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AKIRA」(2024/04/14 (日) 21:45:15) の最新版変更点

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「[[検証依頼]]」が出ています。依頼内容は「問題文について、実際には映画通りの行動を求められてはいない件」です。対応できる方はご協力をお願いします。 *AKIRA 【あきら】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&image(akira.jpg,http://amazon.co.jp/dp/B000068I35,height=160)|&image(akirafc.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |メディア|3MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|タイトー|~|~| |開発元|トーセ|~|~| |発売日|1988年12月24日|~|~| |定価|6,800円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|死亡、逮捕だらけの理不尽死にゲー(まさに「常習性アリ」)&br;自由度が低すぎて、ゲームでやる意味が薄い&br;原作者監修のシナリオ自体は良質|~|~| |>|>|>|CENTER:''AKIRAゲーム作品''&br()''AKIRA'' / [[AKIRA PSYCHO BALL]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 80年代を代表する国民的人気コミック「アキラ」の数少ないゲーム化作品。~ 新型爆弾により壊滅した東京で、暴走族のリーダーである主人公・金田は仲間の鉄雄の事故をきっかけに封印された「アキラ」の謎に関わっていく近未来SF。~ 劇場アニメ版では先に音声を収録しそれに合わせて口の動きを作成する作画手法や、後半のグロテスクな描写が話題となり、特に主人公の乗るバイクは人気が高く、近年でもフィギュアや実車カスタムバイクが製作されるほどである。~ ゲーム自体はオーソドックスなアドベンチャーゲームだが、とにかく難易度が高い。 ---- **問題点 -一言で言うなら''「死にゲー」''。ADVがクソゲー化する最も手っ取り早いパターンである''「選択肢を間違えたら一発死」''がふんだんに用いられている。 -まずこのゲームは同年夏に公開された映画版を元に作られており、シナリオも原作よりそちらに大きく偏っている。尤も、映画すら原作連載中の公開だったのでそれは良いとしても、あまりに映画に沿い過ぎており、何も知らずにこのゲームに手をつけたら''間違いなく1度はゲームオーバーになる''。 --例えば操作ができるようになって間もなく手榴弾を持った過激派の学生が現れ、以下の選択肢が出るのだが…。 #region() さけぶ あわてる おどる にげる とびかかる ふせる みつめる いのる -映画通り(正確には、この前の場面でヒロインの情報を得ている状態で)「叫ぶ→伏せる」と選ばないと、何かと理由をつけてゲームオーバー、良くて選びなおしになる。 --そのヒロインの情報を得る方法も非常にわかりにくい。得ていないと「叫ぶ→伏せる」も含め''15通り全部ゲームオーバー''。 --ネット上に散見されるユーザーレビューには、この場面で進めず投げてしまったという声も多い。フラグが立っていない状態でも次の場面へ行けてしまうのが問題なのか、見過ごしているユーザーが悪いのか…? #endregion //攻略情報に関わることなんで一応隠す。難易度が高いからネタバレが許されるってわけじゃないからね --このように、明らかに''映画を見たことがある人を前提としたフラグ立てが多すぎる''。 --また、フラグが立っていないのに場所を移動しようとしてもゲームオーバー。普通以上のADVであれば''「まだかえるわけにはいかない…」と出るようなシーンで平気で死ぬ。'' --柄の悪い兄ちゃんに話しかけたら死ぬ。 --道を右に曲がったら死ぬ。 --適当に移動したらいきなり刺されて死ぬ。 --生きるか死ぬかの緊迫した場面で''お茶に誘うと死ぬ''(当たり前)。 -場面転換が任意でなく、正しい選択肢さえ選べば勝手にシナリオが進む。