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#contents ---- *バーチャファイター 【ばーちゃふぁいたー】 |ジャンル|対戦格闘| |対応機種|アーケード(MODEL1)| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス| |発売日|1993年9月| |基板|MODEL1| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |>|CENTER:''[[バーチャシリーズ]]''| ---- **概要 世界初の3D対戦格闘ゲーム。~ それまでメジャーであった2D格闘ゲームに代わり、「3Dで表現された立体空間内で繰り広げられる、3Dグラフィックによって表現されたキャラクター同士のリアルな殴り合いと駆け引き」というテーマをシリーズ初作ながら高いレベルで実現し、後年の3D対戦格闘ゲームブームの礎を築き上げた金字塔である。 **特徴 ''斬新なコンセプト・システムの数々。'' -"''3D格闘ゲームであること''"。現在では何ら珍しくなく、格闘ゲームには2Dと3Dがあると当たり前のように思われているが、その3D格闘ゲームの起源が本作である。 -ポリゴンと言う言葉を世に定着させた作品。滑らかに動くキャラクターの重みのある格闘体験は独自性と新規性の高みにいた。 --初期のプレイ感覚は2D寄りだったが、シリーズを経る毎に「奥行き」という概念もゲーム内容に組み込まれるようになっていった。 -「初心者でも熟練者と戦える」「操作の上手さではなくセンスで勝負する」がコンセプト。 ---パンチ、キック、ガードのみのシンプルな操作と駆け引きの面白さはシリーズ通しての基礎。 ---「間合い」と上中下段、「打撃」「ガード」「投げ」の3すくみというように、基本的なゲーム性は駆け引きを重視したものとなっている。 --技コマンドはレバー1方向+ボタンが大半で覚えやすい。コマンド入力が苦手な人にもやさしい構成。 //---技数が少なかった初期は技のバランスについても疑問を呈される点はなくはなかったが、これもシリーズを経るごとに洗練されてゆく。 //---「鉄山靠」などの、状況限定ながらすさまじい威力を出す技も存在した。体力の減りに魅せられた人も多いが、続編が出るにしたがってそういった「一撃必殺技」は減っていった。 ---これに合わせてか、本シリーズは技表は攻略本以外では一切公開しないという方針を取っていた。「アキラのPPPKやヒザ蹴り」「スプラッシュマウンテン((本来「スプラッシュマウンテン」はトーキックを当てた直後のみ使える特殊な投げ技であり、いきなりは出せないはずだった。後に『5FS』で本来想定していた仕様になった(壁投げには直接出せるものもある)。))」等のバグによって使える技も存在していた。 -キャラクターの格闘スタイルに八極拳やジークンドー、続編では蟷螂拳等の、他ではあまり採用されていなかった拳法を採用した点。 --実在の格闘技を基にしたモーションキャプチャ(始めはセガの社員が担当していた)による動きのリアルさはさることながら、あえて飛び道具などの現実離れしすぎた技は一切取り入れなかった点も斬新であった。 -両端に壁が無いリングも特徴。当時としては珍しいリングアウトを標準採用している。 **評価点 -本作がインパクトだけの作品に終わらなかったのは、単純ながら奥深いゲームバランスが1作目にして出来上がっていたことにある。 --接近した状態で先に動ける(フレーム的に有利)側が攻撃側、後から動く(フレーム的に不利)側が防御側となり、攻撃がヒットしなかった時にお互いのターンが入れ替わるような構造となっており、また先の3すくみに象徴されるように技や防御行動の相性がきちんと作られている。~ このように「高速ジャンケン」とも例えられる接近戦での連続した駆け引きによるテンポの良い展開や密度の濃い対戦が本シリーズの特徴である。 --対戦が進むにつれ、技の発生フレームや技後のどちらが何フレーム先に動けるかという知識を理解し、確実にダメージを取れる場面を把握するといった「フレーム単位の攻防」も形成されていった。 //---ただし初期作は「しゃがみパンチ」というリアルさから見てもイレギュラーな存在が強すぎる嫌いがあり、しゃがみパンチの扱いは3D格闘ゲームの積年の問題となっていく((尤もストII以降の格ゲーは大概しゃがみ状態が有利だったのだが…。))。しゃがみ対応投げが未実装の本作ではしゃがんでいれば(一部技を除き)投げられないと言う利点もある(一応、中段技があるので無敵ではない)。 ---補足として初代作は秒間30フレーム描写で、今日的に見るとなんだかんだもっさりしている。 //--プロデューサーは相手を殴る際の動きや殴られた時の痛みといったリアルな格闘の感触を実感してもらうため、スタッフ同士で殴り合いをさせたという逸話がある。この逸話は少年マガジンの「ゲームクリエイター列伝」で漫画化されている。 -3D格闘ゲームの基盤となる、それまでになかった数々の要素。これらは後の2D格闘ゲームにも、影響を与える事となる。 --出の素早い中段を積極的に採用する事により、2D格ゲーでいう「しゃがみ安定」のような状態が存在せず、駆け引きがより濃く出るようになった。 --空中やダウン時でも当たり判定が存在する。特に空中コンボは、以後の格闘ゲームの大きな魅力の一つとなる。またダウン中には専用のダウン攻撃を使える。 --技は単発なものだけでなく、一連の連携として構成されている物が多く、さらに複数ルートの派生を持つものもある。これも読み合いを深くした。 --ジャンプが大小の2種類ある。もっとも本作では、大ジャンプがそれほど生かされる事はなかったが。 -ラスボスのデュラルは他のキャラクターと一線を画するグラフィックとなっており、当時としては表現が難しい滑らかな丸みのあるデザインをしている。 --歴代を通じて女性型((直線と曲線では当然、曲線のほうが表現が難しい。そして男性は体のラインが直線的なのに対し、女性の体は丸みを帯びた曲線的な体型である。))であり、銀色の身体などといった特殊な質感を用いるなど、グラフィック実験的な側面を持ったキャラとなっている。プロデューサー曰く「難しい技術だからこそ、あえて挑戦したい」との意図。 //デュラルの3Dの説明が上手く表せないんで、どなたか代筆お願いします。 **賛否両論点 -初の試みである以上仕方のない事なのだが、初代当時はポリゴンキャラクターに拒否反応を示す人も少なくはなかった。 //--当時の技術の限界とは言え((筐体の値段を度外視するなら当時でも不可能ではないが。))、慣れ親しんだドット絵キャラクターと比較されて「キャラクターが段ボールの工作みたい」「マネキンが動いているみたいで不気味」という意見があった。 //一応削除はせずCC扱いにするが、グラフィックを馬鹿にするのはリアルタイム世代の意見じゃないだろ? //ポリゴンっていうものを知らない人がほとんどだったリアルタイム世代の方がむしろその手の意見は多かったよ。ローテクを馬鹿にしてるんじゃなくて、あまりにも異質なものに対する拒否反応って感じだけど。 //当時の私の上司(非ゲーマー)もサターン版の店頭デモを見て「マネキン」発言してたで -格闘ゲームとして地味。 --これも3D格闘ゲーム自体が今までにない物だったため、既存の派手な格闘ゲームと比較され、「派手な必殺技が無い」等と言われた。 --ただしこの事がリアルに近い(前述した通り近い止まりだが)、格闘ゲームとしてヒットしたとも言える。そのため以後のシリーズでも他シリーズと比べるとやや地味である。 -格ゲーの「必殺技」への問題提起が産み出した二極化。 --「スト2や餓狼シリーズなどの格闘ゲームで一般化した必殺技の出し方は、ライトユーザーへの入り口を狭くしてしまうもの」というアンチテーゼで作られたのがバーチャファイターである。しかし、誰でも簡単操作で格闘ゲームを楽しめるはずが、「独特の複雑さとわかりにくさ」にもなってしまい、これはこれで新たな入り口の狭さと高難易度要素を産み出してしまった。 --そもそも技表を見て、その通りに操作したつもりでも「これは技表の必殺技が出ているんだろうか?この動きがそれなのだろうか?」と、技自体がよくわからないと感じてしまい、何がどうなっているのか理解するヒマも無いまま乱入されたりCPUにやられてしまうというのを理不尽に感じてしまうという壁があった。 --とりあえず適当にボタンとレバーをガチャガチャやっていれば勝つ事もあるが、それはゲームとして楽しい事とは言えないものであるし、自分の思った通りにキャラが動いているのかどうか自体もよくわからない。これらはその後のバーチャファイターシリーズにも言える事で、いくらシリーズが新作になろうとも全く興味を示さなかった新規ユーザーは少なくなかった。本作が提示した新たな格闘ゲームのあり方は、合わない人にはとことん合わなかったのである。 --セガは他にも3D格闘ゲームをいくつか出したが、必殺技の出し方や演出は「一般的な格闘ゲーム」と大差無いものとなり、当時の他社の類似ゲームもほとんどシステムを追随せず、結果的にバーチャファイターは「バーチャファイター」というジャンルのゲームとなってしまった。 **問題点 -3Dである意味が薄い --『3』で軸移動が実装されるまでは、演出的にはともかくゲーム性の面では2D格ゲーのままであり、「グラフィックを3Dに置き換えただけ」という趣が強い。ゲーム的に意味があるのは回し蹴り等で横方向にリングアウトさせた(させられた)時ぐらい。 ---一応、ダウン後の起き上がり方や技の使い方によっては、軸を変える事ができるが、とても自由に動けるとは言えないだろう。 ---本作がポリゴンである事の意義については鈴木裕氏は「位置関係の正確さ、モーションの動き」と答えている。 //-1プレイあたりのプレイ料金が高い。 //--当初は「一般的な筐体ではモニターの性能が足りない」として「メガロ50」筐体とのセット売りしかされなかったため、それが価格に反映されて1プレイ200円と言う『[[スペースハリアー]]』や『[[アフターバーナー]]』の様な大型筐体(専用筐体)ゲーム並みの値段設定にされた。 //--そして1ラウンド30秒。さらに体力ゲージの減りが全体的にかなり大きい上にリングアウトの概念もあるため、1ラウンド10秒以内に終わってしまう事もある。プレイヤーにとっては理不尽な設定である点が否めなかった。 //プレイヤーにとっては、ぼったくりにも程があるものだった。 **総評 格闘ゲームと言えば2Dが常識であった世に放たれた本作は、世界初の3D対戦格闘ゲームという斬新さで絶大なインパクトを与えた。 初代作ということもあり、ゲーム性自体は2次元の範疇を脱しきれていないが、それまでの格闘ゲームにはなかった3Dグラフィックならではの駆け引き要素を入れ込み、後の3D対戦格闘ゲームの基礎的な部分を1作目にしてしっかりとした形で作り上げている。 この存在は業界に大きな影響を与え、後に様々な展開が生み出されると共に、後続の3D対戦格闘ゲームの始祖となった。 ---- *バーチャファイター (CS) 【ばーちゃふぁいたー】 |対応機種|セガサターン&br;メガドライブ(スーパー32X)|&amazon(B000069T66)&br&amazon(B000148ASY)| |メディア|【SS】CD-ROM&br;【MD(32X)】ロムカセット|~| |発売元|セガ・エンタープライセス|~| |発売日|【SS】1994年11月22日&br;【MD(32X)】1995年10月20日|~| |定価|【SS】8,800円&br;【MD(32X)】7,800円(各税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ハードの制約の中で、しっかりした移植&br;ゲーム性も安定|~| |>|>|CENTER:''[[バーチャシリーズ]]''| ---- //一部、明確な理由もなく問題点などがCOされていたので復帰。COし直すなら理由の掲示をお願いします。 **セガサターン版 ***概要(SS) 基本的にはシステム上の大きな変更や追加要素のないベタ移植となっている。 ***問題点(SS) -ネオジオCDほどではないが、ハードの都合上ロード時間が少々長め。 -サターンはハード性能上、ポリゴン描写が不得手なためしかたないが、ポリゴン欠けが多い。 --SS初期のタイトルであるので、開発者自身ハードに不慣れで、SSの性能を目一杯引き出せていなかったためだと思われる。 -ボタン配置をアーケードにした場合はファイティングスティックでの操作がやりにくいという欠点もある。あらかじめ設定された4種類しか選択できず、プレイヤーが自由に変更することは不可能。 --続編である『バーチャファイター2』以降のタイトルでは、自由にボタン配置を変更可能。 //--どちらもリミックスでは改善していただけに、機能的にはこの時点でも不可能ではなかったはずだが…。 //後年の視点からの言及はNGです。 -追加要素の類はない。 --無論、世界初の3D格闘ゲームの移植ということで、そこは致し方ない点ではあるが若干寂しいのは否めない。 ***評価点(SS) -当時のアーケードとコンシューマの関係を考えればしっかりとシステムを移植できている。 -バックアップメモリにも対応しており、CPU戦のランキングが記録されるため、ちょっとしたやりこみにもつながっている。 ***総評(SS) ハード性能うんぬん抜いて、ゲームセンターの花形タイトルが自宅で遊べる、という事もありセガサターンタイトルの中でも「最初のキラータイトル」として名高い。 **メガドライブ(32X)版 ***概要(32X) 基本的にベタ移植だったSS版に対し、若干の追加要素が存在する。 ***問題点(32X) -ハード性能的に仕方ない点ではあるが、サターン版からかなり劣化している。 --ポリゴンは更に劣化し色数も減ってしまい、キャラクターサイズがオリジナル版よりも一回り小さい。 --BGMやボイスの音質もやや貧弱。 ***評価点(32X) -視点変更やトーナメントモードなどの追加要素。 -ROMカセットなのでロードが全くない。 -AC版の操作感覚や感触は遜色なく再現されている。 --技や動きのパターンの削除などもない。 -BGMやボイス演出もハードの性能なりに再現されている。 ***総評(32X) -性能的に厳しいハードながら、その点を考慮すれば''驚異的''と言って差し支えない程に移植度が高く十二分に遊べるクオリティを保っており、サターン版に劣らない程の評価を得た。~ 日本市場におけるスーパー32X最後のソフトでもあり、併せて有終の美を飾るにはふさわしいとも言えよう。 ***余談(32X) -セガ内部で最初期のポリゴンを用いたソフト開発は「メガドライブの基本アーキテクチャを用いて人型を造形する」という所から始まっており、32X版がリリースされた直後「サターンに移植できたことより、拡張ユニットを付けた物とはいえ"メガドライブ"のROMカートリッジとして本作を出せた」という点を評価する者(某雑誌のライターだったバーチャの鉄人)がいた。 ---- ---- //「シリーズの展開」のところは判定丸投げなので削除しました。 //『2』以降の内容に触れているところも一部削除しました。 //判定丸投げではなく、単なる続編紹介。そもそも記事としての体(評価点、問題点などの表記)をなしていないので、通常の記事としてみなすのはおかしい。また一作目に続編の紹介している記事は多数ある。他のシリーズ記事があるならともかく、本シリーズにはない。一作めに続編紹介する事にとりたてて問題はないと思われる。 //だとしても基本情報表の形式を使っている以上1個の記事とみなすのが自然ですので、とりあえずいまの形に書き換えられる前のものに差し替えます。 //1段目となる題字を追加 *(参考)シリーズ余談 **シリーズの展開 #region ''バーチャファイター2'' -1994年稼働開始。グラフィックが大幅に強化され、テクスチャーマッピングの活用によりキャラクターの自然な質感を実現した。描画速度も秒間57.5フレーム((よく60fpsと思われがちだが実際のMODEL2基板の仕様はこれが正確なものである。PS2移植版では描画速度の違いを補完する為、途中に同じグラフィックを2フレーム連続描画するタイミングを挟んでいる。))化し動きも自然なものになった。 -キャラクターが2人追加され、システムに大きな変化は無いが、正当進化といえる完成度でシリーズは全盛期を迎え、社会現象に発展する。その盛況ぶりは夜中のテレビ番組がゲーセンはおろかバーチャの鉄人(今日的に言うとeスポーツプレイヤーか?)に取材に行くほど。 -その後セガサターンに移植され、セガ初の国内ミリオンを達成。 テレビドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」でも題材になり、ドラマ放送に合わせて稼働を開始させたゲームセンターもある模様。 ''バーチャファイターリミックス'' -1995年稼働開始。セガサターン互換基板「ST-V」にて作られた『1』のリメイク。テクスチャ効果で若干グラフィックが『2』に近くなっていたり、キャラ選択画面のイラストが寺田克也氏のものになっていたりという変更があるが、基本的には『1』と同じ。SSへの移植も最初は「セガサターン100万台記念パッケージ」に同梱される形でリリースされ、その後単体版が発売された。 //-だが、すでに『2』が稼働している時期で、しかも『2』の使用基板である『MODEL2』よりも能力的に劣るST-V基板作品で、アーケードではあまり長期間稼働していなかった。 ''バーチャファイターキッズ'' -1996年稼働開始。『リミックス』と同じくST-V基板。『2』をベースに2頭身にリファインされたキャラで戦う。 ''バーチャファイター3'' -1996年稼働開始。新型基板「MODEL3」採用によりさらにグラフィックが進化。キャラクターは2人追加。 -3D特有の「奥行き」を活かすため軸をずらす「エスケープボタン」が追加、レバー+4ボタンとなる等、操作には大きな見直しが入った。 -ステージリングには段差が付いたり広さが異なる等多様化し、リングごとに独特な戦略性ができた。 -新技はもちろん「投げ抜け」をはじめ特殊な操作が多く追加され熟練者の研究と対戦が盛り上がる一方で、ハードルが上がっていく傾向も見られ始めた。 -その後バージョンアップ版の『バーチャファイター3tb(チームバトル)』が登場。ラウンド制から3VS3のチームバトル制にしたもの。家庭用(DC)に移植されたのはこのバージョンである。 ''バーチャファイター4'' -2001年稼働開始。「NAOMI2」基板採用。 --カードシステムとネットワークサービス「VF.NET」の初導入により、名前、連勝記録、段位、アイテム((いわゆるキャラに装備させるカスタマイズアイテム。))等の管理ができるようになった。 --3で追加されたエスケープボタンが廃止され、『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』などと同様の、レバーによる軸移動が導入された。 --「3」で初登場した鷹嵐が本作には登場せず。 ''バーチャファイター4 エボリューション'' -2002年8月稼働開始。 --J6から送り込まれた暗殺者の柔道家・''日守剛''と、好色家なキックボクサーの''ブラッド・バーンズ''の2キャラを新たに追加。 --ゲームバランスの調整・新技の追加をした。 ''バーチャファイター4 ファイナルチューンド'' -2004年7月、『4』の最終形として業務用でのみリリース。 --バランス調整における最も大きな変更点としては、特定のコマンド入力に対して複数の技の中から一つを任意で割り当てられる「技切り替えシステム」が挙げられる。また、対戦だけでなく1人用の楽しさも追求するための要素として「チャレンジモード」が追加され、CPUの思考パターンもより手ごたえのあるものに強化された。さらに、段位システムとは異なる視点からプレイスタイルを評価する「通り名システム」、キャラクターの外観を別人と言えるまでに変化させるような新アイテムの追加など、プレイヤーの個性をよりキャラクターに反映できる作りとなった。 --後にリリースされた『バーチャファイター5 R』とともに、家庭用に移植されることのなかったバージョンでもある。 ''バーチャファイター5'' -2006年7月稼働開始。セガ独自開発の新基板「LINDBERGH」によりさらにグラフィックが華麗で美しくなった。 --新キャラはパイに憧れる猴拳使いの''アイリーン''と、ウルフをライバル視するルチャ・リブレ使いの''エル・ブレイズ''が追加された。 --ゲーム面では軸移動システムがさらに進化。従来の避け行動は「ディフェンシブムーブ」となり、派生行動として相手の側面から接近する「オフェンシブムーブ」が追加、2種類の軸移動が使えるようになった。 --カードデータの閲覧・編集や大会運営支援などの機能を提供する「VFターミナル」や、専用モニターを使用して随時対戦動画などが放送される「VF.TV」に加え、VF.NETでの対戦動画作成サービスといったホスピタリティ面も強化されている。 ''バーチャファイター5R'' -2008年7月稼働開始。移植はされなかった。 --''鷹嵐''が復活し、剛と同じく暗殺者として活動している''ジャン紅條''が新規追加。 --対戦バランスのさらなる調整と、ゲームバランスの大幅な変更が施された。 --VERSION Aからはビンゴフェスタが復活、新たに2部構成となり、前半の1週間は全国のプレイヤーがビンゴを揃えることでビンゴパワーを集める「ビンゴデイズ」や、後半の1週間は集めたビンゴパワーに応じて様々な特典が付いた状態でプレイできる「ハッピーデイズ」が実施される。VERSION Bからは、新たな期間限定イベントとして、全国のプレイヤーが4つの軍に分かれて所属軍ごとの戦績を競い合う「四神大戦」が追加された。 ''バーチャファイター5 ファイナルショーダウン'' -2010年7月稼働開始。 //2013年以降ゲーセンで稼動しているのはほとんどが本作。 --''「初心者にもわかりやすいシンプルさ」「側面攻防の奥深さ」「読み当てた時の爽快感アップ」''を掲げ、ゲームシステムを一新。 --複数投げ抜けに加え『5』最大の特徴だった0フレーム投げと相殺を撤廃、さらに全キャラクター共通して投げコマンドの対応方向がニュートラルと前後のみとなった。これにより、防御行動に関しては汎用性の高い「ガード投げ抜け」が主体となり初心者と中上級者の格差が縮んでいる。 --さらに成功避け+オフェンシブムーブ後は必ず敵側面にいる扱いになり、側面攻防の機会が大幅に増えた。このため、ディフェンシブムーブは純粋な防御ではなく攻撃を意識した行動になったといえる。また全体的にコンボダメージが上昇していることに伴い、体力値が若干引き上げられている。 -2012年6月6日よりPS3/360にて、ダウンロード配信ソフトとして移植されている。 ''バーチャファイター esports''(海外タイトル:『Virtua Fighter 5: Ultimate Showdown』) -2021年6月1日にPS4で配信、6月2日にAC(ALL.Net P-ras MULTI Ver.3)で稼働開始した『5FS』のリメイク((なお、新作が「6」ではなく『5 ファイナルショーダウン』のリメイクなのは、生みの親である鈴木裕氏が「バーチャファイターは5まで」と過去に明言しているからだと思われる。))。『[[龍が如く>龍が如くシリーズ]]』シリーズの「ドラゴンエンジン」を採用。~ ゲームバランスはほぼ『VF5FS』と同一。 //2021年5月27日に発表 #endregion ---- **シリーズ登場キャラクター //1作目キャラにも2作目以降の説明があるため、キャラ紹介を1作目の記事に挿入すると齟齬がでる。だが2作目以降の内容を分離すると、キャラ紹介が2か所に別れ構成がよくない。シリーズ一括で紹介した方がよい。 #region 基本的にゲーム内でストーリーが表示される事は無く、説明書や公式資料のキャラクター設定などで提示されている。~ なお、公式大会・上位プレイヤーの使用キャラなど、そのバージョンで活躍したキャラは次回作でも「元優勝/決勝進出者」とする設定もある。 -''結城 晶(ゆうき あきら)'' --シリーズを通しての主人公、及び1人プレイでの最終ステージの対戦相手。袖の破れた胴着と鉢巻がトレードマークの、八極拳を基盤とした武道の達人。第2回優勝者。 --全シリーズ通して発生速度と威力に優れる打撃と、投げ技・返し技等、あらゆる戦局に対応可能な一通りの技を揃えるオールラウンダー。~ しかし手前・奥の動きに弱い上、コンボで難しい操作を要求されるケースも多く高性能を発揮させるには熟練が必要な、主人公格には珍しい上級者向けのテクニカルキャラとされる。 --決めセリフである''「10年早いんだよ!」''は彼の代名詞。 --他の格ゲーの主人公に近く、本作のストーリーの根幹に関係する悪の組織「J6 (ジャッジメントシックス)」との関係が希薄な求道者((リュウ、覇王丸、愛乃はぁと等、敵らとの因縁が薄い主人公は一定数いる。))。 -''パイ・チェン'' --ラウの娘で、燕青拳使いの女優。 --病気の母を省みず修行ばかりしていた父親・ラウを憎み、彼に勝つ為にトーナメントに参加する。しかし後に彼が不治の病であることを知り、彼を止めるために参戦…と目的が変わる。 --シリーズ初期から中期にかけては、非力さを優れたスピードで補う戦いが主体だったが、『5』からは打撃技・投げ技が大幅に強化され、返し技も習得している。 --『2』での決め台詞は「あなたには功夫(クンフー)が足''ら''ないわ」だが、それ以降は「あなたには功夫が足''り''ないわ」となっている。 -''ラウ・チェン'' --パイの父であり燕青拳の達人だったが、それだけでは飽き足らずに禁断の虎燕拳の封印を解いた。しかし不治の病に侵されており、虎燕拳の後継者を探すために大会に参加する。第1回優勝者。 --威力に優れたラッシュを得意とし、必要なコマンド入力も高速だが、複雑な要素は少なく初心者にも比較的扱いやすい。 -''ウルフ・ホークフィールド'' --悪夢の真意を突き止めるべくトーナメントに出場する。アキラとの戦いを毎回楽しみにしているプロレスラー。最近はエル・ブレイズにライバル視されている。 --発生は遅いが威力の高い打撃技と、豊富かつ強力な投げ技を持っているキャラ。''特に「ジャイアントスイング」は全キャラ中最強の威力を誇るコマンド技。'' -''ジェフリー・マクワイルド'' --自称パンクラチオン使いの巨漢漁師。ライバルのサタンシャーク(巨大なサメ)を釣りあげることが夢。 --魚群探知機を買う為の資金を得る為に大会に参加する。『5』ではそのサタンシャークがJ6に捕獲された噂を聞き、真相を確かめるべく大会に参加する。 --隙は大きいが威力の高い技を揃えているハイリスク・ハイリターンなキャラだが、最近のシリーズでのキャラランクは上位に位置している。 -''影丸(かげまる)'' --葉隠流柔術使いの忍者。変則的な技を多数持っているが、安定したキャラ性能と使用人口を誇る。第3回大会優勝者・第4回大会決勝進出者。 --J6の手によってデュラルにされてしまった母・月影を救う為に大会に参加する。J6との因縁が深いキャラの1人。 --声を演じるのはセガ社員であり「日本一歌の上手いサラリーマン」の異名を持つ光吉猛修氏。 --ステレオタイプの忍者キャラと言う事もあってか、海外では人気が高いキャラ。 -''サラ・ブライアント'' --ジャッキーの妹であり、マーシャルアーツ使いの女性格闘家。 --J6には拉致されたり洗脳されたりと、因縁が深いキャラの1人。 --優れた素早さを活かした攻撃型のキャラクター。操作が比較的簡単で、初心者にも扱いやすい。 -''ジャッキー・ブライアント'' --サラの兄で、ジークンドーの使い手のインディーカーレーサー。 --J6に妹のサラを誘拐されたり、本業のレース活動でも妨害をされたりと公私共にJ6に被害を受けているキャラ。そのJ6に業を煮やし、組織の壊滅のために大会に参加する。 --比較的簡単な操作方法ながら、トリッキーかつ破壊力の高い打撃技と性能のよい投げ技を併せ持ち、人気が高いキャラクター。 -''舜 帝(シュン・ディ)'' --『2』で初登場。酔拳使いの格闘家。行方知れずの愛弟子を探す為に大会に参加。第4回大会・決勝進出者。 -- 腰にある酒を飲むと徐々にパワーアップし、攻撃力や使える技が増えていくという、シリーズでも屈指の変則的なキャラクター。~ トリッキーな動きで相手を翻弄し、隙をみて酒を飲んでいくことがポイント。勝利後に勝ちポーズをキャンセルして飲む事さえ出来る。 -''リオン・ラファール'' --『2』で初登場。蟷螂拳の達人にして大富豪の御曹司。『5R』で参戦したジャンと幼馴染みである。 --素早さとトリッキーさが特徴のキャラクター。低い姿勢を活かしてチクチクと攻め、機を見て威力の高い投げ技を決めていく。動きにクセが強い。 -''梅小路 葵(うめのこうじ あおい)'' --『3』で初登場。合気柔術使いの京都出身の高校生。 --『5』では女性と見れば口説くような軽薄な振る舞いをするブラッドを許せないでいると共に、ライバル視しているという因縁ストーリーがついた。 --合気道よろしく多数の返し技を持ち、ゲーム中の全ての技に対応できる。 -''鷹嵐(たかあらし)'' --『3』で初登場した横綱力士。裏世界のアメリカ人との勝負がきっかけで第3回トーナメントに参加するも惨敗。第5回トーナメントではその屈辱をバネにリベンジに挑む。 ---『4』と『5』無印には登場しなかったが((ストーリー上では本職の力士として活躍しており、九場所連続優勝という大記録を果たしたという設定になっている。))、『5R』で復活を果たした。 --巨体ゆえに打撃技・投げ技共に非常に高い破壊力を持つが、その代償として通常動作の緩慢さと当たり判定の大きさも目立つ、両極端なキャラクターである。 ---『3』では一部のダウン技を受けても倒れないという特性を持ち、その為に他キャラクターでは決まらないような連続攻撃を受けてしまうという弱点もあったが、『3tb』以降は通常キャラと同様にダウンするようになった。また、『3』ではジャンプが不可能であったが、『3tb』以降では可能となった。 -''雷飛(レイフェイ)'' --『4』で初登場した少林拳使いの僧侶。ラウが解いた禁断の虎燕拳を封印する任務を受けてトーナメントに出場するも成し遂げられず。~ 虎燕拳に未練を無くし、自分に対立する者達を倒して行く事により、自分が所属していた組織から再び評価を貰おうとする為に、再びトーナメントへ参加する。 --様々な構えからトリッキーな動きで相手を翻弄する。強力な捌き技が印象的。 -''ベネッサ・ルイス'' --『4』で初登場した私設SPの一員で、サラの警護を務めるバーリトゥード系ファイター。~ 幼少時にJ6の研究施設から特殊部隊によって救出され、以後その隊長を養父として育つ。成人後、養父がJ6の手によって任務中に殺害されたため、犯人を突き止めるべく大会に参加する。 --「ディフェンシブ」と「オフェンシブ」の2種類のスタイルを任意で切り替えて戦う。 -''日守 剛(ひのがみ ごう)'' --『4 エボリューション』で初登場。J6から送り込まれた柔道・古武術家の暗殺者。 --柔道使いらしく強力な投げ技を主力とするが、打撃技も得意とし、相手の打撃技を捌きつつ攻撃できる技や、打撃から投げに繋がる技を数多く持つ。 -''ブラッド・バーンズ'' --『4 エボリューション』で初登場。好色家なキックボクサー。『5』では葵とライバル関係になっている。 --特殊移動からの素早い動きとリーチの長い足技で攻める、打撃攻撃に特化したキャラクター。~ 投げ技は物足りないが難度の高い操作はさほどない為、初心者でも扱いやすい部類に入る。 -''エル・ブレイズ'' --『5』で初登場。ウルフをライバル視する、ルチャリブレ使いの覆面ジュニアヘビー級プロレスラー。 --走りや前転からの選択が重要なダメージ源となる、メキシカンプロレス系統のキャラ。軽い部類だが空中コンボが入りにくい。 -''アイリーン'' --『5』で初登場。パイに憧れる猴拳使い。 --軽量級ならではの素早さにシュンのようなトリッキーさを加えたキャラ。キャンセル行動と呼ばれる、特定の技・構えから派生する2Dコンボゲーのような連携技を持つ。 -''ジャン紅條(ジャン くじょう)'' --『5R』で初登場。リオンの幼馴染みで、彼が蟷螂拳を習得するきっかけを作った人物でもあるが、その直後にJ6による拉致洗脳を受け、現在はゴウと同じく暗殺者として活動。第4回トーナメント(『4 エボリューション』)でゴウが任務に失敗した為、新たなる刺客として第5回トーナメントに送り込まれた。 --連携の途中で技の動作を溜めることができ、そこから中段・下段への派生、また連携を中止することで相手を翻弄しつつ、威力の高い単発技や連撃を決めていく戦い方を得意とする。 -''デュラル'' --シリーズを通してCPU専用キャラ((VF2.1および各家庭版では隠しキャラ。))である、銀色の女性型サイボーグ。J6の主力兵器として開発が進められており、『3』以降は月影(影丸の母親)を素体としながら、サラやベネッサのデータも取り込んでいる。 --金属製ということで非常に重く、空中コンボが決まりにくい。加えて全てのキャラクターから技を厳選して組み合わされた良いとこ取りのキャラクター。 --1人プレイで全ステージクリア後に登場するボーナスステージでの対戦相手で、タイム集計外・負けてもスタッフロールは流れる等の特殊仕様になっている。 --『2』のみ水中で戦う為、彼我のモーション速度が遅くなった状態となっていた。~ 『4』では体が''光学迷彩塗装''になっており、非常に見づらい戦いを強いられる。『5』では石像等といった複数の体色が登場し、戦績によって変化する。 ---メタ的にはこのキャラはシリーズを通して、システム基板のベンチマークやグラフィックデモといった実験成果の役割を担っている。 #endregion ---- **余談 ***本作が与えた影響 -3D格闘という新しいジャンルを作った今作はゲーム業界の内外に様々な影響を与えた。 --ナムコの『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』や、テクモの『[[DEAD OR ALIVE>DEAD OR ALIVEシリーズ]]』といった3D格闘ゲームが続々と作られ、さらにそれら派生作に影響を受けたゲームも増えていった。 --2D格闘の雄である『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』『[[サムライスピリッツ>サムライスピリッツシリーズ]]』等にも3D作品が出るようになった。 //--バーチャファイターは『4』からだが、JAMMAから新JAMMAに変わる過渡期が重なり、急速に新しいインターフェースに変わるきっかけになった。 //---当時、『4』が大きな店にもかかわらず数日遅れたりした所があるのは、この新JAMMAインターフェースパーツが間に合わなかった所が多々あったのも原因((中には、新JAMMA→旧JAMMA変換ボードが必要だと熟知していなかった店も多かった。特に導入でセガ筐体を使用しなかった店がその傾向。セガは他社より新JAMMAベースを先んじて出荷していた為。))。 --また、ネットワークをゲームセンターに広めたのも『4』から。ちなみに、当時はADSLもあったがISDNでの導入も多かった((当時『4』のネットワークは「ISDNも可」だった。))。 -このゲームの優秀なプレーヤーは「バーチャの鉄人」と呼ばれ一時期、かつての高橋名人や現在のプロゲーマーのような有名人となった。 --「新宿ジャッキー」「柏ジェフリー」「ブンブン丸」「池袋サラ」「キャサ夫」「ちび太」等がそれであり、全盛期にはTVで彼らのドキュメンタリーが放送されるほどだった。 ---今のようにネットで気軽に攻略情報や対戦動画を見ることができなかった時代であったため、トッププレイヤー達の存在場所や攻略法など、このゲームにハマった人々が求める「情報」への情熱はすさまじいものがあった。~ 対戦格闘ゲームゆえの負の側面も多々あれど、ゲーセンのコミュニティを進化・発展させ、様々な場所への交流を促したという点においても、本作は無視できない影響力を持っていたといえる。 -人気を背景に後にアニメ化もされた。本作の前日談を描いた作品で、オリジナルキャラも多数登場する。 --キャラクターデザインはゲーマーには『[[スーパーリアル麻雀>スーパーリアル麻雀シリーズ]]』でお馴染みの田中良氏。 --後期主題歌「愛がたりないぜ」は本作で影丸役を務めている光吉猛修氏が歌っており、氏の代表曲のひとつとなっている。 --アニメ冒頭のナレーション「人は彼をバーチャファイターと呼ぶ!」という、作中全く呼ばれない呼び名がネタ的な意味で有名。 -アキラの勝利セリフである「''10年早いんだよ!''」は一般層にも有名な名台詞((SS版のCMでこのシーンが流れた事も一因。))。『2』からアキラ役を務めている三木眞一郎氏はこのゲームから一気に知名度を上げた。 -世の中の有名人に与えた影響も大きい。 --一例として『そばかす』で有名なJUDY AND MARYが発表した楽曲『The Great Escape』に「あたしのボディはまるでバーチャファイターのZone2」という歌詞がある。 --『2』が出た当時、人気ヤンキー漫画『カメレオン』を連載していた加瀬あつし氏は本作の熱狂的なプレイヤーであり、著名な大会にわざわざ自分で出場するほど入れ込んでいた。 ---漫画の中にも『バーチャファイター』が登場している。また、漫画の中で「坂本」というキャラが「ブラストシティ筐体に入ったバーチャ2を所有している」シーンがあるが、これは「''実際に作者の加瀬あつし氏が自宅に筐体を持っていた''」ことから((当然、当時はかなりの金額で取引されていた。))描かれたシーンであることを、後年の作品のあとがきで記している。 --イラストレーター・漫画家として有名ないのまたむつみ氏も、本作の熱狂的なファンであった。『2』の全盛期に筐体を自宅に所持し、ゲーセンに1日中入り浸って対戦することも珍しくなかったという。 -1998年に本シリーズが「''コンピュータソフトウェアとして歴史的な足跡を残した''」ことを評価され、各種資料が米国スミソニアン博物館に展示・保存されている。 ***番外編、客演 -『2』を子供向けにキャラクターをデフォルメした『バーチャファイターキッズ』が発売された。ゲームバランスも子供や格闘ゲーム未体験者向けに調整されており、適当に操作しても一定の技が繰り出せるようになっている。 --大塚ベバレジ(現・大塚食品)とのタイアップ広告があり、舜帝が飲む酒がジャワティーに差し替えられている。 -同じセガ・AM2研製作の3D格闘ゲームである『ファイティングバイパーズ』とコラボしたお祭りゲーの『ファイターズメガミックス』が発売された。~ 『2』のキャラが全員参戦している他、隠しキャラとして『キッズ』仕様のアキラ、サラや''『1』の没キャラクターである剣使いの「シバ」''だけでなく、『[[デイトナUSA]]』からホーネット号''(自動車)''まで登場している。 --ちなみに、逆にデイトナUSAにはジェフリーの像があるが、逆走すると逆立ちし、またスタートボタンで回るというお遊びがある。 -セガサターンで発売されたプロレスゲーム『全日本プロレスFEATURING VIRTUA』にて、ウルフとジェフリーがゲスト出演。この縁で、全日本プロレスに参戦していたマスクマンのザ・ラクロスが「ウルフ・ホークフィールド」と改名しコスチュームやメイクもウルフになりきって実在のレスラーとしてリングに上がったことがある。 --続編のジャイアントグラム(DC)ではウルフとジェフリーに加え、影丸と上記のラクロス扮したウルフもゲストとして参加(続編のジャイアントグラム2000ではVFウルフ、ジェフリー、影丸は不参加)。 -スピンオフ作品としてPS2にて『バーチャファイター サイバージェネレーション~ジャッジメントシックスの野望~』が発売されている。~ 基本的に登場人物は全員オリジナルでありジャンルもアクションゲームである。本編の格闘家たちはデータとして登場するがきちんと台詞があり、主人公にそれぞれの技を伝授する役割となっている。 --また、シリーズの本編では断片的にしか語られなかった敵組織「J6」に深く関係するストーリーとなっている。 -カプコン・バンダイナムコゲームス・セガの三社の作品が共演する『[[PROJECT X ZONE]]』にセガ代表としてアキラとパイが参戦し、敵として『5』のデュラルが登場した。劇中のモーションを忠実に再現している他、『ストリートファイター』『鉄拳』との共演が実現した。 --続編である『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』には影丸も参戦している。 -コーエーテクモゲームスの3D格ゲー『[[DEAD OR ALIVE 5]]』にアキラ、パイ、サラがゲスト参戦。続編の『Ultimate』にはジャッキーも参戦した。 -同社の2D格ゲー『[[電撃文庫 FIGHTING CLIMAX]]』のラスボスとしてアキラとパイが登場((正確にはラスボスが作りだした分身。))、家庭用版ではプレイアブルキャラとして使用できる。 --『バーチャファイター』と電撃文庫が共に20周年なのに合わせてか「''20年早いんだよ!''」という台詞が追加されている。 -同社のショートアニメ『Hi☆sCoool!セハガール』にて第1回目のテーマとして本作が取り上げられた。前述の著名プレイヤーなどのネタが取り上げられている。 --特にジェフリーは謎のプッシュを受け、要所要所で登場するという異例の扱いを受けた。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』第5作目にあたる『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』では本作登場時のローポリ仕様のアキラがアシストフィギュアとスピリットで登場している。 //-『バーチャファイター』の開発時にプログラムで行き詰まった時に、就寝中に夢の中でその解決法が降りてくると謎のスピリチュアルな事を鈴木裕氏が語っている。この件はこれまでのゲームでも何度かあり、チーム内でも認められている((「ゲームクリエイター列伝」/少年マガジンコミックスより。))。 ---- //-3D対戦格闘ゲームの始祖と言える本作だが、2010年の『5 ファイナルショーダウン』以降新作は作られていない。 //--2017年8月には、[[『鉄拳』が「最も長く続く3D対戦型格闘ビデオゲームシリーズ」としてギネス世界記録に認定され>https://www.4gamer.net/games/265/G026532/20170831051/]]、本作が休眠IPである事が間接的に証明される等((本シリーズが始まったのが1993年なのに対し、『鉄拳』の方は1994年である。))、後発の作品に大きく後れを取っているのが実情である。 //-よく指摘されるのが「5のシステムが不評」というのがある。たしかにセガにとっては思っていた売れ方では無かったのだが、そこからバッサリとチームを解散させてしまったのがカプコンやナムコとの社風の違いもある((たしかに、セガにブランド力のある資産が残ってなさすぎという指摘は前々からされている。))。他社の格闘ゲームと比較しても伸びしろが殆ど無いのと、新参者が生まれにくい育ち方をした等も指摘される所。
#contents ---- *バーチャファイター 【ばーちゃふぁいたー】 |ジャンル|対戦格闘| |対応機種|アーケード(MODEL1)| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス| |発売日|1993年9月| |基板|MODEL1| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |>|CENTER:''[[バーチャシリーズ]]''| ---- **概要 世界初の3D対戦格闘ゲーム。~ それまでメジャーであった2D格闘ゲームに代わり、「3Dで表現された立体空間内で繰り広げられる、3Dグラフィックによって表現されたキャラクター同士のリアルな殴り合いと駆け引き」というテーマをシリーズ初作ながら高いレベルで実現し、後年の3D対戦格闘ゲームブームの礎を築き上げた金字塔である。 **特徴 ''斬新なコンセプト・システムの数々。'' -"''3D格闘ゲームであること''"。現在では何ら珍しくなく、格闘ゲームには2Dと3Dがあると当たり前のように思われているが、その3D格闘ゲームの起源が本作である。 -ポリゴンと言う言葉を世に定着させた作品。滑らかに動くキャラクターの重みのある格闘体験は独自性と新規性の高みにいた。 --初期のプレイ感覚は2D寄りだったが、シリーズを経る毎に「奥行き」という概念もゲーム内容に組み込まれるようになっていった。 -「初心者でも熟練者と戦える」「操作の上手さではなくセンスで勝負する」がコンセプト。 ---パンチ、キック、ガードのみのシンプルな操作と駆け引きの面白さはシリーズ通しての基礎。 ---「間合い」と上中下段、「打撃」「ガード」「投げ」の3すくみというように、基本的なゲーム性は駆け引きを重視したものとなっている。 --技コマンドはレバー1方向+ボタンが大半で覚えやすい。コマンド入力が苦手な人にもやさしい構成。 //---技数が少なかった初期は技のバランスについても疑問を呈される点はなくはなかったが、これもシリーズを経るごとに洗練されてゆく。 //---「鉄山靠」などの、状況限定ながらすさまじい威力を出す技も存在した。体力の減りに魅せられた人も多いが、続編が出るにしたがってそういった「一撃必殺技」は減っていった。 ---これに合わせてか、本シリーズは技表は攻略本以外では一切公開しないという方針を取っていた。「アキラのPPPKやヒザ蹴り」「スプラッシュマウンテン((本来「スプラッシュマウンテン」はトーキックを当てた直後のみ使える特殊な投げ技であり、いきなりは出せないはずだった。後に『5FS』で本来想定していた仕様になった(壁投げには直接出せるものもある)。))」等のバグによって使える技も存在していた。 -キャラクターの格闘スタイルに八極拳やジークンドー、続編では蟷螂拳等の、他ではあまり採用されていなかった拳法を採用した点。 --実在の格闘技を基にしたモーションキャプチャ(始めはセガの社員が担当していた)による動きのリアルさはさることながら、あえて飛び道具などの現実離れしすぎた技は一切取り入れなかった点も斬新であった。 -両端に壁が無いリングも特徴。当時としては珍しいリングアウトを標準採用している。 **評価点 -本作がインパクトだけの作品に終わらなかったのは、単純ながら奥深いゲームバランスが1作目にして出来上がっていたことにある。 --接近した状態で先に動ける(フレーム的に有利)側が攻撃側、後から動く(フレーム的に不利)側が防御側となり、攻撃がヒットしなかった時にお互いのターンが入れ替わるような構造となっており、また先の3すくみに象徴されるように技や防御行動の相性がきちんと作られている。~ このように「高速ジャンケン」とも例えられる接近戦での連続した駆け引きによるテンポの良い展開や密度の濃い対戦が本シリーズの特徴である。 --対戦が進むにつれ、技の発生フレームや技後のどちらが何フレーム先に動けるかという知識を理解し、確実にダメージを取れる場面を把握するといった「フレーム単位の攻防」も形成されていった。 //---ただし初期作は「しゃがみパンチ」というリアルさから見てもイレギュラーな存在が強すぎる嫌いがあり、しゃがみパンチの扱いは3D格闘ゲームの積年の問題となっていく((尤もストII以降の格ゲーは大概しゃがみ状態が有利だったのだが…。))。しゃがみ対応投げが未実装の本作ではしゃがんでいれば(一部技を除き)投げられないと言う利点もある(一応、中段技があるので無敵ではない)。 ---補足として初代作は秒間30フレーム描写で、今日的に見るとなんだかんだもっさりしている。 //--プロデューサーは相手を殴る際の動きや殴られた時の痛みといったリアルな格闘の感触を実感してもらうため、スタッフ同士で殴り合いをさせたという逸話がある。この逸話は少年マガジンの「ゲームクリエイター列伝」で漫画化されている。 -3D格闘ゲームの基盤となる、それまでになかった数々の要素。これらは後の2D格闘ゲームにも、影響を与える事となる。 --出の素早い中段を積極的に採用する事により、2D格ゲーでいう「しゃがみ安定」のような状態が存在せず、駆け引きがより濃く出るようになった。 --空中やダウン時でも当たり判定が存在する。特に空中コンボは、以後の格闘ゲームの大きな魅力の一つとなる。またダウン中には専用のダウン攻撃を使える。 --技は単発なものだけでなく、一連の連携として構成されている物が多く、さらに複数ルートの派生を持つものもある。これも読み合いを深くした。 --ジャンプが大小の2種類ある。もっとも本作では、大ジャンプがそれほど生かされる事はなかったが。 -ラスボスのデュラルは他のキャラクターと一線を画するグラフィックとなっており、当時としては表現が難しい滑らかな丸みのあるデザインをしている。 --歴代を通じて女性型((直線と曲線では当然、曲線のほうが表現が難しい。そして男性は体のラインが直線的なのに対し、女性の体は丸みを帯びた曲線的な体型である。))であり、銀色の身体などといった特殊な質感を用いるなど、グラフィック実験的な側面を持ったキャラとなっている。プロデューサー曰く「難しい技術だからこそ、あえて挑戦したい」との意図。 //デュラルの3Dの説明が上手く表せないんで、どなたか代筆お願いします。 **賛否両論点 -初の試みである以上仕方のない事なのだが、初代当時はポリゴンキャラクターに拒否反応を示す人も少なくはなかった。 //--当時の技術の限界とは言え((筐体の値段を度外視するなら当時でも不可能ではないが。))、慣れ親しんだドット絵キャラクターと比較されて「キャラクターが段ボールの工作みたい」「マネキンが動いているみたいで不気味」という意見があった。 //一応削除はせずCC扱いにするが、グラフィックを馬鹿にするのはリアルタイム世代の意見じゃないだろ? //ポリゴンっていうものを知らない人がほとんどだったリアルタイム世代の方がむしろその手の意見は多かったよ。ローテクを馬鹿にしてるんじゃなくて、あまりにも異質なものに対する拒否反応って感じだけど。 //当時の私の上司(非ゲーマー)もサターン版の店頭デモを見て「マネキン」発言してたで -格闘ゲームとして地味。 --これも3D格闘ゲーム自体が今までにない物だったため、既存の派手な格闘ゲームと比較され、「派手な必殺技が無い」等と言われた。 --ただしこの事がリアルに近い(前述した通り近い止まりだが)、格闘ゲームとしてヒットしたとも言える。そのため以後のシリーズでも他シリーズと比べるとやや地味である。 -格ゲーの「必殺技」への問題提起が産み出した二極化。 --「スト2や餓狼シリーズなどの格闘ゲームで一般化した必殺技の出し方は、ライトユーザーへの入り口を狭くしてしまうもの」というアンチテーゼで作られたのがバーチャファイターである。しかし、誰でも簡単操作で格闘ゲームを楽しめるはずが、「独特の複雑さとわかりにくさ」にもなってしまい、これはこれで新たな入り口の狭さと高難易度要素を産み出してしまった。 --そもそも技表を見て、その通りに操作したつもりでも「これは技表の必殺技が出ているんだろうか?この動きがそれなのだろうか?」と、技自体がよくわからないと感じてしまい、何がどうなっているのか理解するヒマも無いまま乱入されたりCPUにやられてしまうというのを理不尽に感じてしまうという壁があった。 --とりあえず適当にボタンとレバーをガチャガチャやっていれば勝つ事もあるが、それはゲームとして楽しい事とは言えないものであるし、自分の思った通りにキャラが動いているのかどうか自体もよくわからない。これらはその後のバーチャファイターシリーズにも言える事で、いくらシリーズが新作になろうとも全く興味を示さなかった新規ユーザーは少なくなかった。本作が提示した新たな格闘ゲームのあり方は、合わない人にはとことん合わなかったのである。 --セガは他にも3D格闘ゲームをいくつか出したが、必殺技の出し方や演出は「一般的な格闘ゲーム」と大差無いものとなり、当時の他社の類似ゲームもほとんどシステムを追随せず、結果的にバーチャファイターは「バーチャファイター」というジャンルのゲームとなってしまった。 **問題点 -3Dである意味が薄い --『3』で軸移動が実装されるまでは、演出的にはともかくゲーム性の面では2D格ゲーのままであり、「グラフィックを3Dに置き換えただけ」という趣が強い。ゲーム的に意味があるのは回し蹴り等で横方向にリングアウトさせた(させられた)時ぐらい。 ---一応、ダウン後の起き上がり方や技の使い方によっては、軸を変える事ができるが、とても自由に動けるとは言えないだろう。 ---本作がポリゴンである事の意義については鈴木裕氏は「位置関係の正確さ、モーションの動き」と答えている。 //-1プレイあたりのプレイ料金が高い。 //--当初は「一般的な筐体ではモニターの性能が足りない」として「メガロ50」筐体とのセット売りしかされなかったため、それが価格に反映されて1プレイ200円と言う『[[スペースハリアー]]』や『[[アフターバーナー]]』の様な大型筐体(専用筐体)ゲーム並みの値段設定にされた。 //--そして1ラウンド30秒。さらに体力ゲージの減りが全体的にかなり大きい上にリングアウトの概念もあるため、1ラウンド10秒以内に終わってしまう事もある。プレイヤーにとっては理不尽な設定である点が否めなかった。 //プレイヤーにとっては、ぼったくりにも程があるものだった。 **総評 格闘ゲームと言えば2Dが常識であった世に放たれた本作は、世界初の3D対戦格闘ゲームという斬新さで絶大なインパクトを与えた。 初代作ということもあり、ゲーム性自体は2次元の範疇を脱しきれていないが、それまでの格闘ゲームにはなかった3Dグラフィックならではの駆け引き要素を入れ込み、後の3D対戦格闘ゲームの基礎的な部分を1作目にしてしっかりとした形で作り上げている。 この存在は業界に大きな影響を与え、後に様々な展開が生み出されると共に、後続の3D対戦格闘ゲームの始祖となった。 ---- *バーチャファイター (CS) 【ばーちゃふぁいたー】 |対応機種|セガサターン&br;メガドライブ(スーパー32X)|&amazon(B000069T66)&br&amazon(B000148ASY)| |メディア|【SS】CD-ROM&br;【MD(32X)】ロムカセット|~| |発売元|セガ・エンタープライセス|~| |発売日|【SS】1994年11月22日&br;【MD(32X)】1995年10月20日|~| |定価|【SS】8,800円&br;【MD(32X)】7,800円(各税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ハードの制約の中で、しっかりした移植&br;ゲーム性も安定|~| |>|>|CENTER:''[[バーチャシリーズ]]''| ---- //一部、明確な理由もなく問題点などがCOされていたので復帰。COし直すなら理由の掲示をお願いします。 **セガサターン版 ***概要(SS) 基本的にはシステム上の大きな変更や追加要素のないベタ移植となっている。 ***問題点(SS) -ネオジオCDほどではないが、ハードの都合上ロード時間が少々長め。 -サターンはハード性能上、ポリゴン描写が不得手なためしかたないが、ポリゴン欠けが多い。 --SS初期のタイトルであるので、開発者自身ハードに不慣れで、SSの性能を目一杯引き出せていなかったためだと思われる。 -ボタン配置をアーケードにした場合はファイティングスティックでの操作がやりにくいという欠点もある。あらかじめ設定された4種類しか選択できず、プレイヤーが自由に変更することは不可能。 --続編である『バーチャファイター2』以降のタイトルでは、自由にボタン配置を変更可能。 //--どちらもリミックスでは改善していただけに、機能的にはこの時点でも不可能ではなかったはずだが…。 //後年の視点からの言及はNGです。 -追加要素の類はない。 --無論、世界初の3D格闘ゲームの移植ということで、そこは致し方ない点ではあるが若干寂しいのは否めない。 ***評価点(SS) -当時のアーケードとコンシューマの関係を考えればしっかりとシステムを移植できている。 -バックアップメモリにも対応しており、CPU戦のランキングが記録されるため、ちょっとしたやりこみにもつながっている。 ***総評(SS) ハード性能うんぬん抜いて、ゲームセンターの花形タイトルが自宅で遊べる、という事もありセガサターンタイトルの中でも「最初のキラータイトル」として名高い。 **メガドライブ(32X)版 ***概要(32X) 基本的にベタ移植だったSS版に対し、若干の追加要素が存在する。 ***問題点(32X) -ハード性能的に仕方ない点ではあるが、サターン版からかなり劣化している。 --ポリゴンは更に劣化し色数も減ってしまい、キャラクターサイズがオリジナル版よりも一回り小さい。 --BGMやボイスの音質もやや貧弱。 ***評価点(32X) -視点変更やトーナメントモードなどの追加要素。 -ROMカセットなのでロードが全くない。 -AC版の操作感覚や感触は遜色なく再現されている。 --技や動きのパターンの削除などもない。 -BGMやボイス演出もハードの性能なりに再現されている。 ***総評(32X) -性能的に厳しいハードながら、その点を考慮すれば''驚異的''と言って差し支えない程に移植度が高く十二分に遊べるクオリティを保っており、サターン版に劣らない程の評価を得た。~ 日本市場におけるスーパー32X最後のソフトでもあり、併せて有終の美を飾るにはふさわしいとも言えよう。 ***余談(32X) -セガ内部で最初期のポリゴンを用いたソフト開発は「メガドライブの基本アーキテクチャを用いて人型を造形する」という所から始まっており、32X版がリリースされた直後「サターンに移植できたことより、拡張ユニットを付けた物とはいえ"メガドライブ"のROMカートリッジとして本作を出せた」という点を評価する者(某雑誌のライターだったバーチャの鉄人)がいた。 ---- ---- //「シリーズの展開」のところは判定丸投げなので削除しました。 //『2』以降の内容に触れているところも一部削除しました。 //判定丸投げではなく、単なる続編紹介。そもそも記事としての体(評価点、問題点などの表記)をなしていないので、通常の記事としてみなすのはおかしい。また一作目に続編の紹介している記事は多数ある。他のシリーズ記事があるならともかく、本シリーズにはない。一作めに続編紹介する事にとりたてて問題はないと思われる。 //だとしても基本情報表の形式を使っている以上1個の記事とみなすのが自然ですので、とりあえずいまの形に書き換えられる前のものに差し替えます。 //1段目となる題字を追加 *(参考)シリーズ余談 **シリーズの展開 #region ''バーチャファイター2'' -1994年稼働開始。グラフィックが大幅に強化され、テクスチャーマッピングの活用によりキャラクターの自然な質感を実現した。描画速度も秒間57.5フレーム((よく60fpsと思われがちだが実際のMODEL2基板の仕様はこれが正確なものである。PS2移植版では描画速度の違いを補完する為、途中に同じグラフィックを2フレーム連続描画するタイミングを挟んでいる。))化し動きも自然なものになった。 -キャラクターが2人追加され、システムに大きな変化は無いが、正当進化といえる完成度でシリーズは全盛期を迎え、社会現象に発展する。その盛況ぶりは夜中のテレビ番組がゲーセンはおろかバーチャの鉄人(今日的に言うとeスポーツプレイヤーか?)に取材に行くほど。 -その後セガサターンに移植され、セガ初の国内ミリオンを達成。 テレビドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」でも題材になり、ドラマ放送に合わせて稼働を開始させたゲームセンターもある模様。 ''バーチャファイターリミックス'' -1995年稼働開始。セガサターン互換基板「ST-V」にて作られた『1』のリメイク。テクスチャ効果で若干グラフィックが『2』に近くなっていたり、キャラ選択画面のイラストが寺田克也氏のものになっていたりという変更があるが、基本的には『1』と同じ。SSへの移植も最初は「セガサターン100万台記念パッケージ」に同梱される形でリリースされ、その後単体版が発売された。 //-だが、すでに『2』が稼働している時期で、しかも『2』の使用基板である『MODEL2』よりも能力的に劣るST-V基板作品で、アーケードではあまり長期間稼働していなかった。 ''バーチャファイターキッズ'' -1996年稼働開始。『リミックス』と同じくST-V基板。『2』をベースに2頭身にリファインされたキャラで戦う。 ''バーチャファイター3'' -1996年稼働開始。新型基板「MODEL3」採用によりさらにグラフィックが進化。キャラクターは2人追加。 -3D特有の「奥行き」を活かすため軸をずらす「エスケープボタン」が追加、レバー+4ボタンとなる等、操作には大きな見直しが入った。 -ステージリングには段差が付いたり広さが異なる等多様化し、リングごとに独特な戦略性ができた。 -新技はもちろん「投げ抜け」をはじめ特殊な操作が多く追加され熟練者の研究と対戦が盛り上がる一方で、ハードルが上がっていく傾向も見られ始めた。 -その後バージョンアップ版の『バーチャファイター3tb(チームバトル)』が登場。ラウンド制から3VS3のチームバトル制にしたもの。家庭用(DC)に移植されたのはこのバージョンである。 ''バーチャファイター4'' -2001年稼働開始。「NAOMI2」基板採用。 --カードシステムとネットワークサービス「VF.NET」の初導入により、名前、連勝記録、段位、アイテム((いわゆるキャラに装備させるカスタマイズアイテム。))等の管理ができるようになった。 --3で追加されたエスケープボタンが廃止され、『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』などと同様の、レバーによる軸移動が導入された。 --「3」で初登場した鷹嵐が本作には登場せず。 ''バーチャファイター4 エボリューション'' -2002年8月稼働開始。 --J6から送り込まれた暗殺者の柔道家・''日守剛''と、好色家なキックボクサーの''ブラッド・バーンズ''の2キャラを新たに追加。 --ゲームバランスの調整・新技の追加をした。 ''バーチャファイター4 ファイナルチューンド'' -2004年7月、『4』の最終形として業務用でのみリリース。 --バランス調整における最も大きな変更点としては、特定のコマンド入力に対して複数の技の中から一つを任意で割り当てられる「技切り替えシステム」が挙げられる。また、対戦だけでなく1人用の楽しさも追求するための要素として「チャレンジモード」が追加され、CPUの思考パターンもより手ごたえのあるものに強化された。さらに、段位システムとは異なる視点からプレイスタイルを評価する「通り名システム」、キャラクターの外観を別人と言えるまでに変化させるような新アイテムの追加など、プレイヤーの個性をよりキャラクターに反映できる作りとなった。 --後にリリースされた『バーチャファイター5 R』とともに、家庭用に移植されることのなかったバージョンでもある。 ''バーチャファイター5'' -2006年7月稼働開始。セガ独自開発の新基板「LINDBERGH」によりさらにグラフィックが華麗で美しくなった。 --新キャラはパイに憧れる猴拳使いの''アイリーン''と、ウルフをライバル視するルチャ・リブレ使いの''エル・ブレイズ''が追加された。 --ゲーム面では軸移動システムがさらに進化。従来の避け行動は「ディフェンシブムーブ」となり、派生行動として相手の側面から接近する「オフェンシブムーブ」が追加、2種類の軸移動が使えるようになった。 --カードデータの閲覧・編集や大会運営支援などの機能を提供する「VFターミナル」や、専用モニターを使用して随時対戦動画などが放送される「VF.TV」に加え、VF.NETでの対戦動画作成サービスといったホスピタリティ面も強化されている。 ''バーチャファイター5R'' -2008年7月稼働開始。移植はされなかった。 --''鷹嵐''が復活し、剛と同じく暗殺者として活動している''ジャン紅條''が新規追加。 --対戦バランスのさらなる調整と、ゲームバランスの大幅な変更が施された。 --VERSION Aからはビンゴフェスタが復活、新たに2部構成となり、前半の1週間は全国のプレイヤーがビンゴを揃えることでビンゴパワーを集める「ビンゴデイズ」や、後半の1週間は集めたビンゴパワーに応じて様々な特典が付いた状態でプレイできる「ハッピーデイズ」が実施される。VERSION Bからは、新たな期間限定イベントとして、全国のプレイヤーが4つの軍に分かれて所属軍ごとの戦績を競い合う「四神大戦」が追加された。 ''バーチャファイター5 ファイナルショーダウン'' -2010年7月稼働開始。 //2013年以降ゲーセンで稼動しているのはほとんどが本作。 --''「初心者にもわかりやすいシンプルさ」「側面攻防の奥深さ」「読み当てた時の爽快感アップ」''を掲げ、ゲームシステムを一新。 --複数投げ抜けに加え『5』最大の特徴だった0フレーム投げと相殺を撤廃、さらに全キャラクター共通して投げコマンドの対応方向がニュートラルと前後のみとなった。