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*ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦! 【ちびまるこちゃん おこづかいだいさくせん】 |ジャンル|じゃんけんRPG|&image(579892_20226_front.jpg,width=160,title=まるこ、再起不能(所持金的な意味で))| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|512kbitROMカートリッジ|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|アドバンスコミュニケーション|~| |発売日|1990年12月7日|~| |定価|3,400円(税3%込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |周辺機器|通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|あらゆる部分が運頼み&br()理不尽なお母さんの徴収&br''ズバリ、貯金が半分になるでしょう''&brセーブ・コンティニュー・パスワード一切なし|~| |>|>|CENTER:''[[ちびまる子ちゃんシリーズ]]''| //原作無視の裏社会じみた金のやりとり&br ---- #contents(fromhere) ---- //この文章のカイジ風味付けについては一度掲示板で議論されてそのままにしておくとなったため、修正する場合はもう一度議論にかけてください。 **概要 さくらももこ原作の国民的人気アニメである「ちびまる子ちゃん」の記念すべきゲーム化第一作。~ 原作・アニメ共に人気絶頂の時((本作発売1か月前の1990年10月28日放送回にてオンライン式計測法導入後のアニメ歴代1位となる視聴率39.9%を叩き出している。))に発売された作品。~ ―タカラ・キャラゲー・クリスマス商戦と、豪華三本立てでお送りしていたのだが果たして購入者の運命やいかに? 内容へ続く。― ---- **内容 -本作は主人公のまる子を操作してお金を集め、デパートで5つの品物を買い集めるのが目的である。 --5つの品物は合計で10350円、一方まる子の最初の所持金は''30円''。目標までは遠い。~ 目的の品物は以下の通りである。 |まんが|350円| |わらいぶくろ|1000円| |ままごとセット|2000円| |おるごーる|3000円| |フランス人形|4000円| -40円以上持っている状態で自室にある貯金箱に触れると、30円を手元に残して残りを貯金する。所持金が20円以下なら貯金箱から取り出して30円にする。 --所持金と貯金が0になるとゲームオーバーとなる。端的に換言すれば、お金=まる子の体力を意味する。 -屋外では町の人とじゃんけん勝負をすることができる。お金は必要とせず、会話でランダム発生するので何度でも可能。 --じゃんけんに勝つと気力が上がり、気力が高いほどミニゲームの賭け率も上がる。気力1と10では実に''10倍''の差がある。 --勝敗にかかわらず福引券をもらえることがある。福引をすると景品が当たることがある。 --ストレート勝ちすると5種類の中からランダムにカードが1枚貰えたりする。カードについては後述。 -建物内で町の住人とミニゲーム勝負をして勝つとお金がもらえる。ミニゲームをするには10円が必要。ミニゲーム終了後に気力が1減る。 --ミニゲームはサイコロゲーム・スロット2種・坊主めくりもどき・Big or Smallの4種類が存在する…''がっ…!'' ---まてっ…! ミニゲームとはよく言ったものだが…どれもこれも運任せなだけの代物…''ようはギャンブルじゃねえか…!'' //…がっ…同じ事…! 結局はギャンブルという…。 //これはカイジネタにしても文脈として意味が分からない -要するに、このゲームは''ちびまる子ちゃんの登場人物に運任せな博打を仕掛けて小銭を巻き上げるゲーム''なのだ。 --あまりの運ゲーさ故に、インターネット上では某ギャンブル漫画になぞらえて&bold(){『賭博黙示録マルコ』}((この元ネタであるギャンブル漫画『賭博黙示録カイジ』は1996年に誕生した作品。もちろん当時は存在していないため、後の時代になってからこのソフトへ名付けられた異名である。))などという渾名が定着している((ただし何かを賭けてミニゲームをするわけではないので、厳密には「ギャンブル」「賭博」とは異なる。))。 -まる子の所持金上限は500円。まる子カードを使うと倍の1000円まで持てるようになる。 --ある程度集金したら自宅に戻って貯金箱に入れる。当然、1000円以上の商品を買うためには貯金が必須である。 --品物を買う時は貯金と所持金の合計額から差し引かれ、30円を手元に残し残りは自動的に貯金される。 ―かくして小金を片手に上機嫌で帰宅するまる子であったが、数秒後に人生の無情さを思い知ることになるのであった― ---- **問題点 ***「お母さん、襲来」の巻 #region(画像) &image(14.png,width=200,title=まる子、再起不能(所持金的な意味で)) #endregion &big{''まる子のお母さんが自宅の玄関で待ちかまえていることがあり、出会ったら最後、問答無用で所持金全額を無残にも取り上げられてしまう。''} -''&color(red){事前警告なし+ランダム発生+強制イベント+発生回数上限なし};''という、ヤクザ顔負けの金の取り立てである。''それでも人間かっ……!'' --この時のまる子の「''あんた おにだね・・・''」というセリフが全てを物語っている。 --とはいえ、金を巻き上げているのはまる子の方なので、このお母さんの行動は人道的な面で正しいと言えなくもないのだが((もし、その金を住人に返しているのならばである。取り上げた金はどうしているのかは不明。))。 --厳密には完全ランダムではなく、「所持金と貯金が合計2000円以上」の時に画面を切り替えると確率でフラグが立つという仕組み。しかし、''一度フラグが立ってしまったら徴収イベントを消化するまで消えることはない''ため、金額条件を満たしている状態で何度も画面を切り替えているとほぼ出現が確定してしまう。 -自宅マップに入るまで居るかどうかが分からないのが最大の難点。居ると分かってもその時は既に家の中で、入った瞬間に強制的にイベントが始まるため回避不能。 --お母さん登場後はお母さんにミニゲームを挑める(稼ぎ相手が1人増える)というメリットがあるが、到底デメリットと釣り合っていない。 -また、自宅ではおじいちゃん・お父さん・おばあちゃんの3人(お母さんが出現していれば4人)にミニゲームを挑むことができるが、それらが終了した場合であってもお母さんに襲われる可能性が存在する。 --さらに''メニュー画面を閉じた途端に突然現れて所持金を奪うこともある''。