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-アニメ化もされたライトノベル『ベン・トー』を執筆し、その後大ヒットしたオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』の原案を担当したアサウラ氏がシナリオ執筆という触れ込みのとおり、ストーリーは短めながらもしっかり作り込まれている。何度もプレイして明らかになる謎や登場人物の内面も多く、奥が深い。 --秋葉原で人間を襲い、吸血するカゲヤシ。そのカゲヤシに対抗すべく組織されたNIRO。ある事件からカゲヤシ化した主人公はNIROのエージェントとして秋葉原を守る為にカゲヤシ達と戦う事になるのだが、そのカゲヤシにも人間との共存を目指す勢力が存在したり、また、NIROも必ずしも正義の組織とは言えない側面を見せていき、事態は混迷していく。 --正規ルートでは主人公はNIROともカゲヤシとも袂を分かち、人間とカゲヤシの共存を目指すヒロインの為に戦う道を選ぶ。そして街を守るため、秋葉原市民達と一致団結して最後の決戦に臨む終盤の展開は熱い事この上無い。 ---正規ルートの終盤戦ではストーリーで出会った脇役や、サブミッションのキャラも主人公に力を貸してくれる。作中の世界観にのめりこんでいればいるほど胸が熱くなる演出となっている。 --一方、別ルートでは主人公自らがヒロインを手に掛けると言う鬱展開も用意されていたりと油断ならない構成になっている。 ---そのルートでは本来主人公と敵対しなくても良いはずのカゲヤシ達も屠っていく事になり、最終的に秋葉原に平穏が戻るとは言え、ヒロインの死、黒幕の一人勝ちと言った結末を辿る為、バッドエンド色が濃いルートとなる。しかし主人公の当初の救出対象だった友人が完全に回復した様子が描かれるのはこのルートだけであり、全く救いが無い訳ではないのが憎い作りである。 --主人公も顔無しキャラながら他のキャラに埋没するような事は全く無く、寧ろ本作は全編が彼の見せ場である。 ---言動や行動は選択肢に委ねられるが、ほぼ毎回ネタ選択肢が混ざるので周回プレイにおける選ぶ楽しみもある。設定が設定なので、時にはネタ選択肢が一番しっくり来る、なんて事も。 --以降の作品やアニメ版のような美少女ゲーム・萌えアニメ的要素はあまり多くはないので、ストーリー面に限って言えば多くの人に勧められる。 -敵の服をはぎ取る「ストリップアクション」も、単純でこそあるがやり込み次第で一度に多くの敵の服をはぎ取ることができ、なかなか気持ちいい。『[[MGSPW>メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』の連続CQCをさらに派手にしたような感覚。 -服や武器は好きな物を持ち歩くことができる。好きなキャラの見た目を好きな風にいじるだけでもなかなか面白い。 -3Dキャラは不評だが、会話時に出てくるキャライラストは普通に出来が良い。ストーリーの良さもあって、男女、敵味方、常識人''変態''問わず、魅力的なキャラが揃っている。 --メインキャラ以外にはイラストの表示は無いが、キャラクター性自体はサブキャラ達も良好。サブミッションの関係者も濃い面々が多い。 ---中盤のボスキャラである「JKV」はその容姿から人気があり、OPアニメにも登場しているのだが本編中は残念ながらイラストは無い。 -秋葉原の再現度はかなり高く、ただ歩いているだけでも本当に秋葉原を歩いているような感じになれる。実在の店舗や企業とのタイアップもあってか、背景の看板はもちろんローディング中には秋葉原に関連する会社や商品の広告((それに混じってファミ通グループの広告も入っている。))が登場するといった要素もそれを裏付けている((一部、権利関係などで差し替えられているところもあるが、それを差し引いたとしてもかなり力を入れている所が窺える。))。 --例えば「とらのあな」のテーマソングや「カレーパンの歌」といった音楽があったり、現実世界でも問題になっていた絵画商法の勧誘(通称:エウリアン)を模した人物まで登場する。 -小ネタが非常に多く、おでん缶やら他ゲームのパロディやら魔法少女、かの「[[邪神モッコス>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]」のパロディなどもあり、知っていると思わずニヤリとしてしまう。 ---- **問題点 ''ソフト本体の問題'' -携帯機なのにやたらとローディングが多い。店に入ったり、エリアを移動する度に頻繁にローディングする。ローディング時間も地味に長く、酷い時には''ローディング時にフリーズしてしまう''ことも。 --ローディング時に表示されるキャラアイコンを動かさず広告画像を表示しないように設定することで、フリーズの発生確率を下げることはできる。が、あくまでも「''下げるだけ''」であり、ゼロにはならない。 -ロード時間を減らすためのデータインストール機能には対応しているが、インストール後もほとんど恩恵を感じられない。 --これは元々本作のインストールデータが小さいため。多くの作品では10~20分程度かかるインストール時間が、本作では''5分程度で完了する''。 -さらにやたらと処理落ちして動きが遅くなったり、酷い時にはロードが間に合わず移動中に突然人や敵が出現することもある。 ''アクション性の問題'' -最近のアクションゲームでは大抵付いている、自由に攻撃対象を切り替えられるロックオン機能が無い。基本的に近くの敵に勝手に狙いを定め、攻撃を喰らったりした際にその方向に勝手に振り向く。 --「ロックオンできない」アクションゲームは他にも散見されるものの、本作ではそのせいで''「攻撃したい相手を攻撃できない」「攻撃したくない相手に攻撃を当ててしまう」「逃げようとしても正面を向けない(向こうと思ってボタンを押すと敵の方向にふり返る)」''などといった致命的な欠点に繋がっているため無視できない。