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このページではこの項目では1996年に発売されたオリジナルのSFC版と、2023年に発売されたリメイクのSwitch版を紹介します(判定は共に「良作」)。 ---- #contents ---- *スーパーマリオRPG 【すーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B000068GVO,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3631/1884/mrpg1.jpg,width=200)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3631&file=5e7de03534fb5c1fbb46909e467e1a40.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3631&file=61b6b017891935519ebc1bcbe5d44a7e.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|スクウェア&br()任天堂|~| |発売日|1996年3月9日|~| |定価|7,500円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|4個|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年6月24日/900Wiiポイント&br;【WiiU】2015年8月5日/943円(税10%込)|~| |備考|SFC本体が4,000円安くなるクーポン券付|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|任天堂×スクウェア奇跡のコラボ&br()RPGとマリオシリーズのアクション性を融合させた意欲作&br()マリオシリーズのキャラクター性の原点&br()RPGとしては易しめだが、アクション性は一部シビアな部分も|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| ---- //#contents(fromhere) //---- **概要 『[[マリオシリーズ]]』の任天堂と『[[ファイナルファンタジーシリーズ]]』のスクウェアがタッグを組んで作ったマリオシリーズ初のRPG作品。~ 現在と比較して珍しかった大手メーカー同士のコラボレーションや、パックンフラワーが歌い踊る[[CM>https://www.youtube.com/watch?v=o3opSDO3Sys]]は当時のユーザーに強いインパクトを与えた。 ポップでかわいらしいキャラクターによるアクションゲーム制作を得意とする任天堂と、シリアスで骨太なシナリオのRPGをお家芸とするスクウェア。~ 双方のカラーが存分に発揮されつつも上手く絡み合い、マリオシリーズらしさを保ちつつ独特なテイスト溢れる作品に仕上がっている。 **プロローグ >平和なある日。~ マリオの家に遊びに来ていたピーチ姫を、いつものようにクッパがさらって行きました。~ いつものようにマリオがクッパ城に向かいクッパと対決、いつものようにピーチ姫を助けます。 > >その時、天空から現れた巨大な剣が空を引き裂き、クッパ城へ突き刺さりました。~ その衝撃でマリオたちは散り散りになってしまいます。 > >あの剣は一体?ピーチ姫はどこへ?新たに出現した見た事もない敵は…?~ 真相を突き止めるべく、今までにないマリオの新しい冒険が始まります。 **ゲームシステム -マリオらしいアクション性を重視した作りになっており、移動中のフィールド内ではBジャンプやYダッシュなどのアクションが可能(とある場面ではおなじみテクニックの一つ「しゃがみ滑り」もできる)。ジャンプして障害物や段差の上に乗ったり等、お馴染みのアクションを従来どおりの感覚で違和感なく出せる。 --またフィールド上のギミックもマリオ由来のものに置き換えられている。 ---例えば本シリーズの宝箱は頭上に浮くハテナブロックであり、下からジャンプして叩いて開ける。~ アイテム、装備、コインの他、本作では体当たりによりエンカウントなしで敵を倒せる(経験値も通常通り加算される)スターといったマリオならではのものもある。 -ジャンルはアクションRPGだが、戦闘はコマンド式のターン制バトル。~ 一方でタイミングを合わせてボタンを押したり連打することによって、攻撃の威力が強くなったり敵からのダメージを防げるという形で、若干のアクション性を持たせている(アクションコマンドと呼ばれる)。武器や技などによってタイミングが異なる為、決して単調な戦闘にはならない。 --敵の中には攻撃のコマンドを成功させない限り、一切ダメージを与えられないものもいる(テレサ等)。また防御時にボタンを押した時でも、タイミングが概ね合っている場合の普通の防御と、完璧にタイミングが合った場合ダメージを完全に0にする「ジャストガード」の2種類がある。一部の敵の即死攻撃は普通のガードだとHPが1まで減少するが、ジャストガードだとこれすらノーダメージで切り抜ける事が可能な為、習熟する意義は非常に大きい。 --このシステムは後続のマリオシリーズのRPG作品はもちろんのこと、のちの任天堂RPG作品の一部、スクウェア系列作品でも『[[FFVIII>ファイナルファンタジーVIII]]』『[[LRFFXIII>ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII]]』や『[[キングダム ハーツ Re:コーデッド]]』などに導入されている。 --消費アイテムを使用した際、一定確率で「当たりが出たのでもう1コ!」というメッセージが挿入され、アイテム消費がチャラになる事がある。 ---種類など制約は無く、消費アイテムであれば全アイテムが対象となる。 --特定の敵を倒すと、トドメを刺したキャラを対象に「HP全快(HP MAX)」「攻撃or防御上昇(ATTACK UP!)(DEFENSE UP!)」といった恩恵をもたらすボーナスフラワーが出現する事があり、戦闘を有利に進めることが出来る。 ---「LUCKY!」のボーナスフラワーを取得すると、戦闘終了後に選択次第でミニゲームが始まり、その結果次第で取得経験値が変化する。 --シンボルエンカウント方式だが、マリオを積極的に追跡してくる敵シンボルはほとんどおらず、ジャンプとダッシュによる高い機動力のお陰で他作品のシンボル方式より戦闘を回避しやすい。 ---一定時間無敵になるアイテム「スター」を取って敵のシンボルに体当たりすると敵シンボルを吹き飛ばし、その度に一定の経験値を得られる。本家のスターの爽快感をシンボルエンカウント式RPGに落とし込んだユニークなシステム。 --レベルアップすると、ボーナスとして任意の能力値を更に上昇させられる。ステータスはHP、物理攻撃/防御、魔法攻撃/防御の3種類から選択できる。 ---攻撃系のパラメータは物理・魔法を問わず一度に2~3上がるケースもある。その気になればレベルアップボーナスを1種類で縛るプレイングも可能だが、''本作のレベルは最大30まで''であり、どの値を上げるかの選択は地味に重要なポイントとなる。 -A・B・X・Yボタンをそれぞれのコマンドに当てはめた、特殊な戦闘コマンド選択方式。 --Aが通常攻撃でBが防御・逃走。Xがアイテムで、Yがスペシャル技(特殊技、いわゆる魔法)となっている。 --変わっているのは、それ以降のアイテムや技選択も同じボタンで行う点。例えばXでアイテムコマンドを選んだ際は、その後どのアイテムを使うかの決定ボタンもXボタンとなり、それ以外のボタンはキャンセルボタンになる。 --近代では『[[エストポリス伝記]]』シリーズや『[[英雄伝説 閃の軌跡]]』シリーズなどの戦闘にもやや似ているが、選択ボタンを縛らないという点ではやはり後の『[[マリオ&ルイージRPG]]』シリーズにおけるUIの原点でもある。 -美しいグラフィック --『[[スーパードンキーコング]]』シリーズの流れを汲む、3Dのプリレンダで描かれた美しいグラフィックも特徴。~ キャラクター達がクォータービューで描かれたマップを舞台に所狭しとアクションする。 #region(仲間キャラについて) -マリオ --常にプレイヤーが操作する主人公キャラ。本作のマリオはいわゆる「無口主人公」を意識したのか、言葉を発する事が無い。((一応、本作以前の作品からマリオの言い回しは決められているのだが、この作品や『マリオ&ソニック』シリーズのように、周りが喋る中マリオだけ台詞が無いというケースも多い。))~ その分、豊富なアクション・リアクションで感情表現や意思表示を行っており、コミカルな動きも相まって十分に個性づけられている。 ---本作では「世界的に有名」という設定があり、各地でジャンプや遊び相手をせがまれたり、''ジャンプで身分の証明ができたり''、遠く離れた雲の上の国にまで噂程度とはいえ伝わっていたりする。キノコ城あたりではすっかり顔馴染みである。~ 彼本人も事ある毎に真っ先に飛び出そうとして仲間に諌められたり、子供にバカにされてムキになったりと、良くも悪くも直情的な熱血漢として描かれている((余談だが、下記するマロのスペシャル技にて、無口なだけでなく''本当に何も考えずに過ごしている''疑惑が浮上していたりする。)) --高めの物理攻撃、防御力、HPを筆頭に、バランスの取れた主人公らしい能力値。しかし意外にも初期防御力は「0」というある意味脅威の数値。 ---但し、レベルアップ時のボーナスは物理系能力が上がりにくい。 --一方で覚えるスペシャル技は全てジャンプと炎の属性を持つ攻撃系の技という、とことんまで攻撃性能に特化したキャラとなっている。 ---しかも本作はタイトル通りマリオをパーティーから絶対に外せない事もあって、どんな戦略をとるにも彼の存在が大きなウェイトを占める事になる。 ---彼が覚えるスペシャル技の中でも「スーパージャンプ」は、目押しのコマンド入力次第ではあるが最大100回まで連続で敵を踏みつけ攻撃できる事で有名。 -マロ --どう見てもカエルではない自称カエルの子。泣き虫だが健気で真面目な性格。マリオの最初の仲間キャラであり、時に逸りがちなマリオを諌めたりと良き相棒的な存在。序盤暫くはマロとの2人旅なので、彼の出番はパーティの中でも多め。 --HPや物理攻撃力はやや控えめな代わりに、様々な魔法、もとい攻撃的なスペシャル技を使える魔法使い型キャラ。雷と氷の属性を操る。 ---性能的にはかなり強い方だが、FPを大量に消費しやすいのが欠点。 ---レベルアップ時のボーナスをHPや物理系能力に振った際の能力上昇が大きいので、万能キャラに育てる事も可能。 --(ネタ的な意味で)彼の真骨頂と言われているのが、敵の残りHPを見るスペシャル技「なにかんがえてるの」である。コマンドを成功させるとその敵の心が読めるというおまけ要素があるのだが、その内容がいろいろとぶっ飛んでいる。詳しくは賛否両論点を参照。 //ピーチとの戦力差の詳細については問題点に移動。 -ジーノ --今回の騒動が原因で破壊されてしまった「スターロード」の欠片を集めて修理すべく、ヒーロー人形「ジーノ」に宿った夜空の世界の住人。正体は小さな星の姿をした精霊で、知的でキザな二枚目。 ---任天堂のファンシーさとスクウェアのクールさが絶妙にミックスされたそのキャラクターは本作オリジナルキャラの中でも非常に高い人気を誇り、版権上ほぼ不可能でありながらも他作品へのゲスト出演を望む声が多い。 --装備武器はロケットパンチや腕を銃に変えるもの等、他のキャラに比べて近未来的な武器が多い。素早さは全キャラ中トップであり、戦闘では先手を取りやすい。攻撃力も高めだが、その代わりやや耐久に欠ける。 --スペシャル技も攻撃系の技が多いのだが、それに加えて本作唯一の能力上昇系の補助技「ジーノウェーブ」を持つ。 ---特筆すべきは「ジーノカッター」。コマンドを成功させた場合いわゆる雑魚敵にだけ効く((しかし、ボス扱いのカリバー(冒頭でクッパ城に突き刺さる巨大な剣)はフラグの設定ミスにより無効化が解除されてしまうため、そのまま効いてしまう。))即死効果が発動する技だが、画面のフラッシュ後に''9999''とカンストダメージの値が表示されるという成功時演出は当時のプレイヤーを大いに興奮させた。 -クッパ --ラスボスという立場上これまではあまり目立った活躍や出番がなかった彼だが、本作では「ラスボスに居城を奪われた大王」という立ち位置となり、今までの作品では見られなかった多くの一面が描かれるようになった。 ---やや間抜け気味で、事あるごとに凹んでいたりとヘタレな部分が多いが、所々で親分肌を発揮したり、マリオとは協力体制を敷きつつ反目する事を忘れなかったりと、パーティー内でも屈指の人間味のあるキャラ付けは多くのファンからの好評を得ている。 ---一人称は「ワガハイ」と尊大な大魔王にふさわしいものが設定され、本作以降のシリーズ作品でクッパが喋る際は概ね引き継がれている。 --ステータスはマリオ以上の物理ファイター系だが、魔法攻撃に関するステータスや素早さはかなり低い…という見た目通り両極端な性能。それらの欠点も本作では装飾品でかなり補える為、頼れる前衛(壁)キャラとして活躍するだろう。 ---素の攻撃力が高い所為か、装備可能な武器の性能は他キャラと比べると大分控えめであり、最強武器でも+40程度の攻撃力しかない。 --攻撃特化キャラかと思いきや、スペシャル技は「ダメージに加えて相手に状態異常を与える」という性質のものが多い。ダメージソースとしては正直微妙だが、特に「恐怖」の異常状態を与えられる「きょうふのしょうげき」は優秀な補助技として役立つ。純粋な攻撃系スペシャル技も一応存在するが、魔法攻撃力が低い彼の場合、通常攻撃で殴る方がダメージ効率は良い。 ---意外にもレベルアップ時のボーナスは魔法系の能力が上がりやすいので、バランス良く上げて万能キャラにする事も可能。 --終盤のあるダンジョンで彼を戦闘メンバーに入れていると、一部のモンスターが戦闘開始直後に動揺して逃げるという小ネタがある。逃げた敵からは経験値やコインが貰えないので、若干損する要素でもあるが。 -ピーチ --これまではさらわれヒロインとしての描写が大半だった彼女も、本作においては同ポジションながらも様々な性格付けがなされ、後の作品の基盤となった。 --冒頭ではクッパに、それ以降はブッキーに振り回されたりとかなり波乱な経緯を経て仲間になるが、明るく御転婆ながらも思慮のある振る舞いは、姫キャラというより正統派ヒロイン色が強く押し出されている。自身の容姿に対してナルシストな一面も持っていたりする。 --ステータスは魔法寄りのバランス型。加入直後こそHPや物理攻撃力が低いもののレベルが上がるにつれて改善していく。魔法寄りの性能ではあるが、屈指の威力を持つ最強武器を装備すれば、通常攻撃においても相当な強さを見せてくれる。 --覚えるスペシャル技は、回復系に関しては完全にマロの上位互換。強力な単体回復から全体回復、蘇生までこなせてしまう。しかもいずれの技も消費FPが非常に低く、パーティーに入れておけば継戦能力が桁違いに高くなる。 ---敵に眠りや沈黙のステータス異常をもたらす補助技や、1種類だけとはいえ無属性・高威力の全体攻撃技も覚える為、どんな相手に対しても器用に立ち回る事が可能。 #endregion ---- **評価点 //こちらを評価点の項目に節わけ -マリオシリーズならではのアクション性を活かした作り。 --シリーズを活かすという意味ではこの上なく最適な作りであり、単純にキャラクターをマップで動かしているだけでも楽しい。 -シリーズのお約束を覆す意表を突いたシナリオ設定と、丁寧なキャラクターの作り。 --「いつものように」クッパを倒し、「いつものように」ピーチ姫を助けにゆく……という序盤の展開は、シリーズお約束展開のメタネタ((説明書でも「いや~、今回はクッパ城までたどり着くのは早かったなぁ……」と書かれている。))。~ そして「いつものように」クッパを懲らしめてピーチ姫を救いめでたしめでたし……と思いきや、マリオワールドそのものの侵略を目論む強大な敵が姿を現すという、意表を突いた展開になっている。この序盤の展開は後のRPGシリーズの多くにも新たな「お約束」として概ね引き継がれている。 --クッパ城に刺さった巨大な剣をはじめとして、RPGには欠かせない剣や槍と言った武器をモチーフにした敵役もほどよい異物感を持ち、「異世界からの侵略者」という本作の悪役に最適な存在と言える。~ 敵の異質さもまた、いつもとちょっとちがうマリオの冒険を演出しており、後のマリオRPGシリーズの中でも際立って異色な趣を放っている。 //--少々ネタバレに触れてしまうが、敵の親玉の武器は、鍛冶により武器を生み出す金鎚。そしてマリオもハンマーを使うという、奇しくも同じ武器を使用する者同士の対決が小粋である。 //触れるなら隠せ --そんな敵の異質さとは裏腹に、大半はマリオシリーズならではのほのぼのとした世界観を尊重しており、明るく暖かい雰囲気で綴られるストーリーが高く評価されている。 ---侵略者たちの大半が外見や言動に武器の冷たさ・怖さを感じるどころか非常にユーモラスで、敵組織の勢力図が完全に製造部門の上下関係そのものだったり、出世に命をかけるサラリーマンの鑑や「この世の悪を守る悪の戦隊」が存在するなど、非常にユニーク。 ---この侵略者とは一切関係ない敵キャラクターも存在するが、「胡散臭い外人訛りでしゃべる泥棒ワニ」「茄子に手足が付いたような見た目のボムへい職人((ボムへいが爆弾という武器をモチーフとするためか、侵略者の仲間と勘違いするプレイヤーもいる。戦闘BGMが侵略者以外のボスと同じなので、そこで区別がつく。))」「思考や言動が滅茶苦茶な髭面のオヤジ」「高飛車な鳥人と丸々太った鳥のコンビ」など、こちらも負けず劣らずインパクトが強いキャラばかり。 --仲間キャラ4人の活躍も大きな見所。マリオシリーズに登場していたキャラのさらなる魅力を引き出すなど、本作が後のシリーズに及ぼした影響は大きい。彼ら以外のサブキャラクターも魅力的なキャラが多い。 --敵として対峙するキャラクターも例外ではなく、一部例外を除けば戦闘後も各地で再会可能。中にはミニゲーム等で遊んでくれるキャラもいたりする。 -多数の細かい遊び要素 --「ある道具屋の棚の上に乗ると決めポーズをとって店主に叱られる」「オルガンの上に乗ると滅茶苦茶な音が鳴ってこれまた叱られる」「初回のイベント後大臣に何度も話しかけるととっとと行けと言われる」…などなど、各地でプレイヤーがとるであろうお遊びに対する反応がちりばめられており、影ながら冒険に彩りを添えている。 --手の込んだケースとしては、「ある村のホテルのスイートルームに所持コイン以上分の連泊をしてしまうと、その分ホテルでアルバイトをさせられる」というものがある。イベント中はホテルから出る事はおろかセーブすらできない((自由に動ける時であれば、客の頭を足場にしてジャンプという抜け道を使ってセーブポイントに行く事は可能))が、この際にマリオがもてなした客からチップとしてアイテムが貰えるので単なるマイナス要素に終わっていないのもポイント。 -任天堂ゲームからのゲストやFFシリーズなどのパロディも多く、マリオシリーズでも異色の作品と言える。 --ある施設内のベッドに「[[リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]」「[[サムス・アラン>メトロイドシリーズ]]」が寝ているという、サプライズ的なゲスト出演もある。 ---サムスは話しかけると「…オモロイド……」という『[[メトロイドII RETURN OF SAMUS]]』のCMを元にした%%寒スな%%寝言を聞ける((海外版では"I'm resting up for Mother Brain."(マザーブレインとの戦いに備えて休息をとっているのだ)になっている。))。彼女は限られた期間しか登場しない為、見落としてしまうプレイヤーが多かった。 ---リンクに話しかけると、お馴染みのあの謎解き音が流れる。こちらはサムスと違いずっと同じ場所で寝続けている。 ---このほか、あるダンジョンには入り口のカウンターに[[FF6>ファイナルファンタジーVI]]の魔導アーマーの模型が飾られていたり、最上階にあるおもちゃ箱に[[ファミリーコンピュータロボット>ファミリーコンピュータロボット ブロックセット/ジャイロセット]]やディスクシステムのディスくん、[[ワイルドトラックス]]の機体「F-TYPE」、サムスの人形が置かれているなどのゲスト要素が存在する。 --「なにかんがえてるの」で表示されるメッセージについては好評なものもあれば癖が強いものも多い。詳細は賛否両論点を参照。 -ラスボス以上の強さを持つ裏ボスも存在するのだが、強さ以外の面でもインパクトが強く、現在も語り草となっている。 #region(裏ボスの詳細) -「クリスタラー」という名前のこの裏ボスはFF要素がてんこ盛りで、一人だけFF風のグラフィックで[[FF4>ファイナルファンタジーIV]]のボス戦BGM「バトル2」のアレンジが流れ、バトル勝利時にはFFの勝利ファンファーレ、バトル後に「プレリュード」まで流れる拘り様。 --喋り方も見た目に違わず非常にシリアスなのだが、「なにかんがえてるの」で心を読んだ時のメッセージが噴飯もので必見。 --勘違いされやすいが、本作オリジナルのキャラクターであり、FFシリーズには一切登場していない。 --デザインは当時FFシリーズのモンスターグラフィックを担当していた野村哲也氏本人によるもの。 #endregion -ミニゲームが非常に豊富で、必ずプレイするものから寄り道的なものまで沢山存在している。 --全体的に完成度が高いものが多く、特に「ばくれつカブトムシ」というシューティング風のミニゲームは単純なルールとシンプルなゲーム画面ながら中毒性が高く、人気が高い。 --ミニゲーム以外でも、オプション画面の隠しコマンドやセーブ画面で何度もNOを選択していると怒るマリオなど、小ネタ要素がだいぶ多い。中にはとあるダンジョンで突如、昔なつかしのFCドット絵化してしまうマリオなんてネタも。 -下村陽子氏によるBGMも高評価。 --マリオシリーズのイメージを壊さない質の高いオリジナル曲がそろっており、特にダンジョンの「ハナチャンの森」で使用されたBGM「森のキノコにご用心」は作中屈指の名曲として名高い。 --本家マリオシリーズの曲も随所でアレンジされて使用されており、古くからのファンをにやりとさせてくれる。 //---既に廃盤となっている本作のサウンドトラックは、中古市場では常に数万円以上の高値で取引されており、その根強い人気が窺える。 //プレミアムが付くことと人気はあまり関係ないよ。昔のサントラはだいたい出荷数が少ないからそれが原因。 ---- **賛否両論点 -RPG部分の難易度が全体的に低い。 --全滅時のペナルティはほぼ無いに等しい。最後にセーブしたポイントまでストーリー進行度が戻されるのだが、一方で経験値やステータス、所持コインなどは全滅時のままキープされる。取ったアイテムなどはリセットされ巻き戻るため宝箱の中身も元に戻るのだが、スター入りの宝箱も復活する。 //---このため、スター入り宝箱の近くでセーブした後、わざと一旦全滅してスターを復活させ、それを何回も取って敵を弾き飛ばし、経験値を荒稼ぎする方法が確立された。この方法を使うとあっという間にレベルがカンストする。 //レベルが上がると全滅まで時間がかかるのでそこまで効率は良くない。 ---全滅時の処置はおそらく『[[ファイナルファンタジーVI]]』が元になったのであろうが、こちらは一応ペナルティはあった。 --非常に軽いFPで扱えるピーチ姫の強力な全体回復技&復活技や、たった5コインで買える((もっとも、このゲームのお金は、コインが最大999枚までしか持てないので、物価が安く設定されているのも、当然と言えば当然ではあるが。))完全蘇生アイテムである「ふっかつドリンク」など、全体的に回復手段がやや手軽かつ強力すぎる感がある。 ---全員のHPとFPを全快させる最強回復アイテム「ケロケロドリンク」が、序盤からそこそこの頻度で拾える上に、ゲーム終盤では条件付きかつ高額ではあるが店売り品にもなる。~ 更に''使用者を3ターンの間、一部特技での無力化すら受け付けない完全無敵状態にする''「レッドヨッシーエキス」すら、相応の手間こそかかるが何度でも調達可能。 --他にも「戦闘不能は戦闘が終了すれば自動的にHP1で復活できる」「レベルアップ時にHPが全回復する」「ダンジョンの途中にHP・FP全回復の宝箱が用意されている」等、戦闘面ではかなり余裕を持ってプレイできる仕様である。 --攻撃用アイテムも、無属性でかつ敵全員に標準で200、カタクナール状態の敵にも確実に100の固定ダメージを与える「こんぺいとう」を筆頭に、複数入手しやすくなおかつ強力な要素が多い。 --上記のボーナスフラワー効果にも含まれる、あらゆる攻撃の与ダメージを1.5倍に増やす((通常攻撃、スペシャル攻撃はもちろん、アイテム攻撃のダメージすら上昇する))''ツヨクナール状態''や、あらゆる被ダメージを半減する''カタクナール状態''が非常に強力でありながら、これらの効果を与えるワザや消費アイテム、戦闘開始時に自動付与するアクセサリまで存在し、上手く利用すれば通常プレイは勿論、単純な低レベルプレイ程度ならそれほど支障なく達成可能な程である。 //色文字にする必要性がないので黒太文字に変更。あと読みにくくなるから中途半端なところで改行しないで。 -ゲーム全体でボスキャラのステータス、特にHPが低く設定されているものが多く、ゲーム後半ともなると、味方側の攻撃力にボス側の耐久力が追い付いていない傾向にある。 --ラスボスや隠しボスを除けばボスキャラのHPは3000未満で統一されており、ラスボスの直前のボスですら攻撃は激しいがHPは2000未満とかなり低い。 --これらの低難度化要素は、マリオシリーズという万人向けゲームシリーズのRPG化であり、初心者にもプレイしやすい難易度を想定しなければならない為やむを得ない一面もあることは否めない。 ---とはいえ後半になるとザコ・ボス問わず、強力な全体攻撃や即死技、ツヨクナールやカタクナール効果による自己強化、状態異常を扱う敵が増えてくる。 ---HPそのものは低いが防御力が高くダメージが与えにくい。複数のボスが徒党を組んでいる。補給無しで異なるボスとの連戦となり総合的にはHPが多い。といった要素で難度を底上げしてくるボスも存在するため、個々の戦闘が極端にぬるすぎるということは決して無い。 --また敵が使ってくる状態異常も、後半では基本自然治癒せずコマンド自体が制限されるという厄介な物が多くなってくる((常に防御状態&HP回復効果になる代わりに一切動けなくなるキノコ状態、通常攻撃とアイテムが使えなくなるカカシ状態など))為、本作ではそういった濃いバトルに対してバランスを取っている傾向がみられる。 -一部ゲームバランスを崩壊させるほどの性能を持つ武器・防具が存在する。以下が一例。 --セーフティーリング ---説明には「一撃死をふせぐ」と書かれているが、実際は''即死攻撃だけでなく全ステータス異常と属性ダメージも無効化''と、とてつもなく強力な性能を有する。発見が難しい隠され方ではあるものの、場所さえ分かれば中盤で入手できてしまう。 --ひまんパタこうら(武器)・フライパン ---それぞれマリオとピーチの最強武器で、攻撃力は90と全武器中ブッチギリの一位。ひまんパタこうらは入手に手間が掛かりダメージのムラが大きいという難点があるが、基礎の威力が充分高いので一気に与えるダメージが増える。フライパンは入手場所さえ分かれば容易に入手可能で、ダメージのブレもひまんパタこうらより小さい。 ---どちらも本来のストーリー進行とは外れた箇所での入手になる為、隠しアイテムのような立ち位置ではある。 ---マリオの二番目に強い武器はラストダンジョンで、ピーチの二番目に強い武器はその直前のダンジョンで他キャラの最強武器と共に手に入る(攻撃力はいずれも70)。クリア時にはそれらを装備している事を想定してバランスが調整されているのではないかと思われる。 --ひまんパタこうら(防具) ---上記した同名の武器とは別アイテム扱いになっており、こちらは防具。~ 攻撃力・攻撃魔力・すばやさが激減してしまうデメリットはあるが、誰でも装備でき、全ステータス異常と属性ダメージ無効に加え最強の防御力を誇る。アクセサリで即死耐性を補えばセーフティーリングと耐性面も互角となり、ピーチに装備させると全滅する方が難しくなる程の不沈艦と化す。 --ジャンパースカーフ ---マリオ専用アクセサリー。効果は''攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御・すばやさが各30ずつ上昇し、即死耐性付与''と極めて強力なバフを持つ。 ---一方で、入手条件は「マリオのスペシャル技『スーパージャンプ((アクションコマンドを成功させた回数だけ相手を踏みつけることができる技。後発のペーパーマリオシリーズでいうれんぞくジャンプ))』の追加入力を1ターンで30回''連続成功''させる」とそれなりにシビアであり、かなり入手難易度は高い。それ故のごほうび性能と言える。 --ばっちいパンツ ---序盤から中盤に差し掛かるといったタイミングで買える全キャラ装備可能な防具。~ そのふざけた名称や、同じショップで買えるマロの「ばっちりパンツ」と一文字違いな用途不明なネタ装備…と思われがちだが、防具としては珍しく''攻撃力、魔法攻撃、素早さまで上げる''という、非常に汎用性の高い高性能装備となっている。 ---クッパに至っては''全ての専用装備よりばっちいパンツの方が上''であり、%%ばっちいと言うことに抵抗が無ければ%%加入からずっと装備もアリなほど。 -一方アクション・パズル部分は全体的に難易度が高め。 --一番の原因は、本作のフィールドが当時でも数少ない''クォータービュー''(画面手前から菱形の様に広がる斜め視点)描写である事。それでいて、十字キーを押した通りに8方向に移動できる((このような視点の場合、十字キーでの移動方向を45度ずらしたり、斜め移動固定ボタンを用意したりしてスムーズな斜め移動を可能にしているゲームも多い))。~ そして足場の配置などは斜め方向が基準になっている。好きに動き回れる街中等はともかく、アクションマップでは「十字キー斜め押し+B」で精密なジャンプを要求される部分が多々ある。 ---「ちんぼつせん」ではある地点を通過する為に必要なパスワードのヒントを得る為に、6種類の仕掛けを解く事が求められる((全て解かなくても一部のヒントがわかれば類推可能、そもそも事前にパスワードを知っていればこれらは全てスルー可能))が、いずれもシビアな攻略難度を有している。しかも仕掛けの1つである「立体迷路」は大人でも攻略にてこずるケースが見られる程。 ---後半のダンジョン「マシュマロの国への道」では空中に浮かぶツタをジャンプで飛び移りながら登っていくという、本家マリオシリーズ顔負けの非常に難易度の高い操作を要求される。クォータービュー独特の距離感・位置取りの掴みづらさも合わさり、下手すると本家以上の苦戦を強いられるプレイヤーも。 --終盤のクッパ城ではバトル・パズル・アクションの3系統のコースが2種類ずつあり、計4つをクリアしないと先に進めない。パズルコースは石取りゲームや推理クイズのような一筋縄ではいかない高難度なパズルが多く、アクションコースは精密なジャンプ操作が要求される。 //選択制に見えるが行き先はランダム --街と街のつなぎにアクションマップが挿入されている事が多く、最初はアクションマップをクリアしないと次の街へ行けない。アクションが苦手な人にとっては本作最大の批判点であろう。一度でもクリアしてしまえばワールドマップから直に行けるようになるのが救いか。 --また街マップも、''きちんと特定の出口から出ないとワールドマップが繋がらず''、次のマップへ行けない。 ---気付いたり知ってさえいればどうという事は無いが、初見だと非常に気が付きにくい。 --レアアイテムが貰えるミニゲーム・やり込み要素のアクション部分は本当にシビア。失敗しても何度でもやり直せるのが、せめてもの幸いではあるのだが…… ---特に「スーパージャンパー」というアイテムはRPG全体で見ても屈指の入手難度を誇る。条件そのものはシンプルで、前述の「『スーパージャンプ』を1ターンで''100回連続成功''させる」というもの。「ジャンパースカーフ」の条件からさらに+70回分増えた形である。 ---…と、これだけ見れば単純な条件なのだが、つまりは、''目押し系のアクションコマンドを100回連続で成功させなくてはならない''。とんでもない長丁場で、タイミングも回数が伸びるにつれシビアになっていく。((検証によれば、15回以降の入力受付時間は0.03秒。))かなりの集中力が要求されるのは言うまでもない。 ---このアイテムの存在自体はこれをくれるキャラが示唆している。達成できずに泣く泣く諦めたプレイヤーも多いのでは?せめて累計ならよかったのだが。 ---一方で、その性能は前述の「ジャンパースカーフ」をさらに上回り、''全員装備可能な防具で、攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御が各50上昇、すばやさが30上昇、全属性攻撃無効化、全ステータス異常に耐性付加''というぶっ壊れ性能。これ1つで他の防具が一切要らなくなるほどの性能を誇る。もちろん1点ものなので使えるのは1人だけだが。 -ミニゲーム「ばくれつカブトムシ」の操作性 --ゲーム自体の完成度はシンプルながらも高く、本編を忘れて熱中しかねない中毒性も持つが、レバガチャを頻繁に強いる操作体型である為、長く続けているとコントローラーや指(手)を痛めかねない。適度に休憩をしながらのプレイをおすすめする。 --連射パッドを使用するとゲーム性が劇的に変化すると評してもいい程楽になるのだが、その為かゲーム中では連射パッドの使用を咎めるメッセージが存在している。 ---たとえ連射パッドを使用しても、単純に押しっぱなしにするだけではスコアが思ったほど伸びない。ハイスコアを狙うにはどちらにせよ連鎖がうまく繋がるよう調整し続ける必要がある。 -マリオをパーティから外せない為、キャラチェンジは実質2席で行う事になる。 --パーティ編成の自由度に乏しい側面は否めないものの、アクションマップはマリオのジャンプ力ありきの地形なので仕方ない部分もある。戦闘のバランスも3人のうち一人はマリオで固定という前提の元に練られており、マリオが外せないことで困るといった場面は無い。~ しかしマリオのスペシャル技の属性「炎系」「ジャンプ系」は弱点の敵に比べて無効化する敵がやや多く、スペシャル技の汎用性はやや低め。 -味方のマロの技「なにかんがえてるの」のコマンド成功時に表示されるメッセージは癖の強いものが多く、様々なアニメ・漫画作品のパロディも散見される。ファンからは技名をもじって「スタッフはなにかんがえてるの」と揶揄されている。 --本作の発売時もアニメが放送中であった『[[新世紀エヴァンゲリオン>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]』など、ごく近い年代の作品を元ネタにした時事パロディも多い。 --また、マメクリボーに対して使用した際のメッセージが猥褻な内容を想像させるアウトな代物になっているのも有名である。 --元々ファミリー向けの印象が強かったマリオシリーズのイメージを大きく逸脱したこれらのネタに爆笑する人もいれば、「ふざけすぎではないか」と難色を示す人もいる。 //全部が全部好評だったわけでもないので //ケロケロ湖のBGM、ホイッスルのような音がかなり音量が大きく、うるさい。ケロケロ湖にいる間ずっと鳴り続けるため、音楽の邪魔にすらなってしまっている。 //言うほど耳障りには思えないけどね。まあ個人差も大きいだろうから隠しとくよ -コインのMAXが999しかないため、普通にプレイしていると、わりと簡単に上限に達してしまう。 --その分RPGとしては物価が安めなので、買い物に困ることは無いが。 ---- **問題点 -アイテムの所持可能数が少ない。 --装備・アクセサリ欄の空きスペースは30枠。これは型落ちの武器防具のこまめな売却を心がければまだ問題ないのだが、 --アイテム欄の空きスペースは29枠(30枠のうち1枠をゴミ箱が占有)しかなく、その上ごく一部のアイテムを除き「預ける」「まとめ持ち」といった概念は存在しない(例えばキノコを5個所持したい場合、キノコで29枠のうち5枠が埋まってしまう)。 --また、宝箱を開けた時にアイテム欄が29枠埋まっている場合、取得アイテムか手持ちのアイテムから1つを選んでその場で捨てなければならない。「所持アイテムがいっぱいなので宝箱に戻す」という選択ができないのも手痛い。 ---またサブイベントに必要なアイテムや一品物の限定品であっても、売却・破棄が可能であれば同じアイテム欄で管理されるため、アイテム欄の空きのために捨てたり売ったりすれば当然イベントは進行不能に。~ 特にヨッシーレースに挑む際などに貴重なアイテムを泣く泣く手放す破目に陥るケースも珍しくない。 ---そもそもそういった手放すのが惜しまれるアイテムが、売却・破棄できてしまう事自体が、マリオシリーズとしてはやや不親切と評さざるを得ない。 ---一応別枠で「だいじなもの」という項目もあるが、そこに入るのは本当にごく一部の失くすとメインストーリーの進行に支障が出るアイテムだけである(扉のカギなど)。 //--終盤のダンジョンでは多くのアイテムや武器防具が宝箱から入手出来るため、アイテムの管理がかなり煩わしい事になる。 //↑武器防具はいらないものはその都度売っておけばいいだけだし、このゲームでは装備品と消費アイテムが別枠で持てるので、まだ親切な方である。入手したアイテムも勝手に並べ替えされるので、わかりやすい。 //宝箱を開けてアイテムを持ちきれない時、使って減らす。そんなこと、できるゲームの方が珍しいのでは? -装備品の性能に関する説明が不足気味。 --装備・アクセサリの付け替え画面で表示される情報は、4つのステータス数値(攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御)の増減だけな上に説明文は抽象的な感想のようなものしか載っていない物まで含まれる(素早さの変化は装着前後でステータス画面を見なければ把握できない)。 --このため、これらのステータス補正が無いアクセサリーは一見すると何の効果もないように見えてしまう(例えば「パタパタくんしょう」というアクセサリー((装備者に戦闘開始時ツヨクナール自動付与+素早さ20上昇))の解説は「君のパタパタ力がアップ!」など全く意味不明)。 ---ゲーム後半のアクセサリには「属性ダメージ半減・無効」「戦闘開始時ツヨクナール・カタクナール効果付与」「即死攻撃耐性((セーフティーリングも含め4種存在))」といった超強力な効果を持つにもかかわらず効果の詳細が伏せられているアクセサリーが複数存在し、攻略本等の情報を仕入れない当時のプレイヤーがどれだけその性能を知り得たのか…。 //わかりづらさや説明文を具体的に -タイミング系のアクションコマンドの判定が分かりづらい。 --アクションコマンドで一番多いのがこの「特定のタイミングでボタンを押す」というタイミング系なのだが、&bold(){どのタイミングで押せば良いのかという説明がゲーム中に無い}。基本的には「攻撃がヒットした瞬間」なのだが、たちの悪い事に例外が少なからず存在する。 ---スーパージャンプの成功判定も例外の一つで、何故か''成功タイミングが踏んだ時ちょうどではない''。そのため、目押し以前にタイミングを勘違いしたまま散っていったプレイヤーは数知れず。 ---「ジーノカッター」のタイミングは、説明書では「カッターが当たる直前」と記載されているが、これは「敵にカッターのエフェクトが重なった瞬間」ではなく、''カッターが画面外に消えて敵にヒットエフェクトが出る直前''である。確かに言われればそうとも読めるが紛らわしい。 --アクションの成功判定は「通常」と「ジャスト」の2段階に分かれている。アクションが成功したかどうかは音や動作から容易に分かるものの、ジャストと通常との違いはダメージを見ないと判別できない。 --相手の攻撃によるダメージを軽減させる「アクション防御」は、初見ではタイミングがわかりづらい(★が飛び散る直前が防御タイミング)。そもそもアクション防御ができない技も多い((★が飛び散る演出が無いものは、アクション防御不可能。))のだがこれも説明がない。 --アクションコマンドとは異なるが、ヨッシーレースの加速のタイミングも掴めない人が多かったようだ。BGMに合わせるのが正しいのだが、ヨッシーの動きとBGMが微妙に連動していないので、画面を見ながら操作すると混乱しやすくなる。 -一部仲間キャラの性能に問題アリ。回復技を持つ2名であるマロとピーチ姫の、性能面において大きな格差が見受けられる。 #region(詳細) --マロは俗に言う魔法使いタイプのキャラクターで、回復技は単体対象の「かいふくシャワー」(まほうのつよさ10)しか習得しない。また、腕力も魔法使い相当かつ武器の性能も今一つのため、FPを消費しない通常攻撃力は全メンバー中最低である。 --その反面、強力な全体スペシャル攻撃を習得する…のだが、スペシャルわざ発動のリソースであるFPは極限までやり込んでも最大値が''99''とかなり低い(冒険道中では当然、最大FPは99よりかなり低い状態である)。~ マロは対大群相手の短期決戦性能こそ優秀だが、高位の全体攻撃技は消費FP12以上という高燃費であることが追い打ちとなり、大技を惜しまず連発した場合はたった数回使うだけでFPが枯渇してしまう。この為マロはゲーム後半の、特に単体ボス相手の長期戦性能が決定的に乏しい。 ---この高い燃費をアイテムで賄う場合、FP回復のシロップ系アイテムの消耗も加速してしまう。本作のアイテム所持可能数は先述の通り少なく、シロップばかりを持ち歩くわけにもいかないため、ショップでこまめな補給が求められる。そのうえ、手軽に調達できる「メイプルシロップ」の回復量はFP40と、大技換算ならばおよそ3発分にしかならないため心許ない。 ---FPが「全員で共有」という点も問題で、これにより他キャラのスペシャル技分のリソースを食ってしまうという欠点まで生まれてしまっている。逆に言えば、他のキャラがスペシャル技を使ってしまうと、ただでさえ数回で息切れを起こすマロのスペシャル技を使う回数がさらに減る。 //シロップ消耗に関する記述を少々要約 ---消費FPを半減させるアクセサリーもあるのだが、当然ながら防御力や耐性とのトレードオフになる。 ---このように、本命のスペシャル技も数回で息切れを起こし、長期戦が苦手な上シロップが尽きれば頼りない通常攻撃しか残されていないため、扱いづらいと感じるプレイヤーが多くなるのは理解していただけるだろう。 --一方でピーチの回復技はマロと比べ物にならないほど極めて高性能。 ---初期回復技「いたいのとんでけ」は、消費FP2(かいふくシャワーと同じ)でまほうのつよさ40+''状態異常もついでに治療''と、かいふくシャワーの完全上位互換。 ---同じく初期回復技「みんなげんきになあれ」は、消費FPたったの4でまほうのつよさ30+状態異常治療を''全体がけ''という驚きの高性能。もちろん移動中も使える。((なお、移動中に使う場合はHPが減っているキャラクターにカーソルを合わせる必要があるが、HP満タンのキャラクターが混じっていても使える。))~ 戦闘に起用せずとも、ピーチの存在は移動中のHP回復アイテムの出番をほぼ奪い去ると言える。 ---さらに、戦闘不能の味方単体の蘇生が可能な「おねがいカムバック」は、FP消費たったの2!~ 加えて、通常でもHP半分回復だが、アクションコマンド成功ではなんとHPが全回復する。~ アクションの入力タイミングもかなり容易であり、ピーチが倒されない限り敗北しないと断言できるレベルである。前述のひまんパタこうら(防具)を装備しておけばさらに盤石。 --この状況をドラクエで例えるならば、消費MP2のホイミと鞄内の限られた回復アイテムでやりくりしていた所に、「消費MP2のベホマ」と「消費MP4のベホマラー」と「消費MP2のザオリク」の使い手が加入するに等しく、状態異常治癒も回復と同時にこなすためこの例えの更に上を行く異常事態といえる。 --上記だけ見ればピーチは回復特化キャラにも見えるのだが、''それだけではなく''武器を整えれば攻撃面でもかなり頼れる万能タイプである。 ---ピーチの最強武器は、手順さえ知っていれば入手が容易&マロの最強武器よりも遥かに高性能であり、通常攻撃も高水準に強化される。 ---極めつけに終盤、燃費はFP15と重いものの、まほうのつよさ60の無属性全体攻撃技「ヒステリックボム」も習得してしまう。ピーチの魔法攻撃力の高さもあって十分な威力が出るため、通常攻撃力に加え雑魚散らし適正も獲得し、いよいよ一切の隙が無くなる。 ---これらの超性能により、一部プレイヤーからは''「ピーチがバランスブレイカー級に強い」''との評価も挙がる程の強さを有している。 --ピーチを起用するか否かで、強敵相手の安定感や回復アイテムの消費速度等、冒険の難易度が目に見えて変わってしまう。そのためマロはどうしても影が薄くなってしまいがち(マロが弱いというよりは、''ピーチがあまりにも強すぎて''マロが見劣りしてしまう)。 --ただ、マロが全然使えないキャラかと問われればそうとも限らず、むしろやり込んだプレイヤーからはかなり強いと評される性能は有している。 ---マロは雷・冷気属性のスペシャル技を扱える唯一の仲間で、敵の弱点属性を把握し的確に弱点を突けば、瞬間火力には目を見張るものがある。 ---「ユキやこんこん」といった高位スペシャル技以外は比較的コスパに優れ、特に消費FP2で扱えてエフェクトも短い全体攻撃「でんげきビリリ」による低コスト雑魚殲滅力は唯一無二である(他のキャラで同等以上の威力の全体攻撃をするために必要なFPは、最低でも10。でんげきビリリは威力は低いが小粒な雑魚をまとめて蹴散らすには十分な火力)。 ---先述の通り、本作の難易度はかなり低めに設定されているため、バランスブレイカー級の性能を持つピーチといえど「絶対不動のエースキャラ」というわけではない。雑魚戦での群を抜いた殲滅力を有するマロを状況に応じて優先する選択肢も十分にあり得るため、ある種絶妙なバランスが取れているとも言える。 ---また、「なにかんがえてるの」で表示されるテキストも全敵に個別に設定されているなどやり込み要素にも一役買っている。 //はじめに性能差をわかりやすく並べた上で後でフォローを入れる形に変更 -上記以外では、クッパも「専用装備品の攻撃力・防御力が貧弱すぎる」という弱点を抱えている。 --クッパ最強武器の「ドリルクロー」の攻撃力は、なんとピーチ最弱武器「ビンタグローブ」と同じ40。&br()最強防具の「ヒールシェル」の防御力・魔法防御力も、他のキャラクターの最強防具の半分程度の数値しかない。 ---クッパは攻撃力と防御力の初期値が高く設定されており、装備品の強度を落とすことで他の仲間と釣り合うように調整されていることが窺える。~ 加入直後こそ大きい存在感を誇るが、仲間が上位の装備へ更新していく毎にクッパの独自の強みは薄れていく。 ---このためか、少し防御力こそ劣るがドゥカティ(中盤の町)で早い段階から買える「ばっちいパンツ」のほうが攻撃+10、魔法攻撃+10、素早さ+5のバフがつく分むしろメリットが高く、加入直後からラストまでクッパの一張羅にされることも珍しくない。 #endregion -一部の敵のAIに不具合がある。 --例として登場するボスの中には「別の敵を増援で呼び出す」パターンが設定されているものがいるが、&bold(){呼び出した敵がプレイヤーの攻撃以外で倒れると}フラグが正しく設定されず以後、何もしなくなってしまう。 ---増援が「自爆」するボスの場合は自爆させればあっけなく戦闘が消化試合になる。また、増援が「ザコ敵」の場合、特定のアイテムで撃破ではなく「消去」すると以降「モンスターは ちょうはつしている」の表示しか出なくなる。 ---厳密にはAIの不具合とは別だが、とある再戦ボスは増援が2体いないと隠れるAI設定があるが、なぜか&bold(){増援の敵キャラがいないのに隠れる}ことがあり、攻撃対象がいない状態でこちらが攻撃しようとすると対象が「なし」と表示され、実際に殴るとフリーズしてしまう。 ''やりこみ要素'' -隠しアイテムや隠し要素が非常に多い反面、ヒントが無いなど若干分り辛い部分もある。 --''初回一回限りのイベントを利用しないと手が届かない''理不尽な発見難度の隠し宝箱が最序盤に登場する。ゲームを進めると「隠し宝箱の存在を音で知らせてくれるアクセサリ」が手に入るがその頃には当然回収不可能であり、この宝箱の回収には事実上周回プレイが前提となってしまっている。 ---しかもそのアクセサリは「隠し宝箱のあるマップに入った瞬間に音で通知」する程度であり、具体的な位置はわからず、当然その宝箱がもう回収不可能であることも教えてくれない。~ 結果、入手不可であるという情報を仕入れていないプレイヤーは、決して見つからない隠し宝箱を求めて延々部屋の中をジャンプするハメになる。 --シナリオ中一度きりしか機会の無いミニゲームの成功パターンでのみ入手可能なアクセサリーといった、展開次第で入手不可となる限定品も存在し、マリオシリーズに惹かれて始めたRPGに不慣れなプレイヤーに対してはやや不親切。 //---特にひどいのが終盤のクッパ城。このステージの中盤に6つ中4つクリアすれば次に進める特殊なルート分岐となる場所があるのだが、よりにもよってここのそれぞれのクリア報酬の中に仲間3人の最強装備(さらに強い隠し装備があるキャラも含めれば4人)が含まれており、気づかずにスルーしてしまう可能性が高い。 //クリア後でも再訪すれば入手可能なためCO。 --当時のスクウェア作品にはありがちな話ではあるが、細かい隠し仕様も多く、すべての要素を知るには攻略本が必須と言い切ってしまってもいいだろう。 -回数系のノルマが全体的に多すぎる。 --特定の限定アイテム入手のために、膨大な回数の反復作業を要求するものが複数存在する。前述のスーパージャンプ100回が最も難しいのは確かだが、他も…。 --「メリー・マリー村」のホテルで、スイートルームの宿泊回数によって記念品が贈呈されるサービスがあるが、1~15回の間にフラワーカプセルやカエルコインが貰えるため、1泊200コインという高額を加味しても3回ほど泊まる価値はある。だが、最終的に200回の宿泊でカエルコイン20枚贈呈という値段不相応な記念品が用意されている。''合計40000コイン''という殆どの稼ぎを意図的にスイートに注ぐような意図的なプレイをしなければ達成できないが、出来ても証拠は一切残らないので、達成するのは完全な自己満足要素となっているのが救いか。 --ゲーム中盤~終盤にとある場所で遊べる、ミニゲーム景品の限定アイテムをもらうためには「お手玉ゲーム」を12点分((表示こそされないが、正解で+1点、誤答で-1点で内部処理される))勝ち越し。これはまだ少ないが、別の場所では「あっち向いてホイ」(右か左の二択・完全ランダム)に累計100回勝つ、という条件が立ちはだかる。 ---スーパージャンプと違って連続ではなく累計なので、地道にやっていれば必ず達成できるのだが…画面を注視すれば正解を判別できるお手玉ゲームと異なり、完全運任せで右か左かを選ぶだけという内容があまりに地味で単純過ぎるため、極めて退屈かつ強い作業感に襲われる。こんなミニゲームを最低100回(負けた時はカウントされないことを考えるとそれ以上)もやらせる気が知れず、もはや拷問である((しかも、1回ずつ景品はあるのだが、「しなびた」「カビはえ」「くさった」と名の付く、捨てるしか使い道の無いカスキノコが大半。一応「こんぺいとう」と「レッドヨッシーエキス」が極めて稀に貰えるものの、100回やって1個出るかどうかという超低確率。普通の「キノコ」ですら、100回で10個も出ない始末。その上、毎回もらったカスキノコを捨てる(100回やっていれば、必ず途中でアイテムいっぱいになり、捨てなければならなくなる)手間がかかり、非常にわずらわしい。))。せめて半分の50回ならよかったのだが…。 --そのほかには、「特定条件を経て変化・成長する戦闘用アイテム」の成長工程に「バトル中に特定のキャラがこのアイテムを10回使用」という手順が含まれる。これはまだかわいいほうで、~ そのアイテムは更にもう一段成長する余地があるのだが、その手順が「アイテム効果を敵に累計48回命中させる」という膨大なノルマを要求する。なぜ、どれもこれも回数ノルマが多いのか…。 ---- **総評 任天堂の看板作品であるマリオシリーズ初のRPG、そしてRPG作品で著名なスクウェアとのタッグによる制作という事で発売前から大きな注目を浴びていた本作。~ マリオシリーズの特色や個性と、スクウェアならではのRPG作品におけるノウハウやテイストを上手く融合した出来栄えに仕上がっており、結果として後のマリオシリーズ本編における世界観やキャラクターの作風や、後のマリオRPGシリーズの礎ともなった。~ アクションゲームである原作を活かしたシステムはもちろん、王道RPGの構図に収まらない意表を突いたシナリオ展開の評価も高く、いつもとちょっぴり変わったマリオの冒険というテイストは本作独自とも言える。 後のマリオRPGシリーズの原点とも言える本作をプレイしていなかった方は、ぜひとも触れてみて欲しい。~ CMでも歌われているように、&bold(){「RPGやったことない人もOK、やり尽くした人も満足させる」}マリオ作品である。 ---- **余談 //内容が雑多なのである程度分類。 ''ゲーム内の小ネタ'' -どうやら、ルイージを「公式で影が薄い存在」とネタにする傾向はこの頃から既に存在していた模様。 --本編で一切出番は無く、スタッフクレジットのカーニバルにてここぞとばかりに指揮者としてトップバッターを飾る。まぁ要するに''画面には数秒しか映らず、速攻でフェードアウトする''。ちなみに以降のペーパーマリオシリーズのエンディングでもほぼ同じ役回りで登場する。 --一応、本編中に登場人物達の願い事が集まる場所が登場し、そこで願い主の名は明かされないものの明らかにルイージの物だとわかる願い事も発見できる。その願い事の内容が''「兄さんの役に立ちたい」''という、本作での彼の扱いを考えるとちょっと切ないものなのだが。 --他にもマロの「なにかんがえてるの」で彼の存在を気にかけてる敵が居たり、クイズの選択肢に名前が登場したりもする。さらには終盤でマリオが銅像に変装した際、付けられた作品名が''「弟をたずねて四千里」''だったり。 ---と、本作をROM単体でしか所持していなかった人は、ここまでしか分からないだろう。実はこれらのイジり、まだまだ序の口なのである。 --本作におけるルイージイジりの真骨頂は''取扱説明書''。何故か本作の取説内では、ここぞとばかりに意味も無く彼が進行役を務めているのだ。 ---''絵がどう見てもスーパーマリオワールドの取説の使いまわし''な辺り、ネタ方面への徹底っぷりがうかがえる。 ---「やあ元気かい! どうやらまた、マリオが冒険の旅に出るらしいんだ。''ボクは出ないけど、''カゲで応援してるからね!」という発言が哀愁を漂わせる。さらにその説明書でも出番は前半部分のみ。後半は登場すら無くなっている。&br;この説明書は2017年10月5日より「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の発売に合わせてサイト上で公開されている([[参照>https://www.nintendo.co.jp/clvs/manuals/ja/index.html]]) -マリオのスペシャル技「スーパージャンプ」について --開発当初は最大255回連続でジャンプ可能になっていたが、その仕様では殆どのボスをこの技だけで圧倒してしまう為、バランス調整で最大100回になったという経緯を持つ。この上限について言及するNPCもいる。 --また、同様の目押しコマンドの「ウルトラジャンプ」も最大100回まで攻撃可能。 --なお、類似した性質の「キラキラおとし」は最大16回までである。 -マリオのスペシャル技「ジャンプ」の成長要素 --LV1から習得済の消費FP3のマリオの基本技「ジャンプ」。先述のスーパージャンプやウルトラジャンプに威力面では見劣りするように見えるが、密かにこの技だけ''使い込むほどに威力が成長する''という隠し熟練度システムが備わっている。 --具体的には、「2回使うごとに"まほうのつよさ"が1ずつ上昇」していく。ゲーム開始時のつよさは25と低いが、最大で250回使用でのつよさ150まで上昇し、破格の性能へと変貌するポテンシャルを秘める。 --前述の「ジャンパースカーフ」の【きゅうきょくのジャンプとは「ジャンプ」なり】という説明文が、この仕様をそれとなく仄めかすヒントとなっている。 //-スターの宝箱を叩く瞬間にメニューを開いてキャラクターを入れ替えてフィールドで敵を倒してレベルアップすると、レベルアップ時のステータスアップや習得技に入れ替え前にいた位置のキャラクターのものが適用されてしまい、本来覚えられない技を覚えられるというバグがある。([[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=4Ye9Lrwzv9w]]) //--例えばマロはLv10で「かみなりドッカン」を習得するようになっているが、ジーノがLv9の状態でスターを取る前にマロをパーティ2番目に配置し、スターを取った瞬間にジーノを2番目に入れ替えてスターで敵を倒しジーノをレベルアップさせると、スター終了時に本来ジーノのレベルアップ画面でマロの姿が登場し''ジーノが「かみなりドッカン」を習得できる''。 //--入れ替えを利用するため、1番目から動かせないマリオが仲間の技を覚えたり、逆に仲間がマリオの技を覚えることはできない。また、初期習得技(ピーチの「みんなげんきになあれ」等)や、入れ替え後キャラクターの初期Lvを下回るLvで覚える技(マロがLv6で習得の「なにかんがえてるの」等)も覚えさせられない。 //--ステータスアップも入れ替え前のキャラクターのテーブルが適用されるため、場合によっては正規のステータスよりも高い成長値を適用させることもできる。 -特定の手順を踏むと、ほかのパーティメンバーの技をレベルアップで習得できてしまう(ジーノがマロ専用の「かみなりドッカン」を習得するなど)というバグ技が存在する。([[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=4Ye9Lrwzv9w]]) //攻略サイトではないので、具体的に書く必要はない ''任天堂とスクウェアの関係'' -スクウェア側は実際に開発に取り掛かる前、「マントを着て剣を持ち、馬に乗ったマリオ」を本作のイメージイラストとして提示していた。 --「スクウェアがマリオに剣や斧などの武器や盾を持たせようとした結果、宮本茂が激怒した」との噂が流れたが、別に激怒したというほどでもなく、実際にはそのイラストに対して「マリオが武器を持つならハンマー」と進言した程度のやり取りである。([[外部リンク>https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ag5j/vol1/index.html]]) -この作品で二大ビッグメーカーとして夢の競演を果たしたスクウェアと任天堂であったが、本作発売の頃から両社の関係が険悪になり始めた。 --本作を皮切りに両社の間にちょっと冷めた空気が流れ始めたといわれているが(マリオのイメージのちょっとしたやり取りが誇張され穏やかならぬ噂になったのも、この軋轢が影響している可能性もある)、その直接のきっかけは本作ではなく、発売後間も無くスクウェアが『[[ファイナルファンタジーVII]]』をPSで発売することを発表し、移籍の際に''N64をこき下ろしたこと''であった((日本国内ではN64が不振だったことも影響していると思われる。余談だが、スクウェアと合併する前のエニックスはN64用ソフトを2本発売していた。))。 //企業関連事項として6行以下に整理する事が求められています。相談は良作専用意見箱スレまで。 //https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1491648404/l50 //-この作品で二大ビッグメーカーとして夢の競演を果たした2社であったが、本作を皮切りに両社の間にちょっと冷めた空気が流れ始めたといわれている(上述のちょっとしたやり取りが誇張され穏やかならぬ噂になったのも、この軋轢が影響している可能性もある)。 //#region(スクウェアと任天堂) //-本作でのロイヤリティー問題、任天堂とスクウェアのゲームの考えの対立、なども原因と噂されたが、実際に大きな要因となったのは、やはり本作販売後間も無く『[[ファイナルファンタジーVII]]』をPSで発売することを発表したため。 //--それ自体については任天堂は「''機種の選択なら仕方ない''」と言っており、そこまで反感は持たなかった((実際、『ドラゴンクエストVII』をPSに移籍させたエニックスは、その後も任天堂と友好な関係を保ち続けている))。ところが移籍の際にスクウェアが''N64をこき下ろしたこと''が原因で関係が一気に悪化。 //---結果、スクウェアが任天堂ハードでソフトを出すのはGBAの『[[チョコボランド>ダイスDEチョコボ]]』まで6年以上、新作ではGCの『[[ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]]』まで8年間を要する事になった。 //-この間の両社の関係を示す逸話は数多い。 //--当時の任天堂の社長山内溥氏が激怒し、「スクウェア関係者にはうち(任天堂本社)の敷居をまたがせない」の厳命を発動、それが徹底されていたという。 //--スクウェア出資のデジキューブは任天堂系列の製品を下ろして貰えず、結果としてデジキューブでは一切任天堂関係のソフトを取り扱えなくなってしまった。株主総会の際、事業が不調だったことに不満を持った株主に「任天堂に土下座してでも取り扱いできるよう頼め」と言われた際も、「''土下座で済むならいくらでも土下座する(≒もはや、土下座で済むような問題ではなくなった)''」と返したほどである。 //---最終的にはスクウェア側が任天堂に歩み寄る形に落ち着いたが、その頃既にスクウェアは合併によってスクウェア・エニックスとなり、両社の社長も和田氏と岩田氏に変わっていたため、「スクウェアソフト」と任天堂の関係が解消する事は無かったと言える。 //--2002年に任天堂の代表が山内溥氏から岩田氏に変わったことでスクエアの態度が急速に軟化し、同年に『[[チョコボランド>ダイスDEチョコボ]]』がGBAソフトとして発売され、およそ6年間の確執が終結した。またその2年後にGCソフトとして看板ソフトであるファイナルファンタジーシリーズの『[[ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]]』が発表された。 //---その後、任天堂とスクウェア・エニックスとのタッグで『マリオバスケ3on3』が発売され、マリオとFFキャラの競演が実現した。そしてさらに先、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』で、他ならぬFFVIIの主人公がついにDLCとしてゲスト参戦することになる。 //-この事件と密接な関係があるソフト会社としてアルファドリームがある。マリオRPGに関わったスタッフが中心となってスクウェアから独立したソフト会社である。 //-社名は「ファイナルファンタジー(最後の幻想)」から連想して「アルファドリーム(始まりの夢)」と付けられたとのこと。同社の取締役開発部長の藤岡千尋氏はマリオRPGのディレクターでもあった。 //--2001年に創立され、和解する2002年までこの会社が任天堂とスクウェアの橋渡し役として機能していた。一作目の『[[マリオストーリー]]』ではこの会社に所属していないスクウェアスタッフも開発に携わっている。 //--もしこの会社がなかったら、マリオシリーズのRPGの発展はおろか社長交代からのスピード和解すらなく、未だに確執が続いていたかもしれない。 //#endregion -本作と同じくスクエニと任天堂のコラボ作品である『[[いただきストリートDS]]』では、本作のキノコ城BGM「Hello, Happy Kingdom」がピーチ城のBGMとして再登場している。 -実は最初に任天堂とスクウェアが共同開発した作品は本作ではなく、1987年発売のFCDSソフト『[[アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール]]』だったりする。 ''その後の展開'' -任天堂は本作以降、クッパやピーチ姫のキャラクターを意図的・積極的に色付けしていくようになった。 -本作以降、RPGジャンルのマリオが多数生まれシリーズ化していくが、原点である本作により近い形となる続編・直系シリーズ作はない。 --当初は本作の続編『スーパーマリオRPG2』が発売予定だったが、最終的に『[[マリオストーリー]]』へとタイトルが変更され、ペラペラなマリオを主題にした新たな作風に転換した([[参考:当時の開発中告知>https://web.archive.org/web/20190508035453/https://www.nintendo.co.jp/event/spacew99/sokuho/28/soft/mariorpg/index.html]])。なお名残として本作のオマージュも見受けられる。こちらは海外版タイトルが『Paper Mario』であることもあり、後に「ペーパーマリオシリーズ」として独自の路線を進んでいる。 ---とはいえ「アクションコマンド」や「アクションで探索、戦闘はターン制RPG」という要素が、以後のマリオシリーズのRPG系作品全てに引き継がれている事を考えると、本作はRPG系列のマリオ作品全ての原点であり、ペーパーマリオシリーズと下記『マリオ&ルイージRPG』シリーズがその直系続編であるとも言える。 -本作のパーティメンバーである「ジーノ」は、後の『[[マリオ&ルイージRPG]]』に(ちょい役だが)ゲスト出演している((オリジナルキャラの版権はスクウェア側にあるため、スタッフロールではスクウェア・エニックスの版権も記載されている))。マリルイシリーズは本作を手がけたスタッフが在籍していたアルファドリーム制作であり、音楽も下村陽子が引き続き担当している。 --『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』では、スクエニ出身のクラウドが参戦すると同時にMiiコスチュームとして「ジーノのぼうし+ジーノのふく」が配信され、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』においても、セフィロスと同時に同じくMiiコスチュームとして配信された。 --残念ながら2017年に3DSで発売されたリメイク版『[[マリオ&ルイージRPG1 DX>マリオ&ルイージRPG#id_8d98141f]]』では版権の事情か、ジーノの出番が削除されている。 --当時スクウェアに所属し、本作の開発に参加していたスタッフの一部が後に独立。ラブデリック社を設立して『[[moon]]』を発売している。その縁で『moon』にはジーノのセルフパロディキャラクター「ノージ」が出演している。 -2023年6月21日のニンテンドーダイレクトにて、Nintendo Switch用ソフトとして本作のリメイク版が発表。2023年11月17日に発売された。詳細は下記にて。 ''その他'' -「ばくれつカブトムシ」は、ファンによって非公式の携帯アプリやブラウザゲームが製作されている。 -本作のBGMの「森のキノコにご用心」には海外のファンによって歌詞(勿論非公式)が付けられ、実際に歌唱されている。 --それだけなら特筆すべき情報ではないのだが、ある人物によってこの歌唱に映画『メトロポリス』の1シーンの映像を組み合わせたFlash動画が製作され、その異様な中毒性から一時期密かなブームとなっていたのである。 ---作曲者もファン経由でこの動画の存在を知っているようだが「[[ノーコメントとさせて下さい…>http://blog.livedoor.jp/midiplex/archives/20173742.html]]」との事。そりゃそうだ。 ---このFlashの歌詞の空耳から「VIP先生」と呼ばれる事もあるのだとか。 -コロコロコミックで連載されている漫画『スーパーマリオくん』では1996年に『スーパーマリオRPG』編が開始されたが、実質打ち切りのような終わり方で短期終了となってしまい、早々に『[[スーパーマリオ64]]』編へバトンタッチしてしまった。任天堂とスクウェアの確執が原因とする声もあるが、真相は明かされていない。 --同時期には小学三年生・小学四年生にも連載が行われたが、後者は連載3回目で突然最終回となり、同誌における『マリオくん』自体の連載も終了してしまった。 ---なお三年生版は5回にわたって連載され、ラスボスとの決着もきちんと描かれている。 --単行本14巻の次巻予告では、「新たな冒険の予感!?」の文字と共にマロが描かれており、次巻からこの『スーパーマリオRPG』のお話が収録される予定だったと思われる。しかし、何らかの事情で単行本15巻では該当話を丸々スキップする形で『スーパーマリオ64』のお話が開始されている。 ---マロが描かれていた箇所は増版時に「はねマリオ」に差し替えられている。 --その後も本シリーズは単行本収録されず、少し後の単行本内でも諸事情で収録できない旨が書かれており、長らく幻の作品となっていた。 --しかし掲載から19年後、『スーパーマリオくん』の連載25周年・50巻記念として、50巻から51巻にかけて収録された。 -『[[マリオのスーパーピクロス]]』以降の任天堂作品同様本作も「スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券」が同梱されている。~ CMでは甲高い声で合唱するパックンフラワーが、その声でコレについても触れるので、このクーポン券は本作のイメージが一番強いものになった((現在でもネット上でこれに纏わる記事のイラストはCMの「歌うパックンフラワー」が多く使われている。))。 --これは前々年末発売された次世代32bit機プレイステーション、セガサターンの普及が急速に進み、任天堂の次世代機64発売(1996年6月)までの間、少しでもスーパーファミコンのシェアを延命するための苦肉の策((この戦略に関わるものとして他に1995年4月、TVCMで「宇宙からゲームが降ってくる」とアピールした『サテラビュー』もあったが、これは当時殆ど普及していなかった。衛星放送環境が必須なことから存在は知られていたがプレイヤーレベルの年齢層で購入意欲はあっても入手できなかったという例も多い。))だったが、この時点でスーパーファミコン自体が充分普及していたことと、そもそもそのソフトを買う時点でスーパーファミコンを持っていないという層など限りなくゼロに近いため、2つ目の本体など不要も同然なので実質意味のないものだった。 ---また有効期限を過ぎた1996年6月には、それを更に上回る値下げが行われたため、名実ともに意味のないものになった。 --また「合唱するパックンフラワー」は2023年に発売された『[[スーパーマリオブラザーズ ワンダー]]』に登場した。本作と直接かかわりがあるわけではないが、このCMを思い出したSFC版プレイヤーは多いだろう。 ---- *スーパーマリオRPG (Switch) 【すーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0C8YDV6Y8)| |対応機種|Nintendo Switch|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()アルテピアッツァ|~| |発売日|2023年11月17日|~| |定価|5,980円(税別)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|&bold(){多くのファンが待ち望んだ正統派リメイク}&br()「3人わざ」などの追加で更に遊びやすくなった&br()クリア後のやりこみ要素が少々物足りない|~| ---- **概要(Switch) シリーズ初のRPGとして高い評価を得たSFC版『スーパーマリオRPG』の27年越しのリメイク作品。~ Switch版『[[ゼルダの伝説 夢をみる島>ゼルダの伝説 夢をみる島 (Switch)]]』などと同様、2019年以降に散見される忠実なリメイクとなり、基本的なシナリオやグラフィックはSFC版を踏襲しつつ、Switchに合わせた仕様の改善や、快適に遊べるような追加要素を多数盛り込んでいる。 共同開発のアルテピアッツァは[[ドラゴンクエストシリーズ]]の移植などを数多く手掛けている会社である。 //リメイク元の表記が「SFC版」と「原作」で混在していたので「SFC版」に統一しました。追記する場合は注意してください。 ---- **SFC版からの追加・変更点(Switch) -新規難易度「エンジョイモード」 --いわゆるイージーモードに相当し、敵のHP減少、獲得経験値増加、一度に持てるアイテム総数の増加といった支援効果を受けられる。 --従来通りのノーマルモードもあり、設定からいつでも変更できる。なお、逆に難易度が上がるモードは追加されていない。 -アイテムに関する仕様変更 --SFC版ではアイテムを29枠しか持てず、30個目のアイテムを拾った際は手持ちのアイテムをどれかひとつ破棄しなければならなかったが、~ Switch版では同種のアイテムは一纏めに束ねるようになったうえ、全ての消費アイテムを所持制限まで同時に抱えて冒険することが可能になり、大量の物資を気兼ねなく持ち歩けるようになった。 --それでも所持制限を超えたアイテムも破棄されることなく、マリオの家に追加された「預かりボックス」へ自動的に送られる((預かりボックス内にも1アイテムごとに制限があり、それを超えたアイテムは破棄される。))。 ---ただし消費アイテムの所持制限数は、アイテムそれぞれで異なる値が設定されており、ノーマルモードでは強力なアイテムほど制限が厳しい傾向にある。 ---例えば、完全蘇生アイテム「ふっかつドリンク」はノーマルモードでは所持制限6個、「ケロケロドリンク」は制限3個と、大きく制限をかけられた形になっている。 --一品物の装備品やFPを増やすアイテム全般が売却不可になった。 ---SFC版では通常のアイテム欄に入っていた一部イベント用アイテムも「だいじなもの」の欄に移動している。 --SFC版では終盤入手のため微妙に活かしにくかった「おしらせリング」が序盤入手に変更され、本来SFC版で手に入るはずだった場所では更に上位互換の装備が入手できるようになった。 --ノーマルモードの場合、SFC版で非常に強力だった「セーフティーリング」「ひまんパタこうら」「スーパージャンパー」の一部性能が弱体化(属性攻撃完全無効→ダメージ7割軽減)されている。エンジョイモードでは原作通り無効化性能のまま。 -移動時の回復行動の時短化 --非戦闘時にHPやFPを回復したい場合、SFC版ではまずメニュー画面を開いてからアイテム欄やスペシャルわざ欄を開くひと手間を要していたところ、~ Switch版の場合、Xボタンひとつで消費アイテム選択欄が、Yボタンで回復スペシャルわざ選択欄が即座に開き、回復行動が時短化された。 -戦闘中のメンバー入れ替え --仲間が4人以上いる場合、戦闘中にマリオ以外のパーティメンバーを控えのキャラクターと交代できるようになった。マリオ以外が状態異常による行動不能や戦闘不能になった場合も即座に控えと入れ替えることが可能。 ---ふっかつドリンクやピーチの「おねがいカムバック」は控えにいる戦闘不能のキャラには使えないので、戦闘不能状態の控えを前線に出せるようにもなっている。 --交代したキャラクターはその時点で行動ができる。 -3人わざ --パーティの3人で力を合わせ、強力な攻撃や補助効果のあるわざを使える。使用するには画面左下にある「アクションゲージ」を100%まで貯める必要があり、アクションコマンドを成功させることで徐々に溜まっていく。 --わざの効果や演出はマリオ以外のメンバー構成によって全く別のものに変化する(全6種類)。発動中のムービーは少々長いが、スキップ可能。 --初めて仲間が3人揃うユミンパ戦にて解禁される。SFC版からあるシステムを上手く活用した解禁となっており、違和感なく導入されている。 --仲間が3人揃うまでや誰かが行動不能になっている時は、ランダムで何らかの効果をもたらす「おたすけキノピオ」が代わりに使用可能。 -チェイン --攻撃・防御共にアクションコマンドを連続で成功させ続けると、画面左の「チェイン」カウントが増加していき、表に出ている仲間キャラの「なかまボーナス」に設定されたステータス上昇ボーナスが仲間全員に発生する。 --このボーナスは5チェイン以上で上昇量が最大になり、バトル終了を挟んでも現状のチェイン数は維持される。しかし、アクションコマンドを一度でも失敗してしまうとチェインは途切れ、またゼロからのカウントとなる。 ---「なかまボーナス」は仲間一人一人に異なる効能が設定されている。例えばマロは「魔法攻撃アップ」のボーナスを備えており、チェイン時にマロを表に出すだけで味方全員のスペシャルわざ威力が強化される。 --なお、固定となるマリオは「ゲージ増加量アップ」のボーナスを備えており、アクションコマンドを成功させるほどゲージが貯まりやすくなる。 -通常攻撃の強化 --通常攻撃のアクションコマンドを完璧なタイミングで成功させた時、対象以外の敵全員にも少量のダメージを与えられるようになった。 --また、ジャストガードの際もシールドのエフェクトが新たに追加されている。 -強化再戦ボス --ストーリークリア後に更に手強くなった一部のボスたちとの再戦が可能。いずれのボスもラスボスを凌駕する戦闘力を誇る高難度コンテンツとなっている。 --倒すとSwitch版オリジナルの追加装備品等が入手できる。 -「ちず」に新機能追加 --ワールドマップの全景と現在地を表示するだけの機能しかなかった「ちず」に、Switch版では新たにファストトラベル機能が追加された。 --ワールドマップを介さず町から町へ即座に移動できるのは勿論、この機能は''ダンジョンの中から町へ直接帰還する''緊急脱出手段にも使える。 --更に一部ダンジョンには、複数のアクセスポイントが設けられている場合がある。 ---例えば「ちず」で「ちんぼつ船」を選ぶと、最奥を一度でも訪れていれば「ちんぼつ船 入口」の他に「かいぞくのアジト」の選択肢が追加され、即座に最奥部に飛ぶことが可能。 -モンスターリスト --倒したことのあるモンスターの情報が記録されていく図鑑。HPや取得経験値、弱点等の情報はもちろんのこと、メタ発言やパロディなど良くも悪くもネタ要素全開の書き下ろしの解説文や「なにかんがえてるの」の内容も見返すことができる。 ---ただし「なにかんがえてるの」の内容はただバトルで倒すだけでは記載されず、実際にバトル中に心を覗く必要がある。 --ボス敵などの調査を忘れた場合は、イガ谷の谷間に隠れている謎の人物にカエルコインを払えば未登録の敵の中からランダムでリストへ記載してくれる。冒頭のクッパなど、マロ加入以前にしか戦えない敵は無料で記載してくれる。 --ブッキーやドドなど「状況によっては戦うことになる敵」は、戦わなかった場合でもイベントが終わると自動的に記録される。よって一度のプレイで記録漏れが発生することはない。 -きょうてき --エンカウントする敵のうち1体がたまに強化個体の「きょうてき」に変化することがある。~ 通常個体から各ステータスが大きく強化され危険度が高いうえに、モンスター選択時に「きょうてき」と表示される以外に外見の変化も無い。 --倒せば確定でカエルコインが手に入るほか、獲得経験値やコインも通常個体より多くなっている。 -たびのアルバム --いわゆるあらすじ機能。ストーリー中の一部シーンが日記のように書き綴られている。 --ゲストキャラであるリンクやサムスとの遭遇など、ストーリーとは関係のないミニイベントの一部も記録される。 --期間限定のシーンは存在しないが、コンプリートしても特に報酬などはない。 -プレイきろく --全体の記録、バトルの記録、ミニゲームの記録、カジノの記録が確認可能。クリア後に解禁。 -BGM関連 --BGMがハードの音源に合わせてアレンジされた。 ---概ね『[[マリオ&ルイージRPG DX>マリオ&ルイージRPG#id_8d98141f]]』および『[[同3DX>マリオ&ルイージRPG3!!!#id_b0ad4b4f]]』に近い路線で、忠実なアレンジといった方向性となっている。勿論作曲を担当したのはSFC版同様、下村陽子氏である。 --''SFC版のBGMも全収録''されており、設定でSwitch版とSFC版のBGMをいつでも切り替えて冒険することが可能。ただしムービーに関しては演出上Switch版のBGMで固定となることに注意。 -サウンドプレイヤー --ゲーム内で流れたBGMをじっくり堪能できる。クリア後に解禁。 --もちろんSFC版のBGMもすべて聴くことができる。切り替えは簡単なので、Swtich版との聴き比べをするのも一興。 -オートセーブ搭載 --プレイ中に時々プレイ内容が自動でセーブされるようになった。 --セーブブロック自体は残されており、オートセーブデータは通常のセーブデータとは別枠で保存される。 --なお、SFC版ではセーブデータの枠が4つ設けられていたが、Switch版ではそのうち一つがオートセーブデータ専用の枠として割り当てられている。 -カジノのミニゲーム変更 --SFC版の「ブラックジャック」から、指定されたキャラクターのカードを当て、景品としてアイテムが貰える「リメンバーゲーム」に変更された。 --SFC版のブラックジャックにおけるカエルコインを賭けるという行為が、海外のレーティングに引っかかってしまうための変更だと思われる。 -一部の表現変更 --テキストは概ねSFC版に忠実で当時の小ネタもしっかり入れられているが、一部のセリフ・演出が変更されている。 #region(変更内容の詳細) -「なにかんがえてるの」の一部のテキストが変更。ビッグボムの「火、付いてます((恐らく放火を連想させるのでNGになったと思われる。))」→「ばくはつします」、ズドンの「のむ、うつ、かう((「酒、博打、女遊び」を意味する。))」→「だまって うつ」に変わっている。 --マメクリボーのものも一部分が削除。SFC版のファンから良くも悪くも話題にされていたテキストであり、変更されることも予測はされていたが、オリジナルを極力残した点に驚く声も見られた。 -スペシャル技発動時にトランプのスート+星マークが浮かぶ演出が全て省略された。各キャラクターとスート(いわゆるマークのこと)の関連性が薄いためと思われる。 -敵専用技である炎魔法「コロナ」が「フレア」に名称変更。演出もサーチライトに近いものから太陽熱の拡散のような演出になっている。 --「コロナ」という単語は2020年から数年にかけてパンデミックを起こしたウイルスの名前でもある。発売日ごろには大分収束に向かっていたが、開発時期は先行きが不透明だったための変更と見られる。 ---当時は無関係なコロナビールが風評被害にあったり、あるカードゲームで[[ゴジラ>ゴジラシリーズ]]が使った「コロナビーム」の名称がわざわざ変更されるなど、やや面倒な背景があった。 ---名称変更に伴って演出も変更されたため、収束したからといって気軽に戻せない事情もあったと見られる。 --コロナとフレアはどちらも太陽に関連する用語なので、よりモチーフに基づいた演出に変更されたと言えるのだが、フレアはともかく(太陽に関する)コロナはそれほどメジャーな言葉ではない為、この演出変更には時折りSFC版のファンから疑問の声が挙がることもある。 --一方で元々この技は[[あるゲーム>ファイナルファンタジーシリーズ]]を意識したとある戦闘で敵が使ってくる技でもあったため、「こちらの方が元ネタらしくなった」と好意的に見る向きもある(元ネタでは多くの作品で強力な技として使用されている)。 -クッパとヨッシーのボイスが現行と同じ声優のものに変更された。彼ら以外のキャラクターのボイス追加は一切ない。 -バトル勝利時の各キャラクターのモーションがジーノ以外変更された。 --マリオは帽子を取るポーズ、マロは笑顔でバンザイ、クッパは歌舞伎のようなポーズ、ピーチはガッツポーズへと変更された。 --[[宮本氏による「ピースサインは子供っぽいイメージが残る」とのコメント>https://www.1101.com/nintendo/nin8/nin8_4.htm]]や、SFC日本版のクッパのポーズが海外では侮辱として扱われる地区もある(海外版では変更済み)、などの理由による変更と思われる。変更されたポーズそのものはキャラクターのイメージを損なっていないため、批判意見はほぼ見られない。 --そもそもSFC版は「5人中3人がピースポーズ」という被りっぷりだったので、より個性分けする意味でも有意義な変更といえるだろう。 --一方でスターピースのことを相手に説明する際にもマリオがピースポーズをしていた(「星」の「ピース」というジェスチャー)が、本作ではマリオがジャンプパンチするものになっているため、少々分かりづらくなっている。 -5番目のスターピースの色が青紫からピンクに変更された。おそらく4番目の紫との区別をつけやすくするためと思われる。 #endregion //表現が変わったというだけでまとめて賛否両論点とするのは乱暴なので、記述を移動 -いくつかのバグや意図しない挙動が修正された。 --他のキャラの特殊技を修得するバグ技、スター前にセーブをしてレベル上げをするテクニック、ケンゾール戦をスキップするバグ技等、明らかに意図していないであろうバグ技のいくつかは不可能になった。 --例外的に残されている小ネタも存在する。 ---あるボスに一撃必殺技が効いてしまう仕様は今作も健在。原作ではその意外性から何かとネタにされていたが、今作も同じように戦える。 ---一方、あるボス戦では「難敵にもかかわらず最後に倒した敵のわずかな経験値しか入らない」という明らかなミスがあったのだが(内部データでは異なる経験値が設定されていた)、これも原作のまま残されてしまった。 -その他 --コインの最大所持枚数が999枚から9,999枚に増加した。 --カエルコインの最大所持枚数が99枚から999枚に増加した。 --「なにかんがえてるの」を使用した時、敵の残りHPだけでなく弱点属性や有効な状態異常が一覧で表示されるようになり、実用性が向上している。 --ヨッシーレースのプレイ中、画面右下にボタンを押すタイミングを表示するガイドが追加された。 ---- **評価点(Switch) -オリジナルに忠実なリメイク --セリフやBGM、町のキノピオの配置等、ほぼ全てのストーリー要素がSFC版と同じになっている。当時の小ネタもマニアックな物も含めてしっかり再現されている(さすがにバグはほとんど潰しているが)。 ---「2つ目のスターピース取得後にトイドーに話しかけた時のマリオの反応」「メリー・マリー村の無賃宿泊イベント」など、現在のマリオの作風に合わないゆえに削除が危惧されていたネタもしっかり残されている。 ---前述のとおり変更を免れなかった部分もあるが些末な点のみで、重大な変更点はないと言っていい。 --追加要素や再戦ボスとのやり取りなども、SFC版の雰囲気を崩すようなものはなく、うまく馴染んでいる。 -グラフィックの進化 --キャラや地形もSFC版のスケールを忠実に再現する形で3D化が行われている。 --元々が3Dのプリレンダで描かれたグラフィックだったためか、リファインに伴う違和感も少ない。 --ボスとの初対決時には専用のカメラアングルでの登場演出が入るほか、スターピース入手時や3人わざをはじめとした美麗なムービーも追加されている。 --レベルアップ画面が劇場のステージの上でスポットライトを浴びてポーズ、''横で他の仲間キャラがステップを踏んでくれる''という非常に楽しいモノになった。 ---その演出から「[[新宝島>https://www.youtube.com/watch?v=LIlZCmETvsY]]」「ドリフ大爆笑OP」とも。 -SFC版よりサポートが充実し、初心者でもクリアしやすくなった。 --アクションコマンドに関する仕様が、Switch版ではアクションコマンドのタイミングで「!」マークが出るようになり、コマンドが決めやすくなった。アクションコマンド無効の技は事前にちゃんと「アクションコマンドむこう!」と表示される。 --戦闘中のメンバー入れ替えの追加により、全滅のリスクが減っただけでなく、パーティメンバーの適切な使い分けも可能となった。マロの「なにかんがえてるの」なども使いやすくなり、SFC版よりも各メンバーに愛着が湧きやすくなったという声もある。 --アイテム所持に関する仕様変更も、SFC版では仕様上常にカツカツだったため、嬉しい変更点。 --ファストトラベルも搭載されたことから、移動面での快適性が上昇している。 --SFC版ではいまいちボタンを押すタイミングが掴みづらかったヨッシーレースは、ガイドの追加により遊びやすくなった。 -取り返しのつかない要素の救済措置が用意された。 --特にSFC版で語り草となっていた「取り逃しやすい隠し宝箱」には手厚い救済措置が用意されている。 ---まず、地形がガッツリ変わっている時点で既プレイ勢は変な笑いが出た事だろう(オリジナルではそもそも地形判定があるだけで足場がなかった)。 ---更に無人だった通路に歩行するキノピオが「踏め」とばかりに2人も追加されている。 ---ついでにおしらせリング入手時のチュートリアル画面もこの宝箱が使われている。 --この他にも、SFC版ではミニゲームに失敗すると入手できなかった「ブッキーのおまもり」や「ドドのはね」にも別の入手方法が用意されている。サムスの登場も期間限定ではなくなった。 --新たに用意されたモンスターリストに関しても、前述したサポート体制が充実しているおかげで取り返しのつかない要素はなく、メンバー入れ替えでマロを起用しやすいこともあって比較的容易に埋められる。 -BGMはSFC版より豪華に、その上SFC版のBGMも選択可能という、SFC版ファンにとっては至れり尽くせりの対応。 --戦闘中のBGMは5チェイン以上になると、楽器が増えるなどの形でアレンジが施されるのも特長。マリオシリーズではおなじみの遊び心も健在である。 -クリア後にシナリオ上で戦った一部ボスとの再戦にすべて勝利すると… #region(ネタバレ注意) -再戦ボス全撃破+裏ボスであるクリスタラーを撃破すると、さらに強力になったクリスタラーと対戦可能になる。 --さらにバチガイ感が増した姿、強化前以上に苛烈な攻撃性能、そして強化前はSFC版と同じだったBGMが改めてリメイクBGMに差し替えられるなど様々な面で強化され、多くのSFC版ファンが感涙にむせんだ。 --この強化クリスタラーは何度でも再戦が可能。撃破にかかったターンが記録され、やりこみ要素にもなっている。 #endregion ---- **賛否両論点(Switch) -RPG部分の難易度の低下。 --3人わざや入れ替えが追加されたことで戦術の幅が広がったこと自体は好評だが、いくら初心者を意識していたゲームとはいえ元々RPG部分の難易度が低いのに、そこから更にプレイヤー有利の要素ばかり増えた事でますます難易度が下がったという指摘もある。 ---いちおう難化要素として「きょうてき」が追加されており、ここで戦略性を活かす機会にはなっているのだが、ゲーム全体の難易度に影響するほどではない。 --リメイクにて追加された強化ボスに関しても、他のRPGのエンドコンテンツに見られるようなボスとは異なり、原作やJRPGに慣れている人であれば対策・装備をしっかりすることで倒せる難易度である。これもマリオシリーズとしては当然の事だが。 --エンジョイモードが追加された一方、ハードモードに相当するものは追加されておらず、一部の既プレイ勢やRPGに歯ごたえを求める層から不満が出ている。 -SFC版からして難易度が高めとされていたアクション・パズル部分の難易度は上昇している。 --ワイン川くだりは魚のタイミングが分かりづらい上にルートを間違えれば回避不可能な後ろから来る魚が追加されている。 --パタパ隊の崖上りの「パタパタくんしょう」入手までのクリアタイムがなぜか1秒減らされている(SFC版では12秒以内だったのが11秒以内になった)。 --ちくわブロック渡りや終盤のクッパ城のアクションコースは、SFC版では端っこに少し立っていても大丈夫だったのが、本作では端っこに立つと滑るような仕様になっているため、失敗しやすくなった。 --ブッキー坂の「さかみちきょうそう」および「カブト虫キャッチャー」は、「ブッカーが動き出すタイミングが早くなる」「途中で降ってこなくなるようになっていたタルが最後まで降ってくる」「速度の速い赤タルが追加」と大幅に難易度が上昇している。 -SFC版に慣れていると、一部のアクションコマンドに苦戦する。 --3D化でアニメーションが細かくなった故か、それとも単純にSFC版からタイミングがズレているのか、SFC版の感覚でアクションコマンドを決めようとするとミスしやすいものがちらほらある。 --また、一部コマンドの成否がわかりにくくなった技も存在する。 ---一例として「でんげきビリリ」が挙げられる。SFC版ではコマンド成功時にするどい電撃音が追加されていたが、リメイクでは演出がほんの少し長くなるだけで判別困難。それ以外にも技によっては何故かコマンド成功時のSEが省略されている。 --ただ原作と異なり、タイミングが可視化された点は大きな改善点となっている。 -モンスターリストの解説文は、まじめな解説も一応存在するが、「なにかんがえてるの」に代表されるSFC版の良くも悪くも独特なテイストが引き継がれているものが多い。 --この追加テキストによって若干だが設定が深まったキャラクターもおり、この点は好評。 --一方で「なにかんがえてるの」と同じかそれ以上にはっちゃけた内容の文面も多いため、相変わらず人を選ぶ。モンスターの解説を放棄したメタ発言しかない「カリバー(ひだりめ)」はそれが顕著。 -強化ボス以外の追加のやりこみ要素は、上記のモンスターリストやプレイ記録が記録されるようになったことのみ。 --マリオのRPGシリーズのリメイクである『マリルイ1DX』では「クッパ軍団RPG」、『マリルイ3DX』では「クッパJr.RPG」と目玉要素になり得る追加要素が存在しており、多少の難点もあるもののリメイク版における1つの評価点とされてきた。~ それらに比肩する要素がなかった本作には遊び足りなさやボリューム不足を感じる人もいる。もっともこの辺りは本作に限らず、リメイク元の再現を重視したタイプのレトロゲームのリメイクで散見される点ではある。 ---- **問題点(Switch) -SFC版の一部問題点は据え置き。 --装備品のテキストはSFC版そのままであるため、性能に関する説明が相変わらず不足気味。 --隠しアイテムや隠し要素のヒントの無さや、回数系のノルマの多さはそのままになっている。 ---その中でも「ジャンパースカーフ」や「スーパージャンパー」の入手のための「スーパージャンプ」はヒット数が表示されるようになった((「スーパージャンプ」以外にも「ウルトラジャンプ」や「キラキラおとし」も同様。))ため、わかりやすくはなったが難易度は据え置きの苦行であることに変わりはない。 #region(アップデートで改善した問題点) ''Ver.1.0.1で改善'' -いくつかの進行不能バグを修正。 --特にカントリーロードでパタパ隊が出現せず進行できなくなる問題は、公式から[[謝罪と暫定的な対処法の提示が行われた>https://www.nintendo.co.jp/support/information/2023/1122.html]]。 -「なにかんがえてるの」で表示されるメッセージが一部モンスターで入れ替わっていた。 #endregion ---- **総評(Switch) 実に27年ぶりに蘇ったマリオのRPGシリーズの「原点」。~ 多くのファンの想定や願いのとおりSFC版の雰囲気は極力そのままで細かい不満点が解消され、様々な追加要素も違和感なく溶け込んでいる。~ また「3人わざ」やエンジョイモードなどの追加は遊びやすさの向上にもつながり、RPGに慣れていない人でも手軽にバトルを楽しめるようになっている。~ まさしく&bold(){SFC版をやったことない人もOK、やり尽くした人も満足させる}、万人が楽しめるゲームに仕上がっていると言っていいだろう。 //また、前述の任天堂とスクウェア(現スクウェア・エニックス)との間で生じたトラブルや版権の問題により、今まで実現が厳しいとされていた本作がこうして日の目を浴びることができたのは、&bold(){SFC版を遊んだファンの根強い人気と期待}があったからと言っても過言ではない。 //「ファンの手柄」みたいに語るのは厚かましい ---- **余談(Switch) -SFC版にはパッケージにいたヨッシーが、Switch版ではいなくなっている。ほかのキャラと違いパーティメンバーではないばかりかメインシナリオとは関わりのないチョイ役((彼らのいるヨースター島は、シナリオ上一切訪れる必要がない。))であるためと思われる。 -2024年01月25日に公式ガイドブックが発売された。SFC版の設定資料集も兼ねている。 -作曲を務めた下村陽子氏が、本作の楽曲についての解説やSFC版当時の裏話などを2023年12月に[[X(旧Twitter)で発信している>https://twitter.com/search?q=%23%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AARPG%E3%82%A2%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%AC%20from%3Amidiplex&f=live]]。エンディングや裏ボスなどのネタバレも含まれるので、閲覧には注意。
このページではこの項目では1996年に発売されたオリジナルのSFC版と、2023年に発売されたリメイクのSwitch版を紹介します(判定は共に「良作」)。 ---- #contents ---- *スーパーマリオRPG 【すーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B000068GVO,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3631/1884/mrpg1.jpg,width=200)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3631&file=5e7de03534fb5c1fbb46909e467e1a40.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3631&file=61b6b017891935519ebc1bcbe5d44a7e.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|スクウェア&br()任天堂|~| |発売日|1996年3月9日|~| |定価|7,500円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|4個|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年6月24日/900Wiiポイント&br;【WiiU】2015年8月5日/943円(税10%込)|~| |備考|SFC本体が4,000円安くなるクーポン券付|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|任天堂×スクウェア奇跡のコラボ&br()RPGとマリオシリーズのアクション性を融合させた意欲作&br()マリオシリーズのキャラクター性の原点&br()RPGとしては易しめだが、アクション性は一部シビアな部分も|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| ---- //#contents(fromhere) //---- **概要 『[[マリオシリーズ]]』の任天堂と『[[ファイナルファンタジーシリーズ]]』のスクウェアがタッグを組んで作ったマリオシリーズ初のRPG作品。~ 現在と比較して珍しかった大手メーカー同士のコラボレーションや、パックンフラワーが歌い踊る[[CM>https://www.youtube.com/watch?v=o3opSDO3Sys]]は当時のユーザーに強いインパクトを与えた。 ポップでかわいらしいキャラクターによるアクションゲーム制作を得意とする任天堂と、シリアスで骨太なシナリオのRPGをお家芸とするスクウェア。~ 双方のカラーが存分に発揮されつつも上手く絡み合い、マリオシリーズらしさを保ちつつ独特なテイスト溢れる作品に仕上がっている。 **プロローグ >平和なある日。~ マリオの家に遊びに来ていたピーチ姫を、いつものようにクッパがさらって行きました。~ いつものようにマリオがクッパ城に向かいクッパと対決、いつものようにピーチ姫を助けます。 > >その時、天空から現れた巨大な剣が空を引き裂き、クッパ城へ突き刺さりました。~ その衝撃でマリオたちは散り散りになってしまいます。 > >あの剣は一体?ピーチ姫はどこへ?新たに出現した見た事もない敵は…?~ 真相を突き止めるべく、今までにないマリオの新しい冒険が始まります。 **ゲームシステム -マリオらしいアクション性を重視した作りになっており、移動中のフィールド内ではBジャンプやYダッシュなどのアクションが可能(とある場面ではおなじみテクニックの一つ「しゃがみ滑り」もできる)。ジャンプして障害物や段差の上に乗ったり等、お馴染みのアクションを従来どおりの感覚で違和感なく出せる。 --またフィールド上のギミックもマリオ由来のものに置き換えられている。 ---例えば本シリーズの宝箱は頭上に浮くハテナブロックであり、下からジャンプして叩いて開ける。~ アイテム、装備、コインの他、本作では体当たりによりエンカウントなしで敵を倒せる(経験値も通常通り加算される)スターといったマリオならではのものもある。 -ジャンルはアクションRPGだが、戦闘はコマンド式のターン制バトル。~ 一方でタイミングを合わせてボタンを押したり連打することによって、攻撃の威力が強くなったり敵からのダメージを防げるという形で、若干のアクション性を持たせている(アクションコマンドと呼ばれる)。武器や技などによってタイミングが異なる為、決して単調な戦闘にはならない。 --敵の中には攻撃のコマンドを成功させない限り、一切ダメージを与えられないものもいる(テレサ等)。また防御時にボタンを押した時でも、タイミングが概ね合っている場合の普通の防御と、完璧にタイミングが合った場合ダメージを完全に0にする「ジャストガード」の2種類がある。一部の敵の即死攻撃は普通のガードだとHPが1まで減少するが、ジャストガードだとこれすらノーダメージで切り抜ける事が可能な為、習熟する意義は非常に大きい。 --このシステムは後続のマリオシリーズのRPG作品はもちろんのこと、のちの任天堂RPG作品の一部、スクウェア系列作品でも『[[FFVIII>ファイナルファンタジーVIII]]』『[[LRFFXIII>ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII]]』や『[[キングダム ハーツ Re:コーデッド]]』などに導入されている。 --消費アイテムを使用した際、一定確率で「当たりが出たのでもう1コ!」というメッセージが挿入され、アイテム消費がチャラになる事がある。 ---種類など制約は無く、消費アイテムであれば全アイテムが対象となる。 --特定の敵を倒すと、トドメを刺したキャラを対象に「HP全快(HP MAX)」「攻撃or防御上昇(ATTACK UP!)(DEFENSE UP!)」といった恩恵をもたらすボーナスフラワーが出現する事があり、戦闘を有利に進めることが出来る。 ---「LUCKY!」のボーナスフラワーを取得すると、戦闘終了後に選択次第でミニゲームが始まり、その結果次第で取得経験値が変化する。 --シンボルエンカウント方式だが、マリオを積極的に追跡してくる敵シンボルはほとんどおらず、ジャンプとダッシュによる高い機動力のお陰で他作品のシンボル方式より戦闘を回避しやすい。 ---一定時間無敵になるアイテム「スター」を取って敵のシンボルに体当たりすると敵シンボルを吹き飛ばし、その度に一定の経験値を得られる。本家のスターの爽快感をシンボルエンカウント式RPGに落とし込んだユニークなシステム。 --レベルアップすると、ボーナスとして任意の能力値を更に上昇させられる。ステータスはHP、物理攻撃/防御、魔法攻撃/防御の3種類から選択できる。 ---攻撃系のパラメータは物理・魔法を問わず一度に2~3上がるケースもある。その気になればレベルアップボーナスを1種類で縛るプレイングも可能だが、''本作のレベルは最大30まで''であり、どの値を上げるかの選択は地味に重要なポイントとなる。 -A・B・X・Yボタンをそれぞれのコマンドに当てはめた、特殊な戦闘コマンド選択方式。 --Aが通常攻撃でBが防御・逃走。Xがアイテムで、Yがスペシャル技(特殊技、いわゆる魔法)となっている。 --変わっているのは、それ以降のアイテムや技選択も同じボタンで行う点。例えばXでアイテムコマンドを選んだ際は、その後どのアイテムを使うかの決定ボタンもXボタンとなり、それ以外のボタンはキャンセルボタンになる。 --近代では『[[エストポリス伝記]]』シリーズや『[[英雄伝説 閃の軌跡]]』シリーズなどの戦闘にもやや似ているが、選択ボタンを縛らないという点ではやはり後の『[[マリオ&ルイージRPG]]』シリーズにおけるUIの原点でもある。 -美しいグラフィック --『[[スーパードンキーコング]]』シリーズの流れを汲む、3Dのプリレンダで描かれた美しいグラフィックも特徴。~ キャラクター達がクォータービューで描かれたマップを舞台に所狭しとアクションする。 #region(仲間キャラについて) -マリオ --常にプレイヤーが操作する主人公キャラ。本作のマリオはいわゆる「無口主人公」を意識したのか、言葉を発する事が無い。((一応、本作以前の作品からマリオの言い回しは決められているのだが、この作品や『マリオ&ソニック』シリーズのように、周りが喋る中マリオだけ台詞が無いというケースも多い。))~ その分、豊富なアクション・リアクションで感情表現や意思表示を行っており、コミカルな動きも相まって十分に個性づけられている。 ---本作では「世界的に有名」という設定があり、各地でジャンプや遊び相手をせがまれたり、''ジャンプで身分の証明ができたり''、遠く離れた雲の上の国にまで噂程度とはいえ伝わっていたりする。キノコ城あたりではすっかり顔馴染みである。~ 彼本人も事ある毎に真っ先に飛び出そうとして仲間に諌められたり、子供にバカにされてムキになったりと、良くも悪くも直情的な熱血漢として描かれている((余談だが、下記するマロのスペシャル技にて、無口なだけでなく''本当に何も考えずに過ごしている''疑惑が浮上していたりする。)) --高めの物理攻撃、防御力、HPを筆頭に、バランスの取れた主人公らしい能力値。しかし意外にも初期防御力は「0」というある意味脅威の数値。 ---但し、レベルアップ時のボーナスは物理系能力が上がりにくい。 --一方で覚えるスペシャル技は全てジャンプと炎の属性を持つ攻撃系の技という、とことんまで攻撃性能に特化したキャラとなっている。 ---しかも本作はタイトル通りマリオをパーティーから絶対に外せない事もあって、どんな戦略をとるにも彼の存在が大きなウェイトを占める事になる。 ---彼が覚えるスペシャル技の中でも「スーパージャンプ」は、目押しのコマンド入力次第ではあるが最大100回まで連続で敵を踏みつけ攻撃できる事で有名。 -マロ --どう見てもカエルではない自称カエルの子。泣き虫だが健気で真面目な性格。マリオの最初の仲間キャラであり、時に逸りがちなマリオを諌めたりと良き相棒的な存在。序盤暫くはマロとの2人旅なので、彼の出番はパーティの中でも多め。 --HPや物理攻撃力はやや控えめな代わりに、様々な魔法、もとい攻撃的なスペシャル技を使える魔法使い型キャラ。雷と氷の属性を操る。 ---性能的にはかなり強い方だが、FPを大量に消費しやすいのが欠点。 ---レベルアップ時のボーナスをHPや物理系能力に振った際の能力上昇が大きいので、万能キャラに育てる事も可能。 --(ネタ的な意味で)彼の真骨頂と言われているのが、敵の残りHPを見るスペシャル技「なにかんがえてるの」である。コマンドを成功させるとその敵の心が読めるというおまけ要素があるのだが、その内容がいろいろとぶっ飛んでいる。詳しくは賛否両論点を参照。 //ピーチとの戦力差の詳細については問題点に移動。 -ジーノ --今回の騒動が原因で破壊されてしまった「スターロード」の欠片を集めて修理すべく、ヒーロー人形「ジーノ」に宿った夜空の世界の住人。正体は小さな星の姿をした精霊で、知的でキザな二枚目。 ---任天堂のファンシーさとスクウェアのクールさが絶妙にミックスされたそのキャラクターは本作オリジナルキャラの中でも非常に高い人気を誇り、版権上ほぼ不可能でありながらも他作品へのゲスト出演を望む声が多い。 --装備武器はロケットパンチや腕を銃に変えるもの等、他のキャラに比べて近未来的な武器が多い。素早さは全キャラ中トップであり、戦闘では先手を取りやすい。攻撃力も高めだが、その代わりやや耐久に欠ける。 --スペシャル技も攻撃系の技が多いのだが、それに加えて本作唯一の能力上昇系の補助技「ジーノウェーブ」を持つ。 ---特筆すべきは「ジーノカッター」。コマンドを成功させた場合いわゆる雑魚敵にだけ効く((しかし、ボス扱いのカリバー(冒頭でクッパ城に突き刺さる巨大な剣)はフラグの設定ミスにより無効化が解除されてしまうため、そのまま効いてしまう。))即死効果が発動する技だが、画面のフラッシュ後に''9999''とカンストダメージの値が表示されるという成功時演出は当時のプレイヤーを大いに興奮させた。 -クッパ --ラスボスという立場上これまではあまり目立った活躍や出番がなかった彼だが、本作では「ラスボスに居城を奪われた大王」という立ち位置となり、今までの作品では見られなかった多くの一面が描かれるようになった。 ---やや間抜け気味で、事あるごとに凹んでいたりとヘタレな部分が多いが、所々で親分肌を発揮したり、マリオとは協力体制を敷きつつ反目する事を忘れなかったりと、パーティー内でも屈指の人間味のあるキャラ付けは多くのファンからの好評を得ている。 ---一人称は「ワガハイ」と尊大な大魔王にふさわしいものが設定され、本作以降のシリーズ作品でクッパが喋る際は概ね引き継がれている。 --ステータスはマリオ以上の物理ファイター系だが、魔法攻撃に関するステータスや素早さはかなり低い…という見た目通り両極端な性能。それらの欠点も本作では装飾品でかなり補える為、頼れる前衛(壁)キャラとして活躍するだろう。 ---素の攻撃力が高い所為か、装備可能な武器の性能は他キャラと比べると大分控えめであり、最強武器でも+40程度の攻撃力しかない。 --攻撃特化キャラかと思いきや、スペシャル技は「ダメージに加えて相手に状態異常を与える」という性質のものが多い。ダメージソースとしては正直微妙だが、特に「恐怖」の異常状態を与えられる「きょうふのしょうげき」は優秀な補助技として役立つ。純粋な攻撃系スペシャル技も一応存在するが、魔法攻撃力が低い彼の場合、通常攻撃で殴る方がダメージ効率は良い。 ---意外にもレベルアップ時のボーナスは魔法系の能力が上がりやすいので、バランス良く上げて万能キャラにする事も可能。 --終盤のあるダンジョンで彼を戦闘メンバーに入れていると、一部のモンスターが戦闘開始直後に動揺して逃げるという小ネタがある。逃げた敵からは経験値やコインが貰えないので、若干損する要素でもあるが。 -ピーチ --これまではさらわれヒロインとしての描写が大半だった彼女も、本作においては同ポジションながらも様々な性格付けがなされ、後の作品の基盤となった。 --冒頭ではクッパに、それ以降はブッキーに振り回されたりとかなり波乱な経緯を経て仲間になるが、明るく御転婆ながらも思慮のある振る舞いは、姫キャラというより正統派ヒロイン色が強く押し出されている。自身の容姿に対してナルシストな一面も持っていたりする。 --ステータスは魔法寄りのバランス型。加入直後こそHPや物理攻撃力が低いもののレベルが上がるにつれて改善していく。魔法寄りの性能ではあるが、屈指の威力を持つ最強武器を装備すれば、通常攻撃においても相当な強さを見せてくれる。 --覚えるスペシャル技は、回復系に関しては完全にマロの上位互換。強力な単体回復から全体回復、蘇生までこなせてしまう。しかもいずれの技も消費FPが非常に低く、パーティーに入れておけば継戦能力が桁違いに高くなる。 ---敵に眠りや沈黙のステータス異常をもたらす補助技や、1種類だけとはいえ無属性・高威力の全体攻撃技も覚える為、どんな相手に対しても器用に立ち回る事が可能。 #endregion ---- **評価点 //こちらを評価点の項目に節わけ -マリオシリーズならではのアクション性を活かした作り。 --シリーズを活かすという意味ではこの上なく最適な作りであり、単純にキャラクターをマップで動かしているだけでも楽しい。 -シリーズのお約束を覆す意表を突いたシナリオ設定と、丁寧なキャラクターの作り。 --「いつものように」クッパを倒し、「いつものように」ピーチ姫を助けにゆく……という序盤の展開は、シリーズお約束展開のメタネタ((説明書でも「いや~、今回はクッパ城までたどり着くのは早かったなぁ……」と書かれている。))。~ そして「いつものように」クッパを懲らしめてピーチ姫を救いめでたしめでたし……と思いきや、マリオワールドそのものの侵略を目論む強大な敵が姿を現すという、意表を突いた展開になっている。この序盤の展開は後のRPGシリーズの多くにも新たな「お約束」として概ね引き継がれている。 --クッパ城に刺さった巨大な剣をはじめとして、RPGには欠かせない剣や槍と言った武器をモチーフにした敵役もほどよい異物感を持ち、「異世界からの侵略者」という本作の悪役に最適な存在と言える。~ 敵の異質さもまた、いつもとちょっとちがうマリオの冒険を演出しており、後のマリオRPGシリーズの中でも際立って異色な趣を放っている。 //--少々ネタバレに触れてしまうが、敵の親玉の武器は、鍛冶により武器を生み出す金鎚。そしてマリオもハンマーを使うという、奇しくも同じ武器を使用する者同士の対決が小粋である。 //触れるなら隠せ --そんな敵の異質さとは裏腹に、大半はマリオシリーズならではのほのぼのとした世界観を尊重しており、明るく暖かい雰囲気で綴られるストーリーが高く評価されている。 ---侵略者たちの大半が外見や言動に武器の冷たさ・怖さを感じるどころか非常にユーモラスで、敵組織の勢力図が完全に製造部門の上下関係そのものだったり、出世に命をかけるサラリーマンの鑑や「この世の悪を守る悪の戦隊」が存在するなど、非常にユニーク。 ---この侵略者とは一切関係ない敵キャラクターも存在するが、「胡散臭い外人訛りでしゃべる泥棒ワニ」「茄子に手足が付いたような見た目のボムへい職人((ボムへいが爆弾という武器をモチーフとするためか、侵略者の仲間と勘違いするプレイヤーもいる。戦闘BGMが侵略者以外のボスと同じなので、そこで区別がつく。))」「思考や言動が滅茶苦茶な髭面のオヤジ」「高飛車な鳥人と丸々太った鳥のコンビ」など、こちらも負けず劣らずインパクトが強いキャラばかり。 --仲間キャラ4人の活躍も大きな見所。マリオシリーズに登場していたキャラのさらなる魅力を引き出すなど、本作が後のシリーズに及ぼした影響は大きい。彼ら以外のサブキャラクターも魅力的なキャラが多い。 --敵として対峙するキャラクターも例外ではなく、一部例外を除けば戦闘後も各地で再会可能。中にはミニゲーム等で遊んでくれるキャラもいたりする。 -多数の細かい遊び要素 --「ある道具屋の棚の上に乗ると決めポーズをとって店主に叱られる」「オルガンの上に乗ると滅茶苦茶な音が鳴ってこれまた叱られる」「初回のイベント後大臣に何度も話しかけるととっとと行けと言われる」…などなど、各地でプレイヤーがとるであろうお遊びに対する反応がちりばめられており、影ながら冒険に彩りを添えている。 --手の込んだケースとしては、「ある村のホテルのスイートルームに所持コイン以上分の連泊をしてしまうと、その分ホテルでアルバイトをさせられる」というものがある。イベント中はホテルから出る事はおろかセーブすらできない((自由に動ける時であれば、客の頭を足場にしてジャンプという抜け道を使ってセーブポイントに行く事は可能))が、この際にマリオがもてなした客からチップとしてアイテムが貰えるので単なるマイナス要素に終わっていないのもポイント。 -任天堂ゲームからのゲストやFFシリーズなどのパロディも多く、マリオシリーズでも異色の作品と言える。 --ある施設内のベッドに「[[リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]」「[[サムス・アラン>メトロイドシリーズ]]」が寝ているという、サプライズ的なゲスト出演もある。 ---サムスは話しかけると「…オモロイド……」という『[[メトロイドII RETURN OF SAMUS]]』のCMを元にした%%寒スな%%寝言を聞ける((海外版では"I'm resting up for Mother Brain."(マザーブレインとの戦いに備えて休息をとっているのだ)になっている。))。彼女は限られた期間しか登場しない為、見落としてしまうプレイヤーが多かった。 ---リンクに話しかけると、お馴染みのあの謎解き音が流れる。こちらはサムスと違いずっと同じ場所で寝続けている。 ---このほか、あるダンジョンには入り口のカウンターに[[FF6>ファイナルファンタジーVI]]の魔導アーマーの模型が飾られていたり、最上階にあるおもちゃ箱に[[ファミリーコンピュータロボット>ファミリーコンピュータロボット ブロックセット/ジャイロセット]]やディスクシステムのディスくん、[[ワイルドトラックス]]の機体「F-TYPE」、サムスの人形が置かれているなどのゲスト要素が存在する。 --「なにかんがえてるの」で表示されるメッセージについては好評なものもあれば癖が強いものも多い。詳細は賛否両論点を参照。 -ラスボス以上の強さを持つ裏ボスも存在するのだが、強さ以外の面でもインパクトが強く、現在も語り草となっている。 #region(裏ボスの詳細) -「クリスタラー」という名前のこの裏ボスはFF要素がてんこ盛りで、一人だけFF風のグラフィックで[[FF4>ファイナルファンタジーIV]]のボス戦BGM「バトル2」のアレンジが流れ、バトル勝利時にはFFの勝利ファンファーレ、バトル後に「プレリュード」まで流れる拘り様。 --喋り方も見た目に違わず非常にシリアスなのだが、「なにかんがえてるの」で心を読んだ時のメッセージが噴飯もので必見。 --勘違いされやすいが、本作オリジナルのキャラクターであり、FFシリーズには一切登場していない。 --デザインは当時FFシリーズのモンスターグラフィックを担当していた野村哲也氏本人によるもの。 #endregion -ミニゲームが非常に豊富で、必ずプレイするものから寄り道的なものまで沢山存在している。 --全体的に完成度が高いものが多く、特に「ばくれつカブトムシ」というシューティング風のミニゲームは単純なルールとシンプルなゲーム画面ながら中毒性が高く、人気が高い。 --ミニゲーム以外でも、オプション画面の隠しコマンドやセーブ画面で何度もNOを選択していると怒るマリオなど、小ネタ要素がだいぶ多い。中にはとあるダンジョンで突如、昔なつかしのFCドット絵化してしまうマリオなんてネタも。 -下村陽子氏によるBGMも高評価。 --マリオシリーズのイメージを壊さない質の高いオリジナル曲がそろっており、特にダンジョンの「ハナチャンの森」で使用されたBGM「森のキノコにご用心」は作中屈指の名曲として名高い。 --本家マリオシリーズの曲も随所でアレンジされて使用されており、古くからのファンをにやりとさせてくれる。 //---既に廃盤となっている本作のサウンドトラックは、中古市場では常に数万円以上の高値で取引されており、その根強い人気が窺える。 //プレミアムが付くことと人気はあまり関係ないよ。昔のサントラはだいたい出荷数が少ないからそれが原因。 ---- **賛否両論点 -RPG部分の難易度が全体的に低い。 --全滅時のペナルティはほぼ無いに等しい。最後にセーブしたポイントまでストーリー進行度が戻されるのだが、一方で経験値やステータス、所持コインなどは全滅時のままキープされる。取ったアイテムなどはリセットされ巻き戻るため宝箱の中身も元に戻るのだが、スター入りの宝箱も復活する。 //---このため、スター入り宝箱の近くでセーブした後、わざと一旦全滅してスターを復活させ、それを何回も取って敵を弾き飛ばし、経験値を荒稼ぎする方法が確立された。この方法を使うとあっという間にレベルがカンストする。 //レベルが上がると全滅まで時間がかかるのでそこまで効率は良くない。 ---全滅時の処置はおそらく『[[ファイナルファンタジーVI]]』が元になったのであろうが、こちらは一応ペナルティはあった。 --非常に軽いFPで扱えるピーチ姫の強力な全体回復技&復活技や、たった5コインで買える((もっとも、このゲームのお金は、コインが最大999枚までしか持てないので、物価が安く設定されているのも、当然と言えば当然ではあるが。))完全蘇生アイテムである「ふっかつドリンク」など、全体的に回復手段がやや手軽かつ強力すぎる感がある。 ---全員のHPとFPを全快させる最強回復アイテム「ケロケロドリンク」が、序盤からそこそこの頻度で拾える上に、ゲーム終盤では条件付きかつ高額ではあるが店売り品にもなる。~ 更に''使用者を3ターンの間、一部特技での無力化すら受け付けない完全無敵状態にする''「レッドヨッシーエキス」すら、相応の手間こそかかるが何度でも調達可能。 --他にも「戦闘不能は戦闘が終了すれば自動的にHP1で復活できる」「レベルアップ時にHPが全回復する」「ダンジョンの途中にHP・FP全回復の宝箱が用意されている」等、戦闘面ではかなり余裕を持ってプレイできる仕様である。 --攻撃用アイテムも、無属性でかつ敵全員に標準で200、カタクナール状態の敵にも確実に100の固定ダメージを与える「こんぺいとう」を筆頭に、複数入手しやすくなおかつ強力な要素が多い。 --上記のボーナスフラワー効果にも含まれる、あらゆる攻撃の与ダメージを1.5倍に増やす((通常攻撃、スペシャル攻撃はもちろん、アイテム攻撃のダメージすら上昇する))''ツヨクナール状態''や、あらゆる被ダメージを半減する''カタクナール状態''が非常に強力でありながら、これらの効果を与えるワザや消費アイテム、戦闘開始時に自動付与するアクセサリまで存在し、上手く利用すれば通常プレイは勿論、単純な低レベルプレイ程度ならそれほど支障なく達成可能な程である。 //色文字にする必要性がないので黒太文字に変更。あと読みにくくなるから中途半端なところで改行しないで。 -ゲーム全体でボスキャラのステータス、特にHPが低く設定されているものが多く、ゲーム後半ともなると、味方側の攻撃力にボス側の耐久力が追い付いていない傾向にある。 --ラスボスや隠しボスを除けばボスキャラのHPは3000未満で統一されており、ラスボスの直前のボスですら攻撃は激しいがHPは2000未満とかなり低い。 --これらの低難度化要素は、マリオシリーズという万人向けゲームシリーズのRPG化であり、初心者にもプレイしやすい難易度を想定しなければならない為やむを得ない一面もあることは否めない。 ---とはいえ後半になるとザコ・ボス問わず、強力な全体攻撃や即死技、ツヨクナールやカタクナール効果による自己強化、状態異常を扱う敵が増えてくる。 ---HPそのものは低いが防御力が高くダメージが与えにくい。複数のボスが徒党を組んでいる。補給無しで異なるボスとの連戦となり総合的にはHPが多い。といった要素で難度を底上げしてくるボスも存在するため、個々の戦闘が極端にぬるすぎるということは決して無い。 --また敵が使ってくる状態異常も、後半では基本自然治癒せずコマンド自体が制限されるという厄介な物が多くなってくる((常に防御状態&HP回復効果になる代わりに一切動けなくなるキノコ状態、通常攻撃とアイテムが使えなくなるカカシ状態など))為、本作ではそういった濃いバトルに対してバランスを取っている傾向がみられる。 -一部ゲームバランスを崩壊させるほどの性能を持つ武器・防具が存在する。以下が一例。 --セーフティーリング ---説明には「一撃死をふせぐ」と書かれているが、実際は''即死攻撃だけでなく全ステータス異常と属性ダメージも無効化''と、とてつもなく強力な性能を有する。発見が難しい隠され方ではあるものの、場所さえ分かれば中盤で入手できてしまう。 --ひまんパタこうら(武器)・フライパン ---それぞれマリオとピーチの最強武器で、攻撃力は90と全武器中ブッチギリの一位。ひまんパタこうらは入手に手間が掛かりダメージのムラが大きいという難点があるが、基礎の威力が充分高いので一気に与えるダメージが増える。フライパンは入手場所さえ分かれば容易に入手可能で、ダメージのブレもひまんパタこうらより小さい。 ---どちらも本来のストーリー進行とは外れた箇所での入手になる為、隠しアイテムのような立ち位置ではある。 ---マリオの二番目に強い武器はラストダンジョンで、ピーチの二番目に強い武器はその直前のダンジョンで他キャラの最強武器と共に手に入る(攻撃力はいずれも70)。クリア時にはそれらを装備している事を想定してバランスが調整されているのではないかと思われる。 --ひまんパタこうら(防具) ---上記した同名の武器とは別アイテム扱いになっており、こちらは防具。~ 攻撃力・攻撃魔力・すばやさが激減してしまうデメリットはあるが、誰でも装備でき、全ステータス異常と属性ダメージ無効に加え最強の防御力を誇る。アクセサリで即死耐性を補えばセーフティーリングと耐性面も互角となり、ピーチに装備させると全滅する方が難しくなる程の不沈艦と化す。 --ジャンパースカーフ ---マリオ専用アクセサリー。効果は''攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御・すばやさが各30ずつ上昇し、即死耐性付与''と極めて強力なバフを持つ。 ---一方で、入手条件は「マリオのスペシャル技『スーパージャンプ((アクションコマンドを成功させた回数だけ相手を踏みつけることができる技。後発のペーパーマリオシリーズでいうれんぞくジャンプ))』の追加入力を1ターンで30回''連続成功''させる」とそれなりにシビアであり、かなり入手難易度は高い。それ故のごほうび性能と言える。 --ばっちいパンツ ---序盤から中盤に差し掛かるといったタイミングで買える全キャラ装備可能な防具。~ そのふざけた名称や、同じショップで買えるマロの「ばっちりパンツ」と一文字違いな用途不明なネタ装備…と思われがちだが、防具としては珍しく''攻撃力、魔法攻撃、素早さまで上げる''という、非常に汎用性の高い高性能装備となっている。 ---クッパに至っては''全ての専用装備よりばっちいパンツの方が上''であり、%%ばっちいと言うことに抵抗が無ければ%%加入からずっと装備もアリなほど。 -一方アクション・パズル部分は全体的に難易度が高め。 --一番の原因は、本作のフィールドが当時でも数少ない''クォータービュー''(画面手前から菱形の様に広がる斜め視点)描写である事。それでいて、十字キーを押した通りに8方向に移動できる((このような視点の場合、十字キーでの移動方向を45度ずらしたり、斜め移動固定ボタンを用意したりしてスムーズな斜め移動を可能にしているゲームも多い))。~ そして足場の配置などは斜め方向が基準になっている。好きに動き回れる街中等はともかく、アクションマップでは「十字キー斜め押し+B」で精密なジャンプを要求される部分が多々ある。 ---「ちんぼつせん」ではある地点を通過する為に必要なパスワードのヒントを得る為に、6種類の仕掛けを解く事が求められる((全て解かなくても一部のヒントがわかれば類推可能、そもそも事前にパスワードを知っていればこれらは全てスルー可能))が、いずれもシビアな攻略難度を有している。しかも仕掛けの1つである「立体迷路」は大人でも攻略にてこずるケースが見られる程。 ---後半のダンジョン「マシュマロの国への道」では空中に浮かぶツタをジャンプで飛び移りながら登っていくという、本家マリオシリーズ顔負けの非常に難易度の高い操作を要求される。クォータービュー独特の距離感・位置取りの掴みづらさも合わさり、下手すると本家以上の苦戦を強いられるプレイヤーも。 --終盤のクッパ城ではバトル・パズル・アクションの3系統のコースが2種類ずつあり、計4つをクリアしないと先に進めない。パズルコースは石取りゲームや推理クイズのような一筋縄ではいかない高難度なパズルが多く、アクションコースは精密なジャンプ操作が要求される。 //選択制に見えるが行き先はランダム --街と街のつなぎにアクションマップが挿入されている事が多く、最初はアクションマップをクリアしないと次の街へ行けない。アクションが苦手な人にとっては本作最大の批判点であろう。一度でもクリアしてしまえばワールドマップから直に行けるようになるのが救いか。 --また街マップも、''きちんと特定の出口から出ないとワールドマップが繋がらず''、次のマップへ行けない。 ---気付いたり知ってさえいればどうという事は無いが、初見だと非常に気が付きにくい。 --レアアイテムが貰えるミニゲーム・やり込み要素のアクション部分は本当にシビア。失敗しても何度でもやり直せるのが、せめてもの幸いではあるのだが…… ---特に「スーパージャンパー」というアイテムはRPG全体で見ても屈指の入手難度を誇る。条件そのものはシンプルで、前述の「『スーパージャンプ』を1ターンで''100回連続成功''させる」というもの。「ジャンパースカーフ」の条件からさらに+70回分増えた形である。 ---…と、これだけ見れば単純な条件なのだが、つまりは、''目押し系のアクションコマンドを100回連続で成功させなくてはならない''。とんでもない長丁場で、タイミングも回数が伸びるにつれシビアになっていく。((検証によれば、15回以降の入力受付時間は0.03秒。))かなりの集中力が要求されるのは言うまでもない。 ---このアイテムの存在自体はこれをくれるキャラが示唆している。達成できずに泣く泣く諦めたプレイヤーも多いのでは?せめて累計ならよかったのだが。 ---一方で、その性能は前述の「ジャンパースカーフ」をさらに上回り、''全員装備可能な防具で、攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御が各50上昇、すばやさが30上昇、全属性攻撃無効化、全ステータス異常に耐性付加''というぶっ壊れ性能。これ1つで他の防具が一切要らなくなるほどの性能を誇る。もちろん1点ものなので使えるのは1人だけだが。 -ミニゲーム「ばくれつカブトムシ」の操作性 --ゲーム自体の完成度はシンプルながらも高く、本編を忘れて熱中しかねない中毒性も持つが、レバガチャを頻繁に強いる操作体型である為、長く続けているとコントローラーや指(手)を痛めかねない。適度に休憩をしながらのプレイをおすすめする。 --連射パッドを使用するとゲーム性が劇的に変化すると評してもいい程楽になるのだが、その為かゲーム中では連射パッドの使用を咎めるメッセージが存在している。 ---たとえ連射パッドを使用しても、単純に押しっぱなしにするだけではスコアが思ったほど伸びない。ハイスコアを狙うにはどちらにせよ連鎖がうまく繋がるよう調整し続ける必要がある。 -マリオをパーティから外せない為、キャラチェンジは実質2席で行う事になる。 --パーティ編成の自由度に乏しい側面は否めないものの、アクションマップはマリオのジャンプ力ありきの地形なので仕方ない部分もある。戦闘のバランスも3人のうち一人はマリオで固定という前提の元に練られており、マリオが外せないことで困るといった場面は無い。~ しかしマリオのスペシャル技の属性「炎系」「ジャンプ系」は弱点の敵に比べて無効化する敵がやや多く、スペシャル技の汎用性はやや低め。 -味方のマロの技「なにかんがえてるの」のコマンド成功時に表示されるメッセージは癖の強いものが多く、様々なアニメ・漫画作品のパロディも散見される。ファンからは技名をもじって「スタッフはなにかんがえてるの」と揶揄されている。 --本作の発売時もアニメが放送中であった『[[新世紀エヴァンゲリオン>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]』など、ごく近い年代の作品を元ネタにした時事パロディも多い。 --また、マメクリボーに対して使用した際のメッセージが猥褻な内容を想像させるアウトな代物になっているのも有名である。 --元々ファミリー向けの印象が強かったマリオシリーズのイメージを大きく逸脱したこれらのネタに爆笑する人もいれば、「ふざけすぎではないか」と難色を示す人もいる。 //全部が全部好評だったわけでもないので //ケロケロ湖のBGM、ホイッスルのような音がかなり音量が大きく、うるさい。ケロケロ湖にいる間ずっと鳴り続けるため、音楽の邪魔にすらなってしまっている。 //言うほど耳障りには思えないけどね。まあ個人差も大きいだろうから隠しとくよ -コインのMAXが999しかないため、普通にプレイしていると、わりと簡単に上限に達してしまう。 --その分RPGとしては物価が安めなので、買い物に困ることは無いが。 ---- **問題点 -アイテムの所持可能数が少ない。 --装備・アクセサリ欄の空きスペースは30枠。これは型落ちの武器防具のこまめな売却を心がければまだ問題ないのだが、 --アイテム欄の空きスペースは29枠(30枠のうち1枠をゴミ箱が占有)しかなく、その上ごく一部のアイテムを除き「預ける」「まとめ持ち」といった概念は存在しない(例えばキノコを5個所持したい場合、キノコで29枠のうち5枠が埋まってしまう)。 --また、宝箱を開けた時にアイテム欄が29枠埋まっている場合、取得アイテムか手持ちのアイテムから1つを選んでその場で捨てなければならない。「所持アイテムがいっぱいなので宝箱に戻す」という選択ができないのも手痛い。 ---またサブイベントに必要なアイテムや一品物の限定品であっても、売却・破棄が可能であれば同じアイテム欄で管理されるため、アイテム欄の空きのために捨てたり売ったりすれば当然イベントは進行不能に。~ 特にヨッシーレースに挑む際などに貴重なアイテムを泣く泣く手放す破目に陥るケースも珍しくない。 ---そもそもそういった手放すのが惜しまれるアイテムが、売却・破棄できてしまう事自体が、マリオシリーズとしてはやや不親切と評さざるを得ない。 ---一応別枠で「だいじなもの」という項目もあるが、そこに入るのは本当にごく一部の失くすとメインストーリーの進行に支障が出るアイテムだけである(扉のカギなど)。 //--終盤のダンジョンでは多くのアイテムや武器防具が宝箱から入手出来るため、アイテムの管理がかなり煩わしい事になる。 //↑武器防具はいらないものはその都度売っておけばいいだけだし、このゲームでは装備品と消費アイテムが別枠で持てるので、まだ親切な方である。入手したアイテムも勝手に並べ替えされるので、わかりやすい。 //宝箱を開けてアイテムを持ちきれない時、使って減らす。そんなこと、できるゲームの方が珍しいのでは? -装備品の性能に関する説明が不足気味。 --装備・アクセサリの付け替え画面で表示される情報は、4つのステータス数値(攻撃・防御・魔法攻撃・魔法防御)の増減だけな上に説明文は抽象的な感想のようなものしか載っていない物まで含まれる(素早さの変化は装着前後でステータス画面を見なければ把握できない)。 --このため、これらのステータス補正が無いアクセサリーは一見すると何の効果もないように見えてしまう(例えば「パタパタくんしょう」というアクセサリー((装備者に戦闘開始時ツヨクナール自動付与+素早さ20上昇))の解説は「君のパタパタ力がアップ!」など全く意味不明)。 ---ゲーム後半のアクセサリには「属性ダメージ半減・無効」「戦闘開始時ツヨクナール・カタクナール効果付与」「即死攻撃耐性((セーフティーリングも含め4種存在))」といった超強力な効果を持つにもかかわらず効果の詳細が伏せられているアクセサリーが複数存在し、攻略本等の情報を仕入れない当時のプレイヤーがどれだけその性能を知り得たのか…。 //わかりづらさや説明文を具体的に -タイミング系のアクションコマンドの判定が分かりづらい。 --アクションコマンドで一番多いのがこの「特定のタイミングでボタンを押す」というタイミング系なのだが、&bold(){どのタイミングで押せば良いのかという説明がゲーム中に無い}。基本的には「攻撃がヒットした瞬間」なのだが、たちの悪い事に例外が少なからず存在する。 ---スーパージャンプの成功判定も例外の一つで、何故か''成功タイミングが踏んだ時ちょうどではない''。そのため、目押し以前にタイミングを勘違いしたまま散っていったプレイヤーは数知れず。 ---「ジーノカッター」のタイミングは、説明書では「カッターが当たる直前」と記載されているが、これは「敵にカッターのエフェクトが重なった瞬間」ではなく、''カッターが画面外に消えて敵にヒットエフェクトが出る直前''である。確かに言われればそうとも読めるが紛らわしい。 --アクションの成功判定は「通常」と「ジャスト」の2段階に分かれている。アクションが成功したかどうかは音や動作から容易に分かるものの、ジャストと通常との違いはダメージを見ないと判別できない。 --相手の攻撃によるダメージを軽減させる「アクション防御」は、初見ではタイミングがわかりづらい(★が飛び散る直前が防御タイミング)。そもそもアクション防御ができない技も多い((★が飛び散る演出が無いものは、アクション防御不可能。))のだがこれも説明がない。 --アクションコマンドとは異なるが、ヨッシーレースの加速のタイミングも掴めない人が多かったようだ。BGMに合わせるのが正しいのだが、ヨッシーの動きとBGMが微妙に連動していないので、画面を見ながら操作すると混乱しやすくなる。 -一部仲間キャラの性能に問題アリ。回復技を持つ2名であるマロとピーチ姫の、性能面において大きな格差が見受けられる。 #region(詳細) --マロは俗に言う魔法使いタイプのキャラクターで、回復技は単体対象の「かいふくシャワー」(まほうのつよさ10)しか習得しない。また、腕力も魔法使い相当かつ武器の性能も今一つのため、FPを消費しない通常攻撃力は全メンバー中最低である。 --その反面、強力な全体スペシャル攻撃を習得する…のだが、スペシャルわざ発動のリソースであるFPは極限までやり込んでも最大値が''99''とかなり低い(冒険道中では当然、最大FPは99よりかなり低い状態である)。~ マロは対大群相手の短期決戦性能こそ優秀だが、高位の全体攻撃技は消費FP12以上という高燃費であることが追い打ちとなり、大技を惜しまず連発した場合はたった数回使うだけでFPが枯渇してしまう。この為マロはゲーム後半の、特に単体ボス相手の長期戦性能が決定的に乏しい。 ---この高い燃費をアイテムで賄う場合、FP回復のシロップ系アイテムの消耗も加速してしまう。本作のアイテム所持可能数は先述の通り少なく、シロップばかりを持ち歩くわけにもいかないため、ショップでこまめな補給が求められる。そのうえ、手軽に調達できる「メイプルシロップ」の回復量はFP40と、大技換算ならばおよそ3発分にしかならないため心許ない。 ---FPが「全員で共有」という点も問題で、これにより他キャラのスペシャル技分のリソースを食ってしまうという欠点まで生まれてしまっている。逆に言えば、他のキャラがスペシャル技を使ってしまうと、ただでさえ数回で息切れを起こすマロのスペシャル技を使う回数がさらに減る。 //シロップ消耗に関する記述を少々要約 ---消費FPを半減させるアクセサリーもあるのだが、当然ながら防御力や耐性とのトレードオフになる。 ---このように、本命のスペシャル技も数回で息切れを起こし、長期戦が苦手な上シロップが尽きれば頼りない通常攻撃しか残されていないため、扱いづらいと感じるプレイヤーが多くなるのは理解していただけるだろう。 --一方でピーチの回復技はマロと比べ物にならないほど極めて高性能。 ---初期回復技「いたいのとんでけ」は、消費FP2(かいふくシャワーと同じ)でまほうのつよさ40+''状態異常もついでに治療''と、かいふくシャワーの完全上位互換。 ---同じく初期回復技「みんなげんきになあれ」は、消費FPたったの4でまほうのつよさ30+状態異常治療を''全体がけ''という驚きの高性能。もちろん移動中も使える。((なお、移動中に使う場合はHPが減っているキャラクターにカーソルを合わせる必要があるが、HP満タンのキャラクターが混じっていても使える。))~ 戦闘に起用せずとも、ピーチの存在は移動中のHP回復アイテムの出番をほぼ奪い去ると言える。 ---さらに、戦闘不能の味方単体の蘇生が可能な「おねがいカムバック」は、FP消費たったの2!~ 加えて、通常でもHP半分回復だが、アクションコマンド成功ではなんとHPが全回復する。~ アクションの入力タイミングもかなり容易であり、ピーチが倒されない限り敗北しないと断言できるレベルである。前述のひまんパタこうら(防具)を装備しておけばさらに盤石。 --この状況をドラクエで例えるならば、消費MP2のホイミと鞄内の限られた回復アイテムでやりくりしていた所に、「消費MP2のベホマ」と「消費MP4のベホマラー」と「消費MP2のザオリク」の使い手が加入するに等しく、状態異常治癒も回復と同時にこなすためこの例えの更に上を行く異常事態といえる。 --上記だけ見ればピーチは回復特化キャラにも見えるのだが、''それだけではなく''武器を整えれば攻撃面でもかなり頼れる万能タイプである。 ---ピーチの最強武器は、手順さえ知っていれば入手が容易&マロの最強武器よりも遥かに高性能であり、通常攻撃も高水準に強化される。 ---極めつけに終盤、燃費はFP15と重いものの、まほうのつよさ60の無属性全体攻撃技「ヒステリックボム」も習得してしまう。ピーチの魔法攻撃力の高さもあって十分な威力が出るため、通常攻撃力に加え雑魚散らし適正も獲得し、いよいよ一切の隙が無くなる。 ---これらの超性能により、一部プレイヤーからは''「ピーチがバランスブレイカー級に強い」''との評価も挙がる程の強さを有している。 --ピーチを起用するか否かで、強敵相手の安定感や回復アイテムの消費速度等、冒険の難易度が目に見えて変わってしまう。そのためマロはどうしても影が薄くなってしまいがち(マロが弱いというよりは、''ピーチがあまりにも強すぎて''マロが見劣りしてしまう)。 --ただ、マロが全然使えないキャラかと問われればそうとも限らず、むしろやり込んだプレイヤーからはかなり強いと評される性能は有している。 ---マロは雷・冷気属性のスペシャル技を扱える唯一の仲間で、敵の弱点属性を把握し的確に弱点を突けば、瞬間火力には目を見張るものがある。 ---「ユキやこんこん」といった高位スペシャル技以外は比較的コスパに優れ、特に消費FP2で扱えてエフェクトも短い全体攻撃「でんげきビリリ」による低コスト雑魚殲滅力は唯一無二である(他のキャラで同等以上の威力の全体攻撃をするために必要なFPは、最低でも10。でんげきビリリは威力は低いが小粒な雑魚をまとめて蹴散らすには十分な火力)。 ---先述の通り、本作の難易度はかなり低めに設定されているため、バランスブレイカー級の性能を持つピーチといえど「絶対不動のエースキャラ」というわけではない。雑魚戦での群を抜いた殲滅力を有するマロを状況に応じて優先する選択肢も十分にあり得るため、ある種絶妙なバランスが取れているとも言える。 ---また、「なにかんがえてるの」で表示されるテキストも全敵に個別に設定されているなどやり込み要素にも一役買っている。 //はじめに性能差をわかりやすく並べた上で後でフォローを入れる形に変更 -上記以外では、クッパも「専用装備品の攻撃力・防御力が貧弱すぎる」という弱点を抱えている。 --クッパ最強武器の「ドリルクロー」の攻撃力は、なんとピーチ最弱武器「ビンタグローブ」と同じ40。&br()最強防具の「ヒールシェル」の防御力・魔法防御力も、他のキャラクターの最強防具の半分程度の数値しかない。 ---クッパは攻撃力と防御力の初期値が高く設定されており、装備品の強度を落とすことで他の仲間と釣り合うように調整されていることが窺える。~ 加入直後こそ大きい存在感を誇るが、仲間が上位の装備へ更新していく毎にクッパの独自の強みは薄れていく。 ---このためか、少し防御力こそ劣るがドゥカティ(中盤の町)で早い段階から買える「ばっちいパンツ」のほうが攻撃+10、魔法攻撃+10、素早さ+5のバフがつく分むしろメリットが高く、加入直後からラストまでクッパの一張羅にされることも珍しくない。 #endregion -一部の敵のAIに不具合がある。 --例として登場するボスの中には「別の敵を増援で呼び出す」パターンが設定されているものがいるが、&bold(){呼び出した敵がプレイヤーの攻撃以外で倒れると}フラグが正しく設定されず以後、何もしなくなってしまう。 ---増援が「自爆」するボスの場合は自爆させればあっけなく戦闘が消化試合になる。また、増援が「ザコ敵」の場合、特定のアイテムで撃破ではなく「消去」すると以降「モンスターは ちょうはつしている」の表示しか出なくなる。 ---厳密にはAIの不具合とは別だが、とある再戦ボスは増援が2体いないと隠れるAI設定があるが、なぜか&bold(){増援の敵キャラがいないのに隠れる}ことがあり、攻撃対象がいない状態でこちらが攻撃しようとすると対象が「なし」と表示され、実際に殴るとフリーズしてしまう。 ''やりこみ要素'' -隠しアイテムや隠し要素が非常に多い反面、ヒントが無いなど若干分り辛い部分もある。 --''初回一回限りのイベントを利用しないと手が届かない''理不尽な発見難度の隠し宝箱が最序盤に登場する。ゲームを進めると「隠し宝箱の存在を音で知らせてくれるアクセサリ」が手に入るがその頃には当然回収不可能であり、この宝箱の回収には事実上周回プレイが前提となってしまっている。 ---しかもそのアクセサリは「隠し宝箱のあるマップに入った瞬間に音で通知」する程度であり、具体的な位置はわからず、当然その宝箱がもう回収不可能であることも教えてくれない。~ 結果、入手不可であるという情報を仕入れていないプレイヤーは、決して見つからない隠し宝箱を求めて延々部屋の中をジャンプするハメになる。 --シナリオ中一度きりしか機会の無いミニゲームの成功パターンでのみ入手可能なアクセサリーといった、展開次第で入手不可となる限定品も存在し、マリオシリーズに惹かれて始めたRPGに不慣れなプレイヤーに対してはやや不親切。 //---特にひどいのが終盤のクッパ城。このステージの中盤に6つ中4つクリアすれば次に進める特殊なルート分岐となる場所があるのだが、よりにもよってここのそれぞれのクリア報酬の中に仲間3人の最強装備(さらに強い隠し装備があるキャラも含めれば4人)が含まれており、気づかずにスルーしてしまう可能性が高い。 //クリア後でも再訪すれば入手可能なためCO。 --当時のスクウェア作品にはありがちな話ではあるが、細かい隠し仕様も多く、すべての要素を知るには攻略本が必須と言い切ってしまってもいいだろう。 -回数系のノルマが全体的に多すぎる。 --特定の限定アイテム入手のために、膨大な回数の反復作業を要求するものが複数存在する。前述のスーパージャンプ100回が最も難しいのは確かだが、他も…。 --「メリー・マリー村」のホテルで、スイートルームの宿泊回数によって記念品が贈呈されるサービスがあるが、1~15回の間にフラワーカプセルやカエルコインが貰えるため、1泊200コインという高額を加味しても3回ほど泊まる価値はある。だが、最終的に200回の宿泊でカエルコイン20枚贈呈という値段不相応な記念品が用意されている。''合計40000コイン''という殆どの稼ぎを意図的にスイートに注ぐような意図的なプレイをしなければ達成できないが、出来ても証拠は一切残らないので、達成するのは完全な自己満足要素となっているのが救いか。 --ゲーム中盤~終盤にとある場所で遊べる、ミニゲーム景品の限定アイテムをもらうためには「お手玉ゲーム」を12点分((表示こそされないが、正解で+1点、誤答で-1点で内部処理される))勝ち越し。これはまだ少ないが、別の場所では「あっち向いてホイ」(右か左の二択・完全ランダム)に累計100回勝つ、という条件が立ちはだかる。 ---スーパージャンプと違って連続ではなく累計なので、地道にやっていれば必ず達成できるのだが…画面を注視すれば正解を判別できるお手玉ゲームと異なり、完全運任せで右か左かを選ぶだけという内容があまりに地味で単純過ぎるため、極めて退屈かつ強い作業感に襲われる。こんなミニゲームを最低100回(負けた時はカウントされないことを考えるとそれ以上)もやらせる気が知れず、もはや拷問である((しかも、1回ずつ景品はあるのだが、「しなびた」「カビはえ」「くさった」と名の付く、捨てるしか使い道の無いカスキノコが大半。一応「こんぺいとう」と「レッドヨッシーエキス」が極めて稀に貰えるものの、100回やって1個出るかどうかという超低確率。普通の「キノコ」ですら、100回で10個も出ない始末。その上、毎回もらったカスキノコを捨てる(100回やっていれば、必ず途中でアイテムいっぱいになり、捨てなければならなくなる)手間がかかり、非常にわずらわしい。))。せめて半分の50回ならよかったのだが…。 --そのほかには、「特定条件を経て変化・成長する戦闘用アイテム」の成長工程に「バトル中に特定のキャラがこのアイテムを10回使用」という手順が含まれる。これはまだかわいいほうで、~ そのアイテムは更にもう一段成長する余地があるのだが、その手順が「アイテム効果を敵に累計48回命中させる」という膨大なノルマを要求する。なぜ、どれもこれも回数ノルマが多いのか…。 ---- **総評 任天堂の看板作品であるマリオシリーズ初のRPG、そしてRPG作品で著名なスクウェアとのタッグによる制作という事で発売前から大きな注目を浴びていた本作。~ マリオシリーズの特色や個性と、スクウェアならではのRPG作品におけるノウハウやテイストを上手く融合した出来栄えに仕上がっており、結果として後のマリオシリーズ本編における世界観やキャラクターの作風や、後のマリオRPGシリーズの礎ともなった。~ アクションゲームである原作を活かしたシステムはもちろん、王道RPGの構図に収まらない意表を突いたシナリオ展開の評価も高く、いつもとちょっぴり変わったマリオの冒険というテイストは本作独自とも言える。 後のマリオRPGシリーズの原点とも言える本作をプレイしていなかった方は、ぜひとも触れてみて欲しい。~ CMでも歌われているように、&bold(){「RPGやったことない人もOK、やり尽くした人も満足させる」}マリオ作品である。 ---- **余談 //内容が雑多なのである程度分類。 ''ゲーム内の小ネタ'' -どうやら、ルイージを「公式で影が薄い存在」とネタにする傾向はこの頃から既に存在していた模様。 --本編で一切出番は無く、スタッフクレジットのカーニバルにてここぞとばかりに指揮者としてトップバッターを飾る。まぁ要するに''画面には数秒しか映らず、速攻でフェードアウトする''。ちなみに以降のペーパーマリオシリーズのエンディングでもほぼ同じ役回りで登場する。 --一応、本編中に登場人物達の願い事が集まる場所が登場し、そこで願い主の名は明かされないものの明らかにルイージの物だとわかる願い事も発見できる。その願い事の内容が''「兄さんの役に立ちたい」''という、本作での彼の扱いを考えるとちょっと切ないものなのだが。 --他にもマロの「なにかんがえてるの」で彼の存在を気にかけてる敵が居たり、クイズの選択肢に名前が登場したりもする。さらには終盤でマリオが銅像に変装した際、付けられた作品名が''「弟をたずねて四千里」''だったり。 ---と、本作をROM単体でしか所持していなかった人は、ここまでしか分からないだろう。実はこれらのイジり、まだまだ序の口なのである。 --本作におけるルイージイジりの真骨頂は''取扱説明書''。何故か本作の取説内では、ここぞとばかりに意味も無く彼が進行役を務めているのだ。 ---''絵がどう見てもスーパーマリオワールドの取説の使いまわし''な辺り、ネタ方面への徹底っぷりがうかがえる。 ---「やあ元気かい! どうやらまた、マリオが冒険の旅に出るらしいんだ。''ボクは出ないけど、''カゲで応援してるからね!」という発言が哀愁を漂わせる。さらにその説明書でも出番は前半部分のみ。後半は登場すら無くなっている。&br;この説明書は2017年10月5日より「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の発売に合わせてサイト上で公開されている([[参照>https://www.nintendo.co.jp/clvs/manuals/ja/index.html]]) -マリオのスペシャル技「スーパージャンプ」について --開発当初は最大255回連続でジャンプ可能になっていたが、その仕様では殆どのボスをこの技だけで圧倒してしまう為、バランス調整で最大100回になったという経緯を持つ。この上限について言及するNPCもいる。 --また、同様の目押しコマンドの「ウルトラジャンプ」も最大100回まで攻撃可能。 --なお、類似した性質の「キラキラおとし」は最大16回までである。 -マリオのスペシャル技「ジャンプ」の成長要素 --LV1から習得済の消費FP3のマリオの基本技「ジャンプ」。先述のスーパージャンプやウルトラジャンプに威力面では見劣りするように見えるが、密かにこの技だけ''使い込むほどに威力が成長する''という隠し熟練度システムが備わっている。 --具体的には、「2回使うごとに"まほうのつよさ"が1ずつ上昇」していく。ゲーム開始時のつよさは25と低いが、最大で250回使用でのつよさ150まで上昇し、破格の性能へと変貌するポテンシャルを秘める。 --前述の「ジャンパースカーフ」の【きゅうきょくのジャンプとは「ジャンプ」なり】という説明文が、この仕様をそれとなく仄めかすヒントとなっている。 //-スターの宝箱を叩く瞬間にメニューを開いてキャラクターを入れ替えてフィールドで敵を倒してレベルアップすると、レベルアップ時のステータスアップや習得技に入れ替え前にいた位置のキャラクターのものが適用されてしまい、本来覚えられない技を覚えられるというバグがある。([[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=4Ye9Lrwzv9w]]) //--例えばマロはLv10で「かみなりドッカン」を習得するようになっているが、ジーノがLv9の状態でスターを取る前にマロをパーティ2番目に配置し、スターを取った瞬間にジーノを2番目に入れ替えてスターで敵を倒しジーノをレベルアップさせると、スター終了時に本来ジーノのレベルアップ画面でマロの姿が登場し''ジーノが「かみなりドッカン」を習得できる''。 //--入れ替えを利用するため、1番目から動かせないマリオが仲間の技を覚えたり、逆に仲間がマリオの技を覚えることはできない。また、初期習得技(ピーチの「みんなげんきになあれ」等)や、入れ替え後キャラクターの初期Lvを下回るLvで覚える技(マロがLv6で習得の「なにかんがえてるの」等)も覚えさせられない。 //--ステータスアップも入れ替え前のキャラクターのテーブルが適用されるため、場合によっては正規のステータスよりも高い成長値を適用させることもできる。 -特定の手順を踏むと、ほかのパーティメンバーの技をレベルアップで習得できてしまう(ジーノがマロ専用の「かみなりドッカン」を習得するなど)というバグ技が存在する。([[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=4Ye9Lrwzv9w]]) //攻略サイトではないので、具体的に書く必要はない ''任天堂とスクウェアの関係'' -スクウェア側は実際に開発に取り掛かる前、「マントを着て剣を持ち、馬に乗ったマリオ」を本作のイメージイラストとして提示していた。 --「スクウェアがマリオに剣や斧などの武器や盾を持たせようとした結果、宮本茂が激怒した」との噂が流れたが、別に激怒したというほどでもなく、実際にはそのイラストに対して「マリオが武器を持つならハンマー」と進言した程度のやり取りである。([[外部リンク>https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ag5j/vol1/index.html]]) -この作品で二大ビッグメーカーとして夢の競演を果たしたスクウェアと任天堂であったが、本作発売の頃から両社の関係が険悪になり始めた。 --本作を皮切りに両社の間にちょっと冷めた空気が流れ始めたといわれているが(マリオのイメージのちょっとしたやり取りが誇張され穏やかならぬ噂になったのも、この軋轢が影響している可能性もある)、その直接のきっかけは本作ではなく、発売後間も無くスクウェアが『[[ファイナルファンタジーVII]]』をPSで発売することを発表し、移籍の際に''N64をこき下ろしたこと''であった((日本国内ではN64が不振だったことも影響していると思われる。余談だが、スクウェアと合併する前のエニックスはN64用ソフトを2本発売していた。))。 //企業関連事項として6行以下に整理する事が求められています。相談は良作専用意見箱スレまで。 //https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1491648404/l50 //-この作品で二大ビッグメーカーとして夢の競演を果たした2社であったが、本作を皮切りに両社の間にちょっと冷めた空気が流れ始めたといわれている(上述のちょっとしたやり取りが誇張され穏やかならぬ噂になったのも、この軋轢が影響している可能性もある)。 //#region(スクウェアと任天堂) //-本作でのロイヤリティー問題、任天堂とスクウェアのゲームの考えの対立、なども原因と噂されたが、実際に大きな要因となったのは、やはり本作販売後間も無く『[[ファイナルファンタジーVII]]』をPSで発売することを発表したため。 //--それ自体については任天堂は「''機種の選択なら仕方ない''」と言っており、そこまで反感は持たなかった((実際、『ドラゴンクエストVII』をPSに移籍させたエニックスは、その後も任天堂と友好な関係を保ち続けている))。ところが移籍の際にスクウェアが''N64をこき下ろしたこと''が原因で関係が一気に悪化。 //---結果、スクウェアが任天堂ハードでソフトを出すのはGBAの『[[チョコボランド>ダイスDEチョコボ]]』まで6年以上、新作ではGCの『[[ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]]』まで8年間を要する事になった。 //-この間の両社の関係を示す逸話は数多い。 //--当時の任天堂の社長山内溥氏が激怒し、「スクウェア関係者にはうち(任天堂本社)の敷居をまたがせない」の厳命を発動、それが徹底されていたという。 //--スクウェア出資のデジキューブは任天堂系列の製品を下ろして貰えず、結果としてデジキューブでは一切任天堂関係のソフトを取り扱えなくなってしまった。株主総会の際、事業が不調だったことに不満を持った株主に「任天堂に土下座してでも取り扱いできるよう頼め」と言われた際も、「''土下座で済むならいくらでも土下座する(≒もはや、土下座で済むような問題ではなくなった)''」と返したほどである。 //---最終的にはスクウェア側が任天堂に歩み寄る形に落ち着いたが、その頃既にスクウェアは合併によってスクウェア・エニックスとなり、両社の社長も和田氏と岩田氏に変わっていたため、「スクウェアソフト」と任天堂の関係が解消する事は無かったと言える。 //--2002年に任天堂の代表が山内溥氏から岩田氏に変わったことでスクエアの態度が急速に軟化し、同年に『[[チョコボランド>ダイスDEチョコボ]]』がGBAソフトとして発売され、およそ6年間の確執が終結した。またその2年後にGCソフトとして看板ソフトであるファイナルファンタジーシリーズの『[[ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]]』が発表された。 //---その後、任天堂とスクウェア・エニックスとのタッグで『マリオバスケ3on3』が発売され、マリオとFFキャラの競演が実現した。そしてさらに先、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』で、他ならぬFFVIIの主人公がついにDLCとしてゲスト参戦することになる。 //-この事件と密接な関係があるソフト会社としてアルファドリームがある。マリオRPGに関わったスタッフが中心となってスクウェアから独立したソフト会社である。 //-社名は「ファイナルファンタジー(最後の幻想)」から連想して「アルファドリーム(始まりの夢)」と付けられたとのこと。同社の取締役開発部長の藤岡千尋氏はマリオRPGのディレクターでもあった。 //--2001年に創立され、和解する2002年までこの会社が任天堂とスクウェアの橋渡し役として機能していた。一作目の『[[マリオストーリー]]』ではこの会社に所属していないスクウェアスタッフも開発に携わっている。 //--もしこの会社がなかったら、マリオシリーズのRPGの発展はおろか社長交代からのスピード和解すらなく、未だに確執が続いていたかもしれない。 //#endregion -本作と同じくスクエニと任天堂のコラボ作品である『[[いただきストリートDS]]』では、本作のキノコ城BGM「Hello, Happy Kingdom」がピーチ城のBGMとして再登場している。 -実は最初に任天堂とスクウェアが共同開発した作品は本作ではなく、1987年発売のFCDSソフト『[[アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール]]』だったりする。 ''その後の展開'' -任天堂は本作以降、クッパやピーチ姫のキャラクターを意図的・積極的に色付けしていくようになった。 -本作以降、RPGジャンルのマリオが多数生まれシリーズ化していくが、原点である本作により近い形となる続編・直系シリーズ作はない。 --当初は本作の続編『スーパーマリオRPG2』が発売予定だったが、最終的に『[[マリオストーリー]]』へとタイトルが変更され、ペラペラなマリオを主題にした新たな作風に転換した([[参考:当時の開発中告知>https://web.archive.org/web/20190508035453/https://www.nintendo.co.jp/event/spacew99/sokuho/28/soft/mariorpg/index.html]])。なお名残として本作のオマージュも見受けられる。こちらは海外版タイトルが『Paper Mario』であることもあり、後に「ペーパーマリオシリーズ」として独自の路線を進んでいる。 ---とはいえ「アクションコマンド」や「アクションで探索、戦闘はターン制RPG」という要素が、以後のマリオシリーズのRPG系作品全てに引き継がれている事を考えると、本作はRPG系列のマリオ作品全ての原点であり、ペーパーマリオシリーズと下記『マリオ&ルイージRPG』シリーズがその直系続編であるとも言える。 -本作のパーティメンバーである「ジーノ」は、後の『[[マリオ&ルイージRPG]]』に(ちょい役だが)ゲスト出演している((オリジナルキャラの版権はスクウェア側にあるため、スタッフロールではスクウェア・エニックスの版権も記載されている))。マリルイシリーズは本作を手がけたスタッフが在籍していたアルファドリーム制作であり、音楽も下村陽子が引き続き担当している。 --『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』では、スクエニ出身のクラウドが参戦すると同時にMiiコスチュームとして「ジーノのぼうし+ジーノのふく」が配信され、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』においても、セフィロスと同時に同じくMiiコスチュームとして配信された。 --残念ながら2017年に3DSで発売されたリメイク版『[[マリオ&ルイージRPG1 DX>マリオ&ルイージRPG#id_8d98141f]]』では版権の事情か、ジーノの出番が削除されている。 --当時スクウェアに所属し、本作の開発に参加していたスタッフの一部が後に独立。ラブデリック社を設立して『[[moon]]』を発売している。その縁で『moon』にはジーノのセルフパロディキャラクター「ノージ」が出演している。 -2023年6月21日のニンテンドーダイレクトにて、Nintendo Switch用ソフトとして本作のリメイク版が発表。2023年11月17日に発売された。詳細は下記にて。 ''その他'' -「ばくれつカブトムシ」は、ファンによって非公式の携帯アプリやブラウザゲームが製作されている。 -本作のBGMの「森のキノコにご用心」には海外のファンによって歌詞(勿論非公式)が付けられ、実際に歌唱されている。 --それだけなら特筆すべき情報ではないのだが、ある人物によってこの歌唱に映画『メトロポリス』の1シーンの映像を組み合わせたFlash動画が製作され、その異様な中毒性から一時期密かなブームとなっていたのである。 ---作曲者もファン経由でこの動画の存在を知っているようだが「[[ノーコメントとさせて下さい…>http://blog.livedoor.jp/midiplex/archives/20173742.html]]」との事。そりゃそうだ。 ---このFlashの歌詞の空耳から「VIP先生」と呼ばれる事もあるのだとか。 -コロコロコミックで連載されている漫画『スーパーマリオくん』では1996年に『スーパーマリオRPG』編が開始されたが、実質打ち切りのような終わり方で短期終了となってしまい、早々に『[[スーパーマリオ64]]』編へバトンタッチしてしまった。任天堂とスクウェアの確執が原因とする声もあるが、真相は明かされていない。 --同時期には小学三年生・小学四年生にも連載が行われたが、後者は連載3回目で突然最終回となり、同誌における『マリオくん』自体の連載も終了してしまった。 ---なお三年生版は5回にわたって連載され、ラスボスとの決着もきちんと描かれている。 --単行本14巻の次巻予告では、「新たな冒険の予感!?」の文字と共にマロが描かれており、次巻からこの『スーパーマリオRPG』のお話が収録される予定だったと思われる。しかし、何らかの事情で単行本15巻では該当話を丸々スキップする形で『スーパーマリオ64』のお話が開始されている。 ---マロが描かれていた箇所は増版時に「はねマリオ」に差し替えられている。 --その後も本シリーズは単行本収録されず、少し後の単行本内でも諸事情で収録できない旨が書かれており、長らく幻の作品となっていた。 --しかし掲載から19年後、『スーパーマリオくん』の連載25周年・50巻記念として、50巻から51巻にかけて収録された。 -『[[マリオのスーパーピクロス]]』以降の任天堂作品同様本作も「スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券」が同梱されている。~ CMでは甲高い声で合唱するパックンフラワーが、その声でコレについても触れるので、このクーポン券は本作のイメージが一番強いものになった((現在でもネット上でこれに纏わる記事のイラストはCMの「歌うパックンフラワー」が多く使われている。))。 --これは前々年末発売された次世代32bit機プレイステーション、セガサターンの普及が急速に進み、任天堂の次世代機64発売(1996年6月)までの間、少しでもスーパーファミコンのシェアを延命するための苦肉の策((この戦略に関わるものとして他に1995年4月、TVCMで「宇宙からゲームが降ってくる」とアピールした『サテラビュー』もあったが、これは当時殆ど普及していなかった。衛星放送環境が必須なことから存在は知られていたがプレイヤーレベルの年齢層で購入意欲はあっても入手できなかったという例も多い。))だったが、この時点でスーパーファミコン自体が充分普及していたことと、そもそもそのソフトを買う時点でスーパーファミコンを持っていないという層など限りなくゼロに近いため、2つ目の本体など不要も同然なので実質意味のないものだった。 ---また有効期限を過ぎた1996年6月には、それを更に上回る値下げが行われたため、名実ともに意味のないものになった。 --また「合唱するパックンフラワー」は2023年に発売された『[[スーパーマリオブラザーズ ワンダー]]』に登場した。本作と直接かかわりがあるわけではないが、このCMを思い出したSFC版プレイヤーは多いだろう。 ---- *スーパーマリオRPG (Switch) 【すーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0C8YDV6Y8)| |対応機種|Nintendo Switch|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()アルテピアッツァ|~| |発売日|2023年11月17日|~| |定価|5,980円(税別)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|&bold(){多くのファンが待ち望んだ正統派リメイク}&br()「3人わざ」などの追加で更に遊びやすくなった&br()クリア後のやりこみ要素が少々物足りない|~| ---- **概要(Switch) シリーズ初のRPGとして高い評価を得たSFC版『スーパーマリオRPG』の27年越しのリメイク作品。~ Switch版『[[ゼルダの伝説 夢をみる島>ゼルダの伝説 夢をみる島 (Switch)]]』などと同様、2019年以降に散見される忠実なリメイクとなり、基本的なシナリオやグラフィックはSFC版を踏襲しつつ、Switchに合わせた仕様の改善や、快適に遊べるような追加要素を多数盛り込んでいる。 共同開発のアルテピアッツァは[[ドラゴンクエストシリーズ]]の移植などを数多く手掛けている会社である。 //リメイク元の表記が「SFC版」と「原作」で混在していたので「SFC版」に統一しました。追記する場合は注意してください。 ---- **SFC版からの追加・変更点(Switch) -新規難易度「エンジョイモード」 --いわゆるイージーモードに相当し、敵のHP減少、獲得経験値増加、一度に持てるアイテム総数の増加といった支援効果を受けられる。 --従来通りのノーマルモードもあり、設定からいつでも変更できる。なお、逆に難易度が上がるモードは追加されていない。 -アイテムに関する仕様変更 --SFC版ではアイテムを29枠しか持てず、30個目のアイテムを拾った際は手持ちのアイテムをどれかひとつ破棄しなければならなかったが、~ Switch版では同種のアイテムは一纏めに束ねるようになったうえ、全ての消費アイテムを所持制限まで同時に抱えて冒険することが可能になり、大量の物資を気兼ねなく持ち歩けるようになった。 --それでも所持制限を超えたアイテムも破棄されることなく、マリオの家に追加された「預かりボックス」へ自動的に送られる((預かりボックス内にも1アイテムごとに制限があり、それを超えたアイテムは破棄される。))。 ---ただし消費アイテムの所持制限数は、アイテムそれぞれで異なる値が設定されており、ノーマルモードでは強力なアイテムほど制限が厳しい傾向にある。 ---例えば、完全蘇生アイテム「ふっかつドリンク」はノーマルモードでは所持制限6個、「ケロケロドリンク」は制限3個と、大きく制限をかけられた形になっている。 --一品物の装備品やFPを増やすアイテム全般が売却不可になった。 ---SFC版では通常のアイテム欄に入っていた一部イベント用アイテムも「だいじなもの」の欄に移動している。 --SFC版では終盤入手のため微妙に活かしにくかった「おしらせリング」が序盤入手に変更され、本来SFC版で手に入るはずだった場所では更に上位互換の装備が入手できるようになった。 --ノーマルモードの場合、SFC版で非常に強力だった「セーフティーリング」「ひまんパタこうら」「スーパージャンパー」の一部性能が弱体化(属性攻撃完全無効→ダメージ7割軽減)されている。エンジョイモードでは原作通り無効化性能のまま。 -移動時の回復行動の時短化 --非戦闘時にHPやFPを回復したい場合、SFC版ではまずメニュー画面を開いてからアイテム欄やスペシャルわざ欄を開くひと手間を要していたところ、~ Switch版の場合、Xボタンひとつで消費アイテム選択欄が、Yボタンで回復スペシャルわざ選択欄が即座に開き、回復行動が時短化された。 -戦闘中のメンバー入れ替え --仲間が4人以上いる場合、戦闘中にマリオ以外のパーティメンバーを控えのキャラクターと交代できるようになった。マリオ以外が状態異常による行動不能や戦闘不能になった場合も即座に控えと入れ替えることが可能。 ---ふっかつドリンクやピーチの「おねがいカムバック」は控えにいる戦闘不能のキャラには使えないので、戦闘不能状態の控えを前線に出せるようにもなっている。 --交代したキャラクターはその時点で行動ができる。 -3人わざ --パーティの3人で力を合わせ、強力な攻撃や補助効果のあるわざを使える。使用するには画面左下にある「アクションゲージ」を100%まで貯める必要があり、アクションコマンドを成功させることで徐々に溜まっていく。 --わざの効果や演出はマリオ以外のメンバー構成によって全く別のものに変化する(全6種類)。発動中のムービーは少々長いが、スキップ可能。 --初めて仲間が3人揃うユミンパ戦にて解禁される。SFC版からあるシステムを上手く活用した解禁となっており、違和感なく導入されている。 --仲間が3人揃うまでや誰かが行動不能になっている時は、ランダムで何らかの効果をもたらす「おたすけキノピオ」が代わりに使用可能。 -チェイン --攻撃・防御共にアクションコマンドを連続で成功させ続けると、画面左の「チェイン」カウントが増加していき、表に出ている仲間キャラの「なかまボーナス」に設定されたステータス上昇ボーナスが仲間全員に発生する。 --このボーナスは5チェイン以上で上昇量が最大になり、バトル終了を挟んでも現状のチェイン数は維持される。しかし、アクションコマンドを一度でも失敗してしまうとチェインは途切れ、またゼロからのカウントとなる。 ---「なかまボーナス」は仲間一人一人に異なる効能が設定されている。例えばマロは「魔法攻撃アップ」のボーナスを備えており、チェイン時にマロを表に出すだけで味方全員のスペシャルわざ威力が強化される。 --なお、固定となるマリオは「ゲージ増加量アップ」のボーナスを備えており、アクションコマンドを成功させるほどゲージが貯まりやすくなる。 -通常攻撃の強化 --通常攻撃のアクションコマンドを完璧なタイミングで成功させた時、対象以外の敵全員にも少量のダメージを与えられるようになった。 --また、ジャストガードの際もシールドのエフェクトが新たに追加されている。 -強化再戦ボス --ストーリークリア後に更に手強くなった一部のボスたちとの再戦が可能。いずれのボスもラスボスを凌駕する戦闘力を誇る高難度コンテンツとなっている。 --倒すとSwitch版オリジナルの追加装備品等が入手できる。 -「ちず」に新機能追加 --ワールドマップの全景と現在地を表示するだけの機能しかなかった「ちず」に、Switch版では新たにファストトラベル機能が追加された。 --ワールドマップを介さず町から町へ即座に移動できるのは勿論、この機能は''ダンジョンの中から町へ直接帰還する''緊急脱出手段にも使える。 --更に一部ダンジョンには、複数のアクセスポイントが設けられている場合がある。 ---例えば「ちず」で「ちんぼつ船」を選ぶと、最奥を一度でも訪れていれば「ちんぼつ船 入口」の他に「かいぞくのアジト」の選択肢が追加され、即座に最奥部に飛ぶことが可能。 -モンスターリスト --倒したことのあるモンスターの情報が記録されていく図鑑。HPや取得経験値、弱点等の情報はもちろんのこと、メタ発言やパロディなど良くも悪くもネタ要素全開の書き下ろしの解説文や「なにかんがえてるの」の内容も見返すことができる。 ---ただし「なにかんがえてるの」の内容はただバトルで倒すだけでは記載されず、実際にバトル中に心を覗く必要がある。 --ボス敵などの調査を忘れた場合は、イガ谷の谷間に隠れている謎の人物にカエルコインを払えば未登録の敵の中からランダムでリストへ記載してくれる。冒頭のクッパなど、マロ加入以前にしか戦えない敵は無料で記載してくれる。 --ブッキーやドドなど「状況によっては戦うことになる敵」は、戦わなかった場合でもイベントが終わると自動的に記録される。よって一度のプレイで記録漏れが発生することはない。 -きょうてき --エンカウントする敵のうち1体がたまに強化個体の「きょうてき」に変化することがある。~ 通常個体から各ステータスが大きく強化され危険度が高いうえに、モンスター選択時に「きょうてき」と表示される以外に外見の変化も無い。 --倒せば確定でカエルコインが手に入るほか、獲得経験値やコインも通常個体より多くなっている。 -たびのアルバム --いわゆるあらすじ機能。ストーリー中の一部シーンが日記のように書き綴られている。 --ゲストキャラであるリンクやサムスとの遭遇など、ストーリーとは関係のないミニイベントの一部も記録される。 --期間限定のシーンは存在しないが、コンプリートしても特に報酬などはない。 -プレイきろく --全体の記録、バトルの記録、ミニゲームの記録、カジノの記録が確認可能。クリア後に解禁。 -BGM関連 --BGMがハードの音源に合わせてアレンジされた。 ---概ね『[[マリオ&ルイージRPG DX>マリオ&ルイージRPG#id_8d98141f]]』および『[[同3DX>マリオ&ルイージRPG3!!!#id_b0ad4b4f]]』に近い路線で、忠実なアレンジといった方向性となっている。勿論作曲を担当したのはSFC版同様、下村陽子氏である。 --''SFC版のBGMも全収録''されており、設定でSwitch版とSFC版のBGMをいつでも切り替えて冒険することが可能。ただしムービーに関しては演出上Switch版のBGMで固定となることに注意。 -サウンドプレイヤー --ゲーム内で流れたBGMをじっくり堪能できる。クリア後に解禁。 --もちろんSFC版のBGMもすべて聴くことができる。切り替えは簡単なので、Swtich版との聴き比べをするのも一興。 -オートセーブ搭載 --プレイ中に時々プレイ内容が自動でセーブされるようになった。 --セーブブロック自体は残されており、オートセーブデータは通常のセーブデータとは別枠で保存される。 --なお、SFC版ではセーブデータの枠が4つ設けられていたが、Switch版ではそのうち一つがオートセーブデータ専用の枠として割り当てられている。 -カジノのミニゲーム変更 --SFC版の「ブラックジャック」から、指定されたキャラクターのカードを当て、景品としてアイテムが貰える「リメンバーゲーム」に変更された。 --SFC版のブラックジャックにおけるカエルコインを賭けるという行為が、海外のレーティングに引っかかってしまうための変更だと思われる。 -一部の表現変更 --テキストは概ねSFC版に忠実で当時の小ネタもしっかり入れられているが、一部のセリフ・演出が変更されている。 #region(変更内容の詳細) -「なにかんがえてるの」の一部のテキストが変更。ビッグボムの「火、付いてます((恐らく放火を連想させるのでNGになったと思われる。))」→「ばくはつします」、ズドンの「のむ、うつ、かう((「酒、博打、女遊び」を意味する。))」→「だまって うつ」に変わっている。 --マメクリボーのものも一部分が削除。SFC版のファンから良くも悪くも話題にされていたテキストであり、変更されることも予測はされていたが、オリジナルを極力残した点に驚く声も見られた。 -スペシャル技発動時にトランプのスート+星マークが浮かぶ演出が全て省略された。各キャラクターとスート(いわゆるマークのこと)の関連性が薄いためと思われる。 -敵専用技である炎魔法「コロナ」が「フレア」に名称変更。演出もサーチライトに近いものから太陽熱の拡散のような演出になっている。 --「コロナ」という単語は2020年から数年にかけてパンデミックを起こしたウイルスの名前でもある。発売日ごろには大分収束に向かっていたが、開発時期は先行きが不透明だったための変更と見られる。 ---当時は無関係なコロナビールが風評被害にあったり、あるカードゲームで[[ゴジラ>ゴジラシリーズ]]が使った「コロナビーム」の名称がわざわざ変更されるなど、やや面倒な背景があった。 ---名称変更に伴って演出も変更されたため、収束したからといって気軽に戻せない事情もあったと見られる。 --コロナとフレアはどちらも太陽に関連する用語なので、よりモチーフに基づいた演出に変更されたと言えるのだが、フレアはともかく(太陽に関する)コロナはそれほどメジャーな言葉ではない為、この演出変更には時折りSFC版のファンから疑問の声が挙がることもある。 --一方で元々この技は[[あるゲーム>ファイナルファンタジーシリーズ]]を意識したとある戦闘で敵が使ってくる技でもあったため、「こちらの方が元ネタらしくなった」と好意的に見る向きもある(元ネタでは多くの作品で強力な技として使用されている)。 -クッパとヨッシーのボイスが現行と同じ声優のものに変更された。彼ら以外のキャラクターのボイス追加は一切ない。 -バトル勝利時の各キャラクターのモーションがジーノ以外変更された。 --マリオは帽子を取るポーズ、マロは笑顔でバンザイ、クッパは歌舞伎のようなポーズ、ピーチはガッツポーズへと変更された。 --[[宮本氏による「ピースサインは子供っぽいイメージが残る」とのコメント>https://www.1101.com/nintendo/nin8/nin8_4.htm]]や、SFC日本版のクッパのポーズが海外では侮辱として扱われる地区もある(海外版では変更済み)、などの理由による変更と思われる。変更されたポーズそのものはキャラクターのイメージを損なっていないため、批判意見はほぼ見られない。 --そもそもSFC版は「5人中3人がピースポーズ」という被りっぷりだったので、より個性分けする意味でも有意義な変更といえるだろう。 --一方でスターピースのことを相手に説明する際にもマリオがピースポーズをしていた(「星」の「ピース」というジェスチャー)が、本作ではマリオがジャンプパンチするものになっているため、少々分かりづらくなっている。 -5番目のスターピースの色が青紫からピンクに変更された。おそらく4番目の紫との区別をつけやすくするためと思われる。 #endregion //表現が変わったというだけでまとめて賛否両論点とするのは乱暴なので、記述を移動 -いくつかのバグや意図しない挙動が修正された。 --他のキャラの特殊技を修得するバグ技、スター前にセーブをしてレベル上げをするテクニック、ケンゾール戦をスキップするバグ技等、明らかに意図していないであろうバグ技のいくつかは不可能になった。 --例外的に残されている小ネタも存在する。 ---あるボスに一撃必殺技が効いてしまう仕様は今作も健在。原作ではその意外性から何かとネタにされていたが、今作も同じように戦える。 ---一方、あるボス戦では「難敵にもかかわらず最後に倒した敵のわずかな経験値しか入らない」という明らかなミスがあったのだが(内部データでは異なる経験値が設定されていた)、これも原作のまま残されてしまった。 -その他 --コインの最大所持枚数が999枚から9,999枚に増加した。 --カエルコインの最大所持枚数が99枚から999枚に増加した。 --「なにかんがえてるの」を使用した時、敵の残りHPだけでなく弱点属性や有効な状態異常が一覧で表示されるようになり、実用性が向上している。 --ヨッシーレースのプレイ中、画面右下にボタンを押すタイミングを表示するガイドが追加された。 ---- **評価点(Switch) -オリジナルに忠実なリメイク --セリフやBGM、町のキノピオの配置等、ほぼ全てのストーリー要素がSFC版と同じになっている。当時の小ネタもマニアックな物も含めてしっかり再現されている(さすがにバグはほとんど潰しているが)。 ---「2つ目のスターピース取得後にトイドーに話しかけた時のマリオの反応」「メリー・マリー村の無賃宿泊イベント」など、現在のマリオの作風に合わないゆえに削除が危惧されていたネタもしっかり残されている。 ---前述のとおり変更を免れなかった部分もあるが些末な点のみで、重大な変更点はないと言っていい。 --追加要素や再戦ボスとのやり取りなども、SFC版の雰囲気を崩すようなものはなく、うまく馴染んでいる。 -グラフィックの進化 --キャラや地形もSFC版のスケールを忠実に再現する形で3D化が行われている。 --元々が3Dのプリレンダで描かれたグラフィックだったためか、リファインに伴う違和感も少ない。 --ボスとの初対決時には専用のカメラアングルでの登場演出が入るほか、スターピース入手時や3人わざをはじめとした美麗なムービーも追加されている。 --レベルアップ画面が劇場のステージの上でスポットライトを浴びてポーズ、''横で他の仲間キャラがステップを踏んでくれる''という非常に楽しいモノになった。 ---その演出から「[[新宝島>https://www.youtube.com/watch?v=LIlZCmETvsY]]」「ドリフ大爆笑OP」とも。 -SFC版よりサポートが充実し、初心者でもクリアしやすくなった。 --アクションコマンドを使用する際、ジャストタイミングで「!」マークが出るようになり、コマンドが決めやすくなった((ある程度成功すると「!」マークは表示されなくなるが、失敗すると再び表示されるようになる。))。アクションコマンド無効の技は事前にちゃんと「アクションコマンドむこう!」と表示される。 --戦闘中のメンバー入れ替えの追加により、全滅のリスクが減っただけでなく、パーティメンバーの適切な使い分けも可能となった。マロの「なにかんがえてるの」なども使いやすくなり、「SFC版よりも各メンバーに愛着が湧きやすくなった」という声もある。 --アイテム所持に関する仕様変更も、SFC版では仕様上常にカツカツだったため、嬉しい変更点。 --ファストトラベルも搭載されたことから、移動面での快適性が上昇している。 --SFC版ではいまいちボタンを押すタイミングが掴みづらかったヨッシーレースは、ボタンを押すタイミングを示すガイドが追加されたことで遊びやすくなった。 -取り返しのつかない要素の救済措置が用意された。 --特にSFC版で語り草となっていた「取り逃しやすい隠し宝箱」には手厚い救済措置が用意されている。 ---まず、地形がガッツリ変わっている時点で既プレイ勢は変な笑いが出た事だろう(オリジナルではそもそも地形判定があるだけで足場がなかった)。 ---更に無人だった通路に歩行するキノピオが「踏め」とばかりに2人も追加されている。 ---ついでにおしらせリング入手時のチュートリアル画面もこの宝箱が使われている。 --この他にも、SFC版ではミニゲームに失敗すると入手できなかった「ブッキーのおまもり」や「ドドのはね」にも別の入手方法が用意されている。サムスの登場も期間限定ではなくなった。 --新たに用意されたモンスターリストに関しても、前述したサポート体制が充実しているおかげで取り返しのつかない要素はなく、メンバー入れ替えでマロを起用しやすいこともあって比較的容易に埋められる。 -BGMはSFC版より豪華に、その上SFC版のBGMも選択可能という、SFC版ファンにとっては至れり尽くせりの対応。 --戦闘中のBGMは5チェイン以上になると、楽器が増えるなどの形でアレンジが施されるのも特長。マリオシリーズではおなじみの遊び心も健在である。 -クリア後にシナリオ上で戦った一部ボスとの再戦にすべて勝利すると… #region(ネタバレ注意) -再戦ボス全撃破+裏ボスであるクリスタラーを撃破すると、さらに強力になったクリスタラーと対戦可能になる。 --さらにバチガイ感が増した姿、強化前以上に苛烈な攻撃性能、そして強化前はSFC版と同じだったBGMが改めてリメイクBGMに差し替えられるなど様々な面で強化され、多くのSFC版ファンが感涙にむせんだ。 --この強化クリスタラーは一度倒した後も何度でも再戦が可能。撃破にかかったターンが記録され、やりこみ要素にもなっている。 #endregion ---- **賛否両論点(Switch) -RPG部分の難易度の低下。 --3人わざや入れ替えが追加されたことで戦術の幅が広がったこと自体は好評だが、いくら初心者を意識していたゲームとはいえ元々RPG部分の難易度が低いのに、そこから更にプレイヤー有利の要素ばかり増えた事でますます難易度が下がったという指摘もある。 ---いちおう難化要素として「きょうてき」が追加されており、ここで戦略性を活かす機会にはなっているのだが、ゲーム全体の難易度に影響するほどではない。 --リメイクにて追加された強化ボスに関しても、他のRPGのエンドコンテンツに見られるようなボスとは異なり、原作やJRPGに慣れている人であれば対策・装備をしっかりすることで倒せる難易度である。これもマリオシリーズとしては当然の事だが。 --エンジョイモードが追加された一方、ハードモードに相当するものは追加されておらず、一部の既プレイ勢やRPGに歯ごたえを求める層から不満が出ている。 -SFC版からして難易度が高めとされていたアクション・パズル部分の難易度は上昇している。 --ワイン川くだりは魚のタイミングが分かりづらい上にルートを間違えれば回避不可能な後ろから来る魚が追加されている。 --パタパ隊の崖上りの「パタパタくんしょう」入手までのクリアタイムがなぜか1秒減らされている(SFC版では12秒以内だったのが11秒以内になった)。 --ちくわブロック渡りや終盤のクッパ城のアクションコースは、SFC版では端っこに少し立っていても大丈夫だったのが、本作では端っこに立つと滑るような仕様になっているため、失敗しやすくなった。 --ブッキー坂の「さかみちきょうそう」および「カブト虫キャッチャー」は、「ブッカーが動き出すタイミングが早くなる」「途中で降ってこなくなるようになっていたタルが最後まで降ってくる」「速度の速い赤タルが追加」と大幅に難易度が上昇している。 -SFC版に慣れていると、一部のアクションコマンドに苦戦する。 --3D化でアニメーションが細かくなった故か、それとも単純にSFC版からタイミングがズレているのか、SFC版の感覚でアクションコマンドを決めようとするとミスしやすいものがちらほらある。 --また、一部コマンドの成否がわかりにくくなった技も存在する。 ---一例として「でんげきビリリ」が挙げられる。SFC版ではコマンド成功時にするどい電撃音が追加されていたが、リメイクでは演出がほんの少し長くなるだけで判別困難。それ以外にも技によっては何故かコマンド成功時のSEが省略されている。 --ただ原作と異なり、タイミングが可視化された点は大きな改善点となっている。 -モンスターリストの解説文は、まじめな解説も一応存在するが、「なにかんがえてるの」に代表されるSFC版の良くも悪くも独特なテイストが引き継がれているものが多い。 --この追加テキストによって若干だが設定が深まったキャラクターもおり、この点は好評。 --一方で「なにかんがえてるの」と同じかそれ以上にはっちゃけた内容の文面も多いため、相変わらず人を選ぶ。モンスターの解説を放棄したメタ発言しかない「カリバー(ひだりめ)」はそれが顕著。 -強化ボス以外の追加のやりこみ要素は、上記のモンスターリストやプレイ記録が記録されるようになったことのみ。 --マリオのRPGシリーズのリメイクである『マリルイ1DX』では「クッパ軍団RPG」、『マリルイ3DX』では「クッパJr.RPG」と目玉要素になり得る追加要素が存在しており、多少の難点もあるもののリメイク版における1つの評価点とされてきた。~ それらに比肩する要素がなかった本作には遊び足りなさやボリューム不足を感じる人もいる。もっともこの辺りは本作に限らず、リメイク元の再現を重視したタイプのレトロゲームのリメイクで散見される点ではある。 ---- **問題点(Switch) -SFC版の一部問題点は据え置き。 --装備品のテキストはSFC版そのままであるため、性能に関する説明が相変わらず不足気味。 --隠しアイテムや隠し要素のヒントの無さや、回数系のノルマの多さはそのままになっている。 ---その中でも「ジャンパースカーフ」や「スーパージャンパー」の入手のための「スーパージャンプ」はヒット数が表示されるようになった((「スーパージャンプ」以外にも「ウルトラジャンプ」や「キラキラおとし」も同様。))ため、わかりやすくはなったが難易度は据え置きの苦行であることに変わりはない。 #region(アップデートで改善した問題点) ''Ver.1.0.1で改善'' -いくつかの進行不能バグを修正。 --特にカントリーロードでパタパ隊が出現せず進行できなくなる問題は、公式から[[謝罪と暫定的な対処法の提示が行われた>https://www.nintendo.co.jp/support/information/2023/1122.html]]。 -「なにかんがえてるの」で表示されるメッセージが一部モンスターで入れ替わっていた。 #endregion ---- **総評(Switch) 実に27年ぶりに蘇ったマリオのRPGシリーズの「原点」。~ 多くのファンの想定や願いのとおりSFC版の雰囲気は極力そのままで細かい不満点が解消され、様々な追加要素も違和感なく溶け込んでいる。~ また「3人わざ」やエンジョイモードなどの追加は遊びやすさの向上にもつながり、RPGに慣れていない人でも手軽にバトルを楽しめるようになっている。~ まさしく&bold(){SFC版をやったことない人もOK、やり尽くした人も満足させる}、万人が楽しめるゲームに仕上がっていると言っていいだろう。 //また、前述の任天堂とスクウェア(現スクウェア・エニックス)との間で生じたトラブルや版権の問題により、今まで実現が厳しいとされていた本作がこうして日の目を浴びることができたのは、&bold(){SFC版を遊んだファンの根強い人気と期待}があったからと言っても過言ではない。 //「ファンの手柄」みたいに語るのは厚かましい ---- **余談(Switch) -SFC版にはパッケージにいたヨッシーが、Switch版ではいなくなっている。ほかのキャラと違いパーティメンバーではないばかりかメインシナリオとは関わりのないチョイ役((彼らのいるヨースター島は、シナリオ上一切訪れる必要がない。))であるためと思われる。 -2024年01月25日に公式ガイドブックが発売された。SFC版の設定資料集も兼ねている。 -作曲を務めた下村陽子氏が、本作の楽曲についての解説やSFC版当時の裏話などを2023年12月に[[X(旧Twitter)で発信している>https://twitter.com/search?q=%23%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AARPG%E3%82%A2%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%AC%20from%3Amidiplex&f=live]]。エンディングや裏ボスなどのネタバレも含まれるので、閲覧には注意。

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