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*Medal of Honor: Allied Assault 【めだるおぶおなー あらいどあさると】 |ジャンル|ファーストパーソン・シューティングゲーム|&amazon(B00005V189)| |対応機種|Windows|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|Electronic Arts|~| |開発元|2015 Inc.|~| |発売日|2002年1月22日|~| |定価|4,500円|~| |プレイ人数|1人(オンライン時 2~32人、理論上64人))|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[メダルオブオナーシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 第二次世界大戦のヨーロッパ戦線や北アフリカ戦線を舞台としたファーストパーソン・シューティングゲーム。~ 前作まではPSソフトとして発売されていたが、表現の向上などのためPCにプラットフォームを移した((同シリーズでは本作が3作目にあたる))。~ ゲーム内の演出に映画『プライベート・ライアン』などの監督として有名なスティーブン・スピルバーグが協力していることで話題になった。~ 戦争物のFPSがジャンルとして定着する切っ掛けともなった作品。完全日本語版は質の高い翻訳がなされ、声優も好演しているのでお勧めである。 **ストーリー プレイヤーはアメリカ陸軍中尉マイク・パウエルとなり、OSSエージェントとして「トーチ作戦」、「ノルマンディー上陸作戦」「バルジの戦い」など、北アフリカやヨーロッパの激戦となった戦場に身を投じることになる。 ---- **評価点 : バラエティあふれる戦場 | - ステージはアルジェリア、オマハビーチ、Uボート基地、ドイツ兵と戦車が潜むフランスの田園地帯、森林の奥深くにあるドイツの秘匿兵器工場等を舞台に20のやり応えがあるミッションが収録。 : 映画の様な見事な演出 | - 本作を特徴付ける点は演出を巧みにスクリプトで表現している事にある。 -- 1ミッションの流れは前半ドイツ軍の本拠や基地に潜入する比較的な静かな展開で、後半に派手な戦闘を繰り広げながら脱出・攻勢となるドラマチックな展開は多くのプレイヤーを魅了した。 - 当時のFPSとしては他のNPCと共闘している描写を描くことが多く、戦場の空気を上手く出している。 - 話題ともなったオマハビーチ上陸作戦における映画『プライベート・ライアン』ばりの描写は当時のPCゲームプレイヤーの度肝を抜いた。 -- プレイ画面を見た元兵士が当時のフラッシュバックを起こした : 臨場感溢れるBGM | - 作曲は古くはゲーム音楽で活動を続けて、最近では海外ドラマ『LOST』や映画『クローバーフィールド』などの作曲も担当しているマイケル・ジアッキーノが担当。 - PSシリーズから続くMOHシリーズを特徴付ける彼の作る楽曲のクオリティの高さは健在である。 - BGMは環境音ではなく、演出の一部としてミッションの展開にあわせてBGMは巡るましく代わってゆく。序盤は比較的静かな曲に始まり、中盤くらいから緊張感や不安さを煽る物へと代わり、こちらの攻勢・脱出の際には迫力あるオーケストラが鳴り響き、戦場を駆けるヒーローであるプレイヤーの活躍に花を添えている。 - 威厳と荘厳さと哀愁を漂わせるテーマソングはWWIIを題材にしたシリーズでは、形を変えて使われている。(2010年発売の作品で使用されていない。) : リアルな効果音| - ハリウッドのサウンドチームの手によって実際の武器の音を録音したものを使っている。 - サンプリング素材とは違い本当に撃ってるかと錯覚するほどの重厚なサウンドである。 : QuakeIII(id Tech3)エンジンを使用したグラフィック| - 今では見劣りしてしまうが、当時としては高い水準。 **賛否両論点 : 演出過剰 | - 今作の評価点でもあり欠点。スクリプト演出が多いので、進行に制約が多く自由度を好むユーザーには受けない。 - また、演出がないところ以外では一人で敵陣地へ乗り込んでいってドイツ兵をバタバタ倒してゆくため、まるでランボーのようで不自然との批判もある。 -- それに対する答えが[[Call of Dutyシリーズ]]ではあるのだが……。 **問題点 : NPCの攻撃が正確すぎる | - NPCの思考ルーチンはそこまで良いわけではないのだが、攻撃の狙いが些か正確すぎる。 -- 瓦礫や建造物や植物が多い場所に敵兵が隠れられると、こちらから視認できず一方的に嬲り殺しにされる場合がある。 -- 特に難易度が高いと針の穴を通すような正確なショットでこちらにバスバス致命的なダメージを当ててくるので進むのが難しい。 : 出来のよくない拡張パック| - 本作では「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」(日本版は『メダル・オブ・オナー アライドアサルトリロード』)と「Medal of Honor: Allied Assault Breakthrough」(日本版は『メダル・オブ・オナー アライドアサルトリロード2ND』)と2作の拡張パックが登場しているが、ゲームバランスが余り調整されていないのか上記の問題に加え難易度が非常に高い。 ---- **総評 戦争物のFPSを普及させた先駆け的存在であり、映画的な演出を多用したことで『[[Half-Life]]』等の様にストーリーのあるFPS作品が増えてゆくきっかけとなっている。~ 後にCODシリーズやBFシリーズを生み出す端緒となる本作はFPSゲームの歴史で語られる作品であることは間違いない。 ---- **余談 - 開発には映画『プライベート・ライアン』のスピルバーグ含む製作スタッフがスペシャルサンクスとして名を連ねている。前述のオマハビーチの演出が映画そのままなのはそのためである。 - 良く引き合いに出される『Call of Duty』の製作元 Infinity Wardは、2015 Incのスタッフが独立して設立した会社である。 -- Infinity Ward側は「一兵士」としてのリアルな戦場を描写したいがために、Call of Dutyシリーズを立ち上げた。 -- 近年のCall of Dutyシリーズでのキャラクター描写がヒーロー的な物になるのに対し、 [[メダルオブオナー>メダルオブオナー (2010)]]((2010年発売。開発元は同シリーズの生みの親で有り、大半のシリーズ作品を手掛けてきたDanger Close。マルチプレイ部分をBFシリーズでお馴染みのDICEが担当))の方が Infinity Wardの目指した方向性になっているというのは何とも皮肉なめぐり合わせである。 --- ただ、CoD:MW2の問題でInfinity Wardの初期メンバーのほとんどが退社している事を考慮に入れる必要はある。この騒動の後に、退社した幹部が中心となって、EA傘下のデベロッパーであるRespawn Entertainmentを立ち上げた。2014年にはEAからマルチプレイFPS作品である『[[Titanfall]]』をリリースしている。 -尚、本作はPC版における同シリーズの先駆けでありヒット作にもなったことから、後にEA自身がバンドルパックの形でも発売している。 --本作と最初の拡張パックである「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」とサウンドトラックCDがセットになった『Medal of Honor: Allied Assault Deluxe Edition』、本作と先述の拡張パック2本がセットになった、『Medal of Honor Allied Assault: WarChest』((但し、こちらはサウンドトラックCDが同梱されていない))、PC版のシリーズ登場から10周年を記念して発売された『Medal of Honor: 10th Anniversary Bundle』((『~War Chest』の全内容に加え、南太平洋戦線を舞台に旧日本軍と戦う『Medal of Honor Pacific Assauslt』、米軍の第82空挺師団を舞台とした『Medal of Honor Airborne』の2作、シリーズ内で使用された楽曲のサウンドトラックCDがセットになっている。尚、唯一日本版がリリースされていないバンドルセットでもある))の3つが実際に発売された((「~Deluxe Edition」と「~WarChest」は日本でも発売されたが現在は入手困難である))。 --また、GOG.com((「The Witcher」シリーズで有名なポーランドのデベロッパー、CD PROJEKTが運営しているDL配信サイト。このサイトで配信している作品が全て「DRMフリー」であることを謳っているのが特徴))でも、『Medal of Honor Allied Assault: WarChest』が$9.99で配信されている((内容は英語版準拠))。
