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*時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 【じくうのはしゃ さがすりー かんけつへん】 |ジャンル|RPG|CENTER:&image2(saga3.jpg,height=300)[[高解像度で見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/0/2/6/21026_front.jpg]]&br;[[裏を見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/0/2/6/21026_back.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|スクウェア|~| |開発元|スクウェア大阪|~| |発売日|1991年12月13日|~| |定価|4,900円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| ////ポイントを3行にまとめました。 //|ポイント|まさかのレベル制&br()前2作から変え過ぎ&br()サガらしさはないが、作品としての出来は悪くない|~| |ポイント|レベルアップ制採用で前2作から大幅変化&br()サガらしさはないが、作品としての出来は悪くない|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームボーイRPGの金字塔『サガシリーズ』の第3作にして、「完結編」と銘打たれている通りゲームボーイの「Sa・Ga」の最終作。~ 前2作までの開発スタッフは『[[ロマンシング サ・ガ]]』の開発に行ったため、本作は別スタッフの「スクウェア大阪」が製作した。~ スクウェア大阪というのは当時の新入社員のうち、クリスタルソフト・タイトー・コナミ・日本物産といった同業他社から移籍してきたスタッフが中心となって編成された部署である。なので、スクウェアの自社開発タイトルでありながら、実質的には外注作品といえる。~ 大阪に部署を作った理由は、移籍元が関西にある会社(タイトーのみ本社ではなく開発センター)だからだと推測される。((2013年12月以降のビジネスディビジョン制になったスクウェア・エニックスでは、大阪は「第3BD」に所属。)) **ストーリー >はるか幾千年のむかし・・・・・。~ サガ世界の神・ソールは異次元から侵略してきた神々を時空を越える能力を持つ伝説の戦闘機ステスロスと共に封印した。 >だが、永く続いた平和も奇妙な「水がめ」の出現によって破られた。~ そこから多量の水と魔物たちが送り込まれ、サガ世界の未来は海の底に沈もうとしていたのだ。 >現在、閉ざされた町「ダーム」。~ 歴史を変える為に滅びの未来より送り込まれた3人の子供たちの冒険が、今、ここから始まる・・・。 (説明書より引用) **特徴 -システム的には『[[ファイナルファンタジーIII]]』に近く、前2作に比べればオーソドックス。 --経験値獲得によるスタンダードなレベルアップ制、武器使用回数の廃止((使い捨ての武器自体は存在する。))、魔法はMPを消費するシステムを導入。 --サガシリーズでキャラクターにレベルが存在しているのは、現時点ではこの作品だけ((『ロマンシング サ・ガ2』では技術点システムによる近似的な経験値獲得によるレベルアップ制を採用している。))。 --後述のリメイク版では廃止され、従来のGBサガシリーズのようなシステムになった。 -パーティーのメインメンバー4人が固定で、名前以外は変えることはできない。 --基本状態は人間とエスパーの男女2名ずつ。肉を食べれば獣人やモンスターに、パーツをつければサイボーグやロボットに変身できる。 ---「地」「水」「火」「風」の4属性のどれかに属しており、レベル帯と属性で変身後の姿が決まる。 ---レベルである程度変身後の姿が決定するので、前作までのように強いモンスターの肉を食べてパワーアップというのは不可能(その分、大幅に弱くなることもない)。 ---変身のバリエーション自体は前作と同程度だが、今作では種族が4つに大別されたためにそれぞれのバリエーションは簡素化している(各レベル帯に4属性の4種類が設定されているが、2属性ずつ同じ種類で2種類しかないレベル帯、4属性全て同じ種類で1種類しかないレベル帯もある)。前作にあった仲間だけが変身できる専用の高レベルモンスターという要素もオミットされている。 ---変身が発生しない食い合わせの場合、または大型のモンスターや獣人が落とす巨大肉を食べた場合はHPが回復する。 --各種族 ---人間・エスパー:特殊能力や耐性はないが弱点もない基本状態。人間は大半の武器の扱いに長けている。エスパーは攻撃魔法に威力2倍のボーナスがあり、サイコ系など一部武器なら人間同様にプラス補正がつく。レベルアップによって能力値が成長する。中盤以降はHPや素早さが他の種族に比べて見劣りするが、限界まで育てればバグ技使用時を除き最強のステータスとなる。 ---獣人:素手や技系武器が得意。防御力が低い。レベルが上がるとより強い獣人に自動変身する。 ---モンスター:装備品の効果が一切反映されず攻撃方法や能力値は種族依存。 ---サイボーグ:前作のメカのように装備次第で能力値上昇。 ---ロボット:MP0なので消費MP0以外の魔法が使えない((フィールドマップでの移動に用いる魔法のみ使用可能))。能力値は『サガ1』の人間のようにお金をつぎ込んで上昇アイテムを買って強化していく。 --5人目のメンバーとしてシナリオキャラクター(NPC)がストーリーに合わせて加入する。 ---装備や魔法を外せないが、空欄への装着は可能。 --乗り物に搭乗中など、その乗り物に装備した兵器による援護攻撃も行われる。 --隊列の並び替えがなくなり、全員が均等の確率で敵の攻撃のターゲットになる。 ---移動中に表示されるキャラクターは変更可能。 -ジャンプ --移動中にBを押す事で2マス先にジャンプする事が出来る。これは街中やダンジョンに限る。フィールドではジャンプ自体が出来ない。 --主に穴やダメージ床を飛び越えたり、人を飛び越える事もでき、通行人に道を塞がれやすい街では便利。段差は飛び越える事はできない。 --ただし向きを変えるだけという動作はできず、1マス分しかない足場では、そのまま前にジャンプするしかない。それを前提とした謎解き要素もある。 --ベッドや橋の下など、主人公が隠れる場所でジャンプするとガツッ!と頭をぶつけて「いったーい !!」というセリフが出る。幸いそれでダメージを受けたりはしない。 -戦闘中、攻撃せず防御することでダメージを減らすコマンドが標準で実装された。 --コマンド名は「かわす」。回避率も上がっているようなので間違ってはいないのかもしれないが、わかりにくい。(取説に書いているので、読めばわかるが) --「まもる」というコマンドもあり、こちらは味方を敵の攻撃から守る(かばう)という効果である。 -『[[貝獣物語]]』のように戦闘画面で味方パーティのグラフィックが敵と対峙するように表示される。 //-今作から戦闘画面に味方パーティが表示される。 //--以降も採用され、アニメーションされるなどの進化を施した。 //---また、ロマサガシリーズから採用されるサイドビューの戦闘画面への変更のきっかけとなった。 ////ソースが無く、開発時期から影響を受けたとは考えにくいのでCO。 -全滅後に復活 --全滅してもやり直す事が可能。 -魔法石 --魔法石はそれぞれ各種属性があり比較的序盤から手に入る。用途は説明書に明記されているほか、村人のセリフなどで示唆されてはいるが、実際に使用できるのは終盤に差し掛かってから。 --古魔法や武器防具などを作成できるが、一度精製したら元には戻せない。希少価値が高いのでよく考えて行うべき。 --ちなみにクリアに必須という訳ではない。 -ステスロス(戦闘機) --時空を越える戦闘機。ゲーム序盤では封印されていて、さらに各種パーツを失っているためほとんどの機能が使用できない。 --パーツを入手してステスロスにセットすると、過去ワープなどの機能やカプセルホテルなどの施設が使えるようになる。 --中盤から搭乗する事が出来るようになる。ステスロスで飛行していても敵と遭遇するのだが、そのときはまずステスロスが砲撃し、倒しきれなかった場合は敵が''機内にワープしてくる''(ので主人公達が戦う)という強引な展開になる。 ---さらにその様な状況であるにもかかわらず、''逃げる事が可能''。 --エンカウントを無効化する装備も手に入る。 --ちなみに、「浄化マシン」という種族変化を解除する装置があるのだが、見た目はトイレである。 -開発が大阪で行われたためか、やたらと「大阪らしさ」を強調している。 --主だった所ではモンスターの一種がまんま「''くいだおれ人形''((作中において、実際にくいだおれ人形の姿で「くいだおれ」という名を持つモンスターも出現する。更に「くいだおれ」の上位種に「よしもと」が存在している。こちらはお笑いの名門と言われる「吉本興業」が名前の元ネタなのはまず間違いないだろう。))」の姿((服の模様が水玉になっているなど、さすがに全く同じではない。))であること。敵の特殊攻撃にも「''パチパチパンチ''((「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」所属のお笑い芸人・島木譲二(しまきじょうじ)氏の持ちネタ。上半身裸になり、2、3回手を前に突き出してから胸を平手で叩くというもの。ゲーム中ではダメージ+沈黙の効果。))」やら「ギャグ光線」やらがある。 --攻略本の制作者インタビューによると「解らない人にはまるで解らないだろうが、せっかく大阪で作るんだからいいか」(意訳)という理由らしい。その部分はページ下部に転載しているので、興味があれば参照あれ。 ---流石に海外版ではくいだおれ人形の姿ではなく、ピエロの姿に変更されている。 --くいだおれ人形はリメイクで当然消滅したが、リメイク版のデータには「ピエロ」の名前を冠した没キャラが((オリジナル版ではくいだおれ人形の姿の「ピエロ」が登場している))。 ---その種族は、前作で言うところの人型メカ系。どうやらスーパーロボットに鞍替えした模様。 --大阪とは関係ないが、マウス型のモンスター(ロボット)は「[[ジェリー>トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう]]」とか「[[ミッキー>ディズニーシリーズ]]」とか名前が危ない。 ---前作の時点で[[ロボット系の名前に「28ごう」だの「ゼット」だの「ジーセブン」>スーパーロボット大戦シリーズ]]だの、最強の武道家系の名前に「[[つくも>修羅の門 (PS)]]」だのとついていたので、当時のおおらかさ及びサガらしさと言えなくもない。%%過去作含めて見た目は全然似ていないが…%% //本当に特徴だけの物、否定的な評価をしている項目等もあったので、各項目に分割 ---- **評価点 -RPGとしてオーソドックスにまとまっている。 --後述の「サガらしさが薄い」と言う問題点と表裏一体であるが、レベル制の導入や武器回数制の廃止などによって「成長が実感しにくい」「せっかくの高価で強い武器が失われてしまう」「エスパーは特殊能力の習得がランダムで安定しない」などのとっつきにくさに繋がっていた特徴が丸くなっている。 -前作までの時点ではパーティーメンバーはモンスターはモンスター、ロボはロボ(メカ)で選んだ時点から固定であり、特に無計画に肉を食べても強くなるどころか弱体化することもあるモンスターは足手まといになることも多かったが、今作においてはメンバー全員が人間・エスパーを出発点として自由に変化することができ、気に入らなくなれば浄化マシンで元に戻ることができるため、変化システムが大幅に柔軟化した。 --人間は魔力、エスパーは力の成長が低いためそのままでは役割が固定化されるが、肉やパーツの取得によって力の高い種族に変化すればエスパーでも殴り役になれるなど、選択肢の幅が広い。 -時間移動を取り入れたストーリー --「水がめ」の出現により水位が上昇し続けている世界の危機を、過去-現在-未来の移動によって解りやすく表現している。 ---水位の上昇によって過去の時点では残っていた街が現代では水没してしまっていたり、未来ではさらに陸地が狭まり危機的な状態にあることがプレイヤーにもはっきりと感じられる。一方で、現代ではまだ幼かった主人公の弟分がたくましく成長しともに戦う仲間になるなど、時間の流れが効果的に話に関わっている。 ---中盤以降は異次元の神を討つためこちらから異次元に打って出る展開となり、以降時間移動はお役御免になってしまうのが残念。 -ステスロスがだんだんと増強されていくのも楽しめる要素。 --同社製のFFシリーズでおなじみの飛空艇がストーリーの進行に合わせて拡張・強化されていくようなもので、アクセス性の高い宿屋や戦闘開始時の先制攻撃、エンカウント封じなどの機能を備えて快適化していく。ステスロスは物語にも密接に関わる機体であり、「持ち曲」とも言えるステスロスのテーマも併せてこのゲームの中でも高く評価されている存在と言える。 ---しかもそれがしっかりグラフィックでも表現され、エンジンルームなどでもいろいろ装備が追加されていくのが見える。 --装備「ステルスバリア」は前2作には存在しなかった「エンカウントを封じる手段」ともなるのも魅力的。とはいえ使える状況は限定されるが。 ---もちろん戦闘をウザがってこれに頼ってばかりいるとレベルが上がらず力不足になるのでバランスも取れている。 -BGMの評価は高い --「異次元のテーマ」「未来への旅立ち」等、名曲とされる曲もある。 --笹井隆司氏の特徴で短時間でループする曲が多い。 ---同氏が手掛けた『ルドラの秘宝』のBGMも、短い中に多くの旋律を詰め込んだ作りになっている。 ---後年、容量不足のためいかにデータを間引くかに苦労したと語っている(『SQUARE ENIX SaGa Series 20th Anniversary Original Soundtrack』付属のインタビューDVDより。[[ネットで聴けるさわり>http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/saga20th_box/]]には入っていない)。後述のリメイク版では、旋律が追加され、笹井氏本来の意図通りと思われる内容になっている。 -セレクトボタンを押している間はカーソル移動・決定・キャンセルが非常に速くなり、時間短縮になる。 **賛否両論点 -サガらしさが薄い --特徴でも書いたが、レベル制等非常にオーソドックスなシステムになっている。 ---このせいでサガの一作としては評価が低めではあるが、癖がないおかげで遊びやすいゲームにもなっている。 ---ファンタジーな聖剣からビームライフルや核爆弾と言った現代・近未来的なもの、果てはコブラツイストや卍固めなどと言ったプロレス技までをごちゃ混ぜにしたカオスな装備品の数々や、基本的にはただの人間であるはずの主人公一行が特に理由もなく肉を食べればモンスターに、パーツをつければロボにと縦横無尽に变化していき、どう見ても和式トイレな浄化マシンでアッサリ元に戻るといったはっちゃけたシステムなど、多くの点でオーソドックスに歩み寄ったとは言えサガらしさが全く失われたわけではない。((序盤に訪れるある街では人間が魚人に変化していく奇病に悩まされており、プレイヤーが話しかけると「こんな姿だがモンスターじゃなく人間なんだ」と弁解してくる者もいるが、当の主人公たちが全員モンスターになっている事も…)) //--なお、サガ2までの「サガらしさ」というのは最初から変わったゲームを作ろうとしたのではなく、『携帯機でRPGを作る場合、どういうゲームデザインが適切なのか』を考えた結果でしかない。~ //なので本作は『携帯機ならではのRPGらしさ』がなく、そもそも携帯機で出す意義が薄くなっていると表現した方が適切である。~ //しかしサガ2までのゲームデザインが全てのユーザーに正しく理解されたかと問われればそうでもないので、オーソドックスに寄せたサガ3のシステムも間違いというわけではない。 //レベル制ゲームが携帯機で出す意義が薄いとは独自の意見が強すぎる。レベル制を廃止しただけでも変わったゲームを作ろうとした意図は見える。 -戦闘中、ダメージや回復の数値はテキストではなく、『FF』の様に数字が飛び出す形で表現される。 --全体攻撃を行うと1体1体順番に数字が飛び出し、「○○はたおれた」というメッセージが倒した敵数分表示される上に、敵の死亡演出も妙に長いため、テンポが悪い。 ---一度に数字が出ると、どの相手にどれだけダメージを与えたかが把握しにくい面もあるため、わかりやすい措置ではある。しかし前2作はダメージも回復もテキスト表示されていたため、Aボタン・Bボタンで自由に早送りと一時停止ができていた。死亡演出もスピーディであったため、ますます本作のテンポは悪く感じられる。 --また『FF』とは違い、ダメージも回復も同じ色の数字で表示される。ゲームボーイソフトなのだから色を変えられなかったわけだが、単純に「数字が飛び出す演出」自体がゲームボーイと相性が悪かったということでもある。やはりテキストで表示させたままの方が良かったのでは? //---細かい所になるが、それまでサガシリーズでは「ヨルムンガンドル」だったのが、今作では名称も最大7文字になった都合上「ヨルムンガンド」になったわけだが、これも結果的に「FF化」のイメージを助長した。 ////元ネタ自体日本語訳での表記割れが起きている上、言いがかりもいいレベルの記述なのでCO。 -前2作とは違い、耐性及び弱点は『のうりょく』コマンドで一覧表として表示されるようになった。装備品によって得た耐性も表示されるので、確認しやすい。 --「いなずま」耐性だけは特殊で欄自体が存在せず「れいき」耐性と「たつまき」耐性を持っていると「いなずま」耐性が付与される。しかしその説明は一切無い。 ---逆に「○いなずま」を持っている場合は自動的に「れいき」耐性と「たつまき」耐性も手に入る。 --また前2作と同名でも効果が異なる耐性も存在する。 ---「○すべて」は全状態異常耐性(2までにおける「○へんか」に相当)、「○へんか」は武器属性を除く全属性耐性(2までにおける「○ダメージ」に相当)、「○ダメージ」は武器属性耐性(2までにおける「○ぶき」に相当)、となっておりややこしい。 **問題点 -仲間に関する問題 --仲間のうちエスパーの2人はセリフが一切無い。ヒロインキャラもいるが、序盤以外は殆ど喋らず、主人公との仲も特に進展しない。 --仲間になるエスパー2人は、説明書のキャラ紹介ではそれぞれ男友達は「攻撃魔法が得意」女友達は「回復魔法が得意」と書かれているが、まったくそんな事はない。本作の回復魔法は、誰が使っても効力は一定であるし、回復魔法が得意とされる女友達の方が魔力が高く、攻撃魔法の威力が高い。ついでに言うと、開始時に攻撃魔法(ブリザド)を装備しているのは女友達の方である。 ---喋るキャラクターにしてもこの頃のゲームにありがちなキャラクター描写が安定しない点があるため、どうにもキャラクターのイメージを掴みきれない。 ---制作者の1人で、リメイク版を監修した京念秀史氏によると、「容量不足のため仲間2人のセリフは削除した」とのこと。 ---サガシリーズに限らず、この時代のカートリッジソフトには「容量との戦い」が付きものだったが、 //ディスクメディアも枚数を1枚に抑えるなど容量との戦いはあると思われるのでCO。 //(余裕を持って開発できるようになるのはCD-ROMが普及してから) スクウェア大阪はゲーム機での制作は初めてだった((前身のクリスタルソフトでPCゲームの開発経験はあった。))。そのため、実際より容量を多く見積もって開発してしまい、後で削るのに苦労することになった。 -フレイヤ戦 --序盤で敵に洗脳された少女「フレイヤ」と戦うイベントがある。その展開自体は仕方がないのだが、その際に「傷つけないように戦うんだ!」という台詞がある。 --戦闘中に特殊な行動を取らなければいけないといったイベント戦ではなく、単に少女相手に寄ってたかって攻撃することに対する予防線でしかないのだが、上記の台詞のせいで若干混乱を招く。 --ちなみに実際には攻撃魔法をどんどん繰り出してくるので手加減する余裕など無い。 //-前2作と同様、雑魚敵の出現パターンが少なく、同一マップではいつも同じ顔ぶれと戦闘することになる。 ////指摘するほど出現パターンが少ないわけでもなく、そもそも前2作が問題点として挙げていない要素なのでCO。 //ダメージ計算に乱数が使用されない事が直接戦闘が飽きやすい要素にはならないのでCO。 //--またダメージの乱数が働いていないのか、与ダメ被ダメの値も毎回同じ。そのため雑魚戦が非常に飽きやすい。 -サウンドテストとソフトリセットが失われた。 //--『[[2>Sa・Ga2 秘宝伝説]]』で便利だった情報メモ機能や、NPCとの会話機能も失われた。 //情報メモなんてサガ2独自のものでRPGに一般的な便利なものとは言えない。そもそも前作でたいして役立ってない。会話機能の評価は難しいがなくてはならないものとまでは言えず前作と比較するのは酷。 -後半のボス戦の攻撃手段が聖剣一強。 --大多数の武器が持つ「ダメージ属性」の耐性にも軽減されず、どの種族が装備しても人間と同様に威力2倍補正がかかるのに加えて、即死耐性を持つ相手に対してはさらに2倍の攻撃力4倍になる。 --ゲームの都合上、ボスは皆即死耐性を持つ(=聖剣が弱点)ため、非人間がなかなか特殊攻撃を活かせない。ラストバトルに至っては初手で「メビウスバリア」を使い全属性耐性を張って来るため、変わらず倍撃を与えられる聖剣がほぼ必須である。 ---メビウスバリアは途中でグラフィックの変化とともに切れるため、それ以降は聖剣に劣るとはいえ普通の攻撃手段で押し切ることも可能ではある。 --ただしボス戦以外ではこの限りではない。聖剣の中でも性能の差があり、最強の「エクスカリバー」はともかく「草薙の剣」と「ソロモンソード」は素の性能が低いため、雑魚戦では他の武器や技を使った方が強い。 ---ソロモンソードは最初に入手できる聖剣であり、無いと苦戦するボスも登場するため使い道はあるが、草薙の剣は聖剣中攻撃力が最弱であり、しかもどうしても入手が最後の方になるため、ほぼ活躍できない。 ---そのエクスカリバーでさえ、単純な威力では店売り最強武器の「ディフェンダー」の方が高くステータス補正も大きい。ダメージ属性を持つため一部の敵に相性が悪い事を除けば道中はこちらを使うのも手である。 ---獣人は格闘技が得意武器なため、下位の聖剣より「まんじがため」のほうがずっと強い。