「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」(2024/04/19 (金) 21:23:03) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

//Wikipediaに関しては不要と運営議論スレで言われていますので削除します。意見があれば運営議論スレまで。 //画像投稿者ですが、「画像使いすぎ」という意見がされたので、撤回する意味で完全に消します。すみません。 *ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 【どらごんくえすとすりー そしてでんせつへ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(RIMG0005-1.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=RIMG0005-1.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=RIMG0005-2.jpg]]&image(dq3game.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=dq3game.jpg,width=160)|~| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|エニックス|~|~| |開発元|チュンソフト|~|~| |発売日|1988年2月10日|~|~| |価格|5,900円(税抜)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|転職システム初登場&br;前二作も巻き込んだシリーズ完結作&br;バッテリーバックアップ機能初搭載&br;RPGの一つの到達点|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| //&br;''水着鎧(ビキニアーマー)ブームの火付け役''| //ゲームそのものと関係ないのでCO。 ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''さらば、母なるアリアハン''} }} ~ ---- **概要 ロト伝説三部作完結編。プレイヤーは勇者オルテガの息子(娘)として、世界を支配しようとする魔王バラモスを倒すため旅立つ。 DQI~IIIは、シナリオ的なつながりがあるだけでなく、ゲームとしても「RPG」という新たなジャンルを段階を追って世間に浸透させるという意図の元で構成された三部作となっている。~ 『DQI』でRPGの基礎を知り、『DQII』で仲間たちと協力しての戦い方や乗り物の獲得による行動範囲の広がりを学ぶ。~ そして、キャラメイクなどを採用し、自由度を最大限まで高めた集大成として発表されたのが、本作『ドラゴンクエストIII』である。 //なお三部作で製作していくのは、『DQI』の製作時にあらかじめ決定されていた。 ---- **特徴 前作『DQII』を下地に様々な追加要素が加えられ、ボリュームも大幅に増大している。 ''冒険の書'' -本作ではバッテリーバックアップ方式を採用。コンティニュー時に復活の呪文(パスワード)を入力する必要は無くなり、時間を空けても快適に遊べるようになった。 --ちなみに、従来通りパスワード方式にすると200文字を超えてしまうと説明されていた。 ''キャラクターメイキング'' -パーティ制を採用した前作『DQII』では、仲間になるのは様々な個性を持った固定キャラだったが、本作では(当時の)一般的なRPGと同じく、名前・職業・性別を自分で決めたキャラをパーティに入れて冒険できる。 --仲間キャラクターの登録やパーティの入れ替えができるのは、スタート地点の街「アリアハン」にある「ルイーダの店(ルイーダの酒場)」。このルイーダの店は、『V』など後のシリーズでも度々登場している。 -本作は最大4人パーティーとなる。 --前作までと同じく本作にも「あなた」、つまり主人公が存在する。職業は専用の「勇者」固定で、メンバーからも外せない。 --残りの3人は任意で決めることができる。戦士・魔法使い・僧侶という組み合わせが基本だが、それ以外にも個性的な職業が用意されている。 ---メンバーを3人以下にすることもできる。行動回数こそ減るが、一人当たりの獲得経験値が増えて早く成長するため、慣れると3人のほうが有利という話も。ただしさすがに2人以下まで減らすと、クリアの難易度がかなり上がってしまう。 --勇者以外の職業は「ダーマ神殿」で転職が可能。転職するにはレベル20が必要だが、転職後はレベル1になるのでレベル上げをやり直す事になる((習得済の呪文は全て引き継ぎされる。また、ステータスは1/2なので新規のレベル1よりは強い。なおステータスには限界値があるため最終的には転職していないキャラとそれほど大きな差は付かない。))。以降のシリーズでも、職業システムがある場合は「ダーマ神殿」で転職を行うことが恒例となっている。 ---なお、本作における転職は「呪文も使える前衛職」を作るためのシステムという側面が色濃い。たとえば、商人から戦士に転職してもメリットはほとんどないが、魔法使いから戦士にすれば呪文を使いながら前衛も務まる万能キャラになる。 //↑魔法使いが呪文を一通り覚える頃のレベル帯基準で考えると、武闘家から転職した素早い戦士は、魔法使いから転職した魔法使いの呪文を全部覚えた戦士と比べて見劣りしないと思う。 ---ただし僧侶、魔法使い共に全ての呪文を覚えるのはゲームを終える頃になるので、クリアを目指すだけなら使用する必要のないシステムである。むしろレベル上げが大変なので、稼ぎ手段(はぐれメタル退治等)を確立させるまでは転職せずに進んだほうが無難。実際、公式ガイドブックでも中途半端な転職はやってはいけないこととして記載されている。 ---その一方、成長させなおす手間以外のリスクはほとんどないので、旅の過程を楽しむためのフレーバーとして、積極的に転職させてしまってもさほど問題はない。もちろんクリアにかかる道程は長くなってしまうが。 -性別は勇者を除き移動画面でのグラフィックが変わるほか、一部性別限定の装備品がある。 --鳥山明氏による公式イラストが各職業の男女両方に存在しており(勇者のみ男女共通)、いずれも人気が高い。 #region(職業) どの職業もそれぞれ特徴があり上手く釣り合いが取れている。~ 主人公専用職業「勇者」、RPGでは一般的な「戦士」「僧侶」「魔法使い」、上位職業の「賢者」、通好み(?)な「武闘家」「商人」「遊び人」とバラエティ豊か。~ 基本の編成は「勇者・戦士・僧侶・魔法使い」で、ルイーダの酒場に初期からいるのもこの3職業。これをベースに好みや慣れでメンバーを変える。~ 一見、役立たずに見える商人や遊び人もレベルの上がりやすさと装備品の優秀さで序盤は物理攻撃要員としてそれなりの活躍をし、賢者は呪文系職業の最上位だが転職前提の上、レベルの上がりにくさで強力な呪文が使用しにくい等バランスが取れている。 ''勇者'' -いわゆる主人公、当然他職業への転職はできず、主人公以外が勇者になることもできない。 --そのポジション上、クリアするまではルイーダの店に預けることもできない。 --主人公が不在になっては困るためか、バシルーラ(対象1人をパーティ内から吹き飛ばしてルイーダの店に戻してしまう凶悪呪文)を100%回避する。ただしクリア後、パーティから外せるようになって以降はバシルーラにもかかる。 -ステータスは戦士系で力、HPが高く、MPが低い。レベルアップは最初遅いが、レベルが上がるにつれ速くなる。 --上記の特性上、序盤は他の職業と比べると得意分野がなく、能力も抑え目な為にいまいちパッとしない。 --ただし後半は強力な専用呪文を覚え始め、終盤では勇者専用の武器や防具も入手できる。このため戦士並みの攻撃力とダントツの守備力、耐性を持ち、強力な呪文も使用可能という、PTのリーダーに相応しい戦闘力に成長する。 -呪文は一通りの攻撃・回復・移動呪文から、最終的には勇者専用の特別な攻撃呪文であるデイン系や最強の回復呪文であるベホマズンまで幅広く覚える。ただし専用呪文は消費MPが多く、また当人のMPも低いために乱発できない。 --デイン系の攻撃呪文には、ごく一部の敵を除いて大抵の敵に通用するという特徴がある。アストロンは行動不能になるが無敵状態となり、相手の行動パターンを把握するのに役立つ。合わせて初見の敵に対処するのに適している。 -性別の選択が可能だが、容量の制約上女性を選択しても移動時のグラフィックは男性と同じでそれも完全に男ベースで作られている。母親からも「勇敢な男の子として育てた((リメイク版では「男の子のように育てた」に変更))」と言われるように女性扱いされることはほとんどない。 --実際パッケージをはじめ公式イラストは男のみしか描かれていない。 --ただし、主人公が女性の時にそれを指摘する人物が1人だけ登場する。また、この時の会話内容を見るに、主人公自身も女性ではないと振舞っているようである。『[[ゼビウス]]』で知られる遠藤雅伸氏はこのイベントに感心していた。 -前述の観点から職業中1番有利に思われがちだが、転職による能力の底上げや呪文の習得ができず、覚えられる呪文も(特に補助系に)穴がある等、必ずしも完璧ではない。 ''戦士'' -典型的な肉弾戦のプロ。力とHPはトップクラスだが、それ以外の能力値はほとんど伸びない。 -他の職業と比べ強力な武器防具が装備でき、ことダメージに対しての耐性面で優秀な前衛役となる。ただしその性質上、武器防具を揃える必要があるので、多くのゴールドが必要になりがち。また素の守備力となる素早さが低いため、重装備を整えなければ見た目より脆い。 //--問題なのは、破壊の剣、地獄の鎧、不幸の兜と最強武具が呪いアイテムであること。この内、破壊の剣と地獄の鎧はそれぞれ1/4、3/8の確率で動けなくなる((この呪いは「たたかう」コマンドを選ぶと発動する。また本作では武器防具の呪いは互いに重複するので同時に装備していると半分程度の確率で動けなくなる。))ので実用に適さないが、運の良さを0にする不幸の兜は元々運の良さの低い戦士にとってデメリットは少なく、またルビスの塔クリア後は特にこれといったステータス異常の機会もないため、素直に使用を勧められる。 //--ちなみに、破壊の剣は普通に店売りしている武器である。呪われている武器が売られているのはいかがなものかと指摘されることも。 //--呪い装備を除けば魔神の斧が強力。ミスしやすいが会心の一撃も出やすく、防御力が高かったり自然回復能力を持つ敵に対して有効。確実性を求めるならドロップは厳しいが、戦闘中に使うとベギラゴンの効果もある雷神の剣か。 //↑呪い装備への言及は蛇足なだけに思える。FC版に関して言うなら結局、「全体的に装備が優秀」の一語で片付く話では。呪われていない装備の中で比較しても、勇者専用装備を除けば概ね戦士が最上位ですし。最上級の装備が呪われてると言っても、強い代わりに呪われてると考えれば納得なわけで。 --強力な攻撃呪文の込められた武器を扱えるため、後半は限定的ながら魔法使いの真似事もできるようになる。 -素早さは最低クラスだが、その遅さはかえってメリットともなる。本作はシリーズでも特に「殺られる前に殺れ」という面が強いが、終盤に手に入る「味方全員を回復し、無制限に使える『けんじゃのいし』」を合わせることで「次のターン開始を安定した状態で迎える」ことができ、もっとも使用に向いている職業とされる。 -他職からの転職により目覚ましい強化をされる職業でもある。素早さを底上げし、魔法職で呪文を覚えさせることで行動の幅も増え大幅に強くなる。呪文を覚えた戦士は、先頭に立たせた際に防御攻撃(後述)ができなくなるので迷うところだが。 -屈強な外見の男戦士に対し、女戦士は''ビキニアーマー''着用で妙に露出度が高く、人気も高い。男女とも、後の『VIII』『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。『VII』にも一部のイベントキャラで登場するが、女戦士は髪の色が紫色から金髪になっている。 ''武闘家'' -体を使っての闘いを得意とする職業。レベルの成長に伴い会心の一撃が発生しやすくなる(確率はレベル/256)という特性を持ち、終盤はバシバシと会心の一撃を出して敵を屠る。 --上記した特性に加え能力成長の癖もあることから、全体的にやや大器晩成型の傾向を持つ。中盤くらいには独自の強みを見せ始め、終盤になると再び他職に追いつかれるが。 -力、素早さはダントツ、他の能力値も賢さ以外全般的に高いが、レベルアップ速度は遅め。装備できる防具もほとんどないのが苦しく、打たれ弱さで戦士に遅れをとっている感が否めない。 --こと最初期は力や素早さすらもパッとせず、戦士・勇者はもちろんのこと、僧侶にすら''殴り合いの能力のみでも''見劣りする。 --専用以外の武器はほぼ扱えず((一見そこそこ装備できるように見えるが、実際は装備すると逆に攻撃力が下がってしまう))、きちんと機能する武器は「てつのつめ」か、強い代わりにエンカウント率が極端に上がってしまう「おうごんのつめ」のみ。防具も中盤の「みかわしのふく」「ぶとうぎ」辺りが最強((数値上の最強は「ぶとうぎ」だが、守備力の差はわずかなので、回避力も上がる「みかわしのふく」のほうが実質的に強い。))で、盾と兜は全く装備できない((唯一「はんにゃのめん」のみ装備可能だが実用性は殆どない))。女性の場合は「まほうのビキニ」を装備できるがかなりのレアアイテム((キングマーマンのドロップ(1/64)でしか手に入らない。))。 --裏を返せば装備に金をかけなくても済むという長所がある。最初期は「けいこぎ」一着だけでそれなりの働きをしてくれるし、中盤以降もほとんど金がかからない。 --素早さはダントツに伸びるので、先制で行動することが多い。打撃攻撃以外でもアイテムを活用すれば活躍の場は多い。装備部位が少ない分、アイテムを多く持てるのも大きい。 ---また、素早さの1/2が防御力になるシステムのおかげで、素早ささえ伸び切れば前衛職相応の物理防御力が得られる。ただし、ブレスや呪文に対する耐性が得られないので、結局は守備面に不安を抱えることとなる。 --実はイメージ程HPが高くなく、戦士はおろか勇者よりも低い。この微妙な差が痛恨の一撃を受けた場合に明暗を分ける事もあるため、先頭を任せるには、やや不安が残る。そのため勇者の後ろにつけるのが望ましい。 -男女とも拳法着を着用した中国風の外見。男のみ、後の『VIII』『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''魔法使い'' -文字通り、多数の魔法を使いこなす職業。 --攻撃呪文は固定ダメージのため、守備力の高い敵に対して力を発揮する。序盤のヒャド(敵単体に約30ダメージ)とギラ(敵1グループに約20ダメージ)、最終盤のメラゾーマ(敵単体に約180ダメージ)は、ダメージソースとして非常に優秀。ただ、メラゾーマの習得はかなり遅いので、人によっては習得前にクリアしてしまうこともありうる。 --攻撃ばかりではなくバイキルト(味方一人の通常攻撃のダメージを倍増)やスクルト(味方全員の守備力を増強)などの補助呪文、リレミト(ダンジョン脱出)やルーラ(一度訪れた街に移動できる)などの便利な呪文も覚える。 -MP、運の良さには秀でるが、HPや力の伸びは小さい。また装備できる武具も乏しいため、呪文抜きでの攻撃力には期待できず守備力も低い。呪文が不要な場面ではパーティの最後尾で出番を待っていることが多い。 --ただし、毒針のような単純な殴り合いの苦手さを補える専用装備も存在する。 ---毒針は常に1ダメージしか与えられないが、一定確率で敵を即死させる。また確実に1ダメージは通すため、HPが1ケタで守備力が非常に高いメタルスライム系に効果的。 ---水の羽衣はそれなりの守備力を持つとともに、耐性だけなら勇者専用の最強防具・光の鎧に匹敵する。守備力もそう低くはない。 --終盤では素早さが劇的な伸びを見せるため、弱点である守備力はある程度改善される。先攻で賢者の石を使いたい時にも役に立つ。 -男魔法使いは全職業唯一の老人である一方、女はとんがり帽子におかっぱ、小顔、華奢な小娘ドットキャラ。裾の広いロンスカとのコントラストがお嬢様っぽくて可愛らしいと好評。なおリメイク版では酒場の初期メンバーにおいて魔法使いのみ性別はすべて女となり(他の職業は男3:女1)、男魔法使いのみが削除されてしまった。 ''僧侶'' -回復呪文のエキスパート。HP回復、状態異常の回復、はては蘇生まで一手に引き受ける。 --特にパーティ全員のHPをある程度回復させる「ベホマラー」、味方を確実に完全蘇生させる「ザオリク」は他の汎用職では代えが利かない(賢者も覚えられるが、下記の通り習得はかなり遅くなる)。中級以上の回復呪文は勇者の習得が極端に遅く、''パーティーにいるといないとでは難易度は雲泥の差''。 //ベホマは勇者も使えるし、ベホマラーは終盤になれば賢者の石で代用できるし、ザオリクは世界樹の葉で替えが利くし、「いれば楽になる」のは確かだけど必須レベルというほどではない --持ち運べるアイテムの総数に厳しい本作(装備品込みで8個)では回復アイテムを多数持ち歩く必要がなくなるという点でも、ありがた味が実感できる。もし、僧侶がいない場合、回復呪文を使えるのが最大MPが低い勇者のみになってしまう為、大量の薬草を持ち込まないと厳しくなってしまう。 --またルカニ(敵1体の守備力を0にする)やラリホー(敵1グループを眠らせる)、マヌーサ(敵の通常攻撃の命中率を激減)など、魔法使いと同様サポート呪文も強力。 --攻撃呪文も、風で切り裂くバギ系や即死呪文のザキ系を覚えていく。ニフラムもアンデッドなどを消し去るので強力(ただし経験値やゴールドは得られない)。 ---ただし、バギ系はダメージがばらつきやすくやや不安定な上に、習得も魔法使いの攻撃呪文と比べかなり遅め。ザキ系やニフラムは効く効かないが極端で、耐性により高確率で無効化してくる相手が多いと、呪文攻撃はあくまでおまけ程度。 -また、能力は平均的に伸び、装備品もある程度充実しているので、魔法使いとは違って呪文以外にも戦闘に参加していくことができる。ただし、その魔法使いと比較すると、終盤にかけてやや能力が伸び悩んでいく。 -男女ともぴっちりした全身タイツに貫頭衣状の上着を重ねるという、露出度は低いながらセクシーな格好。男は口ひげを生やしたオッサンなので見向きもされなかったが、女は清楚な雰囲気のある若い女性でそのギャップからか人気が高い。 --女は緑のドット絵なので、リメイク版を見ると違和感を覚えるかも。男のみ、後の『VIII』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''商人'' -全職業中で唯一アイテムの鑑定能力を持つ。また戦闘後、その戦闘で入手したゴールドの1/6程度を追加で入手することが結構な頻度で発生し、意外にこの積み重ねが馬鹿にならない。 -他の職業にない特徴として、ストーリー進行上、パーティーに加えた商人と必ず別れる必要がある点があげられる。 --もちろんルイーダの店で登録したばかりのレベル1の商人でも可能なので、知っていれば損をさせられることはない。 -役割としては前衛系。レベルアップが全職業中最も早いため能力値も伸びやすい。 --序盤は「ターバン」「てつのまえかけ」など安価な専用装備も充実しており、中盤までは戦士を凌駕した性能を発揮できる。 --ゴールドを追加獲得する能力も合わせ、金欠になりやすい序盤の財布事情を幾分か解決してくれることが最大の魅力。転職させるかイベントで離脱させるまでと考えても十分すぎる活躍をしてくれる。 --そうした「序盤限定のお助けキャラ」という立場を裏打ちするように、中盤以降に出てくる装備品はほとんど装備できず、船が手に入る頃にはほぼ戦力外となる。ダーマ神殿で商人に転職することもできるが、ガイドブックにも「後半商人に転職するのは無意味である」とか書かれており、まさに正鵠を射ている。 --なお実用性はともかくとして、最終盤でも他の職業と差別化できる要素は持ち合わせている。2回攻撃可能な「はやぶさの剣」を装備できるのは、勇者と賢者の他には商人のみ。勇者と賢者は転職に制限があるため、自由につける職業としては商人の特権。 -男は僧侶と同じくオッサンキャラで、ターバンを巻いた中東風の姿はその辺の店のカウンターにいそうな風貌。女はポニーテールの可愛らしい女の子なのだが、商人自体の使用率の低さから他の女性キャラに比べて人気は伸びていない節がある。そればかりか後述のようにグラフィック面で重大な不遇を被ってしまう。 ''遊び人'' -運の良さのみ爆発的に伸びるが、それ以外のステータスは全て平均を下回る。おまけにレベルが上がると戦闘中に勝手に遊んで何もしなくなるなど、いい所なしの職業。 --一応、運の良さはこの作品では状態異常にかかる確率に影響するため、遊び人は他の職業に比べて状態異常にかかる確率が低いというメリットは(役に立つかは別として)存在する。戦闘中もひたすら遊びまわっているだけなので、常に状態異常に掛かっているのと大差ないが。 -隠された真価として、''無条件で賢者に転職できる''というのが遊び人最大の強みとなる。遊び人以外の者が賢者になるには、「悟りの書」という実質一品物のアイテムを使わなくてはならない。 //この仕様は実はバグの賜物だったのだが、リメイクにあたって公式化された。 //↑初めて聞いたけどソースどこ? --この仕様は半ば裏技扱いで、攻略本などでも公開はされていなかった。((漫画「ロトの紋章」の賢王・ポロン(polon)は初登場時は遊び人で文字通り“転”職して賢者になるという上手い設定。ポロンと言う名前は本名の「ノロップ(nolop)」をひっくり返した物)) --なお、他の職業から遊び人へ転職することは''不可能''。遊び人から他の職業へ転職した者が再び遊び人に戻ることもできない。その性質上、遊び人以外の職業でスタートしたキャラは、悟りの書を使う以外で賢者になる方法が存在しない。 -他には商人と同様、序盤に限りそこそこ強い装備が持てる。商人や武闘家用の安価で高性能な装備を一部こちらも利用できたり、戦士・勇者用の強力な武器を一部は共用できたり。 --序盤は遊びの種類が少ない分、戦闘にもそこそこ真面目に参加してくれる。ダーマへついたら賢者へ転職するのを前提に、初期メンバーとして連れて行くのも悪くはない。…残り3人への負担は通常よりもかかってしまうが。 ---上記の賢者転職路線で行く場合、防具だけ整えて武器は他メンバーのお下がりで済ませるのも有効な手段となる。 勝手に遊んでしまう上に力も弱いので真面目に攻撃したとしてもたかが知れており戦力としてはカウントしづらいので。 --遊びはレベルが上がるにつれて種類が増えていくため、シャレと割り切りそのまま育てていくのも一興。実際ルイーダの酒場の客も''「充分強くなってからシャレのつもりで仲間にしろ」''とアドバイスしている。 -男は道化師、女はバニーガールの格好をしている。 ''賢者'' -ルイーダの酒場で初期登録することは不可能で、転職でのみなれる幻の職業。転職するにも他の職業より条件が厳しく、事実上一品物((一応アカイライが落とすのだが、その確率は1/2048。よほどのリアルラックの持ち主でないかぎり、遊び人をLv20まで上げたほうが早い。))である「悟りの書」を使用するか、遊び人として修行を積んで転職のどちらかを満たさない限りなれない。 --なお遊び人の項にもある通り、遊び人に転職することはできない。つまり原則としては、悟りの書を使わない限り賢者になれない。 -僧侶と魔法使いの呪文を習得し、最終的には双方の呪文全てを習得できる。ステータスも安定して伸び、装備品も僧侶の装備+α(草薙の剣、隼の剣)を装備できるので、ある程度は肉弾戦も可能な万能職。 -弱みは転職によってしか就けない職業であるうえに、レベルアップが非常に遅いこと。そのため呪文の習得が全体的に遅くなる。また、MPも同レベル帯の僧侶や魔法使いにくらべると低め。 --初期から育て続けた魔法使いや僧侶は「ゲームをクリアする前後あたりで全ての呪文を覚えるかどうか」といった形に調整されている。裏を返すとレベルが大きく遅れる賢者の場合、普通にクリアする範囲では覚えきれない呪文が出てくるため、気軽に転職させるのも考えもの。 //--フバーハ(敵のブレス攻撃で受けるダメージを2/3に)やベホマラー(味方全員のHPを中回復)などを覚えるまでレベル上げしないとクリアは難しめだが、賢者はここに手が届くかも際どい。 //↓にあるようにクリアレベルは40程度だから、勇者がLV40に必要な経験値は約60万。その頃には賢者はLv36まで上がっているから(僧侶or魔法使いLv20の必要経験値が約4万、賢者Lv36の必要経験値が約55万)十分ベホマラー覚えられる。クリアレベルを僧侶がザオリク覚えるLv38と低めに見ても、必要経験値は約49.5万で、賢者はLv34まで上がってるのでベホマラーに届く。フバーハは言わずもがな。 -クリアレベルは40程度だが、賢者はレベルが50を越えても成長が鈍ることなく能力値が伸び続ける。成長吟味なしにMPが500まで伸びるのは賢者のみ。力が十分に伸びてから隼の剣を装備すれば戦士並の物理アタッカーともなるので、そこまでやり込むなら本当の意味での万能職となる。 -男女ともにルックスは抜群で、男はストイックさと爽やかさが同居したイケメン。女は「エロカワイイ」をそのまま表した様な本作屈指の人気キャラである。 #endregion ''世界を渡り歩く物語'' -ワールドマップは前作からさらに大きくなっており、1つの街が単なる中継点・通過点ではなくなった。 --本作では呪文「ルーラ」やキメラの翼の効果も変わっており、行った事のある町や城から任意に行き先を選び飛べるようになった。((1では出発拠点のラダトーム城のみ、2でも「最後に復活の呪文を聞いた町」への帰還で固定されていた。)) -世界各地に散らばっている六つのオーブを探すといったワールドマップ全体を使ったお使い要素は今作でも登場。いわゆる「王道的シナリオ」の原点を確立した。 --前作と違い、近場かつ解り易い位置にある祠で各地に何があるかを教えてくれるので、手探りで各地をうろついていきなり強敵に襲われる可能性が減った。 ---勿論、苦戦覚悟で重要アイテムを入手する為に高レベルを要する地域を強行突破という遊び方も可能。自由度とゲームバランスの両立が前作よりも改良されている。 --なお、本作のワールドマップは現実の世界地図によく似た形であり、地名も現実の地理や世界史などを元にした名前が使われている。 ---分かりやすいものも多いが、インドに相当するバハラタや胡椒屋のグプタはバーラタ族とグプタ朝、アープの塔は西部の開拓時代の保安官ワイアット・アープ、地球のへそはエアーズロックの別名、ガルナの塔は仏教用語のカルマ(業)からなど奥が深い。 ---最初の目的地であるロマリアは現実のイタリアにあたり、そこから東方を目指すシナリオは東方見聞録を思わせ、大航海時代の幕開けとなったポルトガルにあたるポルトガで船を手に入れるなど、地理から歴史的旅情を味わえる。また、暗黒大陸と言われたアフリカ大陸はバラモスの拠点だったり、アメリカ大陸で開拓の町を作れたりと世界史通にはニヤリとさせられる。もちろん日本に相当するジパングも登場する。 ''昼と夜'' -ワールドマップを歩き続けると時間が経過し、画面が暗くなって夜になる。夜になると街は静まり返り、外でエンカウントするモンスターは昼よりも強力になる。 --街にも昼夜の違いによるイベントが数多く入れられている。 --歩かなければ時間は経たず、ルーラで移動すると必ず昼になる。 --使うと強制的に夜になるアイテム「闇のランプ」、昼と夜を入れ替える呪文「ラナルータ」も登場した。 ''ギャンブル要素'' -手持ちのゴールドをモンスターに賭けてモンスター同士のバトルを見物し、見事賭けたモンスターが勝利すれば倍率に応じた配当金が得られるギャンブル施設「格闘場」が登場。ギャンブル要素が本格的に登場したのもこの作品から。 --シンプルながらかなり面白く、以降のシリーズでも更に改良されたものが搭載されることになった。 ''パーティーアタック'' -戦闘時、各コマンドの使用対象枠の上に矢印が付き、通常指定できる相手以外の対象への指定が可能になっている。 --主に眠った味方をこれで起こしたりするという説明がされているが、これがあるためラスボスへのベホマアタック(後述)も可能になっている。 ''状態異常'' -前作までは状態異常は「眠り」「毒」「マホトーン」「マヌーサ」の4種類だったが、本作からは「マヒ」「混乱」が追加された。 --「マヒ」は特定のモンスターが打撃と共に繰り出して来たり、じごくのきしが使ってくる「やけつく息」を喰らったりすると発生。残りHPがいくらあっても行動不能になり、パーティーメンバー全員がマヒ状態になるとその時点で全滅が確定する((特に一人旅でマヒしようものなら問答無用で全滅してしまう。))。 --「混乱」は前作でも「パルプンテ」の効果の一つで存在していたが、本作からは「メダパニ」の効果として正式に実装された。混乱状態になったキャラはプレイヤーの制御を受け付けず、仲間に対して打撃や呪文で攻撃してしまう((仲間が全滅して混乱したキャラ一人だけが残った場合はプレイヤーが制御可能になる。これは敵側も同様。))((「般若の面」は守備力255を誇る防具だが、装備すると呪われる上強制的に混乱状態になってしまう。一人旅なら混乱のデメリットは無いため重宝するが。))。 --またマヌーサの効果も前作より強化され、ミスを誘発する確率が高くなっている。 ---- **評価点 -DQ特有の手応えのあるゲームバランスは本作でも健在。 --初めて相まみえる魔物との戦い、厳し目の数値バランスにより緊張感ある戦いの連続、パーティーが成長することで行動範囲は広がり、見えてくる未知の土地と新たな敵……という誰もが確実に手応えを感じながら進められるバランス調整が徹底されている。 --強敵は数多いものの、バランス調整がしっかりと行われており『II』のように理不尽な域ではなく、終始安定したゲームバランスが保たれている。 --補助魔法の一部が顕著な効果を表わし、目に見えて役に立つようになった。 -すぎやまこういち作曲によるBGMは非常に評価が高い。 --フィールド曲「冒険の旅」、通常戦闘曲「戦闘のテーマ」、城の曲「王宮のロンド」等、物語の雰囲気を盛り上げるためにも、曲単体として聞くにも十二分なものばかりである。 --特にラーミアの曲『おおぞらをとぶ』や最終バトルの曲『勇者の挑戦』はシリーズでも一二を争う人気を誇る名曲とされている。 //---ただ、どちらの曲もストーリー上で聞ける時期が短いのは、少し勿体無いか。 -王道的ながら当時のプレイヤーを驚かせたストーリー展開。 #region(ネタバレ注意。ただし現在ではかなり有名な内容) -当初、物語は魔王バラモスを倒すことを目的に進んでいくが、バラモスを倒した後にその上位の存在である大魔王ゾーマの存在が明らかになる。「後に真の黒幕の存在が明かされる」という展開は今でこそよくある手法だが、当時としては斬新でプレイヤーを驚かせた。 --ただ、戦闘時のBGMが通常の戦闘と同じだった為、ここで真のラスボスがいることに勘付いた人も結構いた。 //もっとも、前2作からして冒頭でラスボスとされる者については変身・召喚で2連戦になってはいたが。 ---この点に関してすぎやまこういち氏は「ROM容量の都合でBGMを削らざるを得なかった」とコメントしている。リメイク版では専用BGMになった。 --そのラスボスのゾーマは、威風堂々とした圧倒的な存在感、ビジュアル面、バトル曲のかっこ良さからDQシリーズでも屈指の人気ラスボスになっている。また、その後のシリーズで定番となった補助魔法のリセット技である「いてつくはどう」を初めて使用したことでも有名。 //---余談だが、当初はゾーマに第2形態がある予定だった。しかし、外見が余りに酷かったからか没になってしまった。詳細を知りたい人は検索してみるといい。 -ゾーマの居城がある場所は闇に包まれて常時夜になっている地下世界だが、探訪するとそこが『DQI』の舞台であるアレフガルドであることがわかる(ただし、いくらか地理関係が異なっているが)。ゾーマを倒すために必要なアイテムを手にするイベントも『DQI』に登場する人物との繋がりがあり、印象深い。 --そのアイテム「光の玉」は無ければ難易度がかなり上がるが、倒せないわけではない。その場合、攻撃力が550・守備力300・素早さ255と格段に上がり吹雪も強いもののみになる一方で、HPや自動回復量に変化はなく、行動は完全ローテーションで相手の行動がつかめ、光の玉使用後より効く呪文が多くなる(特にマヌーサが効くのは大きい)。従って、相手の後に行動することを前提にした詰め将棋的なバランスで、闇雲に攻めても勝てないが、ちゃんと作戦を練れば驚くほどアッサリだったりする。ある意味『V』以降恒例となる裏ボスの先駆けとも言える存在でもある。 -そしてエンディングでは、前作まで伝説として語られてきた「勇者ロト」の正体が明らかになる。 このシーンで流れるBGMはこれまでタイトルBGM「序曲」として使われながら今作FC版では一度も流れなかった「ロトのテーマ」。かくして、「そして伝説は始まった」のである。 --エンディング後にクリアしたデータで再開すると、データの一部に変化があるうえ、勇者をパーティから外すことができるようになる。 ---これを使って意図的にハマり状態を起こすことができる。詳細は割愛。 //ゾーマを倒し、エンディングを見たあとだと主人公(勇者)をパーティから外すことができる。この状態でアレフガルドでセーブし、その後ルイーダの店へ行ってレベル1でアイテム装備なしの弱いキャラ一人のパーティにし、お金も0にした状態で敵と戦って全滅すると、レベル1一人パーティはアレフガルドで復活してしまう。アレフガルドからルイーダの店へ戻るにはキメラの翼かルーラの呪文が必要だが、所持金なしでは買うこともできずルーラも覚えておらず、アイテム装備なしではスライムにすら勝てないので、どうあがいてもレベル1のまま抜け出せないハマリ状態になる。なお、クリア前でも最初に勇者を死なせ、勇者のみ死亡状態で成長させないままアレフガルドに到着して同様に勇者一人パーティにすれば同様にはまり状態になる。ラダトームの宿屋は極めて安くて回復はしやすいため、スライムやスライムベスを一発で倒す手段を持っている武闘家や魔法使いなら頑張れば脱出できる可能性はある。極めて難しいし、運に左右されるが…。 --なお、ゲーム開始時に主人公の名前を「ろと」にすると「じぶんのなまえをいれてください」として受け付けてくれない。ルイーダの店で仲間に「ろと」と付けようとしても「これはおそれおおい!」と断られてしまう。上記のエンディングを知っているとニヤリとさせられる心遣いである。 -今でこそ誰もが知っている「ロト三部作」だが、その事実は本作発売当時はメーカーの意向で雑誌などでも情報が伏せられていた。前作までとのつながりは序盤では一切描かれず、マップも異なるために世界観を仕切りなおしたもの、と思わせていた。 それゆえに、ストーリーが進行して前作までとのつながりが垣間見え、すべてが明らかになるラストはシリーズを通して遊んできたプレイヤーには感動モノであった。 --実は当時のCMやパッケージ裏で「アレフガルドの謎」とはっきり明示されていたりするのだが、『I』での「アレフガルド」という言葉は説明書で「アレフガルドの地」と記述があるのみでゲーム内では使われていないため((当時は容量の制約上使用可能なカタカナにも制限があり、ゲーム内で「ア」を使用することができなかったため))、その単語を見ただけで『I』と関連していると気づいてしまう人間は少なかったようだ。 #endregion **賛否両論点 -戦闘バランスはハッキリ言って「苛烈」の一言。序盤から終盤まで満遍なく難敵が登場する。 --スタート直後、スライムの群れにレベル1で遭遇したら死人が出ることを覚悟しなければならないほど、と言えばシリーズ経験者には本作のバランスの苛烈さは伝わるだろう。序盤の味方のステータスが低く、それでいながら初期から集団で襲ってくるモンスターが多いため初っ端から全く油断できない。 ---以降も、「あばれザル」「キャットフライ」「じごくのハサミ」「スライムつむり」「スカイドラゴン」「エビルマージ」など、エンカウント時期に対して強烈なモンスターがゾロゾロと出てくる。また、雑魚ではないがトラップモンスターの「ひとくいばこ」「ミミック」も対処を誤ると容易に全滅する。 --ただし、『II』と異なり本作のバランスはあくまで「計算された難しさ」である。この手の難敵は大体明確な弱点も同時に設定されており、キチンと戦略を組んで戦えばなんとかなるバランスである。「雑魚戦であっても気を抜けない難しさ」なのは事実だが、それぞれの雑魚ごとの能力や特性を把握して対処を考えるRPGの王道的な難しさの範疇には収まっている。 ---当時のゲーム全体で見ても、本作の難易度が飛び抜けている、という程でもないだろう。リメイク版で本作の戦闘難易度が低下したことを嘆く声もまた多い。 **問題点 -''セーブデータがとても消えやすい。'' --本作におけるバッテリーバックアップ機能には、セーブデータ破損時の対策として「ソフト側のプログラムにより壊れたセーブデータを自動的に削除する」という機能が搭載されているのだが、特に問題のないデータを壊れたものと誤認識して消してしまうことがあり、その頻度・確率が''半端なく高い''。~ また、接触不良で読み込めなかった際にもデータ破損と認識されて消去されてしまうことがあるなど、非情なまでにデリケートである。 --その際に真っ暗な画面で表示される''「おきのどくですが ぼうけんのしょ○ばんは きえてしまいました」''というメッセージ、同時に流れる「呪われた武具を装備した際の''不気味なジングル''((初出は『I』だが、使用されているのは『II』以降のもの。曲名はそのまんま「呪いのモチーフ」で、作曲者曰く「嫌われるよう一生けんめい作った」「僕も嫌い」だそうだ。))」がプレイヤーにトラウマを刻みつけた。 ---次作『IV』からSFC以降も継続してこの演出が採用されているが、これほど冒険の書が消えやすいのは本作(特に初期版ROM)くらい。なお、後期版ROMでは搭載チップの物理的な変更により多少だが改善されている。 --誤動作によるデータ破損を避けるため、公式に「電源切断時はリセットボタンを押しながらスイッチを切る」というやり方が指示されており、説明書にも書かれている。しかし、これを守っていても消えるときは消える。 ---本作に限らない話だが、もう1つの原因として、ファミコン本体がバッテリーバックアップの搭載を考慮した設計になっておらず、ROMカートリッジに電気供給用の電池を後付するという無理な形で実現していたことが挙げられる。~ 「リセットボタンを押しながら」という操作も、その間はCPUの動作が完全に停止するため安定しやすいという事に過ぎない((本作発売直後の4月にナムコが発売した『独眼竜政宗』などは、リセットボタンを押さずに電源を切る方式を採用していた。説明書にも「リセットボタンを押したまま、電源を切らないでください!」と書かれていることからも本作の影響が大きかったことを裏付けている。))。実際、リセットを無視して電源OFF・ONをカチカチ高速で繰り返してもまず消えることはない。~ この状況は次世代のSFCで軽減され((余談だが、SFCでは逆にリセットボタンを押しながらスイッチを切るとデータが消えやすくなるため、5や6では説明書でリセットボタンを押さないように書かれていた。))、記録媒体が別売りのPSやフラッシュメモリによる記憶媒体となったDSの登場により、ようやく解消された。((ただし、メモリーカードやDSのカード共に、自動削除機能は存在しないないため、破損の度合いが酷いと最悪、破損したデータそのものを消せなくなり他のデータに影響を与える可能性が出るという新たな問題も生じている。)) -説明書には、「パラメータの体力・賢さは、最大HP・MPの上昇しやすさに影響する」と書かれており、実際対応はしているものの、種でこの2つを上昇させると、かえって最大HP・MPの成長が鈍ってしまう。 --これは最大HP・MPの上昇量が「レベルアップ時の体力・賢さの上昇量」に比例しているため。種で先に上げてしまうと、レベルアップ時に本来上がるはずだったパラメータがほとんど上がらなくなる。 #region(詳細など) --種で上昇させると「パラメータが基準値((基準値=(レベルアップ後のLV-2) × (定数+0.5) + (10+定数)。少数切り上げ。))より高くなっているとレベルアップの際に上昇量が0~1になる」仕様により、本来上がるはずだったパラメータがほとんど上がらなくなる。 ---なお上記の計算により、基準値の定数が4の能力値の場合LV55以上で基準値が256以上になりオーバーフローして低い値になるという現象が発生する。定数が3の能力値でもLV70以上でオーバーフローが発生。 --逆にカンスト値の255の時に種を使うとオーバーフローによってパラメータが1桁まで下がる。 ---さらに「レベル×基準値の定数」が256以上((定数4ならLV64以上、定数3ならLV86以上。定数2や定数1では条件を満たせない))になると、パラメータの成長率がおかしくなってパラメータが基準値以下だといっきに成長する状態になる。そのためスタミナの種を大量に使って体力を下げると、レベルアップ時に体力と共に最大HPが凄まじい勢いで上昇する。表示上のHPは最大999だが、実際の最大HPは1000以上まで上がるためレベルアップのたび体力を下げればどんどん最大HPは成長していく。利用可能なレベル帯は既に通常プレイ帯を越えていて、種の使用回数も裏技を最大限に活用する場合においてさえかなりの作業量の域だが。 ---ただしレベルアップで体力が65以上いっきに成長するとHPが増えないという現象もあるので、気を付ける必要がある((「レベルアップ時の体力上昇値×2倍 ± 2」がHP上昇量になるが、符号付数値表現で127を越えると128→0、129→-1、130→-2というように扱われるため成長しなくなる。体力64上昇の場合は、64x2+0=128や64x2+1=129や64x2+2=130というようになるとダメだが、64x2-2=126や64x2-1=127という結果での大幅上昇もある。))。 ---また賢さに関しては、MPの上がる職業ではこの急成長の現象は発生しない((勇者・魔法使い・僧侶・賢者の呪文を使える職業がすべて、かしこさの基準値の定数が2であるため「レベル×基準値の定数」が256以上にならない。))。 ---なおHPやMPにも基準値による上限はあるため、転職前に体力や賢さをオーバーフローで下げておいても、体力や賢さはレベルアップ時にたくさん上がってもHPやMPは0~1しか成長せずあまり意味がない結果になることが多い。ただし遊び人から賢者にする場合は、初期MPがないので転職前に上がった賢さが転職後の半減した量程度でもMP成長の妨げになるという問題の解決策には使える。 #endregion ---この事から、体力と賢さを上げる種は、特殊なケース以外ではほぼ罠アイテムと思ってよい。その特殊ケースにしてもあくまでバグの一種であり、しかもこれを実現できるだけの種を集めるには別のアイテム増殖バグを使用しないとほぼ不可能である。 ---なお賢さに関しては「呪文の習得に関わる」という性質もあるため、伸ばしたことが完全な無駄になるわけではない。 -前衛職から魔法職への転職が露骨に不利。 --MPが成長するのは魔法を使える職業のみなのだが、MPの伸びない職業にも賢さのパラメータは存在し、レベルアップでも成長する。これが上の「種で成長させた分の賢さ」と同じ問題に引っ掛かってくる。 --このため魔法を使わない職業から魔法を使う職へ転職すると、元から魔法系だったキャラクターと比べ、MPが目に見えて低くなってしまう。 --転職前から持っている分の賢さは、たいていの場合、種で伸びる分などよりもはるかに高い。なのでMPを持たない職からMPの伸びる職への転職はかなりの制約を負う。しかも転職前のレベルが高いほど賢さも高くなりがちで損という、どこか理不尽な制限までかかる。 --遊び人が賢者に転職した場合も、この制約は当然のように受ける。%%所詮はまがい物の悟りということか。%%転職前にレベルを上げておくほど運の良さは飛躍的に伸び、それを半分とはいえ転職後にも引き継げるのだが、かわりにMPは早く転職したときよりも低くなるというジレンマを負う。 --賢さはMPと魔法を覚える条件にのみ関わるので、魔法を使わない職業にとっては完全な死にパラメータという点も、不条理感を加速している。 -クリアレベル帯以降のステータス成長の鈍化。 --本作以降(オフライン専用のドラクエは全て)、メインキャラのレベルの上限が99に固定された。 --しかし、レベル50以降は大半の職業において、ステータスがほとんど伸びなくなる。ごくまれにだが全く上昇しないこともある(「○○はレベルがあがった!」のメッセージの後に何も表示されない)。 --本作では、レベルの数値そのもので戦闘が有利になるようなことがほぼない((会心確率がレベルに依存する武闘家のみ有利になる))。能力値が伸びるか呪文を覚えない限り、レベルアップは完全に無駄である。むしろ教会での蘇生にかかる費用が高くなるので損。 --本作のゲームクリア標準レベルは45前後なため本編のゲームバランスには影響は少なく、基本的にはやり込みの領域になるものの、レベル50時点での能力の倍の伸びしろを期待した当時のやり込みプレイヤーは肩透かしを喰らうこととなった。 //-レベル上げの約半分はほぼ無意味 //--本作以降(オフライン専用のドラクエは全て)、レベルの上限はパーティメンバー全員、99に固定された。 //--しかし、後半(レベル50以降)は殆どの職業において、ステータスがほとんど伸びなくなる。ごくまれにだが全く上昇しないこともある(「○○はレベルがあがった!」のメッセージの後に何も表示されない)。上がったとしても「『II』終盤のローレシアの王子の力」ぐらいの上昇量しかない。 //---にも拘わらず、レベルの上限は99と、50の時点からしてみればまだ倍の伸びしろがある。それまでの常識から考えてみればレベル50時点での能力がほぼ倍化すると意気揚々に経験値稼ぎをしまくった結果、肩透かしを喰らった当時のプレイヤーは少なくない。 //---もちろん、必要経験値はレベル45以降は全レベル帯で約10万必要なのは変わらず、僅かな能力上昇のために膨大な経験値を稼ぐことになる。 //--本作では、レベルの数値そのもので戦闘が有利になるようなことがほぼない((会心確率がレベルに依存する武闘家のみ有利になる))。能力値が伸びるか呪文を覚えない限り、レベルアップは完全に無駄である。むしろ次のレベルまでに必要な経験値が増え、さらには蘇生にかかる費用も高くなるので損。 //--補足すると、ゲームクリア標準レベルが45前後であるため、レベル99までレベル前半と同じステータスの伸びに設定してしまうと、単純なレベリングだけでヌルゲー化してしまため、これを防止したものと思われる。 //---だとしても、それならレベルを上がりやすくし、成長ピークとゲームクリアレベルを70付近に設定することで自然な成長曲線にする、等の対策もあったのだが… //Lv99まで上げるなんてただのやりこみなのに問題点というのはちょっと //仮にやり込み要素だとしても、問題点に不適応な理由が不明瞭なので差し戻し //↑通常のプレイの範疇からは離れた趣味の領域の話でありながらゲーム全体の成長曲線にまで(推測に基づいて)言及するのはやりすぎ感があるのと、表現に分かりづらい点があったため軽めになるように改変しました。 -ダメージ計算の異常なまでの偏り。 --本シリーズでは、基本的に通常攻撃のダメージは互いの攻撃力と守備力から算出した基本値に、乱数をかけたものとなっている。本作も同様だが、その乱数の算出方法がおかしく、ダメージが他のシリーズ作品の比ではないほど偏る。 ---詳細は省くが、要するに「乱数が事前に設定された一定の範囲内から漏れた場合、強制的に範囲内の最大値or最低値に補正される」という変な計算式を使っているため、「乱数の最大値と最低値だけ異様なまでに出やすい」ということになっている。計算上、最大値or最低値が出る確率は実に1/3にも達しており、乱数の性質から考えても明らかに不自然でわざわざこのような仕様にした理由が不明。 --リメイク版では多少まともになったが、やはりこの不自然な乱数そのものは健在である。 -状態異常回復として設定されたと思わしきパーティアタックだが、その回復率がすごく低い。むしろ味方を死亡させてから復活させる荒療治のほうが安定する。 --公式ガイドブックでも「混乱した味方をラリホーで眠らせるのに利用しろ」程度のテクニックしか紹介されていない。 -金が貯めにくい。 --4人分の装備を揃えなければならないパーティ事情に対して獲得ゴールドが少なめなため、金欠に悩まされやすい。 --宝箱から拾えるアイテムも粗末なものが多い((本作の宝箱の中身は大半が「数十~数百の少額のゴールド」「道具屋で安価で買える消費アイテム」「種・木の実」であり、まともな価値のあるアイテムや装備品が拾えることは稀。))ため、拾い物でまかなったり換金で稼ぐことも難しい。 --獲得ゴールドが多めに設定されているモンスターもいるが、出現が中盤以降のため序盤の金策は難しい。 --しかし終盤のアレフガルドまで進んでしまうと、店売りの新装備がほぼ登場しなくなるため、今度は逆に金余りになってしまう。 ---後のリメイク版では高額で換金できるアイテムが無数に登場したため、別の意味で極端になってしまった。 //--救済措置としてモンスター闘技場やゴールド獲得が多めに設定されているモンスターもいる。前者はギャンブルのため確実性はない。後者も出現が中盤以降のため序盤の金策は難しい。 //↑格闘場は効率的に共済措置としては機能しているとは言いがたいです。併せて全体的に改変。 -「扉」の煩わしさ。 --本作『III』までのDQシリーズでは、町やダンジョン内の「扉」は全て鍵がかかっており、鍵を使って通行する障害物オブジェクト(ひいては鍵の所持/未所持で進行を制限するフラグチェッカー)という扱いであった。 --その一方で、本作では上記の障害物としての役割を持つものとは別に、何の変哲もない民家の入口やお城の部屋などに配置されている いわゆる「見た目上の演出としての扉」も数多く設置されている((全ての扉を開けられるようになる鍵はゲームが後半に差しかかる頃に入手可能で、以降の扉は障害物としてのゲーム上の役割はほぼ持たない。))。 --これらがワンタッチで開けられるのであれば何も問題は無かったのだが、本作では扉を開けるために「道具欄を開く→鍵を選択して使う」という工程を踏まなければならないため、いちいち手間がかかる。特に終盤のアレフガルドでは(見栄えを良くしたかったのか)民家や部屋など事あるごとに扉が配置されているため非常に煩わしい。 ---次作『IV』では「とびら」コマンドが『I』以来復活することで改善された。 -実質無意味呪文「レムオル」とその効果「透明状態」の出番の少なさ。 --魔法使いがレベル33で習得し唱えるとMP15を消費して透明状態になるのだが、これが特にモンスターのエンカウントを落とせたりするわけでもなく姿が見えないので単に動かしにくいだけでしかない。 ---この透明状態が役に立つのがエジンベア城に入る時なのだが、それ以外では全く役に立つことはない。しかもこの城は攻略に必要なアイテムを手に入れるために一度来るだけで、それさえ手に入れればセーブはできても店も何もないので以後まったく来る必要がない。 ---そもそもエジンベアにそのアイテムを手に入れるために行くのは普通に進めればレベル30にも満たない頃なので、レムオルを使うまでもなく300Gで買える「消え去り草」で済ませた方が手っ取り早いので死に呪文もいいとこ。 --そのため、存在意義はないも同然の呪文。せいぜい町の人に話しかけてビックリする反応を楽しむぐらいだが、それぞれ固定の台詞しか言わないので楽しいかと言われれば… --また透明状態も上記一度だけしか必要とされない。わざわざそのために手の込んだ処理を入れる必要があったのだろうか?一応脱線プレイの面白さには多少なるかもしれないが。 --なお公式ガイドブックでは「消え去り草」は一応イベントクリアのガギとなる扱いになるためか「最重要アイテム」という大袈裟なカテゴリに含まれている。 -先述の通りストーリーの進行上、商人と別れる場面があるのだが、その際に''強制的にセーブされてしまう上にその事は一切明示されない''。 --このため「リセット前提で試しに転職させた仲間を送り込んでみたら取り返しがつかなくなった」「元から連れていた商人とは別の商人も用意して連れて行ったのに元からいた仲間の方を取られ((商人が複数いる場合、先頭にいるほうの商人が取られてしまう。別の商人の方を隊列の後ろにおいていることが殆どなので、台詞をよく読んでないと引っかかってしまう))、そのまま帰ってこなくなった」などの事故が頻発した。 #region(ネタバレ注意。ただし現在ではかなり有名な内容) -ロトのルーツとなる物語であるのにもかかわらず公式見解のロトアイテムが不完全。 --後の世に語り継がれる「ロトの剣」などのロトアイテムは「この時代の勇者がラスボス戦で使っていたもの」なので言うなれば「勇者が装備出来ればなんでもその可能性がある(『聖なる守り』→『ロトのしるし』のみ不動)」のだが、公式では『王者の剣』→『ロトの剣』・『光の鎧』→『ロトの鎧』・『勇者の盾』→『ロトの盾』である。~ だが兜に関しては公式で定められていない。勇者専用の兜が存在せず大抵の者は最終装備に『鉄仮面』を選んだと思われるが、これは金さえあればいくらでも買える市販品で、しかも買える時期も冒険の中盤程度とかなり早い。それ以上に強いものとなるといずれも呪われており、運の良さが0になる『不幸の兜』、255という破格の守備力だが呪いで常に混乱状態となる『般若の面』となる。 ---これに関しては市販品が後のロトの兜という設定も不自然なため、呪われていながら捨てるのも売却も不可で、形も一番似ている『不幸の兜』((運の良さ0のリスクはあるが致命的な即死(ザキ系・メガンテ)は『聖なる守り』で無効化できる。戦士も装備可能だが『聖なる守り』の恩恵が受けられない。))が公式な後の『ロトの兜』という説もある。 ---リメイク版では正式に後の『ロトの兜』として『オルテガの兜』が公式設定で用意された(同時に『不幸の兜』の売却不可縛りもなくなった)。 #endregion -パーティー編成の自由度の低さ --本作では勇者以外の3名は自由に職業を選択してパーティー編成をする事が出来るのだが、&font(b,red){真剣にゲームを攻略しようとするならば「勇者+(戦士or武闘家)+僧侶+魔法使い」以外の選択肢は無い。} --商人は序盤はアタッカーとして頼りになるものの、前述の通り中盤以降は最低限の戦力しかないので、ほぼイベント専用職業と化してしまっている。 //一応、僧侶以上、賢者と同等の力でゾンビキラーが装備可能なのでアタッカーとして最低限度の貢献はできる。もちろん選択肢として入らないというのは異論はない。 ---ただ、「序盤の装備にほとんど金がかからない」「獲得金額を増やす能力を持つ」「成長速度がダントツで速い」という特徴から、前述のように苦しい序盤の金策要員としては非常に優秀。多少MPが下がること覚悟なら、賢者への転職が一番速いというのも地味ながら役立つ。どちらかといえば早解きなどのやり込みプレイ向きと言える。 --レベル20になった時点で賢者に転職させる事を前提として、戦士や武闘家の代わりに遊び人を入れるというのも悪くは無いが、これを実際に実行するとなると他の3人の負担が大変な事になってしまう。だったら最初から戦士や武闘家を入れた方がマシだとも考えられる。 --一応ラスト寸前で市販されている「みずのはごろも」は魔法使い専用で、守備力は40と戦士や賢者などの主力鎧「まほうのよろい」と同等ながら耐性では圧倒的に優れているため、最終盤にして復権のチャンスがあるとはいえ魔法使いそのもののHPが低いデメリットがある上に、僧侶呪文を全マスターさせてから転職する手間を考えれば普通に賢者を使った方が効率がいい。 ---- **総評 ロールプレイングゲームの醍醐味ともいえる広大な世界の冒険は、現実世界の地理をヒントに構成したことで旅情味豊かなものとなり、プレイヤーの想像力をかきたてるほど奥深いものとなった。 演出面でもさらなる強大な敵の登場、前二作のファンをニヤリとさせてくれる嬉しい演出の数々、緊張感溢れる最終決戦、三部作を締めくくるエンディングなど、王道ながら見どころが詰まっている。 ゲームバランス面でも練りこみ不足だった前作の反省を生かし、緻密なパラメータ調整により、最後まで一貫して確実に手応えを感じながら徐々に先に進める国産RPGの理想系を提示した。 名実ともに日本を代表するシリーズの完成形である。~ その完成度の高さは多くの国産RPGに多大な影響を与え、「前衛寄りで、全ての能力が満遍なく高めな主人公」、「主人公、戦士系、魔法使い系、僧侶系というパーティバランスとそういったキャラのデザイン」、「特定のアイテムを使って弱らせる大ボス」、「過去シリーズの前日譚」などのフィーチャーが、現代日本の各創作分野においても未だなお、定番要素として取り入れられている程である。 日本中を熱狂に巻き込んだことに頷けるその完成度の高さは目を見張るものがあり、それは今なお色褪せることはない。まさに、伝説の名に相応しい名作のひとつである。 ---- **リメイク・移植 -本作発売から9年近く後の1996年12月にSFCソフトとして[[リメイク版>スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]が発売された。 --さらに2000年にSFC版ベースでGBC版が発売。 -2009年にはガラケー版が配信された。 --2014年にガラケー版ベースでスマホ版が配信。 -2011年にはFC版『I』『II』『III』、SFC版『I・II』『III』を移植した、Wii『[[ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III>ドラゴンクエスト]]』が発売された。 -2021年にリメイク版『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』が発表された。ハードは家庭用ゲーム機で発売日は未定。 ---- **有名な裏技・バグ //余談的項目だが、余談の項に移すには文量が多すぎるのでこちらに移動。 -「防御攻撃」というバグ。 --戦闘中に「ぼうぎょ」を選択した後にBボタンを押してキャンセルしてから別のコマンドを選びなおすと、防御の効果が残ったまま攻撃を行うことができる。 ---「防御×3→キャンセル×3→コマンド入力×3」と「『防御→キャンセル→コマンド入力』×3」どちらでもOK。 //--プレイヤー有利のバグのため、意図的に使えば難易度を下げて快適に遊ぶように調整することもできる。 --ただし、最後尾のキャラはコマンドを選んだ時点で戦闘が開始されるためキャンセルして選び直すことができない。 --また先頭に呪文を使えるキャラを配置した場合はコマンド枠の関係で「ぼうぎょ」がなくなるため、呪文を覚えていないキャラを先頭にし、勇者を二番目以降にすることになる。 ---隊列の後ろほど敵から狙われにくいが、隊列に関係なく均等に狙う敵や全体攻撃などもあるため、狙われる確率が高めな2番目と防御攻撃使用不能で大ダメージを受ける4番目のどちらを打たれ強い勇者に担当させるのか、防御攻撃を利用するにしてもプレイヤーによって戦略は様々。先頭のキャラが呪文を覚えていても2番目と3番目のキャラは防御攻撃できるので、打たれ強い勇者を先頭にというのもまた立派な戦略の1つ。 --この裏技は当時の公式ガイドブックにも掲載されていた。 -アイテム無限増殖技が存在する。さらにあることをすると、全セーブデータが消える。詳細は割愛。 -アイテム変化技も存在する。 --装備状態のアイテムに変化させることも可能。例えば、武闘家の持っているアイテムを「Eはやぶさのけん」に変化させて2回攻撃するといったことも可能。 -ルーラを使用できない状態でバラモスを倒すとその後のイベントが進行不可能になり詰む。 --もっとも、「勇者一人旅で般若の面を装備させる」「勇者を棺桶に入れたままゲームを進め、なおかつルーラを使えるメンバーもキメラの翼も手に入れていない」などの極めて特殊なプレイングをしない限りはまず起こり得ない状況である。 -ラスボスの色が闇の衣を剥ぎ取る前と後で逆になってしまっている。これはスタッフが色指定を間違えたため。リメイク版では修正されている。 -「幸せの靴」を装備したキャラを戦闘中にバシルーラで吹っ飛ばして、ルイーダの店で再び仲間にすると、フィールドに出て1歩歩いた瞬間にレベルアップする。これを利用すれば全員を簡単にレベル99にする事も可能。 --とはいえ「幸せの靴」を入手する事自体が結構大変ではある。 ---一応ドロップ率自体は1/64とどちらかといえば高い部類なのだが、ドロップするのは倒しにくい上に出現率も低く高確率で逃げてしまう、はぐれメタルのみなのだ。しかもドロップを狙うなら最後に倒さなければならないため他の敵にかまっているとまず逃げられてしまう。 --このバグは後期版ROMで修正されており、Wii版に収録されたFC版でも不可能となっている。 --リメイク版でも修正され、更に「幸せの靴」で溜まった経験値では戦闘に入らない限りレベルアップしないように変更されている。 -「世界樹の葉」を持っているキャラを戦闘中にバシルーラで吹っ飛ばすと、フィールド上でもう一度「世界樹の葉」を入手できる。これを利用すれば最大4枚まで「世界樹の葉」を入手できる。 --また、下の世界のフィールド上のとある場所でも(1枚も持っていない場合)「世界樹の葉」を拾える。これは座標データを上の世界と共有しているための現象である。 -メガンテ関連のバグ --ばくだんいわが使用するメガンテをマホカンタで反射すると、とてつもないダメージを与えてばくだんいわを倒してしまうが、ばくだんいわが最後の1匹だった場合その後敵がいないまま戦闘が終了せずに続いてしまうバグがある。 ---こうなると「にげる」を選択しない限り戦闘が終了しない。 --メタルスライムが5匹以上いる状態でメガンテを使うと、何故か「(唱えた本人)には きかなかった。」というメッセージがメタルスライムの数の分だけ表示され、メッセージウインドウからもはみ出してしまう。 //オルテガのキングヒドラ戦勝利時会話は裏技でもバグでもないため余談に移動。 -岩を押しながら建物の下に入り特定の操作を行うと、「町の中で操作不可能になる」という電源を落としても戻らないバグが生じ、ゲーム進行が著しく困難になる。 --一応回復すること自体は可能で、冒険の書を新しく作って始めれば元の状態に戻る。3つとも作っていた場合、どれかひとつを生贄にせざるを得なくなるが……。 -この他、大層なバグというほどではないが、設定ミスと思わしきものが散見される。 --「あやしいかげ」というモンスター。他のモンスターが擬態しており、何が化けているかは先頭キャラクターのレベルと各モンスターに割り振られているモンスターNo.によって決まる(高いほど強い)。だが、後半に登場する「エビルマージ」に何故か若いNo.が割り振られているため、遭遇した場合はまず勝ち目がない。 ---しかも都合の悪いことに、エビルマージ付近のNo.は直前の地域のモンスターのもののため、遭遇してしまう確率は低くはない。リメイク版ではNo.ではなくモンスターレベルを参照するようになったが、今度は別の問題が発生した。 ---一方で、前述の闘技場にもこのNo.が適用されるため、エビルマージに賭ければまず負けることはない。 --魔法使い・賢者の呪文の習得テーブルでヒャダイン(冷気で敵全体に約70ダメージ)とマヒャド(冷気で敵1グループに約100ダメージ)が入れ替わってしまっている。 ---本来Lv32で覚えるマヒャドをLv26で使えるようになるため、非常に強力。逆にヒャダインは非常に影が薄くなってしまった。((一応イオナズンを習得するまでは最も強力な全体攻撃呪文であるが、Lv32ではすでに威力不足な上、ヒャド系に弱いモンスターが複数グループで現れるということもあまりないので、だったらマヒャドでいいや、となってしまう。本来のLv26で習得していれば、ちょうどその時期に出現する敵を一掃するのにぴったりだったのだが。))。SFC版では修正。 --ゾンビ系の敵に攻撃するとダメージが上乗せされるという触れ込みの「ゾンビキラー」という武器が登場したが、実際はゾンビではなく「ニフラムに耐性が無い敵」にしか上乗せされなくなっている。&brこのためボスキャラでニフラム無効の「バラモス&b(){ゾンビ}」は、このネーミングで見た目も骨のモンスターなのに上乗せがない。 ---ただし本作のニフラム耐性は、ゾンビ系モンスターでは低くそれ以外のモンスターでは高い傾向が強いため、前述のような一部の例外的なモンスターを除いては概ねイメージ通りに特攻が発動するようにはなっている。 **余談・その他 //少々雑多なんで閉じさせてもらう。あんまり追加しすぎると収拾つかないんで特記に値するものに絞ってほしい。 //2021/11/2・追加で長文になってる余談の短縮、COを実施。 ''ゲーム内''~ #region -本作のオープニングは黒画面に白文字で『DRAGON QUEST III』と小さく表示されるだけである。容量ギリギリまで詰め込んだために、ゲーム開始画面でのいつものファンファーレやタイトル表記が削られたとのこと。 --このOPカットにより、街2つ分とイベント数回の容量を稼ぐことができたという。 --これは堀井氏も発売直後に雑誌のインタビューで問題点として真っ先に挙げており、『IV』以降では毎回のように秀麗なOPムービーが作られている。 --逆にこの白文字OPが「シブくていい」というファンもいる。特に「序曲」が流れなかったことについては、最後までプレイした後に意図的な演出だと解釈した人も多いだろう。 --容量の増えた海外NES版『DRAGON WARRIOR III』では、火山でのオルテガと魔物の戦いを描いた新規のプロローグデモが追加されている。 -ルイーダの店には最初から戦士・魔法使い・僧侶が登録されており、彼らの名前には自分で作った場合には使えないカタカナが使われている。 --戦士の名前は「ハンソロ」「スタロン」「ベンハ」など映画にちなんだ名前が多い。 -アレフガルドには前々作で「ロトの洞窟」((前々作では全くモンスターが出ず石版の入った宝箱(メッセージだけなので実質空箱)が1つだけある。))にあたる洞窟が本作にも登場する。 --これに関しては旧来通りの「ロトの洞窟」、勇者専用で最強の盾「勇者の盾」があることから「勇者の洞窟」、その宝箱のあるB3Fの地形から「魔王の爪痕」など呼称が定まっていなかったが後年になって「ラダトーム東の洞窟」という当り障りない凡庸な正式名称が用意された。 ---『I』ではモンスターエンカウントのないチュートリアル的なものだったが、本作ではちゃんとモンスターが出現する。 //-DQⅢの特性で、冒険スタートが4人そろいで始まるので几帳面なプレイヤーは「全員の経験値を最後まで揃えてクリアする」というプレイが出来るが、ここに立ちはだかるのが「バシルーラを使う敵」と「商人の街」と「ちきゅうのへそ」。 //--どれもマップやダンジョンの位置関係を理解した上でなるべく戦闘に入らない様に最短距離を取りながら、逃げの一手と、地味だけどやりこみプレイの第一歩。Ⅲはパーティの取得経験値表示ができたのでここを揃えたくなる。 -グラフィック関連 --主人公の父親・オルテガが出てくる場面があるが、そこでのオルテガのグラフィックがモンスターから使いまわされている。それが「さまようよろい」((設定上で人間である「カンダタ子分」がこれの色違い。))とかならまだしも、「カンダタ」や「さつじんき」など、パンツマスク系の外見をしているのであんまりなことになっているのはよくネタにされる。 ---現在でもインターネット検索でオルテガを入れてスペースなどを入れると、サブワード候補に「オルテガ カンダタ」とカンダタが自ずとついて来るほどである ---リメイク版では固有の歩行グラフィックのみになった。にもかかわらず、『[[バトルロードビクトリー>ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー]]』ではFC版のオルテガが登場していたりする。 ---ちなみにFC版当時の『ファミコン神拳奥義大全書』の攻略記事((これのスタッフに「ゆう帝(堀井雄二)」と「ミヤ王(宮岡寛)」もいるので、一応信用していいと思われる。))の漫画ではオルテガが「毛皮のチョッキのようなものを着た逆立つ髪に髭もじゃのマッチョ」だったので、当初からリメイク版のデザイン設定はあったらしい。 ---北米で発売されたNES版でのグラフィックは鎧を纏った戦士といった固有のものに変更されている。 //--女商人は先述のイベントでパーティーを離脱した際、男商人と同様に汎用の商人のグラフィック(ヒゲ面の太ったおっさん)に変わってしまい「性転換」したかのような状態になってしまう。以降はずっとおっさん扱いのままである。また女勇者もあるイベントで一時的に男の王様のグラフィックになってしまう。どちらもリメイク版では修正された。 -アイテム関係 --「黄金の爪」という隠しアイテムがあり、攻略本やジャンプなどの雑誌でその存在がまことしやかに語られていた。とあるダンジョンの何の変哲もない1マスを調べると隠し階段が出現し、その先の宝箱に入っている。~ ただし、このアイテムには呪いがかかっており、持っているとエンカウント率が大幅に上がる。 ---また、黄金の爪はゴールドマンのドロップアイテムとしても設定されている。 --アカイライのドロップアイテムとして「悟りの書」が設定されているが、その確率は1/2048。つまり、まず期待出来ない。 ---この関係で、悟りの書を用いた賢者への転職は幸運に恵まれない限り1回限りになる。 ---同じ1/2048の確率枠はカンダタ、カンダタこぶん、ひとくいばこが檜の棒((「ドロップ率1/2048枠のフラグ」「檜の棒のアイテムID」がともに「0」なので、恐らくドロップなしとしたかったものと思われる。檜の棒は他にスライムつむりが落とすがそちらは1/32と無難な確率。))を落とす。運悪く、こんな時に1/2048という超レアな当りを引いてしまい嘆いた人もいたとかいなかったとか… ---リメイク版ではこれら1/2048枠のドロップアイテムが削除され、対象のモンスターはドロップなしに変更されたためアカイライは唯一アイテムを落とさない通常モンスターとなった。 --重要アイテム「最後の鍵」の入手にかなり苦労するプレイヤーも多かった。スーの村の西とは言われるが、そこは現実の世界では北極海にあたる場所。大海原の中(北極点)にある浅瀬をいちいち、くまなく探さないと見つからない。 --とある町の真南だが、スーの西と言われて思いついたプレイヤーは少ないだろう。ゲーム内で世界地図を見られないのも大きい。 ---本作の世界地図が現実の世界地図を元にしているとはいえ、細かい形を見ると違いは多い。スーの村の位置は現実の地理に当てはめると北米の五大湖のあたりであるが、スーの西にある海は現実の五大湖の西にある太平洋ではなく、五大湖の北にある北極海がスーの西に位置する形となっている。現実の地理から類推してしまうと、目的地が北極海だと気付けなくなってしまう罠なのである。 //---『ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場』の作家・すずや那智氏も、この浅瀬を見つけるのにかなりの苦労をしたと語っている。もっとも、氏が初めてプレイしたFCソフトは本作である。 ---魔法使いが「アバカム」という呪文を覚えれば鍵無しで扉を開けられるようになるが、習得レベルは終盤ながら、最後の鍵が必要なのは中盤。ただしリメイク版においては、とあるストーリー上必須なイベントを進行させるフラグの1つに「最後の鍵入手」があるので、苦労して覚えた所で結局は手に入れなければならない。 //鍵でアイテム枠を圧迫することがなくなるので、アバカムは無意味というわけではない。 -呪文関係 --自己犠牲呪文「メガンテ」についてだが、『II』では味方が使った場合は一部のボス以外は確実に敵を全滅させるが、本作からはメガンテ専用の敵の耐性が存在するようになり、それによってボス以外でも効かない敵には効かなくなっている。 ---また敵(というよりも「ばくだんいわ」)が使った場合、効果は「即死か瀕死のどちらか」となり、『II』のように使われたら即全滅確定というわけではなくなった。 ---「いのちのいし」を持っていれば、ザキ系・メガンテによる即死or瀕死ダメージを回避できるが、その時点(ザキ系は呪文の効果が効いた場合のみ)でいのちのいしは砕け散って消滅する。勇者のみ「せいなるまもり」を装備していればザキ系・メガンテを完全回避可能でアイテムの消費も無い。 --闇の衣を剥ぎ取った後のラスボスには、実は回復呪文でもダメージを与えることができる。最も強力なベホマなら約170ポイントのダメージを与えることが可能。しかもベホマは消費MPがたった7で済むため、通常攻撃や他の攻撃呪文で攻撃するよりも効率が良い。このためこれを利用した戦術では僧侶や賢者が攻撃役になり、戦士や武闘家が賢者の石で回復役に回るという変わった状況が見られる。また薬草も1~255(平均128ダメージ)というばらつきはあるものの結構な高威力を発揮する。 ---SFC版では修正され与えられるダメージ量が大幅に減少した。が、その後のGBC版ではほぼFC版と同水準に戻っている。これは仕様であり((魔王相手ではないが、元祖RPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』でもアンデッド(死霊)系のモンスターに対して回復呪文を使うとダメージを与えられると言う設定があり、『ファイナルファンタジー』にも採用されている。))、2014年のニコニコ生放送番組で堀井雄二氏が自ら語っていた。 ---後に連載された本作と関わりの深い漫画作品である『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜』において、上の仕様の様になっている理由が(作者である藤原カムイ氏の独自解釈と思われるが)語られ、それを上手く活かした展開が描かれた。この知る人ぞ知るといえる仕様を物語の重要な場面を組み込んだ展開には、本作のこの仕様を知るプレイヤーの多くを唸らせたと思われる。 -オルテガのキングヒドラ戦勝利時会話 --オルテガとキングヒドラの戦いはキングヒドラが勝ち、オルテガは力尽きてしまう。しかし、内部データでは勝利した場合の会話も用意されており、チートで強引にオルテガを勝たせれば確認は可能。ただしその場合でもオルテガは勝つには勝ったが力尽き、キングヒドラも後に復活するという大筋の展開には影響しないものとなる。 --このメッセージの存在が明らかになったことにより、果たしてチート無しでもこれを実際に見られるのかが一時期考察されていた。 ---キングヒドラには自動回復が存在するが、オルテガが「回復を上回る高いダメージを出し続け、呪文はベホマ(回復)のみを使う」、キングヒドラは「火炎の息のみを使い、自動回復量は常に最低値付近」という最適な行動を取り続ければ理論上は勝てる計算になるので、当初は極低確率で勝利するパターンもあるのではないかと推測されていた。 ---……が、後にこの戦闘の乱数で起こりうる展開に上記を満たして''オルテガが勝利するパターンは1つも存在しない''という事が判明した。通常の戦闘ならプレイヤーが微調整することで戦闘中に細かく乱数調整が可能なのだが、このオルテガ対キングヒドラは全てが自動戦闘のため途中調整が一切不可能であり、戦闘開始時点で引いた乱数以降の展開が全て固定されてしまうことから、例え都合よく乱数を引けるTASであろうがオルテガを勝たせることは不可能となっている。 ---乱数で勝つ可能性を考慮して入れたが、最終的には良い勝負をしつつも絶対に負けるパラメータとなってしまい、勝つ可能性が消滅して見るのが不可能になってしまった、というところだろうか。 --リメイク版以降は戦闘風のイベント演出へと変更されたため、上記の勝利した場合の会話は完全にお蔵入りとなった。 #endregion ''ゲーム関連''~ #region -発売日は平日だったのだが、そのせいで「学校を休んでまで買いに行き、警察に補導される子供たち」が日本中で(公式で分かっているだけでも)392人にまで達してしまった。また小学生から本作品を脅し取ろうとする者が多数現れ、刑事事件にまで発展してしまい、ニュースでも報じられる程の社会現象を引き起こしてしまった。こうした現象は当時、「ドラクエ事件」または「ドラクエ狩り」と呼ばれた。 --ついには警察庁が、文部省と業者に対して再発防止策を出すよう命令する事態にまで発展。この一件を問題視したエニックスは、以降新作ソフトの発売日を休日に固定するようになった(ただし、「ナンバリングのオリジナル版新規タイトル」に限る)。なお『X』は(夏休みではあるが)平日の木曜日に発売された。 ---当時は問屋も休日が休みだったので、その後のゲーム流通のあり方にさえ影響を及ぼした形になる。→[[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=QyqJxzoBnhk]] --この事件も影響してか、本作の発売以降は子供や青少年に対する「テレビゲーム悪影響論」が日本で本格的に論じられるようになった。→[[参考1>https://yoshiko-sakurai.jp/2005/01/08/350]]、[[参考2(PDFファイル)>http://research.cesa.or.jp/2-1.pdf]]、[[参考3(PDFファイル)>http://www.law.tohoku.ac.jp/~inuzuka/lec/kumada.pdf]] //リンク切れ [[参考2>http://www.metamor.co.jp/maegaki/tv-game.htm]] -雑誌『ファミコン必勝本』や書籍『知られざる伝説』では、「遊び人をレベル96以上にするととんでもない遊びをする」などといった複数の関係者のコメントが載っているが、''実際はそんなことはまったくない''。真に受けて実際に99まで育てた人はとんだ骨折り損である。 --後のWii版の書籍『みちくさ冒険ガイド』で、「そういう都市伝説があるため実際に育ててみたがガセだった」とネタにされている。 --が、遊び人はレベル90台で賢さが無駄に急成長する(呪文を使えない職業なので賢さが上がってもMPは0のまま)ようになっており、戦闘中に実行する行動のことではなく能力値上のお遊びを指していたのではないかという見解もある(種の問題点で解説されているように、定数3の能力値に対してレベル86以上で起こる現象)。 -当時発売されたエニックスの公式ガイドブックには、''ネタバレとなるゲーム終盤に関する攻略情報はほぼ記載されていなかった。'' #region(詳細・一応ネタバレ注意) -ネタバレを防ぐためか、アレフガルドにしか登場しないアイテム(勇者の最強装備や攻略に必須なアイテム含む)、アレフガルドに登場するモンスター、ゾーマの城内部はおろかアレフガルドの地図すら載っていない。辛うじて、アレフガルドのみに登場する「回転する床」の仕掛けに付いての説明はある程度。 --バラモス討伐前でも入手可能な光の玉と、理論上は地上世界でも入手できる(低確率でドロップするアレフガルドのモンスターが前倒してボスとして出てくる)雷神の剣は記載されている。あとは公式ガイドブックの表紙の柄が『王者の剣(I、IIでのロトの剣)』であることぐらい。~ ちなみにこの本は宝箱の具体的位置などが元々秘密(どのエリアにいくつあるか程度)なので、前述の雷神の剣の入手難易度が高すぎても怪しまれることはなかった((この一か月後に出ているDQ2公式ガイドブックでも稲妻の剣の入手方法が「たった一種類の敵が低確率でドロップする」ことしか載っていないが、実際は確実に宝箱から入手できた。))。 --マップや地名、攻略手順等がある程度『I』と共通していることから、当時はアレフガルドの攻略のために『I』の公式ガイドブックを買うプレイヤーもそこそこ存在した模様。当然ながら作品も時代設定も異なるためそのまま使える訳ではないが、攻略情報も乏しい当時は頼りになる存在であった。 #endregion //--ちなみにSFC版の攻略本でもアレフガルドの存在については記載がない。ただし、FC版とは違い装備品全種・通常モンスター全種は掲載されている。GB版は袋綴じ内のクリア後のお楽しみの1つという形でアレフガルドの概要が掲載されている。Wii版では神竜戦まで普通に載っている。ファミ通でもFCとSFCではバラモスを倒したところまでだったが、Wii版ではゾーマ直前まで掲載された。 //SFC版攻略本では、アレフガルドにしか登場しないアイテムは載っている物といないものがある //-非公式でエニックスを怒らせた攻略本『ドラゴンクエストIII ㋪公式ガイド どらくえ3 謎の魔王をやっつけろ』(冬樹社)が存在する。 //--公式ガイドブックには掲載されていないラストダンジョンまで載ってるマップに、カンダタやバラモス、バラモスブロス等ボスキャラも含む全モンスターの宝箱の中身まで掲載。((バラモスが「ひのきのぼう」等、本当なのかガセなのか疑わしいもの多数。))そのかわり解説文は殆ど無しという代物。本自体もカバー等無く、同人誌っぽい作りだが一般書店でも売っていた。 //--当時テレビでもこの攻略本に対しての裁判のニュースがあった。この事件以降、エニックスは情報に対してかなり渋めに、また著作権に対しても強く出る様になる。 //-2010年のファミ通における、桜井政博氏と[[ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ]]のプロデューサーのインタビュー時に「DQMBのIIIのラスボスのとどめの一撃は氷系にして欲しかった」というIIIのオールドファンの意見が結構多かったという。ちなみにDQMBのIIIラスボスのとどめの一撃は炎系のメラガイアーで、これにした理由はメラガイアーの派生魔法のメラゾーマからの洒落だという((もう1つの理由として、アーケード版の段階で先に実装したDQVのラスボスに氷系のマヒャデドスを使わせていたため、被りを回避したという説もある。))。%%あまりにも遠すぎるシャレ。%% //本作の話ではないので。 #endregion ''ゲーム以外''~ #region -本作の通常戦闘BGM『戦闘のテーマ』はゲーム外で最も有名な曲の1つで、高校野球選手権(甲子園)にて、毎年一定数の高校がチャンステーマとして演奏している。 //-本作が巻き起こしたブームは当時の子供向け創作にも大きな影響を与えており、アニメ『[[つるピカハゲ丸くん>つるピカハゲ丸 めざせ!つるセコの証]]』で本作をモデルにしたと思しきゲームをプレイする描写があったり、児童文学『みけねこミケジローのなぞなぞアパート』にドラクエ狩りをモチーフにした話が収録されていたり…と本作に影響を受けたと思われる描写は枚挙に暇がない。 -エニックスからゲームブックが発売された。前2作は双葉社から既に発売されていたのだが、同書を皮切りにエニックスから新たに『II』→『I』、あとはナンバリング順に『IV』~『VI』と世に出る事になる。 -前2作に続き、小説版も刊行された。著者はロト3部作共通で、高屋敷英夫氏。 --イベントの端折り具合などは前作よりマシになっているものの、主人公にセリフや心理描写が殆ど無かったり、登場人物の設定が途中で急に変わったり((初登場時に「故郷のアッサラーム」と言っていた僧侶が突然バハラタ出身に変わるなど。))、固有名詞をいくつも間違えていたり、地の文で「これまでにない凶悪な魔物」と紹介された敵を''その直後に勇者が瞬殺したり''と、非常に行き当たりばったりで、完成度は相変わらず低い。 ---前2作でも問題になっていたオリジナルキャラの無双ぶりは味方側ではマシになっているものの、オリジナルキャラが原作の重要キャラを殺すという、商業作品の公式二次創作におけるタブーをしでかしている。 //---ゲームに登場する8種の職業が総出演していたり((遊び人と賢者はサブキャラ扱い。))、8人とも名前がゲームで実際に名付けられるような「濁点を含めて4文字以内」になっていたり、リメイク版に先んじて盗賊が最終決戦に参加していたりと、芸コマなところもあることはあるのだが。 ---この小説では主人公に「アレル」という名前が与えられており、『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』や『ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説』など、3の描写が出てくる関連作品では、この名前がよく使用されている。 ////-ドラクエシリーズと言えば勇者が魔王を倒す物語というイメージが強いが、主人公が生まれつきの勇者でラスボスが魔王、もしくは大魔王と呼ばれているナンバリングタイトルは長らく本作だけだった。 //--他のタイトルではラスボスが魔王ではなく神だったり、主人公以外の人物が勇者だったり、転職システムにより誰でも勇者になれたりと意外と変化球が多い。 //--『XI』では約30年ぶりに勇者VS魔王という物語に回帰した。だが『XI』の特殊なシナリオ構成上、ラスボスを魔王としていいかは微妙なところである。 //-テレビ朝日の『題名のない音楽会』ではFC時代に問題が起こった一方で、//2010年には本作の曲2つや『IX』の序曲を演奏している。 -Yahoo!ゲーム、DQMBVコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行なわれたアンケートでは、全9作中、本作の主人公がトップであった。更に同日行なわれた「お気に入りの大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、本作のラスボスがトップだった。 //-トヨタのハイブリッドカー『AQUA』のCMにて、本作の曲が使用されている。 //--『冒険の旅』を使用したバージョンと、『おおぞらをとぶ』を使用したバージョンと、『そして伝説へ…』を使用したバージョンの3種類が存在している。 //--車体色に勇者パーティーの色を選んでいたり、ナンバープレートの表記がドラクエ関係のもの((それぞれLV-XX(Xは数字、4台とも数字が異なる)、LA-3A(ラーミア)、ゆ-610(勇者ロト)。))になっていたりと、随所にこだわられており評価は高い。 //---『おおぞらをとぶ』編では、30秒のCMに使うためにソルトレークシティーの湖内をほぼ丸一日車を走らせて撮影したとのこと。「遠くまで行こう」のキャッチプレーズもよく合っており、映像美も素晴らしい。 -俳優の鴻上尚史氏が当時自身が受持つオールナイトニッポンで歌詞を募集し、「そして伝説へ…/冒険の旅」をヴォーカル版として発売し、 そこそこのヒット。歌詞自体は良いのだが、エンディング曲「そして伝説へ…」やフィールド曲に詞をのせるというのは今聴くと違和感と無理矢理感満載。 --因みに鴻上氏はドラクエ人気に乗っかって音頭をとったのではなく((当時ANNの担当になった早々、前パーソナリティ・爆風スランプが人気だったのでそのノベルティグッズを自身のANNで使おうとしてリスナーから猛クレームを受けた前科があった為、「人気にのっかる人」とのイメージをリスナーに与えてしまった一件がある))、堀井雄二氏とは友人の間柄。 --実はアッサラームにこの鴻上氏が登場している。「そんなわけで私が東に行けなかったここの座長です」の台詞があるキャラが同氏をモデルにしている。「そんなわけで~」が氏のエッセイの出だしだと堀井氏が言及している。 -2016年に舞台版『ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー』が行われた。ストーリーは本作のものをベースにしているが他のシリーズのキャラクターも登場している。 --日本テレビが制作に関わっており、テレビ番組の「笑ってコラえて!」等において情報が発信された。 -かつて新宿と大阪にあったバンダイナムコのVRアミューズメント施設、VRZONEのアクティビティ『[[ドラゴンクエストVR>https://vrzone-pic.com/osaka/activity/dragonquestvr.html]] 』は本作をベースにしている。 --内容を簡単に説明すると、四人でパーティーを組み戦士二人、僧侶一人、魔法使い一人(職業は固定)となってゾーマを倒すために戦いの旅に出ると言う物。~ 本作の勇者はとある場面で登場するだけであり、実際に最後まで戦うのはプレイヤー達の仕事となる。残念ながらVRZONE閉店に伴い、現在はプレイ出来ない。 -2019年7月31日に有料DLCファイターとして『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』に『[[XI>ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて]]』の勇者が参戦した。 --カラーバリエーションとして『III』の勇者も参戦している。 //長すぎるので短縮 -次作発売間近の1989年12月からアニメ『ドラゴンクエスト』がフジテレビ系で放送開始された。 --シリーズのナンバリング作品、後の各種外伝作品、他のメディアミックス作品のいずれとも繋がりの無い完全オリジナルだが、一部、本作や、当時まだ発売されていなかったIVの地名や固有名詞などが取り入れられている。 --ドラクエは当時社会現象にまでなったゲームの最高峰ブランドだったこともあってか、フジテレビ系列で19:30からのゴールデンタイム全国放送という最高クラスの待遇だったが、視聴率は初期は話題性からそれなりに高かったものの(最高は18%)いろいろ違和感のある内容が災いしてか進むほど低迷し、最終的にはこの時間帯での平均は11.2%と期待を大幅に裏切る結果となり、一度打ち切られ後半期は全国放送のゴールデンタイムから転落するハメになった。 --放送当時同じドラクエ関連の漫画として『週刊少年ジャンプ』で『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が連載されていたこともあってか、それと区別するため巷では本作を『アベル伝説』と呼称する傾向にあった。そして放送終了から15年経過してDVD化された折には『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』と正式名称に採用された。 //↑これCOの必要なくね? -フジテレビ系ニュース番組『ニュースバスターズ』の番宣で本作のパロディが使われ、MCの露木茂氏を模したキャラがDQのフィールドを歩き、「巨大ハガキ」や「車」にエンカウントするアニメのようなものが制作された。 --BGMは本作の「冒険の旅」「戦闘のテーマ」がそのまま使われた。 -前述の通りビキニアーマーがもたらした人気もあってか女戦士は二次作品では非常に出番が多い。大抵は「勇者の血を引きながらも経験の少なさと幼さから未熟な男勇者」の面倒を見る年上のお姉さんっぽい役回りになっている。 --ファンによるイラストも戦士はこの姿が圧倒的に多い。 #endregion ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ドラゴンクエストシリーズ,FC,ファミコン,ファミリーコンピュータ,Wii,スクウェア・エニックス
