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*サンデーVSマガジン 集結!頂上大決戦 【さんでーばーさすまがじん しゅうけつ ちょうじょうだいけっせん】 |ジャンル|格闘アクション|&amazon(B001QTWN7M)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|アルヴィオン|~| |発売日|2009年3月26日|~| |定価|5,250円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|常時処理落ち&バランス崩壊&br()不可解な登場キャラのラインナップ&br()アニメと違う声優陣&br()ろくなファンサービスなし|~| |>|>|CENTER:''[[少年サンデーシリーズ]]''&br();''[[少年マガジンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2009年3月に、創刊日が同じである『週刊少年サンデー』『週刊少年マガジン』がともに創刊50周年を迎えたことで、本来ライバル関係にあるこの両漫画雑誌によるコラボレーションが行われた。 このゲームはその企画に際して発売されたソフトのひとつで、サンデー・マガジンそれぞれの漫画から選抜されたキャラクターが1対1の格闘ゲームで対戦する、いわゆる「お祭りゲーム」に類する。~ 実際に操作するキャラクターの他、サポートキャラ(回数限定で特殊効果を発揮するお助けキャラ)として登場するキャラクターもいる。~ 公式で100体以上のキャラクターが参戦とされているのは、サポートキャラもカウントしているため。 この作品の前に出されたサンデー・マガジンの野球ゲーム『サンデー×マガジン 熱闘! ドリームナイン』(パワプロのスタッフが製作)が好評だったため、当作品への期待も大きかったのだが…。 **ゲームシステム -ゲームモードは「アーケード」、「クエスト」の2つと、自由な対戦を組めるフリー対戦が主。 --「アーケード」は7戦を順番に勝ち抜いていくモード。対戦相手は全てランダムに決まる。 --「クエスト」はベルトスクロールアクション風のモードで、オリジナルのザコ敵を蹴散らして先へ進んでいく。最奥部にはボスも登場する。 ---複数の敵を同時に相手をするクエストモードの場合、攻撃対象は近い敵から自動でロックオンされ、その敵に対して攻撃する。他の敵にロックしたい場合は手動で切り替えられる。 ---クエストはマルチプレイに対応している。 --アーケード・クエスト共にこれといったストーリーはない。 -小中大の攻撃、後ろ方向でガード、コマンドで必殺技など格闘ゲームとしてはオーソドックスなシステム。 --Lボタン+□ボタンの同時押しでサポートキャラクターを使用できる。回数制限があり、おおむね強力なキャラクターほど使用回数が少ない。 --必殺技の解放に条件が存在する独自のシステムが存在し、これはクエストモードで解放していき、選択時にカスタマイズしていくことが可能。必殺技は3つ、サポートキャラクターと超必殺技は1つ選択できる。 --操作は必殺技と超必殺技の入力にコマンドが必要なテクニカルモードと、一発出しのシンプルモードがある。 ---また、技をすべて開放してあるキャラは、コマンドを入力することでテクニカルモードがすべての技が使用可能になる全開放モードに変化する。 -参戦キャラクター数は30人(サンデー側から14人、マガジン側から15人、本作オリジナルキャラが1人。後述)。 --初期状態では13人で、アーケード、クエストの両モードをクリアしていくことで徐々に解放される。 -メニュー画面には受付役となるキャラクターを設定できる。 --殆どは各作品のヒロインキャラが設定されているが、何故か『MMR マガジンミステリー調査班』のキバヤシが参戦キャラと兼務で混じっていたりと、例外も若干存在する。 ---- **問題点 ***ゲーム自体の問題点 //参戦キャラよりこっちの方がクソゲーの理由として深刻と思われるので、順番入れ替え -脅威の''常時処理落ち仕様''。 --対戦中のFPSがかなり低く、即座に実感できるほどのカクカク感がある。 --単に画面がもたつくというだけでなく、性能的にこれの悪影響を受けている弱キャラも多い(後述)。 -ロードもかなり長い。特に毎試合ごとに20秒近くのロードが入るため、非常にテンポが悪い。 --後述の通り、本作はただでさえキャラ集めが作業的なので、このロードが余計に苦痛を与えている。 --ロード中はサンデー・マガジン両誌のマスコットキャラのイラストが表示されるだけで、特に緩和策も取られていない。 -ゲームバランスは崩壊しまくり。 --キャラの性能差がひどく、強キャラはとことん強いが弱キャラはとことん弱い。 ---先の処理落ちのせいで発生が遅すぎて、まともに攻撃を当てるのが難しいキャラも存在する(犬夜叉など)。これはサポートキャラも同様。 --強キャラに関しては強力な設置技と飛び道具で近接キャラをほぼ完封できる性能を持つ結界師の墨村良守などがあげられる。 ---無限コンボが手軽に出せてしまうキャラもいる。クロワッサン仮面で上昇しながらキック→下降しながらキックを繰り返すだけで相手を簡単にハメることができるのはその典型だろう。 --サポートキャラクターもおかしく、一定時間相手の動きを止めるなど、バランスを崩壊させる性能のキャラクターがいる。 ---特にぶっ壊れているのが&bold(){両者の体力を1、必殺技ゲージを0にする}という能力の絶望先生。何の発動条件もタイムラグも攻撃を当てる必要もなく、発動すれば即座に両者ワンパンで沈むという状況に追い込める。相手がピヨっていれば確定勝利、CPU戦ではこれ1つで全ての戦闘が瞬殺できる。 -新しいキャラクターの解放には、何度も同じモードをクリアしなければならないため非常に作業的。 --アーケードモードは20回クリアする必要がある。 --クエストモードでは「サンデーチケット」「マガジンチケット」を集めることで隠しキャラを開放できる。5枚につき1キャラで、サンデーチケットは2人なので10枚、マガジンチケットは3人なので15枚集める必要がある。 ---しかしこのチケット、出現率が低く集めにくい。また、所持上限が5枚のため、4枚持っているときに2枚手に入れるなどで5枚を超えた分は無駄になってしまうという問題点もある。 -一部キャラとの対戦で、ある状況になると、''時間切れまで操作不能になるバグ''が存在する。 ***登場キャラに関する問題点 -登場キャラが''全てアニメとは違う声優となっており、アニメと同じ声のキャラが1人もいない。''人によっては違和感を感じる要因である。 --こうなってしまった原因として、アニメの声優を使用すると関連各社に許諾を取る必要が生まれ、版権料がかさんでしまう点が挙げられる。 ---実例として、少年ジャンプでこの手のキャラゲーを声優付きで出す場合、その出典は『ドラゴンボールZ』『NARUTO 疾風伝』などといったアニメ作品になっている。 ---版権料は決して安いものでは無いようで、本作より以前に発売されたお祭りゲーである『[[JUMP SUPER STARS]]』『[[JUMP ULTIMATE STARS]]』もアニメ版の版権不使用という形をとっている(ただしこちらはボイスが収録されていないため、違和感もほとんどない)。 --しかも、掛け声程度しかボイスがない。必殺技だろうが何だろうが、''「それっ!」「やぁっ!」といった具合でボイスが出て終わり''である。 ---当然の帰結として、''対戦中に原作を基にしたセリフは一切喋らない''。 --声優自体は興津和幸、高橋広樹、豊永利行、小野友樹、寺崎裕香、入野自由、KENNといった名の知られた声優が含まれているのだが、それだけに無駄遣い感が強い。 ---おまけに、エンディングのクレジットでは参加声優の一覧が表示されるのみ。声質が出るような台詞がほぼ無いことも相まって、&bold(){どの声優がどのキャラの声をあてているかは不明となってしまっている。} -参戦キャラクターの人選が不可解。格闘ゲームのくせに、R・田中一郎やメカ沢といった非戦闘キャラが操作キャラとして入っているのに、マニア人気が高く格闘要素もある『からくりサーカス』や『らんま1/2』((過去に作品単体で対戦格ゲーが出た。))などの参戦がない。 --メカ沢などはネタとして受けを狙った面もあり、実際発表時の受けは良かった。だが、他の参戦キャラ発表を受け「その前に出すべきものがあるだろう」という評価に変わっていった。 --サポートキャラは効果発動時に出るカットイン絵だけの登場。勿論ボイスなどは無し。 --しかも、サポートキャラのみでの参戦となっている『拳児』や『MMR マガジンミステリー調査班』などの作品は主人公しか登場していないという不遇な扱いである。 --『YAIBA』や『サイボーグ009』においてはサポートキャラが一人もおらず、専用ステージもないという酷さ。 --参戦作品を一通り見てみると「1人の作者につき1つの作品のみの参加」という制約があると推測できる。例としてあげると…。 ---青山剛昌の『YAIBA』からの参戦はあるが、サンデーの看板で知名度も圧倒的に高い『名探偵コナン』からは参戦していない。 ---高橋留美子の『犬夜叉』からの参戦はあるが、『らんま1/2』や『うる星やつら』は参戦していない(少々前にも述べたが、前者は過去に作品単体で対戦格ゲーが出ていた)((余談だが、『名探偵コナン』と『らんま1/2』は「サンデー×マガジン 熱闘! ドリームナイン」の方には参戦している。))。 ---久米田康治の『さよなら絶望先生』は参戦しているが、『かってに改蔵』の参戦はない。 --そのくせ、『FAIRY TAIL』や『結界師』などが2キャラ参戦という謎の優遇を受けている(なお、前者は当時まだアニメにもなっていなかったため、この作品で初めて動くナツやルーシィが登場している)。 -キャラゲーなのに、&bold(){ストーリーモードもキャラ同士の掛け合いもない。}ただ単純に戦うだけで原作ファンがニヤリとするようなネタは一切無しというのは、キャラゲーとしては致命的であろう。 -ラスボスは巨大な剣士のような姿のオリジナルキャラクターなのだが、名前が「''ボス''」という直球すぎてまるでやる気が感じられないネーミング。 --お祭りゲーなのだから、白面の者(『うしおととら』)や奈落(『犬夜叉』)、シレーヌ(『デビルマン』)といった原作の強敵キャラと戦えるようにして欲しかった所。 --ちなみに''何故かこいつがプレイヤーキャラとしても使える''ため、サンデーキャラ14人・マガジンキャラ15人とサンデー側のプレイヤーキャラが1人少なくなっている。 ---キャラクターの解放時にはそのキャラクターの一言コメントが表示されるのだが、この「ボス」を解放した際には&bold(){「ウォー!!!」という謎の叫び声が書いてあるだけ。}キャラクター性も全く窺い知れず、広いテキスト欄に何の文字装飾もない「ウォー!!!」だけが寂しく書いてあるその様は、プレイヤーをひたすら困惑させる。 ---- **評価点 -参戦キャラ数は多い。 --上記の通り選出規準・ボイス・性能など問題は多々あるものの、単純な数としては30キャラという数は新規レーベルの格ゲーとしては十分である。 -グラフィック自体は悪くない。 --使い回しや流用に類するものはなく、全キャラちゃんとモーションが作られている。クオリティも十分。 --背景も割と描きこまれており、参戦作全てのステージが存在するためステージ数も多い。背景に人が全くいないのは物足りないが。 --攻撃HIT時に効果音とともに「ドカッ」「バキッ」などの打撃音が漫画のように文字で表示されるなど、「お祭りゲーム」としての雰囲気を出そうとした跡が見られる。 -BGMは良い。 -コマンドは比較的簡略化されており、出しやすい。 ---- **総評 先発作といえる『[[JUMP SUPER STARS]]』の後追い的に発売された作品であるものの、「お祭りゲーム」としての体裁も整えられず、ゲーム自体の出来も悪いという、クソゲーの教科書的な内容となってしまった。~ 複数の作品から参戦しているオールスターゲームとしては目に見えて低予算で作られているため、『[[JUMP ULTIMATE STARS]]』並のボリュームを期待していると肩透かしを食らうだろう。 ---- **その後 -その後発売されたコラボゲーム第3弾の『[[少年サンデー&少年マガジン WHITE COMIC]]』はハードをDSに戻し、ジャンルをRPGに変えて登場した。
*サンデーVSマガジン 集結!頂上大決戦 【さんでーばーさすまがじん しゅうけつ ちょうじょうだいけっせん】 |ジャンル|格闘アクション|&amazon(B001QTWN7M)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|アルヴィオン|~| |発売日|2009年3月26日|~| |定価|5,250円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|常時処理落ち&バランス崩壊&br()不可解な登場キャラのラインナップ&br()アニメと違う声優陣&br()ろくなファンサービスなし|~| |>|>|CENTER:''[[少年サンデーシリーズ]]''&br();''[[少年マガジンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2009年3月に、創刊日が同じである『週刊少年サンデー』『週刊少年マガジン』がともに創刊50周年を迎えたことで、本来ライバル関係にあるこの両漫画雑誌によるコラボレーションが行われた。 このゲームはその企画に際して発売されたソフトのひとつで、サンデー・マガジンそれぞれの漫画から選抜されたキャラクターが1対1の格闘ゲームで対戦する、いわゆる「お祭りゲーム」に類する。~ 実際に操作するキャラクターの他、サポートキャラ(回数限定で特殊効果を発揮するお助けキャラ)として登場するキャラクターもいる。~ 公式で100体以上のキャラクターが参戦とされているのは、サポートキャラもカウントしているため。 この作品の前に出されたサンデー・マガジンの野球ゲーム『サンデー×マガジン 熱闘! ドリームナイン』(パワプロのスタッフが製作)が好評だったため、当作品への期待も大きかったのだが…。 **ゲームシステム -ゲームモードは「アーケード」、「クエスト」の2つと、自由な対戦を組めるフリー対戦が主。 --「アーケード」は7戦を順番に勝ち抜いていくモード。対戦相手は全てランダムに決まる。 --「クエスト」はベルトスクロールアクション風のモードで、オリジナルのザコ敵を蹴散らして先へ進んでいく。最奥部にはボスも登場する。 ---複数の敵を同時に相手をするクエストモードの場合、攻撃対象は近い敵から自動でロックオンされ、その敵に対して攻撃する。他の敵にロックしたい場合は手動で切り替えられる。 ---クエストはマルチプレイに対応している。 --アーケード・クエスト共にこれといったストーリーはない。 -小中大の攻撃、後ろ方向でガード、コマンドで必殺技など格闘ゲームとしてはオーソドックスなシステム。 --Lボタン+□ボタンの同時押しでサポートキャラクターを使用できる。回数制限があり、おおむね強力なキャラクターほど使用回数が少ない。 --必殺技の解放に条件が存在する独自のシステムが存在し、これはクエストモードで解放していき、選択時にカスタマイズしていくことが可能。必殺技は3つ、サポートキャラクターと超必殺技は1つ選択できる。 --操作は必殺技と超必殺技の入力にコマンドが必要なテクニカルモードと、一発出しのシンプルモードがある。 ---また、技をすべて開放してあるキャラは、コマンドを入力することでテクニカルモードがすべての技が使用可能になる全開放モードに変化する。 -参戦キャラクター数は30人(サンデー側から14人、マガジン側から15人、本作オリジナルキャラが1人。後述)。 --初期状態では13人で、アーケード、クエストの両モードをクリアしていくことで徐々に解放される。 -メニュー画面には受付役となるキャラクターを設定できる。 --殆どは各作品のヒロインキャラが設定されているが、何故か『MMR マガジンミステリー調査班』のキバヤシが参戦キャラと兼務で混じっていたりと、例外も若干存在する。 ---- **問題点 ***ゲーム自体の問題点 //参戦キャラよりこっちの方がクソゲーの理由として深刻と思われるので、順番入れ替え -脅威の''常時処理落ち仕様''。 --対戦中のFPSがかなり低く、即座に実感できるほどのカクカク感がある。 --単に画面がもたつくというだけでなく、性能的にこれの悪影響を受けている弱キャラも多い(後述)。 -ロードもかなり長い。特に毎試合ごとに20秒近くのロードが入るため、非常にテンポが悪い。 --後述の通り、本作はただでさえキャラ集めが作業的なので、このロードが余計に苦痛を与えている。 --ロード中はサンデー・マガジン両誌のマスコットキャラのイラストが表示されるだけで、特に緩和策も取られていない。 -ゲームバランスは崩壊しまくり。 --キャラの性能差がひどく、強キャラはとことん強いが弱キャラはとことん弱い。 ---先の処理落ちのせいで発生が遅すぎて、まともに攻撃を当てるのが難しいキャラも存在する(犬夜叉など)。これはサポートキャラも同様。 --強キャラに関しては強力な設置技と飛び道具で近接キャラをほぼ完封できる性能を持つ結界師の墨村良守などがあげられる。 ---無限コンボが手軽に出せてしまうキャラもいる。クロワッサン仮面で上昇しながらキック→下降しながらキックを繰り返すだけで相手を簡単にハメることができるのはその典型だろう。 --サポートキャラクターもおかしく、一定時間相手の動きを止めるなど、バランスを崩壊させる性能のキャラクターがいる。 ---特にぶっ壊れているのが&bold(){両者の体力を1、必殺技ゲージを0にする}という能力の絶望先生。何の発動条件もタイムラグも攻撃を当てる必要もなく、発動すれば即座に両者ワンパンで沈むという状況に追い込める。相手がピヨっていれば確定勝利、CPU戦ではこれ1つで全ての戦闘が瞬殺できる。 -新しいキャラクターの解放には、何度も同じモードをクリアしなければならないため非常に作業的。 --アーケードモードは20回クリアする必要がある。 --クエストモードでは「サンデーチケット」「マガジンチケット」を集めることで隠しキャラを開放できる。5枚につき1キャラで、サンデーチケットは2人なので10枚、マガジンチケットは3人なので15枚集める必要がある。 ---しかしこのチケット、出現率が低く集めにくい。また、所持上限が5枚のため、4枚持っているときに2枚手に入れるなどで5枚を超えた分は無駄になってしまうという問題点もある。 -一部キャラとの対戦で、ある状況になると、''時間切れまで操作不能になるバグ''が存在する。 ***登場キャラに関する問題点 -登場キャラが''全てアニメとは違う声優となっており、アニメと同じ声のキャラが1人もいない。''人によっては違和感を感じる要因である。 --こうなってしまった原因として、アニメの声優を使用すると関連各社に許諾を取る必要が生まれ、版権料がかさんでしまう点が挙げられる。 ---実例として、少年ジャンプでこの手のキャラゲーを声優付きで出す場合、その出典は『ドラゴンボールZ』『NARUTO 疾風伝』などといったアニメ作品になっている。 ---版権料は決して安いものでは無いようで、本作より以前に発売されたお祭りゲーである『[[JUMP SUPER STARS]]』『[[JUMP ULTIMATE STARS]]』もアニメ版の版権不使用という形をとっている(ただしこちらはボイスが収録されていないため、違和感もほとんどない)。 --しかも、掛け声程度しかボイスがない。必殺技だろうが何だろうが、''「それっ!」「やぁっ!」といった具合でボイスが出て終わり''である。 ---当然の帰結として、''対戦中に原作を基にしたセリフは一切喋らない''。 --声優自体は興津和幸、高橋広樹、豊永利行、小野友樹、寺崎裕香、入野自由、KENNといった名の知られた声優が含まれているのだが、それだけに無駄遣い感が強い。 ---おまけに、エンディングのクレジットでは参加声優の一覧が表示されるのみ。声質がはっきりとわかるような台詞がほぼ無いことも相まって、&bold(){どの声優がどのキャラの声をあてているかは不明となってしまっている。} -参戦キャラクターの人選が不可解。格闘ゲームのくせに、R・田中一郎やメカ沢といった非戦闘キャラが操作キャラとして入っているのに、マニア人気が高く格闘要素もある『からくりサーカス』や『らんま1/2』((過去に作品単体で対戦格ゲーが出た。))などの参戦がない。 --メカ沢などはネタとして受けを狙った面もあり、実際発表時の受けは良かった。だが、他の参戦キャラ発表を受け「その前に出すべきものがあるだろう」という評価に変わっていった。 --サポートキャラは効果発動時に出るカットイン絵だけの登場。勿論ボイスなどは無し。 --しかも、サポートキャラのみでの参戦となっている『拳児』や『MMR マガジンミステリー調査班』などの作品は主人公しか登場していないという不遇な扱いである。 --『YAIBA』や『サイボーグ009』においてはサポートキャラが一人もおらず、専用ステージもないという酷さ。 --参戦作品を一通り見てみると「1人の作者につき1つの作品のみの参加」という制約があると推測できる。例としてあげると…。 ---青山剛昌の『YAIBA』からの参戦はあるが、サンデーの看板で知名度も圧倒的に高い『名探偵コナン』からは参戦していない。 ---高橋留美子の『犬夜叉』からの参戦はあるが、『らんま1/2』や『うる星やつら』は参戦していない(少々前にも述べたが、前者は過去に作品単体で対戦格ゲーが出ていた)((余談だが、『名探偵コナン』と『らんま1/2』は「サンデー×マガジン 熱闘! ドリームナイン」の方には参戦している。))。 ---久米田康治の『さよなら絶望先生』は参戦しているが、『かってに改蔵』の参戦はない。 --そのくせ、『FAIRY TAIL』や『結界師』などが2キャラ参戦という謎の優遇を受けている(なお、前者は当時まだアニメにもなっていなかったため、この作品で初めて動くナツやルーシィが登場している)。 -キャラゲーなのに、&bold(){ストーリーモードもキャラ同士の掛け合いもない。}ただ単純に戦うだけで原作ファンがニヤリとするようなネタは一切無しというのは、キャラゲーとしては致命的であろう。 -ラスボスは巨大な剣士のような姿のオリジナルキャラクターなのだが、名前が「''ボス''」という直球すぎてまるでやる気が感じられないネーミング。 --お祭りゲーなのだから、白面の者(『うしおととら』)や奈落(『犬夜叉』)、シレーヌ(『デビルマン』)といった原作の強敵キャラと戦えるようにして欲しかった所。 --ちなみに''何故かこいつがプレイヤーキャラとしても使える''ため、サンデーキャラ14人・マガジンキャラ15人とサンデー側のプレイヤーキャラが1人少なくなっている。 ---キャラクターの解放時にはそのキャラクターの一言コメントが表示されるのだが、この「ボス」を解放した際には&bold(){「ウォー!!!」という謎の叫び声が書いてあるだけ。}キャラクター性も全く窺い知れず、広いテキスト欄に何の文字装飾もない「ウォー!!!」だけが寂しく書いてあるその様は、プレイヤーをひたすら困惑させる。 ---- **評価点 -参戦キャラ数は多い。 --上記の通り選出規準・ボイス・性能など問題は多々あるものの、単純な数としては30キャラという数は新規レーベルの格ゲーとしては十分である。 -グラフィック自体は悪くない。 --使い回しや流用に類するものはなく、全キャラちゃんとモーションが作られている。クオリティも十分。 --背景も割と描きこまれており、参戦作全てのステージが存在するためステージ数も多い。背景に人が全くいないのは物足りないが。 --攻撃HIT時に効果音とともに「ドカッ」「バキッ」などの打撃音が漫画のように文字で表示されるなど、「お祭りゲーム」としての雰囲気を出そうとした跡が見られる。 -BGMは良い。 -コマンドは比較的簡略化されており、出しやすい。 ---- **総評 先発作といえる『[[JUMP SUPER STARS]]』の後追い的に発売された作品であるものの、「お祭りゲーム」としての体裁も整えられず、ゲーム自体の出来も悪いという、クソゲーの教科書的な内容となってしまった。~ 複数の作品から参戦しているオールスターゲームとしては目に見えて低予算で作られているため、『[[JUMP ULTIMATE STARS]]』並のボリュームを期待していると肩透かしを食らうだろう。 ---- **その後 -その後発売されたコラボゲーム第3弾の『[[少年サンデー&少年マガジン WHITE COMIC]]』はハードをDSに戻し、ジャンルをRPGに変えて登場した。

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