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パネルでポン」(2023/07/18 (火) 20:53:30) の最新版変更点

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※この記事ではSFC版『パネルでポン』のほか、海外版およびサテラビュー配信のSFC版『ヨッシーのパネポン』も扱います。 ---- #contents ---- *パネルでポン 【ぱねるでぽん】 |ジャンル|アクションパズル|CENTER:&image(588787_77599_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=588787_77599_front.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=588787_77599_back.jpg]]&br()&image(panepon1.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=panepon1.jpg,width=160)&br()&image(pp.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=pp.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ&br()任天堂|~| |発売日|1995年10月27日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|【SFC/Wii/WiiU】1~2人&br;【3DS】1人|~| |セーブデータ|なし|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※VC版より付与|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年11月27日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2013年5月29日/800円(税5%込)&br;【New3DS】2016年8月9日/823円(税8%込)|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×2・B×0|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|後付けで次々作れる「アクティブ連鎖」&br()豊富なゲームモードと良演出&BGM&br()賛否を呼んだ妖精キャラクター|~| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズ]]''| **概要 1995年、年末前のゲーム閑散期かつプレステVSサターン間の次世代ゲーム機戦争の最中に突如発売されたアクションパズル。 任天堂は1990年の『[[ドクターマリオ]]』からファミコンとゲームボーイへ定期的にパズルゲームをリリースしてきたが、移植を除くと初めてスーパーファミコンに軸足を移し、さらに既存の人気キャラクターに頼らず、独自の新キャラクターを登場させた。~ また上位ハードへの移行に伴い演出の強化やゲームモードの多数追加など相応の向上が図られている。 **ルールと特徴 本作は落ち物パズルに分類されるが、上から降って来るのは対戦時に登場するおじゃまパネルのみ。~ パネルは横一列に6枚、時間経過とともに下から徐々にせり上がってくるが、LボタンまたはRボタンで任意にせり上げることもできる。~ パネルがどこか1か所でも上部の天井に触れ、その状態で暫く経つとゲームオーバー。 -プレイヤーが操作するのは横一列2マスのカーソル。ボタンを押す事で左右のパネルを入れ替えて運ぶ事ができる。同色のパネルを3枚以上縦又は横にそろえる事で消滅する。 --1回の入れ替え動作で4枚以上のパネルを消すと「同時消し」となる。すべて同じ色でなくても4枚以上なら同時消しと判定される。 --消滅したパネルの上部に乗っていたパネルは重力にしたがい落下する。落下後消滅条件が揃っていれば「連鎖」が発生する。 --対戦では同時消しをする・連鎖する・攻撃用の「!」マークパネルを消すことにより相手におじゃまパネルを落下させることができる。 -重要テクニック「アクティブ連鎖」 --パネルの消去中にせり上げ動作はできないが、カーソルの移動やパネルの入れ替え操作は受け付けられており、ほかのパネルを移動させることができる。 --パネルは揃えてから完全に消滅するまでには若干の間がある。その隙に他のパネルを持ってきて連鎖になるよう揃えておき、続けて消えれば連鎖として判定される。このように作った連鎖をアクティブ連鎖という。 -対戦のおじゃまパネルは画面上部から降って来る。隣接するパネルが消滅すると、何かしらの色パネルに「解凍」される。 --おじゃまパネルが解凍して誕生したパネルが落ちる前に、真下のパネルをあらかじめ揃えることによってもアクティブ連鎖が作れる。 --厚いおじゃまパネルでこれを起こした場合には、落下による連鎖とともにおじゃまパネルの解凍が起こり、反撃につなげることができる。これを「おじゃま返し」といい、対戦では非常に重要なテクニックとして扱われる。 -ゲームモードは1人用5モード、2人用2モード。 --1人用のゲームモードは以下のとおり ---エンドレス:ひたすら自分の限界までパネルを消し続ける。99999点でカウンターストップとなり、以降点数は入らない。到達時間は記録されないものの上達の目安になる。 ---スコアアタック:2分間で獲得できる得点を測定する。ベスト5入りでネームエントリー可。 ---ステージクリア:規定ラインまでパネルを消すと面クリアとなるモード。30面+αで構成。パスワードコンティニュー可。 ---パズル:規定入れ替え回数ですべてのパネルを消す。表面60+裏面60構成。こちらもパスワードコンティニュー可。 ---VS:コンピュータと対戦するストーリーモード。HARD以上では終盤の対戦相手が追加され、ストーリーの真相を見ることができる。 --2人用はいずれも対戦用の同時プレイとなる。「スコアアタック」では2分間の得点数の高い方が、「VS」では相手がゲームオーバーになれば勝ち。2セット先取で1ポイント獲得。 --このほか遊び方を説明する「プレーのしかた」、連鎖・同時消し・アクティブ連鎖のテクニックデモを見る「じょうたつへのみち」がある。 -主人公は本作初出の新キャラクター「花の妖精リップ」。舞台は自然を司る妖精と動物たちが住む世界「ポップルス」。 --登場キャラクターはリップのほかに仲間の妖精8人と、敵キャラクターが4人いる。 **評価点 ***システム面 -パネルを左右に運んで並べて消すだけと大変解りやすいシステム。一方で上級者同士の対戦は駆け引きが熱く、プレイヤーを選ばない。 --パネルを持って来て並べるというのがセオリーなので、綿密に連鎖を組むことは必須ではない。 --対戦のおじゃまパネルはパネル消去処理の終了後に上から降ってくる。連鎖を組んでいる途中で連鎖の起点が埋もれて消せなくなる、ということはない。 --あらかじめ連鎖を組んでおくスタイルでも、カーソル操作に任せたスピードスタイルでもよし。特にアクティブ連鎖を極めると熱い対戦になること間違いなし。 -1人用だけでゲームモードが5つあり、それぞれエンディングを用意。モードによっては難易度設定、スペシャルステージや裏面も搭載されているなど、プレイヤーのやる気を煽る構成。 --当時の落ちものパズルでもこれだけゲームモードを揃えた上にエンディングも別となっている作品はあまりない。 --パズルの問題は基礎的な連鎖や同時消しの定型となっているものも多く、他のゲームの上達にも役立つ。 --エンディングの内容について詳しくは後述。 -多数の隠しコマンドや裏技が用意されており、それにより解放される要素の数が豊富。各ゲームのエンディング後には主に難易度上昇などの隠しコマンドが公開される。 #region(非公開の裏技には攻略に役立つものだけでなくお遊び的なものもある。) -1人用のVSデモ、2-8ステージの時にデモをスキップせずX.Yを押し続けると、本来ここでは使えないリップ以外の妖精が使える。腕に自信がないがリップをゲームオーバーにさせずにエンディングを見たい時に使うと便利。 -同様に1人用のVSデモでセレクトを押したまま十字キーを押すとデモ画面内の虹や地面を動かせる。しかもスタッフロールでも有効。当然こちらは攻略には全く役に立たない。 -A・Bボタンを押しながらスタート・セレクトボタン同時押しでリセットができる。エンディング後メニューやタイトル画面に戻れない本作では地味に便利。&bold(){裏技扱いにされているのは謎だが。} --いわゆる「ソフトリセット」であり、SFCの実機でいうリセットボタンを介さずにリセットするもの。