なのでフラグが立っている状態では貯金後すみやかに自宅から撤退しないと危険である((お父さんとおばあちゃんは町中の建物内にもいるので、そちらで勝負を挑めば安全。))。 -貯金がなければゲームオーバーのオマケが付いてくるのも見逃せない。 --貯金を使い切った買い物帰りにお母さんとエンカウントすれば''強制ゲームオーバー''となる。 ---品物を買って所持金が0円になった際は店員が10円くれるが、このケースでは貯金はゼロなので、救済になっていない。 -唯一の回避法は福引きで当てた景品を持っていること。景品と引き替えに没収は免除される。 --一応景品を入手できるまで家に帰らないプレイを徹底すれば徴収の完全回避が可能だが、ただでさえ入手の可否が不安定なので時間がかかる。 -ちなみにお母さんは町中にも登場するが、この場合は話しかけてもお金を徴収されることはなく、他のキャラ同様にじゃんけんを挑まれるただの対戦相手の立ち位置((作中でも「いきなり なにを いいだすのか」とツッコミを入れられている。))。 ―ならば母を避けて貯金さえ上手くできれば後は何とかなる、と思っていたまる子であったが、世の中そうそう甘くはないのである― ***「ズバリ、ヤミ金より真っ黒でしょう」の巻 -本作では、一度ギャンブルをした相手とはすぐに再戦できない(じゃんけんを除く)。 --しかし、気力を高め町内を一周して全員と勝負したとしても手に入るのは約1500円((気力10だと勝利時の金額は200~500円、普通に勝負できる人数は8人、うち4人に勝つと諸経費を差し引いて大体このくらい。))…なかなか集まらないため、クリアするには何度も戦うしかない。つまり、再戦が必須になってくる。 -再戦するには''「たまちゃん」''のカードを使う必要がある。~ 使うと''「全ての住民と再び戦えるようになる」''というとても便利な効果だが、カードは1種類につき1枚しか持ち歩けない。 -よってクリアのためには何枚か「たまちゃん」のカードを手に入れてなくてはならないのだが… --前述の通り、カードはじゃんけんに勝つとランダムで1枚手に入る。~ カードは上記の「たまちゃん」の他、「まる子」「おじいちゃん」「おかあさん」「丸尾君」の全5種類存在する。~ 「まる子」のカードは使うと前述の通り持てる所持金の上限が倍になる(ただし1回だけ)。~ 「おじいちゃん」と「おかあさん」のカードはどちらも使うと気力が上がる有益なカード。~ ここですんなり「たまちゃん」が手に入ればいいのだが、''もし「丸尾君」のカードを引いてしまうと…'' &big{''「ズバリ、貯金が半分になるでしょう」''} -しかもこれまた''強制差し押さえ''である。 --厳密には、丸尾君のカードを所持した状態で貯金箱に触れると「ちょきんが へってしまった!」と表示されて半額になる仕様である。 -タイミング悪く連続で引いてしまうと、あっという間に貯金が無くなっていく。3000円のオルゴールや4000円のフランス人形狙いで貯金している時など、丸尾君はその鬼畜メガネっぷりを遺憾なく発揮してくれる。劇中での丸尾君はそんな悪役キャラではないのだが、なぜ彼が割り当てられたのだろうか…… //--先述したお母さんの回避方法として福引きで当てた景品を持つことが挙げられているが、それにはじゃんけんに買って貰える福引券を入手する必要がある。しかし、福引券を得られる確率は低く、大抵の場合はその前に「丸尾君」カードを引いてしまう。そのため、お母さんによる徴収は回避できても貯金が減ることは避けられず、貯金を貯めるのが困難な状態になっている。 //↑的外れ。丸尾君カードが脅威となるのは既に貯金が大量にある時期限定であり、そんな時期になるまで景品を確保しておかないというのは単にプレイヤーの悪手。 ―所詮は、あぶく銭。小遣いを失ったまる子が、やり直しのきかないことを知るのはまもなくである。後半へ続く― ***「まるちゃん完全一発勝負」の巻 -当時はバックアップ無しのゲームもそれなりに見かけられたとはいえ、これだけ運任せな仕様のくせに''データセーブ、コンティニューの類は一切無い''。~ ゲームオーバーや電池切れになれば最後、それまでの苦労はすべて水の泡となり最初からやり直しである。 -したがって、クリアするためにはプレイ環境の充実が不可欠。その上で運と根気と地道な作業が要求される。 --GBでプレイするならばACアダプター、他の据置ゲーム機ならばスーパーゲームボーイ(SFC)やゲームボーイプレーヤー(GC)を利用すれば電池切れは避けられる。そうでなければ新品の電池が望ましいが、電池切れのリスクは常につきまとう([[参考 電池寿命の目安>https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/hardware/gbtaihi/index.html]])。 --セーブが無いのはギャンブルでのリセマラ防止のためと思われるが、それなら勝負ごとにオートセーブを付ければ済む話である。 ―どこまでもギャンブルである。― -ちなみに苦労した末にたどり着くエンディングは[[こちら:https://w.atwiki.jp/gball/pages/352.html]]。''苦労した割にはあっさりし過ぎである。'' --そしてスタッフロールも流れないまま何事も無かったかのように再びタイトル画面へ。ことごとくやり甲斐というものに欠けている。 ***その他の問題点 //-イベントを終えると、作中のナレーターを模した一言が挿入されるのだが((先頭にマイクの記号が記されているもの))、内容がいちいち冷笑的で、ただでさえイライラすることの多いこのゲームをプレイしていて余計に癇に障るものとなっている。 -やたらと扉のある建物があるが、入れる建物は一部だけ。 --入れる建物とそうでない建物の区別もつきづらいため、場合によってはストレスとなる。 ---そういった建物内にしかいない人物は丸尾くんとたまちゃんだけなのが救い。花輪君の家や学校は大きい建物なので見分けがつく。 -キャラゲーとして残念な表現や仕様がある。 --じゃんけんの画面で「おねえ''さん''」と表記されているおねえちゃん。 ---普段彼女は「お姉''ちゃん''」と呼ばれており((お姉ちゃんの下の名前は「さきこ」。でも家族全員が「お姉ちゃん」と呼ぶ。一応お姉ちゃんが初めて「さきこ」名義で呼ばれたのは、本作発売約2か月後の翌1991年2月10日放送の「まるちゃんデパートで迷子になる」でまる子が友蔵を呼ぶ際に騙って呼び出したのが初出。))、漫画読者およびアニメ視聴者は確実に違和感を抱く。 ---6文字になる「おじいちゃん」「みどりちゃん」はそのままなので、別に文字数の表示制限のせいというわけでもないようだ。単に制作スタッフの認識不足だろう。 ---唇が分厚く描かれており、あまり美人とは言えない。お母さんの回避法のヒントを教えてくれる優しい存在なのだが…。 --じゃんけんコマンドとミニゲーム後のはなすコマンドで無視を貫く静岡のおばあちゃん。 ---静岡のおばあちゃんにはこれらのセリフデータが設定されていないようで、話しかけてもリアクションが一切なく不自然。 --マップ画面のドットキャラはキャラクターの特徴を捉えているとは言えず、再現性や愛嬌に欠ける。 ---もともと特徴の強い丸尾君・はまじ・みどりちゃんはマシな部類で、おとうさんやおねえちゃんはドットキャラをぱっと見ただけでは一体誰なのかわからない。 ---まる子に関しても、横方向に歩く姿が%%ヤクザ歩きさながら%%妙に前傾姿勢で違和感がある。 ---ただ低容量で色も使えないGBソフトであること、キャラクターを16×16ドットに収めることが主流だった当時の状況を考慮すると仕方ない面もある。 -2人対戦ゲームが手抜き仕様。 --この手のミニゲーム集における2人用モードは「1人用ではCPU相手だったミニゲームを対人戦で遊ぶ」というのがセオリーだが、本作の2人用は''上記1人用と同じギャンブル集金ゲームを2人同時にプレイする最速クリア競争''というもの。 --購入する品物は任意選択の1つだけになり、先にその品物を購入するか、相手がゲームオーバーになれば勝ち。品物が5つのままだったらどうなっていたことやら…。 --品物は1つとはいえ、1人用でも条件が辛いフランス人形やオルゴールを選んでしまうとお互い膠着状態となり、険悪になること必至。これらを選ぶのはやめたほうがいいだろう。 --登場カードのうち、おじいちゃんカードは相手の所持金を減らし、おかあさんカードは''相手側にお母さんの所持金徴収イベントを仕掛ける''という凶悪な妨害アイテムに変貌する。これらカードによる強制徴収はどうやっても回避できない。 ---しかし、相手への介入要素はこれだけしかない。強制徴収イベント以外は各々淡々とゲームをプレイするだけである。 ---勝敗決着後に表示される画面も1人用のエンディングやゲームオーバーと大差はなく、あっさりタイトル画面へ戻される。 --1人用でも運頼みでストレスのたまるゲームを、さらに妨害要素を2つも加えて2人個別にプレイさせる対戦モードの存在価値とは……? あえていうなら友人と協力すればあっさりEDを見れることくらいか。 //--というか、こんな機能を搭載してる暇があったら、ゲーム内容そのものをもっとどうにかしろと言いたくなる。 //-&bold(){そもそもまる子にこんな悪どいことをさせている時点で原作レイプである。} //--原作やアニメなどでもあくどい言動は見受けられるが、バレて叱られたり、報いを受けたり、結局良心に負けて反省する等エピソードの流れとしてはその行いを許しておらず、良識は弁えている。 //↑反対意見が出ているためCO。https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1631280068/135- -説明にないカードのデメリット効果 --「まる子」と「おじいちゃん」のカードは、実は所持していると裏のデメリット効果が存在する。これらの効果は一切ノーヒントである。 ---「まる子」は一度使うと財布上限がアップするというのは先に説明した通り。なので、2度目以降は不要カードとなるのだが、実は「まる子」カードを持ったまま貯金箱に触れてしまうと、まる子カード自動消費と同時に''持っている福引券と景品も消滅する''というデメリット効果がある((一見バグのようにも見える挙動だが、内部的には貯金箱にわざわざ「まる子カードを指定した専用処理」が存在しており、おそらく意図的に仕込まれた「仕様」である。))。そのため、2枚目以降が手に入ってもしっかりと消費しておかないと悲劇が起きる。 ---「おじいちゃん」は1人用では気力2アップ、2人用では相手の所持金減少と有用な効果を持つカードなのだが、実は''「おじいちゃん」カードが手持ちにある限り他のカードが新たに入手できない''という罠がある。そのため、早めに消費しておく必要がある。 --いずれも使用時の効果にデメリットはないため消費しておけば対策できるのだが、プレイヤーへの嫌がらせのような仕様となっている。 ***補足 -ミニゲームはほぼ運ゲーだが、戦略的要素はある。 --じゃんけんに勝って気力が上がるほど、ミニゲームで勝ちやすくなる。ある程度気力が上がるまでは、勝負を避けてじゃんけんに徹するのも一つの手。 ---「みつや」で50円のお菓子を買うと気力が2上がる。お金を払ってでもとにかく気力を上げたいときは利用できる。 --基本的には運任せなものの、スロットゲームではリールを「目押し」で止められるため、この技術介入要素を使えるならば運に頼らず勝つことができる。 ---ゲーム内容も画面構成で判別可能なので厳選もできる。例えばスロットが苦手なら、キャンセルして別のゲームに変えればいい。 ---スロットは揃える絵柄によって賭け率が変わり、たまちゃんの絵柄が最大((静岡のおばあちゃんのスロットではまる子の笑顔。))。 --理不尽とも言えるお母さんの所持金徴収だが、景品を手に入れるまで家に帰らないことで回避できる。 --丸尾くんカードも貯金箱に触れない限り発動しないので、手に入れてしまったら速やかに貯金を使用することで被害を最小限に抑えることができる。 ---このため安い商品は貯金の消費用に残しておき、高額な商品から買っていくという立ち回りが有効。 --おじいちゃんは勝つと''1000円''ももらえるという原作同様まる子にとっては救世主である。ただし''勝敗に関係なく気力0になる''という強烈なデメリットがある。 ---しかも再戦するにはたまちゃんカードが必要なため、この方法だけで楽して稼ごうとすると丸尾くんカードを引いてしまうという諸刃の剣。~ 1000円、1000円、1000円と来てもう1000円でフランス人形などという読みは''まさに泥沼。'' --静岡のおばあちゃんは気力も賭け金もなしでスロット勝負できる。''ただし勝つと気力0になる''。うまい話にはウラがあるのである。 -実はおじいちゃん以外にももう一人(?)救世主がいる。 #region(クリックで表示) -神社にお参りをすると10円拾えることがある。''このゲームで唯一の安全確実にお金を稼げる方法である。'' --ランダムイベントのため発生確率はせいぜい2割程度だが、お参りは無制限に行えるので、根気よく続ければ何度でも拾うことが可能。 --もちろん時間的効率は悪いので大金を稼ぐには向かない方法だが、とにかく10円でもあればゲームオーバーになることはないので、この方法を使えば''確実にゲームオーバーを回避することができる。'' --ただし''ゲーム内では一切ノーヒント''なので、この方法は自力で発見しなければならない。 #endregion //戦略的要素があること自体は評価点とはいいがたいため、問題点の補足へ移動。 ---- **賛否両論点 -良くも悪くもシンプルな操作性。 --町中を歩く、会話を進める、カードや選択肢を選んで決定、くらいの操作しか必要としない。アクション要素も、スロットを止めるタイミング決定くらいしかない。 ---前述の通り本作はクリスマス商戦に投入されており、「ちびまる子ちゃん」初のゲーム化作品でもある。このためクリスマスプレゼントがこの作品という子供も多かったと思われ、さらにゲームに初めて触れた者でも少し慣れれば問題なくプレイできる内容である。そういった層には決してハズレゲーではないと言えるだろう。 ---町中を歩いている人物に体当たりすればメニューが出る仕様のため、普通のRPGのように話しかけようとしてボタンを押した瞬間に移動される、といった事態も起きない。 ---- **評価点 -前述の通りまる子の最初の所持金は30円であるが、原作でも「まる子のこづかいは1日30円」なので、この点は原作を忠実に再現した結果と言える。 -タイトル画面や町内のBGMには原作アニメED曲「おどるポンポコリン((現在はOP曲になっているが、本作が発売された1990年の1期放映当時はED曲であった。ちなみにOPは関ゆみ子の「ゆめいっぱい」で、こちらは3作目である「めざせ!ゲーム大賞の巻」で使用されている。))」のアレンジが使用されている。このためパッケージ裏にはJASRAC表記や認可シールが貼られている。 --苦労の果てにクリアしてタイトル画面に戻った時に聴けるED曲は嬉しい。狙ってこういう仕様にしたのかは不明。 -マップ画面以外のグラフィックは当時のキャラゲー及びGBソフトとしては平均以上で良質。デモシーンのまる子の顔アップ絵は漫画そっくりで、ミニゲームの画面やカードの絵柄としてよく見る各キャラの顔グラもそこそこの出来。 --負けると引きつった顔でタバコをふかすおとうさんや、困り笑いするおじいちゃん、平静を装いつつも動揺を隠しきれていない花輪君など、原作の細かな性格描写を反映した絵もある。 ---ただし、はまじとみどりちゃんの負け顔はかなり独特。人によっては腹筋崩壊、もしくは気味が悪いと感じるかも。 //--ただ町中を歩いて人と会話やゲームをするだけで原作の雰囲気を楽しむことができる。 -キャラクターを始めとする会話テキストが原作に忠実で雰囲気をよく捉えている。 --やや冷笑的で本作の仕様上プレイヤーの神経を逆撫でしてしまっている時もあるが、アニメにおける毒舌ナレーターのツッコミ具合も忠実に再現できている。 --ナレーターのセリフ冒頭には&bold(){専用のマイク記号}を付記しており、明確にそれと分かるよう配慮されている。 //--2021年3月まで長らくナレーションを務めたキートン山田氏による毒のあるツッコミも健在。 //ボイスはないですよ。山田氏が引退してからも口調は変わってないです ---- **総評 人によってはGB版『[[マインドシーカー]]』と言う人もいるほどの運ゲーという評価を受けている本作だが、ミニゲーム勝率や賭け率に介入できる余地が存在するため、一応完全な運ゲーというわけではない。~ //一応完全な運ゲーというわけではなくごくわずかながらも確率に介入できる余地が存在するため、~ //ごくわずかどころか賭け率10倍 ゲームの仕様を知り尽くし、プレイヤーが常に最善手を取り続ければ、いつかはクリアできる。~ しかし所持金徴収や貯金半減といった運要素が強い割にデメリットの大きすぎるイベント、ほぼ運ゲーのじゃんけんやミニゲームを繰り返す作業が必須、セーブ機能がないなど大きな問題点が多く重なった結果、多くの人がクリア前に投げ出すクソゲーとなってしまった。~ 無理してクリアしようなどと考えず、「気軽に原作の雰囲気を楽しめるキャラゲー」程度にとどめて楽しむのがいいだろう。 //キャラゲーとしても特にこれといって特筆する箇所が無いため、まる子ファンであっても購入はオススメしがたい。 //評価点と矛盾する記述なのでCO ---- **余談 -原作でもまる子が家族相手にギャンブルを持ちかける場面があるが、毎回最後はお母さんに怒られている。 -本作の反省を踏まえてか、これ以後タカラの「ちびまる子ちゃん」のゲームは軒並み難易度が下げられており、開発元も変更されている。 --が、まる子のゲームソフトとしては''未だにこれが一番売れたソフト''のようなので信頼は回復できなかったと思われる。 ---ちなみに、本作におけるファミ通でのクロスレビューは40点満点中22点((ほぼじゃんけんについての言及にとどまっており、まともな評価と言えるかどうかは怪しい。))。これでもまる子のゲームソフトの中では点数が良い方であり、後続のソフトの点数は総じて芳しくないため、これが売上が振るわない一因と思われる((現在のところ、シリーズ最低点は『ちびまる子ちゃん3 めざせ!ゲーム大賞の巻』などの18点。))。 --ちびまる子ちゃんのゲーム化権は機種ごと複数のメーカーにライセンスされていた。本作発売元のタカラは自業自得といえるが、翌年以降他機種でゲームを発売することとなったエポック社やナムコ、コナミはいい迷惑である。 -後に発売された『[[人生ゲーム伝説]]』と同じ開発元とされている(よく見るとグラフィック・フォントがまる子とそっくりで、途中セーブが無いところまでそっくり)。案の定、これも本作に負けず劣らずのクソゲーとして悪名をとどろかせるのであった。 --ちなみに開発元のアドバンスコミュニケーションはFC時代にも同じスタッフによる『[[ジーキル博士の彷魔が刻]]』や『燃える!お兄さん』(いずれも発売元は東宝)といったクソキャラゲーを開発していた。 --セーブ機能がないゲームはGB初期では珍しいものではなく、ちょっとした時間に軽く楽しむだけのゲームも多かった。そのためゲームクリア自体はあまり重要視されておらず、本作のようにクリアを目指すとなると途端に異常な難易度になるものも結構ある。『[[アレイウェイ]]』や『[[ワールドボウリング]]』などが代表例。 -説明書の文章は「ですます調」と「である調」が混在している。 --終わりだけ突然「である調」になる文が目立つ。作中のナレーターを再現しているのだろうが、説明のための文章としては読みにくい。 //読みにくいならそれは問題点だろう //説明書のことでゲームの内容とは無関係なので余談に移す -パッケージや説明書には原作者描き下ろしと思われる「ゲームボーイを持ったまるちゃん」などのイラストが使用されている。1970年代を舞台とする原作の設定から考えると、わりと貴重な組み合わせのイラストと言えるかもしれない。 --本作でのお目当ての品物総額より遥かに高価そうだが%%、これも家族や友人との賭博とお母さんの目を盗んでの貯金の末入手したのだろうか。%% --説明書の表紙ではまる子のほか、たまちゃんや花輪君もゲームボーイを持っている。が、丸尾君はひとりだけ持っておらず、横で羨ましがっている。かあさまがゲームを許してくれないのだろうか。 --たまちゃんは説明書内のイラストで「コレ おもしろいね」と言っているのだが、本作の出来を考えると何か別のゲームで遊んでいるのだ、と思わざるを得ない。
*ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦! 【ちびまるこちゃん おこづかいだいさくせん】 |ジャンル|じゃんけんRPG|&image(579892_20226_front.jpg,width=160,title=まるこ、再起不能(所持金的な意味で))| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|512kbitROMカートリッジ|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|アドバンスコミュニケーション|~| |発売日|1990年12月7日|~| |定価|3,400円(税3%込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |周辺機器|通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|あらゆる部分が運頼み&br()理不尽なお母さんの徴収&br''ズバリ、貯金が半分になるでしょう''&brセーブ・コンティニュー・パスワード一切なし|~| |>|>|CENTER:''[[ちびまる子ちゃんシリーズ]]''| //原作無視の裏社会じみた金のやりとり&br ---- #contents(fromhere) ---- //この文章のカイジ風味付けについては一度掲示板で議論されてそのままにしておくとなったため、修正する場合はもう一度議論にかけてください。 **概要 さくらももこ原作の国民的人気アニメである「ちびまる子ちゃん」の記念すべきゲーム化第一作。~ 原作・アニメ共に人気絶頂の時((本作発売1か月前の1990年10月28日放送回にてオンライン式計測法導入後のアニメ歴代1位となる視聴率39.9%を叩き出している。))に発売された作品。~ ―タカラ・キャラゲー・クリスマス商戦と、豪華三本立てでお送りしていたのだが果たして購入者の運命やいかに? 内容へ続く。― ---- **内容 -本作は主人公のまる子を操作してお金を集め、デパートで5つの品物を買い集めるのが目的である。 --5つの品物は合計で10350円、一方まる子の最初の所持金は''30円''。目標までは遠い。~ 目的の品物は以下の通りである。 |まんが|350円| |わらいぶくろ|1000円| |ままごとセット|2000円| |おるごーる|3000円| |フランス人形|4000円| -40円以上持っている状態で自室にある貯金箱に触れると、30円を手元に残して残りを貯金する。所持金が20円以下なら貯金箱から取り出して30円にする。 --所持金と貯金が0になるとゲームオーバーとなる。端的に換言すれば、お金=まる子の体力を意味する。 -屋外では町の人とじゃんけん勝負をすることができる。お金は必要とせず、会話でランダム発生するので何度でも可能。 --じゃんけんに勝つと気力が上がり、気力が高いほどミニゲームの賭け率も上がる。気力1と10では実に''10倍''の差がある。 --勝敗にかかわらず福引券をもらえることがある。福引をすると景品が当たることがある。 --ストレート勝ちすると5種類の中からランダムにカードが1枚貰えたりする。カードについては後述。 -建物内で町の住人とミニゲーム勝負をして勝つとお金がもらえる。ミニゲームをするには10円が必要。ミニゲーム終了後に気力が1減る。 --ミニゲームはサイコロゲーム・スロット2種・坊主めくりもどき・Big or Smallの4種類が存在する…''がっ…!'' ---まてっ…! ミニゲームとはよく言ったものだが…どれもこれも運任せなだけの代物…''ようはギャンブルじゃねえか…!'' //…がっ…同じ事…! 結局はギャンブルという…。 //これはカイジネタにしても文脈として意味が分からない -要するに、このゲームは''ちびまる子ちゃんの登場人物に運任せな博打を仕掛けて小銭を巻き上げるゲーム''なのだ。 --あまりの運ゲーさ故に、インターネット上では某ギャンブル漫画になぞらえて&bold(){『賭博黙示録マルコ』}((この元ネタであるギャンブル漫画『賭博黙示録カイジ』は1996年に誕生した作品。もちろん当時は存在していないため、後の時代になってからこのソフトへ名付けられた異名である。))などという渾名が定着している((ただし何かを賭けてミニゲームをするわけではないので、厳密には「ギャンブル」「賭博」とは異なる。))。 -まる子の所持金上限は500円。まる子カードを使うと倍の1000円まで持てるようになる。 --ある程度集金したら自宅に戻って貯金箱に入れる。当然、1000円以上の商品を買うためには貯金が必須である。 --品物を買う時は貯金と所持金の合計額から差し引かれ、30円を手元に残し残りは自動的に貯金される。 ―かくして小金を片手に上機嫌で帰宅するまる子であったが、数秒後に人生の無情さを思い知ることになるのであった― ---- **問題点 ***「お母さん、襲来」の巻 #region(画像) &image(14.png,width=200,title=まる子、再起不能(所持金的な意味で)) #endregion &big{''まる子のお母さんが自宅の玄関で待ちかまえていることがあり、出会ったら最後、問答無用で所持金全額を無残にも取り上げられてしまう。''} -''&color(red){事前警告なし+ランダム発生+強制イベント+発生回数上限なし};''という、ヤクザ顔負けの金の取り立てである。''それでも人間かっ……!'' --この時のまる子の「''あんた おにだね・・・''」というセリフが全てを物語っている。 --とはいえ、金を巻き上げているのはまる子の方なので、このお母さんの行動は人道的な面で正しいと言えなくもないのだが((もし、その金を住人に返しているのならばである。取り上げた金はどうしているのかは不明。))。 --厳密には完全ランダムではなく、「所持金と貯金が合計2000円以上」の時に画面を切り替えると確率でフラグが立つという仕組み。しかし、''一度フラグが立ってしまったら徴収イベントを消化するまで消えることはない''ため、金額条件を満たしている状態で何度も画面を切り替えているとほぼ出現が確定してしまう。 -自宅マップに入るまで居るかどうかが分からないのが最大の難点。居ると分かってもその時は既に家の中で、入った瞬間に強制的にイベントが始まるため回避不能。 --お母さん登場後はお母さんにミニゲームを挑める(稼ぎ相手が1人増える)というメリットがあるが、到底デメリットと釣り合っていない。 -また、自宅ではおじいちゃん・お父さん・おばあちゃんの3人(お母さんが出現していれば4人)にミニゲームを挑むことができるが、それらが終了した場合であってもお母さんに襲われる可能性が存在する。 --さらに''メニュー画面を閉じた途端に突然現れて所持金を奪うこともある''。なのでフラグが立っている状態では貯金後すみやかに自宅から撤退しないと危険である((お父さんとおばあちゃんは町中の建物内にもいるので、そちらで勝負を挑めば安全。))。 -貯金がなければゲームオーバーのオマケが付いてくるのも見逃せない。 --貯金を使い切った買い物帰りにお母さんとエンカウントすれば''強制ゲームオーバー''となる。 ---品物を買って所持金が0円になった際は店員が10円くれるが、このケースでは貯金はゼロなので、救済になっていない。 -唯一の回避法は福引きで当てた景品を持っていること。景品と引き替えに没収は免除される。 --一応景品を入手できるまで家に帰らないプレイを徹底すれば徴収の完全回避が可能だが、ただでさえ入手の可否が不安定なので時間がかかる。 -ちなみにお母さんは町中にも登場するが、この場合は話しかけてもお金を徴収されることはなく、他のキャラ同様にじゃんけんを挑まれるただの対戦相手の立ち位置((作中でも「いきなり なにを いいだすのか」とツッコミを入れられている。))。 ―ならば母を避けて貯金さえ上手くできれば後は何とかなる、と思っていたまる子であったが、世の中そうそう甘くはないのである― ***「ズバリ、ヤミ金より真っ黒でしょう」の巻 -本作では、一度ギャンブルをした相手とはすぐに再戦できない(じゃんけんを除く)。 --しかし、気力を高め町内を一周して全員と勝負したとしても手に入るのは約1500円((気力10だと勝利時の金額は200~500円、普通に勝負できる人数は8人、うち4人に勝つと諸経費を差し引いて大体このくらい。))…なかなか集まらないため、クリアするには何度も戦うしかない。つまり、再戦が必須になってくる。 -再戦するには''「たまちゃん」''のカードを使う必要がある。~ 使うと''「全ての住民と再び戦えるようになる」''というとても便利な効果だが、カードは1種類につき1枚しか持ち歩けない。 -よってクリアのためには何枚か「たまちゃん」のカードを手に入れてなくてはならないのだが… --前述の通り、カードはじゃんけんに勝つとランダムで1枚手に入る。~ カードは上記の「たまちゃん」の他、「まる子」「おじいちゃん」「おかあさん」「丸尾君」の全5種類存在する。~ 「まる子」のカードは使うと前述の通り持てる所持金の上限が倍になる(ただし1回だけ)。~ 「おじいちゃん」と「おかあさん」のカードはどちらも使うと気力が上がる有益なカード。~ ここですんなり「たまちゃん」が手に入ればいいのだが、''もし「丸尾君」のカードを引いてしまうと…'' &big{''「ズバリ、貯金が半分になるでしょう」''} -しかもこれまた''強制差し押さえ''である。 --厳密には、丸尾君のカードを所持した状態で貯金箱に触れると「ちょきんが へってしまった!」と表示されて半額になる仕様である。 -タイミング悪く連続で引いてしまうと、あっという間に貯金が無くなっていく。3000円のオルゴールや4000円のフランス人形狙いで貯金している時など、丸尾君はその鬼畜メガネっぷりを遺憾なく発揮してくれる。劇中での丸尾君はそんな悪役キャラではないのだが、なぜ彼が割り当てられたのだろうか…… //--先述したお母さんの回避方法として福引きで当てた景品を持つことが挙げられているが、それにはじゃんけんに買って貰える福引券を入手する必要がある。しかし、福引券を得られる確率は低く、大抵の場合はその前に「丸尾君」カードを引いてしまう。そのため、お母さんによる徴収は回避できても貯金が減ることは避けられず、貯金を貯めるのが困難な状態になっている。 //↑的外れ。丸尾君カードが脅威となるのは既に貯金が大量にある時期限定であり、そんな時期になるまで景品を確保しておかないというのは単にプレイヤーの悪手。 ―所詮は、あぶく銭。小遣いを失ったまる子が、やり直しのきかないことを知るのはまもなくである。後半へ続く― ***「まるちゃん完全一発勝負」の巻 -当時はバックアップ無しのゲームもそれなりに見かけられたとはいえ、これだけ運任せな仕様のくせに''データセーブ、コンティニューの類は一切無い''。~ ゲームオーバーや電池切れになれば最後、それまでの苦労はすべて水の泡となり最初からやり直しである。 -したがって、クリアするためにはプレイ環境の充実が不可欠。その上で運と根気と地道な作業が要求される。 --GBでプレイするならばACアダプター、他の据置ゲーム機ならばスーパーゲームボーイ(SFC)やゲームボーイプレーヤー(GC)を利用すれば電池切れは避けられる。そうでなければ新品の電池が望ましいが、電池切れのリスクは常につきまとう([[参考 電池寿命の目安>https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/hardware/gbtaihi/index.html]])。 --セーブが無いのはギャンブルでのリセマラ防止のためと思われるが、それなら勝負ごとにオートセーブを付ければ済む話である。 ―どこまでもギャンブルである。― -ちなみに苦労した末にたどり着くエンディングは[[こちら:https://w.atwiki.jp/gball/pages/352.html]]。''苦労した割にはあっさりし過ぎである。'' --そしてスタッフロールも流れないまま何事も無かったかのように再びタイトル画面へ。ことごとくやり甲斐というものに欠けている。 ***その他の問題点 //-イベントを終えると、作中のナレーターを模した一言が挿入されるのだが((先頭にマイクの記号が記されているもの))、内容がいちいち冷笑的で、ただでさえイライラすることの多いこのゲームをプレイしていて余計に癇に障るものとなっている。 -やたらと扉のある建物があるが、入れる建物は一部だけ。 --入れる建物とそうでない建物の区別もつきづらいため、場合によってはストレスとなる。 ---そういった建物内にしかいない人物は丸尾くんとたまちゃんだけなのが救い。花輪君の家や学校は大きい建物なので見分けがつく。 -キャラゲーとして残念な表現や仕様がある。 --じゃんけんの画面で「おねえ''さん''」と表記されているおねえちゃん。 ---普段彼女は「お姉''ちゃん''」と呼ばれており((お姉ちゃんの下の名前は「さきこ」。でも家族全員が「お姉ちゃん」と呼ぶ。一応お姉ちゃんが初めて「さきこ」名義で呼ばれたのは、本作発売約2か月後の翌1991年2月10日放送の「まるちゃんデパートで迷子になる」でまる子が友蔵を呼ぶ際に騙って呼び出したのが初出。))、漫画読者およびアニメ視聴者は確実に違和感を抱く。 ---6文字になる「おじいちゃん」「みどりちゃん」はそのままなので、別に文字数の表示制限のせいというわけでもないようだ。単に制作スタッフの認識不足だろう。 ---唇が分厚く描かれており、あまり美人とは言えない。お母さんの回避法のヒントを教えてくれる優しい存在なのだが…。 --じゃんけんコマンドとミニゲーム後のはなすコマンドで無視を貫く静岡のおばあちゃん。 ---静岡のおばあちゃんにはこれらのセリフデータが設定されていないようで、話しかけてもリアクションが一切なく不自然。 --マップ画面のドットキャラはキャラクターの特徴を捉えているとは言えず、再現性や愛嬌に欠ける。 ---もともと特徴の強い丸尾君・はまじ・みどりちゃんはマシな部類で、おとうさんやおねえちゃんはドットキャラをぱっと見ただけでは一体誰なのかわからない。 ---まる子に関しても、横方向に歩く姿が%%ヤクザ歩きさながら%%妙に前傾姿勢で違和感がある。 ---ただ低容量で色も使えないGBソフトであること、キャラクターを16×16ドットに収めることが主流だった当時の状況を考慮すると仕方ない面もある。 -2人対戦ゲームが手抜き仕様。 --この手のミニゲーム集における2人用モードは「1人用ではCPU相手だったミニゲームを対人戦で遊ぶ」というのがセオリーだが、本作の2人用は''上記1人用と同じギャンブル集金ゲームを2人同時にプレイする最速クリア競争''というもの。 --購入する品物は任意選択の1つだけになり、先にその品物を購入するか、相手がゲームオーバーになれば勝ち。品物が5つのままだったらどうなっていたことやら…。 --品物は1つとはいえ、1人用でも条件が辛いフランス人形やオルゴールを選んでしまうとお互い膠着状態となり、険悪になること必至。これらを選ぶのはやめたほうがいいだろう。 --登場カードのうち、おじいちゃんカードは相手の所持金を減らし、おかあさんカードは''相手側にお母さんの所持金徴収イベントを仕掛ける''という凶悪な妨害アイテムに変貌する。これらカードによる強制徴収はどうやっても回避できない。 ---しかし、相手への介入要素はこれだけしかない。強制徴収イベント以外は各々淡々とゲームをプレイするだけである。 ---勝敗決着後に表示される画面も1人用のエンディングやゲームオーバーと大差はなく、あっさりタイトル画面へ戻される。 --1人用でも運頼みでストレスのたまるゲームを、さらに妨害要素を2つも加えて2人個別にプレイさせる対戦モードの存在価値とは……? あえていうなら友人と協力すればあっさりEDを見れることくらいか。 //--というか、こんな機能を搭載してる暇があったら、ゲーム内容そのものをもっとどうにかしろと言いたくなる。 //-&bold(){そもそもまる子にこんな悪どいことをさせている時点で原作レイプである。} //--原作やアニメなどでもあくどい言動は見受けられるが、バレて叱られたり、報いを受けたり、結局良心に負けて反省する等エピソードの流れとしてはその行いを許しておらず、良識は弁えている。 //↑反対意見が出ているためCO。https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1631280068/135- -説明にないカードのデメリット効果 --「まる子」と「おじいちゃん」のカードは、実は所持していると裏のデメリット効果が存在する。これらの効果は一切ノーヒントである。 ---「まる子」は一度使うと財布上限がアップするというのは先に説明した通り。なので、2度目以降は不要カードとなるのだが、実は「まる子」カードを持ったまま貯金箱に触れてしまうと、まる子カード自動消費と同時に''持っている福引券と景品も消滅する''というデメリット効果がある((一見バグのようにも見える挙動だが、内部的には貯金箱にわざわざ「まる子カードを指定した専用処理」が存在しており、おそらく意図的に仕込まれた「仕様」である。))。そのため、2枚目以降が手に入ってもしっかりと消費しておかないと悲劇が起きる。 ---「おじいちゃん」は1人用では気力2アップ、2人用では相手の所持金減少と有用な効果を持つカードなのだが、実は''「おじいちゃん」カードが手持ちにある限り他のカードが新たに入手できない''という罠がある。そのため、早めに消費しておく必要がある。 --いずれも使用時の効果にデメリットはないため消費しておけば対策できるのだが、プレイヤーへの嫌がらせのような仕様となっている。 ***補足 -ミニゲームはほぼ運ゲーだが、戦略的要素はある。 --じゃんけんに勝って気力が上がるほど、ミニゲームで勝ちやすくなる。ある程度気力が上がるまでは、勝負を避けてじゃんけんに徹するのも一つの手。 ---「みつや」で50円のお菓子を買うと気力が2上がる。お金を払ってでもとにかく気力を上げたいときは利用できる。 --基本的には運任せなものの、スロットゲームではリールを「目押し」で止められるため、この技術介入要素を使えるならば運に頼らず勝つことができる。 ---ゲーム内容も画面構成で判別可能なので厳選もできる。例えばスロットが苦手なら、キャンセルして別のゲームに変えればいい。 ---スロットは揃える絵柄によって賭け率が変わり、たまちゃんの絵柄が最大((静岡のおばあちゃんのスロットではまる子の笑顔。))。 --理不尽とも言えるお母さんの所持金徴収だが、景品を手に入れるまで家に帰らないことで回避できる。 --丸尾くんカードも貯金箱に触れない限り発動しないので、手に入れてしまったら速やかに貯金を使用することで被害を最小限に抑えることができる。 ---このため安い商品は貯金の消費用に残しておき、高額な商品から買っていくという立ち回りが有効。 --おじいちゃんは勝つと''1000円''ももらえるという原作同様まる子にとっては救世主である。ただし''勝敗に関係なく気力0になる''という強烈なデメリットがある。 ---しかも再戦するにはたまちゃんカードが必要なため、この方法だけで楽して稼ごうとすると丸尾くんカードを引いてしまうという諸刃の剣。~ 1000円、1000円、1000円と来てもう1000円でフランス人形などという読みは''まさに泥沼。'' --静岡のおばあちゃんは気力も賭け金もなしでスロット勝負できる。''ただし勝つと気力0になる''。うまい話にはウラがあるのである。 -実はおじいちゃん以外にももう一人(?)救世主がいる。 #region(クリックで表示) -神社にお参りをすると10円拾えることがある。''このゲームで唯一の安全確実にお金を稼げる方法である。'' --ランダムイベントのため発生確率はせいぜい2割程度だが、お参りは無制限に行えるので、根気よく続ければ何度でも拾うことが可能。 --もちろん時間的効率は悪いので大金を稼ぐには向かない方法だが、とにかく10円でもあればゲームオーバーになることはないので、この方法を使えば''確実にゲームオーバーを回避することができる。'' --ただし''ゲーム内では一切ノーヒント''なので、この方法は自力で発見しなければならない。 ---一番の問題点は、場所が場所だけにまる子が''賽銭泥棒''のように見えてしまうことか。拾っているのは恐らくは誰かが賽銭箱に投げ入れようとして入らなかった小銭だと思われるので、まる子が本当に泥棒しているわけではない((ちなみにこの場合の小銭は誰のものか判別できないので、自分のものにしてしまっても遺失物横領にはあたらない。))。 #endregion //戦略的要素があること自体は評価点とはいいがたいため、問題点の補足へ移動。 ---- **賛否両論点 -良くも悪くもシンプルな操作性。 --町中を歩く、会話を進める、カードや選択肢を選んで決定、くらいの操作しか必要としない。