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ポップンミュージック」(2024/03/29 (金) 01:31:52) の最新版変更点

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※本稿では、初代『pop'n music』及びその家庭用移植版について解説する。(ともに''良作'')~ シリーズ全体の概要については[[シリーズ項目>ポップンミュージックシリーズ#id_62bf8526]]、同名タイトルのWii版については[[ポップンミュージック (Wii)]]を参照。 ---- #contents ---- *pop'n music 【ぽっぷんみゅーじっく】 |ジャンル|音楽シミュレーション|#ref(http://www.arcade-history.com/images/game/3644_1.png,,width=200)| |対応機種|アーケード|~| |販売元・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1998年9月28日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''| ---- **概要 (1990年代当時の)女子高生を始めとする女性層をターゲットにした音ゲーをコンセプトに企画された音楽ゲーム。~ ''初代『[[beatmania]]』を女性向けに展開する''というコンセプトの、いわば''beatmania''の姉妹作に当たる作品であり、多人数向けのパーティーゲーム的な志向性の元にターンテーブルと5つの鍵盤を9つボタンに置き換えたデバイスと、コンセプト通り女性に受け入れられやすいポップでキャッチーな作風を主軸として差別化されている。 ジャンルに捕らわれない多種多様な楽曲と、ポップでかわいらしいデザインのキャラクター群を大きな特徴とする作風は本作の時点で既に確立されており、その後のシリーズの礎となった。 **操作方法 -9つの丸い色付きボタンに対応するマーカー(通称:ポップ君)が判定ライン(赤ライン)に重なるタイミングを狙って対応するボタンを叩く。~ 上手に叩けばグルーヴゲージが伸び、逆にタイミングを外したり見逃すと減る。曲の終了時点でグルーヴゲージがクリアゾーンに達していればステージクリア。 --システムはそれだけであり、ターンテーブルと鍵盤の使い分けが必要な&bold(){beatmania}と異なり、シンプルなものとなっている。 |CENTER:''ボタン配置と配色''|h |CENTER:BGCOLOR(#cccccc):|c |&color(yellow){黄2}&space(2)&color(blue){青4}&space(2)&color(blue){青6}&space(2)&color(yellow){黄8}| |&color(white){白1}&space(2)&color(green){緑3}&space(2)&color(red){赤5}&space(2)&color(green){緑7}&space(2)&color(white){白9}| 上記のうち、基本的にセレクト画面などでは左右の青(4・6)をカーソル移動、赤(5)を決定に使用する。 ***&bold(){選択可能なモード} -''「ビギナー」'' --初心者向けのモードで、チュートリアルで1ステージ+簡易譜面(現在のEASY譜面相当)で2ステージ演奏する。 --デフォルトキャラクターは猫の女の子「ニャミ」&ウサギの女の子「ミミ」。ステージ毎に2人がプレイヤー交代する形式となっており、このモードのみ隠しコマンドを入れてもこの2人以外は選べない。 -''「ノーマル」'' --基本的なプレーモード。3ステージ演奏する。デフォルトキャラクターはアフロヘアーの女性ダンサー「マリィ」。隠しコマンドで他のライバルキャラクターも選べる。 --なお、筐体のデフォルト設定では「ノーマル」でもグルーヴゲージが上昇すると相手キャラが自動でポップ君を隠すオジャマを発動してくる(後の「オジャマ攻撃!」。筐体のDIP設定によりOFF可能)。~ これは女性向けというコンセプトの他に「多人数でワイワイ楽しむパーティゲーム」を志向したものであり、曲を演奏する以外に純粋にゲームとして遊ぶという本作の特徴を象徴する要素でもある。後のシリーズにも形を変えて受け継がれている。 --次作『2』以降は「ノーマル」のみデフォルト設定ではオジャマが発動しないようになった(こちらも筐体設定によりON可能)。 -''「ハード」'' --「ノーマル」と同様に3ステージ演奏するが、降ってくる途中でポップ君がライン移動するオジャマ(現在の「EXCITE」)が掛かる。デフォルトキャラクターは自称音楽の王を名乗るリーゼントヘアーの青年「キング」。 --上記の「ノーマル」と同様、ランダムでポップ君を隠すオジャマが同時発動することもある(後の「EXCITE+オジャマ攻撃」)。 ***&bold(){プレー画面の仕様} 本家beatmaniaと異なり、本作にはムービーは存在しない。~ その代わり、画面中央に配置された演奏画面の左右にひとりずつキャラクターが表示されるようになっており、プレーヤーキャラ(プレー中に使用しているキャラ)とライバルキャラに分かれる。~ ライバルキャラはプレーする楽曲の担当キャラクターとしてプレー中画面の右側に登場し、プレー中は画面右側でプレー中の判定に応じて様々なアクションを取る。プレーヤーキャラクターは画面左側に表示され、相手キャラと同様に判定に応じたアクションを取るようになっている。~ よい判定を取るとプレーヤーキャラが成功のアクションを取りライバルキャラが失敗のアクションを取る、ミス判定を取るとその逆のアクションを取るという演出になっている。~ これは「マリィとキングがライバルキャラとダンスバトルで勝負する」というバックストーリーに基づいた演出で、初作含めシリーズ初期には格闘ゲームを彷彿とさせる演出が多かった。~ 各キャラクターには色違いとなる2Pカラーも存在し、隠し操作でキャラクター選択も可能。 また、キャラクターには実在ゲームやアニメのパロディなどのも多く、楽曲と併せて「なんちゃって・ごっこ遊び」的なお遊び要素を取り入れているのも大きな特徴である。 ***&bold(){収録曲について} アーケードでの収録曲はデフォルト12曲+隠し2曲。3ステージそれぞれに4曲ずつ振り分けられ、出現条件を満たしていればステージ3に隠し曲も登場するという形式(筐体のDIP設定により全曲オープンも可能)。 楽曲のバリエーションは広く、当時DJ風味で渋いイメージにまとまっていた『beatmania』に対し、コンセプト通りキャッチーかつ可愛いらしさを重視した楽曲作りが行われた他、アニメソング風の曲・スパイ風の曲のようなパロディ・ネタ要素も多く取り入れた(公式曰く「なんちゃって・ごっこ遊び)ユニークな楽曲も存在した。 **評価点 -明るくポップな雰囲気で統一されたデザインワークと親しみやすい楽曲群。 --筐体のデザインや画面レイアウト、登場キャラクターに至るまで明るく可愛らしいデザインになっているので女性や子供にも触れやすい。~ また、筐体サイズは他のシリーズと比べてそこまでデカくなくデザインも無骨ではないので、外観だけで敬遠されることも少ない。 --楽曲も日本語歌詞の楽曲の他、キャッチーさを重視した親しみやすい楽曲が多い。特に当時、並行して稼働していた初代''beatmania''シリーズがハードな雰囲気で統一されていたため、より本作のライトさが際立っていた。 -楽曲ジャンルの多様性 --本作のデバイスは実在の楽器を模したものではないためジャンルの多様性に献身しており、楽器のシミュレート性を意識せずに純粋にメロディやリズムを刻む楽しさが味わえる。 --1作目の時点で渋谷系ポップス、ラップ、テクノ、ダンスミュージック、ラテン音楽、ディスコミュージック、レゲエ、アニメソングやスパイ映画BGMのパロディ風と、総曲数が14曲と少ないながらもバラエティ豊か。 --また、本作では数が少ないが、実在の音楽ジャンルではない架空のジャンル名も本作の時点で存在しており、ポップン特有の「何でもあり」な雰囲気がこの頃から色濃く表れていた。 ---次回作以降「ポップン独特の非音楽系ジャンル名」が大きな特徴の一つとして定着していく。 -キャラクターの人気も高い。 --シンプルなデザインながら、各楽曲のイメージを更に盛り上げてくれるポップでキュートなデザインと多彩なアクションが見ていてとても楽しい。 --基板容量の関係でアニメーション枚数が少ないながらも、『2』以降と比べても全体的に滑らかな動きを実現していることから、(初期シリーズに限るが)アニメの質に関しては初代である本作が最高傑作という声も多い。 ---なお勘違いされることもあるが、初期のキャラクターを掲載した『キャラクタービジュアルガイド』のアニメパターン集を見ると、''初代と『2』『3』のアニメーション総枚数はほぼ変わっていない''。個別に見ると躍動感のある中割りが比較的多く使われているため、動きの激しい箇所に枚数を重点的に割り振って滑らかに見せているものと思われる。 --タイトル画面にも登場している「ミミ」と「ニャミ」は、当時人気を博していたPUFFYをモデルにデザインされている。その他、楽曲の内容に合わせて実在の有名人やロボットアニメのパロディなどの既存作品のパロディ要素を含んだキャラクターも多く存在する。 --本作では特に「リエちゃん」や「ショルキー」「ジュディ」といったライバルサイドのキャラクターの人気が高く、ある程度本作にのめり込んだユーザーはキャラクターセレクトの裏技を使いライバルキャラクターをプレーヤーとして選択する者が大半を占めていた。 -独特の演奏ギミック --本作では上述のように「ライバルとダンスバトルを行う」というキャラクターを主軸に据えた設定に基づき、「演奏中に降ってくるオブジェを叩くと判定の内容に応じてキャラクターが様々なアクションを行う」という、斬新なギミックが盛り込まれている。 ---beatmaniaでは演奏中にオブジェを外すとミス扱いとなり画面に専用のレイヤーが表示される形式になっていたが、pop'nはミス演出の他にも判定毎に異なる様々なリアクションが用意されていることから、プレーヤーはともかくギャラリーから見ても非常に楽しいシステムになっている。 --演奏中にグルーヴゲージがMAXになるとボルテージの最高状態を現した「FEVER!」状態へ移行する。この状態になると判定表示のGREATがFEVERに変化し((演出が変わるのみでスコア配分はGREATと同等))、キャラクターのアクションもより派手な演出になる。 ---beatmaniaのグルーヴゲージは単にプレーの指標であるためゲージを最大まで上げてもムービーの内容も変化しないが、本作ではゲージにボルテージの変化を付加する事によって、beatmaniaとは違った「演奏感」を体験出来ると言えよう。 --beatmaniaでは同じ譜面を繰り返しプレイするのみだが、本作の上位難易度では演奏時に様々な内容の「オジャマ」がかかるようになり、常に変化に富んだゲーム性を楽しむ事が出来る。 ---オジャマ攻撃中にも相手側のキャラクターがそれぞれ特殊なアクションを起こしてくるため、視覚的にも楽しい。 -より細かな難易度表記 --beatmaniaを始めとする当時のBEMANI機種では☆や足の数で難易度が表示されていたのだが、それに対してpop'nの難易度表記はゲージ方式を採用。 最低は「ファンタジー/monde des songe」の5、最高は「スパイ/spicy piece」の23で、目盛りが上がる毎に楽曲の難度も徐々に上昇していく。 --このため、全体的に大ざっぱな難しさであった他機種と比べて本機種の難易度はハッキリしており、「次はこれをクリアするべき」という指標としても理解しやすい。 ---ステージの選曲順も難易度が低い方から高い方へと順に配置されているため、当時のプレーヤーレベルの中で適切な曲を選び易くなっていた。 -''BEMANI初の移植曲'' --本作の二曲の隠し曲のうちの片割れは初代beatmaniaで登場した名曲「レイヴ/e-motion」。((ただし今作の使用音源は初代ではなく、beatmania 2ndMIX収録のアレンジ版「e-motion(2nd MIX)」のシングルプレー音源となっている。))~ beatmaniaで好評を博していた楽曲がまさかのpop'n収録という事が衝撃的だったのか、プレーヤーの間でも大きな話題になった。 --以降のBEMANI界隈でも他機種の楽曲が収録される事が見受けられる様になった事から、「e-motion」のpop'n収録によってBEMANIに「移植曲」という概念を確立させたと言えよう。 ---ちなみに、当初は「beatamania」がアンダーグラウンド路線を突き進んでいたことで本作のポップ路線が今現在以上に際立っていたこともあり、スタッフの間では「beatamaniaのにおいをさせちゃダメだ」という意見もあったという。~ 結局、設定面や曲の志向性の両面で「何でもあり」が確立されていった結果、他機種間での移植する・されるが活発化していくこととなる、 --余談だが、翌年1月に稼働した『beatmania completeMIX』では今回の件の逆パターンとしてpop'nの『J-テクノ/Quick Master』がアレンジ移植。これにより事実上の初の交換移植が成立している。 **問題点 -前述のように選曲に制限があり、デフォルト設定では1ステージ内で全ての曲から自由に選ぶことができない。 --この点は初心者が誤って難易度の高い曲を選んで1曲目でクリア失敗してしまう事態を避けるための措置でもある((AC6-8までのノーマルモードでも同様に標準設定では選曲制限が施されており、公式のQAで初心者が誤って高難度の曲を1曲目に選んでしまわないようにするための配慮である旨が明かされている))。 --後に救済措置として店側で筐体のDIPスイッチを変更(1・2・5・6をONに変更)することで隠し曲含む全曲を常時解禁状態にするオペレーターコマンドが配布された。 ---しかしこの場合も隠し曲担当の「レイヴガール」と「さなえちゃん」は使用不可(一応、どちらも既存キャラクターの「マリィ」と「リエちゃん」の色違いのため、「同じ姿のキャラクター」を使うこと自体は可能。)。 -キャラクターのアニメーションの表示方式。 --現行シリーズと異なり、本作ではキャラクターのアクションが、判定の発生毎にリアルタイムで切り替わるようになっている。 --このため、ポップ君が切れ目なく続く個所ではアニメーションの切り替わりが頻繁に発生するため画面両端がちらつく。 --AC6までこの方式が採用され、AC7以降は譜面密度の増加に伴い、現行と同じ方式に変更された。 --この仕様上、プレーの最中はキャラクターのアニメーションをじっくり見る余裕がない。 ---もっとも当時のNORMAL譜面は適度に休みがあったり間があるものも多いため、アニメを見る余裕が全く無いというわけでもない。~ 加えて一部の楽曲はより簡単になったBEGINNER譜面も存在する。 -空打ちBADの仕様の厳しさ --初代では、ポップ君の配置されていない場所でボタンを叩くと必ず空打ちBADが出てしまう。 ---続編以降は緩和され、ポップ君の配置された前後の一定区間のみで空打ちBADが出るように変更されている。 -オジャマ攻撃の難易度の差が激しい --初代のデフォルト設定ではノーマルモードでもオジャマが発動するのは前述の通りだが、楽曲の担当キャラクターによってその難易度が大きく左右される。 --例えば リエちゃん や ジャムおじさん はハートマークで描かれた大きな「LOVE♥」の文字を1文字ずつ表示するだけ、ショルキー や ジュディ も3段のカラフルな♪が並んで現れるだけでさほど苦ではない。~ 一方、ドン・モミー や チャーリー はかなり大きなシャンデリアを画面上部から繰り返し落としてくるため、そこそこ隠す範囲が大きい。~ ディーノ やバンブー に至っては画面の大半を覆い隠す巨大な炎が現れ、攻撃時間こそ短いとは言え譜面がかなり見づらくなる。 ---内容自体はキャラクターのオジャマ発動アクションと連動しているため、それぞれの攻撃内容の割り当てに違和感はないのだが、特にディーノの担当曲である「ファンタジー」については表記上は最低レベルなのに譜面がリズム難、さらに発動オジャマが鬼畜という初心者殺しともいえる構成になっている。 --なお、ハードモードでポップ君がずれるEXCITEオジャマの方もそれぞれ変化するポップ君の形状差(星型や動物型、モアイ型など)があるのだが、そちらは上記のオジャマ攻撃の格差と違い、どの形状でもさほど難易度に差はない。 **総評 長年愛される事になるポップンミュージックシリーズの第1作目。~ この時点で多種多様なジャンルやキャラクター等の「ポップンミュージックの基礎」が確立され、音ゲーとして一番大事な曲を演奏するゲームとしての面白さもこの時点でほぼ完成されている。