「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」(2024/03/27 (水) 16:57:53) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

本項目ではPSP用ソフト『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』と、カップリング移植版であるPS4/PSV用ソフト『ダンガンロンパ 1・2 Reload』に加え、PC移植のSteam版『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』とDMM.com版の紹介をしています。 ---- #contents ---- *ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 【だんがんろんぱ きぼうのがくえんとぜつぼうのこうこうせい】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&amazon(B003Y5I4BA)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|2010年11月25日|~| |定価|パッケージ:5,229円&br;ダウンロード:4,200円(各税5%込)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |廉価版ほか|PSP the Best:2011年11月23日&br;パッケージ:2,940円 / ダウンロード:2,800円&br;超高校級の限定BOX:同日発売/5,229円(各税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|サイコでポップな異色の推理ADV&br()演出性を重視した推理パート「学級裁判」も特徴的&br()デスゲームを題材にしたゲームの草分け&br()独特の世界観・キャラにハマるファン多し&br()推理要素は本作時点ではややぬるめ|~| |>|>|CENTER:''[[ダンガンロンパシリーズ]]''| ---- **概要 『侍道』『喧嘩番長』シリーズなど、一風変わったゲームをリリースしてきたスパイクによる新規タイトルのADVゲーム。~ プロデューサーは『侍道』の寺澤善徳氏が、シナリオは『[[名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵]]』のシナリオライターだった小高和剛氏がそれぞれ担当している。 公称ジャンルは''「ハイスピード推理アクション」''で、学園内で起こる殺人事件の謎を解く「学級裁判」パートでは、シューティング・リズムアクション・パズルなど、様々なジャンルが融合した推理を行う。~ 開発陣は本シリーズのデザインテーマを''「サイコポップ」''と称し、少年少女の「コロシアイ」という重く壮絶な内容のシナリオでありながら、画風・キャラクター・音楽などを軽めの雰囲気でまとめている。 ---- **ストーリー 各分野において優れた才能を持つ「超高校級」の高校生のみが入学できる「私立 希望ヶ峰学園」は、卒業できれば将来は約束されたも同然とすら言われている。~ そこに新入生として足を踏み入れた主人公・苗木誠は、エントランスに入った途端に急なめまいに襲われて意識を失ってしまう。 苗木が見知らぬ教室で目を覚ますと、学園内は完全に外の世界と断絶された閉鎖空間となっていた。 同じ境遇に置かれた他の新入生14人と合流したところで、一行は入学式と称するセレモニーに召集され、~ そこに現れた喋る謎のヌイグルミ「モノクマ」から恐ろしい校則を突きつけられる。  「新入生たちは、残された一生を全て希望ヶ峰学園内のみで過ごさなければならない。~   学園から脱出するための唯一の方法は、仲間を殺して「卒業」すること。」 こうして、彼らの生き残りを賭けたコロシアイ学園生活は始まった。 ---- **特徴 ***システム 学園内を歩き回って調査を行うADVパートと、事件の犯人について生徒たちで議論を交わす学級裁判パートの2つに大別できる。~ 一方、ゲーム内では殺人事件が起こる前を「(非)日常編」と、事件が起こった後を「非日常編」と呼んでいる。~ 章建てで進行し、各章は「(非)日常編」(ADV) ⇒「非日常編・捜査」(ADV)⇒「非日常編・学級裁判」(ADV+アクション)という構成になる。~ ''ADVパート'' -主にストーリーを進めながら、学園内の各教室や施設を探索して情報を集めるパート。最初の内は行動範囲が限られているが、ゲームが進むごとに行ける場所は増えていく。 -ADVパートでの会話の中には一部の単語が紫の文字になっていることがある。この際にボタンを押すことで&bold(){「Re:アクション」}と呼ばれる返答ができ、紫の文字の部分について突っ込んで質問することで会話を広げられる。 --このRe:アクションを行わないとストーリー会話が進展しないこともある。 -調査以外にも「自由行動」の時間が設けられていて、他のキャラクターと会話をして交流を深めたり、ゲームを有利に進めるスキルを獲得したりできる。 --自由行動でのみ明かされるキャラクターの詳細な設定もあるため、キャラクターへの思い入れを強める上で重要なパートである。 --交流の概要は、ゲーム中の「通信簿」に記録されいつでも観賞できる。 -ゲーム中で入手する「モノクマメダル」を消費して「モノモノマシーン」というガチャガチャを回すと、アイテムを入手できる((食料や衣服などの他に、パロディ系の物品も多い。物によってはCGイベントのトリガーになっているものも。))。 --これらはストーリー進行とは関係ないが、自由行動時に他のキャラクターにプレゼントすると好感度に影響する。増減の量はアイテムによって異なり、好みのものをあげれば好感度が多く上昇する。好みは概ね察する事ができるものから、意外に思えるものまであるので探してみるのも一興。 -メニュー画面の学園内全体マップには、特定の場所に一発でワープできる機能がある((移動途中にイベントがある場合などは使用不可。))。 --攻略上必ず調査しなければならないポイントには「!」印がつき、広い学園内でも目的を見失わずに進められる。 ''学級裁判パート'' -学園内で生徒同士の殺人事件が発生すると、事件に関する調査を行うADVパートの後に「学級裁判」が開かれる。~ このパートではADVパートで集めた情報を使って、「犯人が誰であるか」を生存している生徒全員で議論しあう。 --殺人事件が起こり、死体が一定人数に発見されると、ゲームの主催者であるモノクマによって一定の捜査時間が生徒達に許された後、学級裁判が開催される。一定時間と表現されてはいるが、実際はすべての証拠が揃うまで学級裁判が開かれることはない。 --学級裁判において決まりや段取り、決められた役割はなく、全員が平等の扱いで自由に会話できる。主催者のモノクマは犯人を知っており、議論には参加しない。 --学級裁判終了時に、参加者全員による多数決投票形式で犯人を指名する。 --指名された者が犯人であった場合は犯人以外の生徒たちの勝利となり、「クロ(真犯人)」は「おしおき」と称した残虐な処刑を下される。 --逆に、犯人でない者が指名された場合はクロの勝利となり、クロは「卒業」して閉鎖された学園から脱出できる。それ以外の生徒は全員処刑される。 ---つまり、他人を出し抜いて殺人を犯し、なおかつ他の生徒たちの目を欺き通して犯人だと疑われなかった者だけが勝ち抜けられる…というルールである。 --裁判中は議論の進行に合わせて、''主観視点STG''の形式で他人の発言の矛盾を指摘する「ノンストップ議論」(詳細は後述)、同様の操作でキーワードの穴を埋める「閃きアナグラム」、''リズムACT''の形式で討論する「マシンガントークバトル」、マンガのコマを埋めて事件の全貌を総括する「クライマックス推理」の4種のゲームが行われる。これらはすべて制限時間付き。 --時間切れになったり、ミスを繰り返して主人公の「発言力」ゲージがなくなるとゲームオーバーとなる(ただしその場でリトライ可能)。 --「発言力」ゲージの他に「集中力」ゲージというものも存在し、R1ボタンを押すことで「集中力」ゲージを消費して特殊効果((例として「ノンストップ議論」や、「閃きアナグラム」では文字の流れをスローにする「精神集中」がある。))を発動出来る。 --全ての議論が終了すると、その流れに従って自動的に犯人が指名される。 -このパートは難易度設定が可能。推理難度とアクション難度に対し、それぞれ「シンセツ」「ユルヤカ」「イジワル」の3段階がある。 --推理難度を下げると証拠の選択肢が減り、アクション難度を下げるとスピードや妨害要素が減る。 -ノンストップ議論 --学級裁判パートのメインとなるゲーム。各キャラがそれぞれ意見を出し合い、議題に対する答えを導き出す。 --ここでは議題に対する参加者それぞれの発言が、STGの“的”のように画面を飛び交う。 ---一部の発言は「ウィークポイント」として黄色で表示され、これが主人公が狙う目標となる。 --主人公が集めた証拠は、作中では「言弾(コトダマ)」と呼ばれ弾丸で表現される。 ---前述したウィークポイントの中から手持ちの情報と食い違う発言を見つけ出し、有効な言弾をヒットさせることで矛盾を指摘し、議論が展開していく。 ---ゲームが進むにつれ、ウィークポイントの数及び言弾の装填数(提示する証拠の選択肢)や、こちらの言弾を妨害する紫色の「雑音セリフ」が増え難易度が上がっていく。~ 装填された言弾が複数ある場合は、Lボタンで言弾一覧の展開、その状態から方向キーかアナログスティックで発射可能な言弾の選択が可能。 ---邪魔な雑音セリフを○ボタンの「サイレンサー」で撃ち落として退かせたり、手持ちに有効な言弾が無い場合は、△ボタン長押しで他人の発言をキャプチャーして撃つ、といった搦め手も必要となってくる。 -閃きアナグラム --既存の証拠だけでは確定させられない事案に対し、言葉をひらめくことで打開するゲーム。 --画面奥から飛んでくる文字を○ボタンで順番に撃ち落とし、キーワードを作りだす。文字の色によって撃たなければいけない回数は異なる。 --画面左下に文字数などが開示されるので、それをヒントにして答えを導く。 -マシンガントークバトル --主人公と意見が対立するキャラクターとの討論勝負となるゲーム。 --リズムゲームの要領で、○ボタンで発言のロックオン、△ボタンで発言の破壊を行い相手の発言力にダメージを与えていく。~ ただし、ゲームが進むと発言のロックオンには弾丸状のゲージを消費するという制約が追加され、□ボタンで適宜弾丸の補充(ゲージ回復)を行わなければいけない。~ 相手の発言力を削りきった後、トドメの証拠を叩きつければ勝利となる。 ---コンボ数が一定以上になると、テンポアップしてリズムに乗るのが難しくなる。 ---さらにゲームが進むと、弾数無限&ミスがノーカウントになる「フィーバータイム」の発動と、マーカーが見えなくなる「ネガティブタイム」の発生が追加される。 ***その他(演出など) 本作は「サイコポップ」と称されるとおり全体的にポップアート的なデザインで統一した上で、陰惨なシーン、グロテスクな描写なども多く含むブラックな雰囲気で構成されている。 -グラフィックは、全体マップや室内の背景を3D、人物を2Dで描く「2.5D」で表現されている。 --場所が切り替わった際に、舞台や人物がパッと出現するのではなく徐々に組み上がる「飛び出す絵本」的な演出がされているのも特徴。 --人物立ち絵はアニメ的なデフォルメ調、イベントシーンの1枚絵やムービーシーンは油絵調で描かれる。 -下ネタやパロディといったお遊びが多め。 --キャラクター、アイテムのデザインや、「[[俺の占いは三割当たる!>仮面ライダー龍騎]]」といったキャラクターの台詞など、隙あらばパロディネタが仕込まれている。カバーしているジャンルの幅は広く、1人で全て把握するのは困難。 ---例として後述の「大神さくら」の場合、「地上最強」「格闘家」「通称オーガ((宿舎にあるネームプレートも「オーガミ」表記。「大和田」は「オオワダ」表記であり、意図的に変えられている。))」「さくら」「セーラー服」という一見した構成要素はパロディのそれである。 ---モノクマも声優の関係から「[[ドラえもん>ドラえもんシリーズ]]」のパロディが多く見受けられる。 -「モノクマメダル」を消費することで、設定資料やムービー・一枚絵・BGMのギャラリーを見られる。 --廉価版以降は設定資料が追加されており、発売当時の販促用画像なども見られる。 ---- **評価点 ***キャラクター 主要人物は、主人公を含む生徒15名とモノクマだけでも16人と、かなり数が多い。キャラデザインは癖が強く賛否が分かれる。~ しかし、いずれも一癖も二癖もある魅力的な面々ばかりである。 ''超高校級'' -希望ヶ峰学園の生徒たちは全員、各分野において「''超高校級''」と賞賛される才能の持ち主。 --その肩書きは「超高校級の野球選手」「超高校級のプログラマー」など様々だが、中には「格闘家」「ギャル」「暴走族」「ギャンブラー」といった変り種も多い。 --容姿についても、大きな縦ロール、極端な肥満体型などと分かりやすく特徴づけられたキャラクターが多い。 --小松崎類氏のキャラクターデザインも、まさしく「サイコポップ」と言うべき、ポップなデザインとアングラ・ダーティな色調を両立した独特な画風ながら、男女問わず受け入れやすいものとなっている。 --これら容姿・肩書きで付けられた個性によって誰が誰であるかを大変理解しやすくなっており、大人数のキャラが冒頭から登場して覚えづらいという問題が大きく緩和されている。 ---中でも、『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』シリーズの豪鬼((『ストリートファイター』でセーラー服を着ている「さくら」といえば、普通は「春日野さくら」を連想するだろうが…。))や『[[ドラゴンボール>ドラゴンボールシリーズ]]』のブロリーを彷彿とさせる''筋骨隆々の体型でセーラー服を身にまとう女子高生''、「超高校級の格闘家」大神さくらのインパクトは凄まじい((加えて、「大神」「さくら」という名前から『サクラ大戦』のパロディも含んでいる。))。 ---しかも声は『[[NARUTO>NARUTO -ナルト-シリーズ]]』の大蛇丸役で有名な''くじら氏''。たしかに女性の声だが、''間違いなく格闘家だと認識できる威圧感''に気圧されること必至。 ---そんなインパクト抜群の第一印象とは裏腹に、作中では''曲者揃いのキャラクターの中で落ち着きと良識を備えた屈指の人格者''として描かれており、ギャップに惹かれた人々は''「さくらちゃん」「かわいい」「天使」''と絶賛している。 -演技力豊かなボイスも、彼らのキャラクター性を大いに引き立てる。特に、フルボイスで繰り広げられる学級裁判パートの盛り上がりは大きな見所となっている。 --声優のキャスティング自体も豪華である。 ---主人公・苗木誠役の緒方恵美氏と彼のライバル的存在となる十神白夜を演じる石田彰氏は『[[新世紀エヴァンゲリオン>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]』において対立関係ながらも惹かれ合う碇シンジと渚カヲルを演じており、極めて心憎い配役となっている。 ---ほかにも大本眞基子氏や鳥海浩輔氏、山口勝平氏とその道のファンなら声を聴いただけでわかりそうなベテランが揃っている。少ない若手もまた実力派揃いで負けず劣らずの顔ぶれが並ぶ。 ---イベントシーンやADVパートはフルボイスではないが、「フッ」「なるほどね…」「だべ」といった一言ボイスが多数用意されている。 ---キャラクターの特徴を捉えた耳に残りやすいフレーズばかりであり、メッセージ内容に合わせて使い分けられる。 ''モノクマ'' -中でも舞台の立役者であるクマ型のキャラクター「モノクマ」は、行動・発言・外見とあらゆる面においてプレイヤーに強烈な印象を残す。 --モノクマはマスコットライクな容姿ながら、生徒たちに過酷なルールを課しコロシアイの「動機」を促す非情な存在として描かれている。 --一方で、モノクマは頻繁に露骨なボケを飛ばして場を茶化し一行を挑発する。ギャグキャラでもあり、憎むべき敵役でもあり、シリーズのマスコットでもあるのだ。 --そして、''声を当てているのは先代『ドラえもん』こと大山のぶ代氏。''多くのプレイヤーは、その能天気なボイスとのギャップに驚きと戸惑いを覚えるだろう。 ---スパイクとしても発売前より「ドラえもん降板後初の出演((実際はバラエティ番組のナレーションなどがあるが、ゲーム・アニメでは5年ぶりの声優復帰作である。ちなみに大山氏が悪役を担当したのはこれが初。))」をフィーチャーしており、ゲーム内の小ネタにもドラえもんネタをふんだんに取り入れている((例として、殺人事件が発生した際にモノクマが用意する検死報告書「ザ・モノクマファイル」を取り出すときのイントネーションは、まるっきり秘密道具を出すときのそれである。))((さらに言えば、大山時代の短編映画『おばあちゃんの思い出』には幼少期ののび太役で舞園さやか役の大本眞基子氏、同じくジャイアン役で大神さくら役のくじら氏が出演していた。つまり実質ドラえもん&のび太&ジャイアンの共演とも言える。))。 ---初めはドラえもんの印象がどうしても残るだろうが、本作を象徴するキャラクター性からじきに「モノクマとして」見えてくること必至である。というか、ドラえもんのイメージを消し飛ばす台詞が満載である。 ---割とダメ元のオファーだったようだが、台本を見た彼女が興味を示しキャスティングが実現した。本作で処刑が「おしおき」と表現されているのは彼女のアイデアである((『ダンガンロンパ 1・2 Reload』の設定集に掲載されたスタッフインタビューでは、大山氏より「『処刑』という言葉は使いたくないため、その部分の変更を了承してくれるのであればオファーを受ける」という交換条件が提示されたと語られている。))。 //交代については余談に移動 ***シナリオ シナリオについては多くを語ることを避けるが、息をつかせぬ衝撃的な展開やどんでん返しが連続し、読み手をぐいぐいと物語へ引き込む非常に大きな牽引力を持っている。~ 最後の最後に突きつけられる真実は驚愕必至。 -本作では、生徒同士による生き残りを賭けた殺し合いが行われていく。 --いわゆる「クローズド・サークル」系のストーリーと「デスゲーム」要素を混ぜた世界観であり、殺した人間・殺された人間は常に見知ったクラスメイトである。そのため「死」の喪失感は、いわゆる推理物の中でも特に大きい。 --当然ながら、シナリオや自由行動で交流を深めたキャラクターが殺されてしまうこともあるし、実は殺人者だったということもある。 ---気に入ったキャラが唐突かつ理不尽に殺されることもあり、気に入ったキャラを「お前が犯人だ」と告発しなければならないこともある。 ---またこの絶望的環境から信頼や希望が目覚めるというのも本作の醍醐味である。 --この繰り返しがプレイヤーに絶望感を与え、ゲームへの没入をさらに深めさせていく。 #region(※軽度のネタバレを含むので注意) -希望ヶ峰学園内では、衣食住が完全保障された上でストーリーが進む。つまり、本作で発生する殺人事件の「動機」には、例えば食料の奪い合いなどといった基本的な生命維持に関するものはない。 --同じ境遇におかれた仲間であると同時に敵でもある、という極限状態に追い込まれた生徒たちがそれぞれ何を思い、誰を殺すのか。~ 心の弱みに付け込まれた彼らの人間ドラマもまた、本作の物語における1つの見所である。 #endregion -本作のシナリオは、閉鎖空間や校則といった過酷な設定により、登場人物たちの争いを殊更に煽るような内容となっている。~ そうして調査と学級裁判を繰り返すことで1つ1つのドラマと接していく内に、黒幕と希望ヶ峰学園の真実が次第に明らかになっていく。~ この巧みな物語運びのため、止め時を見失うプレイヤーが続出した。 -通称「通信簿会話」とも呼ばれる自由時間の会話も特筆すべき出来。 --かなり突飛な性格で、メインストーリー中ではなんでこんな性格に…?と思わされるようなキャラが、この会話で生い立ち等を聞かされることでその性格付けに大きく納得させられたり、逆にこの会話がメインストーリー中の行動の大きな伏線になっていたり…といった例が複数ある。 --概要だけを言えばさほど長くない会話イベントがキャラ毎に何回かあるというだけなのだが、この会話を見ることで大きく印象が変わるようなキャラも複数おり、単なるおまけ会話と切って捨てることはできない重要な要素となっている。 --もちろん、この会話自体でキャラへの親近感が強まり、前述のように被害者や犯人になった場合の心の動きを増幅させる意味合いも大きい。 ***「学級裁判」 -本シリーズのメインである「学級裁判」は、1人用の証言台を円形に繋ぎ合わせた裁判場で行われる。 --ノンストップ議論中は発言者が変わるたびにカメラがグルグルと回り、ドラマチックな雰囲気を引き立てている。 ---一般的にアドベンチャーゲームの立ち絵は単純なフェードイン、アウトで表示されることが多いが、本シリーズの学級裁判ではこのカメラワークで大きく臨場感を増している。 ---このカメラ演出とフルボイスが合わさって、十数人ものメインキャラクターが思い思いに喋る様子は非常に目まぐるしく、他のゲームでは味わえない「会話」感が味わえる。 --殺害やおしおきで死亡したキャラクターの証言台には遺影が配置される。ゲームが進むたびに遺影が増え、会話する人数も減っていく。 ---カメラ演出もあって遺影は頻繁に目に入るし、会話の人数が減っていくことも会話頻度で強く実感させられる。これらにより、嫌でも仲間を失う喪失感を突きつけられる作りとなっている。 --喋っていないキャラでも表情がコロコロ変わっているので、注意して見るのも面白い。 --ノンストップ議論の的となる発言も、普通は右から左に流れるところ、力強い発言は奥から手前に揺れ動きながら飛び出してくる、畳み掛けるような発言は上下から時間差で流れてくるなど、2Dに立体的な表現を持たせて見飽きさせない。 //-議論については犯行について「証言」や「推測」に対して「矛盾」を探すという独特の推理要素があり、証拠から道筋を出し徐々に真相が明らかとなる。 //--議論の筋道が全く素人の高校生が真相へとたどり着くのに違和感を覚えない様になっている。 //--また、通常の推理物ADVと違うのは証言から矛盾を探すという犯人への対決がメインであるというオリジナリティがゲームとなっている。 //↑ここについては『逆転裁判』を代表とする同型のゲームと大きな差異はないと思います。ある程度評価点としても書けるかもしれないですが、この文章では伝わらないです。 -「おしおき」と称したクロの処刑は数少ないムービーシーンになっており、その描写は本当に惨い。 --いずれもブラックユーモアが強く、人の命で遊んでいるような残酷な殺し方に背筋が寒くなること請け合いである。 --事後の結果だけ1枚絵で見るようなタイプ(事件現場など)の残酷描写とは、受ける印象が格段に違う。 --残酷であると同時にあまりにもシュールであるため、独特のノリにつられて笑いが生じてしまうという人もいる。 --こういった描写は、犯人を追いつめたという達成感以上に仲間を失う悲壮感を感じさせるという、作品の特徴を強めるものになっている。 ***その他 -BGMについても、自由行動中は軽快に、事件が発生したらシリアスに、モノクマが現れればヘンテコなテーマが流れ、学級裁判の佳境ではハイピッチで盛り上げて…と、かなり大胆な緩急がつけられている。 --学級裁判で議論が深まり、犯人を追いつめていく際の「議論-HEAT UP-」や「議論-HOPE VS DESPAIR-」なども勿論人気はあるのだが、事件の緊迫感を煽る「イキキル」や、新展開を盛り上げる「ニュー・ワールド・オーダー」など、裁判外のイベントシーンで印象に残る人気曲も多いのが特徴である。黒幕との最終決戦ではメインテーマ「DANGANRONPA」が流れ、熱い演出に仕上がっている。 --これらのBGMを担当しているのは『killer7』や[[『地球防衛軍』シリーズ>地球防衛軍シリーズ]]等の音楽を手がけた高田雅史氏で、氏は以降もシリーズにおいて多数の名曲を手掛けている。 -システム面は親切 --セーブ&ロードはすぐに行えて、間違ってもやり直しできる。 ---- **賛否両論点 -サイコポップというオブラートに包まれてはいるものの、やはりブラックな描写が多いため人を選ぶ。 -血液は赤ではなく、鮮やかなピンク色で表現されている。残酷表現への自主規制と、グラフィックとしての表現を両立させようとした苦肉の策なのであろう。 --『ダンガンロンパ』の「サイコポップ」の雰囲気が象徴されているとして問題ないとするファンも多いが、「ペンキみたい」と否定的に捉えられることも少ないとは言い難い。 --猟奇的な殺され方をしているシーンもあり、緩和されてはいるが死体のグロテスクさが消失したわけでは決してないことは述べておく。 -ミニゲームの導入については賛否両論。 --中心となる「ノンストップ議論」については演出やフルボイスも相まってゲームの雰囲気作りを大いに助け好評だが、それ以外のミニゲームには欠点も各々指摘される。 --「閃きアナグラム」にしろ「マシンガントークバトル」にしろ、裁判のアクセントと見るか不要なミニゲームと見るかで評価はやや分かれる。 ---「マシンガントークバトル」は操作方法が説明不足な部分もあり((一定数の連続ロックオンが可能だが、説明では全く触れられないなど。))、リズムゲー要素もあるため、慣れないうちは何度かリトライすることになりやすい。 -「超高校級」の才能がシナリオ内で活かされる度合いに、各々のキャラクターでかなり差がある。 --殺害のトリックやシナリオの重要な部分で使われるものもいれば、単に「それっぽい性格をしている」というキャラ付けに留まっているものもいる。 --無論シナリオ上の限界はあるが(閉鎖空間で活かしようがない才能もある)、指摘がそこそこあったため、『2』以降は改善が図られている。 -ADVとしては、マンガやアニメなどのオタク文化、下ネタにある程度の慣れがある人向けの世界観。 --モノクマを始めとした一部のハイテンションなキャラクターは、普段サブカルチャーにあまり触れない人間にはやや拒否反応が出るだろう。 //-推理物として考えると難易度は低い //--バレバレの犯行や隠蔽工作も杜撰であり、少しミステリに詳しければすぐに犯人は分かる。 //--とはいえ犯人当てがメインではないし、またライト層向けのゲームとしてみれば難易度は適切との声もある。 //↑問題点に同様の記述が存在するためCO。 #region(※中程度のネタバレを含むので注意) -ストーリーは事件の犯人・被害者が固定されている一本道シナリオであり、マルチ展開などは無い。 --通しでクリアする場合のボリュームはADVの標準クラスなので、相対的にボリュームがやや少ないと言える。 -主要人物である15人の生徒たちは、物語が進むにつれて一人、また一人と死亡していく。もちろん、生き返ったりはしない。~ また、前述通り一本道シナリオであるため、どのような攻略をしても事件や死亡するキャラは絶対に変化しない。 --魅力的なキャラクターの多いゲームだが、だからこそ上記の理由により、初回プレイ時から特定キャラに入れ込むような接し方は危険。~ 「この人が犯人or被害者であって欲しくない」と思ってプレイしていると鬱ゲーになりかねない。 --当然ながら、ストーリー上で死亡する人物とは一定以上交流できないし、シナリオ面での掘り下げにも限界がある。~ 物語上仕方のないこととはいえ、ここに生じる不平等感に不満を抱くユーザーは少なくない。 ---主人公の苗木に好感を持っていると思われるヒロインは複数居るのだが、シナリオルートの変化が無いため、苗木と共に終盤まで生き残るヒロインは明確に定められている。~ このことより一部からは「優遇」として批判されることもある。 --とはいえ、序盤で退場するキャラクターにはその前に一定の掘り下げがなされるシナリオ構成にもなっているため、生き残ったメンバーに比べて犯人or被害者の存在感が薄くなるということはない。~ 逆に犯行の動機や他キャラとの関係性が深く描かれることで、プレイヤーに強く印象を残すキャラクターもいる。 ---人気投票などを見ても、序盤で退場したキャラクターが上位に食い込んでいる。 -終盤、本作の世界観の核心に関わる「ある事件」と黒幕についての説明が極端に少なく、やや駆け足気味の展開である(伏線などはちゃんと用意されてはいる)。~ また、その黒幕の正体に関するトリックもミステリ小説等に慣れているプレイヤーとしては稚拙に感じる出来で、少し尻つぼみ感が拭えないものとなっている。主人公苗木に対する因縁も薄く、苗木に固執する理由もイマイチ。 --エンディングの展開も続編を匂わせており、ともすれば「投げっぱなし」と感じられるものである。もう少し掘り下げられなかったのだろうか。 --この点は、小説などの外部作品や続編である程度補完されている。 -ややすっきりいかないラスト #region(ネタバレ) --生き残りメンバーの全員が絶望に立ち向かう希望を身に付けるが、あるキャラは特殊な事情により終盤では蚊帳の外という展開に置かれ、すっきりいかない。 --一応、このキャラは関連作にて掘り下げが描かれている。 #endregion //生き残りのネタバレなので隠し。そもそもこの項目自体いらないと思うが。 //↑もうちょっとぼかした。いらないという意見にも賛成なんで、カットしていいという人が他にもいたらカットしていいと思う。 -一部アンフェアな展開 --モノクマ((正確にはモノクマを操る黒幕。))が、終盤になるにつれて犯人でない人間をおしおきしたりなどルールを破り、アンフェアと批判される。 --とはいえ、悪役が「ルールを守る」と言っておきながら平気で破ることはよくあること(というか半ばお約束)である。 --また、この出来事自体黒幕が追い詰められた結果なので、これをきっかけの1つとして主人公達が反撃に転じることになる。そのためむしろこの展開がないとストーリーが成り立たなかったとも言える。 //モノクマは中立的なゲームマスターではなく、あくまで「黒幕の人形」なのでそれ自体は問題ではありません。故意にミスリードを誘うガイドキャラ、というのも決して珍しい存在ではないので。 #endregion ---- **問題点 -難易度が低く、ゲームとしての歯応えはあまり無い。 --作り手の想定する標準的な難易度は、最高設定の「イジワル」である。そのイジワルでも、ゲーム慣れしたプレイヤーには簡単な部類に入るだろう。 //---ましてや本作はCERO:Dであり、アクションにしろ推理にしろ対象層と調整が合っていない感もある。 //CERO審査は表現のみでゲーム難易度とは何の関係もない --特に推理要素については、言弾(証拠品)を手に入れる場面や議論の際におけるセリフで結構な量のヒントが出てしまう。 ---トリックに関しても奇抜なものが多い訳ではなく、一部には証拠集めの段階で犯人どころか事件の詳細まで予想できてしまうような事件もある。~ 逆に、裁判パートの終盤になるまで犯人が全く予測できない事件もあり(日常パートで一応の伏線は張られているが)、「推理物=犯人当て」とした見た場合、難易度のばらつきがかなり大きい。~ 裁判パートの途中で重要な新事実が判明し、事件の様相がそれまで認識されていたものからがらりと変わる、という展開も頻発するため、いわゆる推理小説のような「全ての情報が出揃った状況から論理を組み立てて真相に至る」という形式を想像するとアンフェアに感じる。 --プレイヤーからの視点ではあからさまなことでも、物語中では推理段階でまだわかっていない、という齟齬から推理を間違えることも多々ある。 --また、主人公とは別に探偵役を務めるキャラが存在するのも低難易度の一因と思われる。 ---ストーリー上の都合でもあるが、そのキャラは卓越した観察眼と推理力によって主人公より先に真相に辿り着いたりプレイヤーの知らない情報を独自に入手したりする為、そのキャラに誘導される形で推理をする展開も多く、謎を解く爽快感を削いでいる部分もある。 --ライターの小高氏によれば「アクション要素もあるし、推理アドベンチャーがマイナーであることを考えると、考える楽しさより正解の快感で勝負したほうがいいと考えた((2013/7/19、小高氏のTwitterにて。))」というが、やはり結果的には不満意見も多く出た。 --『2』では「シンセツ」でも難易度が高めになっており、推理の歯ごたえが増している。 -周回プレイに対する追加要素の類は無い。 --スキルとモノクマメダルは周回で引き継げるため、モノクマメダルを消費してCG・ムービー・設定画・サウンドの鑑賞モードを開放するという要素はあるのだが、多くのメダルを獲得できる学級裁判パートは何度もやり込むタイプのゲーム性ではないため、作業的になってしまう。 --「自由行動」パートでのキャラクターとの会話は、前述のようにスキルを獲得できる実用性とキャラクターの一面を知れるストーリー性、「通信簿」の項目を増やせるやり込み性を兼ね備えており、ファンとしては興味深いものである。~ しかし、この会話要素が1周プレイしただけではコンプリートに程遠く、おまけに自由行動パートだけを繰り返すことがシステム上不可能であるために無駄に作業量が増えて非常に面倒。 ---効率的にコンプリートするとしても「ある章を初めから開始して会話や探索パートを進め、自由行動パートまで終えた以降でセーブ」を何度も繰り返さなければならず、大変無駄が多い。 ---『2』や後述のVita版では、クリア後にコロシアイ無しで仲間達と絆を深める「スクールモード」が追加されたことで解消された。 --自由行動のキャラ掘り下げは面白いのだが、見返し機能がなく一度見てしまうとそのデータでは二度と見られない。 ---会話前のセーブデータを取っておけば見直し可能だが、一人二人分ならともかくそれ以上となると現実的とは言いがたい。 -議論パートでゲームオーバーになった場合の展開は、「主人公が罪を着せられて犯人の特定に失敗、犯人は無事に『卒業』成功」という展開で固定。 --「主人公以外の犯人ではない人物が犯人であると疑われるような場面」であろうと「犯人がほぼ特定され、後は決定的な証拠を見つけて自白させるだけという段階」であっても、ゲームオーバーになると唐突に主人公が冤罪になるという理不尽な展開になる。 --シナリオ展開による制約やネタバレ防止などの都合上、仕方がないことではあるのだが。 --不自然だったためか『V3』ではこの演出はなくなった。 -「Re:アクション」システムについてはあまり必要性が感じられない。 --会話にひと手間増えているだけで、特に凝った演出がある訳でもない。返答という要素を入れることで会話に没入させる意味もあったのかもしれないが、その割には自由度の高いシステムではなく、基本的には一本道のADVである本作の構成とも噛み合ってはいない。 --敢えてRe:アクションで質問できる紫文字をスルーして進めてみても、展開が変わったりすることもなく単に会話が終わってしまうだけで、再度会話してRe:アクションを行わないと結局物語が進まない、という無駄な労力を払わされるケースも多い。 --こういった無意味さが本作の時点で指摘されたため、このシステムは本作のみで削除された。 -一部、UIに不親切な面がある。 --通常状態でのマップ移動やメッセージスキップの速度がやや遅い。 ---前者はスキル「ランニング」によるダッシュ機能で幾分解消できるが、スキルでなく標準でダッシュできる仕様で良かったとの声は多い。 ---マップ移動については、廉価版で標準でダッシュできるように変更された。 --室内の調査において、調べられる箇所と人物などが密集している場合、目的の箇所に照準を合わせるのに手間取る。また、どこを調べられるかはアイコンを当てないとわからないため、やや不親切。 ---後者はスキル「観察眼((△ボタンを押すことで、調べられる場所が色つきの丸で囲まれて表示されるスキル。))」を入手すれば多少解消できるものの、標準で欲しいという意見も多かった。~ そのため前述の「ランニング」と共に廉価版では削除され、標準で装備されている。 --学級裁判パートのクライマックス推理に、「画面レイアウトがせせこましくてコマが見にくい」「どういった状況を表している絵なのか分かり辛い」「似たようなことをやっている構図があり、正解の組み合わせがどちらなのか分かりにくい」といった難点がある。他パートとイラストのテイストが異なるのも原因と思われる。 --前述のように移動は一人称視点で行うが、カメラの回転がノーマル固定でリバースが選択できないため、リバース操作に慣れていると違和感を感じやすい。 -全員分の「おしおき」が無い --犯人に対する罰である「おしおき」はファンの中でも好評なのだが、作中で犯人にならなかったキャラクターの「おしおき」も見たいという声はしばしば挙がる。 ---もちろんダンガンロンパは一本道のシナリオであり、ゲーム中犯人は確定している為他の人物に「おしおき」をするのは不可能だが、犯人が外れれば全員死亡というルールがあるので上手くやれば全員分のおしおきを用意することもできるのでないかという指摘もある。 --一応、設定資料などで犯人以外のキャラクターのおしおきに関する設定だけは見られる。 ---- **総評 舞台設定や裁判のルールなどで緊張感を持たせ、全く性質の異なる複数のゲーム形態を使い分けてスピード感を表現しメリハリをつけることで、個々の要素は既存の形式を踏襲したものでありながら総合的には過去のどの作品とも一線を画する、新しい裁判物ADVとして仕上がっている。 15人の生徒たちを始めとするキャラクターたちはそれぞれが個性的であり、人数が多いにもかかわらず埋もれるようなキャラクターがいない。ゲーム内容と調和の取れたBGMやグラフィックなどを見ても、作品全体の完成度の高さが窺える。 持ち前のブラックテイストが人を選ぶ、周回プレイに耐えるタイプの作りではないといった欠点はあるものの、''「きれいにまとまった部分」と「突き抜けている部分」を絶妙なバランスで同居させた快作''であることは間違いない。 //公式で内容のネタバレが禁止されているため、ネット上には断片的な情報しか転がっておらず初見ではよくわからないかもしれないが、実際に遊んでどういうゲームなのか確認してみてほしい。 ---- **余談 -本作は、体験版と製品版でシナリオが微妙に異なる。その他にも、体験版で不評であった部分を短い期間で修正((文字送りの「ピコン」音の削除、マシンガントークバトルの演出強化などが挙げられる。))している。 --製品版には体験版の差異画像も収録されているが、すでに購入した人も体験版をプレイしてみてはいかがだろうか。 -本作で頻出する「超高校級」という語句だが、これ自体は本作以前から存在した言葉である。特にスポーツ分野で、頭角を現した学生アスリートの表現としてしばしば用いられていたが、本作が発売される頃にはあまり使われなくなっていた。 --しかし本作で有名になって以降、本作が元ネタだと思われたり、過去に使用された例についても本作が引き合いに出されたりすることが多くなった。後者についてはそれを快く思わない人も少なくないので、控えるべきなのだが…。 ---ある言葉を広めた事でその元ネタだと思われる、と言う事については似た例に『[[Steins;Gate>STEINS;GATE]]』の「世界線」がある。「超高校級」はあちらのように広く用いられるようになったという程ではないが。 --海外では公式な海外版が発売されるまで数年を要したため、インディーズ翻訳による非公式の翻訳版や動画が出回ったが、そこでは「超高校級」を敢えて直訳で「Super High-School Level」(SHSL)と呼んでいたため、こう呼ぶ動きが定着した。しかし、後に発売された公式の海外版では「Ultimate」(アルティメット、究極の)とシンプルな意訳が行われた。 -2010年の発売当時から、第2章以降のプレイ動画配信が「公式に」禁止されていた。 --逆に言えば''「第1章の配信は認める」''という、先が気になる推理ゲーム・デスゲームならではの試みであった。 --当時のプレイ動画・ゲーム実況ジャンルが誕生から2~3年目程度、未だ黎明期~過渡期にあった時代背景を考えても、非常に先進的。 ---他ゲームタイトル=特に推理ゲーム・アドベンチャーゲームや、「犯人」のネタバレが致命的な『[[ペルソナシリーズ>女神転生シリーズ]]』なども同様のアナウンスを行うようになったが、本作はその先駆けだったと言える。 ---なお本作の配信規制は、[[2022年12月24日、発売13年目と「特別な日付」を祝して解禁された。>https://www.spike-chunsoft.co.jp/news/product/17141/]] ***制作秘話 2011年9月に行われたゲーム開発者向けカンファレンス『CEDEC 2011』において寺澤氏と小高氏が登場し制作秘話を語った。以下抜粋して紹介する。 -当時『侍道』『喧嘩番長』程度しかキラータイトルが無かったスパイクは早急に新規タイトルの制作を迫られており、寺澤氏は常々新規タイトルを作りたかったことから『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』のシナリオライターだった小高氏に企画書を送り、「今までにないもの」をテーマに制作を進めた。 --この時点から「15人の高校生」「クロ」「コロシアイ」といったワードも登場し、決定稿よりちょっと細いモノクマも出来上がっていた((当初、モノクマはクマではなく人体模型にする案もあった模様。))。が、イメージはコンクリート風など相違点も見られ、ゲームもマルチエンディングつきの一般的ADVだった。 -そこで改良を図り、本作のイラストを担当した小松崎類氏によるサイコポップなイメージ&キャライラストでより原型に近づいた。 --が、社内からは「PSP×ADVなんて良くて4万本」「中高生向けならアドパをつけないと」といった反対意見もありさらなる改良が必要となった。 -その後も企画を煮詰めてジャンル名「ハイスピード推理アクション」や「超高校級」「2.5D」「マシンガントークバトル」「フルボイス学級裁判」など製品に大きく近づいて行った。 --実際に推理シーン、処刑シーンも完成していたが処刑のあまりのグロさにやはり反対が続出(本人もやりすぎたと反省したほど)。辞表覚悟でOKをもらいようやく販売にこぎつけた。 --また、大山氏についても上述と通り、ダメ元でのオファーをかけたところ快諾してくれた。 -発売時期はキラータイトル『[[モンスターハンターポータブル 3rd]]』の影響もあり、初週2万弱と低調な出だし。 --しかし、良作という評判が徐々に広がりダウンロード版合わせ10万本を達成、その後は廉価版を合わせ総計20万本以上を売り上げた。~ 販売数の大半が初週消化であるゲーム業界において驚異的なジワ売れである。 --ちなみに、小高氏が10万本達成をツイッターで報告しようとしたところ、[[「10本」と誤って報告>https://twitter.com/kazkodaka/status/119014549369266176]]してしまい、[[その後すぐ訂正>https://twitter.com/kazkodaka/status/119015724726484993]]したことで一時話題になった。 -上記制作秘話について、詳しくはこちらの記事を参照されたし。→[[I>https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/476330.html]]・[[II>http://dengekionline.com/elem/000/000/403/403327/]] -なお、本作を製作するに当たって影響を受けた作品のひとつとしてDCの『[[ILLBLEED]]』が挙げられている。 ***以後の展開 -2011年11月に廉価版が発売されており、視認性や操作性を向上させる改良、追加コンテンツが収録されている。 --''通常版とはセーブデータに互換性が無い''ので、今から始めるならこちらか、あるいは後のスマホ・Vita・Steam移植版をオススメしたい。 --本作は発売時点では販売の規模が小さく限定版は存在しなかったが、人気が確立したため廉価版で新たに限定版を用意するという変わった試みを行っている。 -2012年8月にスマートフォンアプリ版が発売された。内容は基本的に廉価版に準拠。 --PSP版のような体験版はプレイ出来ないが、代わりに本編1章が丸々無料プレイ可能となっている。 --低画質版と高画質版がオプションで選択可能。 --ミニゲームの操作方法などが一部変更されている。難易度設定は出来ず、スマホ版独自のものとなっている。 ---ノンストップ議論では論破やサイレンサーがタッチのみで行えるようになり((カーソル関連のスキルも削除され、スキルポイント上昇になっている。))、やや難易度が下がっている一方で、マシンガントークバトルのロックオンが、各発言の位置をタイミングに合わせてタップしなければならなくなったため、タイミングよくボタンを押すだけでよかった移植元より難易度が上昇している。 --なおiOS8以降には対応しておらず、ひっそりと2015年に配信終了となっている。 --その後シリーズ生誕10周年を記念した『Anniversary Edition』として2020年に改めて配信。こちらは『1・2Reload』準拠の移植。 ---ギャラリー機能にキャラクターの表情差分やボイス再生、親密イベントの回想や設定資料の閲覧などが追加されている。 -2013年10月10日にPS Vitaで『2』とのカップリング移植『ダンガンロンパ 1・2 Reload』が発売。詳細は後述。 -2016年2月29日に『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』のタイトルでPC(Windows/Mac OS/Linux)版がSteamで配信開始された。詳細は後述。 -シリーズページにも挙げられている通り様々な派生作品が展開されているが、&color(red){シリーズ未見であるなら本作から触れることを推奨する。} --以降の作品では本作の重要な伏線や黒幕などが大きくネタバレされており、初見の楽しみを損なう可能性が高いためである。 --この影響で''発売当時以上にネタバレを踏みやすくなっている''ので、必要以上の攻略情報を探らないようにした方が良いだろう。 -本作以後もモノクマ役は大山氏が担当していたが、後に健康状態の関係で降板し、2016年の舞台版の再演からは『ちびまる子ちゃん』でお馴染みのTARAKO氏に交代している。 ***ゲーム以外の派生作品 -2012年12月10日に本作のTVアニメ化が発表され、2013年7月から放映された。 --1クールで終わらせるためか、各事件がかなり圧縮気味になっており、語られずに終わったエピソードも多数ある。 --アニメという媒体上、学級裁判以外のパートもフルボイスになっているため、大山氏のモノクマの演技などがまた新鮮なのが救い。OPでモノクマが踊るセクシーダンスはある意味必見。 --2013年6月にはアニメの展開を基としたアニメ版コミカライズ(作画は月見隆士氏)、2013年9月にはアニメ版ノベライズ(作者は川上亮氏)も出版されている。 -2010年10月からファミ通コミッククリアで本編コミカライズ『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』が連載された。作画は燈谷朔氏。 --ストーリーはゲーム本編とほぼ同じだが、各章で視点となるキャラクターが異なり、事件の流れが一部しか説明されないことや、キャラクターの行動などにオリジナル展開もあり単体では作品を追いにくいことから、''本編をプレイした後に読むのが望ましい外伝的作品''となっている。後に単行本も発売された。 --ちなみに、ゲーム発売前には同サイトにて同作者による体験版コミカライズが公開されており、ゲーム中では明らかにされなかった体験版の犯人とおしおきが描かれていた。 ---この体験版コミカライズはゲームの店舗別予約特典の1つとなっていたが、単行本化はされておらず、現在は入手が難しくなっている。 ---その上、2012年6月末をもってウェブ公開も終了しているため、こちらは読むことすら困難になっている。 -2011年9月に外伝小説『ダンガンロンパ/ゼロ』が上下巻で発売。ゲーム同様、小高氏が手掛けている。 --ただし''冒頭から本作の黒幕が隠す気0で出るなど、非常にネタバレが多い''。そうでなくとも、本作未プレイでは理解できないような部分も多いので、購入の際には注意が必要である。 --なお上巻の内容は[[公式サイトで無料で公開されている>http://sai-zen-sen.jp/fictions/danganronpa-zero/]](ただし、挿絵は含まれていない)。~ 繰り返すが、''本編をクリアした人前提の内容となっており、遠慮一切無し全力全開の本編ネタバレがこれでもかと襲ってくる。閲覧注意!!'' -2013年9月から、本作の登場人物である霧切響子の幼少時代を描いた外伝小説『ダンガンロンパ霧切』が発売。作者は『城』シリーズなどで有名な推理作家の北山猛邦氏。 -2014年11月には舞台化が行われた。16年に再演も行われている。 --各事件の流れを変えずに圧縮したアニメ版とは違い、小高氏の完全監修の上で中盤の流れを大胆に変更することで3時間の舞台に纏めている。 --シリーズの大ファンを公言する神田沙也加氏が江ノ島盾子役で出演し、主題歌を担当している。 ---後にはシリーズ最新作『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』にて赤松楓の声を担当する事となった。同じく不二咲役の石田晴香氏も同作にて入間美兎役として出演。 --神田氏はこの舞台共演がきっかけで大和田役(再演版)の村田充氏とご成婚したというエピソードがある。%%後に離婚したが。%% -2015年11月には、本作の登場人物である十神白夜を主人公とした外伝小説『ダンガンロンパ十神』が発売。作者は『鏡家サーガ』『1000の小説とバックベアード』『デンデラ』で有名なミステリ作家の佐藤友哉氏。 -2016年7月には、シリーズの完結編アニメ『ダンガンロンパ3 The End of 希望々峰学園』が放映された。 --後日談である『未来編』と『2』の前日談である『絶望編』の2つを1クール内に放送するという特殊な形態を取っており、実質的な分量は2クールに相当する。 --双方の作品が放送終了した後、完結編である『希望編』が放送された。ただし、作品の評価は結末を含めて賛否両論の傾向にある((ゲーム本編との大きな矛盾や無理やりな設定変更も多い。特に『2』はその傾向が強く、とあるキャラに対する大幅なキャラ改変はアニメ内での扱いもあってかなり不評を浴びている。))。 --同年3月には講談社発行の漫画雑誌『別冊少年マガジン』にて外伝漫画『ダンガンロンパ害伝 キラーキラー』の連載も行われ、翌年5月に完結した。 ***ゲスト出演等 //続編や派生作品に関しての記述はシリーズページと重複するため削除しました。 -2016年に発売した『[[クリプト・オブ・ネクロダンサー]]』PS4/PSV版に今作のBGMが数曲収録。また『ネクロダンサー』経由で『GROOVE COASTER 3』に今作の「議論 -HEAT UP-」「だんがんろんぱ!」のアレンジバージョンが収録された。 --グルコス収録の出典こそ『ネクロダンサー』表記だが、ジャケット・お約束の背景演出そのものは完全にダンロンを意識したものとなっている((『論議』のジャケットには苗木が、『だんがんろんぱ!』のジャケットにはモノクマ・モノミ兄妹が描かれており、どちらも背景演出ではダンロンキャラと思われるシルエットや演出が登場する。))。 --グルコスでのイベント報酬として、モノクマ、苗木、江ノ島が2Dアバターにて登場した。 --グルコス側は2023/01/31に削除。 -開発・販売のスパイク(及び、合併後のスパイク・チュンソフト)の別作品にも本作のネタが登場する事がある。 --2011年発売の『[[ガチトラ! ~暴れん坊教師 in High School~]]』に本作のセーブデータを読み込ませる事で、主人公のコスチュームとしてモノクマの着ぐるみが入手可能。また、同作中の映画館では本作のPVを見る事ができる。 --2015年発売の『喧嘩番長6~ソウル&ブラッド~』ではモノクマが隠しキャラとして登場し、しかも戦う事が出来る。 --2018年発売の『[[ザンキゼロ]]』にはモノクマがゲスト登場する。 ---こちらはダンガンロンパシリーズスタッフが手掛けただけあってかダンガンロンパを想起させる要素が多い。 ---- *ダンガンロンパ1・2Reload 【だんがんろんぱ わんつーりろーど】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|CENTER:&amazon(B00DS3SZMQ)&amazon(B06X9H4HNF)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br;プレイステーション4|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~| |開発元|シェード|~| |発売日|PSV:2013年10月10日&br;PSV(Best)/PS4:2017年5月18日|~| |定価|PSV:&br;・パッケージ:4,980円&br;・ダウンロード:4,476円&br;・the Best版:2,980円&br;PS4(共通):3,800円(各税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(1・2) 続編『2』と統合する形でのPSVへの移植版。~ 上述のテレビアニメ版の放送直後に発売されており、そちらの視聴層を取り込もうという狙いもみられる。~ ---- **特徴(1・2) -追加要素として、『2』で加わった「アイランドモード」を『1』の世界観に逆輸入したおまけモード「''スクールモード''」が新たに追加されている。 --特に『1』での早期退場キャラのファンには嬉しく、既プレイヤーでもこのモードのために買い直したという者も出た。 --このうち、とあるキャラは他のキャラとは一味違うエンディングを迎える。詳しくは書かないが、ユーザー歴が長い人ほど感慨深いものがあり、評価が高い。 ---もっとも、仕様上『1』本編をクリアしないとおまけモードが解禁されないため、既プレイヤーは本編のやり直しを迫られる事になるのだが。 --これにより、上述の「通信簿イベントのコンプリートやメダル稼ぎが面倒」という問題もほぼ解決されることとなった。 --ただし、スクールモードは僅かながら『2』のネタバレも含まれている。 ---無理強いはできないが、''新規プレイヤーは『1』本編→『2』本編としっかりやりきってからスクールモードを遊ぶことを推奨しておきたい。'' -本編は基本的にベタ移植だが、ハード変更による高画質化とタッチパネルへの対応、学級裁判リザルト表示の『2』仕様への統一(裁判終了後に一括判定)などが図られている。 --また、PSVではダウンロードできない『1』の体験版も同時収録されている。 -劣化要素は一切無いので、PSVを持っているのであれば新規購入はこちら一択とされている。 --とはいえ、「スクールモード」以外にさほど大きな追加要素がある訳でもない。PSV本体を買うのは躊躇するというようであればPSP版でも十分だろう。 --その「スクールモード」についてもSteam版にも収録されているため、PCでプレーできる環境があればそちらを選ぶ手もある。 -2017年5月18日にPS4版が発売。同日にPSV版の廉価版も発売。 -2019年4月24日、『1・2Reload』と『V3』がセットになった『ダンガンロンパ トリロジーパック』が発売された。 **問題点(1・2Reload) -『1』の終盤のモノクマ劇場でスピンオフ作品『絶対絶望少女』のPVが流れるシーンがある。 --素直に見ただけでも1の最終的な生存者、更には&bold(){黒幕の名前}までも予測がつく作りになっており、物語の本筋が盛り上がってきた所で公式が思いっきりネタバレで冷や水を浴びせてくるという致命的な展開になっている。 --PSPでの原作発売時は当然同作は存在しておらず、スパイク・チュンソフトの別のゲームを宣伝するというギャグだった。 ---- *Danganronpa: Trigger Happy Havoc(Steam) 【だんがんろんぱ とりがーはっぴーはぼっく】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&ref(http://cdn.akamai.steamstatic.com/steam/apps/413410/header_japanese.jpg?t=1478567887,,http://store.steampowered.com/app/413410/)&br;[[Steam版>http://store.steampowered.com/app/413410/]]| |対応機種|Windows&br;Mac OS X&br;Linux + SteamOS|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br;Abstraction Games|~| |発売日|2016年2月18日|~| |定価|%%3,600円(税込)%%&br;⇒ 2,138円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(Steam) 『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』のタイトルでSteamにて配信されているタイトルでPC(Win/Mac/Linux)版。 ---- **特徴(Steam) -Steam版は『ダンガンロンパ 1・2 Reload』の『1』の単体移植にあたり、追加要素であった''「スクールモード」も収録''されている。 --ただし海外で体験版が配信されていなかった影響か、本作では体験版を遊ぶことができない。 -配信当初は残念ながらタイトル通りUIと字幕は英語のみで、日本語への変更はできず、吹き替えのみ英語と日本語を選択可能となっていた。 --しかし、2016年8月5日に続編『2』も合わせ、アップデートで''日本語&中国語テキスト追加パッチが無償配信され、これにより事実上日本語版としてのプレイが可能になった。'' ---『2』とセットで買うと割引になるお得なバンドルセットも存在するため、未プレイの人は充分購入候補になるだろう。 --2017年6月29日には『[[絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode]]』発売に伴い定価が値下げされ、同作との3本セットバンドルも販売開始された。 ---- *ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 / ダンガンロンパ1+2(DMM.com) |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&ref(http://pics.dmm.com/digital/pcgame/spkchun_0001/spkchun_0001pl.jpg,,width=200,http://dlsoft.dmm.com/detail/spkchun_0001/)|&ref(http://pics.dmm.com/digital/pcgame/spkchun_0003/spkchun_0003pl.jpg,,width=200,http://dlsoft.dmm.com/detail/spkchun_0003/)| |対応機種|Windows&br;Mac OS X|~|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br;Abstraction Games|~|~| |発売日|2017年7月28日|~|~| |定価|単品: 2,138円(税込)&br;1+2: 4,104円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(DMM.com) DMM.comで『2』と共に配信。起動に使用するゲームクライアントが異なることを除いてはSteam版とほぼ同内容。
本項目ではPSP用ソフト『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』と、カップリング移植版であるPS4/PSV用ソフト『ダンガンロンパ 1・2 Reload』に加え、PC移植のSteam版『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』とDMM.com版の紹介をしています。 ---- #contents ---- *ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 【だんがんろんぱ きぼうのがくえんとぜつぼうのこうこうせい】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&amazon(B003Y5I4BA)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|2010年11月25日|~| |定価|パッケージ:5,229円&br;ダウンロード:4,200円(各税5%込)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |廉価版ほか|PSP the Best:2011年11月23日&br;パッケージ:2,940円 / ダウンロード:2,800円&br;超高校級の限定BOX:同日発売/5,229円(各税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|サイコでポップな異色の推理ADV&br()演出性を重視した推理パート「学級裁判」も特徴的&br()デスゲームを題材にしたゲームの草分け&br()独特の世界観・キャラにハマるファン多し&br()推理要素は本作時点ではややぬるめ|~| |>|>|CENTER:''[[ダンガンロンパシリーズ]]''| ---- **概要 『侍道』『喧嘩番長』シリーズなど、一風変わったゲームをリリースしてきたスパイクによる新規タイトルのADVゲーム。~ プロデューサーは『侍道』の寺澤善徳氏が、シナリオは『[[名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵]]』のシナリオライターだった小高和剛氏がそれぞれ担当している。 公称ジャンルは''「ハイスピード推理アクション」''で、学園内で起こる殺人事件の謎を解く「学級裁判」パートでは、シューティング・リズムアクション・パズルなど、様々なジャンルが融合した推理を行う。~ 開発陣は本シリーズのデザインテーマを''「サイコポップ」''と称し、少年少女の「コロシアイ」という重く壮絶な内容のシナリオでありながら、画風・キャラクター・音楽などを軽めの雰囲気でまとめている。 ---- **ストーリー 各分野において優れた才能を持つ「超高校級」の高校生のみが入学できる「私立 希望ヶ峰学園」は、卒業できれば将来は約束されたも同然とすら言われている。~ そこに新入生として足を踏み入れた主人公・苗木誠は、エントランスに入った途端に急なめまいに襲われて意識を失ってしまう。 苗木が見知らぬ教室で目を覚ますと、学園内は完全に外の世界と断絶された閉鎖空間となっていた。 同じ境遇に置かれた他の新入生14人と合流したところで、一行は入学式と称するセレモニーに召集され、~ そこに現れた喋る謎のヌイグルミ「モノクマ」から恐ろしい校則を突きつけられる。  「新入生たちは、残された一生を全て希望ヶ峰学園内のみで過ごさなければならない。~   学園から脱出するための唯一の方法は、仲間を殺して「卒業」すること。」 こうして、彼らの生き残りを賭けたコロシアイ学園生活は始まった。 ---- **特徴 ***システム 学園内を歩き回って調査を行うADVパートと、事件の犯人について生徒たちで議論を交わす学級裁判パートの2つに大別できる。~ 一方、ゲーム内では殺人事件が起こる前を「(非)日常編」と、事件が起こった後を「非日常編」と呼んでいる。~ 章建てで進行し、各章は「(非)日常編」(ADV) ⇒「非日常編・捜査」(ADV)⇒「非日常編・学級裁判」(ADV+アクション)という構成になる。~ ''ADVパート'' -主にストーリーを進めながら、学園内の各教室や施設を探索して情報を集めるパート。最初の内は行動範囲が限られているが、ゲームが進むごとに行ける場所は増えていく。 -ADVパートでの会話の中には一部の単語が紫の文字になっていることがある。この際にボタンを押すことで&bold(){「Re:アクション」}と呼ばれる返答ができ、紫の文字の部分について突っ込んで質問することで会話を広げられる。 --このRe:アクションを行わないとストーリー会話が進展しないこともある。 -調査以外にも「自由行動」の時間が設けられていて、他のキャラクターと会話をして交流を深めたり、ゲームを有利に進めるスキルを獲得したりできる。 --自由行動でのみ明かされるキャラクターの詳細な設定もあるため、キャラクターへの思い入れを強める上で重要なパートである。 --交流の概要は、ゲーム中の「通信簿」に記録されいつでも観賞できる。 -ゲーム中で入手する「モノクマメダル」を消費して「モノモノマシーン」というガチャガチャを回すと、アイテムを入手できる((食料や衣服などの他に、パロディ系の物品も多い。物によってはCGイベントのトリガーになっているものも。))。 --これらはストーリー進行とは関係ないが、自由行動時に他のキャラクターにプレゼントすると好感度に影響する。増減の量はアイテムによって異なり、好みのものをあげれば好感度が多く上昇する。好みは概ね察する事ができるものから、意外に思えるものまであるので探してみるのも一興。 -メニュー画面の学園内全体マップには、特定の場所に一発でワープできる機能がある((移動途中にイベントがある場合などは使用不可。))。 --攻略上必ず調査しなければならないポイントには「!」印がつき、広い学園内でも目的を見失わずに進められる。 ''学級裁判パート'' -学園内で生徒同士の殺人事件が発生すると、事件に関する調査を行うADVパートの後に「学級裁判」が開かれる。~ このパートではADVパートで集めた情報を使って、「犯人が誰であるか」を生存している生徒全員で議論しあう。 --殺人事件が起こり、死体が一定人数に発見されると、ゲームの主催者であるモノクマによって一定の捜査時間が生徒達に許された後、学級裁判が開催される。一定時間と表現されてはいるが、実際はすべての証拠が揃うまで学級裁判が開かれることはない。 --学級裁判において決まりや段取り、決められた役割はなく、全員が平等の扱いで自由に会話できる。主催者のモノクマは犯人を知っており、議論には参加しない。 --学級裁判終了時に、参加者全員による多数決投票形式で犯人を指名する。 --指名された者が犯人であった場合は犯人以外の生徒たちの勝利となり、「クロ(真犯人)」は「おしおき」と称した残虐な処刑を下される。 --逆に、犯人でない者が指名された場合はクロの勝利となり、クロは「卒業」して閉鎖された学園から脱出できる。それ以外の生徒は全員処刑される。 ---つまり、他人を出し抜いて殺人を犯し、なおかつ他の生徒たちの目を欺き通して犯人だと疑われなかった者だけが勝ち抜けられる…というルールである。 --裁判中は議論の進行に合わせて、''主観視点STG''の形式で他人の発言の矛盾を指摘する「ノンストップ議論」(詳細は後述)、同様の操作でキーワードの穴を埋める「閃きアナグラム」、''リズムACT''の形式で討論する「マシンガントークバトル」、マンガのコマを埋めて事件の全貌を総括する「クライマックス推理」の4種のゲームが行われる。これらはすべて制限時間付き。 --時間切れになったり、ミスを繰り返して主人公の「発言力」ゲージがなくなるとゲームオーバーとなる(ただしその場でリトライ可能)。 --「発言力」ゲージの他に「集中力」ゲージというものも存在し、R1ボタンを押すことで「集中力」ゲージを消費して特殊効果((例として「ノンストップ議論」や、「閃きアナグラム」では文字の流れをスローにする「精神集中」がある。))を発動出来る。 --全ての議論が終了すると、その流れに従って自動的に犯人が指名される。 -このパートは難易度設定が可能。推理難度とアクション難度に対し、それぞれ「シンセツ」「ユルヤカ」「イジワル」の3段階がある。 --推理難度を下げると証拠の選択肢が減り、アクション難度を下げるとスピードや妨害要素が減る。 -ノンストップ議論 --学級裁判パートのメインとなるゲーム。各キャラがそれぞれ意見を出し合い、議題に対する答えを導き出す。 --ここでは議題に対する参加者それぞれの発言が、STGの“的”のように画面を飛び交う。 ---一部の発言は「ウィークポイント」として黄色で表示され、これが主人公が狙う目標となる。 --主人公が集めた証拠は、作中では「言弾(コトダマ)」と呼ばれ弾丸で表現される。 ---前述したウィークポイントの中から手持ちの情報と食い違う発言を見つけ出し、有効な言弾をヒットさせることで矛盾を指摘し、議論が展開していく。 ---ゲームが進むにつれ、ウィークポイントの数及び言弾の装填数(提示する証拠の選択肢)や、こちらの言弾を妨害する紫色の「雑音セリフ」が増え難易度が上がっていく。~ 装填された言弾が複数ある場合は、Lボタンで言弾一覧の展開、その状態から方向キーかアナログスティックで発射可能な言弾の選択が可能。 ---邪魔な雑音セリフを○ボタンの「サイレンサー」で撃ち落として退かせたり、手持ちに有効な言弾が無い場合は、△ボタン長押しで他人の発言をキャプチャーして撃つ、といった搦め手も必要となってくる。 -閃きアナグラム --既存の証拠だけでは確定させられない事案に対し、言葉をひらめくことで打開するゲーム。 --画面奥から飛んでくる文字を○ボタンで順番に撃ち落とし、キーワードを作りだす。文字の色によって撃たなければいけない回数は異なる。 --画面左下に文字数などが開示されるので、それをヒントにして答えを導く。 -マシンガントークバトル --主人公と意見が対立するキャラクターとの討論勝負となるゲーム。 --リズムゲームの要領で、○ボタンで発言のロックオン、△ボタンで発言の破壊を行い相手の発言力にダメージを与えていく。~ ただし、ゲームが進むと発言のロックオンには弾丸状のゲージを消費するという制約が追加され、□ボタンで適宜弾丸の補充(ゲージ回復)を行わなければいけない。~ 相手の発言力を削りきった後、トドメの証拠を叩きつければ勝利となる。 ---コンボ数が一定以上になると、テンポアップしてリズムに乗るのが難しくなる。 ---さらにゲームが進むと、弾数無限&ミスがノーカウントになる「フィーバータイム」の発動と、マーカーが見えなくなる「ネガティブタイム」の発生が追加される。 ***その他(演出など) 本作は「サイコポップ」と称されるとおり全体的にポップアート的なデザインで統一した上で、陰惨なシーン、グロテスクな描写なども多く含むブラックな雰囲気で構成されている。 -グラフィックは、全体マップや室内の背景を3D、人物を2Dで描く「2.5D」で表現されている。 --場所が切り替わった際に、舞台や人物がパッと出現するのではなく徐々に組み上がる「飛び出す絵本」的な演出がされているのも特徴。 --人物立ち絵はアニメ的なデフォルメ調、イベントシーンの1枚絵やムービーシーンは油絵調で描かれる。 -下ネタやパロディといったお遊びが多め。 --キャラクター、アイテムのデザインや、「[[俺の占いは三割当たる!>仮面ライダー龍騎]]」といったキャラクターの台詞など、隙あらばパロディネタが仕込まれている。カバーしているジャンルの幅は広く、1人で全て把握するのは困難。 ---例として後述の「大神さくら」の場合、「地上最強」「格闘家」「通称オーガ((宿舎にあるネームプレートも「オーガミ」表記。「大和田」は「オオワダ」表記であり、意図的に変えられている。))」「さくら」「セーラー服」という一見した構成要素はパロディのそれである。 ---モノクマも声優の関係から「[[ドラえもん>ドラえもんシリーズ]]」のパロディが多く見受けられる。 -「モノクマメダル」を消費することで、設定資料やムービー・一枚絵・BGMのギャラリーを見られる。 --廉価版以降は設定資料が追加されており、発売当時の販促用画像なども見られる。 ---- **評価点 ***キャラクター 主要人物は、主人公を含む生徒15名とモノクマだけでも16人と、かなり数が多い。キャラデザインは癖が強く賛否が分かれる。~ しかし、いずれも一癖も二癖もある魅力的な面々ばかりである。 ''超高校級'' -希望ヶ峰学園の生徒たちは全員、各分野において「''超高校級''」と賞賛される才能の持ち主。 --その肩書きは「超高校級の野球選手」「超高校級のプログラマー」など様々だが、中には「格闘家」「ギャル」「暴走族」「ギャンブラー」といった変り種も多い。 --容姿についても、大きな縦ロール、極端な肥満体型などと分かりやすく特徴づけられたキャラクターが多い。 --小松崎類氏のキャラクターデザインも、まさしく「サイコポップ」と言うべき、ポップなデザインとアングラ・ダーティな色調を両立した独特な画風ながら、男女問わず受け入れやすいものとなっている。 --これら容姿・肩書きで付けられた個性によって誰が誰であるかを大変理解しやすくなっており、大人数のキャラが冒頭から登場して覚えづらいという問題が大きく緩和されている。 ---中でも、『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』シリーズの豪鬼((『ストリートファイター』でセーラー服を着ている「さくら」といえば、普通は「春日野さくら」を連想するだろうが…。))や『[[ドラゴンボール>ドラゴンボールシリーズ]]』のブロリーを彷彿とさせる''筋骨隆々の体型でセーラー服を身にまとう女子高生''、「超高校級の格闘家」大神さくらのインパクトは凄まじい((加えて、「大神」「さくら」という名前から『サクラ大戦』のパロディも含んでいる。))。 ---しかも声は『[[NARUTO>NARUTO -ナルト-シリーズ]]』の大蛇丸役で有名な''くじら氏''。たしかに女性の声だが、''間違いなく格闘家だと認識できる威圧感''に気圧されること必至。 ---そんなインパクト抜群の第一印象とは裏腹に、作中では''曲者揃いのキャラクターの中で落ち着きと良識を備えた屈指の人格者''として描かれており、ギャップに惹かれた人々は''「さくらちゃん」「かわいい」「天使」''と絶賛している。 -演技力豊かなボイスも、彼らのキャラクター性を大いに引き立てる。特に、フルボイスで繰り広げられる学級裁判パートの盛り上がりは大きな見所となっている。 --声優のキャスティング自体も豪華である。 ---主人公・苗木誠役の緒方恵美氏と彼のライバル的存在となる十神白夜を演じる石田彰氏は『[[新世紀エヴァンゲリオン>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]』において対立関係ながらも惹かれ合う碇シンジと渚カヲルを演じており、極めて心憎い配役となっている。 ---ほかにも大本眞基子氏や鳥海浩輔氏、山口勝平氏とその道のファンなら声を聴いただけでわかりそうなベテランが揃っている。少ない若手もまた実力派揃いで負けず劣らずの顔ぶれが並ぶ。 ---イベントシーンやADVパートはフルボイスではないが、「フッ」「なるほどね…」「だべ」といった一言ボイスが多数用意されている。 ---キャラクターの特徴を捉えた耳に残りやすいフレーズばかりであり、メッセージ内容に合わせて使い分けられる。 ''モノクマ'' -中でも舞台の立役者であるクマ型のキャラクター「モノクマ」は、行動・発言・外見とあらゆる面においてプレイヤーに強烈な印象を残す。 --モノクマはマスコットライクな容姿ながら、生徒たちに過酷なルールを課しコロシアイの「動機」を促す非情な存在として描かれている。 --一方で、モノクマは頻繁に露骨なボケを飛ばして場を茶化し一行を挑発する。ギャグキャラでもあり、憎むべき敵役でもあり、シリーズのマスコットでもあるのだ。 --そして、''声を当てているのは先代『ドラえもん』こと大山のぶ代氏。''多くのプレイヤーは、その能天気なボイスとのギャップに驚きと戸惑いを覚えるだろう。 ---スパイクとしても発売前より「ドラえもん降板後初の出演((実際はバラエティ番組のナレーションなどがあるが、ゲーム・アニメでは5年ぶりの声優復帰作である。ちなみに大山氏が悪役を担当したのはこれが初。))」をフィーチャーしており、ゲーム内の小ネタにもドラえもんネタをふんだんに取り入れている((例として、殺人事件が発生した際にモノクマが用意する検死報告書「ザ・モノクマファイル」を取り出すときのイントネーションは、まるっきり秘密道具を出すときのそれである。))((さらに言えば、大山時代の短編映画『おばあちゃんの思い出』には幼少期ののび太役で舞園さやか役の大本眞基子氏、同じくジャイアン役で大神さくら役のくじら氏が出演していた。つまり実質ドラえもん&のび太&ジャイアンの共演とも言える。))。 ---初めはドラえもんの印象がどうしても残るだろうが、本作を象徴するキャラクター性からじきに「モノクマとして」見えてくること必至である。というか、ドラえもんのイメージを消し飛ばす台詞が満載である。 ---割とダメ元のオファーだったようだが、台本を見た彼女が興味を示しキャスティングが実現した。本作で処刑が「おしおき」と表現されているのは彼女のアイデアである((『ダンガンロンパ 1・2 Reload』の設定集に掲載されたスタッフインタビューでは、大山氏より「『処刑』という言葉は使いたくないため、その部分の変更を了承してくれるのであればオファーを受ける」という交換条件が提示されたと語られている。))。 //交代については余談に移動 ***シナリオ シナリオについては多くを語ることを避けるが、息をつかせぬ衝撃的な展開やどんでん返しが連続し、読み手をぐいぐいと物語へ引き込む非常に大きな牽引力を持っている。~ 最後の最後に突きつけられる真実は驚愕必至。 -本作では、生徒同士による生き残りを賭けた殺し合いが行われていく。 --いわゆる「クローズド・サークル」系のストーリーと「デスゲーム」要素を混ぜた世界観であり、殺した人間・殺された人間は常に見知ったクラスメイトである。そのため「死」の喪失感は、いわゆる推理物の中でも特に大きい。 --当然ながら、シナリオや自由行動で交流を深めたキャラクターが殺されてしまうこともあるし、実は殺人者だったということもある。 ---気に入ったキャラが唐突かつ理不尽に殺されることもあり、気に入ったキャラを「お前が犯人だ」と告発しなければならないこともある。 ---またこの絶望的環境から信頼や希望が目覚めるというのも本作の醍醐味である。 --この繰り返しがプレイヤーに絶望感を与え、ゲームへの没入をさらに深めさせていく。 #region(※軽度のネタバレを含むので注意) -希望ヶ峰学園内では、衣食住が完全保障された上でストーリーが進む。つまり、本作で発生する殺人事件の「動機」には、例えば食料の奪い合いなどといった基本的な生命維持に関するものはない。 --同じ境遇におかれた仲間であると同時に敵でもある、という極限状態に追い込まれた生徒たちがそれぞれ何を思い、誰を殺すのか。~ 心の弱みに付け込まれた彼らの人間ドラマもまた、本作の物語における1つの見所である。 #endregion -本作のシナリオは、閉鎖空間や校則といった過酷な設定により、登場人物たちの争いを殊更に煽るような内容となっている。~ そうして調査と学級裁判を繰り返すことで1つ1つのドラマと接していく内に、黒幕と希望ヶ峰学園の真実が次第に明らかになっていく。~ この巧みな物語運びのため、止め時を見失うプレイヤーが続出した。 -通称「通信簿会話」とも呼ばれる自由時間の会話も特筆すべき出来。 --かなり突飛な性格で、メインストーリー中ではなんでこんな性格に…?と思わされるようなキャラが、この会話で生い立ち等を聞かされることでその性格付けに大きく納得させられたり、逆にこの会話がメインストーリー中の行動の大きな伏線になっていたり…といった例が複数ある。 --概要だけを言えばさほど長くない会話イベントがキャラ毎に何回かあるというだけなのだが、この会話を見ることで大きく印象が変わるようなキャラも複数おり、単なるおまけ会話と切って捨てることはできない重要な要素となっている。 --もちろん、この会話自体でキャラへの親近感が強まり、前述のように被害者や犯人になった場合の心の動きを増幅させる意味合いも大きい。 ***「学級裁判」 -本シリーズのメインである「学級裁判」は、1人用の証言台を円形に繋ぎ合わせた裁判場で行われる。 --ノンストップ議論中は発言者が変わるたびにカメラがグルグルと回り、ドラマチックな雰囲気を引き立てている。 ---一般的にアドベンチャーゲームの立ち絵は単純なフェードイン、アウトで表示されることが多いが、本シリーズの学級裁判ではこのカメラワークで大きく臨場感を増している。 ---このカメラ演出とフルボイスが合わさって、十数人ものメインキャラクターが思い思いに喋る様子は非常に目まぐるしく、他のゲームでは味わえない「会話」感が味わえる。 --殺害やおしおきで死亡したキャラクターの証言台には遺影が配置される。ゲームが進むたびに遺影が増え、会話する人数も減っていく。 ---カメラ演出もあって遺影は頻繁に目に入るし、会話の人数が減っていくことも会話頻度で強く実感させられる。これらにより、嫌でも仲間を失う喪失感を突きつけられる作りとなっている。 --喋っていないキャラでも表情がコロコロ変わっているので、注意して見るのも面白い。 --ノンストップ議論の的となる発言も、普通は右から左に流れるところ、力強い発言は奥から手前に揺れ動きながら飛び出してくる、畳み掛けるような発言は上下から時間差で流れてくるなど、2Dに立体的な表現を持たせて見飽きさせない。 //-議論については犯行について「証言」や「推測」に対して「矛盾」を探すという独特の推理要素があり、証拠から道筋を出し徐々に真相が明らかとなる。 //--議論の筋道が全く素人の高校生が真相へとたどり着くのに違和感を覚えない様になっている。 //--また、通常の推理物ADVと違うのは証言から矛盾を探すという犯人への対決がメインであるというオリジナリティがゲームとなっている。 //↑ここについては『逆転裁判』を代表とする同型のゲームと大きな差異はないと思います。ある程度評価点としても書けるかもしれないですが、この文章では伝わらないです。 -「おしおき」と称したクロの処刑は数少ないムービーシーンになっており、その描写は本当に惨い。 --いずれもブラックユーモアが強く、人の命で遊んでいるような残酷な殺し方に背筋が寒くなること請け合いである。 --事後の結果だけ1枚絵で見るようなタイプ(事件現場など)の残酷描写とは、受ける印象が格段に違う。 --残酷であると同時にあまりにもシュールであるため、独特のノリにつられて笑いが生じてしまうという人もいる。 --こういった描写は、犯人を追いつめたという達成感以上に仲間を失う悲壮感を感じさせるという、作品の特徴を強めるものになっている。 ***その他 -BGMについても、自由行動中は軽快に、事件が発生したらシリアスに、モノクマが現れればヘンテコなテーマが流れ、学級裁判の佳境ではハイピッチで盛り上げて…と、かなり大胆な緩急がつけられている。 --学級裁判で議論が深まり、犯人を追いつめていく際の「議論-HEAT UP-」や「議論-HOPE VS DESPAIR-」なども勿論人気はあるのだが、事件の緊迫感を煽る「イキキル」や、新展開を盛り上げる「ニュー・ワールド・オーダー」など、裁判外のイベントシーンで印象に残る人気曲も多いのが特徴である。黒幕との最終決戦ではメインテーマ「DANGANRONPA」が流れ、熱い演出に仕上がっている。 --これらのBGMを担当しているのは『killer7』や[[『地球防衛軍』シリーズ>地球防衛軍シリーズ]]等の音楽を手がけた高田雅史氏で、氏は以降もシリーズにおいて多数の名曲を手掛けている。 -システム面は親切 --セーブ&ロードはすぐに行えて、間違ってもやり直しできる。 ---- **賛否両論点 -サイコポップというオブラートに包まれてはいるものの、やはりブラックな描写が多いため人を選ぶ。 -血液は赤ではなく、鮮やかなピンク色で表現されている。残酷表現への自主規制と、グラフィックとしての表現を両立させようとした苦肉の策なのであろう。 --『ダンガンロンパ』の「サイコポップ」の雰囲気が象徴されているとして問題ないとするファンも多いが、「ペンキみたい」と否定的に捉えられることも少ないとは言い難い。 --猟奇的な殺され方をしているシーンもあり、緩和されてはいるが死体のグロテスクさが消失したわけでは決してないことは述べておく。 -ミニゲームの導入については賛否両論。 --中心となる「ノンストップ議論」については演出やフルボイスも相まってゲームの雰囲気作りを大いに助け好評だが、それ以外のミニゲームには欠点も各々指摘される。 --「閃きアナグラム」にしろ「マシンガントークバトル」にしろ、裁判のアクセントと見るか不要なミニゲームと見るかで評価はやや分かれる。 ---「マシンガントークバトル」は操作方法が説明不足な部分もあり((一定数の連続ロックオンが可能だが、説明では全く触れられないなど。))、リズムゲー要素もあるため、慣れないうちは何度かリトライすることになりやすい。 -「超高校級」の才能がシナリオ内で活かされる度合いに、各々のキャラクターでかなり差がある。 --殺害のトリックやシナリオの重要な部分で使われるものもいれば、単に「それっぽい性格をしている」というキャラ付けに留まっているものもいる。 --無論シナリオ上の限界はあるが(閉鎖空間で活かしようがない才能もある)、指摘がそこそこあったため、『2』以降は改善が図られている。 -ADVとしては、マンガやアニメなどのオタク文化、下ネタにある程度の慣れがある人向けの世界観。 --モノクマを始めとした一部のハイテンションなキャラクターは、普段サブカルチャーにあまり触れない人間にはやや拒否反応が出るだろう。 //-推理物として考えると難易度は低い //--バレバレの犯行や隠蔽工作も杜撰であり、少しミステリに詳しければすぐに犯人は分かる。 //--とはいえ犯人当てがメインではないし、またライト層向けのゲームとしてみれば難易度は適切との声もある。 //↑問題点に同様の記述が存在するためCO。 #region(※中程度のネタバレを含むので注意) -ストーリーは事件の犯人・被害者が固定されている一本道シナリオであり、マルチ展開などは無い。 --通しでクリアする場合のボリュームはADVの標準クラスなので、相対的にボリュームがやや少ないと言える。 -主要人物である15人の生徒たちは、物語が進むにつれて一人、また一人と死亡していく。~ だが前述通り一本道シナリオであるため、どのような攻略をしても事件や死亡するキャラは絶対に変化しない。 --魅力的なキャラクターの多いゲームだが、だからこそ上記の理由により、初回プレイ時から特定キャラに入れ込むのは危険。 //「この人が犯人or被害者であって欲しくない」と思ってプレイしていると鬱ゲーになりかねない。 //--当然ながら、ストーリー上で死亡する人物とは一定以上交流できないし、シナリオ面での掘り下げにも限界がある。 //物語上仕方のないこととはいえ、ここに生じる不平等感に不満を抱くユーザーは少なくない。 ---主人公の苗木に好感を持っていると思われるヒロインは複数居るのだが、シナリオルートの変化が無いため、苗木と共に終盤まで生き残るヒロインは明確に定められている。 //このことより一部からは「優遇」として批判されることもある。 --ただし、序盤で退場するキャラクターにはその前に一定の掘り下げがなされるシナリオ構成にもなっているため、生き残ったメンバーに比べて犯人or被害者の存在感が薄くなるということはない。~ 逆に犯行の動機や他キャラとの関係性が深く描かれることで、プレイヤーに強く印象を残すキャラクターもいる。 ---人気投票などを見ても、序盤で退場したキャラクターが上位に食い込んでいる。 //ミステリで好きなキャラが死ぬのが問題だとか、「全員が主人公」というようなゲームでもないのに誰々の出番が多い・少ないということを問題とするのはおかしいので一部CO -終盤、本作の世界観の核心に関わる「ある事件」と黒幕についての説明が極端に少なく、やや駆け足気味の展開である(伏線などはちゃんと用意されてはいる)。~ また、その黒幕の正体に関するトリックもミステリ小説等に慣れているプレイヤーとしては稚拙に感じる出来で、少し尻すぼみ感が拭えないものとなっている。主人公苗木に対する因縁も薄く、苗木に固執する理由もイマイチ。 --エンディングの展開も続編を匂わせており、ともすれば「投げっぱなし」と感じられるものである。もう少し掘り下げられなかったのだろうか。 --この点は、小説などの外部作品や続編である程度補完されている。 //-ややすっきりいかないラスト //#region(ネタバレ) //--生き残りメンバーの全員が絶望に立ち向かう希望を身に付けるが、あるキャラは特殊な事情により終盤では蚊帳の外という展開に置かれ、すっきりいかない。 //--一応、このキャラは関連作にて掘り下げが描かれている。 //#endregion //生き残りのネタバレなので隠し。そもそもこの項目自体いらないと思うが。 //↑もうちょっとぼかした。いらないという意見にも賛成なんで、カットしていいという人が他にもいたらカットしていいと思う。 //-一部アンフェアな展開 //--モノクマ((正確にはモノクマを操る黒幕。))が、終盤になるにつれて犯人でない人間をおしおきしたりなどルールを破り、アンフェアと批判される。 //--とはいえ、悪役が「ルールを守る」と言っておきながら平気で破ることはよくあること(というか半ばお約束)である。 //--また、この出来事自体黒幕が追い詰められた結果なので、これをきっかけの1つとして主人公達が反撃に転じることになる。そのためむしろこの展開がないとストーリーが成り立たなかったとも言える。 //モノクマは中立的なゲームマスターではなく、あくまで「黒幕の人形」なのでそれ自体は問題ではありません。故意にミスリードを誘うガイドキャラ、というのも決して珍しい存在ではないので。 //↑で既に書かれているが、物語として特に問題ではないためCO #endregion ---- **問題点 -難易度が低く、ゲームとしての歯応えはあまり無い。 --作り手の想定する標準的な難易度は、最高設定の「イジワル」である。そのイジワルでも、ゲーム慣れしたプレイヤーには簡単な部類に入るだろう。 //---ましてや本作はCERO:Dであり、アクションにしろ推理にしろ対象層と調整が合っていない感もある。 //CERO審査は表現のみでゲーム難易度とは何の関係もない --特に推理要素については、言弾(証拠品)を手に入れる場面や議論の際におけるセリフで結構な量のヒントが出てしまう。 ---トリックに関しても奇抜なものが多い訳ではなく、一部には証拠集めの段階で犯人どころか事件の詳細まで予想できてしまうような事件もある。~ 逆に、裁判パートの終盤になるまで犯人が全く予測できない事件もあり(日常パートで一応の伏線は張られているが)、「推理物=犯人当て」とした見た場合、難易度のばらつきがかなり大きい。~ 裁判パートの途中で重要な新事実が判明し、事件の様相がそれまで認識されていたものからがらりと変わる、という展開も頻発するため、いわゆる推理小説のような「全ての情報が出揃った状況から論理を組み立てて真相に至る」という形式を想像するとアンフェアに感じる。 --プレイヤーからの視点ではあからさまなことでも、物語中では推理段階でまだわかっていない、という齟齬から推理を間違えることも多々ある。 --また、主人公とは別に探偵役を務めるキャラが存在するのも低難易度の一因と思われる。 ---ストーリー上の都合でもあるが、そのキャラは卓越した観察眼と推理力によって主人公より先に真相に辿り着いたりプレイヤーの知らない情報を独自に入手したりする為、そのキャラに誘導される形で推理をする展開も多く、謎を解く爽快感を削いでいる部分もある。 --ライターの小高氏によれば「アクション要素もあるし、推理アドベンチャーがマイナーであることを考えると、考える楽しさより正解の快感で勝負したほうがいいと考えた((2013/7/19、小高氏のTwitterにて。))」というが、やはり結果的には不満意見も多く出た。 --『2』では「シンセツ」でも難易度が高めになっており、推理の歯ごたえが増している。 -周回プレイに対する追加要素の類は無い。 --スキルとモノクマメダルは周回で引き継げるため、モノクマメダルを消費してCG・ムービー・設定画・サウンドの鑑賞モードを開放するという要素はあるのだが、多くのメダルを獲得できる学級裁判パートは何度もやり込むタイプのゲーム性ではないため、作業的になってしまう。 --「自由行動」パートでのキャラクターとの会話は、前述のようにスキルを獲得できる実用性とキャラクターの一面を知れるストーリー性、「通信簿」の項目を増やせるやり込み性を兼ね備えており、ファンとしては興味深いものである。~ しかし、この会話要素が1周プレイしただけではコンプリートに程遠く、おまけに自由行動パートだけを繰り返すことがシステム上不可能であるために無駄に作業量が増えて非常に面倒。 ---効率的にコンプリートするとしても「ある章を初めから開始して会話や探索パートを進め、自由行動パートまで終えた以降でセーブ」を何度も繰り返さなければならず、大変無駄が多い。 ---『2』や後述のVita版では、クリア後にコロシアイ無しで仲間達と絆を深める「スクールモード」が追加されたことで解消された。 --自由行動のキャラ掘り下げは面白いのだが、見返し機能がなく一度見てしまうとそのデータでは二度と見られない。 ---会話前のセーブデータを取っておけば見直し可能だが、一人二人分ならともかくそれ以上となると現実的とは言いがたい。 -議論パートでゲームオーバーになった場合の展開は、「主人公が罪を着せられて犯人の特定に失敗、犯人は無事に『卒業』成功」という展開で固定。 --「主人公以外の犯人ではない人物が犯人であると疑われるような場面」であろうと「犯人がほぼ特定され、後は決定的な証拠を見つけて自白させるだけという段階」であっても、ゲームオーバーになると唐突に主人公が冤罪になるという理不尽な展開になる。 --シナリオ展開による制約やネタバレ防止などの都合上、仕方がないことではあるのだが。 --不自然だったためか『V3』ではこの演出はなくなった。 -「Re:アクション」システムについてはあまり必要性が感じられない。 --会話にひと手間増えているだけで、特に凝った演出がある訳でもない。返答という要素を入れることで会話に没入させる意味もあったのかもしれないが、その割には自由度の高いシステムではなく、基本的には一本道のADVである本作の構成とも噛み合ってはいない。 --敢えてRe:アクションで質問できる紫文字をスルーして進めてみても、展開が変わったりすることもなく単に会話が終わってしまうだけで、再度会話してRe:アクションを行わないと結局物語が進まない、という無駄な労力を払わされるケースも多い。 --こういった無意味さが本作の時点で指摘されたため、このシステムは本作のみで削除された。 -一部、UIに不親切な面がある。 --通常状態でのマップ移動やメッセージスキップの速度がやや遅い。 ---前者はスキル「ランニング」によるダッシュ機能で幾分解消できるが、スキルでなく標準でダッシュできる仕様で良かったとの声は多い。 ---マップ移動については、廉価版で標準でダッシュできるように変更された。 --室内の調査において、調べられる箇所と人物などが密集している場合、目的の箇所に照準を合わせるのに手間取る。また、どこを調べられるかはアイコンを当てないとわからないため、やや不親切。 ---後者はスキル「観察眼((△ボタンを押すことで、調べられる場所が色つきの丸で囲まれて表示されるスキル。))」を入手すれば多少解消できるものの、標準で欲しいという意見も多かった。~ そのため前述の「ランニング」と共に廉価版では削除され、標準で装備されている。 --学級裁判パートのクライマックス推理に、「画面レイアウトがせせこましくてコマが見にくい」「どういった状況を表している絵なのか分かり辛い」「似たようなことをやっている構図があり、正解の組み合わせがどちらなのか分かりにくい」といった難点がある。他パートとイラストのテイストが異なるのも原因と思われる。 --前述のように移動は一人称視点で行うが、カメラの回転がノーマル固定でリバースが選択できないため、リバース操作に慣れていると違和感を感じやすい。 //-全員分の「おしおき」が無い //--犯人に対する罰である「おしおき」はファンの中でも好評なのだが、作中で犯人にならなかったキャラクターの「おしおき」も見たいという声はしばしば挙がる。 //---もちろんダンガンロンパは一本道のシナリオであり、ゲーム中犯人は確定している為他の人物に「おしおき」をするのは不可能だが、犯人が外れれば全員死亡というルールがあるので上手くやれば全員分のおしおきを用意することもできるのでないかという指摘もある。 //--一応、設定資料などで犯人以外のキャラクターのおしおきに関する設定だけは見られる。 //↑物語上矛盾するようなものをあってほしいという声が多いからと言って問題とするのはおかしいのでCO ---- **総評 舞台設定や裁判のルールなどで緊張感を持たせ、全く性質の異なる複数のゲーム形態を使い分けてスピード感を表現しメリハリをつけることで、個々の要素は既存の形式を踏襲したものでありながら総合的には過去のどの作品とも一線を画する、新しい裁判物ADVとして仕上がっている。 15人の生徒たちを始めとするキャラクターたちはそれぞれが個性的であり、人数が多いにもかかわらず埋もれるようなキャラクターがいない。ゲーム内容と調和の取れたBGMやグラフィックなどを見ても、作品全体の完成度の高さが窺える。 持ち前のブラックテイストが人を選ぶ、周回プレイに耐えるタイプの作りではないといった欠点はあるものの、''「きれいにまとまった部分」と「突き抜けている部分」を絶妙なバランスで同居させた快作''であることは間違いない。 //公式で内容のネタバレが禁止されているため、ネット上には断片的な情報しか転がっておらず初見ではよくわからないかもしれないが、実際に遊んでどういうゲームなのか確認してみてほしい。 ---- **余談 -本作は、体験版と製品版でシナリオが微妙に異なる。その他にも、体験版で不評であった部分を短い期間で修正((文字送りの「ピコン」音の削除、マシンガントークバトルの演出強化などが挙げられる。))している。 --製品版には体験版の差異画像も収録されているが、すでに購入した人も体験版をプレイしてみてはいかがだろうか。 -本作で頻出する「超高校級」という語句だが、これ自体は本作以前から存在した言葉である。特にスポーツ分野で、頭角を現した学生アスリートの表現としてしばしば用いられていたが、本作が発売される頃にはあまり使われなくなっていた。 --しかし本作で有名になって以降、本作が元ネタだと思われたり、過去に使用された例についても本作が引き合いに出されたりすることが多くなった。後者についてはそれを快く思わない人も少なくないので、控えるべきなのだが…。 ---ある言葉を広めた事でその元ネタだと思われる、と言う事については似た例に『[[Steins;Gate>STEINS;GATE]]』の「世界線」がある。「超高校級」はあちらのように広く用いられるようになったという程ではないが。 --海外では公式な海外版が発売されるまで数年を要したため、インディーズ翻訳による非公式の翻訳版や動画が出回ったが、そこでは「超高校級」を敢えて直訳で「Super High-School Level」(SHSL)と呼んでいたため、こう呼ぶ動きが定着した。しかし、後に発売された公式の海外版では「Ultimate」(アルティメット、究極の)とシンプルな意訳が行われた。 -2010年の発売当時から、第2章以降のプレイ動画配信が「公式に」禁止されていた。 --逆に言えば''「第1章の配信は認める」''という、先が気になる推理ゲーム・デスゲームならではの試みであった。 --当時のプレイ動画・ゲーム実況ジャンルが誕生から2~3年目程度、未だ黎明期~過渡期にあった時代背景を考えても、非常に先進的。 ---他ゲームタイトル=特に推理ゲーム・アドベンチャーゲームや、「犯人」のネタバレが致命的な『[[ペルソナシリーズ>女神転生シリーズ]]』なども同様のアナウンスを行うようになったが、本作はその先駆けだったと言える。 ---なお本作の配信規制は、[[2022年12月24日、発売13年目と「特別な日付」を祝して解禁された。>https://www.spike-chunsoft.co.jp/news/product/17141/]] ***制作秘話 2011年9月に行われたゲーム開発者向けカンファレンス『CEDEC 2011』において寺澤氏と小高氏が登場し制作秘話を語った。以下抜粋して紹介する。 -当時『侍道』『喧嘩番長』程度しかキラータイトルが無かったスパイクは早急に新規タイトルの制作を迫られており、寺澤氏は常々新規タイトルを作りたかったことから『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』のシナリオライターだった小高氏に企画書を送り、「今までにないもの」をテーマに制作を進めた。 --この時点から「15人の高校生」「クロ」「コロシアイ」といったワードも登場し、決定稿よりちょっと細いモノクマも出来上がっていた((当初、モノクマはクマではなく人体模型にする案もあった模様。))。が、イメージはコンクリート風など相違点も見られ、ゲームもマルチエンディングつきの一般的ADVだった。 -そこで改良を図り、本作のイラストを担当した小松崎類氏によるサイコポップなイメージ&キャライラストでより原型に近づいた。 --が、社内からは「PSP×ADVなんて良くて4万本」「中高生向けならアドパをつけないと」といった反対意見もありさらなる改良が必要となった。 -その後も企画を煮詰めてジャンル名「ハイスピード推理アクション」や「超高校級」「2.5D」「マシンガントークバトル」「フルボイス学級裁判」など製品に大きく近づいて行った。 --実際に推理シーン、処刑シーンも完成していたが処刑のあまりのグロさにやはり反対が続出(本人もやりすぎたと反省したほど)。辞表覚悟でOKをもらいようやく販売にこぎつけた。 --また、大山氏についても上述と通り、ダメ元でのオファーをかけたところ快諾してくれた。 -発売時期はキラータイトル『[[モンスターハンターポータブル 3rd]]』の影響もあり、初週2万弱と低調な出だし。 --しかし、良作という評判が徐々に広がりダウンロード版合わせ10万本を達成、その後は廉価版を合わせ総計20万本以上を売り上げた。~ 販売数の大半が初週消化であるゲーム業界において驚異的なジワ売れである。 --ちなみに、小高氏が10万本達成をツイッターで報告しようとしたところ、[[「10本」と誤って報告>https://twitter.com/kazkodaka/status/119014549369266176]]してしまい、[[その後すぐ訂正>https://twitter.com/kazkodaka/status/119015724726484993]]したことで一時話題になった。 -上記制作秘話について、詳しくはこちらの記事を参照されたし。→[[I>https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/476330.html]]・[[II>http://dengekionline.com/elem/000/000/403/403327/]] -なお、本作を製作するに当たって影響を受けた作品のひとつとしてDCの『[[ILLBLEED]]』が挙げられている。 ***以後の展開 -2011年11月に廉価版が発売されており、視認性や操作性を向上させる改良、追加コンテンツが収録されている。 --''通常版とはセーブデータに互換性が無い''ので、今から始めるならこちらか、あるいは後のスマホ・Vita・Steam移植版をオススメしたい。 --本作は発売時点では販売の規模が小さく限定版は存在しなかったが、人気が確立したため廉価版で新たに限定版を用意するという変わった試みを行っている。 -2012年8月にスマートフォンアプリ版が発売された。内容は基本的に廉価版に準拠。 --PSP版のような体験版はプレイ出来ないが、代わりに本編1章が丸々無料プレイ可能となっている。 --低画質版と高画質版がオプションで選択可能。 --ミニゲームの操作方法などが一部変更されている。難易度設定は出来ず、スマホ版独自のものとなっている。 ---ノンストップ議論では論破やサイレンサーがタッチのみで行えるようになり((カーソル関連のスキルも削除され、スキルポイント上昇になっている。))、やや難易度が下がっている一方で、マシンガントークバトルのロックオンが、各発言の位置をタイミングに合わせてタップしなければならなくなったため、タイミングよくボタンを押すだけでよかった移植元より難易度が上昇している。 --なおiOS8以降には対応しておらず、ひっそりと2015年に配信終了となっている。 --その後シリーズ生誕10周年を記念した『Anniversary Edition』として2020年に改めて配信。こちらは『1・2Reload』準拠の移植。 ---ギャラリー機能にキャラクターの表情差分やボイス再生、親密イベントの回想や設定資料の閲覧などが追加されている。 -2013年10月10日にPS Vitaで『2』とのカップリング移植『ダンガンロンパ 1・2 Reload』が発売。詳細は後述。 -2016年2月29日に『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』のタイトルでPC(Windows/Mac OS/Linux)版がSteamで配信開始された。詳細は後述。 -シリーズページにも挙げられている通り様々な派生作品が展開されているが、&color(red){シリーズ未見であるなら本作から触れることを推奨する。} --以降の作品では本作の重要な伏線や黒幕などが大きくネタバレされており、初見の楽しみを損なう可能性が高いためである。 --この影響で''発売当時以上にネタバレを踏みやすくなっている''ので、必要以上の攻略情報を探らないようにした方が良いだろう。 -本作以後もモノクマ役は大山氏が担当していたが、後に健康状態の関係で降板し、2016年の舞台版の再演からは『ちびまる子ちゃん』でお馴染みのTARAKO氏に交代している。 ***ゲーム以外の派生作品 -2012年12月10日に本作のTVアニメ化が発表され、2013年7月から放映された。 --1クールで終わらせるためか、各事件がかなり圧縮気味になっており、語られずに終わったエピソードも多数ある。 --アニメという媒体上、学級裁判以外のパートもフルボイスになっているため、大山氏のモノクマの演技などがまた新鮮なのが救い。OPでモノクマが踊るセクシーダンスはある意味必見。 --2013年6月にはアニメの展開を基としたアニメ版コミカライズ(作画は月見隆士氏)、2013年9月にはアニメ版ノベライズ(作者は川上亮氏)も出版されている。 -2010年10月からファミ通コミッククリアで本編コミカライズ『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』が連載された。作画は燈谷朔氏。 --ストーリーはゲーム本編とほぼ同じだが、各章で視点となるキャラクターが異なり、事件の流れが一部しか説明されないことや、キャラクターの行動などにオリジナル展開もあり単体では作品を追いにくいことから、''本編をプレイした後に読むのが望ましい外伝的作品''となっている。後に単行本も発売された。 --ちなみに、ゲーム発売前には同サイトにて同作者による体験版コミカライズが公開されており、ゲーム中では明らかにされなかった体験版の犯人とおしおきが描かれていた。 ---この体験版コミカライズはゲームの店舗別予約特典の1つとなっていたが、単行本化はされておらず、現在は入手が難しくなっている。 ---その上、2012年6月末をもってウェブ公開も終了しているため、こちらは読むことすら困難になっている。 -2011年9月に外伝小説『ダンガンロンパ/ゼロ』が上下巻で発売。ゲーム同様、小高氏が手掛けている。 --ただし''冒頭から本作の黒幕が隠す気0で出るなど、非常にネタバレが多い''。そうでなくとも、本作未プレイでは理解できないような部分も多いので、購入の際には注意が必要である。 --なお上巻の内容は[[公式サイトで無料で公開されている>http://sai-zen-sen.jp/fictions/danganronpa-zero/]](ただし、挿絵は含まれていない)。~ 繰り返すが、''本編をクリアした人前提の内容となっており、遠慮一切無し全力全開の本編ネタバレがこれでもかと襲ってくる。閲覧注意!!'' -2013年9月から、本作の登場人物である霧切響子の幼少時代を描いた外伝小説『ダンガンロンパ霧切』が発売。作者は『城』シリーズなどで有名な推理作家の北山猛邦氏。 -2014年11月には舞台化が行われた。16年に再演も行われている。 --各事件の流れを変えずに圧縮したアニメ版とは違い、小高氏の完全監修の上で中盤の流れを大胆に変更することで3時間の舞台に纏めている。 --シリーズの大ファンを公言する神田沙也加氏が江ノ島盾子役で出演し、主題歌を担当している。 ---後にはシリーズ最新作『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』にて赤松楓の声を担当する事となった。同じく不二咲役の石田晴香氏も同作にて入間美兎役として出演。 --神田氏はこの舞台共演がきっかけで大和田役(再演版)の村田充氏とご成婚したというエピソードがある。%%後に離婚したが。%% -2015年11月には、本作の登場人物である十神白夜を主人公とした外伝小説『ダンガンロンパ十神』が発売。作者は『鏡家サーガ』『1000の小説とバックベアード』『デンデラ』で有名なミステリ作家の佐藤友哉氏。 -2016年7月には、シリーズの完結編アニメ『ダンガンロンパ3 The End of 希望々峰学園』が放映された。 --後日談である『未来編』と『2』の前日談である『絶望編』の2つを1クール内に放送するという特殊な形態を取っており、実質的な分量は2クールに相当する。 --双方の作品が放送終了した後、完結編である『希望編』が放送された。ただし、作品の評価は結末を含めて賛否両論の傾向にある((ゲーム本編との大きな矛盾や無理やりな設定変更も多い。特に『2』はその傾向が強く、とあるキャラに対する大幅なキャラ改変はアニメ内での扱いもあってかなり不評を浴びている。))。 --同年3月には講談社発行の漫画雑誌『別冊少年マガジン』にて外伝漫画『ダンガンロンパ害伝 キラーキラー』の連載も行われ、翌年5月に完結した。 ***ゲスト出演等 //続編や派生作品に関しての記述はシリーズページと重複するため削除しました。 -2016年に発売した『[[クリプト・オブ・ネクロダンサー]]』PS4/PSV版に今作のBGMが数曲収録。また『ネクロダンサー』経由で『GROOVE COASTER 3』に今作の「議論 -HEAT UP-」「だんがんろんぱ!」のアレンジバージョンが収録された。 --グルコス収録の出典こそ『ネクロダンサー』表記だが、ジャケット・お約束の背景演出そのものは完全にダンロンを意識したものとなっている((『論議』のジャケットには苗木が、『だんがんろんぱ!』のジャケットにはモノクマ・モノミ兄妹が描かれており、どちらも背景演出ではダンロンキャラと思われるシルエットや演出が登場する。))。 --グルコスでのイベント報酬として、モノクマ、苗木、江ノ島が2Dアバターにて登場した。 --グルコス側は2023/01/31に削除。 -開発・販売のスパイク(及び、合併後のスパイク・チュンソフト)の別作品にも本作のネタが登場する事がある。 --2011年発売の『[[ガチトラ! ~暴れん坊教師 in High School~]]』に本作のセーブデータを読み込ませる事で、主人公のコスチュームとしてモノクマの着ぐるみが入手可能。また、同作中の映画館では本作のPVを見る事ができる。 --2015年発売の『喧嘩番長6~ソウル&ブラッド~』ではモノクマが隠しキャラとして登場し、しかも戦う事が出来る。 --2018年発売の『[[ザンキゼロ]]』にはモノクマがゲスト登場する。 ---こちらはダンガンロンパシリーズスタッフが手掛けただけあってかダンガンロンパを想起させる要素が多い。 ---- *ダンガンロンパ1・2Reload 【だんがんろんぱ わんつーりろーど】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|CENTER:&amazon(B00DS3SZMQ)&amazon(B06X9H4HNF)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br;プレイステーション4|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~| |開発元|シェード|~| |発売日|PSV:2013年10月10日&br;PSV(Best)/PS4:2017年5月18日|~| |定価|PSV:&br;・パッケージ:4,980円&br;・ダウンロード:4,476円&br;・the Best版:2,980円&br;PS4(共通):3,800円(各税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(1・2) 続編『2』と統合する形でのPSVへの移植版。~ 上述のテレビアニメ版の放送直後に発売されており、そちらの視聴層を取り込もうという狙いもみられる。~ ---- **特徴(1・2) -追加要素として、『2』で加わった「アイランドモード」を『1』の世界観に逆輸入したおまけモード「''スクールモード''」が新たに追加されている。 --特に『1』での早期退場キャラのファンには嬉しく、既プレイヤーでもこのモードのために買い直したという者も出た。 --このうち、とあるキャラは他のキャラとは一味違うエンディングを迎える。詳しくは書かないが、ユーザー歴が長い人ほど感慨深いものがあり、評価が高い。 ---もっとも、仕様上『1』本編をクリアしないとおまけモードが解禁されないため、既プレイヤーは本編のやり直しを迫られる事になるのだが。 --これにより、上述の「通信簿イベントのコンプリートやメダル稼ぎが面倒」という問題もほぼ解決されることとなった。 --ただし、スクールモードは僅かながら『2』のネタバレも含まれている。 ---無理強いはできないが、''新規プレイヤーは『1』本編→『2』本編としっかりやりきってからスクールモードを遊ぶことを推奨しておきたい。'' -本編は基本的にベタ移植だが、ハード変更による高画質化とタッチパネルへの対応、学級裁判リザルト表示の『2』仕様への統一(裁判終了後に一括判定)などが図られている。 --また、PSVではダウンロードできない『1』の体験版も同時収録されている。 -劣化要素は一切無いので、PSVを持っているのであれば新規購入はこちら一択とされている。 --とはいえ、「スクールモード」以外にさほど大きな追加要素がある訳でもない。PSV本体を買うのは躊躇するというようであればPSP版でも十分だろう。 --その「スクールモード」についてもSteam版にも収録されているため、PCでプレーできる環境があればそちらを選ぶ手もある。 -2017年5月18日にPS4版が発売。同日にPSV版の廉価版も発売。 -2019年4月24日、『1・2Reload』と『V3』がセットになった『ダンガンロンパ トリロジーパック』が発売された。 **問題点(1・2Reload) -『1』の終盤のモノクマ劇場でスピンオフ作品『絶対絶望少女』のPVが流れるシーンがある。 --素直に見ただけでも1の最終的な生存者、更には&bold(){黒幕の名前}までも予測がつく作りになっており、物語の本筋が盛り上がってきた所で公式が思いっきりネタバレで冷や水を浴びせてくるという致命的な展開になっている。 --PSPでの原作発売時は当然同作は存在しておらず、スパイク・チュンソフトの別のゲームを宣伝するというギャグだった。 ---- *Danganronpa: Trigger Happy Havoc(Steam) 【だんがんろんぱ とりがーはっぴーはぼっく】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&ref(http://cdn.akamai.steamstatic.com/steam/apps/413410/header_japanese.jpg?t=1478567887,,http://store.steampowered.com/app/413410/)&br;[[Steam版>http://store.steampowered.com/app/413410/]]| |対応機種|Windows&br;Mac OS X&br;Linux + SteamOS|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br;Abstraction Games|~| |発売日|2016年2月18日|~| |定価|%%3,600円(税込)%%&br;⇒ 2,138円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(Steam) 『Danganronpa: Trigger Happy Havoc』のタイトルでSteamにて配信されているタイトルでPC(Win/Mac/Linux)版。 ---- **特徴(Steam) -Steam版は『ダンガンロンパ 1・2 Reload』の『1』の単体移植にあたり、追加要素であった''「スクールモード」も収録''されている。 --ただし海外で体験版が配信されていなかった影響か、本作では体験版を遊ぶことができない。 -配信当初は残念ながらタイトル通りUIと字幕は英語のみで、日本語への変更はできず、吹き替えのみ英語と日本語を選択可能となっていた。 --しかし、2016年8月5日に続編『2』も合わせ、アップデートで''日本語&中国語テキスト追加パッチが無償配信され、これにより事実上日本語版としてのプレイが可能になった。'' ---『2』とセットで買うと割引になるお得なバンドルセットも存在するため、未プレイの人は充分購入候補になるだろう。 --2017年6月29日には『[[絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode]]』発売に伴い定価が値下げされ、同作との3本セットバンドルも販売開始された。 ---- *ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 / ダンガンロンパ1+2(DMM.com) |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|&ref(http://pics.dmm.com/digital/pcgame/spkchun_0001/spkchun_0001pl.jpg,,width=200,http://dlsoft.dmm.com/detail/spkchun_0001/)|&ref(http://pics.dmm.com/digital/pcgame/spkchun_0003/spkchun_0003pl.jpg,,width=200,http://dlsoft.dmm.com/detail/spkchun_0003/)| |対応機種|Windows&br;Mac OS X|~|~| |発売元|スパイク・チュンソフト|~|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br;Abstraction Games|~|~| |発売日|2017年7月28日|~|~| |定価|単品: 2,138円(税込)&br;1+2: 4,104円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(DMM.com) DMM.comで『2』と共に配信。起動に使用するゲームクライアントが異なることを除いてはSteam版とほぼ同内容。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: