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*スーパーロボット大戦64 【すーぱーろぼっとたいせん ろくよん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069THO)| |対応機種|ニンテンドウ64|~| |メディア|256MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|招布&br()エーアイ|~| |発売日|1999年10月29日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要・特徴 -ニンテンドウ64で発売された唯一のスパロボ。 -開発元の招布は任天堂とハドソンの共同出資で設立された会社でありその招布とバンプレストが共同開発を行ったのが本作である。 #region(参戦作品一覧) -マジンガーZ -グレートマジンガー -UFOロボ グレンダイザー -ゲッターロボ -ゲッターロボG -真ゲッターロボ(原作漫画版) -機動戦士ガンダム -機動戦士ガンダム 第08MS小隊 -機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムZZ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動武闘伝Gガンダム -新機動戦記ガンダムW -無敵鋼人ダイターン3 -聖戦士ダンバイン -蒼き流星SPTレイズナー -超電磁ロボ コン・バトラーV -六神合体ゴッドマーズ -超獣機神ダンクーガ -ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- -バンプレストオリジナル 『リンクバトラー』からの参戦作品 -機動戦士ガンダムF91 -無敵超人ザンボット3 -戦国魔神ゴーショーグン #endregion -新規参戦作品は無し。参戦作品はすべて直前に発売された『リンクバトラー』と重複しているためである。 --ゴッドマーズは設定上撃墜されると問答無用でゲームオーバーになる。 -主人公はリアル・スーパーと男・女の組み合わせ計4人から選択で、後の『[[第2次α>第2次スーパーロボット大戦α]]』『[[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]』を先取りしている。 --選んだキャラにより主人公機やライバル、シナリオが変化する。また本作よりオリジナル主人公が明確にシナリオに絡むようになった。 -ROMカートリッジの仕様上、当時のスパロボとしては格別の快適さを誇る。特にセーブやロードはほぼ一瞬で終わる。 -シリーズ初の「合体攻撃」「改造限界の差別化」「撃墜数ボーナス」(本作での仕様は獲得資金が上昇)「底力のLV制導入」、後の携帯機で採用される「自軍パイロットのレベルに応じた敵パイロットのレベルの変動」と、後の作品のスタンダードといえるシステムを採用。 -『[[F/完結編>スーパーロボット大戦F]]』に引き続き一部の武器をフル改造すると追加武器が出るが、本作ではボーナス扱いのため追加料金なしで追加できる。 -敵のレベルは固定ではなく、プレイヤーのレベルの上位数名の平均に応じたものになっている。そのため、基本的にプレイヤーと敵の強さに大きな差は発生せず、緊張感のある戦いを持続できる。 --ただしその敵のレベルには上昇限界がある。一方プレイヤーの限界値はそれをはるかに上回る。 -2回行動のレベルが引き下げられた。全てのパイロットに当てはまるわけではないが、リアル系ならレベル30~40代、スーパー系でもレベル50代までに2回行動が出来る。 -独自のシステムとして『[[スーパーロボット大戦リンクバトラー]]』とのデータリンクと「ダミー」システムがある。それぞれ詳細は後述。 ---- **評価点 ***戦闘面の演出の向上 -戦闘アニメは『F/完結編』と同レベルであり、ドットグラフィックも『新スパ』には及ばない。 --しかし本作では背景・地形が3D化されており、従来の2D作品にはない遠近感を持たせている。また、近距離用武器や合体攻撃の多くでズームアップしたり、奥から手前に突進する等の演出が用いられており、『α』とは別の方向性で進化を果たしたと言える。 --クオリティこそSFCと大差ないレベルだが、機体・パイロットのカットインもそれなりに用意されている。 --画面上下のステータスやメッセージウインドウを常時半透明化させることで、戦闘画面を広く感じさせているのも特徴である。 -キャラクターグラフィックは、従来作の顔のみではなく、バストアップのものになりキャラクター性が強調されている。 --同時期に開発された『α』でもバストアップのグラフィックは用意されているがインターミッション専用であるのに対し、本作はインターミッション・戦闘アニメ共にバストアップのグラフィックが使用されている。 ---ただし、「Gガンダム」など一部のキャラクターを除いて表情は一種類だけである。 --ジャイアント・ロボのグラフィックは、ロボの顔の横に大作が掴まっているのだが、宇宙や水中での戦闘では大作が宇宙服を着たグラフィックに差し替えられるという細かな演出がある。 -スパロボでは初めて合体攻撃が実装された。複数ユニットを使用した強力な攻撃が使用可能となり、原作再現もしやすくなった。 --アイデア自体は以前から存在していたが、『新スパ』や『F/完結編』はディスクメディアだったため、ロード時間の関係で見送られていた。本作ではROMカートリッジを使ったためロード時間の問題がなく、よって採用された。 --黒い三連星によるジェットストリームアタック((しかし機体は残念ながらドムではなくドライセン。攻略本でも「ドライセンがジャイアントバズを持っている」と突っ込まれてしまった。ただし発売から約15年近くを経てジャイアントバズを装備したドライセンが本当に公式で登場した。))をはじめとする敵3人小隊による連携攻撃の再現や、マジンガー系とゲッターロボによるファイナルダイナミックスペシャル((マジンガーシリーズとゲッターロボシリーズがダイナミック企画の作品であることから。))等が登場した。 --バンプレストオリジナルにおいては、スーパー系男主人公で使用可能。習得が非常に特殊で後継機の入手との2者択一だが、演出・破壊力共に凄まじい。 ***ゲームバランス -''ゲームバランスは良好''。『F/完結編』に比べれば、ユニット間の格差は少なく、どのキャラクターも使ってもそれなりに活躍できる。主役級は主役らしく強く設定されており、覚える精神コマンドもまともなラインナップになっている。 -相変わらずNTや聖戦士は強いが、コウやシローのようなオールドタイプを使っても十分攻略できる難易度。 -リアル系が有利なバランスは変わらないが、スーパー系も2回行動が早めに設定されているので、終盤になると強さで追いつける。「宇宙B」という欠点を持つユニットも多いが、決して戦えないほどではない。 ***音楽 -BGMは大絶賛されたセガサターン版『F/完結編』には流石に及ばないが、それでも『α』と同等のクオリティを誇っており、一部を除いては概ね良好と言える。 --特にガンダムWのBGMである「JUST COMMUNICATION」は本家スパロボで唯一フルサイズ収録されている((スーパーヒーロー作戦などではフルサイズ収録されている))。他作品ではアレンジがかっていた「FLYING IN THE SKY」もかなり明るいイメージになり、より原曲のイメージに近くなった。 --マップや戦闘などのオリジナル曲も好評。本作では、敵、味方いずれのフェイズでも音楽が共通しており、それに準じた曲調となっている。 ***ストーリー -地球が外宇宙からの侵略者に占領された状態から物語がスタートするという、シリーズの中でも異色な舞台設定。そうなった理由は''一年戦争により地球・宇宙双方が疲弊したせいで異星人の侵略に対抗しきれなかった''と万人が納得できる設定がプロローグで説明される。 --外宇宙からの侵略者(ムゲ帝国)に加え、ムゲ帝国の手先となった地球人(スペシャルズ)による二重の支配が行われており、さらに地球に潜んでいた人類以外の第三勢力も出現してムゲ帝国に協力、さらに別の異星人連合も現れて…という四面楚歌の状況。そのため、自軍はあくまで少数による抵抗勢力として描かれており、それ相応の苦境に立たされる場面もある。 ---特に中盤以後では''精神安定剤や栄養剤を投与されるキャラクター''や''食糧危機や資材不足による出撃不可に陥る''など過酷な描写がある。 --敵首領を倒すためだけとはいえ、スパロボでは初めて外宇宙にまで足を伸ばした作品である。 -スパロボシリーズ中でも屈指のクロスオーバーシナリオ。先の世界観を生かし、主人公や版権キャラの濃密な交錯が実現している。 -UCガンダム系 --DC戦争シリーズではやや不遇な傾向にあった『ガンダムZZ』が優遇されている。 ---マイナーキャラの参戦(ガザの嵐隊や3D等)やアクシズとの共闘、特に最終決戦の三つ巴の戦いの完全再現はファンなら歓喜もの。 ---序盤からシュツルムディアスが加入し、ビーチャが僅かレベル38で「奇跡」を覚える等、機体・パイロットの性能面でもなかなか。マシュマーもしくはキャラが愛機と一緒に正式加入するのも嬉しい配慮である。 --地味なところではあるが『Ζガンダム』のジャミトフ・ハイマンが原作同様に、曲がりなりにも地球圏の人間を考えている思慮深い人物として描かれている。 ---他のスパロボではバスク同様に「地球人さえよければ全て良しという理念の元、スペースノイドを弾圧する極悪人」と描かれがちなジャミトフが、原作同様のキャラクターとして描かれたのは今日に至るまで今作くらいである。 ---物語序盤では小説版Ζガンダムの台詞を元にスパロボの世界観を加見して本気で地球圏の事を憂いている姿は、ジャミトフが本来どんな事を考えていた人物なのかがよくわかる描写となっている。 --本作でシナリオ的に初めて『逆襲のシャア』が完全再現された。 -『機動武闘伝Gガンダム』もドモン以外のシャッフル同盟4人や、彼ら以上に参戦機会が少ないキラル・メキレルが初登場。 --キラルは当初からトレーズの暗殺を狙い、終盤は条件付きで『ガンダムW』のマグアナック隊を率いて救援に駆けつけるなどやたら目立つ。 -『新機動戦記ガンダムW』は、『[[新>新スーパーロボット大戦]]』、『[[F>スーパーロボット大戦F]]』での酷い扱いが嘘のように優遇されている。 --5体のガンダムは『F』の雪辱を果たすような強さ。さらに5体とも『Endless Waltz』の機体にパワーアップできる隠し要素もある。社交的な性格であるデュオとカトルは早々に自軍に加入し、他の三人も早めに加入する。 --原作再現はシリーズの中でも多めで、機体のほうもトラゴスやパイシーズといったマニアックな機体が揃い、登場人物もアレックス、ミュラーといった一話のみの脇役や、作品の中で重要な立ち位置にもかかわらず登場の機会に恵まれないカーンズといった人物が登場する。この3名に関しては『[[第2次スーパーロボット大戦Z再世篇>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]』での登場まで、64が唯一の出演であった。 --中盤の手前において「OZ(『ガンダムW』の敵組織)からの勧誘を受けるか」という選択肢があり、今後の展開が大きく変化する。 ---敵組織といっても、本作におけるOZはトレーズをはじめとする「スペシャルズ内の反帝国派が打倒帝国のために組織した」もの。スペシャルズへの不信もあり、内部情勢は穏やかではないものの、味方が悪に走るわけではない。 ---ルートは大きく分けて3つ存在し、OZと手を組まない場合にはサンクキングダムの「完全平和主義」に同調するかという選択肢がある。各ルートの詳細は後述。 --ただしメインキャラの五飛の扱いについては賛否両論。終盤で洗脳され敵として出てきた際の「''ズール皇帝こそが正義だ''」という発言は、その後の彼のシリーズにおける立ち位置を''色んな意味で''確固たるものにした。((後のCOMPACTでは内部処理で中国読みのチャン・ウーフェイではなく日本語読みのちょう ごひ扱いされている事もネタに拍車をかけている)) ---このイベントが余りにも強烈過ぎる為変な印象を持たれがちだが、彼の名誉の為に言っておくと、原作では生身での戦闘能力だけでなく、ガンダムパイロットの中で唯一敵の罠を見抜くなど頭脳面でも優秀である。 ---後の作品においては敵対することこそ多いものの、こういった優秀な部分がシナリオ上で活かされるようになり(いい意味でネタ化した『[[L>スーパーロボット大戦L]]』はその極致)、上記のセリフは過去の遺物となりつつある。 -スーパー系などの70年代の参戦作品からも、旧シリーズに登場しなかった多くのキャラ・ユニットが登場しているほか、シナリオもそれまで再現されなかった部分が再現されている。 --例を挙げるとエリカ(マジンガーZ)やヤヌス侯爵(グレートマジンガー)、暴竜鬼(ゲッターロボG)など。 -『ダンクーガ』も飛行ブースター無しの状態やガンドール、ムゲ帝国の初登場などようやくまともな原作再現がされた。 --開始時点でムゲ帝国が地球を占領しているという衝撃的な事態から開始されたほか、『レイズナー』のグラドス軍を傘下に収めているなど、クロスオーバーも充実している。 ***リンクバトラーとのリンク -外部機器が必要ではあるがレベルを引き継いで遊べる為、スパロボ初の周回引継ぎと言える。高レベルのゴーショーグンを使う事で序盤から大量の資金を獲得することも可能。 ***バンプレストオリジナルキャラ関連 主人公は4名。乗機は固定である。スーパー系男のみ後継機の有無は選択制。 -リアル系主人公の二人はともに悲壮感漂うシナリオ展開。男主人公は富野由悠季作品、女主人公は高橋良輔作品を意識したようなキャラ・機体設定となっており、どちらも最初から死を覚悟して戦いに望むことになる。 -戦闘時の専用BGMについても各キャラの性格をうまく反映しており評価が高い。 #region(オリジナルキャラの詳細) -アークライト・ブルー --リアル系男主人公。愛称はアーク。ゲリラ狩りに巻き込まれ、偶然見つけたソルデファーに乗り込んで戦うことになる。リアル系の王道、いわゆる「巻き込まれ型」の展開だが、さらに第1話の時点で''育て親の親族と幼馴染を失う''という不幸過ぎる身の上をもつ。 --ライバルであるエルリッヒとの戦いを通じての交流、和解も魅力。 --因みにコンピューター、特にソフトウェアに詳しいという、ガンダムのアムロの機械いじりを連想させる趣味を持っている。故に搭乗機のソルデファーのソフトウェア調整は彼が行なっている。 --特殊能力としてガンダムシリーズのニュータイプ(以下NT)を持っている。『[[第4次>第4次スーパーロボット大戦]]』の主人公がNT技能を、『[[A>スーパーロボット大戦A]]』の主人公はNTもしくは強化人間技能を持っていたが、これらが単なるステータスの底上げであったのに対し、アークはストーリー中でもNT的な存在として扱われており、アーク自身のガンダムシリーズのNTにありがちな勘の鋭さや物事の捉え方も手伝って、他のUC作品の面子と溶け込んでいるため''違和感がない''。 ---とどめは中盤で新型機へ乗り換えた際に''死亡した人物の残留思念と会話をする''というどこかで見たことのあるようなイベントが発生することだろう。 --専用BGM「悲しみの戦場へ」は悲壮な曲調の中に熱さを感じさせる正統派リアルロボット系。主人公専用曲の中でも特に評価が高い。 --搭乗機はソルデファー→アシュクリーフ。 -セレイン・メネス --リアル系女主人公。物語開始以前からゲリラに参加しており、1話において自身以外が全滅した状態でスヴァンヒルドに乗り生き残ることになる。 --ライバルのリッシュは、''口の端を歪めた薄笑いという顔グラフィック''に始まり、ケツ顎・無精髭・ボサボサの髪・馴れ馴れしい言動とかなりアレな人物。しかしその内面は大人としての渋さと真面目さを備えた、仲間思いの心の優しい青年であるため「綺麗なガウルン((『フルメタル・パニック!』の登場人物))」とも称される。説得が前提だが、ライバルキャラとしては味方になるのは彼が一番早い。 ---1話の出会いでいきなりリッシュに惚れられるのだが、彼女は終始一貫して冷たくあしらっている(このため最後まで恋愛補正は一方通行)。ただし味方になった後は「仲間の1人」程度には認識してもらえた模様。 --スヴァンヒルドの後継機ラーズグリーズに関して、勝手に戦闘データを使われ激怒するシーンがある。故にラーズグリーズが彼女の後半の搭乗機になるのだが。 --搭乗機はスヴァンヒルド→ラーズグリーズ。この機体、『太陽の牙ダグラム』のダグラムに激似なことで知られており、当時発売されていた攻略本でも指摘されている。 ---さらには部隊名のアイディアで''「ソーラーファング(太陽の牙)」''という名称を出そうとして自粛させられるネタまであり、意図がなかったとは思えない。 --彼女もまたニュータイプ技能を所持している。アーク程ではないにしろ、第1話からニュータイプらしい勘の鋭さを見せている。 --専用BGM「I'm Space Woman」は女性的ながらもクールなメロディラインが特徴。 -ブラッド・スカイウインド --スーパー系男主人公。武機覇拳流というロボットを使った格闘術を得意とする。 --バンプレストオリジナル主人公の中で最も悪人面であり、また本編開始まで山で修行していたが故に世間を知らずに育ったという珍しいタイプ。 --同門にカーツ・フォルネウスという男がいるのだが、途中で離反し、たびたび拳で語り合うことになる。 --ライバルのカーツを再度仲間にする条件が彼の撃墜数なのだが、機体特性的に条件を満たすのは結構大変である。 --アースゲインとヴァイローズは''規定のレベルに達すると強力な技が追加される''という、現在の視点から見ても独自のシステムを持つ。 --搭乗機はアースゲイン→条件次第でスーパーアースゲイン。アースゲインのままだと能力値が低くなるが、ライバル機が仲間になり合体攻撃(本ゲーム最大の攻撃力を誇る)が可能になる。 --クロスオーバー面では格闘家という点から『Gガンダム』のキャラと絡むことが多い。 --専用BGM「出動!大空へ」は渡辺宙夫氏を彷彿とさせる正統派スーパーロボット系。 -マナミ・ハミル --スーパー系女主人公。ハミル伯爵家の子女。こちらもバンプレストオリジナルでは珍しい、上流階級出身の主人公。彼女の執事もサブパイロットとして使用可能。 --その後の展開次第でスパロボ史上初の女性だけが乗った後継機が誕生する。 --そのためか、専用BGM「花散る嵐の如く」は明らかに「トップをねらえ! ~Fly High~」を意識した曲調となっている。 --後の説得でアイシャが新たなサブパイロットになる。その際に彼女を気遣い、執事がサブパイロットを降りる演技は、動揺するマナミを含め見ものである。 --搭乗機はスイームルグ→スイームルグS。マナミとアイシャの2人の掛け合いの戦闘会話は、大変面白いので全て見ることをオススメする。 --なお、アイシャはスイームルグが複座機なためか唯一『リンクバトラー』には登場しない。 --設定ミスなのか、スイームルグSになると切り払いができなくなる。 --後の作品に「カーク・ハミル」というスパロボオリジナルキャラクターが登場するが血縁関係は不明。 -アル=イー=クイス #region(物語中盤で現れ、プレイヤーをパニックへ陥れた謎の敵。) -その正体は、銀河先進文明と言われた古代文明の最後の生き残り。 -エントロピーの増大によって自分達が消滅する前に自らの後継者を探すため、銀河各地に争いの火種を撒いた本作の黒幕的な存在である。 -当初はムゲ帝王のムゲ帝国とズール皇帝の銀河帝国に期待していたようだが、この2つを地球人が撃破した為、自分達の後継者に地球人を選んだ。しかし当然拒絶され最後の戦闘となる。 -彼女(?)らの機体の攻撃法は氷、分身、業火、重力、隕石と結構独特であり、戦闘時の専用BGM「狂った飢餓戦士」と共に、強烈な印象が残った人もいるだろう。 -また、メンバーの一人であるアヴィ=ルーは、本作において「ゲッターロボ」の巴武蔵が戦死する元凶でもある。 #endregion #endregion **ルート分岐について 本作品では前述の通り、『ガンダムW』に関連したルート選択によって3つのルートに変化する。さらに選択により終盤2つのルートに分岐する。 #region(各ルート解説) -OZルート --本来なら敵であるジェリドやハマーン、果ては選択肢次第でシロッコ、バスク、ヤザン隊と共闘することになるという珍しい展開がウリなルート。 --最終的にOZでデルマイユとトレーズによる内部対立が起き、自軍はトレーズ派に付く為OZと敵対し、終盤にシロッコと闘うことになる。 --リアル男とスーパー女でこのルートを選択すると色々と複雑なライバルの裏事情が垣間見れる。 -独立軍ルート --こちらは『ガンダムW』の終盤のホワイトファング編が完全再現されており、カーンズも比較的早く登場する。こちらだとミリアルド率いるホワイトファングと死闘を繰り広げる。 //--また、食料危機や一時的な資材不足で一部ユニットがしばらく出撃出来なくなる事態が発生する。そういったステージはありません --本作品を象徴する、リアル系のシナリオ『その瞳に未来は映ることなく』を通るのはこのルートである。 --前述の五飛の迷言もこのルートで聞ける。完全平和ルート経由でも可。 --リアル男においてこのルートでライバルを説得すると「トレーズ派のOZに合流する」という、より彼にとって望ましい選択肢があるにもかかわらず、OZ全体を見限って仲間入りするというやや強引な展開になってしまう。 -完全平和ルート --『ガンダムW』のサンクキングダム崩壊までのシナリオが完全再現されているルート。 --これも選択肢次第で分岐するのだが、このルートを選ぶと「完全平和思想に共感できない」という理由で一部のキャラクターらが一時的に離脱する。 --また、スーパー系男でこのルートを選ぶと無条件でスーパーアースゲインを入手する。 --最後はサンクキングダムが崩壊する為、最終的にはOZルートか独立軍ルートのどちらかとの合流を選択することになる。 -ムゲ宇宙ルート --終盤の分岐ルートの1つ。1話のみ。 --『ダンクーガ』の原作再現でムゲ宇宙へ乗り込む。この際にデスガイヤー将軍と2度戦うが、復活後に倒すとキャラ次第で専用の撃破セリフが用意されている。 --また、展開の関係上ネェル・アーガマは破棄される。またムゲ宇宙では3日過ぎただけだが、外の世界では4ヶ月経っているという事が明らかになる。 -シャアの反乱ルート --『逆襲のシャア』の序盤で語られたフィフス・ルナ落としが再現されるルート。 --ここでの敵は、最初の選択で選んだ三つのルート次第で登場する敵が3つのパターンに分かれることになる。 --また、独立ルートならキャラかマシュマーの内説得した方が味方増援として現われ、さらにノイエ・ジールが入手出来る。 --プルとプルツーを仲間にしていると、キュベレイMk-IIの色をプルツーカラーにするか、プルカラーのまま残すか選択する。 --そして、アムロが『逆襲のシャア』時の衣装へ衣替えする。 --2話目からはムゲ宇宙へ行ったメンバーと合流するので、単独ルートとしては1話のみ。 #endregion ---- **問題点 ***ゲーム展開に影響を及ぼすバグが多い -限界反応バグ --機体の限界反応が全くの無意味であり、計算される数値に制限が掛からないというもの。SFC版『EX』にも同じバグが存在する。 --これにより、一部改造段階の高いユニットが限界まで性能を発揮できるようになった。代表的な機体が「アプサラス」及び「デンドロビウム」等の、限界が低く改造度が高いリアル系ユニットである。また、真ゲッター2も回避能力を思う存分発揮できるようになっている。 --ただしこれは、まともな運用ができないほど限界反応が低い機体が、限界反応バグによって運用できる…という、言わば怪我の功名によるものである。バグがあろうがなかろうが決して褒められたものではない((ガンダム試作3号機も真ゲッター2も、ベースとなった『F完結編』では限界反応があまりにも低くほぼ戦力外だった。))。 -超能力((命中・回避に最大30%の補正、及び攻撃力に最大1500の補正。))・聖戦士((回避に最大32%の補正、ハイパーオーラ斬りの攻撃力に最大1500の補正、オーラバリアの防御力に最大1500の補正。))バグ --この2つの特殊技能は、本来はレベル段階に応じて補正値が上がるのだが、バグにより''レベルがいくつだろうと常に最大値の補正''が掛かる。更に超能力に至っては、何故か''命中・回避に64%もの補正''が掛かっている。但しどちらも''攻撃力補正はこれまたバグにより無効''になっている。また、聖戦士のオーラバリアの補正は攻略本に載っている数値(+200~1000)よりも大きい。 --この恩恵を最も受けた機体がゴッドマーズで、''重装甲+超回避+高火力''という凄まじいユニットに変貌している。しかもパイロットが最終的に精神コマンド『奇跡』を習得するため、そこまで育てればどんな敵だろうが問答無用で叩き落とす。欠点といえば射程と移動力が低い事と、撃墜されるとゲームオーバーになる事ぐらい。とはいえ意図的に狙わないで撃墜される方が難しいくらいなのだが……。 --スーパー系は「ほぼ避けないユニット」というのが伝統だったため、びゅんびゅん回避しまくるゴッドマーズは多くのプレイヤーを唖然とさせた((原作未見のプレイヤーでも重厚なグラフィックからとても回避能力に長けたユニットには見えない上、原作でも「不動のロボ」と呼ばれる程動くことが少ないロボットだったので違和感もバリバリである。))。&br()ちなみに超能力を持っているパイロットは全てスーパー系であり、ユニットの運動性さえ何とかすればやっぱり避けてくれる。 -リアル系でOZルートを選択すると、ダイターン3が終盤まで自軍に加入されないバグがある。 --正確に言うと、終盤でムゲ宇宙ルートを選ぶとダイターン3が強制出撃するので、結果として加入する。シャアの反乱ルートを選ぶと最後まで加入しない。 ***システム面の問題 -『F/F完結編』程ではないが相変わらず攻撃力がインフレ気味。敵味方共にダメージの割合が大きく、装甲の影が薄い。 //--例えば、最序盤に加入するシュツルムディアスのビームキャノンをフル改造し、「熱血」を掛けてぶっ放せば、デビルガンダム相手でも15000以上ものダメージを叩き出せる……ゲームスタートから数話の時点でこれである(ただし、あくまでも解説用のたとえ話であり、全滅プレイをしないと最序盤にフル改造など不可能である)。 --このため、ゲーム終盤になると敵味方を問わず''「当たれば落ちる」''というケースが続出する。後述のダミーさえ外してしまえばボスクラスの敵でさえ一撃で墜ちるという事態も日常茶飯事。 --装甲が売りのスーパー系は「避けられないし当たれば落ちる」となってしまい使い勝手が下がってしまう。主役級であれば「ひらめき」や「鉄壁」など何かしらのコマンドは覚えるので戦っていくことはできるが、素の装甲頼みの戦い方は終盤にはできなくなる。 --本作は恋愛補正が''+30%''と非常に強力であり、これを活用すればとてつもないダメージを叩き出せてしまう。特にリンクバトラーを使うと序盤で加入可能なシーブック&セシリーコンビはバランスブレイカーである。 -『リンクバトラー』でリンクし一気にレベルが上がると、計算式の関係でこれまた攻撃力のインフレが起こり、装甲がほぼ無意味なものと化す。 --これに恋愛補正が加わるとさらに恐ろしいことになる。筆頭がGガンダムのドモン&レイン+アレンビーや、ガンダムF91のシーブック&セシリー。どちらも強力な攻撃および精神コマンドを所持している。 --『リンクバトラー』によるレベル上げを行わず、全滅プレイや修理ユニットを使ったレベル上げも控えれば、それなりのバランスでプレイできる。またスーパー系も装甲と運動性を改造して特殊能力の「底力」を利用すれば「落ちきらなければ避けられる」ようにはなる。改造費用と精神コマンドの消費等の燃費の問題もあり根本的な解決ではないが。 -このような事になった原因は、システムやパラメータ設定の大半が『F/F完結編』をベースにしているためである。 --例えばランドクーガーの性能は、装甲・運動性・限界反応を除けば、武器性能や修理費用に至るまで『F/F完結編』と全く同じである。 --システムも、命中撃破の気力増減、サイズによる命中修正、ダメージ計算式、経験値計算式すらも『F/F完結編』とまるまる同じ。 --よって、「攻撃力のインフレ」「野生化が実装されていない」「一部の機体にシールド防御発生演出がない」「スーパー系の大半が宇宙B」「リアル系優遇」といった『F/F完結編』に存在する問題点がほぼそのまま本作にも引き継がれている。結果終盤になると前戦で戦っている機体はリアル系ユニットだらけになることも珍しくない。 -ダミーシステムの存在。 --これはあらゆるダメージを数回(ユニットによって異なる)無効化する敵専用の特殊能力で、全てのダミーを破壊しなければダメージを与えられない。ただし精神コマンド「自爆」はダミーの影響を受けない。 ---主にリアル系の一部ボスが実装しているが、その数最大7つ。どんな弱い攻撃でもダミーを破壊できるとはいえ、実装しているのはル・カインやハマーン、シロッコ、ガトー、シャアといった、回避力が高く当てるだけでも大変な相手ばかりでかなりイライラさせられる。ただしラスボス勢には一切なし。 -20話前後という早いタイミングでラスボスの一人と戦う、という衝撃の展開がある。 --従来のシリーズであれば顔見せ程度でターン経過やHP減少による途中撤退が入るのが常だったが、''必ず倒さないといけない''。 --能力値も最終話仕様のまま。なおかつ特殊能力により毎ターンHPが30%回復するため、1ターンで止めを刺さないとまず勝てない。 --自軍の状態によってはダメージが全く与えられないという事態も有り得るし、そうなったプレイヤーの体験談も多い。 -一部ユニットの改造引き継ぎのデータ管理 --ゲーム前半の母艦は、ミデア→アウドムラ→アルビオン→アーガマと順次乗り変えていくが、ミデアとアウドムラの改造は引き継がれない。引き継がれるのはアルビオン→アーガマからとなる。 --『ガンダムW』の初期のガンダム5機の改造は後期機体に引き継がれないため、改造するかは判断の迷うところ。 ---原作では別機体であるウイングガンダムとウイングガンダムゼロはともかく、その他4機は初期機体の改修機であるため引き継がれないのは納得がいかないところだろう。 --ガンダムシュピーゲルは途中で離脱し、再加入時には改造がリセットされてしまう。上述のガンダムWに輪をかけて納得できないだろう。 -ロボット大図鑑とキャラクター辞典が無い。 --図鑑・辞典は原作や設定の解説があり、未経験者にとって重宝していたため、これがない事を不満に思うプレイヤーは多かった。 --これはエーアイ製スパロボが今なお抱えている問題点であり、実装されているのはリメイク作の『AP』のみである。 -キャラクターの音声が無い。 --ROMカートリッジはディスクメディアに比べ容量の面でかなり不利であり、情状酌量の余地はあるものの、据え置きスパロボでは音声有りがデフォルトになりつつあったため、上記と同様に不満に思うプレイヤーは多かった模様。 --テンポがいいという評価点もあるが、『新スパ』や『F/F完結編』経験者は戦闘が味気なく感じられるのではないだろうか。 -セーブデータ数が少ない。本ソフトに保存できるセーブデータは2つであり、増やすにはコントローラーパック(2つ拡張)が必須となる。 ***参戦作品の扱い -『08小隊』はキャラクターはシローとアイナの2人だけ、機体もEz-8とアプサラスのみで、原作再現も殆どない。 --シローは能力値も精神コマンドも中途半端で、言い方は悪いが2軍に毛が生えたレベル。Ez-8も宇宙適応Cなので戦力外。 --一方でアイナは精神コマンドが非常に優れているため支援に向いており、アプサラスはΖガンダム並みの初期能力でありながら改造段階が非常に高く、P兵器はないが本作最強のMA。 --因みにギニアスは存在が遠回しに語られるのみで決着がつくことはない。ノリスに至っては影も形も存在しない。 -『0083』はユニットが4機+戦艦1隻で、パイロットもコウとガトーの二人のみ。機体の性能こそ優秀だがこちらも原作再現は皆無。 --本作のコウは過去作に比べ能力値が引き上げられ、充分一線を任せられる強さになった。先述の通り機体も強力。ただし2回行動がすこぶる遅いことと、今作においても自軍にニュータイプや強化人間も多くいるため、試作3号機を奪われて倉庫番になることも。 --ライバルであるガトーはルートによってはコウよりも遥かに目立つが、コウとの絡み自体は殆どない。しかも''敵組織に監禁されている状態で登場する''という何とも情けない登場のし方をする。ソロモンの悪夢が悪夢を見る羽目になるとは。 ---そのガトーもルートと選択肢次第で仲間入りするのだが、''終盤に無条件で裏切る上に機体も持ち逃げする''ため仲間にする価値があるかは微妙なところ。 -『蒼き流星SPTレイズナー』はいわゆる第2部からのスタートだが、グラドス帝国はムゲ帝国の被支配国として地球を支配しているという微妙な立場。 --機体はどれもこれも微妙。レイズナーは別格の強さを持つが、エイジが「集中」を覚えないため、活躍させるには多大なるお金が必要となる。 -『ジャイアント・ロボ』がシリーズ初参戦でありながら冷遇気味。 --ジャイアント・ロボは足が遅く装甲も微妙、必殺技の弾数も少ないとあらゆる点で微妙な性能。''攻略本にもはっきりと「弱い」と書かれる始末''。 --その隠しユニットである銀鈴ロボ((外伝OVA『鉄腕GinRei』に登場した機体))は、パイロットが前述の超能力持ちな上「魂」を覚え、機体の改造段階も高いと原作に反して明らかにジャイアント・ロボよりも強い。入手条件もそこまで難しくない為、条件を満たしたらロボを倉庫番にするプレイヤーが非常に多かった。 --原作同様とはいえBF団は''とにかく目的も行動理由も意味不明。''終盤や続編への伏線であるなら十分理解できるのだが、''そんな事は無かった。'' ---終盤でいきなり銀河帝国に接触し、グラドスの刻印を探すのだが目的は不明。BF団の幹部でさえ「(地球を滅ぼそうとしている銀河帝国に加担すると)地球が無くなってしまえばBF団も世界征服もない、この行動は''あまりに無意味''で危険なこと」''「奴らが勝てば我々が生き残る保障が無い」''と愚痴をこぼす始末である。 ---当の銀河帝国側もBF団を指し''「自分達が滅ぼされるのに手を貸すなど聞いたこともない」''と呆れてしまっている。一方ズール皇帝は刻印を警戒してはいるものの、何を探しているのかを聞かれると''「わからん」「何万年か前に設置された何かがある」''という少々間抜けな回答をしてしまっている。 ---刻印発動後にもBF団幹部のやりとりがあるのだが、作戦は失敗したというのに孔明は「BF団の悲願の第一歩」「全てビッグファイアの意志」と主張するばかり。最後に''「もう1つ仕事が残っている」''といかにも意味深な台詞を吐くのだが、このやりとり以後''BF団は一切登場しなくなる''。 ---結局''決戦シナリオが存在せず、終盤でフェードアウトしいつの間にか登場しなくなる''という冷遇ぶりである。攻略本でも''「全てが謎」''という書かれ方をされていた。ビッグファイアにせよ孔明にせよ、一体何がしたいのだろう? ---原作のラストも大規模な作戦失敗後に何がしたかったのかよく分からないまま終わるため、一応原作再現にはなっているのだが如何せん後味の悪い結末である。 --一方でクロスオーバー面では、イベント戦闘とはいえ、衝撃のアルベルトがGガンダムのドモンや東方不敗と''生身で戦う''シーンがある。しかも衝撃のアルベルトと東方不敗は''中の人が同じ''という夢の対決。 ---更にルート次第では''「一般兵に東方不敗と間違えられて激怒する衝撃のアルベルト」''という笑える描写もある。 -『Gガンダム』はシナリオ面と攻撃力で優遇されているが、機体に癖があり過ぎて使いにくい。 --シャッフル同盟は移動力が低く空も飛べないためとにかく足が遅い。対空攻撃も少なく、またガンダムローズ以外全員射程が短い。改造段階も控えめ。 ---更に最強武器の攻撃力がレベルで決まる仕様であり、最終的な攻撃力はかなり高くなるが、逆を言えばかなり意図的にレベルを上げないと十分な攻撃力を発揮できない。 ---スーパーモードの関係で気力が130以上ないと真価を発揮せず、5機を運用するとなると激励要因がいくらあっても足りない。シャッフル同盟拳は確かに強力なのだが……。 ---特にボルトガンダムは特殊能力や対空攻撃に乏しく、しかも最強武器が他4機と違って地上でしか使えないという有り様。 --このため、シャッフル同盟5機を使うより、ゴッド・シュピーゲル・ノーベルの3機運用の方が実用性が高い。 ---シュピーゲルはミノフスキークラフト必須だが移動力が6ある上に攻撃力がそこそこあり、分身・激励・かく乱持ち。ノーベルは使い勝手こそ悪いが、パートナー補正と合体攻撃により非常に高い火力を発揮する。しかしこの2機には「条件付き参戦」という別の問題が……。 ---これらの欠点は『A』では武器の射程を見直す事で、『R』では武器を一括改造にする事で解消される事になる。 //スーパーモードとレベル上げによる最強武器の攻撃力増強を、考慮してない視点にしか思えない。さらにGガンダムにおいてはMAP兵器すらあるのに、これよりシュピーゲルやノーベルの使い勝手の方がいいというのは偏っている。 //↑あなたこそ、それ以外を考慮していない。シャッフル同盟4機は全員移動力5で足が遅く、ローズ以外は最大射程3~4(ローズはP兵器が射程1)、改造段階9で最強武器が改造不可。シュピーゲルは最大射程3でミノクラ必須だが、改造段階11、移動力6で分身持ち、シュバルツが激励かく乱持ち、攻撃力も4450まで上がる。ノーベルは射程に難があり移動力も5だが、改造段階11、アレンビーが挑発習得、攻撃力が4050まで上がり、合体攻撃+パートナー補正でゴッドに次ぐ高火力。シャッフル同盟は気力130が必須だが、シュピーゲルは110、ノーベルは115あればいい。改造段階の関係で機体性能もシュピーゲルノーベルの方が上。結果、最終攻撃力は高くても、実用性は「シャッフル同盟5機」を使うより「ゴッド・シュピーゲル・ノーベル」の3機を使う方に軍配が上がる。そもそも今「決戦!皇帝ズールとの対決! 後編」レベル45まで進めたが、石破天驚拳の攻撃力が4200とコスパが酷い。 --師匠は1度だけ共闘するマップがあるのみで、最終的に死亡し仲間にはならない。またルート展開によっては最後までドモンと解り逢えない可能性も。 -『逆襲のシャア』再現の都合上、最終的に''クワトロは無条件で裏切る''ため育てるメリットがない。攻略本でも''「困った人」''呼ばわりされていた。 --一方でクワトロを取り巻く部下であるアポリー、ロベルト、キグナンのうち、ギグナンがクワトロが裏切った後にネオジオンに鞍替えしたのに対し、アポリーとロベルトは自軍に最後まで残り続けるのにクワトロが裏切った後も一切台詞や絡みもないなど、描写不足ともとれる面がある。 --条件を満たすとクェス・パラヤが仲間になる。しかし使用可能なのは最終話のみで使うに使えない。そしてクェス自身もシナリオには全く絡まないうえ、仲間になる条件もクェスとはあまり関係が無い。仲間に加入したという描写は「パイロットを1名回収した」という台詞のみで、クェスが何故自軍に協力するかすらも語られない。しかも記憶喪失になっている状態で加入するのだが、クェスは大丈夫なのだろうか? //シャアって宇宙の渦(Z最終話再現シナリオ)で行方不明になった理由と、逆襲を起こした理由が少々説明不足な気がしたんだけど気のせいだろか?プレイしたのが結構前でうろ覚えで申し訳ないけど。 -『ガンダムW』はストーリー面でも挙げられているように超優遇されているが、それでも一部に問題あり。 --独立軍ルートだと、ストーリー的にも重要な、記憶喪失のトロワが記憶を取り戻すイベントがない(OZルートでは記憶を取り戻した上で仲間になる)。 --前期機体は機体性能はそれなりだが改造段階が低く、改造しても後にリセットされるため活用し辛い。移動力と射程にも難がある機体が多い。 --後継機をフル改造するとEW版の機体に変化し、機体性能が大幅に上昇する。ウイングゼロとヘビーアームズは順当に強化されると言ってよいが、デスサイズとサンドロックは最大射程が1になり、使い勝手がかなり悪化してしまう。アルトロンはビームキャノンを失うが、最大射程3のドラゴンハングがあるため、その2機よりは扱いやすい。ただし、3機ともに今作では格闘武器が一切空に届かない。 ---エピオンは『F/F完結編』同様に不遇極まりない扱い。性能が全てにおいてトールギスIIIより劣っており、尚且つ改造段階も低い。更に射撃値が高いゼクスと武器が全く噛み合わず、最大射程も3。「ギリギリだが、叩ける!」というゼクスの戦闘台詞が涙を誘う。しかも終盤ではトールギスIIIとの2択になってしまう。 ---当のトールギスIIIは改造段階が高いのに初期能力の高さが尋常ではない。移動後攻撃可能なヒートロッドも備えているほか、ゼクスの射撃値も相まって最強のMSであり、事実上エピオンを残す意味は全くと言っていいほどない。弱点は弾数の少なさと登場の遅さのみ。 --また、ノインとヒルデはトーラスから乗り換えができない。トーラスも資金をつぎ込めばそれなりに強くなる機体なだけに少々残念である。 -リンクバトラーとの接続によって参戦する3作品はゲスト参戦同然の扱いのため、参戦後は居なくても成立する当たり障りのない台詞をほんの少量喋るのみ。 -ラスボスを倒した後の展開があっさりしすぎている。 --「ラスボスとの会話→地球圏へ帰還しこれまでの戦いを振り返る→スタッフロール」で終了である。''後日談的なエピソードなどない。''参戦作品やオリキャラが魅力的だっただけに戦いの後彼らがどうしているか描いてほしかったという声は多い。 --前述の通りBF団は壊滅しておらず、孔明の示唆した「もう1つの仕事」についても完全放置。地球に戻ってもまだBF団との戦いが起こる可能性もあるわけである。というか自軍からも存在を忘れられているのではないだろうか? ---- **総評 占領下から始まるダークで独特なストーリーや、魅力的な四人のバンプレストオリジナルキャラ、複数回の分岐によるストーリーの変化など長く楽しめる作品。~ システムはまともなバランス調整がされた『F/完結編』といった具合であり、この仕様を好むプレイヤーならばかなり楽しめるだろう。 ---- **余談 -寺田貴信元プロデューサーが[[2023年8月にX(twitter)で明かした>https://twitter.com/TakanobuTerada/status/1687569940029784066]]ところによれば、本作発売当時からの契約によりスパロボ開発サイド(当時はバンプレスト)は本作品のオリジナルキャラクターや機体の著作権を完全には保有しておらず、本作単体では使用可能(例:トレーディングカードの『スクランブルギャザー』)だが、OGシリーズへの出演といった2次使用は難しいとのこと。 --かつて本作の要素がOGシリーズに登場しないことについて「揉めているわけではない」と発言していたのもそういった理由。 --後に発売された『[[スーパーロボット大戦A]]』ではこういった事情を踏まえて、本作品の主人公機やライバル機をモチーフにした主人公機やラスボス機を登場させたとのことで、こちらはOGシリーズへの出演も果たしている。ただし内2機は原型機とはかなり戦闘法が異なっている。 ---ラスボスにあたる「ツヴァイザーゲイン」は「スーパーアースゲイン改」として登場させるアイディアもあったと言われており、没データなどにその片鱗を見ることができる。 --OGシリーズには本作品のオリジナルキャラクターや機体は登場していないが、「ソウルゲイン」のプラモデル解説書のように、『A』オリジナル機体の技術的系譜に本作主人公機を匂わす設定が付属している物もある。寺田氏の脳内構想には設定が存在しているらしいが、前述のように権利的な事情で、公式では「モチーフになっているが設定に繋がりは無い」という扱いになっている。 -後に同人作品ではあるが、『スーパーロボット大戦64データベース』が販売されている。 -本作品のタイトルテーマ「熱き魂」は、当時のPVでは歌詞が付いたものが使用されMIO氏が歌っているのだが、残念ながらサントラが発売されていないだけでなく「スーパーロボット魂 ザ・ベスト」でも収録されていないため未だにCD化されていない。 -本作のCMナレーションは、明神タケル役の水島裕氏が務めた。またゴッドマーズの声付き参戦はこれより12年後の『第2次Z』まで待つことになる。