//Wikipediaに関しては不要と運営議論スレで言われていますので削除します。意見があれば運営議論スレまで。 //画像投稿者ですが、「画像使いすぎ」という意見がされたので、撤回する意味で完全に消します。すみません。 *ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 【どらごんくえすとすりー そしてでんせつへ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(RIMG0005-1.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=RIMG0005-1.jpg]] [[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=RIMG0005-2.jpg]]&image(dq3game.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3442&file=dq3game.jpg,width=160)|~| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|エニックス|~|~| |開発元|チュンソフト|~|~| |発売日|1988年2月10日|~|~| |価格|5,900円(税抜)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|転職システム初登場&br;前二作も巻き込んだシリーズ完結作&br;バッテリーバックアップ機能初搭載&br;RPGの一つの到達点|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| //&br;''水着鎧(ビキニアーマー)ブームの火付け役''| //ゲームそのものと関係ないのでCO。 ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''さらば、母なるアリアハン''} }} ~ ---- **概要 ロト伝説三部作完結編。プレイヤーは勇者オルテガの息子(娘)として、世界を支配しようとする魔王バラモスを倒すため旅立つ。 DQI~IIIは、シナリオ的なつながりがあるだけでなく、ゲームとしても「RPG」という新たなジャンルを段階を追って世間に浸透させるという意図の元で構成された三部作となっている。~ 『DQI』でRPGの基礎を知り、『DQII』で仲間たちと協力しての戦い方や乗り物の獲得による行動範囲の広がりを学ぶ。~ そして、キャラメイクなどを採用し、自由度を最大限まで高めた集大成として発表されたのが、本作『ドラゴンクエストIII』である。 //なお三部作で製作していくのは、『DQI』の製作時にあらかじめ決定されていた。 ---- **特徴 前作『DQII』を下地に様々な追加要素が加えられ、ボリュームも大幅に増大している。 ''冒険の書'' -本作ではバッテリーバックアップ方式を採用。コンティニュー時に復活の呪文(パスワード)を入力する必要は無くなり、時間を空けても快適に遊べるようになった。 --ちなみに、従来通りパスワード方式にすると200文字を超えてしまうと説明されていた。 ''キャラクターメイキング'' -パーティ制を採用した前作『DQII』では、仲間になるのは様々な個性を持った固定キャラだったが、本作では(当時の)一般的なRPGと同じく、名前・職業・性別を自分で決めたキャラをパーティに入れて冒険できる。 --仲間キャラクターの登録やパーティの入れ替えができるのは、スタート地点の街「アリアハン」にある「ルイーダの店(ルイーダの酒場)」。このルイーダの店は、『V』など後のシリーズでも度々登場している。 -本作は最大4人パーティーとなる。 --前作までと同じく本作にも「あなた」、つまり主人公が存在する。職業は専用の「勇者」固定で、メンバーからも外せない。 --残りの3人は任意で決めることができる。戦士・魔法使い・僧侶という組み合わせが基本だが、それ以外にも個性的な職業が用意されている。 ---メンバーを3人以下にすることもできる。行動回数こそ減るが、一人当たりの獲得経験値が増えて早く成長するため、慣れると3人のほうが有利という話も。ただしさすがに2人以下まで減らすと、クリアの難易度がかなり上がってしまう。 --勇者以外の職業は「ダーマ神殿」で転職が可能。転職するにはレベル20が必要だが、転職後はレベル1になるのでレベル上げをやり直す事になる((習得済の呪文は全て引き継ぎされる。また、ステータスは1/2なので新規のレベル1よりは強い。なおステータスには限界値があるため最終的には転職していないキャラとそれほど大きな差は付かない。))。以降のシリーズでも、職業システムがある場合は「ダーマ神殿」で転職を行うことが恒例となっている。 ---なお、本作における転職は「呪文も使える前衛職」を作るためのシステムという側面が色濃い。たとえば、商人から戦士に転職してもメリットはほとんどないが、魔法使いから戦士にすれば呪文を使いながら前衛も務まる万能キャラになる。 //↑魔法使いが呪文を一通り覚える頃のレベル帯基準で考えると、武闘家から転職した素早い戦士は、魔法使いから転職した魔法使いの呪文を全部覚えた戦士と比べて見劣りしないと思う。 ---ただし僧侶、魔法使い共に全ての呪文を覚えるのはゲームを終える頃になるので、クリアを目指すだけなら使用する必要のないシステムである。むしろレベル上げが大変なので、稼ぎ手段(はぐれメタル退治等)を確立させるまでは転職せずに進んだほうが無難。実際、公式ガイドブックでも中途半端な転職はやってはいけないこととして記載されている。 ---その一方、成長させなおす手間以外のリスクはほとんどないので、旅の過程を楽しむためのフレーバーとして、積極的に転職させてしまってもさほど問題はない。もちろんクリアにかかる道程は長くなってしまうが。 -性別は勇者を除き移動画面でのグラフィックが変わるほか、一部性別限定の装備品がある。 --鳥山明氏による公式イラストが各職業の男女両方に存在しており(勇者のみ男女共通)、いずれも人気が高い。 #region(職業) どの職業もそれぞれ特徴があり上手く釣り合いが取れている。~ 主人公専用職業「勇者」、RPGでは一般的な「戦士」「僧侶」「魔法使い」、上位職業の「賢者」、通好み(?)な「武闘家」「商人」「遊び人」とバラエティ豊か。~ 基本の編成は「勇者・戦士・僧侶・魔法使い」で、ルイーダの酒場に初期からいるのもこの3職業。これをベースに好みや慣れでメンバーを変える。~ 一見、役立たずに見える商人や遊び人もレベルの上がりやすさと装備品の優秀さで序盤は物理攻撃要員としてそれなりの活躍をし、賢者は呪文系職業の最上位だが転職前提の上、レベルの上がりにくさで強力な呪文が使用しにくい等バランスが取れている。 ''勇者'' -いわゆる主人公、当然他職業への転職はできず、主人公以外が勇者になることもできない。 --そのポジション上、クリアするまではルイーダの店に預けることもできない。 --主人公が不在になっては困るためか、バシルーラ(対象1人をパーティ内から吹き飛ばしてルイーダの店に戻してしまう凶悪呪文)を100%回避する。ただしクリア後、パーティから外せるようになって以降はバシルーラにもかかる。 -ステータスは戦士系で力、HPが高く、MPが低い。レベルアップは最初遅いが、レベルが上がるにつれ速くなる。 --上記の特性上、序盤は他の職業と比べると得意分野がなく、能力も抑え目な為にいまいちパッとしない。 --ただし後半は強力な専用呪文を覚え始め、終盤では勇者専用の武器や防具も入手できる。このため戦士並みの攻撃力とダントツの守備力、耐性を持ち、強力な呪文も使用可能という、PTのリーダーに相応しい戦闘力に成長する。 -呪文は一通りの攻撃・回復・移動呪文から、最終的には勇者専用の特別な攻撃呪文であるデイン系や最強の回復呪文であるベホマズンまで幅広く覚える。ただし専用呪文は消費MPが多く、また当人のMPも低いために乱発できない。 --デイン系の攻撃呪文には、ごく一部の敵を除いて大抵の敵に通用するという特徴がある。アストロンは行動不能になるが無敵状態となり、相手の行動パターンを把握するのに役立つ。合わせて初見の敵に対処するのに適している。 -性別の選択が可能だが、容量の制約上女性を選択しても移動時のグラフィックは男性と同じでそれも完全に男ベースで作られている。母親からも「勇敢な男の子として育てた((リメイク版では「男の子のように育てた」に変更))」と言われるように女性扱いされることはほとんどない。 --実際パッケージをはじめ公式イラストは男のみしか描かれていない。 --ただし、主人公が女性の時にそれを指摘する人物が1人だけ登場する。また、この時の会話内容を見るに、主人公自身も女性ではないと振舞っているようである。『[[ゼビウス]]』で知られる遠藤雅伸氏はこのイベントに感心していた。 -前述の観点から職業中1番有利に思われがちだが、転職による能力の底上げや呪文の習得ができず、覚えられる呪文も(特に補助系に)穴がある等、必ずしも完璧ではない。 ''戦士'' -典型的な肉弾戦のプロ。力とHPはトップクラスだが、それ以外の能力値はほとんど伸びない。 -他の職業と比べ強力な武器防具が装備でき、ことダメージに対しての耐性面で優秀な前衛役となる。ただしその性質上、武器防具を揃える必要があるので、多くのゴールドが必要になりがち。また素の守備力となる素早さが低いため、重装備を整えなければ見た目より脆い。 //--問題なのは、破壊の剣、地獄の鎧、不幸の兜と最強武具が呪いアイテムであること。この内、破壊の剣と地獄の鎧はそれぞれ1/4、3/8の確率で動けなくなる((この呪いは「たたかう」コマンドを選ぶと発動する。また本作では武器防具の呪いは互いに重複するので同時に装備していると半分程度の確率で動けなくなる。))ので実用に適さないが、運の良さを0にする不幸の兜は元々運の良さの低い戦士にとってデメリットは少なく、またルビスの塔クリア後は特にこれといったステータス異常の機会もないため、素直に使用を勧められる。 //--ちなみに、破壊の剣は普通に店売りしている武器である。呪われている武器が売られているのはいかがなものかと指摘されることも。 //--呪い装備を除けば魔神の斧が強力。ミスしやすいが会心の一撃も出やすく、防御力が高かったり自然回復能力を持つ敵に対して有効。確実性を求めるならドロップは厳しいが、戦闘中に使うとベギラゴンの効果もある雷神の剣か。 //↑呪い装備への言及は蛇足なだけに思える。FC版に関して言うなら結局、「全体的に装備が優秀」の一語で片付く話では。呪われていない装備の中で比較しても、勇者専用装備を除けば概ね戦士が最上位ですし。最上級の装備が呪われてると言っても、強い代わりに呪われてると考えれば納得なわけで。 --強力な攻撃呪文の込められた武器を扱えるため、後半は限定的ながら魔法使いの真似事もできるようになる。 -素早さは最低クラスだが、その遅さはかえってメリットともなる。本作はシリーズでも特に「殺られる前に殺れ」という面が強いが、終盤に手に入る「味方全員を回復し、無制限に使える『けんじゃのいし』」を合わせることで「次のターン開始を安定した状態で迎える」ことができ、もっとも使用に向いている職業とされる。 -他職からの転職により目覚ましい強化をされる職業でもある。素早さを底上げし、魔法職で呪文を覚えさせることで行動の幅も増え大幅に強くなる。呪文を覚えた戦士は、先頭に立たせた際に防御攻撃(後述)ができなくなるので迷うところだが。 -屈強な外見の男戦士に対し、女戦士は''ビキニアーマー''着用で妙に露出度が高く、人気も高い。男女とも、後の『VIII』『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。『VII』にも一部のイベントキャラで登場するが、女戦士は髪の色が紫色から金髪になっている。 ''武闘家'' -体を使っての闘いを得意とする職業。レベルの成長に伴い会心の一撃が発生しやすくなる(確率はレベル/256)という特性を持ち、終盤はバシバシと会心の一撃を出して敵を屠る。 --上記した特性に加え能力成長の癖もあることから、全体的にやや大器晩成型の傾向を持つ。中盤くらいには独自の強みを見せ始め、終盤になると再び他職に追いつかれるが。 -力、素早さはダントツ、他の能力値も賢さ以外全般的に高いが、レベルアップ速度は遅め。装備できる防具もほとんどないのが苦しく、打たれ弱さで戦士に遅れをとっている感が否めない。 --こと最初期は力や素早さすらもパッとせず、戦士・勇者はもちろんのこと、僧侶にすら''殴り合いの能力のみでも''見劣りする。 --専用以外の武器はほぼ扱えず((一見そこそこ装備できるように見えるが、実際は装備すると逆に攻撃力が下がってしまう))、きちんと機能する武器は「てつのつめ」か、強い代わりにエンカウント率が極端に上がってしまう「おうごんのつめ」のみ。防具も中盤の「みかわしのふく」「ぶとうぎ」辺りが最強((数値上の最強は「ぶとうぎ」だが、守備力の差はわずかなので、回避力も上がる「みかわしのふく」のほうが実質的に強い。))で、盾と兜は全く装備できない((唯一「はんにゃのめん」のみ装備可能だが実用性は殆どない))。女性の場合は「まほうのビキニ」を装備できるがかなりのレアアイテム((キングマーマンのドロップ(1/64)でしか手に入らない。))。 --裏を返せば装備に金をかけなくても済むという長所がある。最初期は「けいこぎ」一着だけでそれなりの働きをしてくれるし、中盤以降もほとんど金がかからない。 --素早さはダントツに伸びるので、先制で行動することが多い。打撃攻撃以外でもアイテムを活用すれば活躍の場は多い。装備部位が少ない分、アイテムを多く持てるのも大きい。 ---また、素早さの1/2が防御力になるシステムのおかげで、素早ささえ伸び切れば前衛職相応の物理防御力が得られる。ただし、ブレスや呪文に対する耐性が得られないので、結局は守備面に不安を抱えることとなる。 --実はイメージ程HPが高くなく、戦士はおろか勇者よりも低い。この微妙な差が痛恨の一撃を受けた場合に明暗を分ける事もあるため、先頭を任せるには、やや不安が残る。そのため勇者の後ろにつけるのが望ましい。 -男女とも拳法着を着用した中国風の外見。男のみ、後の『VIII』『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''魔法使い'' -文字通り、多数の魔法を使いこなす職業。 --攻撃呪文は固定ダメージのため、守備力の高い敵に対して力を発揮する。序盤のヒャド(敵単体に約30ダメージ)とギラ(敵1グループに約20ダメージ)、最終盤のメラゾーマ(敵単体に約180ダメージ)は、ダメージソースとして非常に優秀。ただ、メラゾーマの習得はかなり遅いので、人によっては習得前にクリアしてしまうこともありうる。 --攻撃ばかりではなくバイキルト(味方一人の通常攻撃のダメージを倍増)やスクルト(味方全員の守備力を増強)などの補助呪文、リレミト(ダンジョン脱出)やルーラ(一度訪れた街に移動できる)などの便利な呪文も覚える。 -MP、運の良さには秀でるが、HPや力の伸びは小さい。また装備できる武具も乏しいため、呪文抜きでの攻撃力には期待できず守備力も低い。呪文が不要な場面ではパーティの最後尾で出番を待っていることが多い。 --ただし、毒針のような単純な殴り合いの苦手さを補える専用装備も存在する。 ---毒針は常に1ダメージしか与えられないが、一定確率で敵を即死させる。また確実に1ダメージは通すため、HPが1ケタで守備力が非常に高いメタルスライム系に効果的。 ---水の羽衣はそれなりの守備力を持つとともに、耐性だけなら勇者専用の最強防具・光の鎧に匹敵する。守備力もそう低くはない。 --終盤では素早さが劇的な伸びを見せるため、弱点である守備力はある程度改善される。先攻で賢者の石を使いたい時にも役に立つ。 -男魔法使いは全職業唯一の老人である一方、女はとんがり帽子におかっぱ、小顔、華奢な小娘ドットキャラ。裾の広いロンスカとのコントラストがお嬢様っぽくて可愛らしいと好評。なおリメイク版では酒場の初期メンバーにおいて魔法使いのみ性別はすべて女となり(他の職業は男3:女1)、男魔法使いのみが削除されてしまった。 ''僧侶'' -回復呪文のエキスパート。HP回復、状態異常の回復、はては蘇生まで一手に引き受ける。 --特にパーティ全員のHPをある程度回復させる「ベホマラー」、味方を確実に完全蘇生させる「ザオリク」は他の汎用職では代えが利かない(賢者も覚えられるが、下記の通り習得はかなり遅くなる)。中級以上の回復呪文は勇者の習得が極端に遅く、''パーティーにいるといないとでは難易度は雲泥の差''。 //ベホマは勇者も使えるし、ベホマラーは終盤になれば賢者の石で代用できるし、ザオリクは世界樹の葉で替えが利くし、「いれば楽になる」のは確かだけど必須レベルというほどではない --持ち運べるアイテムの総数に厳しい本作(装備品込みで8個)では回復アイテムを多数持ち歩く必要がなくなるという点でも、ありがた味が実感できる。もし、僧侶がいない場合、回復呪文を使えるのが最大MPが低い勇者のみになってしまう為、大量の薬草を持ち込まないと厳しくなってしまう。 --またルカニ(敵1体の守備力を0にする)やラリホー(敵1グループを眠らせる)、マヌーサ(敵の通常攻撃の命中率を激減)など、魔法使いと同様サポート呪文も強力。 --攻撃呪文も、風で切り裂くバギ系や即死呪文のザキ系を覚えていく。ニフラムもアンデッドなどを消し去るので強力(ただし経験値やゴールドは得られない)。 ---ただし、バギ系はダメージがばらつきやすくやや不安定な上に、習得も魔法使いの攻撃呪文と比べかなり遅め。ザキ系やニフラムは効く効かないが極端で、耐性により高確率で無効化してくる相手が多いと、呪文攻撃はあくまでおまけ程度。 -また、能力は平均的に伸び、装備品もある程度充実しているので、魔法使いとは違って呪文以外にも戦闘に参加していくことができる。ただし、その魔法使いと比較すると、終盤にかけてやや能力が伸び悩んでいく。 -男女ともぴっちりした全身タイツに貫頭衣状の上着を重ねるという、露出度は低いながらセクシーな格好。男は口ひげを生やしたオッサンなので見向きもされなかったが、女は清楚な雰囲気のある若い女性でそのギャップからか人気が高い。 --女は緑のドット絵なので、リメイク版を見ると違和感を覚えるかも。男のみ、後の『VIII』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''商人'' -全職業中で唯一アイテムの鑑定能力を持つ。また戦闘後、その戦闘で入手したゴールドの1/6程度を追加で入手することが結構な頻度で発生し、意外にこの積み重ねが馬鹿にならない。 -他の職業にない特徴として、ストーリー進行上、パーティーに加えた商人と必ず別れる必要がある点があげられる。 --もちろんルイーダの店で登録したばかりのレベル1の商人でも可能なので、知っていれば損をさせられることはない。 -役割としては前衛系。レベルアップが全職業中最も早いため能力値も伸びやすい。 --序盤は「ターバン」「てつのまえかけ」など安価な専用装備も充実しており、中盤までは戦士を凌駕した性能を発揮できる。 --ゴールドを追加獲得する能力も合わせ、金欠になりやすい序盤の財布事情を幾分か解決してくれることが最大の魅力。転職させるかイベントで離脱させるまでと考えても十分すぎる活躍をしてくれる。 --そうした「序盤限定のお助けキャラ」という立場を裏打ちするように、中盤以降に出てくる装備品はほとんど装備できず、船が手に入る頃にはほぼ戦力外となる。ダーマ神殿で商人に転職することもできるが、ガイドブックにも「後半商人に転職するのは無意味である」とか書かれており、まさに正鵠を射ている。 --なお実用性はともかくとして、最終盤でも他の職業と差別化できる要素は持ち合わせている。2回攻撃可能な「はやぶさの剣」を装備できるのは、勇者と賢者の他には商人のみ。勇者と賢者は転職に制限があるため、自由につける職業としては商人の特権。 -男は僧侶と同じくオッサンキャラで、ターバンを巻いた中東風の姿はその辺の店のカウンターにいそうな風貌。女はポニーテールの可愛らしい女の子なのだが、商人自体の使用率の低さから他の女性キャラに比べて人気は伸びていない節がある。そればかりか後述のようにグラフィック面で重大な不遇を被ってしまう。 ''遊び人'' -運の良さのみ爆発的に伸びるが、それ以外のステータスは全て平均を下回る。おまけにレベルが上がると戦闘中に勝手に遊んで何もしなくなるなど、いい所なしの職業。 --一応、運の良さはこの作品では状態異常にかかる確率に影響するため、遊び人は他の職業に比べて状態異常にかかる確率が低いというメリットは(役に立つかは別として)存在する。戦闘中もひたすら遊びまわっているだけなので、常に状態異常に掛かっているのと大差ないが。 -隠された真価として、''無条件で賢者に転職できる''というのが遊び人最大の強みとなる。遊び人以外の者が賢者になるには、「悟りの書」という実質一品物のアイテムを使わなくてはならない。 //この仕様は実はバグの賜物だったのだが、リメイクにあたって公式化された。 //↑初めて聞いたけどソースどこ? --この仕様は半ば裏技扱いで、攻略本などでも公開はされていなかった。((漫画「ロトの紋章」の賢王・ポロン(polon)は初登場時は遊び人で文字通り“転”職して賢者になるという上手い設定。ポロンと言う名前は本名の「ノロップ(nolop)」をひっくり返した物)) --なお、他の職業から遊び人へ転職することは''不可能''。遊び人から他の職業へ転職した者が再び遊び人に戻ることもできない。その性質上、遊び人以外の職業でスタートしたキャラは、悟りの書を使う以外で賢者になる方法が存在しない。 -他には商人と同様、序盤に限りそこそこ強い装備が持てる。商人や武闘家用の安価で高性能な装備を一部こちらも利用できたり、戦士・勇者用の強力な武器を一部は共用できたり。 --序盤は遊びの種類が少ない分、戦闘にもそこそこ真面目に参加してくれる。ダーマへついたら賢者へ転職するのを前提に、初期メンバーとして連れて行くのも悪くはない。…残り3人への負担は通常よりもかかってしまうが。 ---上記の賢者転職路線で行く場合、防具だけ整えて武器は他メンバーのお下がりで済ませるのも有効な手段となる。 勝手に遊んでしまう上に力も弱いので真面目に攻撃したとしてもたかが知れており戦力としてはカウントしづらいので。 --遊びはレベルが上がるにつれて種類が増えていくため、シャレと割り切りそのまま育てていくのも一興。実際ルイーダの酒場の客も''「充分強くなってからシャレのつもりで仲間にしろ」''とアドバイスしている。 -男は道化師、女はバニーガールの格好をしている。 ''賢者'' -ルイーダの酒場で初期登録することは不可能で、転職でのみなれる幻の職業。転職するにも他の職業より条件が厳しく、事実上一品物((一応アカイライが落とすのだが、その確率は1/2048。よほどのリアルラックの持ち主でないかぎり、遊び人をLv20まで上げたほうが早い。))である「悟りの書」を使用するか、遊び人として修行を積んで転職のどちらかを満たさない限りなれない。 --なお遊び人の項にもある通り、遊び人に転職することはできない。つまり原則としては、悟りの書を使わない限り賢者になれない。 -僧侶と魔法使いの呪文を習得し、最終的には双方の呪文全てを習得できる。ステータスも安定して伸び、装備品も僧侶の装備+α(草薙の剣、隼の剣)を装備できるので、ある程度は肉弾戦も可能な万能職。 -弱みは転職によってしか就けない職業であるうえに、レベルアップが非常に遅いこと。そのため呪文の習得が全体的に遅くなる。また、MPも同レベル帯の僧侶や魔法使いにくらべると低め。 --初期から育て続けた魔法使いや僧侶は「ゲームをクリアする前後あたりで全ての呪文を覚えるかどうか」といった形に調整されている。裏を返すとレベルが大きく遅れる賢者の場合、普通にクリアする範囲では覚えきれない呪文が出てくるため、気軽に転職させるのも考えもの。 //--フバーハ(敵のブレス攻撃で受けるダメージを2/3に)やベホマラー(味方全員のHPを中回復)などを覚えるまでレベル上げしないとクリアは難しめだが、賢者はここに手が届くかも際どい。 //↓にあるようにクリアレベルは40程度だから、勇者がLV40に必要な経験値は約60万。その頃には賢者はLv36まで上がっているから(僧侶or魔法使いLv20の必要経験値が約4万、賢者Lv36の必要経験値が約55万)十分ベホマラー覚えられる。クリアレベルを僧侶がザオリク覚えるLv38と低めに見ても、必要経験値は約49.5万で、賢者はLv34まで上がってるのでベホマラーに届く。フバーハは言わずもがな。 -クリアレベルは40程度だが、賢者はレベルが50を越えても成長が鈍ることなく能力値が伸び続ける。成長吟味なしにMPが500まで伸びるのは賢者のみ。力が十分に伸びてから隼の剣を装備すれば戦士並の物理アタッカーともなるので、そこまでやり込むなら本当の意味での万能職となる。 -男女ともにルックスは抜群で、男はストイックさと爽やかさが同居したイケメン。女は「エロカワイイ」をそのまま表した様な本作屈指の人気キャラである。 #endregion ''世界を渡り歩く物語'' -ワールドマップは前作からさらに大きくなっており、1つの街が単なる中継点・通過点ではなくなった。 --本作では呪文「ルーラ」やキメラの翼の効果も変わっており、行った事のある町や城から任意に行き先を選び飛べるようになった。((1では出発拠点のラダトーム城のみ、2でも「最後に復活の呪文を聞いた町」への帰還で固定されていた。)) -世界各地に散らばっている六つのオーブを探すといったワールドマップ全体を使ったお使い要素は今作でも登場。いわゆる「王道的シナリオ」の原点を確立した。 --前作と違い、近場かつ解り易い位置にある祠で各地に何があるかを教えてくれるので、手探りで各地をうろついていきなり強敵に襲われる可能性が減った。 ---勿論、苦戦覚悟で重要アイテムを入手する為に高レベルを要する地域を強行突破という遊び方も可能。自由度とゲームバランスの両立が前作よりも改良されている。 --なお、本作のワールドマップは現実の世界地図によく似た形であり、地名も現実の地理や世界史などを元にした名前が使われている。 ---分かりやすいものも多いが、インドに相当するバハラタや胡椒屋のグプタはバーラタ族とグプタ朝、アープの塔は西部の開拓時代の保安官ワイアット・アープ、地球のへそはエアーズロックの別名、ガルナの塔は仏教用語のカルマ(業)からなど奥が深い。 ---最初の目的地であるロマリアは現実のイタリアにあたり、そこから東方を目指すシナリオは東方見聞録を思わせ、大航海時代の幕開けとなったポルトガルにあたるポルトガで船を手に入れるなど、地理から歴史的旅情を味わえる。また、暗黒大陸と言われたアフリカ大陸はバラモスの拠点だったり、アメリカ大陸で開拓の町を作れたりと世界史通にはニヤリとさせられる。もちろん日本に相当するジパングも登場する。 ''昼と夜'' -ワールドマップを歩き続けると時間が経過し、画面が暗くなって夜になる。夜になると街は静まり返り、外でエンカウントするモンスターは昼よりも強力になる。 --街にも昼夜の違いによるイベントが数多く入れられている。 --歩かなければ時間は経たず、ルーラで移動すると必ず昼になる。 --使うと強制的に夜になるアイテム「闇のランプ」、昼と夜を入れ替える呪文「ラナルータ」も登場した。 ''ギャンブル要素'' -手持ちのゴールドをモンスターに賭けてモンスター同士のバトルを見物し、見事賭けたモンスターが勝利すれば倍率に応じた配当金が得られるギャンブル施設「格闘場」が登場。ギャンブル要素が本格的に登場したのもこの作品から。 --シンプルながらかなり面白く、以降のシリーズでも更に改良されたものが搭載されることになった。 ''パーティーアタック'' -戦闘時、各コマンドの使用対象枠の上に矢印が付き、通常指定できる相手以外の対象への指定が可能になっている。 --主に眠った味方をこれで起こしたりするという説明がされているが、これがあるためラスボスへのベホマアタック(後述)も可能になっている。 ''状態異常'' -前作までは状態異常は「眠り」「毒」「マホトーン」「マヌーサ」の4種類だったが、本作からは「マヒ」「混乱」が追加された。 --「マヒ」は特定のモンスターが打撃と共に繰り出して来たり、じごくのきしが使ってくる「やけつく息」を喰らったりすると発生。残りHPがいくらあっても行動不能になり、パーティーメンバー全員がマヒ状態になるとその時点で全滅が確定する((特に一人旅でマヒしようものなら問答無用で全滅してしまう。))。 --「混乱」は前作でも「パルプンテ」の効果の一つで存在していたが、本作からは「メダパニ」の効果として正式に実装された。混乱状態になったキャラはプレイヤーの制御を受け付けず、仲間に対して打撃や呪文で攻撃してしまう((仲間が全滅して混乱したキャラ一人だけが残った場合はプレイヤーが制御可能になる。これは敵側も同様。))((「般若の面」は守備力255を誇る防具だが、装備すると呪われる上強制的に混乱状態になってしまう。一人旅なら混乱のデメリットは無いため重宝するが。))。 --またマヌーサの効果も前作より強化され、ミスを誘発する確率が高くなっている。 ---- **評価点 -DQ特有の手応えのあるゲームバランスは本作でも健在。 --初めて相まみえる魔物との戦い、厳し目の数値バランスにより緊張感ある戦いの連続、パーティーが成長することで行動範囲は広がり、見えてくる未知の土地と新たな敵……という誰もが確実に手応えを感じながら進められるバランス調整が徹底されている。 --強敵は数多いものの、バランス調整がしっかりと行われており『II』のように理不尽な域ではなく、終始安定したゲームバランスが保たれている。 --補助魔法の一部が顕著な効果を表わし、目に見えて役に立つようになった。 -すぎやまこういち作曲によるBGMは非常に評価が高い。 --フィールド曲「冒険の旅」、通常戦闘曲「戦闘のテーマ」、城の曲「王宮のロンド」等、物語の雰囲気を盛り上げるためにも、曲単体として聞くにも十二分なものばかりである。 --特にラーミアの曲『おおぞらをとぶ』や最終バトルの曲『勇者の挑戦』はシリーズでも一二を争う人気を誇る名曲とされている。 //---ただ、どちらの曲もストーリー上で聞ける時期が短いのは、少し勿体無いか。 -王道的ながら当時のプレイヤーを驚かせたストーリー展開。 #region(ネタバレ注意。ただし現在ではかなり有名な内容) -当初、物語は魔王バラモスを倒すことを目的に進んでいくが、バラモスを倒した後にその上位の存在である大魔王ゾーマの存在が明らかになる。「後に真の黒幕の存在が明かされる」という展開は今でこそよくある手法だが、当時としては斬新でプレイヤーを驚かせた。 --ただ、戦闘時のBGMが通常の戦闘と同じだった為、ここで真のラスボスがいることに勘付いた人も結構いた。 //もっとも、前2作からして冒頭でラスボスとされる者については変身・召喚で2連戦になってはいたが。 ---この点に関してすぎやまこういち氏は「ROM容量の都合でBGMを削らざるを得なかった」とコメントしている。リメイク版では専用BGMになった。 --そのラスボスのゾーマは、威風堂々とした圧倒的な存在感、ビジュアル面、バトル曲のかっこ良さからDQシリーズでも屈指の人気ラスボスになっている。また、その後のシリーズで定番となった補助魔法のリセット技である「いてつくはどう」を初めて使用したことでも有名。 //---余談だが、当初はゾーマに第2形態がある予定だった。しかし、外見が余りに酷かったからか没になってしまった。詳細を知りたい人は検索してみるといい。 -ゾーマの居城がある場所は闇に包まれて常時夜になっている地下世界だが、探訪するとそこが『DQI』の舞台であるアレフガルドであることがわかる(ただし、いくらか地理関係が異なっているが)。ゾーマを倒すために必要なアイテムを手にするイベントも『DQI』に登場する人物との繋がりがあり、印象深い。 --そのアイテム「光の玉」は無ければ難易度がかなり上がるが、倒せないわけではない。その場合、攻撃力が550・守備力300・素早さ255と格段に上がり吹雪も強いもののみになる一方で、HPや自動回復量に変化はなく、行動は完全ローテーションで相手の行動がつかめ、光の玉使用後より効く呪文が多くなる(特にマヌーサが効くのは大きい)。従って、相手の後に行動することを前提にした詰め将棋的なバランスで、闇雲に攻めても勝てないが、ちゃんと作戦を練れば驚くほどアッサリだったりする。ある意味『V』以降恒例となる裏ボスの先駆けとも言える存在でもある。 -そしてエンディングでは、前作まで伝説として語られてきた「勇者ロト」の正体が明らかになる。 このシーンで流れるBGMはこれまでタイトルBGM「序曲」として使われながら今作FC版では一度も流れなかった「ロトのテーマ」。かくして、「そして伝説は始まった」のである。 --エンディング後にクリアしたデータで再開すると、データの一部に変化があるうえ、勇者をパーティから外すことができるようになる。 ---これを使って意図的にハマり状態を起こすことができる。詳細は割愛。 //ゾーマを倒し、エンディングを見たあとだと主人公(勇者)をパーティから外すことができる。この状態でアレフガルドでセーブし、その後ルイーダの店へ行ってレベル1でアイテム装備なしの弱いキャラ一人のパーティにし、お金も0にした状態で敵と戦って全滅すると、レベル1一人パーティはアレフガルドで復活してしまう。アレフガルドからルイーダの店へ戻るにはキメラの翼かルーラの呪文が必要だが、所持金なしでは買うこともできずルーラも覚えておらず、アイテム装備なしではスライムにすら勝てないので、どうあがいてもレベル1のまま抜け出せないハマリ状態になる。なお、クリア前でも最初に勇者を死なせ、勇者のみ死亡状態で成長させないままアレフガルドに到着して同様に勇者一人パーティにすれば同様にはまり状態になる。ラダトームの宿屋は極めて安くて回復はしやすいため、スライムやスライムベスを一発で倒す手段を持っている武闘家や魔法使いなら頑張れば脱出できる可能性はある。極めて難しいし、運に左右されるが…。 --なお、ゲーム開始時に主人公の名前を「ろと」にすると「じぶんのなまえをいれてください」として受け付けてくれない。ルイーダの店で仲間に「ろと」と付けようとしても「これはおそれおおい!」と断られてしまう。上記のエンディングを知っているとニヤリとさせられる心遣いである。 -今でこそ誰もが知っている「ロト三部作」だが、その事実は本作発売当時はメーカーの意向で雑誌などでも情報が伏せられていた。前作までとのつながりは序盤では一切描かれず、マップも異なるために世界観を仕切りなおしたもの、と思わせていた。 それゆえに、ストーリーが進行して前作までとのつながりが垣間見え、すべてが明らかになるラストはシリーズを通して遊んできたプレイヤーには感動モノであった。 --実は当時のCMやパッケージ裏で「アレフガルドの謎」とはっきり明示されていたりするのだが、『I』での「アレフガルド」という言葉は説明書で「アレフガルドの地」と記述があるのみでゲーム内では使われていないため((当時は容量の制約上使用可能なカタカナにも制限があり、ゲーム内で「ア」を使用することができなかったため))、その単語を見ただけで『I』と関連していると気づいてしまう人間は少なかったようだ。 #endregion **賛否両論点 -戦闘バランスはハッキリ言って「苛烈」の一言。序盤から終盤まで満遍なく難敵が登場する。 --スタート直後、スライムの群れにレベル1で遭遇したら死人が出ることを覚悟しなければならないほど、と言えばシリーズ経験者には本作のバランスの苛烈さは伝わるだろう。序盤の味方のステータスが低く、それでいながら初期から集団で襲ってくるモンスターが多いため初っ端から全く油断できない。 ---以降も、「あばれザル」「キャットフライ」「じごくのハサミ」「スライムつむり」「スカイドラゴン」「エビルマージ」など、エンカウント時期に対して強烈なモンスターがゾロゾロと出てくる。また、雑魚ではないがトラップモンスターの「ひとくいばこ」「ミミック」も対処を誤ると容易に全滅する。 --ただし、『II』と異なり本作のバランスはあくまで「計算された難しさ」である。この手の難敵は大体明確な弱点も同時に設定されており、キチンと戦略を組んで戦えばなんとかなるバランスである。「雑魚戦であっても気を抜けない難しさ」なのは事実だが、それぞれの雑魚ごとの能力や特性を把握して対処を考えるRPGの王道的な難しさの範疇には収まっている。 ---当時のゲーム全体で見ても、本作の難易度が飛び抜けている、という程でもないだろう。リメイク版で本作の戦闘難易度が低下したことを嘆く声もまた多い。 **問題点 -''セーブデータがとても消えやすい。'' --本作におけるバッテリーバックアップ機能には、セーブデータ破損時の対策として「ソフト側のプログラムにより壊れたセーブデータを自動的に削除する」という機能が搭載されているのだが、特に問題のないデータを壊れたものと誤認識して消してしまうことがあり、その頻度・確率が''半端なく高い''。~ また、接触不良で読み込めなかった際にもデータ破損と認識されて消去されてしまうことがあるなど、非情なまでにデリケートである。 --その際に真っ暗な画面で表示される''「おきのどくですが ぼうけんのしょ○ばんは きえてしまいました」''というメッセージ、同時に流れる「呪われた武具を装備した際の''不気味なジングル''((初出は『I』だが、使用されているのは『II』以降のもの。曲名はそのまんま「呪いのモチーフ」で、作曲者曰く「嫌われるよう一生けんめい作った」「僕も嫌い」だそうだ。))」がプレイヤーにトラウマを刻みつけた。 ---次作『IV』からSFC以降も継続してこの演出が採用されているが、これほど冒険の書が消えやすいのは本作(特に初期版ROM)くらい。なお、後期版ROMでは搭載チップの物理的な変更により多少だが改善されている。 --誤動作によるデータ破損を避けるため、公式に「電源切断時はリセットボタンを押しながらスイッチを切る」というやり方が指示されており、説明書にも書かれている。しかし、これを守っていても消えるときは消える。 ---本作に限らない話だが、もう1つの原因として、ファミコン本体がバッテリーバックアップの搭載を考慮した設計になっておらず、ROMカートリッジに電気供給用の電池を後付するという無理な形で実現していたことが挙げられる。~ 「リセットボタンを押しながら」という操作も、その間はCPUの動作が完全に停止するため安定しやすいという事に過ぎない((本作発売直後の4月にナムコが発売した『独眼竜政宗』などは、リセットボタンを押さずに電源を切る方式を採用していた。説明書にも「リセットボタンを押したまま、電源を切らないでください!」と書かれていることからも本作の影響が大きかったことを裏付けている。))。実際、リセットを無視して電源OFF・ONをカチカチ高速で繰り返してもまず消えることはない。~ この状況は次世代のSFCで軽減され((余談だが、SFCでは逆にリセットボタンを押しながらスイッチを切るとデータが消えやすくなるため、5や6では説明書でリセットボタンを押さないように書かれていた。))、記録媒体が別売りのPSやフラッシュメモリによる記憶媒体となったDSの登場により、ようやく解消された。((ただし、メモリーカードやDSのカード共に、自動削除機能は存在しないないため、破損の度合いが酷いと最悪、破損したデータそのものを消せなくなり他のデータに影響を与える可能性が出るという新たな問題も生じている。)) -説明書には、「パラメータの体力・賢さは、最大HP・MPの上昇しやすさに影響する」と書かれており、実際対応はしているものの、種でこの2つを上昇させると、かえって最大HP・MPの成長が鈍ってしまう。 --これは最大HP・MPの上昇量が「レベルアップ時の体力・賢さの上昇量」に比例しているため。種で先に上げてしまうと、レベルアップ時に本来上がるはずだったパラメータがほとんど上がらなくなる。 #region(詳細など) --種で上昇させると「パラメータが基準値((基準値=(レベルアップ後のLV-2) × (定数+0.5) + (10+定数)。少数切り上げ。))より高くなっているとレベルアップの際に上昇量が0~1になる」仕様により、本来上がるはずだったパラメータがほとんど上がらなくなる。 ---なお上記の計算により、基準値の定数が4の能力値の場合LV55以上で基準値が256以上になりオーバーフローして低い値になるという現象が発生する。定数が3の能力値でもLV70以上でオーバーフローが発生。 --逆にカンスト値の255の時に種を使うとオーバーフローによってパラメータが1桁まで下がる。 ---さらに「レベル×基準値の定数」が256以上((定数4ならLV64以上、定数3ならLV86以上。定数2や定数1では条件を満たせない))になると、パラメータの成長率がおかしくなってパラメータが基準値以下だといっきに成長する状態になる。そのためスタミナの種を大量に使って体力を下げると、レベルアップ時に体力と共に最大HPが凄まじい勢いで上昇する。表示上のHPは最大999だが、実際の最大HPは1000以上まで上がるためレベルアップのたび体力を下げればどんどん最大HPは成長していく。利用可能なレベル帯は既に通常プレイ帯を越えていて、種の使用回数も裏技を最大限に活用する場合においてさえかなりの作業量の域だが。 ---ただしレベルアップで体力が65以上いっきに成長するとHPが増えないという現象もあるので、気を付ける必要がある((「レベルアップ時の体力上昇値×2倍 ± 2」がHP上昇量になるが、符号付数値表現で127を越えると128→0、129→-1、130→-2というように扱われるため成長しなくなる。体力64上昇の場合は、64x2+0=128や64x2+1=129や64x2+2=130というようになるとダメだが、64x2-2=126や64x2-1=127という結果での大幅上昇もある。))。 ---また賢さに関しては、MPの上がる職業ではこの急成長の現象は発生しない((勇者・魔法使い・僧侶・賢者の呪文を使える職業がすべて、かしこさの基準値の定数が2であるため「レベル×基準値の定数」が256以上にならない。))。 ---なおHPやMPにも基準値による上限はあるため、転職前に体力や賢さをオーバーフローで下げておいても、体力や賢さはレベルアップ時にたくさん上がってもHPやMPは0~1しか成長せずあまり意味がない結果になることが多い。ただし遊び人から賢者にする場合は、初期MPがないので転職前に上がった賢さが転職後の半減した量程度でもMP成長の妨げになるという問題の解決策には使える。 #endregion ---この事から、体力と賢さを上げる種は、特殊なケース以外ではほぼ罠アイテムと思ってよい。その特殊ケースにしてもあくまでバグの一種であり、しかもこれを実現できるだけの種を集めるには別のアイテム増殖バグを使用しないとほぼ不可能である。 ---なお賢さに関しては「呪文の習得に関わる」という性質もあるため、伸ばしたことが完全な無駄になるわけではない。 -前衛職から魔法職への転職が露骨に不利。 --MPが成長するのは魔法を使える職業のみなのだが、MPの伸びない職業にも賢さのパラメータは存在し、レベルアップでも成長する。これが上の「種で成長させた分の賢さ」と同じ問題に引っ掛かってくる。 --このため魔法を使わない職業から魔法を使う職へ転職すると、元から魔法系だったキャラクターと比べ、MPが目に見えて低くなってしまう。 --転職前から持っている分の賢さは、たいていの場合、種で伸びる分などよりもはるかに高い。なのでMPを持たない職からMPの伸びる職への転職はかなりの制約を負う。しかも転職前のレベルが高いほど賢さも高くなりがちで損という、どこか理不尽な制限までかかる。 --遊び人が賢者に転職した場合も、この制約は当然のように受ける。%%所詮はまがい物の悟りということか。%%転職前にレベルを上げておくほど運の良さは飛躍的に伸び、それを半分とはいえ転職後にも引き継げるのだが、かわりにMPは早く転職したときよりも低くなるというジレンマを負う。 --賢さはMPと魔法を覚える条件にのみ関わるので、魔法を使わない職業にとっては完全な死にパラメータという点も、不条理感を加速している。 -クリアレベル帯以降のステータス成長の鈍化。 --本作以降(オフライン専用のドラクエは全て)、メインキャラのレベルの上限が99に固定された。 --しかし、レベル50以降は大半の職業において、ステータスがほとんど伸びなくなる。ごくまれにだが全く上昇しないこともある(「○○はレベルがあがった!」のメッセージの後に何も表示されない)。 --本作では、レベルの数値そのもので戦闘が有利になるようなことがほぼない((会心確率がレベルに依存する武闘家のみ有利になる))。能力値が伸びるか呪文を覚えない限り、レベルアップは完全に無駄である。むしろ教会での蘇生にかかる費用が高くなるので損。 --本作のゲームクリア標準レベルは45前後なため本編のゲームバランスには影響は少なく、基本的にはやり込みの領域になるものの、レベル50時点での能力の倍の伸びしろを期待した当時のやり込みプレイヤーは肩透かしを喰らうこととなった。 //-レベル上げの約半分はほぼ無意味 //--本作以降(オフライン専用のドラクエは全て)、レベルの上限はパーティメンバー全員、99に固定された。 //--しかし、後半(レベル50以降)は殆どの職業において、ステータスがほとんど伸びなくなる。ごくまれにだが全く上昇しないこともある(「○○はレベルがあがった!」のメッセージの後に何も表示されない)。上がったとしても「『II』終盤のローレシアの王子の力」ぐらいの上昇量しかない。 //---にも拘わらず、レベルの上限は99と、50の時点からしてみればまだ倍の伸びしろがある。それまでの常識から考えてみればレベル50時点での能力がほぼ倍化すると意気揚々に経験値稼ぎをしまくった結果、肩透かしを喰らった当時のプレイヤーは少なくない。 //---もちろん、必要経験値はレベル45以降は全レベル帯で約10万必要なのは変わらず、僅かな能力上昇のために膨大な経験値を稼ぐことになる。 //--本作では、レベルの数値そのもので戦闘が有利になるようなことがほぼない((会心確率がレベルに依存する武闘家のみ有利になる))。