これ以外のSFC向けソフトにも一部で採用されていたが、それらの多くはスタート・セレクト・Lボタン・Rボタンの同時押しであり本作のコマンドはやや特殊な例ともいえる。~ なお電源を切らずにリセットできるため、後述のバックアップ機能がないことによるハイスコアや各ゲームモードの進捗初期化を回避可能である。 #endregion() ***演出面 アクションパズルにしてはグラフィックや画面構成のデザイン、BGMなど演出面に凝っており、それらの質も良い。 -ゲームタイトル通り、パネルは消滅時にポンポンと音を立てるのだが、連鎖が続くにつれて音が変化。さらに爆風とファンファーレも派手になっていく。まとめて消した時の爽快感は相当な物。 --パネルは★▲◆などごく平凡な図形が描かれており、天井に近づくと図形が上下に震えだす。そして消滅時には&bold(){なぜか変顔を披露しつつ消えていく}。 --このパネルの変顔化についての設定説明はとくにない。パネルってもしかして、生き物…? -ゲーム画面の背景、BGM、連鎖・同時消し時のボイス、パネル消去時の爆風、おじゃまパネルの柄は原則としてキャラクターごと個別に用意されている。 --VSを除く1人用ゲームでは6人の妖精それぞれの世界をモチーフとした背景とBGMでプレイする。 ---左側にはディフォルメ頭身の妖精がおり、まばたきは当然のこと、連鎖・同時消しのボイスに合わせて口パクする。 ---右にいるマスコットの動物は飛び跳ねる、羽ばたくなど様々な動きを見せる。大連鎖や大量の同時消しをするとアクションも派手になっていく。 --VSも各キャラクターの世界をモチーフにした背景とBGMの組み合わせとなっている。 ---各プレイヤーのゲームフィールドにはポーズを決めたキャラクターが大きく描かれており見栄えがいい。 ---2人分のゲームフィールドがあるぶん、周囲の背景はスケールダウン感はあるものの、各種オブジェクトがアニメーションするなど、細部に抜かりはない。 ---フィールド背景のキャラクターはアニメーションしないが、画面中央上部にはドット絵のちびキャラがおり、こちらは攻撃や勝敗などでさまざまなアクションを起こす。 ---さらに勝つと実体化し飛び跳ね続ける獲得セットの勝ち星、キャラごとに異なる時間表示部の模様アニメーション、1人用VSでステージ9以降の敵キャラに負けると自キャラの負け台詞が表示されるなど、さりげなく凝った演出やデザインが多い。 -ゲームモードごとに演出とBGMの異なるエンディングを用意。全ゲームモードを制覇する楽しみがある。 --「エンドレス」「スコアアタック」ではゲームオーバー時の獲得点数で結果発表時およびエンディングのBGMが変わる。 ---これらはゲームオーバー後画面は遷移せず、ゲームフィールド内で結果発表やスタッフロールの表示が行われる。つまり、ゲーム開始時に選択したキャラクターの背景でエンディングを見ることになる。 --「ステージクリア」「パズル」「VS」ではクリア後、それぞれグラフィック・BGM・スタッフロールなどの演出が異なるエンディングを見ることができる。 --さらに「VS」では難易度やリップの負けの有無でストーリーの進行が変わる。 ---EASY、NORMALでは途中終了し、ストーリーが最後まで完結するのはHARDから。 ---EASYはステージ10で途中終了する所詮練習モード。クリアするとリップがより難しいモードでプレイするよう勧めてくる。 #region(この画面で放置すると…) リップが「&bold(){ウラワザなんてないわよ!}」とか「&bold(){はやくぅ リセットをおして!}」とかメタ台詞を言い出す。主人公がここまで言うゲームも珍しいだろう。 #endregion() --スタッフロールは各ゲームモードごと文字の現れ方や、スタッフ名の日本語表記が変えられている。 ---漢字で上下左右から出てきたり、あるいはかな表記だけで下から上へ流れていく物だったり、という具合。 -豊富で良質なBGM。 --パズルゲームにしては収録曲数が多い。曲数が多いにもかかわらず質のムラもなく、場面やキャラクターイメージに合致している。そのためプレイヤーからの評価は高い。 ---ゲーム中はキャラクターごと固有のBGMがあり、パネルがせり上がったピンチ時にも曲が変わる。 ---エンディング曲の多くは癒し系。これらの曲を聴きたいために何度もクリアした人も多いのでは。 ---一方、エンドレスでカウンターストップになった時のエンディング曲はやたらゴージャスで達成感もひとしお。 ---VSのゲームオーバー画面はリップの曲のオルゴール風アレンジ。これだけかと思ったら風の妖精ウィンディ、水の妖精エリアスの曲をアレンジした曲もある。 //価格自体はゲームそのものの評価には関わらないのでCO。セーブ機能がないことで生じた問題点での記述の方に記述を簡素化して移動しておく。 //-当時のSFCソフトは1万円前後が当たり前だったが、ROM容量を抑えバックアップ機能を省くことで5800円と良心的な値段で発売された。 //--1か月前発売の『[[マリオのスーパーピクロス]]』は同じROM容量にバックアップ機能付きで7900円。単純な比較ではないものの、バックアップ機能の有無・同一メーカー・同一時期の製品で2100円もの差がある。 //--ただしセーブ機能がないことで発生した後述の不便な点もある。 **賛否両論点 -『&bold(){魔女っ子もの}』という、これまでの任天堂には類を見ない女子向け色の強い登場キャラクターや世界観。~ ポップでかわいいキャラクター自体は任天堂の得意とするところではあるが、コンセプトやデザイン面からするとやはり異色。 //女児・女性向けを志向することそのものが任天堂らしくないと断じるのもなんか違うと思うので修正。 --当時のゲーム誌でも賛否抜きに「&bold(){任天堂らしくない}」とか「&bold(){任天堂どうした?}」とかさんざん言われた。 --スタッフによると女性・子供受けを狙ったのとマリオファミリー頼みからの脱却を狙いあえてこのキャラクターを採用した、とのこと。 ---しかし、子供とはいえ男の子や大人の男性が手に取るにはやはり抵抗感を持たれ易いのは否めず、いわゆる『萌えキャラ』に否定的な層からもマイナス評価を受け易い。気恥ずかしさから対人戦では女子キャラを使わない、という男子プレイヤーもいたようだ。世界観やキャラクターを男子向けにした続編なども出なかった。 //↑これはヨッシーやポケモンが担ったと思うんだけど違うかな?意図を汲んでなかったらごめんなさい。 //女児向けのオリジナルキャラによって成立した本作に対して、男児向けのオリジナルキャラで出されなかったってことでしょ。 ---『[[ぷよぷよ]]』や『[[マジカルドロップ]]』はキャラクターやストーリーをはじめ作品全体に漂うコミカルなノリが持ち味としていたが、本作のキャラクターの性格は軽くなく、ストーリーもいたって大真面目。ギャグ要員は強いて言えば魔王くらいで、さらに味方キャラクターは全員少女と女子キャラ比率は高い。これも男子がとっつきにくい原因かもしれない。 --多くの女子には抵抗なく受け入れられたようで「かわいい」「キャラクターが好き」と評するプレイヤーも多い。実際後述の『ヨッシーのパネポン』はキャラクターがヨッシーになってガッカリという声もある。 ---当時放送されたテレビ番組「スーパーマリオスタジアム」にてクリスマスプレゼントに欲しいソフトのアンケートを問題として出した際に「キャラクターがかわいいから」と本作を挙げた女児がいた。 ---パズルゲームの例に漏れず「母親が夢中になっていた」といった報告も見受けられる。ゲームに触れるきっかけとしてこのキャラデザも十分貢献したことだろう。 -キャラクターによる性能差がない。 --前述のとおりこのゲームではキャラクターごと固有の背景とBGM、攻撃ボイスがあり、演出面でははっきり差別化が図られている。性能差を設けなかったのは単純に好みで選んで欲しいとの理由かららしい。 |CENTER:&image(panepon2.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1853/panepon2.jpg,height=160)任天堂っぽくない? 主人公リップ|CENTER:&image(panepon3.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1854/panepon3.jpg,height=160)…とその仲間たち| -少々シビアなストーリー展開 #region((ネタバレ注意)ストーリーは「突如現れた魔物に妖精達が洗脳され、唯一無事だった花の妖精リップが妖精達の洗脳を解き、魔物を退治する」という物なのだが……) -実は魔物達はリップの母親、妖精の女王様(前述の女神)が作り出した物で、新しい世界の妖精女王を決めるという物だった。 --しかし、魔物戦で敗北した仲間の妖精達が復活している様子は無く、魔物戦を全てリップ以外の妖精で戦い抜いても選出される女王はリップという被害多き出来レースエンディング。それまで妖精達の解放に尽力し、成し遂げたのは紛れもなくリップ自身の実力ではあるのだが…。 --リップが一度でもコンティニューすると「まだまだ未熟」と女王の座を辞退する。ハードでノーコンクリアだと円満終了。しかしベリーハードでノーコンクリアすると本性(?)が…。 ---あまりにもぶっ飛んだこちらの結末は、ファンの間では&bold(){出来レース疑惑とともにネタ要素として受け取られている}。 //ストーリーは短所なのか疑問なので、とりあえずコメントアウトします。ブラック要素は確かにありますが。 //↑どっちかといえば賛否両論っぽいので移しました。 #endregion -上級者同士のおじゃまパネル対戦では長試合となりやすい。時間カウントストップの9分59秒越えもザラである。 --巨大なおじゃまパネルを送る→おじゃま返しで相手から巨大なおじゃまパネルが…のくり返しとなり、攻撃して勝つというよりも、疲労による操作ミスや、パネルを消しすぎておじゃまパネルの解凍ができずに負ける、という展開になりやすい。 --わざと連鎖を続けずに薄いおじゃまパネルを多数送る戦略もあるが、パネルの解凍・消去処理中はゲームオーバーにならず、連鎖や同時消しでゲームオーバーまでの猶予時間を延ばすことができるため、手際よくおじゃまパネルを解凍しその合間に連鎖や同時消しができる状況、または容易に対処できる上級プレイヤーの場合、あまり有効ではない。 --この膠着状態を「おじゃま返しのラリーが続いて楽しい」と取るか「勝敗が一向につかずじれったい」と取るかはその時の状況やプレイヤーにもよるだろう。 **問題点 -2人対戦ではゲーム内で公開される隠しコマンドによりすべてのキャラクターが選択できるようになるが、エンドレス・スコアタックなど1人用では6人のキャラクターしか選べない。 --当時のいわゆる大作ソフトが32Mbit以上なのに対し、本作はたった8Mbitしかないため、全キャラ分を作成できなかったと思われる。 -COMプレイヤーのアルゴリズムに欠陥があり、特におじゃまパネル絡みの処理が総じて下手。 --対戦相手によって操作速度の違いはあるものの全体的に4個以上での同時消しを優先する傾向が極めて強く、大抵の場合優先順位が「同時消し>おじゃまパネルの解凍ができる3個消し」になる。~ また、天井が詰まっているときに高い位置のパネルを溝に落としてフィールドを均す「整地」を行う場合があるが、この時なぜかおじゃまパネルの解凍ができる配置であったとしても整地を優先する。~ 更に解凍後パネル落下までの猶予時間中に落下先のパネルを揃えて連鎖と「おじゃま返し」を継続するという、対戦での必須テクニックとも言える行動もほとんど能動的に行わない。一方でこの間も同時消しが狙える場合は仕掛けることが多い。 ---これらの結果として「&bold(){天井まで詰まっているのにおじゃまパネルと関係ない場所で同時消しを狙おうとし時間切れでゲームオーバー}」や、「&bold(){おじゃまパネルと関係ない所を消しすぎて揃えられるパネルがなくなり詰む}」というあまりに間抜けな幕切れとなることも少なくない。 -おじゃまパネルの処理に不具合があり、後の作品では問題ない方法でもおじゃま返しが途切れたり、解凍中にフリーズを引き起こしたりする。 --ただし、COM戦や初心者同士で戦う分にはまずバグは起こらない。 ---逆に上級者同士だと、フリーズしないと決着がつかないことも。「フリーズが起きるのは上達の証」と言われたりする。 -パズルモードはプレイする問題を選択する形式ではなく、決められた順に問題をクリアしていく形式なので、解き方がわからない問題に出くわすとそこでゲーム進行が止まってしまう。 --ヒントなどの救済措置もない。問題選択制やヒント機能は後の作品で採用された。 -本作はROM容量の抑制とバックアップ機能の削除によって安価な価格を実現しているが、それにより若干の不便さが生じている。 --ステージクリアとパズルの進行状況はパスワードで管理されるため、一度電源を切った後の再開が若干面倒。ハイスコアも電源を切ると消える。 --当時ROM媒体でセーブ機能のないパズルゲームはむしろ主流だったが、本作ではパスワードコンティニューのゲームモードが2つあるうえ、経過時間も記録しているため8文字とそれなりに長い。 --電源を切らない限りはパスワードを用いずに「つづきを はじめる」から再開可能。 -VSモードについてはパスワードコンティニューや(電源を切らなかった場合の)「つづきを はじめる」も存在しないため、中断ができない。 //-他のアクションパズルに見られるオプションモードがない。 //--難易度は各ゲーム開始前に設定できるので特に問題はないが、サウンドテストができないのが惜しいところ。 //オプションでサウンドテストできるのが当たり前ではない。特にプレイに関わるような問題がないなら特筆すべきことではない。 **総評 パネルを左右に動かして並べるだけだが、テクニックを習得すると自在に消去できハマるアクションパズルとしての出来はもちろんのこと、ファミコン時代の任天堂パズルに見られたパズルさえできればよいという思想から一転し、バラエティに富んだゲームモードや隠し要素、エンディング・BGMなどの演出面に至るまで8Mbitの低容量にこれでもかと盛り込んだサービス精神溢れる構成からいっそうの支持を得た。 任天堂らしくないと賛否を呼んだキャラクターについては「あまり好きではなかったがゲームの上達とともに好きになった」という人も多いようだ。後の他ゲームでネタにされているのも密かな支持を得ていることの裏返しといえるかもしれない。~ パズルゲーム好きの諸兄ならキャラクターには目をつぶって一度はプレイしてみよう。 **余談 -CMはタイトル中の「ポン」に引っ掛けてか、&b{能楽師が鼓を打ち鳴らす}というものだが、[[あまりにもゲーム内容からかけ離れた映像>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]からゲームの中身や雰囲気を察するのは至難の業。結局広告も振るわず、売上的には散々な結果であった。 #region(問題のCM(YouTube)) |&video(https://www.youtube.com/watch?v=zISpA1wgvrc)| #endregion --この反省からか、後の作品ではヨッシー(ヨッシーのパネポン、後述)やポケモン([[ポケモンでパネポン]])など任天堂キャラとのコラボが行われている。 -任天堂ソフト恒例の小学館による任天堂公式ガイドブックは存在しない。攻略本は当時の主要攻略本出版社だった双葉社・T2出版・ケイブンシャからそれぞれ発売されている。 --同年発売の任天堂ソフトで同様に公式ガイドのないものはバーチャルボーイソフト全般と『[[カービィのブロックボール]]』くらい。『[[マリオのピクロス]]』と『[[マリオのスーパーピクロス]]』でさえ紙上問題集という形式の公式本が発行された。 --3冊とも任天堂のライセンスは受けており、説明書等にはない公式イメージイラストが掲載されていたりする一方で、攻撃ボイスの説明が間違っている、プレゼントクイズの問題がアホすぎて脱力するレベル((T2出版にて、ちなみに『ヨッシーアイランド』等の攻略本にも同様のクイズがある。))、などの突っ込み所もある。 -本作は任天堂作品としての知名度は低いが、主人公であるリップはそれが原因で仕事が無い・腹黒といったキャラクター付けがファンになされている。 --腹黒はファンが勝手に付けた物だが、本作VSモードのエンディングを踏まえれば納得いくものではある。 --パネルでポンはこの後もシリーズ化されたものの、リップが出る作品は本作と隠しスキン扱いのDS版、GBC版収録の隠しゲームのみ。 ---特にGBC版はもともとリップ達が登場する移植作兼続編として制作されていたことがデータ解析により発覚している。 --後の任天堂ソフト『[[キャプテン★レインボー]]』(Wii)でマイナーキャラの一人として登場。他のキャラはまともな性格をしているのが多い中、リップは正義感の強いおてんばから&bold(){花の妖精なのに花粉症で鼻水を垂らしている天然系アホ娘}と、ネタ要員性格に改変されてしまった。にもかかわらず一応本作メインスタッフの監修つきと''半ば公式化''すらしている。ちなみにパックンフラワーを育てている。 --『スマッシュブラザーズDX』ではリップのステッキとおじゃまパネルが登場し、同『X』ではさらにアレンジBGMが用意されているものの、いずれもリップ本人は『SP』のスピリット以外に出演はしなかった。 ---海外版スマブラでは後述の事情も絡んでるのか、出典のタイトル名は『Panel De Pon』と表記されている。 -本作はWii・Wii U・New 3DSのVCで配信されている((Wii向けはWiiショッピングチャンネルのサービス終了に伴い現在は購入不可能))。 --残念なことにいずれも一部エンディング用BGMの再現度が低く、主旋律が途切れる・雑音が入るなどの異常があるまま放置されている。 --また、ミニSFCにも収録されている。こちらも各VC同様再現の悪いBGMがある。 --Wii U/New 3DSのVCでは「まるごとバックアップ機能」、ミニSFCでは「中断ポイント」機能によりハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保持可能。 -海外ではキャラを差し替え、かつタイトルを何故か『Tetris Attack』として発売された。このキャラ差し替え版は日本ではサテラビュー用番組『ヨッシーのパネポン』として配信された。~ 基本的にはキャラクターをヨッシーアイランドのキャラに置き換えたものなのだが、細かな変更点がある。''詳細は次節で後述。'' -GCの『[[NINTENDO パズルコレクション]]』にもパネポンが収録されている。 --ゲーム内での言及はないもののSFC版直系の続編兼リメイク作であり、主人公はリップの娘フリルとなっている。CPUのAIは恐ろしく強化されたものの、他のバグや不具合が多め。 -『[[ドクターマリオ&パネルでポン]]』には本作の一部BGMをGBA音源で再現・アレンジした曲が収録されている。 -『[[パネルでポンDS]]』には隠しスキンとしてリップと花の世界が用意されている。 -京都精華大学にて、1997年から2007年まで同大学の学園祭中に大会が行われていた(2007年のみ諸事情で開催が翌年の2月末まで遅れた)。 -2016年、『[[とびだせ どうぶつの森]]』のアップデート版となる同『amiibo+』にミニゲームとして「どうぶつの森パネポン」が収録された。 --ゲーム内家具として登場するNewニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL各種のいずれかを入手するとプレイ可能となる。 --ミニゲーム扱いとはいえ、ステージクリアモードをアレンジしたルールでどうぶつ達と対戦するストーリーモードをメインに、対人戦を除く一通りのゲームモードを揃え、パネル消去や柄変更などを発動させる「得意技」、変種パネルの「アメちゃん」など新要素も盛り込んでいる。 -2020年5月20日に『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』に収録された。 --最大の特徴はフレンド限定とはいえネット対戦ができるようになったことだろう。DS版のネット対戦サービスが終了してから6年ぶりとなる。据え置き機では1996-1997年のSFC版XBANDによるマッチングサービス以来。 --「どこでもセーブ」機能を使用することで一部のVC版と同様にハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保存可能。~ なお、VC版と異なり中断(ゲーム終了)時の状態を自動的に保存し再起動時に再開できる「中断セーブ」(俗にいうレジューム機能)はないため、起動時はオリジナル版と同様に初期化された状態となる。 --日本国外向けの同種サービス(SUPER NINTENDO ENTERTAINMENT SYSTEM Nintendo Switch Online)にも&b(){一切ローカライズなしのオリジナル版}が配信されている。ほぼ四半世紀の時を経て日本国外で初めて公式にオリジナル版『パネルでポン』が遊べるようになった。 ---タイトル名に絡む権利の都合らしく海外版『Tetris Attack』は配信されていない。 --VCやミニSFCに存在したBGMの再現不良は&b(){このバージョンでやっと}修正された。 ----- *ヨッシーのパネポン 【よっしーのぱねぽん】 |ジャンル|アクションパズル|&image(yoshipon01.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=yoshipon01.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン&br()サテラビュー放送番組|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ&br()任天堂|~| |放送開始日|1996年11月3日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|なし|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|キャラ差し替え+改良|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[ヨッシーシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[テトリスシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズ]]''| **概要(ヨッシー) -パネルでポン海外版『Tetris Attack』を逆輸入しサテラビュー用番組として放送したもの。ところどころに改良が施されており、単なるキャラ変え海外版に留まっていない。 --なお、海外版のタイトルには『[[テトリス]]』の名前が入っているがルールは全く関係なく、中身は日本版と同じパネポンである。 -当時の北米や欧州では瞳の大きい少女漫画風のキャラクターが受け入れられなかったため、『[[スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』のキャラクターに総入れ替えした。結果として同作のスピンオフ作品にもなっている。 --しかし赤ちゃんマリオや緑色以外の大人ヨッシーは登場しない。クッパは子供ではなく大人で、時系列は後のようである。 -同時期にはゲームボーイ版も発売された(→[[ヨッシーのパネポン (GB)]] を参照)。~ SFC版はGB版の販促作品として放送されたが、内容は海外SNES版と同等であり、特に機能が制限されているわけではない。 |&image(yoshipon02.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1857/yoshipon02.jpg,height=160)|&image(yoshipon03.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1858/yoshipon03.jpg,height=160)| **変更された点 -登場キャラクターを妖精からヨッシーアイランドのキャラに変更。 --BGMやステージ背景などの多くはパネルでポンから流用されたが、一部は新規制作された。 --ヨッシーのテーマ曲はヨッシーアイランドオープニングデモからのアレンジ、背景は新規書き起こし。花の世界のハナちゃんの曲は宝石の妖精ルビーの流用だが、背景は新規書き起こし。 --リップのテーマ曲はルール説明時の専用曲として残留している。 -バグ解消、システム変更ほか。 --パネルでポン最大の難点だったおじゃまパネルのバグが解消されている。おじゃま返しが途切れることもない。 --COMプレイヤーのアルゴリズムがただ素早くパネルを消去する傾向から、積極的に連鎖を仕掛けるよう変更されている。 --1人用VSモードにもパスワードが導入され、完全クリアが容易になった。 -オプションモードの追加。 --これによりサウンドテストや対COMフリー対戦が可能になった。ただしサウンドテストではエンディングの曲を聴くことはできない。 --COMプレイヤーは2Pだけでなく、1Pにも適用できる。2人用ゲームでCOM同士の試合を観戦するだけでなく、1人用ゲームをCOMプレイヤーに操作させることも可能。 ---だがエンディングは見られず、自力でのクリアを促すメッセージが表示される。 --このほかメッセージの英語・日本語設定や、2P対戦時のセット数変更、『パネルでポン』ではタイトル画面で放置するしか見る手段のなかったキャラクタープロフィールの閲覧機能もある。 -一部の演出が変更または簡略化された。 --おじゃまパネルの柄が全員同じで1P.2Pの色違いのみになる、クッパを除くボス3人の背景とBGMが全員同じなど。 **余談(ヨッシー) -元々の海外SNES版『Tetris Attack』の時点で、既にオプションにてENG(英語)とJPN(日本語)の切り替えができるようになっており、日本語に設定するとゲーム中のメッセージテキストが日本語(もちろんヨッシー版仕様)に翻訳されていた。 --そのため日本語版の土台は当時から既に出来ており、SFC版はそこからタイトル画面など細かい部分を日本仕様に変えたものとなっている。 -『パネルでポン』はVC配信、ミニスーファミやNintendo Switch Online収録など復刻の機会にかなり恵まれているが、当SFC版・海外SNES版・海外GB版はそれらで復刻・配信されたことはない。 --海外版はテトリスを名乗ってしまったため、テトリスカンパニーとの権利問題や、そもそも中身はテトリスですらないのでタイトル名を一新しない限り出せない、というのが理由のようだ。 ----
