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*源平討魔伝 【げんぺいとうまでん】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://www.nintendo.co.jp/data/software/img/sp/E75J.jpg)&amazon(B0000ZPMJ4,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/161000028.jpg,height=160)| |対応機種|アーケード (SYSTEM 86)|~| |発売・開発元|ナムコ|~| |稼動開始日|1986年10月1日|~| |配信|バーチャルコンソール(PCE版)&br;【Wii】2007年10月2日/600Wiiポイント(現在配信終了)&br;バーチャルコンソールアーケード&br;【Wii】2009年3月31日/800Wiiポイント(現在配信終了)&br;アーケードアーカイブス &br;【Switch】2021年10月7日/838円&br;【PS4】2021年10月7日/837円|~| |備考|移植&br;【X68k】1988年3月29日&br;【PCE】1990年3月16日&br;【PS】1996年11月8日(『ナムコミュージアム Vol.4』に収録)&br;参考:[[FC版>源平討魔伝 (FC)]]|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''源平討魔伝シリーズ''&br;''源平討魔伝'' ([[FC版>源平討魔伝 (FC)]]) / [[巻ノ弐>源平討魔伝 巻ノ弐]]| #contents(fromhere) ---- &br&br #center(){{{ &font(160%){''滅びし平氏のうらみ、わすれたわけではあるまいな。''}~ }}} #center(){{{ &font(160%){''行け、そして頼朝をうて''}~ &font(160%){''入道相國の加護のあらんことを。''}~ }}} &br&br ---- **ストーリー ~平家復讐絵巻~ >1192年、闇は来たれり、闇の源を頼朝といふ。~ 頼朝、あまたの魔族をひきいて地を征す。対せし平家の者ことごとく討たれ、壇の浦に沈みたり。~ ~ 天帝、世の乱れを大いに憂い、三途の渡守・安駄婆(あんだばあ)に命じて、平家の亡者よりひとり豪の者を選ぶ。~ その名を平景清といふ。~ 景清、「ぷれいや」なる異次元の者の布施により、地獄よりよみがえりたり。 なかなかに凝ったストーリー文である。読者諸兄は本作の大体の雰囲気をつかめたであろう。~ 言うまでもなく「「ぷれいや」なる異次元の者の布施」とは「プレイヤーのクレジット」を指している。以下に意訳を掲載。 >1192年。源氏の棟梁である源頼朝が、魔族に魂を売り渡し闇の力をその手中に収め、~ 怪物の軍勢を従えて平家を滅ぼした。~ そうして訪れた暗黒期を憂いた帝の命の下、三途の川の渡し守・安駄婆の手引きにより、~ 平家の武将・平景清が地獄より復活。~ プレイヤーは、滅ぼされた一門の怨みを背負った景清となり、打倒頼朝に必要な三種の神器を探し求めつつ、~ 壇ノ浦から一路、鎌倉を目指す事になる。 ---- **概要 数多の名作で知られる80年代のナムコ・アーケードゲーム。本作『源平討魔伝』はその中でも高い評価を受けるアクションゲームである。~ 当時の技術力の粋を集めたグラフィックや音楽、そして高品質のゲームシステムもさることながら、~ 当時、そして現在に至っても他に類するもののない独特の世界観は今もなおゲームファンの心をとらえ続けている。 なお、ここでは主にオリジナルであるアーケード版を元に解説し、家庭用移植版については後述する。 ---- **基本システム ''操作心得'' -操作形態は8方向レバー+2ボタン式。レバーで景清を操作、剣ボタンで攻撃、ジャンプボタンでジャンプする。 -ライフ制を採用しており、画面左下のロウソク((ロウソク自体は敵の攻撃の被弾で長さが減っていき(10発分)最後に消失する))がゲージ代わりとなっている。この「命」が全て無くなると景清が消滅してゲームオーバーとなる。 --「命」の最大値は最初はロウソク5本だが、アイテムによって最大10本まで増やせる。また、ステージクリア時に4本以下の場合は4本まで回復し、5本以上の場合は残っているロウソクが最大値まで回復する。 --黄泉の国に落ちると「命」をランダムで減らされ、最大値もロウソク5本に戻される。ステージ最後で閻魔大王の管理する8つの葛籠から「生」を当てれば、京都以前の国なら元の国へ、京都以後の国なら京都に戻る。~ 葛籠から「死」を引いたらゲームオーバーとなるが、「生」の確率は最大1/2からプレイ時間と共に減っていき、最終的には「死」のみになる。~ あるいは銭70以上を持っていれば、ステージ途中の血の池に入ることで「地獄の沙汰も銭次第」と安駄婆に京都に送ってもらえる(京都以前でも)が、この「地獄の沙汰」もプレイ時間と共に受けられにくくなるため、最終的には「穴に落ちても即死はしないがゲームオーバー確定」となる。 ''能力と神器'' -景清には「剣」と「銭」という2つのパラメータが設定されている。どちらもアイテムを取る事で増加し、コンティニューで消滅する。 --&bold(){剣}:攻撃力((高いとボスや複数回攻撃が必要な敵への攻撃回数が減る))。岩や敵の武器などの硬い物や、要石などの破壊不能の物に切り付ける(衝撃波を当てた場合も同じ)と確率で減少してしまう。 --&bold(){銭}:即ちお金。回復アイテムの米俵を拾う時や、黄泉から血の池経由で復帰する際等に使用する。 -エンディングに辿り着くためには「三種の神器」を集める必要がある。これらはただ単に放置されているだけでなく、敵の裏や壁の中に隠されている。 --&bold(){八咒鏡(やたのかがみ)}:取得すると頼朝の雷攻撃を無効化できる。 --&bold(){八坂瓊曲玉(やさかのまがたま)}:取得するとトラップアイテムの毒キノコを無効化できる。 --&bold(){草薙剣(くさなぎのつるぎ)}:取得すると剣の値が減らなくなり、さらに頼朝にダメージを与えられるようになる。 -その他、得点アイテムやサポートアイテムも登場。 --&bold(){巻物}:横・平面モードでは刀から飛び道具の「衝撃波」を出す事が出来る様になり、BIGモードでは取った時点で「必殺・旋風剣」を発動する。 ''道中'' -最初の「地獄」ステージをクリアすると「長門」へ移り、以降は山陰、山陽、九州のいずれかのルートを選択し、「鎌倉」を目指していく。 --ステージ名は旧律令国名表記。ゲームのシナリオの関係上九州の北東部より南と関東から上越より東北へは行かない。 -ステージは3つのモードのいずれかに分かれているが、共通してステージラストの鳥居に辿り着くとクリアとなる。総数は40近くにも達するが、ルート選択式なので全てを巡る事はない。 --''横モード'':ミニサイズの景清を操作する、サイドビューのジャンプアクション。床が無い所に落ちても即死はしないが黄泉の国に落とされる。 ---このモードのみ、ジャンプボタンを連打することで通常より高くジャンプすることができる。 ---横モードの一部の国はボーナスキャラであるお釈迦様の出てくるステージとなっており空中からお釈迦様が一定時間大量に落とす三種の宝珠を取る事で回復や銭を稼いだりする事が出来る。 --''平面モード'':ミニサイズの景清を操作して迷路状のマップを駆け抜けるトップビューのモード((『ドルアーガの塔』や『ボンバーマン』が混ざった様な感じ、と言えば想像しやすいだろう。))。最初の内は狭いステージばかりだが、後半になると永久パターン防止キャラが出てくる程に時間が掛かる広大なマップになる。「黄泉の国」もこのモード。 --''BIGモード'':その名の通り、デカキャラ同士の剣戟バトルがメインのサイドビューアクションモード。このモードでは景清・敵キャラともにかなり大きく表示されるのが特徴。ボスキャラクターもこのモードで登場する。 ---横モードステージの様な大ジャンプや疾走は出来ないがレバー入力と攻撃ボタンの組み合わせで刀の振り方が変化し上段斬りや下段の「掬い斬り」など、細かな使い分けができるようになる、 -コンティニューした場合には、京都に到達する以前ならミスをしたステージから、京都通過後は京都からの再スタートとなる。 ''源氏の者・異形の者'' -&bold(){竜}:空中を飛び回るタイプの他、信濃で草薙剣を守る三つ首の巨大竜が出現。なかなかの難敵。 -&bold(){義経}:一定の間合いを保って小刀を投げるタイプと、回転して切り付け攻撃を仕掛けてくるタイプが存在。体力はそれ程高くないが素早く、当たり判定も小さめなので倒し難い。「''殺してしんぜよう''」「''ヒョゥ!!''」という掛け声が妙に印象に残る。 -&bold(){弁慶}:他のBIGキャラが霞む位の、画面の半分以上を占めるサイズが圧倒的。史実での代表的な装備だった薙刀は使わず、鉄球を投げつけたり鉄棒を振り回して攻撃してくる。攻撃は当て易いが高耐久力で、非常に硬く防御パーツの右手の手甲でガードもしてくるので闇雲に剣を振るだけだと剣力がみるみる減っていく。また、鉄球タイプはある程度安全地帯があるのに対して、鉄棒タイプの方はそれがどこにも無いため、かなりやっかい。更に、どちらも倒した後に障害物となる鉄球を置き土産にしていくので、(特に後半は)倒す位置が重要になってくる。PCエンジン版では諺の故事(「弁慶の泣き所」)にちなんで弱点が頭から足(脛)に変更されている。 -&bold(){琵琶法師}:常にプレイヤーと一定距離を取って後退しつつ「鳥獣戯画」のウサギやカエルなどを出して攻撃してくる。これらは斬る事が可能だが、切ったあとはライフを減らす毒キノコを置いてゆく。裏技を使わないと倒せないが、一定時間耐えると逃げていく。 -&bold(){頼朝}:本作のラスボスで三種の神器が無いと倒せない(体力がループし0にならない)。~ また横モードの背景にも永久パターン防止キャラ等の役割で登場し、画面奥から手にした笏で攻撃を仕掛けてくる。 //頼朝を討伐すると景清も現世より消滅し、エンディングメッセージが出てゲーム終了となる。 ---- **評価点 ''純和風の世界観'' -世界観設定・色使い・キャラデザイン・音楽・文字フォント……。とにかくありとあらゆるところのデザインが徹底して「和風」で統一され、緻密に書き込まれた日本画を思わせるグラフィックが「和」のイメージを強力に打ち出している。この独特の雰囲気こそ、本作が人気を集める最大の要因であるのかもしれない。 --現在でもここまで「和」を思わせるゲームは決して多くない。「当時の最新技術で今までになかったような作りこみをした」点が最大の評価点と言える。 ''独特なダークヒーロー的な造形の主人公''~ -本作の主人公である平景清は、一族の恨みをその身に背負い、正義のためではなく復讐のために戦う。 --正義の味方然とした主人公像ではなく、暗い生い立ちを背負ったダークヒーロー的な主人公の造形も、当時のナムコには珍しかった。 ''桁外れのグラフィック'' -タイトル画面やデモシーンの描き込みもさる事ながら、BIGモードのキャラの大きさはそれまでに例が無かった。1986年、そうしたキャラクターがぐりぐりと動き喋るインパクトは絶大なものがあったのだ。 --同社が『ホッピングマッピー』を出してから僅か半年の事である。それだけ、本作の進化は当時としても今となっても驚愕すべき物であるといえる。 --現在の視点を以てなお、BIGモードには独特の迫力を感じる事が出来る。平原や松林や廃村や竹林や神社を一人往く景清、「八艘飛び」の如く飛ぶ義経、仁王が如く立ちはだかる弁慶……。背景もなお秀逸で、景清が先に進むにしたがって沈む夕日や昇る月が美しい。 ''BGMとボイス'' -作曲は後に『[[超絶倫人ベラボーマン]]』や『[[暴れん坊天狗]]』などを手掛ける中潟憲雄が担当。FM音源初期の作品であるにもかかわらず楽曲の完成度は高く、和に彩られた本作の世界観をより引き出すことに成功している。 --本作の楽曲は現在もなおゲーム音楽史の中で大きな位置を占めており、根強い人気を集めている。『太鼓の達人』の「KAGEKIYO~源平討魔伝メドレー~」を初めとして多数の自社アレンジが制作されている点が、それを裏付けている。 -当時はまだ一般的でなかったキャラクター音声も魅力の一つ((本作はナムコのゲームとしては初のプロの声優を起用した作品でもあり、基板に専用のROMを追加して対応させている。))。敵味方問わず「必殺! 旋風剣! いやー!!」とか「これで勝ったと思うなよ」とか「敵ながら天晴れ」などと喋りまくる。 --安駄婆の「ヒャッヒャッヒャッヒャッ」、義経の「ギョエーー!!」などとインパクトも抜群。黄泉へ転落したときの「ウアーッ」という情けない声と、安駄婆の「おろかもの」「お前の力はそんなものか」という罵声のマッチングも素晴らしい。 ''軽快にして豪快なアクション'' -どのモードでも操作性は軽快。自由度も存外に高く、いろんな攻略法が見出せる。 --ひょいひょいと障害物を飛び越えてついでに敵を切り倒していく横モードの小気味よさが堪らない。障害物をうまく使ったり、時には「ダメージ覚悟で敵を足場にする」という大胆な行動もとれる。 --昔のゲームらしい「探索」が重要な平面モード。平面モード専用の敵キャラクターも多く、見所の多いモードである。 --BIGモードでは大剣をぶんぶん振り回す景清が勇ましい。一方でボスキャラクターには明確な弱点が設定されており、いかにして反撃を受けずに弱点を衝くかというテクニカルな楽しみもある。 -場所によってそれぞれ別のステージへと通じる鳥居はワープゾーンも兼ねたものがあり、ルート構築の段階から様々なプレイスタイルを生み出せる。あえて黄泉に落ちる事で京都からやり直すパターンも存在する。 ''歯応えのある難易度・フィーチャー'' -昔のゲームだけあって難易度はやや高め。ただしルート毎に難易度が分けられているので、それが分かれば実力に応じてより楽しめるようになるだろう。 -敵からの被ダメージ設定は緩く、また自身のライフにも余裕があるため、初心者がゲームに慣れるためのある程度の余裕がある(流石に自分から敵の密集地に突っ込んだり、穴に落ちると話は別だが)。もちろん、中~後半にかけてはかなり厳しくなっていき、ボスの攻撃はダメージが甚大となっていくため、誰でも先に進めると言うわけではない。 -多彩なコースを探索すると言う楽しみもある。中にはお釈迦様がアイテムを投げてくれるボーナス面や、スタッフの遊び心(悪乗り?)が炸裂した「だじゃれの国」という面もある。 --「西国漫遊」と称して全面制覇に挑戦するのもまた乙なもの。 ---- **問題点 ''ノーヒント'' -昔のアーケードゲームではよくあることだが、三種の神器の隠し場所についてはヒントがない。 //-ルート毎の難易度表示がないのも、現在の視点から見ると少々不親切か。 //現在の視点からの言及はNG ''「復活お断り」といわんばかりの後半'' -京都ステージ以降のコンティニューと黄泉からの生還は京都からの再出発となるのは前述した通り。苦手な面があってもクレジットを追加しての連続挑戦で練習・あるいはゴリ押す事が出来ず、京都からかなりの手間を掛けてやり直す羽目になる((ゲーセンでのコンティニューや連コインが認められるかどうかはまた別だが、仕様として用意されているコンティニューというシステムが使い難くなっているのは欠点と言って差し支えないだろう。))。 --そもそもそれ以前に、剣力のリセットによって難易度が大幅に上がり、クリアどころかミスした面に戻ること自体が非常に難しくなる(腕に覚えが無いなら最初からやり直した方が断然効率的)。ゲーム自体の高難易度は当時のアクションゲームとしてはありふれた物だが、ここまで初心者プレイヤーに厳しいゲームは珍しい。黄泉経由で京都に戻られるとインカムにも優しくない((一応、黄泉に落ちる毎に復帰率は下がっていくが、1~2回の復帰でも十分に厳しい所。))。 ''運が絡む信濃'' -信濃に登場するクリア必須アイテムの草薙剣を守っている竜は、当たり判定が頭にしかないのだが、時折、その頭をなかなか下げてこなくなる場合がある((どうも背景の時間が関係している様で月が沈みきると「寝る」ので首を上げたままで弾もあまり吐かなくなるようだ))。最悪、永久パターン防止キャラの頼朝が出るまでに倒せないことも。 ''バリエーションに乏しいボスキャラ'' -技術上の制約からBIGキャラクターを多く登場させられない事情があったのだろうが、40ものステージ数で中ボスが3種類しかいないのは少々寂しい。もし余裕があれば他の源氏の武将や配下の魔物も拝めたであろうだけに残念なところ。 ''永久パターンの存在'' -黄泉だけでなく、終盤の面には特定の面に戻される鳥居も存在し、これを使う事で誰でも永久パターンを実行できる。当然の如くスコアアタックは行われず、また店側としても稼げない機種となったため、難易度を極端に上げたり早々に撤去したところが多かった。 --これは本来神器の回収のための設計で、製作者側も「戻るルート」を前提としていた。勿論戻らないルートもあるのだが、それが隠し面を使うルートだったのである。 ''理不尽なシステム'' -剣力。特にボス戦ですぐ激減するのに、回復できる機会が少な過ぎる。ボスを倒すと回復アイテムを1個落とすが、回復量は3か5。消耗に全く見合わない。 -ステージ開始直後、いきなり矢が降ってきたり、足元に敵が走ってきたりするところがある。初見殺しというレベルなら(知っていればかわせるので)まだ何とかしようはあるが、&bold(){知っていてもかわしようがない場合さえある}のはやり過ぎ。 ''ラスボスが弱過ぎる'' -ラスボスの頼朝と戦うためには、前述の通り三種の神器が必要で、これらを集めるまでが一苦労なのだが……。手に入れてしまえば適当に剣を振り回しているだけで勝ててしまう。 --ポスターやイメージイラストに合った甲冑姿への変身が入る予定だったのだが、上層部からの反対で却下されたらしい。これは後のFC版やPCEで発売された続編『巻ノ弐』にて日の目を見ることになり、格段に強化されてかなり手強くなっている。 ---- **総評 ナムコ、ひいては日本のアーケードゲーム史の中でも独特の立場を築き、根強い支持を集めるゲーム。~ それまでの様々なゲームデザインを混ぜ合わせ、それを高い技術力で再構築し、高次元の完成度を誇る作品に仕立て上げた制作陣の努力もしのばれる。 前述した様に初見殺しが多く、クセのある操作性だが、ゲームシステムや攻略ルートをきちんと理解していればトータルで見ればクリアするのは易しい部類に入る。 このゲームの評価が非常に高いのは、自力でエンディングまでたどり着いたプレイヤーも多かったのも一因と言える。 現在ではアーケードアーカイブスにてAC版の完全移植を遊ぶことが出来る。ただの「面白いアクション」では終わらない往年の名作を、あなたも是非プレイしてみて頂きたい。 ---- //余談の下に移植・続編の節があるのはちょっと変なのでこちらに移動。 **家庭用移植 -''『源平討魔伝』(X68000版/発売日:1988年3月29日)'' --機種のマシンパワーを活かし忠実な移植を実現している。 --AC版でROM内に残っていた没ステージも収録されており、設定を変更することでプレイすることができる。 -''『源平討魔伝』(PCエンジン版/発売日:1990年3月16日)'' --機種依存によるBGMのニュアンスの変化、画面レイアウト構成の変更の他、敵のアルゴリズム、弁慶の弱点の変更などの相違点があり、~ AC版での攻略パターンが通じなくなっていることを除けばグラフィック、面構成共にほぼ忠実な移植となっている。剣力の減り方が緩和されているため、AC版よりやりやすい部分はある。 --二重スクロールの手前の背景を全てスプライトで描画しているため、場面によってスプライトのちらつきが激しくなる場合がある。 --2007年10月2日より、バーチャルコンソールで配信されたが2019年にバーチャルコンソールサービス終了に伴い配信を終了した。 -''『[[源平討魔伝>源平討魔伝 (FC)]]』(ファミリーコンピュータ版/発売日:1988年10月21日)'' --「コンピューターボードゲーム」の冠の通り、RPG要素を加味したボードゲームという別物になっている。~ 付属のゲーム盤やコマを使って遊ぶ必要がある(ゲーム単体でもそれなりに遊べはするが)ため、今からのプレイは非常に困難。 -''『源平討魔伝』(プレイステーション版/発売日:1996年11月8日)'' --「ナムコミュージアムVol.4」に収録。業務用を忠実に移植している。 -''『源平討魔伝』(バーチャルコンソールアーケード版 配信開始日:2009年3月31日)'' --業務用の忠実移植。こちらも2019年にバーチャルコンソールサービス終了に伴い配信を終了した。 -''『源平討魔伝』(アーケードアーカイブス版 配信開始日:2021年10月7日)'' --こちらも業務用の忠実移植。 