「機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン」(2022/03/05 (土) 05:15:03) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン 【きどうせんしがんだむ れんぽうばーさすじおん】 |ジャンル|チームバトルアクション|&image2(renji.jpg)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~| |販売元|バンプレスト|~| |開発元|カプコン|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |稼働開始日|2001年3月14日|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムVS.シリーズリンク>ガンダムVS.シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -これ以降長く続くことになるガンダムの"VSシリーズ"の始祖の作品。通称『連ジ』。 -TVシリーズ初代『機動戦士ガンダム』に登場したモビルスーツ(戦闘ロボット)を操縦し、相手チームのモビルスーツと戦うというシンプルなルールだが、原作のイメージを損なわない様に生み出されたゲーム独自のシステムが高い戦略性を生み出している。 -本作稼働当時は、これまでアーケード業界を支えてきた対戦格闘ゲームのムーブが下火になりつつあり、閉店に追い込まれる店が続出するなど業界全体が危機に晒されていた時代だったのだが、本作の登場によりアーケード業界は再び息を吹き返す事になる。当時の月刊アルカディアでの紹介記事によると、何と本作のお陰で閉店の危機を免れた店もあったとの事。 -しかしゲームバランスの面では決してほめられたものではなく、真に良作と呼ぶには少々難のある作品であった。 **特徴 -2on2のチームバトルによる対戦アクションゲーム -「戦力」と「コスト」の概念。 --このゲームでは各機体に「コスト」という数値が設定されており、機体が破壊される際に自軍の「戦力ゲージ」からコスト分の数値が引かれていき、先に「戦力ゲージ」が0になった側が負けとなる。 ---「戦力ゲージ」が0になるまでは何回撃破されても復活して戦えるということであり、単純に性能の高い低いだけでなく、性能×復活回数で機体の強弱を考えなければならないのが特徴である。 ---当然のことではあるが、ガンダムやゲルググといった高性能な機体ほどコストが高く、逆にジムやザクなどの低性能な機体はコストが低いという傾向がある。 -シンプルな操作性。 --MSの操作がわかりやすく、射撃、格闘、ブースト(ジャンプ)、ロックオン((ロックオンすると、全ての攻撃がロックオンした敵に向かうだけでなく、移動もロックオンした敵を基準に行われる。))の4ボタンのみ。 ---- **評価点 -当時としては画期的な2on2のチームバトル。 --対戦格闘ゲームに代表されるような1on1の戦いよりさらに奥の深い駆け引きが生まれることとなった。 -シンプルな操作性により初心者も入りやすい --格闘ゲームにありがちな「コマンド入力の難しさでやりたい事ができない」といった事が起きにくい。 --また、操作部分での腕前の差も出にくく、純粋に2on2による戦略での勝負となっている。 -高い原作再現度。 --ヴォーカル曲と原作BGM、足音にまで細かい気配りとネタがちりばめられている。 --アニメの再現度をそのままに、当時としては非常にリアリティあふれるグラフィックを実現。 ---程よく彩度の低い色調、テクスチャに書き込まれた「汚し」など、近年のVS作品と違う路線の作風である。 **問題点 -筺体格差 --計四台のうち片方の二台は連邦側、もう片方がジオン側と完全に区別されており、それぞれの陣営のMSしか使うことができない。 --筺体によって使える機体に差があるだけでも通常では考えられないことなのだが、後述のバランスの悪さと相まって激しい格差を生むことに。 -機体バランスの悪さ --ジオン側が圧倒的に有利。使えるMSの種類、質ともに優遇されており、連邦側の筺体はガラガラでもジオン側は長蛇の列、といったことも。 --逆に連邦側は悲惨の一言。使えるMSの数からして四種類しかなく(ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ジム)、性能もジオン側の同コスト帯と比べると一回りも二回りも劣るという有様。 ---もっとも性能はともかく、種類に関しては原作準拠だから仕方が無いとも言える。続編では種類が増やされる等、対応はされた。 ---水中では水陸両用機以外は(僅かだが)動きが遅くなる仕様があるが、連邦軍には水陸両用機は無い。