※この記事ではSFC版『パネルでポン』のほか、海外版およびサテラビュー配信のSFC版『ヨッシーのパネポン』も扱います。 ---- #contents ---- *パネルでポン 【ぱねるでぽん】 |ジャンル|アクションパズル|CENTER:&image(588787_77599_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=588787_77599_front.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=588787_77599_back.jpg]]&br()&image(panepon1.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=panepon1.jpg,width=160)&br()&image(pp.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=pp.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ&br()任天堂|~| |発売日|1995年10月27日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|【SFC/Wii/WiiU】1~2人&br;【3DS】1人|~| |セーブデータ|なし|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※VC版より付与|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年11月27日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2013年5月29日/800円(税5%込)&br;【New3DS】2016年8月9日/823円(税8%込)|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×2・B×0|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|後付けで次々作れる「アクティブ連鎖」&br()豊富なゲームモードと良演出&BGM&br()賛否を呼んだ妖精キャラクター|~| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズ]]''| **概要 1995年、年末前のゲーム閑散期かつプレステVSサターン間の次世代ゲーム機戦争の最中に突如発売されたアクションパズル。 任天堂は1990年の『[[ドクターマリオ]]』からファミコンとゲームボーイへ定期的にパズルゲームをリリースしてきたが、移植を除くと初めてスーパーファミコンに軸足を移し、さらに既存の人気キャラクターに頼らず、独自の新キャラクターを登場させた。~ また上位ハードへの移行に伴い演出の強化やゲームモードの多数追加など相応の向上が図られている。 **ルールと特徴 本作は落ち物パズルに分類されるが、上から降って来るのは対戦時に登場するおじゃまパネルのみ。~ パネルは横一列に6枚、時間経過とともに下から徐々にせり上がってくるが、LボタンまたはRボタンで任意にせり上げることもできる。~ パネルがどこか1か所でも上部の天井に触れ、その状態で暫く経つとゲームオーバー。 -プレイヤーが操作するのは横一列2マスのカーソル。ボタンを押す事で左右のパネルを入れ替えて運ぶ事ができる。同色のパネルを3枚以上縦又は横にそろえる事で消滅する。 --1回の入れ替え動作で4枚以上のパネルを消すと「同時消し」となる。すべて同じ色でなくても4枚以上なら同時消しと判定される。 --消滅したパネルの上部に乗っていたパネルは重力にしたがい落下する。落下後消滅条件が揃っていれば「連鎖」が発生する。 --対戦では同時消しをする・連鎖する・攻撃用の「!」マークパネルを消すことにより相手におじゃまパネルを落下させることができる。 -重要テクニック「アクティブ連鎖」 --パネルの消去中にせり上げ動作はできないが、カーソルの移動やパネルの入れ替え操作は受け付けられており、ほかのパネルを移動させることができる。 --パネルは揃えてから完全に消滅するまでには若干の間がある。その隙に他のパネルを持ってきて連鎖になるよう揃えておき、続けて消えれば連鎖として判定される。このように作った連鎖をアクティブ連鎖という。 -対戦のおじゃまパネルは画面上部から降って来る。隣接するパネルが消滅すると、何かしらの色パネルに「解凍」される。 --おじゃまパネルが解凍して誕生したパネルが落ちる前に、真下のパネルをあらかじめ揃えることによってもアクティブ連鎖が作れる。 --厚いおじゃまパネルでこれを起こした場合には、落下による連鎖とともにおじゃまパネルの解凍が起こり、反撃につなげることができる。これを「おじゃま返し」といい、対戦では非常に重要なテクニックとして扱われる。 -ゲームモードは1人用5モード、2人用2モード。 --1人用のゲームモードは以下のとおり ---エンドレス:ひたすら自分の限界までパネルを消し続ける。99999点でカウンターストップとなり、以降点数は入らない。到達時間は記録されないものの上達の目安になる。 ---スコアアタック:2分間で獲得できる得点を測定する。ベスト5入りでネームエントリー可。 ---ステージクリア:規定ラインまでパネルを消すと面クリアとなるモード。30面+αで構成。パスワードコンティニュー可。 ---パズル:規定入れ替え回数ですべてのパネルを消す。表面60+裏面60構成。こちらもパスワードコンティニュー可。 ---VS:コンピュータと対戦するストーリーモード。HARD以上では終盤の対戦相手が追加され、ストーリーの真相を見ることができる。 --2人用はいずれも対戦用の同時プレイとなる。「スコアアタック」では2分間の得点数の高い方が、「VS」では相手がゲームオーバーになれば勝ち。2セット先取で1ポイント獲得。 --このほか遊び方を説明する「プレーのしかた」、連鎖・同時消し・アクティブ連鎖のテクニックデモを見る「じょうたつへのみち」がある。 -主人公は本作初出の新キャラクター「花の妖精リップ」。舞台は自然を司る妖精と動物たちが住む世界「ポップルス」。 --登場キャラクターはリップのほかに仲間の妖精8人と、敵キャラクターが4人いる。 **評価点 ***システム面 -パネルを左右に運んで並べて消すだけと大変解りやすいシステム。一方で上級者同士の対戦は駆け引きが熱く、プレイヤーを選ばない。 --パネルを持って来て並べるというのがセオリーなので、綿密に連鎖を組むことは必須ではない。 --対戦のおじゃまパネルはパネル消去処理の終了後に上から降ってくる。連鎖を組んでいる途中で連鎖の起点が埋もれて消せなくなる、ということはない。 --あらかじめ連鎖を組んでおくスタイルでも、カーソル操作に任せたスピードスタイルでもよし。特にアクティブ連鎖を極めると熱い対戦になること間違いなし。 -1人用だけでゲームモードが5つあり、それぞれエンディングを用意。モードによっては難易度設定、スペシャルステージや裏面も搭載されているなど、プレイヤーのやる気を煽る構成。 --当時の落ちものパズルでもこれだけゲームモードを揃えた上にエンディングも別となっている作品はあまりない。 --パズルの問題は基礎的な連鎖や同時消しの定型となっているものも多く、他のゲームの上達にも役立つ。 --エンディングの内容について詳しくは後述。 -多数の隠しコマンドや裏技が用意されており、それにより解放される要素の数が豊富。各ゲームのエンディング後には主に難易度上昇などの隠しコマンドが公開される。 #region(非公開の裏技には攻略に役立つものだけでなくお遊び的なものもある。) -1人用のVSデモ、2-8ステージの時にデモをスキップせずX.Yを押し続けると、本来ここでは使えないリップ以外の妖精が使える。腕に自信がないがリップをゲームオーバーにさせずにエンディングを見たい時に使うと便利。 -同様に1人用のVSデモでセレクトを押したまま十字キーを押すとデモ画面内の虹や地面を動かせる。しかもスタッフロールでも有効。当然こちらは攻略には全く役に立たない。 -A・Bボタンを押しながらスタート・セレクトボタン同時押しでリセットができる。エンディング後メニューやタイトル画面に戻れない本作では地味に便利。&bold(){裏技扱いにされているのは謎だが。} --いわゆる「ソフトリセット」であり、SFCの実機でいうリセットボタンを介さずにリセットするもの。これ以外のSFC向けソフトにも一部で採用されていたが、それらの多くはスタート・セレクト・Lボタン・Rボタンの同時押しであり本作のコマンドはやや特殊な例ともいえる。~ なお電源を切らずにリセットできるため、後述のバックアップ機能がないことによるハイスコアや各ゲームモードの進捗初期化を回避可能である。 #endregion() ***演出面 アクションパズルにしてはグラフィックや画面構成のデザイン、BGMなど演出面に凝っており、それらの質も良い。 -ゲームタイトル通り、パネルは消滅時にポンポンと音を立てるのだが、連鎖が続くにつれて音が変化。さらに爆風とファンファーレも派手になっていく。まとめて消した時の爽快感は相当な物。 --パネルは★▲◆などごく平凡な図形が描かれており、天井に近づくと図形が上下に震えだす。そして消滅時には&bold(){なぜか変顔を披露しつつ消えていく}。 --このパネルの変顔化についての設定説明はとくにない。パネルってもしかして、生き物…? -ゲーム画面の背景、BGM、連鎖・同時消し時のボイス、パネル消去時の爆風、おじゃまパネルの柄は原則としてキャラクターごと個別に用意されている。 --VSを除く1人用ゲームでは6人の妖精それぞれの世界をモチーフとした背景とBGMでプレイする。 ---左側にはディフォルメ頭身の妖精がおり、まばたきは当然のこと、連鎖・同時消しのボイスに合わせて口パクする。 ---右にいるマスコットの動物は飛び跳ねる、羽ばたくなど様々な動きを見せる。大連鎖や大量の同時消しをするとアクションも派手になっていく。 --VSも各キャラクターの世界をモチーフにした背景とBGMの組み合わせとなっている。 ---各プレイヤーのゲームフィールドにはポーズを決めたキャラクターが大きく描かれており見栄えがいい。 ---2人分のゲームフィールドがあるぶん、周囲の背景はスケールダウン感はあるものの、各種オブジェクトがアニメーションするなど、細部に抜かりはない。 ---フィールド背景のキャラクターはアニメーションしないが、画面中央上部にはドット絵のちびキャラがおり、こちらは攻撃や勝敗などでさまざまなアクションを起こす。 ---さらに勝つと実体化し飛び跳ね続ける獲得セットの勝ち星、キャラごとに異なる時間表示部の模様アニメーション、1人用VSでステージ9以降の敵キャラに負けると自キャラの負け台詞が表示されるなど、さりげなく凝った演出やデザインが多い。 -ゲームモードごとに演出とBGMの異なるエンディングを用意。全ゲームモードを制覇する楽しみがある。 --「エンドレス」「スコアアタック」ではゲームオーバー時の獲得点数で結果発表時およびエンディングのBGMが変わる。 ---これらはゲームオーバー後画面は遷移せず、ゲームフィールド内で結果発表やスタッフロールの表示が行われる。つまり、ゲーム開始時に選択したキャラクターの背景でエンディングを見ることになる。 --「ステージクリア」「パズル」「VS」ではクリア後、それぞれグラフィック・BGM・スタッフロールなどの演出が異なるエンディングを見ることができる。 --さらに「VS」では難易度やリップの負けの有無でストーリーの進行が変わる。 ---EASY、NORMALでは途中終了し、ストーリーが最後まで完結するのはHARDから。 ---EASYはステージ10で途中終了する所詮練習モード。クリアするとリップがより難しいモードでプレイするよう勧めてくる。 #region(この画面で放置すると…) リップが「&bold(){ウラワザなんてないわよ!}」とか「&bold(){はやくぅ リセットをおして!}」とかメタ台詞を言い出す。主人公がここまで言うゲームも珍しいだろう。 #endregion() --スタッフロールは各ゲームモードごと文字の現れ方や、スタッフ名の日本語表記が変えられている。 ---漢字で上下左右から出てきたり、あるいはかな表記だけで下から上へ流れていく物だったり、という具合。 -豊富で良質なBGM。 --パズルゲームにしては収録曲数が多い。曲数が多いにもかかわらず質のムラもなく、場面やキャラクターイメージに合致している。そのためプレイヤーからの評価は高い。 ---ゲーム中はキャラクターごと固有のBGMがあり、パネルがせり上がったピンチ時にも曲が変わる。 ---エンディング曲の多くは癒し系。これらの曲を聴きたいために何度もクリアした人も多いのでは。 ---一方、エンドレスでカウンターストップになった時のエンディング曲はやたらゴージャスで達成感もひとしお。 ---VSのゲームオーバー画面はリップの曲のオルゴール風アレンジ。これだけかと思ったら風の妖精ウィンディ、水の妖精エリアスの曲をアレンジした曲もある。 //価格自体はゲームそのものの評価には関わらないのでCO。セーブ機能がないことで生じた問題点での記述の方に記述を簡素化して移動しておく。 //-当時のSFCソフトは1万円前後が当たり前だったが、ROM容量を抑えバックアップ機能を省くことで5800円と良心的な値段で発売された。 //--1か月前発売の『[[マリオのスーパーピクロス]]』は同じROM容量にバックアップ機能付きで7900円。単純な比較ではないものの、バックアップ機能の有無・同一メーカー・同一時期の製品で2100円もの差がある。 //--ただしセーブ機能がないことで発生した後述の不便な点もある。 **賛否両論点 -『&bold(){魔女っ子もの}』という、これまでの任天堂には類を見ない女子向け色の強い登場キャラクターや世界観。~ ポップでかわいいキャラクター自体は任天堂の得意とするところではあるが、コンセプトやデザイン面からするとやはり異色。 //女児・女性向けを志向することそのものが任天堂らしくないと断じるのもなんか違うと思うので修正。 --当時のゲーム誌でも賛否抜きに「&bold(){任天堂らしくない}」とか「&bold(){任天堂どうした?}」とかさんざん言われた。 --スタッフによると女性・子供受けを狙ったのとマリオファミリー頼みからの脱却を狙いあえてこのキャラクターを採用した、とのこと。 ---しかし、子供とはいえ男の子や大人の男性が手に取るにはやはり抵抗感を持たれ易いのは否めず、いわゆる『萌えキャラ』に否定的な層からもマイナス評価を受け易い。気恥ずかしさから対人戦では女子キャラを使わない、という男子プレイヤーもいたようだ。世界観やキャラクターを男子向けにした続編なども出なかった。 //↑これはヨッシーやポケモンが担ったと思うんだけど違うかな?意図を汲んでなかったらごめんなさい。 //女児向けのオリジナルキャラによって成立した本作に対して、男児向けのオリジナルキャラで出されなかったってことでしょ。 ---『[[ぷよぷよ]]』や『[[マジカルドロップ]]』はキャラクターやストーリーをはじめ作品全体に漂うコミカルなノリが持ち味としていたが、本作のキャラクターの性格は軽くなく、ストーリーもいたって大真面目。ギャグ要員は強いて言えば魔王くらいで、さらに味方キャラクターは全員少女と女子キャラ比率は高い。これも男子がとっつきにくい原因かもしれない。 --多くの女子には抵抗なく受け入れられたようで「かわいい」「キャラクターが好き」と評するプレイヤーも多い。実際後述の『ヨッシーのパネポン』はキャラクターがヨッシーになってガッカリという声もある。 ---当時放送されたテレビ番組「スーパーマリオスタジアム」にてクリスマスプレゼントに欲しいソフトのアンケートを問題として出した際に「キャラクターがかわいいから」と本作を挙げた女児がいた。 ---パズルゲームの例に漏れず「母親が夢中になっていた」といった報告も見受けられる。ゲームに触れるきっかけとしてこのキャラデザも十分貢献したことだろう。 -キャラクターによる性能差がない。 --前述のとおりこのゲームではキャラクターごと固有の背景とBGM、攻撃ボイスがあり、演出面でははっきり差別化が図られている。性能差を設けなかったのは単純に好みで選んで欲しいとの理由かららしい。 |CENTER:&image(panepon2.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1853/panepon2.jpg,height=160)任天堂っぽくない? 主人公リップ|CENTER:&image(panepon3.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1854/panepon3.jpg,height=160)…とその仲間たち| -少々シビアなストーリー展開 #region((ネタバレ注意)ストーリーは「突如現れた魔物に妖精達が洗脳され、唯一無事だった花の妖精リップが妖精達の洗脳を解き、魔物を退治する」という物なのだが……) -実は魔物達はリップの母親、妖精の女王様(前述の女神)が作り出した物で、新しい世界の妖精女王を決めるという物だった。 --しかし、魔物戦で敗北した仲間の妖精達が復活している様子は無く、魔物戦を全てリップ以外の妖精で戦い抜いても選出される女王はリップという被害多き出来レースエンディング。それまで妖精達の解放に尽力し、成し遂げたのは紛れもなくリップ自身の実力ではあるのだが…。 --リップが一度でもコンティニューすると「まだまだ未熟」と女王の座を辞退する。ハードでノーコンクリアだと円満終了。