その他、形態アプリ版、Windows向けの廉価版ソフトシリーズでの復刻もなされている。 ---- **続編 -''『[[源平討魔伝 巻ノ弐]]』(PCエンジン/発売日:1992年4月7日)'' --正式な続編として制作された家庭用オリジナル作品。海外版のタイトルは「Samurai-Ghost」。 --異世界で復活の機会をうかがう頼朝を完全に滅ぼすべく、再び蘇った景清が戦う。 --全てのステージがAC版におけるBIGモードで統一されつつ、横モードにおけるジャンプアクションの要素が強められているなどの変更点がある。 --2008年1月8日より、バーチャルコンソールで配信された。 ---- **余談その一:元ネタなど -景清の元ネタは、平家に仕えて都落ちに従った武士・平景清(藤原景清もしくは伊藤景清とも)。「悪七兵衛」の異名を持ち((当時「悪」の字は「凄く強い」と言う意味なので「悪」を自称する武士はそれなりに居た。))、『平家物語』の巻十一「弓流」では兜の錣を引きちぎる「錣引き」の逸話も語られている。その最期については、壇ノ浦決戦で囚われた後、虜囚先にて絶食して果てたという説が一般的。 --更に言うと、このゲーム自体のモチーフは近松門左衛門が書いた人形浄瑠璃『出世景清』。平家滅亡後も落ち延び、頼朝の首を狙う悪七兵衛景清を描いた物語である。 -安駄婆の名前の由来は「アンダーバー」。 -京都の平面モードでは謎の赤い怪物が出現する。元ネタはそのものズバリ、『[[平安京エイリアン]]』。 --中潟憲雄の妻の身内がAC版の開発に携わっていたらしい。恐らくはその事が縁でのパロディだろう。 -前述の通りハイスコアアタックが盛り上がらなかった本作だが、その反面一種の縛りプレイである低得点クリアプレイ「ロースコアアタック」が注目された。『ナムコミュージアムVoL.4』ではスコア記録欄に「最低スコア」が用意されている程である。タイムアタックの亜種とも言えるか。 -当時のゲームとしては珍しく、実写PVが作成されナムコ直営のゲームセンターなどで放映された模様。こちらの景清はゲームと違って金髪であるが雰囲気は十分に出ている。このPVも『ナムコミュージアムVol.4』におまけとして一部カットされた短縮バージョンが収録されており閲覧可能である。 --アニメパート監督は若き日の雨宮慶太((AC版『超絶倫人ベラボーマン』のポスターも手がけている。))。同氏は後に同社ゲームのタイアップ映画『未来忍者』を制作する。興味があるなら本wikiだと「[[七ツ風の島物語]]」も参照するとよい。 -開発当初はスタッフの各々が別々に携わっていたプロジェクト業務の合間を縫って、非公式かつ秘密裏に開発を進めており、社内コンペで当時のナムコ社長であった中村雅哉に気に入られた結果、正式な開発許可が下りたという逸話がある。 --上述のPVも、映画好きとして知られている中村雅哉氏のポケットマネーによって制作されたものである。また、ゲームタイトルの文字フォントも中村氏自らが書き下ろしたものを使用しているという。 -[[太鼓の達人シリーズ]]でこのゲームのBGMをメドレーにしたアレンジ曲「KAGEKIYO 源平討魔伝メドレー」が収録されている。 --特に最高難易度の「おに」はシリーズ初の765コンボという事もありその存在感は大きく、今も尚衰えていない。 ---- **余談その二:日本ゲーム史上屈指の名文 #center(){{{ &font(130%){神様は死んだ}~ &font(130%){悪魔は去った}~ &font(130%){太古より巣喰いし}~ &font(130%){狂える地虫の嬌声も}~ &font(130%){今は、はるか}~ &font(130%){郷愁の彼向へ消去り}~ &font(130%){盛衰の於母影を}~ &font(130%){ただ君の}~ &font(130%){切々たる胸中深くに}~ &font(130%){残すのみ}~ }}} #center(){{{ &font(130%){神も悪魔も}~ &font(130%){降立たぬ荒野に}~ &font(130%){我々はいる}~ }}} #center(){{{ &font(130%){故深谷正一氏に}~ &font(130%){ささぐ。} }}} &br&br 「我が魂は不滅じゃ」との言葉と共に頼朝が消滅すると、景清は突然その場に崩れ落ち、その身は桜の花々となって散る。長い旅路の果てに本懐を遂げた彼は、遂に成仏出来たのであろう。~ 日本晴れの富士山をバックに舞い散る桜吹雪に、無常観と哀愁漂う音楽が相まって『平家物語』の「諸行無常」を連想させる、80年代のアーケードゲームシーンの中でもとりわけ名場面と名高いエンディングである。 また、このメッセージは文末の弔辞を見てもわかるように、制作陣の心情が重ねられたものになっている。~ 『[[ゼビウス]]』や『[[ドルアーガの塔]]』を制作した遠藤雅伸曰く((2chで以下の文章を書き残している。遠藤氏の経歴から言っても以下のことはかなり信憑性の高い話だと思われるが、何故かウィキペディアで深谷正一関連の記述をすると、真っ先に消しにかかる輩、所謂「出典厨」がいる。))~ >当時のナムコには「天上界」と呼ばれるクラスのプログラマが2人いました。~ 1人は後輩から「神」と崇められ、幾多のプログラマを一人前に育てた深谷氏、~ もう1人は後輩から「悪魔」と恐れられ、不可能と思えるプログラムを次々と手掛け、~ 理解するのが困難なハードよりのプログラムで奇跡を起こした(リブルラブルもね)黒須氏です。 「神様は死んだ」は『[[マッピー]]』『[[ワープマン]]』等を担当した深谷正一((31歳にて急病にかかってしまい、10日間の闘病も空しく亡くなってしまった。彼の死を惜しまない人はいなかったという。))の急逝を、「悪魔は去った」は同じく『リブルラブル』等を担当した黒須一雄の退社((遠藤雅伸とともに独立し、株式会社ゲームスタジオの設立に関わっている。なお、今でも同社の取締役兼プログラマーとして活躍中である。))をそれぞれ指している。~ ナムコを支えてきた天才級のプログラマーが立て続けに同社を去ったことを偲び、「神も悪魔も降立たぬ荒野に我々はいる(=もう、二人に頼ることはできない)」とナムコの未来を憂うこの弔辞も、本作が持つ一種の「儚さ」をより強調している。~ 製作者の私情(しかも人の死)をゲーム中で表に出してしまうことについては、その是非を問う声もあって然るべきことかもしれない。~ だが『源平討魔伝』というゲームに関しては勝利の末の消滅を宿命づけられた武士を主人公とした諸行無常な世界観と重なっていたため、結果的に本作の独特の風情をより高めていると言ってもいいだろう。 //神様(景清)は死に、悪魔(頼朝)もまた去った…ということである。 ちなみにPCE版では「故深谷正一氏にささぐ」の部分のみカットされている。~ //なお海外の創作物(特に小説)において、「本作を〇〇に捧ぐ」は一般的である。日本の、しかもゲームでは珍しくはあるが。 後年、ED一節である「神も悪魔も降りぬ荒野に」は『[[NAMCOxCAPCOM]]』における源平討魔伝編のサブタイトルにもなった。~
*源平討魔伝 【げんぺいとうまでん】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://www.nintendo.co.jp/data/software/img/sp/E75J.jpg)&amazon(B0000ZPMJ4,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/161000028.jpg,height=160)| |対応機種|アーケード (SYSTEM 86)|~| |発売・開発元|ナムコ|~| |稼動開始日|1986年10月1日|~| |配信|バーチャルコンソール(PCE版)&br;【Wii】2007年10月2日/600Wiiポイント(現在配信終了)&br;バーチャルコンソールアーケード&br;【Wii】2009年3月31日/800Wiiポイント(現在配信終了)&br;アーケードアーカイブス &br;【Switch】2021年10月7日/838円&br;【PS4】2021年10月7日/837円|~| |備考|移植&br;【X68k】1988年3月29日&br;【PCE】1990年3月16日&br;【PS】1996年11月8日(『ナムコミュージアム Vol.4』に収録)&br;参考:[[FC版>源平討魔伝 (FC)]]|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''源平討魔伝シリーズ''&br;''源平討魔伝'' ([[FC版>源平討魔伝 (FC)]]) / [[巻ノ弐>源平討魔伝 巻ノ弐]]| #contents(fromhere) ---- &br&br #center(){{{ &font(160%){''滅びし平氏のうらみ、わすれたわけではあるまいな。''}~ }}} #center(){{{ &font(160%){''行け、そして頼朝をうて''}~ &font(160%){''入道相國の加護のあらんことを。''}~ }}} &br&br ---- **ストーリー ~平家復讐絵巻~ >1192年、闇は来たれり、闇の源を頼朝といふ。~ 頼朝、あまたの魔族をひきいて地を征す。対せし平家の者ことごとく討たれ、壇の浦に沈みたり。~ ~ 天帝、世の乱れを大いに憂い、三途の渡守・安駄婆(あんだばあ)に命じて、平家の亡者よりひとり豪の者を選ぶ。~ その名を平景清といふ。~ 景清、「ぷれいや」なる異次元の者の布施により、地獄よりよみがえりたり。 なかなかに凝ったストーリー文である。読者諸兄は本作の大体の雰囲気をつかめたであろう。~ 言うまでもなく「「ぷれいや」なる異次元の者の布施」とは「プレイヤーのクレジット」を指している。以下に意訳を掲載。 >1192年。源氏の棟梁である源頼朝が、魔族に魂を売り渡し闇の力をその手中に収め、~ 怪物の軍勢を従えて平家を滅ぼした。~ そうして訪れた暗黒期を憂いた帝の命の下、三途の川の渡し守・安駄婆の手引きにより、~ 平家の武将・平景清が地獄より復活。~ プレイヤーは、滅ぼされた一門の怨みを背負った景清となり、打倒頼朝に必要な三種の神器を探し求めつつ、~ 壇ノ浦から一路、鎌倉を目指す事になる。 ---- **概要 数多の名作で知られる80年代のナムコ・アーケードゲーム。本作『源平討魔伝』はその中でも高い評価を受けるアクションゲームである。~ 当時の技術力の粋を集めたグラフィックや音楽、そして高品質のゲームシステムもさることながら、~ 当時、そして現在に至っても他に類するもののない独特の世界観は今もなおゲームファンの心をとらえ続けている。 なお、ここでは主にオリジナルであるアーケード版を元に解説し、家庭用移植版については後述する。 ---- **基本システム ''操作心得'' -操作形態は8方向レバー+2ボタン式。レバーで景清を操作、剣ボタンで攻撃、ジャンプボタンでジャンプする。 -ライフ制を採用しており、画面左下のロウソク((ロウソク自体は敵の攻撃の被弾で長さが減っていき(10発分)最後に消失する))がゲージ代わりとなっている。この「命」が全て無くなると景清が消滅してゲームオーバーとなる。 --「命」の最大値は最初はロウソク5本だが、アイテムによって最大10本まで増やせる。また、ステージクリア時に4本以下の場合は4本まで回復し、5本以上の場合は残っているロウソクが最大値まで回復する。 --黄泉の国に落ちると「命」をランダムで減らされ、最大値もロウソク5本に戻される。ステージ最後で閻魔大王の管理する8つの葛籠から「生」を当てれば、京都以前の国なら元の国へ、京都以後の国なら京都に戻る。~ 葛籠から「死」を引いたらゲームオーバーとなるが、「生」の確率は最大1/2からプレイ時間と共に減っていき、最終的には「死」のみになる。~ あるいは銭70以上を持っていれば、ステージ途中の血の池に入ることで「地獄の沙汰も銭次第」と安駄婆に京都に送ってもらえる(京都以前でも)が、この「地獄の沙汰」もプレイ時間と共に受けられにくくなるため、最終的には「穴に落ちても即死はしないがゲームオーバー確定」となる。 ''能力と神器'' -景清には「剣」と「銭」という2つのパラメータが設定されている。どちらもアイテムを取る事で増加し、コンティニューで消滅する。 --&bold(){剣}:攻撃力((高いとボスや複数回攻撃が必要な敵への攻撃回数が減る))。岩や敵の武器などの硬い物や、要石などの破壊不能の物に切り付ける(衝撃波を当てた場合も同じ)と確率で減少してしまう。 --&bold(){銭}:即ちお金。回復アイテムの米俵を拾う時や、黄泉から血の池経由で復帰する際等に使用する。 -エンディングに辿り着くためには「三種の神器」を集める必要がある。これらはただ単に放置されているだけでなく、敵の裏や壁の中に隠されている。 --&bold(){八咒鏡(やたのかがみ)}:取得すると頼朝の雷攻撃を無効化できる。 --&bold(){八坂瓊曲玉(やさかのまがたま)}:取得するとトラップアイテムの毒キノコを無効化できる。 --&bold(){草薙剣(くさなぎのつるぎ)}:取得すると剣の値が減らなくなり、さらに頼朝にダメージを与えられるようになる。 -その他、得点アイテムやサポートアイテムも登場。 --&bold(){巻物}:横・平面モードでは刀から飛び道具の「衝撃波」を出す事が出来る様になり、BIGモードでは取った時点で「必殺・旋風剣」を発動する。 ''道中'' -最初の「地獄」ステージをクリアすると「長門」へ移り、以降は山陰、山陽、九州のいずれかのルートを選択し、「鎌倉」を目指していく。 --ステージ名は旧律令国名表記。ゲームのシナリオの関係上九州の北東部より南と関東から上越より東北へは行かない。 -ステージは3つのモードのいずれかに分かれているが、共通してステージラストの鳥居に辿り着くとクリアとなる。総数は40近くにも達するが、ルート選択式なので全てを巡る事はない。 --''横モード'':ミニサイズの景清を操作する、サイドビューのジャンプアクション。床が無い所に落ちても即死はしないが黄泉の国に落とされる。 ---このモードのみ、ジャンプボタンを連打することで通常より高くジャンプすることができる。 ---横モードの一部の国はボーナスキャラであるお釈迦様の出てくるステージとなっており空中からお釈迦様が一定時間大量に落とす三種の宝珠を取る事で回復や銭を稼いだりする事が出来る。 --''平面モード'':ミニサイズの景清を操作して迷路状のマップを駆け抜けるトップビューのモード((『ドルアーガの塔』や『ボンバーマン』が混ざった様な感じ、と言えば想像しやすいだろう。))。最初の内は狭いステージばかりだが、後半になると永久パターン防止キャラが出てくる程に時間が掛かる広大なマップになる。「黄泉の国」もこのモード。 --''BIGモード'':その名の通り、デカキャラ同士の剣戟バトルがメインのサイドビューアクションモード。このモードでは景清・敵キャラともにかなり大きく表示されるのが特徴。ボスキャラクターもこのモードで登場する。 ---横モードステージの様な大ジャンプや疾走は出来ないがレバー入力と攻撃ボタンの組み合わせで刀の振り方が変化し上段斬りや下段の「掬い斬り」など、細かな使い分けができるようになる、 -コンティニューした場合には、京都に到達する以前ならミスをしたステージから、京都通過後は京都からの再スタートとなる。 ''源氏の者・異形の者'' -&bold(){竜}:空中を飛び回るタイプの他、信濃で草薙剣を守る三つ首の巨大竜が出現。なかなかの難敵。 -&bold(){義経}:一定の間合いを保って小刀を投げるタイプと、回転して切り付け攻撃を仕掛けてくるタイプが存在。体力はそれ程高くないが素早く、当たり判定も小さめなので倒し難い。「''殺してしんぜよう''」「''ヒョゥ!!''」という掛け声が妙に印象に残る。 -&bold(){弁慶}:他のBIGキャラが霞む位の、画面の半分以上を占めるサイズが圧倒的。史実での代表的な装備だった薙刀は使わず、鉄球を投げつけたり鉄棒を振り回して攻撃してくる。攻撃は当て易いが高耐久力で、非常に硬く防御パーツの右手の手甲でガードもしてくるので闇雲に剣を振るだけだと剣力がみるみる減っていく。また、鉄球タイプはある程度安全地帯があるのに対して、鉄棒タイプの方はそれがどこにも無いため、かなりやっかい。更に、どちらも倒した後に障害物となる鉄球を置き土産にしていくので、(特に後半は)倒す位置が重要になってくる。PCエンジン版では諺の故事(「弁慶の泣き所」)にちなんで弱点が頭から足(脛)に変更されている。 -&bold(){琵琶法師}:常にプレイヤーと一定距離を取って後退しつつ「鳥獣戯画」のウサギやカエルなどを出して攻撃してくる。これらは斬る事が可能だが、切ったあとはライフを減らす毒キノコを置いてゆく。裏技を使わないと倒せないが、一定時間耐えると逃げていく。 -&bold(){頼朝}:本作のラスボスで三種の神器が無いと倒せない(体力がループし0にならない)。~ また横モードの背景にも永久パターン防止キャラ等の役割で登場し、画面奥から手にした笏で攻撃を仕掛けてくる。 //頼朝を討伐すると景清も現世より消滅し、エンディングメッセージが出てゲーム終了となる。 ---- **評価点 ''純和風の世界観'' -世界観設定・色使い・キャラデザイン・音楽・文字フォント……。とにかくありとあらゆるところのデザインが徹底して「和風」で統一され、緻密に書き込まれた日本画を思わせるグラフィックが「和」のイメージを強力に打ち出している。この独特の雰囲気こそ、本作が人気を集める最大の要因であるのかもしれない。 --現在でもここまで「和」を思わせるゲームは決して多くない。「当時の最新技術で今までになかったような作りこみをした」点が最大の評価点と言える。 ''独特なダークヒーロー的な造形の主人公''~ -本作の主人公である平景清は、一族の恨みをその身に背負い、正義のためではなく復讐のために戦う。 --正義の味方然とした主人公像ではなく、暗い生い立ちを背負ったダークヒーロー的な主人公の造形も、当時のナムコには珍しかった。 ''桁外れのグラフィック'' -タイトル画面やデモシーンの描き込みもさる事ながら、BIGモードのキャラの大きさはそれまでに例が無かった。1986年、そうしたキャラクターがぐりぐりと動き喋るインパクトは絶大なものがあったのだ。 --同社が『ホッピングマッピー』を出してから僅か半年の事である。それだけ、本作の進化は当時としても今となっても驚愕すべき物であるといえる。 --現在の視点を以てなお、BIGモードには独特の迫力を感じる事が出来る。平原や松林や廃村や竹林や神社を一人往く景清、「八艘飛び」の如く飛ぶ義経、仁王が如く立ちはだかる弁慶……。背景もなお秀逸で、景清が先に進むにしたがって沈む夕日や昇る月が美しい。 ''BGMとボイス'' -作曲は後に『[[超絶倫人ベラボーマン]]』や『[[暴れん坊天狗]]』などを手掛ける中潟憲雄が担当。FM音源初期の作品であるにもかかわらず楽曲の完成度は高く、和に彩られた本作の世界観をより引き出すことに成功している。 --本作の楽曲は現在もなおゲーム音楽史の中で大きな位置を占めており、根強い人気を集めている。『太鼓の達人』の「KAGEKIYO~源平討魔伝メドレー~」を初めとして多数の自社アレンジが制作されている点が、それを裏付けている。 -当時はまだ一般的でなかったキャラクター音声も魅力の一つ((本作はナムコのゲームとしては初のプロの声優を起用した作品でもあり、基板に専用のROMを追加して対応させている。))。敵味方問わず「必殺! 旋風剣! いやー!!」とか「これで勝ったと思うなよ」とか「敵ながら天晴れ」などと喋りまくる。 --安駄婆の「ヒャッヒャッヒャッヒャッ」、義経の「ギョエーー!!」などとインパクトも抜群。黄泉へ転落したときの「ウアーッ」という情けない声と、安駄婆の「おろかもの」「お前の力はそんなものか」という罵声のマッチングも素晴らしい。 ''軽快にして豪快なアクション'' -どのモードでも操作性は軽快。自由度も存外に高く、いろんな攻略法が見出せる。 --ひょいひょいと障害物を飛び越えてついでに敵を切り倒していく横モードの小気味よさが堪らない。障害物をうまく使ったり、時には「ダメージ覚悟で敵を足場にする」という大胆な行動もとれる。 --昔のゲームらしい「探索」が重要な平面モード。平面モード専用の敵キャラクターも多く、見所の多いモードである。 --BIGモードでは大剣をぶんぶん振り回す景清が勇ましい。一方でボスキャラクターには明確な弱点が設定されており、いかにして反撃を受けずに弱点を衝くかというテクニカルな楽しみもある。 -場所によってそれぞれ別のステージへと通じる鳥居はワープゾーンも兼ねたものがあり、ルート構築の段階から様々なプレイスタイルを生み出せる。あえて黄泉に落ちる事で京都からやり直すパターンも存在する。 ''歯応えのある難易度・フィーチャー'' -昔のゲームだけあって難易度はやや高め。ただしルート毎に難易度が分けられているので、それが分かれば実力に応じてより楽しめるようになるだろう。 -敵からの被ダメージ設定は緩く、また自身のライフにも余裕があるため、初心者がゲームに慣れるためのある程度の余裕がある(流石に自分から敵の密集地に突っ込んだり、穴に落ちると話は別だが)。もちろん、中~後半にかけてはかなり厳しくなっていき、ボスの攻撃はダメージが甚大となっていくため、誰でも先に進めると言うわけではない。 -多彩なコースを探索すると言う楽しみもある。中にはお釈迦様がアイテムを投げてくれるボーナス面や、スタッフの遊び心(悪乗り?)が炸裂した「だじゃれの国」という面もある。 --「西国漫遊」と称して全面制覇に挑戦するのもまた乙なもの。 ---- **問題点 ''ノーヒント'' -昔のアーケードゲームではよくあることだが、三種の神器の隠し場所についてはヒントがない。 //-ルート毎の難易度表示がないのも、現在の視点から見ると少々不親切か。 //現在の視点からの言及はNG ''「復活お断り」といわんばかりの後半'' -京都ステージ以降のコンティニューと黄泉からの生還は京都からの再出発となるのは前述した通り。苦手な面があってもクレジットを追加しての連続挑戦で練習・あるいはゴリ押す事が出来ず、京都からかなりの手間を掛けてやり直す羽目になる((ゲーセンでのコンティニューや連コインが認められるかどうかはまた別だが、仕様として用意されているコンティニューというシステムが使い難くなっているのは欠点と言って差し支えないだろう。))。 --そもそもそれ以前に、剣力のリセットによって難易度が大幅に上がり、クリアどころかミスした面に戻ること自体が非常に難しくなる(腕に覚えが無いなら最初からやり直した方が断然効率的)。ゲーム自体の高難易度は当時のアクションゲームとしてはありふれた物だが、ここまで初心者プレイヤーに厳しいゲームは珍しい。黄泉経由で京都に戻られるとインカムにも優しくない((一応、黄泉に落ちる毎に復帰率は下がっていくが、1~2回の復帰でも十分に厳しい所。))。 ''運が絡む信濃'' -信濃に登場するクリア必須アイテムの草薙剣を守っている竜は、当たり判定が頭にしかないのだが、時折、その頭をなかなか下げてこなくなる場合がある((どうも背景の時間が関係している様で月が沈みきると「寝る」ので首を上げたままで弾もあまり吐かなくなるようだ))。最悪、永久パターン防止キャラの頼朝が出るまでに倒せないことも。 ''バリエーションに乏しいボスキャラ'' -技術上の制約からBIGキャラクターを多く登場させられない事情があったのだろうが、40ものステージ数で中ボスが3種類しかいないのは少々寂しい。もし余裕があれば他の源氏の武将や配下の魔物も拝めたであろうだけに残念なところ。 ''永久パターンの存在'' -黄泉だけでなく、終盤の面には特定の面に戻される鳥居も存在し、これを使う事で誰でも永久パターンを実行できる。当然の如くスコアアタックは行われず、また店側としても稼げない機種となったため、難易度を極端に上げたり早々に撤去したところが多かった。 --これは本来神器の回収のための設計で、製作者側も「戻るルート」を前提としていた。勿論戻らないルートもあるのだが、それが隠し面を使うルートだったのである。 ''理不尽なシステム'' -剣力。特にボス戦ですぐ激減するのに、回復できる機会が少な過ぎる。ボスを倒すと回復アイテムを1個落とすが、回復量は3か5。消耗に全く見合わない。 -ステージ開始直後、いきなり矢が降ってきたり、足元に敵が走ってきたりするところがある。初見殺しというレベルなら(知っていればかわせるので)まだ何とかしようはあるが、&bold(){知っていてもかわしようがない場合さえある}のはやり過ぎ。 ''ラスボスが弱過ぎる'' -ラスボスの頼朝と戦うためには、前述の通り三種の神器が必要で、これらを集めるまでが一苦労なのだが……。手に入れてしまえば適当に剣を振り回しているだけで勝ててしまう。 --ポスターやイメージイラストに合った甲冑姿への変身が入る予定だったのだが、上層部からの反対で却下されたらしい。これは後のFC版やPCEで発売された続編『巻ノ弐』にて日の目を見ることになり、格段に強化されてかなり手強くなっている。 ---- **総評 ナムコ、ひいては日本のアーケードゲーム史の中でも独特の立場を築き、根強い支持を集めるゲーム。~ それまでの様々なゲームデザインを混ぜ合わせ、それを高い技術力で再構築し、高次元の完成度を誇る作品に仕立て上げた制作陣の努力もしのばれる。 前述した様に初見殺しが多く、クセのある操作性だが、ゲームシステムや攻略ルートをきちんと理解していればトータルで見ればクリアするのは易しい部類に入る。 このゲームの評価が非常に高いのは、自力でエンディングまでたどり着いたプレイヤーも多かったのも一因と言える。 現在ではアーケードアーカイブスにてAC版の完全移植を遊ぶことが出来る。ただの「面白いアクション」では終わらない往年の名作を、あなたも是非プレイしてみて頂きたい。 ---- //余談の下に移植・続編の節があるのはちょっと変なのでこちらに移動。 **家庭用移植 -''『源平討魔伝』(X68000版/発売日:1988年3月29日)'' --機種のマシンパワーを活かし忠実な移植を実現している。 --AC版でROM内に残っていた没ステージも収録されており、設定を変更することでプレイすることができる。 -''『源平討魔伝』(PCエンジン版/発売日:1990年3月16日)'' --機種依存によるBGMのニュアンスの変化、画面レイアウト構成の変更の他、敵のアルゴリズム、弁慶の弱点の変更などの相違点があり、~ AC版での攻略パターンが通じなくなっていることを除けばグラフィック、面構成共にほぼ忠実な移植となっている。剣力の減り方が緩和されているため、AC版よりやりやすい部分はある。 --二重スクロールの手前の背景を全てスプライトで描画しているため、場面によってスプライトのちらつきが激しくなる場合がある。 --2007年10月2日より、バーチャルコンソールで配信されたが2019年にバーチャルコンソールサービス終了に伴い配信を終了した。 -''『[[源平討魔伝>源平討魔伝 (FC)]]』(ファミリーコンピュータ版/発売日:1988年10月21日)'' --「コンピューターボードゲーム」の冠の通り、RPG要素を加味したボードゲームという別物になっている。~ 付属のゲーム盤やコマを使って遊ぶ必要がある(ゲーム単体でもそれなりに遊べはするが)ため、今からのプレイは非常に困難。 -''『源平討魔伝』(プレイステーション版/発売日:1996年11月8日)'' --「ナムコミュージアムVol.4」に収録。業務用を忠実に移植している。 -''『源平討魔伝』(バーチャルコンソールアーケード版 配信開始日:2009年3月31日)'' --業務用の忠実移植。こちらも2019年にバーチャルコンソールサービス終了に伴い配信を終了した。 -''『源平討魔伝』(アーケードアーカイブス版 配信開始日:2021年10月7日)'' --こちらも業務用の忠実移植。 その他、携帯アプリ版、Windows向けの廉価版ソフトシリーズでの復刻もなされている。 ---- **続編 -''『[[源平討魔伝 巻ノ弐]]』(PCエンジン/発売日:1992年4月7日)'' --正式な続編として制作された家庭用オリジナル作品。海外版のタイトルは「Samurai-Ghost」。 --異世界で復活の機会をうかがう頼朝を完全に滅ぼすべく、再び蘇った景清が戦う。 --全てのステージがAC版におけるBIGモードで統一されつつ、横モードにおけるジャンプアクションの要素が強められているなどの変更点がある。 --2008年1月8日より、バーチャルコンソールで配信された。 ---- **余談その一:元ネタなど -景清の元ネタは、平家に仕えて都落ちに従った武士・平景清(藤原景清もしくは伊藤景清とも)。「悪七兵衛」の異名を持ち((当時「悪」の字は「凄く強い」と言う意味なので「悪」を自称する武士はそれなりに居た。))、『平家物語』の巻十一「弓流」では兜の錣を引きちぎる「錣引き」の逸話も語られている。その最期については、壇ノ浦決戦で囚われた後、虜囚先にて絶食して果てたという説が一般的。 --更に言うと、このゲーム自体のモチーフは近松門左衛門が書いた人形浄瑠璃『出世景清』。平家滅亡後も落ち延び、頼朝の首を狙う悪七兵衛景清を描いた物語である。 -安駄婆の名前の由来は「アンダーバー」。 -京都の平面モードでは謎の赤い怪物が出現する。元ネタはそのものズバリ、『[[平安京エイリアン]]』。 --中潟憲雄の妻の身内がAC版の開発に携わっていたらしい。恐らくはその事が縁でのパロディだろう。 -前述の通りハイスコアアタックが盛り上がらなかった本作だが、その反面一種の縛りプレイである低得点クリアプレイ「ロースコアアタック」が注目された。『ナムコミュージアムVoL.4』ではスコア記録欄に「最低スコア」が用意されている程である。タイムアタックの亜種とも言えるか。 -当時のゲームとしては珍しく、実写PVが作成されナムコ直営のゲームセンターなどで放映された模様。こちらの景清はゲームと違って金髪であるが雰囲気は十分に出ている。このPVも『ナムコミュージアムVol.4』におまけとして一部カットされた短縮バージョンが収録されており閲覧可能である。 --アニメパート監督は若き日の雨宮慶太((AC版『超絶倫人ベラボーマン』のポスターも手がけている。))。同氏は後に同社ゲームのタイアップ映画『未来忍者』を制作する。興味があるなら本wikiだと「[[七ツ風の島物語]]」も参照するとよい。 -開発当初はスタッフの各々が別々に携わっていたプロジェクト業務の合間を縫って、非公式かつ秘密裏に開発を進めており、社内コンペで当時のナムコ社長であった中村雅哉に気に入られた結果、正式な開発許可が下りたという逸話がある。 --上述のPVも、映画好きとして知られている中村雅哉氏のポケットマネーによって制作されたものである。また、ゲームタイトルの文字フォントも中村氏自らが書き下ろしたものを使用しているという。 -[[太鼓の達人シリーズ]]でこのゲームのBGMをメドレーにしたアレンジ曲「KAGEKIYO 源平討魔伝メドレー」が収録されている。 --特に最高難易度の「おに」はシリーズ初の765コンボという事もありその存在感は大きく、今も尚衰えていない。 ---- **余談その二:日本ゲーム史上屈指の名文 #center(){{{ &font(130%){神様は死んだ}~ &font(130%){悪魔は去った}~ &font(130%){太古より巣喰いし}~ &font(130%){狂える地虫の嬌声も}~ &font(130%){今は、はるか}~ &font(130%){郷愁の彼向へ消去り}~ &font(130%){盛衰の於母影を}~ &font(130%){ただ君の}~ &font(130%){切々たる胸中深くに}~ &font(130%){残すのみ}~ }}} #center(){{{ &font(130%){神も悪魔も}~ &font(130%){降立たぬ荒野に}~ &font(130%){我々はいる}~ }}} #center(){{{ &font(130%){故深谷正一氏に}~ &font(130%){ささぐ。} }}} &br&br 「我が魂は不滅じゃ」との言葉と共に頼朝が消滅すると、景清は突然その場に崩れ落ち、その身は桜の花々となって散る。長い旅路の果てに本懐を遂げた彼は、遂に成仏出来たのであろう。~ 日本晴れの富士山をバックに舞い散る桜吹雪に、無常観と哀愁漂う音楽が相まって『平家物語』の「諸行無常」を連想させる、80年代のアーケードゲームシーンの中でもとりわけ名場面と名高いエンディングである。 また、このメッセージは文末の弔辞を見てもわかるように、制作陣の心情が重ねられたものになっている。~ 『[[ゼビウス]]』や『[[ドルアーガの塔]]』を制作した遠藤雅伸曰く((2chで以下の文章を書き残している。遠藤氏の経歴から言っても以下のことはかなり信憑性の高い話だと思われるが、何故かウィキペディアで深谷正一関連の記述をすると、真っ先に消しにかかる輩、所謂「出典厨」がいる。))~ >当時のナムコには「天上界」と呼ばれるクラスのプログラマが2人いました。~ 1人は後輩から「神」と崇められ、幾多のプログラマを一人前に育てた深谷氏、~ もう1人は後輩から「悪魔」と恐れられ、不可能と思えるプログラムを次々と手掛け、~ 理解するのが困難なハードよりのプログラムで奇跡を起こした(リブルラブルもね)黒須氏です。 「神様は死んだ」は『[[マッピー]]』『[[ワープマン]]』等を担当した深谷正一((31歳にて急病にかかってしまい、10日間の闘病も空しく亡くなってしまった。彼の死を惜しまない人はいなかったという。))の急逝を、「悪魔は去った」は同じく『リブルラブル』等を担当した黒須一雄の退社((遠藤雅伸とともに独立し、株式会社ゲームスタジオの設立に関わっている。なお、今でも同社の取締役兼プログラマーとして活躍中である。))をそれぞれ指している。~ ナムコを支えてきた天才級のプログラマーが立て続けに同社を去ったことを偲び、「神も悪魔も降立たぬ荒野に我々はいる(=もう、二人に頼ることはできない)」とナムコの未来を憂うこの弔辞も、本作が持つ一種の「儚さ」をより強調している。~ 製作者の私情(しかも人の死)をゲーム中で表に出してしまうことについては、その是非を問う声もあって然るべきことかもしれない。~ だが『源平討魔伝』というゲームに関しては勝利の末の消滅を宿命づけられた武士を主人公とした諸行無常な世界観と重なっていたため、結果的に本作の独特の風情をより高めていると言ってもいいだろう。 //神様(景清)は死に、悪魔(頼朝)もまた去った…ということである。 ちなみにPCE版では「故深谷正一氏にささぐ」の部分のみカットされている。~ //なお海外の創作物(特に小説)において、「本作を〇〇に捧ぐ」は一般的である。日本の、しかもゲームでは珍しくはあるが。 後年、ED一節である「神も悪魔も降りぬ荒野に」は『[[NAMCOxCAPCOM]]』における源平討魔伝編のサブタイトルにもなった。~

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