*スーパーロボット大戦64 【すーぱーろぼっとたいせん ろくよん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069THO)| |対応機種|ニンテンドウ64|~| |メディア|256MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|招布&br()エーアイ|~| |発売日|1999年10月29日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要・特徴 -ニンテンドウ64で発売された唯一のスパロボ。 -開発元の招布は任天堂とハドソンの共同出資で設立された会社でありその招布とバンプレストが共同開発を行ったのが本作である。 #region(参戦作品一覧) -マジンガーZ -グレートマジンガー -UFOロボ グレンダイザー -ゲッターロボ -ゲッターロボG -真ゲッターロボ(原作漫画版) -機動戦士ガンダム -機動戦士ガンダム 第08MS小隊 -機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムZZ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動武闘伝Gガンダム -新機動戦記ガンダムW -無敵鋼人ダイターン3 -聖戦士ダンバイン -蒼き流星SPTレイズナー -超電磁ロボ コン・バトラーV -六神合体ゴッドマーズ -超獣機神ダンクーガ -ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- -バンプレストオリジナル 『リンクバトラー』からの参戦作品 -機動戦士ガンダムF91 -無敵超人ザンボット3 -戦国魔神ゴーショーグン #endregion -新規参戦作品は無し。参戦作品はすべて直前に発売された『リンクバトラー』と重複しているためである。 --ゴッドマーズは設定上撃墜されると問答無用でゲームオーバーになる。 -主人公はリアル・スーパーと男・女の組み合わせ計4人から選択で、後の『[[第2次α>第2次スーパーロボット大戦α]]』『[[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]』を先取りしている。 --選んだキャラにより主人公機やライバル、シナリオが変化する。また本作よりオリジナル主人公が明確にシナリオに絡むようになった。 -ROMカートリッジの仕様上、当時のスパロボとしては格別の快適さを誇る。特にセーブやロードはほぼ一瞬で終わる。 -シリーズ初の「合体攻撃」「改造限界の差別化」「撃墜数ボーナス」(本作での仕様は獲得資金が上昇)「底力のLV制導入」、後の携帯機で採用される「自軍パイロットのレベルに応じた敵パイロットのレベルの変動」と、後の作品のスタンダードといえるシステムを採用。 -『[[F/完結編>スーパーロボット大戦F]]』に引き続き一部の武器をフル改造すると追加武器が出るが、本作ではボーナス扱いのため追加料金なしで追加できる。 -敵のレベルは固定ではなく、プレイヤーのレベルの上位数名の平均に応じたものになっている。そのため、基本的にプレイヤーと敵の強さに大きな差は発生せず、緊張感のある戦いを持続できる。 --ただしその敵のレベルには上昇限界がある。一方プレイヤーの限界値はそれをはるかに上回る。 -2回行動のレベルが引き下げられた。全てのパイロットに当てはまるわけではないが、リアル系ならレベル30~40代、スーパー系でもレベル50代までに2回行動が出来る。 -独自のシステムとして『[[スーパーロボット大戦リンクバトラー]]』とのデータリンクと「ダミー」システムがある。それぞれ詳細は後述。 ---- **評価点 ***戦闘面の演出の向上 -戦闘アニメは『F/完結編』と同レベルであり、ドットグラフィックも『新スパ』には及ばない。 --しかし本作では背景・地形が3D化されており、従来の2D作品にはない遠近感を持たせている。また、近距離用武器や合体攻撃の多くでズームアップしたり、奥から手前に突進する等の演出が用いられており、『α』とは別の方向性で進化を果たしたと言える。 --クオリティこそSFCと大差ないレベルだが、機体・パイロットのカットインもそれなりに用意されている。 --画面上下のステータスやメッセージウインドウを常時半透明化させることで、戦闘画面を広く感じさせているのも特徴である。 -キャラクターグラフィックは、従来作の顔のみではなく、バストアップのものになりキャラクター性が強調されている。 --同時期に開発された『α』でもバストアップのグラフィックは用意されているがインターミッション専用であるのに対し、本作はインターミッション・戦闘アニメ共にバストアップのグラフィックが使用されている。 ---ただし、「Gガンダム」など一部のキャラクターを除いて表情は一種類だけである。 --ジャイアント・ロボのグラフィックは、ロボの顔の横に大作が掴まっているのだが、宇宙や水中での戦闘では大作が宇宙服を着たグラフィックに差し替えられるという細かな演出がある。 -スパロボでは初めて合体攻撃が実装された。複数ユニットを使用した強力な攻撃が使用可能となり、原作再現もしやすくなった。 --アイデア自体は以前から存在していたが、『新スパ』や『F/完結編』はディスクメディアだったため、ロード時間の関係で見送られていた。本作ではROMカートリッジを使ったためロード時間の問題がなく、よって採用された。 --黒い三連星によるジェットストリームアタック((しかし機体は残念ながらドムではなくドライセン。攻略本でも「ドライセンがジャイアントバズを持っている」と突っ込まれてしまった。ただし発売から約15年近くを経てジャイアントバズを装備したドライセンが本当に公式で登場した。))をはじめとする敵3人小隊による連携攻撃の再現や、マジンガー系とゲッターロボによるファイナルダイナミックスペシャル((マジンガーシリーズとゲッターロボシリーズがダイナミック企画の作品であることから。))等が登場した。 --バンプレストオリジナルにおいては、スーパー系男主人公で使用可能。習得が非常に特殊で後継機の入手との2者択一だが、演出・破壊力共に凄まじい。 ***ゲームバランス -''ゲームバランスは良好''。『F/完結編』に比べれば、ユニット間の格差は少なく、どのキャラクターも使ってもそれなりに活躍できる。主役級は主役らしく強く設定されており、覚える精神コマンドもまともなラインナップになっている。 -相変わらずNTや聖戦士は強いが、コウやシローのようなオールドタイプを使っても十分攻略できる難易度。 -リアル系が有利なバランスは変わらないが、スーパー系も2回行動が早めに設定されているので、終盤になると強さで追いつける。「宇宙B」という欠点を持つユニットも多いが、決して戦えないほどではない。 ***音楽 -BGMは大絶賛されたセガサターン版『F/完結編』には流石に及ばないが、それでも『α』と同等のクオリティを誇っており、一部を除いては概ね良好と言える。 --特にガンダムWのBGMである「JUST COMMUNICATION」は本家スパロボで唯一フルサイズ収録されている((スーパーヒーロー作戦などではフルサイズ収録されている))。他作品ではアレンジがかっていた「FLYING IN THE SKY」もかなり明るいイメージになり、より原曲のイメージに近くなった。 --マップや戦闘などのオリジナル曲も好評。本作では、敵、味方いずれのフェイズでも音楽が共通しており、それに準じた曲調となっている。 ***ストーリー -地球が外宇宙からの侵略者に占領された状態から物語がスタートするという、シリーズの中でも異色な舞台設定。そうなった理由は''一年戦争により地球・宇宙双方が疲弊したせいで異星人の侵略に対抗しきれなかった''と万人が納得できる設定がプロローグで説明される。 --外宇宙からの侵略者(ムゲ帝国)に加え、ムゲ帝国の手先となった地球人(スペシャルズ)による二重の支配が行われており、さらに地球に潜んでいた人類以外の第三勢力も出現してムゲ帝国に協力、さらに別の異星人連合も現れて…という四面楚歌の状況。そのため、自軍はあくまで少数による抵抗勢力として描かれており、それ相応の苦境に立たされる場面もある。 ---特に中盤以後では''精神安定剤や栄養剤を投与されるキャラクター''や''食糧危機や資材不足による出撃不可に陥る''など過酷な描写がある。 --敵首領を倒すためだけとはいえ、スパロボでは初めて外宇宙にまで足を伸ばした作品である。 -スパロボシリーズ中でも屈指のクロスオーバーシナリオ。先の世界観を生かし、主人公や版権キャラの濃密な交錯が実現している。 -UCガンダム系 --DC戦争シリーズではやや不遇な傾向にあった『ガンダムZZ』が優遇されている。 ---マイナーキャラの参戦(ガザの嵐隊や3D等)やアクシズとの共闘、特に最終決戦の三つ巴の戦いの完全再現はファンなら歓喜もの。 ---序盤からシュツルムディアスが加入し、ビーチャが僅かレベル38で「奇跡」を覚える等、機体・パイロットの性能面でもなかなか。マシュマーもしくはキャラが愛機と一緒に正式加入するのも嬉しい配慮である。 --地味なところではあるが『Ζガンダム』のジャミトフ・ハイマンが原作同様に、曲がりなりにも地球圏の人間を考えている思慮深い人物として描かれている。 ---他のスパロボではバスク同様に「地球人さえよければ全て良しという理念の元、スペースノイドを弾圧する極悪人」と描かれがちなジャミトフが、原作同様のキャラクターとして描かれたのは今日に至るまで今作くらいである。 ---物語序盤では小説版Ζガンダムの台詞を元にスパロボの世界観を加見して本気で地球圏の事を憂いている姿は、ジャミトフが本来どんな事を考えていた人物なのかがよくわかる描写となっている。 --本作でシナリオ的に初めて『逆襲のシャア』が完全再現された。 -『機動武闘伝Gガンダム』もドモン以外のシャッフル同盟4人や、彼ら以上に参戦機会が少ないキラル・メキレルが初登場。 --キラルは当初からトレーズの暗殺を狙い、終盤は条件付きで『ガンダムW』のマグアナック隊を率いて救援に駆けつけるなどやたら目立つ。 -『新機動戦記ガンダムW』は、『[[新>新スーパーロボット大戦]]』、『[[F>スーパーロボット大戦F]]』での酷い扱いが嘘のように優遇されている。 --5体のガンダムは『F』の雪辱を果たすような強さ。さらに5体とも『Endless Waltz』の機体にパワーアップできる隠し要素もある。社交的な性格であるデュオとカトルは早々に自軍に加入し、他の三人も早めに加入する。 --原作再現はシリーズの中でも多めで、機体のほうもトラゴスやパイシーズといったマニアックな機体が揃い、登場人物もアレックス、ミュラーといった一話のみの脇役や、作品の中で重要な立ち位置にもかかわらず登場の機会に恵まれないカーンズといった人物が登場する。この3名に関しては『[[第2次スーパーロボット大戦Z再世篇>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]』での登場まで、64が唯一の出演であった。 --中盤の手前において「OZ(『ガンダムW』の敵組織)からの勧誘を受けるか」という選択肢があり、今後の展開が大きく変化する。 ---敵組織といっても、本作におけるOZはトレーズをはじめとする「スペシャルズ内の反帝国派が打倒帝国のために組織した」もの。スペシャルズへの不信もあり、内部情勢は穏やかではないものの、味方が悪に走るわけではない。 ---ルートは大きく分けて3つ存在し、OZと手を組まない場合にはサンクキングダムの「完全平和主義」に同調するかという選択肢がある。各ルートの詳細は後述。 --ただしメインキャラの五飛の扱いについては賛否両論。終盤で洗脳され敵として出てきた際の「''ズール皇帝こそが正義だ''」という発言は、その後の彼のシリーズにおける立ち位置を''色んな意味で''確固たるものにした。((後のCOMPACTでは内部処理で中国読みのチャン・ウーフェイではなく日本語読みのちょう ごひ扱いされている事もネタに拍車をかけている)) ---このイベントが余りにも強烈過ぎる為変な印象を持たれがちだが、彼の名誉の為に言っておくと、原作では生身での戦闘能力だけでなく、ガンダムパイロットの中で唯一敵の罠を見抜くなど頭脳面でも優秀である。 ---後の作品においては敵対することこそ多いものの、こういった優秀な部分がシナリオ上で活かされるようになり(いい意味でネタ化した『[[L>スーパーロボット大戦L]]』や、オリジナル主人公から頼られる『[[第2次Z>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]』はその極致)、上記のセリフは過去の遺物となりつつある。 -スーパー系などの70年代の参戦作品からも、旧シリーズに登場しなかった多くのキャラ・ユニットが登場しているほか、シナリオもそれまで再現されなかった部分が再現されている。 --例を挙げるとエリカ(マジンガーZ)やヤヌス侯爵(グレートマジンガー)、暴竜鬼(ゲッターロボG)など。 -『ダンクーガ』も飛行ブースター無しの状態やガンドール、ムゲ帝国の初登場などようやくまともな原作再現がされた。 --開始時点でムゲ帝国が地球を占領しているという衝撃的な事態から開始されたほか、『レイズナー』のグラドス軍を傘下に収めているなど、クロスオーバーも充実している。 ***リンクバトラーとのリンク -外部機器が必要ではあるがレベルを引き継いで遊べる為、スパロボ初の周回引継ぎと言える。高レベルのゴーショーグンを使う事で序盤から大量の資金を獲得することも可能。 ***バンプレストオリジナルキャラ関連 主人公は4名。乗機は固定である。スーパー系男のみ後継機の有無は選択制。 -リアル系主人公の二人はともに悲壮感漂うシナリオ展開。男主人公は富野由悠季作品、女主人公は高橋良輔作品を意識したようなキャラ・機体設定となっており、どちらも最初から死を覚悟して戦いに望むことになる。 -戦闘時の専用BGMについても各キャラの性格をうまく反映しており評価が高い。 #region(オリジナルキャラの詳細) -アークライト・ブルー --リアル系男主人公。愛称はアーク。ゲリラ狩りに巻き込まれ、偶然見つけたソルデファーに乗り込んで戦うことになる。リアル系の王道、いわゆる「巻き込まれ型」の展開だが、さらに第1話の時点で''育て親の親族と幼馴染を失う''という不幸過ぎる身の上をもつ。 --ライバルであるエルリッヒとの戦いを通じての交流、和解も魅力。 --因みにコンピューター、特にソフトウェアに詳しいという、ガンダムのアムロの機械いじりを連想させる趣味を持っている。故に搭乗機のソルデファーのソフトウェア調整は彼が行なっている。 --特殊能力としてガンダムシリーズのニュータイプ(以下NT)を持っている。『[[第4次>第4次スーパーロボット大戦]]』の主人公がNT技能を、『[[A>スーパーロボット大戦A]]』の主人公はNTもしくは強化人間技能を持っていたが、これらが単なるステータスの底上げであったのに対し、アークはストーリー中でもNT的な存在として扱われており、アーク自身のガンダムシリーズのNTにありがちな勘の鋭さや物事の捉え方も手伝って、他のUC作品の面子と溶け込んでいるため''違和感がない''。 ---とどめは中盤で新型機へ乗り換えた際に''死亡した人物の残留思念と会話をする''というどこかで見たことのあるようなイベントが発生することだろう。 --専用BGM「悲しみの戦場へ」は悲壮な曲調の中に熱さを感じさせる正統派リアルロボット系。主人公専用曲の中でも特に評価が高い。 --搭乗機はソルデファー→アシュクリーフ。 -セレイン・メネス --リアル系女主人公。物語開始以前からゲリラに参加しており、1話において自身以外が全滅した状態でスヴァンヒルドに乗り生き残ることになる。 --ライバルのリッシュは、''口の端を歪めた薄笑いという顔グラフィック''に始まり、ケツ顎・無精髭・ボサボサの髪・馴れ馴れしい言動とかなりアレな人物。しかしその内面は大人としての渋さと真面目さを備えた、仲間思いの心の優しい青年であるため「綺麗なガウルン((『フルメタル・パニック!』の登場人物))」とも称される。説得が前提だが、ライバルキャラとしては味方になるのは彼が一番早い。 ---1話の出会いでいきなりリッシュに惚れられるのだが、彼女は終始一貫して冷たくあしらっている(このため最後まで恋愛補正は一方通行)。ただし味方になった後は「仲間の1人」程度には認識してもらえた模様。 --スヴァンヒルドの後継機ラーズグリーズに関して、勝手に戦闘データを使われ激怒するシーンがある。故にラーズグリーズが彼女の後半の搭乗機になるのだが。 --搭乗機はスヴァンヒルド→ラーズグリーズ。この機体、『太陽の牙ダグラム』のダグラムに激似なことで知られており、当時発売されていた攻略本でも指摘されている。 ---さらには部隊名のアイディアで''「ソーラーファング(太陽の牙)」''という名称を出そうとして自粛させられるネタまであり、意図がなかったとは思えない。 --彼女もまたニュータイプ技能を所持している。アーク程ではないにしろ、第1話からニュータイプらしい勘の鋭さを見せている。 --専用BGM「I'm Space Woman」は女性的ながらもクールなメロディラインが特徴。 -ブラッド・スカイウインド --スーパー系男主人公。武機覇拳流というロボットを使った格闘術を得意とする。 --バンプレストオリジナル主人公の中で最も悪人面であり、また本編開始まで山で修行していたが故に世間を知らずに育ったという珍しいタイプ。 --同門にカーツ・フォルネウスという男がいるのだが、途中で離反し、たびたび拳で語り合うことになる。 --ライバルのカーツを再度仲間にする条件が彼の撃墜数なのだが、機体特性的に条件を満たすのは結構大変である。 --アースゲインとヴァイローズは''規定のレベルに達すると強力な技が追加される''という、現在の視点から見ても独自のシステムを持つ。 --搭乗機はアースゲイン→条件次第でスーパーアースゲイン。アースゲインのままだと能力値が低くなるが、ライバル機が仲間になり合体攻撃(本ゲーム最大の攻撃力を誇る)が可能になる。 --クロスオーバー面では格闘家という点から『Gガンダム』のキャラと絡むことが多い。 --専用BGM「出動!大空へ」は渡辺宙夫氏を彷彿とさせる正統派スーパーロボット系。 -マナミ・ハミル --スーパー系女主人公。ハミル伯爵家の子女。こちらもバンプレストオリジナルでは珍しい、上流階級出身の主人公。彼女の執事もサブパイロットとして使用可能。 --その後の展開次第でスパロボ史上初の女性だけが乗った後継機が誕生する。 --そのためか、専用BGM「花散る嵐の如く」は明らかに「トップをねらえ! ~Fly High~」を意識した曲調となっている。 --後の説得でアイシャが新たなサブパイロットになる。その際に彼女を気遣い、執事がサブパイロットを降りる演技は、動揺するマナミを含め見ものである。 --搭乗機はスイームルグ→スイームルグS。マナミとアイシャの2人の掛け合いの戦闘会話は、大変面白いので全て見ることをオススメする。 --なお、アイシャはスイームルグが複座機なためか唯一『リンクバトラー』には登場しない。 --設定ミスなのか、スイームルグSになると切り払いができなくなる。 --後の作品に「カーク・ハミル」というスパロボオリジナルキャラクターが登場するが血縁関係は不明。 -アル=イー=クイス #region(物語中盤で現れ、プレイヤーをパニックへ陥れた謎の敵。) -その正体は、銀河先進文明と言われた古代文明の最後の生き残り。 -エントロピーの増大によって自分達が消滅する前に自らの後継者を探すため、銀河各地に争いの火種を撒いた本作の黒幕的な存在である。 -当初はムゲ帝王のムゲ帝国とズール皇帝の銀河帝国に期待していたようだが、この2つを地球人が撃破した為、自分達の後継者に地球人を選んだ。しかし当然拒絶され最後の戦闘となる。 -彼女(?)らの機体の攻撃法は氷、分身、業火、重力、隕石と結構独特であり、戦闘時の専用BGM「狂った飢餓戦士」と共に、強烈な印象が残った人もいるだろう。 -また、メンバーの一人であるアヴィ=ルーは、本作において「ゲッターロボ」の巴武蔵が戦死する元凶でもある。 #endregion #endregion **ルート分岐について 本作品では前述の通り、『ガンダムW』に関連したルート選択によって3つのルートに変化する。さらに選択により終盤2つのルートに分岐する。 #region(各ルート解説) -OZルート --本来なら敵であるジェリドやハマーン、果ては選択肢次第でシロッコ、バスク、ヤザン隊と共闘することになるという珍しい展開がウリなルート。 --最終的にOZでデルマイユとトレーズによる内部対立が起き、自軍はトレーズ派に付く為OZと敵対し、終盤にシロッコと闘うことになる。 --リアル男とスーパー女でこのルートを選択すると色々と複雑なライバルの裏事情が垣間見れる。 -独立軍ルート --こちらは『ガンダムW』の終盤のホワイトファング編が完全再現されており、カーンズも比較的早く登場する。こちらだとミリアルド率いるホワイトファングと死闘を繰り広げる。 //--また、食料危機や一時的な資材不足で一部ユニットがしばらく出撃出来なくなる事態が発生する。そういったステージはありません --本作品を象徴する、リアル系のシナリオ『その瞳に未来は映ることなく』を通るのはこのルートである。 --前述の五飛の迷言もこのルートで聞ける。完全平和ルート経由でも可。 --リアル男においてこのルートでライバルを説得すると「トレーズ派のOZに合流する」という、より彼にとって望ましい選択肢があるにもかかわらず、OZ全体を見限って仲間入りするというやや強引な展開になってしまう。 -完全平和ルート --『ガンダムW』のサンクキングダム崩壊までのシナリオが完全再現されているルート。 --これも選択肢次第で分岐するのだが、このルートを選ぶと「完全平和思想に共感できない」という理由で一部のキャラクターらが一時的に離脱する。 --また、スーパー系男でこのルートを選ぶと無条件でスーパーアースゲインを入手する。 --最後はサンクキングダムが崩壊する為、最終的にはOZルートか独立軍ルートのどちらかとの合流を選択することになる。 -ムゲ宇宙ルート --終盤の分岐ルートの1つ。1話のみ。 --『ダンクーガ』の原作再現でムゲ宇宙へ乗り込む。この際にデスガイヤー将軍と2度戦うが、復活後に倒すとキャラ次第で専用の撃破セリフが用意されている。 --また、展開の関係上ネェル・アーガマは破棄される。