得意武器のない他の種族も「6れんぱつ」などの強力な技や、高い魔力を活かした「アシュラ」「ホーリー」「フレア」などの魔法が聖剣以上に役立つ場面は多い。 ---敵に属性耐性さえなければ、使い捨て武器である「核爆弾」、単体攻撃魔法「マグマ」なども高い威力を持つ。 ---こうした多彩な技があるだけに肝心のボス戦が聖剣一強になってしまうのは残念ではあるが、「伝説の武器が普通に一番強い」というのは普通のRPGではよくある話であり、ボス以外では活躍の場があることを考えればまだ立場はある方とは言える。 -変身の種族間バランスが悪い。 --上記の聖剣問題を含め、装備の補正や耐性を受けられないモンスターが一弱。自前の耐性にしか頼れないため多くの場面で状態異常や属性攻撃に苦しめられ、技の威力も得意武器を活かした人間や獣人に比べて低い。結果としてエスパー以上に魔法頼りになってしまいがちで、特にモンスターパーティーで挑むラスボス戦は苦行と化す。 --逆に獣人は装備の補正を受けられ力も魔力も高く物理・魔法両面で強い。格闘技を得意とするため「武器が得意」と言う人間の利点も食い気味で、聖剣を得てもボス戦以外はプロレス技でゴリゴリ押していける。こだわりがないなら序盤から最後まで全員獣人でもいいくらい。 --ロボットは強化に金がかかるが、強化さえ済めばステータスの暴力でブイブイ言わせる事ができ、まわりが追いついてくる終盤までバランスブレーカーになる。こちらは資金と応相談のうえ、MPがゼロと言う無視できない弱点があるため気軽に全員ロボと言うわけにもいかないが… --サイボーグは「装備によるステータス補正が大きい」という特性上もともとのステータスが低めであり、「いい装備をすれば獣人になんとか追いつける」程度で得意武器もなく劣化獣人の観が強い。「耐性を優先して弱い装備を使い続ける」といった選択のリスクも他の種族より大きく、不便さばかりが目立っている。 ---「使い捨ての武器を戦闘で消費すると追加ステータスがそのまま残る」と言うバグ(?)を利用すれば5桁に達するHPで好き放題できるが、これについてはお好みで。 --バランスとはちょっと違うが普通の人間でしかないデューンたちが、肉を食べて魔物化したり、パーツをつけただけでロボットになったり、その果ての最終系はサイボーグが首なしのノーマジーンだったり、ロボットはデューンやポルナレフだろうがトランス''レディ''というのもいろいろシュールすぎる。 -敵が基本的に素早い。 --種族変化を行わずに普通に進めていくと、ザコ敵からも常に先手を取られるようになる。装備すると素早さがアップする防具が中盤に購入できるが、これらを複数身に付けていないとまず敵より先には行動できなくなる。 ---かといってこれらの防具は状態変化無効や魔法ダメージ軽減といった「耐性」は備わっていない。素早さが高くても絶対に先に行動できるとは限らないため、装備の選択には頭を悩ませることになる。 -後半のボス戦は、基本的に「仲間1~2人が全体回復魔法を唱え、他2~3人が特定の武器(聖剣)で攻撃するだけ」という作業(というか、そうしなきゃ倒せない)。 --ボスゆえHPも高く、過去作に見られた相手の攻撃パターンやグラフィックの変化なども乏しいため余計にそれが顕著となる。特に前2作はどちらかといえば「やられる前にやる」バランスのボスが終盤に多かったので、過去作からやっているプレイヤーには違和感が強かった。 --序盤は雑魚敵を引き連れてくるボスが何体か登場し、「1対多数」になりがちなボス戦の単調さが軽減されている。もっとも、後半のボスは従来通り単体で出現するが。 -使い道の無い一部魔法 --「リフレク」…敵の魔法を跳ね返す魔法だが、使ったそのターン中しか効果が無い(元ネタのFF3では1回跳ね返すまでは持続する)。また全体攻撃魔法を受けた場合はダメージを0にできるが跳ね返せない。故にほぼ使い道は無い。 --「イレース」…敵の能力値の上昇・下降を初期化する魔法だが、能力値アップを行う敵は殆どいないので、やはり使い道は無い。 --「ホーリー」…無属性の敵全体攻撃魔法だが、「フレア」と消費MP・価格・売られている店・攻撃効果が完全に同一で''攻撃力だけ劣っている''。フレアだけ買えば良い。 ---ただし、フレアより技エフェクトが短いという利点がある。ホーリー、フレアが手に入ってからは雑魚戦は全員でこれらをぶっ放してMPが切れたらコテージで回復が1番楽な戦い方なので技エフェクトが短いというのは意外と重要。エスパー2人で使うならば威力的にはホーリーで十分にザコ殲滅させられるため、最強魔法「アシュラ」ですらやや不遇な扱いを受けていると言ってもよい。 //エスパー2人を使うとは限らないので。唱えられるやつはみんなホーリーは全員ロボットとかでない限りはだいたいのパーティの組み合わせて有効 ---また最後のNPC「ボラージュ」は「フレア」を覚えていないため、この「ホーリー」が主力魔法となる。 --「ドグラ」…希少で数が限られる風の石を2つ合わせて作る古魔法だが、効果は中盤で気軽に店で買える「テレポ」と同じ脱出魔法。敵に使う場合に対象をグループ化できる点で一応強化版とはいえ、これで消した場合、テレポ同様経験値などが得られないため、あまり使う意味がなく単に脱出魔法として使うだけなので、それならば店で買えて消費MPで20も軽いテレポで事足りる。 -モンスターグラフィックの違和感。 --前作までの「敵グループごとに数体をまとめて一体で表示」ではなく、一体一体を個別に多数表示するようにしたせいか、一定サイズの枠内(小型・縦長・横長)に詰め込んで描かれており違和感がある。表示幅が狭く凝った姿勢を取らせ辛かったのか、正面向きで躍動感に描ける立ち姿の敵が多いのも難点。 ---特に小型モンスターは詰め込みが激しい。とは言えドットの出来自体は低くはなく、デフォルメを効かせたコミカルなはんぎょじん系((なぜかタライに浸かっている))やGBの画面の滲みを活かして蝶の羽根を美しく表現した妖精系など、クオリティには光る部分も多く見られる。 ---一定サイズの枠内にめいいっぱい詰め込んで描かれたデザインは、ゲームボーイの白黒画面で見ると最初はただの違和感だったのがだんだんと同じ様な造形に錯覚してしまう。 //--グラフィックの使い回しが多く、序盤から終盤まで常に同じ姿のモンスターと戦い続ける事になり視覚的な変化に乏しい。明らかに名前とそぐわないデザインのモンスターも多く見られる(ナース服を着たモンスターに「スケバン」、どう見てもスフィンクスな人面獣身のモンスターが「タカむすめ」「サッキュバス」など)。 //---この点は容量との激戦を強いられていた当時のゲームには仕方のないことではあるが、上記の詰め込み問題と併せてこのゲームの戦闘画面が批判されがちな原因となっている。 //↑そんなの前2作も同じ。ネコ娘とネズミ男が同じ姿とか。敵のグラフィック自体は前作より多い --なお中盤以降増えてくる大型のモンスターやボス敵は迫力のあるハイクオリティなものも多く、特に異次元の神々はその不気味で異質なデザインも含めて評価する声もある。 //小型の敵がサイズの問題で低クオリティになっている事は確かですが「過去作より明らかにクオリティが低い」ということはないと思います。ボルボックやヨルムンガンドなどは秀逸な出来だと思いますし、過去作も出来のばらつきはありました。 ---- **総評 サガシリーズの生みの親、河津秋敏氏の手から離れ、さながら外注作品のようになってしまった本作は、シリーズの特徴を失いオーソドックスなファンタジー系RPGとなった。~ 1つのRPGとしてみれば良作とまでは言えないまでも決して悪くはない出来ではあるが、前2作がシナリオ・システム共に非常に特徴あるものであったため、オーソドックスさがかえって違和感を生じさせてしまうという結果になった。 ---- **その後の展開 -海外では『FINAL FANTASY LEGEND III』として発売され((向こうではGBサガ=FFLシリーズとして展開されていた。))、同じくGBの『[[聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~]]』((海外では『FINAL FANTASY ADVENTURE』として発売))と同様に「[[ファイナルファンタジーシリーズ]]の派生作品」として扱われていた。 --物議を醸した一部の大阪系モンスターも海外版では無難な姿に修正された他、医者やナースの姿をしたモンスターもグラフィックが変更されている。 --結果的に本作のシステムはFF要素の方が強まっていたため、「FF外伝」シリーズとして考えるならばむしろまっとうな出来とも言える。 -本作はサガシリーズだけでなくスクウェアのゲームボーイ作品としても最終作になった。 --それというのも、本作発売の時点でスーパーファミコンは完全に軌道に乗っており、ゲームボーイは発売から3年弱にして早くも衰退気味な一面を見せており、対象ソフトもファミコン既存作の移植やスピンオフなどの作品はハード性能の不足なこともあって劣化感が隠せず、早くも低迷の兆しを見せた当時のゲームボーイのソフトは「持ち運び向きなお手軽路線が理想」という傾向にあった。~ ゲーム内容が重厚路線なスクウェアにとってはそのようなゲームを発売するにはゲームボーイは性能的に一番不向きだったので見限ったのも無理はない話である。ファミコンにしても前年4月の『[[ファイナルファンタジーIII]]』を最後に、以後は既存作品をそのまま流用合本した『ファイナルファンタジーI・II』(1994年2月27日)のみで完全にスーパーファミコンに一本化している((1991年内に『ファイナルファンタジーIV』がファミコンで発売する予定があったが開発前段階でボツとなった。1991年7月に発売されたスーパーファミコンソフト『IV』は元々『V』の予定だったがファミコン版『IV』がボツとなったことでナンバリングが詰められたもの。))。 ---ゲームボーイは後の1996年2月に任天堂自身が発売した『[[ポケットモンスター 赤・緑]]』(ポケモン)の歴史的大ヒットでそれまでの低迷から脱却し、一度は見限った多くのサードパーティもこのブレイクをきっかけに次々と新規ソフトを出すほどになり((ハード性能的には大幅に劣るものには違いなかったので、それに合わせたソフトが次々と生み出されていった。))一躍任天堂の主力ハードにまで飛躍したが、スクウェアは同時期に最主力のファイナルファンタジーシリーズの最新作『[[VII>ファイナルファンタジーVII]]』を任天堂ハードを離れプレイステーションでの発売を発表し、発売の時期に任天堂が発売したスーパーファミコンの後継機ニンテンドウ64を後に誹謗したことや、更には子会社「デジキューブ」絡みで任天堂式の流通システムを時代遅れと中傷した軽率な発言などで任天堂との関係が瞬く間に悪化し、1997年の内には決定的な絶縁状態となった。 --このためポケモンやゲームボーイカラー発売(1998年10月21日)などでゲームボーイが遅まきながら大ブレイクした時期には参入できなかった。結果的にスクウェアは1991年というハード発売から3年に満たないかなり早い段階でゲームボーイから完全撤退したことになる。 -翌1992年にスーパーファミコンで『[[ロマンシング サ・ガ]]』が発売されたが、斬新なフリーシナリオシステムや、中世ファンタジー風統一の世界観への方向転換が行われ、「サガ」の名を関しているが従来のGBシリーズとは大幅に異なるタイトルとなっている。 --当時、Sa・Gaの3作目をGBで作るかSFCか開発班で議論していたところ、上から両方作れとお達しが来て、1つの開発班で2本同時に作るのは無理があるので、スクウェア大阪が手掛けた本作『Sa・Ga3』と、河津氏らが率いるSFCの『ロマサガ1』の開発ラインが同時に走ることになった。結果的にどちらもサガでありながら前作『Sa・Ga2』から派生してそれぞれ別の方向へ進んだことになる。 --その後『ロマサガ』シリーズが好評となった結果、従来のGBシリーズのような多種族システムかつ近未来ごった煮世界観を持つタイトルは、1997年にプレイステーションで発売の『[[サガ フロンティア]]』まで待つことになり、それも1作のみで『[[サガ フロンティア2]]』以降のシリーズは再び中世風に回帰している。 **移植・リメイク -2011年1月6日にニンテンドーDSでまさかの本作のリメイクである『''[[サガ3時空の覇者 Shadow or Light]]''』が発売された。詳細は別項を参照。 --サガシリーズディレクターである河津秋敏氏の総指揮の下、原作から大幅に手が加えられ、システム面やイラストはDS版『[[サガ2GOD>サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY]]』ベースとなり、台詞のなかったエスパー2人に台詞が与えられる他、本作最大の批判点であった「サガらしさ」を大幅に加味したリメイクとなっている。 -2020年12月15日にNintendo Switchで『1』~『3』(更に日本版と海外版で計6本)のカップリングソフト『''Sa・Ga COLLECTION''』が発売。~ 2021年9月22日にはiOS/Android、同年10月22日にはSteam(Windows)でも発売。 --こちらはGB版を忠実に移植したものとなっている。 ---上述のくいだおれ人形はグラフィックから太鼓が削除され、「くいだおれ」の名前が「クラウン」に変更された(「よしもと」はそのまま)。 ---他にマウス型モンスター等も名前が変更されたり((最下位の「マウス」のみ同じで上位は「キロマウス」に始まり最上位は「テラマウス」と大きい単位の冠しただけというかなり安直なネーミングになっている。))、ナース型のモンスターのグラフィックから赤十字マークが削除されたりといった細かい変更点がある。 --開発はRacjinだが、サウンドの再生速度はそのままで倍速プレーできるなど、M2による『[[聖剣伝説コレクション]]』とはまた違った趣がある。 **余談 -バイパーの都市での革命軍アジトに入るための合言葉「アェウクス」(「スクウェア」を逆さにしただけ)は我々日本人にとって発音困難なだけに印象に残ったプレイヤーも多かったことだろう。『[[ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の「もょもと」の類似例としてよく言われる。 -主人公達の妹分であるNPC「ネメシス」の公式イラストがまんまシスター(修道女)でありながら、そのイメージに近いエスパーではなく''所有している武器が「まさかり」で魔法よりも物理戦闘が得意というパワフルなキャラクター付け''をされているため、一部では''「まさかりシスター」''という愛称で(ネタとして)愛されている。 --海外版においては''「シスターが斧をブン回して戦う」''という描写が宗教上などの理由から問題になりかねないとして、女戦士の姿に変更されている。 --リメイクのDS版ではシスターなデザインとまさかりは修正されていない。 --問題点でも触れられているフレイヤは''「見た目はチャイナドレスの拳法家なのに能力では魔法が得意なエスパー」''ということでネメシスと対照的になっている。DS版ではエスパーっぽい服に変更された。 -同じく主人公達の弟分である「ディオール」というキャラクターも「まさかり(最後の加入時のみ)」に「サングラス」と「ダイヤのげた」というぶっ飛んだ組み合わせの装備な上に、2度死にかけても(むしろ2回目は完全に爆死している)それぞれその後でボルフェスという博士に蘇生してもらってピンピンになって戻ってくる((「細胞のかけらが残っていたので復活できた」とのことだが、それはもはや蘇生ではなくクローニングなのでは…))など、こちらもネタキャラにされている節がある((この扱いはそうちょう、ちちおやと続くGBサガの自爆の系譜からと思われる。))。 --ディオールに関してはリメイクで下駄とサングラスこそそのままだが、まさかりは変更され、ストーリー上の印象もかなり無難なものに変更されている。1回目の負傷からはサイボーグ化手術で「どうにか」復活する程度になり、自爆も爆薬を仕掛ける設定に変わったうえ、「爆発に巻き込まれたが、かろうじて生き延びた」ことになっているため、不死身の印象は意図的に消されている。 -ラスボス戦前の「ソール」の発言 --ラスボスに意識を乗っ取られる前にラスボスごとソールを倒そうとする展開になるのだが、戦闘中の台詞から、完全に''いたぶられて悦ぶドM''のように見えてしまうため、一部ではネタにされてしまっている((特にラスボスに乗っ取られる直前の「もっと!もっとだー!」がある意味このネタ扱いを決定的にしてしまっている。当然ながらソールに「いたぶられることに悦びを覚える」といった設定は無く、あくまでソールからすれば「このままでは(ラスボスに)自分が乗っ取られてしまい、手遅れになってしまう(だからもっと自分を倒すつもりで攻撃しろ)」といった内容の意図なのは明らかだが、直前まで散々ボコボコにされている状況でこの台詞が出てしまうので…。これのせいで、ソールの通称として「ドM神」というものがある。))。曲もシリアスな感じなので逆に笑えるという声も。 --ただし、実際状況が状況なだけにそういうネタにされることに対して不満の声を上げるプレイヤーもいる。 ---ちなみにDS版でも元の台詞は弄られていない。追加された部分があるため、雰囲気としてはだいぶ「まとも」にまったが、最後の崩壊寸前のターンでの台詞は相変わらず。 --ちなみに、ソールとラグナのHPは連動していないため、この場面でダメージを与えてもあまり意味は無い。 ---とはいえGB版ではある程度ダメージを与えないとラスボスは登場しないため攻撃しないわけにもいかないが(これを利用してラスボス前に補助魔法で強化する戦術もある)。 --また、この場面で大ダメージ(具体的には1ターンで60000以上のダメージ)を与えるとラスボス登場前に倒すことが出来る。普通にラスボスを倒すよりもよっぽど大変だが。 ---DS版ではターン経過でソールとの戦闘が終了するようになり、倒すことは出来なくなった。 -モンスターデザインや世界設定にクトゥルフ神話の影響が多く見られる(例:人間が徐々にサハギンのような魔物に変わっていく町=『インスマウスの影』)。 --この時代にクトゥルフを表現したゲームは珍しく、またグラフィックの再現度もなかなかのものである。 --ラスボスもおそらくクトゥルフ神話における外なる神の王と呼ばれる存在である「アザトース」を元にしていると思われる。挿絵等で本作のラスボスによく似た姿で描かれていることも多い。 ---当時はクトゥルフ神話自体がゲーマー層にはそれほど浸透していなかった事もあってか、身近な存在から「(芽が出た)じゃがいも」扱いされる事も多く、ネット上でラグナを紹介する際には大抵そのネタもセットで紹介されている。 //---大阪系敵キャラが多いこともあって「たこ焼きに見える」という話も…。 //クトゥルフの話題で統合。たこ焼きについては不要ではないかと話し合いになっているので一旦CO -『[[アンリミテッド:サガ]]』公式サイトでの歴代サガシリーズのソフト紹介の中で本作だけが無視されており、物議をかもしたことがある。 --実際はプロデューサーが違うために生じた権利問題が原因。後に『[[半熟英雄 対 3D]]』で本作にちなんだ小ネタが登場しており、サガシリーズ20周年記念でもちゃんと存在に触れられている。 --上述と同様の理由からか、「トバルNo.1」に同梱されていた「FFVII」の体験版のディスクに同時に収録されていた「サガフロンティア」の紹介映像においても、シリーズのパッケージの画像が順番に映されていく部分が本作を飛ばして「ロマサガ1」が登場するという映像になっていた。 -ステスロスの搭載兵器は初期の時点で『波動砲』が装備されているが、それまで「ボス以外は一発で全滅」だったのに対し本作では敵全体に100程度のダメージ((これは他の兵器も同じだが、必中ではなくミスもある。))と本当に補助程度の攻撃にしかならないので、そのギャップに幻滅した人も多い。 --追加される上位武器に『タキオン砲』(敵全体に500程度のダメージ)というのがあるが、元々『波動砲』の原理は「タキオン粒子を波動エネルギーに変えて周囲の時空間を歪めて破壊する」(別名「タキオン波動収束砲」)というもので、この原理を知っている者からすれば「『波動砲』と『タキオン砲』って何が違うの?」とツッコマずにはいられない。 //#region(エンディングに触れるところなので一応隠しておきます) //エンディングにおいて、ステスロスは役目を終えたかの如く爆散してしまうことになる。のだが、&bold(){乗組員たちについてまったく触れられていない}。どうにも&bold(){ステスロスと共に爆散してしまった}感が漂ってしまっている。最終決戦時に、ステスロスが援護に来てくれるのだが、もしかしたらその際に置いてきたということなのかもしれない。が、&bold(){そんな描写は特になかった}。主人公達も特にそのことに触れないままエンディングは続いていくこととなる。&s(){合掌} //#endregion //勝手な爆散説をでっち上げていて付け足しで書いたお笑い記事みたいになっている。無駄に死なす意味がない以上ストーリー的に置いてきたと考えるのが当然であり、穿った見方をしなければ爆散感などない #region(Sa・Ga3攻略本・完全クリア編P.84より『くいだおれ人形』の姿のモンスターが出てくる理由について) >コラム・おまけ 「くいだおれ」は実在するのだ!~  「くいだおれ」のモデルになったのは大阪の道頓堀にある「大阪名物くいだおれ((1949年創業の総合飲食店。2008年7月8日をもって閉店し、その後運営会社はくいだおれ人形の版権管理会社として存続している。))」というお店の人形なんだ。~  それがなぜ魔物になったのか藤岡さん((当時のスクウェア大阪開発部長・藤岡千尋氏のこと。))に聞いてみると、~  「''関西の人以外にはわからないかなとも思ったんですが、せっかく大阪で作るんだからまあいいか、わかる人にはわかるだろうと言う事でやってみました。''」と話してくれた。 ※このコラムの脇にくいだおれ人形の写真があり、そこに「関西ではおなじみのくいだおれ人形」という注釈が入っている。以上、一部個所に注脚を追加して攻略本から転載。 #endregion ---- **関連項目 -『[[ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト]]』 -- FFの外伝作品。本作と開発元が同じであり、戦闘画面が酷似している。シリーズの中では異色な存在である点も同じ。 --ジャンプ機能が実装されている。使い方も本作とほぼ同じ。 --本作のネメシスの再現なのか、斧を振り回して戦うドレス姿の少女が登場する。武器名はトマホークとまじんのおの。
*時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 【じくうのはしゃ さがすりー かんけつへん】 |ジャンル|RPG|CENTER:&image2(saga3.jpg,height=200)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|スクウェア|~| |開発元|スクウェア大阪|~| |発売日|1991年12月13日|~| |定価|4,900円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| ////ポイントを3行にまとめました。 //|ポイント|まさかのレベル制&br()前2作から変え過ぎ&br()サガらしさはないが、作品としての出来は悪くない|~| |ポイント|レベルアップ制採用で前2作から大幅変化&br()サガらしさはないが、作品としての出来は悪くない|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズ]]''| //[[高解像度で見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/0/2/6/21026_front.jpg]]&br;[[裏を見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/0/2/6/21026_back.jpg]] //↑Firefoxで開こうとしたら「潜在的なセキュリティリスクあり」と表示されたので、念のために非表示 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームボーイRPGの金字塔『サガシリーズ』の第3作にして、「完結編」と銘打たれている通りゲームボーイの「Sa・Ga」の最終作。~ 前2作までの開発スタッフは『[[ロマンシング サ・ガ]]』の開発に行ったため、本作は別スタッフの「スクウェア大阪」が製作した。~ スクウェア大阪というのは当時の新入社員のうち、クリスタルソフト・タイトー・コナミ・日本物産といった同業他社から移籍してきたスタッフが中心となって編成された部署である。なので、スクウェアの自社開発タイトルでありながら、実質的には外注作品といえる。~ 大阪に部署を作った理由は、移籍元が関西にある会社(タイトーのみ本社ではなく開発センター)だからだと推測される。((2013年12月以降のビジネスディビジョン制になったスクウェア・エニックスでは、大阪は「第3BD」に所属。)) ---- **ストーリー >はるか幾千年のむかし・・・・・。~ サガ世界の神・ソールは異次元から侵略してきた神々を時空を越える能力を持つ伝説の戦闘機ステスロスと共に封印した。 >だが、永く続いた平和も奇妙な「水がめ」の出現によって破られた。~ そこから多量の水と魔物たちが送り込まれ、サガ世界の未来は海の底に沈もうとしていたのだ。 >現在、閉ざされた町「ダーム」。~ 歴史を変える為に滅びの未来より送り込まれた3人の子供たちの冒険が、今、ここから始まる・・・。 (説明書より引用) ---- **特徴 -システム的には『[[ファイナルファンタジーIII]]』に近く、前2作に比べればオーソドックス。 --経験値獲得によるスタンダードなレベルアップ制、武器使用回数の廃止((使い捨ての武器自体は存在する。))、魔法はMPを消費するシステムを導入。 --サガシリーズでキャラクターにレベルが存在しているのは、現時点ではこの作品だけ((『ロマンシング サ・ガ2』では技術点システムによる近似的な経験値獲得によるレベルアップ制を採用している。))。 --後述のリメイク版では廃止され、従来のGBサガシリーズのようなシステムになった。 -パーティーのメインメンバー4人が固定で、名前以外は変えることはできない。 --基本状態は人間とエスパーの男女2名ずつ。肉を食べれば獣人やモンスターに、パーツをつければサイボーグやロボットに変身できる。 ---「地」「水」「火」「風」の4属性のどれかに属しており、レベル帯と属性で変身後の姿が決まる。 ---レベルである程度変身後の姿が決定するので、前作までのように強いモンスターの肉を食べてパワーアップというのは不可能(その分、大幅に弱くなることもない)。 ---変身のバリエーション自体は前作と同程度だが、今作では種族が4つに大別されたためにそれぞれのバリエーションは簡素化している(各レベル帯に4属性の4種類が設定されているが、2属性ずつ同じ種類で2種類しかないレベル帯、4属性全て同じ種類で1種類しかないレベル帯もある)。前作にあった仲間だけが変身できる専用の高レベルモンスターという要素もオミットされている。 ---変身が発生しない食い合わせの場合、または大型のモンスターや獣人が落とす巨大肉を食べた場合はHPが回復する。 --各種族 ---人間・エスパー:特殊能力や耐性はないが弱点もない基本状態。人間は大半の武器の扱いに長けている。エスパーは攻撃魔法に威力2倍のボーナスがあり、サイコ系など一部武器なら人間同様にプラス補正がつく。レベルアップによって能力値が成長する。中盤以降はHPや素早さが他の種族に比べて見劣りするが、限界まで育てればバグ技使用時を除き最強のステータスとなる。 ---獣人:素手や技系武器が得意。防御力が低い。レベルが上がるとより強い獣人に自動変身する。 ---モンスター:装備品の効果が一切反映されず攻撃方法や能力値は種族依存。 ---サイボーグ:前作のメカのように装備次第で能力値上昇。 ---ロボット:MP0なので消費MP0以外の魔法が使えない((フィールドマップでの移動に用いる魔法のみ使用可能))。能力値は『サガ1』の人間のようにお金をつぎ込んで上昇アイテムを買って強化していく。 --5人目のメンバーとしてシナリオキャラクター(NPC)がストーリーに合わせて加入する。 ---装備や魔法を外せないが、空欄への装着は可能。 --乗り物に搭乗中など、その乗り物に装備した兵器による援護攻撃も行われる。 --隊列の並び替えがなくなり、全員が均等の確率で敵の攻撃のターゲットになる。 ---移動中に表示されるキャラクターは変更可能。 -ジャンプ --移動中にBを押す事で2マス先にジャンプする事が出来る。これは街中やダンジョンに限る。フィールドではジャンプ自体が出来ない。 --主に穴やダメージ床を飛び越えたり、人を飛び越える事もでき、通行人に道を塞がれやすい街では便利。段差は飛び越える事はできない。 --ただし向きを変えるだけという動作はできず、1マス分しかない足場では、そのまま前にジャンプするしかない。それを前提とした謎解き要素もある。 --ベッドや橋の下など、主人公が隠れる場所でジャンプするとガツッ!と頭をぶつけて「いったーい !!」というセリフが出る。幸いそれでダメージを受けたりはしない。 -戦闘中、攻撃せず防御することでダメージを減らすコマンドが標準で実装された。 --コマンド名は「かわす」。回避率も上がっているようなので間違ってはいないのかもしれないが、わかりにくい。(取説に書いているので、読めばわかるが) --「まもる」というコマンドもあり、こちらは味方を敵の攻撃から守る(かばう)という効果である。 -『[[貝獣物語]]』のように戦闘画面で味方パーティのグラフィックが敵と対峙するように表示される。 //-今作から戦闘画面に味方パーティが表示される。 //--以降も採用され、アニメーションされるなどの進化を施した。 //---また、ロマサガシリーズから採用されるサイドビューの戦闘画面への変更のきっかけとなった。 ////ソースが無く、開発時期から影響を受けたとは考えにくいのでCO。 -全滅後に復活 --全滅してもやり直す事が可能。 -魔法石 --魔法石はそれぞれ各種属性があり比較的序盤から手に入る。用途は説明書に明記されているほか、村人のセリフなどで示唆されてはいるが、実際に使用できるのは終盤に差し掛かってから。 --古魔法や武器防具などを作成できるが、一度精製したら元には戻せない。希少価値が高いのでよく考えて行うべき。 --ちなみにクリアに必須という訳ではない。 -ステスロス(戦闘機) --時空を越える戦闘機。ゲーム序盤では封印されていて、さらに各種パーツを失っているためほとんどの機能が使用できない。 --パーツを入手してステスロスにセットすると、過去ワープなどの機能やカプセルホテルなどの施設が使えるようになる。 --中盤から搭乗する事が出来るようになる。ステスロスで飛行していても敵と遭遇するのだが、そのときはまずステスロスが砲撃し、倒しきれなかった場合は敵が''機内にワープしてくる''(ので主人公達が戦う)という強引な展開になる。 ---さらにその様な状況であるにもかかわらず、''逃げる事が可能''。 --エンカウントを無効化する装備も手に入る。 --ちなみに、「浄化マシン」という種族変化を解除する装置があるのだが、見た目はトイレである。 -開発が大阪で行われたためか、やたらと「大阪らしさ」を強調している。 --主だった所ではモンスターの一種がまんま「''くいだおれ人形''((作中において、実際にくいだおれ人形の姿で「くいだおれ」という名を持つモンスターも出現する。更に「くいだおれ」の上位種に「よしもと」が存在している。こちらはお笑いの名門と言われる「吉本興業」が名前の元ネタなのはまず間違いないだろう。))」の姿((服の模様が水玉になっているなど、さすがに全く同じではない。))であること。敵の特殊攻撃にも「''パチパチパンチ''((「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」所属のお笑い芸人・島木譲二(しまきじょうじ)氏の持ちネタ。上半身裸になり、2、3回手を前に突き出してから胸を平手で叩くというもの。ゲーム中ではダメージ+沈黙の効果。))」やら「ギャグ光線」やらがある。 --攻略本の制作者インタビューによると「解らない人にはまるで解らないだろうが、せっかく大阪で作るんだからいいか」(意訳)という理由らしい。その部分はページ下部に転載しているので、興味があれば参照あれ。 ---流石に海外版ではくいだおれ人形の姿ではなく、ピエロの姿に変更されている。 --くいだおれ人形はリメイクで当然消滅したが、リメイク版のデータには「ピエロ」の名前を冠した没キャラが((オリジナル版ではくいだおれ人形の姿の「ピエロ」が登場している))。 ---その種族は、前作で言うところの人型メカ系。どうやらスーパーロボットに鞍替えした模様。 --大阪とは関係ないが、マウス型のモンスター(ロボット)は「[[ジェリー>トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう]]」とか「[[ミッキー>ディズニーシリーズ]]」とか名前が危ない。 ---前作の時点で[[ロボット系の名前に「28ごう」だの「ゼット」だの「ジーセブン」>スーパーロボット大戦シリーズ]]だの、最強の武道家系の名前に「[[つくも>修羅の門 (PS)]]」だのとついていたので、当時のおおらかさ及びサガらしさと言えなくもない。%%過去作含めて見た目は全然似ていないが…%% //本当に特徴だけの物、否定的な評価をしている項目等もあったので、各項目に分割 ---- **評価点 -RPGとしてオーソドックスにまとまっている。 --後述の「サガらしさが薄い」と言う問題点と表裏一体であるが、レベル制の導入や武器回数制の廃止などによって「成長が実感しにくい」「せっかくの高価で強い武器が失われてしまう」「エスパーは特殊能力の習得がランダムで安定しない」などのとっつきにくさに繋がっていた特徴が丸くなっている。 -前作までの時点ではパーティーメンバーはモンスターはモンスター、ロボはロボ(メカ)で選んだ時点から固定であり、特に無計画に肉を食べても強くなるどころか弱体化することもあるモンスターは足手まといになることも多かったが、今作においてはメンバー全員が人間・エスパーを出発点として自由に変化することができ、気に入らなくなれば浄化マシンで元に戻ることができるため、変化システムが大幅に柔軟化した。 --人間は魔力、エスパーは力の成長が低いためそのままでは役割が固定化されるが、肉やパーツの取得によって力の高い種族に変化すればエスパーでも殴り役になれるなど、選択肢の幅が広い。 -時間移動を取り入れたストーリー --「水がめ」の出現により水位が上昇し続けている世界の危機を、過去-現在-未来の移動によって解りやすく表現している。 ---水位の上昇によって過去の時点では残っていた街が現代では水没してしまっていたり、未来ではさらに陸地が狭まり危機的な状態にあることがプレイヤーにもはっきりと感じられる。一方で、現代ではまだ幼かった主人公の弟分がたくましく成長しともに戦う仲間になるなど、時間の流れが効果的に話に関わっている。 ---中盤以降は異次元の神を討つためこちらから異次元に打って出る展開となり、以降時間移動はお役御免になってしまうのが残念。 -ステスロスがだんだんと増強されていくのも楽しめる要素。 --同社製のFFシリーズでおなじみの飛空艇がストーリーの進行に合わせて拡張・強化されていくようなもので、アクセス性の高い宿屋や戦闘開始時の先制攻撃、エンカウント封じなどの機能を備えて快適化していく。ステスロスは物語にも密接に関わる機体であり、「持ち曲」とも言えるステスロスのテーマも併せてこのゲームの中でも高く評価されている存在と言える。 ---しかもそれがしっかりグラフィックでも表現され、エンジンルームなどでもいろいろ装備が追加されていくのが見える。 --装備「ステルスバリア」は前2作には存在しなかった「エンカウントを封じる手段」ともなるのも魅力的。とはいえ使える状況は限定されるが。 ---もちろん戦闘をウザがってこれに頼ってばかりいるとレベルが上がらず力不足になるのでバランスも取れている。 -BGMの評価は高い --「異次元のテーマ」「未来への旅立ち」等、名曲とされる曲もある。 --笹井隆司氏の特徴で短時間でループする曲が多い。 ---同氏が手掛けた『ルドラの秘宝』のBGMも、短い中に多くの旋律を詰め込んだ作りになっている。 ---後年、容量不足のためいかにデータを間引くかに苦労したと語っている(『SQUARE ENIX SaGa Series 20th Anniversary Original Soundtrack』付属のインタビューDVDより。[[ネットで聴けるさわり>http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/saga20th_box/]]には入っていない)。後述のリメイク版では、旋律が追加され、笹井氏本来の意図通りと思われる内容になっている。 -セレクトボタンを押している間はカーソル移動・決定・キャンセルが非常に速くなり、時間短縮になる。 ---- **賛否両論点 -サガらしさが薄い --特徴でも書いたが、レベル制等非常にオーソドックスなシステムになっている。 ---このせいでサガの一作としては評価が低めではあるが、癖がないおかげで遊びやすいゲームにもなっている。 ---ファンタジーな聖剣からビームライフルや核爆弾と言った現代・近未来的なもの、果てはコブラツイストや卍固めなどと言ったプロレス技までをごちゃ混ぜにしたカオスな装備品の数々や、基本的にはただの人間であるはずの主人公一行が特に理由もなく肉を食べればモンスターに、パーツをつければロボにと縦横無尽に变化していき、どう見ても和式トイレな浄化マシンでアッサリ元に戻るといったはっちゃけたシステムなど、多くの点でオーソドックスに歩み寄ったとは言えサガらしさが全く失われたわけではない。((序盤に訪れるある街では人間が魚人に変化していく奇病に悩まされており、プレイヤーが話しかけると「こんな姿だがモンスターじゃなく人間なんだ」と弁解してくる者もいるが、当の主人公たちが全員モンスターになっている事も…)) //--なお、サガ2までの「サガらしさ」というのは最初から変わったゲームを作ろうとしたのではなく、『携帯機でRPGを作る場合、どういうゲームデザインが適切なのか』を考えた結果でしかない。~ //なので本作は『携帯機ならではのRPGらしさ』がなく、そもそも携帯機で出す意義が薄くなっていると表現した方が適切である。~ //しかしサガ2までのゲームデザインが全てのユーザーに正しく理解されたかと問われればそうでもないので、オーソドックスに寄せたサガ3のシステムも間違いというわけではない。 //レベル制ゲームが携帯機で出す意義が薄いとは独自の意見が強すぎる。レベル制を廃止しただけでも変わったゲームを作ろうとした意図は見える。 -戦闘中、ダメージや回復の数値はテキストではなく、『FF』の様に数字が飛び出す形で表現される。 --全体攻撃を行うと1体1体順番に数字が飛び出し、「○○はたおれた」というメッセージが倒した敵数分表示される上に、敵の死亡演出も妙に長いため、テンポが悪い。 ---一度に数字が出ると、どの相手にどれだけダメージを与えたかが把握しにくい面もあるため、わかりやすい措置ではある。しかし前2作はダメージも回復もテキスト表示されていたため、Aボタン・Bボタンで自由に早送りと一時停止ができていた。死亡演出もスピーディであったため、ますます本作のテンポは悪く感じられる。 --また『FF』とは違い、ダメージも回復も同じ色の数字で表示される。ゲームボーイソフトなのだから色を変えられなかったわけだが、単純に「数字が飛び出す演出」自体がゲームボーイと相性が悪かったということでもある。やはりテキストで表示させたままの方が良かったのでは? //---細かい所になるが、それまでサガシリーズでは「ヨルムンガンドル」だったのが、今作では名称も最大7文字になった都合上「ヨルムンガンド」になったわけだが、これも結果的に「FF化」のイメージを助長した。 ////元ネタ自体日本語訳での表記割れが起きている上、言いがかりもいいレベルの記述なのでCO。 -前2作とは違い、耐性及び弱点は『のうりょく』コマンドで一覧表として表示されるようになった。装備品によって得た耐性も表示されるので、確認しやすい。 --「いなずま」耐性だけは特殊で欄自体が存在せず「れいき」耐性と「たつまき」耐性を持っていると「いなずま」耐性が付与される。しかしその説明は一切無い。 ---逆に「○いなずま」を持っている場合は自動的に「れいき」耐性と「たつまき」耐性も手に入る。 --また前2作と同名でも効果が異なる耐性も存在する。 ---「○すべて」は全状態異常耐性(2までにおける「○へんか」に相当)、「○へんか」は武器属性を除く全属性耐性(2までにおける「○ダメージ」に相当)、「○ダメージ」は武器属性耐性(2までにおける「○ぶき」に相当)、となっておりややこしい。 ---- **問題点 -仲間に関する問題 --仲間のうちエスパーの2人はセリフが一切無い。ヒロインキャラもいるが、序盤以外は殆ど喋らず、主人公との仲も特に進展しない。 --仲間になるエスパー2人は、説明書のキャラ紹介ではそれぞれ男友達は「攻撃魔法が得意」女友達は「回復魔法が得意」と書かれているが、まったくそんな事はない。本作の回復魔法は、誰が使っても効力は一定であるし、回復魔法が得意とされる女友達の方が魔力が高く、攻撃魔法の威力が高い。ついでに言うと、開始時に攻撃魔法(ブリザド)を装備しているのは女友達の方である。 ---喋るキャラクターにしてもこの頃のゲームにありがちなキャラクター描写が安定しない点があるため、どうにもキャラクターのイメージを掴みきれない。 ---制作者の1人で、リメイク版を監修した京念秀史氏によると、「容量不足のため仲間2人のセリフは削除した」とのこと。 ---サガシリーズに限らず、この時代のカートリッジソフトには「容量との戦い」が付きものだったが、 //ディスクメディアも枚数を1枚に抑えるなど容量との戦いはあると思われるのでCO。 //(余裕を持って開発できるようになるのはCD-ROMが普及してから) スクウェア大阪はゲーム機での制作は初めてだった((前身のクリスタルソフトでPCゲームの開発経験はあった。))。そのため、実際より容量を多く見積もって開発してしまい、後で削るのに苦労することになった。 -フレイヤ戦 --序盤で敵に洗脳された少女「フレイヤ」と戦うイベントがある。その展開自体は仕方がないのだが、その際に「傷つけないように戦うんだ!」という台詞がある。 --戦闘中に特殊な行動を取らなければいけないといったイベント戦ではなく、単に少女相手に寄ってたかって攻撃することに対する予防線でしかないのだが、上記の台詞のせいで若干混乱を招く。 --ちなみに実際には攻撃魔法をどんどん繰り出してくるので手加減する余裕など無い。 //-前2作と同様、雑魚敵の出現パターンが少なく、同一マップではいつも同じ顔ぶれと戦闘することになる。 ////指摘するほど出現パターンが少ないわけでもなく、そもそも前2作が問題点として挙げていない要素なのでCO。 //ダメージ計算に乱数が使用されない事が直接戦闘が飽きやすい要素にはならないのでCO。 //--またダメージの乱数が働いていないのか、与ダメ被ダメの値も毎回同じ。そのため雑魚戦が非常に飽きやすい。 -サウンドテストとソフトリセットが失われた。 //--『[[2>Sa・Ga2 秘宝伝説]]』で便利だった情報メモ機能や、NPCとの会話機能も失われた。 //情報メモなんてサガ2独自のものでRPGに一般的な便利なものとは言えない。そもそも前作でたいして役立ってない。会話機能の評価は難しいがなくてはならないものとまでは言えず前作と比較するのは酷。 -後半のボス戦の攻撃手段が聖剣一強。 --大多数の武器が持つ「ダメージ属性」の耐性にも軽減されず、どの種族が装備しても人間と同様に威力2倍補正がかかるのに加えて、即死耐性を持つ相手に対してはさらに2倍の攻撃力4倍になる。 --ゲームの都合上、ボスは皆即死耐性を持つ(=聖剣が弱点)ため、非人間がなかなか特殊攻撃を活かせない。ラストバトルに至っては初手で「メビウスバリア」を使い全属性耐性を張って来るため、変わらず倍撃を与えられる聖剣がほぼ必須である。 ---メビウスバリアは途中でグラフィックの変化とともに切れるため、それ以降は聖剣に劣るとはいえ普通の攻撃手段で押し切ることも可能ではある。 --ただしボス戦以外ではこの限りではない。聖剣の中でも性能の差があり、最強の「エクスカリバー」はともかく「草薙の剣」と「ソロモンソード」は素の性能が低いため、雑魚戦では他の武器や技を使った方が強い。 ---ソロモンソードは最初に入手できる聖剣であり、無いと苦戦するボスも登場するため使い道はあるが、草薙の剣は聖剣中攻撃力が最弱であり、しかもどうしても入手が最後の方になるため、ほぼ活躍できない。 ---そのエクスカリバーでさえ、単純な威力では店売り最強武器の「ディフェンダー」の方が高くステータス補正も大きい。ダメージ属性を持つため一部の敵に相性が悪い事を除けば道中はこちらを使うのも手である。 ---獣人は格闘技が得意武器なため、下位の聖剣より「まんじがため」のほうがずっと強い。得意武器のない他の種族も「6れんぱつ」などの強力な技や、高い魔力を活かした「アシュラ」「ホーリー」「フレア」などの魔法が聖剣以上に役立つ場面は多い。 ---敵に属性耐性さえなければ、使い捨て武器である「核爆弾」、単体攻撃魔法「マグマ」なども高い威力を持つ。 ---こうした多彩な技があるだけに肝心のボス戦が聖剣一強になってしまうのは残念ではあるが、「伝説の武器が普通に一番強い」というのは普通のRPGではよくある話であり、ボス以外では活躍の場があることを考えればまだ立場はある方とは言える。 -変身の種族間バランスが悪い。 --上記の聖剣問題を含め、装備の補正や耐性を受けられないモンスターが一弱。自前の耐性にしか頼れないため多くの場面で状態異常や属性攻撃に苦しめられ、技の威力も得意武器を活かした人間や獣人に比べて低い。結果としてエスパー以上に魔法頼りになってしまいがちで、特にモンスターパーティーで挑むラスボス戦は苦行と化す。 --逆に獣人は装備の補正を受けられ力も魔力も高く物理・魔法両面で強い。格闘技を得意とするため「武器が得意」と言う人間の利点も食い気味で、聖剣を得てもボス戦以外はプロレス技でゴリゴリ押していける。こだわりがないなら序盤から最後まで全員獣人でもいいくらい。 --ロボットは強化に金がかかるが、強化さえ済めばステータスの暴力でブイブイ言わせる事ができ、まわりが追いついてくる終盤までバランスブレーカーになる。こちらは資金と応相談のうえ、MPがゼロと言う無視できない弱点があるため気軽に全員ロボと言うわけにもいかないが… --サイボーグは「装備によるステータス補正が大きい」という特性上もともとのステータスが低めであり、「いい装備をすれば獣人になんとか追いつける」程度で得意武器もなく劣化獣人の観が強い。「耐性を優先して弱い装備を使い続ける」といった選択のリスクも他の種族より大きく、不便さばかりが目立っている。 ---「使い捨ての武器を戦闘で消費すると追加ステータスがそのまま残る」と言うバグ(?)を利用すれば5桁に達するHPで好き放題できるが、これについてはお好みで。 --バランスとはちょっと違うが普通の人間でしかないデューンたちが、肉を食べて魔物化したり、パーツをつけただけでロボットになったり、その果ての最終系はサイボーグが首なしのノーマジーンだったり、ロボットはデューンやポルナレフだろうがトランス''レディ''というのもいろいろシュールすぎる。 -敵が基本的に素早い。 --種族変化を行わずに普通に進めていくと、ザコ敵からも常に先手を取られるようになる。装備すると素早さがアップする防具が中盤に購入できるが、これらを複数身に付けていないとまず敵より先には行動できなくなる。 ---かといってこれらの防具は状態変化無効や魔法ダメージ軽減といった「耐性」は備わっていない。素早さが高くても絶対に先に行動できるとは限らないため、装備の選択には頭を悩ませることになる。 -後半のボス戦は、基本的に「仲間1~2人が全体回復魔法を唱え、他2~3人が特定の武器(聖剣)で攻撃するだけ」という作業(というか、そうしなきゃ倒せない)。 --ボスゆえHPも高く、過去作に見られた相手の攻撃パターンやグラフィックの変化なども乏しいため余計にそれが顕著となる。特に前2作はどちらかといえば「やられる前にやる」バランスのボスが終盤に多かったので、過去作からやっているプレイヤーには違和感が強かった。 --序盤は雑魚敵を引き連れてくるボスが何体か登場し、「1対多数」になりがちなボス戦の単調さが軽減されている。もっとも、後半のボスは従来通り単体で出現するが。 -使い道の無い一部魔法 --「リフレク」…敵の魔法を跳ね返す魔法だが、使ったそのターン中しか効果が無い(元ネタのFF3では1回跳ね返すまでは持続する)。また全体攻撃魔法を受けた場合はダメージを0にできるが跳ね返せない。故にほぼ使い道は無い。 --「イレース」…敵の能力値の上昇・下降を初期化する魔法だが、能力値アップを行う敵は殆どいないので、やはり使い道は無い。 --「ホーリー」…無属性の敵全体攻撃魔法だが、「フレア」と消費MP・価格・売られている店・攻撃効果が完全に同一で''攻撃力だけ劣っている''。フレアだけ買えば良い。 ---ただし、フレアより技エフェクトが短いという利点がある。ホーリー、フレアが手に入ってからは雑魚戦は全員でこれらをぶっ放してMPが切れたらコテージで回復が1番楽な戦い方なので技エフェクトが短いというのは意外と重要。エスパー2人で使うならば威力的にはホーリーで十分にザコ殲滅させられるため、最強魔法「アシュラ」ですらやや不遇な扱いを受けていると言ってもよい。 //エスパー2人を使うとは限らないので。唱えられるやつはみんなホーリーは全員ロボットとかでない限りはだいたいのパーティの組み合わせて有効 ---また最後のNPC「ボラージュ」は「フレア」を覚えていないため、この「ホーリー」が主力魔法となる。 --「ドグラ」…希少で数が限られる風の石を2つ合わせて作る古魔法だが、効果は中盤で気軽に店で買える「テレポ」と同じ脱出魔法。敵に使う場合に対象をグループ化できる点で一応強化版とはいえ、これで消した場合、テレポ同様経験値などが得られないため、あまり使う意味がなく単に脱出魔法として使うだけなので、それならば店で買えて消費MPで20も軽いテレポで事足りる。 -モンスターグラフィックの違和感。 --前作までの「敵グループごとに数体をまとめて一体で表示」ではなく、一体一体を個別に多数表示するようにしたせいか、一定サイズの枠内(小型・縦長・横長)に詰め込んで描かれており違和感がある。表示幅が狭く凝った姿勢を取らせ辛かったのか、正面向きで躍動感に描ける立ち姿の敵が多いのも難点。 ---特に小型モンスターは詰め込みが激しい。とは言えドットの出来自体は低くはなく、デフォルメを効かせたコミカルなはんぎょじん系((なぜかタライに浸かっている))やGBの画面の滲みを活かして蝶の羽根を美しく表現した妖精系など、クオリティには光る部分も多く見られる。 ---一定サイズの枠内にめいいっぱい詰め込んで描かれたデザインは、ゲームボーイの白黒画面で見ると最初はただの違和感だったのがだんだんと同じ様な造形に錯覚してしまう。 //--グラフィックの使い回しが多く、序盤から終盤まで常に同じ姿のモンスターと戦い続ける事になり視覚的な変化に乏しい。明らかに名前とそぐわないデザインのモンスターも多く見られる(ナース服を着たモンスターに「スケバン」、どう見てもスフィンクスな人面獣身のモンスターが「タカむすめ」「サッキュバス」など)。 //---この点は容量との激戦を強いられていた当時のゲームには仕方のないことではあるが、上記の詰め込み問題と併せてこのゲームの戦闘画面が批判されがちな原因となっている。 //↑そんなの前2作も同じ。ネコ娘とネズミ男が同じ姿とか。敵のグラフィック自体は前作より多い --なお中盤以降増えてくる大型のモンスターやボス敵は迫力のあるハイクオリティなものも多く、特に異次元の神々はその不気味で異質なデザインも含めて評価する声もある。 //小型の敵がサイズの問題で低クオリティになっている事は確かですが「過去作より明らかにクオリティが低い」ということはないと思います。ボルボックやヨルムンガンドなどは秀逸な出来だと思いますし、過去作も出来のばらつきはありました。 ---- **総評 サガシリーズの生みの親、河津秋敏氏の手から離れ、さながら外注作品のようになってしまった本作は、シリーズの特徴を失いオーソドックスなファンタジー系RPGとなった。~ 1つのRPGとしてみれば良作とまでは言えないまでも決して悪くはない出来ではあるが、前2作がシナリオ・システム共に非常に特徴あるものであったため、オーソドックスさがかえって違和感を生じさせてしまうという結果になった。 ---- **その後の展開 -海外では『FINAL FANTASY LEGEND III』として発売され((向こうではGBサガ=FFLシリーズとして展開されていた。))、同じくGBの『[[聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~]]』((海外では『FINAL FANTASY ADVENTURE』として発売))と同様に「[[ファイナルファンタジーシリーズ]]の派生作品」として扱われていた。 --物議を醸した一部の大阪系モンスターも海外版では無難な姿に修正された他、医者やナースの姿をしたモンスターもグラフィックが変更されている。 --結果的に本作のシステムはFF要素の方が強まっていたため、「FF外伝」シリーズとして考えるならばむしろまっとうな出来とも言える。 -本作はサガシリーズだけでなくスクウェアのゲームボーイ作品としても最終作になった。 --それというのも、本作発売の時点でスーパーファミコンは完全に軌道に乗っており、ゲームボーイは発売から3年弱にして早くも衰退気味な一面を見せており、対象ソフトもファミコン既存作の移植やスピンオフなどの作品はハード性能の不足なこともあって劣化感が隠せず、早くも低迷の兆しを見せた当時のゲームボーイのソフトは「持ち運び向きなお手軽路線が理想」という傾向にあった。~ ゲーム内容が重厚路線なスクウェアにとってはそのようなゲームを発売するにはゲームボーイは性能的に一番不向きだったので見限ったのも無理はない話である。ファミコンにしても前年4月の『[[ファイナルファンタジーIII]]』を最後に、以後は既存作品をそのまま流用合本した『ファイナルファンタジーI・II』(1994年2月27日)のみで完全にスーパーファミコンに一本化している((1991年内に『ファイナルファンタジーIV』がファミコンで発売する予定があったが開発前段階でボツとなった。1991年7月に発売されたスーパーファミコンソフト『IV』は元々『V』の予定だったがファミコン版『IV』がボツとなったことでナンバリングが詰められたもの。))。 ---ゲームボーイは後の1996年2月に任天堂自身が発売した『[[ポケットモンスター 赤・緑]]』(ポケモン)の歴史的大ヒットでそれまでの低迷から脱却し、一度は見限った多くのサードパーティもこのブレイクをきっかけに次々と新規ソフトを出すほどになり((ハード性能的には大幅に劣るものには違いなかったので、それに合わせたソフトが次々と生み出されていった。))一躍任天堂の主力ハードにまで飛躍したが、スクウェアは同時期に最主力のファイナルファンタジーシリーズの最新作『[[VII>ファイナルファンタジーVII]]』を任天堂ハードを離れプレイステーションでの発売を発表し、発売の時期に任天堂が発売したスーパーファミコンの後継機ニンテンドウ64を後に誹謗したことや、更には子会社「デジキューブ」絡みで任天堂式の流通システムを時代遅れと中傷した軽率な発言などで任天堂との関係が瞬く間に悪化し、1997年の内には決定的な絶縁状態となった。 --このためポケモンやゲームボーイカラー発売(1998年10月21日)などでゲームボーイが遅まきながら大ブレイクした時期には参入できなかった。結果的にスクウェアは1991年というハード発売から3年に満たないかなり早い段階でゲームボーイから完全撤退したことになる。 -翌1992年にスーパーファミコンで『[[ロマンシング サ・ガ]]』が発売されたが、斬新なフリーシナリオシステムや、中世ファンタジー風統一の世界観への方向転換が行われ、「サガ」の名を関しているが従来のGBシリーズとは大幅に異なるタイトルとなっている。 --当時、Sa・Gaの3作目をGBで作るかSFCか開発班で議論していたところ、上から両方作れとお達しが来て、1つの開発班で2本同時に作るのは無理があるので、スクウェア大阪が手掛けた本作『Sa・Ga3』と、河津氏らが率いるSFCの『ロマサガ1』の開発ラインが同時に走ることになった。結果的にどちらもサガでありながら前作『Sa・Ga2』から派生してそれぞれ別の方向へ進んだことになる。 --その後『ロマサガ』シリーズが好評となった結果、従来のGBシリーズのような多種族システムかつ近未来ごった煮世界観を持つタイトルは、1997年にプレイステーションで発売の『[[サガ フロンティア]]』まで待つことになり、それも1作のみで『[[サガ フロンティア2]]』以降のシリーズは再び中世風に回帰している。 ---- **移植・リメイク -2011年1月6日にニンテンドーDSでまさかの本作のリメイクである『''[[サガ3時空の覇者 Shadow or Light]]''』が発売された。詳細は別項を参照。 --サガシリーズディレクターである河津秋敏氏の総指揮の下、原作から大幅に手が加えられ、システム面やイラストはDS版『[[サガ2GOD>サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY]]』ベースとなり、台詞のなかったエスパー2人に台詞が与えられる他、本作最大の批判点であった「サガらしさ」を大幅に加味したリメイクとなっている。 -2020年12月15日にNintendo Switchで『1』~『3』(更に日本版と海外版で計6本)のカップリングソフト『''Sa・Ga COLLECTION''』が発売。~ 2021年9月22日にはiOS/Android、同年10月22日にはSteam(Windows)でも発売。 --こちらはGB版を忠実に移植したものとなっている。 ---上述のくいだおれ人形はグラフィックから太鼓が削除され、「くいだおれ」の名前が「クラウン」に変更された(「よしもと」はそのまま)。 ---他にマウス型モンスター等も名前が変更されたり((最下位の「マウス」のみ同じで上位は「キロマウス」に始まり最上位は「テラマウス」と大きい単位の冠しただけというかなり安直なネーミングになっている。))、ナース型のモンスターのグラフィックから赤十字マークが削除されたりといった細かい変更点がある。 --開発はRacjinだが、サウンドの再生速度はそのままで倍速プレーできるなど、M2による『[[聖剣伝説コレクション]]』とはまた違った趣がある。 ---- **余談 -バイパーの都市での革命軍アジトに入るための合言葉「アェウクス」(「スクウェア」を逆さにしただけ)は我々日本人にとって発音困難なだけに印象に残ったプレイヤーも多かったことだろう。『[[ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の「もょもと」の類似例としてよく言われる。 -主人公達の妹分であるNPC「ネメシス」の公式イラストがまんまシスター(修道女)でありながら、そのイメージに近いエスパーではなく''所有している武器が「まさかり」で魔法よりも物理戦闘が得意というパワフルなキャラクター付け''をされているため、一部では''「まさかりシスター」''という愛称で(ネタとして)愛されている。 --海外版においては''「シスターが斧をブン回して戦う」''という描写が宗教上などの理由から問題になりかねないとして、女戦士の姿に変更されている。 --リメイクのDS版ではシスターなデザインとまさかりは修正されていない。 --問題点でも触れられているフレイヤは''「見た目はチャイナドレスの拳法家なのに能力では魔法が得意なエスパー」''ということでネメシスと対照的になっている。DS版ではエスパーっぽい服に変更された。 -同じく主人公達の弟分である「ディオール」というキャラクターも「まさかり(最後の加入時のみ)」に「サングラス」と「ダイヤのげた」というぶっ飛んだ組み合わせの装備な上に、2度死にかけても(むしろ2回目は完全に爆死している)それぞれその後でボルフェスという博士に蘇生してもらってピンピンになって戻ってくる((「細胞のかけらが残っていたので復活できた」とのことだが、それはもはや蘇生ではなくクローニングなのでは…))など、こちらもネタキャラにされている節がある((この扱いはそうちょう、ちちおやと続くGBサガの自爆の系譜からと思われる。))。 --ディオールに関してはリメイクで下駄とサングラスこそそのままだが、まさかりは変更され、ストーリー上の印象もかなり無難なものに変更されている。1回目の負傷からはサイボーグ化手術で「どうにか」復活する程度になり、自爆も爆薬を仕掛ける設定に変わったうえ、「爆発に巻き込まれたが、かろうじて生き延びた」ことになっているため、不死身の印象は意図的に消されている。 -ラスボス戦前の「ソール」の発言 --ラスボスに意識を乗っ取られる前にラスボスごとソールを倒そうとする展開になるのだが、戦闘中の台詞から、完全に''いたぶられて悦ぶドM''のように見えてしまうため、一部ではネタにされてしまっている((特にラスボスに乗っ取られる直前の「もっと!もっとだー!」がある意味このネタ扱いを決定的にしてしまっている。当然ながらソールに「いたぶられることに悦びを覚える」といった設定は無く、あくまでソールからすれば「このままでは(ラスボスに)自分が乗っ取られてしまい、手遅れになってしまう(だからもっと自分を倒すつもりで攻撃しろ)」といった内容の意図なのは明らかだが、直前まで散々ボコボコにされている状況でこの台詞が出てしまうので…。これのせいで、ソールの通称として「ドM神」というものがある。))。曲もシリアスな感じなので逆に笑えるという声も。 --ただし、実際状況が状況なだけにそういうネタにされることに対して不満の声を上げるプレイヤーもいる。 ---ちなみにDS版でも元の台詞は弄られていない。追加された部分があるため、雰囲気としてはだいぶ「まとも」にまったが、最後の崩壊寸前のターンでの台詞は相変わらず。 --ちなみに、ソールとラグナのHPは連動していないため、この場面でダメージを与えてもあまり意味は無い。 ---とはいえGB版ではある程度ダメージを与えないとラスボスは登場しないため攻撃しないわけにもいかないが(これを利用してラスボス前に補助魔法で強化する戦術もある)。 --また、この場面で大ダメージ(具体的には1ターンで60000以上のダメージ)を与えるとラスボス登場前に倒すことが出来る。普通にラスボスを倒すよりもよっぽど大変だが。 ---DS版ではターン経過でソールとの戦闘が終了するようになり、倒すことは出来なくなった。 -モンスターデザインや世界設定にクトゥルフ神話の影響が多く見られる(例:人間が徐々にサハギンのような魔物に変わっていく町=『インスマウスの影』)。 --この時代にクトゥルフを表現したゲームは珍しく、またグラフィックの再現度もなかなかのものである。 --ラスボスもおそらくクトゥルフ神話における外なる神の王と呼ばれる存在である「アザトース」を元にしていると思われる。挿絵等で本作のラスボスによく似た姿で描かれていることも多い。 ---当時はクトゥルフ神話自体がゲーマー層にはそれほど浸透していなかった事もあってか、身近な存在から「(芽が出た)じゃがいも」扱いされる事も多く、ネット上でラグナを紹介する際には大抵そのネタもセットで紹介されている。 //---大阪系敵キャラが多いこともあって「たこ焼きに見える」という話も…。 //クトゥルフの話題で統合。たこ焼きについては不要ではないかと話し合いになっているので一旦CO -『[[アンリミテッド:サガ]]』公式サイトでの歴代サガシリーズのソフト紹介の中で本作だけが無視されており、物議をかもしたことがある。 --実際はプロデューサーが違うために生じた権利問題が原因。後に『[[半熟英雄 対 3D]]』で本作にちなんだ小ネタが登場しており、サガシリーズ20周年記念でもちゃんと存在に触れられている。 --上述と同様の理由からか、「トバルNo.1」に同梱されていた「FFVII」の体験版のディスクに同時に収録されていた「サガフロンティア」の紹介映像においても、シリーズのパッケージの画像が順番に映されていく部分が本作を飛ばして「ロマサガ1」が登場するという映像になっていた。 -ステスロスの搭載兵器は初期の時点で『波動砲』が装備されているが、それまで「ボス以外は一発で全滅」だったのに対し本作では敵全体に100程度のダメージ((これは他の兵器も同じだが、必中ではなくミスもある。))と本当に補助程度の攻撃にしかならないので、そのギャップに幻滅した人も多い。 --追加される上位武器に『タキオン砲』(敵全体に500程度のダメージ)というのがあるが、元々『波動砲』の原理は「タキオン粒子を波動エネルギーに変えて周囲の時空間を歪めて破壊する」(別名「タキオン波動収束砲」)というもので、この原理を知っている者からすれば「『波動砲』と『タキオン砲』って何が違うの?」とツッコマずにはいられない。 //#region(エンディングに触れるところなので一応隠しておきます) //エンディングにおいて、ステスロスは役目を終えたかの如く爆散してしまうことになる。のだが、&bold(){乗組員たちについてまったく触れられていない}。どうにも&bold(){ステスロスと共に爆散してしまった}感が漂ってしまっている。最終決戦時に、ステスロスが援護に来てくれるのだが、もしかしたらその際に置いてきたということなのかもしれない。が、&bold(){そんな描写は特になかった}。主人公達も特にそのことに触れないままエンディングは続いていくこととなる。&s(){合掌} //#endregion //勝手な爆散説をでっち上げていて付け足しで書いたお笑い記事みたいになっている。無駄に死なす意味がない以上ストーリー的に置いてきたと考えるのが当然であり、穿った見方をしなければ爆散感などない #region(Sa・Ga3攻略本・完全クリア編P.84より『くいだおれ人形』の姿のモンスターが出てくる理由について) >コラム・おまけ 「くいだおれ」は実在するのだ!~  「くいだおれ」のモデルになったのは大阪の道頓堀にある「大阪名物くいだおれ((1949年創業の総合飲食店。2008年7月8日をもって閉店し、その後運営会社はくいだおれ人形の版権管理会社として存続している。))」というお店の人形なんだ。~  それがなぜ魔物になったのか藤岡さん((当時のスクウェア大阪開発部長・藤岡千尋氏のこと。))に聞いてみると、~  「''関西の人以外にはわからないかなとも思ったんですが、せっかく大阪で作るんだからまあいいか、わかる人にはわかるだろうと言う事でやってみました。''」と話してくれた。 ※このコラムの脇にくいだおれ人形の写真があり、そこに「関西ではおなじみのくいだおれ人形」という注釈が入っている。以上、一部個所に注脚を追加して攻略本から転載。 #endregion ---- **関連項目 -『[[ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト]]』 -- FFの外伝作品。本作と開発元が同じであり、戦闘画面が酷似している。シリーズの中では異色な存在である点も同じ。 --ジャンプ機能が実装されている。使い方も本作とほぼ同じ。 --本作のネメシスの再現なのか、斧を振り回して戦うドレス姿の少女が登場する。武器名はトマホークとまじんのおの。

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