↑具体的にどう問題なのか説明が足りない。察するに「モーメンタリ式(押しっぱなし)とトグル式(押す毎)のどちらの操作がいいか」といった話になるのだと思うが、メトロイドプライムシリーズ等は前者の方式であるが問題点として挙がった事はない。 //--『風のタクト』の海の移動が散々批判されたにもかかわらず、同じ失敗を繰り返してしまった形である。もっとも、自分で操作する必要があるため『タクト』よりは退屈さは緩和されたという意見もあるが。 //--またゲーム冒頭でロフトバードによる空中移動をクリアしないと先に進めないチュートリアルがあるが、この難易度が前述の操作性の悪さも相まって高い。独特の操作にまだ慣れていない状態でノルマを課せられるので、苦手な人はここで何十分も詰まってしまう可能性がある。 //---新しいゲームを開始したばかりの時点でこんな面倒でストレスの溜まる操作を強いるのは、プレイヤーのモチベーションを大きく下げる要因になってしまうが、これも『トワプリ』で釣りのミニゲームを冒頭で強制させた失敗を繰り返してしまっている。 //--「[[ポケモンレンジャー 光の軌跡]]」のように「一度行った場所なら指定するだけで行ける」というシステムにできなかったのか。 //↑「散々批判された」「同じ失敗を繰り返した」と強調しているが、そういった話は見た事が無い。ざっとレビューを検索してもこの点について詳しく言及している記事はヒットしない。 ---- **問題点 -''致命的な進行不能バグ'' --後半、ある特定の順序で進めてしまうと後のイベントが発生しなくなり、そのまま進行不能となる。 --これに対して任天堂は謝罪し、本作のデータを入れたSDカードを送ることで修正をするという対処がされた([[詳細>https://www.nintendo.co.jp/wii/souj/info/]])。~ 修復プログラムもWiiチャンネルとして配信。ネットに接続している人は、自宅での修復も可能である。 --回避不能というわけではないが発生条件がやや気づきにくいため、犠牲となったプレイヤーも多い。 -水中の操作性が悪い --操作性の難点として最も挙げられる事の多い問題点。 --地上移動がコントローラで行っていたのに対し、空中・水中では「リモコンの傾きに合わせて進行方向が変わる」という操作方法になっている事が原因。 --空中はプレイヤーが任意的に起こすモードかつインターバルが挟まれるのでそこまで問題ではないが、水域はフィールドやダンジョンに存在する上、地上⇔水中の移動のたびにエイミング(照準)操作とリンクの操作が入れ替わるため非常に動かしにくくなっている。この挙動に慣れるまで時間を要したプレイヤーも多く、ストレス要素として挙げられる事も少なくない。 //-グラフィック・アートデザインが中途半端であり、志向がいまいち見えてこない。 //--今作のグラフィックデザインは基本的には『時のオカリナ』から始まった「リアルゼルダ」を踏襲しており『トワプリ』と同じ等身でキャラクターが描かれている。…のだが、テクスチャーなどが『風のタクト』にやや寄ったようなアニメ調の雰囲気も持っており、早い話トワプリと風タクの折衷のような感触になっている。温かみがあるなど評価する意見もあればどっちつかずでパッとしないなどの反対意見もある。 //特徴か、賛否両論点にするべき //特徴のグラフィックの項目に記述の一部を統合。取り立てて賛否両論の項目に立てるまでもないと思いCOに留めるが、もし復帰させるならば↑の方と同じく賛否両論の項目を設けるのが妥当と思う。 -その他のゲーム上のテンポの問題点 --地上に配置されたモニュメントはワープポイントとして利用できるのだが、地上から同地域のモニュメントへ直接アクセスすることができない。必ず大空へ飛び立つ必要がある。あくまで「ロフトバードからの降下」であってワープ移動ではないことを意識した仕様と思われるが、エリア移動のためにわざわざ大空へ飛翔→回れ右して再度降下しないといけないため少々不便。 --ゲームを起動するたびに、お宝と虫を入手した時の演出(解説)が入り、足を止められる。 ---レアなアイテムや重要アイテムはともかく、さして重要でもないものやどうでもいいものまで再び起こる。しかもスキップ不可。 ---この演出は注目などの操作もキャンセルされるため、戦闘中に発生するといらぬダメージを受けて損害を被ることも少なくない。 #co{ -内容とは直接関係ないが、Wiiリモコンプラス、或いはWiiモーションプラスが必須の内容である事を積極的に宣伝・アピールしなかった事、そして''Wiiリモコンプラス同梱セットを限定販売''とした姿勢。 --メモリー拡張パック専用だった『[[ムジュラ>ゼルダの伝説 ムジュラの仮面]]』と同様、別売の周辺機器必須の作りでありながら、何故かその事に関する宣伝とアピールが積極的に行われなかった。この為、通常版を買ったがリモコンプラス、或いはモーションプラスが無くて遊べないと悲鳴を挙げるユーザーが一部で発生した。 ---『ムジュラ』単品版と違い、必須である旨の注意書きがパッケージ表面に記されていない事も拍車をかけた。 --とりわけリモコンプラス同梱セットを限定販売した姿勢にも一部で疑問の声が上がった。その後、2012年1月31日からWiiリモコンプラス(シロ)を同梱した新セットの販売を開始している。 ---ただし、限定販売の同梱セットのWiiリモコンプラスはゼルダバージョンの限定カラーであったため、「25周年パックはWiiリモコンプラス同梱セットの限定版であり、新セットはWiiリモコンプラス同梱セットの通常版という形になった」という見方もできる。 //--といってもWiiリモコンプラスが発売されてからかなり時間もたっており、Wii本体にもリモコンプラスが同梱されるようになっていたので、Wiiリモコンしかもっていなくてプレイできないという人はかなり少数だったと思われる。 //↑実際に買ったら遊べなかったを経験した身には馬鹿にされてるように聞こえるんだが。こういう少数派を切り捨てるような記述は宜しくない。そもそもWii持ちの人の大半にリモコンプラスが行き渡ってるソースは何処にもない。 } //↑が企業問題っぽく読めなくもないのでその要素を緩和してみる -Wiiモーションプラスの機能が必須 --本作ではWiiリモコンを振った方向などをより正確に把握するために、初期のWiiリモコンには搭載されていなかったジャイロセンサーを追加する「Wiiモーションプラス」を利用している。そのため、Wiiリモコンに別売りの同パーツを装着するか、組み込み済みの「Wiiリモコンプラス」が必要。 ---ソフト単品版では『ムジュラ』のような注意書きがなかった点が批判されている。 ---なおWiiリモコンプラス同梱版は当初限定カラー同梱の25周年パックしか存在しなかったが、2012年1月31日に通常カラーである白のものを同梱した新パッケージが発売された。前者が限定版、後者が通常版という見方もできる。 #region(一部作り込みが甘い設定(ネタバレあり)) --上昇気流に乗る際はパラショールで風を受けることで上昇するが、サイレン挑戦時はパラショールが持ち込めないにもかかわらず普通に上昇気流に乗ることが出来る。バンザイをした状態で風を受けクルクル回りながら上昇していくリンクは中々シュール。 //--ギラヒム(1回目)はリンクの剣を奪う攻撃をしてくるのだが、ボスラッシュで再戦した際に剣を奪われるとなんとギラヒムが真のマスターソードを持つことが出来てしまう。「悪しき者は触れることすらできない」というマスターソードの設定と思い切り矛盾する状況になってしまう //---1回目と2回目のギラヒムはそのような設定がない女神の剣だったので問題はなかった。最後の戦いでは剣を奪ってこない。 //---また、剣を投げつけてきてもリンクが受けるダメージが強化されていない。 //---この時にステータスを見ても女神の剣に戻ってはいない。ボスラッシュ時限定で戻してもよかったはずだが… //オマケ要素で問題とか言われても //↑オマケでもマスターソードの設定無視は普通に問題では? --アクシデントで持ち物を無くす・ボコブリンに盗まれるイベントで紛失する真のマスターソードはとある場所に突き刺さっている。しかしその場所には天井があり、「落下中に鞘から抜け落ちて突き刺さった」と解釈するにはかなり無理がある場所になっている。加えてマスターソードには「悪しき者は触れることができない」という設定のためボコブリンが運んで雑に突き刺したとも考えられない。火山の爆風にふっとばされてあの場所に突き刺さったのだろうか。 ---そもそも他のアイテムは全て箱に保管して見張りもいるため、ボコブリンが盗んだとも思えない。 --ギラヒムとの最後の戦いで「空中の足場から魔王の封印されている地へ転落させる」という究極処刑の「無限奈落」を味わわせてやると宣言しているにもかかわらず、リンクが奈落に落ちても一切ダメージを受けずに戻ってきてしまう。 ---究極処刑と言っておきながらダメージを一切受けないのはいかがなものか… ---むしろギラヒムを剣で押し出して奈落に落とすと攻撃チャンスになってしまう上、ある程度ダメージを与えると空中の足場から降ろされ、地に下ろされて戦う。 #endregion ---- **総評 5年の歳月をかけて作られた期待の新ゼルダ、その出来は当時のファンの期待に応えるべきものとなっている。