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ASO」(2024/01/14 (日) 08:14:03) の最新版変更点

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*ASO 【えーえすおー】 |ジャンル|シューティング|&blankimg(aso.jpg,width=150,height=200)| |対応機種|アーケード|~| |販売元|ナムコ|~| |開発元|SNK|~| |稼働開始日|1985年11月|~| |配信|アーケードアーカイブス&br()【Switch・PS4】2018年10月25日/823円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『B-WINGS』(データイースト)の流れを汲む縦スクロールSTGの名作。 -自機である戦闘艇「SYD(シド)」を操り、謎の兵器群「メカノクレート」に襲撃された未来世界の解放を目指す。 -操作は1レバー+レーザー(対空ショット)・ミサイル(対地ショット)・アーマーの3ボタン。 --いわゆる『[[ゼビウス]]』タイプの構成だが、このゲームの最大の特徴はアーマーボタンで展開する''「Armored Scrum Object」''の存在(タイトルの由来でもある)。 ---全8種類のアーマーが存在し、任意に使い分けることが可能。これによって他に類を見ない独自性と高い戦略性を実現している。 -残機制の全13ステージだが、厳密には6ステージ×2周。13ステージ目に突入した直後にボーナス得点が入ってオールクリア。 **ストーリー > 自己思考・自己修復・自己補給能力を持つ生化学部品が生み出した謎の兵器群「メカノクレート」。~ 正体不明である彼らとの200年もの長きに渡る戦いを繰り広げていた未来世界の人類は、最終手段として過去の人類(現代人=プレイヤー)に救援を求めた。~ その方法は『異なる次元間の接続を実現した通信システムを使い、専用マシン(アーケード筐体)と接続された自動戦闘艇SYDとの2点間通信による遠隔操作で戦闘を行う』というものである。侵略者である「メカノクレート」の正体を暴き、戦争終結と人類を滅亡の危機から救うため、全ての命運は君(プレイヤー)に託された。 **特徴 -''パワーアップアイテム'' --対空(L)・対地(M)・自機の移動速度(S)があり、3つ取得するごとに1段階上がる。強化できるのはそれぞれ3段階まで。 --対地攻撃は多くのゲームが採用していたピンポイント爆撃式ではなく、軌道上にいる敵にも当たる。ただし弾速が低く、射程制限あり。 ---また、各種パワーアップ(パワーダウン)アイテムが対地攻撃を遮ってしまうため、これを念頭に置く攻略が必要である。 --フルパワーアップ状態の場合は上記の文字が裏返った「パワーダウンアイテム」が出現する。取るとパワーアップが1段階ダウンする。 -''アーマー'' --エネルギーゲージが一定量以上あるときにアーマーボタンを押すと、画面下部で選択中のアーマーを装着。 --初期状態ではオクトとシールドの2種類しか持っていないが、敵から入手できる3つのパーツ(ヘッド、左ウィング、右ウィング)を続けて取ることで新たにストックできる。 --装着するアーマーを選択すると自機が強制的に画面中央へ移動するが、アーマー装着の演出中は完全無敵となる。 --アーマー装着中は被弾してもエネルギーが減るのみでミスにはならないため、緊急回避(ボム)の役割を兼ねている。 ---装着中に再度アーマーボタンを押すかエネルギーがゼロになると強制解除され、一度解除されたアーマーは再びパーツを揃えないと使用できない。 --アーマーは各1つずつ、最大8種類ストック可能。それぞれ効果や消費エネルギーなどが異なる。 ---''オクトアーマー'':レーザーが8方向に飛ぶ敵弾消去可能な''単発弾''に変化。基本的にアーマー使用前よりも火力が下がるため使いどころが少ないが、ピンポイントで力を発揮する場面も。 ---''シールドアーマー'':自機の周囲に防御壁を展開する。被弾しない限りエネルギーは減らないため、実質エネルギー分だけ自機が増えた状態と言える。更には被弾しても消費エネルギーはたったの2(16エネルギーあれば8回耐えられる)。一応、僅かとはいえ当たり判定が大きくなる欠点はある。 ---''キャノンアーマー'':レーザーが高性能な広域弾に変化。装着中はエネルギーを消費し続けるが、燃費が良く使いやすい。 ---''ホーミングアーマー'':1ゲージ消費でミサイルがホーミング弾に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しない。 ---''パラライザーアーマー'':レーザーに敵弾消去と敵を凍らせる効果が付く。凍らした敵に接触すると破壊可能。装着中はエネルギーを消費し続ける。 ---''ニュークリアアーマー'':ミサイルが高威力・広範囲の核弾頭に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しないが、速射性は低い。 ---''ファイヤーアーマー'':前方直線状に火炎放射。高威力・敵弾消去可能だが射程に制限があり、装着中はエネルギーを消費し続ける。 ---''サンダーアーマー'':ミサイルが超高威力・敵弾消去可能な全画面攻撃に変化。非常に強力だが、エネルギー消費量が最も多い。 -''各種アイテム'' --「F」:画面上のピラミッド(アイテムが隠されているもの含めて)が一定時間破壊された状態になる。 --「E」:アーマーのエネルギーが回復する。青、黄、赤の3種類があり、回復量は順に1、4、8。但し、アーマー装着時は青のエネルギーパネルしか出てこない(回復量はアーマー未装着時と同じ)。 ---文字が裏返った逆「E」もあり、こちらは取ると4ゲージ減らされる。 --「V」:アーマーエネルギーゲージの上限が1マス増える。アーマーエネルギーゲージの初期上限値は16マスだが、これを取得することで最大24マスまで増やせる。 --「K」:プレイヤーミスになってもミス前のパワーアップ状態を維持できる((複数取得していた場合、取得した分だけパワーアップ状態の維持が可能))。但し、前述のパワーダウンアイテムを取ってしまうと強制的に無効化される。 ---各武装ごとに色別で設けられており、それぞれ「赤」が対空、「黄」が対地、「青」が自機の移動スピードに対応している。 --「W」:ワープ。取得時点からステージ内の一定の距離だけ先の地点にワープする。 --「R」:リバース。取得時点からステージ内の一定の距離だけ前の地点に戻される。ワープとは逆の効果。これにより破壊した地上物が復活するのでスコア稼ぎや取り損ねたアイテム取得に利用することも可能。 --「B」:ボーナス。「パネルを出現させてから取得するまでの経過時間が長いほど高得点が得られる」という仕様により、得られるスコアは500~8000点と幅が大きい。 --「P」:エクステンド。自機が1機増える。但し、エクステンド時のファンファーレが鳴らないので気づかないことも。出現率は非常に低い。 --「C」:キャンセル。取ると''全パワーアップ状態初期化かつキープ状態強制解除''という''ゲームオーバー直行''とも言うべき本作最大の罠アイテム。 ---- **評価点 -STG史上屈指の''戦略性の高さ''。 --8種類ものアーマーの使い分けによる自由度の高さから、やり込めばやり込むほど味が出る。 ---基本は典型的な「パターンゲー」だが、パーツの取り方やアーマーの撃ち分けでプレイヤーそれぞれが独自の進め方を追求できる懐の深さを持っている。 ---「全てのアーマーを同時に揃えると20万点ボーナス」という高難度だが狙い甲斐のあるフィーチャーやノーアーマーの稼ぎ要素もあり、スコアアタックも熱い。 -高い爽快感。 --このゲームの自機ははっきり言って弱いが、アーマーを装着することで性能が跳ね上がり、狙いを定めて一気に敵を殲滅するカタルシスを得られる。 ---特に''ボスをも一撃で葬り去る''桁違いの威力と、全画面に広がるド派手なエフェクトを持つサンダーアーマーはASOの象徴と言える。 -ブレのないコンセプト。 --この頃のSTGは有機的な世界観を押し出す作品が台頭し、本作のような硬質な雰囲気を持ったゲームは減少傾向にあった。 --上記のように時代遅れだったとはいえ、良質なグラフィックやBGM、何より世界観よりもシステムの面白さと爽快感で勝負する潔い作風は多くのシューターに受け入れられた。 ---『[[グラディウス]]』、『[[ファンタジーゾーン]]』、『[[ツインビー]]』などの名作が乱れ飛んだSTG群雄割拠の時代の中、独自の立ち位置を築くことに成功している。 **問題点 -''激烈な難度''。 --当時のSNKのゲームは全体的にその傾向が顕著だったのだが、このゲームはひときわ難度が高く、面白さを体感できるまでの壁が厚い。 --売りのはずのアーマーシステムが厄介。完成までに3つもパーツを取らないといけない上に、途中で違うアーマーのパーツを取ると集めていたパーツが全て消えてしまう為、素人ではアーマーの入手自体が困難であり((オクトアーマーだけは最初から所持している。当然一度使えば終わりだが(死んでも補充されない)。))、パーツの配置をきちんと把握出来ていないとアーマーシステムを楽しむ事さえままならない。 ---更にパーツは「本来のドット絵を3分割した小さなものなうえ色も3種類だけ(アーマーは8種類ある)」と言う、一見してどのアーマーのパーツなのか判りにくい事が拍車をかける((余談だが、ASOⅡでは「パーツナンバー」と「アーマー名の略称」が表示されるようになったためこのような問題はほぼ解消された。))。 ---アーマーに汎用性があまりなく、多くが特定のボス専用になっており、そもそもボス以外の場所で使い道があまりない。シールドだけはどこでも使える汎用性があるが、逆にオクトのように弱すぎて使い所が無い物もある((逆に使い道が無い故に緊急回避用の捨てアーマーとして使われる事も。))。 --ポイント(いわゆるアイテム)の種類が多く、特にパワーダウンアイテムは他の作品とは比べ物にならないほど多い。 ---ただしパワーアップアイテムは赤青黄なのに対しパワーダウンアイテムは茶色なので素人でも区別は簡単。一方でポイントは対地攻撃を防ぐので、パワーダウンアイテムを取るか奥の砲台から一方的に攻撃を受け続けるか(もしくはアーマーを使うか)の選択を迫られる事も。 --1面はプラクティスの意味で簡単なステージから始まるかと思いきや、ところがどっこい''1面ボス「ヘカテリアン」がいきなりの強敵''。アーマーを計画的に運用できないと、初心者はおろか熟練のシューターも軽くヒネられる。 ---中盤以降は敵が赤いホーミング弾を放ってくるため、回避のコツを掴まないと防戦一方になってしまう。自機の当たり判定もでかい。 ---5面ボス「ギガビット」は特に難所として知られ、常時ワープし続けるため攻撃が非常に当たりにくい。ただしサンダーアーマー一発で撃沈できるという救済措置もある。 --しかしきっちりアーマーを活用していけば1周目6面までは十分にクリア可能な範囲(シールドを多用するパターンが有名)。 --2周目最初のステージである7面は高難易度なものの、8~12面は2~6面とほぼ同じ構成・難易度のため7面クリアができれば事実上全クリは目前。 --サンダーアーマーを発動直後にアーマーを解除すると自機が画面中央で止まらずそのまま画面端まで突き進みゲームが停止してしまうバグが存在する。 ---- **総評 当時のSNKはヒット作に恵まれず厳しい状況下にあり、本作もわずか12人に減ったスタッフ総出で低予算で製作された(当時の川崎社長は「24の瞳」と呼んでいたらしい)。~ 敵キャラの一部は担当デザイナーが締め切り直前に徹夜でひねり出したものであるといい、いかにギリギリな現場環境だったが窺える。~ ともかくこのゲームのヒットによって一命を取り止め、後の躍進に繋がっていくことを考えると、SNKのターニングポイントになった作品と言えるかもしれない。 ---- **移植・続編など -FCの移植版が存在するが、出回りは良くない。 --当時のごく一般的な「ファミコン移植」レベルであり、アーケードのファンにとっては正直満足の行くレベルではないが、イメージイラストやロゴ等完全にアーケードと同じなので、ファンにとっては雰囲気を感じられる作品。三つとらなければレベルアップしないレーザーやミサイルが、一つ取ればレベルアップする等、難易度はかなり抑えられている。また、ボスキャラがファミコンの性能上アーケード版よりもかなり小さいのも特徴。アーマー装着はポーズ中に行うため、リアルタイムで時機操作と同時にしなければならなかったアーケード版よりもかなり難易度が低くなっている。 -同じ系譜を持つ作品として1987年に『[[バミューダトライアングル]]』、続編として1991年にMVSで''『ASO II -Last Guardian-』''が稼動したが、評判は芳しくない。 --『バミューダトライアングル』では自機の子機として本作の自機である「SYD」が登場するほか、自機が行える攻撃の中に本作のサンダーアーマー攻撃が存在する。 --『ASO II』はMVSの仕様の都合上アーケードの縦STGにしては珍しい横長画面になってしまったのも大きなマイナスだったが、やはり根幹のゲームの出来そのものがイマイチだったのは否定出来ない。 -その後20年の時を経て、SNKプレイモアの''『ネオジオヒーローズ ~アルティメットシューティング~』''(PSP)にASOシリーズの自機の後継機「SYDIII」((ちなみに「SYDII」は前述の「ASO II」の自機として登場している))が登場。 --サンダーアーマーなどの特徴的な攻撃も一部引き継がれており、ファンにとってはなかなか感慨深い。 --オリジナルの(美少女)パイロットも新たにデザインされ、並み居るネオジオキャラを差し置いてメインビジュアルを飾っている。 -稼働から20年以上の時を経てカップリングソフト「[[SNKアーケードクラシックス ゼロ>SNKアーケードクラシックスシリーズ#id_9eaff873]]」に本作が「[[アテナ]]」や「[[怒]]」とともに完全移植された。 -北米・欧州では海外AC版の『Alpha Mission』が2011年9月にPSNでPS3/PSP向けにDL配信されている。 -2018年10月25日にハムスターからアーケードアーカイブスにてNintendo SwitchとPlayStation4に配信された。どちらも税込823円。 -北米地域にて2018年11月13日(欧州では11月16日)に発売されたオムニバスソフト『[[SNK 40th Anniversary Collection]]』((最初にSwitch版がリリースされた後、翌年にはPS4/XboxOne/Windows版もリリースされている))に海外AC版・NES版が収録されている。ソフト自体は海外版だが日本のAC版・FC版も共に収録されており、切替えてプレイすることも可能。 --国内向けには2019年6月にWindows(Steam)版とPS4版が発売された(PS4版は限定販売)。 #region(プレイ動画) &nicovideo2(sm1999739) #endregion *余談 -ゲーメスト誌の「ゲームメーカー年賀状プレゼント」において、SNK公式により全アーマーが[[萌え美少女化>レッド・エンタテインメント開発ギャルゲー]]されている(年賀状1枚毎に1人)。
*ASO 【えーえすおー】 |ジャンル|シューティング|&blankimg(aso.jpg,width=150,height=200)| |対応機種|アーケード|~| |販売元|ナムコ|~| |開発元|SNK|~| |稼働開始日|1985年11月|~| |配信|アーケードアーカイブス&br()【Switch・PS4】2018年10月25日/823円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『B-WINGS』(データイースト)の流れを汲む縦スクロールSTGの名作。 -自機である戦闘艇「SYD(シド)」を操り、謎の兵器群「メカノクレート」に襲撃された未来世界の解放を目指す。 -操作は1レバー+レーザー(対空ショット)・ミサイル(対地ショット)・アーマーの3ボタン。 --いわゆる『[[ゼビウス]]』タイプの構成だが、このゲームの最大の特徴はアーマーボタンで展開する''「Armored Scrum Object」''の存在(タイトルの由来でもある)。 ---全8種類のアーマーが存在し、任意に使い分けることが可能。これによって他に類を見ない独自性と高い戦略性を実現している。 -残機制の全13ステージだが、厳密には6ステージ×2周。13ステージ目に突入した直後にボーナス得点が入ってオールクリア。 **ストーリー > 自己思考・自己修復・自己補給能力を持つ生化学部品が生み出した謎の兵器群「メカノクレート」。~ 正体不明である彼らとの200年もの長きに渡る戦いを繰り広げていた未来世界の人類は、最終手段として過去の人類(現代人=プレイヤー)に救援を求めた。~ その方法は『異なる次元間の接続を実現した通信システムを使い、専用マシン(アーケード筐体)と接続された自動戦闘艇SYDとの2点間通信による遠隔操作で戦闘を行う』というものである。侵略者である「メカノクレート」の正体を暴き、戦争終結と人類を滅亡の危機から救うため、全ての命運は君(プレイヤー)に託された。 **特徴 -''パワーアップアイテム'' --対空(L)・対地(M)・自機の移動速度(S)があり、3つ取得するごとに1段階上がる。