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*エンジェルグラフィティ ~あなたへのプロフィール~ 【えんじぇるぐらふぃてぃ あなたへのぷろふぃーる】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000321.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ココナッツジャパン エンターテイメント|~| |開発元|アストロビジョン|~| |発売日|1996年7月26日|~| |定価|通常版:6800円&br限定版:8800円(共に税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|悪過ぎるテンポ&br''1回の選択ミスで好感度暴落''&br声優陣は豪華|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ときめきメモリアル]]』の発売に端を発したギャルゲーブーム初期の作品。~ 同時期のギャルゲー作品と同様『ときメモ』に強い影響を受けた作風であり、「高校を舞台に自己研鑽をして女の子と仲良くなる」という内容。~ **問題点 多過ぎて語るに尽きないが、代表的なものを挙げる。 -最悪なテンポ --ゲーム期間は二年間。ちょっと少ない、と思う人がいるかもしれない。 --本作は&bold(){一週間ごとに予定を決めるのではない、一日ごとに予定を決めるのだ。}そのため、一週間なら「予定を立てる・実行する・予定を立てる」……を七日続けなければならない。 --また、行動は一日一回ではない。&bold(){一日三回もでき、それをわざわざ設定しなければならない}。しかもそのコマンド実行たるや、ただでさえ遅い実行速度なのにスキップができない。一週間費やせそうな実時間が、一日で過ぎていく。 ---一日に色々な事ができる、とも言えなくもない。 --これを二年間続けられる&bold(){忍耐力があるか否かが、本作を楽しめる分岐点}である。ED後には、もはや仙人になれる忍耐力が付くだろう。 -ゲームバランスの崩壊 --ギャルゲーだもの、女の子をデートに誘わなければならない。&bold(){週に二、三回ほど。}実際、あのラスボス様もびっくりなほど好感度が上がりにくいので、それぐらいの頻度でデートに行かなければ日数が足りないのだ。でも、だからといって&bold(){デート会話や選択肢が豊富なわけではない}ので、デートまで作業になってくること請け合い。 --また、&bold(){デート選択肢の失敗=爆弾爆発}並の好感度低下。苦労して上げた好感度がたった一回の選択肢ミスで崩れ去っていくのは、むしろ破壊の爽快すら感じる。もっとも、それを感じているのはプレイヤーでもなく相手の女の子である。 ---もしスタッフが一回一回が勝負のリアルなデートを狙っていたのなら、どう考えても狙う場所を間違えている。 -不親切なシステム周り --レスポンス、画面切り替わり、ロードの何もかもが遅く、上記の点と共にテンポの悪化に一役買っている。 --マウスに対応しているのは結構だが、コントローラーまで&bold(){常にマウスライク}なのは頂けない。操作していてイライラすることこの上ない。 **評価点 -キャラクターデザインに『きまぐれオレンジロード』のまつもと泉を起用。 --ただし、有名漫画家を起用していながら&bold(){全くそれが活かされていない。というより活かしてない。} --当時のギャルゲーマーとまつもとファンの年齢層のどれほどが重なっているのかと言う疑問((『オレンジロード』は1987年に終了。以降のまつもと氏はヒット作に恵まれていない。))も提起される事もあるが、ときメモの項でも触れられている通り、ギャルゲーの販売対象は「現役の学生」ではなく「学生時代を懐かしむ(やり直したい)おっさん」である。%%故に時代遅れ(10年前)な世界観が多い。%% -シナリオも『[[ファイナルファンタジー>ファイナルファンタジーシリーズ]]([[I>ファイナルファンタジー]]~[[III>ファイナルファンタジーIII]])』のシナリオや数多くのアニメの脚本家などとしても知られる寺田憲史でありながら、ゲームシステムのせいかそれすらもおざなりにされてしまっている感が強い。 -有名声優陣を起用。メインヒロインに天野由梨を始め、篠原恵美、富沢美智恵、島本須美という当時人気の高い名前が揃う。しかし&bold(){フルボイスという訳ではない}ので、彼女らの起用が活かされているかといえばかなり微妙である。 -当時としては、ムービーを多用。OPはもちろん、本編中にも挿入されている。 **総評 -ギャルゲーバブル絶頂期、売れるジャンルとして認識された恋愛シミュレーションはまさに玉石混淆の世界であった。 --もちろん、例によってクソゲーの方が多かった。本作はまさにその石にあたるゲームであろう。 -決してゲームとして遊べないわけではない。だが、小さな所々の不親切が多すぎたためにクソゲーとして認知されてしまうのだろう。逆に言えば、その小さな不親切を修正できたならば名作ではないが普通のギャルゲーになっていたのではなかろうか。 -だが、もちろんクソゲーであるということに変わりはない。恐らく中古で買っても損した気になるであろう。 --ギャルゲーバブル初期のゲームを楽しみたいと言うのなら、そして島本須美のファンだと言うのなら止めはしないが。 **余談 #region(R15注意) -実はこのゲームにはヒロイン達の乳首付き全裸バージョンの立ち絵が収録されている。 --服差分の容量を節約するために裸の人物画像に服の画像を重ね合わせる手法自体は普通に使われていたが、その裸画像に乳首が態々描き込まれていたのだ。エロゲーではない本作では当然乳首は常に服に隠れている(故に描く必要が無い)にだが、PAR等の改造ツールで服データを操作することで見ることが出来る。 --データを改造しないかぎり見る方法は無い(裏技さえ存在しない((例えばPC版『プリンセスメーカー』には裏技が存在した。尤も態々裏ワザを使わなくても「娘が上半身裸で海水浴を楽しむ」シーンが存在するのだが。当然家庭用では差し替えられている。)))ので、厳しいソニー規制にも引っかからなかったのだろう。 #endregion -一年後、セガサターンに『エンジェルグラフィティS ~あなたへのプロフィール~』というタイトルで移植されている。 -キャラクターデザインを担当したまつもと泉氏は、1999年からの長い闘病生活の果てに2020年に死去。本作のより新しい作品は『EE』(未完)一作のみである。
*エンジェルグラフィティ ~あなたへのプロフィール~ 【えんじぇるぐらふぃてぃ あなたへのぷろふぃーる】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000321.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ココナッツジャパン エンターテイメント|~| |開発元|アストロビジョン|~| |発売日|1996年7月26日|~| |定価|通常版:6800円&br限定版:8800円(共に税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|悪過ぎるテンポ&br''1回の選択ミスで好感度暴落''&br声優陣は豪華|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ときめきメモリアル]]』の発売に端を発したギャルゲーブーム初期の作品。~ 同時期のギャルゲー作品と同様『ときメモ』に強い影響を受けた作風であり、「高校を舞台に自己研鑽をして女の子と仲良くなる」という内容。~ **問題点 多過ぎて語るに尽きないが、代表的なものを挙げる。 -最悪なテンポ --ゲーム期間は二年間。ちょっと少ない、と思う人がいるかもしれない。 --本作は''一週間ごとに予定を決めるのではない、一日ごとに予定を決めるのだ。''そのため、一週間なら「予定を立てる・実行する・予定を立てる」……を七日続けなければならない。 --また、行動は一日一回ではない。''一日三回もでき、それをわざわざ設定しなければならない''。しかもそのコマンド実行たるや、ただでさえ遅い実行速度なのにスキップができない。一週間費やせそうな実時間が、一日で過ぎていく。 ---一日に色々な事ができる、とも言えなくもない。 --これを二年間続けられる''忍耐力があるか否かが、本作を楽しめる分岐点''である。