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*戦国TURB 【せんごくたーぶ】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00006LJJS)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売元|日本電気ホームエレクトロニクス|~| |開発元|クネップ|~| |発売日|1999年1月14日|~| |定価|7,140円|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|不条理満載の世界観&br()全編に流れる毒の強さ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 たまごっちのメイン開発者の一人である黒柳陽子氏がキャラデザインを手掛けたアクションRPG。~ プレイヤーはじのちゃんとなり、「らいよん惑星」で戦争中のねこ軍に依頼されてひつじ軍を倒すために戦う。全16話構成。~ 元々はNECの増谷氏(羊男)がかつて黒柳氏(なのれー)と組んでゲーム制作集団「Bio_100%」で製作したPC-98での同名フリーソフトゲームが母体となっており、システム・世界観がやや共通している。 **独特の(毒々の?)世界観 その不条理な世界観やキャラクターはプレイヤーをかなり選ぶ。 -主人公のじのちゃんは幼少時に過失で育ての親を死なせてしまい住んでいた街を追われ、その後宇宙を放浪しながら泥棒や詐欺などで生計を立てていた。ちなみに実年齢は30歳だがウラシマ効果の影響か肉体年齢は17歳前後。 --さらに彼女は舞台となる「らいよん惑星」に来る前には、「ねこぱけっと星」という星をエイリアンから(なんとなく)救おうとするが、その際にエイリアンのボスを倒すために放った弾丸が惑星のコアに命中、結局ねこぱけっと星は滅びの憂き目に。 -DCで出たゲームの割にはかなりカクカクしたポリゴンで表現された世界。とはいえ世界観とのマッチ具合が半端ないのでわざとだとも言える。 --当時の広告にて一萬ポリゴンというコピーがあったことからもその片鱗が窺える。 --ついでにフォントも独特の形。さらにフルボイス?なのだがその音声はもはや人間の言葉ではない。 -登場人物の台詞も毒性たっぷり。その猛毒性は他のゲームの追随を許さない。 --冒頭で病院((実際は保健室。))を通過する際、負傷兵に「痛いですか~?」「死ぬのは怖いですか~?」と平然と語りかける様子から察してほしい。 --戦闘中、味方が倒されると妙な断末魔と共に「○○はしんだ」と表示される。味方の死という悲劇的瞬間を独特のフォントと脱力感溢れる悲鳴で演出してしまうそれはシュールと言う言葉すら生温い。 -システム面もどこか狂っている。 --回復アイテム・能力上昇アイテムは「たいにゃん」と呼ばれる妖精((名前の由来はゲームプログラマーのたいにゃん氏。))なのだが、その使い方は文字通り&color(red){''食べる''}。 ---ちなみに長期間使わないでほおっておくと腐ってしまいマイナスアイテムとなってしまう((このゲームは装備品以外のアイテムを捨てることができないため、こうなってしまうと使う以外にアイテムを消費する方法がなくなる))ので、基本的に手に入れたらすぐに使うのが基本。 --装備品もどこかおかしい。装備に関しては武器、楯(主に防御力アップ)、バッジ(最大HPアップ)、旗(敏捷性アップ)の4種類。装備品のネーミングセンスも異常。 ---武器に関しては剣や手裏剣などのポピュラーなものもあるが、アイスクリーム(敵に直接なすりつける)、でんでん太鼓(音符状の弾で攻撃)をはじめとした変な武器も。 ---なお、武器は耐久力制であり、使い切ると壊れて消滅する。ただし武器は潤沢に手に入るので問題ない。 ---楯は何故か背中に装備。旗の装備位置に至っては頭の上(いわゆるハタボーだじょー状態)。 --仲間の補充は章をクリアごとに新しく補充されるほか、途中で「くま」や「うさぎ」を説得して「くまねこコンバータ」という機械にかけてねこ兵士にしてしまうシステム。 ---ただしコンバートに失敗すると知性を失った失敗作の「できそこない」という生物に変化し、どこかへと立ち去ってしまう。 ---ちなみに相手から拒否されても無理矢理機械にかけて兵士にするため、「説得」に失敗する事はない。 ---兵士には[[1文字ずつ乱数で決定されている>里見の謎]]ような奇天烈な名前が付けられている。 **難点 -序盤のゲームバランス。 --近接武器よりも飛び道具で戦わないと非常に難しいため、近接武器の利用価値がかなり低い。 --にも関わらず、初期装備が近接武器であり、最初のマップで飛び道具が配置されている場所はスタート地点からかなり離れたところにあるため、序盤がかなり厳しい。 -また、リアルタイムバトルのシステムなのだが、初期設定ではメニュー表示中にも敵が行動しているために慣れないとすぐに死ぬ。このため、弱い序盤で何もできないまま殺されるケースも多い。 --設定でメニュー表示中にゲームの進行を停止する設定にできるが、これに気付かずにプレイして殺されるケースも多い。 --味方は輪をかけてすぐ死んでしまう。稼ぎ作業を繰り返してHPと防御力を育てれば使い物になるが、味方はアイテム回収要員にして、主人公一人で戦う方が手っ取り早い。 --攻撃を受けると長い喰らいモーションを取る上、長時間の麻痺状態になることもあり、ハメ殺しされやすい。 -一部のアイテムはある条件で使用するとステータスが変化する((例:わずかなダメージに強力な回復アイテムを使う→眠る、HP満タンのキャラにたいにゃんGR(緑)を使う→最大HP増加、等))のだが、これについて説明書では一切触れられていない。 -世界観は濃いがゲーム内容は薄め。 --ステージは100個以上有るのだが、大半のステージは平坦な地形でザコ敵を掃討するだけの単調なもの。 --味方の兵士には職業などの戦略的な要素が無く、主人公のアクションも最初から最後まで「いつも同じ速度の移動」と「武器を使った単発の攻撃」だけである。 -進行フラグが非常に分かりづらい。 --特定の面をクリアするとストーリーが進むことが多いが、どの面が該当するかは大抵全く不明であるため、単調なステージを総当りすることになる。 --終盤では「キーアイテムAを所持し、かつキーアイテムBを所持していない状態」でないと進行不能になる箇所が存在する。只でさえわけのわからない世界観なのでどういうフラグなのか把握しづらく、行き詰まりやすい。 ---この2つのキーアイテムは一度貰っても元の所持者に返却することが可能。言い換えれば偶然正解の組み合わせになる確率は1/4しかない。しかも関門のポイントと各アイテムの所持者が居る場所は全て別のステージである。 **評価点 -&bold(){他に類を見ない独創的な世界観。} --毒性たっぷりなキャラ達、理解不能な場面がたびたび登場するシナリオ等、受け付けない人には合わないものの、はまる人にはとことんはまる中毒性がある。 --キャラクターの造形は可愛いので、意外ととっつきやすさが高いのもポイント。 -武器の攻撃エフェクトも派手なものが多く、中盤以降になれば広範囲を攻撃できる武器がメインになるため、慣れてくれば無双系ゲームのような爽快感も味わえる。 --終盤の敵をバズーカ等で吹き飛ばすと大量のアイテムが散らばり、壮観。世界観を気に入れば珍奇なアイテムの収集を楽しめる。 -BGMの評価は非常に高い。 --サウンドトラックにはプレミア価格が付いている。 -目立ったバグは無い。 --世界観が世界観なので、バグだと気づかれていない可能性はある。 **総評 とにかく人を選ぶ世界観が最大の特徴であり、システムはやや荒削りな部分が目立つ。~ それゆえに評価は難しいが、この独特の世界観に魅せられるならお勧め。 ---- **逸話 -とある個人サイトのレビューより「友人に電話口で本作の説明を求められたので正確に説明していたら、教えたくなくてデタラメでごまかしていると解釈されて電話を切られた」。 -ファミ通などでは早々に忘れ去られていたものの、逆にドリームキャストマガジン(現ゲーマガ)では専用コーナーができるほど(しかもゲームの知名度を考慮するとかなり長い期間継続)の人気ぶりであった。 --本作はドリームキャスト初期のゲームであり、当時は記事にできるソフト自体が少なかったという事情もある。 **その後の展開 後にファンディスク『戦国TURB F.I.D(Fanfan I▼me dunce-doublentendre)』((逆三角の部分は本来ハートマークなのだが、環境依存文字につき代用。))((販促ポスターによると読み方は「ファンファン・アイラブミー・ダンスデューブランターンドレ」である。))も発売されている。相変わらずの不条理な世界観やキャラクターは健在。内容の充実ぶりも素晴らしく、ファンディスクにしておくには惜しいほどの内容(ただし入手は困難)。
*戦国TURB 【せんごくたーぶ】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00006LJJS)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売元|日本電気ホームエレクトロニクス|~| |開発元|クネップ|~| |発売日|1999年1月14日|~| |定価|7,140円|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|不条理満載の世界観&br()全編に流れる毒の強さ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 たまごっちのメイン開発者の一人である黒柳陽子氏がキャラデザインを手掛けたアクションRPG。~ プレイヤーはじのちゃんとなり、「らいよん惑星」で戦争中のねこ軍に依頼されてひつじ軍を倒すために戦う。全16話構成。~ 元々はNECの増谷氏(羊男)がかつて黒柳氏(なのれー)と組んでゲーム制作集団「Bio_100%」で製作したPC-98での同名フリーソフトゲームが母体となっており、システム・世界観がやや共通している。 **独特の(毒々の?)世界観 その不条理な世界観やキャラクターはプレイヤーをかなり選ぶ。 -主人公のじのちゃんは幼少時に過失で育ての親を死なせてしまい住んでいた街を追われ、その後宇宙を放浪しながら泥棒や詐欺などで生計を立てていた。ちなみに実年齢は30歳だがウラシマ効果の影響か肉体年齢は17歳前後。 --さらに彼女は舞台となる「らいよん惑星」に来る前には、「ねこぱけっと星」という星をエイリアンから(なんとなく)救おうとするが、その際にエイリアンのボスを倒すために放った弾丸が惑星のコアに命中、結局ねこぱけっと星は滅びの憂き目に。 -DCで出たゲームの割にはかなりカクカクしたポリゴンで表現された世界。とはいえ世界観とのマッチ具合が半端ないのでわざとだとも言える。 --当時の広告にて一萬ポリゴンというコピーがあったことからもその片鱗が窺える。 --ついでにフォントも独特の形。さらにフルボイス?なのだがその音声はもはや人間の言葉ではない。 -登場人物の台詞も毒性たっぷり。その猛毒性は他のゲームの追随を許さない。 --冒頭で病院((実際は保健室。))を通過する際、負傷兵に「痛いですか~?」「死ぬのは怖いですか~?」と平然と語りかける様子から察してほしい。 --戦闘中、味方が倒されると妙な断末魔と共に「○○はしんだ」と表示される。味方の死という悲劇的瞬間を独特のフォントと脱力感溢れる悲鳴で演出してしまうそれはシュールと言う言葉すら生温い。 -システム面もどこか狂っている。 --回復アイテム・能力上昇アイテムは「たいにゃん」と呼ばれる妖精((名前の由来はゲームプログラマーのたいにゃん氏。))なのだが、その使い方は文字通り&color(red){''食べる''}。 ---ちなみに長期間使わないでほおっておくと腐ってしまいマイナスアイテムとなってしまう((このゲームは装備品以外のアイテムを捨てることができないため、こうなってしまうと使う以外にアイテムを消費する方法がなくなる))ので、基本的に手に入れたらすぐに使うのが基本。 --装備品もどこかおかしい。装備に関しては武器、楯(主に防御力アップ)、バッジ(最大HPアップ)、旗(敏捷性アップ)の4種類。装備品のネーミングセンスも異常。 ---武器に関しては剣や手裏剣などのポピュラーなものもあるが、アイスクリーム(敵に直接なすりつける)、でんでん太鼓(音符状の弾で攻撃)をはじめとした変な武器も。 ---なお、武器は耐久力制であり、使い切ると壊れて消滅する。ただし武器は潤沢に手に入るので問題ない。 ---楯は何故か背中に装備。旗の装備位置に至っては頭の上(いわゆるハタボーだじょー状態)。 --仲間の補充は章をクリアごとに新しく補充されるほか、途中で「くま」や「うさぎ」を説得して「くまねこコンバータ」という機械にかけてねこ兵士にしてしまうシステム。 ---ただしコンバートに失敗すると知性を失った失敗作の「できそこない」という生物に変化し、どこかへと立ち去ってしまう。 ---ちなみに相手から拒否されても無理矢理機械にかけて兵士にするため、「説得」に失敗する事はない。 ---兵士には[[1文字ずつ乱数で決定されている>里見の謎]]ような奇天烈な名前が付けられている。 **難点 -序盤のゲームバランス。 --近接武器よりも飛び道具で戦わないと非常に難しいため、近接武器の利用価値がかなり低い。 --にもかかわらず、初期装備が近接武器であり、最初のマップで飛び道具が配置されている場所はスタート地点からかなり離れたところにあるため、序盤がかなり厳しい。 -また、リアルタイムバトルのシステムなのだが、初期設定ではメニュー表示中にも敵が行動しているために慣れないとすぐに死ぬ。このため、弱い序盤で何もできないまま殺されるケースも多い。 --設定でメニュー表示中にゲームの進行を停止する設定にできるが、これに気付かずにプレイして殺されるケースも多い。 --味方は輪をかけてすぐ死んでしまう。稼ぎ作業を繰り返してHPと防御力を育てれば使い物になるが、味方はアイテム回収要員にして、主人公一人で戦う方が手っ取り早い。 --攻撃を受けると長い喰らいモーションを取る上、長時間の麻痺状態になることもあり、ハメ殺しされやすい。 -一部のアイテムはある条件で使用するとステータスが変化する((例:わずかなダメージに強力な回復アイテムを使う→眠る、HP満タンのキャラにたいにゃんGR(緑)を使う→最大HP増加、等))のだが、これについて説明書では一切触れられていない。 -世界観は濃いがゲーム内容は薄め。 --ステージは100個以上有るのだが、大半のステージは平坦な地形でザコ敵を掃討するだけの単調なもの。 --味方の兵士には職業などの戦略的な要素が無く、主人公のアクションも最初から最後まで「いつも同じ速度の移動」と「武器を使った単発の攻撃」だけである。 -進行フラグが非常に分かりづらい。 --特定の面をクリアするとストーリーが進むことが多いが、どの面が該当するかは大抵全く不明であるため、単調なステージを総当りすることになる。 --終盤では「キーアイテムAを所持し、かつキーアイテムBを所持していない状態」でないと進行不能になる箇所が存在する。只でさえわけのわからない世界観なのでどういうフラグなのか把握しづらく、行き詰まりやすい。 ---この2つのキーアイテムは一度貰っても元の所持者に返却することが可能。言い換えれば偶然正解の組み合わせになる確率は1/4しかない。しかも関門のポイントと各アイテムの所持者が居る場所は全て別のステージである。 **評価点 -&bold(){他に類を見ない独創的な世界観。} --毒性たっぷりなキャラ達、理解不能な場面がたびたび登場するシナリオ等、受け付けない人には合わないものの、はまる人にはとことんはまる中毒性がある。 --キャラクターの造形は可愛いので、意外ととっつきやすさが高いのもポイント。 -武器の攻撃エフェクトも派手なものが多く、中盤以降になれば広範囲を攻撃できる武器がメインになるため、慣れてくれば無双系ゲームのような爽快感も味わえる。 --終盤の敵をバズーカ等で吹き飛ばすと大量のアイテムが散らばり、壮観。世界観を気に入れば珍奇なアイテムの収集を楽しめる。 -BGMの評価は非常に高い。 --サウンドトラックにはプレミア価格が付いている。 -目立ったバグは無い。 --世界観が世界観なので、バグだと気づかれていない可能性はある。 **総評 とにかく人を選ぶ世界観が最大の特徴であり、システムはやや荒削りな部分が目立つ。~ それゆえに評価は難しいが、この独特の世界観に魅せられるならお勧め。 ---- **逸話 -とある個人サイトのレビューより「友人に電話口で本作の説明を求められたので正確に説明していたら、教えたくなくてデタラメでごまかしていると解釈されて電話を切られた」。 -ファミ通などでは早々に忘れ去られていたものの、逆にドリームキャストマガジン(現ゲーマガ)では専用コーナーができるほど(しかもゲームの知名度を考慮するとかなり長い期間継続)の人気ぶりであった。 --本作はドリームキャスト初期のゲームであり、当時は記事にできるソフト自体が少なかったという事情もある。 **その後の展開 後にファンディスク『戦国TURB F.I.D(Fanfan I▼me dunce-doublentendre)』((逆三角の部分は本来ハートマークなのだが、環境依存文字につき代用。))((販促ポスターによると読み方は「ファンファン・アイラブミー・ダンスデューブランターンドレ」である。))も発売されている。相変わらずの不条理な世界観やキャラクターは健在。内容の充実ぶりも素晴らしく、ファンディスクにしておくには惜しいほどの内容(ただし入手は困難)。

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