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ドラゴンズレア (FC)」(2024/01/08 (月) 14:48:12) の最新版変更点

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*ドラゴンズレア 【どらごんずれあ】 |ジャンル|アクション|&image2(lair.jpg,width=300)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|EPIC・ソニーレコード|~| |開発元|Motivetime|~| |発売日|1991年9月20日|~| |定価|5,900円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|動きが滑らかすぎて操作しづらい主人公&br()即死&配置が鬼畜な罠の数々&br()城に入ることすらできずにGAMEOVER&br()気づいたら白骨化していた&br()''頑張ればクリアできるが頑張りたくない''|~| |>|>|CENTER:''ドラゴンズレアシリーズ''&br;[[Dragon's Lair]] / ''FC版'' / II TIME WARP / III / 3D| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1983年に稼働開始したアーケードゲーム『[[Dragon's Lair]]』の世界観をモチーフとしたアクションゲーム。~ よって、今作はリメイクされた同名の別タイトルと言えるものであり、内容自体は全く異なる。~ ~ 元々は1990年12月29日に海外で販売されたものとなっており、本作はその移植作にあたる。 **システム -横スクロールのステージクリアタイプのアクションゲーム --単純に奥まで進み、各ステージでボスを倒せばステージクリア。 --ある程度進めた後には、ステージクリア後にエレベーターで次に進むステージを選択可能。 ---中にはトラップ部屋や前のステージへ戻されるトラップも存在する。また、エレベーター部屋もステージの一つであり、飛び移る際にもきちんと飛び移らないと即死する。 -残機+ライフ制 --体力ゲージは一部の敵の攻撃で減る他、武器の使用でも減る。 ---- **問題点 ''アニメーションに凝ったゆえの操作性の弊害'' -滑らかな動きが特徴であるがそれゆえに、''主人公の動きがゆったりしていて遅く(北米版はさらに遅い)、移動も攻撃も回避もワンテンポ動作が遅れてしまうためにとっさの行動を変えることが非常に難しい''。 --下記の通り''ゲームそのものも難しい''のだが、操作性の悪さが更に拍車をかけてしまっている。 --結果、原作での成功シーンのきびきびとした動きは一切再現されておらず、やっていて爽快感もない。 ''難しすぎるゲーム内容'' -まず主人公のグラフィックが大きい上に、''全身に当たり判定があるため攻撃に当たりやすい''。 --にもかかわらず、''ゲーム中に登場する敵や罠の大半は当たると即死(白骨化((LD版でのミス演出の再現で、原作中ではもっとも多いミスパターン。)))する''。 ---上記、挙動の重さで分かっていても即死してしまう事も多い。 --コウモリなどの左右に飛んでくるザコ敵は当たってもHPがちょっと減るだけで済む(時間経過でも少しずつ減っていく)のだが、&bold(){即死ばかりするせいでHPにはほとんど意味がない。} --主人公の身長はゲーム画面の高さ(ゲージ表示などを除く)の&bold(){3割ほどを占める。} ---原作でもかなり長身に描かれているのでそれを再現したものと思われるが、ゲームデザインとはまるで噛み合っていない。 //というより、''HPがあることにすら気づかない人が多い''。 //始めてすぐ即死トラップばっかりあるとはいえ、流石に気付くよ。 -敵や罠の配置がシビアで、初見殺しのものが多い。 --突然現れる敵や落とし穴、動く足場といったアクションゲームではおなじみのトラップも、当たり判定が大きくとっさの回避が難しいこのゲームでは凶悪な存在となる。 ---しかも動く足場は''動きに合わせて前進しないと落ちる''。 --また、狭い通路に杭が仕掛けられていたり、上下に仕掛けられた横向きの回転棒をしゃがみとジャンプを切り替えながら抜けなければならなかったりする。 ---しかも、後者は着地した先に落とし穴が仕掛けられているという鬼畜ぶりである。この罠があるステージ4は本作で最難関のステージとされる。 --ゲーム中盤にある、ステージ移行用のエレベーターも初見殺しの罠になっている。 ---上から下へと降りていき、各階で一定時間止まっては降りていくのだが、どの階がどこへ繋がっているかの説明はない。 ---正しい出口から出ないと前のステージに戻されてしまう。 ---そもそもエレベーターと降り口の間をジャンプする必要があり、届かなければもちろん即死。挙動の重い本作ではこれも致命的。 -理不尽さは最初のステージで十分に堪能できる。 --橋を渡って門番のドラゴンを倒し、城の扉を開けて中に入るという、''わずか1画面''のステージなのだが…。 ---橋はところどころ床が抜けるようになっており、立つ位置が悪いと落下死する。微調整が難しいこのゲームでは、床が抜けたらほぼ確実に死亡する。 ---ドラゴンは主人公が画面の中ほどまで進まないと登場しない。そのまま倒そうとすると近すぎてドラゴンに当たってしまうので、すぐに引き返して距離を取る必要があるのだが、ドラゴンは''こちらがしゃがんでいると首を引っ込め、こちらが攻撃したり移動しようと立ち上がった途端に炎を吐いてくる''という嫌らしい行動ルーチンを持っている。 ---主人公の初期装備であるナイフはまっすぐ飛ばすことができず、重力に従って失速して落ちてしまうため非常に当てづらい。 ---ドラゴンを避けて進むこともできるが扉は開かないので先に進めない。また、''閉じた扉にぶつかるとなぜか即死する''。 #region(参考動画) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=EbGGC7qXCA0){425,350} #endregion -武器使用による体力減少も地味に痛い --大抵の場合、即死トラップで死ぬのでゲーム全体で見ればそこまで影響はないものの、途中で雑魚からダメージ受けすぎると、実質詰み状態になる。 ---ボスは武器を使用した攻撃でしか倒せないので、ボス撃破に必要な武器使用回数以下の体力になると実質的な詰み状態。 -コンティニューは存在しない。 --ライフ(残機)を30から始められる(通常は5)裏技もあるが、一定以上のハイスコアがないと使えない。操作とステージの内容に習熟していないと裏技も使えないし、使えても難易度が難易度だけに焼け石に水である。 ---- **評価点 -原作がアニメーションを売りにした作品だけあって、背景も含めたグラフィックがファミコンとは思えないほど美しく、主人公も敵キャラクターもよく動く。特に主人公の一挙手一投足の滑らかな動きは特筆に価する。 -LD版のストーリーの流れや場面はそこそこ再現している。 --かといって死にやすく、初見殺しが多い所まで再現されても困るのだが。 ---- **総評 原作であるレーザーディスクの持ち味や雰囲気を踏襲しつつ、アクションゲームとした本作。~ しかし、元から高い難易度設定を、操作性周りの不備や難が更に高めてしまい、終始ストレスがたまる出来栄えと化してしまった。~ 理不尽なアクションゲームが多いFCの中でも屈指の難ゲーといえる。~ 原作のLD版自体が難易度の高さで有名だったため、その点だけは原作譲りと言える点だろうか。 ---- **その後の展開 -後にGB・SFC・ジェネシス(海外メガドライブ)にも移植されている。 --システムはFC版と異なっているが、難易度が高いことに変わりはない。 ---ただし、SFC版は名前が「ドラゴンズマジック」になっている。 ---GB版は、合計194個もの命の石のかけらを全て集めないとクリアできないため、難易度はFC版をも凌ぐ。 --また、LD版の初代をベースとした3Dアクションゲーム『Dragon's Lair 3D』がUBIソフトから2002年にGC・Xbox・Windows版、2004年に欧州限定でPS2版が発売されている。 ---- **余談 -「フローティングリザードキング」(王冠をかぶって浮遊するトカゲのような、得点アイテムを盗む敵)という敵が画面に登場すると、ザコもボスも関係なくすべての敵が消えてしまうという仕様(?)があり、これを利用すると''ラスボスを倒さずにクリアすることができる''(北米版ではできない)。 -主人公が杭に潰されると兜と足だけになって少しだけ動けるのだが、その姿がカタツムリにしか見えないため、「潰されるとなぜかカタツムリに変身する」と誤解されることも多い。 -一部で妙な知名度を誇る作品のため人気テレビ番組『ゲームセンターCX』でも挑戦希望ゲームの上位に挙がっていたソフトだが、長い事挑戦は行われなかった。((海外ゲームであるが故に許可取りに時間がかかったため。スペランカーも同様の理由で難航していた。))しかし2021年、スタッフの尽力により挑戦への採用が実現した。
*ドラゴンズレア 【どらごんずれあ】 |ジャンル|アクション|&image2(lair.jpg,width=300)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|EPIC・ソニーレコード|~| |開発元|Motivetime|~| |発売日|1991年9月20日|~| |定価|5,900円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|動きが滑らかすぎて操作しづらい主人公&br()即死&配置が鬼畜な罠の数々&br()城に入ることすらできずにGAMEOVER&br()気づいたら白骨化していた&br()''頑張ればクリアできるが頑張りたくない''|~| |>|>|CENTER:''ドラゴンズレアシリーズ''&br;[[Dragon's Lair]] / ''FC版'' / II TIME WARP / III / 3D| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1983年に稼働開始したアーケードゲーム『[[Dragon's Lair]]』の世界観をモチーフとしたアクションゲーム。~ よって、今作はリメイクされた同名の別タイトルと言えるものであり、内容自体は全く異なる。~ ~ 元々は1990年12月29日に海外で販売されたものとなっており、本作はその移植作にあたる。 **システム -横スクロールのステージクリアタイプのアクションゲーム --単純に奥まで進み、各ステージでボスを倒せばステージクリア。 --ある程度進めた後には、ステージクリア後にエレベーターで次に進むステージを選択可能。 ---中にはトラップ部屋や前のステージへ戻されるトラップも存在する。また、エレベーター部屋もステージの一つであり、飛び移る際にもきちんと飛び移らないと即死する。 -残機+ライフ制 --体力ゲージは一部の敵の攻撃で減る他、武器の使用でも減る。 ---- **問題点 ''アニメーションに凝ったゆえの操作性の弊害'' -滑らかな動きが特徴であるがそれゆえに、''主人公の動きがゆったりしていて遅く(北米版はさらに遅い)、移動も攻撃も回避もワンテンポ動作が遅れてしまうためにとっさの行動を変えることが非常に難しい''。 --下記の通り''ゲームそのものも難しい''のだが、操作性の悪さが更に拍車をかけてしまっている。 --結果、原作での成功シーンのきびきびとした動きは一切再現されておらず、やっていて爽快感もない。 ''難しすぎるゲーム内容'' -まず主人公のグラフィックが大きい上に、''全身に当たり判定があるため攻撃に当たりやすい''。この仕様のせいでしゃがむと当たり判定が横に広がってしまう。 --にもかかわらず、''ゲーム中に登場する敵や罠の大半は当たると即死(白骨化((LD版でのミス演出の再現で、原作中ではもっとも多いミスパターン。)))する''。 ---上記、挙動の重さで分かっていても即死してしまう事も多い。 ---ステージ4では凹凸のある天井にぶつかってそのまま落下死につながることも多い。 --コウモリなどの左右に飛んでくるザコ敵は当たってもHPがちょっと減るだけで済む(時間経過でも少しずつ減っていく)のだが、&bold(){即死ばかりするせいでHPにはほとんど意味がない。} ---体力ゲージが「E」と馴染みの無い表記になっているため((おそらくは「Energy」の頭文字と思われる。))、初見では何のゲージであるか気づきにくい。更に通常であれば重要なゲージにも拘らずプレイヤーの目線から離れた右上に置かれているため、 --主人公の身長はゲーム画面の高さ(ゲージ表示などを除く)の&bold(){3割ほどを占める。} ---原作でもかなり長身に描かれているのでそれを再現したものと思われるが、ゲームデザインとはまるで噛み合っていない。 -主人公の武器はD(短剣)、A(斧)、F(火の玉)の3種類があり、それらのアイテムを取ることでその武器に切り替えられるのだが、このアイテムの中に初期装備であるDが混ざっているのが曲者。 --Aの斧が一番使いやすいのだが、これを所持している状態でDを取ってしまうと初期装備に戻ってしまう。つまりDは実質弱体化アイテムとなっている。そのためなるべく避けて通りたいのだが、それを見越したかのように絶妙に邪魔なところに設置されている。嫌がらせ以外の何物でもない。 -敵や罠の配置がシビアで、初見殺しのものが多い。 --突然現れる敵や落とし穴、動く足場といったアクションゲームではおなじみのトラップも、当たり判定が大きくとっさの回避が難しいこのゲームでは凶悪な存在となる。 ---しかも動く足場は''動きに合わせて前進しないと落ちる''。 --また、狭い通路に杭が仕掛けられていたり、上下に仕掛けられた横向きの回転棒をしゃがみとジャンプを切り替えながら抜けなければならなかったりする。 ---しかも、後者は着地した先に落とし穴が仕掛けられているという鬼畜ぶりである。この罠があるステージ4は本作で最難関のステージとされる。 ---最終ステージのドラゴンもしゃがんでから攻撃しないとまともに倒せない。 --ゲーム中盤にある、ステージ移行用のエレベーターも初見殺しの罠になっている。 ---上から下へと降りていき、各階で一定時間止まっては降りていくのだが、''&color(red){どの階がどこへ繋がっているかは完全にノーヒントにも拘らず、正しい出口から出ないと前のステージに戻されてしまう}''。このエレベーターが3か所にも亘って登場するので、頑張って鬼畜ステージをクリアしても全てが水泡に帰すことになる。 ---そもそもエレベーターと降り口の間をジャンプする必要があり、届かなければもちろん即死。挙動の重い本作ではこれも致命的。 -理不尽さは最初のステージで十分に堪能できる。 --橋を渡って門番のドラゴンを倒し、城の扉を開けて中に入るという、''わずか1画面''のステージなのだが…。 ---橋はところどころ床が抜けるようになっており、立つ位置が悪いと落下死する。微調整が難しいこのゲームでは、床が抜けたらほぼ確実に死亡する。 ---ドラゴンは主人公が画面の中ほどまで進まないと登場しない。そのまま倒そうとすると近すぎてドラゴンに当たってしまうので、すぐに引き返して距離を取る必要があるのだが、ドラゴンは''こちらがしゃがんでいると首を引っ込め、こちらが攻撃したり移動しようと立ち上がった途端に炎を吐いてくる''という嫌らしい行動ルーチンを持っている。 ---主人公の初期装備である短剣はまっすぐ飛ばすことができず、重力に従って失速して落ちてしまうため非常に当てづらい。 ---ドラゴンを避けて進むこともできるが扉は開かないので先に進めない。また、''閉じた扉にぶつかるとなぜか即死する''。 #region(参考動画) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=EbGGC7qXCA0){425,350} #endregion -武器使用による体力減少も地味に痛い。 --大抵の場合、即死トラップで死ぬのでゲーム全体で見ればそこまで影響はないものの、途中で雑魚からダメージ受けすぎると、実質詰み状態になる。 ---ボスは武器を使用した攻撃でしか倒せないので、ボス撃破に必要な武器使用回数以下の体力になると実質的な詰み状態。 -コンティニューは存在しない。 --ライフ(残機)を30から始められる(通常は5)裏技もあるが、一定以上のハイスコアがないと使えない。操作とステージの内容に習熟していないと裏技も使えないし、使えても難易度が難易度だけに焼け石に水である。 ---- **評価点 -原作がアニメーションを売りにした作品だけあって、背景も含めたグラフィックがファミコンとは思えないほど美しく、主人公も敵キャラクターもよく動く。特に主人公の一挙手一投足の滑らかな動きは特筆に価する。 -LD版のストーリーの流れや場面はそこそこ再現している。 --かといって死にやすく、初見殺しが多い所まで再現されても困るのだが。 ---- **総評 原作であるレーザーディスクの持ち味や雰囲気を踏襲しつつ、アクションゲームとした本作。~ しかし、元から高い難易度設定を、操作性周りの不備や難が更に高めてしまい、終始ストレスがたまる出来栄えと化してしまった。~ 理不尽なアクションゲームが多いFCの中でも屈指の難ゲーといえる。~ 原作のLD版自体が難易度の高さで有名だったため、その点だけは原作譲りと言える点だろうか。 ---- **その後の展開 -後にGB・SFC・ジェネシス(海外メガドライブ)にも移植されている。 --システムはFC版と異なっているが、難易度が高いことに変わりはない。 ---ただし、SFC版は名前が「ドラゴンズマジック」になっている。 ---GB版は、合計194個もの命の石のかけらを全て集めないとクリアできないため、難易度はFC版をも凌ぐ。 --また、LD版の初代をベースとした3Dアクションゲーム『Dragon's Lair 3D』がUBIソフトから2002年にGC・Xbox・Windows版、2004年に欧州限定でPS2版が発売されている。 ---- **余談 -「フローティングリザードキング」(王冠をかぶって浮遊するトカゲのような、得点アイテムを盗む敵)という敵が画面に登場すると、ザコもボスも関係なくすべての敵が消えてしまうという仕様(?)があり、これを利用すると''ラスボスを倒さずにクリアすることができる''(北米版ではできない)。 -主人公が杭に潰されると兜と足だけになって少しだけ動けるのだが、その姿がカタツムリにしか見えないため、「潰されるとなぜかカタツムリに変身する」と誤解されることも多い。 -一部で妙な知名度を誇る作品のため人気テレビ番組『ゲームセンターCX』でも挑戦希望ゲームの上位に挙がっていたソフトだが、長い事挑戦は行われなかった。((海外ゲームであるが故に許可取りに時間がかかったため。スペランカーも同様の理由で難航していた。))しかし2021年、スタッフの尽力により挑戦への採用が実現した。

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