強化できるのはそれぞれ3段階まで。 --対地攻撃は多くのゲームが採用していたピンポイント爆撃式ではなく、軌道上にいる敵にも当たる。ただし弾速が低く、射程制限あり。 ---また、各種パワーアップ(パワーダウン)アイテムが対地攻撃を遮ってしまうため、これを念頭に置く攻略が必要である。 --フルパワーアップ状態の場合は上記の文字が裏返った「パワーダウンアイテム」が出現する。取るとパワーアップが1段階ダウンする。 -''アーマー'' --エネルギーゲージが一定量以上あるときにアーマーボタンを押すと、画面下部で選択中のアーマーを装着。 --初期状態ではオクトとシールドの2種類しか持っていないが、敵から入手できる3つのパーツ(ヘッド、左ウィング、右ウィング)を続けて取ることで新たにストックできる。 --装着するアーマーを選択すると自機が強制的に画面中央へ移動するが、アーマー装着の演出中は完全無敵となる。 --アーマー装着中は被弾してもエネルギーが減るのみでミスにはならないため、緊急回避(ボム)の役割を兼ねている。 ---装着中に再度アーマーボタンを押すかエネルギーがゼロになると強制解除され、一度解除されたアーマーは再びパーツを揃えないと使用できない。 --アーマーは各1つずつ、最大8種類ストック可能。それぞれ効果や消費エネルギーなどが異なる。 ---''オクトアーマー'':レーザーが8方向に飛ぶ敵弾消去可能な''単発弾''に変化。基本的にアーマー使用前よりも火力が下がるため使いどころが少ないが、ピンポイントで力を発揮する場面も。 ---''シールドアーマー'':自機の周囲に防御壁を展開する。被弾しない限りエネルギーは減らないため、実質エネルギー分だけ自機が増えた状態と言える。更には被弾しても消費エネルギーはたったの2(16エネルギーあれば8回耐えられる)。一応、僅かとはいえ当たり判定が大きくなる欠点はある。 ---''キャノンアーマー'':レーザーが高性能な広域弾に変化。装着中はエネルギーを消費し続けるが、燃費が良く使いやすい。 ---''ホーミングアーマー'':1ゲージ消費でミサイルがホーミング弾に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しない。 ---''パラライザーアーマー'':レーザーに敵弾消去と敵を凍らせる効果が付く。凍らした敵に接触すると破壊可能。装着中はエネルギーを消費し続ける。 ---''ニュークリアアーマー'':ミサイルが高威力・広範囲の核弾頭に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しないが、速射性は低い。 ---''ファイヤーアーマー'':前方直線状に火炎放射。高威力・敵弾消去可能だが射程に制限があり、装着中はエネルギーを消費し続ける。 ---''サンダーアーマー'':ミサイルが超高威力・敵弾消去可能な全画面攻撃に変化。非常に強力だが、エネルギー消費量が最も多い。 -''各種アイテム'' --「F」:画面上のピラミッド(アイテムが隠されているもの含めて)が一定時間破壊された状態になる。 --「E」:アーマーのエネルギーが回復する。青、黄、赤の3種類があり、回復量は順に1、4、8。但し、アーマー装着時は青のエネルギーパネルしか出てこない(回復量はアーマー未装着時と同じ)。 ---文字が裏返った逆「E」もあり、こちらは取ると4ゲージ減らされる。 --「V」:アーマーエネルギーゲージの上限が1マス増える。アーマーエネルギーゲージの初期上限値は16マスだが、これを取得することで最大24マスまで増やせる。 --「K」:プレイヤーミスになってもミス前のパワーアップ状態を維持できる((複数取得していた場合、取得した分だけパワーアップ状態の維持が可能))。但し、前述のパワーダウンアイテムを取ってしまうと強制的に無効化される。 ---各武装ごとに色別で設けられており、それぞれ「赤」が対空、「黄」が対地、「青」が自機の移動スピードに対応している。 --「W」:ワープ。取得時点からステージ内の一定の距離だけ先の地点にワープする。 --「R」:リバース。取得時点からステージ内の一定の距離だけ前の地点に戻される。ワープとは逆の効果。これにより破壊した地上物が復活するのでスコア稼ぎや取り損ねたアイテム取得に利用することも可能。 --「B」:ボーナス。「パネルを出現させてから取得するまでの経過時間が長いほど高得点が得られる」という仕様により、得られるスコアは500~8000点と幅が大きい。 --「P」:エクステンド。自機が1機増える。但し、エクステンド時のファンファーレが鳴らないので気づかないことも。出現率は非常に低い。 --「C」:キャンセル。取ると''全パワーアップ状態初期化かつキープ状態強制解除''という''ゲームオーバー直行''とも言うべき本作最大の罠アイテム。 ---- **評価点 -STG史上屈指の''戦略性の高さ''。 --8種類ものアーマーの使い分けによる自由度の高さから、やり込めばやり込むほど味が出る。 ---基本は典型的な「パターンゲー」だが、パーツの取り方やアーマーの撃ち分けでプレイヤーそれぞれが独自の進め方を追求できる懐の深さを持っている。 ---「全てのアーマーを同時に揃えると20万点ボーナス」という高難度だが狙い甲斐のあるフィーチャーやノーアーマーの稼ぎ要素もあり、スコアアタックも熱い。 -高い爽快感。 --このゲームの自機ははっきり言って弱いが、アーマーを装着することで性能が跳ね上がり、狙いを定めて一気に敵を殲滅するカタルシスを得られる。 ---特に''ボスをも一撃で葬り去る''桁違いの威力と、全画面に広がるド派手なエフェクトを持つサンダーアーマーはASOの象徴と言える。 -ブレのないコンセプト。 --この頃のSTGは有機的な世界観を押し出す作品が台頭し、本作のような硬質な雰囲気を持ったゲームは減少傾向にあった。 --上記のように時代遅れだったとはいえ、良質なグラフィックやBGM、何より世界観よりもシステムの面白さと爽快感で勝負する潔い作風は多くのシューターに受け入れられた。 ---『[[グラディウス]]』、『[[ファンタジーゾーン]]』、『[[ツインビー]]』などの名作が乱れ飛んだSTG群雄割拠の時代の中、独自の立ち位置を築くことに成功している。 **問題点 -''激烈な難度''。 --当時のSNKのゲームは全体的にその傾向が顕著だったのだが、このゲームはひときわ難度が高く、面白さを体感できるまでの壁が厚い。 --売りのはずのアーマーシステムが厄介。完成までに3つもパーツを取らないといけない上に、途中で違うアーマーのパーツを取ると集めていたパーツが全て消えてしまう為、素人ではアーマーの入手自体が困難であり((オクトアーマーだけは最初から所持している。当然一度使えば終わりだが(死んでも補充されない)。))、パーツの配置をきちんと把握出来ていないとアーマーシステムを楽しむ事さえままならない。 ---更にパーツは「本来のドット絵を3分割した小さなものなうえ色も3種類だけ(アーマーは8種類ある)」と言う、一見してどのアーマーのパーツなのか判りにくい事が拍車をかける((余談だが、ASOⅡでは「パーツナンバー」と「アーマー名の略称」が表示されるようになったためこのような問題はほぼ解消された。))。 ---アーマーに汎用性があまりなく、多くが特定のボス専用になっており、そもそもボス以外の場所で使い道があまりない。シールドだけはどこでも使える汎用性があるが、逆にオクトのように弱すぎて使い所が無い物もある((逆に使い道が無い故に緊急回避用の捨てアーマーとして使われる事も。))。 --ポイント(いわゆるアイテム)の種類が多く、特にパワーダウンアイテムは他の作品とは比べ物にならないほど多い。 ---ただしパワーアップアイテムは赤青黄なのに対しパワーダウンアイテムは茶色なので素人でも区別は簡単。一方でポイントは対地攻撃を防ぐので、パワーダウンアイテムを取るか奥の砲台から一方的に攻撃を受け続けるか(もしくはアーマーを使うか)の選択を迫られる事も。 --1面はプラクティスの意味で簡単なステージから始まるかと思いきや、ところがどっこい''1面ボス「ヘカテリアン」がいきなりの強敵''。アーマーを計画的に運用できないと、初心者はおろか熟練のシューターも軽くヒネられる。 ---中盤以降は敵が赤いホーミング弾を放ってくるため、回避のコツを掴まないと防戦一方になってしまう。自機の当たり判定もでかい。 ---5面ボス「ギガビット」は特に難所として知られ、常時ワープし続けるため攻撃が非常に当たりにくい。ただしサンダーアーマー一発で撃沈できるという救済措置もある。 --しかしきっちりアーマーを活用していけば1周目6面までは十分にクリア可能な範囲(シールドを多用するパターンが有名)。 --2周目最初のステージである7面は高難易度なものの、8~12面は2~6面とほぼ同じ構成・難易度のため7面クリアができれば事実上全クリは目前。 --サンダーアーマーを発動直後にアーマーを解除すると自機が画面中央で止まらずそのまま画面端まで突き進みゲームが停止してしまうバグが存在する。 ---- **総評 当時のSNKはヒット作に恵まれず厳しい状況下にあり、本作もわずか12人に減ったスタッフ総出で低予算で製作された(当時の川崎社長は「24の瞳」と呼んでいたらしい)。~ 敵キャラの一部は担当デザイナーが締め切り直前に徹夜でひねり出したものであるといい、いかにギリギリな現場環境だったが窺える。~ ともかくこのゲームのヒットによって一命を取り止め、後の躍進に繋がっていくことを考えると、SNKのターニングポイントになった作品と言えるかもしれない。 ---- **移植 -FCの移植版が存在するが、出回りは良くない。 --当時のごく一般的な「ファミコン移植」レベルであり、アーケードのファンにとっては正直満足の行くレベルではない。だがイメージイラストやロゴ等完全にアーケードと同じなので、ファンにとっては雰囲気を感じられる作品。 --三つとらなければレベルアップしないレーザーやミサイルが、一つ取ればレベルアップする等、難易度はかなり抑えられている。また、ボスキャラがファミコンの性能上アーケード版よりもかなり小さいのも特徴。アーマー装着はポーズ中に行うため、リアルタイムで時機操作と同時にしなければならなかったアーケード版よりもかなり難易度が低くなっている。 -稼働から20年以上の時を経てカップリングソフト「[[SNKアーケードクラシックス ゼロ>SNKアーケードクラシックスシリーズ#id_9eaff873]]」に本作が「[[アテナ]]」や「[[怒]]」とともに完全移植された。 -北米・欧州では海外AC版の『Alpha Mission』が2011年9月にPSNでPS3/PSP向けにDL配信されている。 -2018年10月25日にハムスターからアーケードアーカイブスにてNintendo SwitchとPlayStation4に配信された。どちらも税込823円。 -北米地域にて2018年11月13日(欧州では11月16日)に発売されたオムニバスソフト『[[SNK 40th Anniversary Collection]]』((最初にSwitch版がリリースされた後、翌年にはPS4/XboxOne/Windows版もリリースされている))に海外AC版・NES版が収録されている。ソフト自体は海外版だが日本のAC版・FC版も共に収録されており、切替えてプレイすることも可能。 --国内向けには2019年6月にWindows(Steam)版とPS4版が発売された(PS4版は限定販売)。 **余談 -同じ系譜を持つ作品として1987年に『[[バミューダトライアングル]]』、続編として1991年にMVSで''『ASO II -Last Guardian-』''が稼動したが、評判は芳しくない。 --『バミューダトライアングル』では自機の子機として本作の自機である「SYD」が登場するほか、自機が行える攻撃の中に本作のサンダーアーマー攻撃が存在する。 --『ASO II』はMVSの仕様の都合上アーケードの縦STGにしては珍しい横長画面になってしまったのも大きなマイナスだったが、やはり根幹のゲームの出来そのものがイマイチだったのは否定出来ない。 -20年の時を経て、SNKプレイモアの''『ネオジオヒーローズ ~アルティメットシューティング~』''(PSP)にASOシリーズの自機の後継機「SYDIII」((ちなみに「SYDII」は前述の「ASO II」の自機として登場している))が登場。 --サンダーアーマーなどの特徴的な攻撃も一部引き継がれており、ファンにとってはなかなか感慨深い。 --オリジナルの(美少女)パイロットも新たにデザインされ、並み居るネオジオキャラを差し置いてメインビジュアルを飾っている。 -ゲーメスト誌の「ゲームメーカー年賀状プレゼント」において、SNK公式により全アーマーが[[萌え美少女化>レッド・エンタテインメント開発ギャルゲー]]されている(年賀状1枚毎に1人)。 #region(プレイ動画) &nicovideo2(sm1999739) #endregion

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