~ シリーズの時系列の始祖に相応しい壮大なストーリー、高難易度でかつ操作体系やシステムを一新しながらも緻密なバランスを保つゲーム性は、その変化の激しさ故の賛否こそあれど多方面でハイクオリティな水準を保っている。 //シリーズの重大な転換点としての一作「ブレスオブザワイルド」が発売されて、改めて今作の評価を見直した限り、開発スタッフからも国内外のファンからも、最高傑作とは言い難いものに落ち着いている印象を受けます。期待を裏切らないという評価は言い過ぎじゃないかと。 今までの低難易度志向によりゼルダから離れていたプレイヤーも振り向かせることに成功した一作ではあるが、逆に言えばそれだけ初心者やライトユーザーを突き放しているという事でもある。~ それ故、「人気のあるシリーズだから~」と気軽な気持ちで手を出すことはオススメできない。ゲームとWiiリモコンプラスの操作にある程度慣れた上で、覚悟を持って伝説の序章に挑んでいただきたい。 ---- **余談 -シリーズ25周年記念作品でもあり、ソフト単品の追加出荷分以外には25周年記念スペシャルCDが同梱。 --Wiiリモコンプラス同梱版は25周年パック・新パッケージどちらにも同梱されている。 //概要から移動 -発売前の大手ゲームメディア各社によるレビュー評価は高く、その中でもIGN, Eurogamer, Game Informer, Edgeなどは、本作を10点満点とするレビューを発売前に発表していた。~ また、ファミ通クロスレビューでも史上16本目となる40点満点を獲得し、『ゼルダ』シリーズとしては『時のオカリナ』『風のタクト』に続いて3回目となった。 --その結果、これらのメディアレビューの集計値である[[メタスコア>https://www.metacritic.com/game/wii/the-legend-of-zelda-skyward-sword]]は90点超えの高い数値となり、この件については発売前の[[社長が訊く>https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/souj/vol8/]]でも語られていた。 -公式サイトに発売前から過剰なネタバレ要素が含まれていた。 #region(若干ネタバレ要素あり) -公式サイトでは発売前よりワールドマップ全体とほぼ全てのエリア・ダンジョン名及び映像が公開されていた。ダンジョンについては、5つめと7つめを除いた全てのダンジョンが公開されていた。(現在も当時のまま公開されている) --ゼルダの醍醐味は「冒険」である。特にエリアが比較的少なくワールド全体が狭いこのゲームにおいて、それら及びその終着点であるダンジョンや景観をほぼ全て事前に明かしてしまうのは、確実にプレイヤーの期待や楽しみを損ねることとなる。 --その上で問題となるのが公開されていなかった終盤部分。このゲームの内容を3部に分けるならば、序盤・中盤についての行動範囲とダンジョン名については(公式サイト上では)5つめを除き全て公開されてしまっている。つまり事前に公式情報に目を通していたプレイヤーはここからがいよいよ未知の領域となるわけだが、これが(『風のタクト』のそれ程ではないものの)非常に異質で作業的なものとなっており、ダンジョンもラストダンジョンを除き登場しないため、従来のゼルダらしい冒険に相当する部分はほぼ全て公式情報のネタバレ範囲内ということになる。これにより事前に公式情報に目を通すか通さないかではプレイ後の印象が大幅に変わり得る。 -「社長が訊く」では『"濃密"な作り込みゆえ"濃密"な情報が印象を損ねることはないので安心して欲しい』と随所で強調されているが、本当にその通りであろうか? //--デバッガーの如く虱潰しに世界を見て回れば「こんなところがこんなに凝って作られてる、すごい!」と思えるかもしれないが、さすがにそんなにじっくり見る人など多くない。 #endregion -2021年7月16日にリメイク((タイトルはHDリマスターのような名称ではあるが公式サイトではリメイクという体裁をとっている))版となる『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』がNintendo Switchで発売。 --Joy-Conの機能によってWiiリモコンプラスの操作を継承している他、携帯モード(Switch Lite)やProコントローラー用にジャイロ/モーション操作をカメラ操作のみに限定する操作体型が新たに追加されている。

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