能力値が伸びるか呪文を覚えない限り、レベルアップは完全に無駄である。むしろ次のレベルまでに必要な経験値が増え、さらには蘇生にかかる費用も高くなるので損。 //--補足すると、ゲームクリア標準レベルが45前後であるため、レベル99までレベル前半と同じステータスの伸びに設定してしまうと、単純なレベリングだけでヌルゲー化してしまため、これを防止したものと思われる。 //---だとしても、それならレベルを上がりやすくし、成長ピークとゲームクリアレベルを70付近に設定することで自然な成長曲線にする、等の対策もあったのだが… //Lv99まで上げるなんてただのやりこみなのに問題点というのはちょっと //仮にやり込み要素だとしても、問題点に不適応な理由が不明瞭なので差し戻し //↑通常のプレイの範疇からは離れた趣味の領域の話でありながらゲーム全体の成長曲線にまで(推測に基づいて)言及するのはやりすぎ感があるのと、表現に分かりづらい点があったため軽めになるように改変しました。 -ダメージ計算の異常なまでの偏り。 --本シリーズでは、基本的に通常攻撃のダメージは互いの攻撃力と守備力から算出した基本値に、乱数をかけたものとなっている。本作も同様だが、その乱数の算出方法がおかしく、ダメージが他のシリーズ作品の比ではないほど偏る。 ---詳細は省くが、要するに「乱数が事前に設定された一定の範囲内から漏れた場合、強制的に範囲内の最大値or最低値に補正される」という変な計算式を使っているため、「乱数の最大値と最低値だけ異様なまでに出やすい」ということになっている。計算上、最大値or最低値が出る確率は実に1/3にも達しており、乱数の性質から考えても明らかに不自然でわざわざこのような仕様にした理由が不明。 --リメイク版では多少まともになったが、やはりこの不自然な乱数そのものは健在である。 -状態異常回復として設定されたと思わしきパーティアタックだが、その回復率がすごく低い。むしろ味方を死亡させてから復活させる荒療治のほうが安定する。 --公式ガイドブックでも「混乱した味方をラリホーで眠らせるのに利用しろ」程度のテクニックしか紹介されていない。 -金が貯めにくい。 --4人分の装備を揃えなければならないパーティ事情に対して獲得ゴールドが少なめなため、金欠に悩まされやすい。 --宝箱から拾えるアイテムも粗末なものが多い((本作の宝箱の中身は大半が「数十~数百の少額のゴールド」「道具屋で安価で買える消費アイテム」「種・木の実」であり、まともな価値のあるアイテムや装備品が拾えることは稀。))ため、拾い物でまかなったり換金で稼ぐことも難しい。 --獲得ゴールドが多めに設定されているモンスターもいるが、出現が中盤以降のため序盤の金策は難しい。 --しかし終盤のアレフガルドまで進んでしまうと、店売りの新装備がほぼ登場しなくなるため、今度は逆に金余りになってしまう。 ---後のリメイク版では高額で換金できるアイテムが無数に登場したため、別の意味で極端になってしまった。 //--救済措置としてモンスター闘技場やゴールド獲得が多めに設定されているモンスターもいる。前者はギャンブルのため確実性はない。後者も出現が中盤以降のため序盤の金策は難しい。 //↑格闘場は効率的に共済措置としては機能しているとは言いがたいです。併せて全体的に改変。 -「扉」の煩わしさ。 --本作『III』までのDQシリーズでは、町やダンジョン内の「扉」は全て鍵がかかっており、鍵を使って通行する障害物オブジェクト(ひいては鍵の所持/未所持で進行を制限するフラグチェッカー)という扱いであった。 --その一方で、本作では上記の障害物としての役割を持つものとは別に、何の変哲もない民家の入口やお城の部屋などに配置されている いわゆる「見た目上の演出としての扉」も数多く設置されている((全ての扉を開けられるようになる鍵はゲームが後半に差しかかる頃に入手可能で、以降の扉は障害物としてのゲーム上の役割はほぼ持たない。))。 --これらがワンタッチで開けられるのであれば何も問題は無かったのだが、本作では扉を開けるために「道具欄を開く→鍵を選択して使う」という工程を踏まなければならないため、いちいち手間がかかる。特に終盤のアレフガルドでは(見栄えを良くしたかったのか)民家や部屋など事あるごとに扉が配置されているため非常に煩わしい。 ---次作『IV』では「とびら」コマンドが『I』以来復活することで改善された。 -実質無意味呪文「レムオル」とその効果「透明状態」の出番の少なさ。 --魔法使いがレベル33で習得し唱えるとMP15を消費して透明状態になるのだが、これが特にモンスターのエンカウントを落とせたりするわけでもなく姿が見えないので単に動かしにくいだけでしかない。 ---この透明状態が役に立つのがエジンベア城に入る時なのだが、それ以外では全く役に立つことはない。しかもこの城は攻略に必要なアイテムを手に入れるために一度来るだけで、それさえ手に入れればセーブはできても店も何もないので以後まったく来る必要がない。 ---そもそもエジンベアにそのアイテムを手に入れるために行くのは普通に進めればレベル30にも満たない頃なので、レムオルを使うまでもなく300Gで買える「消え去り草」で済ませた方が手っ取り早いので死に呪文もいいとこ。 --そのため、存在意義はないも同然の呪文。せいぜい町の人に話しかけてビックリする反応を楽しむぐらいだが、それぞれ固定の台詞しか言わないので楽しいかと言われれば… --また透明状態も上記一度だけしか必要とされない。わざわざそのために手の込んだ処理を入れる必要があったのだろうか?一応脱線プレイの面白さには多少なるかもしれないが。 --なお公式ガイドブックでは「消え去り草」は一応イベントクリアのガギとなる扱いになるためか「最重要アイテム」という大袈裟なカテゴリに含まれている。 -先述の通りストーリーの進行上、商人と別れる場面があるのだが、その際に''強制的にセーブされてしまう上にその事は一切明示されない''。 --このため「リセット前提で試しに転職させた仲間を送り込んでみたら取り返しがつかなくなった」「元から連れていた商人とは別の商人も用意して連れて行ったのに元からいた仲間の方を取られ((商人が複数いる場合、先頭にいるほうの商人が取られてしまう。別の商人の方を隊列の後ろにおいていることが殆どなので、台詞をよく読んでないと引っかかってしまう))、そのまま帰ってこなくなった」などの事故が頻発した。 #region(ネタバレ注意。ただし現在ではかなり有名な内容) -ロトのルーツとなる物語であるのにもかかわらず公式見解のロトアイテムが不完全。 --後の世に語り継がれる「ロトの剣」などのロトアイテムは「この時代の勇者がラスボス戦で使っていたもの」なので言うなれば「勇者が装備出来ればなんでもその可能性がある(『聖なる守り』→『ロトのしるし』のみ不動)」のだが、公式では『王者の剣』→『ロトの剣』・『光の鎧』→『ロトの鎧』・『勇者の盾』→『ロトの盾』である。~ だが兜に関しては公式で定められていない。勇者専用の兜が存在せず大抵の者は最終装備に『鉄仮面』を選んだと思われるが、これは金さえあればいくらでも買える市販品で、しかも買える時期も冒険の中盤程度とかなり早い。それ以上に強いものとなるといずれも呪われており、運の良さが0になる『不幸の兜』、255という破格の守備力だが呪いで常に混乱状態となる『般若の面』となる。 ---これに関しては市販品が後のロトの兜という設定も不自然なため、呪われていながら捨てるのも売却も不可で、形も一番似ている『不幸の兜』((運の良さ0のリスクはあるが致命的な即死(ザキ系・メガンテ)は『聖なる守り』で無効化できる。戦士も装備可能だが『聖なる守り』の恩恵が受けられない。))が公式な後の『ロトの兜』という説もある。 ---リメイク版では正式に後の『ロトの兜』として『オルテガの兜』が公式設定で用意された(同時に『不幸の兜』の売却不可縛りもなくなった)。 #endregion -パーティー編成の自由度の低さ --本作では勇者以外の3名は自由に職業を選択してパーティー編成をする事が出来るのだが、&font(b,red){真剣にゲームを攻略しようとするならば「勇者+(戦士or武闘家)+僧侶+魔法使い」以外の選択肢は無い。} --商人は序盤はアタッカーとして頼りになるものの、前述の通り中盤以降は最低限の戦力しかないので、ほぼイベント専用職業と化してしまっている。 //一応、僧侶以上、賢者と同等の力でゾンビキラーが装備可能なのでアタッカーとして最低限度の貢献はできる。もちろん選択肢として入らないというのは異論はない。 ---ただ、「序盤の装備にほとんど金がかからない」「獲得金額を増やす能力を持つ」「成長速度がダントツで速い」という特徴から、前述のように苦しい序盤の金策要員としては非常に優秀。多少MPが下がること覚悟なら、賢者への転職が一番速いというのも地味ながら役立つ。どちらかといえば早解きなどのやり込みプレイ向きと言える。 --レベル20になった時点で賢者に転職させる事を前提として、戦士や武闘家の代わりに遊び人を入れるというのも悪くは無いが、これを実際に実行するとなると他の3人の負担が大変な事になってしまう。だったら最初から戦士や武闘家を入れた方がマシだとも考えられる。 --一応ラスト寸前で市販されている「みずのはごろも」は魔法使い専用で、守備力は40と戦士や賢者などの主力鎧「まほうのよろい」と同等ながら耐性では圧倒的に優れているため、最終盤にして復権のチャンスがあるとはいえ魔法使いそのもののHPが低いデメリットがある上に、僧侶呪文を全マスターさせてから転職する手間を考えれば普通に賢者を使った方が効率がいい。 ---- **総評 ロールプレイングゲームの醍醐味ともいえる広大な世界の冒険は、現実世界の地理をヒントに構成したことで旅情味豊かなものとなり、プレイヤーの想像力をかきたてるほど奥深いものとなった。 演出面でもさらなる強大な敵の登場、前二作のファンをニヤリとさせてくれる嬉しい演出の数々、緊張感溢れる最終決戦、三部作を締めくくるエンディングなど、王道ながら見どころが詰まっている。 ゲームバランス面でも練りこみ不足だった前作の反省を生かし、緻密なパラメータ調整により、最後まで一貫して確実に手応えを感じながら徐々に先に進める国産RPGの理想系を提示した。 名実ともに日本を代表するシリーズの完成形である。~ その完成度の高さは多くの国産RPGに多大な影響を与え、「前衛寄りで、全ての能力が満遍なく高めな主人公」、「主人公、戦士系、魔法使い系、僧侶系というパーティバランスとそういったキャラのデザイン」、「特定のアイテムを使って弱らせる大ボス」、「過去シリーズの前日譚」などのフィーチャーが、現代日本の各創作分野においても未だなお、定番要素として取り入れられている程である。 日本中を熱狂に巻き込んだことに頷けるその完成度の高さは目を見張るものがあり、それは今なお色褪せることはない。まさに、伝説の名に相応しい名作のひとつである。 ---- **リメイク・移植 -本作発売から9年近く後の1996年12月にSFCソフトとして[[リメイク版>スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]が発売された。 --さらに2000年にSFC版ベースでGBC版が発売。 -2009年にはガラケー版が配信された。 --2014年にガラケー版ベースでスマホ版が配信。 -2011年にはFC版『I』『II』『III』、SFC版『I・II』『III』を移植した、Wii『[[ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III>ドラゴンクエスト]]』が発売された。 -2021年にリメイク版『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』が発表された。ハードは家庭用ゲーム機で発売日は未定。 ---- **有名な裏技・バグ //余談的項目だが、余談の項に移すには文量が多すぎるのでこちらに移動。 -「防御攻撃」というバグ。 --戦闘中に「ぼうぎょ」を選択した後にBボタンを押してキャンセルしてから別のコマンドを選びなおすと、防御の効果が残ったまま攻撃を行うことができる。 ---「防御×3→キャンセル×3→コマンド入力×3」と「『防御→キャンセル→コマンド入力』×3」どちらでもOK。 //--プレイヤー有利のバグのため、意図的に使えば難易度を下げて快適に遊ぶように調整することもできる。 --ただし、最後尾のキャラはコマンドを選んだ時点で戦闘が開始されるためキャンセルして選び直すことができない。 --また先頭に呪文を使えるキャラを配置した場合はコマンド枠の関係で「ぼうぎょ」がなくなるため、呪文を覚えていないキャラを先頭にし、勇者を二番目以降にすることになる。 ---隊列の後ろほど敵から狙われにくいが、隊列に関係なく均等に狙う敵や全体攻撃などもあるため、狙われる確率が高めな2番目と防御攻撃使用不能で大ダメージを受ける4番目のどちらを打たれ強い勇者に担当させるのか、防御攻撃を利用するにしてもプレイヤーによって戦略は様々。先頭のキャラが呪文を覚えていても2番目と3番目のキャラは防御攻撃できるので、打たれ強い勇者を先頭にというのもまた立派な戦略の1つ。 --この裏技は当時の公式ガイドブックにも掲載されていた。 -アイテム無限増殖技が存在する。さらにあることをすると、全セーブデータが消える。詳細は割愛。 -アイテム変化技も存在する。 --装備状態のアイテムに変化させることも可能。例えば、武闘家の持っているアイテムを「Eはやぶさのけん」に変化させて2回攻撃するといったことも可能。 -ルーラを使用できない状態でバラモスを倒すとその後のイベントが進行不可能になり詰む。 --もっとも、「勇者一人旅で般若の面を装備させる」「勇者を棺桶に入れたままゲームを進め、なおかつルーラを使えるメンバーもキメラの翼も手に入れていない」などの極めて特殊なプレイングをしない限りはまず起こり得ない状況である。 -ラスボスの色が闇の衣を剥ぎ取る前と後で逆になってしまっている。これはスタッフが色指定を間違えたため。リメイク版では修正されている。 -「幸せの靴」を装備したキャラを戦闘中にバシルーラで吹っ飛ばして、ルイーダの店で再び仲間にすると、フィールドに出て1歩歩いた瞬間にレベルアップする。これを利用すれば全員を簡単にレベル99にする事も可能。 --とはいえ「幸せの靴」を入手する事自体が結構大変ではある。 ---一応ドロップ率自体は1/64とどちらかといえば高い部類なのだが、ドロップするのは倒しにくい上に出現率も低く高確率で逃げてしまう、はぐれメタルのみなのだ。しかもドロップを狙うなら最後に倒さなければならないため他の敵にかまっているとまず逃げられてしまう。 --このバグは後期版ROMで修正されており、Wii版に収録されたFC版でも不可能となっている。 --リメイク版でも修正され、更に「幸せの靴」で溜まった経験値では戦闘に入らない限りレベルアップしないように変更されている。 -「世界樹の葉」を持っているキャラを戦闘中にバシルーラで吹っ飛ばすと、フィールド上でもう一度「世界樹の葉」を入手できる。これを利用すれば最大4枚まで「世界樹の葉」を入手できる。 --また、下の世界のフィールド上のとある場所でも(1枚も持っていない場合)「世界樹の葉」を拾える。これは座標データを上の世界と共有しているための現象である。 -メガンテ関連のバグ --ばくだんいわが使用するメガンテをマホカンタで反射すると、とてつもないダメージを与えてばくだんいわを倒してしまうが、ばくだんいわが最後の1匹だった場合その後敵がいないまま戦闘が終了せずに続いてしまうバグがある。 ---こうなると「にげる」を選択しない限り戦闘が終了しない。 --メタルスライムが5匹以上いる状態でメガンテを使うと、何故か「(唱えた本人)には きかなかった。」というメッセージがメタルスライムの数の分だけ表示され、メッセージウインドウからもはみ出してしまう。 //オルテガのキングヒドラ戦勝利時会話は裏技でもバグでもないため余談に移動。 -岩を押しながら建物の下に入り特定の操作を行うと、「町の中で操作不可能になる」という電源を落としても戻らないバグが生じ、ゲーム進行が著しく困難になる。 --一応回復すること自体は可能で、冒険の書を新しく作って始めれば元の状態に戻る。3つとも作っていた場合、どれかひとつを生贄にせざるを得なくなるが……。 -この他、大層なバグというほどではないが、設定ミスと思わしきものが散見される。 --「あやしいかげ」というモンスター。他のモンスターが擬態しており、何が化けているかは先頭キャラクターのレベルと各モンスターに割り振られているモンスターNo.によって決まる(高いほど強い)。だが、後半に登場する「エビルマージ」に何故か若いNo.が割り振られているため、遭遇した場合はまず勝ち目がない。 ---しかも都合の悪いことに、エビルマージ付近のNo.は直前の地域のモンスターのもののため、遭遇してしまう確率は低くはない。リメイク版ではNo.ではなくモンスターレベルを参照するようになったが、今度は別の問題が発生した。 ---一方で、前述の闘技場にもこのNo.が適用されるため、エビルマージに賭ければまず負けることはない。 --魔法使い・賢者の呪文の習得テーブルでヒャダイン(冷気で敵全体に約70ダメージ)とマヒャド(冷気で敵1グループに約100ダメージ)が入れ替わってしまっている。 ---本来Lv32で覚えるマヒャドをLv26で使えるようになるため、非常に強力。逆にヒャダインは非常に影が薄くなってしまった。((一応イオナズンを習得するまでは最も強力な全体攻撃呪文であるが、Lv32ではすでに威力不足な上、ヒャド系に弱いモンスターが複数グループで現れるということもあまりないので、だったらマヒャドでいいや、となってしまう。本来のLv26で習得していれば、ちょうどその時期に出現する敵を一掃するのにぴったりだったのだが。))。SFC版では修正。 --ゾンビ系の敵に攻撃するとダメージが上乗せされるという触れ込みの「ゾンビキラー」という武器が登場したが、実際はゾンビではなく「ニフラムに耐性が無い敵」にしか上乗せされなくなっている。&brこのためボスキャラでニフラム無効の「バラモス&b(){ゾンビ}」は、このネーミングで見た目も骨のモンスターなのに上乗せがない。 ---ただし本作のニフラム耐性は、ゾンビ系モンスターでは低くそれ以外のモンスターでは高い傾向が強いため、前述のような一部の例外的なモンスターを除いては概ねイメージ通りに特攻が発動するようにはなっている。 **余談・その他 //少々雑多なんで閉じさせてもらう。あんまり追加しすぎると収拾つかないんで特記に値するものに絞ってほしい。 //2021/11/2・追加で長文になってる余談の短縮、COを実施。 ''ゲーム内''~ #region -本作のオープニングは黒画面に白文字で『DRAGON QUEST III』と小さく表示されるだけである。容量ギリギリまで詰め込んだために、ゲーム開始画面でのいつものファンファーレやタイトル表記が削られたとのこと。 --このOPカットにより、街2つ分とイベント数回の容量を稼ぐことができたという。 --これは堀井氏も発売直後に雑誌のインタビューで問題点として真っ先に挙げており、『IV』以降では毎回のように秀麗なOPムービーが作られている。 --逆にこの白文字OPが「シブくていい」というファンもいる。特に「序曲」が流れなかったことについては、最後までプレイした後に意図的な演出だと解釈した人も多いだろう。 --容量の増えた海外NES版『DRAGON WARRIOR III』では、火山でのオルテガと魔物の戦いを描いた新規のプロローグデモが追加されている。 -ルイーダの店には最初から戦士・魔法使い・僧侶が登録されており、彼らの名前には自分で作った場合には使えないカタカナが使われている。 --戦士の名前は「ハンソロ」「スタロン」「ベンハ」など映画にちなんだ名前が多い。 -アレフガルドには前々作で「ロトの洞窟」((前々作では全くモンスターが出ず石版の入った宝箱(メッセージだけなので実質空箱)が1つだけある。))にあたる洞窟が本作にも登場する。 --これに関しては旧来通りの「ロトの洞窟」、勇者専用で最強の盾「勇者の盾」があることから「勇者の洞窟」、その宝箱のあるB3Fの地形から「魔王の爪痕」など呼称が定まっていなかったが後年になって「ラダトーム東の洞窟」という当り障りない凡庸な正式名称が用意された。 ---『I』ではモンスターエンカウントのないチュートリアル的なものだったが、本作ではちゃんとモンスターが出現する。 //-DQⅢの特性で、冒険スタートが4人そろいで始まるので几帳面なプレイヤーは「全員の経験値を最後まで揃えてクリアする」というプレイが出来るが、ここに立ちはだかるのが「バシルーラを使う敵」と「商人の街」と「ちきゅうのへそ」。 //--どれもマップやダンジョンの位置関係を理解した上でなるべく戦闘に入らない様に最短距離を取りながら、逃げの一手と、地味だけどやりこみプレイの第一歩。Ⅲはパーティの取得経験値表示ができたのでここを揃えたくなる。 -グラフィック関連 --主人公の父親・オルテガが出てくる場面があるが、そこでのオルテガのグラフィックがモンスターから使いまわされている。それが「さまようよろい」((設定上で人間である「カンダタ子分」がこれの色違い。))とかならまだしも、「カンダタ」や「さつじんき」など、パンツマスク系の外見をしているのであんまりなことになっているのはよくネタにされる。 ---現在でもインターネット検索でオルテガを入れてスペースなどを入れると、サブワード候補に「オルテガ カンダタ」とカンダタが自ずとついて来るほどである ---リメイク版では固有の歩行グラフィックのみになった。にもかかわらず、『[[バトルロードビクトリー>ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー]]』ではFC版のオルテガが登場していたりする。 ---ちなみにFC版当時の『ファミコン神拳奥義大全書』の攻略記事((これのスタッフに「ゆう帝(堀井雄二)」と「ミヤ王(宮岡寛)」もいるので、一応信用していいと思われる。))の漫画ではオルテガが「毛皮のチョッキのようなものを着た逆立つ髪に髭もじゃのマッチョ」だったので、当初からリメイク版のデザイン設定はあったらしい。 ---北米で発売されたNES版でのグラフィックは鎧を纏った戦士といった固有のものに変更されている。 //--女商人は先述のイベントでパーティーを離脱した際、男商人と同様に汎用の商人のグラフィック(ヒゲ面の太ったおっさん)に変わってしまい「性転換」したかのような状態になってしまう。以降はずっとおっさん扱いのままである。また女勇者もあるイベントで一時的に男の王様のグラフィックになってしまう。どちらもリメイク版では修正された。 -アイテム関係 --「黄金の爪」という隠しアイテムがあり、攻略本やジャンプなどの雑誌でその存在がまことしやかに語られていた。とあるダンジョンの何の変哲もない1マスを調べると隠し階段が出現し、その先の宝箱に入っている。