アクション要素も、スロットを止めるタイミング決定くらいしかない。 ---前述の通り本作はクリスマス商戦に投入されており、「ちびまる子ちゃん」初のゲーム化作品でもある。このためクリスマスプレゼントがこの作品という子供も多かったと思われ、さらにゲームに初めて触れた者でも少し慣れれば問題なくプレイできる内容である。そういった層には決してハズレゲーではないと言えるだろう。 ---町中を歩いている人物に体当たりすればメニューが出る仕様のため、普通のRPGのように話しかけようとしてボタンを押した瞬間に移動される、といった事態も起きない。 ---- **評価点 -前述の通りまる子の最初の所持金は30円であるが、原作でも「まる子のこづかいは1日30円」なので、この点は原作を忠実に再現した結果と言える。 -タイトル画面や町内のBGMには原作アニメED曲「おどるポンポコリン((現在はOP曲になっているが、本作が発売された1990年の1期放映当時はED曲であった。ちなみにOPは関ゆみ子の「ゆめいっぱい」で、こちらは3作目である「めざせ!ゲーム大賞の巻」で使用されている。))」のアレンジが使用されている。このためパッケージ裏にはJASRAC表記や認可シールが貼られている。 --苦労の果てにクリアしてタイトル画面に戻った時に聴けるED曲は嬉しい。狙ってこういう仕様にしたのかは不明。 -マップ画面以外のグラフィックは当時のキャラゲー及びGBソフトとしては平均以上で良質。デモシーンのまる子の顔アップ絵は漫画そっくりで、ミニゲームの画面やカードの絵柄としてよく見る各キャラの顔グラもそこそこの出来。 --負けると引きつった顔でタバコをふかすおとうさんや、困り笑いするおじいちゃん、平静を装いつつも動揺を隠しきれていない花輪君など、原作の細かな性格描写を反映した絵もある。 ---ただし、はまじとみどりちゃんの負け顔はかなり独特。人によっては腹筋崩壊、もしくは気味が悪いと感じるかも。 //--ただ町中を歩いて人と会話やゲームをするだけで原作の雰囲気を楽しむことができる。 -キャラクターを始めとする会話テキストが原作に忠実で雰囲気をよく捉えている。 --やや冷笑的で本作の仕様上プレイヤーの神経を逆撫でしてしまっている時もあるが、アニメにおける毒舌ナレーターのツッコミ具合も忠実に再現できている。 --ナレーターのセリフ冒頭には&bold(){専用のマイク記号}を付記しており、明確にそれと分かるよう配慮されている。 //--2021年3月まで長らくナレーションを務めたキートン山田氏による毒のあるツッコミも健在。 //ボイスはないですよ。山田氏が引退してからも口調は変わってないです ---- **総評 人によってはGB版『[[マインドシーカー]]』と言う人もいるほどの運ゲーという評価を受けている本作だが、ミニゲーム勝率や賭け率に介入できる余地が存在するため、一応完全な運ゲーというわけではない。~ //一応完全な運ゲーというわけではなくごくわずかながらも確率に介入できる余地が存在するため、~ //ごくわずかどころか賭け率10倍 ゲームの仕様を知り尽くし、プレイヤーが常に最善手を取り続ければ、いつかはクリアできる。~ しかし所持金徴収や貯金半減といった運要素が強い割にデメリットの大きすぎるイベント、ほぼ運ゲーのじゃんけんやミニゲームを繰り返す作業が必須、セーブ機能がないなど大きな問題点が多く重なった結果、多くの人がクリア前に投げ出すクソゲーとなってしまった。~ 無理してクリアしようなどと考えず、「気軽に原作の雰囲気を楽しめるキャラゲー」程度にとどめて楽しむのがいいだろう。 //キャラゲーとしても特にこれといって特筆する箇所が無いため、まる子ファンであっても購入はオススメしがたい。 //評価点と矛盾する記述なのでCO ---- **余談 -原作でもまる子が家族相手にギャンブルを持ちかける場面があるが、毎回最後はお母さんに怒られている。 -本作の反省を踏まえてか、これ以後タカラの「ちびまる子ちゃん」のゲームは軒並み難易度が下げられており、開発元も変更されている。 --が、まる子のゲームソフトとしては''未だにこれが一番売れたソフト''のようなので信頼は回復できなかったと思われる。 ---ちなみに、本作におけるファミ通でのクロスレビューは40点満点中22点((ほぼじゃんけんについての言及にとどまっており、まともな評価と言えるかどうかは怪しい。))。これでもまる子のゲームソフトの中では点数が良い方であり、後続のソフトの点数は総じて芳しくないため、これが売上が振るわない一因と思われる((現在のところ、シリーズ最低点は『ちびまる子ちゃん3 めざせ!ゲーム大賞の巻』などの18点。))。 --ちびまる子ちゃんのゲーム化権は機種ごと複数のメーカーにライセンスされていた。本作発売元のタカラは自業自得といえるが、翌年以降他機種でゲームを発売することとなったエポック社やナムコ、コナミはいい迷惑である。 -後に発売された『[[人生ゲーム伝説]]』と同じ開発元とされている(よく見るとグラフィック・フォントがまる子とそっくりで、途中セーブが無いところまでそっくり)。案の定、これも本作に負けず劣らずのクソゲーとして悪名をとどろかせるのであった。 --ちなみに開発元のアドバンスコミュニケーションはFC時代にも同じスタッフによる『[[ジーキル博士の彷魔が刻]]』や『燃える!お兄さん』(いずれも発売元は東宝)といったクソキャラゲーを開発していた。 --セーブ機能がないゲームはGB初期では珍しいものではなく、ちょっとした時間に軽く楽しむだけのゲームも多かった。そのためゲームクリア自体はあまり重要視されておらず、本作のようにクリアを目指すとなると途端に異常な難易度になるものも結構ある。『[[アレイウェイ]]』や『[[ワールドボウリング]]』などが代表例。 -説明書の文章は「ですます調」と「である調」が混在している。 --終わりだけ突然「である調」になる文が目立つ。作中のナレーターを再現しているのだろうが、説明のための文章としては読みにくい。 //読みにくいならそれは問題点だろう //説明書のことでゲームの内容とは無関係なので余談に移す -パッケージや説明書には原作者描き下ろしと思われる「ゲームボーイを持ったまるちゃん」などのイラストが使用されている。1970年代を舞台とする原作の設定から考えると、わりと貴重な組み合わせのイラストと言えるかもしれない。 --本作でのお目当ての品物総額より遥かに高価そうだが%%、これも家族や友人との賭博とお母さんの目を盗んでの貯金の末入手したのだろうか。%% --説明書の表紙ではまる子のほか、たまちゃんや花輪君もゲームボーイを持っている。が、丸尾君はひとりだけ持っておらず、横で羨ましがっている。かあさまがゲームを許してくれないのだろうか。 --たまちゃんは説明書内のイラストで「コレ おもしろいね」と言っているのだが、本作の出来を考えると何か別のゲームで遊んでいるのだ、と思わざるを得ない。

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