思うようにいかず、プレイヤーにストレスを溜めてしまうのである。 ---特に一般人から服をはぎ取るには、自分から喧嘩を売るか、戦闘に無理矢理巻き込むくらいしか方法が無い。前者は友好度が低めでなければできず、後者もこのシステムのせいでやりにくい。 -カメラワークも悪い。 --Rボタンを押せば正面を向けるのだが、一部シーンでは効果がない。それどころかメチャクチャにカメラが動き回ってプレイに支障が出る事もある。 -攻撃を喰らった際の無敵時間など全くと言っていいほど無い。そのため一度攻撃を喰らうとたちまちボコボコにされてしまう。 --大抵のゲームでは無敵判定が生じる起き上がりながらの攻撃も、本作では敵の攻撃を喰らうとあっさり潰されてしまうどころか倒れてる最中にも攻撃が当たってしまう。 --さらに酷い時には大勢の敵に身動きもできないままタコ殴りにされ、服が破けてゲームオーバー……などということもよくある。特に本作では1対複数の戦いが多い為、この事象は頻繁に起こる。 -攻撃技も若干出しにくく、そして当てにくいものが多い。 --威力は高く隙が大きいガード不可能攻撃も、あまりの出しにくさと隙の大きさに1対1では間違いなく決まらない(乱戦時でも攻撃がかすった程度で呆気なく止まる)他、うっかり暴発して隙を作ってしまうこともある。代わりにボコボコにされている時に敵からこの技を正確に当てられることは多く、理不尽感が増している。 --習得できる特殊技も、ほとんどが実用性の低い技(隙が大きかったりリーチが短かったりなど)ばかり。ネタとして使う分には悪くないのだが。 --このため戦闘は「弱攻撃をひたすら連打し、服が脱げかけたところでストリップアクション」にほぼ固定されてしまい、戦闘の面白みがなくなる。 -モーションも全体的に野暮ったい。 --特に素手による下段攻撃。普通はローキックのようなものを想像するが、本作ではなんと「体を前に屈めて敵の足元を殴る」というもので、実際見ると結構格好悪い。 --さらに、攻撃を喰らって吹っ飛ぶ際も明らかに不自然な動き(空中で犬かきしながら吹っ飛ぶ、と言えば分かりやすい)である。『[[新宿の狼]]』や『喧嘩番長』と近似したモーションが多々見られるので、一部使いまわしている疑惑がある。 ''ビジュアル面の問題'' -登場キャラはみんな3Dグラフィックなのだが、非常に出来が悪い。 --表情は一切変化せず、画質も粗くて脱がせても色気の欠片も感じられない。さらに動作もカクカクしており、まるで一昔前の出来である。 --特に主人公は、立ち絵は地味な青年といった感じだがゲーム内ではダルそうな顔をしたツンツンヘアーである。 -誰の服を剥いでも、下着はキャラモデルのままで固定。人ごとに違う下着なら良かったのに。 --服は自由に着替えられるのなら、下着も自由に着替えられる仕様でもよかったはずだが…。 --一応主人公の下着は変更可能なのだが、「主人公が下着になる=ゲームオーバー間近」なので、特に意味はない。次回作では「透明の装備」が追加され、着衣のまま下着を満喫できるようになった。 --また、靴も変更できず、カツラなど髪型を変えるアイテムも無いので、コスプレをするにしても女装をするにしても中途半端な恰好になってしまう。 ---下着の変更をすれば靴も変わるが、性別で種類は固定なのでやはり選択の幅は狭い。 -周回プレイ時には主人公のモデルを変更できるようになるが、主人公以外のキャラモデルは移動スピードが遅くて使いにくい。また一部のイベントを除きイベント内容も変わらず、選択肢も台詞も男性対応のままで変化しないので、ほとんど意味がない。 --女性キャラにした場合、妹は「お姉ちゃん」と呼んでくれるが、ある条件を満たすと見れる妹エンドでは「お兄ちゃん」に戻っている。さらに装備品の性能も男女差が少なく、細かいところの配慮が行き届いていない。 --キャラモデルにはおっさんやおばさんといった使いたくないキャラも追加される。ちなみに''作中ではストーリーイベントにより半強制的に女装をするところがある''。まずいないと思うが、キャラモデルにおっさん系を選んでしまった時は……。%%いや、でもそれを選ぶ人なら最初から問題はn(ry%% --何故かゴンちゃんにキャラモデルを変えることは出来ない。道行くおっさんや高校生にはなれるのに何故? ---これは妹も同様。レアな服を入手するためには便利なのだが…。 -吸血鬼を脱がすと恥ずかしがる事も無く、太陽の光にやられて化け物のような断末魔を上げつつ灰と化して消えていく。 --設定上仕方ないとは言え、折角美麗なキャライラストを用意し、設定も様々だというのに、これでは萌えもクソも無い。 ''その他の問題'' -ゲームの重要な要素の一つであるカメラ撮影は基本的にいつでもできる。が、撮影対象に近づきすぎると何故か映らない。さらに縦にしての撮影も不可能。 --恐らく下着姿の相手を至近距離で撮影できないようにする為の処置だと思われる。 -何故かプロローグの会話だけがフルボイス。他は全てボイス無しなのに、何故ここだけフルボイスにしたのだろうか? --後年の開発インタビューによれば無印の時点では冒頭以外はボイスを入れない仕様で確定していたとのこと。 -本作はマルチエンディングだが、エンディングに関わる選択肢は終盤しか出ない。そのため周回プレイでも序盤から中盤は全く同じことの繰り返しになり、段々作業ゲーじみてくる。 --ただし、序盤からの選択肢の選び方によっては特定エンドへ行くための選択肢の項目が消滅することがある。 -「バグワイア」という悪名通り、上記のローディング時にフリーズバグ以外にも様々なバグ・不具合(ジャンプ後着地すると硬直する等)が確認されている。 ---- **総評 斬新なコンセプト・再現度の高い秋葉原・高品質なストーリー・キャラクターデザインなど、目を見張る物はある。~ しかし、「難だらけの操作性」「色気のないグラフィック」「バグやフリーズが多さ」など、決して無視できない粗も目立つ。~ 細かな部分までしっかりと作り込まれていたならば、評価はもっと上がっていたはずであり、良作と呼ぶには今一歩惜しい。~ とはいえ、リメイク版や続編、アニメ版などでシリーズが展開していった事から、一定の支持を獲得できたのも確かである。 ---- **余談 -企画段階では、敵に放射線を浴びせて倒すゲームだった。 **その後の展開 -2012年6月には本作のリメイク『AKIBA'S TRIP PLUS』(後述)が発売された。 --PLUS発売に前後して電撃マオウにて漫画版も連載された。内容は正規ルートに沿ったもので、オリジナルの描写も加えられている。 ---主人公は勿論キャラ付けされているが、ネタ選択肢を時折挟みつつも全体的に正統派主人公として描かれている。妹も名前付きで登場。 -更に2013年11月には続編の『[[AKIBA'S TRIP2]]』がPS3、PSV用ソフトとして発売され、PS4とWindowsにも移植された。詳細は当該記事を参照されたし。 -2017年からはTVアニメ版も放送開始。舞台は同じ秋葉原だが、ストーリーとキャラクターはアニメオリジナルとなっている。 --ハイテンション且つ美少女キャラを前面に押し出した萌えアニメに近い作風であり、アイドル声優を多数起用しつつ各話ごとにその声優ユニットの歌をエンディングテーマにしたりなど、オタクの聖地を舞台とした作品らしくストレートにオタク向けとして制作されている。一方で、ストリップアクションや他作品の様々なパロディ、一部のシリアスなストーリーなど、ゲーム本編に近い作風も取り入れられている。 --『1』及び『2』のキャラもモブとして登場している。 --ちなみに監督とシリーズ構成は後に『[[キラッとプリ☆チャン]]』のアニメ版を手掛ける事になる。%%モブなど一部のキャラクターが妙に簡単な作画で済ませられている所など%%作風や芹澤優や三森すずこなどキャストに共通点も見られている。 -シリーズ10周年を記念し、『~PLUS』ベースのHDリマスターである『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』がPS4とSwitchにて2021年5月20日に発売された。2021年7月21日にはWindows(Steam、GOG)版も発売された((Windows版は海外版タイトルである『AKIBA'S TRIP: Hellbound & Debriefed』もSteamの販売ページ内に併記されている。GOG版は海外版としての配信だがこちらも音声/UI/字幕は日本語対応。))。 --尚、リマスター版は原版にあった「実在企業との各種タイアップコンテンツ」が架空のもの(いわゆるパロディもの)に全て差し替えられており((これは看板に書かれている店名やロゴ等も当然含まれている))、ローディング中に登場する「秋葉原に関連する会社や商品の広告」はキャラ紹介や地域紹介に差し替えられている((これらは当時タイアップした実在企業とのコンテンツ使用許諾契約が既に終了していることや現存しないものがあるためと考えられる。))。 --しかし、設置物などが高画質化されていない問題や戦闘に支障が出る不具合の多さで評価は高くない。 ---- *AKIBA'S TRIP PLUS 【あきばずとりっぷ ぷらす】 |ジャンル|アクション・アドベンチャー|#amazon(B007PBNMI4)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|アクワイア|~| |発売日|2012年6月14日|~| |定価|UMD版:3,990円&br;DL版:3,200円|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|改善した箇所は見受けられるが…&br;ストーリーの追加はない&br;バグも所々残る|~| **概要(PLUS) 斬新なアイデアながらも粗削りな部分も多かった無印版のリメイク作。~ 様々な追加要素がある他、無印版のセーブデータをそのまま引き継ぐ事が出来る。そして引き継げば特典も入手可能。 同年7月25日にアップデートデータの配信が始まった。~ 下記で述べる大きな問題点は変わらないものの、バグや細かい不具合の改善、ちょっとした新機能(妹に図鑑情報を調べてもらえる(勿論有料)、主人公以外のモデルでも移動スピードが落ちない、など)が追加される為、本作をプレイする場合は忘れず利用しよう。 ---- **変更点・改善点 -無印では音声付きのイベントはプロローグのみだったが、本作ではメインストーリーを全編に渡ってフルボイス化されている。 --また、ストリップアクションを決めた際に脱がされた対象キャラが「恥じらいボイス」を発するようになった。 -全てのキャラクターの3Dグラフィックがリファインされ、原画に近いデザインになった。また、キャラクターが喋っているときによく見ると口が動いている。 --イベントシーンのカメラワークも変わっており、キャラの顔がよく見えるようになっている。 -発売時の2012年の秋葉原を再現。それに伴い一部施設が変更されている。 --洋服屋「再建」は別の場所になり、代わりにUFOキャッチャー(後述)がプレイできるゲームセンターになっている。 -ロード時間が短縮され、それに伴いローディング中のフリーズも発生しにくくなった。 -新アイテム及びサブミッションの追加。 --新ミッションではラスボスを凌ぐ強敵が何人も登場する。 --但し、受注可能期間が非常に短いものや、発生条件が厳しいものも存在する。自力で新ミッションを網羅するのはなかなか難しい。 --サブミッションの後記は無印では淡々としたコメントが殆どだったが、新ミッションはネタに走ったり妙に皮肉の利いたコメントが多くなっている。 -衣装の大幅追加。また、無印ではDLCだった衣装も最初から導入されている。 --パロディ的衣装や完全にネタに走ったものなど、思わず吹いてしまうような衣装も多数追加された。 -ストーリー後半のダブプリのライブシーンは無印ではバックに歌が流れるだけだったが、本作ではフルアニメーションになった。 -会話時の妹のバストアップが追加された。イラストがあるにもかかわらず無印では不出来なポリゴンでしか表示されないキャラだったので、大きな改善点である。 --また、妹の服装がイラスト同様に学校の制服になっている(無印では私服だった)。らくがき帳の絵も新しく描き直されている。 -開発者もサジを投げるという凶悪難易度「ホリックモード」が追加。 --冗談抜きで凶悪である。''ザコ敵の通常攻撃ですら5桁のダメージを平然と叩き出す''ので、いくら服の強度を上げても無駄と言う有様。まともに相手をしてはとても生き残れるものではないので「(同様に超強化された)市民達をけしかける」といった戦術が必須。正にホリック(中毒)と呼ぶしかない難易度である。 **問題点(PLUS) -相変わらずキャラクターの動きはぎこちない。無印で難のあった操作方法や戦闘はほとんど改善されていない。 --ロックオンが相変わらず出来ないのも辛い。新たに追加されたミッションには大量の敵を相手にするものもあるので、無印以上の苦行を強いられる場合も。 --アクションは改善されないまま、追加されたホリックモードは看板通りの凶悪難易度。しかも、追加隠し要素解禁に各ルートクリアする必要がある。 ---只、ホリッククリアの解禁内容が、何故かメインキャラの2Pカラー的な物なので、魅力に乏しいのが救いと言えば救いか。 -フルボイス化されているものの、誰も主人公の名前は呼んでくれない。 --自由に変更できる主人公の名前を呼ぶのは難しいので、例外((ときめきメモリアルシリーズのEVSシステムなど))はあれど一般的にはそれが普通である。しかし本作の場合は主人公の名前の部分だけが無言になるので、例えば「私は(主人公の名前)と一緒に」という台詞であれば「私は……と一緒に」というボイスになってしまっている。 ---台詞の最初に主人公の名前が来ようものならその部分''だけ''をすっ飛ばして発声するのでひたすらおかしい台詞になってしまう。せめて「君」「お前」「彼(彼女)」などと呼ぶようにできなかったのだろうか。 -パッと見は良くなったキャラクター像。しかしモブキャラクターは近づいてみると無印同様におかしい。特に店員はほとんど変わってない。 -新たに追加されたUFOキャッチャーがあまりにも鬼畜。立体型のUFOキャッチャーなのだが、信じられないことに''照準として使えるUFOの影が無い''。 --そのため目当ての景品を狙いたくても奥行きが掴みにくい。何度もプレイして覚えるしかないのである。そしてUFOキャッチャーのお約束として、''ちょっとでもずれてると落としてしまう''。 ---実は見た目とは全くずれた位置に重心があり、景品毎に異なるその"見えない"重心を記憶する必要がある。むしろ''あえてずらした方がとれる''という謎仕様。 --さらに言うならあるアクセサリーの入手条件がこの鬼畜なキャッチャーで''一回のミスもせずに全ての商品を入手すること''。単なるオマケ要素ではあるが。 -新コスチュームの入手条件に運が非常に絡むものがある。 --特にチアリーダーの衣装は、あるサブミッションで戦うキャラが纏っているのだが、そのミッションで戦う相手は三人中の一人がランダムで選ばれると言うものであり、誰が選ばれるかは''ゲームスタート時に決まっている''。つまりそのキャラが出なかった場合はまた最初からやり直さなければならない。 --しかもそのミッションの開始条件は手順が多く、何人もの敵と戦わなければならず面倒。本作はいつでもデータを引き継いでゲームスタート時に戻る事が可能だが、レベルは引き継がれないので手早く進める事もできない。 --極めつけには、難易度がヲタク(無印の最高難易度)以上でなければ他でも手に入る別の衣装になってしまう。よってそこに辿り着くのすら一苦労であり、とにかく運と忍耐力とプレイスキルを要される。 -無印ほどではないものの、相変わらずバグやフリーズもある。 --ライバルキャラである阿倍野優はトゥルーエンドルートでは主人公の行動次第で生死が決まるのだが、死亡したとしてもエンディングでは生存扱いになっている。無印ではそのような事は無かったのだが。 -追加ストーリーは無し。 --元々ストーリー面の評価は高かったが、せっかくのリメイク作なのだから新規シナリオや本編の追加イベントが欲しかったという声は多い。 ---- **総評(PLUS) 無印にあった不満点は大分改良されているものの、相変わらず出来が粗い部分も多い。~ しかし改善されたかどうかで言えば間違いなく「された」と言える出来にはなっている。改悪点は皆無なので、「無印か『PLUS』のどちらをプレイすべきか?」なら『PLUS』の一択だろう。~ 後の『ファーストメモリー』も『PLUS』ベースではあるが、タイアップ関連が差し替えられているため、オリジナルの『AKIBA'S TRIP』を完全な形で楽しめるのは本作の特権である。
「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容は(バカゲー要素の増強)です。 ---- 注意:このページでは、『AKIBA'S TRIP』とリメイク作『AKIBA'S TRIP PLUS』を紹介する。判定は共にバカゲー。 ---- #contents() ---- *AKIBA'S TRIP 【あきばず とりっぷ】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|#amazon(B004KPKGQO)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚orダウンロードソフト|~| |発売・開発元|アクワイア|~| |発売日|UMD版:2011年5月19日&br;DL版:2011年7月6日|~| |定価|UMD版:5,670円&br;DL版:4,500円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|アキバでストリップ&br;リアルに再現された秋葉原&br;良作と呼ぶには一歩惜しい|~| |>|>|CENTER:''AKIBA'S TRIPシリーズ''&br;''1'' / [[PLUS>AKIBA'S TRIP#id_760c6cf6]] / [[2>AKIBA'S TRIP2]] / AKIBA'S BEAT| ---- **概要 アクワイア発売・開発のソフト。当初の発売予定日は2011年4月14日だったが、諸事情により5月19日に延期になった。 リアルに再現された秋葉原にて、「カゲヤシ」と呼ばれる吸血鬼を&bold(){服を剥いで倒す}(正確には、裸にすることで直射日光を浴びせて倒す)という、誰がどうやったら思いつくのか分からないバカゲー。 タイトル名もゲーム内容も色々な意味でネタに走っており、発売前から各メディアで色々な意味で期待されていた((公式サイトやニコニコ動画でも様々な販促を行っていた。))。 ---- **評価点 -アニメ化もされたライトノベル『ベン・トー』を執筆し、その後大ヒットしたオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』の原案を担当したアサウラ氏がシナリオ執筆という触れ込みのとおり、ストーリーは短めながらもしっかり作り込まれている。何度もプレイして明らかになる謎や登場人物の内面も多く、奥が深い。 --秋葉原で人間を襲い、吸血するカゲヤシ。そのカゲヤシに対抗すべく組織されたNIRO。ある事件からカゲヤシ化した主人公はNIROのエージェントとして秋葉原を守る為にカゲヤシ達と戦う事になるのだが、そのカゲヤシにも人間との共存を目指す勢力が存在したり、また、NIROも必ずしも正義の組織とは言えない側面を見せていき、事態は混迷していく。 --正規ルートでは主人公はNIROともカゲヤシとも袂を分かち、人間とカゲヤシの共存を目指すヒロインの為に戦う道を選ぶ。そして街を守るため、秋葉原市民達と一致団結して最後の決戦に臨む終盤の展開は熱い事この上無い。 ---正規ルートの終盤戦ではストーリーで出会った脇役や、サブミッションのキャラも主人公に力を貸してくれる。作中の世界観にのめりこんでいればいるほど胸が熱くなる演出となっている。 --一方、別ルートでは主人公自らがヒロインを手に掛けると言う鬱展開も用意されていたりと油断ならない構成になっている。 ---そのルートでは本来主人公と敵対しなくても良いはずのカゲヤシ達も屠っていく事になり、最終的に秋葉原に平穏が戻るとは言え、ヒロインの死、黒幕の一人勝ちと言った結末を辿る為、バッドエンド色が濃いルートとなる。しかし主人公の当初の救出対象だった友人が完全に回復した様子が描かれるのはこのルートだけであり、全く救いが無い訳ではないのが憎い作りである。 --主人公も顔無しキャラながら他のキャラに埋没するような事は全く無く、寧ろ本作は全編が彼の見せ場である。 ---言動や行動は選択肢に委ねられるが、ほぼ毎回ネタ選択肢が混ざるので周回プレイにおける選ぶ楽しみもある。設定が設定なので、時にはネタ選択肢が一番しっくり来る、なんて事も。 --以降の作品やアニメ版のような美少女ゲーム・萌えアニメ的要素はあまり多くはないので、ストーリー面に限って言えば多くの人に勧められる。 -敵の服をはぎ取る「ストリップアクション」も、単純でこそあるがやり込み次第で一度に多くの敵の服をはぎ取ることができ、なかなか気持ちいい。『[[MGSPW>メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』の連続CQCをさらに派手にしたような感覚。 -服や武器は好きな物を持ち歩くことができる。好きなキャラの見た目を好きな風にいじるだけでもなかなか面白い。 -3Dキャラは不評だが、会話時に出てくるキャライラストは普通に出来が良い。ストーリーの良さもあって、男女、敵味方、常識人''変態''問わず、魅力的なキャラが揃っている。 --メインキャラ以外にはイラストの表示は無いが、キャラクター性自体はサブキャラ達も良好。サブミッションの関係者も濃い面々が多い。 ---中盤のボスキャラである「JKV」はその容姿から人気があり、OPアニメにも登場しているのだが本編中は残念ながらイラストは無い。 -秋葉原の再現度はかなり高く、ただ歩いているだけでも本当に秋葉原を歩いているような感じになれる。実在の店舗や企業とのタイアップもあってか、背景の看板はもちろんローディング中には秋葉原に関連する会社や商品の広告((それに混じってファミ通グループの広告も入っている。))が登場するといった要素もそれを裏付けている((一部、権利関係などで差し替えられているところもあるが、それを差し引いたとしてもかなり力を入れている所が窺える。))。 --例えば「とらのあな」のテーマソングや「カレーパンの歌」といった音楽があったり、現実世界でも問題になっていた絵画商法の勧誘(通称:エウリアン)を模した人物まで登場する。 -小ネタが非常に多く、おでん缶やら他ゲームのパロディやら魔法少女、かの「[[邪神モッコス>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]」のパロディなどもあり、知っていると思わずニヤリとしてしまう。 ---- **問題点 ''ソフト本体の問題'' -携帯機なのにやたらとローディングが多い。店に入ったり、エリアを移動する度に頻繁にローディングする。ローディング時間も地味に長く、酷い時には''ローディング時にフリーズしてしまう''ことも。 --ローディング時に表示されるキャラアイコンを動かさず広告画像を表示しないように設定することで、フリーズの発生確率を下げることはできる。が、あくまでも「''下げるだけ''」であり、ゼロにはならない。 -ロード時間を減らすためのデータインストール機能には対応しているが、インストール後もほとんど恩恵を感じられない。 --これは元々本作のインストールデータが小さいため。多くの作品では10~20分程度かかるインストール時間が、本作では''5分程度で完了する''。 -さらにやたらと処理落ちして動きが遅くなったり、酷い時にはロードが間に合わず移動中に突然人や敵が出現することもある。 ''アクション性の問題'' -最近のアクションゲームでは大抵付いている、自由に攻撃対象を切り替えられるロックオン機能が無い。基本的に近くの敵に勝手に狙いを定め、攻撃を喰らったりした際にその方向に勝手に振り向く。 --「ロックオンできない」アクションゲームは他にも散見されるものの、本作ではそのせいで''「攻撃したい相手を攻撃できない」「攻撃したくない相手に攻撃を当ててしまう」「逃げようとしても正面を向けない(向こうと思ってボタンを押すと敵の方向にふり返る)」''などといった致命的な欠点に繋がっているため無視できない。思うようにいかず、プレイヤーにストレスを溜めてしまうのである。 ---特に一般人から服をはぎ取るには、自分から喧嘩を売るか、戦闘に無理矢理巻き込むくらいしか方法が無い。前者は友好度が低めでなければできず、後者もこのシステムのせいでやりにくい。 -カメラワークも悪い。 --Rボタンを押せば正面を向けるのだが、一部シーンでは効果がない。それどころかメチャクチャにカメラが動き回ってプレイに支障が出る事もある。 -攻撃を喰らった際の無敵時間など全くと言っていいほど無い。そのため一度攻撃を喰らうとたちまちボコボコにされてしまう。 --大抵のゲームでは無敵判定が生じる起き上がりながらの攻撃も、本作では敵の攻撃を喰らうとあっさり潰されてしまうどころか倒れてる最中にも攻撃が当たってしまう。 --さらに酷い時には大勢の敵に身動きもできないままタコ殴りにされ、服が破けてゲームオーバー……などということもよくある。特に本作では1対複数の戦いが多い為、この事象は頻繁に起こる。 -攻撃技も若干出しにくく、そして当てにくいものが多い。 --威力は高く隙が大きいガード不可能攻撃も、あまりの出しにくさと隙の大きさに1対1では間違いなく決まらない(乱戦時でも攻撃がかすった程度で呆気なく止まる)他、うっかり暴発して隙を作ってしまうこともある。代わりにボコボコにされている時に敵からこの技を正確に当てられることは多く、理不尽感が増している。 --習得できる特殊技も、ほとんどが実用性の低い技(隙が大きかったりリーチが短かったりなど)ばかり。ネタとして使う分には悪くないのだが。 --このため戦闘は「弱攻撃をひたすら連打し、服が脱げかけたところでストリップアクション」にほぼ固定されてしまい、戦闘の面白みがなくなる。 -モーションも全体的に野暮ったい。 --特に素手による下段攻撃。普通はローキックのようなものを想像するが、本作ではなんと「体を前に屈めて敵の足元を殴る」というもので、実際見ると結構格好悪い。 --さらに、攻撃を喰らって吹っ飛ぶ際も明らかに不自然な動き(空中で犬かきしながら吹っ飛ぶ、と言えば分かりやすい)である。『[[新宿の狼]]』や『喧嘩番長』と近似したモーションが多々見られるので、一部使いまわしている疑惑がある。 ''ビジュアル面の問題'' -登場キャラはみんな3Dグラフィックなのだが、非常に出来が悪い。 --表情は一切変化せず、画質も粗くて脱がせても色気の欠片も感じられない。さらに動作もカクカクしており、まるで一昔前の出来である。 --特に主人公は、立ち絵は地味な青年といった感じだがゲーム内ではダルそうな顔をしたツンツンヘアーである。 -誰の服を剥いでも、下着はキャラモデルのままで固定。人ごとに違う下着なら良かったのに。 --服は自由に着替えられるのなら、下着も自由に着替えられる仕様でもよかったはずだが…。 --一応主人公の下着は変更可能なのだが、「主人公が下着になる=ゲームオーバー間近」なので、特に意味はない。次回作では「透明の装備」が追加され、着衣のまま下着を満喫できるようになった。 --また、靴も変更できず、カツラなど髪型を変えるアイテムも無いので、コスプレをするにしても女装をするにしても中途半端な恰好になってしまう。 ---下着の変更をすれば靴も変わるが、性別で種類は固定なのでやはり選択の幅は狭い。 -周回プレイ時には主人公のモデルを変更できるようになるが、主人公以外のキャラモデルは移動スピードが遅くて使いにくい。また一部のイベントを除きイベント内容も変わらず、選択肢も台詞も男性対応のままで変化しないので、ほとんど意味がない。 --女性キャラにした場合、妹は「お姉ちゃん」と呼んでくれるが、ある条件を満たすと見れる妹エンドでは「お兄ちゃん」に戻っている。さらに装備品の性能も男女差が少なく、細かいところの配慮が行き届いていない。 --キャラモデルにはおっさんやおばさんといった使いたくないキャラも追加される。ちなみに''作中ではストーリーイベントにより半強制的に女装をするところがある''。まずいないと思うが、キャラモデルにおっさん系を選んでしまった時は……。%%いや、でもそれを選ぶ人なら最初から問題はn(ry%% --何故かゴンちゃんにキャラモデルを変えることは出来ない。道行くおっさんや高校生にはなれるのに何故? ---これは妹も同様。レアな服を入手するためには便利なのだが…。 -吸血鬼を脱がすと恥ずかしがる事も無く、太陽の光にやられて化け物のような断末魔を上げつつ灰と化して消えていく。 --設定上仕方ないとは言え、折角美麗なキャライラストを用意し、設定も様々だというのに、これでは萌えもクソも無い。 ''その他の問題'' -ゲームの重要な要素の一つであるカメラ撮影は基本的にいつでもできる。が、撮影対象に近づきすぎると何故か映らない。さらに縦にしての撮影も不可能。 --恐らく下着姿の相手を至近距離で撮影できないようにする為の処置だと思われる。 -何故かプロローグの会話だけがフルボイス。他は全てボイス無しなのに、何故ここだけフルボイスにしたのだろうか? --後年の開発インタビューによれば無印の時点では冒頭以外はボイスを入れない仕様で確定していたとのこと。 -本作はマルチエンディングだが、エンディングに関わる選択肢は終盤しか出ない。そのため周回プレイでも序盤から中盤は全く同じことの繰り返しになり、段々作業ゲーじみてくる。 --ただし、序盤からの選択肢の選び方によっては特定エンドへ行くための選択肢の項目が消滅することがある。 -「バグワイア」という悪名通り、上記のローディング時にフリーズバグ以外にも様々なバグ・不具合(ジャンプ後着地すると硬直する等)が確認されている。 ---- **総評 斬新なコンセプト・再現度の高い秋葉原・高品質なストーリー・キャラクターデザインなど、目を見張る物はある。~ しかし、「難だらけの操作性」「色気のないグラフィック」「バグやフリーズが多さ」など、決して無視できない粗も目立つ。~ 細かな部分までしっかりと作り込まれていたならば、評価はもっと上がっていたはずであり、良作と呼ぶには今一歩惜しい。~ とはいえ、リメイク版や続編、アニメ版などでシリーズが展開していった事から、一定の支持を獲得できたのも確かである。 ---- **余談 -企画段階では、敵に放射線を浴びせて倒すゲームだった。 **その後の展開 -2012年6月には本作のリメイク『AKIBA'S TRIP PLUS』(後述)が発売された。 --PLUS発売に前後して電撃マオウにて漫画版も連載された。内容は正規ルートに沿ったもので、オリジナルの描写も加えられている。 ---主人公は勿論キャラ付けされているが、ネタ選択肢を時折挟みつつも全体的に正統派主人公として描かれている。妹も名前付きで登場。 -更に2013年11月には続編の『[[AKIBA'S TRIP2]]』がPS3、PSV用ソフトとして発売され、PS4とWindowsにも移植された。詳細は当該記事を参照されたし。 -2017年からはTVアニメ版も放送開始。舞台は同じ秋葉原だが、ストーリーとキャラクターはアニメオリジナルとなっている。 --ハイテンション且つ美少女キャラを前面に押し出した萌えアニメに近い作風であり、アイドル声優を多数起用しつつ各話ごとにその声優ユニットの歌をエンディングテーマにしたりなど、オタクの聖地を舞台とした作品らしくストレートにオタク向けとして制作されている。一方で、ストリップアクションや他作品の様々なパロディ、一部のシリアスなストーリーなど、ゲーム本編に近い作風も取り入れられている。 --『1』及び『2』のキャラもモブとして登場している。 --ちなみに監督とシリーズ構成は後に『[[キラッとプリ☆チャン]]』のアニメ版を手掛ける事になる。%%モブなど一部のキャラクターが妙に簡単な作画で済ませられている所など%%作風や芹澤優や三森すずこなどキャストに共通点も見られている。 -シリーズ10周年を記念し、『~PLUS』ベースのHDリマスターである『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』がPS4とSwitchにて2021年5月20日に発売された。2021年7月21日にはWindows(Steam、GOG)版も発売された((Windows版は海外版タイトルである『AKIBA'S TRIP: Hellbound & Debriefed』もSteamの販売ページ内に併記されている。GOG版は海外版としての配信だがこちらも音声/UI/字幕は日本語対応。))。 --尚、リマスター版は原版にあった「実在企業との各種タイアップコンテンツ」が架空のもの(いわゆるパロディもの)に全て差し替えられており((これは看板に書かれている店名やロゴ等も当然含まれている))、ローディング中に登場する「秋葉原に関連する会社や商品の広告」はキャラ紹介や地域紹介に差し替えられている((これらは当時タイアップした実在企業とのコンテンツ使用許諾契約が既に終了していることや現存しないものがあるためと考えられる。))。 --しかし、設置物などが高画質化されていない問題や戦闘に支障が出る不具合の多さで評価は高くない。 ---- *AKIBA'S TRIP PLUS 【あきばずとりっぷ ぷらす】 |ジャンル|アクション・アドベンチャー|#amazon(B007PBNMI4)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|アクワイア|~| |発売日|2012年6月14日|~| |定価|UMD版:3,990円&br;DL版:3,200円|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|改善した箇所は見受けられるが…&br;ストーリーの追加はない&br;バグも所々残る|~| **概要(PLUS) 斬新なアイデアながらも粗削りな部分も多かった無印版のリメイク作。~ 様々な追加要素がある他、無印版のセーブデータをそのまま引き継ぐ事が出来る。そして引き継げば特典も入手可能。 同年7月25日にアップデートデータの配信が始まった。~ 下記で述べる大きな問題点は変わらないものの、バグや細かい不具合の改善、ちょっとした新機能(妹に図鑑情報を調べてもらえる(勿論有料)、主人公以外のモデルでも移動スピードが落ちない、など)が追加される為、本作をプレイする場合は忘れず利用しよう。 ---- **変更点・改善点 -無印では音声付きのイベントはプロローグのみだったが、本作ではメインストーリーを全編に渡ってフルボイス化されている。 --また、ストリップアクションを決めた際に脱がされた対象キャラが「恥じらいボイス」を発するようになった。 -全てのキャラクターの3Dグラフィックがリファインされ、原画に近いデザインになった。また、キャラクターが喋っているときによく見ると口が動いている。 --イベントシーンのカメラワークも変わっており、キャラの顔がよく見えるようになっている。 -発売時の2012年の秋葉原を再現。それに伴い一部施設が変更されている。 --洋服屋「再建」は別の場所になり、代わりにUFOキャッチャー(後述)がプレイできるゲームセンターになっている。 -ロード時間が短縮され、それに伴いローディング中のフリーズも発生しにくくなった。 -新アイテム及びサブミッションの追加。 --新ミッションではラスボスを凌ぐ強敵が何人も登場する。 --但し、受注可能期間が非常に短いものや、発生条件が厳しいものも存在する。自力で新ミッションを網羅するのはなかなか難しい。 --サブミッションの後記は無印では淡々としたコメントが殆どだったが、新ミッションはネタに走ったり妙に皮肉の利いたコメントが多くなっている。 -衣装の大幅追加。また、無印ではDLCだった衣装も最初から導入されている。 --パロディ的衣装や完全にネタに走ったものなど、思わず吹いてしまうような衣装も多数追加された。 -ストーリー後半のダブプリのライブシーンは無印ではバックに歌が流れるだけだったが、本作ではフルアニメーションになった。 -会話時の妹のバストアップが追加された。イラストがあるにもかかわらず無印では不出来なポリゴンでしか表示されないキャラだったので、大きな改善点である。 --また、妹の服装がイラスト同様に学校の制服になっている(無印では私服だった)。らくがき帳の絵も新しく描き直されている。 -開発者もサジを投げるという凶悪難易度「ホリックモード」が追加。 --冗談抜きで凶悪である。''ザコ敵の通常攻撃ですら5桁のダメージを平然と叩き出す''ので、いくら服の強度を上げても無駄と言う有様。まともに相手をしてはとても生き残れるものではないので「(同様に超強化された)市民達をけしかける」といった戦術が必須。正にホリック(中毒)と呼ぶしかない難易度である。 **問題点(PLUS) -相変わらずキャラクターの動きはぎこちない。無印で難のあった操作方法や戦闘はほとんど改善されていない。 --ロックオンが相変わらず出来ないのも辛い。新たに追加されたミッションには大量の敵を相手にするものもあるので、無印以上の苦行を強いられる場合も。 --アクションは改善されないまま、追加されたホリックモードは看板通りの凶悪難易度。しかも、追加隠し要素解禁に各ルートクリアする必要がある。 ---只、ホリッククリアの解禁内容が、何故かメインキャラの2Pカラー的な物なので、魅力に乏しいのが救いと言えば救いか。 -フルボイス化されているものの、誰も主人公の名前は呼んでくれない。 --自由に変更できる主人公の名前を呼ぶのは難しいので、例外((ときめきメモリアルシリーズのEVSシステムなど))はあれど一般的にはそれが普通である。しかし本作の場合は主人公の名前の部分だけが無言になるので、例えば「私は(主人公の名前)と一緒に」という台詞であれば「私は……と一緒に」というボイスになってしまっている。 ---台詞の最初に主人公の名前が来ようものならその部分''だけ''をすっ飛ばして発声するのでひたすらおかしい台詞になってしまう。せめて「君」「お前」「彼(彼女)」などと呼ぶようにできなかったのだろうか。 -パッと見は良くなったキャラクター像。しかしモブキャラクターは近づいてみると無印同様におかしい。特に店員はほとんど変わってない。 -新たに追加されたUFOキャッチャーがあまりにも鬼畜。立体型のUFOキャッチャーなのだが、信じられないことに''照準として使えるUFOの影が無い''。 --そのため目当ての景品を狙いたくても奥行きが掴みにくい。何度もプレイして覚えるしかないのである。そしてUFOキャッチャーのお約束として、''ちょっとでもずれてると落としてしまう''。 ---実は見た目とは全くずれた位置に重心があり、景品毎に異なるその"見えない"重心を記憶する必要がある。むしろ''あえてずらした方がとれる''という謎仕様。 --さらに言うならあるアクセサリーの入手条件がこの鬼畜なキャッチャーで''一回のミスもせずに全ての商品を入手すること''。単なるオマケ要素ではあるが。 -新コスチュームの入手条件に運が非常に絡むものがある。 --特にチアリーダーの衣装は、あるサブミッションで戦うキャラが纏っているのだが、そのミッションで戦う相手は三人中の一人がランダムで選ばれると言うものであり、誰が選ばれるかは''ゲームスタート時に決まっている''。つまりそのキャラが出なかった場合はまた最初からやり直さなければならない。 --しかもそのミッションの開始条件は手順が多く、何人もの敵と戦わなければならず面倒。本作はいつでもデータを引き継いでゲームスタート時に戻る事が可能だが、レベルは引き継がれないので手早く進める事もできない。 --極めつけには、難易度がヲタク(無印の最高難易度)以上でなければ他でも手に入る別の衣装になってしまう。よってそこに辿り着くのすら一苦労であり、とにかく運と忍耐力とプレイスキルを要される。 -無印ほどではないものの、相変わらずバグやフリーズもある。 --ライバルキャラである阿倍野優はトゥルーエンドルートでは主人公の行動次第で生死が決まるのだが、死亡したとしてもエンディングでは生存扱いになっている。無印ではそのような事は無かったのだが。 -追加ストーリーは無し。 --元々ストーリー面の評価は高かったが、せっかくのリメイク作なのだから新規シナリオや本編の追加イベントが欲しかったという声は多い。 ---- **総評(PLUS) 無印にあった不満点は大分改良されているものの、相変わらず出来が粗い部分も多い。~ しかし改善されたかどうかで言えば間違いなく「された」と言える出来にはなっている。改悪点は皆無なので、「無印か『PLUS』のどちらをプレイすべきか?」なら『PLUS』の一択だろう。~ 後の『ファーストメモリー』も『PLUS』ベースではあるが、タイアップ関連が差し替えられているため、オリジナルの『AKIBA'S TRIP』を完全な形で楽しめるのは本作の特権である。

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