同シリーズとは言えないが『[[戦場の絆>機動戦士ガンダム 戦場の絆]]』にはアクアジムと言う機体が追加されることとなる。 -永久、ハメの存在。 --システム面での調整不足が原因。 ---特にゲルググは、格闘攻撃→特殊格闘を繰り返すだけで簡単に永久ができてしまう。この問題はDXにおいて特殊格闘の攻撃判定を消すことで((ゲルググの特殊格闘は「自分の目の前でビームナギナタを回す」というもので、もともと防御技だった))解消された。 ---- **総評 対戦ツールとして見た場合、連邦とジオンの戦力の決定的な差によってお世辞にも優れているとは言い難い。~ しかし、2on2バトルという斬新なシステムやロボットゲームの難解な操作性というイメージを払拭するかのようなとっつきやすい操作性、そして原作ファンも納得の豊富な原作愛によって幅広い層の客を引き付け、文字通りアーケード業界を「生き残らせた」。~ これ以降他者のアーケードゲームでも2on2バトルを導入した作品が登場したことからも、今作の功績は大きいと言わざるを得ないだろう。 ---- **余談 -開発に際しガンダムの権利を持つバンダイに話を通さず、原作者・富野由悠季氏の了解のみを得たという経緯がある。 --この件に関して、当時カプコンの常務取締役開発本部長でAC開発部門のトップでもあった岡本吉起氏が自身のYoutubeチャンネルである「世界の岡本吉起Ch」にて裏話を語っている。 #region(岡本吉起氏による『連邦VS.ジオン』開発裏話) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=EyOjmEuRiSU) #endregion --この動画にもあるが、(本人の無知とミスに起因するところとは言え)岡本氏の機転と判断がなければ本作は&bold(){永久お蔵入りのボツ作品}になってしまうところだったのである。 -2on2によるユーザー間の確執 --これはこのシリーズに限った話ではないが、2on2というゲームシステムは互いの連携が非常に重要となるため、初心者と上級者との差が露骨に出る。それを良しとしない上級者が初心者を排斥しようとする事態も少なからず発生していたようで、この問題は対人戦において今後のシリーズの問題点ともなった。 //-アクションゲームにおける煽り行為「シャゲダン」 //--「機体を左右に揺らせる」行為の俗称であるが、今作ではシャア専用ゲルググのみ可能だったことからその名が付けられた。 //由来は連ジにまで遡りますが、本ゲーム登場時には煽り行為ではないです。
*機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン 【きどうせんしがんだむ れんぽうばーさすじおん】 |ジャンル|チームバトルアクション|&image2(renji.jpg)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~| |販売元|バンプレスト|~| |開発元|カプコン|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |稼働開始日|2001年3月14日|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムVS.シリーズリンク>ガンダムVS.シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -これ以降長く続くことになるガンダムの"VSシリーズ"の始祖の作品。通称『連ジ』。 -TVシリーズ初代『機動戦士ガンダム』に登場したモビルスーツ(戦闘ロボット)を操縦し、相手チームのモビルスーツと戦うというシンプルなルールだが、原作のイメージを損なわない様に生み出されたゲーム独自のシステムが高い戦略性を生み出している。 -本作稼働当時は、これまでアーケード業界を支えてきた対戦格闘ゲームのムーブが下火になりつつあり、閉店に追い込まれる店が続出するなど業界全体が危機に晒されていた時代だったのだが、本作の登場によりアーケード業界は再び息を吹き返す事になる。当時の月刊アルカディアでの紹介記事によると、何と本作のお陰で閉店の危機を免れた店もあったとの事。 -しかしゲームバランスの面では決してほめられたものではなく、真に良作と呼ぶには少々難のある作品であった。 **特徴 -2on2のチームバトルによる対戦アクションゲーム -「戦力」と「コスト」の概念。 --このゲームでは各機体に「コスト」という数値が設定されており、機体が破壊される際に自軍の「戦力ゲージ」からコスト分の数値が引かれていき、先に「戦力ゲージ」が0になった側が負けとなる。 ---「戦力ゲージ」が0になるまでは何回撃破されても復活して戦えるということであり、単純に性能の高い低いだけでなく、性能×復活回数で機体の強弱を考えなければならないのが特徴である。 ---当然のことではあるが、ガンダムやゲルググといった高性能な機体ほどコストが高く、逆にジムやザクなどの低性能な機体はコストが低いという傾向がある。 -シンプルな操作性。 --MSの操作がわかりやすく、射撃、格闘、ブースト(ジャンプ)、ロックオン((ロックオンすると、全ての攻撃がロックオンした敵に向かうだけでなく、移動もロックオンした敵を基準に行われる。))の4ボタンのみ。 ---- **評価点 -当時としては画期的な2on2のチームバトル。 --対戦格闘ゲームに代表されるような1on1の戦いよりさらに奥の深い駆け引きが生まれることとなった。 -シンプルな操作性により初心者も入りやすい --格闘ゲームにありがちな「コマンド入力の難しさでやりたい事ができない」といった事が起きにくい。 --また、操作部分での腕前の差も出にくく、純粋に2on2による戦略での勝負となっている。 -高い原作再現度。 --ヴォーカル曲と原作BGM、足音にまで細かい気配りとネタがちりばめられている。 --アニメの再現度をそのままに、当時としては非常にリアリティあふれるグラフィックを実現。 ---程よく彩度の低い色調、テクスチャに書き込まれた「汚し」など、近年のVS作品と違う路線の作風である。 **問題点 -筺体格差 --計四台のうち片方の二台は連邦側、もう片方がジオン側と完全に区別されており、それぞれの陣営のMSしか使うことができない。 --筺体によって使える機体に差があるだけでも通常では考えられないことなのだが、後述のバランスの悪さと相まって激しい格差を生むことに。 -機体バランスの悪さ --ジオン側が圧倒的に有利。使えるMSの種類、質ともに優遇されており、連邦側の筺体はガラガラでもジオン側は長蛇の列、といったことも。 --逆に連邦側は悲惨の一言。使えるMSの数からして四種類しかなく(ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ジム)、性能もジオン側の同コスト帯と比べると一回りも二回りも劣るという有様。 ---もっとも性能はともかく、種類に関しては原作準拠だから仕方が無いとも言える。続編では種類が増やされる等、対応はされた。 ---水中では水陸両用機以外は(僅かだが)動きが遅くなる仕様があるが、連邦軍には水陸両用機は無い。同シリーズとは言えないが『[[戦場の絆>機動戦士ガンダム 戦場の絆]]』にはアクアジムと言う機体が追加されることとなる。 -永久、ハメの存在。 --システム面での調整不足が原因。 ---特にゲルググは、格闘攻撃→特殊格闘を繰り返すだけで簡単に永久ができてしまう。この問題はDXにおいて特殊格闘の攻撃判定を消すことで((ゲルググの特殊格闘は「自分の目の前でビームナギナタを回す」というもので、もともと防御技だった))解消された。 ---- **総評 対戦ツールとして見た場合、連邦とジオンの戦力の決定的な差によってお世辞にも優れているとは言い難い。~ しかし、2on2バトルという斬新なシステムやロボットゲームの難解な操作性というイメージを払拭するかのようなとっつきやすい操作性、そして原作ファンも納得の豊富な原作愛によって幅広い層の客を引き付け、文字通りアーケード業界を「生き残らせた」。~ これ以降他者のアーケードゲームでも2on2バトルを導入した作品が登場したことからも、今作の功績は大きいと言わざるを得ないだろう。 ---- **余談 -開発に際しガンダムの権利を持つバンダイに話を通さず、原作者・富野由悠季氏の了解のみを得たという経緯がある。 --この件に関して、当時カプコンの常務取締役開発本部長でAC開発部門のトップでもあった岡本吉起氏が自身のYoutubeチャンネルである「世界の岡本吉起Ch」にて裏話を語っている。 #region(岡本吉起氏による『連邦VS.ジオン』開発裏話) &video(https://www.youtube.com/watch?v=EyOjmEuRiSU) #endregion --この動画にもあるが、(本人の無知とミスに起因するところとは言え)岡本氏の機転と判断がなければ本作は&bold(){永久お蔵入りのボツ作品}になってしまうところだったのである。 -2on2によるユーザー間の確執 --これはこのシリーズに限った話ではないが、2on2というゲームシステムは互いの連携が非常に重要となるため、初心者と上級者との差が露骨に出る。それを良しとしない上級者が初心者を排斥しようとする事態も少なからず発生していたようで、この問題は対人戦において今後のシリーズの問題点ともなった。 //-アクションゲームにおける煽り行為「シャゲダン」 //--「機体を左右に揺らせる」行為の俗称であるが、今作ではシャア専用ゲルググのみ可能だったことからその名が付けられた。 //由来は連ジにまで遡りますが、本ゲーム登場時には煽り行為ではないです。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: