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#contents ---- *バイオハザード2 【ばいおはざーど つー】 |ジャンル|サバイバルホラー|CENTER:&amazon(B000069TDN)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1927/198458_10836_front.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1926/198458_10836_back.jpg]]&br;&amazon(B000069TEO)&amazon(B00005OIBY)| |対応機種|プレイステーション&br()Windows 95/98&br()Windows 2000/XP&br()ドリームキャスト&br()ニンテンドウ64|~| |メディア|【PS】CD-ROM 2枚&br()【Win 95/98】CD-ROM 2枚&br()【Win 2000/XP】DVD-ROM 1枚&br()【DC】GD-ROM 3枚&br()【N64】512MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS】1998年1月21日&br()【Win 95/98】1999年2月19日&br()【Win 2000/XP】2006年2月17日&br()【DC】1999年12月22日&br()【N64】2000年1月28日|~| |定価|【PS】7,140円&br()【Win 95/98】6,090円&br()【Win 2000/XP】1,980円&br()【DC】5,040円&br()【N64】8,190円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2007年12月26日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[バイオハザードシリーズ]]''| ---- //初期版以降の作品についての項目が大見出しで分けてあるので、オリジナル版の項目の大見出しも消さないでください。 ---- **概要 『バイオハザード』シリーズのセカンドタイトル。基本的なゲームシステムは[[前作>バイオハザード]]を踏襲しつつ、多数の敵に襲われるという「数の恐怖」を追求する方向にシフト。~ 2人の主人公によるザッピングシステムや、クリア後のエクストラゲームなど、続編らしい新要素も多数追加されている。 ---- **プロローグ >アメリカ中西部、広大な森林地帯に囲まれた小さな街「ラクーンシティー」。~ 大手一社の薬品産業に支えられ、普段はほとんど人の訪れることのない、静かなこの街が奇妙な猟奇事件で取り沙汰されて2ヶ月…~ 街は今、新たな惨劇の舞台へと変わろうとしていた。~ ~ ラクーンシティーに向けて夕日に染まったハイウェイを走る一台の車があった。~ レオン・S・ケネディー。 ラクーン市警に新しく配属が決まった新米警官だ。~ 配属初日を派手な遅刻で飾ることになりそうだが、市警察からは何の音沙汰も無い。~ というより、何度となく交信を試みているのだが、まったくつながらないのだ。~ 「まあいい」レオンは呑気に構え、愛車を走らせる。~ ~ 同じ頃、クレア・レッドフィールドは、音信の途絶えた兄の消息を追っていた。~ ラクーン市警に身を置く兄からの連絡がなくなって2ヶ月…。~ 兄の身に何が起こったのか? 未だ解明されないあの猟奇事件と何か関係があるのか?~ 異様な胸騒ぎを感じながら彼女はラクーンシティーを目指してバイクを飛ばす。~ ~ 圧倒的な恐怖と絶望の支配する世界が待つことを二人はまだ知らない…。~ ~ (取扱説明書より) ---- **特徴及び評価点 ''ザッピングシステム'' -本作には「表シナリオ」と「裏シナリオ」が存在し、「レオン表」「レオン裏」「クレア表」「クレア裏」の4種類のシナリオが用意されている。 --カプコンが発売前から売りにしていた新要素であり、この手のゲームとしては''破格のボリューム''を誇る。 --「レオン表」と「クレア裏」で1つ、「クレア表」と「レオン裏」で1つの、2つのストーリーが存在する。 ---最初は表シナリオしか選べず、クリアすると対応する裏シナリオがプレイ可能となる。「レオン(クレア)が行動していたとき、クレア(レオン)は何をしていたのか」という視点を味わえる。 --これは本作の基本的なストーリーである「表」と、それに対応した「裏」が存在するためであり、レオンが「表」を進行するとクレアはその「裏」を体験することになる。逆も然り。 ---すなわち両者はレオンとクレアのどちらが「表」「裏」のどちらを体験したかで分岐するパラレルワールドとなっている。公式ガイドブックの開発スタッフのインタビューによると、正史ストーリーは定めていないとのこと。 ---ただし、シナリオ設定上以降のシリーズでは基本的にクレア表、レオン裏が基準になったシナリオが組まれている((細かな差異は多々あるが、中でもクレア表、レオン裏でシェリーの身に起きたことが後のシリーズに大きな影響を与えている。これは逆のシナリオでは起きない。))。 --表シナリオと裏シナリオではストーリーの他にも、登場する敵の種類やアイテムの配置などが大幅に異なるため、新鮮な気持ちで楽しめる。勿論、同じ「表」「裏」でもレオンとクレアとで細かなストーリーも異なるため、紛れもなく4種類のシナリオが用意されている事になる。 ---表シナリオにて一旦エンディングを迎え、仕切り直しと言う形になる事でボリュームが増しながらも中弛みせずにプレイできる点も評価できる。 ---何より裏シナリオのクライマックスでは表シナリオのエンディングの続きが描かれ、ラスボスとの本当の決着や主人公達の脱出の様子など、物語の真の結末を見届ける事になる。ここまで到達して初めて本作はエンディングを迎えたと言えるだろう。 --表シナリオで取った行動が対応する裏シナリオに影響を及ぼすことがあり、これらをザッピングと呼ぶ。これにより裏シナリオへの影響を考慮した戦略が必要となる。 ---ザッピングポイントの例としては、表シナリオで武器庫のアイテムを回収してしまうと裏シナリオではそのアイテムが無かったり、表シナリオでゲスト登録をしておかないと裏シナリオでゲスト登録をしても入れない部屋があったりする。 ''主人公能力の平均化'' -前作では主人公によって体力などの性能が異なっていたが、本作では差異が全く無く、専用武器・アイテムやストーリーなどで差別化されている。 --これにより、初心者でも自分の好みで主人公を選択でき、ストーリー展開の違いが際立つようになった。 ''難易度の低化'' -前作と比べて難易度が抑えられてプレイしやすくなった。 //--スタート地点から警察署までは一本道で迷う可能性は皆無、最もギミックが多い警察署にしても前作の洋館と違い終盤で必要になるキーアイテムなどが無いので一度警察署を離れたら後戻りする必要が無くなるなど謎解き面でも作業感やマラソン感がある程度軽減されている。 //プロローグに過ぎないところを取り上げて「ここは迷わない」と言っても無意味。むしろ操作法もわからないままいきなり大量のゾンビに襲われて戸惑う。 --本作の敵は出現数こそ増加しているものの、個々の敵の弱体化が図られ、特に攻撃面で下方修正がなされた。 ---前作のハンターのように、まだ残り体力が多いのにもかかわらず即死するような攻撃を繰り出す凶悪な敵は、ボスを除けば皆無。本作にも似たものとしてリッカーのジャンプひっかき攻撃があるが、主人公の体力が少ないほどダメージが下がるように調整されているほか、繰り出すまでの隙が大きく、ハンターほどの脅威は無い。 ---ゾンビの噛みつきに関しても簡単に振りほどけるようになったうえ、一度振りほどくと周りを巻き込んで倒れるので追い打ちを喰らいにくく、振り切りやすくなった。また、前作よりも攻撃範囲が狭くなり、捕まりにくくなった。 --ただ、前作は敵の対処法さえわかれば難易度が大幅に低下する部分もあり、一概に易しくなったとは言えない。もっともこれは前作が極端すぎたのであり、ゲームバランスの面では今作のほうが優れていると言える。 ''敵の増加'' -技術的な面の改善により同時に多数の敵を表示できるようになったため、前作とは異なり多くの敵に襲われるシチュエーションが増えた。 --前作では控えめだったショットガンの威力が上がり、敵の同時出現数が増えたため多数の敵をなぎ倒す爽快感も生まれた。 ---ただし、ショットガンでゾンビを撃った場合、下半身のみ吹っ飛び上半身が這いずり襲ってくるというデメリットも追加された。((倒した扱いになっているので別マップに移動すると消える。))この仕様は『3』『CODE:Veronica』にも引き継がれている。 ''演出およびシナリオの強化'' -体力によって主人公の移動モーションが変化し、腹部を抑えたり足を引きずったりする。移動速度も低下し、瀕死状態では通常時の50%にまで落ちる。 --ステータス画面を開かなくてもHPの減り具合が解るようになり、同時にライフの減少による危機感や緊張感を味わえるようになった。 -敵の登場やビックリ系演出が凝っており、多くのプレイヤーに恐怖を与えることに成功している。 --ゲーム開始から複数で襲ってくるゾンビの集団、木の板で打ち付けられた窓を破って襲うゾンビの腕、目の前でゾンビ化する警官、Gの各形態の登場シーン、タイラントの壁破り、天井から落ちてくるリッカーなど。 -前作では表現力の問題からCGムービーは一部モンスターの描写などの限定的表現で主人公たちは実写映像をムービーに使うなどしていたが、本作では表現力が向上し全編CGで表現されている。 --当時のゲームのCG映像としては非常に高いクオリティで、OPやバイオハザード発生の真実など重要シーンが映画のような演出で映像化されている。 --通常のゲーム画面の映像も質が向上。前作では3種類しかいなかったゾンビが、女性型をはじめとして種類が多様化し、市街地などの背景も非常に描きこまれている。 -前述通りザッピングで大ボリュームを誇るシナリオは、後述する問題点もあるが前作以上に気合の入ったストーリー展開がされている。 --ゴシックホラー・低予算映画風だった前作に対し、本作はいうなればハリウッドの大作映画風のシチュエーションや演出が展開。エイダを庇い負傷するレオンやクレア表におけるシェリーの危機、ある登場人物の最期など、ドラマチックな展開が強く表現されている。 --本作では脚本家として『スケバン刑事』やスーパー戦隊、メタルヒーローシリーズなどで知られる杉村升氏を起用。狂気に駆られる科学者の有様や家族の愛情に葛藤する人物模様など、氏の作風が色濃く出ている。 --人物は生き生きと個性的に描かれ、キャラクター人気は非常に高い。 ---新人警察官としての正義感に溢れるレオンに女子大生ながら兄譲りの正義感で困難に立ち向かうクレアと、主人公は二人とも魅力的。 ---パートナーも前作で名前だけ登場した謎の美女エイダ・ウォンと、両親がアンブレラの科学者であるために孤独な暮らしを強いられてきた少女シェリー・バーキンという、個性的な人物像で描かれている。 ---表編序盤で主人公を助けるもあっさり死んでしまうガンショップの店主ケンドや、本来はレオンの先輩となるはずだった警察官マービン、対外的に優秀な警察署長に見せかけて実は凶悪な本性を秘めたブライアン・アイアンズ、シェリーの母にして作中最大の敵「G」(ウィリアム)の妻である狂気の科学者アネットなど、敵役やサブキャラクターも強烈な印象を残している。~ 特にケンドとマービンは本作での出番の少なさに反して、後のシリーズで本作と同じ時期を扱う際に意外な掘り下げも行われている。 ''エクストラゲームの追加'' -特定の条件を満たす事により、2種類の隠しシナリオをプレイできる。 --「The 4th Survivor」は、Gウィルス奪取のためにアンブレラに雇われた傭兵の一人「ハンク」を操作してゴールを目指す。 ---ハンクが「4人目の生存者」であることは公式設定であり、後の作品でもゲストキャラクターとして操作できたり、作中の文書に登場したりする。 ---マスクを着けており、クリア後のランク画面でも素顔は見えない。((後発作であれば、『3』のエピローグファイルにて素顔を確認できる。)) --「The 豆腐 Survivor」は、''豆腐''を操作してゴールを目指す。冗談や比喩ではなく、''本当に豆腐''((デバッグ用の仮オブジェクトの再利用であり、前後の把握のためか、真四角ではなく凹状のへこみがついている。))。 ---「4th(フォース)」と「とーふ」を掛けたダジャレが由来。シリーズを通しても珍しいお笑いシナリオだが、その分出現させるのは少々面倒。 ---ルートや敵の配置はハンクと同様だが、武器がナイフのみでライフは高く設定された代わりに回復アイテムも僅かのため難易度は非常に高い。 ---移動中の効果音、ダメージボイス、絶命時の声などが非常に特徴的。ライフの減少に応じて体色は赤くなってゆく。 ---凶暴な敵が跋扈する警察署内を関西弁で喋る豆腐が駆け抜ける姿は、非常にシュール。クリア後のランク画面も必見。 ---ちなみに、独特な関西弁のボイスは開発スタッフによるもの。「''ほな、さいなら~''((これが"死に際の叫び"である。本編主人公達のような悲痛さなど微塵も無い。))」 ---後の作品で「トーフサバイバー」としてまさかの復活。そちらでは敵としての登場で、ゾンビ全てがリアルな豆腐に変化。火の中から焼き豆腐となって登場したりと、やけに演出が凝っている。 ''多彩な隠し要素'' -前述のエクストラゲーム以外にも、多くの隠し要素や小ネタが存在する。 --シリーズ定番の隠し武器は3種類。その内の1つはシリーズでは珍しいガトリングガンである。 --隠しコスチュームも健在。それを手に入れる経緯や場所は前作や『3』のストーリーとも結びつけられている。 --警察署内に前作の登場人物達が使用していた部屋があるのだが、ある人物の机を50回調べると隠し写真が手に入る。