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『[[修正依頼]]』が出ています。依頼内容は、罵倒に満ちた感情的極まる記述の修正です。対応出来る方がいらっしゃるなら宜しくお願いします。 ---- *テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX 【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:真実と向き合うRPG)|&amazon(B003EO8WYU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年8月5日|~| |定価|5,219円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|544KB以上|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、犯罪|~| |廉価版|PSP the Best:2013年2月21日/2,667円(税別)|~| |配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/2,381円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|原典から満遍なく改悪された内容&br()''ファンからは満場一致で黒歴史''&br()単体で見てもあまりよくはない完成度&br()シリーズ史上最低最悪のキャラ''「アルベルト」''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- //横に長いポイント欄を修正 **概要 ゲームボーイで発売された『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン]]』(以下「原作」と表記)をPSP向けにリメイクした作品。~ 第1部のボス戦後の問いかけ以外にセリフがなかったディオとメルにセリフを用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。~ また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。~ そのため、『[[テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]』の戦闘システムを洗練させた『[[テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]』を同時収録している。 原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。 満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸氏自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。~ その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、''原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない''(2人いるプロデューサーの岡本進一郎氏のみ原作と同じ)。~ また、担当プロデューサーは『[[テイルズ オブ バーサス]]』で悪い意味で名を広めてしまった大舘隆司氏であった。~ そのため「原作に沿ったシナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてどっちつかずな出来にならないか」と、発売前からファンの間で不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。 一応、戦闘仕様を評価するプレイヤーやX新規のGB未経験プレイヤーにはそれなりに受け入れられたが、それらの層からすら嫌悪される要素も多々ある始末で、単体としても微妙としか言えない作品となってしまった。 ---- **特徴 -システムは『[[テイルズ オブ ハーツ>テイルズ オブ ハーツ アニメムービーエディション/CGムービーエディション]]』((本作の担当はD2チームだと思われているが、社員増員と据置機・携帯機ハードに合わせてスタッフ編成され、過去に『ハーツ』を開発した三つ目の制作班が制作している))のそれをさらに進化させている。 --本作では術技発動のパワーソースとして「エモーショナルブレイブゲージ (EBG) 」を使用する。このゲージはキャラクターの感情の変化を表したものであり、ゲージが高いと攻撃力が上昇、防御力が下降し、ゲージが低いとその逆となる。~ ゲージは攻撃を当てたり、ガードをすることによって上昇し、術の使用により減少する。ゲージが100%を超えた状態では「オーバーブレイブ」が発動でき、これにより攻撃力上昇などの恩恵が得られ、秘奥義(いわゆる必殺技)を発動できるようになる。 -『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』にあった仲間モンスターの要素もあり、特定のコスチュームでモンスターと戦うと、戦闘終了時に一定確率でそのモンスターを仲間にできる。 --モンスターは戦闘メンバーとして使用可能であり、モンスターだけのパーティを組む事もできる。 ---- **問題点 ***戦闘関連 -今まではTP回復効果を持つアイテムだったグミが、本作ではEBGを増加させる効果になっている。 --つまり、自分は攻撃しつつ他の仲間にグミを使ってもらう事で、常にゲージを100%以上に保ててしまい、''他シリーズ作品以上に秘奥義の連発が可能''になってしまっている。 ---この結果本作を「グミゲー」と呼ぶプレイヤーもいる。 ---参考までにTPが存在しない他のシリーズ作品にはTP回復グミの互換アイテムはなく、HP回復グミしか存在しなかった。 --キャラクター間の強弱バランスが極端であり、コスチュームをマスターして覚えるスキルが揃っていれば、最終的には主人公「ディオ」と「メル」の圧倒的な2強となる。 -秘奥義の演出が全体的に地味。 --同時収録の『クロスエディション』に比べると、初動が遅く、動きやエフェクトもあっさりしている。 --中でもロンドリーネの使う秘奥義「デモンズランスレイン」は通常技とさほど変わらない見栄えである。ダオスの使う秘奥義「スーパーダオスレーザー」も従来と比較すると明らかに演出が劣化している。 --『ファンタジア』のキャラにも秘奥義が搭載されている((『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では本作の秘奥義が実装))が、残念ながらチェスターとクラース以外は既存の術技を秘奥義扱いにしただけの手抜きである。 ---しかも秘奥義になってしまったため普通の術技として使う事ができない。そのため前日譚である『クロスエディション』では使えたはずの技が何故かその後日談では普通に使えなくなるという珍妙な事になっている。 --また、PS版などでは秘奥義相当の特殊な奥義として扱われていたクレスの技「冥空斬翔剣」と、一定条件を満たせば習得出来た技「殺劇舞荒剣」が正式に秘奥義に設定されている。 ---しかし、冥空斬翔剣の原点となる発動ボイスはデフォルトでは聞けず、発動に合わせたプレイヤーの操作が必要。 -全ての敵がのけぞりにくく、爽快感が味わえない。 --こちらの攻撃を数発耐え、場合によってはそのまま反撃してくる。 --この攻撃を与えても怯まずに行動できる特性は過去テイルズシリーズでも見られ、「''鋼体''」と呼ばれている。 ---それでも他作品では精々ボスクラスと、一部の大型雑魚敵が持っているにとどまっていた。しかし本作ではほとんど全ての雑魚敵が鋼体持ちとなっているため、爽快感が損なわれている。 ---戦闘システムの基盤となった『ハーツ』でも鋼体持ちの雑魚はそれなりの割合で登場したが、本作のように著しくテンポを崩す程にはなっていなかった。 -''原作にあったなりきり服が本作では作れない''。 --『ファンタジア』キャラのなりきり服や、「つりし」や「商人」など戦闘に向かないコスチュームが軒並み削除されてしまったことが、原作ファンから非難を呼んだ。 ---『ファンタジア』パーティメンバーのなりきり服が削られたのは、彼らが本作では仲間(戦闘メンバー)として加入するためと思われる。 //だが仲間にならないモリスンやダオスのなりきり服も、何故か本作では作れなくなっている。 //モリスンやダオスのなりきり服が消されたのはファンタジアのキャラであり違和感が生じるからと思われる。 ---原作では戦闘に不向きだった非戦闘系コスチュームも頼まれ事などのイベントで必要になり、戦闘以外でもディオ達のなりきりの能力を活かしていたのだが、本作ではごっそり削られてしまっている。 ---もっとも、戦闘が複雑化した本作で原作のような大多数のコスチュームを用意するのは明らかに無理があり、また戦闘に力を入れているからこそ下手に非戦闘系コスチュームを入れられないと見る事もできる。 ---とはいうものの、それならそれで戦闘時には使わないイベント用キーアイテムとして導入する等はできたはずで、何よりコスチュームの主な入手法が『服屋で作成する』→『ダンジョン内に無造作に落ちている』と変更されており、もはやなりきりやコスチュームといった設定ではないほうが自然なシステムに成り果てている。 -クルールの最大の特徴であった''成長する事により姿を変える''と言う要素が無くなった。 --原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人組だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるため相対的に影が薄くなってしまった。 ---覚えるスキルや技の性能と数のせいで他のパーティキャラと比べても若干弱いため存在感の薄さに拍車がかかっている。 ---その代わり新たにチェインパートナーという、操作キャラクターに変身して同時攻撃を行うシステムが追加された。しかし残念ながら使い勝手が悪いためほとんど使われない。 ---- ***シナリオ 大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。~ 原作はシリーズの中でも重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では打って変わってかなりライトな作風となっており、加えて所々説明不足が目立つようになってしまった。 -原作はシリーズでもかなり尖った異色な作品であったが、その''尖った異色さが何よりの魅力''だった。そのため、その個性を必要以上に削り、最近のシリーズの不評な面を反映させたような作風になったため芳しくない評価を受けることとなった。 --また、上に書いたように『ファンタジア』本編のキャラクターも戦闘で使えるようになっただけでなく、シナリオに深く絡むようになった事も「本編エンディングでの別れが一気に軽々しくなった」という批判に晒される事に。 --クレス達はエターナルソードという自由に時間転移できる術を持っていたが、クラースはそれを知った上で「私は、もう二度と(100年後に生きるクレス達とは)会えないな…」と言っていた。これは、ダオスの争乱をきっかけに時空を越えて一堂に会していたメンバーが夫々の時代に戻る事で、本来あるべき関係に戻る事を望んでいたからである。 ---彼が自分だけを指してこう言ったのは、彼と同じ時代に生きるアーチェは人間より長命なハーフエルフの為、100年経過した現代でクレス達と再会出来る可能性は十分にあり、50年後の未来に生きるすずもクレスたちの年齢から同じく存命のうちに再会出来る可能性があるが、クラースは間違いなく亡くなっているあろう事からである。 --つまり、二度と会えない、今生の別れだからこそあの離別のシーンが光るのである。本作の仕様はそれを台無しにしていると言われても仕方がないだろう。 -一部高い評価を受けていた「たのまれごと」も大幅に削減、正確にはごく僅かがサブイベントとして残っているだけで、このシステムすら無い。そして数少ない残った部分すら悉く改悪しているのである。 --特に悪徳商人ボエボエのイベントは、原作の面影も無い淡白でさほど印象に残らない代物になってしまった。 ---原作では重い内容ながらも非常に評価の高いイベントだったものの、本作のそれは原作のファンはおろか、新規プレイヤーですら首を傾げてしまう内容になっているため、原作ファンからは「こんな有様ならイベント自体を削除してくれたほうがマシ」という批判も。 ---最後にボエボエと会話する場所のBGMが「陽気な熱帯地帯」をイメージさせ、さらにイベント中''ずっとそのBGMがかかりっぱなし''である。''会話内容とまったく合っていない。''このイベントは原作の言わば''もうひとつの本編''もしくは''裏のシナリオ''といってもよいイベントだったのだが…。 -原作にあったヴァルハラ村や魔鏡の間などの鬱要素や哲学的な台詞もかなり緩和または削除されている。 --鬱ながらもファンから高く評価された一部の「たのまれごと」や、難しくも深い哲学的な問いも原作の特徴の1つであった。 --原作ではプレイヤーが親代わりであり、双子に対して道徳や倫理観を教育する立場であるため、基本的に「答えは自分で導き出せ」というスタンスのゲームである。よって明確な答えを用意しない、哲学的であることに意義がある。それらの一部を排してしまったことで、物語の深みが無くなってしまったという評価を受けている。 -ちなみに、原作のシナリオライターは開発室にて、主人公についてディオとメルではないある人物だと発言していたが、本作のシナリオライターは開発室にて「主人公はディオとメルです。」とはっきり発言した。 --どのような意図でこのような発言をしたのかはわからないが、本作のクオリティの低さ故「原作の趣旨すら理解していない」と取れる発言になってしまった。 -細かい矛盾点など --精霊のグレムリンレアーは作中、かつて『ファンタジア』でクラースの口車に乗せられて契約した事を口にするのだが、本作でグレムリンレアーと出会うのは『ファンタジア』で契約した時代(すずの時代:未来)の約50年前(クレスの時代:現代)で、この時代のグレムリンレアーはクラースと契約どころか''出会ってすらない''。 //--クレス達が''現代で英雄扱いされている''のだが、クレス達がダオスを倒したのは現代を軸に''100年前の過去と50年後の未来''である。 //---これは時空転移が可能な事が社会的に認知された上で、クレス達が100年前に活躍した事が証明されなければ起こり得ない現象である。現代では精霊も魔法も失われており時間移動も認知されていない(寧ろ眉唾扱い)ので、純粋に不可解な展開と化している。 //---一応、古代都市トールの装置を使えば時空転移はできる((ただしある時期から時空転移装置は壊れてしまっている))のだが、使っている描写は全く無い。 //クレス達の英雄扱いは現代の地下墓地でのダオス討伐が称えられてのことであり、その名声も世界的なものではなく大陸内に留まる程度である等、この点についてはゲーム内で適切なフォローがなされているためCO ---- ***キャラクター面 -ディオ達の過去に絡む重要な位置にいる人物の人格が悪い方向に変更されている。~ 本作で新たに追加されたキャラも多いが、彼らについての評価も芳しくない。 --この重要人物は原作では主人公のディオとメル同様双子という設定であったが、本作では設定の変更を受け''赤の他人''となっている。 ---これは原作の根幹に関わる部分で、双子から他人にする必然性は今作だけを見ても一切無い為、典型的な改悪だと猛烈に非難されている。 --シナリオの改悪による影響を最も受けたのは主人公の双子に試練を与えた精霊「ノルン」であり、今作では非常に機械的に動くような人物に性格が改変されている。 #region(ネタバレ注意) -捨て子、終わりの見えない戦争、新しい親(軍人)とのしがらみ、疲弊していく国家、劣悪な生活環境…など、様々な悲劇が重なり合い「大量破壊兵器の使用」という結末にたどり着くわけだが、張本人が「俺は悪くない、戦争が悪い」の一言で片付けてしまう。あながち間違った主張ではないが、戦争に関わらない罪無き生物の命まで奪った張本人が使っていい言葉ではない。シナリオや描写の大幅な変更などでこの人物の内心も見えづらくなり、[[思考停止からの責任放棄>テイルズ オブ ジ アビス]]にしかなっていない。 --なお原作では自身の行為は紛れもない「悪」だと理解しており、''人間なら抱いて当然の感情''によって使用し、本作のように白々しい責任転嫁などはしていない。だからこそ''彼の善悪の判断は非常に難しい問題''なのである。~ それ故にノルンの「審判」の対象に選ばれたと言える。 ---だがリメイクでは単なる「短絡的な動機による大量虐殺犯」でしかないにもかかわらず原作と同じ扱いな為、大きな矛盾となった上ノルンの株も大きく落とす結果になってしまった。 ---また、原作では大罪を犯したある2人を認め、その罪の償いに協力的な姿勢をみせるなど器の大きさを見せたダオスだが、今作では打って変わって冷徹な人物として描かれている。(過去に2人がしたことを鑑みれば無理のないことではあるが) #endregion -ディオとメルの性格改変。  --ディオは所々日本語的に違和感のある発言が多く、「誰得」などのネットスラングを使うなど世界観に合わない。性格もどこか生意気かつ妙なトゲが目立つ人物になっている。 --メルも全体を通してやたらとネガティブシンキングな面が強調されており、賛否が分かれる。 #region(その他、目立つキャラについて 長いため下りたたみ) ***ロンドリーネについて -『ファンタジア』本編との橋渡しとして追加された女性。しかし言うほど橋渡しの役割は果たせていない。 --ダオスと過去に会ったことがあり、時空を超えて彼を追っていると言う設定だが、当のダオスを追う理由は「幼い頃にダオスと会ったがそのときの彼はとても優しく、戦争を仕掛けたダオスと同一人物とは思えない。そうなってしまった理由を本人に会って確かめたいから」という、個人的な私情によるもの。 ---上記の理由が判明するのもストーリーが中盤を過ぎてから。それまでは自分の目的を隠したまま思わせぶりなことを言いつつ、成り行きで仲間に入ったかと思えばダオスに会いに行くからと抜けるという期間が続く。 -彼女の出自設定に謎がある。 --後に発売された攻略本で「普通の人間と変わらない姿だがエルフの末裔」と正式に彼女の正体が公開された。~ これはエルフの中で稀に生まれる、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスの事を刺していると思われるが、現在のロンドリーネは普通に魔法を扱える。 ---『ファンタジア』と世界観を同じくする『[[シンフォニア>テイルズ オブ シンフォニア]]』では、アイオニトスという鉱石の粉末を摂取すれば人間でも魔術を使用できるという設定があるため、彼女がそれを用いて魔術を使用しているとも考えられるが、そういった説明は無い。 -まとめると、「生粋のエルフの子孫であるが、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスとして生まれたために村を追い出され、人間として幼少期を過ごし、後天的又は上記の手法にて魔力が身についたため魔術が使えるようになった」と説明すれば辻褄が合う。 --以降の外伝作品でも、ロンドリーネに関しては「エルフの末裔」という設定となっているが、それ以上が語られることはない。 --ロンドリーネ自身は至極常識人で、他のオリジナルキャラクターのような非常識な言動や行動が殆ど無く、『ファンタジア』の仲間内にはいなかったノリの軽い姉御肌な女性であり、デザインも藤島康介氏に近い絵柄で((デザインは松井麻依香氏。ちなみにこれまで藤島タッチの絵を披露していた奥村大悟氏は本作のパッケージイラストを描いている。))ファンは多い。 ***エトスについて -ディオとメルの親代わりとして登場した新キャラクター。 --原作ではディオとメルの親代わりを''ゲームのプレイヤー自身が務める''事で高い感情移入を生み、シナリオの''メッセージ性や深みがより増す''という評価点にもつながっていた。 ---エトスの追加はそれらの要素を否定するものとなっており、原作プレイヤーからの批判点の1つとなっている。 #region(ネタバレ注意。) -原作や小説版のように人間にではなく、人間と全く異なる存在である精霊のエトスに双子を託すというノルンの行動は、人間の本質を見極めるという目的には不適切なのではないかという疑問もある。 #endregion ***アルベルトについて -ノルンに命を与えられたクローゼットで、''本作における誰得要素の筆頭''。 --原作ではなりきり服はダンジョンの休憩地点などにあるタンスから出し入れしていたのだが、本作ではアルベルトがその役目を担っている。 -とにかく自分の欲望丸出しで協調性や節度が欠如しており、口を開けば後述する暴言や下劣なセクハラ発言ばかり。 --あまりの憎らしさから名前で呼ばれず、ファンサイドでは専ら(実際はクローゼットであるにもかかわらず)''タンス''と呼ばれている。 ---戦闘には一切参加しない上に都合が悪くなるとすぐに逃げる。かの[[モルモ>テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー]]を彷彿とさせるが、まだまともな発言もしてくれる時がある分''モルモの方が余程マシ''とすら言えるレベルである。 ---ダンジョン内で着替えが出来ないのも「着替え室がないから」という合理的なものではなく「アルベルトが危険のある場所には出てこないから」という身勝手なものになっている。((アルベルトは非戦闘要員でありその判断自体は妥当と言えなくもないが、その事を悪びれもせず堂々と宣言するためプレイヤーの反感を買っている。)) -極度の女尊男卑な思考回路であり、男性陣への態度は''殆どが上から目線の罵詈雑言or暴言''で固められている。言動の一つ一つをとってしても下品なものばかり。作中のキャラは構う価値は皆無と理解しているのか多くの発言は見事にスルーされているが、原作や『ファンタジア』本編のファンが聞き流せるかは大いに疑問。 --一方、女性陣にはメル:メルメル/ロンドリーネ:ロディたん/ミント:ミーたま/すず:すずちん…と言った気色悪いあだ名をつけた上にセクハラまがいの言動をとる。 ---例外的にアーチェだけは『凶暴なオバハン』呼ばわりし、セクハラ発言は勿論名前で呼ぶ事すら無く、基本的に男性陣と同じ傲慢な態度をとる。