~ 後のシリーズで取捨選択されていった要素も多いが、根幹的な部分はその後のシリーズにも受け継がれていった。 **余談 -初代筐体のデザインは初代ポップンのチーフデザイナー''MZD MOMMY''氏が設計を手がけ、その後もAC18まで初代準拠の同型のもの((厳密には、モニターの仕様、eAMUMENTシステムの採用に伴うカードリーダーとテンキーの付加、遊び方パネルの記載内容など、形状以外の部分で変更がある。))が使用された。 --厳密には番外作「アニメロ」シリーズとAC4~8の間、新規デザインの筐体(通称:アニメロ筐体)で流通していたが、AC9で再び旧来のデザインに戻った。 ---AC19以降は新品の筐体デザインが大きく変更されたが、旧型筐体をバージョンアップで引き続き使用しているゲームセンターがかなり多い。 --MZD MOMMY氏は当時コナミに存在したデザイナーチーム「MZD団」の一員((元々は1995年稼働の格ゲー『ドラグーンマイト』のデザイナーチーム。他に「MZD FIRE-FLY(hotaru)」など数名が所属していた。))で、本作においては筐体設計のみならず、全キャラのデザインからアニメ制作、世界観設定まで、作品の根幹要素の構築に深く関わり、今日のポップンの礎を築き上げた人である。 --彼は続編『2』の開発初期にコナミを退社したため、その後のキャラクターデザインは別のスタッフ達が担当している。しかし、初期コンセプトを作った彼のシンプルな線の絵柄はその後もポップンの画風として引き継がれた。 --『2』以降は、本シリーズの礎となった彼をモデルにした「''MZD''(エムゼットディー)」というキャラクターが登場し、「ポップンワールドの神様」という設定の主要キャラクターになっている。 -AC版のキャラクターであるディスコクィーン担当の「CHANEL(シャネル)」は、後述の家庭用や海外版では「CHA''M''EL(シャ''メ''ル)」に名前が変更され、以降はそちらが正式名称になった。 --おそらく元ネタであるフランスの著名ファッションデザイナー「ココ・シャネル(Coco Chanel)」およびブランド「シャネル」に配慮したものと思われる。 --続編2には彼女の妹として「ココ」が登場したが、こちらも「KoKo」と綴りが微妙に違っている。 ---- *プレイステーション&ドリームキャスト版 |ジャンル|音楽シミュレーション|CENTER:&image(poppunmyujikku1.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3333/1518/poppunmyujikku1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3333/1519/poppunmyujikku2.jpg]]| |対応機種|プレイステーション&br()ドリームキャスト|~| |販売元・開発元|コナミ|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(家庭用) 家庭用移植版が1999年2月25日にプレイステーション・ドリームキャストで発売された。~ 標準コントローラでもプレー可能な他、アーケード版の配置を模した専用コントローラ「ポップンコントローラ」も発売された。~ ハード性能の関係でPS版はDC版よりやや劣る内容となっているが、基本的な内容は共通している。 **評価点(家庭用) -アーケード版の内容をベースに、家庭用オリジナルの隠し新曲を5曲追加。 --家庭用で書き下ろされた新曲は、ジャンル名の通りアフリカのサバンナを彷彿とさせる民族系の「アフリカ/Con te sabi 2119」やクラシックの名曲メドレーの「クラシック/Chaos Age」、日本語の女性ボーカル曲の「Jポップ/Life」等、アーケード版以上にありそうで無かった曲調の楽曲が揃っているのが特徴。 --アーケードの隠し2曲と同様、それぞれ特殊な出現条件が設定されているのだが、発見できなかった場合も救済措置としてPS版ではプレー回数、DC版ではタイムリリースによる出現が可能(いずれもアーケードモードでのみカウント)。 -家庭用オリジナルの隠し要素の追加。 --隠しプレーオプションとして「MIRROR」「RANDOM」「HIDDEN」が登場。 ---それぞれ「MIRROR」は降ってくるポップ君の位置をそっくり左右反転、「RANDOM」は配置がレーン毎に入れ替わる(例えば本来左白が降ってくるはずの場面で赤に降ってくる・レーンが変わるだけなので連打はそのまま)、「HIDDEN」はポップ君が判定ラインの少し手前で見えなくなってしまう(直前の配置を覚えて叩く)、という効果。 --通常より難易度が高くポップ君がかなり増えた上級者向けの「ハイパー譜面」が登場。対象は家庭用オリジナルのうち3曲のみ。 --これらの追加要素は、後にアーケード版へも逆輸入されている。 -家庭用オリジナルの「フリーモード」「トレーニングモード」を搭載。 --両モードともに初期状態では1曲しか選べないが、一度でもアーケードモードでプレーしたことのある曲が徐々に登録されていき、以降は自由に選曲できる。隠し曲についても例外ではなく、アーケードモードで早期に条件を満たして一度プレーすれば、フリーで選曲し放題になる(アーケードモード側では引き続き出現条件が必要)。 --「フリー」はアーケードを1曲単位にしたような仕様であり、同じ曲を繰り返しプレーすることも可能。 --「トレーニング」では譜面のスクロールスピードを自由に遅く出来たり(ただしPS版では5段階から選択、かつ減速するとメトロノームのみとなる)、フレーズ毎に区切って練習(リピートも可能)、オートプレーによる鑑賞などが行える。 -使用ボタン数の変更が可能。 --プレー開始時に通常の9ボタンの他、左右端の両白ボタンを削った7ボタン、さらに両黄を削った中央5ボタンの3種類から選択できる。 --5・7ボタンでのプレー時は、外側の白や黄が自動演奏となるが、全てGOOD判定扱いとなる。 --ACでは9ボタンでの演奏が基本だったが、オプションで使用ボタン数を減らす事によって本作入門へのハードルを下げる事に成功している。~ この使用ボタンを減らして演奏するスタイルは、後にアーケード版に登場した「5ボタン譜面」や「EASY譜面」にも受け継がれていると言えよう。 **問題点(家庭用) -PS版のみの問題点 --ロード時間がやや長く、続けて遊ぶにはやや辛い。一方でDC版についてはロードがほぼ無く快適である。 --楽曲決定時など一部のアニメ演出が簡素化・削減されている。一方でDC版ではAC版の演出をほぼ再現している。 -専用コントローラ「ポップンコントローラ」の問題点 --アーケード版に比べサイズが小さくボタンが平べったい上に感度がやけに敏感なため、うっかり違うボタンに触れて反応してしまうことが多く、遊びにくい。 -標準コントローラでのプレーについても配置が直感的ではなく、ボタンの対応に慣れるまではやや難しい。 --アーケード版では無理押しとなっていた配置が押せる、逆にAC版では叩きやすい配置が押しづらくなるなどの違いもある。 --PS版とDC版ではボタンの数の違いの関係上、初期設定のボタン配置が大きく異なっているという問題もある。 ---特にL・Rが各1つしかないDC版ではかなり無理のある配置となっている。以下はデフォルトの設定。 #table_style(head=center){ボタン=center, 1=center, 2=center, 3=center, 4=center, 5=center, 6=center, 7=center, 8=center, 9=center} |~ボタン|~1|~2|~3|~4|~5|~6|~7|~8|~9|h |~AC|白|黄|緑|青|赤|青|緑|黄|白| |~PS|L2|L1|←|↑/↓|→/□|△/×|○|R1|R2| |~DC|L|←|↓|↑|→/X/ST|Y|A|B|R| --なお、キー配置はボタン別にコンフィグが可能、かついくつかの標準設定も用意されているため、自分にあった配置を設定することはできる。 --PS版では画面のボタン部分(セレクトで消去可能)、DC版では手元のビジュアルメモリにそれぞれ対応するボタンのガイドが表示されるため、確認しながらプレーは一応可能。 --後年の「[[ポップンミュージック ポータブル]]」では、ドリームキャスト版の配置をベースに黄色と白を入れ替えた配置がデフォルトとなっている。 -アーケード版のDIPスイッチに相当する全曲出現コマンドは無い。 --一応、一度プレーした曲がいつでも遊べるようになるフリーモードがその代替と言えなくもない。 -隠しオプションの仕様の問題 --強化譜面である「ハイパー」はトレーニングモードでは設定不可能。このため、今作では高難易度譜面をオートで鑑賞したりスピードを落として練習するといったことはできない。 --隠しオプションの「MIRROR」「RANDOM」「HIDDEN」は択一であり、重ねがけができない。 **総評(家庭用) 家庭用第一弾となる作品。~ 初移植のため荒削りであり、専用コントローラが過剰に敏感などの問題点もあるが、家庭用オリジナル要素であるオプション・ハイパー譜面・新曲等は好評で、後のアーケード版にも影響を与えた。~ 現在では後述の『2』が発売されており、本作の楽曲はそちらに全て再録されている上にシステムも改善されたため本作独自の価値はやや落ちている。 ---- **余談(家庭用) #region(当時のテレビCM) &nicovideo2(sm9706486) #endregion -CMにDJを起用した同時期のCS版『beatmania』とは対照的にCSポップンでは普通の女性達がワイワイ遊ぶ様子を映しており、それぞれのゲームが狙った客層を端的に表していると言えるだろう。 -筐体のデザインは「女性客(主に女子高生)が好むプリクラマシンの傍に置くことを想定して作られた」と言われているが、初代 beatmania の姉妹作という位置づけもあってか、筐体のデザインそのものは beatamania の筐体を一回り以上コンパクト化したようなデザインとなっている。 -家庭用追加要素として登場したハイパー譜面のうち、家庭用新曲である「クラシック / Chaos Age」のハイパー譜面は当時としては異常な難易度のものだった。 --『Sunny Park』以降の現行アーケード作の50段階レベル表記で表すと、アーケード版の最高難易度曲であった「スパイ / SPICY PIECE」のノーマル譜面が現行のレベル23である((後にスパイにもハイパー譜面(現行のレベル29)が実装されたが、これはアーケード版『3』からの追加譜面である。))のに対し、「クラシック」のノーマル譜面は現行のレベル22、ハイパー譜面は現行の''レベル41''に相当する。 --また、同作曲者による「アフリカ / Con te sabi 2119」も、ハイパー譜面が現行のレベル33と当時にしてはやはり高いものとなっていた。 ---この「アフリカ」は、初めは曲中に使用されている打楽器全部を叩かせる(当時としては)超人的な譜面だったが、さすがにこれでは誰もクリアできないという事で、最終的には大分パートを手直ししたという逸話がある。 --当時は譜面速度を上げて見やすくするHI-SPEEDオプションすら存在しない上に前述の空打ちBADの仕様もあり、初代作品であるにもかかわらず非常に高難度のものとなっていた。 ---これらのハイパー譜面は後にアーケード版『3』以降で逆輸入された。なお、現在のシリーズではHI-SPEEDオプションの導入や譜面自体の高難易度化の進行により、この初代クラシックHは中級レベルの難易度に落ち着いている。 --この高難易度の「クラシック」はその後も家庭用恒例のボス曲としてシリーズ化され、「11」まで登場している。同シリーズの担当キャラとして登場する鳥の指揮者の老人「ハマノフ」も合わせ、初期の家庭用の高難易度譜面の象徴として語られることが多い。 ---- **その後の展開 -半年後の1999年3月26日に続編『pop'n music 2』が稼動。 --本作のCS版で追加された新曲も収録し、AC版2の新曲も含め全33曲と大幅に収録曲が増えた。 --上記の通り、CS版で追加されたオプションが使用可能になっている。 --MZD MOMMY氏の退社に伴いメインデザイナーがP-CAT氏に交替したことでキャラクターの画風が変化した。 --容量の都合でメインキャラであるミミ・ニャミ・マリィ・キング、後に準レギュラー化するジュディ・リエちゃん・さなえちゃんを除く前作キャラが削除された。 ---AC及びCS版1初出の曲の内、AC版1の曲は上述の新キャラクター「MZD」が、前作のCS版1初出の曲はそちらで初登場した新キャラであるプリティが、それぞれ複数のカラーバリエーションで代理担当している。 -『2』の家庭用についても1999年9月14日に発売。 --PS版初代のロード時間の長さについては、続編であるPS版『2』以降にて改善され、さらに読み込み時間を軽減するショートカット(曲選択画面が簡素なものになる)も搭載された。 --『2』には初代の曲も初期状態で全て収録されている。AC版の代理担当を引き継いでいるが、一部、新曲担当として初出時バージョンの新規カラーで事実上続投しているキャラもいる。加えて、AC2に登場しないその他の初代キャラクター達も家庭用オリジナルのサバイバルモードやマラソンモード限定のプレイヤーキャラクターとしてほぼ全員収録されている。 //容量の都合で ← 初代のほぼ全キャラクターが完全な形で揃ってるので容量の問題ではないはずです --家庭用『2』は「ディスクチェンジ」機能があり、後に発売されたアペンドディスク『3』『4』を起動するためのキーディスクになっている(このため『3』と『4』は安価な代わりに単体起動不可)。 ---その後発売された『5』と『6』は、『2』同様に単体起動可能かつキーディスクになった。 -ポップンコントローラについても、PS2版『8』の発売前に受注生産でAC版を再現した「アーケードスタイルコントローラ(通称アケコン)」、PS2版『10』と同時発売で初代を元に仕様が改善された小型の「ポップンコントローラ2」がリリースされている。 --ただし、アケコンは3万円と言う高価格の割に作りが簡素で甘く、ボタン同士の間隔等がアーケードの主流である通常の筐体ではなくマイナーな小型筐体(アニメロ筐体)の方のサイズに準拠(後者の方がやや間隔が広い)しており、ボタンを叩いた感触も大きく異なる等、前者のアーケード筐体に慣れていると操作性に違和感がある。~ また、叩いた時の音が非常にうるさいため、当然ながら家庭で使用する場合は騒音対策は必須。受注生産だったため今では新品を手に入れるのは難しい。 --ポプコン2については簡素な作りのため叩いている感覚がやや薄く、サイズ等も初代ポプコンと同様のためアーケードとの違いが大きいものの、2ではボタンの表面が丸みを帯びており初代の超反応も改善されているため、操作性自体は良好になっている。ただ、やはり叩いた時の音はそれなりに響くため、騒音対策はやはり必須である。 ---後にPC用にリリースされた実質的な家庭用新作「Lively」ではリリースに合わせて専用のアケコンが(ポプコン同様の小型のもの含めて)制作された。こちらは騒音対策により配慮した作りになっていると喧伝されているが、こちらは据え置き機との互換性はない。 --なお、初代ポプコンも含めPS・PS2に対応しているが、PS3には非対応((非公式の変換アダプタを使えば使用は可能であるが、当然動作保証はされていない。またPS3本体はPSのソフトへの互換性があるが、PS2のソフトに対する互換性は極初期の特定の型番のみに限られる上、個体差があるらしく該当の型番を使っても使用できるとは限らない点に注意。))。また、DC版の方は初代ポプコンしか出ていない。 -その後もシリーズを重ね、現在ではナンバリングだけで20作以上を重ねる長寿シリーズとなっている。 -当初はマリィとキングが主人公であり、ミミとニャミは本作の案内役という位置付けであった。~ その後シリーズを重ねるに連れてミミニャミの方がメインキャラとして全面に押し出されるようになり、前記の2人は出番が薄くなっている。 --実際のゲームでのデフォルトキャラクターはマリィやキングであり初期シリーズでのポスターでもこの2人が押し出されていたものの、ゲームのタイトル画面や家庭用のゲームパッケージでは常にミミとニャミの方が大きく目立っていたことも関係していると思われる。そのためか、『[[ポップンミュージック9]]』以降はデフォルトキャラクターもミミに変更されている。
※本稿では、初代『pop'n music』及びその家庭用移植版について解説する。(ともに''良作'')~ シリーズ全体の概要については[[シリーズ項目>ポップンミュージックシリーズ#id_62bf8526]]、同名タイトルのWii版については[[ポップンミュージック (Wii)]]を参照。 ---- #contents ---- *pop'n music 【ぽっぷんみゅーじっく】 |ジャンル|音楽シミュレーション|#ref(http://www.arcade-history.com/images/game/3644_1.png,,width=200)| |対応機種|アーケード|~| |販売元・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1998年9月28日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''| ---- **概要 (1990年代当時の)女子高生を始めとする女性層をターゲットにした音ゲーをコンセプトに企画された音楽ゲーム。~ ''初代『[[beatmania]]』を女性向けに展開する''というコンセプトの、いわば''beatmania''の姉妹作に当たる作品であり、多人数向けのパーティーゲーム的な志向性の元にターンテーブルと5つの鍵盤を9つボタンに置き換えたデバイスと、コンセプト通り女性に受け入れられやすいポップでキャッチーな作風を主軸として差別化されている。 ジャンルに捕らわれない多種多様な楽曲と、ポップでかわいらしいデザインのキャラクター群を大きな特徴とする作風は本作の時点で既に確立されており、その後のシリーズの礎となった。 **操作方法 -9つの丸い色付きボタンに対応するマーカー(通称:ポップ君)が判定ライン(赤ライン)に重なるタイミングを狙って対応するボタンを叩く。~ 上手に叩けばグルーヴゲージが伸び、逆にタイミングを外したり見逃すと減る。曲の終了時点でグルーヴゲージがクリアゾーンに達していればステージクリア。 --システムはそれだけであり、ターンテーブルと鍵盤の使い分けが必要な&bold(){beatmania}と異なり、シンプルなものとなっている。 |CENTER:''ボタン配置と配色''|h |CENTER:BGCOLOR(#cccccc):|c |&color(yellow){黄2}&space(2)&color(blue){青4}&space(2)&color(blue){青6}&space(2)&color(yellow){黄8}| |&color(white){白1}&space(2)&color(green){緑3}&space(2)&color(red){赤5}&space(2)&color(green){緑7}&space(2)&color(white){白9}| 上記のうち、基本的にセレクト画面などでは左右の青(4・6)をカーソル移動、赤(5)を決定に使用する。 ***&bold(){選択可能なモード} -''「ビギナー」'' --初心者向けのモードで、チュートリアルで1ステージ+簡易譜面(現在のEASY譜面相当)で2ステージ演奏する。 --デフォルトキャラクターは猫の女の子「ニャミ」&ウサギの女の子「ミミ」。ステージ毎に2人がプレイヤー交代する形式となっており、このモードのみ隠しコマンドを入れてもこの2人以外は選べない。 -''「ノーマル」'' --基本的なプレーモード。3ステージ演奏する。デフォルトキャラクターはアフロヘアーの女性ダンサー「マリィ」。隠しコマンドで他のライバルキャラクターも選べる。 --なお、筐体のデフォルト設定では「ノーマル」でもグルーヴゲージが上昇すると相手キャラが自動でポップ君を隠すオジャマを発動してくる(後の「オジャマ攻撃!」。筐体のDIP設定によりOFF可能)。~ これは女性向けというコンセプトの他に「多人数でワイワイ楽しむパーティゲーム」を志向したものであり、曲を演奏する以外に純粋にゲームとして遊ぶという本作の特徴を象徴する要素でもある。後のシリーズにも形を変えて受け継がれている。 --次作『2』以降は「ノーマル」のみデフォルト設定ではオジャマが発動しないようになった(こちらも筐体設定によりON可能)。 -''「ハード」'' --「ノーマル」と同様に3ステージ演奏するが、降ってくる途中でポップ君がライン移動するオジャマ(現在の「EXCITE」)が掛かる。デフォルトキャラクターは自称音楽の王を名乗るリーゼントヘアーの青年「キング」。 --上記の「ノーマル」と同様、ランダムでポップ君を隠すオジャマが同時発動することもある(後の「EXCITE+オジャマ攻撃」)。 ***&bold(){プレー画面の仕様} 本家beatmaniaと異なり、本作にはムービーは存在しない。~ その代わり、画面中央に配置された演奏画面の左右にひとりずつキャラクターが表示されるようになっており、プレーヤーキャラ(プレー中に使用しているキャラ)とライバルキャラに分かれる。~ ライバルキャラはプレーする楽曲の担当キャラクターとしてプレー中画面の右側に登場し、プレー中は画面右側でプレー中の判定に応じて様々なアクションを取る。プレーヤーキャラクターは画面左側に表示され、相手キャラと同様に判定に応じたアクションを取るようになっている。~ よい判定を取るとプレーヤーキャラが成功のアクションを取りライバルキャラが失敗のアクションを取る、ミス判定を取るとその逆のアクションを取るという演出になっている。~ これは「マリィとキングがライバルキャラとダンスバトルで勝負する」というバックストーリーに基づいた演出で、初作含めシリーズ初期には格闘ゲームを彷彿とさせる演出が多かった。~ 各キャラクターには色違いとなる2Pカラーも存在し、隠し操作でキャラクター選択も可能。 また、キャラクターには実在ゲームやアニメのパロディなどのも多く、楽曲と併せて「なんちゃって・ごっこ遊び」的なお遊び要素を取り入れているのも大きな特徴である。 ***&bold(){収録曲について} アーケードでの収録曲はデフォルト12曲+隠し2曲。3ステージそれぞれに4曲ずつ振り分けられ、出現条件を満たしていればステージ3に隠し曲も登場するという形式(筐体のDIP設定により全曲オープンも可能)。 楽曲のバリエーションは広く、当時DJ風味で渋いイメージにまとまっていた『beatmania』に対し、コンセプト通りキャッチーかつ可愛いらしさを重視した楽曲作りが行われた他、アニメソング風の曲・スパイ風の曲のようなパロディ・ネタ要素も多く取り入れた(公式曰く「なんちゃって・ごっこ遊び)ユニークな楽曲も存在した。 **評価点 -明るくポップな雰囲気で統一されたデザインワークと親しみやすい楽曲群。 --筐体のデザインや画面レイアウト、登場キャラクターに至るまで明るく可愛らしいデザインになっているので女性や子供にも触れやすい。~ また、筐体サイズは他のシリーズと比べてそこまでデカくなくデザインも無骨ではないので、外観だけで敬遠されることも少ない。 --楽曲も日本語歌詞の楽曲の他、キャッチーさを重視した親しみやすい楽曲が多い。特に当時、並行して稼働していた初代''beatmania''シリーズがハードな雰囲気で統一されていたため、より本作のライトさが際立っていた。 -楽曲ジャンルの多様性 --本作のデバイスは実在の楽器を模したものではないためジャンルの多様性に献身しており、楽器のシミュレート性を意識せずに純粋にメロディやリズムを刻む楽しさが味わえる。 --1作目の時点で渋谷系ポップス、ラップ、テクノ、ダンスミュージック、ラテン音楽、ディスコミュージック、レゲエ、アニメソングやスパイ映画BGMのパロディ風と、総曲数が14曲と少ないながらもバラエティ豊か。 --また、本作では数が少ないが、実在の音楽ジャンルではない架空のジャンル名も本作の時点で存在しており、ポップン特有の「何でもあり」な雰囲気がこの頃から色濃く表れていた。 ---次回作以降「ポップン独特の非音楽系ジャンル名」が大きな特徴の一つとして定着していく。 -キャラクターの人気も高い。 --シンプルなデザインながら、各楽曲のイメージを更に盛り上げてくれるポップでキュートなデザインと多彩なアクションが見ていてとても楽しい。 --基板容量の関係でアニメーション枚数が少ないながらも、『2』以降と比べても全体的に滑らかな動きを実現していることから、(初期シリーズに限るが)アニメの質に関しては初代である本作が最高傑作という声も多い。 ---なお勘違いされることもあるが、初期のキャラクターを掲載した『キャラクタービジュアルガイド』のアニメパターン集を見ると、''初代と『2』『3』のアニメーション総枚数はほぼ変わっていない''。個別に見ると躍動感のある中割りが比較的多く使われているため、動きの激しい箇所に枚数を重点的に割り振って滑らかに見せているものと思われる。 --タイトル画面にも登場している「ミミ」と「ニャミ」は、当時人気を博していたPUFFYをモデルにデザインされている。その他、楽曲の内容に合わせて実在の有名人やロボットアニメのパロディなどの既存作品のパロディ要素を含んだキャラクターも多く存在する。 --本作では特に「リエちゃん」や「ショルキー」「ジュディ」といったライバルサイドのキャラクターの人気が高く、ある程度本作にのめり込んだユーザーはキャラクターセレクトの裏技を使いライバルキャラクターをプレーヤーとして選択する者が大半を占めていた。 -独特の演奏ギミック --本作では上述のように「ライバルとダンスバトルを行う」というキャラクターを主軸に据えた設定に基づき、「演奏中に降ってくるオブジェを叩くと判定の内容に応じてキャラクターが様々なアクションを行う」という、斬新なギミックが盛り込まれている。 ---beatmaniaでは演奏中にオブジェを外すとミス扱いとなり画面に専用のレイヤーが表示される形式になっていたが、pop'nはミス演出の他にも判定毎に異なる様々なリアクションが用意されていることから、プレーヤーはともかくギャラリーから見ても非常に楽しいシステムになっている。 --演奏中にグルーヴゲージがMAXになるとボルテージの最高状態を現した「FEVER!」状態へ移行する。この状態になると判定表示のGREATがFEVERに変化し((演出が変わるのみでスコア配分はGREATと同等))、キャラクターのアクションもより派手な演出になる。 ---beatmaniaのグルーヴゲージは単にプレーの指標であるためゲージを最大まで上げてもムービーの内容も変化しないが、本作ではゲージにボルテージの変化を付加する事によって、beatmaniaとは違った「演奏感」を体験出来ると言えよう。 --beatmaniaでは同じ譜面を繰り返しプレイするのみだが、本作の上位難易度では演奏時に様々な内容の「オジャマ」がかかるようになり、常に変化に富んだゲーム性を楽しむ事が出来る。 ---オジャマ攻撃中にも相手側のキャラクターがそれぞれ特殊なアクションを起こしてくるため、視覚的にも楽しい。 -より細かな難易度表記 --beatmaniaを始めとする当時のBEMANI機種では☆や足の数で難易度が表示されていたのだが、それに対してpop'nの難易度表記はゲージ方式を採用。 最低は「ファンタジー/monde des songe」の5、最高は「スパイ/spicy piece」の23で、目盛りが上がる毎に楽曲の難度も徐々に上昇していく。 --このため、全体的に大ざっぱな難しさであった他機種と比べて本機種の難易度はハッキリしており、「次はこれをクリアするべき」という指標としても理解しやすい。 ---ステージの選曲順も難易度が低い方から高い方へと順に配置されているため、当時のプレーヤーレベルの中で適切な曲を選び易くなっていた。 -''BEMANI初の移植曲'' --本作の二曲の隠し曲のうちの片割れは初代beatmaniaで登場した名曲「レイヴ/e-motion」。((ただし今作の使用音源は初代ではなく、beatmania 2ndMIX収録のアレンジ版「e-motion(2nd MIX)」のシングルプレー音源となっている。))~ beatmaniaで好評を博していた楽曲がまさかのpop'n収録という事が衝撃的だったのか、プレーヤーの間でも大きな話題になった。 --以降のBEMANI界隈でも他機種の楽曲が収録される事が見受けられる様になった事から、「e-motion」のpop'n収録によってBEMANIに「移植曲」という概念を確立させたと言えよう。 ---ちなみに、当初は「beatamania」がアンダーグラウンド路線を突き進んでいたことで本作のポップ路線が今現在以上に際立っていたこともあり、スタッフの間では「beatamaniaのにおいをさせちゃダメだ」という意見もあったという。~ 結局、設定面や曲の志向性の両面で「何でもあり」が確立されていった結果、他機種間での移植する・されるが活発化していくこととなる、 --余談だが、翌年1月に稼働した『beatmania completeMIX』では今回の件の逆パターンとしてpop'nの『J-テクノ/Quick Master』がアレンジ移植。これにより事実上の初の交換移植が成立している。 **問題点 -前述のように選曲に制限があり、デフォルト設定では1ステージ内で全ての曲から自由に選ぶことができない。 --この点は初心者が誤って難易度の高い曲を選んで1曲目でクリア失敗してしまう事態を避けるための措置でもある((AC6-8までのノーマルモードでも同様に標準設定では選曲制限が施されており、公式のQAで初心者が誤って高難度の曲を1曲目に選んでしまわないようにするための配慮である旨が明かされている))。 --後に救済措置として店側で筐体のDIPスイッチを変更(1・2・5・6をONに変更)することで隠し曲含む全曲を常時解禁状態にするオペレーターコマンドが配布された。 ---しかしこの場合も隠し曲担当の「レイヴガール」と「さなえちゃん」は使用不可(一応、どちらも既存キャラクターの「マリィ」と「リエちゃん」の色違いのため、「同じ姿のキャラクター」を使うこと自体は可能。)。 -キャラクターのアニメーションの表示方式。 --現行シリーズと異なり、本作ではキャラクターのアクションが、判定の発生毎にリアルタイムで切り替わるようになっている。 --このため、ポップ君が切れ目なく続く個所ではアニメーションの切り替わりが頻繁に発生するため画面両端がちらつく。 --AC6までこの方式が採用され、AC7以降は譜面密度の増加に伴い、現行と同じ方式に変更された。 --この仕様上、プレーの最中はキャラクターのアニメーションをじっくり見る余裕がない。 ---もっとも当時のNORMAL譜面は適度に休みがあったり間があるものも多いため、アニメを見る余裕が全く無いというわけでもない。~ 加えて一部の楽曲はより簡単になったBEGINNER譜面も存在する。 -空打ちBADの仕様の厳しさ --初代では、ポップ君の配置されていない場所でボタンを叩くと必ず空打ちBADが出てしまう。 ---続編以降は緩和され、ポップ君の配置された前後の一定区間のみで空打ちBADが出るように変更されている。 -オジャマ攻撃の難易度の差が激しい --初代のデフォルト設定ではノーマルモードでもオジャマが発動するのは前述の通りだが、楽曲の担当キャラクターによってその難易度が大きく左右される。 --例えば リエちゃん や ジャムおじさん はハートマークで描かれた大きな「LOVE♥」の文字を1文字ずつ表示するだけ、ショルキー や ジュディ も3段のカラフルな♪が並んで現れるだけでさほど苦ではない。~ 一方、ドン・モミー や チャーリー はかなり大きなシャンデリアを画面上部から繰り返し落としてくるため、そこそこ隠す範囲が大きい。~ ディーノ やバンブー に至っては画面の大半を覆い隠す巨大な炎が現れ、攻撃時間こそ短いとは言え譜面がかなり見づらくなる。 ---内容自体はキャラクターのオジャマ発動アクションと連動しているため、それぞれの攻撃内容の割り当てに違和感はないのだが、特にディーノの担当曲である「ファンタジー」については表記上は最低レベルなのに譜面がリズム難、さらに発動オジャマが鬼畜という初心者殺しともいえる構成になっている。 --なお、ハードモードでポップ君がずれるEXCITEオジャマの方もそれぞれ変化するポップ君の形状差(星型や動物型、モアイ型など)があるのだが、そちらは上記のオジャマ攻撃の格差と違い、どの形状でもさほど難易度に差はない。 **総評 長年愛される事になるポップンミュージックシリーズの第1作目。~ この時点で多種多様なジャンルやキャラクター等の「ポップンミュージックの基礎」が確立され、音ゲーとして一番大事な曲を演奏するゲームとしての面白さもこの時点でほぼ完成されている。~ 後のシリーズで取捨選択されていった要素も多いが、根幹的な部分はその後のシリーズにも受け継がれていった。 **余談 -初代筐体のデザインは初代ポップンのチーフデザイナー''MZD MOMMY''氏が設計を手がけ、その後もAC18まで初代準拠の同型のもの((厳密には、モニターの仕様、eAMUMENTシステムの採用に伴うカードリーダーとテンキーの付加、遊び方パネルの記載内容など、形状以外の部分で変更がある。))が使用された。 --厳密には番外作「アニメロ」シリーズとAC4~8の間、新規デザインの筐体(通称:アニメロ筐体)で流通していたが、AC9で再び旧来のデザインに戻った。 ---AC19以降は新品の筐体デザインが大きく変更されたが、旧型筐体をバージョンアップで引き続き使用しているゲームセンターがかなり多い。 --MZD MOMMY氏は当時コナミに存在したデザイナーチーム「MZD団」の一員((元々は1995年稼働の格ゲー『ドラグーンマイト』のデザイナーチーム。他に「MZD FIRE-FLY(hotaru)」など数名が所属していた。))で、本作においては筐体設計のみならず、全キャラのデザインからアニメ制作、世界観設定まで、作品の根幹要素の構築に深く関わり、今日のポップンの礎を築き上げた人である。 --彼は続編『2』の開発初期にコナミを退社したため、その後のキャラクターデザインは別のスタッフ達が担当している。しかし、初期コンセプトを作った彼のシンプルな線の絵柄はその後もポップンの画風として引き継がれた。 --『2』以降は、本シリーズの礎となった彼をモデルにした「''MZD''(エムゼットディー)」というキャラクターが登場し、「ポップンワールドの神様」という設定の主要キャラクターになっている。 -AC版のキャラクターであるディスコクィーン担当の「CHANEL(シャネル)」は、後述の家庭用や海外版では「CHA''M''EL(シャ''メ''ル)」に名前が変更され、以降はそちらが正式名称になった。 --おそらく元ネタであるフランスの著名ファッションデザイナー「ココ・シャネル(Coco Chanel)」およびブランド「シャネル」に配慮したものと思われる。 --続編2には彼女の妹として「ココ」が登場したが、こちらも「KoKo」と綴りが微妙に違っている。 ---- *プレイステーション&ドリームキャスト版 |ジャンル|音楽シミュレーション|CENTER:&image(poppunmyujikku1.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3333/1518/poppunmyujikku1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3333/1519/poppunmyujikku2.jpg]]| |対応機種|プレイステーション&br()ドリームキャスト|~| |販売元・開発元|コナミ|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(家庭用) 家庭用移植版が1999年2月25日にプレイステーション・ドリームキャストで発売された。~ 標準コントローラでもプレー可能な他、アーケード版の配置を模した専用コントローラ「ポップンコントローラ」も発売された。~ ハード性能の関係でPS版はDC版よりやや劣る内容となっているが、基本的な内容は共通している。 **評価点(家庭用) -アーケード版の内容をベースに、家庭用オリジナルの隠し新曲を5曲追加。 --家庭用で書き下ろされた新曲は、ジャンル名の通りアフリカのサバンナを彷彿とさせる民族系の「アフリカ/Con te sabi 2119」やクラシックの名曲メドレーの「クラシック/Chaos Age」、日本語の女性ボーカル曲の「Jポップ/Life」等、アーケード版以上にありそうで無かった曲調の楽曲が揃っているのが特徴。 --アーケードの隠し2曲と同様、それぞれ特殊な出現条件が設定されているのだが、発見できなかった場合も救済措置としてPS版ではプレー回数、DC版ではタイムリリースによる出現が可能(いずれもアーケードモードでのみカウント)。 -家庭用オリジナルの隠し要素の追加。 --隠しプレーオプションとして「MIRROR」「RANDOM」「HIDDEN」が登場。 ---それぞれ「MIRROR」は降ってくるポップ君の位置をそっくり左右反転、「RANDOM」は配置がレーン毎に入れ替わる(例えば本来左白が降ってくるはずの場面で赤に降ってくる・レーンが変わるだけなので連打はそのまま)、「HIDDEN」はポップ君が判定ラインの少し手前で見えなくなってしまう(直前の配置を覚えて叩く)、という効果。 --通常より難易度が高くポップ君がかなり増えた上級者向けの「ハイパー譜面」が登場。対象は家庭用オリジナルのうち3曲のみ。 --これらの追加要素は、後にアーケード版へも逆輸入されている。 -家庭用オリジナルの「フリーモード」「トレーニングモード」を搭載。 --両モードともに初期状態では1曲しか選べないが、一度でもアーケードモードでプレーしたことのある曲が徐々に登録されていき、以降は自由に選曲できる。隠し曲についても例外ではなく、アーケードモードで早期に条件を満たして一度プレーすれば、フリーで選曲し放題になる(アーケードモード側では引き続き出現条件が必要)。 --「フリー」はアーケードを1曲単位にしたような仕様であり、同じ曲を繰り返しプレーすることも可能。 --「トレーニング」では譜面のスクロールスピードを自由に遅く出来たり(ただしPS版では5段階から選択、かつ減速するとメトロノームのみとなる)、フレーズ毎に区切って練習(リピートも可能)、オートプレーによる鑑賞などが行える。 -使用ボタン数の変更が可能。 --プレー開始時に通常の9ボタンの他、左右端の両白ボタンを削った7ボタン、さらに両黄を削った中央5ボタンの3種類から選択できる。 --5・7ボタンでのプレー時は、外側の白や黄が自動演奏となるが、全てGOOD判定扱いとなる。 --ACでは9ボタンでの演奏が基本だったが、オプションで使用ボタン数を減らす事によって本作入門へのハードルを下げる事に成功している。~ この使用ボタンを減らして演奏するスタイルは、後にアーケード版に登場した「5ボタン譜面」や「EASY譜面」にも受け継がれていると言えよう。 **問題点(家庭用) -PS版のみの問題点 --ロード時間がやや長く、続けて遊ぶにはやや辛い。一方でDC版についてはロードがほぼ無く快適である。 --楽曲決定時など一部のアニメ演出が簡素化・削減されている。一方でDC版ではAC版の演出をほぼ再現している。 -専用コントローラ「ポップンコントローラ」の問題点 --アーケード版に比べサイズが小さくボタンが平べったい上に感度がやけに敏感なため、うっかり違うボタンに触れて反応してしまうことが多く、遊びにくい。 -標準コントローラでのプレーについても配置が直感的ではなく、ボタンの対応に慣れるまではやや難しい。 --アーケード版では無理押しとなっていた配置が押せる、逆にAC版では叩きやすい配置が押しづらくなるなどの違いもある。 --PS版とDC版ではボタンの数の違いの関係上、初期設定のボタン配置が大きく異なっているという問題もある。 ---特にL・Rが各1つしかないDC版ではかなり無理のある配置となっている。以下はデフォルトの設定。 #table_style(head=center){ボタン=center, 1=center, 2=center, 3=center, 4=center, 5=center, 6=center, 7=center, 8=center, 9=center} |~ボタン|~1|~2|~3|~4|~5|~6|~7|~8|~9|h |~AC|白|黄|緑|青|赤|青|緑|黄|白| |~PS|L2|L1|←|↑/↓|→/□|△/×|○|R1|R2| |~DC|L|←|↓|↑|→/X/ST|Y|A|B|R| --なお、キー配置はボタン別にコンフィグが可能、かついくつかの標準設定も用意されているため、自分にあった配置を設定することはできる。 --PS版では画面のボタン部分(セレクトで消去可能)、DC版では手元のビジュアルメモリにそれぞれ対応するボタンのガイドが表示されるため、確認しながらプレーは一応可能。 --後年の「[[ポップンミュージック ポータブル]]」では、ドリームキャスト版の配置をベースに黄色と白を入れ替えた配置がデフォルトとなっている。 -アーケード版のDIPスイッチに相当する全曲出現コマンドは無い。 --一応、一度プレーした曲がいつでも遊べるようになるフリーモードがその代替と言えなくもない。 -隠しオプションの仕様の問題 --強化譜面である「ハイパー」はトレーニングモードでは設定不可能。このため、今作では高難易度譜面をオートで鑑賞したりスピードを落として練習するといったことはできない。 --隠しオプションの「MIRROR」「RANDOM」「HIDDEN」は択一であり、重ねがけができない。 **総評(家庭用) 家庭用第一弾となる作品。~ 初移植のため荒削りであり、専用コントローラが過剰に敏感などの問題点もあるが、家庭用オリジナル要素であるオプション・ハイパー譜面・新曲等は好評で、後のアーケード版にも影響を与えた。