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*ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT 【えーすこんばっとえっくすつー じょいんとあさると】 |ジャンル|共闘フライトアクション(フライトシューティング)|&amazon(B0034KZXDC)&amazon(B005APXMY6)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アクセスゲームズ|~| |発売日|2010年8月26日|~| |定価|UMD版:4,980円&br()DL版:4,700円|~| |廉価版|PSP the Best:2011年9月8日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|『X』から大幅に劣化&br戦闘機なのに''スピード感が無い''&br''使い回し・バグ多数''&brソロプレイ軽視のゲームバランス&br''フライトシューティング史上最“狂”のラスボス''&br()''&size(30){<<オレオ~~~!!!>>}''|~| |>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズ]]''| //判定は初稿の物に「不安定」が追加される所まで決まりました。クソゲーという意見も時々見られますが、本作単体での評価としてはまだ決定的ではありません。 //経緯・詳細は判定変更議論スレ1(>>185~あたり)を参照。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 有名な『エースコンバット』シリーズの携帯機版第2作。~ 通信プレイを中心に大幅な改良がされている。『X』が好評だったため期待されていたが、改悪された点が多くを占め「改良点」と謳っている箇所には細かな問題点が多数存在する。旧作と比べて改悪された点が多いため、評価点の少ない作品となってしまった。~ ---- **評価点 -前述のように通信プレイに重きを置いており、シリーズ初の、キャンペーンモードにおける最大4人でのCO-OPプレイが実装(『6』にはオンライン専用でCO-OPバトルはあったが、キャンペーンにおいて実装されたのは初の試みである)。ついでに2つのマップに分かれて同時進行で行動する「ジョイントアサルトミッション」も初搭載された。そのため、マルチプレイを行う環境が整っているプレイヤーからは好意的に受け取られた。 -レシプロ機と''旅客機''が自機として追加。今までジェット戦闘機を操縦するシリーズだっただけにこれらの機体が登場したことにファンは驚いた。 --レシプロ機自体はジェット機との差別化に成功しそれなりに好評だったためか、携帯機次回作『3D』にも登場した。''流石に旅客機は無いが''。 --レシプロ機はミサイル搭載が不可能な上、速度と耐久力がとても低いが、機動性が非常に高い。この機動性をいかに活用できるかがポイントとなる。 -本作の要素として「エンブレム」の概念がある。垂直尾翼や主翼にそれぞれエンブレムを設定でき、様々な組み合わせによって自分だけの「愛機」を演出できる。エンブレムの種類も豊富で、数字や幾何学模様に始まり歴代エースのエンブレムまで網羅している。 -『X』では不可能だった、「実在機のチューニング」が可能になった。 -従来のような「ミサイル&特殊兵装」という武装組み合わせの他、「特殊兵装1&特殊兵装2」という組み合わせが可能になった。 -ゲーム開始前に、男女2人ずつ計4人存在するオペレーターを選択できる。 -大規模戦闘に重きを置いた『6』や、CRAを採用しゲームシステムを一新させた『AH』と異なり基本的なゲームシステムや操作性は『X』以前とほぼ変わらない。よって、前述の作品に比べれば、経験者にとって慣れ親しんだ旧作のような感覚でプレイしやすい。 ---- **問題点 ***システム -難易度の調整が良くない。極端に簡単になっている部分と、極端に難しくなっている部分が存在する。 --敵AIがお粗末で、ミサイルを殆ど避けようとしない。旧シリーズ古参ファンからは「すぐに敵が堕ちてつまらない」などと言われた。 --前作までは難易度が上がるにつれて「敵側の戦闘機動とミサイル・機銃の攻撃力が上昇し、プレイヤー側はミサイル搭載量が減り、機銃に弾数制限がつく」という物で、難易度ACEにもなると殆どの敵のミサイル攻撃が一撃クラスだった。ところが、今作では難易度による敵側の能力向上が殆どない。 --本作の難しさは、『X』のような歯ごたえのある難しさではなく「味方の出鱈目な作戦・指示や敵の重力・慣性などを完全に無視した挙動」など理不尽な方面にばかり特化してしまった結果にできた「イライラする難しさ」である。 -『X』に比べソロプレイのボリュームは寧ろ減っている。 --『X』と同じく、プレイヤーの行動によりミッションの内容が変化する「ストラテジックAIシステム」搭載を謳っているが、おまけ程度に付随されたに過ぎず、『X』と違い微々たる差しか変化が出ない。 ---例えば『X』では同じマップであっても、プレイヤーの選択により「敵エースパイロットとの空戦」or「大規模な艦隊戦」と全く違うミッションになったが、今回は敵の兵装や挙動に若干の違いが出る位である。 --マルチプレイでないとロックが解除されないミッションがある。 --ソロプレイでも「アンタレス''隊''」と言われるので、不自然。 -新しい描画技術「エンハンスド・コンバット・ビュー」が搭載されている。その効果は「NPCの機体を自機の距離に合わせて拡大する」という物である。しかし、この技術がスピード感のなさの原因と考えるとそれ程褒められた物ではない。 --そのため、自機とNPC機では機体の大きさが違っていたり、輸送機などの大型機体の当たり判定が奇妙なことになっている。 ---殆どの敵機が詐欺判定なので明らかに当たっていないのに命中する。逆に前述の輸送機などは極小判定になっているため、ミサイルなどがすり抜けるという現象がよく起こる。 ---結論からして''スピード感があった分従来の方がダイナミック''である。 -戦闘機、特にCPUの挙動が今までのシリーズに比べてスピード感が無い。 --特に一部のアタッカーはあまりに遅すぎて''次第に敵の攻撃が避けられなくなってくる''。 --しかも一部の敵の挙動がおかしい所がある。敵の攻撃機A-10が非常に高い機動力を持っていたり(A-10はそこまで高い機動力を持たない)、敵の戦闘機の速度が非常に速い所があり、低速度の機体では追いつけないことがある。 --他シリーズと比べても極端なまでに高性能機はより高性能に、低性能機はより低性能に修正されたため((第5世代機であるはずのF-35の性能が下方修正されているなど基準もあいまい。))、対戦においては必然的に高性能機しか使われず別々の機体による戦闘の駆け引きが少なくなった。 ---特にアタッカーはその下方修正が顕著であり、肝心の対地攻撃任務ですら使いにくく「遅いアタッカーを使うよりファイターかマルチロール機に爆弾搭載した方がマシ」という始末。 ---今作は『5』の散弾ミサイルや『ZERO』のエクスキャリバーなどのような一定範囲内に居る自機に大ダメージを与える兵器が飛んで来るミッションが多いので、アタッカーを使っているとその遅さゆえ被攻撃範囲から逃げ切れない機体が多く、''余計アタッカーが使い難くなってしまっている''。 --愛機だからといって低性能機でオンラインに繰り出すと殆ど何もできずに撃墜されることが多い。 ---また、オンライン対戦においてもFALKEN専用のTLS(戦術レーザー)とSu-47などに搭載されているSASM(空中炸裂ミサイル)の存在により''ゲームバランスが崩壊''している。 ---架空機に制限をかけることはできるが、兵装単位では制限はできない。また、今作のウリの一つであった「レシプロ機」限定も設定できず、参加者の良心に任せるしかない(コメント設定可能ではあるが)。故に、レシプロ部屋で高性能機が暴れるなどの無法振りは加速し、後述のバグなどもありオンライン参加者は相乗的に減少していった。 -機体のグラフィックは若干上がっており機体カラーも各機6色まで増えているが、どう言う訳か劣化させる必要のない所が劣化している。 --例を挙げると、架空機体のコフィンシステム外部センサーが光らなくなった、''チューニングで「Weapon」の欄が削除された''(厳密には一部のパーツは別カテゴリに移動している)など。『X』では普通にできていたことである。 ---特に「Weapon」は長射程ミサイルや4連ミサイルなど機体の個性を出すのに一役買っていたため没個性化に拍車がかかる。 ---フェンリアは前作『X』では、コクピット視点にてディスプレイ上の3Dモデルが機動に合わせて回転するというギミックがあったが本作では動かなくなっている。 ---F-15Eに『ZERO』のピクシーカラーが無い。 -「ミサイル1&ミサイル2」や「特殊兵装1&特殊兵装2」の組み合わせで出撃した場合、グラフィック上では片方のハードポイントにしか兵装が描画されない。 -ミサイルは従来の通常ミサイル(STDM)の他に誘導性が高いが射程が短い高精度ミサイル(HACM)、攻撃力が小さいが経済的な軽量ミサイル(LGWM)、威力が高いが値段も高い重量ミサイル(HVWM)が追加されたのだが、どの新ミサイルもSTDM以下の使い勝手のため、''実用性が低い''。 --HACMは''射程が機銃並に短く''、STDMの感覚で撃つと''敵に当たる前にミサイルが消えてしまい殆ど敵に当てることができない''。 --LGWMは攻撃力が小さいため、STDMでは2発で倒せる敵も3発撃たないと倒せず、''経済的ではない''((STDMのコストが10、LGWMのコストが7であるため10×2=20、7×3=21となり実はLGWMの方が総コストが高い。))。ミサイルは基本2発ずつしか撃てないので敵機を倒すためにはさらにもう1発撃つ手間が掛かってしまう。 --HVWMは威力が高いと言われているが実の所''STDMの1.15倍''しかなく、名前とは裏腹に敵機を一撃で倒せるといった効果は無い((一応、敵のトーネード等STDM2発で倒せない敵を2発で倒せる効果はあるが、そのような敵が出る場面は限られる。))。一方で搭載数がSTDMの3分の1しかないため、コストパフォーマンスが悪い。 --制作陣もこれらのミサイルの使えなさに気づいたようで『3D』では無くなり、代わりに高機能短射程空対空ミサイル(XSAA)や多目的ミサイル(MPM)等、新しい特殊兵装が追加されている。 -本作では、『[[2>エースコンバット2]]』以来の13年ぶりに報酬から修理費と弾薬費が差し引かれる。これ自体は大きな問題点ではないが、TLSとLSWM(長距離衝撃波ミサイル)の使用コストが非常に高い。迂闊に乱射してしまうと、報酬が大幅に減ってしまう。 --その上、LSWMの弱体化は深刻で、攻撃範囲が狭められて気化爆弾とあまり変わらない範囲となっている。 --恐らく対戦時にゲームバランスを崩さないようにしたのだと思われるが、それなら『6』のADMMのように使用不能にすれば良いだけで、性能低下させる理由にはならない。そもそもLSWMが無くても前述のように''既にTLSやSASMがゲームバランスを破壊''している。 -機体のグラフィックは上がったものの、逆にステージのグラフィックはテクスチャが粗くなっており使い回しも多い。 --地表テクスチャの使い回し自体は問題ないが、今までは使い回していると思わせないような出来だった。また、エジプトミッションにて発進する基地は『X』のプナ基地の色を変えただけである。さらに建物のテクスチャまでそのまま。 --さらに、東京・ロンドン・サンフランシスコ以外は現実世界と言っても森の中や砂漠・峡谷などばかりであり、''現実世界である必要性がほとんどなくなっている''。 -「実在機もチューニングできる」と売り文句にあるが、機体によってパーツが制限されるため、実際に改造はそこまで出来ない。 --本作は特に機体における「機動性」の低下が著しいため、兵装や速度性能などを捨ててでも機動性を上げるチューンほぼ一択になりやすい。 ---しかしチューンアップしたからと言ってF-4がF-22に勝てる、といったことはない。低性能機はチューンしても弱いまま。 ---前作ではチューニングシステムは新しい試みだったためそれ自体は責められることではないのだが、今作では''対戦システムとの相性が悪過ぎた''((『X』でも同じことが言えるものの、その場合は「架空機を選択しない」という方法も選択できた。本作の場合は全ての機体にチューンできてしまうせいでその方法は意味を持たない。))。 --このような結果になった反省からか、『3D』では全機体に使えるパーツが大幅に増えチューニングの自由度が増している。 -機体の値段が高く、その割にミッションで手に入る報酬が少ないため、必然的に何回も同じミッションを繰り返すことになりやすい。 --そのせいか、アパリスやフレガータといった、本来なら序盤で使えなければならない筈の機体がかなりやり込まないと手に入らない。しかしその頃には更に強力な戦闘機が使えるようになっている。 ---一方フォルネウスが''他と比べ嘘のように安い上に性能が全機体でもトップクラス''である。このように、値段と性能が釣り合っていない機体が多い。 -マルチプレイによるキャンペーンでは協力と言うよりは''競争になってしまいがち''。 --通信を意識した理不尽な難易度も、物量作戦の前には大して意味を成さない。というよりも、理不尽方向に特化しすぎた結果、大半のミッションで参加人数に比べて敵が少ない。 --プレイヤーが狙っている敵のコンテナに各々の色の矢印マーカーが表示されるが、自分の画面に自分の矢印を表示する必要は無い。 --ジョイントアサルトミッションでは、各プレイヤー間の腕の差が大きいと、忙しい側と暇な側に分かれてしまう。 -ソロプレイでは左上に狙っている敵の情報が表示され、多人数プレイでは他のプレイヤー達の情報が表示されるが、何故か自分の情報まで表示される。リスボーン(復活)回数は兎も角、自分の画面に自分の情報まで表示させる必要は無い。その分狙っている敵CPUの情報を表示してくれた方がやり易い。 ***シナリオの不備・無理矢理な設定 -シナリオも今までのシリーズから逸れて現実世界でのシナリオになった。ここは賛否両論分かれる箇所ではある。 --大前提として、本作の1年前である2009年に『Tom Clancy's H.A.W.X.』という現実世界を舞台にしたフライトシューティングが既に発売されている。このことから、当初からファンに「''『H.A.W.X.』をパクったのか?''」という疑念を向けられた。『エナジーエアフォース』など、現実世界を舞台とした和製フライトゲームは存在するが、今回は「''『H.A.W.X.』が発売された途端に本家世界(俗称:ストレンジリアル)から実在世界にシフトチェンジした''」ように見えるため、疑念は更に深まった。 --急に舞台が実在世界となったため、以前ならば「本家世界だから」で説明できた筈の違和感が生じている。例を挙げると「どうやって超兵器を造ったのか?」「国連は何をやっているのか?」など。これらに対する説明やフォローの類は存在しない。 --ストーリーを簡潔に説明すると「突如謎の組織が現れて攻撃し始めたので倒しに行く」という内容。