これにより、防御行動に関しては汎用性の高い「ガード投げ抜け」が主体となり初心者と中上級者の格差が縮んでいる。 --さらに成功避け+オフェンシブムーブ後は必ず敵側面にいる扱いになり、側面攻防の機会が大幅に増えた。このため、ディフェンシブムーブは純粋な防御ではなく攻撃を意識した行動になったといえる。また全体的にコンボダメージが上昇していることに伴い、体力値が若干引き上げられている。 -2012年6月6日よりPS3/360にて、ダウンロード配信ソフトとして移植されている。 ''バーチャファイター esports''(海外タイトル:『Virtua Fighter 5: Ultimate Showdown』) -2021年6月1日にPS4で配信、6月2日にAC(ALL.Net P-ras MULTI Ver.3)で稼働開始した『5FS』のリメイク((なお、新作が「6」ではなく『5 ファイナルショーダウン』のリメイクなのは、生みの親である鈴木裕氏が「バーチャファイターは5まで」と過去に明言しているからだと思われる。))。『[[龍が如く>龍が如くシリーズ]]』シリーズの「ドラゴンエンジン」を採用。~ ゲームバランスはほぼ『VF5FS』と同一。 //2021年5月27日に発表 #endregion ---- **シリーズ登場キャラクター //1作目キャラにも2作目以降の説明があるため、キャラ紹介を1作目の記事に挿入すると齟齬がでる。だが2作目以降の内容を分離すると、キャラ紹介が2か所に別れ構成がよくない。シリーズ一括で紹介した方がよい。 #region 基本的にゲーム内でストーリーが表示される事は無く、説明書や公式資料のキャラクター設定などで提示されている。~ なお、公式大会・上位プレイヤーの使用キャラなど、そのバージョンで活躍したキャラは次回作でも「元優勝/決勝進出者」とする設定もある。 -''結城 晶(ゆうき あきら)'' --シリーズを通しての主人公、及び1人プレイでの最終ステージの対戦相手。袖の破れた胴着と鉢巻がトレードマークの、八極拳を基盤とした武道の達人。第2回優勝者。 --全シリーズ通して発生速度と威力に優れる打撃と、投げ技・返し技等、あらゆる戦局に対応可能な一通りの技を揃えるオールラウンダー。~ しかし手前・奥の動きに弱い上、コンボで難しい操作を要求されるケースも多く高性能を発揮させるには熟練が必要な、主人公格には珍しい上級者向けのテクニカルキャラとされる。 --決めセリフである''「10年早いんだよ!」''は彼の代名詞。 --他の格ゲーの主人公に近く、本作のストーリーの根幹に関係する悪の組織「J6 (ジャッジメントシックス)」との関係が希薄な求道者((リュウ、覇王丸、愛乃はぁと等、敵らとの因縁が薄い主人公は一定数いる。))。 -''パイ・チェン'' --ラウの娘で、燕青拳使いの女優。 --病気の母を省みず修行ばかりしていた父親・ラウを憎み、彼に勝つ為にトーナメントに参加する。しかし後に彼が不治の病であることを知り、彼を止めるために参戦…と目的が変わる。 --シリーズ初期から中期にかけては、非力さを優れたスピードで補う戦いが主体だったが、『5』からは打撃技・投げ技が大幅に強化され、返し技も習得している。 --『2』での決め台詞は「あなたには功夫(クンフー)が足''ら''ないわ」だが、それ以降は「あなたには功夫が足''り''ないわ」となっている。 -''ラウ・チェン'' --パイの父であり燕青拳の達人だったが、それだけでは飽き足らずに禁断の虎燕拳の封印を解いた。しかし不治の病に侵されており、虎燕拳の後継者を探すために大会に参加する。第1回優勝者。 --威力に優れたラッシュを得意とし、必要なコマンド入力も高速だが、複雑な要素は少なく初心者にも比較的扱いやすい。 -''ウルフ・ホークフィールド'' --悪夢の真意を突き止めるべくトーナメントに出場する。アキラとの戦いを毎回楽しみにしているプロレスラー。最近はエル・ブレイズにライバル視されている。 --発生は遅いが威力の高い打撃技と、豊富かつ強力な投げ技を持っているキャラ。''特に「ジャイアントスイング」は全キャラ中最強の威力を誇るコマンド技。'' -''ジェフリー・マクワイルド'' --自称パンクラチオン使いの巨漢漁師。ライバルのサタンシャーク(巨大なサメ)を釣りあげることが夢。 --魚群探知機を買う為の資金を得る為に大会に参加する。『5』ではそのサタンシャークがJ6に捕獲された噂を聞き、真相を確かめるべく大会に参加する。 --隙は大きいが威力の高い技を揃えているハイリスク・ハイリターンなキャラだが、最近のシリーズでのキャラランクは上位に位置している。 -''影丸(かげまる)'' --葉隠流柔術使いの忍者。変則的な技を多数持っているが、安定したキャラ性能と使用人口を誇る。第3回大会優勝者・第4回大会決勝進出者。 --J6の手によってデュラルにされてしまった母・月影を救う為に大会に参加する。J6との因縁が深いキャラの1人。 --声を演じるのはセガ社員であり「日本一歌の上手いサラリーマン」の異名を持つ光吉猛修氏。 --ステレオタイプの忍者キャラと言う事もあってか、海外では人気が高いキャラ。 -''サラ・ブライアント'' --ジャッキーの妹であり、マーシャルアーツ使いの女性格闘家。 --J6には拉致されたり洗脳されたりと、因縁が深いキャラの1人。 --優れた素早さを活かした攻撃型のキャラクター。操作が比較的簡単で、初心者にも扱いやすい。 -''ジャッキー・ブライアント'' --サラの兄で、ジークンドーの使い手のインディーカーレーサー。 --J6に妹のサラを誘拐されたり、本業のレース活動でも妨害をされたりと公私共にJ6に被害を受けているキャラ。そのJ6に業を煮やし、組織の壊滅のために大会に参加する。 --比較的簡単な操作方法ながら、トリッキーかつ破壊力の高い打撃技と性能のよい投げ技を併せ持ち、人気が高いキャラクター。 -''舜 帝(シュン・ディ)'' --『2』で初登場。酔拳使いの格闘家。行方知れずの愛弟子を探す為に大会に参加。第4回大会・決勝進出者。 -- 腰にある酒を飲むと徐々にパワーアップし、攻撃力や使える技が増えていくという、シリーズでも屈指の変則的なキャラクター。~ トリッキーな動きで相手を翻弄し、隙をみて酒を飲んでいくことがポイント。勝利後に勝ちポーズをキャンセルして飲む事さえ出来る。 -''リオン・ラファール'' --『2』で初登場。蟷螂拳の達人にして大富豪の御曹司。『5R』で参戦したジャンと幼馴染みである。 --素早さとトリッキーさが特徴のキャラクター。低い姿勢を活かしてチクチクと攻め、機を見て威力の高い投げ技を決めていく。動きにクセが強い。 -''梅小路 葵(うめのこうじ あおい)'' --『3』で初登場。合気柔術使いの京都出身の高校生。 --『5』では女性と見れば口説くような軽薄な振る舞いをするブラッドを許せないでいると共に、ライバル視しているという因縁ストーリーがついた。 --合気道よろしく多数の返し技を持ち、ゲーム中の全ての技に対応できる。 -''鷹嵐(たかあらし)'' --『3』で初登場した横綱力士。裏世界のアメリカ人との勝負がきっかけで第3回トーナメントに参加するも惨敗。第5回トーナメントではその屈辱をバネにリベンジに挑む。 ---『4』と『5』無印には登場しなかったが((ストーリー上では本職の力士として活躍しており、九場所連続優勝という大記録を果たしたという設定になっている。))、『5R』で復活を果たした。 --巨体ゆえに打撃技・投げ技共に非常に高い破壊力を持つが、その代償として通常動作の緩慢さと当たり判定の大きさも目立つ、両極端なキャラクターである。 ---『3』では一部のダウン技を受けても倒れないという特性を持ち、その為に他キャラクターでは決まらないような連続攻撃を受けてしまうという弱点もあったが、『3tb』以降は通常キャラと同様にダウンするようになった。また、『3』ではジャンプが不可能であったが、『3tb』以降では可能となった。 -''雷飛(レイフェイ)'' --『4』で初登場した少林拳使いの僧侶。ラウが解いた禁断の虎燕拳を封印する任務を受けてトーナメントに出場するも成し遂げられず。~ 虎燕拳に未練を無くし、自分に対立する者達を倒して行く事により、自分が所属していた組織から再び評価を貰おうとする為に、再びトーナメントへ参加する。 --様々な構えからトリッキーな動きで相手を翻弄する。強力な捌き技が印象的。 -''ベネッサ・ルイス'' --『4』で初登場した私設SPの一員で、サラの警護を務めるバーリトゥード系ファイター。~ 幼少時にJ6の研究施設から特殊部隊によって救出され、以後その隊長を養父として育つ。成人後、養父がJ6の手によって任務中に殺害されたため、犯人を突き止めるべく大会に参加する。 --「ディフェンシブ」と「オフェンシブ」の2種類のスタイルを任意で切り替えて戦う。 -''日守 剛(ひのがみ ごう)'' --『4 エボリューション』で初登場。J6から送り込まれた柔道・古武術家の暗殺者。 --柔道使いらしく強力な投げ技を主力とするが、打撃技も得意とし、相手の打撃技を捌きつつ攻撃できる技や、打撃から投げに繋がる技を数多く持つ。 -''ブラッド・バーンズ'' --『4 エボリューション』で初登場。好色家なキックボクサー。『5』では葵とライバル関係になっている。 --特殊移動からの素早い動きとリーチの長い足技で攻める、打撃攻撃に特化したキャラクター。~ 投げ技は物足りないが難度の高い操作はさほどない為、初心者でも扱いやすい部類に入る。 -''エル・ブレイズ'' --『5』で初登場。ウルフをライバル視する、ルチャリブレ使いの覆面ジュニアヘビー級プロレスラー。 --走りや前転からの選択が重要なダメージ源となる、メキシカンプロレス系統のキャラ。軽い部類だが空中コンボが入りにくい。 -''アイリーン'' --『5』で初登場。パイに憧れる猴拳使い。 --軽量級ならではの素早さにシュンのようなトリッキーさを加えたキャラ。キャンセル行動と呼ばれる、特定の技・構えから派生する2Dコンボゲーのような連携技を持つ。 -''ジャン紅條(ジャン くじょう)'' --『5R』で初登場。リオンの幼馴染みで、彼が蟷螂拳を習得するきっかけを作った人物でもあるが、その直後にJ6による拉致洗脳を受け、現在はゴウと同じく暗殺者として活動。第4回トーナメント(『4 エボリューション』)でゴウが任務に失敗した為、新たなる刺客として第5回トーナメントに送り込まれた。 --連携の途中で技の動作を溜めることができ、そこから中段・下段への派生、また連携を中止することで相手を翻弄しつつ、威力の高い単発技や連撃を決めていく戦い方を得意とする。 -''デュラル'' --シリーズを通してCPU専用キャラ((VF2.1および各家庭版では隠しキャラ。))である、銀色の女性型サイボーグ。J6の主力兵器として開発が進められており、『3』以降は月影(影丸の母親)を素体としながら、サラやベネッサのデータも取り込んでいる。 --金属製ということで非常に重く、空中コンボが決まりにくい。加えて全てのキャラクターから技を厳選して組み合わされた良いとこ取りのキャラクター。 --1人プレイで全ステージクリア後に登場するボーナスステージでの対戦相手で、タイム集計外・負けてもスタッフロールは流れる等の特殊仕様になっている。 --『2』のみ水中で戦う為、彼我のモーション速度が遅くなった状態となっていた。~ 『4』では体が''光学迷彩塗装''になっており、非常に見づらい戦いを強いられる。『5』では石像等といった複数の体色が登場し、戦績によって変化する。 ---メタ的にはこのキャラはシリーズを通して、システム基板のベンチマークやグラフィックデモといった実験成果の役割を担っている。 #endregion ---- **余談 ***本作が与えた影響 -3D格闘という新しいジャンルを作った今作はゲーム業界の内外に様々な影響を与えた。 --ナムコの『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』や、テクモの『[[DEAD OR ALIVE>DEAD OR ALIVEシリーズ]]』といった3D格闘ゲームが続々と作られ、さらにそれら派生作に影響を受けたゲームも増えていった。 --2D格闘の雄である『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』『[[サムライスピリッツ>サムライスピリッツシリーズ]]』等にも3D作品が出るようになった。 //--バーチャファイターは『4』からだが、JAMMAから新JAMMAに変わる過渡期が重なり、急速に新しいインターフェースに変わるきっかけになった。 //---当時、『4』が大きな店にもかかわらず数日遅れたりした所があるのは、この新JAMMAインターフェースパーツが間に合わなかった所が多々あったのも原因((中には、新JAMMA→旧JAMMA変換ボードが必要だと熟知していなかった店も多かった。特に導入でセガ筐体を使用しなかった店がその傾向。セガは他社より新JAMMAベースを先んじて出荷していた為。))。 --また、ネットワークをゲームセンターに広めたのも『4』から。ちなみに、当時はADSLもあったがISDNでの導入も多かった((当時『4』のネットワークは「ISDNも可」だった。))。 -このゲームの優秀なプレーヤーは「バーチャの鉄人」と呼ばれ一時期、かつての高橋名人や現在のプロゲーマーのような有名人となった。 --「新宿ジャッキー」「柏ジェフリー」「ブンブン丸」「池袋サラ」「キャサ夫」「ちび太」等がそれであり、全盛期にはTVで彼らのドキュメンタリーが放送されるほどだった。 ---今のようにネットで気軽に攻略情報や対戦動画を見ることができなかった時代であったため、トッププレイヤー達の存在場所や攻略法など、このゲームにハマった人々が求める「情報」への情熱はすさまじいものがあった。~ 対戦格闘ゲームゆえの負の側面も多々あれど、ゲーセンのコミュニティを進化・発展させ、様々な場所への交流を促したという点においても、本作は無視できない影響力を持っていたといえる。 -人気を背景に後にアニメ化もされた。本作の前日談を描いた作品で、オリジナルキャラも多数登場する。 --キャラクターデザインはゲーマーには『[[スーパーリアル麻雀>スーパーリアル麻雀シリーズ]]』でお馴染みの田中良氏。 --後期主題歌「愛がたりないぜ」は本作で影丸役を務めている光吉猛修氏が歌っており、氏の代表曲のひとつとなっている。 --アニメ冒頭のナレーション「人は彼をバーチャファイターと呼ぶ!」という、作中全く呼ばれない呼び名がネタ的な意味で有名。 -アキラの勝利セリフである「''10年早いんだよ!''」は一般層にも有名な名台詞((SS版のCMでこのシーンが流れた事も一因。))。『2』からアキラ役を務めている三木眞一郎氏はこのゲームから一気に知名度を上げた。 -世の中の有名人に与えた影響も大きい。 --アニメ映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』制作時にスタッフ達が『バーチャファイター』にハマり、暇を見つけてはゲームセンターに入り浸っていた。『攻殻』でメインアニメーターを務めた黄瀬和哉氏に至っては、&bold(){仕事場を無断で抜け出す}程だった。押井守監督は主人公のバトルシーンを演出する際に絵コンテで&bold(){「『バーチャファイター』の連続技みたいに」}と指定した。 --『そばかす』で有名なJUDY AND MARYが発表した楽曲『The Great Escape』に「あたしのボディはまるでバーチャファイターのZone2」という歌詞がある。 --『2』が出た当時、人気ヤンキー漫画『カメレオン』を連載していた加瀬あつし氏は本作の熱狂的なプレイヤーであり、著名な大会にわざわざ自分で出場するほど入れ込んでいた。 ---漫画の中にも『バーチャファイター』が登場している。また、漫画の中で「坂本」というキャラが「ブラストシティ筐体に入ったバーチャ2を所有している」シーンがあるが、これは「''実際に作者の加瀬あつし氏が自宅に筐体を持っていた''」ことから((当然、当時はかなりの金額で取引されていた。))描かれたシーンであることを、後年の作品のあとがきで記している。 --イラストレーター・漫画家として有名ないのまたむつみ氏も、本作の熱狂的なファンであった。『2』の全盛期に筐体を自宅に所持し、ゲーセンに1日中入り浸って対戦することも珍しくなかったという。 -1998年に本シリーズが「''コンピュータソフトウェアとして歴史的な足跡を残した''」ことを評価され、各種資料が米国スミソニアン博物館に展示・保存されている。 ***番外編、客演 -『2』を子供向けにキャラクターをデフォルメした『バーチャファイターキッズ』が発売された。ゲームバランスも子供や格闘ゲーム未体験者向けに調整されており、適当に操作しても一定の技が繰り出せるようになっている。 --大塚ベバレジ(現・大塚食品)とのタイアップ広告があり、舜帝が飲む酒がジャワティーに差し替えられている。 -同じセガ・AM2研製作の3D格闘ゲームである『ファイティングバイパーズ』とコラボしたお祭りゲーの『ファイターズメガミックス』が発売された。~ 『2』のキャラが全員参戦している他、隠しキャラとして『キッズ』仕様のアキラ、サラや''『1』の没キャラクターである剣使いの「シバ」''だけでなく、『[[デイトナUSA]]』からホーネット号''(自動車)''まで登場している。 --ちなみに、逆にデイトナUSAにはジェフリーの像があるが、逆走すると逆立ちし、またスタートボタンで回るというお遊びがある。 -セガサターンで発売されたプロレスゲーム『全日本プロレスFEATURING VIRTUA』にて、ウルフとジェフリーがゲスト出演。この縁で、全日本プロレスに参戦していたマスクマンのザ・ラクロスが「ウルフ・ホークフィールド」と改名しコスチュームやメイクもウルフになりきって実在のレスラーとしてリングに上がったことがある。 --続編のジャイアントグラム(DC)ではウルフとジェフリーに加え、影丸と上記のラクロス扮したウルフもゲストとして参加(続編のジャイアントグラム2000ではVFウルフ、ジェフリー、影丸は不参加)。 -スピンオフ作品としてPS2にて『バーチャファイター サイバージェネレーション~ジャッジメントシックスの野望~』が発売されている。~ 基本的に登場人物は全員オリジナルでありジャンルもアクションゲームである。本編の格闘家たちはデータとして登場するがきちんと台詞があり、主人公にそれぞれの技を伝授する役割となっている。 --また、シリーズの本編では断片的にしか語られなかった敵組織「J6」に深く関係するストーリーとなっている。 -カプコン・バンダイナムコゲームス・セガの三社の作品が共演する『[[PROJECT X ZONE]]』にセガ代表としてアキラとパイが参戦し、敵として『5』のデュラルが登場した。劇中のモーションを忠実に再現している他、『ストリートファイター』『鉄拳』との共演が実現した。 --続編である『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』には影丸も参戦している。 -コーエーテクモゲームスの3D格ゲー『[[DEAD OR ALIVE 5]]』にアキラ、パイ、サラがゲスト参戦。続編の『Ultimate』にはジャッキーも参戦した。 -同社の2D格ゲー『[[電撃文庫 FIGHTING CLIMAX]]』のラスボスとしてアキラとパイが登場((正確にはラスボスが作りだした分身。))、家庭用版ではプレイアブルキャラとして使用できる。 --『バーチャファイター』と電撃文庫が共に20周年なのに合わせてか「''20年早いんだよ!''」という台詞が追加されている。 -同社のショートアニメ『Hi☆sCoool!セハガール』にて第1回目のテーマとして本作が取り上げられた。前述の著名プレイヤーなどのネタが取り上げられている。 --特にジェフリーは謎のプッシュを受け、要所要所で登場するという異例の扱いを受けた。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』第5作目にあたる『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』では本作登場時のローポリ仕様のアキラがアシストフィギュアとスピリットで登場している。 //-『バーチャファイター』の開発時にプログラムで行き詰まった時に、就寝中に夢の中でその解決法が降りてくると謎のスピリチュアルな事を鈴木裕氏が語っている。この件はこれまでのゲームでも何度かあり、チーム内でも認められている((「ゲームクリエイター列伝」/少年マガジンコミックスより。))。 ---- //-3D対戦格闘ゲームの始祖と言える本作だが、2010年の『5 ファイナルショーダウン』以降新作は作られていない。 //--2017年8月には、[[『鉄拳』が「最も長く続く3D対戦型格闘ビデオゲームシリーズ」としてギネス世界記録に認定され>https://www.4gamer.net/games/265/G026532/20170831051/]]、本作が休眠IPである事が間接的に証明される等((本シリーズが始まったのが1993年なのに対し、『鉄拳』の方は1994年である。))、後発の作品に大きく後れを取っているのが実情である。 //-よく指摘されるのが「5のシステムが不評」というのがある。たしかにセガにとっては思っていた売れ方では無かったのだが、そこからバッサリとチームを解散させてしまったのがカプコンやナムコとの社風の違いもある((たしかに、セガにブランド力のある資産が残ってなさすぎという指摘は前々からされている。))。他社の格闘ゲームと比較しても伸びしろが殆ど無いのと、新参者が生まれにくい育ち方をした等も指摘される所。

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