*Medal of Honor: Allied Assault 【めだるおぶおなー あらいどあさると】 |ジャンル|ファーストパーソン・シューティングゲーム|&amazon(B00005V189)| |対応機種|Windows|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|Electronic Arts|~| |開発元|2015 Inc.|~| |発売日|2002年1月22日|~| |定価|4,500円|~| |プレイ人数|1人(オンライン時 2~32人、理論上64人))|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[メダルオブオナーシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 第二次世界大戦のヨーロッパ戦線や北アフリカ戦線を舞台としたファーストパーソン・シューティングゲーム。~ 前作まではPSソフトとして発売されていたが、表現の向上などのためPCにプラットフォームを移した((同シリーズでは本作が3作目にあたる))。~ ゲーム内の演出に映画『プライベート・ライアン』などの監督として有名なスティーブン・スピルバーグが協力していることで話題になった。~ 戦争物のFPSがジャンルとして定着する切っ掛けともなった作品。完全日本語版は質の高い翻訳がなされ、声優も好演しているのでお勧めである。 **ストーリー プレイヤーはアメリカ陸軍中尉マイク・パウエルとなり、OSSエージェントとして「トーチ作戦」、「ノルマンディー上陸作戦」「バルジの戦い」など、北アフリカやヨーロッパの激戦となった戦場に身を投じることになる。 ---- **評価点 : バラエティあふれる戦場 | - ステージはアルジェリア、オマハビーチ、Uボート基地、ドイツ兵と戦車が潜むフランスの田園地帯、森林の奥深くにあるドイツの秘匿兵器工場等を舞台に20のやり応えがあるミッションが収録。 : 映画の様な見事な演出 | - 本作を特徴付ける点は演出を巧みにスクリプトで表現している事にある。 -- 1ミッションの流れは前半ドイツ軍の本拠や基地に潜入する比較的な静かな展開で、後半に派手な戦闘を繰り広げながら脱出・攻勢となるドラマチックな展開は多くのプレイヤーを魅了した。 - 当時のFPSとしては他のNPCと共闘している描写を描くことが多く、戦場の空気を上手く出している。 - 話題ともなったオマハビーチ上陸作戦における映画『プライベート・ライアン』ばりの描写は当時のPCゲームプレイヤーの度肝を抜いた。 -- プレイ画面を見た元兵士が当時のフラッシュバックを起こした : 臨場感溢れるBGM | - 作曲は古くはゲーム音楽で活動を続けて、最近では海外ドラマ『LOST』や映画『クローバーフィールド』などの作曲も担当しているマイケル・ジアッキーノが担当。 - PSシリーズから続くMOHシリーズを特徴付ける彼の作る楽曲のクオリティの高さは健在である。 - BGMは環境音ではなく、演出の一部としてミッションの展開にあわせてBGMは巡るましく代わってゆく。序盤は比較的静かな曲に始まり、中盤くらいから緊張感や不安さを煽る物へと代わり、こちらの攻勢・脱出の際には迫力あるオーケストラが鳴り響き、戦場を駆けるヒーローであるプレイヤーの活躍に花を添えている。 - 威厳と荘厳さと哀愁を漂わせるテーマソングはWWIIを題材にしたシリーズでは、形を変えて使われている。(2010年発売の作品で使用されていない。) : リアルな効果音| - ハリウッドのサウンドチームの手によって実際の武器の音を録音したものを使っている。 - サンプリング素材とは違い本当に撃ってるかと錯覚するほどの重厚なサウンドである。 : QuakeIII(id Tech3)エンジンを使用したグラフィック| - 今では見劣りしてしまうが、当時としては高い水準。 **賛否両論点 : 演出過剰 | - 今作の評価点でもあり欠点。スクリプト演出が多いので、進行に制約が多く自由度を好むユーザーには受けない。 - また、演出がないところ以外では一人で敵陣地へ乗り込んでいってドイツ兵をバタバタ倒してゆくため、まるでランボーのようで不自然との批判もある。 -- それに対する答えが[[Call of Dutyシリーズ]]ではあるのだが……。 **問題点 : NPCの攻撃が正確すぎる | - NPCの思考ルーチンはそこまで良いわけではないのだが、攻撃の狙いが些か正確すぎる。 -- 瓦礫や建造物や植物が多い場所に敵兵が隠れられると、こちらから視認できず一方的に嬲り殺しにされる場合がある。 -- 特に難易度が高いと針の穴を通すような正確なショットでこちらにバスバス致命的なダメージを当ててくるので進むのが難しい。 : 出来のよくない拡張パック| - 本作では「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」(日本版は『メダル・オブ・オナー アライドアサルトリロード』)と「Medal of Honor: Allied Assault Breakthrough」(日本版は『メダル・オブ・オナー アライドアサルトリロード2ND』)と2作の拡張パックが登場しているが、ゲームバランスが余り調整されていないのか上記の問題に加え難易度が非常に高い。 ---- **総評 戦争物のFPSを普及させた先駆け的存在であり、映画的な演出を多用したことで『[[Half-Life]]』等の様にストーリーのあるFPS作品が増えてゆくきっかけとなっている。~ 後にCODシリーズやBFシリーズを生み出す端緒となる本作はFPSゲームの歴史で語られる作品であることは間違いない。 ---- **余談 - 開発には映画『プライベート・ライアン』のスピルバーグ含む製作スタッフがスペシャルサンクスとして名を連ねている。前述のオマハビーチの演出が映画そのままなのはそのためである。 - 良く引き合いに出される『Call of Duty』の製作元 Infinity Wardは、2015 Incのスタッフが独立して設立した会社である。 -- Infinity Ward側は「一兵士」としてのリアルな戦場を描写したいがために、Call of Dutyシリーズを立ち上げた。 -- 近年のCall of Dutyシリーズでのキャラクター描写がヒーロー的な物になるのに対し、 [[メダルオブオナー>メダルオブオナー (2010)]]((2010年発売。開発元は同シリーズの生みの親で有り、大半のシリーズ作品を手掛けてきたDanger Close。マルチプレイ部分をBFシリーズでお馴染みのDICEが担当))の方が Infinity Wardの目指した方向性になっているというのは何とも皮肉なめぐり合わせである。 --- ただ、CoD:MW2の問題でInfinity Wardの初期メンバーのほとんどが退社している事を考慮に入れる必要はある。この騒動の後に、退社した幹部が中心となって、EA傘下のデベロッパーであるRespawn Entertainmentを立ち上げた。2014年にはEAからマルチプレイFPS作品である『[[Titanfall]]』をリリースしている。 -尚、本作はPC版における同シリーズの先駆けでありヒット作にもなったことから、後にEA自身がバンドルパックの形でも発売している。 --本作と最初の拡張パックである「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」とサウンドトラックCDがセットになった『Medal of Honor: Allied Assault Deluxe Edition』、本作と先述の拡張パック2本がセットになった、『Medal of Honor Allied Assault: WarChest』((但し、こちらはサウンドトラックCDが同梱されていない))、PC版のシリーズ登場から10周年を記念して発売された『Medal of Honor: 10th Anniversary Bundle』((『~War Chest』の全内容に加え、南太平洋戦線を舞台に旧日本軍と戦う『Medal of Honor Pacific Assauslt』、米軍の第82空挺師団を舞台とした『Medal of Honor Airborne』の2作、シリーズ内で使用された楽曲のサウンドトラックCDがセットになっている。尚、唯一日本版がリリースされていないバンドルセットでもある))の3つが実際に発売された((「~Deluxe Edition」と「~WarChest」は日本でも発売されたが現在は入手困難である))。 --また、GOG.com((「The Witcher」シリーズで有名なポーランドのデベロッパー、CD PROJEKTが運営しているDL配信サイト。このサイトで配信している作品が全て「DRMフリー」であることを謳っているのが特徴))でも、『Medal of Honor Allied Assault: WarChest』が$9.99で配信されている((内容は英語版準拠))。

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