旧作において好評だった「重厚な世界観」が希薄で、「実在世界でやる意味があったのか」という不満も噴出している。超兵器の存在やストーリーなどを鑑みるに、''必ずしも「実在世界でしか出来ないこと」と言う訳ではないため、『X2』という作品は別に実在世界が舞台でなくとも成立してしまう''。 -ストーリー展開、ミッション目的、会話の内容に不自然な箇所が多数存在する。また、台詞の誤植も多い。 --序盤のミッションでマルチプレイを行うと、どう言う訳か一緒に居るライジェル隊のメンバーが参加人数に応じて減る。4人全員参加だと隊長1人になり、その分台詞も減る。 --ストーリー序盤、敵のボスがライジェル隊隊長に《君が''あれ''を''落とした''部隊の隊長だな?》と問う。「あれ」とはスピリダスのことであろうが、スピリダスは 「落ちずに逃げて」いる上に、大打撃を与えたのはプレイヤーであり、さらにプレイヤーはライジェル隊とは別の部隊である。 --スピリダス撃墜シーンは、機体が大破して操縦が全く効かない筈なのに、狙いすましたようにテムズ川に沈没するというもの。市街地に墜落してロンドンが火の海になる描写を避けたかったのかもしれないが不自然。また、このような撃墜シーンは『X』で既に行われている。 --''敵の核ミサイルに搭載される核物質の受領をダーダネルス海峡にて阻止するミッションでは、待機時間が途轍もなく長く、「敵が出現したら潰す、しばらく待ってまた敵が出現したら潰す」ことを延々とやらされる。シリーズでも屈指の待機時間を誇る作業感の強いミッションでありながら、大規模作戦でもないのにクリアには15分近くかかる。'' --''旅客機操縦ミッションに登場するネームド機は、マルチプレイでないと撃墜できない。'' ---ちなみにこのミッションが始まる際、デモシーンにおいてオリビエリが「私の提示した金額を憶えているか?400億ビリオンだ!400ビ・リ・オ・ン!」と憤っている場面。日本語字幕では「400億だ!400ビ・リ・オ・ン!」となっているのだが''400ビリオン(Billion)は400億ではなく4000億である''。 ---そもそも&color(red){''戦闘機と旅客機では必要な免許が異なる''}。アンタレスは両方持っている設定なのかもしれないが、その様な説明は一切されていない為''本作の製作者達が知らずに旅客機操縦ミッションを導入した可能性が高い''。 --シリーズ恒例の超兵器「電磁投射砲“バラウール”」の破壊ミッションにおいてバーフォードに《バラウールの近くは死角だ、砲撃されることはない》とアドバイスされるのだが、この''バラウールの旋回性能が非常に速く''、近づいたプレイヤーが''照準を合わせてきた砲身にニアミスする''と言う事故が続出した。 --最終ミッション開始直前、最後の戦いのためにアンタレスとライジェル隊改めヴィルコラク遊撃隊が対峙するデモシーンがある。しかし、このデモシーンでは選んだ機体に関係なく特定の機体になり、プレイヤーが4人以下でも自隊機が4機居る。また、そのシーンだけ解像度が他のムービーと異なり、別撮りであることが明らかである。 ---また、このミッションではプレイヤー達と敵軍が大規模戦闘を繰り広げており地上も大パニックに陥っているのだが、肝心の米軍がミッション中は一切登場しない((正確には無線において米海軍第3艦隊が登場するが、「無線だけ」の登場であり、ミッション中にプレイヤーに加勢してくれたりはしない。))。唯一の出番もミッション終了後のデモシーンでそれらしきF/A-18Eの編隊が映っているだけである。 --設定の矛盾や不条理について、詳しくは[[ACE COMBAT X2 - JOINT ASSAULT - 攻略情報まとめwiki>https://www21.atwiki.jp/acecombatx2/pages/87.html]]も参照されたい。 -ストーリーに花を飾る筈のキャラクターは、大半が小物臭漂う人物ばかりである。 --『5』『ZERO』『6』では有名声優を起用していたが、本作では大半が無名の声優である((強いて挙げるならば、オルマ役に川原慶久氏が起用されているくらいであろうか。))。 ---メインキャラは兎も角、脇役のキャラクターを演じている声優は演技力が低く、棒読みな台詞が多い。 --ムービーではボイスの音量が小さい。 --敵となる遊撃隊のメンバーはそれぞれ対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘のスペシャリストという設定なのだが、劇中ではそのような戦い方をすることはなく、いわゆる「死に設定」となっている。 ---遊撃隊はミッションを経る毎に機動性が低下するため、弱体化しているように見える。 ---各機体の性能が反映されておらず、A-10もMiG-31もミサイル並みの速度で飛びながら高機動をする。 ***ラスボス -''本作を「不安定ゲー」たらしめる最大の要因がラスボスである遊撃隊隊長ミロシュ・スレイマニ。''ヒヨッコだと侮っていたアンタレスに何度も敗北したため、僚機と共に新架空機「GAF-1ヴィルコラク」に乗り換えてアンタレスの前に立ちはだかる。ここまではラスボスにはよくあることだが、僚機を全て撃墜した後、心の箍が外れたのか突如高笑いしながら自らの生い立ちを独白し始める。 --独白中は完全無敵である。本来ならムービーシーンで流すべきだが、通常の無線会話のため、飛ばすことができない。 -ラスボスとの戦闘が進んで最終段階に入ると、''有人戦闘機としてもゲーム的にも有り得ない挙動をしてミサイルを避ける。相手の後ろを取ったかと思えばいきなりこちらを向いてミサイルを撃ってくるため、至近距離から撃たれて被弾がほぼ確定する。また、真横に動いてミサイルを避けることもある。''あまりにも不自然な機動から''変態機動''と呼ばれている。このミサイル回避機動の最中は''ミサイルの誘導を無効化し、尚且つ当たり判定消滅''という理不尽仕様。 --慣れれば、絶対に勝てない相手と言う訳ではない。しかし、この超機動のせいで攻略には運が関わりやすく、初心者にとっては「ラスボスを倒せない理不尽ゲー」と思われやすい。 --旧作では、超機動する敵機体には一定の手順を踏むことによって機動性が落ちると言った工夫((例を挙げると『3』のナイトレーベンの場合はイーオンジェネレータという装置を破壊することで弱体化できた。))が施されていた。本作において弱体化させる方法は、実質的に通信プレイで集団攻撃である。 --ちなみに、戦闘中やたら&color(red){''《俺を》''}と絶叫することから、ファンから「俺を」の発音に准えて某社のクッキー菓子である「&color(red){''オレオ''}」のあだ名が付けられた。 ***架空兵器について -架空兵器のデザイン自体は良好な評価を得ている方である。超巨大な複葉全翼機の姿をしたスピリダス((『3』に登場した架空機“ナイトレーベン”によく似ている。))、超大型機とは思えぬ高機動性でプレイヤーの度肝を抜いたオルゴイなどが登場する。 --オルゴイに関して、高機動であること自体は問題ではないが、その高さは高性能戦闘機並。いきなり横滑りやバレルロールを行う。GAF-1ほどではないが、これも理不尽と思われやすい。 -GAF-1の評価は賛否両論。ファイヤーフォックス(同名の実写映画に登場する架空機)のようなその機体のあだ名は「イカ」。 --機体デザインもそうだが、前述のラスボスの様もこの機体の評価を著しく下げている原因となっている。 --この機体専用のチューニングパーツが3つも用意されており、それぞれ敵キャラの特性である対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘に特化した性能になるというもの。しかし、性能バランスは悪く、対空特化パーツ一択である。 ---対地特化パーツは前述のアタッカー特有の、速度と機動性のなさを完全再現しており、実用性はほぼ皆無。これを装備しても低機動のせいで対地戦すらやり難くなる。 ---高速特化パーツも止まらず曲がらずで初心者には扱い辛い上、MiG-31などのスピード特化の機体よりも遅い。 ---対空特化パーツは非常に機動性が高い上に機銃自動追尾システムも付いて非常に使い易いパーツとなっている。 --敵が使えたアクティブ防御が使用できない。その代わりかIRCM(赤外線欺瞞弾)が使用できる。 ---IRCMは全てのミサイルの追尾を狂わせる事ができる上触れた相手にダメージを与える事もできる何とも優秀なフレアの一種。因みに''エフェクトなどは『X』に登場したある架空兵器の使い回し''である。 ***オンライン -オンラインの環境は整っているとは言い難い。部屋のコメントを書くことができない((厳密にはできるのだが、予め用意された文章しか使えない。そのため初心者部屋かそうでないかを見分けるのが難しく、初心者部屋に一人だけ強機体でいるということも有り得る。))、機体や兵装の制限に難がある、接続落ちが激しい(無線LANだと少し離れただけで頻発する)、チャットができない、ルーム検索で部屋が全く出て来ないことがあるなど。 -インフラストラクチャーに対応しているため比較的安価にネットワーク通信ができるという利点はある。 ***バグ -オンラインを中心にフリーズを始めとしたバグも多く存在する((他に「敵機が消失」「プレイヤーの階級が下がる」「ミッションが進まない」「オンラインで保存したリプレイを見ようとすると電源が落ちる」「ミッションを始めようとしたら電源が落ちる」「機体のカラーが勝手に変わる」「次のフェーズにいけなくなる」「違うミッションになる」「スピリダスが背面状態で空中静止」など。))。 --また、前作で存在したQAAM(高機動対空ミサイル)が通信対戦時にアラートが鳴らなくなるバグが改善されていない。 ---「同じ兵装を同時に装備」「未購入の兵装を搭載して出撃できる」など、細かいものを上げればかなりの数になる。 ***その他 -本作のコンセプトは「シリーズファンを楽しませつつ新たなファンを獲得する」と言う物であった。ところが同社作品『アイドルマスター2』も同じコンセプトを掲げた結果大失敗している。寧ろ''下手に内容を変えた結果ファンが離れて行ってしまった''。 -OPムービーは前述のデモシーン同様、レンダリングムービーを使わず別撮りしたものである。『X』のタイトルデモはCGを用いたドッグファイトを全面に押し出した気合の入った物だったが、本作のOPデモは単にゲーム画面を継ぎはぎしただけの簡素な物。しかも画質が悪い。 -本作には今までシリーズに関わってきた『04』『6』のディレクターである一柳宏之氏や『5』『AH』のディレクターである河野一聡氏などの著名ディレクターは関わっていない。そのため「新人に丸投げしたのではないか?」と言われる。 --しかし、同じアクセスゲームズによって制作された次回作『3D』は、超機動マニューバが一部の旧作ファンに批判されているものの、『2』に『1』の要素を加え再構成した内容(実質リメイク作)ということもあり概ね好評である。 -UMD版に同梱されているアンケート葉書には「ゴッドイーターとのコラボは如何ですか?」と書かれているが、コラボとは言っても『ゴッドイーター』をモチーフとしたフェンリア用のカラーリングとエンブレムが1つずつあるだけでありコラボと言う程の物なのかが疑問。 ---- **賛否両論点 ***BGM -「悪くはないが『エースコンバット』には合わない曲ばかり」と言う意見多数。そもそもシリーズ初期からBGM作曲に関わる中西哲一氏(後述にある一部収録されている過去シリーズのBGMは彼の物)や、『04』からメインテーマを手掛ける小林啓樹氏等が作曲に参加していない。 --ボーカルBGMである「IN THE ZONE」はロック調のためか概ね好評((人気の甲斐あってか『太鼓の達人』に収録されている。))。 ---しかし本作を代表するべきこの曲が使われているのは、物語のターニングポイントとなるミッションでもボス戦ミッションでもなく、''なんの変哲もない普通のミッション''。一応スピリダスに関わるミッションではあるが使い所を間違っている。 --エンディングテーマである「For Us All」は『6』のエンディング同様コーラス曲であるため好評。 --『3』でも楽曲を提供している椎名豪氏や緊迫感漂う楽曲に定評のあるInon Zur氏など、作曲者の評価は概ね高い。 ---ゲーム中のBGM再生モードでは上記二曲を含み、聞けない曲が存在する。 ---前述する「IN THE ZONE」などのボーカル曲は版権の関係で載せられなかったのだと思われるが、そのせいで本来聴きたい筈のBGMが聞けないという事態に。 --ちなみに、『3D』でも本作の一部BGMが使われている。『X2』より使い所が良くなっている。 ---- **総評 シナリオ、キャラクター、アクション性、通信プレイ。どれを取っても安っぽい結果に終わった今作は、旧作のファンからは「''『エースコンバット』の皮を被った何か''」とまで言われた。~ 通信プレイは強化されたものの劣悪な仕様となり、それ以外も個性に乏しく全体的な面白さでは『X』に劣っている。~ 作中だけでなく、取扱説明書にまで見受けられる誤字脱字、シナリオの不備、煮詰められていない設定、BGMの使い回しなど、制作期間・予算が足りていなかったことを否が応にも痛感させられる。~ ---- **余談 -何気にジャンルが「フライトアクション」になっている。 --確かに海外では「フライトシューティング」と言う言葉があまり普及しておらず同様のゲームは「フライトアクション」と言われるのが一般的だが、だからと言って国内でも「フライトアクション」と言われても今更である。 -本作を開発したアクセスゲームズは良作だった『X』を開発した実績ある企業であるため、本作に期待していたファンから失望される結果となった。 --ところが、またアクセスゲームズが制作した『3D』の評価は概ね好評であり、名誉挽回に取り敢えずは成功している。 -この通り多数の問題点を抱えている本作だが『ファミ通』ではなんと''プラチナ殿堂入り''している。立場上酷評する訳にはいかないのかもしれないが、このようなゲームにさえ最高評価が与えられているため、やはりゲーム雑誌の評価は当てにできない。 -その後本作と同じく実在世界を舞台にした『[[エースコンバットAH>エースコンバット アサルト・ホライゾン]]』と『[[エースコンバット インフィニティ]]』が発売、配信された。 --しかし両者とも、それぞれ異なる方向性でプレイの自由度がかなり低くなっており、人によっては「''本作より劣る''」と言う人もいる。実在世界を舞台に新機軸を打ち出した作品が3連続でこのような結果になってしまったのは皮肉なことである。 -自衛隊は外部の創作作品とコラボや協力をする例は多いが、内部指針があり航空自衛隊は自衛隊機が落ちる作品には協力しないと言われている。((厳密には空自自身が公式にそう表明したわけではないが空自が協力するのは自衛隊機が墜落しない作品か、墜落しないように内容を改変したものばかりとなっている。))それに対して陸自はある程度のやられ役をするくらいなら許容している。 --エスコンシリーズも昔から航空自衛隊の協力を受けている関係からか、今作において陸自部隊を守るミッションでは手を抜くと簡単に陸自が壊滅するのに対して、NPC空自機と共闘するミッションでは空自機は無敵で''絶対に落ちない''上にわざと放置してミッション失敗させたとしても自衛隊機が墜落したという表現を徹底的に避けている。 ----
*ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT 【えーすこんばっとえっくすつー じょいんとあさると】 |ジャンル|共闘フライトアクション(フライトシューティング)|&amazon(B0034KZXDC)&amazon(B005APXMY6)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アクセスゲームズ|~| |発売日|2010年8月26日|~| |定価|UMD版:4,980円&br()DL版:4,700円|~| |廉価版|PSP the Best:2011年9月8日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|『X』から大幅に劣化&br戦闘機なのに''スピード感が無い''&br''使い回し・バグ多数''&brソロプレイ軽視のゲームバランス&br''フライトシューティング史上最“狂”のラスボス''&br()''&size(30){<<オレオ~~~!!!>>}''|~| |>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズ]]''| //判定は初稿の物に「不安定」が追加される所まで決まりました。クソゲーという意見も時々見られますが、本作単体での評価としてはまだ決定的ではありません。 //経緯・詳細は判定変更議論スレ1(>>185~あたり)を参照。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 有名な『エースコンバット』シリーズの携帯機版第2作。~ 通信プレイを中心に大幅な改良がされている。『X』が好評だったため期待されていたが、改悪された点が多くを占め「改良点」と謳っている箇所には細かな問題点が多数存在する。旧作と比べて改悪された点が多いため、評価点の少ない作品となってしまった。~ ---- **評価点 -前述のように通信プレイに重きを置いており、シリーズ初の、キャンペーンモードにおける最大4人でのCO-OPプレイが実装(『6』にはオンライン専用でCO-OPバトルはあったが、キャンペーンにおいて実装されたのは初の試みである)。ついでに2つのマップに分かれて同時進行で行動する「ジョイントアサルトミッション」も初搭載された。そのため、マルチプレイを行う環境が整っているプレイヤーからは好意的に受け取られた。 -レシプロ機と''旅客機''が自機として追加。今までジェット戦闘機を操縦するシリーズだっただけにこれらの機体が登場したことにファンは驚いた。 --レシプロ機自体はジェット機との差別化に成功しそれなりに好評だったためか、携帯機次回作『3D』にも登場した。''流石に旅客機は無いが''。 --レシプロ機はミサイル搭載が不可能な上、速度と耐久力がとても低いが、機動性が非常に高い。この機動性をいかに活用できるかがポイントとなる。 -本作の要素として「エンブレム」の概念がある。垂直尾翼や主翼にそれぞれエンブレムを設定でき、様々な組み合わせによって自分だけの「愛機」を演出できる。エンブレムの種類も豊富で、数字や幾何学模様に始まり歴代エースのエンブレムまで網羅している。 -『X』では不可能だった、「実在機のチューニング」が可能になった。 -従来のような「ミサイル&特殊兵装」という武装組み合わせの他、「特殊兵装1&特殊兵装2」という組み合わせが可能になった。 -ゲーム開始前に、男女2人ずつ計4人存在するオペレーターを選択できる。 -大規模戦闘に重きを置いた『6』や、CRAを採用しゲームシステムを一新させた『AH』と異なり基本的なゲームシステムや操作性は『X』以前とほぼ変わらない。よって、前述の作品に比べれば、経験者にとって慣れ親しんだ旧作のような感覚でプレイしやすい。 ---- **問題点 ***システム -難易度の調整が良くない。極端に簡単になっている部分と、極端に難しくなっている部分が存在する。 --敵AIがお粗末で、ミサイルを殆ど避けようとしない。旧シリーズ古参ファンからは「すぐに敵が堕ちてつまらない」などと言われた。 --前作までは難易度が上がるにつれて「敵側の戦闘機動とミサイル・機銃の攻撃力が上昇し、プレイヤー側はミサイル搭載量が減り、機銃に弾数制限がつく」という物で、難易度ACEにもなると殆どの敵のミサイル攻撃が一撃クラスだった。ところが、今作では難易度による敵側の能力向上が殆どない。 --本作の難しさは、『X』のような歯ごたえのある難しさではなく「味方の出鱈目な作戦・指示や敵の重力・慣性などを完全に無視した挙動」など理不尽な方面にばかり特化してしまった結果にできた「イライラする難しさ」である。 -『X』に比べソロプレイのボリュームは寧ろ減っている。 --『X』と同じく、プレイヤーの行動によりミッションの内容が変化する「ストラテジックAIシステム」搭載を謳っているが、おまけ程度に付随されたに過ぎず、『X』と違い微々たる差しか変化が出ない。 ---例えば『X』では同じマップであっても、プレイヤーの選択により「敵エースパイロットとの空戦」or「大規模な艦隊戦」と全く違うミッションになったが、今回は敵の兵装や挙動に若干の違いが出る位である。 --マルチプレイでないとロックが解除されないミッションがある。 --ソロプレイでも「アンタレス''隊''」と言われるので、不自然。 -新しい描画技術「エンハンスド・コンバット・ビュー」が搭載されている。その効果は「NPCの機体を自機の距離に合わせて拡大する」という物である。しかし、この技術がスピード感のなさの原因と考えるとそれ程褒められた物ではない。 --そのため、自機とNPC機では機体の大きさが違っていたり、輸送機などの大型機体の当たり判定が奇妙なことになっている。 ---殆どの敵機が詐欺判定なので明らかに当たっていないのに命中する。逆に前述の輸送機などは極小判定になっているため、ミサイルなどがすり抜けるという現象がよく起こる。 ---結論からして''スピード感があった分従来の方がダイナミック''である。 -戦闘機、特にCPUの挙動が今までのシリーズに比べてスピード感が無い。 --特に一部のアタッカーはあまりに遅すぎて''次第に敵の攻撃が避けられなくなってくる''。 --しかも一部の敵の挙動がおかしい所がある。敵の攻撃機A-10が非常に高い機動力を持っていたり(A-10はそこまで高い機動力を持たない)、敵の戦闘機の速度が非常に速い所があり、低速度の機体では追いつけないことがある。 --他シリーズと比べても極端なまでに高性能機はより高性能に、低性能機はより低性能に修正されたため((第5世代機であるはずのF-35の性能が下方修正されているなど基準もあいまい。))、対戦においては必然的に高性能機しか使われず別々の機体による戦闘の駆け引きが少なくなった。 ---特にアタッカーはその下方修正が顕著であり、肝心の対地攻撃任務ですら使いにくく「遅いアタッカーを使うよりファイターかマルチロール機に爆弾搭載した方がマシ」という始末。 ---今作は『5』の散弾ミサイルや『ZERO』のエクスキャリバーなどのような一定範囲内に居る自機に大ダメージを与える兵器が飛んで来るミッションが多いので、アタッカーを使っているとその遅さゆえ被攻撃範囲から逃げ切れない機体が多く、''余計アタッカーが使い難くなってしまっている''。 --愛機だからといって低性能機でオンラインに繰り出すと殆ど何もできずに撃墜されることが多い。 ---また、オンライン対戦においてもFALKEN専用のTLS(戦術レーザー)とSu-47などに搭載されているSASM(空中炸裂ミサイル)の存在により''ゲームバランスが崩壊''している。 ---架空機に制限をかけることはできるが、兵装単位では制限はできない。また、今作のウリの一つであった「レシプロ機」限定も設定できず、参加者の良心に任せるしかない(コメント設定可能ではあるが)。故に、レシプロ部屋で高性能機が暴れるなどの無法振りは加速し、後述のバグなどもありオンライン参加者は相乗的に減少していった。 -機体のグラフィックは若干上がっており機体カラーも各機6色まで増えているが、どう言う訳か劣化させる必要のない所が劣化している。 --例を挙げると、架空機体のコフィンシステム外部センサーが光らなくなった、''チューニングで「Weapon」の欄が削除された''(厳密には一部のパーツは別カテゴリに移動している)など。『X』では普通にできていたことである。 ---特に「Weapon」は長射程ミサイルや4連ミサイルなど機体の個性を出すのに一役買っていたため没個性化に拍車がかかる。 ---フェンリアは前作『X』では、コクピット視点にてディスプレイ上の3Dモデルが機動に合わせて回転するというギミックがあったが本作では動かなくなっている。 ---F-15Eに『ZERO』のピクシーカラーが無い。 -「ミサイル1&ミサイル2」や「特殊兵装1&特殊兵装2」の組み合わせで出撃した場合、グラフィック上では片方のハードポイントにしか兵装が描画されない。 -ミサイルは従来の通常ミサイル(STDM)の他に誘導性が高いが射程が短い高精度ミサイル(HACM)、攻撃力が小さいが経済的な軽量ミサイル(LGWM)、威力が高いが値段も高い重量ミサイル(HVWM)が追加されたのだが、どの新ミサイルもSTDM以下の使い勝手のため、''実用性が低い''。 --HACMは''射程が機銃並に短く''、STDMの感覚で撃つと''敵に当たる前にミサイルが消えてしまい殆ど敵に当てることができない''。 --LGWMは攻撃力が小さいため、STDMでは2発で倒せる敵も3発撃たないと倒せず、''経済的ではない''((STDMのコストが10、LGWMのコストが7であるため10×2=20、7×3=21となり実はLGWMの方が総コストが高い。))。ミサイルは基本2発ずつしか撃てないので敵機を倒すためにはさらにもう1発撃つ手間が掛かってしまう。 --HVWMは威力が高いと言われているが実の所''STDMの1.15倍''しかなく、名前とは裏腹に敵機を一撃で倒せるといった効果は無い((一応、敵のトーネード等STDM2発で倒せない敵を2発で倒せる効果はあるが、そのような敵が出る場面は限られる。))。一方で搭載数がSTDMの3分の1しかないため、コストパフォーマンスが悪い。 --制作陣もこれらのミサイルの使えなさに気づいたようで『3D』では無くなり、代わりに高機能短射程空対空ミサイル(XSAA)や多目的ミサイル(MPM)等、新しい特殊兵装が追加されている。 -本作では、『[[2>エースコンバット2]]』以来の13年ぶりに報酬から修理費と弾薬費が差し引かれる。これ自体は大きな問題点ではないが、TLSとLSWM(長距離衝撃波ミサイル)の使用コストが非常に高い。迂闊に乱射してしまうと、報酬が大幅に減ってしまう。 --その上、LSWMの弱体化は深刻で、攻撃範囲が狭められて気化爆弾とあまり変わらない範囲となっている。 --恐らく対戦時にゲームバランスを崩さないようにしたのだと思われるが、それなら『6』のADMMのように使用不能にすれば良いだけで、性能低下させる理由にはならない。そもそもLSWMが無くても前述のように''既にTLSやSASMがゲームバランスを破壊''している。 -機体のグラフィックは上がったものの、逆にステージのグラフィックはテクスチャが粗くなっており使い回しも多い。 --地表テクスチャの使い回し自体は問題ないが、今までは使い回していると思わせないような出来だった。また、エジプトミッションにて発進する基地は『X』のプナ基地の色を変えただけである。さらに建物のテクスチャまでそのまま。 --さらに、東京・ロンドン・サンフランシスコ以外は現実世界と言っても森の中や砂漠・峡谷などばかりであり、''現実世界である必要性がほとんどなくなっている''。 -「実在機もチューニングできる」と売り文句にあるが、機体によってパーツが制限されるため、実際に改造はそこまで出来ない。 --本作は特に機体における「機動性」の低下が著しいため、兵装や速度性能などを捨ててでも機動性を上げるチューンほぼ一択になりやすい。 ---しかしチューンアップしたからと言ってF-4がF-22に勝てる、といったことはない。低性能機はチューンしても弱いまま。 ---前作ではチューニングシステムは新しい試みだったためそれ自体は責められることではないのだが、今作では''対戦システムとの相性が悪過ぎた''((『X』でも同じことが言えるものの、その場合は「架空機を選択しない」という方法も選択できた。本作の場合は全ての機体にチューンできてしまうせいでその方法は意味を持たない。))。 --このような結果になった反省からか、『3D』では全機体に使えるパーツが大幅に増えチューニングの自由度が増している。 -機体の値段が高く、その割にミッションで手に入る報酬が少ないため、必然的に何回も同じミッションを繰り返すことになりやすい。 --そのせいか、アパリスやフレガータといった、本来なら序盤で使えなければならない筈の機体がかなりやり込まないと手に入らない。しかしその頃には更に強力な戦闘機が使えるようになっている。 ---一方フォルネウスが''他と比べ嘘のように安い上に性能が全機体でもトップクラス''である。このように、値段と性能が釣り合っていない機体が多い。 -マルチプレイによるキャンペーンでは協力と言うよりは''競争になってしまいがち''。 --通信を意識した理不尽な難易度も、物量作戦の前には大して意味を成さない。というよりも、理不尽方向に特化しすぎた結果、大半のミッションで参加人数に比べて敵が少ない。 --プレイヤーが狙っている敵のコンテナに各々の色の矢印マーカーが表示されるが、自分の画面に自分の矢印を表示する必要は無い。 --ジョイントアサルトミッションでは、各プレイヤー間の腕の差が大きいと、忙しい側と暇な側に分かれてしまう。 -ソロプレイでは左上に狙っている敵の情報が表示され、多人数プレイでは他のプレイヤー達の情報が表示されるが、何故か自分の情報まで表示される。リスボーン(復活)回数は兎も角、自分の画面に自分の情報まで表示させる必要は無い。その分狙っている敵CPUの情報を表示してくれた方がやり易い。 ***シナリオの不備・無理矢理な設定 -シナリオも今までのシリーズから逸れて現実世界でのシナリオになった。ここは賛否両論分かれる箇所ではある。 --大前提として、本作の1年前である2009年に『Tom Clancy's H.A.W.X.』という現実世界を舞台にしたフライトシューティングが既に発売されている。このことから、当初からファンに「''『H.A.W.X.』をパクったのか?''」という疑念を向けられた。『エナジーエアフォース』など、現実世界を舞台とした和製フライトゲームは存在するが、今回は「''『H.A.W.X.』が発売された途端に本家世界(俗称:ストレンジリアル)から実在世界にシフトチェンジした''」ように見えるため、疑念は更に深まった。 --急に舞台が実在世界となったため、以前ならば「本家世界だから」で説明できた筈の違和感が生じている。例を挙げると「どうやって超兵器を造ったのか?」「国連は何をやっているのか?」など。これらに対する説明やフォローの類は存在しない。 --ストーリーを簡潔に説明すると「突如謎の組織が現れて攻撃し始めたので倒しに行く」という内容。旧作において好評だった「重厚な世界観」が希薄で、「実在世界でやる意味があったのか」という不満も噴出している。