ED後には、もはや仙人になれる忍耐力が付くだろう。 -ゲームバランスの崩壊 --ギャルゲーだもの、女の子をデートに誘わなければならない。''週に二、三回ほど。''実際、あのラスボス様もびっくりなほど好感度が上がりにくいので、それぐらいの頻度でデートに行かなければ日数が足りないのだ。でも、だからといって''デート会話や選択肢が豊富なわけではない''ので、デートまで作業になってくること請け合い。 --また、''デート選択肢の失敗=爆弾爆発''並の好感度低下。苦労して上げた好感度がたった一回の選択肢ミスで崩れ去っていくのは、むしろ破壊の爽快すら感じる。もっとも、それを感じているのはプレイヤーでもなく相手の女の子である。 ---もしスタッフが一回一回が勝負のリアルなデートを狙っていたのなら、どう考えても狙う場所を間違えている。 -不親切なシステム周り --レスポンス、画面切り替わり、ロードの何もかもが遅く、上記の点と共にテンポの悪化に一役買っている。 --マウスに対応しているのは結構だが、コントローラーまで''常にマウスライク''なのは頂けない。操作していてイライラすることこの上ない。 **評価点 -キャラクターデザインに『きまぐれオレンジロード』のまつもと泉を起用。 --ただし、有名漫画家を起用していながら''全くそれが活かされていない。というより活かしてない。'' --当時のギャルゲーマーとまつもとファンの年齢層のどれほどが重なっているのかと言う疑問((『オレンジロード』は1987年に終了。以降のまつもと氏はヒット作に恵まれていない。))も提起される事もあるが、ときメモの項でも触れられている通り、ギャルゲーの販売対象は「現役の学生」ではなく「学生時代を懐かしむ(やり直したい)おっさん」である。%%故に時代遅れ(10年前)な世界観が多い。%% -シナリオも『[[ファイナルファンタジー>ファイナルファンタジーシリーズ]]([[I>ファイナルファンタジー]]~[[III>ファイナルファンタジーIII]])』のシナリオや数多くのアニメの脚本家などとしても知られる寺田憲史でありながら、ゲームシステムのせいかそれすらもおざなりにされてしまっている感が強い。 -有名声優陣を起用。メインヒロインに天野由梨を始め、篠原恵美、富沢美智恵、島本須美という当時人気の高い名前が揃う。しかし''フルボイスという訳ではない''ので、彼女らの起用が活かされているかといえばかなり微妙である。 -当時としては、ムービーを多用。OPはもちろん、本編中にも挿入されている。 **総評 ギャルゲーバブル絶頂期、売れるジャンルとして認識された恋愛シミュレーションはまさに玉石混淆の世界であった。~ もちろん、例によってクソゲーの方が多く、本作はまさにその石にあたるゲームであろう。~ 決してゲームとして遊べないわけではないのだが、小さな所々の不親切が多すぎたためにクソゲーとして認知されてしまうのだろう。~ 逆に言えば、その小さな不親切を修正できたならば名作ではないが普通のギャルゲーになっていたのではなかろうか。~ **余談 #region(R15注意) -実はこのゲームにはヒロイン達の乳首付き全裸バージョンの立ち絵が収録されている。 --服差分の容量を節約するために裸の人物画像に服の画像を重ね合わせる手法自体は普通に使われていたが、その裸画像に乳首が態々描き込まれていたのだ。エロゲーではない本作では当然乳首は常に服に隠れている(故に描く必要が無い)にだが、PAR等の改造ツールで服データを操作することで見ることが出来る。 --データを改造しないかぎり見る方法は無い(裏技さえ存在しない((例えばPC版『プリンセスメーカー』には裏技が存在した。尤も態々裏ワザを使わなくても「娘が上半身裸で海水浴を楽しむ」シーンが存在するのだが。当然家庭用では差し替えられている。)))ので、厳しいソニー規制にも引っかからなかったのだろう。 #endregion -一年後、セガサターンに『エンジェルグラフィティS ~あなたへのプロフィール~』というタイトルで移植されている。 -キャラクターデザインを担当したまつもと泉氏は、1999年からの長い闘病生活の果てに2020年に死去。本作のより新しい作品は『EE』(未完)一作のみである。

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