『ファンタジア』でもチェスターがよくアーチェにちょっかいを出して衝突しているが、互いの小さな意地の張り合いに過ぎず心底では互いに信頼しており、異性としても密かに意識し合っている。…と、アルベルトのそれとは全く性質が異なる。 --言うまでもないだろうが、双子の扱いは常にディオ<<<<<メル。ディオに対しては他の男性陣と同様容赦なく下劣に罵りにかかる。((酷いモノだとディオに対して「毛も生えてねぇハゲぼうず」呼ばわりしたりする。もちろんこれは頭がハゲていると言う意味ではない。ここまで書けば何を意味するかは自ずと解るだろう。))挙句実質生みの親であるノルンにすら悪口を言い、極めつけには終盤のスキットで''プレイヤーにまで悪口を言ってのける''。 -もっとも有名と思われるのは、「''チェスターの妹・アミィ(故人)の事を罵り、その上兄のチェスターをシスコン&変態扱いする''」と言うスキットだろうか。当然妹を貶されたチェスターは怒りのあまりアルベルトに対して容赦ない態度を見せた………りはせず、半ばやれやれな態度で流しているに過ぎなかった。 --原作と『ファンタジア』のファンがプレイした場合、チェスターの背負っている背景((ちなみに、ファミ通文庫でのノベライズや『ファンダムVol.1』の彼らのエピソードなどでより深くその辺に触れられる。))・原作の魔鏡イベントも知った上でその暴言を聞かされる事になる。 ---チェスターの人生はアミィ無しには語れない。幼くして両親を亡くし、孤児となった2人を養う者は誰もおらず、自分で食い扶持を稼がねばならなかった。そんな苦境の中でも盗みなどの犯罪に走らなかったのは、その罪で自分のみならず妹も穢してしまう事を知っていたからである。アミィを愛し、誇りに思っているからこそ今の真っ直ぐな心を持つチェスターが居るのだ。しかもその妹は、『ファンタジア』冒頭で村を襲った軍隊に殺されている。 ---これに関連して、スキット内でのチェスターのやたらと落ち着いた対応にも時に批判が寄せられる。原作でのチェスターの性格((本編のドラマCDで、クラースに指摘ついでにアミィについて示唆されただけでも激昂し掴みかかっている。当時はチェスターが気にかけているすずに懐疑的な追及を行うクラースに憤っていたのもあるが。))なら、ブチギレるどころか周囲の制止を振り切ってでもアルベルトを叩き壊しにかかってもおかしくない。 -一応、スキット以外ではでしゃばらないというのが最後の救いかもしれないが、当シリーズでスキットを聞かずに進めるのはプレイする楽しみがかなり減るので、そうもいかないのが現状。 --だが、着替えをした時等のシステムメッセージなどが何故かアルベルトの発言したものの体を取っており、加えてアルベルトの喋りに特徴的な訛りがあるせいで、嫌でも目に入り非常に鬱陶しい。 なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。 #region(スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。) ディオ達に魔物使いのコスチュームを渡したチェスター。メルのことを思わず「アミィ」と呼んでしまったあとのチャット。 |チェスター「アミィと間違えるなんてな……」&br()アルベルト「アミィって、おめぇの妹だか?」&br()チェスター「あ、ああ、そうだよ……」&br()アルベルト「ほぇ~~~、おめぇに妹がなぁ~~」&br()チェスター「な、なんだよ!人の顔ジロジロ見て」&br()アルベルト「おめぇみてーなキツネ目の妹っつーことは、そのアミィっての、名前に合った顔なんだなや」&br()チェスター「なんだよ、それ。アミィが俺に似てるって言いたいのか?」&br()アルベルト「みなまで言わんでええだ、ええだ。おめぇの顔見てれば、ぜぇ~んぶわかるだよ」&br()アルベルト「おめぇはかわいい妹が欲しかったんだ。だから、さっきメルメルをわざと間違えたんだど?」&br()チェスター「バカ言ってんじゃねぇっての」&br()アルベルト「あひゃぇ!当たっただ!図星だ!!こいつ、メルメルを狙ってる変態だーよ!!!」&br()チェスター「あのなぁ……そりゃ、お前だろ……?」| これはひどい…。 #endregion -そして極めつけに、開発室で聴けるスタッフによるアルベルトへの「''毒舌キャラ、楽しんでいただけましたか?''」 --「毒舌」とは、辛辣な悪口や皮肉を言うこと((近年の解釈では辛辣ながらも物事の本質を突いている、ユーモアを交えた皮肉等があり、純粋な悪口とは区別して使われていることが多い。その場合でもアルベルトはこれに当てはまらない。))であり、アルベルトのそれはただの「暴言」でしかない。 ---結果、アルベルトの下劣な発言の数々をお茶目要素であるかのように扱う開発陣への不信を煽るだけとなってしまった。 -こんな有様のため、アルベルトは満場一致で「''シリーズ最低のキャラ''」としての評価が定まる事となった。 --実際に『マイソロ3』のスキットや『エクシリア』のキャラにまつわるコピペなどでアルベルトがネタにされている。 ---またあまりに不評だったのか公式人気投票からはアルベルトの名前が削除されている。 #endregion ---- ***最悪の後日談 -シナリオ改変の影響で本編キャラクターの悉くがディオ達と出会わなければ''悲惨な末路を辿る事になってしまった''。([[参考動画(ニコニコ注意)>http://dic.nicovideo.jp/v/sm12276108]]) #region(ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。) |クレス|犯罪組織“シグルド”との戦いの中戦死。| |ミント|クレスの死に絶望して自殺。| |クラース|召喚術の論文が認められず生きる希望をなくし、酒に溺れた末に死亡。| |すず|魔界の王プルートと刺し違え戦死。| |チェスター|不明。| #endregion -改変の結果『ファンタジア』本編までも巻き添えにしているため、『ファンタジア』本編のファンからは凄まじい反発が起きた。 //-これらはアーチェの口から語られるのだが、彼女はその間ずっと眠っていたらしい。 //--ファンタジー作品において「長命を維持するため、定期的に休眠状態になる」という設定は割とお馴染みだが、少なくとも『ファンタジア』のエルフ(及びハーフエルフ)にそのような設定は存在しない。 -仲間達が辿った悲劇を知るアーチェと悲劇を逃れたキャラクター達が揃うという「アレ?」と思える現象も起こっているが…。 -似た事例だと『[[デスティニー>テイルズ オブ デスティニー]]』の主人公スタンの[[続編>テイルズ オブ デスティニー2]]での扱いもかなりの批判があったが、本作の場合はそれすらまともに見える酷さを誇る。 --スタンの場合は「長年一線を退いていた」「愛剣ディムロスを失い、全ての昌術と多くの特技が使えない」「家族同然の存在を人質を取られ、武器を捨ててされるがままに殺された」「非常に凶悪な敵が相手だった((『バルバトス・ゲーティア』という残虐非道な狂戦士で極めて高い実力を持ち、現役(『デスティニー』)時代のスタン達メンバーを真っ向から戯れ半分で圧倒していた。また勝利の為ならば前述の通り人質をとったり罠を仕掛けたり、卑劣な手段も躊躇なく行う。))」後の展開にもある程度活かされている等、相応のフォローがあった。 --ミントに関しても、悲観から安易に死を選ぶような人物ではない。冒険の中で苦境にも折れない芯の強さを身につけた女性である。 --これらの後日談が納得のいく流れであるのならばここまで批判される事は無かったかも知れないが、ストーリー上有り得ないと思われるような展開を具体的な描写もなく追加したことで原作のファンから反感を買うこととなった~ #region(ネタバレ注意。) -クラースが論文を燃やされたのは、論文を提出するより前に召喚の契約を破棄してしまったせいで召喚術を証明できなかったからである。冗談のような話だが召喚を証明できなかった部分以外は''公式サイトにも書かれている内容''である。 --『ファンタジア』で契約の破棄を明言していたのは闇の精霊シャドウのみで、他の精霊たちとの契約破棄は本作のみの設定である。「召喚術の悪用を防ぐ」という意図だったようだが、そもそも精霊たちは契約の指輪さえあれば誰の言うことでも聞くわけではない。((精霊が力を示せと要求した場合、戦って勝利しなければならない。また精霊との関係は対等であり、一方的な命令は出来ない。事実、決戦前夜のアーリィの宿でのイベントにて、クラースの『過去の世界に居るミラルドの様子を見たい』という要望に対し、オリジンは『初めての主の願いであれば、一度だけ』という条件で従い、未来視については先んじて拒否している。))あくまでクラース個人との契約である以上、解除する必要はなかったはず。 #endregion #region(余談) --『ファンタジア』の後日談に当たる第一部は、原作ではシナリオらしいシナリオは無く、本編キャラクターの協力を仰ぎながらディオ・メル・クルールの3人で精霊の試練を受けていき、封印された性格を解放していくというものであった。その反面で前述のたのまれごとの内容がかなりヘビーなものもあり、こなさなければ後半のダンジョンの扉が開かないため、実際はそこまで淡泊に感じさせないようにはなっている。 #endregion ***その他の問題点 -リメイク作であるにもかかわらず、原作での人気曲「DARK MIND」「Judgment」など、あいだとしき氏による曲は一つも採用されていない。 --「あいだとしき氏はギタリストの会田敏樹氏で、権利関係のために使用できなかった」と一部で推測されているが詳細不明。 --その代わりにシリーズお馴染みの桜庭統氏が新曲を書き下ろしているが評判はあまりいいとは言えず、特にラスボス戦の曲はファンからは「どう聞いても通常戦闘のノリ」と言われている。 ---『ファンタジア』の音楽のアレンジも音がこもっている、主旋律が聞きづらい、異様にがしゃがしゃしていてうるさい、などと不評である。 -発売前にやたらと押されていた『テイルズ オブ グレイセス』の主人公・アスベルのコスチュームはパスワード入力でしか手に入らない。 --もっとも、これまでのDLCやアンロックキーと違い、パスワードは攻略本やネットに全部載っているので、探せばすぐ見つかるレベルではある。 ---2010年12月ごろから公式HPに全て公開されている。 ---- **評価点 -原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるようになり、パーティの選択肢が大幅に増えた。 -戦闘システム、ハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていた原作に比べると大幅に改良された。 --『PS2版テイルズ オブ デスティニー(以下リメD)』『ハーツ』にあった「同じ術技だけ使っていればいい」という問題点は、同じ術技が連続で出せなくなった事により解消された。 ---なお、「通常攻撃→特技→奥義」の通りにしか技の連携が出来ないためリメDやハーツほど連携の自由度は無いが、特定のスキルの修得で連携の幅も同じようになる。 ---本作では通常攻撃が術技と同様に着脱可能であり、×ボタンに通常攻撃・〇ボタンに術技なども可能。携帯機ではセットできる術技が少ないといった問題に対する一つの解ともいえる。 -仲間モンスターを自分で動かすことが出来る。このシステムが初搭載された「ラタトスク」ではモンスターは全てAI操作であったため、自分で動かすことが出来なかった。 --仲間モンスターの中には『''クレイアイドル''((トラクタービーム以外の全ての攻撃を無効化する。トラクタービームを使う敵はいるので完全無敵と言うわけではないのだが、足が非常に速いうえ、トラクタービームを使わない敵には絶対に負けない))』などのとてつもなく強力な性能を誇るモンスターもおり、本来『敵だから許されている』凶悪性能の技や体質を思う存分使用することが出来る。 --『テイルズ オブ デスティニー2』の強敵ガープや、2周目以降の隠しダンジョンでは作中に登場するボス(の色違い)まで仲間にすることも可能。 --今作のモンスターはアイテムも使用可能になっており、更に人間キャラが倒されても全滅扱いにならなくなっている。この点もラタトスクの欠点を解消した形となっている。 --ちなみに仲間モンスターには''隠しダンジョンの裏ボス''もおり、まさかの秘奥義まで搭載されていたりする。 -ダンジョンがランダムダンジョンから『ファンタジア』の固定ダンジョンになった。 --当時の2頭身のトップビューではなく、『デスティニー2』等の3頭身2Dテイルズのクォータービュー風に書き直されており、それでいて当時の地形を模した作りのため懐かしみつつも新鮮な気分で冒険ができる。ギミックもしっかりと踏襲。 --暗黒時空のダンジョンは地下墓地等の通常世界で拾われなかったダンジョンが元になっている。 -バンナムの他作品とのコラボ要素があり、『[[アイドルマスター]]』や『[[塊魂]]』などのなりきり衣装が存在する。 --それ自体はコスチュームのバリエーションの増加に繋がっているので評価出来るのだが、大元が3D作品のコスチュームで秘奥義を使用した時のカットインがそのまま3Dグラフィックで挿入されるため、ゲーム自体が2Dグラフィックで表現されている本作では違和感が強く、諸手を挙げて評価出来ないとする意見も出てきてしまっている。 ---- **総評 名作のリメイクと聞いて期待されていた本作だが、蓋をあけてみれば「評価の高かった原作要素を削り、賛否の分かれるキャラやストーリー追加した作品」という評価を受けてしまった。~ リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点ぐらいである。~ また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。~ ファン感情を抜きに単体のゲームとして見れば、ゲームプレイに差し障るバグなども無ければ、シナリオなどを除けばゲーム全体的に致命的欠陥があるわけではない為、本wikiの基準では上記の判定になっている。 #co{**なぜここまでの原作改変が起こったのか バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も筋が通っているとは言い難い。 #region(''「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」'') -確かに原作ではメイン・サブ問わず人間の負やしがらみをモチーフにした陰惨なシーンが多数存在したため、頭から否定はできない。ファンの中でも原作のシナリオを完全に再現したら、間違いなくCERO指定がかかってしまうだろうと考えていた人が多かった。 --CERO指定を引き上げれば売り上げに影響しかねない為、それを避ける意図で改変を施すのはやむを得ない処置ではある。CERO指定が関係なくても主人公達の重すぎる過去や暗い内容のたのまれごとなど今の時代に、ハードの進化に合わせて演出を強化すれば炎上する可能性も充分あり、他のシリーズ作品へ悪影響を及ぼす余地を考慮するならばこの''考え方自体は企業として至極全うな意見''である。 --ただしその一方で、''アルベルトの暴言や下品な発言の数々はスタッフ達の間では倫理的に問題なかったようだ。''アルベルトの発言も大半がCERO指定の1つ2つ引き上げかねない代物なのだが。そしてアルベルトの存在そのものがプレイヤー達の間で大炎上してしまった。 ---もちろんメインシナリオと脇役の存在を同列に語るのはやや過剰反応であるし、倫理的な問題も原作のシナリオとアルベルトではやや意味合いが異なるのであるが。 #endregion #region(''「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」'') -しかし本作が''公式な後日談''となったため、''原作を否定し自分達のリメイク版を推している''と解釈できてしまう。むしろファンにとってはそれ以外に解釈の余地がない。 --事実、会社側がゲーム雑誌などで原作であるGB版ではなく本作こそが本来の「なりきりダンジョン」だと宣伝している節がある。((もっとも顕著な例が「テイルズ オブ 大全 1995-2011」での原作の扱い。)) --ただし雑誌や本の製作や宣伝にどこまでこのゲームの製作者達が関われるかはわからない。原作とリメイク版では設定やシナリオがやや異なっているためプレイヤーサイドの混乱を避けるための処置ととれなくもない。 ---しかし、大前提として原作の設定やキャラを悉く捻じ曲げ、目玉の要素を悉く削ぎ落とし、シリーズ作品の設定すら無視しての「新たな可能性、物語」とは何なのか。そしてこれを「リスペクトした」と言えるのか。これでは寧ろ「ディスリスペクト((disrespect。名詞的に「軽視、軽蔑、無礼」、動詞的に「軽視する、軽蔑する、無礼を働く」などの意味合いを持つ。日本では「ディスる」「ディスられる」の形で使われることが多いか。))」と言うべきものである。 ---そもそもアルベルトが原作から登場している''ディオを侮辱し''、''メルにセクハラ発言をし''、''クルールには喧嘩をふっかける''、リスペクトした結果こんなキャラクターが生まれたと言われても納得できるファンがいるのか…。 #endregion …と、突っ込みどころ満載な発言ばかりな為、&bold(){自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳}だと捉えている者も少なくない。} #co{またアルベルトの存在が開発者達の思想や設計に対する説得力を無くしている。~ 本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえることもできただろう。~ もちろんこれは長いインタビューから一部を抜粋しただけにすぎないので、発言の切り抜きをよしと思わない方はぜひ攻略本を手に入れて読んでみて欲しい。~ 納得できるか逆に突っ込みどころが増えるかは個人の考え方や読解力次第である。} ---- **余談 ''発売後'' -メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であったが、上記の悪評によりかつては市場に中古が溢れている状態となってしまっていた。~ --同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。 ''ゲーム内容外でのアルベルト関連'' -改めて言うことでは無いが、''キャラクターを演じた声優には一切の非はない。''((クリア後の開発室にいるスタッフから「ノリノリで龍田氏がアドリブをしまくった」と言った旨の発言があるが、これに関してはあくまでアドリブをしたのは演技面についてであり、問題のある台詞回しは元々用意されていたものである。)) //そもそも、声優の独断で好き勝手に改変できるわけがないのは言うまでもない。 --龍田氏に対しては、このキャラクターのせいで一緒くたに叩かれかねない事に対する同情もあるが、「''アルベルトというキャラクターをその演技で更にプレイヤーを苛つかせる位に完璧に演じきった''」と評されるべきだろう。表現がネガティブになってしまっているが、あくまでアルベルトというキャラクターの立ち位置などを受けての表現であり、この場合は演技を批判する意味で用いていないのでそこは了承願いたい。 -上述した不快な要素ばかりが詰め込まれたキャラクター性もあって、「タンスのウザさに耐えるのもノルンから(''プレイヤーヘ'')の試練」等と言われてしまっている。 --二次創作のイラストでは、アルベルトが燃やされている絵が大量に見られる((俗に言う『キャラヘイト』))。作中でアルベルトにこれといった制裁が加えられない((ロンドリーネが冷たく当たることがあるくらいである。))事と決して無関係ではないだろう。 ---また、テイルズ関係の2chスレでは、アルベルトのような口調のカキコがあると、ほぼ必ずと言っていいほど「紅蓮剣!」「エクスプロード!」といった感じで''火属性''の強力な技・術によるレスがかえってくるほか、Amazonでの評価も辛らつで、ほぼ全てのレビュアーがアルベルトを不満点として挙げている。 --普段ならば、ことバンナムに対してそのえげつなさから批判意見の多いDLCだが「&color(red){''タンスの存在を消せる追加コンテンツだったら数千円払ってでも買う''}」という意見すら上がっているところからもプレイヤーがどう見ているかが分かってもらえるのでは無いだろうか。 ---シリーズ他作品でも毒の強い性格や極端な言動・描写で賛否を招くキャラは少なくないが、彼らなりの信念や筋は通しており、そこを評価し彼等を好くファンもまた多い。日常会話においても最低限の節度はしっかりと弁えており、アルベルトほど無秩序なキャラは皆無である。 ''キャスティング関連'' -シリーズでは珍しく、ディオ・メル・クルールの声優は過去に発売されたドラマCDで担当した声優とは違う人物が担当している((ディオ:くまいもとこ氏→斎賀みつき氏、メル:柳瀬なつみ氏(現:やなせなつみ)→阿澄佳奈氏、クルール:永島由子氏→伊藤美紀氏(表記は「原作のドラマCDにおける声優→Xにおける声優」で表記)。))((担当声優の逝去・兼役以外の理由でメインキャラの声優が変更された例は『ファンタジア』のミント(基本的に岩男潤子氏が担当しているがSFC版・GBA版のみこおろぎさとみ氏が担当)や『アビス』のイオン(ゲーム版では大谷育江氏だが、ドラマCD版では釘宮理恵氏、テレビアニメ版では小林由美子氏が担当)などがある。))。 --攻略本によると、ディオとメルの性格を掴むための資料としてこのドラマCDも使用されたらしい。しかしなぜ声優が変更されることになったのかは不明。 ---誤解のないように書いておくが、変更後の声優の演技についてもディオ役の斎賀氏の演技など広く評価されている。 ---また、元々のドラマCDの声優陣もキャライメージに合った優れた演技で評価は高かったこともあり、本作でキャスティングが一新されたのはそもそも原作におけるドラマCDの存在自体を知らず、あとになってその存在を知った((要は「キャスティングを決めたあと、ストーリーやキャラクター付けでの情報収集等の中でドラマCDの存在を知り、申し訳程度に参考資料として用いた」といった案配。))からという噂がファンの間で流れたこともあった。~ もちろんこの噂は情報源やソースが見つからない完全な噂であるが、かつてドラマCDでミクトランの声を担当した声優が続投した過去がこの噂を加速させた可能性もある。 ---- *同時収録・テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。~ 詳細は[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]を参考にされたし。 ----
『[[修正依頼]]』が出ています。依頼内容は、罵倒に満ちた感情的極まる記述の修正です。対応出来る方がいらっしゃるなら宜しくお願いします。 ---- *テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX 【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:真実と向き合うRPG)|&amazon(B003EO8WYU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年8月5日|~| |定価|5,219円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|544KB以上|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、犯罪|~| |廉価版|PSP the Best:2013年2月21日/2,667円(税別)|~| |配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/2,381円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|原典から満遍なく改悪された内容&br()''ファンからは満場一致で黒歴史''&br()単体で見てもあまりよくはない完成度&br()シリーズ史上最低最悪のキャラ''「アルベルト」''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- //横に長いポイント欄を修正 **概要 ゲームボーイで発売された『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン]]』(以下「原作」と表記)をPSP向けにリメイクした作品。~ 第1部のボス戦後の問いかけ以外にセリフがなかったディオとメルにセリフを用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。~ また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。~ そのため、『[[テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]』の戦闘システムを洗練させた『[[テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]』を同時収録している。 原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。 満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸氏自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。~ その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、''原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない''(2人いるプロデューサーの岡本進一郎氏のみ原作と同じ)。~ また、担当プロデューサーは『[[テイルズ オブ バーサス]]』で悪い意味で名を広めてしまった大舘隆司氏であった。~ そのため「原作に沿ったシナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてどっちつかずな出来にならないか」と、発売前からファンの間で不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。 一応、戦闘仕様を評価するプレイヤーやX新規のGB未経験プレイヤーにはそれなりに受け入れられたが、それらの層からすら嫌悪される要素も多々ある始末で、単体としても微妙としか言えない作品となってしまった。 ---- **特徴 -システムは『[[テイルズ オブ ハーツ>テイルズ オブ ハーツ アニメムービーエディション/CGムービーエディション]]』((本作の担当はD2チームだと思われているが、社員増員と据置機・携帯機ハードに合わせてスタッフ編成され、過去に『ハーツ』を開発した三つ目の制作班が制作している))のそれをさらに進化させている。 --本作では術技発動のパワーソースとして「エモーショナルブレイブゲージ (EBG) 」を使用する。このゲージはキャラクターの感情の変化を表したものであり、ゲージが高いと攻撃力が上昇、防御力が下降し、ゲージが低いとその逆となる。~ ゲージは攻撃を当てたり、ガードをすることによって上昇し、術の使用により減少する。ゲージが100%を超えた状態では「オーバーブレイブ」が発動でき、これにより攻撃力上昇などの恩恵が得られ、秘奥義(いわゆる必殺技)を発動できるようになる。 -『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』にあった仲間モンスターの要素もあり、特定のコスチュームでモンスターと戦うと、戦闘終了時に一定確率でそのモンスターを仲間にできる。 --モンスターは戦闘メンバーとして使用可能であり、モンスターだけのパーティを組む事もできる。 ---- **問題点 ***戦闘関連 -今まではTP回復効果を持つアイテムだったグミが、本作ではEBGを増加させる効果になっている。 --つまり、自分は攻撃しつつ他の仲間にグミを使ってもらう事で、常にゲージを100%以上に保ててしまい、''他シリーズ作品以上に秘奥義の連発が可能''になってしまっている。 ---この結果本作を「グミゲー」と呼ぶプレイヤーもいる。 ---参考までにTPが存在しない他のシリーズ作品にはTP回復グミの互換アイテムはなく、HP回復グミしか存在しなかった。 --キャラクター間の強弱バランスが極端であり、コスチュームをマスターして覚えるスキルが揃っていれば、最終的には主人公「ディオ」と「メル」の圧倒的な2強となる。 -秘奥義の演出が全体的に地味。 --同時収録の『クロスエディション』に比べると、初動が遅く、動きやエフェクトもあっさりしている。 --中でもロンドリーネの使う秘奥義「デモンズランスレイン」は通常技とさほど変わらない見栄えである。ダオスの使う秘奥義「スーパーダオスレーザー」も従来と比較すると明らかに演出が劣化している。 --『ファンタジア』のキャラにも秘奥義が搭載されている((『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では本作の秘奥義が実装))が、残念ながらチェスターとクラース以外は既存の術技を秘奥義扱いにしただけの手抜きである。 ---しかも秘奥義になってしまったため普通の術技として使う事ができない。そのため前日譚である『クロスエディション』では使えたはずの技が何故かその後日談では普通に使えなくなるという珍妙な事になっている。 --また、PS版などでは秘奥義相当の特殊な奥義として扱われていたクレスの技「冥空斬翔剣」と、一定条件を満たせば習得出来た技「殺劇舞荒剣」が正式に秘奥義に設定されている。 ---しかし、冥空斬翔剣の原点となる発動ボイスはデフォルトでは聞けず、発動に合わせたプレイヤーの操作が必要。 -全ての敵がのけぞりにくく、爽快感が味わえない。 --こちらの攻撃を数発耐え、場合によってはそのまま反撃してくる。 --この攻撃を与えても怯まずに行動できる特性は過去テイルズシリーズでも見られ、「''鋼体''」と呼ばれている。 ---それでも他作品では精々ボスクラスと、一部の大型雑魚敵が持っているにとどまっていた。しかし本作ではほとんど全ての雑魚敵が鋼体持ちとなっているため、爽快感が損なわれている。 ---戦闘システムの基盤となった『ハーツ』でも鋼体持ちの雑魚はそれなりの割合で登場したが、本作のように著しくテンポを崩す程にはなっていなかった。 -''原作にあったなりきり服が本作では作れない''。 --『ファンタジア』キャラのなりきり服や、「つりし」や「商人」など戦闘に向かないコスチュームが軒並み削除されてしまったことが、原作ファンから非難を呼んだ。 ---『ファンタジア』パーティメンバーのなりきり服が削られたのは、彼らが本作では仲間(戦闘メンバー)として加入するためと思われる。 //だが仲間にならないモリスンやダオスのなりきり服も、何故か本作では作れなくなっている。 //モリスンやダオスのなりきり服が消されたのはファンタジアのキャラであり違和感が生じるからと思われる。 ---原作では戦闘に不向きだった非戦闘系コスチュームも頼まれ事などのイベントで必要になり、戦闘以外でもディオ達のなりきりの能力を活かしていたのだが、本作ではごっそり削られてしまっている。 ---もっとも、戦闘が複雑化した本作で原作のような大多数のコスチュームを用意するのは明らかに無理があり、また戦闘に力を入れているからこそ下手に非戦闘系コスチュームを入れられないと見る事もできる。 ---とはいうものの、それならそれで戦闘時には使わないイベント用キーアイテムとして導入する等はできたはずで、何よりコスチュームの主な入手法が『服屋で作成する』→『ダンジョン内に無造作に落ちている』と変更されており、もはやなりきりやコスチュームといった設定ではないほうが自然なシステムに成り果てている。 -クルールの最大の特徴であった''成長する事により姿を変える''と言う要素が無くなった。 --原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人組だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるため相対的に影が薄くなってしまった。 ---覚えるスキルや技の性能と数のせいで他のパーティキャラと比べても若干弱いため存在感の薄さに拍車がかかっている。 ---その代わり新たにチェインパートナーという、操作キャラクターに変身して同時攻撃を行うシステムが追加された。しかし残念ながら使い勝手が悪いためほとんど使われない。 ---- ***シナリオ 大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。~ 原作はシリーズの中でも重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では打って変わってかなりライトな作風となっており、加えて所々説明不足が目立つようになってしまった。 -原作はシリーズでもかなり尖った異色な作品であったが、その''尖った異色さが何よりの魅力''だった。そのため、その個性を必要以上に削り、最近のシリーズの不評な面を反映させたような作風になったため芳しくない評価を受けることとなった。 --また、上に書いたように『ファンタジア』本編のキャラクターも戦闘で使えるようになっただけでなく、シナリオに深く絡むようになった事も「本編エンディングでの別れが一気に軽々しくなった」という批判に晒される事に。 --クレス達はエターナルソードという自由に時間転移できる術を持っていたが、クラースはそれを知った上で「私は、もう二度と(100年後に生きるクレス達とは)会えないな…」と言っていた。これは、ダオスの争乱をきっかけに時空を越えて一堂に会していたメンバーが夫々の時代に戻る事で、本来あるべき関係に戻る事を望んでいたからである。 ---彼が自分だけを指してこう言ったのは、彼と同じ時代に生きるアーチェは人間より長命なハーフエルフの為、100年経過した現代でクレス達と再会出来る可能性は十分にあり、50年後の未来に生きるすずもクレスたちの年齢から同じく存命のうちに再会出来る可能性があるが、クラースは間違いなく亡くなっているあろう事からである。 --つまり、二度と会えない、今生の別れだからこそあの離別のシーンが光るのである。本作の仕様はそれを台無しにしていると言われても仕方がないだろう。 -一部高い評価を受けていた「たのまれごと」も大幅に削減、正確にはごく僅かがサブイベントとして残っているだけで、このシステムすら無い。そして数少ない残った部分すら悉く改悪しているのである。 --特に悪徳商人ボエボエのイベントは、原作の面影も無い淡白でさほど印象に残らない代物になってしまった。 ---原作では重い内容ながらも非常に評価の高いイベントだったものの、本作のそれは原作のファンはおろか、新規プレイヤーですら首を傾げてしまう内容になっているため、原作ファンからは「こんな有様ならイベント自体を削除してくれたほうがマシ」という批判も。 ---最後にボエボエと会話する場所のBGMが「陽気な熱帯地帯」をイメージさせ、さらにイベント中''ずっとそのBGMがかかりっぱなし''である。''会話内容とまったく合っていない。''このイベントは原作の言わば''もうひとつの本編''もしくは''裏のシナリオ''といってもよいイベントだったのだが…。 -原作にあったヴァルハラ村や魔鏡の間などの鬱要素や哲学的な台詞もかなり緩和または削除されている。 --鬱ながらもファンから高く評価された一部の「たのまれごと」や、難しくも深い哲学的な問いも原作の特徴の1つであった。 --原作ではプレイヤーが親代わりであり、双子に対して道徳や倫理観を教育する立場であるため、基本的に「答えは自分で導き出せ」というスタンスのゲームである。よって明確な答えを用意しない、哲学的であることに意義がある。それらの一部を排してしまったことで、物語の深みが無くなってしまったという評価を受けている。 -ちなみに、原作のシナリオライターは開発室にて、主人公についてディオとメルではないある人物だと発言していたが、本作のシナリオライターは開発室にて「主人公はディオとメルです。」とはっきり発言した。 --どのような意図でこのような発言をしたのかはわからないが、本作のクオリティの低さ故「原作の趣旨すら理解していない」と取れる発言になってしまった。 -細かい矛盾点など --精霊のグレムリンレアーは作中、かつて『ファンタジア』でクラースの口車に乗せられて契約した事を口にするのだが、本作でグレムリンレアーと出会うのは『ファンタジア』で契約した時代(すずの時代:未来)の約50年前(クレスの時代:現代)で、この時代のグレムリンレアーはクラースと契約どころか''出会ってすらない''。 //--クレス達が''現代で英雄扱いされている''のだが、クレス達がダオスを倒したのは現代を軸に''100年前の過去と50年後の未来''である。 //---これは時空転移が可能な事が社会的に認知された上で、クレス達が100年前に活躍した事が証明されなければ起こり得ない現象である。現代では精霊も魔法も失われており時間移動も認知されていない(寧ろ眉唾扱い)ので、純粋に不可解な展開と化している。 //---一応、古代都市トールの装置を使えば時空転移はできる((ただしある時期から時空転移装置は壊れてしまっている))のだが、使っている描写は全く無い。 //クレス達の英雄扱いは現代の地下墓地でのダオス討伐が称えられてのことであり、その名声も世界的なものではなく大陸内に留まる程度である等、この点についてはゲーム内で適切なフォローがなされているためCO ---- ***キャラクター面 -ディオ達の過去に絡む重要な位置にいる人物の人格が悪い方向に変更されている。~ 本作で新たに追加されたキャラも多いが、彼らについての評価も芳しくない。 --この重要人物は原作では主人公のディオとメル同様双子という設定であったが、本作では設定の変更を受け''赤の他人''となっている。 ---これは原作の根幹に関わる部分で、双子から他人にする必然性は今作だけを見ても一切無い為、典型的な改悪だと猛烈に非難されている。 --シナリオの改悪による影響を最も受けたのは主人公の双子に試練を与えた精霊「ノルン」であり、今作では非常に機械的に動くような人物に性格が改変されている。 #region(ネタバレ注意) -捨て子、終わりの見えない戦争、新しい親(軍人)とのしがらみ、疲弊していく国家、劣悪な生活環境…など、様々な悲劇が重なり合い「大量破壊兵器の使用」という結末にたどり着くわけだが、張本人が「俺は悪くない、戦争が悪い」の一言で片付けてしまう。あながち間違った主張ではないが、戦争に関わらない罪無き生物の命まで奪った張本人が使っていい言葉ではない。シナリオや描写の大幅な変更などでこの人物の内心も見えづらくなり、[[思考停止からの責任放棄>テイルズ オブ ジ アビス]]にしかなっていない。 --なお原作では自身の行為は紛れもない「悪」だと理解しており、''人間なら抱いて当然の感情''によって使用し、本作のように白々しい責任転嫁などはしていない。だからこそ''彼の善悪の判断は非常に難しい問題''なのである。~ それ故にノルンの「審判」の対象に選ばれたと言える。 ---だがリメイクでは単なる「短絡的な動機による大量虐殺犯」でしかないにもかかわらず原作と同じ扱いな為、大きな矛盾となった上ノルンの株も大きく落とす結果になってしまった。 ---また、原作では大罪を犯したある2人を認め、その罪の償いに協力的な姿勢をみせるなど器の大きさを見せたダオスだが、今作では打って変わって冷徹な人物として描かれている。(過去に2人がしたことを鑑みれば無理のないことではあるが) #endregion -ディオとメルの性格改変。  --ディオは所々日本語的に違和感のある発言が多く、「誰得」などのネットスラングを使うなど世界観に合わない。性格もどこか生意気かつ妙なトゲが目立つ人物になっている。 --メルも全体を通してやたらとネガティブシンキングな面が強調されており、賛否が分かれる。 #region(その他、目立つキャラについて 長いため下りたたみ) ***ロンドリーネについて -『ファンタジア』本編との橋渡しとして追加された女性。しかし言うほど橋渡しの役割は果たせていない。 --ダオスと過去に会ったことがあり、時空を超えて彼を追っていると言う設定だが、当のダオスを追う理由は「幼い頃にダオスと会ったがそのときの彼はとても優しく、戦争を仕掛けたダオスと同一人物とは思えない。そうなってしまった理由を本人に会って確かめたいから」という、個人的な私情によるもの。 ---上記の理由が判明するのもストーリーが中盤を過ぎてから。それまでは自分の目的を隠したまま思わせぶりなことを言いつつ、成り行きで仲間に入ったかと思えばダオスに会いに行くからと抜けるという期間が続く。 -彼女の出自設定に謎がある。 --後に発売された攻略本で「普通の人間と変わらない姿だがエルフの末裔」と正式に彼女の正体が公開された。~ これはエルフの中で稀に生まれる、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスの事を刺していると思われるが、現在のロンドリーネは普通に魔法を扱える。 ---『ファンタジア』と世界観を同じくする『[[シンフォニア>テイルズ オブ シンフォニア]]』では、アイオニトスという鉱石の粉末を摂取すれば人間でも魔術を使用できるという設定があるため、彼女がそれを用いて魔術を使用しているとも考えられるが、そういった説明は無い。 -まとめると、「生粋のエルフの子孫であるが、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスとして生まれたために村を追い出され、人間として幼少期を過ごし、後天的又は上記の手法にて魔力が身についたため魔術が使えるようになった」と説明すれば辻褄が合う。 --以降の外伝作品でも、ロンドリーネに関しては「エルフの末裔」という設定となっているが、それ以上が語られることはない。 --ロンドリーネ自身は至極常識人で、他のオリジナルキャラクターのような非常識な言動や行動が殆ど無く、『ファンタジア』の仲間内にはいなかったノリの軽い姉御肌な女性であり、デザインも藤島康介氏に近い絵柄で((デザインは松井麻依香氏。ちなみにこれまで藤島タッチの絵を披露していた奥村大悟氏は本作のパッケージイラストを描いている。))ファンは多い。 ***エトスについて -ディオとメルの親代わりとして登場した新キャラクター。 --原作ではディオとメルの親代わりを''ゲームのプレイヤー自身が務める''事で高い感情移入を生み、シナリオの''メッセージ性や深みがより増す''という評価点にもつながっていた。 ---エトスの追加はそれらの要素を否定するものとなっており、原作プレイヤーからの批判点の1つとなっている。 #region(ネタバレ注意。) -原作や小説版のように人間にではなく、人間と全く異なる存在である精霊のエトスに双子を託すというノルンの行動は、人間の本質を見極めるという目的には不適切なのではないかという疑問もある。 #endregion ***アルベルトについて -ノルンに命を与えられたクローゼットで、''本作における誰得要素の筆頭''。 --原作ではなりきり服はダンジョンの休憩地点などにあるタンスから出し入れしていたのだが、本作ではアルベルトがその役目を担っている。 -とにかく自分の欲望丸出しで協調性や節度が欠如しており、口を開けば後述する暴言や下劣なセクハラ発言ばかり。 --あまりの憎らしさから名前で呼ばれず、ファンサイドでは専ら(実際はクローゼットであるにもかかわらず)''タンス''と呼ばれている。 ---戦闘には一切参加しない上に都合が悪くなるとすぐに逃げる。かの[[モルモ>テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー]]を彷彿とさせるが、まだまともな発言もしてくれる時がある分''モルモの方が余程マシ''とすら言えるレベルである。 ---ダンジョン内で着替えが出来ないのも「着替え室がないから」という合理的なものではなく「アルベルトが危険のある場所には出てこないから」という身勝手なものになっている。((アルベルトは非戦闘要員でありその判断自体は妥当と言えなくもないが、その事を悪びれもせず堂々と宣言するためプレイヤーの反感を買っている。)) -極度の女尊男卑な思考回路であり、男性陣への態度は''殆どが上から目線の罵詈雑言or暴言''で固められている。言動の一つ一つをとってしても下品なものばかり。作中のキャラは構う価値は皆無と理解しているのか多くの発言は見事にスルーされているが、原作や『ファンタジア』本編のファンが聞き流せるかは大いに疑問。 --一方、女性陣にはメル:メルメル/ロンドリーネ:ロディたん/ミント:ミーたま/すず:すずちん…と言った気色悪いあだ名をつけた上にセクハラまがいの言動をとる。 ---例外的にアーチェだけは『凶暴なオバハン』呼ばわりし、セクハラ発言は勿論名前で呼ぶ事すら無く、基本的に男性陣と同じ横柄な態度をとる。 --言うまでもないだろうが、双子の扱いは常にディオ<<<<<メル。ディオに対しては他の男性陣と同様容赦なく下劣に罵りにかかる。((酷いモノだとディオに対して「毛も生えてねぇハゲぼうず」呼ばわりしたりする。もちろんこれは頭がハゲていると言う意味ではない。ここまで書けば何を意味するかは自ずと解るだろう。))挙句実質生みの親であるノルンにすら悪口を言い、極めつけには終盤のスキットで''プレイヤーにまで悪口を言ってのける''。 -もっとも有名と思われるのは、「''チェスターの妹・アミィ(故人)の事を罵り、その上兄のチェスターをシスコン&変態扱いする''」と言うスキットだろうか。当然妹を貶されたチェスターは怒りのあまりアルベルトに対して容赦ない態度を見せた………りはせず、半ばやれやれな態度で流しているに過ぎなかった。 --原作と『ファンタジア』のファンがプレイした場合、チェスターの背負っている背景((ちなみに、ファミ通文庫でのノベライズや『ファンダムVol.1』の彼らのエピソードなどでより深くその辺に触れられる。))・原作の魔鏡イベントも知った上でその暴言を聞かされる事になる。 ---チェスターの人生はアミィ無しには語れない。幼くして両親を亡くし、孤児となった2人を養う者は誰もおらず、自分で食い扶持を稼がねばならなかった。そんな苦境の中でも盗みなどの犯罪に走らなかったのは、その罪で自分のみならず妹も穢してしまう事を知っていたからである。アミィを愛し、誇りに思っているからこそ今の真っ直ぐな心を持つチェスターが居るのだ。しかもその妹は、『ファンタジア』冒頭で村を襲った軍隊に殺されている。 ---これに関連して、スキット内でのチェスターのやたらと落ち着いた対応にも時に批判が寄せられる。原作でのチェスターの性格((本編のドラマCDで、クラースに指摘ついでにすずとアミィを重ねて見ている事を示唆されただけでも激昂し掴みかかっている。当時はチェスターが気にかけているすずに懐疑的な追及を行うクラースに憤っていたのもあるが。))なら、ブチギレるどころか周囲の制止を振り切ってでもアルベルトを叩き壊しにかかってもおかしくない。 -一応、スキット以外ではでしゃばらないというのが最後の救いかもしれないが、当シリーズでスキットを聞かずに進めるのはプレイする楽しみがかなり減るので、そうもいかないのが現状。 --だが、着替えをした時等のシステムメッセージなどが何故かアルベルトの発言したものの体を取っており、加えてアルベルトの喋りに特徴的な訛りがあるせいで、嫌でも目に入り非常に鬱陶しい。 なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。 #region(スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。) ディオ達に魔物使いのコスチュームを渡したチェスター。メルのことを思わず「アミィ」と呼んでしまったあとのチャット。 |チェスター「アミィと間違えるなんてな……」&br()アルベルト「アミィって、おめぇの妹だか?」&br()チェスター「あ、ああ、そうだよ……」&br()アルベルト「ほぇ~~~、おめぇに妹がなぁ~~」&br()チェスター「な、なんだよ!人の顔ジロジロ見て」&br()アルベルト「おめぇみてーなキツネ目の妹っつーことは、そのアミィっての、名前に合った顔なんだなや」&br()チェスター「なんだよ、それ。アミィが俺に似てるって言いたいのか?」&br()アルベルト「みなまで言わんでええだ、ええだ。おめぇの顔見てれば、ぜぇ~んぶわかるだよ」&br()アルベルト「おめぇはかわいい妹が欲しかったんだ。だから、さっきメルメルをわざと間違えたんだど?」&br()チェスター「バカ言ってんじゃねぇっての」&br()アルベルト「あひゃぇ!当たっただ!図星だ!!こいつ、メルメルを狙ってる変態だーよ!!!」&br()チェスター「あのなぁ……そりゃ、お前だろ……?」| これはひどい…。 #endregion -そして極めつけに、開発室で聴けるスタッフによるアルベルトへの「''毒舌キャラ、楽しんでいただけましたか?''」 --「毒舌」とは、辛辣な悪口や皮肉を言うこと((近年の解釈では辛辣ながらも物事の本質を突いている、ユーモアを交えた皮肉等があり、純粋な悪口とは区別して使われていることが多い。その場合でもアルベルトはこれに当てはまらない。))であり、アルベルトのそれはただの「暴言」でしかない。 ---結果、アルベルトの発言の数々をお茶目要素であるかのように扱う開発陣への不信を煽るだけとなってしまった。 -こんな有様のため、アルベルトは満場一致で「''シリーズ最低のキャラ''」としての評価が定まる事となった((多くの言動が欲望に忠実過ぎるあまりキャラクターの語り口調として不自然なものも多く、中には「彼はキャラクターとすら呼べない、単なるスタッフの欲望のアバター」と評する者も。))。 --実際に『マイソロ3』のスキットや『エクシリア』のキャラにまつわるコピペなどでアルベルトがネタにされている。 ---またあまりに不評だったのか公式人気投票からはアルベルトの名前が削除されている。 #endregion ---- ***最悪の後日談 -シナリオ改変の影響で本編キャラクターの悉くがディオ達と出会わなければ''悲惨な末路を辿る事になってしまった''。([[参考動画(ニコニコ注意)>http://dic.nicovideo.jp/v/sm12276108]]) #region(ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。) |クレス|犯罪組織“シグルド”との戦いの中戦死。| |ミント|クレスの死に絶望して自殺。| |クラース|召喚術の論文が認められず生きる希望をなくし、酒に溺れた末に死亡。| |すず|魔界の王プルートと刺し違え戦死。| |チェスター|不明。| #endregion -改変の結果『ファンタジア』本編までも巻き添えにしているため、『ファンタジア』本編のファンからは凄まじい反発が起きた。 //-これらはアーチェの口から語られるのだが、彼女はその間ずっと眠っていたらしい。 //--ファンタジー作品において「長命を維持するため、定期的に休眠状態になる」という設定は割とお馴染みだが、少なくとも『ファンタジア』のエルフ(及びハーフエルフ)にそのような設定は存在しない。 -仲間達が辿った悲劇を知るアーチェと悲劇を逃れたキャラクター達が揃うという「アレ?」と思える現象も起こっているが…。 -似た事例だと『[[デスティニー>テイルズ オブ デスティニー]]』の主人公スタンの[[続編>テイルズ オブ デスティニー2]]での扱いもかなりの批判があったが、本作の場合はそれすらまともに見える酷さを誇る。 --スタンの場合は「長年一線を退いていた」「愛剣ディムロスを失い、全ての昌術と多くの特技が使えない」「家族同然の存在を人質を取られ、武器を捨ててされるがままに殺された」「非常に凶悪な敵が相手だった((『バルバトス・ゲーティア』という残虐非道な狂戦士で極めて高い実力を持ち、現役(『デスティニー』)時代のスタン達メンバーを真っ向から戯れ半分で圧倒していた。また勝利の為ならば前述の通り人質をとったり罠を仕掛けたり、卑劣な手段も躊躇なく行う。))」後の展開にもある程度活かされている等、相応のフォローがあった。 --ミントに関しても、悲観から安易に死を選ぶような人物ではない。冒険の中で苦境にも折れない芯の強さを身につけた女性である。 --これらの後日談が納得のいく流れであるのならばここまで批判される事は無かったかも知れないが、ストーリー上有り得ないと思われるような展開を具体的な描写もなく追加したことで原作のファンから反感を買うこととなった~ #region(ネタバレ注意。) -クラースが論文を燃やされたのは、論文を提出するより前に召喚の契約を破棄してしまったせいで召喚術を証明できなかったからである。冗談のような話だが召喚を証明できなかった部分以外は''公式サイトにも書かれている内容''である。 --『ファンタジア』で契約の破棄を明言していたのは闇の精霊シャドウのみで、他の精霊たちとの契約破棄は本作のみの設定である。「召喚術の悪用を防ぐ」という意図だったようだが、そもそも精霊たちは契約の指輪さえあれば誰の言うことでも聞くわけではない。((精霊が力を示せと要求した場合、戦って勝利しなければならない。また精霊との関係は対等であり、一方的な命令は出来ない。事実、決戦前夜のアーリィの宿でのイベントにて、クラースの『過去の世界に居るミラルドの様子を見たい』という要望に対し、オリジンは『初めての主の願いであれば、一度だけ』という条件で従い、未来視については先んじて拒否している。))あくまでクラース個人との契約である以上、解除する必要はなかったはず。 #endregion #region(余談) --『ファンタジア』の後日談に当たる第一部は、原作ではシナリオらしいシナリオは無く、本編キャラクターの協力を仰ぎながらディオ・メル・クルールの3人で精霊の試練を受けていき、封印された性格を解放していくというものであった。その反面で前述のたのまれごとの内容がかなりヘビーなものもあり、こなさなければ後半のダンジョンの扉が開かないため、実際はそこまで淡泊に感じさせないようにはなっている。 #endregion ***その他の問題点 -リメイク作であるにもかかわらず、原作での人気曲「DARK MIND」「Judgment」など、あいだとしき氏による曲は一つも採用されていない。 --「あいだとしき氏はギタリストの会田敏樹氏で、権利関係のために使用できなかった」と一部で推測されているが詳細不明。 --その代わりにシリーズお馴染みの桜庭統氏が新曲を書き下ろしているが評判はあまりいいとは言えず、特にラスボス戦の曲はファンからは「どう聞いても通常戦闘のノリ」と言われている。 ---『ファンタジア』の音楽のアレンジも音がこもっている、主旋律が聞きづらい、異様にがしゃがしゃしていてうるさい、などと不評である。 -発売前にやたらと押されていた『テイルズ オブ グレイセス』の主人公・アスベルのコスチュームはパスワード入力でしか手に入らない。 --もっとも、これまでのDLCやアンロックキーと違い、パスワードは攻略本やネットに全部載っているので、探せばすぐ見つかるレベルではある。 ---2010年12月ごろから公式HPに全て公開されている。 ---- **評価点 -原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるようになり、パーティの選択肢が大幅に増えた。 -戦闘システム、ハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていた原作に比べると大幅に改良された。 --『PS2版テイルズ オブ デスティニー(以下リメD)』『ハーツ』にあった「同じ術技だけ使っていればいい」という問題点は、同じ術技が連続で出せなくなった事により解消された。 ---なお、「通常攻撃→特技→奥義」の通りにしか技の連携が出来ないためリメDやハーツほど連携の自由度は無いが、特定のスキルの修得で連携の幅も同じようになる。 ---本作では通常攻撃が術技と同様に着脱可能であり、×ボタンに通常攻撃・〇ボタンに術技なども可能。携帯機ではセットできる術技が少ないといった問題に対する一つの解ともいえる。 -仲間モンスターを自分で動かすことが出来る。このシステムが初搭載された「ラタトスク」ではモンスターは全てAI操作であったため、自分で動かすことが出来なかった。 --仲間モンスターの中には『''クレイアイドル''((トラクタービーム以外の全ての攻撃を無効化する。トラクタービームを使う敵はいるので完全無敵と言うわけではないのだが、足が非常に速いうえ、トラクタービームを使わない敵には絶対に負けない))』などのとてつもなく強力な性能を誇るモンスターもおり、本来『敵だから許されている』凶悪性能の技や体質を思う存分使用することが出来る。 --『テイルズ オブ デスティニー2』の強敵ガープや、2周目以降の隠しダンジョンでは作中に登場するボス(の色違い)まで仲間にすることも可能。 --今作のモンスターはアイテムも使用可能になっており、更に人間キャラが倒されても全滅扱いにならなくなっている。この点もラタトスクの欠点を解消した形となっている。 --ちなみに仲間モンスターには''隠しダンジョンの裏ボス''もおり、まさかの秘奥義まで搭載されていたりする。 -ダンジョンがランダムダンジョンから『ファンタジア』の固定ダンジョンになった。 --当時の2頭身のトップビューではなく、『デスティニー2』等の3頭身2Dテイルズのクォータービュー風に書き直されており、それでいて当時の地形を模した作りのため懐かしみつつも新鮮な気分で冒険ができる。ギミックもしっかりと踏襲。 --暗黒時空のダンジョンは地下墓地等の通常世界で拾われなかったダンジョンが元になっている。 -バンナムの他作品とのコラボ要素があり、『[[アイドルマスター]]』や『[[塊魂]]』などのなりきり衣装が存在する。 --それ自体はコスチュームのバリエーションの増加に繋がっているので評価出来るのだが、大元が3D作品のコスチュームで秘奥義を使用した時のカットインがそのまま3Dグラフィックで挿入されるため、ゲーム自体が2Dグラフィックで表現されている本作では違和感が強く、諸手を挙げて評価出来ないとする意見も出てきてしまっている。 ---- **総評 名作のリメイクと聞いて期待されていた本作だが、蓋をあけてみれば「評価の高かった原作要素を削り、賛否の分かれるキャラやストーリー追加した作品」という評価を受けてしまった。~ リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点ぐらいである。~ また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。~ ファン感情を抜きに単体のゲームとして見れば、ゲームプレイに差し障るバグなども無ければ、シナリオなどを除けばゲーム全体的に致命的欠陥があるわけではない為、本wikiの基準では上記の判定になっている。 #co{**なぜここまでの原作改変が起こったのか バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も筋が通っているとは言い難い。 #region(''「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」'') -確かに原作ではメイン・サブ問わず人間の負やしがらみをモチーフにした陰惨なシーンが多数存在したため、頭から否定はできない。ファンの中でも原作のシナリオを完全に再現したら、間違いなくCERO指定がかかってしまうだろうと考えていた人が多かった。 --CERO指定を引き上げれば売り上げに影響しかねない為、それを避ける意図で改変を施すのはやむを得ない処置ではある。CERO指定が関係なくても主人公達の重すぎる過去や暗い内容のたのまれごとなど今の時代に、ハードの進化に合わせて演出を強化すれば炎上する可能性も充分あり、他のシリーズ作品へ悪影響を及ぼす余地を考慮するならばこの''考え方自体は企業として至極全うな意見''である。 --ただしその一方で、''アルベルトの暴言や下品な発言の数々はスタッフ達の間では倫理的に問題なかったようだ。''アルベルトの発言も大半がCERO指定の1つ2つ引き上げかねない代物なのだが。そしてアルベルトの存在そのものがプレイヤー達の間で大炎上してしまった。 ---もちろんメインシナリオと脇役の存在を同列に語るのはやや過剰反応であるし、倫理的な問題も原作のシナリオとアルベルトではやや意味合いが異なるのであるが。 #endregion #region(''「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」'') -しかし本作が''公式な後日談''となったため、''原作を否定し自分達のリメイク版を推している''と解釈できてしまう。むしろファンにとってはそれ以外に解釈の余地がない。 --事実、会社側がゲーム雑誌などで原作であるGB版ではなく本作こそが本来の「なりきりダンジョン」だと宣伝している節がある。((もっとも顕著な例が「テイルズ オブ 大全 1995-2011」での原作の扱い。)) --ただし雑誌や本の製作や宣伝にどこまでこのゲームの製作者達が関われるかはわからない。原作とリメイク版では設定やシナリオがやや異なっているためプレイヤーサイドの混乱を避けるための処置ととれなくもない。 ---しかし、大前提として原作の設定やキャラを悉く捻じ曲げ、目玉の要素を悉く削ぎ落とし、シリーズ作品の設定すら無視しての「新たな可能性、物語」とは何なのか。そしてこれを「リスペクトした」と言えるのか。これでは寧ろ「ディスリスペクト((disrespect。名詞的に「軽視、軽蔑、無礼」、動詞的に「軽視する、軽蔑する、無礼を働く」などの意味合いを持つ。日本では「ディスる」「ディスられる」の形で使われることが多いか。))」と言うべきものである。 ---そもそもアルベルトが原作から登場している''ディオを侮辱し''、''メルにセクハラ発言をし''、''クルールには喧嘩をふっかける''、リスペクトした結果こんなキャラクターが生まれたと言われても納得できるファンがいるのか…。 #endregion …と、突っ込みどころ満載な発言ばかりな為、&bold(){自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳}だと捉えている者も少なくない。} #co{またアルベルトの存在が開発者達の思想や設計に対する説得力を無くしている。~ 本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえることもできただろう。~ もちろんこれは長いインタビューから一部を抜粋しただけにすぎないので、発言の切り抜きをよしと思わない方はぜひ攻略本を手に入れて読んでみて欲しい。~ 納得できるか逆に突っ込みどころが増えるかは個人の考え方や読解力次第である。} ---- **余談 ''発売後'' -メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であったが、上記の悪評によりかつては市場に中古が溢れている状態となってしまっていた。~ --同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。 ''ゲーム内容外でのアルベルト関連'' -改めて言うことでは無いが、''キャラクターを演じた声優には一切の非はない。''((クリア後の開発室にいるスタッフから「ノリノリで龍田氏がアドリブをしまくった」と言った旨の発言があるが、これに関してはあくまでアドリブをしたのは演技面についてであり、問題のある台詞回しは元々用意されていたものである。)) //そもそも、声優の独断で好き勝手に改変できるわけがないのは言うまでもない。 --龍田氏に対しては、このキャラクターのせいで一緒くたに叩かれかねない事に対する同情もあるが、「''アルベルトというキャラクターをその演技で更にプレイヤーを苛つかせる位に完璧に演じきった''」と評されるべきだろう。表現がネガティブになってしまっているが、あくまでアルベルトというキャラクターの立ち位置などを受けての表現であり、この場合は演技を批判する意味で用いていないのでそこは了承願いたい。 -上述した不快な要素ばかりが詰め込まれたキャラクター性もあって、「タンスのウザさに耐えるのもノルンから(''プレイヤーヘ'')の試練」等と言われてしまっている。 --二次創作のイラストでは、アルベルトが燃やされている絵が大量に見られる((俗に言う『キャラヘイト』))。作中でアルベルトにこれといった制裁が加えられない((ロンドリーネが冷たく当たることがあるくらいである。))事と決して無関係ではないだろう。 ---また、テイルズ関係の2chスレでは、アルベルトのような口調のカキコがあると、ほぼ必ずと言っていいほど「紅蓮剣!」「エクスプロード!」といった感じで''火属性''の強力な技・術によるレスがかえってくるほか、Amazonでの評価も辛らつで、ほぼ全てのレビュアーがアルベルトを不満点として挙げている。 --普段ならば、ことバンナムに対してそのえげつなさから批判意見の多いDLCだが「&color(red){''タンスの存在を消せる追加コンテンツだったら数千円払ってでも買う''}」という意見すら上がっているところからもプレイヤーがどう見ているかが分かってもらえるのでは無いだろうか。 ---シリーズ他作品でも毒の強い性格や極端な言動・描写で賛否を招くキャラは少なくないが、彼らなりの信念や筋は通しており、そこを評価し彼等を好くファンもまた多い。日常会話においても最低限の節度はしっかりと弁えており、アルベルトほど無秩序なキャラは皆無である。 ''キャスティング関連'' -シリーズでは珍しく、ディオ・メル・クルールの声優は過去に発売されたドラマCDで担当した声優とは違う人物が担当している((ディオ:くまいもとこ氏→斎賀みつき氏、メル:柳瀬なつみ氏(現:やなせなつみ)→阿澄佳奈氏、クルール:永島由子氏→伊藤美紀氏(表記は「原作のドラマCDにおける声優→Xにおける声優」で表記)。))((担当声優の逝去・兼役以外の理由でメインキャラの声優が変更された例は『ファンタジア』のミント(基本的に岩男潤子氏が担当しているがSFC版・GBA版のみこおろぎさとみ氏が担当)や『アビス』のイオン(ゲーム版では大谷育江氏だが、ドラマCD版では釘宮理恵氏、テレビアニメ版では小林由美子氏が担当)などがある。))。 --攻略本によると、ディオとメルの性格を掴むための資料としてこのドラマCDも使用されたらしい。しかしなぜ声優が変更されることになったのかは不明。 ---誤解のないように書いておくが、変更後の声優の演技についてもディオ役の斎賀氏の演技など広く評価されている。 ---また、元々のドラマCDの声優陣もキャライメージに合った優れた演技で評価は高かったこともあり、本作でキャスティングが一新されたのはそもそも原作におけるドラマCDの存在自体を知らず、あとになってその存在を知った((要は「キャスティングを決めたあと、ストーリーやキャラクター付けでの情報収集等の中でドラマCDの存在を知り、申し訳程度に参考資料として用いた」といった案配。))からという噂がファンの間で流れたこともあった。~ もちろんこの噂は情報源やソースが見つからない完全な噂であるが、かつてドラマCDでミクトランの声を担当した声優が続投した過去がこの噂を加速させた可能性もある。 ---- *同時収録・テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。~ 詳細は[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]を参考にされたし。 ----

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