言ってみれば、時々「一発死しないように選択肢を選ぶミニゲーム」が挿入される''ただの小説''。プレイの大半を「テキストを読むこと」に費やすことになる。 --その手法で成功したゲームジャンルであるサウンドノベルやインタラクティブムービーなどもあるのだが、この場合、映画と全く同じシナリオをファミコンで体験させられてもしょうがない。 -視点を360°変更できる…と言う臨場感がテレビCMやパッケージやカセットラベルにて宣伝されているのだが、実際には部屋の中で視界を横スクロールさせたらそのうちループすると言うだけ。しかもそれができる部屋は1箇所のみ(独房)であり、わざわざカッコつけて言う程の仕様ではない。 --しかもこのたっぷりアピールした場面そのものが簡単にカットできる。というより正攻法な考え方で進めば大抵がこれをカットしたルートになる。映画の展開を意図的に再現しようと寄り道をした場合でしか見られない。 --また、敵の追跡機を打ち落とすFPSミニゲームなどと言うものもあるが、これに至っては真ん前か真後ろかの2視点しかない。 -発売が原作終了前だった事によるもうひとつの汚点として、原作で後期の重要人物であり、作品世界に欠かせない立場と凄惨な死に様を用意されたレギュラーキャラ・ミヤコ様の扱いの酷さがある。 --元より映画版でもミヤコ様は単なる新興宗教の教祖でアッサリ殺されてしまう脇役となっていた((もちろん、尺の都合による原作内容の改変・再構成という事情があるのだが。))のだが、このゲームでは何とパスワード入力シーンに顔が出るのみ。せめて映画版の展開を再現してほしかったところ。 //『[[たけしの挑戦状]]』のこんてぃにゅうやと全く同じ役割である。 -ほとんどの場面で効果音代わりのノイズがザーザー鳴り続ける。音声入力の配線を間違えたかと言うくらいのレベルで、もはや臨場感や演出になっておらず、ただうるさい。 --当たり前だが芸能山城組の名曲は全て使われていない。 -原作を知っていても、普通に考えて行動したら''死ぬよりも恐ろしい(正しくは果てしなく長いやり直しを強いられる)''虚しい終わりにたどり着くハメになる。 #region(映画を含めネタバレ注意) -映画での鉄雄との戦いと同様に最終的には金田の放ったレーザーが鉄雄の右腕に命中してそこから怪物化が進んでいく展開になる。つまり映画を見ていればレーザーで鉄雄の右腕を狙うこと自体は想像することはたやすい。 --だが、ゲームではその場面でバカ正直に鉄雄の腕を狙に命中させても胸を貫いたことになり鉄雄は苦しみだして''鉄雄は死んでしまいました''と状況だけを伝える淡泊なメッセージと、金田が「やったぜ山形ァ!」と適当に喜んで「金田の活躍でネオ東京に平和が戻った」とこれまた適当に状況だけを伝えるメッセージで終わる。 ---一応ご都合主義的にはハッピーエンドではあるが、どう考えても呆気なく終わりすぎて本当のエンドでないことは誰が見ても明白。しかもこれはゲームオーバーではないのですぐやり直すことができず、こんな展開は誰も想像していないであろうことからパスワードを取っている可能性も薄く、また死に選択ゲーを最初からやり直すハメになったはずだ。或いはそのまま投げ出したか…~ どっちにせよ、こんなことならまだゲームオーバー扱いの方がゼンゼンマシである。 --実はゲームオリジナルの展開がここにあり、1回目の鉄雄との戦いで引き返した後、ケイから鏡を受け取って、その鏡でレーザーを反射させないと右腕に命中させることができないのだ。鉄雄自身の腕にどんなに必死に合わせようとしても、鉄雄の体に当てれば、結局胸を貫いたことになってしまう。 ---2回目以降ならばその局面の直前でパスワードを取ってすぐやり直せるが、上記のような想像に至ることは容易ではない。そのため何度も何度もパスワードを入れる苦汁を味わったと思われる。 ---また1回目の戦いでは、鉄雄の体の部位によって異なる展開が用意されており、この時も胸に命中させると、上記と同じ虚しいだけのバッドエンドになる。映画では同じ場面で鉄雄の胸をレーザーが貫く描写があるため、この時も勘違いしやすい。 #endregion ---- **評価点 -グラフィックについてはかなりのこだわりが感じられる。小さめのキャラや背景の遠近法こそ適当なものの、顔のアップや一枚絵の描き込みは決して手抜きではないし、キャラクターの口パクもある。 -ゲームオーバーになっても直前からコンティニューが出来る --そんなのあって当然と思うかもしれないが、同じく理不尽な死にゲーなのにコンティニュー不可だった『[[美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負]]』に比べれば良心的である((ただし、あちらは即死ポイントが幾つかの箇所に集中しており、それ以外では死ぬ事が少ない。))。 -一応IFエンディングがある。 --真エンドはアニメーションがあるので差別化がされている。 --映画版再現のエンディングは勿論、アキラの覚醒を金田が阻止して平和になるエンディング((原作要素無視なら一応ハッピーエンドのようだが「鉄雄は死んでしまいました…」と呆気なさすぎて虚しい終わり方なので、原作を知らなくても真エンドでないことは明白。))や、連載(休載)中だった漫画版に続くようなエンディングなど。大友克洋本人が監修しているシナリオなので「アキラ」の一つのストーリーとして楽しむことは出来る。 ---ただし分岐点は最終盤の選択肢のみであり、エンディングを見るためのフラグ立てはほぼ無いので、総当たり死にゲーな事に変わりはない。 ---- **総評 映画版を見たプレイヤーからすれば、多少の独自要素はあれどFCレベルのグラフィックで映画をなぞるだけのゲームであり、映画版を見た事ないプレイヤーからすれば、理不尽な選択肢に翻弄されるだけのゲームである。~ 情けない死に様を笑うバカゲーとして楽しもうにも、死亡ポイントのあまりの多さに辟易する可能性の方が高い。~ 原作者監修で且つIFエンディングもあり、少なくとも原作レイプにはなっていないのが救いか。 ---- **余談 -かつて『月刊少年ジャンプ』にて連載されていた「われらホビーズ ファミコンゼミナール」で本作を題材にした話がある。 --流石に集英社と講談社ではグループが違うのでそのまま使うのは問題があったようで、タイトルも作中のセリフも「ア●ラ」と伏字にされていた。(版権作でも美味しんぼは普通に名前を出している。) ---本作自体が原作の内容を元にゲーム化したのもあって、内容はゲームのパロディというよりAKIRAのパロディになっていた。 -CMはアニメ映像がふんだんに使われている。 --最初に「360°マルチスクリーン」と謳るが、そのゲーム画面は出てこない。上記の通りなのでその画面を直接見せないのは賢明な判断。 --「常習性アリ」も''死ぬ常習性が大アリ''なので間違っていない。
「[[検証依頼]]」が出ています。依頼内容は「問題文について、実際には映画通りの行動を求められてはいない件」です。対応できる方はご協力をお願いします。 *AKIRA 【あきら】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&image(akira.jpg,http://amazon.co.jp/dp/B000068I35,height=160)|&image(akirafc.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |メディア|3MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|タイトー|~|~| |開発元|トーセ|~|~| |発売日|1988年12月24日|~|~| |定価|6,800円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|死亡、逮捕だらけの理不尽死にゲー(まさに「常習性アリ」)&br;自由度が低すぎて、ゲームでやる意味が薄い&br;原作者監修のシナリオ自体は良質|~|~| |>|>|>|CENTER:''AKIRAゲーム作品''&br()''AKIRA'' / [[AKIRA PSYCHO BALL]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SF漫画の金字塔との呼び声も高い、大友克洋原作の80年代を代表する国民的人気コミック「アキラ」の数少ないゲーム化作品。~ 新型爆弾により壊滅した東京で、暴走族のリーダーである主人公・金田は仲間の鉄雄の事故をきっかけに封印された「アキラ」の謎に関わっていく近未来SF。~ 劇場アニメ版では先に音声を収録しそれに合わせて口の動きを作成する作画手法や、後半のグロテスクな描写が話題となり、特に主人公の乗るバイクは人気が高く、近年でもフィギュアや実車カスタムバイクが製作されるほどである。~ ゲーム自体はオーソドックスなアドベンチャーゲームだが、とにかく難易度が高い。 ---- **問題点 -一言で言うなら''「死にゲー」''。ADVがクソゲー化する最も手っ取り早いパターンである''「選択肢を間違えたら一発死」''がふんだんに用いられている。 -まずこのゲームは同年夏に公開された映画版を元に作られており、シナリオも原作よりそちらに大きく偏っている。尤も、映画すら原作連載中の公開だったのでそれは良いとしても、あまりに映画に沿い過ぎており、何も知らずにこのゲームに手をつけたら''間違いなく1度はゲームオーバーになる''。 --例えば操作ができるようになって間もなく手榴弾を持った過激派の学生が現れ、以下の選択肢が出るのだが…。 #region() さけぶ あわてる おどる にげる とびかかる ふせる みつめる いのる -映画通り(正確には、この前の場面でヒロインの情報を得ている状態で)「叫ぶ→伏せる」と選ばないと、何かと理由をつけてゲームオーバー、良くて選びなおしになる。 --そのヒロインの情報を得る方法も非常にわかりにくい。得ていないと「叫ぶ→伏せる」も含め''15通り全部ゲームオーバー''。 --ネット上に散見されるユーザーレビューには、この場面で進めず投げてしまったという声も多い。フラグが立っていない状態でも次の場面へ行けてしまうのが問題なのか、見過ごしているユーザーが悪いのか…? #endregion //攻略情報に関わることなんで一応隠す。難易度が高いからネタバレが許されるってわけじゃないからね --このように、明らかに''映画を見たことがある人を前提としたフラグ立てが多すぎる''。 --また、フラグが立っていないのに場所を移動しようとしてもゲームオーバー。普通以上のADVであれば''「まだかえるわけにはいかない…」と出るようなシーンで平気で死ぬ。'' --柄の悪い兄ちゃんに話しかけたら死ぬ。 --道を右に曲がったら死ぬ。 --適当に移動したらいきなり刺されて死ぬ。 --生きるか死ぬかの緊迫した場面で''お茶に誘うと死ぬ''(当たり前)。 -場面転換が任意でなく、正しい選択肢さえ選べば勝手にシナリオが進む。言ってみれば、時々「一発死しないように選択肢を選ぶミニゲーム」が挿入される''ただの小説''。プレイの大半を「テキストを読むこと」に費やすことになる。 --その手法で成功したゲームジャンルであるサウンドノベルやインタラクティブムービーなどもあるのだが、この場合、映画と全く同じシナリオをファミコンで体験させられてもしょうがない。 -視点を360°変更できる…と言う臨場感がテレビCMやパッケージやカセットラベルにて宣伝されているのだが、実際には部屋の中で視界を横スクロールさせたらそのうちループすると言うだけ。しかもそれができる部屋は1箇所のみ(独房)であり、わざわざカッコつけて言う程の仕様ではない。 --しかもこのたっぷりアピールした場面そのものが簡単にカットできる。というより正攻法な考え方で進めば大抵がこれをカットしたルートになる。映画の展開を意図的に再現しようと寄り道をした場合でしか見られない。 --また、敵の追跡機を打ち落とすFPSミニゲームなどと言うものもあるが、これに至っては真ん前か真後ろかの2視点しかない。 -発売が原作終了前だった事によるもうひとつの汚点として、原作で後期の重要人物であり、作品世界に欠かせない立場と凄惨な死に様を用意されたレギュラーキャラ・ミヤコ様の扱いの酷さがある。 --元より映画版でもミヤコ様は単なる新興宗教の教祖でアッサリ殺されてしまう脇役となっていた((もちろん、尺の都合による原作内容の改変・再構成という事情があるのだが。))のだが、このゲームでは何とパスワード入力シーンに顔が出るのみ。せめて映画版の展開を再現してほしかったところ。 //『[[たけしの挑戦状]]』のこんてぃにゅうやと全く同じ役割である。 -ほとんどの場面で効果音代わりのノイズがザーザー鳴り続ける。音声入力の配線を間違えたかと言うくらいのレベルで、もはや臨場感や演出になっておらず、ただうるさい。 --当たり前だが芸能山城組の名曲は全て使われていない。 -原作を知っていても、普通に考えて行動したら''死ぬよりも恐ろしい(正しくは果てしなく長いやり直しを強いられる)''虚しい終わりにたどり着くハメになる。 #region(映画を含めネタバレ注意) -映画での鉄雄との戦いと同様に最終的には金田の放ったレーザーが鉄雄の右腕に命中してそこから怪物化が進んでいく展開になる。つまり映画を見ていればレーザーで鉄雄の右腕を狙うこと自体は想像することはたやすい。 --だが、ゲームではその場面でバカ正直に鉄雄の腕を狙に命中させても胸を貫いたことになり鉄雄は苦しみだして''鉄雄は死んでしまいました''と状況だけを伝える淡泊なメッセージと、金田が「やったぜ山形ァ!」と適当に喜んで「金田の活躍でネオ東京に平和が戻った」とこれまた適当に状況だけを伝えるメッセージで終わる。 ---一応ご都合主義的にはハッピーエンドではあるが、どう考えても呆気なく終わりすぎて本当のエンドでないことは誰が見ても明白。しかもこれはゲームオーバーではないのですぐやり直すことができず、こんな展開は誰も想像していないであろうことからパスワードを取っている可能性も薄く、また死に選択ゲーを最初からやり直すハメになったはずだ。或いはそのまま投げ出したか…~ どっちにせよ、こんなことならまだゲームオーバー扱いの方がゼンゼンマシである。 --実はゲームオリジナルの展開がここにあり、1回目の鉄雄との戦いで引き返した後、ケイから鏡を受け取って、その鏡でレーザーを反射させないと右腕に命中させることができないのだ。鉄雄自身の腕にどんなに必死に合わせようとしても、鉄雄の体に当てれば、結局胸を貫いたことになってしまう。 ---2回目以降ならばその局面の直前でパスワードを取ってすぐやり直せるが、上記のような想像に至ることは容易ではない。そのため何度も何度もパスワードを入れる苦汁を味わったと思われる。 ---また1回目の戦いでは、鉄雄の体の部位によって異なる展開が用意されており、この時も胸に命中させると、上記と同じ虚しいだけのバッドエンドになる。映画では同じ場面で鉄雄の胸をレーザーが貫く描写があるため、この時も勘違いしやすい。 #endregion ---- **評価点 -グラフィックについてはかなりのこだわりが感じられる。小さめのキャラや背景の遠近法こそ適当なものの、顔のアップや一枚絵の描き込みは決して手抜きではないし、キャラクターの口パクもある。 -ゲームオーバーになっても直前からコンティニューが出来る --そんなのあって当然と思うかもしれないが、同じく理不尽な死にゲーなのにコンティニュー不可だった『[[美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負]]』に比べれば良心的である((ただし、あちらは即死ポイントが幾つかの箇所に集中しており、それ以外では死ぬ事が少ない。))。 -一応IFエンディングがある。 --真エンドはアニメーションがあるので差別化がされている。 --映画版再現のエンディングは勿論、アキラの覚醒を金田が阻止して平和になるエンディング((原作要素無視なら一応ハッピーエンドのようだが「鉄雄は死んでしまいました…」と呆気なさすぎて虚しい終わり方なので、原作を知らなくても真エンドでないことは明白。))や、連載(休載)中だった漫画版に続くようなエンディングなど。大友克洋本人が監修しているシナリオなので「アキラ」の一つのストーリーとして楽しむことは出来る。 ---ただし分岐点は最終盤の選択肢のみであり、エンディングを見るためのフラグ立てはほぼ無いので、総当たり死にゲーな事に変わりはない。 ---- **総評 映画版を見たプレイヤーからすれば、多少の独自要素はあれどFCレベルのグラフィックで映画をなぞるだけのゲームであり、映画版を見た事ないプレイヤーからすれば、理不尽な選択肢に翻弄されるだけのゲームである。~ 情けない死に様を笑うバカゲーとして楽しもうにも、死亡ポイントのあまりの多さに辟易する可能性の方が高い。~ 原作者監修で且つIFエンディングもあり、少なくとも原作レイプにはなっていないのが救いか。 ---- **余談 -かつて『月刊少年ジャンプ』にて連載されていた「われらホビーズ ファミコンゼミナール」で本作を題材にした話がある。 --流石に集英社と講談社ではグループが違うのでそのまま使うのは問題があったようで、タイトルも作中のセリフも「ア●ラ」と伏字にされていた。(版権作でも美味しんぼは普通に名前を出している。) ---本作自体が原作の内容を元にゲーム化したのもあって、内容はゲームのパロディというよりAKIRAのパロディになっていた。 -CMはアニメ映像がふんだんに使われている。 --最初に「360°マルチスクリーン」と謳るが、そのゲーム画面は出てこない。上記の通りなのでその画面を直接見せないのは賢明な判断。 --「常習性アリ」も''死ぬ常習性が大アリ''なので間違っていない。

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