超兵器の存在やストーリーなどを鑑みるに、''必ずしも「実在世界でしか出来ないこと」と言う訳ではないため、『X2』という作品は別に実在世界が舞台でなくとも成立してしまう''。 -ストーリー展開、ミッション目的、会話の内容に不自然な箇所が多数存在する。また、台詞の誤植も多い。 --序盤のミッションでマルチプレイを行うと、どう言う訳か一緒に居るライジェル隊のメンバーが参加人数に応じて減る。4人全員参加だと隊長1人になり、その分台詞も減る。 --ストーリー序盤、敵のボスがライジェル隊隊長に《君が''あれ''を''落とした''部隊の隊長だな?》と問う。「あれ」とはスピリダスのことであろうが、スピリダスは 「落ちずに逃げて」いる上に、大打撃を与えたのはプレイヤーであり、さらにプレイヤーはライジェル隊とは別の部隊である。 --スピリダス撃墜シーンは、機体が大破して操縦が全く効かない筈なのに、狙いすましたようにテムズ川に沈没するというもの。市街地に墜落してロンドンが火の海になる描写を避けたかったのかもしれないが不自然。また、このような撃墜シーンは『X』で既に行われている。 --''敵の核ミサイルに搭載される核物質の受領をダーダネルス海峡にて阻止するミッションでは、待機時間が途轍もなく長く、「敵が出現したら潰す、しばらく待ってまた敵が出現したら潰す」ことを延々とやらされる。シリーズでも屈指の待機時間を誇る作業感の強いミッションでありながら、大規模作戦でもないのにクリアには15分近くかかる。'' --''旅客機操縦ミッションに登場するネームド機は、マルチプレイでないと撃墜できない。'' ---ちなみにこのミッションが始まる際、デモシーンにおいてオリビエリが「私の提示した金額を憶えているか?400億ビリオンだ!400ビ・リ・オ・ン!」と憤っている場面。日本語字幕では「400億だ!400ビ・リ・オ・ン!」となっているのだが''400ビリオン(Billion)は400億ではなく4000億である''。 ---そもそも&color(red){''戦闘機と旅客機では必要な免許が異なる''}。アンタレスは両方持っている設定なのかもしれないが、その様な説明は一切されていない為''本作の製作者達が知らずに旅客機操縦ミッションを導入した可能性が高い''。 --シリーズ恒例の超兵器「電磁投射砲“バラウール”」の破壊ミッションにおいてバーフォードに《バラウールの近くは死角だ、砲撃されることはない》とアドバイスされるのだが、この''バラウールの旋回性能が非常に速く''、近づいたプレイヤーが''照準を合わせてきた砲身にニアミスする''と言う事故が続出した。 --最終ミッション開始直前、最後の戦いのためにアンタレスとライジェル隊改めヴィルコラク遊撃隊が対峙するデモシーンがある。しかし、このデモシーンでは選んだ機体に関係なく特定の機体になり、プレイヤーが4人以下でも自隊機が4機居る。また、そのシーンだけ解像度が他のムービーと異なり、別撮りであることが明らかである。 ---また、このミッションではプレイヤー達と敵軍が大規模戦闘を繰り広げており地上も大パニックに陥っているのだが、肝心の米軍がミッション中は一切登場しない((正確には無線において米海軍第3艦隊が登場するが、「無線だけ」の登場であり、ミッション中にプレイヤーに加勢してくれたりはしない。))。唯一の出番もミッション終了後のデモシーンでそれらしきF/A-18Eの編隊が映っているだけである。 --設定の矛盾や不条理について、詳しくは[[ACE COMBAT X2 - JOINT ASSAULT - 攻略情報まとめwiki>https://www21.atwiki.jp/acecombatx2/pages/87.html]]も参照されたい。 -ストーリーに花を飾る筈のキャラクターは、大半が小物臭漂う人物ばかりである。 --『5』『ZERO』『6』では有名声優を起用していたが、本作では大半が無名の声優である((強いて挙げるならば、オルマ役に川原慶久氏が起用されているくらいであろうか。))。 ---メインキャラは兎も角、脇役のキャラクターを演じている声優は演技力が低く、棒読みな台詞が多い。 --ムービーではボイスの音量が小さい。 --敵となる遊撃隊のメンバーはそれぞれ対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘のスペシャリストという設定なのだが、劇中ではそのような戦い方をすることはなく、いわゆる「死に設定」となっている。 ---遊撃隊はミッションを経る毎に機動性が低下するため、弱体化しているように見える。 ---各機体の性能が反映されておらず、A-10もMiG-31もミサイル並みの速度で飛びながら高機動をする。 ***ラスボス -''本作を「不安定ゲー」たらしめる最大の要因がラスボスである遊撃隊隊長ミロシュ・スレイマニ。''ヒヨッコだと侮っていたアンタレスに何度も敗北したため、僚機と共に新架空機「GAF-1ヴィルコラク」に乗り換えてアンタレスの前に立ちはだかる。ここまではラスボスにはよくあることだが、僚機を全て撃墜した後、心の箍が外れたのか突如高笑いしながら自らの生い立ちを独白し始める。 --独白中は完全無敵である。本来ならムービーシーンで流すべきだが、通常の無線会話のため、飛ばすことができない。 -ラスボスとの戦闘が進んで最終段階に入ると、''有人戦闘機としてもゲーム的にも有り得ない挙動をしてミサイルを避ける。相手の後ろを取ったかと思えばいきなりこちらを向いてミサイルを撃ってくるため、至近距離から撃たれて被弾がほぼ確定する。また、真横に動いてミサイルを避けることもある。''あまりにも不自然な機動から''変態機動''と呼ばれている。このミサイル回避機動の最中は''ミサイルの誘導を無効化し、尚且つ当たり判定消滅''という理不尽仕様。 --慣れれば、絶対に勝てない相手と言う訳ではない。しかし、この超機動のせいで攻略には運が関わりやすく、初心者にとっては「ラスボスを倒せない理不尽ゲー」と思われやすい。 --旧作では、超機動する敵機体には一定の手順を踏むことによって機動性が落ちると言った工夫((例を挙げると『3』のナイトレーベンの場合はイーオンジェネレータという装置を破壊することで弱体化できた。))が施されていた。本作において弱体化させる方法は、実質的に通信プレイで集団攻撃である。 --ちなみに、戦闘中やたら&color(red){''《俺を》''}と絶叫することから、ファンから「俺を」の発音に准えて某社のクッキー菓子である「&color(red){''オレオ''}」のあだ名が付けられた。 ***架空兵器について -架空兵器のデザイン自体は良好な評価を得ている方である。超巨大な複葉全翼機の姿をしたスピリダス((『3』に登場した架空機“ナイトレーベン”によく似ている。))、超大型機とは思えぬ高機動性でプレイヤーの度肝を抜いたオルゴイなどが登場する。 --オルゴイに関して、高機動であること自体は問題ではないが、その高さは高性能戦闘機並。いきなり横滑りやバレルロールを行う。GAF-1ほどではないが、これも理不尽と思われやすい。 -GAF-1の評価は賛否両論。ファイヤーフォックス(同名の実写映画に登場する架空機)のようなその機体のあだ名は「イカ」。 --機体デザインもそうだが、前述のラスボスの様もこの機体の評価を著しく下げている原因となっている。 --この機体専用のチューニングパーツが3つも用意されており、それぞれ敵キャラの特性である対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘に特化した性能になるというもの。しかし、性能バランスは悪く、対空特化パーツ一択である。 ---対地特化パーツは前述のアタッカー特有の、速度と機動性のなさを完全再現しており、実用性はほぼ皆無。これを装備しても低機動のせいで対地戦すらやり難くなる。 ---高速特化パーツも止まらず曲がらずで初心者には扱い辛い上、MiG-31などのスピード特化の機体よりも遅い。 ---対空特化パーツは非常に機動性が高い上に機銃自動追尾システムも付いて非常に使い易いパーツとなっている。 --敵が使えたアクティブ防御が使用できない。その代わりかIRCM(赤外線欺瞞弾)が使用できる。 ---IRCMは全てのミサイルの追尾を狂わせる事ができる上触れた相手にダメージを与える事もできる何とも優秀なフレアの一種。因みに''エフェクトなどは『X』に登場したある架空兵器の使い回し''である。 ***オンライン -オンラインの環境は整っているとは言い難い。部屋のコメントを書くことができない((厳密にはできるのだが、予め用意された文章しか使えない。そのため初心者部屋かそうでないかを見分けるのが難しく、初心者部屋に一人だけ強機体でいるということも有り得る。))、機体や兵装の制限に難がある、接続落ちが激しい(無線LANだと少し離れただけで頻発する)、チャットができない、ルーム検索で部屋が全く出て来ないことがあるなど。 -インフラストラクチャーに対応しているため比較的安価にネットワーク通信ができるという利点はある。 ***バグ -オンラインを中心にフリーズを始めとしたバグも多く存在する((他に「敵機が消失」「プレイヤーの階級が下がる」「ミッションが進まない」「オンラインで保存したリプレイを見ようとすると電源が落ちる」「ミッションを始めようとしたら電源が落ちる」「機体のカラーが勝手に変わる」「次のフェーズにいけなくなる」「違うミッションになる」「スピリダスが背面状態で空中静止」など。))。 --また、前作で存在したQAAM(高機動対空ミサイル)が通信対戦時にアラートが鳴らなくなるバグが改善されていない。 ---「同じ兵装を同時に装備」「未購入の兵装を搭載して出撃できる」など、細かいものを上げればかなりの数になる。 ***その他 -本作のコンセプトは「シリーズファンを楽しませつつ新たなファンを獲得する」と言う物であった。ところが同社作品『アイドルマスター2』も同じコンセプトを掲げた結果大失敗している。寧ろ''下手に内容を変えた結果ファンが離れて行ってしまった''。 -OPムービーは前述のデモシーン同様、レンダリングムービーを使わず別撮りしたものである。『X』のタイトルデモはCGを用いたドッグファイトを全面に押し出した気合の入った物だったが、本作のOPデモは単にゲーム画面を継ぎはぎしただけの簡素な物。しかも画質が悪い。 -本作には今までシリーズに関わってきた『04』『6』のディレクターである一柳宏之氏や『5』『AH』のディレクターである河野一聡氏などの著名ディレクターは関わっていない。そのため「新人に丸投げしたのではないか?」と言われる。 --しかし、同じアクセスゲームズによって制作された次回作『3D』は、超機動マニューバが一部の旧作ファンに批判されているものの、『2』に『1』の要素を加え再構成した内容(実質リメイク作)ということもあり概ね好評である。 -UMD版に同梱されているアンケート葉書には「ゴッドイーターとのコラボは如何ですか?」と書かれているが、コラボとは言っても『ゴッドイーター』をモチーフとしたフェンリア用のカラーリングとエンブレムが1つずつあるだけでありコラボと言う程の物なのかが疑問。 ---- **賛否両論点 ***BGM -「悪くはないが『エースコンバット』には合わない曲ばかり」と言う意見多数。そもそもシリーズ初期からBGM作曲に関わる中西哲一氏(後述にある一部収録されている過去シリーズのBGMは彼の物)や、『04』からメインテーマを手掛ける小林啓樹氏等が作曲に参加していない。 --ボーカルBGMである「IN THE ZONE」はロック調のためか概ね好評((人気の甲斐あってか『太鼓の達人』に収録されている。))。 ---しかし本作を代表するべきこの曲が使われているのは、物語のターニングポイントとなるミッションでもボス戦ミッションでもなく、''なんの変哲もない普通のミッション''。一応スピリダスに関わるミッションではあるが使い所を間違っている。 --エンディングテーマである「For Us All」は『6』のエンディング同様コーラス曲であるため好評。 --『3』でも楽曲を提供している椎名豪氏や緊迫感漂う楽曲に定評のあるInon Zur氏など、作曲者の評価は概ね高い。 ---ゲーム中のBGM再生モードでは上記二曲を含み、聞けない曲が存在する。 ---前述する「IN THE ZONE」などのボーカル曲は版権の関係で載せられなかったのだと思われるが、そのせいで本来聴きたい筈のBGMが聞けないという事態に。 --ちなみに、『3D』でも本作の一部BGMが使われている。『X2』より使い所が良くなっている。 ---- **総評 シナリオ、キャラクター、アクション性、通信プレイ。どれを取っても安っぽい結果に終わった今作は、旧作のファンからは「''『エースコンバット』の皮を被った何か''」とまで言われた。~ 通信プレイは強化されたものの劣悪な仕様となり、それ以外も個性に乏しく全体的な面白さでは『X』に劣っている。~ 作中だけでなく、取扱説明書にまで見受けられる誤字脱字、シナリオの不備、煮詰められていない設定、BGMの使い回しなど、制作期間・予算が足りていなかったことを否が応にも痛感させられる。~ ---- **余談 -何気にジャンルが「フライトアクション」になっている。 --確かに海外では「フライトシューティング」と言う言葉があまり普及しておらず同様のゲームは「フライトアクション」と言われるのが一般的だが、だからと言って国内でも「フライトアクション」と言われても今更である。 -本作を開発したアクセスゲームズは良作だった『X』を開発した実績ある企業であるため、本作に期待していたファンから失望される結果となった。 --ところが、またアクセスゲームズが制作した『3D』の評価は概ね好評であり、名誉挽回に取り敢えずは成功している。 -この通り多数の問題点を抱えている本作だが『ファミ通』ではなんと''プラチナ殿堂入り''している。立場上酷評する訳にはいかないのかもしれないが、このようなゲームにさえ最高評価が与えられているため、やはりゲーム雑誌の評価は当てにできない。 -その後本作と同じく実在世界を舞台にした『[[エースコンバットAH>エースコンバット アサルト・ホライゾン]]』と『[[エースコンバット インフィニティ]]』が発売、配信された。 --しかし両者とも、それぞれ異なる方向性でプレイの自由度がかなり低くなっており、人によっては「''本作より劣る''」と言う人もいる。実在世界を舞台に新機軸を打ち出した作品が3連続でこのような結果になってしまったのは皮肉なことである。 -自衛隊は外部の創作作品とコラボや協力をする例は多いが、内部指針があり航空自衛隊は自衛隊機が落ちる作品には協力しないと言われている。((厳密には空自自身が公式にそう表明したわけではないが空自が協力するのは自衛隊機が墜落しない作品か、墜落しないように内容を改変したものばかりとなっている。))それに対して陸自はある程度のやられ役をするくらいなら許容している。 --エスコンシリーズも昔から航空自衛隊の協力を受けている関係からか、今作において陸自部隊を守るミッションでは手を抜くと簡単に陸自が壊滅するのに対して、NPC空自機と共闘するミッションでは空自機は無敵で''絶対に落ちない''上にわざと放置してミッション失敗させたとしても自衛隊機が墜落したという表現を徹底的に避けている。 ----

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