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本項目では『DmC Devil May Cry』と、完全版である『DmC Devil May Cry Definitive Edition』を紹介しています。~ 判定は前者は「なし」で、後者は「良作」です。 ---- #contents ---- *DmC Devil May Cry 【でぃーえむしー でびるめいくらい】 |ジャンル|スタイリッシュアクション|CENTER:&amazon(B00439HA3Y)&amazon(B007T50SM4)|&amazon(B00B04SCLO)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox 360&br;Windows XP/Vista/7/8|~|~| |発売元|カプコン|~|~| |開発元|Ninja Theory|~|~| |発売日|【PS3/360】2013年1月17日&br;【Win】2013年2月28日|~|~| |価格|【PS3/360】6,990円&br;【Win】5,990円|~|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|''海外製''『デビルメイクライ』&br;通称「''デビル&ruby(メイクラ){名倉}イ''」&br;アクションゲームとしては及第点&br;''一部のファンにとっては黒歴史''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[デビルメイクライシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''その快感、悪魔的。''} }} ~ ---- **概要 スタイリッシュアクションというジャンルで人気の『デビルメイクライ』シリーズの5作目。~ カプコンが手がけたナンバリングではなく、シリーズ初の外注作品。~ 開発を担当したのは、『ヘブンリーソード』『エンスレイブド』といったアクションゲームを手掛けたイギリスのデベロッパーNinja Theory(ニンジャセオリー)((2018年6月にマイクロソフトの買収を受け、マイクロソフトのゲーム開発事業を受け持つ子会社であるXbox Game Studiosの一部門となった。))。~ プロモーションビデオ専用のイメージソングはONE OK ROCKが担当している。 発売前は「『3』より前の物語((シリーズの時系列は『3』→『1』→『アニメ』→『2』→『4』→『5』となっている。))で少年時代のダンテを描く」というふれこみだった。~ だが、従来のダンテとあまりにかけ離れたキャラクターデザインや、Ninja Theory側の過去作への挑発的な発言とYouTubeでの工作行為などが国内外から悪い意味で注目され、大きくバッシングを受けることとなった。~ 最終的にキャラデザインはやや変更され、ナンバリングタイトルとは一切関係ない''パラレルワールド''という設定となり賛否両論ある中で発売を迎えた。 ---- **システム ボタンなどはPS3版のデフォルト操作で記載する。 今作のダンテのアクションは『3』のダンテと『4』のネロのアクションの良点を合わせたようなアクションである。 ''天使と悪魔の力'' -今作のダンテは天使と悪魔の間に生まれた子供「ネフィリム」という設定で、通常時のモードと悪魔の力「デーモンモード」に加え、天使の力「エンジェルモード」の3種類のモードをボタンを切り替えながら戦闘を行う。 --切り替えはトリガーボタンの押しっぱなしで行う。R2ボタンを押している間はデーモンモード、L2ボタンを押している間はエンジェルモードに切り替わる。 ---この切り替えの操作はNinja Theoryのゲーム『ヘブンリーソード』を参考にしている。 --デーモンモードやエンジェルモードの時は使用する武器・攻撃方法が変化するのみならず、銃攻撃が特殊な技に差し替えられ、回避行動が強化される。 --それぞれのモードの武器でしかダメージを与えられない敵も存在する(後述のデビルトリガー発動中のみその制約が解除される)。 -通常(ヒューマン)モード --おなじみの長剣「リベリオン」と、「エボニー&アイボリー」などの銃を駆使して戦う、高速で隙の少ないモード。 ---銃による遠距離攻撃技が使用できる。二丁拳銃エボニー&アイボリーはスタイリッシュランクをある程度維持できるようになった上、コンボのつなぎ・高度調整といったハイレベルな魅せコンボに不可欠な用途も健在。 -デーモンモード --一撃の威力に特化した重厚なモード。隙は大きく手数も少ないが、他の技を弾き返してしまう敵の盾すら打ち破るほどの打撃力を誇る。 ---後隙の大きさゆえ使いどころには注意が必要だが、複数の敵をよろめかせたり重量級のザコ敵すらも打ち上げるなど、上手く攻撃を決めれば優位な展開に持ち込める技が多い。また1vs1の状況では絶大な火力で圧倒できる。 ---空中技は敵を下方に叩き落としたり対地攻撃に向く技が揃っている。地面に叩き落とした敵が反動で跳ね上がる性質を利用して、豪快にコンボを継続することも可能。 --銃攻撃は鞭で敵や足場を引き寄せる技「デーモンプル」に変わる。 ---『4』のスナッチと同様の技であり、立ち回りの強化や下方向に吹き飛んだ敵へのコンボ継続に重宝する。また盾や銃撃ガードなどといった特定のガード行動に対して使うと、敵に隙を作り出すことができる。 --今作でも直前回避にスタイリッシュポイントのボーナスがあるが、さらにデーモンモード中に直前回避を成功すると発生するスキル「デーモン回避」も習得可能。 ---デーモン回避に成功するとスローモーが発生し、一定時間攻撃力・速度やスタイリッシュポイント・ランクの増加率が大幅に上昇する。駆使すれば敵やボスを一気に殲滅できるうえ、その分ランクも素早く上げられる。 -エンジェルモード --手数・攻撃範囲や高速移動に特化した軽快なモード。単発の攻撃力は低いが、回避に繋げやすいうえ攻撃範囲などが優秀で扱いやすい。 ---範囲が広いだけでなく、敵を長時間拘束したり、一ヶ所に集めるといった便利な扱い方ができる技も持ち、集団をまとめてコンボ攻撃に巻き込んだり、逆に厄介な敵を無力化して引き離すことができる。 ---空中技は、敵を上空に浮かせ続けるなど、空中での連続攻撃を継続しやすい技が揃っている。 --銃攻撃は鞭で敵や特定地形の下に一瞬で移動する技「エンジェルリフト」に変わる。 ---『4』におけるヘルバウンドと同様の移動技だが、ネロと違い慣性があまり働かず必ず敵の前で制止するため、上に吹き飛ばした敵に急接近し、コンボをさらに継続することもできる。 --このモードでは2連続で回避行動を行うスキル「エンジェル回避」や、空中ダッシュの新基本技「エンジェルブースト」も備え、ステージ間の移動や戦闘での立ち回りにと使用機会は多い。 ''武器'' -『4』のように全ての武器を同時に装備するため、いつでも切り替えられる。 --近接武器は通常時はリベリオン(長剣)のみだが、デーモンとエンジェルには2種類ずつ武器が用意されており、全5種類の中から選択する。 --デーモン武器は方向キー右、エンジェル武器は方向キー左を押すことで切り替わる。 -通常モード専用の遠距離武器である銃は3種類存在し、方向キー上を押すことで切り替わる。 ''デビルトリガー'' -L3ボタンとR3ボタンの同時押しで発動する。本作のデビルトリガーゲージは過去作と比べとても貯まりづらく消費速度も大きいが、効果が大幅強化され、より超必殺技に近い位置づけになっている。 --ちなみに、ゲージは『2』と同様、体力ゲージのようなバータイプの表示。 --発動中は攻撃力が上昇し体力も少しずつ回復していく。さらにコンボやキルによるスタイリッシュポイントにボーナスもかかる。 --加えて本作では防御性能こそ変化しないものの、「''ほとんどの雑魚敵を空中に打ち上げ、全ての敵を無防備にする''」さらに「特定のモードの武器しか効かない敵にも、モード問わず全ての武器でダメージを与えられる」という非常に強力な効果が付与された。 ---今作のダンテのDTは従来のような魔人に変身するというものではなく、発動中は周囲の世界が白黒の嵐のような状態になって敵を巻き上げる。この時はダンテのコートが黒から赤に、髪の色も黒から白へと、従来のダンテに近い色合いに変化する。 --余談だがエンジェルトリガーは存在しない。 ''空中での行動の増加'' -△・○ボタンを常に剣攻撃に使うようになったことに伴い攻撃技が多数追加。地上コンボが減った代わりに、旧作に比べて手数が豊富になった。 --ロックオン廃止に加え、デーモンプル・エンジェルリフトによって敵への間合い詰めが非常に直感的かつ楽になったので、空中コンボの難易度は大きく下がった。 ''パリー'' -敵の特定の攻撃に合わせて近接攻撃をタイミング良く当てると、攻撃を弾き返して敵を隙だらけの状態にできる。もちろんスタイリッシュポイントボーナスもある。 -従来にも「相手の攻撃を弾き返す」「特定攻撃でカウンターする」という要素は存在したが、今作では全ての敵の攻撃にパリー可能なものが必ず存在し、この要素がより強調されている。 --全ボスにも、パリーを決められる攻撃パターンが1つずつ用意されている。ボス相手のパリーには決めた時点でカウンターダメージを食らわせる場合もあるのでとても爽快。 ''奈落・ステージトラップ'' -足場外(奈落)に落ちる可能性のある場面が出た本作だが、落下した場合は一定ダメージを受けて落下前の場所に自動的に戻される。 --旧作同様、ところどころに触れるとダメージを受けてしまう仕掛けも存在している。 -しかし、本作ではそのような奈落・トラップに敵を叩き込めば、一発で倒せて格段に戦闘が軽快になる。少なめながらスタイリッシュポイントボーナスも得られる。 -ただし、Win版以外では、プレイヤーが落下してしまうと何故か死亡回数として加算されることがあるというバグが存在する。 ''その他操作性'' -ロックオン仕様の変更 --攻撃はスティックを倒している方向の敵を優先して・スティックを倒していなくても、攻撃の際に自動で近くの敵を狙う。このため''ロックオンのボタンは廃されている。''一応、L3ボタンを押せば追尾対象を切り替えることも可能。 --ロックオンが優先されるのは自分が攻撃している敵と、今まさにこちらを攻撃しようとしている攻撃中の敵なので、これを覚えておけば攻撃を未然に防げる。 ---ハーピーやエリートスティジアンなどは、デーモンプルを回避するが攻撃中であれば有効になる。この仕様を利用して攻撃に移ることも可能。 --ニュートラル状態でのオートロックオンはかなり優秀だが、方向入力には優先されない。狙った敵に攻撃を当てられずイライラすることは少ない。 ---これによってスティンガーで離脱するといった従来では不可能もしくは困難だったアクションも可能になった。 -過去作と比較すると基本コンボの数は減っているが、個々の技が洗練されて使いやすくなっているため、死に技が無い。 -スティンガーやハイタイム --リベリオンの伝統技である2種のコマンド技は、ロックオン仕様の変更により出し方も変更された。 --ハイタイムといった''敵を打ち上げる技は○ボタンひとつで発動する。''もちろんハイタイムはボタンを長押しすれば敵と一緒に空中にジャンプ。 --スティンガーなどの敵に突進する技は、スティックを2回連続で倒して△ボタンを押すと発動。 --スティンガー直後に△ボタンを連打すると、お馴染みの連続突き「トリリオンスタブ」も出る((従来のミリオンスタブ。ミリオンは「百万」でトリリオンは「兆」という意味。))。 -ネロの一部アクションを採用 --前述のデーモンプル(スナッチ)とエンジェルリフト(ヘルバウンド)以外にも、『4』のネロにおける使い勝手の良い技であるストリークとルーレットスピンとキャリバーがほぼそのままの技名((ルーレットスピンのみ今作ではルーレットという技名になっている))・おおむね同じ動作として今作にも採用されている。 --ただし、ネロのそれとは性能に相違点もある。 -回避 --『2』のように、1ボタンで回避アクションが出せる。%%『2』のような高速移動ができるわけではない。%% --R1ボタンとL1ボタンがデフォルトで回避に割り振られており、押すとスティックを倒した方向・ニュートラルなら後方へと回避する。 --さらに空中でも回避ボタンを押せば、スティックを倒している方向に移動して攻撃を回避することもできる。 ---ただし空中回避後は無防備になるので何らかのアクションでフォローする必要がある。プルリフトやエネステをすることで空中回避が復活することを覚えておくと戦闘を有利に進められるだろう。 ---- **評価点 シリーズの各作品の要素を受け継ぎつつ組み合わせており、さらに短所は長所として練り上げている。 ''コンボをつなげる爽快感・各武器を使い分ける楽しさ'' -『3』や『4』で打ち出された、けたたましいまでに圧倒的なコンボを敵へ叩き込む爽快感はさらに進化している。 --戦闘中モードや武器の切り替えを駆使すれば非常に自由度の高いコンボが可能。ロックオン操作に煩わされる心配はなくなり、デーモンプルやエンジェルリフトも使いやすく、吹き飛ばしてもスムーズにコンボを継続することができる。 --プルやリフトによっても空中攻撃を連発できるようになり、技の連続使用による高度落下も非常に緩くなったため、今作ではエネミーステップの価値が相対的に減った。 ---したがってエネステは主に技のキャンセルに使われることになるが、'''成立判定が非常にゆるくなり'''、簡単にコンボに組み込めるようになった((成立時に足場に黒いモヤがかかるが、これが意外と離れた位置からでも発動する。そしてプルを組み合わせることで非常に容易に繰り出せる。))。 ---操作をちゃんと覚えれば、デーモンプル・エンジェルリフトだけでも見栄えと実用性を兼ねたコンボを決めることが出来る。もちろん上達すれば、エネミーステップや銃器の特殊技すらも駆使した旧来の高難易度コンボで魅せることだってできる。 --さらに、エンジェル武器は空中でも複数の敵を巻き込むことができるため、これまでは余りできなかった集団の封殺までも出来るようになった。 -使える武器の種類や技のバリエーションは多い。 --近接武器はおなじみの「リベリオン」と恒例の格闘系武器(エリクス)の他に「斧」「鎌」と、敵を拘束したり引き寄せる「手裏剣」(一応近距離武器扱い)と色々使える。銃器もおなじみの「エボニー&アイボリー」と恒例のショットガン(レヴェナント)に、変わり種の爆発系の銃「ケブーリー」の3種類が揃っている。 --その他、デーモンプルやエンジェルリフトでは鞭のような武器を用いる。またプルやリフトの直後には、アッパーカットや回し蹴りといった肉弾戦まで行える。 --かといって無駄に技の数が多すぎるということもなく、各技の性能は従来のシリーズに比べて洗練されている。''死に武器や死に技は無い''という『DMC』シリーズ念願のバランスがようやく実現されたのは特筆すべきだろう。 -実はスタイリッシュランクがSランクを超えるとダンテの攻撃力・技タメ以外のスピードが少し上昇し、純粋な攻略にも効果を発揮するようになっている。 --攻撃力は1.2倍に上昇する。『3』のベオウルフ魔人と同等との補正をランクのみで受けられる言えばかなり大きな補正といえるだろう。 --Sランク到達時、略語に合わせて音声が流れる。今作ではSが”SAVAGE(殺伐)”、SSが”SADISTIC(嗜虐)”、SSSが”SENSATIONAL(驚倒)”である。 --スタイリッシュランク自体も『4』と比べて格段に上がりやすくなっている。 --デーモン回避の攻撃力・速度上昇効果と合わせれば、正に「キメている」ようなハイスピードコンボアクションへと突入できる。 ''一撃を決める爽快感'' -『1』のように攻撃力の高い技がデーモン武器を中心に用意されている。複数に当てにくいが、スタイリッシュランクも相応に大きく上昇するので、コンボに頼らない戦法も充分認められている。 -一部の雑魚戦では奈落や特定トラップへ敵を放り込むことで即死させることもできるなど、臨機応変な戦術を取ることもできる。 --ただし、ENVIROMENTALボーナス点は基本的にそれほど高くないので、稼ぐなら楽はできない。高難度ではむしろコンボ途中で場外に落としてしまうとランク的にきつい。 ''新機軸の操作性'' -『4』のダンテの操作性は非常に複雑だったが、今作のダンテはシリーズ中で最も直感的に操作しやすいように工夫されており、初心者でも上級者でも今までほど複雑な操作は要求されないので遊びやすい。 -『4』における4種のスタイルを1つに統合し、無駄な技を無くしたりスタイル切り替えの手間を無くすなどして、より洗練された操作にまとまっている。 --回避アクションはいつでもワンボタンで行える。L2+□で敵への急接近、L2+×で空中ダッシュが行える。(=トリックスタースタイルに相当) --R2を押しながら敵の攻撃をタイミング良くジャスト回避すると、しばらく攻撃力がアップする。(=ロイヤルガードスタイルに近い仕様) --○ボタンでいつでも近接武器の特殊技を出せる。(=ソードマスタースタイルやロックオンコマンド攻撃に相当) --□+×ボタンでいつでも銃器の特殊技を出せる。(=ガンスリンガースタイルに相当) -『4』におけるネロのスナッチとヘルバウンドと同様のアクションを使うことができ、さらにネロと違ってそれら2種を自由に使い分けることもできる。 --正規シリーズのダンテはネロとの差別化のためもあってか「敵を引き寄せる」アクションは基本的に使えなかったり使い勝手が悪いといった制限があり、また『4』のネロは敵を引き寄せることはできても遠距離の敵に近付く手段は限られていた。 ---しかし、今作のダンテは敵を引き寄せるのも敵に急接近するのも自由自在であり、この点で幅広い戦い方が可能。 -ただし、独特の操作性ゆえに慣れが必要な部分はある((スティンガー系のコマンドが左スティック2回入力である、□+×の同時押し判定が厳しいなど。))。 ''敵を攻略する楽しさ'' -様々な技やデーモン回避やパリーといった要素によって敵の弱点を突いたりアドバンテージを得るためのチャンスに変えることができる作り。 --デーモン武器の破壊力と相まって、タイラントやブッチャー、レイジ、そしてドリームランナーと言った強敵も、弱点を突くことでそれなりに速く倒せる。 -敵の攻撃も予備動作とボイスによってわかりやすく作られている。空中を含め、多くの攻撃から回避アクションへスムーズに繋がるおかげで、避ける楽しみも両立している。 -今作は最高難易度であるDMDにおけるデビルトリガー(通称DT)状態とは別に、スーパーアーマーつきの怒り状態になる敵が存在するが、代わりにそちらへの対抗策も従来より多めになっている。 --例としてはエボニー&アイボリーのリコショット(溜め打ち)を最大溜めで当てる・リベリオンのドライブなどを溜まり切るジャストタイミングで放つ、アービターの特定技を当てるなどで、怒り状態をすぐに中断できる。 -このことから銃器の出番もはっきりしており、コンボを意識しなくとも使い所を見出しやすくなった。 ''謎解きがほとんど無い'' -従来の作品にあった謎解きといった要素はミッション18を除いてほとんどのステージで存在しない。 --デーモンプルとエンジェルリフトを駆使したアスレチックのような操作で移動し、ひたすら戦闘をするというデザインとなっているので、リプレイ時も面倒な操作をしなくてすむ。 ''グラフィック・演出'' -中世的な美術が根幹にあった『4』までとはまた違ったデザイン。無秩序に組み替えられたモチーフ、黒い液体と極彩色にまみれたダーティーな雰囲気ながらも画質は充分良好。 --今作は現実世界と魔界の狭間「Limbo (リンボ)((元々はキリスト教における死後の世界「辺獄」を意味する。ここは「天国に行けるような善人ではないが、地獄に落ちるほどの悪人ではない者(=キリスト教の洗礼を受けず原罪を抱えたまま死んだ人間)」が死後に辿り着く場所だとされている。まさにあの世(魔界)とこの世(現実)の狭間である。))」でダンテが戦闘を行うという設定だが、このリンボはリアルタイムで建物などの背景がめまぐるしく変化する。この背景のギミックも非常に凝っており、ビジュアル面で飽きさせないように作られている。 ---言うなれば、''世界全体がダンテに牙をむき、街そのものが悪魔として襲いかかってくる''という設定になっている。 --ムービーなども『ヘブンリーソード』を手掛けたNinja Theoryらしく、キャラクターの表情を実際の役者の演技から取り込んでおり、リアルな表情を見せてくれる。 -その場所に沸く敵を全滅させると、とどめの一撃の際は画面全体がスローモーションに+カメラがダンテにズームするというスタイリッシュな演出が発生する。 ''カメラワーク'' -ほぼ全ての場面で右スティックによるカメラの操作が容易になり、視点固定の場所はほとんど無くなった。 --従来のようにカメラに写っていない敵は攻撃しないので、視点操作でも敵を無力化させやすい。 ''音楽'' -オランダのバンド「Noisia」がイベント/一部ボス戦の曲を、ノルウェーのバンド「Combichrist」が戦闘曲を担当している。 --Combichristは「EBM (エレクトロニック・ボディ・ミュージック)」シーンで知られるミュージシャンだが、今回は旧シリーズに若干近いインダストリアル、ハードコア・デスメタル風味に比重が置かれた楽曲を提供した。 --それに加えて、Noisiaによるダブステップ・ドラムステップ調のBGMも負けず劣らじと、悪魔との戦いをしっかり盛り上げてくれる。 -BGMのシームレス変化も節々で採用されており、スタイリッシュランクがSを超えると楽曲も盛り上がる。 ''トレーニングモード(道場モード)'' -今作初登場。HP無限で攻撃してこないザコ敵にコンボを叩き込むことが出来るモード。 --細かい設定などはできないが武器や技の確認・コンボ練習につかえる。 ''ブラッディパレス'' -『4』とほぼ同じ、難易度が上がっていく中で全100階の敵を倒し続けるゲームクリア特典のサバイバルモード。DLC扱いだが無料で配信されている。 ''クリア後の評価'' -今作の評価は「スタイリッシュポイント」「タイム」「隠しアイテム((近接攻撃で破壊できるロストソウルと、従来のブルーオーブに相当するグリーンクロスのかけら、そしてシークレットミッションの鍵と扉。))取得率」と「リスタート回数・アイテム使用回数」で評価され、判定もD~SSSまでで評価されるようになった。 -『4』で特に不評だったオーブ評価は撤廃され、オーブの取得量自体は評価されなくなった。 --ただし、スタイリッシュポイントが他要素によって倍増されていく形式は『4』から継承されているので、今作では特に隠しアイテム発見率がミッションランクに大きく影響する。 --隠しアイテム取得の進行は同じセーブデータならどのモードでも共通。 --1周では100%にできない場合もあるが、100%にさえしてしまえば戦闘と移動のみに集中できるようになっている。 ''シークレットミッション'' -扉を開けるために3種類のカギが必要な点は面倒ではあるが、シークレットミッションの難易度、面倒さが下がっただけでなくメインメニューからいつでも挑戦することができるようになった。 --シークレットミッションの内容も戦闘アクションを学ぶのに役立つ内容になっている。立ち回りの勉強をしたい場合はシークレットミッションで練習してみるのも良いだろう。 ''その他'' -DTゲージが無限になるモード「スーパーダンテ」(恒例であるDMDモードのクリア特典)はコスチュームに関係なく使用が可能になった。 -『4』の改悪要素である「武闘神像が×ボタンでも入れる仕様」は削除され、○ボタンのみとなったことに加え、敵がいるときは調べることができなくなった。 -プラウドソウルに該当するホワイトオーブは、敵を撃破した分の獲得量が随時手に入るようになった。ミッション終了時のボーナスもある。 --いわゆるレベル/経験値制に近く、スキルの習得に要するコストは全て共通でホワイトオーブゲージ1つ。オーブ総数が増える毎にゲージは重くなるが、今作でもスキルの払い戻しや、全てのスキルを取得することが可能。 --ただし、『4』ほどではないが全てのスキルをコンプリートするには相応の場数をこなす必要があるため、人によってはダレることも。 ---技の種類によってコストが変わることがない他、技の強化も基本的には攻撃力がほとんどなので、全ての技を使うだけならそれほど問題ではない。 ---- **賛否両論点 ''キャラクターイメージの変更'' -ダンテ --「長剣と二丁拳銃」はそのままだったが、「黒いコートに黒い髪」「天使と悪魔のハーフ」など従来のダンテ像を覆すビジュアルイメージ。 --一方で、初めて情報が公開された時はその顔立ちがお笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤氏に似ていたことから「''デビル&ruby(メイクラ){名倉}イ''」((これが転じてか、タイトルの「DmC」でネット検索すると結果が過去のシリーズ作品と被ってしまうため、現在も本作への略称として「名倉」を用いる例も見られる。言うまでもないが、名倉潤氏を侮辱するような意図は一切なく、あまりにも似すぎていたために引っ張り出されたに過ぎないことを留意されたし。))、またその名倉氏が「タイ人に似ている」とよく言われる((本人公認のネタであり、後にタイ政府公式広報大使を務めた際には「大使としてふさわしい方で、私達から見てもタイ人らしくみえる」と絶賛されたことまである。))ことから本作のジャンルに掛けて「''タイリッシュアクション''」などとも呼ばれた。 ---一応、髪型と服装を『3』準拠のものに変更できるDLCがある。 --性格も「皮肉屋だが正義感は強い」というイメージとは異なり「良く言えばノリの良い悪ガキ、悪く言えば下品な不良」といった描かれ方となっており色々な意味で従来の作品よりも過激である。 ---敵を挑発するシーンでは『4』の主人公ネロの倍以上にFワードを連発し、中指立ても完備。『4』のネロの様に字幕に伏字が出るような場面は無い。 --なお、かつてネット上で流れていた噂として、本作ディレクターが「(ダンテの)カッコ良さを追求した結果、自分に似せざるを得なかった」などと発言したとして騒がれていたこともあるが、この発言に関しては一切情報源が見つからず''デマ''であることが濃厚となっており、後にディレクター自身が「[[私はキャラクターをデザインしていません。>http://www.gamespark.jp/article/2012/03/09/32335.html]]」と公表している。 -バージル --顔自体はバージルより初代のネロアンジェロ3戦目に近いと、そこは意外とリスペクトされている。 --『3』のバージルのように冷徹で他人を利用して目的を達成しようとする点は変わりないのだが、これまでのバージルと比べると戦闘面で表立つことがなく裏方に徹することもあって非常に小物っぽいキャラクターになっている。 --ダンテと比較すると、デザインは旧来からさほど変わっていないが、非常ににこやかで爽やかな青年になっている。 ---幻影剣を''スパイダーマンの様に''飛ばしたり、敵の悪魔と''掴みあいの戦い''を繰り広げたりなど、スタイリッシュなのか笑いどころなのか、人によってかなり受け止め方が変わってきそうなシーンがある。 --本編の言動や行動から某掲示板などでは「mバージル」「汚兄ちゃん」とネタキャラとして愛されていたりする。 -ムンドゥス --普段は人間の姿、というより''いかにも権力者といった風貌をした禿げ頭の中年男性。''世界最大の銀行の頭取で、もちろん正体は魔界の帝王。 --本作の世界において、政治経済を支配しているのは悪魔だということを表現する存在である。 --『1』に登場したムンドゥスよりもやることがエグいというか、生々しい。それはダンテやバージルにも言えることなのだが。 ---「悪魔」という設定でなければ倫理的規制に引っかかりそうな表現と一番縁が深い。日本版ではそのシーンは規制を食らっているが。 ---ある「挑発」をされて激怒するシーンや、終盤のイベントシーンは良くも悪くも人間臭い。%%人によってはギャグに見えるかもしれないが。%% -スパーダ --悪魔から人類を救った伝説の魔剣士という設定が消え、天使であるエヴァと禁断の恋をし、駆け落ちしたムンドゥスの元部下という設定になった。 ---本編ではムンドゥスによって地獄の責め苦を受け続けている…のだが、その内容が''裸で鎖に縛られるというイメージシーンのみ''で一見ではSMでしかなく、過去作のような凄味を全く感じられない。 -これらを完全に今までのシリーズとは別物と割り切る傾向もある。 --事実ダンテは「とっつきにくそうな見た目に反して案外いい奴」「これはこれでいいキャラ」という意見は多い。 --否定的な意見やネタキャラ扱いがあるバージルに関しても、deviantARTやPixivといった画像投稿サイトを中心に人気が出ている。 ''フレームレートが30fps'' -前作『4』が60fpsでぬるぬると動いていたこともあり、今作はそれと比べるとフレームレートは落ちている。 --リンボの背景演出などで処理落ちを起こさないための処置であったが、それゆえフレームは安定しており、処理落ちはあまりなくゲーム自体は快適に動作する。 --これはPS3/360版のみで、'''Win版ならスペックがしっかりしていれば従来どおり60fpsで動く。'''Unreal Engine 3を使用しているのでその推奨動作環境は相応に高め(DX9対応、[[参考>https://www.capcom.co.jp/support/faq/platform_pc_dmc_059938.html]])。 --モーション自体は滑らかに作られており、Win版では非常にスムーズな動きを堪能できる。 ''ヒットストップ'' -Win版では一部技のヒットストップが緩くなっている。一撃の強い技の爽快感が減ったと見るか、スピード感が増したと見るかは人によって意見が分かれる。 ''操作性に関する賛否両論'' -ボタン配置の変更 --上記の通り、操作方法は似ているようで結構変わっており、過去シリーズに慣れ親しんだ人ほどデフォルトのボタン配置はとっつきにくく、そして逆もありえる。 ---といえどもロックオン系統のコマンド技がなくなっているだけに攻撃の操作はむしろよりシンプルになっている。慣れればより直感的に操作できるし、キーコンフィグも可能である。 ---強いて言えば唯一のコマンド系で先行入力が効きにくいスティンガーなどや、ジャンプボタンと射撃ボタンの同時押しで使うレインストームなどが出しづらいことか。 -ロックオン操作の変更 --もちろん慣れと言ってしまえばそれまでの話かもしれないが、コマンド技の出し方も含めて従来のロックオン操作でプレイしたかったという声が少なくなかったのも事実である。 ---ロックオンカーソルが廃止されたため、「敵の残り体力が画面上で分からない」という人によっては気になる部分も出てきてしまった((『2』以降ではロックオンカーソルが敵の体力ゲージを兼ねているため。))。 ---そのため敵の体力やこちらの武器ごとによる攻撃力をあらかじめ把握しておかなければ、本作の評価点である敵へのトドメ演出を狙って出しづらいという点もある。 ---斬撃を飛ばす「ドライブ」や、「ケブーリー」のダーツを全弾命中させてからの爆破といった、トドメに使うと見栄えのいい技が多いだけに惜しい点ともいえる。 -デーモン回避とエンジェル回避の操作は、どちらも回避ボタン入力のみで行えても良さそうなものであり、それぞれの操作方法をR2+回避ボタン、L2+回避ボタンと分けて操作を複雑化させる必要性はあまり感じられない。 --「R2との同時押しはデーモン側の能力、L2との同時押しはエンジェル側の能力」という法則通りの操作体系ではあるのだが、その法則に縛られているとも言える。そもそも回避に関する能力をデーモン側とエンジェル側で分ける必要があったのかも疑問である。 ---- **問題点 ''属性敵の存在'' -赤い色の敵と青い色の敵が存在し、赤い敵はデーモンモードの攻撃、青い敵はエンジェルモードの攻撃しか受け付けず、他の武器では攻撃が弾かれてしまう。 --この敵のせいでコンボの幅が制限されてしまい、前述のコンボをつなげる爽快感が損なわれてしまう。 ---特に1周目で武器が充分に揃っていないうちは登場数こそは少ないものの、1種類の武器でしか攻撃できずワンパターンになりやすい。 --こういったシーンでの行動は基本的にエンジェルモードの技(特にアキュラのラウンドトリップ)により青い敵の行動を封じ込めている間に、赤い敵をデーモンモードで1体ずつ仕留めることになる。 --ただし、デーモンモードは手数・範囲と空中での行動数が小さいため、動きが単調になりがち。 --デビルトリガーを発動すると武器やモードに関係なくダメージを与えられるようになるが、今作のデビルトリガーはゲージがたまりづらいので乱用はできない。 ''ボスが弱く魅力がない'' -ボスは洋ゲーらしいグロテスクな巨大クリーチャーが多く、『1』のネロ・アンジェロのような壮麗な悪魔や『3』のネヴァンのようなお色気たっぷりの美しい悪魔、『4』のべリアルのような威厳のある悪魔は一切存在しない。 -そして、大半のボスが下品な言葉でダンテを罵倒してくる。舞台がそのまま現代社会であるのに対応しているのだろうが、どことなく小物感が漂う。 -全体的に攻撃が単調気味。さらに''高難易度でもあまり行動は変化しない。''従来作の強敵どもに慣れたプレイヤー、そうでなくともアクションゲームが得意な人なら苦戦することはあまりない。 --そして共通して体力が低く((デーモンモードの存在から、ダンテの対ボス火力がかなり高めともいえる。))、Sランク以上を維持してデーモン回避 → デビルトリガー + 大斧アービターで一気に攻撃すればすぐに死ぬ。この点はボスが無駄に硬かった『2』よりはマシという意見もある。 #region(ボスの一例※ネタバレ含む) -サキュバス --体験版でも登場したボス。安全安心健康をうたって有毒な飲料水を販売するメーカー「ビリリティ」の原料を作っており、人間を体内から弱体化させる悪魔。 --初期の頃からデザインと名前が公開されており、このゲームを代表する(?)ボスにして、色々な意味で本作の醸し出す雰囲気を象徴しているようなキャラ。 --サキュバスというと普通、同社が発売している『ヴァンパイア』のモリガンや『3』のネヴァンのような妖艶な美女を想像するだろうが、本作のやつは''毒ゲロを常に口から吐いている、グロテスクで気持ちの悪い芋虫のような化け物''であり、色気など皆無である。 ---ただし、サキュバスは「人間に淫らな夢を見せ精を吸い取る」といった悪魔であり、「''夢の中では美女だが実際は醜い老婆のような姿をしている''」というのが本来の伝承である。つまり、このサキュバスは''ある意味で原典に忠実な解釈''ではある。 --従来作や本作の他にも女性の悪魔は出ているが、そいつらと比べてもぶっちぎりで醜悪である。死に際もかなりエグイ。 ---ダンテとは''お互いFワードで罵りあう''というスタイリッシュを離れて「小学生の口喧嘩」とまで呼ばれた掛け合いを繰り広げる。 ---戦闘中も「噛み砕いてゲロにしてやる」「手足をもぎ取って''聖水''をかけてやる」などの罵詈雑言をぶちまけてくれる。 --初見では狭い足場と範囲の広い攻撃で強く感じ、難易度ネフィリム以上でしか使われないパターンもあるが、どれも慣れれば見切りやすい。 --弱点の眉間にヒットするとボスらしからぬ減り方をするので、高難易度でもD回避バフ中にアービターをブチ込めばあっさり秒殺できたりする。 -ボブ・バーバス --ニュースキャスターの男性。リンボでは3Dホログラムの姿をしている、自称「神の代弁者」であり支配者(悪魔)たちの都合の良いようにテレビで情報操作しプロパガンダを広めている、人間の社会や世論を操る悪魔。 ---ボスに至るまでの道筋や演出は好評であるが、その姿から一体どういう悪魔なのかがよく分からない。 --そして弱い。攻撃が単調で避けやすく、倒し方もワンパターン。 ---一定のダメージを与えるごとに雑魚との戦いに突入するのだが「悪魔と戦うダンテをビデオカメラで撮影している」といった演出になっている。演出は面白いが、カメラが遠く見にくく、物陰に隠れるような場合視認ができない。 --設定からくる弱さと考え、単純に演出を楽しむオーブ稼ぎ用ボスと割り切るのが良いかもしれない。 -ムンドゥス --普段の格好が禿げ頭の中年男性であり威厳に欠けるのはまだしも、ボスとして戦う姿も岩石の巨人のような姿で一部から「序盤のボスっぽい」といわれる始末である。 --そして終盤のボスにもかかわらず攻撃パターンもわりあい見切りやすい((事実、パターンはサキュバスの亜種と言われている。))。 --ただし、避けやすいかというと微妙なところがあり攻撃の威力だけは異常に高いため、DMDとブラッディパレスでは無傷か即死かのどちらかという極端なボスでもある。 ---実際の実力とストーリー上の小物っぷりから半分ネタにされている。 #endregion ''一部見づらいステージ'' -基本的にリンボの色彩は極彩色となっていることが殆ど。中でもクラブ内のリンボで戦闘するミッション13は、背景の色がめまぐるしく変わり目に悪く、前述の属性敵などが見づらい。 --演出自体は面白いのだが、その演出に懲りすぎてアクション面でやや支障が出てしまっているというものである。 ''「挑発」の削除'' -挑発は本作と『2』以外必ず搭載されていたアクションである。 --遊びとしても効果的で、攻撃の合間や待ちを強要されている間にうまく挟めば見栄えも良くなり、敵をダウンさせた隙を縫ってスタイリッシュランクゲージやデビルトリガーゲージをおまけできる密かに重要なアクションだったが、今作では廃止されている。 --コンボによるスタイリッシュさはあるものの、こういった部分で演出できず物足りない部分がある。 --デビルトリガーゲージは今回の強力さゆえ増えやすくするとゲームバランスが壊れる可能性もあるが、ならその仕様をカットして完全な遊び要素でもいいから搭載してほしかったというファンの声も非常に多い。 ''ロード時間が長い'' -ミッションをはじめるときやメインメニューに戻るときのロードは長く、この部分でテンポが悪い。 --とくにミッション2はエンジェルモードとデーモンモードのチュートリアル的イベントのため、何度か別の世界へ飛ばされるが、その切り替わりのロードも遅く、リプレイするたびにそのロードに耐えねばならない。 --このロード時間もWin版ではスペック次第で大きく改善される。 ''細かいバグが多い'' -ロード中のサンプルコンボムービーの音が途切れたりといった地味なバグが多い。プレイにものすごく支障が出るというものでないのが救いか。 ''日本語字幕の酷さ'' -今作の日本語字幕が、前作までと比べるとセンスの感じられない訳が多い。 --一例として「モチさ(Yeah. Good.)」「増援をよこせと言え!(We need a demo squad here NOW!)」など。 --またバージルがにやけながら日本語字幕で「よしてくれ」と言うシーンが、上記のmバージルとしてネタとなるほどシュールなシーンになっている。 -他にもシリアスなシーンでもセリフのニュアンスや本来含んだ意味と違う意訳がなされているため、実際のセリフとキャラに対する感じ方にズレが生じる。 -特に賛否両論なのがステージ1でダンテが言う「ダセェな(Not in a million years.)」というセリフ。 --英文を直訳すると「''百万年が経っても駄目''」であり、意訳は「''ゼッテー嫌だね''」と言った具合である。 #region(該当シーンについて) -敵の攻撃で銀髪のウィッグが吹き飛んできてダンテの頭に被さる。銀髪ウィッグを被った自分を鏡で見たダンテは一言「''ダセェな''」である。 --従来のダンテを馬鹿にするようなこのセリフに激怒するファンも居れば、爆笑し絶賛するファンも。 --もちろん重要でもなんでもないちょっとしたシーンだが、発売前の状況からして笑って流せないファンは一定数存在した。 #endregion -海外制作ということで一部の会話やジョークなどは英語字幕でなければ意図を理解できないものも存在するので、本作の世界をより楽しみたければ英語字幕でプレイすることをお勧めする。 ''エンディングについて'' -ネタバレ防止のため詳細は控えるが、ストーリーに関しては尻切れトンボで、次回作に続くような終わり方になるためどうしてもスッキリしない部分が残る。 --「概要」で前述した通り、本作は元々『3』よりも前の話として描かれる予定であった。そのため本作(のエンディング) →『3』へ繋げようとした名残りがある。 ---ちなみに、現時点では本作の続編制作に関する情報は全く無い((開発元のNinja Theoryがマイクロソフトに買収されたこともあり、現状では続編製作は厳しいかもしれない。))。 ''コスチューム'' -本来収録されている3つ+DLCコス3つがある。 --反面ただの色変えなどが多かったり、ファンから最も需要がありそうなクラシックダンテ(『3』の衣装)はDLCである。 -ムービーではほとんどのシーンではコスチュームチェンジが反映されるが、従来と違いそれが反映されないプリレンダムービーが一部ある。 ''ムービーが多い'' -スタッフが「ストーリーに力をいれている」と語っているだけあってムービーが多い。 --ただ「ムービーが長い」というより「短いムービーがいくつもある」といったものであり、ムービーゲーにはなっていない。 --ボス戦でもシームレスイベントが途中で挿入される『[[ゴッド・オブ・ウォー>ゴッド・オブ・ウォーシリーズ]]』シリーズのような演出が多く、今までのシリーズよりテンポが悪く感じることも。 ---飛ばせないイベントがあるのも原因か。 ---特にラスボスは体力を一定数減らすごとに細かくムービーが流れるので、いまいち燃えない。こちらは飛ばせる。 ''道場'' -技の性能を確かめたりコンボを練習するための場として有用な道場ではあるが問題点がいくつかある。 -まず背景が真っ白で何かオブジェクトや壁もないため高度や距離感が非常につかみ辛い。コンボを行う際には高度調整も必要であるため、結局はミッションで練習しなくてはならないことも。 -他にもミッション中のように使用している武器が一目で分からなかったり、練習台となる敵が1種類のみで固定であり他の敵種での練習ができないという問題点が。 --各敵ごとのデーモン回避やパリーのタイミングなどを覚えるためには、結局本編かブラッディパレスでその敵と戦える箇所まで地道に進め実戦でトライアンドエラーを繰り返すしかないが、それだと''ミッション評価がガタ落ちしてしまう。'' --本作では基本的に敵毎にエネステ判定が細かく設定されていないためエネステに関しては問題ではないのだが、ショウダウンや兜割に対して特殊なリアクションを起こすことのあるラヴェジャーを想定したコンボの練習ができなかったり、タイラントやブッチャーの大型の敵でのコンボを試すことができないというのは問題である。 ---本家に輸入するにしてもこのままでは各エネミーでのコンボを想定した練習ができないため、ある程度の改善が必要である。 ''その他'' -倒し甲斐のある敵として人気の高い強敵・ドリームランナーについての注意点 --ドリームランナーは空中でコンボを決める場合、基本的に七回攻撃をヒットさせたら反撃してくるという特性がある((場合によっては1回だけ攻撃を当てただけでもカウンターをしてくることもあるがカウンター自体の予備動作が分かりやすいため問題ではない。))。 --この特性を利用してデーモン回避で攻撃力を上げたりと、知ってさえいれば立ち回りの強化に役立つので、これ自体はさしたる問題ではない。 ---ただし、エリクスは溜め攻撃時のエフェクトが見づらいため注意が必要。 -謎解きはほとんど無くなったものの、長く移動させられるだけの箇所があり、その部分は2度目以降ダレやすくなる。M5やM12では''歩き移動''させられるだけの箇所がある。 --「無限エンジェルブースト」というバグ技を使えば移動の手間隙を劇的に短縮できたのだが、修正パッチによって不可能になった。 -スタッフロールは何故か開発現場の様子が流れる。 --『3』や『4』で好評だったED中に敵と戦うボーナスシーンはなくなっている。ちなみに、ゲーム未クリアでもスタッフロールだけ見ることもできる。 -トロフィーの名前は従来作のセリフに統一されているが、内容と名前が一致してないものが多くとってつけた感がある。 --特に酷いのが「お前を暗闇から救えなかった!」である。解除条件はロストソウルを全解放すること。''救えているのだが。'' ---- **総評 日本ではシリーズが『4』から長いこと音沙汰がなく、ネロの謎などが深まっていた時期の発表・発売だったこともあり、本作のビジュアル面や世界観の変更に嫌悪感を示す意見も多く見られ、この作品をシリーズの1つと見なすには微妙とする意見も多い。~ しかしながら、システム面に関しては、『1』から『4』までのいいとこ取りをしつつ、独自の要素も面白さを損ねておらず、完成度が高いと評価されている。~ 賛否両論で発売されたものの、発売後に海外では全体的に絶賛された。~ それは本作に細かい問題点はあれど、アクションゲームとしては過去作に勝るとも劣らぬコンボアクションの爽快感を紛れも無く実現していることの証左に他ならないだろう。 ---- ***ファンからの扱い -概して海外では肯定的((ただし、最初期のトレーラーが公開された際のバッシングは海外ユーザーの方が過激であり、当時のYouTubeには批難する動画が何本も投稿されていた。))だが、日本では二分されている。 --アクションゲームとしては決して悪いわけではないとする声、本作の世界観やキャラクターを好む人、「パラレルだから」と完全に割り切る人もいる。新規ファンからの受けはそれなりに良かったりする。 -現在でも操作性や世界観、デザインの変貌に抵抗がある人は少なくない。 --これは、従来のシリーズがゲーム性だけでなく個性的で魅力的なキャラクターが揃っていた故でもある。 --本作を巡る論争には肯定派の過剰な擁護や、否定派の無根拠な非難もあったのも事実である。 --動画投稿サイトではプレイ動画が投稿された後すぐに、肯定派と否定派がコメントで叩き合いを始めるような状況もあった。 ---- **余談 -最初期のトレーラーでは''日本海外問わず凄まじく評判が悪かった。''理由を以下に記載すると、 --肝心のアクション、モーションが%%『2』様も馬鹿にできないほど%%モッサリッシュで、銃声に迫力がなかった。 --前述の通りダンテのキャラが違いすぎるうえに、当初はパラレルではなかった。 --何故かダンテがタバコを吸っている。 ---このトレーラーはまだパラレルになる前であること、そして「''ダンテがタバコ嫌い''」という''公式設定''があることからファンから大分指摘された。%%そもそも『3』前なら未成年なのでどっちにせよ犯罪。%%結局パラレルになった本編では一度もタバコを吸うシーンはない。 ---製品版では大なり小なり改善されたものの、初期トレーラーの酷さが足を引っ張った感は否めない。 --その一方で、パラレル設定に変更されたものの、最初期のトレーラーで見られる多くの要素がゲーム内にしっかり落とし込まれている。 ---「デーモンプル」や「エンジェルリフト」「エンジェルブースト」といった本作を象徴する要素が最初期のトレーラーでも確認できる。 -製作陣のインタビューでの発言は何かと物議を呼んでいた。 --「もしダンテが昔の格好のまま東京の外にあるバーにいったとしたら、彼は笑い飛ばされるだけでしょう」といった発言で、納得するファン・悪印象を持つファンという二分化がこの頃から起きていた。 ---さらに余談になるが、『DMC』シリーズの産みの親である神谷英樹氏が手がけた作品『[[ベヨネッタ]]』について「クールだと思うか?」と問われた製作スタッフは、「ゲーム自体は大好きなんだ。最高のゲームだ。とにかく、徹底的にぶっ飛んでる。でも"クールだと思うか?"と問われれば、全く思わない。戯画風でド派手で、非常に日本的だ」と述べている。 ---これについて「ベヨネッタを馬鹿にした」というような否定的解釈をする者もいた。 --「製作陣が本作のダンテを(暗に)ゲイであると発言した」…という噂がネット上にあるが、やはり根拠不明。 ---真実は謎だが、とあるYouTubeのユーザーが「''マジでゲイの吸血鬼に見えるよ''」と発言したことがあるため、それが誤解(あるいは歪曲)されたのかもしれない。 -ダンテの演武や串刺しにされるシーン、最後の決め言葉などシリーズおなじみの要素やお約束がない((最後の決め言葉はトロフィー・実績名にはなっている。DE版では削除されたが。))。 --ファンからしたら「それないの?!」というレベルのものである。 --串刺しに関してはダンテが刺されることはないものの、逆にダンテから串刺しにされるキャラは存在する。 --演舞も存在はしないが、ストーリー冒頭で全裸のダンテがバスの中で着替えるシーン((敵がひっくり返したバスの中で、裸のダンテが漂う服に着替えていくシーン。公式トレーラーでも場面の一部を見ることができる。))がそれに相当する…かもしれない。 -初期のインタビューでなぜダンテがこれまでの姿と違うのかという謎がストーリーの裏にある、と言われていたが結局ほとんど不明のままである。最終的にパラレルになったことが原因と言われている。 --一応、「今作のダンテがなぜ銀髪ではないのか」は分かるようになっている。ただ、海外で発売されたコミックスでは本作におけるデビルトリガーにある重大な副作用があることが明かされている。 --それを踏まえると、双子なのにダンテとバージルの髪色が違うことやバージルの発言などもより深く理解することができるのだが…何故こんな重要な設定をゲーム内で説明しなかったのか。 --『1』から『4』でも割と重要な設定がゲーム外で語られることが多いが、本作の場合はいわゆるアメコミ収録なので''日本で知るのは殊更に困難''である。 -ダンテが使える手裏剣のような武器「アキュラ」は、見た目や攻撃方法が『戦国BASARA』シリーズの猿飛佐助の手裏剣に酷似している。 --元々『BASARA』シリーズには『DMC』シリーズ由来の武器が登場したりしていたが、逆に『BASARA』シリーズから輸入した(かもしれない)要素というのは珍しい。 ---余談だが、後に発売された『4SE』においても追加プレイヤーキャラのバージル・レディ・トリッシュそれぞれにおいて『BASARA』シリーズからの技モーション流用が見受けられる。 -発売後のインタビューで本作の開発はかなり難航していた模様。 --開発当初Ninja Theoryがダンテのモーションキャプチャーを担当していたが、前述の通り「スタイリッシュ」とはいえないモーションだったためにそれまでのシリーズディレクターがイギリスまで行き、直接指導を行ったという。この際、洋ゲーのアクションゲームの作りがかなり違うことに苦労したとか。 ---この時の苦労話はホームページブログの「悪魔的日常」にて書かれており、その他にも没ネタや開発秘話などが所々あるため、興味があれば読んでみよう。 -ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:SIE)から発売の対戦アクション『[[プレイステーション オールスター・バトルロイヤル]]』に、ゲスト枠プレイヤーキャラの1人として本作のダンテが参戦している。 -クロスオーバー対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』にて、ダンテが本作の仕様になるDLC「ネフィリム コスチューム」が配信されている。 --変更されるのはあくまで衣装と髪型のみで、ボイスや使用する武器・技構成は『3』版のままである。 -『ファミ通』の『デビルメイクライ5』についてのインタビューで、本作の良点を取り入れるといった発言をしており、下記の日本未発売完全版についてもわずかであるが触れている。 --本作から『5』にはスタイリッシュランク上昇時の音声挿入、BGMのシームレス変化、固定カメラ廃止、強制戦闘時やボス戦時の悪魔名表示演出、敵全滅時のスローモーション+カメラズーム演出、道場モードをさらに進化させたトレーニングモード「VOID」これらの導入、追加が確認できる。 ---他には初回限定版やデラックスエディションに付属予定のDLC「EXカラーパック」にて、ダンテ用の別カラーが本作を意識したものになっている。前述の「ネフィリム コスチューム」と違いキャラクターモデリング自体は変更されない((同様の別カラーは『4SE』の追加要素にも存在しており、それを引き継いでいると言える。))。 //カメラワークの改善こそされているものの、視点固定自体は無くなってないようなので修正。敵が全く出てこない探索パートでは、本作のように自由にカメラ操作できるようですが //体験版は常時フリーカメラでしたよ。 --一方、開発を担当したNinja Theoryが本作の後に発売した『Hellblade』や『Bleeding Edge』でも、本作で培ったスタイリッシュアクションの技術が活かされている。 ---特にチーム対戦アクションの『Bleeding Edge』に登場するDaemonのモーションは本作の影響を強く受けており、洋ゲーとは思えないほどスタイリッシュな剣さばきを繰り広げる。 ---- *バージルダウンフォール **概要(VD) バージルを主人公に据えたゲームモード「バージルダウンフォール」が900円のDLCとして配信されている。~ 初回購入者には無料でダウンロードできるプロダクトコードが付いていた。~ 独自ストーリーとステージ構成が組まれており、本編の後日談という扱いになっている。 **ダンテとの違い -武器 --近接武器は閻魔刀(やまと)、遠距離武器はノーモーションで放つ幻影剣のみ。エンジェルモード・デーモンモードでは武器ではなく閻魔刀の攻撃モーションが変化する。 ---近接攻撃はほぼ閻魔刀による攻撃のみで、『3SE』のバージルの急降下キック技である流星脚も続投しているが、性能は似て非なるもの。 --いずれかの手段で幻影剣を射出して敵に命中すると、その敵は「幻影剣が刺さってマーキングされた状態」となる。この状態は、後述のデーモンプルやエンジェルリフトの発動条件となっている。 -デーモンプルとエンジェルリフト --プルやリフトは、「幻影剣が刺さっている対象」をバージルのすぐ近くに瞬間移動させたり、逆に対象の近くにバージルが瞬間移動するものとなっている。 ---幻影剣が刺さっていない対象にプルやリフトの操作を行った場合は、それぞれ赤色、青色の幻影剣を射出し、対象に幻影剣を刺してからプルやリフトが発動する形となる。既に幻影剣が刺さっている敵に対しては幻影剣の射出は省かれ、プルやリフトを一瞬で行うことができる。 ---ダンテとの大きな違いとして、プルはバージルの技の動作を継続しながら行うことができ、リフトはバージルの技の硬直をキャンセルして発動できる。 --特定のアップグレードを行った閻魔刀による技を敵に当てることでも、斬撃と同時に敵に幻影剣を突き刺し、プルやリフトにスムーズに繋げることができる。 -ジャストチャージ技 --今作ではそれぞれのモードに長押しチャージに対応したアップグレード技が1つ以上あるが、バージルはその全てにおいて、タイミングよくボタンを離すことで発動できる強力なアップグレード技が存在する。 --ダンテのドライブに比べると成立は難しいが、成功時に無敵状態になる他、ダンテよりも短いタメ時間でスーパーアーマーを持つ敵を浮かせることができ、さらに怒り状態を解除することが出来るなど非常に強力な効果を持つ。 -トリックアップとトリックダウン --今作は回避ボタンが2つ存在するが、バージルはスティックを倒していない状態ではそれぞれのボタンが個別の回避技に対応する。 --スティックを倒さずにL1ボタンを押すと、トリックアップで真上に素早く移動。 ---トリックアップの存在から、バージルはエアハイク(2段ジャンプ)をすることができない。 --スティックを倒さずにR1ボタンを押すと、トリックダウンで空中から真下に素早く移動する。 ---地上でスティックを倒さずにR1ボタンを押すと、その場で一瞬無敵になって回避する。 --回避アクションの機動力や自由度が高い一方で、ダンテのデーモン回避のようなジャストタイミングでの回避による能力上昇は無い。 -デビルトリガーとゲージ仕様、ゲージ消費技 --バージルのデビルトリガーは体力回復とともに''自分の分身「ドッペルゲンガー」を召喚する。''アップグレードにより、分身の特性を変える操作を解禁することができる。 --基本は『3SE』のドッペルゲンガースタイルと同じで分身は自分の動きに追従する。また、方向キー右を押すとデーモンモードの技を、左を押すとエンジェルモードの技を本体のモードに関係なく行う。 ---例えば方向キー右を押すと、本体の通常攻撃or疾走居合と、ドッペルゲンガーのデーモン剣攻撃を組み合わせることが出来る。 --方向キー上を押すと、ドッペルゲンガーの動きが本体より少し遅れるようになる。溜めの長さで技が変わるエンジェルモードの特殊攻撃と合わせることで、地空二方面への分担攻撃を行うことも可能。 --デビルトリガーゲージは、本家『DMC』シリーズのようなアイコンストック制。このゲージを規定個数消費すると使えるゲージ消費技がある。 --□ボタンを長押しすると幻影剣をバージルの周囲に展開する「円陣幻影剣」と、□+×ボタンで幻影剣を連続して発射する「急襲幻影剣」に加え、スティックを2回倒して□+×ボタンで敵を幻影剣が取り囲み一斉に発射して敵を打ち上げる「烈風幻影剣」が使用できる。 ---- **評価点(VD) ''戦闘およびコンボによる爽快感は高い'' -『3SE』のバージルや今作のダンテとはまた違った爽快感を堪能できる。 --閻魔刀による技のバリエーションが多く、刀の扱いに特化した新鮮な戦闘を楽しめる。特に各種ジャストチャージ技はパワフルで爽快。 --ダンテ編と違い、色敵が存在しないのも大きい。エンジェルモードが必要だったウィッチは幻影剣/急襲幻影剣で対処可能。 -ただし、閻魔刀と幻影剣・回避やドッペルゲンガーの特性は凄まじくトリッキーであり、円陣幻影剣以外は使いこなすには相当な慣れがいる。 ''バージルが使えるということ'' -当初バージルはプレイアブルキャラではないと発表されていたため、DLCながらバージルが使用できるのはファンを喜ばせた。 -また、キャラ別に固有のストーリーがあるがほとんど使いまわしだった『2』や、固有ストーリーなしの『3SE』に、本編に組み込まれているがコースを逆走する『4SE』と比べると、有料DLCながら進歩しているといえる。 -フォースエッジやベオウルフといった武器こそ存在しないが、閻魔刀のアクションはさらに多く追加されている。 ''ボスや新敵が本編より強い'' -後述のシナリオゆえボスは実質的には1体だけだが、ダンテ編で出現しない新たな敵も含めて強敵揃い。 --ホロウバージル(日本語訳では亡霊バージル)は威力が高く素早い攻撃パターンも追加されているため、歯応えがある。 -新敵には中ボスクラスの大物もいる。こちらも攻撃力が全体的にかなり高く、他の敵と比べると突出して強い。 --待ち、というより逃げを強要される部分があるのは賛否が分かれるか。 ---- **問題点(VD) ''アクションの総数がダンテより少ない'' -『3SE』のバージルもそこまで多いというわけではないが、今作のダンテのアクションの多さを考えると、コンボの幅は狭まってしまう。 --ただ、ドッペルゲンガーやDTゲージ消費技を上手く使いこなせば、見映えのよいコンボはできないわけでもない。 -またドリームランナーといった一部の敵も出現せず、やや物足りないことも。 ''ストーリー面'' -全6ミッションの短編でサクッと終わる。値段も考えれば一概に悪いとは言えないものの、やはり物足りなさはある。 --本編が尻切れトンボ気味であるためその補完を求めたファンも多いが、結局補完はそれほどなされておらず、むしろ新しい伏線が出現し、次回作を匂わせる終わり方となっている。 -バージルのキャラクターの掘り下げや名誉挽回も期待されていたが、むしろネタっぷりに拍車をかけてしまった部分が多い。 --ネタばれになるため詳細は省くが見ようによっては「''自分を強引に正当化しようとしている''」「''己の不手際を指摘されて逆切れ''」「''軟弱なメンタルになったバージルの被害妄想''」といったように見える。 ---人によっては「本編からさらに嫌いになった」という意見すらある。 --ただし、題名の「ダウンフォール」とは「失墜」「堕落」といった意味なので「バージルの堕落」と考えればまさにその通りである。 ''技名のテキスト誤訳'' --ロード画面と道場で出てくる技解説の技名がほとんど英語のカタカナ表記のままで日本語の技名と異なっており、混乱を招く(例:幻影剣 → サモンドソード)。 ''コスチュームが2種類しかない'' -ストーリーの都合もあるが本編のコスチュームはなく、このモード専用の通常コスチュームと覚醒コスチュームのみ。 --ダウンフォールでの通常コスは髪のおりたもので、バージルのトレードマークであるオールバックではなくなっている。 -終盤以降のデフォルトとなる覚醒コスチュームは''白菜''と評される笑いすら出てくるもので、余計にネタ成分が増えてしまった。 ''途中途中で入るアニメーション'' -ストーリーパートはアメコミ風味のアニメーションが時折挟んで進行するが、その画風が人によっては気持ち悪いと感じる。 --ダンテ編ではイベントシーンにアニメーションは一切ない。どうしてまたVDのみイベントシーンをアニメに、しかもアメコミ絵柄にしようと思ったのか…。 ---理由は恐らくコスト削減のためだと思われる。アメコミ絵柄では無いが他のゲームのDLCでも同じことがある。 --終盤のバージルの髪がパイナップルヘアーのようになっているのが笑いを誘うので、これまたネタになってしまっている。 -一部の敵のボイスが不具合なのか分からないが聞こえないときがある。 --これが問題なのがハーピー。ハーピーの攻撃頻度自体は本編と比べると下がっているのだが攻撃する前の声が聞こえないため避けられないこともある。 --逆にインプリズナーはタイラント同様に、いやそれ以上にうるさい。空中コンボ中はずっと喚き続ける。バージルのボイスといい、VDは音声周りがかなり雑。 ''バグ'' -細かいものからゲーム進行に影響のあるバグまで様々ある。 --特に有名なもので、バージルが特定の技を使うなど特定状況で落下した場合に即死するというもの。まさにバージル''ダウンフォール''である。 ''その他'' -バージルでブラッディパレスをプレイすることが出来ない。 -内容が大幅に異なる故か、ダンテ編との切り替えには長いロードが必要。 -ロストソウルやグリーンクロスの取得難易度がやたら高い。攻略を見ずに取得することは不可。 ---- **総評(VD) ダンテとは異なったコンボ・性能でゲームが楽しめるので、それなりに好評である。~ シナリオ面の評価だけはmバージルが許容できるかどうかで変わってくるだろう。 ---- *DmC Devil May Cry Definitive Edition 【でぃーえむしー でびるめいくらい でぃふぃにてぃぶ えでぃしょん】 |ジャンル|スタイリッシュアクション|&amazon(B00R9NWTQO)|&amazon(B00R9NWX74)| |対応機種|プレイステーション4&br;Xbox One|~|~| |発売元|カプコン|~|~| |開発元|Ninja Theory&br;QLOC|~|~| |発売日|2015年3月10日|~|~| |価格|39.99$|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|''日本&Win版未発売''の完全版&br;一応日本語テキストには対応|~|~| ---- ~ #center(){{ &big(){''FACE YOUR DEMONS((海外版のキャッチコピー。「内なる悪魔と向き合え」という意味。))''} }} ~ ---- **概要(DE) 『DmC』の今まで配信されたDLCをすべて収録し、追加調整要素も加えた上位コンシューマー機種への移植作品。~ 日本では発売されていないが、日本のPS4/Oneで起動すると全編日本語テキストで表示されるようになっている((基本的に訳はPS3/360/Win日本語版の流用。追加要素もちゃんと日本語化されているが、エキサイト翻訳レベルの“雑な翻訳”も一部ある。また、何故か日本のPS4で起動してもアービターのスキンを変更する際にXbox Liveの文がある。))。~ 前述の通り全DLCは収録済みなため、DE用のDLCはXbox Liveでは売っていない。 ---- **追加要素 -1080P、60fps対応 --解像度がfullHDとなり、グラフィックはさらに美麗になっている。 --フレームレートも可変60fpsとなり、PS3/360と比較して非常に滑らかな動きを堪能できる。 ---可変とはいえ、極端なフレームが落ちることはなく、安定して高いフレームを維持できている。 -ターボモードの追加 --ゲームスピードを20%上昇させてプレイできる。本編シリーズでは『3SE』と『4SE』にのみ採用されていた要素。 -ハードコアモード --従来作を踏襲したハードな仕様で敵と戦うことができる特殊モード。難易度選択と併用できるのでHUMAN+ハードコアも可能。 --パリーの成功判定が大きく短縮され((プロップやクリーバー、デスコイルといった連続攻撃も1段目のみ。))、デビルトリガーで敵が浮かなくなるうえ、スタイリッシュランクも旧作並みに上がりにくくなる。 -DMDを超える難易度GMD(ゴッドマストダイ)の追加。 --DMD+ハードコアモードのうえ、さらに敵が常にDT状態+攻撃力アップ+アイテム無しでプレイするおまけ難易度。HAHとほぼ同じく、常に完璧なプレイが必要となる。 -マストスタイルモード --スタイリッシュランクがS以上でなければ敵へのダメージと攻撃スコアが入らなくなるモード。難易度選択やハードコア/GMDと併用できる。 --上手く逆用すれば容易に体力調整も出来たり、『3』並に長いコンボを組めたり、またSランク以上のスコア倍率が保証されるため体力が低い敵相手や低難易度モードでもスタイリッシュポイントが稼ぎやすくなるなど、コンボと稼ぎを楽しみたいプレイヤーにうってつけの縛りプレイ。 -バージル用ブラッティパレスが追加 --全60階とダンテと比べると少ないが、要望が多かった故に好評。 -コスチューム --ダンテに初代のコスチューム、バージルに『3』のコスチュームが追加されている。 --ただし一部のプリレンダムービーには反映されないのはそのまま。 -その他 --M16開始前に新規ムービーが追加されている。エンディングも少し変わっている。 --バージルダウンフォールを含め、無印のDLCは全て収録されている。 --ダンテのエンジェル回避が連続3回まで可能になるアップグレード技が追加されている。 --トロフィー・実績が追加、削除されている。難易度、限定された条件下、時限関連のものといった面倒なものが多く削除され、全解除がやりやすくなった。 ---残っているものに関しても、一部取得難易度の緩和などがされている。 ---ただ、「決め言葉は?」に対する「ジャックポット!」が削除されたのは不評。もっとも、解除する条件が類似している訳でもなく解除難易度の高いものだったが、別の条件に変えれば良かったのでは…((「決め言葉は?」の解除条件は敵を大量に倒す事なのに対し、「ジャックポット!」は高難易度モードでの全ミッションSSSランククリアが条件。))。 ---- **評価点・変更点 -ロックオン操作の追加 --スティンガーやハイタイムの出し方を従来に近い形に変更することもできる。 --オプションでPS3/360版と同様にロックオン無しにしてのプレイも可能。ロックオン無しにした方が戦いやすい場合もあるので両方試してみる価値はある。 -属性敵に対応する武器以外でもダメージが等倍で与えられるようになり、''弾かれなくなった。'' --対応する武器以外で攻撃した場合ひるませることはできないので空中コンボは不可能。反撃を食らうリスクもあるため慎重な運用が必要。 --ハードコアorターボ+マストスタイル併用での攻略には、スキをぬって非対応の武器も入れていくのがコツ。 -DMD以上の難易度で敵の配置が大幅に変更され、さらに敵がデビルトリガーを引くのが早くなっている。 --無印版と比較すると難しくなっているところもあれば楽になっているところもある。 -M5のラストに存在したランダムで出現する地形ダメージが全難易度で完全に撤廃された。 -ブラッティパレス --制限時間を停止するタイマーオフができるようになった。ランキングにスコアは登録できなくなるが、時間を気にせずに攻略できる。 -ロード時間の短縮 --短いとまでは言えないが、据置無印版のように長すぎるということは無くなった。 -ボスの大幅な変化 -大きな変更点として体力の強化だが、行動パターンも大きな変更が加えられている。 --ボブはどの段階でもスイッチを3つ押さなければ攻撃が中断されず、怯まなくなった。 --DEの中でも最も大きな変更点と言えるのがバージルの行動パターンの変更である。 ---まず攻撃後の隙以外あらゆる攻撃を防いだガードがなくなり、いつでも殴れるように変更された。代わりに一定回数近接攻撃を加えると防御、または反撃をしてくるようになった。この変更はVDFの亡霊バージルも同様に施されている。 ---ドッペルゲンガーの仕様も変更。無印ではDTを引いた時に体力が自動回復し、瀕死になった際はこちらもDTを引かなければトドメにならないが、DEでは自動回復やDT縛りがなくなった代わりにドッペルゲンガーが消えなくなった。 ---他にも『3』を彷彿とさせる連続攻撃なども追加され、激しかった攻撃がより激化する結果となり無印よりも数段手ごわいボスとなった。高難易度でなくても油断はできないだろう。 --サキュバス、ムンドゥスは変更なし、ハンターは体力の強化のみ。リリス(キリングフェイス)戦の変更に関しては問題点の項目で後述。 -アイテム配置 --シークレットミッションの扉を開けるキーは色の区別がなくなり、全てゴールドで統一されるようになった。 --ロストソウルや、シークレットキーなどのアイテム配置が一部変更され、概ね取りやすくなった。 -その他 --ラウンドトリップの拘束時間が短くなったりと一部の技に調整が施されている。 ---- **問題点(DE) -(PS4版)北米版限定なため一概に問題点とは言い切れないが、一般的な日本のPS系ゲームとは逆に×ボタンが決定で○ボタンがキャンセルになっているため最初は戸惑いがち。 --ただし、この日本とは逆の配列は欧米版ゲームの一般的な仕様である。また、Xbox系列は最初からこの配置となっているため違和感は少ない。 --ちなみに、時空神像は無印日本版と同じ○ボタンでしか調べられないが、うっかり○ボタンを連打すると時空神像から出てしまう。 -リザルトのタイム判定が異様なまでに厳しくなっており、オールSSSをとるのが無印よりも難しくなっている。 -キリングフェイス戦の二段階目を体力調整でスキップするテクニックが使えなくなってしまった。 --キリングフェイスはダウンを取り一定量ダメージを与えることで舞台であるダンスクラブさながらにステージの明るさが二度変化するのだが、二段階目は全体が暗くなりライトが激しく明滅するという非常に見づらいものになっている。 ---無印では体力調整によってこの演出をスキップでき、時短にもつながるのだが、DEではどうやっても強制的にこの演出が発生してしまうようになった。 -レインストームバグ --攻撃後にエネステ → レインストーム、または空中で× → 直ぐにレインストームでレインストームが勝手に終わるようになってしまった。 ---直後に出さないことで対処はできるものの、一部のコンボができなくなってしまった。 -ロックオンバグ --ロックオンをしている状態でラウンドトリップを投げると妙な方向へ投げることがある。 --他にもマニュアルロックオンがないときもバージルの場合は幾らか見受けられた現象だがロックオンをした状態で敵を倒すと明後日の方向を向いてしまう。 -強制歩きパートはそのまま。道場の問題点もそのままである。 -プレイアブルシーンでfpsが落ちることはほとんど無いがムービーでは多少カクつく。 -前述の通り全DLC収録を謳っているが、オリジナル版で「サムライウェポンパック」に収録されている「アップグレードポイント3ポイント」「ボーンウェポンパック」に収録されている「オーブハーヴェスト」はまだしも、「ゴールデンウェポンパック」に収録されている「アイテムファインダー」は収録されていない。 -バージルダウンフォールにおける音声関連のバグはそのまま、それどころか悪化している。時と場合にもよるが酷いときは音が丸々消えることも。 -物理演算、エフェクト関連のバグがある。 -ターボモードが強制的にOFFになることがある。特にバージル戦で顕著。 --バージル戦では途中で挟まれるムービーをスキップしないと確実にターボ設定が切れてしまう。 -バージルのブラッディパレスに初見殺し的なギミックがある。スーパーキャラで無いと攻略難易度が高い。 -ストンプのファイアーワークスキャンセルができないように修正されてしまった。バグのようなテクニックではあったがコンボの幅が狭まってしまったと考えられる。 --本家もバグを利用したコンボが度々見られるため、こういったバグの修正はアクション的には損失とみられる((余談だが『4SE』でもダンテの薔薇バグと呼ばれるテクニックが使えなくなってしまった上にCS版ではターボ状態でネロのシャッフルをキャンセルできないという事態になっていた。))。 ---- **総評(DE) コアゲーマーに向けた様々な修正と要素の追加が行われ、初心者でも楽しめる手軽さはそのまま、上級者はより奥深いアクションをより快適に楽しめる作品となった。~ まだ細かい問題点はあるものの、それを補って余りある魅力をもつ紛れもない良作である。~ 海外専売&Win版なしということだけが惜しむべき点であるが、前述の通り日本語にローカライズされておりちゃんと起動して遊べるため、入手さえできれば海外版でも問題はない。~ 質の高いスタイリッシュアクションを体験したい人はプレイしてもらいたい一作である。
