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*ブルーウィングブリッツ 【ぶるーういんぐぶりっつ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00014ATU6)| |対応機種|ワンダースワンカラー(モノクロ両対応)|~| |メディア|16MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|2001年7月5日|~| |定価|4,700円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|不親切なシステム&br()慣れれば爽快だが、そこまでが大変|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[フロントミッションシリーズ]]のスタッフがメインとなって制作したシミュレーションRPG。~ 『はたらくチョコボ』『[[ワイルドカード]]』に続く、スクウェアの数少ないワンダースワンオリジナルタイトルでもある。 **特徴 -母船と複数の航空機で構成されたプレイヤー部隊を操作して敵と戦っていく。 --航空機は空戦メインの「戦闘機」、空戦爆撃両用の「攻撃機」、爆撃メインの「爆撃機」の3種類に分かれる。それぞれ同じ武器を積んでも弾数が異なっていたり、戦闘機は旋回性能が高い・爆撃機は重装甲といった機体性能にも一定の傾向がある。 --母船は「飛空艇」と呼ばれ、この世界では敵勢力のオーディア帝国しか作れないオーパーツのような扱い。飛空艇が撃墜されるとゲームオーバー。 --飛空艇以外は燃料の概念があり、ターン経過だけでも少しずつ減っていくが、戦闘すると劇的に消費する。燃料が0になると無条件で墜落する。 -ゲームマップは通常ターン制。1マス当たりは「エリア」と表現され、この中に敵味方の機体が各2機までと、地上施設や地上部隊が存在できる。 --1ターンに各機体は1エリア分移動できる。ただし指示を出した後の移動フェイズは敵味方一斉に行われ、移動する前に敵の航空機が同じエリアに侵入した場合、移動をキャンセルされる。&br;こう書くと移動が遅くなりがちでゲームテンポが悪く思えるが、それを考慮してマップは狭めに作られている。脱出する敵部隊を移動キャンセルを駆使して妨害し続ける等、慣れればなかなか面白い。 --地上施設が自軍の空港だった場合はターン開始時に弾薬と燃料の補給、飛空艇と共にいる航空機は更に修理も受けられる。なお撃墜された航空機は数ターン後に飛空艇と同じエリアに復活する。 --地上施設や地上部隊はたとえプレイヤー側の部隊であっても操作できない。また地上部隊は1ターンに0.5エリアしか動くことができず、エリアとエリアの間にいる時は戦闘に参加しない。 --アイテム「レコンカメラ」を装備させると、一部の敵基地等から装備や機体を入手できる。大体はその時点では強力なものなので積極的に入手すると有利になる。ただし敵基地を破壊することで入手できるものと、破壊されていない状態でのみ入手できるものとあるので、まともに活用するには攻略本が必須である。 -戦闘はマップ上で同じエリアに止まった敵機と戦う。それぞれ4回ずつ攻撃を繰り返すことで1ターン分となる。 --味方の飛空艇と同じエリアにいる航空機は戦闘に参加しない。これによりダメージを受けた航空機を飛空艇で修理しつつ守ることが可能だが、一方で飛空艇はマップ上の行動順が遅いので移動キャンセルを受けやすく、さらに飛空艇自体を修理する手段は存在しない。 --攻撃方法はすれ違いざまに攻撃することで狙われにくくする「直進機動」、高度を大きく変化させながら攻撃する「垂直旋回」、相手を追尾することで攻撃機会が増えるが危険度も上がる「水平旋回」の三種類。これにお互いの高度差を加えることで9種類の基本攻撃(ノーマルマニューバ)が発動する。&br;地上部隊や地上施設を攻撃する際もこの三種類の機動を用いる。爆撃の場合は更に分岐し、計5種類となる。 --加速や高度を調整すると命中率と回避率に影響が出る。発動した機動によって変化していく他、攻撃せずに直接調節することも可能。&br;基本的には敵より上・敵より速い方が有利だが、各機体には「適速」の概念があるので速すぎてもいけない。また攻撃時に相手から狙われていない場合は「フリーアタック」となって命中率が上がる。 --お互いの選んだ機動や高度・速度差による条件を満たせば「スーパーマニューバ」と呼ばれる必殺技が発動し、回避率や攻撃回数にボーナスが付く。&br;説明書には条件が全く書いてない上にパイロットの技量が低い序盤はロクに発動しないが、慣れれば狙って連続発動させることも可能。 --マニューバは「スプリットS」「バレルロール」「ハイ・ヨーヨー」といった実在のマニューバに沿ったものや、爆撃のスーパーマニューバが「2Fからめぐすり」であるなどユニークなものもある。また一応架空世界が舞台のはずだが、実在の人物の名を冠した「インメルマンターン」も存在する。 --機体は機関部・主翼・尾翼・胴体部のパーツで構成されており、各部が一定のダメージを受けると性能が低下する。また燃料タンクに直撃すると一気に燃料を消費してしまう。 --戦闘を繰り返すと敵機体の情報が蓄積され、ステージ間のライブラリーで閲覧できる。情報が多いほどその機体からの攻撃の回避率が上がる。 -マップ上では武器の弾数が、戦闘中は機体の耐久力を参照できない。&br;一見理不尽な仕様だが、WSは画面が小さいので情報量を敢えて制限することで見やすくしているものと思われる。また制限されることで目の前の少ない情報からいかに正解を導き出すかに集中できるので、慣れればかえって快適になる。全体的に小規模なシミュレーションなので、戦闘前・戦闘後に全員の情報を暗記するのも苦ではない。&br;なお、耐久力は単純な数量制ではないらしく、戦闘中に大きなダメージを受けてもなかなか墜ちない、またはその逆という現象がしばしば起こる。恐らく後の『[[アンリミテッド:サガ]]』と同様に、マップ上に表示されているのはLPであり戦闘中に受けるダメージとは別で、LPの削り合いが本質なのだと思われる。 --戦闘の主役がプロペラの航空機であることから考えるに、ややレトロで電子機器が発達していない状況を表現しているともとれる((最新型としてジェット戦闘機が一種類だけ登場するので、現実で言えば第二次世界大戦頃の技術レベルである。))。うまく世界観に没入できれば、貧弱な計器と僅かな視界を頼りにギリギリの戦いを展開する様を疑似体験できる。 -クリアすると各パイロットの戦績とスーパーマニューバの発動量が発表され、更にライブラリーを引き継いだ2周目をプレイできる。 --2周目では味方部隊の初期機体を変更することが可能。1周目と同様の「ノーマル」の他に、性能の高い機体が揃う「スーパーファイター」、攻撃機と爆撃機のみで構成された「エースボマー」、序盤に登場する弱い機体ばかりの「インフェルノ」の4種類。&br;どの機体にも強みと弱みがあるのでどれを選んでも絶対有利というわけではなく、それぞれ別の難しさがある。ただしインフェルノは装甲の薄い機体が多いので特に難易度が高め。 **問題点 -シミュレーションゲームということを考慮しても、1ターン当たりに時間がかかる。 --1回当たりの戦闘は全機体が各4回ずつ攻撃し合う。しかもエフェクトが飛ばせないので、戦闘フェイズが長くなりがち。移動キャンセルも、慣れるまでは思うように進めずイライラさせられる。 -演出もショボい。 --エフェクトが控えめなのは携帯機だから仕方ないにしても、戦闘の様子が簡単なメッセージでしかわからない。スーパーマニューバに至っては名前しか出ないので、よほどの航空機好きやミリタリーファンでもない限り、脳内でドッグファイトを展開することもままならない。 -前述の通り、加速や高度調整などの行動、部位破壊といった状態変化は戦闘において重要な要素ではある。 --のだが、敵味方共に技量の低い序盤ではそれを実感できない。中盤以降はそれなりに意味を持ってくるが、そこまでプレイヤーがついてこれるか……。 -一部操作などが取説やゲーム中で明示される事がほとんど無い。ここまでで何度も''慣れ''という単語を使っているが、慣れるまでは本当に大変である。 -機体を乗り換えると前に乗っていた機体は武装ごと削除される事となる。&br;機体のストックがされないのはまだしも、乗り換え直前に武装を外すことができないので、新機体を入手できるステージに来たら、あらかじめ乗り換える機体から重要な装備を外して出撃するという準備が必要。 -大枠のストーリーとゲーム部分の規模が大きく異なっておりちぐはぐな印象を受ける。 --プレイヤー部隊は飛空艇を含めて8人。それに各勢力に非戦闘員の名前ありキャラが一人ずつ程度と、話を回す最低限の人数しかいない。小規模シミュレーションならそれでも良いだろうが、ストーリーは幾つもの国家を股にかけオーディア帝国の支配から逃れる大規模反抗作戦という壮大なもの。 --敵方のライバルパイロットや第三勢力の介入といった物語に深みを与える要素も無く、せいぜい幾つかのステージに名無しのエースパイロットがいる程度。エースは相応に強いのでその部分では盛り上がるが……。 -セーブデータが消えやすい。 --これは本作に限らずハードの問題。それゆえ同ハードの他のソフトの中にはセーブデータ破損時に復元されるよう対策をあらかじめ施してある物もそれなりにある。 **評価点 -ステージごとに勝利条件が多彩で飽きない。単純な敵部隊の撃破以外にも敵基地の偵察や味方部隊の保護、そのステージ限定のアイテム使用等、毎回異なっている。 --戦闘は基本ドッグファイトになるので空戦が苦手な爆撃機はやや弱いのだが、地上施設が勝利条件に絡んでいるステージが多いので重要度は高い。また爆撃機のパイロット二人は戦闘以外のサポート能力にも長けており、更に超強力な武装である拡散ロケットの弾数が最も多くなるのは爆撃機である。 --一つのマップで複数のステージが連続する場合があり、敵基地に侵入して偵察→地上部隊を誘導して制圧→襲撃する敵部隊を撃退といった連続性は、任務を確実にこなしていく気分を味わえて盛り上がる。またそういうステージで地上施設を破壊しておくと後のステージでも壊れたままになるので若干の難易度調節も可能。 -グラフィックとBGM、キャラクターイラストなどは良い。 -システムに慣れればという前提ではあるが、そこそこに歯ごたえのある難易度。 --毎ターン開始時にセーブできるので初心者でもリセット繰り返しによる多少のゴリ押しが効く一方、味方撃墜数0を目指したり、逃げる敵部隊を一つでも撃墜すれば良いステージで全滅させるといった勝利条件を完璧に達成することを目標とするとかなり緻密な戦術と運が求められる。 **総評 後の『アンリミテッド:サガ』ほどではないが非常に不親切で「ハマると面白いが、ハマるまでが大変」というゲームである。~ スクウェアとしてはワンダースワンの中で力を入れていたタイトルらしく、[[FF10>ファイナルファンタジーX]]の付属DVDにPVを付けたりフロントミッションを引き合いに出して宣伝していたが、それに応えられるほどの間口の広さは無い。~ それでも航空機好き、あるいはゲームシステムにじっくり付き合っていける辛抱強い人なら楽しめるだろう。
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