しかしベリーハードでノーコンクリアすると本性(?)が…。 ---あまりにもぶっ飛んだこちらの結末は、ファンの間では&bold(){出来レース疑惑とともにネタ要素として受け取られている}。 //ストーリーは短所なのか疑問なので、とりあえずコメントアウトします。ブラック要素は確かにありますが。 //↑どっちかといえば賛否両論っぽいので移しました。 #endregion -上級者同士のおじゃまパネル対戦では長試合となりやすい。時間カウントストップの9分59秒越えもザラである。 --巨大なおじゃまパネルを送る→おじゃま返しで相手から巨大なおじゃまパネルが…のくり返しとなり、攻撃して勝つというよりも、疲労による操作ミスや、パネルを消しすぎておじゃまパネルの解凍ができずに負ける、という展開になりやすい。 --わざと連鎖を続けずに薄いおじゃまパネルを多数送る戦略もあるが、パネルの解凍・消去処理中はゲームオーバーにならず、連鎖や同時消しでゲームオーバーまでの猶予時間を延ばすことができるため、手際よくおじゃまパネルを解凍しその合間に連鎖や同時消しができる状況、または容易に対処できる上級プレイヤーの場合、あまり有効ではない。 --この膠着状態を「おじゃま返しのラリーが続いて楽しい」と取るか「勝敗が一向につかずじれったい」と取るかはその時の状況やプレイヤーにもよるだろう。 **問題点 -2人対戦ではゲーム内で公開される隠しコマンドによりすべてのキャラクターが選択できるようになるが、エンドレス・スコアタックなど1人用では6人のキャラクターしか選べない。 --当時のいわゆる大作ソフトが32Mbit以上なのに対し、本作はたった8Mbitしかないため、全キャラ分を作成できなかったと思われる。 -COMプレイヤーのアルゴリズムに欠陥があり、特におじゃまパネル絡みの処理が総じて下手。 --対戦相手によって操作速度の違いはあるものの全体的に4個以上での同時消しを優先する傾向が極めて強く、大抵の場合優先順位が「同時消し>おじゃまパネルの解凍ができる3個消し」になる。~ また、天井が詰まっているときに高い位置のパネルを溝に落としてフィールドを均す「整地」を行う場合があるが、この時なぜかおじゃまパネルの解凍ができる配置であったとしても整地を優先する。~ 更に解凍後パネル落下までの猶予時間中に落下先のパネルを揃えて連鎖と「おじゃま返し」を継続するという、対戦での必須テクニックとも言える行動もほとんど能動的に行わない。一方でこの間も同時消しが狙える場合は仕掛けることが多い。 ---これらの結果として「&bold(){天井まで詰まっているのにおじゃまパネルと関係ない場所で同時消しを狙おうとし時間切れでゲームオーバー}」や、「&bold(){おじゃまパネルと関係ない所を消しすぎて揃えられるパネルがなくなり詰む}」というあまりに間抜けな幕切れとなることも少なくない。 -おじゃまパネルの処理に不具合があり、後の作品では問題ない方法でもおじゃま返しが途切れたり、解凍中にフリーズを引き起こしたりする。 --ただし、COM戦や初心者同士で戦う分にはまずバグは起こらない。 ---逆に上級者同士だと、フリーズしないと決着がつかないことも。「フリーズが起きるのは上達の証」と言われたりする。 -パズルモードはプレイする問題を選択する形式ではなく、決められた順に問題をクリアしていく形式なので、解き方がわからない問題に出くわすとそこでゲーム進行が止まってしまう。 --ヒントなどの救済措置もない。問題選択制やヒント機能は後の作品で採用された。 -本作はROM容量の抑制とバックアップ機能の削除によって安価な価格を実現しているが、それにより若干の不便さが生じている。 --ステージクリアとパズルの進行状況はパスワードで管理されるため、一度電源を切った後の再開が若干面倒。ハイスコアも電源を切ると消える。 --当時ROM媒体でセーブ機能のないパズルゲームはむしろ主流だったが、本作ではパスワードコンティニューのゲームモードが2つあるうえ、経過時間も記録しているため8文字とそれなりに長い。 --電源を切らない限りはパスワードを用いずに「つづきを はじめる」から再開可能。 -VSモードについてはパスワードコンティニューや(電源を切らなかった場合の)「つづきを はじめる」も存在しないため、中断ができない。 //-他のアクションパズルに見られるオプションモードがない。 //--難易度は各ゲーム開始前に設定できるので特に問題はないが、サウンドテストができないのが惜しいところ。 //オプションでサウンドテストできるのが当たり前ではない。特にプレイに関わるような問題がないなら特筆すべきことではない。 **総評 パネルを左右に動かして並べるだけだが、テクニックを習得すると自在に消去できハマるアクションパズルとしての出来はもちろんのこと、ファミコン時代の任天堂パズルに見られたパズルさえできればよいという思想から一転し、バラエティに富んだゲームモードや隠し要素、エンディング・BGMなどの演出面に至るまで8Mbitの低容量にこれでもかと盛り込んだサービス精神溢れる構成からいっそうの支持を得た。 任天堂らしくないと賛否を呼んだキャラクターについては「あまり好きではなかったがゲームの上達とともに好きになった」という人も多いようだ。後の他ゲームでネタにされているのも密かな支持を得ていることの裏返しといえるかもしれない。~ パズルゲーム好きの諸兄ならキャラクターには目をつぶって一度はプレイしてみよう。 **余談 -CMはタイトル中の「ポン」に引っ掛けてか、&b{能楽師が鼓を打ち鳴らす}というものだが、[[あまりにもゲーム内容からかけ離れた映像>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]からゲームの中身や雰囲気を察するのは至難の業。結局広告も振るわず、売上的には散々な結果であった。 #region(問題のCM(YouTube)) |&video(https://www.youtube.com/watch?v=zISpA1wgvrc)| #endregion --この反省からか、後の作品ではヨッシー(ヨッシーのパネポン、後述)やポケモン([[ポケモンでパネポン]])など任天堂キャラとのコラボが行われている。 -任天堂ソフト恒例の小学館による任天堂公式ガイドブックは存在しない。攻略本は当時の主要攻略本出版社だった双葉社・T2出版・ケイブンシャからそれぞれ発売されている。 --同年発売の任天堂ソフトで同様に公式ガイドのないものはバーチャルボーイソフト全般と『[[カービィのブロックボール]]』くらい。『[[マリオのピクロス]]』と『[[マリオのスーパーピクロス]]』でさえ紙上問題集という形式の公式本が発行された。 --3冊とも任天堂のライセンスは受けており、説明書等にはない公式イメージイラストが掲載されていたりする一方で、攻撃ボイスの説明が間違っている、プレゼントクイズの問題がアホすぎて脱力するレベル((T2出版にて、ちなみに『ヨッシーアイランド』等の攻略本にも同様のクイズがある。))、などの突っ込み所もある。 -本作は任天堂作品としての知名度は低いが、主人公であるリップはそれが原因で仕事が無い・腹黒といったキャラクター付けがファンになされている。 --腹黒はファンが勝手に付けた物だが、本作VSモードのエンディングを踏まえれば納得いくものではある。 --パネルでポンはこの後もシリーズ化されたものの、リップが出る作品は本作と隠しスキン扱いのDS版、GBC版収録の隠しゲームのみ。 ---特にGBC版はもともとリップ達が登場する移植作兼続編として制作されていたことがデータ解析により発覚している。 --後の任天堂ソフト『[[キャプテン★レインボー]]』(Wii)でマイナーキャラの一人として登場。他のキャラはまともな性格をしているのが多い中、リップは正義感の強いおてんばから&bold(){花の妖精なのに花粉症で鼻水を垂らしている天然系アホ娘}と、ネタ要員性格に改変されてしまった。にもかかわらず一応本作メインスタッフの監修つきと''半ば公式化''すらしている。ちなみにパックンフラワーを育てている。 --『スマッシュブラザーズDX』ではリップのステッキとおじゃまパネルが登場し、同『X』ではさらにアレンジBGMが用意されているものの、いずれもリップ本人は『SP』のスピリット以外に出演はしなかった。 ---海外版スマブラでは後述の事情も絡んでるのか、出典のタイトル名は『Panel De Pon』と表記されている。 -本作はWii・Wii U・New 3DSのVCで配信されている((Wii向けはWiiショッピングチャンネルのサービス終了に伴い現在は購入不可能))。 --残念なことにいずれも一部エンディング用BGMの再現度が低く、主旋律が途切れる・雑音が入るなどの異常があるまま放置されている。 --また、ミニSFCにも収録されている。こちらも各VC同様再現の悪いBGMがある。 --Wii U/New 3DSのVCでは「まるごとバックアップ機能」、ミニSFCでは「中断ポイント」機能によりハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保持可能。 -海外ではキャラを差し替え、かつタイトルを何故か『Tetris Attack』として発売された。このキャラ差し替え版は日本ではサテラビュー用番組『ヨッシーのパネポン』として配信された。~ 基本的にはキャラクターをヨッシーアイランドのキャラに置き換えたものなのだが、細かな変更点がある。''詳細は次節で後述。'' -GCの『[[NINTENDO パズルコレクション]]』にもパネポンが収録されている。 --ゲーム内での言及はないもののSFC版直系の続編兼リメイク作であり、主人公はリップの娘フリルとなっている。CPUのAIは恐ろしく強化されたものの、他のバグや不具合が多め。 -『[[ドクターマリオ&パネルでポン]]』には本作の一部BGMをGBA音源で再現・アレンジした曲が収録されている。 -『[[パネルでポンDS]]』には隠しスキンとしてリップと花の世界が用意されている。 -京都精華大学にて、1997年から2007年まで同大学の学園祭中に大会が行われていた(2007年のみ諸事情で開催が翌年の2月末まで遅れた)。 -2016年、『[[とびだせ どうぶつの森]]』のアップデート版となる同『amiibo+』にミニゲームとして「どうぶつの森パネポン」が収録された。 --ゲーム内家具として登場するNewニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL各種のいずれかを入手するとプレイ可能となる。 --ミニゲーム扱いとはいえ、ステージクリアモードをアレンジしたルールでどうぶつ達と対戦するストーリーモードをメインに、対人戦を除く一通りのゲームモードを揃え、パネル消去や柄変更などを発動させる「得意技」、変種パネルの「アメちゃん」など新要素も盛り込んでいる。 -2020年5月20日に『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』に収録された。 --最大の特徴はフレンド限定とはいえネット対戦ができるようになったことだろう。DS版のネット対戦サービスが終了してから6年ぶりとなる。据え置き機では1996-1997年のSFC版XBANDによるマッチングサービス以来。 --「どこでもセーブ」機能を使用することで一部のVC版と同様にハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保存可能。~ なお、VC版と異なり中断(ゲーム終了)時の状態を自動的に保存し再起動時に再開できる「中断セーブ」(俗にいうレジューム機能)はないため、起動時はオリジナル版と同様に初期化された状態となる。 --日本国外向けの同種サービス(SUPER NINTENDO ENTERTAINMENT SYSTEM Nintendo Switch Online)にも&b(){一切ローカライズなしのオリジナル版}が配信されている。ほぼ四半世紀の時を経て日本国外で初めて公式にオリジナル版『パネルでポン』が遊べるようになった。 ---タイトル名に絡む権利の都合らしく海外版『Tetris Attack』は配信されていない。 --VCやミニSFCに存在したBGMの再現不良は&b(){このバージョンでやっと}修正された。 ----- *ヨッシーのパネポン 【よっしーのぱねぽん】 |ジャンル|アクションパズル|&image(yoshipon01.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3614&file=yoshipon01.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン&br()サテラビュー放送番組|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ&br()任天堂|~| |放送開始日|1996年11月3日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|なし|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|キャラ差し替え+改良|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[ヨッシーシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[テトリスシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズ]]''| **概要(ヨッシー) -パネルでポン海外版『Tetris Attack』を逆輸入しサテラビュー用番組として放送したもの。ところどころに改良が施されており、単なるキャラ変え海外版に留まっていない。 --なお、海外版のタイトルには『[[テトリス]]』の名前が入っているがルールは全く関係なく、中身は日本版と同じパネポンである。 -当時の北米や欧州では瞳の大きい少女漫画風のキャラクターが受け入れられなかったため、『[[スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』のキャラクターに総入れ替えした。結果として同作のスピンオフ作品にもなっている。 --しかし赤ちゃんマリオや緑色以外の大人ヨッシーは登場しない。クッパは子供ではなく大人で、時系列は後のようである。 -同時期にはゲームボーイ版も発売された(→[[ヨッシーのパネポン (GB)]] を参照)。~ SFC版はGB版の販促作品として放送されたが、内容は海外SNES版と同等であり、特に機能が制限されているわけではない。 |&image(yoshipon02.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1857/yoshipon02.jpg,height=160)|&image(yoshipon03.jpg,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3614/1858/yoshipon03.jpg,height=160)| **変更された点 -登場キャラクターを妖精からヨッシーアイランドのキャラに変更。 --BGMやステージ背景などの多くはパネルでポンから流用されたが、一部は新規制作された。 --ヨッシーのテーマ曲はヨッシーアイランドオープニングデモからのアレンジ、背景は新規書き起こし。花の世界のハナちゃんの曲は宝石の妖精ルビーの流用だが、背景は新規書き起こし。 --リップのテーマ曲はルール説明時の専用曲として残留している。 -バグ解消、システム変更ほか。 --パネルでポン最大の難点だったおじゃまパネルのバグが解消されている。おじゃま返しが途切れることもない。 --COMプレイヤーのアルゴリズムがただ素早くパネルを消去する傾向から、積極的に連鎖を仕掛けるよう変更されている。 --1人用VSモードにもパスワードが導入され、完全クリアが容易になった。 -オプションモードの追加。 --これによりサウンドテストや対COMフリー対戦が可能になった。ただしサウンドテストではエンディングの曲を聴くことはできない。 --COMプレイヤーは2Pだけでなく、1Pにも適用できる。2人用ゲームでCOM同士の試合を観戦するだけでなく、1人用ゲームをCOMプレイヤーに操作させることも可能。 ---だがエンディングは見られず、自力でのクリアを促すメッセージが表示される。 --このほかメッセージの英語・日本語設定や、2P対戦時のセット数変更、『パネルでポン』ではタイトル画面で放置するしか見る手段のなかったキャラクタープロフィールの閲覧機能もある。 -一部の演出が変更または簡略化された。 --おじゃまパネルの柄が全員同じで1P.2Pの色違いのみになる、クッパを除くボス3人の背景とBGMが全員同じなど。 **余談(ヨッシー) -元々の海外SNES版『Tetris Attack』の時点で、既にオプションにてENG(英語)とJPN(日本語)の切り替えができるようになっており、日本語に設定するとゲーム中のメッセージテキストが日本語(もちろんヨッシー版仕様)に翻訳されていた。 --そのため日本語版の土台は当時から既に出来ており、SFC版はそこからタイトル画面など細かい部分を日本仕様に変えたものとなっている。 -『パネルでポン』はVC配信、ミニスーファミやNintendo Switch Online収録など復刻の機会にかなり恵まれているが、当SFC版・海外SNES版・海外GB版はそれらで復刻・配信されたことはない。 --海外版はテトリスを名乗ってしまったため、テトリスカンパニーとの権利問題や、そもそも中身はテトリスですらないのでタイトル名を一新しない限り出せない、というのが理由のようだ。 ----

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