~ 現在では後述の『2』が発売されており、本作の楽曲はそちらに全て再録されている上にシステムも改善されたため本作独自の価値はやや落ちている。 ---- **余談(家庭用) #region(当時のテレビCM) &nicovideo2(sm9706486) #endregion -CMにDJを起用した同時期のCS版『beatmania』とは対照的にCSポップンでは普通の女性達がワイワイ遊ぶ様子を映しており、それぞれのゲームが狙った客層を端的に表していると言えるだろう。 -筐体のデザインは「女性客(主に女子高生)が好むプリクラマシンの傍に置くことを想定して作られた」と言われているが、初代 beatmania の姉妹作という位置づけもあってか、筐体のデザインそのものは beatamania の筐体を一回り以上コンパクト化したようなデザインとなっている。 -ハードモードをクリアした際にCSオリジナルのスタッフロールが2種類用意されており、解禁状況によってBGMや演出が変化する。 --初期状態は「ボーナストラック / すれちがう二人」が流れるバージョンで、リザルト画面にも描かれている舞台ステージが最後に明かりが消えてフェードアウトするというもの。 --「ボーナストラック」を一度でもプレーしフリーモードに登録していると、オリジナルの新規BGM「Theme of staff roll~nostalgic live mix~」をバックに作中のキャラクターがランダムに次々と出現していくという演出の別バージョンに変わる。 ---この際のBGMは、続編の家庭用『2』にてリアレンジされ「ライブ / Theme of staff roll~special mix~」としてプレイアブル収録された他、『2』のCSスタッフロールにも別バージョン「Theme of staff roll~poppers live II~」として使われている。 -家庭用追加要素として登場したハイパー譜面のうち、家庭用新曲である「クラシック / Chaos Age」のハイパー譜面は当時としては異常な難易度のものだった。 --『Sunny Park』以降の現行アーケード作の50段階レベル表記で表すと、アーケード版の最高難易度曲であった「スパイ / SPICY PIECE」のノーマル譜面が現行のレベル23である((後にスパイにもハイパー譜面(現行のレベル29)が実装されたが、これはアーケード版『3』からの追加譜面である。))のに対し、「クラシック」のノーマル譜面は現行のレベル22、ハイパー譜面は現行の''レベル41''に相当する。 --また、同作曲者による「アフリカ / Con te sabi 2119」も、ハイパー譜面が現行のレベル33と当時にしてはやはり高いものとなっていた。 ---この「アフリカ」は、初めは曲中に使用されている打楽器全部を叩かせる(当時としては)超人的な譜面だったが、さすがにこれでは誰もクリアできないという事で、最終的には大分パートを手直ししたという逸話がある。 --当時は譜面速度を上げて見やすくするHI-SPEEDオプションすら存在しない上に前述の空打ちBADの仕様もあり、初代作品であるにもかかわらず非常に高難度のものとなっていた。 ---これらのハイパー譜面は後にアーケード版『3』以降で逆輸入された。なお、現在のシリーズではHI-SPEEDオプションの導入や譜面自体の高難易度化の進行により、この初代クラシックHは中級レベルの難易度に落ち着いている。 --この高難易度の「クラシック」はその後も家庭用恒例のボス曲としてシリーズ化され、「11」まで登場している。同シリーズの担当キャラとして登場する鳥の指揮者の老人「ハマノフ」も合わせ、初期の家庭用の高難易度譜面の象徴として語られることが多い。 ---- **その後の展開 -半年後の1999年3月26日に続編『pop'n music 2』が稼動。 --本作のCS版で追加された新曲も収録し、AC版2の新曲も含め全33曲と大幅に収録曲が増えた。 --上記の通り、CS版で追加されたオプションが使用可能になっている。 --MZD MOMMY氏の退社に伴いメインデザイナーがP-CAT氏に交替したことでキャラクターの画風が変化した。 --容量の都合でメインキャラであるミミ・ニャミ・マリィ・キング、後に準レギュラー化するジュディ・リエちゃん・さなえちゃんを除く前作キャラが削除された。 ---AC及びCS版1初出の曲の内、AC版1の曲は上述の新キャラクター「MZD」が、前作のCS版1初出の曲はそちらで初登場した新キャラであるプリティが、それぞれ複数のカラーバリエーションで代理担当している。 -『2』の家庭用についても1999年9月14日に発売。 --PS版初代のロード時間の長さについては、続編であるPS版『2』以降にて改善され、さらに読み込み時間を軽減するショートカット(曲選択画面が簡素なものになる)も搭載された。 --『2』には初代の曲も初期状態で全て収録されている。AC版の代理担当を引き継いでいるが、一部、新曲担当として初出時バージョンの新規カラーで事実上続投しているキャラもいる。加えて、AC2に登場しないその他の初代キャラクター達も家庭用オリジナルのサバイバルモードやマラソンモード限定のプレイヤーキャラクターとしてほぼ全員収録されている。 //容量の都合で ← 初代のほぼ全キャラクターが完全な形で揃ってるので容量の問題ではないはずです --家庭用『2』は「ディスクチェンジ」機能があり、後に発売されたアペンドディスク『3』『4』を起動するためのキーディスクになっている(このため『3』と『4』は安価な代わりに単体起動不可)。 ---その後発売された『5』と『6』は、『2』同様に単体起動可能かつキーディスクになった。 -ポップンコントローラについても、PS2版『8』の発売前に受注生産でAC版を再現した「アーケードスタイルコントローラ(通称アケコン)」、PS2版『10』と同時発売で初代を元に仕様が改善された小型の「ポップンコントローラ2」がリリースされている。 --ただし、アケコンは3万円と言う高価格の割に作りが簡素で甘く、ボタン同士の間隔等がアーケードの主流である通常の筐体ではなくマイナーな小型筐体(アニメロ筐体)の方のサイズに準拠(後者の方がやや間隔が広い)しており、ボタンを叩いた感触も大きく異なる等、前者のアーケード筐体に慣れていると操作性に違和感がある。~ また、叩いた時の音が非常にうるさいため、当然ながら家庭で使用する場合は騒音対策は必須。受注生産だったため今では新品を手に入れるのは難しい。 --ポプコン2については簡素な作りのため叩いている感覚がやや薄く、サイズ等も初代ポプコンと同様のためアーケードとの違いが大きいものの、2ではボタンの表面が丸みを帯びており初代の超反応も改善されているため、操作性自体は良好になっている。ただ、やはり叩いた時の音はそれなりに響くため、騒音対策はやはり必須である。 ---後にPC用にリリースされた実質的な家庭用新作「Lively」ではリリースに合わせて専用のアケコンが(ポプコン同様の小型のもの含めて)制作された。こちらは騒音対策により配慮した作りになっていると喧伝されているが、こちらは据え置き機との互換性はない。 --なお、初代ポプコンも含めPS・PS2に対応しているが、PS3には非対応((非公式の変換アダプタを使えば使用は可能であるが、当然動作保証はされていない。またPS3本体はPSのソフトへの互換性があるが、PS2のソフトに対する互換性は極初期の特定の型番のみに限られる上、個体差があるらしく該当の型番を使っても使用できるとは限らない点に注意。))。また、DC版の方は初代ポプコンしか出ていない。 -その後もシリーズを重ね、現在ではナンバリングだけで20作以上を重ねる長寿シリーズとなっている。 -当初はマリィとキングが主人公であり、ミミとニャミは本作の案内役という位置付けであった。~ その後シリーズを重ねるに連れてミミニャミの方がメインキャラとして全面に押し出されるようになり、前記の2人は出番が薄くなっている。 --実際のゲームでのデフォルトキャラクターはマリィやキングであり初期シリーズでのポスターでもこの2人が押し出されていたものの、ゲームのタイトル画面や家庭用のゲームパッケージでは常にミミとニャミの方が大きく目立っていたことも関係していると思われる。そのためか、『[[ポップンミュージック9]]』以降はデフォルトキャラクターもミミに変更されている。

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