またムゲ宇宙では3日過ぎただけだが、外の世界では4ヶ月経っているという事が明らかになる。 -シャアの反乱ルート --『逆襲のシャア』の序盤で語られたフィフス・ルナ落としが再現されるルート。 --ここでの敵は、最初の選択で選んだ三つのルート次第で登場する敵が3つのパターンに分かれることになる。 --また、独立ルートならキャラかマシュマーの内説得した方が味方増援として現われ、さらにノイエ・ジールが入手出来る。 --プルとプルツーを仲間にしていると、キュベレイMk-IIの色をプルツーカラーにするか、プルカラーのまま残すか選択する。 --そして、アムロが『逆襲のシャア』時の衣装へ衣替えする。 --2話目からはムゲ宇宙へ行ったメンバーと合流するので、単独ルートとしては1話のみ。 #endregion ---- **問題点 ***ゲーム展開に影響を及ぼすバグが多い -限界反応バグ --機体の限界反応が全くの無意味であり、計算される数値に制限が掛からないというもの。SFC版『EX』にも同じバグが存在する。 --これにより、一部改造段階の高いユニットが限界まで性能を発揮できるようになった。代表的な機体が「アプサラス」及び「デンドロビウム」等の、限界が低く改造度が高いリアル系ユニットである。また、真ゲッター2も回避能力を思う存分発揮できるようになっている。 --ただしこれは、まともな運用ができないほど限界反応が低い機体が、限界反応バグによって運用できる…という、言わば怪我の功名によるものである。バグがあろうがなかろうが決して褒められたものではない((ガンダム試作3号機も真ゲッター2も、ベースとなった『F完結編』では限界反応があまりにも低くほぼ戦力外だった。))。 -超能力((命中・回避に最大30%の補正、及び攻撃力に最大1500の補正。))・聖戦士((回避に最大32%の補正、ハイパーオーラ斬りの攻撃力に最大1500の補正、オーラバリアの防御力に最大1500の補正。))バグ --この2つの特殊技能は、本来はレベル段階に応じて補正値が上がるのだが、バグにより''レベルがいくつだろうと常に最大値の補正''が掛かる。更に超能力に至っては、何故か''命中・回避に64%もの補正''が掛かっている。但しどちらも''攻撃力補正はこれまたバグにより無効''になっている。また、聖戦士のオーラバリアの補正は攻略本に載っている数値(+200~1000)よりも大きい。 --この恩恵を最も受けた機体がゴッドマーズで、''重装甲+超回避+高火力''という凄まじいユニットに変貌している。しかもパイロットが最終的に精神コマンド『奇跡』を習得するため、そこまで育てればどんな敵だろうが問答無用で叩き落とす。欠点といえば射程と移動力が低い事と、撃墜されるとゲームオーバーになる事ぐらい。とはいえ意図的に狙わないで撃墜される方が難しいくらいなのだが……。 --スーパー系は「ほぼ避けないユニット」というのが伝統だったため、びゅんびゅん回避しまくるゴッドマーズは多くのプレイヤーを唖然とさせた((原作未見のプレイヤーでも重厚なグラフィックからとても回避能力に長けたユニットには見えない上、原作でも「不動のロボ」と呼ばれる程動くことが少ないロボットだったので違和感もバリバリである。))。&br()ちなみに超能力を持っているパイロットは全てスーパー系であり、ユニットの運動性さえ何とかすればやっぱり避けてくれる。 -リアル系でOZルートを選択すると、ダイターン3が終盤まで自軍に加入されないバグがある。 --正確に言うと、終盤でムゲ宇宙ルートを選ぶとダイターン3が強制出撃するので、結果として加入する。シャアの反乱ルートを選ぶと最後まで加入しない。 ***システム面の問題 -『F/F完結編』程ではないが相変わらず攻撃力がインフレ気味。敵味方共にダメージの割合が大きく、装甲の影が薄い。 //--例えば、最序盤に加入するシュツルムディアスのビームキャノンをフル改造し、「熱血」を掛けてぶっ放せば、デビルガンダム相手でも15000以上ものダメージを叩き出せる……ゲームスタートから数話の時点でこれである(ただし、あくまでも解説用のたとえ話であり、全滅プレイをしないと最序盤にフル改造など不可能である)。 --このため、ゲーム終盤になると敵味方を問わず''「当たれば落ちる」''というケースが続出する。後述のダミーさえ外してしまえばボスクラスの敵でさえ一撃で墜ちるという事態も日常茶飯事。 --装甲が売りのスーパー系は「避けられないし当たれば落ちる」となってしまい使い勝手が下がってしまう。主役級であれば「ひらめき」や「鉄壁」など何かしらのコマンドは覚えるので戦っていくことはできるが、素の装甲頼みの戦い方は終盤にはできなくなる。 --本作は恋愛補正が''+30%''と非常に強力であり、これを活用すればとてつもないダメージを叩き出せてしまう。特にリンクバトラーを使うと序盤で加入可能なシーブック&セシリーコンビはバランスブレイカーである。 -『リンクバトラー』でリンクし一気にレベルが上がると、計算式の関係でこれまた攻撃力のインフレが起こり、装甲がほぼ無意味なものと化す。 --これに恋愛補正が加わるとさらに恐ろしいことになる。筆頭がGガンダムのドモン&レイン+アレンビーや、ガンダムF91のシーブック&セシリー。どちらも強力な攻撃および精神コマンドを所持している。 --『リンクバトラー』によるレベル上げを行わず、全滅プレイや修理ユニットを使ったレベル上げも控えれば、それなりのバランスでプレイできる。またスーパー系も装甲と運動性を改造して特殊能力の「底力」を利用すれば「落ちきらなければ避けられる」ようにはなる。改造費用と精神コマンドの消費等の燃費の問題もあり根本的な解決ではないが。 -このような事になった原因は、システムやパラメータ設定の大半が『F/F完結編』をベースにしているためである。 --例えばランドクーガーの性能は、装甲・運動性・限界反応を除けば、武器性能や修理費用に至るまで『F/F完結編』と全く同じである。 --システムも、命中撃破の気力増減、サイズによる命中修正、ダメージ計算式、経験値計算式すらも『F/F完結編』とまるまる同じ。 --よって、「攻撃力のインフレ」「野生化が実装されていない」「一部の機体にシールド防御発生演出がない」「スーパー系の大半が宇宙B」「リアル系優遇」といった『F/F完結編』に存在する問題点がほぼそのまま本作にも引き継がれている。結果終盤になると前戦で戦っている機体はリアル系ユニットだらけになることも珍しくない。 -ダミーシステムの存在。 --これはあらゆるダメージを数回(ユニットによって異なる)無効化する敵専用の特殊能力で、全てのダミーを破壊しなければダメージを与えられない。ただし精神コマンド「自爆」はダミーの影響を受けない。 ---主にリアル系の一部ボスが実装しているが、その数最大7つ。どんな弱い攻撃でもダミーを破壊できるとはいえ、実装しているのはル・カインやハマーン、シロッコ、ガトー、シャアといった、回避力が高く当てるだけでも大変な相手ばかりでかなりイライラさせられる。ただしラスボス勢には一切なし。 -20話前後という早いタイミングでラスボスの一人と戦う、という衝撃の展開がある。 --従来のシリーズであれば顔見せ程度でターン経過やHP減少による途中撤退が入るのが常だったが、''必ず倒さないといけない''。 --能力値も最終話仕様のまま。なおかつ特殊能力により毎ターンHPが30%回復するため、1ターンで止めを刺さないとまず勝てない。 --自軍の状態によってはダメージが全く与えられないという事態も有り得るし、そうなったプレイヤーの体験談も多い。 -一部ユニットの改造引き継ぎのデータ管理 --ゲーム前半の母艦は、ミデア→アウドムラ→アルビオン→アーガマと順次乗り変えていくが、ミデアとアウドムラの改造は引き継がれない。引き継がれるのはアルビオン→アーガマからとなる。 --『ガンダムW』の初期のガンダム5機の改造は後期機体に引き継がれないため、改造するかは判断の迷うところ。 ---原作では別機体であるウイングガンダムとウイングガンダムゼロはともかく、その他4機は初期機体の改修機であるため引き継がれないのは納得がいかないところだろう。 --ガンダムシュピーゲルは途中で離脱し、再加入時には改造がリセットされてしまう。上述のガンダムWに輪をかけて納得できないだろう。 -ロボット大図鑑とキャラクター辞典が無い。 --図鑑・辞典は原作や設定の解説があり、未経験者にとって重宝していたため、これがない事を不満に思うプレイヤーは多かった。 --これはエーアイ製スパロボが今なお抱えている問題点であり、実装されているのはリメイク作の『AP』のみである。 -キャラクターの音声が無い。 --ROMカートリッジはディスクメディアに比べ容量の面でかなり不利であり、情状酌量の余地はあるものの、据え置きスパロボでは音声有りがデフォルトになりつつあったため、上記と同様に不満に思うプレイヤーは多かった模様。 --テンポがいいという評価点もあるが、『新スパ』や『F/F完結編』経験者は戦闘が味気なく感じられるのではないだろうか。 -セーブデータ数が少ない。本ソフトに保存できるセーブデータは2つであり、増やすにはコントローラーパック(2つ拡張)が必須となる。 ***参戦作品の扱い -『08小隊』はキャラクターはシローとアイナの2人だけ、機体もEz-8とアプサラスのみで、原作再現も殆どない。 --シローは能力値も精神コマンドも中途半端で、言い方は悪いが2軍に毛が生えたレベル。Ez-8も宇宙適応Cなので戦力外。 --一方でアイナは精神コマンドが非常に優れているため支援に向いており、アプサラスはΖガンダム並みの初期能力でありながら改造段階が非常に高く、P兵器はないが本作最強のMA。 --因みにギニアスは存在が遠回しに語られるのみで決着がつくことはない。ノリスに至っては影も形も存在しない。 -『0083』はユニットが4機+戦艦1隻で、パイロットもコウとガトーの二人のみ。機体の性能こそ優秀だがこちらも原作再現は皆無。 --本作のコウは過去作に比べ能力値が引き上げられ、充分一線を任せられる強さになった。先述の通り機体も強力。ただし2回行動がすこぶる遅いことと、今作においても自軍にニュータイプや強化人間も多くいるため、試作3号機を奪われて倉庫番になることも。 --ライバルであるガトーはルートによってはコウよりも遥かに目立つが、コウとの絡み自体は殆どない。しかも''敵組織に監禁されている状態で登場する''という何とも情けない登場のし方をする。ソロモンの悪夢が悪夢を見る羽目になるとは。 ---そのガトーもルートと選択肢次第で仲間入りするのだが、''終盤に無条件で裏切る上に機体も持ち逃げする''ため仲間にする価値があるかは微妙なところ。 -『蒼き流星SPTレイズナー』はいわゆる第2部からのスタートだが、グラドス帝国はムゲ帝国の被支配国として地球を支配しているという微妙な立場。 --機体はどれもこれも微妙。レイズナーは別格の強さを持つが、エイジが「集中」を覚えないため、活躍させるには多大なるお金が必要となる。 -『ジャイアント・ロボ』がシリーズ初参戦でありながら冷遇気味。 --ジャイアント・ロボは足が遅く装甲も微妙、必殺技の弾数も少ないとあらゆる点で微妙な性能。''攻略本にもはっきりと「弱い」と書かれる始末''。 --その隠しユニットである銀鈴ロボ((外伝OVA『鉄腕GinRei』に登場した機体))は、パイロットが前述の超能力持ちな上「魂」を覚え、機体の改造段階も高いと原作に反して明らかにジャイアント・ロボよりも強い。入手条件もそこまで難しくない為、条件を満たしたらロボを倉庫番にするプレイヤーが非常に多かった。 --原作同様とはいえBF団は''とにかく目的も行動理由も意味不明。''終盤や続編への伏線であるなら十分理解できるのだが、''そんな事は無かった。'' ---終盤でいきなり銀河帝国に接触し、グラドスの刻印を探すのだが目的は不明。BF団の幹部でさえ「(地球を滅ぼそうとしている銀河帝国に加担すると)地球が無くなってしまえばBF団も世界征服もない、この行動は''あまりに無意味''で危険なこと」''「奴らが勝てば我々が生き残る保障が無い」''と愚痴をこぼす始末である。 ---当の銀河帝国側もBF団を指し''「自分達が滅ぼされるのに手を貸すなど聞いたこともない」''と呆れてしまっている。一方ズール皇帝は刻印を警戒してはいるものの、何を探しているのかを聞かれると''「わからん」「何万年か前に設置された何かがある」''という少々間抜けな回答をしてしまっている。 ---刻印発動後にもBF団幹部のやりとりがあるのだが、作戦は失敗したというのに孔明は「BF団の悲願の第一歩」「全てビッグファイアの意志」と主張するばかり。最後に''「もう1つ仕事が残っている」''といかにも意味深な台詞を吐くのだが、このやりとり以後''BF団は一切登場しなくなる''。 ---結局''決戦シナリオが存在せず、終盤でフェードアウトしいつの間にか登場しなくなる''という冷遇ぶりである。攻略本でも''「全てが謎」''という書かれ方をされていた。ビッグファイアにせよ孔明にせよ、一体何がしたいのだろう? ---原作のラストも大規模な作戦失敗後に何がしたかったのかよく分からないまま終わるため、一応原作再現にはなっているのだが如何せん後味の悪い結末である。 --一方でクロスオーバー面では、イベント戦闘とはいえ、衝撃のアルベルトがGガンダムのドモンや東方不敗と''生身で戦う''シーンがある。しかも衝撃のアルベルトと東方不敗は''中の人が同じ''という夢の対決。 ---更にルート次第では''「一般兵に東方不敗と間違えられて激怒する衝撃のアルベルト」''という笑える描写もある。 -『Gガンダム』はシナリオ面と攻撃力で優遇されているが、機体に癖があり過ぎて使いにくい。 --シャッフル同盟は移動力が低く空も飛べないためとにかく足が遅い。対空攻撃も少なく、またガンダムローズ以外全員射程が短い。改造段階も控えめ。 ---更に最強武器の攻撃力がレベルで決まる仕様であり、最終的な攻撃力はかなり高くなるが、逆を言えばかなり意図的にレベルを上げないと十分な攻撃力を発揮できない。 ---スーパーモードの関係で気力が130以上ないと真価を発揮せず、5機を運用するとなると激励要因がいくらあっても足りない。シャッフル同盟拳は確かに強力なのだが……。 ---特にボルトガンダムは特殊能力や対空攻撃に乏しく、しかも最強武器が他4機と違って地上でしか使えないという有り様。 --このため、シャッフル同盟5機を使うより、ゴッド・シュピーゲル・ノーベルの3機運用の方が実用性が高い。 ---シュピーゲルはミノフスキークラフト必須だが移動力が6ある上に攻撃力がそこそこあり、分身・激励・かく乱持ち。ノーベルは使い勝手こそ悪いが、パートナー補正と合体攻撃により非常に高い火力を発揮する。しかしこの2機には「条件付き参戦」という別の問題が……。 ---これらの欠点は『A』では武器の射程を見直す事で、『R』では武器を一括改造にする事で解消される事になる。 //スーパーモードとレベル上げによる最強武器の攻撃力増強を、考慮してない視点にしか思えない。さらにGガンダムにおいてはMAP兵器すらあるのに、これよりシュピーゲルやノーベルの使い勝手の方がいいというのは偏っている。 //↑あなたこそ、それ以外を考慮していない。シャッフル同盟4機は全員移動力5で足が遅く、ローズ以外は最大射程3~4(ローズはP兵器が射程1)、改造段階9で最強武器が改造不可。シュピーゲルは最大射程3でミノクラ必須だが、改造段階11、移動力6で分身持ち、シュバルツが激励かく乱持ち、攻撃力も4450まで上がる。ノーベルは射程に難があり移動力も5だが、改造段階11、アレンビーが挑発習得、攻撃力が4050まで上がり、合体攻撃+パートナー補正でゴッドに次ぐ高火力。シャッフル同盟は気力130が必須だが、シュピーゲルは110、ノーベルは115あればいい。改造段階の関係で機体性能もシュピーゲルノーベルの方が上。結果、最終攻撃力は高くても、実用性は「シャッフル同盟5機」を使うより「ゴッド・シュピーゲル・ノーベル」の3機を使う方に軍配が上がる。そもそも今「決戦!皇帝ズールとの対決! 後編」レベル45まで進めたが、石破天驚拳の攻撃力が4200とコスパが酷い。 --師匠は1度だけ共闘するマップがあるのみで、最終的に死亡し仲間にはならない。またルート展開によっては最後までドモンと解り逢えない可能性も。 -『逆襲のシャア』再現の都合上、最終的に''クワトロは無条件で裏切る''ため育てるメリットがない。攻略本でも''「困った人」''呼ばわりされていた。 --一方でクワトロを取り巻く部下であるアポリー、ロベルト、キグナンのうち、ギグナンがクワトロが裏切った後にネオジオンに鞍替えしたのに対し、アポリーとロベルトは自軍に最後まで残り続けるのにクワトロが裏切った後も一切台詞や絡みもないなど、描写不足ともとれる面がある。 --条件を満たすとクェス・パラヤが仲間になる。しかし使用可能なのは最終話のみで使うに使えない。そしてクェス自身もシナリオには全く絡まないうえ、仲間になる条件もクェスとはあまり関係が無い。仲間に加入したという描写は「パイロットを1名回収した」という台詞のみで、クェスが何故自軍に協力するかすらも語られない。しかも記憶喪失になっている状態で加入するのだが、クェスは大丈夫なのだろうか? //シャアって宇宙の渦(Z最終話再現シナリオ)で行方不明になった理由と、逆襲を起こした理由が少々説明不足な気がしたんだけど気のせいだろか?プレイしたのが結構前でうろ覚えで申し訳ないけど。 -『ガンダムW』はストーリー面でも挙げられているように超優遇されているが、それでも一部に問題あり。 --独立軍ルートだと、ストーリー的にも重要な、記憶喪失のトロワが記憶を取り戻すイベントがない(OZルートでは記憶を取り戻した上で仲間になる)。 --前期機体は機体性能はそれなりだが改造段階が低く、改造しても後にリセットされるため活用し辛い。移動力と射程にも難がある機体が多い。 --後継機をフル改造するとEW版の機体に変化し、機体性能が大幅に上昇する。ウイングゼロとヘビーアームズは順当に強化されると言ってよいが、デスサイズとサンドロックは最大射程が1になり、使い勝手がかなり悪化してしまう。アルトロンはビームキャノンを失うが、最大射程3のドラゴンハングがあるため、その2機よりは扱いやすい。ただし、3機ともに今作では格闘武器が一切空に届かない。 ---エピオンは『F/F完結編』同様に不遇極まりない扱い。性能が全てにおいてトールギスIIIより劣っており、尚且つ改造段階も低い。更に射撃値が高いゼクスと武器が全く噛み合わず、最大射程も3。「ギリギリだが、叩ける!」というゼクスの戦闘台詞が涙を誘う。しかも終盤ではトールギスIIIとの2択になってしまう。 ---当のトールギスIIIは改造段階が高いのに初期能力の高さが尋常ではない。移動後攻撃可能なヒートロッドも備えているほか、ゼクスの射撃値も相まって最強のMSであり、事実上エピオンを残す意味は全くと言っていいほどない。弱点は弾数の少なさと登場の遅さのみ。 --また、ノインとヒルデはトーラスから乗り換えができない。トーラスも資金をつぎ込めばそれなりに強くなる機体なだけに少々残念である。 -リンクバトラーとの接続によって参戦する3作品はゲスト参戦同然の扱いのため、参戦後は居なくても成立する当たり障りのない台詞をほんの少量喋るのみ。 -ラスボスを倒した後の展開があっさりしすぎている。 --「ラスボスとの会話→地球圏へ帰還しこれまでの戦いを振り返る→スタッフロール」で終了である。''後日談的なエピソードなどない。''参戦作品やオリキャラが魅力的だっただけに戦いの後彼らがどうしているか描いてほしかったという声は多い。 --前述の通りBF団は壊滅しておらず、孔明の示唆した「もう1つの仕事」についても完全放置。地球に戻ってもまだBF団との戦いが起こる可能性もあるわけである。というか自軍からも存在を忘れられているのではないだろうか? ---- **総評 占領下から始まるダークで独特なストーリーや、魅力的な四人のバンプレストオリジナルキャラ、複数回の分岐によるストーリーの変化など長く楽しめる作品。~ システムはまともなバランス調整がされた『F/完結編』といった具合であり、この仕様を好むプレイヤーならばかなり楽しめるだろう。 ---- **余談 -寺田貴信元プロデューサーが[[2023年8月にX(twitter)で明かした>https://twitter.com/TakanobuTerada/status/1687569940029784066]]ところによれば、本作発売当時からの契約によりスパロボ開発サイド(当時はバンプレスト)は本作品のオリジナルキャラクターや機体の著作権を完全には保有しておらず、本作単体では使用可能(例:トレーディングカードの『スクランブルギャザー』)だが、OGシリーズへの出演といった2次使用は難しいとのこと。 --かつて本作の要素がOGシリーズに登場しないことについて「揉めているわけではない」と発言していたのもそういった理由。 --後に発売された『[[スーパーロボット大戦A]]』ではこういった事情を踏まえて、本作品の主人公機やライバル機をモチーフにした主人公機やラスボス機を登場させたとのことで、こちらはOGシリーズへの出演も果たしている。ただし内2機は原型機とはかなり戦闘法が異なっている。 ---ラスボスにあたる「ツヴァイザーゲイン」は「スーパーアースゲイン改」として登場させるアイディアもあったと言われており、没データなどにその片鱗を見ることができる。 --OGシリーズには本作品のオリジナルキャラクターや機体は登場していないが、「ソウルゲイン」のプラモデル解説書のように、『A』オリジナル機体の技術的系譜に本作主人公機を匂わす設定が付属している物もある。寺田氏の脳内構想には設定が存在しているらしいが、前述のように権利的な事情で、公式では「モチーフになっているが設定に繋がりは無い」という扱いになっている。 -後に同人作品ではあるが、『スーパーロボット大戦64データベース』が販売されている。 -本作品のタイトルテーマ「熱き魂」は、当時のPVでは歌詞が付いたものが使用されMIO氏が歌っているのだが、残念ながらサントラが発売されていないだけでなく「スーパーロボット魂 ザ・ベスト」でも収録されていないため未だにCD化されていない。 -本作のCMナレーションは、明神タケル役の水島裕氏が務めた。またゴッドマーズの声付き参戦はこれより12年後の『第2次Z』まで待つことになる。

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