~ ただし、このアイテムには呪いがかかっており、持っているとエンカウント率が大幅に上がる。 ---また、黄金の爪はゴールドマンのドロップアイテムとしても設定されている。 --アカイライのドロップアイテムとして「悟りの書」が設定されているが、その確率は1/2048。つまり、まず期待出来ない。 ---この関係で、悟りの書を用いた賢者への転職は幸運に恵まれない限り1回限りになる。 ---同じ1/2048の確率枠はカンダタ、カンダタこぶん、ひとくいばこが檜の棒((「ドロップ率1/2048枠のフラグ」「檜の棒のアイテムID」がともに「0」なので、恐らくドロップなしとしたかったものと思われる。檜の棒は他にスライムつむりが落とすがそちらは1/32と無難な確率。))を落とす。運悪く、こんな時に1/2048という超レアな当りを引いてしまい嘆いた人もいたとかいなかったとか… ---リメイク版ではこれら1/2048枠のドロップアイテムが削除され、対象のモンスターはドロップなしに変更されたためアカイライは唯一アイテムを落とさない通常モンスターとなった。 --また「悟りの書」自身もちょっとした隠し要素があり、元々使い道は「ダーマ神殿で転職する折に賢者を選べる」というもので、アイテム欄で使うものではない。 ---だが、アイテム欄で使おうとすると「なになには さとりのしょを つかえない」と出るのだが、僧侶のみ「しかし なにもおこらなかった!」と他と違うメッセージが出る。このあたりは「元々は僧侶のみが悟りの書を使って賢者への転職ができる予定だったのではないか?」とも言われている。~ 遊び人ならレベル20というだけで悟りの書を使わず賢者になれるからそんな仕様は意味がないと思うだろうが、この遊び人の仕様は元々想定外のバグでそうなったにすぎない。反対に賢者は僧侶の完全上位互換なので「賢者は僧侶のみの特権」説は決して不自然な話ではない。 --重要アイテム「最後の鍵」の入手にかなり苦労するプレイヤーも多かった。スーの村の西とは言われるが、そこは現実の世界では北極海にあたる場所。大海原の中(北極点)にある浅瀬をいちいち、くまなく探さないと見つからない。 --とある町の真南だが、スーの西と言われて思いついたプレイヤーは少ないだろう。ゲーム内で世界地図を見られないのも大きい。 ---本作の世界地図が現実の世界地図を元にしているとはいえ、細かい形を見ると違いは多い。スーの村の位置は現実の地理に当てはめると北米の五大湖のあたりであるが、スーの西にある海は現実の五大湖の西にある太平洋ではなく、五大湖の北にある北極海がスーの西に位置する形となっている。現実の地理から類推してしまうと、目的地が北極海だと気付けなくなってしまう罠なのである。 //---『ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場』の作家・すずや那智氏も、この浅瀬を見つけるのにかなりの苦労をしたと語っている。もっとも、氏が初めてプレイしたFCソフトは本作である。 ---魔法使いが「アバカム」という呪文を覚えれば鍵無しで扉を開けられるようになるが、習得レベルは終盤ながら、最後の鍵が必要なのは中盤。ただしリメイク版においては、とあるストーリー上必須なイベントを進行させるフラグの1つに「最後の鍵入手」があるので、苦労して覚えた所で結局は手に入れなければならない。 //鍵でアイテム枠を圧迫することがなくなるので、アバカムは無意味というわけではない。 -呪文関係 --自己犠牲呪文「メガンテ」についてだが、『II』では味方が使った場合は一部のボス以外は確実に敵を全滅させるが、本作からはメガンテ専用の敵の耐性が存在するようになり、それによってボス以外でも効かない敵には効かなくなっている。 ---また敵(というよりも「ばくだんいわ」)が使った場合、効果は「即死か瀕死のどちらか」となり、『II』のように使われたら即全滅確定というわけではなくなった。 ---「いのちのいし」を持っていれば、ザキ系・メガンテによる即死or瀕死ダメージを回避できるが、その時点(ザキ系は呪文の効果が効いた場合のみ)でいのちのいしは砕け散って消滅する。勇者のみ「せいなるまもり」を装備していればザキ系・メガンテを完全回避可能でアイテムの消費も無い。 --闇の衣を剥ぎ取った後のラスボスには、実は回復呪文でもダメージを与えることができる。最も強力なベホマなら約170ポイントのダメージを与えることが可能。しかもベホマは消費MPがたった7で済むため、通常攻撃や他の攻撃呪文で攻撃するよりも効率が良い。このためこれを利用した戦術では僧侶や賢者が攻撃役になり、戦士や武闘家が賢者の石で回復役に回るという変わった状況が見られる。また薬草も1~255(平均128ダメージ)というばらつきはあるものの結構な高威力を発揮する。 ---SFC版では修正され与えられるダメージ量が大幅に減少した。が、その後のGBC版ではほぼFC版と同水準に戻っている。これは仕様であり((魔王相手ではないが、元祖RPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』でもアンデッド(死霊)系のモンスターに対して回復呪文を使うとダメージを与えられると言う設定があり、『ファイナルファンタジー』にも採用されている。))、2014年のニコニコ生放送番組で堀井雄二氏が自ら語っていた。 ---後に連載された本作と関わりの深い漫画作品である『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜』において、上の仕様の様になっている理由が(作者である藤原カムイ氏の独自解釈と思われるが)語られ、それを上手く活かした展開が描かれた。この知る人ぞ知るといえる仕様を物語の重要な場面を組み込んだ展開には、本作のこの仕様を知るプレイヤーの多くを唸らせたと思われる。 -オルテガのキングヒドラ戦勝利時会話 --オルテガとキングヒドラの戦いはキングヒドラが勝ち、オルテガは力尽きてしまう。しかし、内部データでは勝利した場合の会話も用意されており、チートで強引にオルテガを勝たせれば確認は可能。ただしその場合でもオルテガは勝つには勝ったが力尽き、キングヒドラも後に復活するという大筋の展開には影響しないものとなる。 --このメッセージの存在が明らかになったことにより、果たしてチート無しでもこれを実際に見られるのかが一時期考察されていた。 ---キングヒドラには自動回復が存在するが、オルテガが「回復を上回る高いダメージを出し続け、呪文はベホマ(回復)のみを使う」、キングヒドラは「火炎の息のみを使い、自動回復量は常に最低値付近」という最適な行動を取り続ければ理論上は勝てる計算になるので、当初は極低確率で勝利するパターンもあるのではないかと推測されていた。 ---……が、後にこの戦闘の乱数で起こりうる展開に上記を満たして''オルテガが勝利するパターンは1つも存在しない''という事が判明した。通常の戦闘ならプレイヤーが微調整することで戦闘中に細かく乱数調整が可能なのだが、このオルテガ対キングヒドラは全てが自動戦闘のため途中調整が一切不可能であり、戦闘開始時点で引いた乱数以降の展開が全て固定されてしまうことから、例え都合よく乱数を引けるTASであろうがオルテガを勝たせることは不可能となっている。 ---乱数で勝つ可能性を考慮して入れたが、最終的には良い勝負をしつつも絶対に負けるパラメータとなってしまい、勝つ可能性が消滅して見るのが不可能になってしまった、というところだろうか。 --リメイク版以降は戦闘風のイベント演出へと変更されたため、上記の勝利した場合の会話は完全にお蔵入りとなった。 #endregion ''ゲーム関連''~ #region -発売日は平日だったのだが、そのせいで「学校を休んでまで買いに行き、警察に補導される子供たち」が日本中で(公式で分かっているだけでも)392人にまで達してしまった。また小学生から本作品を脅し取ろうとする者が多数現れ、刑事事件にまで発展してしまい、ニュースでも報じられる程の社会現象を引き起こしてしまった。こうした現象は当時、「ドラクエ事件」または「ドラクエ狩り」と呼ばれた。 --ついには警察庁が、文部省と業者に対して再発防止策を出すよう命令する事態にまで発展。この一件を問題視したエニックスは、以降新作ソフトの発売日を休日に固定するようになった(ただし、「ナンバリングのオリジナル版新規タイトル」に限る)。なお『X』は(夏休みではあるが)平日の木曜日に発売された。 ---当時は問屋も休日が休みだったので、その後のゲーム流通のあり方にさえ影響を及ぼした形になる。→[[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=QyqJxzoBnhk]] --この事件も影響してか、本作の発売以降は子供や青少年に対する「テレビゲーム悪影響論」が日本で本格的に論じられるようになった。→[[参考1>https://yoshiko-sakurai.jp/2005/01/08/350]]、[[参考2(PDFファイル)>http://research.cesa.or.jp/2-1.pdf]]、[[参考3(PDFファイル)>http://www.law.tohoku.ac.jp/~inuzuka/lec/kumada.pdf]] //リンク切れ [[参考2>http://www.metamor.co.jp/maegaki/tv-game.htm]] -雑誌『ファミコン必勝本』や書籍『知られざる伝説』では、「遊び人をレベル96以上にするととんでもない遊びをする」などといった複数の関係者のコメントが載っているが、''実際はそんなことはまったくない''。真に受けて実際に99まで育てた人はとんだ骨折り損である。 --後のWii版の書籍『みちくさ冒険ガイド』で、「そういう都市伝説があるため実際に育ててみたがガセだった」とネタにされている。 --が、遊び人はレベル90台で賢さが無駄に急成長する(呪文を使えない職業なので賢さが上がってもMPは0のまま)ようになっており、戦闘中に実行する行動のことではなく能力値上のお遊びを指していたのではないかという見解もある(種の問題点で解説されているように、定数3の能力値に対してレベル86以上で起こる現象)。 -当時発売されたエニックスの公式ガイドブックには、''ネタバレとなるゲーム終盤に関する攻略情報はほぼ記載されていなかった。'' #region(詳細・一応ネタバレ注意) -ネタバレを防ぐためか、アレフガルドにしか登場しないアイテム(勇者の最強装備や攻略に必須なアイテム含む)、アレフガルドに登場するモンスター、ゾーマの城内部はおろかアレフガルドの地図すら載っていない。辛うじて、アレフガルドのみに登場する「回転する床」の仕掛けに付いての説明はある程度。 --バラモス討伐前でも入手可能な光の玉と、理論上は地上世界でも入手できる(低確率でドロップするアレフガルドのモンスターが前倒してボスとして出てくる)雷神の剣は記載されている。あとは公式ガイドブックの表紙の柄が『王者の剣(I、IIでのロトの剣)』であることぐらい。~ ちなみにこの本は宝箱の具体的位置などが元々秘密(どのエリアにいくつあるか程度)なので、前述の雷神の剣の入手難易度が高すぎても怪しまれることはなかった((この一か月後に出ているDQ2公式ガイドブックでも稲妻の剣の入手方法が「たった一種類の敵が低確率でドロップする」ことしか載っていないが、実際は確実に宝箱から入手できた。))。 --マップや地名、攻略手順等がある程度『I』と共通していることから、当時はアレフガルドの攻略のために『I』の公式ガイドブックを買うプレイヤーもそこそこ存在した模様。当然ながら作品も時代設定も異なるためそのまま使える訳ではないが、攻略情報も乏しい当時は頼りになる存在であった。 #endregion //--ちなみにSFC版の攻略本でもアレフガルドの存在については記載がない。ただし、FC版とは違い装備品全種・通常モンスター全種は掲載されている。GB版は袋綴じ内のクリア後のお楽しみの1つという形でアレフガルドの概要が掲載されている。Wii版では神竜戦まで普通に載っている。ファミ通でもFCとSFCではバラモスを倒したところまでだったが、Wii版ではゾーマ直前まで掲載された。 //SFC版攻略本では、アレフガルドにしか登場しないアイテムは載っている物といないものがある //-非公式でエニックスを怒らせた攻略本『ドラゴンクエストIII ㋪公式ガイド どらくえ3 謎の魔王をやっつけろ』(冬樹社)が存在する。 //--公式ガイドブックには掲載されていないラストダンジョンまで載ってるマップに、カンダタやバラモス、バラモスブロス等ボスキャラも含む全モンスターの宝箱の中身まで掲載。((バラモスが「ひのきのぼう」等、本当なのかガセなのか疑わしいもの多数。))そのかわり解説文は殆ど無しという代物。本自体もカバー等無く、同人誌っぽい作りだが一般書店でも売っていた。 //--当時テレビでもこの攻略本に対しての裁判のニュースがあった。この事件以降、エニックスは情報に対してかなり渋めに、また著作権に対しても強く出る様になる。 //-2010年のファミ通における、桜井政博氏と[[ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ]]のプロデューサーのインタビュー時に「DQMBのIIIのラスボスのとどめの一撃は氷系にして欲しかった」というIIIのオールドファンの意見が結構多かったという。ちなみにDQMBのIIIラスボスのとどめの一撃は炎系のメラガイアーで、これにした理由はメラガイアーの派生魔法のメラゾーマからの洒落だという((もう1つの理由として、アーケード版の段階で先に実装したDQVのラスボスに氷系のマヒャデドスを使わせていたため、被りを回避したという説もある。))。%%あまりにも遠すぎるシャレ。%% //本作の話ではないので。 #endregion ''ゲーム以外''~ #region -本作の通常戦闘BGM『戦闘のテーマ』はゲーム外で最も有名な曲の1つで、高校野球選手権(甲子園)にて、毎年一定数の高校がチャンステーマとして演奏している。 //-本作が巻き起こしたブームは当時の子供向け創作にも大きな影響を与えており、アニメ『[[つるピカハゲ丸くん>つるピカハゲ丸 めざせ!つるセコの証]]』で本作をモデルにしたと思しきゲームをプレイする描写があったり、児童文学『みけねこミケジローのなぞなぞアパート』にドラクエ狩りをモチーフにした話が収録されていたり…と本作に影響を受けたと思われる描写は枚挙に暇がない。 -エニックスからゲームブックが発売された。前2作は双葉社から既に発売されていたのだが、同書を皮切りにエニックスから新たに『II』→『I』、あとはナンバリング順に『IV』~『VI』と世に出る事になる。 -前2作に続き、小説版も刊行された。著者はロト3部作共通で、高屋敷英夫氏。 --イベントの端折り具合などは前作よりマシになっているものの、主人公にセリフや心理描写が殆ど無かったり、登場人物の設定が途中で急に変わったり((初登場時に「故郷のアッサラーム」と言っていた僧侶が突然バハラタ出身に変わるなど。))、固有名詞をいくつも間違えていたり、地の文で「これまでにない凶悪な魔物」と紹介された敵を''その直後に勇者が瞬殺したり''と、非常に行き当たりばったりで、完成度は相変わらず低い。 ---前2作でも問題になっていたオリジナルキャラの無双ぶりは味方側ではマシになっているものの、オリジナルキャラが原作の重要キャラを殺すという、商業作品の公式二次創作におけるタブーをしでかしている。 //---ゲームに登場する8種の職業が総出演していたり((遊び人と賢者はサブキャラ扱い。))、8人とも名前がゲームで実際に名付けられるような「濁点を含めて4文字以内」になっていたり、リメイク版に先んじて盗賊が最終決戦に参加していたりと、芸コマなところもあることはあるのだが。 ---この小説では主人公に「アレル」という名前が与えられており、『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』や『ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説』など、3の描写が出てくる関連作品では、この名前がよく使用されている。 ////-ドラクエシリーズと言えば勇者が魔王を倒す物語というイメージが強いが、主人公が生まれつきの勇者でラスボスが魔王、もしくは大魔王と呼ばれているナンバリングタイトルは長らく本作だけだった。 //--他のタイトルではラスボスが魔王ではなく神だったり、主人公以外の人物が勇者だったり、転職システムにより誰でも勇者になれたりと意外と変化球が多い。 //--『XI』では約30年ぶりに勇者VS魔王という物語に回帰した。だが『XI』の特殊なシナリオ構成上、ラスボスを魔王としていいかは微妙なところである。 //-テレビ朝日の『題名のない音楽会』ではFC時代に問題が起こった一方で、//2010年には本作の曲2つや『IX』の序曲を演奏している。 -Yahoo!ゲーム、DQMBVコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行なわれたアンケートでは、全9作中、本作の主人公がトップであった。更に同日行なわれた「お気に入りの大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、本作のラスボスがトップだった。 //-トヨタのハイブリッドカー『AQUA』のCMにて、本作の曲が使用されている。 //--『冒険の旅』を使用したバージョンと、『おおぞらをとぶ』を使用したバージョンと、『そして伝説へ…』を使用したバージョンの3種類が存在している。 //--車体色に勇者パーティーの色を選んでいたり、ナンバープレートの表記がドラクエ関係のもの((それぞれLV-XX(Xは数字、4台とも数字が異なる)、LA-3A(ラーミア)、ゆ-610(勇者ロト)。))になっていたりと、随所にこだわられており評価は高い。 //---『おおぞらをとぶ』編では、30秒のCMに使うためにソルトレークシティーの湖内をほぼ丸一日車を走らせて撮影したとのこと。「遠くまで行こう」のキャッチプレーズもよく合っており、映像美も素晴らしい。 -俳優の鴻上尚史氏が当時自身が受持つオールナイトニッポンで歌詞を募集し、「そして伝説へ…/冒険の旅」をヴォーカル版として発売し、 そこそこのヒット。歌詞自体は良いのだが、エンディング曲「そして伝説へ…」やフィールド曲に詞をのせるというのは今聴くと違和感と無理矢理感満載。 --因みに鴻上氏はドラクエ人気に乗っかって音頭をとったのではなく((当時ANNの担当になった早々、前パーソナリティ・爆風スランプが人気だったのでそのノベルティグッズを自身のANNで使おうとしてリスナーから猛クレームを受けた前科があった為、「人気にのっかる人」とのイメージをリスナーに与えてしまった一件がある))、堀井雄二氏とは友人の間柄。 --実はアッサラームにこの鴻上氏が登場している。「そんなわけで私が東に行けなかったここの座長です」の台詞があるキャラが同氏をモデルにしている。「そんなわけで~」が氏のエッセイの出だしだと堀井氏が言及している。 -2016年に舞台版『ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー』が行われた。ストーリーは本作のものをベースにしているが他のシリーズのキャラクターも登場している。 --日本テレビが制作に関わっており、テレビ番組の「笑ってコラえて!」等において情報が発信された。 -かつて新宿と大阪にあったバンダイナムコのVRアミューズメント施設、VRZONEのアクティビティ『[[ドラゴンクエストVR>https://vrzone-pic.com/osaka/activity/dragonquestvr.html]] 』は本作をベースにしている。 --内容を簡単に説明すると、四人でパーティーを組み戦士二人、僧侶一人、魔法使い一人(職業は固定)となってゾーマを倒すために戦いの旅に出ると言う物。~ 本作の勇者はとある場面で登場するだけであり、実際に最後まで戦うのはプレイヤー達の仕事となる。残念ながらVRZONE閉店に伴い、現在はプレイ出来ない。 -2019年7月31日に有料DLCファイターとして『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』に『[[XI>ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて]]』の勇者が参戦した。 --カラーバリエーションとして『III』の勇者も参戦している。 //長すぎるので短縮 -次作発売間近の1989年12月からアニメ『ドラゴンクエスト』がフジテレビ系で放送開始された。 --シリーズのナンバリング作品、後の各種外伝作品、他のメディアミックス作品のいずれとも繋がりの無い完全オリジナルだが、一部、本作や、当時まだ発売されていなかったIVの地名や固有名詞などが取り入れられている。 --ドラクエは当時社会現象にまでなったゲームの最高峰ブランドだったこともあってか、フジテレビ系列で19:30からのゴールデンタイム全国放送という最高クラスの待遇だったが、視聴率は初期は話題性からそれなりに高かったものの(最高は18%)いろいろ違和感のある内容が災いしてか進むほど低迷し、最終的にはこの時間帯での平均は11.2%と期待を大幅に裏切る結果となり、一度打ち切られ後半期は全国放送のゴールデンタイムから転落するハメになった。 --放送当時同じドラクエ関連の漫画として『週刊少年ジャンプ』で『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が連載されていたこともあってか、それと区別するため巷では本作を『アベル伝説』と呼称する傾向にあった。そして放送終了から15年経過してDVD化された折には『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』と正式名称に採用された。 //↑これCOの必要なくね? -フジテレビ系ニュース番組『ニュースバスターズ』の番宣で本作のパロディが使われ、MCの露木茂氏を模したキャラがDQのフィールドを歩き、「巨大ハガキ」や「車」にエンカウントするアニメのようなものが制作された。 --BGMは本作の「冒険の旅」「戦闘のテーマ」がそのまま使われた。 -前述の通りビキニアーマーがもたらした人気もあってか女戦士は二次作品では非常に出番が多い。大抵は「勇者の血を引きながらも経験の少なさと幼さから未熟な男勇者」の面倒を見る年上のお姉さんっぽい役回りになっている。 --ファンによるイラストも戦士はこの姿が圧倒的に多い。 #endregion ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ドラゴンクエストシリーズ,FC,ファミコン,ファミリーコンピュータ,Wii,スクウェア・エニックス

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: