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*エレベーターアクション リターンズ 【えれべーたーあくしょん りたーんず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000069UGJ)※セガサターン版| |対応機種|アーケード(F3システム)|~| |発売・開発元|タイトー|~| |稼働開始日|1995年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''エレベーターアクションシリーズ''&br;[[初代>エレベーターアクション]] / ''リターンズ'' / デスパレード| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[エレベーターアクション]]』登場から12年後に登場したアクションゲーム。8方向レバー2ボタン式、2人同時プレイ可能。~ グラフィックやサウンドは大幅に進化。システムもエレベーターアクションをベースに大幅なパワーアップを施している。~ 「スパイの諜報活動」をテーマとした前作から世界観が一新されており、エレベーターによるギミックを踏襲しつつ、特殊部隊とテロリストとの戦いというミリタリーアクション風の世界観となった。 **システム -残機ライフ制。ライフが0になるとミスとなり残機が1消費する。 --ライフは敵の攻撃で減少する。しかしエレベーターに挟まれる・1階分の高さから落ちる・タイムオーバーでライフ関係無しにミスになる。 ---エレベーターに挟まれる際、地面に血が滲み出る演出が挿入される((テストモードでグロ描写をオフにできる。))。微妙なグロさも継承済み。 ---普段は残り時間が表示されず(最終ステージ除く)、残り時間が僅かになると初めて残り時間を表示するので注意。 -前作からの継承 --ジャンプボタンによる飛び蹴り、エレベーター操作、エレベーターによる押しつぶし、電灯破壊。クリアに必須の色違いのドアに入って重要文書の回収。 -攻撃方法が増加 --攻撃とジャンプ同時押しで強力なボム攻撃を放つ。ボムの効果はキャラクターによって異なるが、ストック数は潤沢に確保できる。 --青いドアに入るなどでアイテムを入手すると、武器がパワーアップする事がある。敵を貫通し炎上させるミサイルランチャーや、高速連射できるマシンガンを一時的に使えるがパワーアップ武器は残弾制。 --斜め上方に銃撃が可能となり、天井についた照明や、上の階を攻撃しやすくなった。 -操作方法の変化 --移動方向にレバーを二回入れるとダッシュする事が可能。 --敵と至近距離にいる場合は格闘攻撃に変化。連続で攻撃ボタンを押すとコンボになり威力が増す。銃で撃つよりもスコアが高い。 -キャラクター選択システム搭載。機動力やボム内容の異なる三人のうち一人を選んでプレイする。 --カート=ブラットフィールド:金髪のイケメン兄ちゃん。移動スピードが最も速い。 ---選択時のパラメータでは銃の連射性能が最も低く見えるのだが、実際にはジャドよりわずかながら速い。ボムは時限式の手榴弾で、威力も使い勝手もそこそこ。 ---近接攻撃が強い(彼だけ4段攻撃ができたりする)が、それはゲームの性質上特に有利になるわけではない。他は飛びぬけた性能を持たず、全キャラ中2番目の体力も今一つ信用ならないので、実は最も難しいキャラかもしれない。~ 長身のため、立ち状態の当たり判定が特に大きいのも悩みの種。また、このせいで「他の2キャラではショートカットジャンプできるが、彼だけ死んでしまう」足場が存在する。 --イーディー=ベレッタ:長髪で胸が豊かな若い女性。連射力がぶっちぎりに高く、そこから生み出される火力は強烈の一言。マシンガン装備時はSTGばりの連射を見せる。 ---ボムは焼夷弾で、攻撃範囲がやや狭い代わりに持続時間が非常に長い。発生がやや遅いし直接ヒットはしないので緊急回避には心もとないが、範囲内なら炎で1発で倒せる敵は一掃、単一の敵に持続ヒットすると攻撃力も高い。敵の発生源を燃やすなどきちんとパターンを組めるならかなり強力な効果を発揮する。 ---体力の少なさが欠点だが最も稼げるキャラ。ある程度ゲームに慣れた人からは「最強」と評価されることも多い。 --ジャド=タフ:ごついおっさん。銃弾を4発程度なら耐えられる体力の多さが頼もしい。 ---彼だけダッシュがタックル攻撃になっている。雑魚をダッシュで薙ぎ払うのは爽快感抜群。 ---ボムはセットした後に爆発して破片が飛び散る設置型。自爆はしないので、直接的に投げ当てて爆発させる使い方で充分強い。耐久力のある敵に複数ヒットしにくく、結果的にボムの中では火力が低いのが唯一の弱点か。 ---移動スピードの遅さと連射性能の低さが災いし、一部場面がきついのが難点だが、初見プレイには一番オススメできるキャラ。 -ステージの大幅な変化 --全6ステージの非ループゲーム。最初のステージである廃ビルこそ前作をそのままリニューアルした物だが、空港では横スクロールとなり、左側へ進軍していく。 --また、ステージ3は一転してエレベーターで上へと進軍していくステージになっている他、横方向に画面が切り替わる場面も存在するので、スクロール方式もバラエティに富んでいる。 --加えて、ステージ1のビルでは、前作だと地上階クリア後はそのまま地下に進軍していたが、本作では地上階の最後の文書を回収すると、敵のヘリからミサイルが発射されビルが崩壊→その後地下へ進軍だったり、ステージ2以降ではスクロールが強制ストップし画面の左右から雑魚の集団が襲いかかる…といった具合にステージ内の演出も当時の相応の進化を遂げていると言えるだろう。 -微妙な変化とギミック --前作では天井についた電灯を破壊すると真っ暗になったが、本作では壁についたコントロールパネルを射撃で破壊しても幾つか事情が変わる。 --ボムなどの爆発攻撃でしか破壊できないアイテムコンテナもある。 **評価点 -時代に合わせてよりきれいに細かくグラフィックが書き込まれ、プレイしやすくなった。 --そして1面の舞台は前作のビル内部をマップ構造ごと模しており、シリーズの正統進化をアピールしている。 -前作と比して難易度が低下し、先へ進みやすくなった。 --ライフ制であり自機の耐久力が高いので死ににくくなったことが大きな要因。 --青いドアなどの各所で得点だけでなく、体力回復アイテムやパワーアップアイテムが得られるようになり、よりクリアの助けになるが。使わなくても十分クリアできる作りになっている。 -アクション性の向上と豊富なギミック --従来のジャンプ(ジャンプキック)・銃撃・ドアに出入りする、だけでなく、走る、サブウェポン、近接格闘などのアクションが可能となり、機動的で豊富な動きが可能になった。難易度も高くないため、存分に走ったりできる。 --その分ギミックは手強くなり、時間差地雷や電撃が流れるトラップ、ベルトコンベアーなど行く手を阻む罠が大幅に増加(階段はほとんどなくなった)。 --敵も様々に。1発では死ななかったり、撃たれても2回程は復活したり、機動兵器で高速で迫ってきたり。 -BGMの担当は渡部恭久。ステージ毎に2曲以上用意されている。そしてあいも変らず展開の節目で曲が変わる。 --隠し要素的な扱いだが、初代エレベーターアクションをハウス調にリミックスした「エレベーターアクション'95」は一聴の価値有り。 **賛否両論点 -ギミックやシステムの追加が豊富。アクションゲーム単品なら立派な進歩だが、従来のエレベーターアクションらしさを期待すると拍子抜けさせられる。 --前述のように主人公達は特殊部隊のメンバーでミリタリーアクションテイストが色濃い作風であり、前作のスパイ映画を意識した潜入探索の雰囲気は皆無。 --「リターンズ」と言う名前をつけたため「前作のリメイク」という印象が強まってしまったこともテイストの違いの要因だろう。素直に「II」とつけておけばまだ違ったかもしれない。 ---ちなみに海外版のタイトルは『Elevator Action II』とナンバリングタイトルになっている。 -前作同様、エレベーター待ち時間があるので若干冗長。また、やはり主人公達は落下には弱く1階分の落差で一発死してしまうので、そこは無茶できない。 --実は敵も同様に落下に弱い仕様なのも前作同様。耐久力ある敵でも叩き落とせば一発死。 --敵の攻撃を受けた後の無敵時間でも1階分落ちると死んでしまう。よく陥りやすいのは「エレベーター付近でジャンプ回避失敗でのノックバックでそのまま穴に落ちて即死」のケース。 ---一方死んだ直後の復帰時の無敵時間では画面外に出ない限り何階分落ちても死なないという小技が有る。 -エンディングは全キャラ共通でいやにあっさり。 --実はタイトーらしい鬱展開。文章表示はステージの簡潔なあらすじのみなので気付きにくいのだが、ステージ間の一枚絵と合わせてよく見るとその結末がわかる。 --ボタンを押すとスタッフロールが飛ばされる仕様のため、じっくり見たい場合は注意。 ---ちなみに本作の流れを組んだ業務用『エレベーターアクションデスパレード』にも鬱展開は存在する。 --最終ステージでタイムオーバーになるとコンティニュー不可で、テロを完遂されてしまうバッドエンドとなる。 **問題点 -キャラが小さい。 --本作は演出関連がダイナミックに描写されている反面、ゲーム画面のキャラクターに関しては、敵味方問わずかなり小さく描かれていて、こぢんまりした印象を受ける事も。 --ただ、本作のキャラクターのアニメーション自体は、当時のアクションゲームにしてはかなり滑らかに動く為、演出の代償としてキャラが小さくなったのかも知れない。 -ステージ進行が止まると表示されるアラートが人によっては鬱陶しい。 --ステージ進行が一定時間進まない状態になると先へ進むための指示と共にアラートが表示される。これ自体はプレイヤーを迷いにくくするための親切な仕様なのだが、~ 制限時間が余裕のある調整にも関わらず早い段階で表示され始めるため、鬱陶しく感じることも。 ---特にスコア稼ぎでは特定のドアの前で待機して出てきた敵を時間ギリギリまで殴り続ける必要があるので、ひたすら鳴り続けるアラート音に耐えつつ稼がなければならない。 **総評 大変解りやすいシステムで手軽にできる2Dアクションゲーム。グラフィックも美しくなってギミックも豊富。攻略を目指さなくても十分楽しめる作りになっている。 //だが、エレベーターアクションらしさはあまり無い。皮肉にも、「ああ、前作の血を色濃く受け継いでるな」と実感するのはエレベーターの待ち時間くらいである。 一方、スパイ映画をモチーフとした前作から一転、ミリタリーアクション的世界観に転換し、ゲーム性を踏襲しつつも派手なギミックが多く付加されたこともあり、前作の面影やらしさはあまりなくなっているため、前作のテイストが好きだった人にはやや賛否両論といえるかもしれない。 **家庭用移植 -''『エレベーターアクション リターンズ』(セガサターン 1997年2月14日、ビング)'' --前作『エレベーターアクション』とのカップリング移植。初代の方はオマケ扱いでロックされており『リターンズ』の全クリア後に遊べるようになる。 --文句なしの忠実移植。だがオプションが難易度とボタン設定程度と極めて貧相。しかも同時押しボタンを設定すると、従来のボタン2つ同時押しでは認識しなくなるという謎仕様。 -''『タイトーメモリーズ上巻』(プレイステーション2 2005年7月28日、タイトー)'' --本作が収録されている。 --最初の廉価版であるタイトーベスト初期出荷版にはマシンガンのオート連射ができないバグがあるので注意。 ---同後期出荷版およびエターナルヒッツ版では修正されている。 -''『エレベーターアクションリターンズ Sトリビュート』(Switch/PS4/One/PC(Steam) 2022年12月1日、シティコネクション)'' --「サターントリビュート」シリーズの一作としてセガサターン版を移植。 ---リワインド、スローモード、中断セーブ、ステージセレクト等の追加要素の他、SS版では隠し要素だった『初代』が最初からプレイ可能になっている。 ---Steam版にはデフォルト設定が「キーボード&マウス」に設定されているのが原因でゲームパッドを正常に認識しない不具合がある。~ この場合、ライブラリ一覧からタイトル右クリックして「管理」→「コントローラレイアウト」でテンプレート設定を「ゲームパッド」に設定する必要がある。 **関連作 -''『エレベーターアクションデスパレード』(2009年 AC)'' --アーケード向けにリリースされた最新作。シリーズ初のレールシューター(ガンシューティングアクション)となっている。 --ストーリーやキャラクターは異なるが、『リターンズ』の流れを組んだミリタリーアクション風の作風となっており、シリーズ恒例のエレベーターギミックも健在となっている。
*エレベーターアクション リターンズ 【えれべーたーあくしょん りたーんず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000069UGJ)※セガサターン版| |対応機種|アーケード(F3システム)|~| |発売・開発元|タイトー|~| |稼働開始日|1995年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''エレベーターアクションシリーズ''&br;[[初代>エレベーターアクション]] / ''リターンズ'' / デスパレード| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[エレベーターアクション]]』登場から12年後に登場したアクションゲーム。8方向レバー2ボタン式、2人同時プレイ可能。~ グラフィックやサウンドは大幅に進化。システムもエレベーターアクションをベースに大幅なパワーアップを施している。~ 「スパイの諜報活動」をテーマとした前作から世界観が一新されており、エレベーターによるギミックを踏襲しつつ、特殊部隊とテロリストとの戦いというミリタリーアクション風の世界観となった。 **システム -残機ライフ制。ライフが0になるとミスとなり残機が1消費する。 --ライフは敵の攻撃で減少する。しかしエレベーターに挟まれる・1階分の高さから落ちる・タイムオーバーでライフ関係無しにミスになる。 ---エレベーターに挟まれる際、地面に血が滲み出る演出が挿入される((テストモードでグロ描写をオフにできる。))。微妙なグロさも継承済み。 ---普段は残り時間が表示されず(最終ステージ除く)、残り時間が僅かになると初めて残り時間を表示するので注意。 -前作からの継承 --ジャンプボタンによる飛び蹴り、エレベーター操作、エレベーターによる押しつぶし、電灯破壊。クリアに必須の色違いのドアに入って重要文書の回収。 -攻撃方法が増加 --攻撃とジャンプ同時押しで強力なボム攻撃を放つ。ボムの効果はキャラクターによって異なるが、ストック数は潤沢に確保できる。 --青いドアに入るなどでアイテムを入手すると、武器がパワーアップする事がある。敵を貫通し炎上させるミサイルランチャーや、高速連射できるマシンガンを一時的に使えるがパワーアップ武器は残弾制。 --斜め上方に銃撃が可能となり、天井についた照明や、上の階を攻撃しやすくなった。 -操作方法の変化 --移動方向にレバーを二回入れるとダッシュする事が可能。 --敵と至近距離にいる場合は格闘攻撃に変化。連続で攻撃ボタンを押すとコンボになり威力が増す。銃で撃つよりもスコアが高い。 -キャラクター選択システム搭載。機動力やボム内容の異なる三人のうち一人を選んでプレイする。 --カート=ブラットフィールド:金髪のイケメン兄ちゃん。移動スピードが最も速い。 ---選択時のパラメータでは銃の連射性能が最も低く見えるのだが、実際にはジャドよりわずかながら速い。ボムは時限式の手榴弾で、威力も使い勝手もそこそこ。 ---近接攻撃が強い(彼だけ4段攻撃ができたりする)が、それはゲームの性質上特に有利になるわけではない。他は飛びぬけた性能を持たず、全キャラ中2番目の体力も今一つ信用ならないので、実は最も難しいキャラかもしれない。~ 長身のため、立ち状態の当たり判定が特に大きいのも悩みの種。また、このせいで「他の2キャラではショートカットジャンプできるが、彼だけ死んでしまう」足場が存在する。 --イーディー=ベレッタ:長髪で胸が豊かな若い女性。連射力がぶっちぎりに高く、そこから生み出される火力は強烈の一言。マシンガン装備時はSTGばりの連射を見せる。 ---ボムは焼夷弾で、攻撃範囲がやや狭い代わりに持続時間が非常に長い。発生がやや遅いし直接ヒットはしないので緊急回避には心もとないが、範囲内なら炎で1発で倒せる敵は一掃、単一の敵に持続ヒットすると攻撃力も高い。敵の発生源を燃やすなどきちんとパターンを組めるならかなり強力な効果を発揮する。 ---体力の少なさが欠点だが最も稼げるキャラ。ある程度ゲームに慣れた人からは「最強」と評価されることも多い。 --ジャド=タフ:ごついおっさん。銃弾を4発程度なら耐えられる体力の多さが頼もしい。 ---彼だけダッシュがタックル攻撃になっている。雑魚をダッシュで薙ぎ払うのは爽快感抜群。 ---ボムはセットした後に爆発して破片が飛び散る設置型。自爆はしないので、直接的に投げ当てて爆発させる使い方で充分強い。耐久力のある敵に複数ヒットしにくく、結果的にボムの中では火力が低いのが唯一の弱点か。 ---移動スピードの遅さと連射性能の低さが災いし、一部場面がきついのが難点だが、初見プレイには一番オススメできるキャラ。 -ステージの大幅な変化 --全6ステージの非ループゲーム。最初のステージである廃ビルこそ前作をそのままリニューアルした物だが、空港では横スクロールとなり、左側へ進軍していく。 --また、ステージ3は一転してエレベーターで上へと進軍していくステージになっている他、横方向に画面が切り替わる場面も存在するので、スクロール方式もバラエティに富んでいる。 --加えて、ステージ1のビルでは、前作だと地上階クリア後はそのまま地下に進軍していたが、本作では地上階の最後の文書を回収すると、敵のヘリからミサイルが発射されビルが崩壊→その後地下へ進軍だったり、ステージ2以降ではスクロールが強制ストップし画面の左右から雑魚の集団が襲いかかる…といった具合にステージ内の演出も当時の相応の進化を遂げていると言えるだろう。 -微妙な変化とギミック --前作では天井についた電灯を破壊すると真っ暗になったが、本作では壁についたコントロールパネルを射撃で破壊しても幾つか事情が変わる。 --ボムなどの爆発攻撃でしか破壊できないアイテムコンテナもある。 **評価点 -時代に合わせてよりきれいに細かくグラフィックが書き込まれ、プレイしやすくなった。 --そして1面の舞台は前作のビル内部をマップ構造ごと模しており、シリーズの正統進化をアピールしている。 -前作と比して難易度が低下し、先へ進みやすくなった。 --ライフ制であり自機の耐久力が高いので死ににくくなったことが大きな要因。 --青いドアなどの各所で得点だけでなく、体力回復アイテムやパワーアップアイテムが得られるようになり、よりクリアの助けになるが。使わなくても十分クリアできる作りになっている。 -アクション性の向上と豊富なギミック --従来のジャンプ(ジャンプキック)・銃撃・ドアに出入りする、だけでなく、走る、サブウェポン、近接格闘などのアクションが可能となり、機動的で豊富な動きが可能になった。難易度も高くないため、存分に走ったりできる。 --その分ギミックは手強くなり、時間差地雷や電撃が流れるトラップ、ベルトコンベアーなど行く手を阻む罠が大幅に増加(階段はほとんどなくなった)。 --敵も様々に。1発では死ななかったり、撃たれても2回程は復活したり、機動兵器で高速で迫ってきたり。 -BGMの担当は渡部恭久。ステージ毎に2曲以上用意されている。そしてあいも変らず展開の節目で曲が変わる。 --隠し要素的な扱いだが、初代エレベーターアクションをハウス調にリミックスした「エレベーターアクション'95」は一聴の価値有り。 **賛否両論点 -ギミックやシステムの追加が豊富。アクションゲーム単品なら立派な進歩だが、従来のエレベーターアクションらしさを期待すると拍子抜けさせられる。 --前述のように主人公達は特殊部隊のメンバーでミリタリーアクションテイストが色濃い作風であり、前作のスパイ映画を意識した潜入探索の雰囲気は皆無。 --「リターンズ」と言う名前をつけたため「前作のリメイク」という印象が強まってしまったこともテイストの違いの要因だろう。素直に「II」とつけておけばまだ違ったかもしれない。 ---ちなみに海外版のタイトルは『Elevator Action II』とナンバリングタイトルになっている。 -前作同様、エレベーター待ち時間があるので若干冗長。また、やはり主人公達は落下には弱く1階分の落差で一発死してしまうので、そこは無茶できない。 --実は敵も同様に落下に弱い仕様なのも前作同様。耐久力ある敵でも叩き落とせば一発死。 --敵の攻撃を受けた後の無敵時間でも1階分落ちると死んでしまう。よく陥りやすいのは「エレベーター付近でジャンプ回避失敗でのノックバックでそのまま穴に落ちて即死」のケース。 ---一方死んだ直後の復帰時の無敵時間では画面外に出ない限り何階分落ちても死なないという小技が有る。 -エンディングは全キャラ共通でいやにあっさり。 --実はタイトーらしい鬱展開。文章表示はステージの簡潔なあらすじのみなので気付きにくいのだが、ステージ間の一枚絵と合わせてよく見るとその結末がわかる。 --ボタンを押すとスタッフロールが飛ばされる仕様のため、じっくり見たい場合は注意。 ---ちなみに本作の流れを組んだ業務用『エレベーターアクションデスパレード』にも鬱展開は存在する。 --最終ステージでタイムオーバーになるとコンティニュー不可で、テロを完遂されてしまうバッドエンドとなる。 **問題点 -キャラが小さい。 --本作は演出関連がダイナミックに描写されている反面、ゲーム画面のキャラクターに関しては、敵味方問わずかなり小さく描かれていて、こぢんまりした印象を受ける事も。 --ただ、本作のキャラクターのアニメーション自体は、当時のアクションゲームにしてはかなり滑らかに動く為、演出の代償としてキャラが小さくなったのかも知れない。 -ステージ進行が止まると表示されるアラートが人によっては鬱陶しい。 --ステージ進行が一定時間進まない状態になると先へ進むための指示と共にアラートが表示される。これ自体はプレイヤーを迷いにくくするための親切な仕様なのだが、~ 制限時間が余裕のある調整にもかかわらず早い段階で表示され始めるため、鬱陶しく感じることも。 ---特にスコア稼ぎでは特定のドアの前で待機して出てきた敵を時間ギリギリまで殴り続ける必要があるので、ひたすら鳴り続けるアラート音に耐えつつ稼がなければならない。 **総評 大変解りやすいシステムで手軽にできる2Dアクションゲーム。グラフィックも美しくなってギミックも豊富。攻略を目指さなくても十分楽しめる作りになっている。 //だが、エレベーターアクションらしさはあまり無い。皮肉にも、「ああ、前作の血を色濃く受け継いでるな」と実感するのはエレベーターの待ち時間くらいである。 一方、スパイ映画をモチーフとした前作から一転、ミリタリーアクション的世界観に転換し、ゲーム性を踏襲しつつも派手なギミックが多く付加されたこともあり、前作の面影やらしさはあまりなくなっているため、前作のテイストが好きだった人にはやや賛否両論といえるかもしれない。 **家庭用移植 -''『エレベーターアクション リターンズ』(セガサターン 1997年2月14日、ビング)'' --前作『エレベーターアクション』とのカップリング移植。初代の方はオマケ扱いでロックされており『リターンズ』の全クリア後に遊べるようになる。 --文句なしの忠実移植。だがオプションが難易度とボタン設定程度と極めて貧相。しかも同時押しボタンを設定すると、従来のボタン2つ同時押しでは認識しなくなるという謎仕様。 -''『タイトーメモリーズ上巻』(プレイステーション2 2005年7月28日、タイトー)'' --本作が収録されている。 --最初の廉価版であるタイトーベスト初期出荷版にはマシンガンのオート連射ができないバグがあるので注意。 ---同後期出荷版およびエターナルヒッツ版では修正されている。 -''『エレベーターアクションリターンズ Sトリビュート』(Switch/PS4/One/PC(Steam) 2022年12月1日、シティコネクション)'' --「サターントリビュート」シリーズの一作としてセガサターン版を移植。 ---リワインド、スローモード、中断セーブ、ステージセレクト等の追加要素の他、SS版では隠し要素だった『初代』が最初からプレイ可能になっている。 ---Steam版にはデフォルト設定が「キーボード&マウス」に設定されているのが原因でゲームパッドを正常に認識しない不具合がある。~ この場合、ライブラリ一覧からタイトル右クリックして「管理」→「コントローラレイアウト」でテンプレート設定を「ゲームパッド」に設定する必要がある。 **関連作 -''『エレベーターアクションデスパレード』(2009年 AC)'' --アーケード向けにリリースされた最新作。シリーズ初のレールシューター(ガンシューティングアクション)となっている。 --ストーリーやキャラクターは異なるが、『リターンズ』の流れを組んだミリタリーアクション風の作風となっており、シリーズ恒例のエレベーターギミックも健在となっている。

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