その人物の意外な好み?が分かる。 ---この写真のネタはその場限りかと思いきや、[[後のシリーズ>バイオハザード0#id_3db0335d]]にて拾われるというまさかの再登場を果たした。 --主人公を画面側に向けて発砲させると、まれに画面に穴が開く演出がされることがある。 ---爆発系武器などでは見られないほか、固定カメラ視点の位置関係の問題もあるため、狙って見ることは意外と難しい(攻撃範囲の広いショットガンなら幾分発生させやすい)。見ることができたらラッキー? ---- **賛否両論点 ''ホラー性の減少'' -ハリウッドホラー映画に見られるビックリ系の演出にやや偏っており、前作にあった''雰囲気重視の恐怖感''が感じられる場面は少ない。 --前作の舞台が気味の悪い館だったのに対し、今作では''武器や生存者が存在しそうな警察署''であるためそれなりに安心感がある。 --ただ、『1』とは舞台そのものが異なる上に同様の演出に執着してしまうと「進歩がない」とも受け取られるので、こういった変更は妥当だったとも言える。 ---スタッフのインタビューによると警察署をゾンビだらけにすることで誰にも頼れず、救援は来ない状況であるという絶望感を演出する意図があったと語っている。 --ホラー演出に関しても、怖いというよりやたらと音の大きいBGMやSEで驚かしているに過ぎない点もある。 -ゾンビの数が大幅に増加したことを、数の恐怖というよりも、恐怖の安売りと受け止めたユーザーも少なくない。 --ただ、ホラー作品はジャンル問わず、大概慣れとの戦いになるものであり、特に本シリーズに限ったことではないだろう。方向性はともかく、演出の質自体はハード性能に伴ってこの後も向上してゆく。 --実際、完全に開き直って(?)アクションに重きを置いた((ただし、これまでのシリーズでおなじみのゾンビではない「人でなくなったもの」が多数襲ってくるという恐怖描写はあり、完全なアクションとは違う。))作品が『4』であり、それまでの殻を破った名作として評価されている。 ---また、ハードの進化やクリーチャーの設定で恐怖を演出する描写は『バイオハザード リベレーションズ』等に受け継がれている。 ''キャラクターの格差'' -前作ほどではないがやはりキャラクター間の格差はある。 --レオンはショットガン、マグナムともに使いやすく、主要武器をカスタムによって強化できるので戦闘面でも有利。((ただしこのカスタムは一長一短で、ショットガンとマグナムはさらなる高火力化を図れるものの、その代償として連射速度が大幅に低下する。))パートナーのエイダもある程度の戦闘力がありシナリオも比較的簡単。 --一方、クレアはボウガンが使いづらく、必然的にハンドガンとグレネードランチャーを駆使して戦う必要がある。 ---そのハンドガンとグレネードランチャーにしても、ハンドガンはレオンより装弾数が少なく、グレネードランチャーは射程が短く弾速が遅いという欠点を抱えている。 -シェリーは庇護対象ということもあって戦闘力は皆無。走るスピードも遅く、引き離してしまうと座り込んでしまうので移動スピードの調整も必要。表シナリオでは、ワクチン作りのイベントで回り道を強いられるのでやや難易度が高くなる。 --その一方、シェリーは''どんなにダメージを負っても全くモーションが変化しない''。Dangerだろうがピンピンしている。ゲーム的な障害を避けるためであろうが不自然さは否めない。 ---そもそもシェリーはゾンビからの噛みつきを受けず吐瀉物による攻撃しか喰らわない、ゲーム的にもストーリー的にも殺傷能力の高い敵とはそもそも遭遇しないなど、子供故に他の大人キャラとは差別化されている。…と思いきや、最初のシェリー操作パートではゾンビ犬の中を突っ切る事になり、''12歳の普通の少女がゾンビ犬に噛まれてドバドバ血を吹き出し、重傷を負おうが平然と走る''という異様な光景を見る事になる。配慮しているのかしていないのか判断に困る扱いである。%%G-ウイルスを植え付けられる前から[[再生力>バイオハザード6]]を持っていたのか。%% ---後年の『[[DC>バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ]]』では「ゾンビに掴まれたら早く助けないとそのまま噛み殺される」、『[[RE:2>バイオハザード RE:2]]』では「操作パートではクリーチャーではなく人間から追われる」などと不自然さが出ないように作られている((YouTubeには(オリジナル、リメイク共に)シェリーが他のクリーチャーと対峙している動画がアップされていたりするが当然これはMODやチートによる改造プレイである。))。 ''ハードな難易度設定'' -あくまで「前作よりは簡単」というだけで、単体でみた場合の難易度はかなり高い。 --前述の通り、敵は概ね弱体化しているものの、全体の出現数や同時出現数はかなり増加。また、中ボスに相当する新たな強敵も追加されている。にもかかわらず弾薬数はほとんど増えていないため、弾数管理はよりシビアに。 ---前作の敵は今作より強かったものの、強力な武器で一撃撃破していけば安全に攻略できた。が、出現数が増えた今作ではそんなことをすれば当然弾薬が足りなくなるため、どの武器を使うか考えながら攻略しなければならない。 ---さらに敵の種類も増え、まだ武器が揃わない序盤から中級のザコ敵が登場したりするため、武器の選択に関してはより難しくなっている。 --回復アイテムに至っては、前作よりも手に入りにくくなっている。特に序盤が苦しい。 --つまり「倒す必要のない敵は放置する」ということを前作以上に意識しなければならなくなっているが、初心者にはラジコン操作という壁が立ち塞がる。 ---しかしながら、前作ではゲーム開始時にある程度操作を練習する余裕があったが、今作ではいきなり複数のゾンビに囲まれた状況からスタートする。操作確認もままならないままゾンビの餌食となったプレイヤーは数知れない。 ---序盤のシビアさを乗り越えられるようになると、中盤以降はむしろ余剰弾薬が出てくるほどゆとりが生まれるようになる。 ''ツッコミどころが多いシナリオや設定'' -今作の設定だけを考慮してもラクーンシティは本編開始の数日前から既に壊滅的状況に陥っており、当然外部にも(ゾンビやクリーチャー云々は別にしても)何らかの形で情報や立ち入りに関する警告は伝わっていたと考えるのが自然なはずである。 --にも拘らず、どちらの主人公もその事を全く知らないままラクーンシティに到着、ゾンビに襲撃されていた。 ---レオンに関しては公式設定((ラクーンシティ配属を巡って当時の彼女と大揉めし、就任前日に破局してしまった。この一件でヤケ酒を煽って眠りこけてしまったことが街への到着が遅れた原因だった。))上、ラクーンシティについて調べられる状態ではなかったと解釈できなくもないが、クレアに関してはムービーを見る限りラクーンシティの惨状を全く知らないまま兄を探しに来ていた。 ---そして後の『[[アウトブレイク>バイオハザード アウトブレイク]]』では''軍によって市全域が厳重に封鎖される様子がしっかり描写されている''。 --リメイク版である『[[バイオハザード RE:2]]』では設定が変更され((レオンの場合、ラクーンシティに到着する前の週の時点で電話による待機命令を受けていたものの、連絡が途絶えたことなどからラクーンシティ行きを決めたことになっている。))、違和感が軽減されている。 -今作も銃火器が多数登場するが、前作は二人とも特殊部隊の隊員という位置づけだったために重火器に慣れていても不思議でなかったところで、今作の主人公である二人も普通に銃器を扱えてしまうのは違和感がある。 --レオンは警察官ではあるが、ゲーム開始時点が着任日の新人警官である。にも拘わらずショットガンやマグナムや火炎放射器などを難なく扱えるほどの技量がある。 ---一応、ショットガンを撃つときに腰だめの姿勢で撃ってしまうので反動が大きいなど前作のクリス達ほど扱いが上手くないような描写はされているが、初期装備がマニアックな拳銃だったり銃器のパーツを容易に組み替えられてしまうなどガンマニア的な設定を匂わせたりもするので、どっちつかずな印象がある。 ---ちなみに公式ガイドブックではその銃器の扱いの慣れっぷりと、初日から重役出勤というレベルじゃない大遅刻にも拘わらず妙に落ち着いていることから「実戦慣れしている」「ミドルネームのSはSWATのSだ((本当は「スコット」である。しかし劇中でミドルネームで呼ばれる機会は少なく、本人もクレアに紹介するときに本作・リメイク版のどちらでも「レオン・ケネディ」とミドルネームを飛ばして名乗るなど、影が薄い。その中で『4』の敵の一人は「スコット君」とミドルネームで呼ぶ珍しいキャラだった。))」などとジョークが飛ばされていた。 --クレアは「女子大生」という戦闘とは無縁の一般人である。にもかかわらず、ハンドガンはともかくグレネードランチャーの様な重火器まで普通に使いこなしている。 ---一応、攻略本等では「クリスが手ほどきした」と推測されているが、いくら元軍人の特殊部隊所属とは言え「法律上、一般人には扱えないはずの火器の使い方を教えていいのか?と言うかそもそも教えられるのか((銃の所持が認められている国でも、自衛の範疇を超える、或いはテロや犯罪時に重大な被害が及びそうな銃火器は一般人が所持できない様に法律で決められているケースが大半である。米国では一般人でも正規の手続きを踏むことでグレネードランチャー等の爆発物や大口径の銃器を所有できるが、審査は厳しいうえに実弾一発ごとに多額の税金が課される等ハードルは非常に高い。))?」「一般人に無縁の兵器関連の使用方法を教えるのは守秘義務違反じゃないのか?」というツッコミどころが出てくる。 ---そもそもグレネードランチャーやデザートイーグルなどの警察官が使用しないタイプの銃器が警察署に保管されているか?という点についても公式攻略本が考察という形でフォローしているが、どうみても無理がある((ただし、本作に登場するグレネードランチャーのモデルとなったコルト社のM79グレネードランチャーは非致死性弾薬を使用する前提で実際に警察での採用実績がある。弾薬に関する疑問は残るが))。 ---ちなみに公式ビジュアルなどでは『1』のクリス同様に&b(){堂々と肩にコンバットナイフを装備するという卓越したファッションセンス}で、これも攻略本ではクリスの影響とされている。&s(){普段着なのか、アレは} ---クレアの服装自体も軽装ながらこう言った危険地帯での活動を予期したような格好であり、ちょっと兄の勤務先を訪ねるにしては妙に備えが利いている((一応、ラクーンシティ付近で発生していた猟奇殺人事件との関連を危惧したという設定はあるが、まさか殺人鬼とやりあうつもりだった訳でもあるまい。))。警官のレオンと並んでもあまり違和感が無いほどで、女子大生の普段着としてもライダーススーツとしてもかなり異質。~ そのためか、後の『DC』ではカジュアル寄りにアレンジされ、『RE:2』に至っては全く違う服装になっている。 ---また、キーピック技術をどうやって身に着けたのか((これまでの描写を見るに少なくともクリスの手ほどきではないと思われる。))も不明。しかもゲーム上のグラフィックではリメイク版『1』で登場するような本格的なものではなく、&b(){どう見てもただの曲げた安全ピンと針金}である。 --「ゲームの設定」といえばそれまでだが、「フィクション」とはいえ現代世界を舞台にした話である分、リアリティの観点から言えば地味に目立つ点だろう。 -前置きも入手イベントもないのにクレアに通信機を渡すレオン、ザッピングの関係で何度も火事になる屋上など細かいツッコミどころも多い。 --同じラクーンシティを題材にした作品で、民間人が主人公なのに銃火器をぶっ放せる『OUTBREAK』を見る限り、早い段階から設定やシナリオの統合性よりもゲームとしての面白さやユーザーフレンドリーを重視する方向でゲームデザインを突き詰めていく事にしていた、と考えられなくもないが…。 -絶体絶命の極限状態にもかかわらず、キャラクターがやたらと単独行動をしたがるのもネタにされやすい。民間人のクレアを一人にする警察官レオンや、化け物だらけの警察署を「一人でも平気」と駆け抜ける少女シェリー((実際、窮地に陥る場面があるのは表シナリオの一回のみで、それ以外は全て自力で解決する生存力の高さを持つ。))などはよく突っ込まれる。 -公式ガイドブックにおいても&b(){上述したようなツッコミどころをネタにするような記述が散見される}(後述)ため、細かい整合性をすっ飛ばして楽しむのはある程度公式の意図している内容とも捉えられる。 ---- **問題点 ''ザッピングシステムの甘さ'' -一方が他方のシナリオに絡むことが少なく、途中で再会しても少々会話するだけ。『[[0>バイオハザード0]]』のように「協力して脱出を目指す」というコンセプトで作られた作品ではないためとも言えるが、それにしても若干不自然。 -表シナリオと裏シナリオで、ストーリーに細かな矛盾が散在している。 --両方のキャラでまったく同じ仕掛けを解かなければならないという場面も多々ある。 -アイテムのザッピングポイントが非常に少なく、その場所以外では片方が入手したはずの弾薬をもう一方が同じ場所で入手できるため、違和感がある。ザッピングする部分は殆ど寄り道イベントに近く、攻略にほとんど影響しない点も残念。 --尤も、アイテム面のザッピングポイントが多すぎると初心者は表編で拾いすぎて余らせた挙句、裏編では苦戦したり最悪詰んでしまうことも考えられ、ザッピングイベントを増やしすぎると違うイベントを見るために何度もプレイする必要が出てくると言った問題もあるので調整されたとも言える。 --終盤の舞台である研究所では、表と裏の両方で条件を満たしておかないと入れない部屋があるが、そこで入手できるのは''終盤では微妙な武器であるサブマシンガン(またはその弾)のみ''。ゲーム的なメリットは薄い。 ---一応、実験体の敵クリーチャーがホルマリン漬けになっているオブジェクトという一見の価値はある要素も存在する。 ''飛ばせないイベントシーン'' -各シーンでのイベントはCGムービーと本編準拠のポリゴンキャラの演技によるリアルタイムムービーに分かれるが、後者は全てスキップ不可。 --また会話は全てフルボイスなので、たいてい数分の間が発生し、何度もプレイしているとイベントでテンポを削がれ易い。 --これは前作にもあったが、時間制限カウントの表示がやや不親切でムービー中もカウントが進む((戦闘中に変形するG第4形態などは、5分の制限時間がある(それも撃破して即終了ではなくゴール地点への移動も必要)にもかかわらず出現と変形ムービーだけで30秒ぐらい消費される。))。 ---隠し要素解禁を目指してプレイ時間とセーブ回数を節約したい場合、ムービー中に小休止をするという手はある。 ---一応、GC版のみイベントスキップ機能が追加されている。 ''隠し条件の出現条件'' -ロケットランチャーとコスチュームチェンジを除いて''全て裏シナリオでしか条件を満たせない''ので、コンプリートを目指す場合は表シナリオが消化試合と化してしまう。 --また「The 豆腐 Survivor」に関しては上記の通り、かなり面倒な…というより事前情報無しだとほぼ解らず、かつ偶然発生させるのも困難な条件((「The 4th Survivor」を出現させたあとで同一の表→裏シナリオを3セットクリア、裏シナリオは1回でもSランクを取る。))であり、コンプリートに関してはシリーズでもかなり面倒な部類となる。 ---アナザーシナリオに関しては、本編と別のデータとして保存しなくてはならない点も地味に痛い。 ---のちの作品では隠し要素が簡略化されたり、本編と独立したミニゲームで条件が満たせるようになるなどして作業感が軽減され、ミニゲーム等はタイトル画面からのメニュー選択でプレイできるように配慮された。 ''やはり面倒な謎解き'' -攻略本などの情報源に頼らないと解き方が解りづらいものが大半を占めている。 --特に警察署に関しては謎解きが多いので行ったり来たりが多い、そして警察署以降はそういった要素が無くなってやや戦闘面が重視されるようになるので(ここまで進めるなら大抵装備なども整うので)プレイが楽になっていくなど、難易度の緩急がイマイチである。 //''ゾンビ化の描写'' //-ゾンビ化の描写が前作と今作で一貫していない。 //--前作のファイル「飼育員の日記」において数日かけて徐々に人間らしい知能や理性が失われたり食欲が増大してゾンビ化する様子が描かれていたのに対し、今作で作中にゾンビ化するマービンはゾンビ化の小一時間前まで特に大きな知能低下している様子はなく、再会した際に突如顔色が急変して襲い掛かってくる。前作を踏まえてプレイしたユーザーから違和感を持たれたはずである。 //「感染者の肉体が弱っている(=抵抗力が低下した状態)ほどウィルスが活発的に活動して発症が早まる」という設定がある。 //当時はそういう設定は明らかにされていなかったから、ここに入れる内容として妥当と判断しました。 //前作ディレクターズカット版のアレンジモードでは長く見積もっても感染から一日も経過していないフォレストがゾンビ化しており、公式パーフェクトガイドでも「Tウィルスは時間の経過で性質が変化する」という設定があったことから、当時の視点でもそこまで問題視するレベルの設定の齟齬とは思われていない ''謎解き要素の演出の非現実性'' -前作は郊外にひっそりと建つ謎の洋館が舞台であるためまだ納得できる範疇だが、本作では一般市街の施設である警察署の中にトラップや隠し扉が仕掛けられている。謎解き要素は欠かせないとはいえ、リアリティの観点からするとやはり違和感がある。 --一応、建物が警察署らしくない理由として「元美術館を署長の趣味で改装した」、やたらとややこしい仕掛けについては「署長が下水道を通じてアンブレラの施設に出入りしており、カモフラージュも兼ねている」と言った設定で後にフォローはされたが。一方、''署内にトイレが存在しない''ことに対するフォローはされなかった(『RE:2』では設置された)。 --この違和感は続編『3』で舞台が街全体に広がるとますます強まり、市役所やガソリンスタンドや変電所など町中あらゆるところにややこしいパズルが組み込まれるというおかしな事態になっている(こちらは何のフォローもない)。一部はスタッフからもツッコまれつつ「これが『バイオ』らしさ」と言われていた始末。 ---- **総評 前作から正当進化を遂げた続編。ゲームシステムを発展させつつ不評だった部分に調整を施し、多彩なシナリオやおまけ要素といった新要素も追加された。~ 数の恐怖を追求したことで前作独特のホラーテイストが幾らか薄れた部分はあるが、演出面でカバーしており、前評判に違わぬ完成度の高い作品と言える。~ シリーズのゲームシステムは本作をもって完成されたとみることもできる。 //売り上げも『5』に次ぐシリーズ歴代2位を記録している。~ //ゲームアーカイブスによって現在でもプレイ可能だが、無印版のために後述のバージョンアップ版の要素が無い点が惜しまれる。~ //難易度が高くシステム面でもシビアな第1作と比して、 グラフィックや、アクション面でのシステムが難ありであったり、リメイク版においても難易度が上がってしまった第1作よりも、難易度が比較的抑えられプレイしやすい本作をシリーズの入門編としてプレイしてみるのもよいだろう。 //第1作の難易度に関しては該当記述にあるように一概に難易度が高いと言い切ることはできない。 ---- **オリジナル版以外のバージョンについて -『デュアルショックバージョン』 --無印版をベースにアナログコントローラーの振動機能の追加及び変更・追加要素を加えたアッパーバージョン。 ---詳細は[[下記>バイオハザード2#id_896aea1f]]を参照。 -Windows版 --後述の『DSVer.』をベースに、グラフィックの高解像度化、開発資料などを閲覧できる「ギャラリー」モードの追加、移動中の演出スキップが可能となっている。 -ドリームキャスト版 --『CODE:Veronica』の体験版とBGM12曲が収録されたスペシャルディスク付きの「Value Plus」として発売された。 --Windows版をベースに、最凶最悪の難易度「Nightmare」を追加している。 ---自動照準が働かず、弾薬の入手量が減少し、敵の攻撃力・耐久力が急上昇。ゾンビ戦ですら「こっちは5回噛みつかれたら死ぬ、向こうはハンドガンを10発以上耐える」という有様である。 ---国内オリジナル版と比べた場合、ゾンビやゾンビ犬に対するハンドガンのクリティカル判定(低確率で即死)が唯一の上方修正と言える。 ---ただし、体力fineから即死させられるようなケースは少なく、敵の行動パターンもほぼ変わっていないなど、やり込めばクリアできるように調整されている。 --弾薬無限技もコマンドは違うが使用可能であり、クリア条件で解放されていたミニゲームが全て初めからプレイ可能になっている。 -ニンテンドウ64版 --操作法の変更 ---従来のラジコン式の操作と、『メタルギアソリッド』のような直感的な方式(スティックを倒した方向に移動する)のいずれかに切り替えられる。 -ゲームキューブ版 --タイトルコールの変更 ---[[初代のリメイク作品>バイオハザード (GC)]]と同じボイスに変更された。これは次作『[[3>バイオハザード3 ラストエスケープ]]』でも同様。 --暴力描写の表示切り替え機能 ---敵やプレイヤーキャラの血の色を赤・緑・青の内いずれかに変更可能。ゲームオーバー画面の「''YOU DIED''」の文字にも反映される。 ---身体欠損/出血描写の激しさを「HIGH(通常の設定)」、「MIDIUM(欠損描写なし)」、「LOW(敵が死んだ時の血だまりを除いた、一切の出血描写カット)」の3段階で切り替えることが可能。 --その他変更点 ---隠しコスチュームの変更が行われた。 ---EXファイルの追加。これは『2』以降の作品に登場した一部のファイルを、ある場所で閲覧できるというもの。中には、当時開発中だった『0』の内容を匂わせるものもある。 ---他にも、ボウガンの仕様変更などの細かい調整点あり。 ---- **余談 ''グレネード弾の仕様'' -本作のグレネード弾は『1』とは違い、発射された弾が5つに拡散した後、それぞれ爆発するという性質を持つ。 --硫酸弾や火炎弾に比べると射程が短いが、大型の敵や密集した敵に対しては有効な攻撃手段となる。 --グレネード弾にこのような仕様があるのは本作と『[[ガンサバイバー>バイオハザード ガンサバイバー]]』『[[コードベロニカ>バイオハザード コード:ベロニカ]]』のみで、他作品ではほとんど単発仕様となっている。 --グレネード弾に相当する弾の名称も「榴弾」「炸裂弾」など作品によって異なる(本作は「ベアリング弾」)。 --ちなみに「硫酸弾」なる弾種は実際には存在しないが、「榴散弾」は存在し、本作のグレネード弾に似た性質を持つ。「硫酸弾」の着想は「榴散弾」の変換ミスから得たという説がある。 ''アイアンズ署長'' -本作で初登場したR.P.D署長の「ブライアン・アイアンズ」だが、実は前作のキャラ選択画面にあった警察の身分証明書の中に、崩れて読みにくいが「Brian Irons」のサインがすでに見られる。 --また、SS版の初代に特典として付属したハードカバー本『BIO HAZARD -The True Story Behind BIO HAZARD-』に掲載された書下ろし小説の中にも登場しているため、設定の段階ではすでに存在していた模様である。 ---ただし、こちらでは「アイアンズ」ではなく「アイアン」となっており、『2』本編での設定に基づいた描写などは存在しない。 ''没になった『バイオハザード1.5』'' -かつて''『2』として開発されていた幻の作品''。「ゾンビに支配されたビルの最上階から脱出する!」というシナリオであり、『2』のクレア・レッドフィールドに該当する女主人公''エルザ・ウォーカー''やオリジナルクリーチャー''マンスパイダー''、近代的な造りになっているラクーン警察署など本作独自の要素があった。 --男性主人公はレオンだがパートナーとしてマービンが最後まで付き添う。警察署はシャッターを降ろせるようになっていたなど、のちの『OUTBREAK』に受け継がれる要素もあった。 ---最初期の段階のレオンは現在とかなり違う風貌をしていた。現在の所謂イケメンといった感じではなく、短髪で精悍な顔つきをしているという様なワイルドな印象を与えるキャラクターとなっていた。 --スタッフ曰く、ボツになった理由は「''これが『バイオ2』だ!と胸を張って言える内容に及ばなかった。''」ため。また、プロデューサーの三上真司氏は「''辞表を用意してまで開発中止を訴えた''」との事。 --ディレクターを担当していたのは『2』と同じくのちに『[[デビルメイクライ]]』や『[[大神]]』を作る神谷英樹氏だが、氏は「あまり『1.5』の話はして欲しくない」との事。 --現在でも開発再開を望む根強いファンが居るが、開発者が言うには「既にマスターデータなどは破棄されている」「『1.5』のために考えられたアイデアは後の『バイオハザード』シリーズの中で活かされているため、今更作り直す意味はない」との事である。 ---実際[[霊長類クリーチャー>バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ]]や[[「ピアーズ・ニヴァンス」という名前>バイオハザード6]]などいくつかの要素は続編に継承されている。また、『1.5』のデータは[[『鬼武者』シリーズ>鬼武者シリーズ]]に流用されているらしい。 ---『4』も途中で一旦作り直され、そこから『デビクラ』が生まれた。作り直されると名作が生まれるのは、ちょっとしたジンクス? --「バイオハザード1.5」というタイトルは「あくまで現在そう呼ばれている」というだけの通称。ただしカプコンのスタッフ・関係者もインタビューなどでこの呼び方を用いた事がある。 --あの『''月刊コロコロコミック''』でも『2』として紹介されていたりする。また、『月刊コロコロ』のゲーム人気ランキングに本作が入っていたりする((現在では考えられないが、まだCEROレーティングが誕生する前は児童向けの雑誌でもグロテスクなゲームが紹介される事があった。))。 --初代の『デュアルショックバージョン』の付属ディスクなどでPVを見る事が可能。 --当初の女主人公であるエルザはクレアとして生まれ変わった関係上、後のシリーズにも登場することは無かったのだが、『RE:2』ではエルザの衣装がクレアのコスチュームとして登場している。 ''攻略本について'' -本作においても前作同様にカプコン公式の出版で『公式ガイドブック』が発売されている。 --前作のパーフェクトガイド同様にファミ通責任編集で、やはりモンスターや武器の設定やシナリオ展開、ディレクターへのゲーム内容についての質問が細かく記載された充実した内容に仕上がっており、評価が高い。 --一方で執筆スタッフは変わっているためか、前述したようにシナリオのツッコミどころ等に対するネタ的な記述は非常に多く、事件簿的だった前作のパーフェクトガイドとは毛色が異なっている。 ---例を挙げるとレオンのラクーンシティ到着を「ケタ外れの遅刻」、クレアのピッキング技能を「女子大生らしからぬ技能」と称する、表裏で通してシナリオを見た時のアネットの情緒不安定さへのツッコミなど。 --後述するDUAL SHOCK Ver.の発売時には、攻略本も紙面構成をほぼ刷新した上で新規発売されたのだが、そちらは「ホラー映画」をテーマに構成されており、キャラクター紹介が「キャスト紹介」になっていたりと別方向に遊び心が現れたものとなっている。 ---扉絵は「古い洋画ポスター風の油彩画で描かれた、ゾンビが次なる犠牲者に手を伸ばす様子(次の扉絵では犠牲者がゾンビの手に加わっている)」というものなのだが、ラストの扉絵でゾンビたちが手を伸ばしている相手が「持ち歌''『スリラー』の衣装を着たマイケル・ジャクソン''((同曲のPVはマイケルがゾンビをバックダンサーに引き連れている事でお馴染み。))」というオチが付いている。 ''YOU DIED'' -今作のゲームオーバー画面は前作と違って主人公の死体は映らず背景は真っ暗だが、主人公が殺される音や断末魔の悲鳴が聞こえるようになっている。死亡時のフェードアウトも早めなので主人公の死の瞬間を見る事は基本的に無く、前作よりは表現が緩和されているようにも見える。 --しかし元々はその''主人公が殺される様子が画面に映し出される''はずであった。死亡時の叫び声も、画面に血が飛び散る演出と共に上がっていた。その実装を見送り、バックを隠して音だけとしたのが製品版である。つまり本来は''前作よりも過激になるはずだった''。 --そして北米版では隠されること無くしっかりと映し出され、ゾンビの餌食になる、夥しい出血と共に倒れる、爪で貫かれるなどの痛ましい最期が克明に描かれる。一部の敵に殺された時は''頭部が無くなる''((演出の問題だが、首が飛んでから死に際の叫び声が聞こえるという別の意味のホラーになってしまっている。))。 ---シェリーに関してはこう言った残虐な殺害方法はされなくなっており、死亡時にも叫び声を上げる事もない。…が、通常プレイでは聞けないものの断末魔の叫び自体は存在し、ネットに出回っている改造プレイでシェリーが惨殺されるシーンを映した動画ではいずれもその叫び声が上がっている。つまり当初は製品版で流すつもりで収録していたのである…。 --次回作ではこの演出は無くなったが、海外版の方がより過激な残酷描写が盛り込まれるのがシリーズの恒例となっていく。 ---あまりリアルではないローポリ時代は残酷さ、グロテスクさがそこまで鮮明ではなかったが、グラフィックの進化によって残酷描写がはっきりとリアルに映し出せるようになっていった事により、それに伴う規制も変わっていった。 ''Vジャンプでの扱い'' -前作も発売前から発売後に至るまで、妙に力を入れてプッシュされていた作品の新作ということもあってか、本作も前作並か、あるいはそれ以上ともいえるレベルで特集等が組まれていた。前作同様にVジャンプフェスティバルにおいてカプコンの新作代表として発表されたり(ちなみに所謂「1.5」といわれる最初期の状態のもの。レオンが現在とはかなり違う容姿をしていたり、女性主人公がエルザの頃)、発売前〜発売後まで熱心に情報を提供していく等、前作同様にVジャンプの読者の年齢層からすればかなりホラー要素の強い作品にもかかわらず、である。 --しかもかなり開発が初期の段階から情報を提供してくれていたため、上述の規制がかかる前の死亡シーン(ゾンビの餌食になるところ)を大々的に取り上げくれるなど、かなり過激な部分も取り扱っていた。一応苦手な人に配慮して、見たくない人や苦手な人は飛ばして読んでねといった風に警告はしてくれてはいたが、怖いもの見たさで苦手なのについ見てしまい、精神にダメージを受けた読者もかなり出たのではないかと思われる。 --逆に製品版では死亡シーンの演出は上述の様に規制がかかっているので、Vジャンプの事前情報のみでプレイを始めた人はゲームオーバー時に「?」と思った方もいるのではないかと思われる。 ***その後の展開 -レオンは『[[4>バイオハザード4]]』、クレアは『コードベロニカ』で再び主人公として抜擢される。 --レオンは元々常人離れしていたサバイバル能力に加えて特殊訓練を受けた結果、『4』ではアクション映画も真っ青の超人エージェントとなっている。それを皮切りに主人公達の超人化が加速し、レオン自身も更に超人化する事に。 ---他にも『[[ダークサイド・クロニクルズ>バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ]]』では本作の熾烈な戦いをクロニクルズシリーズのシステムで追体験でき、『4』以前のエージェント時代のレオンを見ることができる。 ---その後の『[[6>バイオハザード6]]』にも主人公の一人として登場した他、CG映画『ディジェネレーション』『ダムネーション』『ヴェンデッタ』でも毎度のように主役を務め、『1』のクリスに並ぶ本シリーズのメイン主人公へと成長していく。 --作品を重ねるごとに超人染みていくことがネタにされるレオンだが、上記の通り女子大生らしからぬ技能のクレアも負けず劣らずの怪物化をしている。 ---『CODE:Veronica』では「兄を探してアンブレラのヨーロッパ支部の建物に潜入して捕らえられた」というまるでスパイのような設定で、オープニングムービーで「''ビルの外に滞空するヘリからの機関銃の掃射からダッシュで逃げ切り非常階段に向って思いっきりダイブして転がり落ちるも無傷で無事''」「''両手を挙げて降参する振りをして銃を落としてからすかさずかがんでキャッチし、追手の背後のガスタンクを撃ち抜いて爆風を利用して一掃''」というアクション映画俳優張りのスタントプレイを見せてくれたりするあたり、やはりどこか女子大生離れしている。~ ただ、本編中はそこまで大袈裟なスタントプレイは無く、''巨大な斧で1回ぶった切られたぐらいでは死なない生命力''などは見せるものの、ストーリー後半の役回りなどを見てもどちらかと言えばヒーローである兄に救出されるヒロインのような扱いとなっている。 ---『DC』では、クレアがゾンビを''ナイフ投げ''で仕留めるシーンや、本作に沿うなら本来開かないはずの扉を蹴り破って進むシーンがあり、''シリーズファンの誰しもが一度は心の中で思ったであろう行動''を実現してくれた。あの兄あってのこの妹か。 ---その後も『[[リベレーションズ2>バイオハザード リベレーションズ2]]』で主人公の一人として再登場したり、漫画『ヘヴンリーアイランド』にも登場。三十路を過ぎても変わらぬ戦闘・サバイバル能力の高さを見せるが、人外化し過ぎたクリスやレオン%%や本当の意味で人外になってしまったシェリー%%に比べるとまだ人間をやめていない範疇に収まっている。 ---『ディジェネレーション』ではレオンとのタッグが復活したものの途中で重傷を負って離脱し、ゲストキャラに活躍を譲っている。 -本作のリザルト画面が「その後…」的な事だと思われたが、後作で無かった事にされてしまっている。所謂イメージ画像である。 --画像では、レオンはその後に警察に戻り、クレアはシェリーとバイク旅に出ている様に描かれている。しかし後作で語られる設定では、本作のエンディング後はクレアは兄を探すために単身出発し、銃創を負ったレオンと衰弱したシェリーは合衆国の保護を受ける形で別れている。 --レオンはその後はシェリーの安全の保証と引き換えに合衆国エージェントとなり、クレアはバイオテロの被害者救済を目的とするNGO団体に入る。しかしシェリーの方はその後は政府による長い保護(軟禁)生活を送った末にエージェントとなり、もちろんバイク旅など到底できる余裕は無かった。 ---一応、クレアは軟禁中のシェリーに面会に行ったり、シェリーがエージェントになった後も交流は続いていることは語られる。だが、いずれにせよ本作リザルト画面のような光景は実現し得ない((リザルト画面では本作時点の若いクレアと幼いシェリーが描かれているが、シェリーの軟禁が解かれるのは10年以上後である。))。 -杉村升氏は本作の功績を買われて、本シリーズは勿論『[[鬼武者]]』『[[ディノクライシス2]]』など、後のカプコン作品でもフラグシップのメンバーと共に脚本家として起用され、氏が没する2005年まで関係は続いた。 --氏は『1.5』が没になった折に岡本吉起氏に呼ばれて採用されることになり、エルザに代わる主人公の考案や狂気じみた署長の人物像など本作の重要な設定の変革を行っている。ディレクターの神谷英樹氏も「杉村氏は『1.5』を見て最初からのやり直しを自分に進言し、その言葉にそうする勇気をもらった」と述懐している。 ---前述の警察署にある無茶な仕掛けについても、神谷氏がリアリティの観点からツッコミを入れたのに対し「''美術館を改装した設定にすれば何でもできるだろ''」と返したのは杉村氏だったとのこと。 ---一方、ザッピングを発案したのは神谷氏の方で、これについては杉村氏は「シナリオの矛盾が避けられないから」と反対を表明していたとのこと。結果的に本作の特徴として強い印象を残しつつも、杉村氏の危惧した問題点も表出することになっている(このためかリメイク版では廃止されている)。 --年齢的にスタッフとは親子ほどの差があるにも拘わらずゲーム業界の未来に理解を示しており((杉村氏は過去の作品でもゲームを意識した設定を盛り込むなどゲーム好き作家として知られており、『1』のシナリオも非常に好んでいたという。))、面倒見もよくてスタッフから慕われていたことを複数のスタッフが証言している。 -2019年1月25日にPS4/One/PCで前述の『RE:2』が発売された。 --『[[7>バイオハザード7 レジデント イービル]]』のために開発されたRE ENGINEを使用したフォトリアルなグラフィックとなり、視点も固定カメラから『4』以降の主流であるビハインドビューTPS形式へと変化している。 ---ファンからは概ね好評だが、''フェイスモデルの起用やクリーチャーの設定(デザイン含む)変更&リストラなど気になる点も''。 ---- *バイオハザード2 デュアルショックバージョン |対応機種|プレイステーション&brニンテンドーゲームキューブ|CENTER:&amazon(B00005OUKP)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1929/biohazard_2DS-front.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1928/biohazard_2DS-back.jpg]]|&amazon(B00007F7QU)| |メディア|【PS】CD-ROM 2枚&br 【GC】GC専用光ディスク 1枚|~|~| |発売日|【PS】1998年8月6日&br【GC】2003年1月23日|~|~| |定価|5,040円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| **概要(デュアルショック) 『ディレクターズカット』と同様のアッパーバージョンである。以後『DSVer.』と表記する。~ タイトルのとおりデュアルショックに対応した以外にも、変更点・追加要素が存在する。 **変更点・追加要素 -「The 4th Survivor」「The 豆腐 Survivor」はプレイ中にタイムが表示されるようになった。 -ミニゲーム「EXTREME BATTLE」の追加 --研究所から警察署に向かい散逸した対ウイルス用の爆弾を回収するという内容。本編に登場するレオン、クレア、エイダに加え、クリスが使用可能。 ---アイテムや爆弾の位置がランダムで変化する(法則性はある)ため固定の攻略が通じないのが最大の特徴であり、セーブできる回数も限られるなど、難易度は高くやりごたえがある。 ---特に最高レベルの「LV.3」の難易度は強烈。多くの敵の攻撃力が''通常の5倍''になっていたり、強敵タイラントや''表プレイのラスボスがそこかしこに出てきたりする''ので、LV.2をクリアできたからといって軽い気持ちで挑むとひどい目に遭う。 -難易度の追加 --北米版準拠の難易度(自動照準無し、敵の配置変更、敵の攻撃力・耐久力上昇etc.)でプレイできる「U.S.A.バージョン」が追加。 --オリジナル版のEASYモードをベースに、初期装備が無限サブマシンガンに変更され、他2種の隠し武器がアイテムボックスに用意された「ROOKIEモード」が追加。 --さらに、すべての武器の弾数が無限になる隠しコマンドが用意されている。このコマンド入力はやり方さえ知っていればいつでも使え、再度コマンドを入力すると解除することも可能。 ---後にも先にも隠しコマンドによる弾数無限はこの作品だけである。ちなみに、このコマンドを使用すると、ナイフにまで∞マークが付く。 ---同様の隠しコマンドはオリジナル版から存在しているが、効果が異なり(北米版のように武器を構えても敵をサーチしなくなる)、難易度を上げる縛りのようなものであった。『DSVer.』では上記U.S.A.バージョンの存在もあり元々の効果は削除されている。 ---無限マークの付いたナイフは一種の設定ミスだと思われるが、後のリメイク版『RE:2』ではナイフに耐久値が設定されたことにより、条件を満たせば無限ナイフが使えるようになるというネタが存在する。 **評価点(デュアルショック) -より幅広い難易度を提示した。 --『1』と比較して易しめになった『2』ではあるが、この時期のバイオハザードシリーズのラジコン操作のハードルは高かった。 --ROOKIEモードの実装によって敵に対しては隠し武器を装備して構えて撃つという操作さえ出来ればほぼ対処でき、移動や謎解きに集中できるようになった。 --弾数無限コマンドはコマンド使用によるデメリットも一切無いため、隠し武器に頼らない場合の初心者でも簡単にプレイを楽しめるようになった。 --一方で上級者向けにはU.S.A.バージョンやEXTREME BATTLEが用意され、オリジナルの『2』をプレイしていても楽しめる要素がある。 **問題点(デュアルショック) -オリジナル版の問題点が改善された場所は特に存在しないこと。 --せめてイベントシーンのスキップ機能ぐらいは搭載してもらいたかった点である。 **総評(デュアルショック) オリジナル版以上に幅広い難易度に対応した作品。現在のバイオシリーズとは操作体系が異なるものの、シリーズ入門編としては有力な選択肢だろう。 //惜しいのはゲームアーカイブスでは本バージョンが配信されておらず、ソフト自体も希少化しており、中古市場でもそれなりの価格であることか。 //検索用 biohazard2(wiki内検索用なので消さないで下さい)
#contents ---- *バイオハザード2 【ばいおはざーど つー】 |ジャンル|サバイバルホラー|CENTER:&amazon(B000069TDN)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1927/198458_10836_front.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1926/198458_10836_back.jpg]]&br;&amazon(B000069TEO)&amazon(B00005OIBY)| |対応機種|プレイステーション&br()Windows 95/98&br()Windows 2000/XP&br()ドリームキャスト&br()ニンテンドウ64|~| |メディア|【PS】CD-ROM 2枚&br()【Win 95/98】CD-ROM 2枚&br()【Win 2000/XP】DVD-ROM 1枚&br()【DC】GD-ROM 3枚&br()【N64】512MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS】1998年1月21日&br()【Win 95/98】1999年2月19日&br()【Win 2000/XP】2006年2月17日&br()【DC】1999年12月22日&br()【N64】2000年1月28日|~| |定価|【PS】7,140円&br()【Win 95/98】6,090円&br()【Win 2000/XP】1,980円&br()【DC】5,040円&br()【N64】8,190円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2007年12月26日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[バイオハザードシリーズ]]''| ---- //初期版以降の作品についての項目が大見出しで分けてあるので、オリジナル版の項目の大見出しも消さないでください。 ---- **概要 『バイオハザード』シリーズのセカンドタイトル。基本的なゲームシステムは[[前作>バイオハザード]]を踏襲しつつ、多数の敵に襲われるという「数の恐怖」を追求する方向にシフト。~ 2人の主人公によるザッピングシステムや、クリア後のエクストラゲームなど、続編らしい新要素も多数追加されている。 ---- **プロローグ >アメリカ中西部、広大な森林地帯に囲まれた小さな街「ラクーンシティー」。~ 大手一社の薬品産業に支えられ、普段はほとんど人の訪れることのない、静かなこの街が奇妙な猟奇事件で取り沙汰されて2ヶ月…~ 街は今、新たな惨劇の舞台へと変わろうとしていた。~ ~ ラクーンシティーに向けて夕日に染まったハイウェイを走る一台の車があった。~ レオン・S・ケネディー。 ラクーン市警に新しく配属が決まった新米警官だ。~ 配属初日を派手な遅刻で飾ることになりそうだが、市警察からは何の音沙汰も無い。~ というより、何度となく交信を試みているのだが、まったくつながらないのだ。~ 「まあいい」レオンは呑気に構え、愛車を走らせる。~ ~ 同じ頃、クレア・レッドフィールドは、音信の途絶えた兄の消息を追っていた。~ ラクーン市警に身を置く兄からの連絡がなくなって2ヶ月…。~ 兄の身に何が起こったのか? 未だ解明されないあの猟奇事件と何か関係があるのか?~ 異様な胸騒ぎを感じながら彼女はラクーンシティーを目指してバイクを飛ばす。~ ~ 圧倒的な恐怖と絶望の支配する世界が待つことを二人はまだ知らない…。~ ~ (取扱説明書より) ---- **特徴及び評価点 ''ザッピングシステム'' -本作には「表シナリオ」と「裏シナリオ」が存在し、「レオン表」「レオン裏」「クレア表」「クレア裏」の4種類のシナリオが用意されている。 --カプコンが発売前から売りにしていた新要素であり、この手のゲームとしては''破格のボリューム''を誇る。 --「レオン表」と「クレア裏」で1つ、「クレア表」と「レオン裏」で1つの、2つのストーリーが存在する。 ---最初は表シナリオしか選べず、クリアすると対応する裏シナリオがプレイ可能となる。「レオン(クレア)が行動していたとき、クレア(レオン)は何をしていたのか」という視点を味わえる。 --これは本作の基本的なストーリーである「表」と、それに対応した「裏」が存在するためであり、レオンが「表」を進行するとクレアはその「裏」を体験することになる。逆も然り。 ---すなわち両者はレオンとクレアのどちらが「表」「裏」のどちらを体験したかで分岐するパラレルワールドとなっている。公式ガイドブックの開発スタッフのインタビューによると、正史ストーリーは定めていないとのこと。 ---ただし、シナリオ設定上以降のシリーズでは基本的にクレア表、レオン裏が基準になったシナリオが組まれている((細かな差異は多々あるが、中でもクレア表、レオン裏でシェリーの身に起きたことが後のシリーズに大きな影響を与えている。これは逆のシナリオでは起きない。))。 --表シナリオと裏シナリオではストーリーの他にも、登場する敵の種類やアイテムの配置などが大幅に異なるため、新鮮な気持ちで楽しめる。勿論、同じ「表」「裏」でもレオンとクレアとで細かなストーリーも異なるため、紛れもなく4種類のシナリオが用意されている事になる。 ---表シナリオにて一旦エンディングを迎え、仕切り直しと言う形になる事でボリュームが増しながらも中弛みせずにプレイできる点も評価できる。 ---何より裏シナリオのクライマックスでは表シナリオのエンディングの続きが描かれ、ラスボスとの本当の決着や主人公達の脱出の様子など、物語の真の結末を見届ける事になる。ここまで到達して初めて本作はエンディングを迎えたと言えるだろう。 --表シナリオで取った行動が対応する裏シナリオに影響を及ぼすことがあり、これらをザッピングと呼ぶ。これにより裏シナリオへの影響を考慮した戦略が必要となる。 ---ザッピングポイントの例としては、表シナリオで武器庫のアイテムを回収してしまうと裏シナリオではそのアイテムが無かったり、表シナリオでゲスト登録をしておかないと裏シナリオでゲスト登録をしても入れない部屋があったりする。 ''主人公能力の平均化'' -前作では主人公によって体力などの性能が異なっていたが、本作では差異が全く無く、専用武器・アイテムやストーリーなどで差別化されている。 --これにより、初心者でも自分の好みで主人公を選択でき、ストーリー展開の違いが際立つようになった。 ''難易度の低化'' -前作と比べて難易度が抑えられてプレイしやすくなった。 //--スタート地点から警察署までは一本道で迷う可能性は皆無、最もギミックが多い警察署にしても前作の洋館と違い終盤で必要になるキーアイテムなどが無いので一度警察署を離れたら後戻りする必要が無くなるなど謎解き面でも作業感やマラソン感がある程度軽減されている。 //プロローグに過ぎないところを取り上げて「ここは迷わない」と言っても無意味。むしろ操作法もわからないままいきなり大量のゾンビに襲われて戸惑う。 --本作の敵は出現数こそ増加しているものの、個々の敵の弱体化が図られ、特に攻撃面で下方修正がなされた。 ---前作のハンターのように、まだ残り体力が多いのにもかかわらず即死するような攻撃を繰り出す凶悪な敵は、ボスを除けば皆無。本作にも似たものとしてリッカーのジャンプひっかき攻撃があるが、主人公の体力が少ないほどダメージが下がるように調整されているほか、繰り出すまでの隙が大きく、ハンターほどの脅威は無い。 ---ゾンビの噛みつきに関しても簡単に振りほどけるようになったうえ、一度振りほどくと周りを巻き込んで倒れるので追い打ちを喰らいにくく、振り切りやすくなった。また、前作よりも攻撃範囲が狭くなり、捕まりにくくなった。 --ただ、前作は敵の対処法さえわかれば難易度が大幅に低下する部分もあり、一概に易しくなったとは言えない。もっともこれは前作が極端すぎたのであり、ゲームバランスの面では今作のほうが優れていると言える。 -低難易度版であるイージーモードが標準搭載された((前作でも一応ジルがイージーモードという扱いだったが、明確に難易度が下がるビギナーモードが搭載されているのはディレクターズカット版だけだった。))。敵の体力が低く、大量に弾薬を所持した状態でゲームが始まるため、序盤の難関である市街地を切り抜けやすくなっている。 ''敵の増加'' -技術的な面の改善により同時に多数の敵を表示できるようになったため、前作とは異なり多くの敵に襲われるシチュエーションが増えた。 --前作では控えめだったショットガンの威力が上がり、敵の同時出現数が増えたため多数の敵をなぎ倒す爽快感も生まれた。 ---ただし、ショットガンでゾンビを撃った場合、下半身のみ吹っ飛び上半身が這いずり襲ってくるというデメリットも追加された。((倒した扱いになっているので別マップに移動すると消える。))この仕様は『3』『CODE:Veronica』にも引き継がれている。 ''演出およびシナリオの強化'' -体力によって主人公の移動モーションが変化し、腹部を抑えたり足を引きずったりする。移動速度も低下し、瀕死状態では通常時の50%にまで落ちる。 --ステータス画面を開かなくてもHPの減り具合が解るようになり、同時にライフの減少による危機感や緊張感を味わえるようになった。 -敵の登場やビックリ系演出が凝っており、多くのプレイヤーに恐怖を与えることに成功している。 --ゲーム開始から複数で襲ってくるゾンビの集団、木の板で打ち付けられた窓を破って襲うゾンビの腕、目の前でゾンビ化する警官、Gの各形態の登場シーン、タイラントの壁破り、天井から落ちてくるリッカーなど。 -前作では表現力の問題からCGムービーは一部モンスターの描写などの限定的表現で主人公たちは実写映像をムービーに使うなどしていたが、本作では表現力が向上し全編CGで表現されている。 --当時のゲームのCG映像としては非常に高いクオリティで、OPやバイオハザード発生の真実など重要シーンが映画のような演出で映像化されている。 --通常のゲーム画面の映像も質が向上。前作では3種類しかいなかったゾンビが、女性型をはじめとして種類が多様化し、市街地などの背景も非常に描きこまれている。 -前述通りザッピングで大ボリュームを誇るシナリオは、後述する問題点もあるが前作以上に気合の入ったストーリー展開がされている。 --ゴシックホラー・低予算映画風だった前作に対し、本作はいうなればハリウッドの大作映画風のシチュエーションや演出が展開。エイダを庇い負傷するレオンやクレア表におけるシェリーの危機、ある登場人物の最期など、ドラマチックな展開が強く表現されている。 --本作では脚本家として『スケバン刑事』やスーパー戦隊、メタルヒーローシリーズなどで知られる杉村升氏を起用。狂気に駆られる科学者の有様や家族の愛情に葛藤する人物模様など、氏の作風が色濃く出ている。 --人物は生き生きと個性的に描かれ、キャラクター人気は非常に高い。 ---新人警察官としての正義感に溢れるレオンに女子大生ながら兄譲りの正義感で困難に立ち向かうクレアと、主人公は二人とも魅力的。 ---パートナーも前作で名前だけ登場した謎の美女エイダ・ウォンと、両親がアンブレラの科学者であるために孤独な暮らしを強いられてきた少女シェリー・バーキンという、個性的な人物像で描かれている。 ---表編序盤で主人公を助けるもあっさり死んでしまうガンショップの店主ケンドや、本来はレオンの先輩となるはずだった警察官マービン、対外的に優秀な警察署長に見せかけて実は凶悪な本性を秘めたブライアン・アイアンズ、シェリーの母にして作中最大の敵「G」(ウィリアム)の妻である狂気の科学者アネットなど、敵役やサブキャラクターも強烈な印象を残している。~ 特にケンドとマービンは本作での出番の少なさに反して、後のシリーズで本作と同じ時期を扱う際に意外な掘り下げも行われている。 ''エクストラゲームの追加'' -特定の条件を満たす事により、2種類の隠しシナリオをプレイできる。 --「The 4th Survivor」は、Gウィルス奪取のためにアンブレラに雇われた傭兵の一人「ハンク」を操作してゴールを目指す。 ---ハンクが「4人目の生存者」であることは公式設定であり、後の作品でもゲストキャラクターとして操作できたり、作中の文書に登場したりする。 ---マスクを着けており、クリア後のランク画面でも素顔は見えない。((後発作であれば、『3』のエピローグファイルにて素顔を確認できる。)) --「The 豆腐 Survivor」は、''豆腐''を操作してゴールを目指す。冗談や比喩ではなく、''本当に豆腐''((デバッグ用の仮オブジェクトの再利用であり、前後の把握のためか、真四角ではなく凹状のへこみがついている。))。 ---「4th(フォース)」と「とーふ」を掛けたダジャレが由来。シリーズを通しても珍しいお笑いシナリオだが、その分出現させるのは少々面倒。 ---ルートや敵の配置はハンクと同様だが、武器がナイフのみでライフは高く設定された代わりに回復アイテムも僅かのため難易度は非常に高い。 ---移動中の効果音、ダメージボイス、絶命時の声などが非常に特徴的。ライフの減少に応じて体色は赤くなってゆく。 ---凶暴な敵が跋扈する警察署内を関西弁で喋る豆腐が駆け抜ける姿は、非常にシュール。クリア後のランク画面も必見。 ---ちなみに、独特な関西弁のボイスは開発スタッフによるもの。「''ほな、さいなら~''((これが"死に際の叫び"である。本編主人公達のような悲痛さなど微塵も無い。))」 ---後の作品で「トーフサバイバー」としてまさかの復活。そちらでは敵としての登場で、ゾンビ全てがリアルな豆腐に変化。火の中から焼き豆腐となって登場したりと、やけに演出が凝っている。 ''多彩な隠し要素'' -前述のエクストラゲーム以外にも、多くの隠し要素や小ネタが存在する。 --シリーズ定番の隠し武器は3種類。その内の1つはシリーズでは珍しいガトリングガンである。 --隠しコスチュームも健在。それを手に入れる経緯や場所は前作や『3』のストーリーとも結びつけられている。 --警察署内に前作の登場人物達が使用していた部屋があるのだが、ある人物の机を50回調べると隠し写真が手に入る。その人物の意外な好み?が分かる。 ---この写真のネタはその場限りかと思いきや、[[後のシリーズ>バイオハザード0#id_3db0335d]]にて拾われるというまさかの再登場を果たした。 --主人公を画面側に向けて発砲させると、まれに画面に穴が開く演出がされることがある。 ---爆発系武器などでは見られないほか、固定カメラ視点の位置関係の問題もあるため、狙って見ることは意外と難しい(攻撃範囲の広いショットガンなら幾分発生させやすい)。見ることができたらラッキー? ---- **賛否両論点 ''ホラー性の減少'' -ハリウッドホラー映画に見られるビックリ系の演出にやや偏っており、前作にあった''雰囲気重視の恐怖感''が感じられる場面は少ない。 --前作の舞台が気味の悪い館だったのに対し、今作では''武器や生存者が存在しそうな警察署''であるためそれなりに安心感がある。 --ただ、『1』とは舞台そのものが異なる上に同様の演出に執着してしまうと「進歩がない」とも受け取られるので、こういった変更は妥当だったとも言える。 ---スタッフのインタビューによると警察署をゾンビだらけにすることで誰にも頼れず、救援は来ない状況であるという絶望感を演出する意図があったと語っている。 --ホラー演出に関しても、怖いというよりやたらと音の大きいBGMやSEで驚かしているに過ぎない点もある。 -ゾンビの数が大幅に増加したことを、数の恐怖というよりも、恐怖の安売りと受け止めたユーザーも少なくない。 --ただ、ホラー作品はジャンル問わず、大概慣れとの戦いになるものであり、特に本シリーズに限ったことではないだろう。方向性はともかく、演出の質自体はハード性能に伴ってこの後も向上してゆく。 --実際、完全に開き直って(?)アクションに重きを置いた((ただし、これまでのシリーズでおなじみのゾンビではない「人でなくなったもの」が多数襲ってくるという恐怖描写はあり、完全なアクションとは違う。))作品が『4』であり、それまでの殻を破った名作として評価されている。 ---また、ハードの進化やクリーチャーの設定で恐怖を演出する描写は『バイオハザード リベレーションズ』等に受け継がれている。 ''キャラクターの格差'' -前作ほどではないがやはりキャラクター間の格差はある。 --レオンはショットガン、マグナムともに使いやすく、主要武器をカスタムによって強化できるので戦闘面でも有利。((ただしこのカスタムは一長一短で、ショットガンとマグナムはさらなる高火力化を図れるものの、その代償として連射速度が大幅に低下する。))パートナーのエイダもある程度の戦闘力がありシナリオも比較的簡単。 --一方、クレアはボウガンが使いづらく、必然的にハンドガンとグレネードランチャーを駆使して戦う必要がある。 ---そのハンドガンとグレネードランチャーにしても、ハンドガンはレオンより装弾数が少なく、グレネードランチャーは射程が短く弾速が遅いという欠点を抱えている。 -シェリーは庇護対象ということもあって戦闘力は皆無。走るスピードも遅く、引き離してしまうと座り込んでしまうので移動スピードの調整も必要。表シナリオでは、ワクチン作りのイベントで回り道を強いられるのでやや難易度が高くなる。 --その一方、シェリーは''どんなにダメージを負っても全くモーションが変化しない''。Dangerだろうがピンピンしている。ゲーム的な障害を避けるためであろうが不自然さは否めない。 ---そもそもシェリーはゾンビからの噛みつきを受けず吐瀉物による攻撃しか喰らわない、ゲーム的にもストーリー的にも殺傷能力の高い敵とはそもそも遭遇しないなど、子供故に他の大人キャラとは差別化されている。…と思いきや、最初のシェリー操作パートではゾンビ犬の中を突っ切る事になり、''12歳の普通の少女がゾンビ犬に噛まれてドバドバ血を吹き出し、重傷を負おうが平然と走る''という異様な光景を見る事になる。配慮しているのかしていないのか判断に困る扱いである。%%G-ウイルスを植え付けられる前から[[再生力>バイオハザード6]]を持っていたのか。%% ---後年の『[[DC>バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ]]』では「ゾンビに掴まれたら早く助けないとそのまま噛み殺される」、『[[RE:2>バイオハザード RE:2]]』では「操作パートではクリーチャーではなく人間から追われる」などと不自然さが出ないように作られている((YouTubeには(オリジナル、リメイク共に)シェリーが他のクリーチャーと対峙している動画がアップされていたりするが当然これはMODやチートによる改造プレイである。))。 ''ハードな難易度設定'' -あくまで「前作よりは簡単」というだけで、単体でみた場合の難易度はかなり高い。 --前述の通り、敵は概ね弱体化しているものの、全体の出現数や同時出現数はかなり増加。また、中ボスに相当する新たな強敵も追加されている。にもかかわらず弾薬数はほとんど増えていないため、弾数管理はよりシビアに。 ---前作の敵は今作より強かったものの、強力な武器で一撃撃破していけば安全に攻略できた。が、出現数が増えた今作ではそんなことをすれば当然弾薬が足りなくなるため、どの武器を使うか考えながら攻略しなければならない。 ---さらに敵の種類も増え、まだ武器が揃わない序盤から中級のザコ敵が登場したりするため、武器の選択に関してはより難しくなっている。 --回復アイテムに至っては、前作よりも手に入りにくくなっている。特に序盤が苦しい。 --つまり「倒す必要のない敵は放置する」ということを前作以上に意識しなければならなくなっているが、初心者にはラジコン操作という壁が立ち塞がる。 ---しかしながら、前作ではゲーム開始時にある程度操作を練習する余裕があったが、今作ではいきなり複数のゾンビに囲まれた状況からスタートする。操作確認もままならないままゾンビの餌食となったプレイヤーは数知れない。 ---序盤のシビアさを乗り越えられるようになると、中盤以降はむしろ余剰弾薬が出てくるほどゆとりが生まれるようになる。 ''ツッコミどころが多いシナリオや設定'' -今作の設定だけを考慮してもラクーンシティは本編開始の数日前から既に壊滅的状況に陥っており、当然外部にも(ゾンビやクリーチャー云々は別にしても)何らかの形で情報や立ち入りに関する警告は伝わっていたと考えるのが自然なはずである。 --にも拘らず、どちらの主人公もその事を全く知らないままラクーンシティに到着、ゾンビに襲撃されていた。 ---レオンに関しては公式設定((ラクーンシティ配属を巡って当時の彼女と大揉めし、就任前日に破局してしまった。この一件でヤケ酒を煽って眠りこけてしまったことが街への到着が遅れた原因だった。))上、ラクーンシティについて調べられる状態ではなかったと解釈できなくもないが、クレアに関してはムービーを見る限りラクーンシティの惨状を全く知らないまま兄を探しに来ていた。 ---そして後の『[[アウトブレイク>バイオハザード アウトブレイク]]』では''軍によって市全域が厳重に封鎖される様子がしっかり描写されている''。 --リメイク版である『[[バイオハザード RE:2]]』では設定が変更され((レオンの場合、ラクーンシティに到着する前の週の時点で電話による待機命令を受けていたものの、連絡が途絶えたことなどからラクーンシティ行きを決めたことになっている。))、違和感が軽減されている。 -今作も銃火器が多数登場するが、前作は二人とも特殊部隊の隊員という位置づけだったために重火器に慣れていても不思議でなかったところで、今作の主人公である二人も普通に銃器を扱えてしまうのは違和感がある。 --レオンは警察官ではあるが、ゲーム開始時点が着任日の新人警官である。にも拘わらずショットガンやマグナムや火炎放射器などを難なく扱えるほどの技量がある。 ---一応、ショットガンを撃つときに腰だめの姿勢で撃ってしまうので反動が大きいなど前作のクリス達ほど扱いが上手くないような描写はされているが、初期装備がマニアックな拳銃だったり銃器のパーツを容易に組み替えられてしまうなどガンマニア的な設定を匂わせたりもするので、どっちつかずな印象がある。 ---ちなみに公式ガイドブックではその銃器の扱いの慣れっぷりと、初日から重役出勤というレベルじゃない大遅刻にも拘わらず妙に落ち着いていることから「実戦慣れしている」「ミドルネームのSはSWATのSだ((本当は「スコット」である。しかし劇中でミドルネームで呼ばれる機会は少なく、本人もクレアに紹介するときに本作・リメイク版のどちらでも「レオン・ケネディ」とミドルネームを飛ばして名乗るなど、影が薄い。その中で『4』の敵の一人は「スコット君」とミドルネームで呼ぶ珍しいキャラだった。))」などとジョークが飛ばされていた。 --クレアは「女子大生」という戦闘とは無縁の一般人である。にもかかわらず、ハンドガンはともかくグレネードランチャーの様な重火器まで普通に使いこなしている。 ---一応、攻略本等では「クリスが手ほどきした」と推測されているが、いくら元軍人の特殊部隊所属とは言え「法律上、一般人には扱えないはずの火器の使い方を教えていいのか?と言うかそもそも教えられるのか((銃の所持が認められている国でも、自衛の範疇を超える、或いはテロや犯罪時に重大な被害が及びそうな銃火器は一般人が所持できない様に法律で決められているケースが大半である。米国では一般人でも正規の手続きを踏むことでグレネードランチャー等の爆発物や大口径の銃器を所有できるが、審査は厳しいうえに実弾一発ごとに多額の税金が課される等ハードルは非常に高い。))?」「一般人に無縁の兵器関連の使用方法を教えるのは守秘義務違反じゃないのか?」というツッコミどころが出てくる。 ---そもそもグレネードランチャーやデザートイーグルなどの警察官が使用しないタイプの銃器が警察署に保管されているか?という点についても公式攻略本が考察という形でフォローしているが、どうみても無理がある((ただし、本作に登場するグレネードランチャーのモデルとなったコルト社のM79グレネードランチャーは非致死性弾薬を使用する前提で実際に警察での採用実績がある。弾薬に関する疑問は残るが))。 ---ちなみに公式ビジュアルなどでは『1』のクリス同様に&b(){堂々と肩にコンバットナイフを装備するという卓越したファッションセンス}で、これも攻略本ではクリスの影響とされている。&s(){普段着なのか、アレは} ---クレアの服装自体も軽装ながらこう言った危険地帯での活動を予期したような格好であり、ちょっと兄の勤務先を訪ねるにしては妙に備えが利いている((一応、ラクーンシティ付近で発生していた猟奇殺人事件との関連を危惧したという設定はあるが、まさか殺人鬼とやりあうつもりだった訳でもあるまい。))。警官のレオンと並んでもあまり違和感が無いほどで、女子大生の普段着としてもライダーススーツとしてもかなり異質。~ そのためか、後の『DC』ではカジュアル寄りにアレンジされ、『RE:2』に至っては全く違う服装になっている。 ---また、キーピック技術をどうやって身に着けたのか((これまでの描写を見るに少なくともクリスの手ほどきではないと思われる。))も不明。しかもゲーム上のグラフィックではリメイク版『1』で登場するような本格的なものではなく、&b(){どう見てもただの曲げた安全ピンと針金}である。 --「ゲームの設定」といえばそれまでだが、「フィクション」とはいえ現代世界を舞台にした話である分、リアリティの観点から言えば地味に目立つ点だろう。 -前置きも入手イベントもないのにクレアに通信機を渡すレオン、ザッピングの関係で何度も火事になる屋上など細かいツッコミどころも多い。 --同じラクーンシティを題材にした作品で、民間人が主人公なのに銃火器をぶっ放せる『OUTBREAK』を見る限り、早い段階から設定やシナリオの統合性よりもゲームとしての面白さやユーザーフレンドリーを重視する方向でゲームデザインを突き詰めていく事にしていた、と考えられなくもないが…。 -絶体絶命の極限状態にもかかわらず、キャラクターがやたらと単独行動をしたがるのもネタにされやすい。民間人のクレアを一人にする警察官レオンや、化け物だらけの警察署を「一人でも平気」と駆け抜ける少女シェリー((実際、窮地に陥る場面があるのは表シナリオの一回のみで、それ以外は全て自力で解決する生存力の高さを持つ。))などはよく突っ込まれる。 -公式ガイドブックにおいても&b(){上述したようなツッコミどころをネタにするような記述が散見される}(後述)ため、細かい整合性をすっ飛ばして楽しむのはある程度公式の意図している内容とも捉えられる。 ---- **問題点 ''ザッピングシステムの甘さ'' -一方が他方のシナリオに絡むことが少なく、途中で再会しても少々会話するだけ。『[[0>バイオハザード0]]』のように「協力して脱出を目指す」というコンセプトで作られた作品ではないためとも言えるが、それにしても若干不自然。 -表シナリオと裏シナリオで、ストーリーに細かな矛盾が散在している。 --両方のキャラでまったく同じ仕掛けを解かなければならないという場面も多々ある。 -アイテムのザッピングポイントが非常に少なく、その場所以外では片方が入手したはずの弾薬をもう一方が同じ場所で入手できるため、違和感がある。ザッピングする部分は殆ど寄り道イベントに近く、攻略にほとんど影響しない点も残念。 --尤も、アイテム面のザッピングポイントが多すぎると初心者は表編で拾いすぎて余らせた挙句、裏編では苦戦したり最悪詰んでしまうことも考えられ、ザッピングイベントを増やしすぎると違うイベントを見るために何度もプレイする必要が出てくると言った問題もあるので調整されたとも言える。 --終盤の舞台である研究所では、表と裏の両方で条件を満たしておかないと入れない部屋があるが、そこで入手できるのは''終盤では微妙な武器であるサブマシンガン(またはその弾)のみ''。ゲーム的なメリットは薄い。 ---一応、実験体の敵クリーチャーがホルマリン漬けになっているオブジェクトという一見の価値はある要素も存在する。 ''飛ばせないイベントシーン'' -各シーンでのイベントはCGムービーと本編準拠のポリゴンキャラの演技によるリアルタイムムービーに分かれるが、後者は全てスキップ不可。 --また会話は全てフルボイスなので、たいてい数分の間が発生し、何度もプレイしているとイベントでテンポを削がれ易い。 --これは前作にもあったが、時間制限カウントの表示がやや不親切でムービー中もカウントが進む((戦闘中に変形するG第4形態などは、5分の制限時間がある(それも撃破して即終了ではなくゴール地点への移動も必要)にもかかわらず出現と変形ムービーだけで30秒ぐらい消費される。))。 ---隠し要素解禁を目指してプレイ時間とセーブ回数を節約したい場合、ムービー中に小休止をするという手はある。 ---一応、GC版のみイベントスキップ機能が追加されている。 ''隠し条件の出現条件'' -ロケットランチャーとコスチュームチェンジを除いて''全て裏シナリオでしか条件を満たせない''ので、コンプリートを目指す場合は表シナリオが消化試合と化してしまう。 --また「The 豆腐 Survivor」に関しては上記の通り、かなり面倒な…というより事前情報無しだとほぼ解らず、かつ偶然発生させるのも困難な条件((「The 4th Survivor」を出現させたあとで同一の表→裏シナリオを3セットクリア、裏シナリオは1回でもSランクを取る。))であり、コンプリートに関してはシリーズでもかなり面倒な部類となる。 ---アナザーシナリオに関しては、本編と別のデータとして保存しなくてはならない点も地味に痛い。 ---のちの作品では隠し要素が簡略化されたり、本編と独立したミニゲームで条件が満たせるようになるなどして作業感が軽減され、ミニゲーム等はタイトル画面からのメニュー選択でプレイできるように配慮された。 ''やはり面倒な謎解き'' -攻略本などの情報源に頼らないと解き方が解りづらいものが大半を占めている。 --特に警察署に関しては謎解きが多いので行ったり来たりが多い、そして警察署以降はそういった要素が無くなってやや戦闘面が重視されるようになるので(ここまで進めるなら大抵装備なども整うので)プレイが楽になっていくなど、難易度の緩急がイマイチである。 //''ゾンビ化の描写'' //-ゾンビ化の描写が前作と今作で一貫していない。 //--前作のファイル「飼育員の日記」において数日かけて徐々に人間らしい知能や理性が失われたり食欲が増大してゾンビ化する様子が描かれていたのに対し、今作で作中にゾンビ化するマービンはゾンビ化の小一時間前まで特に大きな知能低下している様子はなく、再会した際に突如顔色が急変して襲い掛かってくる。前作を踏まえてプレイしたユーザーから違和感を持たれたはずである。 //「感染者の肉体が弱っている(=抵抗力が低下した状態)ほどウィルスが活発的に活動して発症が早まる」という設定がある。 //当時はそういう設定は明らかにされていなかったから、ここに入れる内容として妥当と判断しました。 //前作ディレクターズカット版のアレンジモードでは長く見積もっても感染から一日も経過していないフォレストがゾンビ化しており、公式パーフェクトガイドでも「Tウィルスは時間の経過で性質が変化する」という設定があったことから、当時の視点でもそこまで問題視するレベルの設定の齟齬とは思われていない ''謎解き要素の演出の非現実性'' -前作は郊外にひっそりと建つ謎の洋館が舞台であるためまだ納得できる範疇だが、本作では一般市街の施設である警察署の中にトラップや隠し扉が仕掛けられている。謎解き要素は欠かせないとはいえ、リアリティの観点からするとやはり違和感がある。 --一応、建物が警察署らしくない理由として「元美術館を署長の趣味で改装した」、やたらとややこしい仕掛けについては「署長が下水道を通じてアンブレラの施設に出入りしており、カモフラージュも兼ねている」と言った設定で後にフォローはされたが。一方、''署内にトイレが存在しない''ことに対するフォローはされなかった(『RE:2』では設置された)。 --この違和感は続編『3』で舞台が街全体に広がるとますます強まり、市役所やガソリンスタンドや変電所など町中あらゆるところにややこしいパズルが組み込まれるというおかしな事態になっている(こちらは何のフォローもない)。一部はスタッフからもツッコまれつつ「これが『バイオ』らしさ」と言われていた始末。 ---- **総評 前作から正当進化を遂げた続編。ゲームシステムを発展させつつ不評だった部分に調整を施し、多彩なシナリオやおまけ要素といった新要素も追加された。~ 数の恐怖を追求したことで前作独特のホラーテイストが幾らか薄れた部分はあるが、演出面でカバーしており、前評判に違わぬ完成度の高い作品と言える。~ シリーズのゲームシステムは本作をもって完成されたとみることもできる。 //売り上げも『5』に次ぐシリーズ歴代2位を記録している。~ //ゲームアーカイブスによって現在でもプレイ可能だが、無印版のために後述のバージョンアップ版の要素が無い点が惜しまれる。~ //難易度が高くシステム面でもシビアな第1作と比して、 グラフィックや、アクション面でのシステムが難ありであったり、リメイク版においても難易度が上がってしまった第1作よりも、難易度が比較的抑えられプレイしやすい本作をシリーズの入門編としてプレイしてみるのもよいだろう。 //第1作の難易度に関しては該当記述にあるように一概に難易度が高いと言い切ることはできない。 ---- **オリジナル版以外のバージョンについて -『デュアルショックバージョン』 --無印版をベースにアナログコントローラーの振動機能の追加及び変更・追加要素を加えたアッパーバージョン。 ---詳細は[[下記>バイオハザード2#id_896aea1f]]を参照。 -Windows版 --後述の『DSVer.』をベースに、グラフィックの高解像度化、開発資料などを閲覧できる「ギャラリー」モードの追加、移動中の演出スキップが可能となっている。 -ドリームキャスト版 --『CODE:Veronica』の体験版とBGM12曲が収録されたスペシャルディスク付きの「Value Plus」として発売された。 --Windows版をベースに、最凶最悪の難易度「Nightmare」を追加している。 ---自動照準が働かず、弾薬の入手量が減少し、敵の攻撃力・耐久力が急上昇。ゾンビ戦ですら「こっちは5回噛みつかれたら死ぬ、向こうはハンドガンを10発以上耐える」という有様である。 ---国内オリジナル版と比べた場合、ゾンビやゾンビ犬に対するハンドガンのクリティカル判定(低確率で即死)が唯一の上方修正と言える。 ---ただし、体力fineから即死させられるようなケースは少なく、敵の行動パターンもほぼ変わっていないなど、やり込めばクリアできるように調整されている。 --弾薬無限技もコマンドは違うが使用可能であり、クリア条件で解放されていたミニゲームが全て初めからプレイ可能になっている。 -ニンテンドウ64版 --操作法の変更 ---従来のラジコン式の操作と、『メタルギアソリッド』のような直感的な方式(スティックを倒した方向に移動する)のいずれかに切り替えられる。 -ゲームキューブ版 --タイトルコールの変更 ---[[初代のリメイク作品>バイオハザード (GC)]]と同じボイスに変更された。これは次作『[[3>バイオハザード3 ラストエスケープ]]』でも同様。 --暴力描写の表示切り替え機能 ---敵やプレイヤーキャラの血の色を赤・緑・青の内いずれかに変更可能。ゲームオーバー画面の「''YOU DIED''」の文字にも反映される。 ---身体欠損/出血描写の激しさを「HIGH(通常の設定)」、「MIDIUM(欠損描写なし)」、「LOW(敵が死んだ時の血だまりを除いた、一切の出血描写カット)」の3段階で切り替えることが可能。 --その他変更点 ---隠しコスチュームの変更が行われた。 ---EXファイルの追加。これは『2』以降の作品に登場した一部のファイルを、ある場所で閲覧できるというもの。中には、当時開発中だった『0』の内容を匂わせるものもある。 ---他にも、ボウガンの仕様変更などの細かい調整点あり。 ---- **余談 ''グレネード弾の仕様'' -本作のグレネード弾は『1』とは違い、発射された弾が5つに拡散した後、それぞれ爆発するという性質を持つ。 --硫酸弾や火炎弾に比べると射程が短いが、大型の敵や密集した敵に対しては有効な攻撃手段となる。 --グレネード弾にこのような仕様があるのは本作と『[[ガンサバイバー>バイオハザード ガンサバイバー]]』『[[コードベロニカ>バイオハザード コード:ベロニカ]]』のみで、他作品ではほとんど単発仕様となっている。 --グレネード弾に相当する弾の名称も「榴弾」「炸裂弾」など作品によって異なる(本作は「ベアリング弾」)。 --ちなみに「硫酸弾」なる弾種は実際には存在しないが、「榴散弾」は存在し、本作のグレネード弾に似た性質を持つ。「硫酸弾」の着想は「榴散弾」の変換ミスから得たという説がある。 ''アイアンズ署長'' -本作で初登場したR.P.D署長の「ブライアン・アイアンズ」だが、実は前作のキャラ選択画面にあった警察の身分証明書の中に、崩れて読みにくいが「Brian Irons」のサインがすでに見られる。 --また、SS版の初代に特典として付属したハードカバー本『BIO HAZARD -The True Story Behind BIO HAZARD-』に掲載された書下ろし小説の中にも登場しているため、設定の段階ではすでに存在していた模様である。 ---ただし、こちらでは「アイアンズ」ではなく「アイアン」となっており、『2』本編での設定に基づいた描写などは存在しない。 ''没になった『バイオハザード1.5』'' -かつて''『2』として開発されていた幻の作品''。「ゾンビに支配されたビルの最上階から脱出する!」というシナリオであり、『2』のクレア・レッドフィールドに該当する女主人公''エルザ・ウォーカー''やオリジナルクリーチャー''マンスパイダー''、近代的な造りになっているラクーン警察署など本作独自の要素があった。 --男性主人公はレオンだがパートナーとしてマービンが最後まで付き添う。警察署はシャッターを降ろせるようになっていたなど、のちの『OUTBREAK』に受け継がれる要素もあった。 ---最初期の段階のレオンは現在とかなり違う風貌をしていた。現在の所謂イケメンといった感じではなく、短髪で精悍な顔つきをしているという様なワイルドな印象を与えるキャラクターとなっていた。 --スタッフ曰く、ボツになった理由は「''これが『バイオ2』だ!と胸を張って言える内容に及ばなかった。''」ため。また、プロデューサーの三上真司氏は「''辞表を用意してまで開発中止を訴えた''」との事。 --ディレクターを担当していたのは『2』と同じくのちに『[[デビルメイクライ]]』や『[[大神]]』を作る神谷英樹氏だが、氏は「あまり『1.5』の話はして欲しくない」との事。 --現在でも開発再開を望む根強いファンが居るが、開発者が言うには「既にマスターデータなどは破棄されている」「『1.5』のために考えられたアイデアは後の『バイオハザード』シリーズの中で活かされているため、今更作り直す意味はない」との事である。 ---実際[[霊長類クリーチャー>バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ]]や[[「ピアーズ・ニヴァンス」という名前>バイオハザード6]]などいくつかの要素は続編に継承されている。また、『1.5』のデータは[[『鬼武者』シリーズ>鬼武者シリーズ]]に流用されているらしい。 ---『4』も途中で一旦作り直され、そこから『デビクラ』が生まれた。作り直されると名作が生まれるのは、ちょっとしたジンクス? --「バイオハザード1.5」というタイトルは「あくまで現在そう呼ばれている」というだけの通称。ただしカプコンのスタッフ・関係者もインタビューなどでこの呼び方を用いた事がある。 --あの『''月刊コロコロコミック''』でも『2』として紹介されていたりする。また、『月刊コロコロ』のゲーム人気ランキングに本作が入っていたりする((現在では考えられないが、まだCEROレーティングが誕生する前は児童向けの雑誌でもグロテスクなゲームが紹介される事があった。))。 --初代の『デュアルショックバージョン』の付属ディスクなどでPVを見る事が可能。 --当初の女主人公であるエルザはクレアとして生まれ変わった関係上、後のシリーズにも登場することは無かったのだが、『RE:2』ではエルザの衣装がクレアのコスチュームとして登場している。 ''攻略本について'' -本作においても前作同様にカプコン公式の出版で『公式ガイドブック』が発売されている。 --前作のパーフェクトガイド同様にファミ通責任編集で、やはりモンスターや武器の設定やシナリオ展開、ディレクターへのゲーム内容についての質問が細かく記載された充実した内容に仕上がっており、評価が高い。 --一方で執筆スタッフは変わっているためか、前述したようにシナリオのツッコミどころ等に対するネタ的な記述は非常に多く、事件簿的だった前作のパーフェクトガイドとは毛色が異なっている。 ---例を挙げるとレオンのラクーンシティ到着を「ケタ外れの遅刻」、クレアのピッキング技能を「女子大生らしからぬ技能」と称する、表裏で通してシナリオを見た時のアネットの情緒不安定さへのツッコミなど。 --後述するDUAL SHOCK Ver.の発売時には、攻略本も紙面構成をほぼ刷新した上で新規発売されたのだが、そちらは「ホラー映画」をテーマに構成されており、キャラクター紹介が「キャスト紹介」になっていたりと別方向に遊び心が現れたものとなっている。 ---扉絵は「古い洋画ポスター風の油彩画で描かれた、ゾンビが次なる犠牲者に手を伸ばす様子(次の扉絵では犠牲者がゾンビの手に加わっている)」というものなのだが、ラストの扉絵でゾンビたちが手を伸ばしている相手が「持ち歌''『スリラー』の衣装を着たマイケル・ジャクソン''((同曲のPVはマイケルがゾンビをバックダンサーに引き連れている事でお馴染み。))」というオチが付いている。 ''YOU DIED'' -今作のゲームオーバー画面は前作と違って主人公の死体は映らず背景は真っ暗だが、主人公が殺される音や断末魔の悲鳴が聞こえるようになっている。死亡時のフェードアウトも早めなので主人公の死の瞬間を見る事は基本的に無く、前作よりは表現が緩和されているようにも見える。 --しかし元々はその''主人公が殺される様子が画面に映し出される''はずであった。死亡時の叫び声も、画面に血が飛び散る演出と共に上がっていた。その実装を見送り、バックを隠して音だけとしたのが製品版である。つまり本来は''前作よりも過激になるはずだった''。 --そして北米版では隠されること無くしっかりと映し出され、ゾンビの餌食になる、夥しい出血と共に倒れる、爪で貫かれるなどの痛ましい最期が克明に描かれる。一部の敵に殺された時は''頭部が無くなる''((演出の問題だが、首が飛んでから死に際の叫び声が聞こえるという別の意味のホラーになってしまっている。))。 ---シェリーに関してはこう言った残虐な殺害方法はされなくなっており、死亡時にも叫び声を上げる事もない。…が、通常プレイでは聞けないものの断末魔の叫び自体は存在し、ネットに出回っている改造プレイでシェリーが惨殺されるシーンを映した動画ではいずれもその叫び声が上がっている。つまり当初は製品版で流すつもりで収録していたのである…。 --次回作ではこの演出は無くなったが、海外版の方がより過激な残酷描写が盛り込まれるのがシリーズの恒例となっていく。 ---あまりリアルではないローポリ時代は残酷さ、グロテスクさがそこまで鮮明ではなかったが、グラフィックの進化によって残酷描写がはっきりとリアルに映し出せるようになっていった事により、それに伴う規制も変わっていった。 ''Vジャンプでの扱い'' -前作も発売前から発売後に至るまで、妙に力を入れてプッシュされていた作品の新作ということもあってか、本作も前作並か、あるいはそれ以上ともいえるレベルで特集等が組まれていた。前作同様にVジャンプフェスティバルにおいてカプコンの新作代表として発表されたり(ちなみに所謂「1.5」といわれる最初期の状態のもの。レオンが現在とはかなり違う容姿をしていたり、女性主人公がエルザの頃)、発売前〜発売後まで熱心に情報を提供していく等、前作同様にVジャンプの読者の年齢層からすればかなりホラー要素の強い作品にもかかわらず、である。 --しかもかなり開発が初期の段階から情報を提供してくれていたため、上述の規制がかかる前の死亡シーン(ゾンビの餌食になるところ)を大々的に取り上げくれるなど、かなり過激な部分も取り扱っていた。一応苦手な人に配慮して、見たくない人や苦手な人は飛ばして読んでねといった風に警告はしてくれてはいたが、怖いもの見たさで苦手なのについ見てしまい、精神にダメージを受けた読者もかなり出たのではないかと思われる。 --逆に製品版では死亡シーンの演出は上述の様に規制がかかっているので、Vジャンプの事前情報のみでプレイを始めた人はゲームオーバー時に「?」と思った方もいるのではないかと思われる。 ***その後の展開 -レオンは『[[4>バイオハザード4]]』、クレアは『コードベロニカ』で再び主人公として抜擢される。 --レオンは元々常人離れしていたサバイバル能力に加えて特殊訓練を受けた結果、『4』ではアクション映画も真っ青の超人エージェントとなっている。それを皮切りに主人公達の超人化が加速し、レオン自身も更に超人化する事に。 ---他にも『[[ダークサイド・クロニクルズ>バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ]]』では本作の熾烈な戦いをクロニクルズシリーズのシステムで追体験でき、『4』以前のエージェント時代のレオンを見ることができる。 ---その後の『[[6>バイオハザード6]]』にも主人公の一人として登場した他、CG映画『ディジェネレーション』『ダムネーション』『ヴェンデッタ』でも毎度のように主役を務め、『1』のクリスに並ぶ本シリーズのメイン主人公へと成長していく。 --作品を重ねるごとに超人染みていくことがネタにされるレオンだが、上記の通り女子大生らしからぬ技能のクレアも負けず劣らずの怪物化をしている。 ---『CODE:Veronica』では「兄を探してアンブレラのヨーロッパ支部の建物に潜入して捕らえられた」というまるでスパイのような設定で、オープニングムービーで「''ビルの外に滞空するヘリからの機関銃の掃射からダッシュで逃げ切り非常階段に向って思いっきりダイブして転がり落ちるも無傷で無事''」「''両手を挙げて降参する振りをして銃を落としてからすかさずかがんでキャッチし、追手の背後のガスタンクを撃ち抜いて爆風を利用して一掃''」というアクション映画俳優張りのスタントプレイを見せてくれたりするあたり、やはりどこか女子大生離れしている。~ ただ、本編中はそこまで大袈裟なスタントプレイは無く、''巨大な斧で1回ぶった切られたぐらいでは死なない生命力''などは見せるものの、ストーリー後半の役回りなどを見てもどちらかと言えばヒーローである兄に救出されるヒロインのような扱いとなっている。 ---『DC』では、クレアがゾンビを''ナイフ投げ''で仕留めるシーンや、本作に沿うなら本来開かないはずの扉を蹴り破って進むシーンがあり、''シリーズファンの誰しもが一度は心の中で思ったであろう行動''を実現してくれた。あの兄あってのこの妹か。 ---その後も『[[リベレーションズ2>バイオハザード リベレーションズ2]]』で主人公の一人として再登場したり、漫画『ヘヴンリーアイランド』にも登場。三十路を過ぎても変わらぬ戦闘・サバイバル能力の高さを見せるが、人外化し過ぎたクリスやレオン%%や本当の意味で人外になってしまったシェリー%%に比べるとまだ人間をやめていない範疇に収まっている。 ---『ディジェネレーション』ではレオンとのタッグが復活したものの途中で重傷を負って離脱し、ゲストキャラに活躍を譲っている。 -本作のリザルト画面が「その後…」的な事だと思われたが、後作で無かった事にされてしまっている。所謂イメージ画像である。 --画像では、レオンはその後に警察に戻り、クレアはシェリーとバイク旅に出ている様に描かれている。しかし後作で語られる設定では、本作のエンディング後はクレアは兄を探すために単身出発し、銃創を負ったレオンと衰弱したシェリーは合衆国の保護を受ける形で別れている。 --レオンはその後はシェリーの安全の保証と引き換えに合衆国エージェントとなり、クレアはバイオテロの被害者救済を目的とするNGO団体に入る。しかしシェリーの方はその後は政府による長い保護(軟禁)生活を送った末にエージェントとなり、もちろんバイク旅など到底できる余裕は無かった。 ---一応、クレアは軟禁中のシェリーに面会に行ったり、シェリーがエージェントになった後も交流は続いていることは語られる。だが、いずれにせよ本作リザルト画面のような光景は実現し得ない((リザルト画面では本作時点の若いクレアと幼いシェリーが描かれているが、シェリーの軟禁が解かれるのは10年以上後である。))。 -杉村升氏は本作の功績を買われて、本シリーズは勿論『[[鬼武者]]』『[[ディノクライシス2]]』など、後のカプコン作品でもフラグシップのメンバーと共に脚本家として起用され、氏が没する2005年まで関係は続いた。 --氏は『1.5』が没になった折に岡本吉起氏に呼ばれて採用されることになり、エルザに代わる主人公の考案や狂気じみた署長の人物像など本作の重要な設定の変革を行っている。ディレクターの神谷英樹氏も「杉村氏は『1.5』を見て最初からのやり直しを自分に進言し、その言葉にそうする勇気をもらった」と述懐している。 ---前述の警察署にある無茶な仕掛けについても、神谷氏がリアリティの観点からツッコミを入れたのに対し「''美術館を改装した設定にすれば何でもできるだろ''」と返したのは杉村氏だったとのこと。 ---一方、ザッピングを発案したのは神谷氏の方で、これについては杉村氏は「シナリオの矛盾が避けられないから」と反対を表明していたとのこと。結果的に本作の特徴として強い印象を残しつつも、杉村氏の危惧した問題点も表出することになっている(このためかリメイク版では廃止されている)。 --年齢的にスタッフとは親子ほどの差があるにも拘わらずゲーム業界の未来に理解を示しており((杉村氏は過去の作品でもゲームを意識した設定を盛り込むなどゲーム好き作家として知られており、『1』のシナリオも非常に好んでいたという。))、面倒見もよくてスタッフから慕われていたことを複数のスタッフが証言している。 -2019年1月25日にPS4/One/PCで前述の『RE:2』が発売された。 --『[[7>バイオハザード7 レジデント イービル]]』のために開発されたRE ENGINEを使用したフォトリアルなグラフィックとなり、視点も固定カメラから『4』以降の主流であるビハインドビューTPS形式へと変化している。 ---ファンからは概ね好評だが、''フェイスモデルの起用やクリーチャーの設定(デザイン含む)変更&リストラなど気になる点も''。 ---- *バイオハザード2 デュアルショックバージョン |対応機種|プレイステーション&brニンテンドーゲームキューブ|CENTER:&amazon(B00005OUKP)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1929/biohazard_2DS-front.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3690/1928/biohazard_2DS-back.jpg]]|&amazon(B00007F7QU)| |メディア|【PS】CD-ROM 2枚&br 【GC】GC専用光ディスク 1枚|~|~| |発売日|【PS】1998年8月6日&br【GC】2003年1月23日|~|~| |定価|5,040円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| **概要(デュアルショック) 『ディレクターズカット』と同様のアッパーバージョンである。以後『DSVer.』と表記する。~ タイトルのとおりデュアルショックに対応した以外にも、変更点・追加要素が存在する。 **変更点・追加要素 -「The 4th Survivor」「The 豆腐 Survivor」はプレイ中にタイムが表示されるようになった。 -ミニゲーム「EXTREME BATTLE」の追加 --研究所から警察署に向かい散逸した対ウイルス用の爆弾を回収するという内容。本編に登場するレオン、クレア、エイダに加え、クリスが使用可能。 ---アイテムや爆弾の位置がランダムで変化する(法則性はある)ため固定の攻略が通じないのが最大の特徴であり、セーブできる回数も限られるなど、難易度は高くやりごたえがある。 ---特に最高レベルの「LV.3」の難易度は強烈。多くの敵の攻撃力が''通常の5倍''になっていたり、強敵タイラントや''表プレイのラスボスがそこかしこに出てきたりする''ので、LV.2をクリアできたからといって軽い気持ちで挑むとひどい目に遭う。 -難易度の追加 --北米版準拠の難易度(自動照準無し、敵の配置変更、敵の攻撃力・耐久力上昇etc.)でプレイできる「U.S.A.バージョン」が追加。 --オリジナル版のEASYモードをベースに、初期装備が無限サブマシンガンに変更され、他2種の隠し武器がアイテムボックスに用意された「ROOKIEモード」が追加。 --さらに、すべての武器の弾数が無限になる隠しコマンドが用意されている。このコマンド入力はやり方さえ知っていればいつでも使え、再度コマンドを入力すると解除することも可能。 ---後にも先にも隠しコマンドによる弾数無限はこの作品だけである。ちなみに、このコマンドを使用すると、ナイフにまで∞マークが付く。 ---同様の隠しコマンドはオリジナル版から存在しているが、効果が異なり(北米版のように武器を構えても敵をサーチしなくなる)、難易度を上げる縛りのようなものであった。『DSVer.』では上記U.S.A.バージョンの存在もあり元々の効果は削除されている。 ---無限マークの付いたナイフは一種の設定ミスだと思われるが、後のリメイク版『RE:2』ではナイフに耐久値が設定されたことにより、条件を満たせば無限ナイフが使えるようになるというネタが存在する。 **評価点(デュアルショック) -より幅広い難易度を提示した。 --『1』と比較して易しめになった『2』ではあるが、この時期のバイオハザードシリーズのラジコン操作のハードルは高かった。 --ROOKIEモードの実装によって敵に対しては隠し武器を装備して構えて撃つという操作さえ出来ればほぼ対処でき、移動や謎解きに集中できるようになった。 --弾数無限コマンドはコマンド使用によるデメリットも一切無いため、隠し武器に頼らない場合の初心者でも簡単にプレイを楽しめるようになった。 --一方で上級者向けにはU.S.A.バージョンやEXTREME BATTLEが用意され、オリジナルの『2』をプレイしていても楽しめる要素がある。 **問題点(デュアルショック) -オリジナル版の問題点が改善された場所は特に存在しないこと。 --せめてイベントシーンのスキップ機能ぐらいは搭載してもらいたかった点である。 **総評(デュアルショック) オリジナル版以上に幅広い難易度に対応した作品。現在のバイオシリーズとは操作体系が異なるものの、シリーズ入門編としては有力な選択肢だろう。 //惜しいのはゲームアーカイブスでは本バージョンが配信されておらず、ソフト自体も希少化しており、中古市場でもそれなりの価格であることか。 //検索用 biohazard2(wiki内検索用なので消さないで下さい)

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