本項目では『DmC Devil May Cry』と、完全版である『DmC Devil May Cry Definitive Edition』を紹介しています。~ 判定は前者は「なし」で、後者は「良作」です。 ---- #contents ---- *DmC Devil May Cry 【でぃーえむしー でびるめいくらい】 |ジャンル|スタイリッシュアクション|CENTER:&amazon(B00439HA3Y)&amazon(B007T50SM4)|&amazon(B00B04SCLO)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox 360&br;Windows XP/Vista/7/8|~|~| |発売元|カプコン|~|~| |開発元|Ninja Theory|~|~| |発売日|【PS3/360】2013年1月17日&br;【Win】2013年2月28日|~|~| |価格|【PS3/360】6,990円&br;【Win】5,990円|~|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|''海外製''『デビルメイクライ』&br;通称「''デビル&ruby(メイクラ){名倉}イ''」&br;アクションゲームとしては及第点&br;''一部のファンにとっては黒歴史''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[デビルメイクライシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''その快感、悪魔的。''} }} ~ ---- **概要 スタイリッシュアクションというジャンルで人気の『デビルメイクライ』シリーズの5作目。~ カプコンが手がけたナンバリングではなく、シリーズ初の外注作品。~ 開発を担当したのは、『ヘブンリーソード』『エンスレイブド』といったアクションゲームを手掛けたイギリスのデベロッパーNinja Theory(ニンジャセオリー)((2018年6月にマイクロソフトの買収を受け、マイクロソフトのゲーム開発事業を受け持つ子会社であるXbox Game Studiosの一部門となった。))。~ プロモーションビデオ専用のイメージソングはONE OK ROCKが担当している。 発売前は「『3』より前の物語((シリーズの時系列は『3』→『1』→『アニメ』→『2』→『4』→『5』となっている。))で少年時代のダンテを描く」というふれこみだった。~ だが、従来のダンテとあまりにかけ離れたキャラクターデザインや、Ninja Theory側の過去作への挑発的な発言とYouTubeでの工作行為などが国内外から悪い意味で注目され、大きくバッシングを受けることとなった。~ 最終的にキャラデザインはやや変更され、ナンバリングタイトルとは一切関係ない''パラレルワールド''という設定となり賛否両論ある中で発売を迎えた。 ---- **システム ボタンなどはPS3版のデフォルト操作で記載する。 今作のダンテのアクションは『3』のダンテと『4』のネロのアクションの良点を合わせたようなアクションである。 ''天使と悪魔の力'' -今作のダンテは天使と悪魔の間に生まれた子供「ネフィリム」という設定で、通常時のモードと悪魔の力「デーモンモード」に加え、天使の力「エンジェルモード」の3種類のモードをボタンを切り替えながら戦闘を行う。 --切り替えはトリガーボタンの押しっぱなしで行う。R2ボタンを押している間はデーモンモード、L2ボタンを押している間はエンジェルモードに切り替わる。 ---この切り替えの操作はNinja Theoryのゲーム『ヘブンリーソード』を参考にしている。 --デーモンモードやエンジェルモードの時は使用する武器・攻撃方法が変化するのみならず、銃攻撃が特殊な技に差し替えられ、回避行動が強化される。 --それぞれのモードの武器でしかダメージを与えられない敵も存在する(後述のデビルトリガー発動中のみその制約が解除される)。 -通常(ヒューマン)モード --おなじみの長剣「リベリオン」と、「エボニー&アイボリー」などの銃を駆使して戦う、高速で隙の少ないモード。 ---銃による遠距離攻撃技が使用できる。二丁拳銃エボニー&アイボリーはスタイリッシュランクをある程度維持できるようになった上、コンボのつなぎ・高度調整といったハイレベルな魅せコンボに不可欠な用途も健在。 -デーモンモード --一撃の威力に特化した重厚なモード。隙は大きく手数も少ないが、他の技を弾き返してしまう敵の盾すら打ち破るほどの打撃力を誇る。 ---後隙の大きさゆえ使いどころには注意が必要だが、複数の敵をよろめかせたり重量級のザコ敵すらも打ち上げるなど、上手く攻撃を決めれば優位な展開に持ち込める技が多い。また1vs1の状況では絶大な火力で圧倒できる。 ---空中技は敵を下方に叩き落としたり対地攻撃に向く技が揃っている。地面に叩き落とした敵が反動で跳ね上がる性質を利用して、豪快にコンボを継続することも可能。 --銃攻撃は鞭で敵や足場を引き寄せる技「デーモンプル」に変わる。 ---『4』のスナッチと同様の技であり、立ち回りの強化や下方向に吹き飛んだ敵へのコンボ継続に重宝する。また盾や銃撃ガードなどといった特定のガード行動に対して使うと、敵に隙を作り出すことができる。 --今作でも直前回避にスタイリッシュポイントのボーナスがあるが、さらにデーモンモード中に直前回避を成功すると発生するスキル「デーモン回避」も習得可能。 ---デーモン回避に成功するとスローモーが発生し、一定時間攻撃力・速度やスタイリッシュポイント・ランクの増加率が大幅に上昇する。駆使すれば敵やボスを一気に殲滅できるうえ、その分ランクも素早く上げられる。 -エンジェルモード --手数・攻撃範囲や高速移動に特化した軽快なモード。単発の攻撃力は低いが、回避に繋げやすいうえ攻撃範囲などが優秀で扱いやすい。 ---範囲が広いだけでなく、敵を長時間拘束したり、一ヶ所に集めるといった便利な扱い方ができる技も持ち、集団をまとめてコンボ攻撃に巻き込んだり、逆に厄介な敵を無力化して引き離すことができる。 ---空中技は、敵を上空に浮かせ続けるなど、空中での連続攻撃を継続しやすい技が揃っている。 --銃攻撃は鞭で敵や特定地形の下に一瞬で移動する技「エンジェルリフト」に変わる。 ---『4』におけるヘルバウンドと同様の移動技だが、ネロと違い慣性があまり働かず必ず敵の前で制止するため、上に吹き飛ばした敵に急接近し、コンボをさらに継続することもできる。 --このモードでは2連続で回避行動を行うスキル「エンジェル回避」や、空中ダッシュの新基本技「エンジェルブースト」も備え、ステージ間の移動や戦闘での立ち回りにと使用機会は多い。 ''武器'' -『4』のように全ての武器を同時に装備するため、いつでも切り替えられる。 --近接武器は通常時はリベリオン(長剣)のみだが、デーモンとエンジェルには2種類ずつ武器が用意されており、全5種類の中から選択する。 --デーモン武器は方向キー右、エンジェル武器は方向キー左を押すことで切り替わる。 -通常モード専用の遠距離武器である銃は3種類存在し、方向キー上を押すことで切り替わる。 ''デビルトリガー'' -L3ボタンとR3ボタンの同時押しで発動する。本作のデビルトリガーゲージは過去作と比べとても貯まりづらく消費速度も大きいが、効果が大幅強化され、より超必殺技に近い位置づけになっている。 --ちなみに、ゲージは『2』と同様、体力ゲージのようなバータイプの表示。 --発動中は攻撃力が上昇し体力も少しずつ回復していく。さらにコンボやキルによるスタイリッシュポイントにボーナスもかかる。 --加えて本作では防御性能こそ変化しないものの、「''ほとんどの雑魚敵を空中に打ち上げ、全ての敵を無防備にする''」さらに「特定のモードの武器しか効かない敵にも、モード問わず全ての武器でダメージを与えられる」という非常に強力な効果が付与された。 ---今作のダンテのDTは従来のような魔人に変身するというものではなく、発動中は周囲の世界が白黒の嵐のような状態になって敵を巻き上げる。この時はダンテのコートが黒から赤に、髪の色も黒から白へと、従来のダンテに近い色合いに変化する。 --余談だがエンジェルトリガーは存在しない。 ''空中での行動の増加'' -△・○ボタンを常に剣攻撃に使うようになったことに伴い攻撃技が多数追加。地上コンボが減った代わりに、旧作に比べて手数が豊富になった。 --ロックオン廃止に加え、デーモンプル・エンジェルリフトによって敵への間合い詰めが非常に直感的かつ楽になったので、空中コンボの難易度は大きく下がった。 ''パリー'' -敵の特定の攻撃に合わせて近接攻撃をタイミング良く当てると、攻撃を弾き返して敵を隙だらけの状態にできる。もちろんスタイリッシュポイントボーナスもある。 -従来にも「相手の攻撃を弾き返す」「特定攻撃でカウンターする」という要素は存在したが、今作では全ての敵の攻撃にパリー可能なものが必ず存在し、この要素がより強調されている。 --全ボスにも、パリーを決められる攻撃パターンが1つずつ用意されている。ボス相手のパリーには決めた時点でカウンターダメージを食らわせる場合もあるのでとても爽快。 ''奈落・ステージトラップ'' -足場外(奈落)に落ちる可能性のある場面が出た本作だが、落下した場合は一定ダメージを受けて落下前の場所に自動的に戻される。 --旧作同様、ところどころに触れるとダメージを受けてしまう仕掛けも存在している。 -しかし、本作ではそのような奈落・トラップに敵を叩き込めば、一発で倒せて格段に戦闘が軽快になる。少なめながらスタイリッシュポイントボーナスも得られる。 -ただし、Win版以外では、プレイヤーが落下してしまうと何故か死亡回数として加算されることがあるというバグが存在する。 ''その他操作性'' -ロックオン仕様の変更 --攻撃はスティックを倒している方向の敵を優先して・スティックを倒していなくても、攻撃の際に自動で近くの敵を狙う。このため''ロックオンのボタンは廃されている。''一応、L3ボタンを押せば追尾対象を切り替えることも可能。 --ロックオンが優先されるのは自分が攻撃している敵と、今まさにこちらを攻撃しようとしている攻撃中の敵なので、これを覚えておけば攻撃を未然に防げる。 ---ハーピーやエリートスティジアンなどは、デーモンプルを回避するが攻撃中であれば有効になる。この仕様を利用して攻撃に移ることも可能。 --ニュートラル状態でのオートロックオンはかなり優秀だが、方向入力には優先されない。狙った敵に攻撃を当てられずイライラすることは少ない。 ---これによってスティンガーで離脱するといった従来では不可能もしくは困難だったアクションも可能になった。 -過去作と比較すると基本コンボの数は減っているが、個々の技が洗練されて使いやすくなっているため、死に技が無い。 -スティンガーやハイタイム --リベリオンの伝統技である2種のコマンド技は、ロックオン仕様の変更により出し方も変更された。 --ハイタイムといった''敵を打ち上げる技は○ボタンひとつで発動する。''もちろんハイタイムはボタンを長押しすれば敵と一緒に空中にジャンプ。 --スティンガーなどの敵に突進する技は、スティックを2回連続で倒して△ボタンを押すと発動。 --スティンガー直後に△ボタンを連打すると、お馴染みの連続突き「トリリオンスタブ」も出る((従来のミリオンスタブ。ミリオンは「百万」でトリリオンは「兆」という意味。))。 -ネロの一部アクションを採用 --前述のデーモンプル(スナッチ)とエンジェルリフト(ヘルバウンド)以外にも、『4』のネロにおける使い勝手の良い技であるストリークとルーレットスピンとキャリバーがほぼそのままの技名((ルーレットスピンのみ、今作ではルーレットという技名になっている。))・おおむね同じ動作として今作にも採用されている。 --ただし、ネロのそれとは性能に相違点もある。 -回避 --『2』のように、1ボタンで回避アクションが出せる。%%『2』のような高速移動ができるわけではない。%% --R1ボタンとL1ボタンがデフォルトで回避に割り振られており、押すとスティックを倒した方向・ニュートラルなら後方へと回避する。 --さらに空中でも回避ボタンを押せば、スティックを倒している方向に移動して攻撃を回避することもできる。 ---ただし空中回避後は無防備になるので何らかのアクションでフォローする必要がある。プルリフトやエネステをすることで空中回避が復活することを覚えておくと戦闘を有利に進められるだろう。 ---- **評価点 シリーズの各作品の要素を受け継ぎつつ組み合わせており、さらに短所は長所として練り上げている。 ''コンボをつなげる爽快感・各武器を使い分ける楽しさ'' -『3』や『4』で打ち出された、けたたましいまでに圧倒的なコンボを敵へ叩き込む爽快感はさらに進化している。 --戦闘中モードや武器の切り替えを駆使すれば非常に自由度の高いコンボが可能。ロックオン操作に煩わされる心配はなくなり、デーモンプルやエンジェルリフトも使いやすく、吹き飛ばしてもスムーズにコンボを継続することができる。 --プルやリフトによっても空中攻撃を連発できるようになり、技の連続使用による高度落下も非常に緩くなったため、今作ではエネミーステップの価値が相対的に減った。 ---したがってエネステは主に技のキャンセルに使われることになるが、'''成立判定が非常にゆるくなり'''、簡単にコンボに組み込めるようになった((成立時に足場に黒いモヤがかかるが、これが意外と離れた位置からでも発動する。そしてプルを組み合わせることで非常に容易に繰り出せる。))。 ---操作をちゃんと覚えれば、デーモンプル・エンジェルリフトだけでも見栄えと実用性を兼ねたコンボを決めることが出来る。もちろん上達すれば、エネミーステップや銃器の特殊技すらも駆使した旧来の高難易度コンボで魅せることだってできる。 --さらに、エンジェル武器は空中でも複数の敵を巻き込むことができるため、これまでは余りできなかった集団の封殺までも出来るようになった。 -使える武器の種類や技のバリエーションは多い。 --近接武器はおなじみの「リベリオン」と恒例の格闘系武器(エリクス)の他に「斧」「鎌」と、敵を拘束したり引き寄せる「手裏剣」(一応近距離武器扱い)と色々使える。銃器もおなじみの「エボニー&アイボリー」と恒例のショットガン(レヴェナント)に、変わり種の爆発系の銃「ケブーリー」の3種類が揃っている。 --その他、デーモンプルやエンジェルリフトでは鞭のような武器を用いる。またプルやリフトの直後には、アッパーカットや回し蹴りといった肉弾戦まで行える。 --かといって無駄に技の数が多すぎるということもなく、各技の性能は従来のシリーズに比べて洗練されている。''死に武器や死に技は無い''という『DMC』シリーズ念願のバランスがようやく実現されたのは特筆すべきだろう。 -実はスタイリッシュランクがSランクを超えるとダンテの攻撃力・技タメ以外のスピードが少し上昇し、純粋な攻略にも効果を発揮するようになっている。 --攻撃力は1.2倍に上昇する。『3』のベオウルフ魔人と同等との補正をランクのみで受けられる言えばかなり大きな補正といえるだろう。 --Sランク到達時、略語に合わせて音声が流れる。今作ではSが”SAVAGE(殺伐)”、SSが”SADISTIC(嗜虐)”、SSSが”SENSATIONAL(驚倒)”である。 --スタイリッシュランク自体も『4』と比べて格段に上がりやすくなっている。 --デーモン回避の攻撃力・速度上昇効果と合わせれば、正に「キメている」ようなハイスピードコンボアクションへと突入できる。 ''一撃を決める爽快感'' -『1』のように攻撃力の高い技がデーモン武器を中心に用意されている。複数に当てにくいが、スタイリッシュランクも相応に大きく上昇するので、コンボに頼らない戦法も充分認められている。 -一部の雑魚戦では奈落や特定トラップへ敵を放り込むことで即死させることもできるなど、臨機応変な戦術を取ることもできる。 --ただし、ENVIROMENTALボーナス点は基本的にそれほど高くないので、稼ぐなら楽はできない。高難度ではむしろコンボ途中で場外に落としてしまうとランク的にきつい。 ''新機軸の操作性'' -『4』のダンテの操作性は非常に複雑だったが、今作のダンテはシリーズ中で最も直感的に操作しやすいように工夫されており、初心者でも上級者でも今までほど複雑な操作は要求されないので遊びやすい。 -『4』における4種のスタイルを1つに統合し、無駄な技を無くしたりスタイル切り替えの手間を無くすなどして、より洗練された操作にまとまっている。 --回避アクションはいつでもワンボタンで行える。L2+□で敵への急接近、L2+×で空中ダッシュが行える。(=トリックスタースタイルに相当) --R2を押しながら敵の攻撃をタイミング良くジャスト回避すると、しばらく攻撃力がアップする。(=ロイヤルガードスタイルに近い仕様) --○ボタンでいつでも近接武器の特殊技を出せる。(=ソードマスタースタイルやロックオンコマンド攻撃に相当) --□+×ボタンでいつでも銃器の特殊技を出せる。(=ガンスリンガースタイルに相当) -『4』におけるネロのスナッチとヘルバウンドと同様のアクションを使うことができ、さらにネロと違ってそれら2種を自由に使い分けることもできる。 --正規シリーズのダンテはネロとの差別化のためもあってか「敵を引き寄せる」アクションは基本的に使えなかったり使い勝手が悪いといった制限があり、また『4』のネロは敵を引き寄せることはできても遠距離の敵に近付く手段は限られていた。 ---しかし、今作のダンテは敵を引き寄せるのも敵に急接近するのも自由自在であり、この点で幅広い戦い方が可能。 -ただし、独特の操作性ゆえに慣れが必要な部分はある((スティンガー系のコマンドが左スティック2回入力である、□+×の同時押し判定が厳しいなど。))。 ''敵を攻略する楽しさ'' -様々な技やデーモン回避やパリーといった要素によって敵の弱点を突いたりアドバンテージを得るためのチャンスに変えることができる作り。 --デーモン武器の破壊力と相まって、タイラントやブッチャー、レイジ、そしてドリームランナーと言った強敵も、弱点を突くことでそれなりに速く倒せる。 -敵の攻撃も予備動作とボイスによってわかりやすく作られている。空中を含め、多くの攻撃から回避アクションへスムーズに繋がるおかげで、避ける楽しみも両立している。 -今作は最高難易度であるDMDにおけるデビルトリガー(通称DT)状態とは別に、スーパーアーマーつきの怒り状態になる敵が存在するが、代わりにそちらへの対抗策も従来より多めになっている。 --例としてはエボニー&アイボリーのリコショット(溜め打ち)を最大溜めで当てる・リベリオンのドライブなどを溜まり切るジャストタイミングで放つ、アービターの特定技を当てるなどで、怒り状態をすぐに中断できる。 -このことから銃器の出番もはっきりしており、コンボを意識しなくとも使い所を見出しやすくなった。 ''謎解きがほとんど無い'' -従来の作品にあった謎解きといった要素はミッション18を除いてほとんどのステージで存在しない。 --デーモンプルとエンジェルリフトを駆使したアスレチックのような操作で移動し、ひたすら戦闘をするというデザインとなっているので、リプレイ時も面倒な操作をしなくてすむ。 ''グラフィック・演出'' -中世的な美術が根幹にあった『4』までとはまた違ったデザイン。無秩序に組み替えられたモチーフ、黒い液体と極彩色にまみれたダーティーな雰囲気ながらも画質は充分良好。 --今作は現実世界と魔界の狭間「Limbo (リンボ)((元々はキリスト教における死後の世界「辺獄」を意味する。ここは「天国に行けるような善人ではないが、地獄に落ちるほどの悪人ではない者(=キリスト教の洗礼を受けず原罪を抱えたまま死んだ人間)」が死後に辿り着く場所だとされている。まさにあの世(魔界)とこの世(現実)の狭間である。))」でダンテが戦闘を行うという設定だが、このリンボはリアルタイムで建物などの背景がめまぐるしく変化する。この背景のギミックも非常に凝っており、ビジュアル面で飽きさせないように作られている。 ---言うなれば、''世界全体がダンテに牙をむき、街そのものが悪魔として襲いかかってくる''という設定になっている。 --ムービーなども『ヘブンリーソード』を手掛けたNinja Theoryらしく、キャラクターの表情を実際の役者の演技から取り込んでおり、リアルな表情を見せてくれる。 -その場所に沸く敵を全滅させると、とどめの一撃の際は画面全体がスローモーションに+カメラがダンテにズームするというスタイリッシュな演出が発生する。 ''カメラワーク'' -ほぼ全ての場面で右スティックによるカメラの操作が容易になり、視点固定の場所はほとんど無くなった。 --従来のようにカメラに写っていない敵は攻撃しないので、視点操作でも敵を無力化させやすい。 ''音楽'' -オランダのバンド「Noisia」がイベント/一部ボス戦の曲を、ノルウェーのバンド「Combichrist」が戦闘曲を担当している。 --Combichristは「EBM (エレクトロニック・ボディ・ミュージック)」シーンで知られるミュージシャンだが、今回は旧シリーズに若干近いインダストリアル、ハードコア・デスメタル風味に比重が置かれた楽曲を提供した。 --それに加えて、Noisiaによるダブステップ・ドラムステップ調のBGMも負けず劣らじと、悪魔との戦いをしっかり盛り上げてくれる。 -BGMのシームレス変化も節々で採用されており、スタイリッシュランクがSを超えると楽曲も盛り上がる。 ''トレーニングモード(道場モード)'' -今作初登場。HP無限で攻撃してこないザコ敵にコンボを叩き込むことが出来るモード。 --細かい設定などはできないが武器や技の確認・コンボ練習につかえる。 ''ブラッディパレス'' -『4』とほぼ同じ、難易度が上がっていく中で全100階の敵を倒し続けるゲームクリア特典のサバイバルモード。DLC扱いだが無料で配信されている。 ''クリア後の評価'' -今作の評価は「スタイリッシュポイント」「タイム」「隠しアイテム((近接攻撃で破壊できるロストソウルと、従来のブルーオーブに相当するグリーンクロスのかけら、そしてシークレットミッションの鍵と扉。))取得率」と「リスタート回数・アイテム使用回数」で評価され、判定もD~SSSまでで評価されるようになった。 -『4』で特に不評だったオーブ評価は撤廃され、オーブの取得量自体は評価されなくなった。 --ただし、スタイリッシュポイントが他要素によって倍増されていく形式は『4』から継承されているので、今作では特に隠しアイテム発見率がミッションランクに大きく影響する。 --隠しアイテム取得の進行は同じセーブデータならどのモードでも共通。 --1周では100%にできない場合もあるが、100%にさえしてしまえば戦闘と移動のみに集中できるようになっている。 ''シークレットミッション'' -扉を開けるために3種類のカギが必要な点は面倒ではあるが、シークレットミッションの難易度、面倒さが下がっただけでなくメインメニューからいつでも挑戦することができるようになった。 --シークレットミッションの内容も戦闘アクションを学ぶのに役立つ内容になっている。立ち回りの勉強をしたい場合はシークレットミッションで練習してみるのも良いだろう。 ''その他'' -DTゲージが無限になるモード「スーパーダンテ」(恒例であるDMDモードのクリア特典)はコスチュームに関係なく使用が可能になった。 -『4』の改悪要素である「武闘神像が×ボタンでも入れる仕様」は削除され、○ボタンのみとなったことに加え、敵がいるときは調べることができなくなった。 -プラウドソウルに該当するホワイトオーブは、敵を撃破した分の獲得量が随時手に入るようになった。ミッション終了時のボーナスもある。 --いわゆるレベル/経験値制に近く、スキルの習得に要するコストは全て共通でホワイトオーブゲージ1つ。オーブ総数が増える毎にゲージは重くなるが、今作でもスキルの払い戻しや、全てのスキルを取得することが可能。 --ただし、『4』ほどではないが全てのスキルをコンプリートするには相応の場数をこなす必要があるため、人によってはダレることも。 ---技の種類によってコストが変わることがない他、技の強化も基本的には攻撃力がほとんどなので、全ての技を使うだけならそれほど問題ではない。 ---- **賛否両論点 ''キャラクターイメージの変更'' -ダンテ --「長剣と二丁拳銃」はそのままだったが、「黒いコートに黒い髪」「天使と悪魔のハーフ」など従来のダンテ像を覆すビジュアルイメージ。 --一方で、初めて情報が公開された時はその顔立ちがお笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤氏に似ていたことから「''デビル&ruby(メイクラ){名倉}イ''」((これが転じてか、タイトルの「DmC」でネット検索すると結果が過去のシリーズ作品と被ってしまうため、現在も本作への略称として「名倉」を用いる例も見られる。言うまでもないが、名倉潤氏を侮辱するような意図は一切なく、あまりにも似すぎていたために引っ張り出されたに過ぎないことを留意されたし。))、またその名倉氏が「タイ人に似ている」とよく言われる((本人公認のネタであり、後にタイ政府公式広報大使を務めた際には「大使としてふさわしい方で、私達から見てもタイ人らしくみえる」と絶賛されたことまである。))ことから本作のジャンルに掛けて「''タイリッシュアクション''」などとも呼ばれた。 ---一応、髪型と服装を『3』準拠のものに変更できるDLCがある。 --性格も「皮肉屋だが正義感は強い」というイメージとは異なり「良く言えばノリの良い悪ガキ、悪く言えば下品な不良」といった描かれ方となっており色々な意味で従来の作品よりも過激である。 ---敵を挑発するシーンでは『4』の主人公ネロの倍以上にFワードを連発し、中指立ても完備。『4』のネロの様に字幕に伏字が出るような場面は無い。 --なお、かつてネット上で流れていた噂として、本作ディレクターが「(ダンテの)カッコ良さを追求した結果、自分に似せざるを得なかった」などと発言したとして騒がれていたこともあるが、この発言に関しては一切情報源が見つからず''デマ''であることが濃厚となっており、後にディレクター自身が「[[私はキャラクターをデザインしていません。>http://www.gamespark.jp/article/2012/03/09/32335.html]]」と公表している。 -バージル --顔自体はバージルより初代のネロアンジェロ3戦目に近いと、そこは意外とリスペクトされている。 --『3』のバージルのように冷徹で他人を利用して目的を達成しようとする点は変わりないのだが、これまでのバージルと比べると戦闘面で表立つことがなく裏方に徹することもあって非常に小物っぽいキャラクターになっている。 --ダンテと比較すると、デザインは旧来からさほど変わっていないが、非常ににこやかで爽やかな青年になっている。 ---幻影剣を''スパイダーマンの様に''飛ばしたり、敵の悪魔と''掴みあいの戦い''を繰り広げたりなど、スタイリッシュなのか笑いどころなのか、人によってかなり受け止め方が変わってきそうなシーンがある。 --本編の言動や行動から某掲示板などでは「mバージル」「汚兄ちゃん」とネタキャラとして愛されていたりする。 -ムンドゥス --普段は人間の姿、というより''いかにも権力者といった風貌をした禿げ頭の中年男性。''世界最大の銀行の頭取で、もちろん正体は魔界の帝王。 --本作の世界において、政治経済を支配しているのは悪魔だということを表現する存在である。 --『1』に登場したムンドゥスよりもやることがエグいというか、生々しい。それはダンテやバージルにも言えることなのだが。 ---「悪魔」という設定でなければ倫理的規制に引っかかりそうな表現と一番縁が深い。日本版ではそのシーンは規制を食らっているが。 ---ある「挑発」をされて激怒するシーンや、終盤のイベントシーンは良くも悪くも人間臭い。%%人によってはギャグに見えるかもしれないが。%% -スパーダ --悪魔から人類を救った伝説の魔剣士という設定が消え、天使であるエヴァと禁断の恋をし、駆け落ちしたムンドゥスの元部下という設定になった。 ---本編ではムンドゥスによって地獄の責め苦を受け続けている…のだが、その内容が''裸で鎖に縛られるというイメージシーンのみ''で一見ではSMでしかなく、過去作のような凄味を全く感じられない。 -これらを完全に今までのシリーズとは別物と割り切る傾向もある。 --事実ダンテは「とっつきにくそうな見た目に反して案外いい奴」「これはこれでいいキャラ」という意見は多い。 --否定的な意見やネタキャラ扱いがあるバージルに関しても、deviantARTやPixivといった画像投稿サイトを中心に人気が出ている。 ''フレームレートが30fps'' -前作『4』が60fpsでぬるぬると動いていたこともあり、今作はそれと比べるとフレームレートは落ちている。 --リンボの背景演出などで処理落ちを起こさないための処置であったが、それゆえフレームは安定しており、処理落ちはあまりなくゲーム自体は快適に動作する。 --これはPS3/360版のみで、'''Win版ならスペックがしっかりしていれば従来どおり60fpsで動く。'''Unreal Engine 3を使用しているのでその推奨動作環境は相応に高め(DX9対応、[[参考>https://www.capcom.co.jp/support/faq/platform_pc_dmc_059938.html]])。 --モーション自体は滑らかに作られており、Win版では非常にスムーズな動きを堪能できる。 ''ヒットストップ'' -Win版では一部技のヒットストップが緩くなっている。一撃の強い技の爽快感が減ったと見るか、スピード感が増したと見るかは人によって意見が分かれる。 ''操作性に関する賛否両論'' -ボタン配置の変更 --上記の通り、操作方法は似ているようで結構変わっており、過去シリーズに慣れ親しんだ人ほどデフォルトのボタン配置はとっつきにくく、そして逆もありえる。 ---といえどもロックオン系統のコマンド技がなくなっているだけに攻撃の操作はむしろよりシンプルになっている。慣れればより直感的に操作できるし、キーコンフィグも可能である。 ---強いて言えば唯一のコマンド系で先行入力が効きにくいスティンガーなどや、ジャンプボタンと射撃ボタンの同時押しで使うレインストームなどが出しづらいことか。 -ロックオン操作の変更 --もちろん慣れと言ってしまえばそれまでの話かもしれないが、コマンド技の出し方も含めて従来のロックオン操作でプレイしたかったという声が少なくなかったのも事実である。 ---ロックオンカーソルが廃止されたため、「敵の残り体力が画面上で分からない」という人によっては気になる部分も出てきてしまった((『2』以降ではロックオンカーソルが敵の体力ゲージを兼ねているため。))。 ---そのため敵の体力やこちらの武器ごとによる攻撃力をあらかじめ把握しておかなければ、本作の評価点である敵へのトドメ演出を狙って出しづらいという点もある。 ---斬撃を飛ばす「ドライブ」や、「ケブーリー」のダーツを全弾命中させてからの爆破といった、トドメに使うと見栄えのいい技が多いだけに惜しい点ともいえる。 -デーモン回避とエンジェル回避の操作は、どちらも回避ボタン入力のみで行えても良さそうなものであり、それぞれの操作方法をR2+回避ボタン、L2+回避ボタンと分けて操作を複雑化させる必要性はあまり感じられない。 --「R2との同時押しはデーモン側の能力、L2との同時押しはエンジェル側の能力」という法則通りの操作体系ではあるのだが、その法則に縛られているとも言える。そもそも回避に関する能力をデーモン側とエンジェル側で分ける必要があったのかも疑問である。 ---- **問題点 ''属性敵の存在'' -赤い色の敵と青い色の敵が存在し、赤い敵はデーモンモードの攻撃、青い敵はエンジェルモードの攻撃しか受け付けず、他の武器では攻撃が弾かれてしまう。 --この敵のせいでコンボの幅が制限されてしまい、前述のコンボをつなげる爽快感が損なわれてしまう。 ---特に1周目で武器が充分に揃っていないうちは登場数こそは少ないものの、1種類の武器でしか攻撃できずワンパターンになりやすい。 --こういったシーンでの行動は基本的にエンジェルモードの技(特にアキュラのラウンドトリップ)により青い敵の行動を封じ込めている間に、赤い敵をデーモンモードで1体ずつ仕留めることになる。 --ただし、デーモンモードは手数・範囲と空中での行動数が小さいため、動きが単調になりがち。 --デビルトリガーを発動すると武器やモードに関係なくダメージを与えられるようになるが、今作のデビルトリガーはゲージがたまりづらいので乱用はできない。 ''ボスが弱く魅力がない'' -ボスは洋ゲーらしいグロテスクな巨大クリーチャーが多く、『1』のネロ・アンジェロのような壮麗な悪魔や『3』のネヴァンのようなお色気たっぷりの美しい悪魔、『4』のべリアルのような威厳のある悪魔は一切存在しない。 -そして、大半のボスが下品な言葉でダンテを罵倒してくる。舞台がそのまま現代社会であるのに対応しているのだろうが、どことなく小物感が漂う。 -全体的に攻撃が単調気味。さらに''高難易度でもあまり行動は変化しない。''従来作の強敵どもに慣れたプレイヤー、そうでなくともアクションゲームが得意な人なら苦戦することはあまりない。 --そして共通して体力が低く((デーモンモードの存在から、ダンテの対ボス火力がかなり高めともいえる。))、Sランク以上を維持してデーモン回避 → デビルトリガー + 大斧アービターで一気に攻撃すればすぐに死ぬ。この点はボスが無駄に硬かった『2』よりはマシという意見もある。 #region(ボスの一例※ネタバレ含む) -サキュバス --体験版でも登場したボス。安全安心健康をうたって有毒な飲料水を販売するメーカー「ビリリティ」の原料を作っており、人間を体内から弱体化させる悪魔。 --初期の頃からデザインと名前が公開されており、このゲームを代表する(?)ボスにして、色々な意味で本作の醸し出す雰囲気を象徴しているようなキャラ。 --サキュバスというと普通、同社が発売している『ヴァンパイア』のモリガンや『3』のネヴァンのような妖艶な美女を想像するだろうが、本作のやつは''毒ゲロを常に口から吐いている、グロテスクで気持ちの悪い芋虫のような化け物''であり、色気など皆無である。 ---ただし、サキュバスは「人間に淫らな夢を見せ精を吸い取る」といった悪魔であり、「''夢の中では美女だが実際は醜い老婆のような姿をしている''」というのが本来の伝承である。つまり、このサキュバスは''ある意味で原典に忠実な解釈''ではある。 --従来作や本作の他にも女性の悪魔は出ているが、そいつらと比べてもぶっちぎりで醜悪である。死に際もかなりエグイ。 ---ダンテとは''お互いFワードで罵りあう''というスタイリッシュを離れて「小学生の口喧嘩」とまで呼ばれた掛け合いを繰り広げる。 ---戦闘中も「噛み砕いてゲロにしてやる」「手足をもぎ取って''聖水''をかけてやる」などの罵詈雑言をぶちまけてくれる。 --初見では狭い足場と範囲の広い攻撃で強く感じ、難易度ネフィリム以上でしか使われないパターンもあるが、どれも慣れれば見切りやすい。 --弱点の眉間にヒットするとボスらしからぬ減り方をするので、高難易度でもD回避バフ中にアービターをブチ込めばあっさり秒殺できたりする。 -ボブ・バーバス --ニュースキャスターの男性。リンボでは3Dホログラムの姿をしている、自称「神の代弁者」であり支配者(悪魔)たちの都合の良いようにテレビで情報操作しプロパガンダを広めている、人間の社会や世論を操る悪魔。 ---ボスに至るまでの道筋や演出は好評であるが、その姿から一体どういう悪魔なのかがよく分からない。 --そして弱い。攻撃が単調で避けやすく、倒し方もワンパターン。 ---一定のダメージを与えるごとに雑魚との戦いに突入するのだが「悪魔と戦うダンテをビデオカメラで撮影している」といった演出になっている。演出は面白いが、カメラが遠く見にくく、物陰に隠れるような場合視認ができない。 --設定からくる弱さと考え、単純に演出を楽しむオーブ稼ぎ用ボスと割り切るのが良いかもしれない。 -ムンドゥス --普段の格好が禿げ頭の中年男性であり威厳に欠けるのはまだしも、ボスとして戦う姿も岩石の巨人のような姿で一部から「序盤のボスっぽい」といわれる始末である。 --そして終盤のボスにもかかわらず攻撃パターンもわりあい見切りやすい((事実、パターンはサキュバスの亜種と言われている。))。 --ただし、避けやすいかというと微妙なところがあり攻撃の威力だけは異常に高いため、DMDとブラッディパレスでは無傷か即死かのどちらかという極端なボスでもある。 ---実際の実力とストーリー上の小物っぷりから半分ネタにされている。 #endregion ''一部見づらいステージ'' -基本的にリンボの色彩は極彩色となっていることが殆ど。中でもクラブ内のリンボで戦闘するミッション13は、背景の色がめまぐるしく変わり目に悪く、前述の属性敵などが見づらい。 --演出自体は面白いのだが、その演出に懲りすぎてアクション面でやや支障が出てしまっているというものである。 ''「挑発」の削除'' -挑発は本作と『2』以外必ず搭載されていたアクションである。 --遊びとしても効果的で、攻撃の合間や待ちを強要されている間にうまく挟めば見栄えも良くなり、敵をダウンさせた隙を縫ってスタイリッシュランクゲージやデビルトリガーゲージをおまけできる密かに重要なアクションだったが、今作では廃止されている。 --コンボによるスタイリッシュさはあるものの、こういった部分で演出できず物足りない部分がある。 --デビルトリガーゲージは今回の強力さゆえ増えやすくするとゲームバランスが壊れる可能性もあるが、ならその仕様をカットして完全な遊び要素でもいいから搭載してほしかったというファンの声も非常に多い。 ''ロード時間が長い'' -ミッションをはじめるときやメインメニューに戻るときのロードは長く、この部分でテンポが悪い。 --とくにミッション2はエンジェルモードとデーモンモードのチュートリアル的イベントのため、何度か別の世界へ飛ばされるが、その切り替わりのロードも遅く、リプレイするたびにそのロードに耐えねばならない。 --このロード時間もWin版ではスペック次第で大きく改善される。 ''細かいバグが多い'' -ロード中のサンプルコンボムービーの音が途切れたりといった地味なバグが多い。プレイにものすごく支障が出るというものでないのが救いか。 ''日本語字幕の酷さ'' -今作の日本語字幕が、前作までと比べるとセンスの感じられない訳が多い。 --一例として「モチさ(Yeah. Good.)」「増援をよこせと言え!(We need a demo squad here NOW!)」など。 --またバージルがにやけながら日本語字幕で「よしてくれ」と言うシーンが、上記のmバージルとしてネタとなるほどシュールなシーンになっている。 -他にもシリアスなシーンでもセリフのニュアンスや本来含んだ意味と違う意訳がなされているため、実際のセリフとキャラに対する感じ方にズレが生じる。 -特に賛否両論なのがステージ1でダンテが言う「ダセェな(Not in a million years.)」というセリフ。 --英文を直訳すると「''百万年が経っても駄目''」であり、意訳は「''ゼッテー嫌だね''」と言った具合である。 #region(該当シーンについて) -敵の攻撃で銀髪のウィッグが吹き飛んできてダンテの頭に被さる。銀髪ウィッグを被った自分を鏡で見たダンテは一言「''ダセェな''」である。 --従来のダンテを馬鹿にするようなこのセリフに激怒するファンも居れば、爆笑し絶賛するファンも。 --もちろん重要でもなんでもないちょっとしたシーンだが、発売前の状況からして笑って流せないファンは一定数存在した。 #endregion -海外制作ということで一部の会話やジョークなどは英語字幕でなければ意図を理解できないものも存在するので、本作の世界をより楽しみたければ英語字幕でプレイすることをお勧めする。 ''エンディングについて'' -ネタバレ防止のため詳細は控えるが、ストーリーに関しては尻切れトンボで、次回作に続くような終わり方になるためどうしてもスッキリしない部分が残る。 --「概要」で前述した通り、本作は元々『3』よりも前の話として描かれる予定であった。そのため本作(のエンディング) →『3』へ繋げようとした名残りがある。 ---ちなみに、現時点では本作の続編制作に関する情報は全く無い((開発元のNinja Theoryがマイクロソフトに買収されたこともあり、現状では続編製作は厳しいかもしれない。))。 ''コスチューム'' -本来収録されている3つ+DLCコス3つがある。 --反面ただの色変えなどが多かったり、ファンから最も需要がありそうなクラシックダンテ(『3』の衣装)はDLCである。 -ムービーではほとんどのシーンではコスチュームチェンジが反映されるが、従来と違いそれが反映されないプリレンダムービーが一部ある。 ''ムービーが多い'' -スタッフが「ストーリーに力をいれている」と語っているだけあってムービーが多い。 --ただ「ムービーが長い」というより「短いムービーがいくつもある」といったものであり、ムービーゲーにはなっていない。 --ボス戦でもシームレスイベントが途中で挿入される『[[ゴッド・オブ・ウォー>ゴッド・オブ・ウォーシリーズ]]』シリーズのような演出が多く、今までのシリーズよりテンポが悪く感じることも。 ---飛ばせないイベントがあるのも原因か。 ---特にラスボスは体力を一定数減らすごとに細かくムービーが流れるので、いまいち燃えない。こちらは飛ばせる。 ''道場'' -技の性能を確かめたりコンボを練習するための場として有用な道場ではあるが問題点がいくつかある。 -まず背景が真っ白で何かオブジェクトや壁もないため高度や距離感が非常につかみ辛い。コンボを行う際には高度調整も必要であるため、結局はミッションで練習しなくてはならないことも。 -他にもミッション中のように使用している武器が一目で分からなかったり、練習台となる敵が1種類のみで固定であり他の敵種での練習ができないという問題点が。 --各敵ごとのデーモン回避やパリーのタイミングなどを覚えるためには、結局本編かブラッディパレスでその敵と戦える箇所まで地道に進め実戦でトライアンドエラーを繰り返すしかないが、それだと''ミッション評価がガタ落ちしてしまう。'' --本作では基本的に敵毎にエネステ判定が細かく設定されていないためエネステに関しては問題ではないのだが、ショウダウンや兜割に対して特殊なリアクションを起こすことのあるラヴェジャーを想定したコンボの練習ができなかったり、タイラントやブッチャーの大型の敵でのコンボを試すことができないというのは問題である。 ---本家に輸入するにしてもこのままでは各エネミーでのコンボを想定した練習ができないため、ある程度の改善が必要である。 ''その他'' -倒し甲斐のある敵として人気の高い強敵・ドリームランナーについての注意点 --ドリームランナーは空中でコンボを決める場合、基本的に七回攻撃をヒットさせたら反撃してくるという特性がある((場合によっては1回だけ攻撃を当てただけでもカウンターをしてくることもあるがカウンター自体の予備動作が分かりやすいため問題ではない。))。 --この特性を利用してデーモン回避で攻撃力を上げたりと、知ってさえいれば立ち回りの強化に役立つので、これ自体はさしたる問題ではない。 ---ただし、エリクスは溜め攻撃時のエフェクトが見づらいため注意が必要。 -謎解きはほとんど無くなったものの、長く移動させられるだけの箇所があり、その部分は2度目以降ダレやすくなる。M5やM12では''歩き移動''させられるだけの箇所がある。 --「無限エンジェルブースト」というバグ技を使えば移動の手間隙を劇的に短縮できたのだが、修正パッチによって不可能になった。 -スタッフロールは何故か開発現場の様子が流れる。 --『3』や『4』で好評だったED中に敵と戦うボーナスシーンはなくなっている。ちなみに、ゲーム未クリアでもスタッフロールだけ見ることもできる。 -トロフィーの名前は従来作のセリフに統一されているが、内容と名前が一致してないものが多くとってつけた感がある。 --特に酷いのが「お前を暗闇から救えなかった!」である。解除条件はロストソウルを全解放すること。''救えているのだが。'' ---- **総評 日本ではシリーズが『4』から長いこと音沙汰がなく、ネロの謎などが深まっていた時期の発表・発売だったこともあり、本作のビジュアル面や世界観の変更に嫌悪感を示す意見も多く見られ、この作品をシリーズの1つと見なすには微妙とする意見も多い。~ しかしながら、システム面に関しては、『1』から『4』までのいいとこ取りをしつつ、独自の要素も面白さを損ねておらず、完成度が高いと評価されている。~ 賛否両論で発売されたものの、発売後に海外では全体的に絶賛された。~ それは本作に細かい問題点はあれど、アクションゲームとしては過去作に勝るとも劣らぬコンボアクションの爽快感を紛れも無く実現していることの証左に他ならないだろう。 ---- ***ファンからの扱い -概して海外では肯定的((ただし、最初期のトレーラーが公開された際のバッシングは海外ユーザーの方が過激であり、当時のYouTubeには批難する動画が何本も投稿されていた。))だが、日本では二分されている。 --アクションゲームとしては決して悪いわけではないとする声、本作の世界観やキャラクターを好む人、「パラレルだから」と完全に割り切る人もいる。新規ファンからの受けはそれなりに良かったりする。 -現在でも操作性や世界観、デザインの変貌に抵抗がある人は少なくない。 --これは、従来のシリーズがゲーム性だけでなく個性的で魅力的なキャラクターが揃っていた故でもある。 --本作を巡る論争には肯定派の過剰な擁護や、否定派の無根拠な非難もあったのも事実である。 --動画投稿サイトではプレイ動画が投稿された後すぐに、肯定派と否定派がコメントで叩き合いを始めるような状況もあった。 ---- **余談 -最初期のトレーラーでは''日本海外問わず凄まじく評判が悪かった。''理由を以下に記載すると、 --肝心のアクション、モーションが%%『2』様も馬鹿にできないほど%%モッサリッシュで、銃声に迫力がなかった。 --前述の通りダンテのキャラが違いすぎるうえに、当初はパラレルではなかった。 --何故かダンテがタバコを吸っている。 ---このトレーラーはまだパラレルになる前であること、そして「''ダンテがタバコ嫌い''」という''公式設定''があることからファンから大分指摘された。%%そもそも『3』前なら未成年なのでどっちにせよ犯罪。%%結局パラレルになった本編では一度もタバコを吸うシーンはない。 ---製品版では大なり小なり改善されたものの、初期トレーラーの酷さが足を引っ張った感は否めない。 --その一方で、パラレル設定に変更されたものの、最初期のトレーラーで見られる多くの要素がゲーム内にしっかり落とし込まれている。 ---「デーモンプル」や「エンジェルリフト」「エンジェルブースト」といった本作を象徴する要素が最初期のトレーラーでも確認できる。 -製作陣のインタビューでの発言は何かと物議を呼んでいた。 --「もしダンテが昔の格好のまま東京の外にあるバーにいったとしたら、彼は笑い飛ばされるだけでしょう」といった発言で、納得するファン・悪印象を持つファンという二分化がこの頃から起きていた。 ---さらに余談になるが、『DMC』シリーズの産みの親である神谷英樹氏が手がけた作品『[[ベヨネッタ]]』について「クールだと思うか?」と問われた製作スタッフは、「ゲーム自体は大好きなんだ。最高のゲームだ。とにかく、徹底的にぶっ飛んでる。でも"クールだと思うか?"と問われれば、全く思わない。戯画風でド派手で、非常に日本的だ」と述べている。 ---これについて「ベヨネッタを馬鹿にした」というような否定的解釈をする者もいた。 --「製作陣が本作のダンテを(暗に)ゲイであると発言した」…という噂がネット上にあるが、やはり根拠不明。 ---真実は謎だが、とあるYouTubeのユーザーが「''マジでゲイの吸血鬼に見えるよ''」と発言したことがあるため、それが誤解(あるいは歪曲)されたのかもしれない。 -ダンテの演武や串刺しにされるシーン、最後の決め言葉などシリーズおなじみの要素やお約束がない((最後の決め言葉はトロフィー・実績名にはなっている。DE版では削除されたが。))。 --ファンからしたら「それないの?!」というレベルのものである。 --串刺しに関してはダンテが刺されることはないものの、逆にダンテから串刺しにされるキャラは存在する。 --演舞も存在はしないが、ストーリー冒頭で全裸のダンテがバスの中で着替えるシーン((敵がひっくり返したバスの中で、裸のダンテが漂う服に着替えていくシーン。公式トレーラーでも場面の一部を見ることができる。))がそれに相当する…かもしれない。 -初期のインタビューでなぜダンテがこれまでの姿と違うのかという謎がストーリーの裏にある、と言われていたが結局ほとんど不明のままである。最終的にパラレルになったことが原因と言われている。 --一応、「今作のダンテがなぜ銀髪ではないのか」は分かるようになっている。ただ、海外で発売されたコミックスでは本作におけるデビルトリガーにある重大な副作用があることが明かされている。 --それを踏まえると、双子なのにダンテとバージルの髪色が違うことやバージルの発言などもより深く理解することができるのだが…何故こんな重要な設定をゲーム内で説明しなかったのか。 --『1』から『4』でも割と重要な設定がゲーム外で語られることが多いが、本作の場合はいわゆるアメコミ収録なので''日本で知るのは殊更に困難''である。 -ダンテが使える手裏剣のような武器「アキュラ」は、見た目や攻撃方法が『戦国BASARA』シリーズの猿飛佐助の手裏剣に酷似している。 --元々『BASARA』シリーズには『DMC』シリーズ由来の武器が登場したりしていたが、逆に『BASARA』シリーズから輸入した(かもしれない)要素というのは珍しい。 ---余談だが、後に発売された『4SE』においても追加プレイヤーキャラのバージル・レディ・トリッシュそれぞれにおいて『BASARA』シリーズからの技モーション流用が見受けられる。 -発売後のインタビューで本作の開発はかなり難航していた模様。 --開発当初Ninja Theoryがダンテのモーションキャプチャーを担当していたが、前述の通り「スタイリッシュ」とはいえないモーションだったためにそれまでのシリーズディレクターがイギリスまで行き、直接指導を行ったという。この際、洋ゲーのアクションゲームの作りがかなり違うことに苦労したとか。 ---この時の苦労話はホームページブログの「悪魔的日常」にて書かれており、その他にも没ネタや開発秘話などが所々あるため、興味があれば読んでみよう。 -ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:SIE)から発売の対戦アクション『[[プレイステーション オールスター・バトルロイヤル]]』に、ゲスト枠プレイヤーキャラの1人として本作のダンテが参戦している。 -クロスオーバー対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』にて、ダンテが本作の仕様になるDLC「ネフィリム コスチューム」が配信されている。 --変更されるのはあくまで衣装と髪型のみで、ボイスや使用する武器・技構成は『3』版のままである。 -『ファミ通』の『デビルメイクライ5』についてのインタビューで、本作の良点を取り入れるといった発言をしており、下記の日本未発売完全版についてもわずかであるが触れている。 --本作から『5』にはスタイリッシュランク上昇時の音声挿入、BGMのシームレス変化、固定カメラ廃止、強制戦闘時やボス戦時の悪魔名表示演出、敵全滅時のスローモーション+カメラズーム演出、道場モードをさらに進化させたトレーニングモード「VOID」これらの導入、追加が確認できる。 ---他には初回限定版やデラックスエディションに付属予定のDLC「EXカラーパック」にて、ダンテ用の別カラーが本作を意識したものになっている。前述の「ネフィリム コスチューム」と違いキャラクターモデリング自体は変更されない((同様の別カラーは『4SE』の追加要素にも存在しており、それを引き継いでいると言える。))。 //カメラワークの改善こそされているものの、視点固定自体は無くなってないようなので修正。敵が全く出てこない探索パートでは、本作のように自由にカメラ操作できるようですが //体験版は常時フリーカメラでしたよ。 --一方、開発を担当したNinja Theoryが本作の後に発売した『Hellblade』や『Bleeding Edge』でも、本作で培ったスタイリッシュアクションの技術が活かされている。 ---特にチーム対戦アクションの『Bleeding Edge』に登場するDaemonのモーションは本作の影響を強く受けており、洋ゲーとは思えないほどスタイリッシュな剣さばきを繰り広げる。 ---- *バージルダウンフォール **概要(VD) バージルを主人公に据えたゲームモード「バージルダウンフォール」が900円のDLCとして配信されている。~ 初回購入者には無料でダウンロードできるプロダクトコードが付いていた。~ 独自ストーリーとステージ構成が組まれており、本編の後日談という扱いになっている。 **ダンテとの違い -武器 --近接武器は閻魔刀(やまと)、遠距離武器はノーモーションで放つ幻影剣のみ。エンジェルモード・デーモンモードでは武器ではなく閻魔刀の攻撃モーションが変化する。 ---近接攻撃はほぼ閻魔刀による攻撃のみで、『3SE』のバージルの急降下キック技である流星脚も続投しているが、性能は似て非なるもの。 --いずれかの手段で幻影剣を射出して敵に命中すると、その敵は「幻影剣が刺さってマーキングされた状態」となる。この状態は、後述のデーモンプルやエンジェルリフトの発動条件となっている。 -デーモンプルとエンジェルリフト --プルやリフトは、「幻影剣が刺さっている対象」をバージルのすぐ近くに瞬間移動させたり、逆に対象の近くにバージルが瞬間移動するものとなっている。 ---幻影剣が刺さっていない対象にプルやリフトの操作を行った場合は、それぞれ赤色、青色の幻影剣を射出し、対象に幻影剣を刺してからプルやリフトが発動する形となる。既に幻影剣が刺さっている敵に対しては幻影剣の射出は省かれ、プルやリフトを一瞬で行うことができる。 ---ダンテとの大きな違いとして、プルはバージルの技の動作を継続しながら行うことができ、リフトはバージルの技の硬直をキャンセルして発動できる。 --特定のアップグレードを行った閻魔刀による技を敵に当てることでも、斬撃と同時に敵に幻影剣を突き刺し、プルやリフトにスムーズに繋げることができる。 -ジャストチャージ技 --今作ではそれぞれのモードに長押しチャージに対応したアップグレード技が1つ以上あるが、バージルはその全てにおいて、タイミングよくボタンを離すことで発動できる強力なアップグレード技が存在する。 --ダンテのドライブに比べると成立は難しいが、成功時に無敵状態になる他、ダンテよりも短いタメ時間でスーパーアーマーを持つ敵を浮かせることができ、さらに怒り状態を解除することが出来るなど非常に強力な効果を持つ。 -トリックアップとトリックダウン --今作は回避ボタンが2つ存在するが、バージルはスティックを倒していない状態ではそれぞれのボタンが個別の回避技に対応する。 --スティックを倒さずにL1ボタンを押すと、トリックアップで真上に素早く移動。 ---トリックアップの存在から、バージルはエアハイク(2段ジャンプ)をすることができない。 --スティックを倒さずにR1ボタンを押すと、トリックダウンで空中から真下に素早く移動する。 ---地上でスティックを倒さずにR1ボタンを押すと、その場で一瞬無敵になって回避する。 --回避アクションの機動力や自由度が高い一方で、ダンテのデーモン回避のようなジャストタイミングでの回避による能力上昇は無い。 -デビルトリガーとゲージ仕様、ゲージ消費技 --バージルのデビルトリガーは体力回復とともに''自分の分身「ドッペルゲンガー」を召喚する。''アップグレードにより、分身の特性を変える操作を解禁することができる。 --基本は『3SE』のドッペルゲンガースタイルと同じで分身は自分の動きに追従する。また、方向キー右を押すとデーモンモードの技を、左を押すとエンジェルモードの技を本体のモードに関係なく行う。 ---例えば方向キー右を押すと、本体の通常攻撃or疾走居合と、ドッペルゲンガーのデーモン剣攻撃を組み合わせることが出来る。 --方向キー上を押すと、ドッペルゲンガーの動きが本体より少し遅れるようになる。溜めの長さで技が変わるエンジェルモードの特殊攻撃と合わせることで、地空二方面への分担攻撃を行うことも可能。 --デビルトリガーゲージは、本家『DMC』シリーズのようなアイコンストック制。このゲージを規定個数消費すると使えるゲージ消費技がある。 --□ボタンを長押しすると幻影剣をバージルの周囲に展開する「円陣幻影剣」と、□+×ボタンで幻影剣を連続して発射する「急襲幻影剣」に加え、スティックを2回倒して□+×ボタンで敵を幻影剣が取り囲み一斉に発射して敵を打ち上げる「烈風幻影剣」が使用できる。 ---- **評価点(VD) ''戦闘およびコンボによる爽快感は高い'' -『3SE』のバージルや今作のダンテとはまた違った爽快感を堪能できる。 --閻魔刀による技のバリエーションが多く、刀の扱いに特化した新鮮な戦闘を楽しめる。特に各種ジャストチャージ技はパワフルで爽快。 --ダンテ編と違い、色敵が存在しないのも大きい。エンジェルモードが必要だったウィッチは幻影剣/急襲幻影剣で対処可能。 -ただし、閻魔刀と幻影剣・回避やドッペルゲンガーの特性は凄まじくトリッキーであり、円陣幻影剣以外は使いこなすには相当な慣れがいる。 ''バージルが使えるということ'' -当初バージルはプレイアブルキャラではないと発表されていたため、DLCながらバージルが使用できるのはファンを喜ばせた。 -また、キャラ別に固有のストーリーがあるがほとんど使いまわしだった『2』や、固有ストーリーなしの『3SE』に、本編に組み込まれているがコースを逆走する『4SE』と比べると、有料DLCながら進歩しているといえる。 -フォースエッジやベオウルフといった武器こそ存在しないが、閻魔刀のアクションはさらに多く追加されている。 ''ボスや新敵が本編より強い'' -後述のシナリオゆえボスは実質的には1体だけだが、ダンテ編で出現しない新たな敵も含めて強敵揃い。 --ホロウバージル(日本語訳では亡霊バージル)は威力が高く素早い攻撃パターンも追加されているため、歯応えがある。 -新敵には中ボスクラスの大物もいる。こちらも攻撃力が全体的にかなり高く、他の敵と比べると突出して強い。 --待ち、というより逃げを強要される部分があるのは賛否が分かれるか。 ---- **問題点(VD) ''アクションの総数がダンテより少ない'' -『3SE』のバージルもそこまで多いというわけではないが、今作のダンテのアクションの多さを考えると、コンボの幅は狭まってしまう。 --ただ、ドッペルゲンガーやDTゲージ消費技を上手く使いこなせば、見映えのよいコンボはできないわけでもない。 -またドリームランナーといった一部の敵も出現せず、やや物足りないことも。 ''ストーリー面'' -全6ミッションの短編でサクッと終わる。値段も考えれば一概に悪いとは言えないものの、やはり物足りなさはある。 --本編が尻切れトンボ気味であるためその補完を求めたファンも多いが、結局補完はそれほどなされておらず、むしろ新しい伏線が出現し、次回作を匂わせる終わり方となっている。 -バージルのキャラクターの掘り下げや名誉挽回も期待されていたが、むしろネタっぷりに拍車をかけてしまった部分が多い。 --ネタばれになるため詳細は省くが見ようによっては「''自分を強引に正当化しようとしている''」「''己の不手際を指摘されて逆切れ''」「''軟弱なメンタルになったバージルの被害妄想''」といったように見える。 ---人によっては「本編からさらに嫌いになった」という意見すらある。 --ただし、題名の「ダウンフォール」とは「失墜」「堕落」といった意味なので「バージルの堕落」と考えればまさにその通りである。 ''技名のテキスト誤訳'' --ロード画面と道場で出てくる技解説の技名がほとんど英語のカタカナ表記のままで日本語の技名と異なっており、混乱を招く(例:幻影剣 → サモンドソード)。 ''コスチュームが2種類しかない'' -ストーリーの都合もあるが本編のコスチュームはなく、このモード専用の通常コスチュームと覚醒コスチュームのみ。 --ダウンフォールでの通常コスは髪のおりたもので、バージルのトレードマークであるオールバックではなくなっている。 -終盤以降のデフォルトとなる覚醒コスチュームは''白菜''と評される笑いすら出てくるもので、余計にネタ成分が増えてしまった。 ''途中途中で入るアニメーション'' -ストーリーパートはアメコミ風味のアニメーションが時折挟んで進行するが、その画風が人によっては気持ち悪いと感じる。 --ダンテ編ではイベントシーンにアニメーションは一切ない。どうしてまたVDのみイベントシーンをアニメに、しかもアメコミ絵柄にしようと思ったのか…。 ---理由は恐らくコスト削減のためだと思われる。アメコミ絵柄では無いが他のゲームのDLCでも同じことがある。 --終盤のバージルの髪がパイナップルヘアーのようになっているのが笑いを誘うので、これまたネタになってしまっている。 -一部の敵のボイスが不具合なのか分からないが聞こえないときがある。 --これが問題なのがハーピー。ハーピーの攻撃頻度自体は本編と比べると下がっているのだが攻撃する前の声が聞こえないため避けられないこともある。 --逆にインプリズナーはタイラント同様に、いやそれ以上にうるさい。空中コンボ中はずっと喚き続ける。バージルのボイスといい、VDは音声周りがかなり雑。 ''バグ'' -細かいものからゲーム進行に影響のあるバグまで様々ある。 --特に有名なもので、バージルが特定の技を使うなど特定状況で落下した場合に即死するというもの。まさにバージル''ダウンフォール''である。 ''その他'' -バージルでブラッディパレスをプレイすることが出来ない。 -内容が大幅に異なる故か、ダンテ編との切り替えには長いロードが必要。 -ロストソウルやグリーンクロスの取得難易度がやたら高い。攻略を見ずに取得することは不可。 ---- **総評(VD) ダンテとは異なったコンボ・性能でゲームが楽しめるので、それなりに好評である。~ シナリオ面の評価だけはmバージルが許容できるかどうかで変わってくるだろう。 ---- *DmC Devil May Cry Definitive Edition 【でぃーえむしー でびるめいくらい でぃふぃにてぃぶ えでぃしょん】 |ジャンル|スタイリッシュアクション|&amazon(B00R9NWTQO)|&amazon(B00R9NWX74)| |対応機種|プレイステーション4&br;Xbox One|~|~| |発売元|カプコン|~|~| |開発元|Ninja Theory&br;QLOC|~|~| |発売日|2015年3月10日|~|~| |価格|39.99$|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|''日本&Win版未発売''の完全版&br;一応日本語テキストには対応|~|~| ---- ~ #center(){{ &big(){''FACE YOUR DEMONS((海外版のキャッチコピー。「内なる悪魔と向き合え」という意味。))''} }} ~ ---- **概要(DE) 『DmC』の今まで配信されたDLCをすべて収録し、追加調整要素も加えた上位コンシューマー機種への移植作品。~ 日本では発売されていないが、日本のPS4/Oneで起動すると全編日本語テキストで表示されるようになっている((基本的に訳はPS3/360/Win日本語版の流用。追加要素もちゃんと日本語化されているが、エキサイト翻訳レベルの“雑な翻訳”も一部ある。また、何故か日本のPS4で起動してもアービターのスキンを変更する際にXbox Liveの文がある。))。~ 前述の通り全DLCは収録済みなため、DE用のDLCはXbox Liveでは売っていない。 ---- **追加要素 -1080P、60fps対応 --解像度がfullHDとなり、グラフィックはさらに美麗になっている。 --フレームレートも可変60fpsとなり、PS3/360と比較して非常に滑らかな動きを堪能できる。 ---可変とはいえ、極端なフレームが落ちることはなく、安定して高いフレームを維持できている。 -ターボモードの追加 --ゲームスピードを20%上昇させてプレイできる。本編シリーズでは『3SE』と『4SE』にのみ採用されていた要素。 -ハードコアモード --従来作を踏襲したハードな仕様で敵と戦うことができる特殊モード。難易度選択と併用できるのでHUMAN+ハードコアも可能。 --パリーの成功判定が大きく短縮され((プロップやクリーバー、デスコイルといった連続攻撃も1段目のみ。))、デビルトリガーで敵が浮かなくなるうえ、スタイリッシュランクも旧作並みに上がりにくくなる。 -DMDを超える難易度GMD(ゴッドマストダイ)の追加。 --DMD+ハードコアモードのうえ、さらに敵が常にDT状態+攻撃力アップ+アイテム無しでプレイするおまけ難易度。HAHとほぼ同じく、常に完璧なプレイが必要となる。 -マストスタイルモード --スタイリッシュランクがS以上でなければ敵へのダメージと攻撃スコアが入らなくなるモード。難易度選択やハードコア/GMDと併用できる。 --上手く逆用すれば容易に体力調整も出来たり、『3』並に長いコンボを組めたり、またSランク以上のスコア倍率が保証されるため体力が低い敵相手や低難易度モードでもスタイリッシュポイントが稼ぎやすくなるなど、コンボと稼ぎを楽しみたいプレイヤーにうってつけの縛りプレイ。 -バージル用ブラッティパレスが追加 --全60階とダンテと比べると少ないが、要望が多かった故に好評。 -コスチューム --ダンテに初代のコスチューム、バージルに『3』のコスチュームが追加されている。 --ただし一部のプリレンダムービーには反映されないのはそのまま。 -その他 --M16開始前に新規ムービーが追加されている。エンディングも少し変わっている。 --バージルダウンフォールを含め、無印のDLCは全て収録されている。 --ダンテのエンジェル回避が連続3回まで可能になるアップグレード技が追加されている。 --トロフィー・実績が追加、削除されている。難易度、限定された条件下、時限関連のものといった面倒なものが多く削除され、全解除がやりやすくなった。 ---残っているものに関しても、一部取得難易度の緩和などがされている。 ---ただ、「決め言葉は?」に対する「ジャックポット!」が削除されたのは不評。もっとも、解除する条件が類似している訳でもなく解除難易度の高いものだったが、別の条件に変えれば良かったのでは…((「決め言葉は?」の解除条件は敵を大量に倒す事なのに対し、「ジャックポット!」は高難易度モードでの全ミッションSSSランククリアが条件。))。 ---- **評価点・変更点 -ロックオン操作の追加 --スティンガーやハイタイムの出し方を従来に近い形に変更することもできる。 --オプションでPS3/360版と同様にロックオン無しにしてのプレイも可能。ロックオン無しにした方が戦いやすい場合もあるので両方試してみる価値はある。 -属性敵に対応する武器以外でもダメージが等倍で与えられるようになり、''弾かれなくなった。'' --対応する武器以外で攻撃した場合ひるませることはできないので空中コンボは不可能。反撃を食らうリスクもあるため慎重な運用が必要。 --ハードコアorターボ+マストスタイル併用での攻略には、スキをぬって非対応の武器も入れていくのがコツ。 -DMD以上の難易度で敵の配置が大幅に変更され、さらに敵がデビルトリガーを引くのが早くなっている。 --無印版と比較すると難しくなっているところもあれば楽になっているところもある。 -M5のラストに存在したランダムで出現する地形ダメージが全難易度で完全に撤廃された。 -ブラッティパレス --制限時間を停止するタイマーオフができるようになった。ランキングにスコアは登録できなくなるが、時間を気にせずに攻略できる。 -ロード時間の短縮 --短いとまでは言えないが、据置無印版のように長すぎるということは無くなった。 -ボスの大幅な変化 -大きな変更点として体力の強化だが、行動パターンも大きな変更が加えられている。 --ボブはどの段階でもスイッチを3つ押さなければ攻撃が中断されず、怯まなくなった。 --DEの中でも最も大きな変更点と言えるのがバージルの行動パターンの変更である。 ---まず攻撃後の隙以外あらゆる攻撃を防いだガードがなくなり、いつでも殴れるように変更された。代わりに一定回数近接攻撃を加えると防御、または反撃をしてくるようになった。この変更はVDFの亡霊バージルも同様に施されている。 ---ドッペルゲンガーの仕様も変更。無印ではDTを引いた時に体力が自動回復し、瀕死になった際はこちらもDTを引かなければトドメにならないが、DEでは自動回復やDT縛りがなくなった代わりにドッペルゲンガーが消えなくなった。 ---他にも『3』を彷彿とさせる連続攻撃なども追加され、激しかった攻撃がより激化する結果となり無印よりも数段手ごわいボスとなった。高難易度でなくても油断はできないだろう。 --サキュバス、ムンドゥスは変更なし、ハンターは体力の強化のみ。リリス(キリングフェイス)戦の変更に関しては問題点の項目で後述。 -アイテム配置 --シークレットミッションの扉を開けるキーは色の区別がなくなり、全てゴールドで統一されるようになった。 --ロストソウルや、シークレットキーなどのアイテム配置が一部変更され、概ね取りやすくなった。 -その他 --ラウンドトリップの拘束時間が短くなったりと一部の技に調整が施されている。 ---- **問題点(DE) -(PS4版)北米版限定なため一概に問題点とは言い切れないが、一般的な日本のPS系ゲームとは逆に×ボタンが決定で○ボタンがキャンセルになっているため最初は戸惑いがち。 --ただし、この日本とは逆の配列は欧米版ゲームの一般的な仕様である。また、Xbox系列は最初からこの配置となっているため違和感は少ない。 --ちなみに、時空神像は無印日本版と同じ○ボタンでしか調べられないが、うっかり○ボタンを連打すると時空神像から出てしまう。 -リザルトのタイム判定が異様なまでに厳しくなっており、オールSSSをとるのが無印よりも難しくなっている。 -キリングフェイス戦の二段階目を体力調整でスキップするテクニックが使えなくなってしまった。 --キリングフェイスはダウンを取り一定量ダメージを与えることで舞台であるダンスクラブさながらにステージの明るさが二度変化するのだが、二段階目は全体が暗くなりライトが激しく明滅するという非常に見づらいものになっている。 ---無印では体力調整によってこの演出をスキップでき、時短にもつながるのだが、DEではどうやっても強制的にこの演出が発生してしまうようになった。 -レインストームバグ --攻撃後にエネステ → レインストーム、または空中で× → 直ぐにレインストームでレインストームが勝手に終わるようになってしまった。 ---直後に出さないことで対処はできるものの、一部のコンボができなくなってしまった。 -ロックオンバグ --ロックオンをしている状態でラウンドトリップを投げると妙な方向へ投げることがある。 --他にもマニュアルロックオンがないときもバージルの場合は幾らか見受けられた現象だがロックオンをした状態で敵を倒すと明後日の方向を向いてしまう。 -強制歩きパートはそのまま。道場の問題点もそのままである。 -プレイアブルシーンでfpsが落ちることはほとんど無いがムービーでは多少カクつく。 -前述の通り全DLC収録を謳っているが、オリジナル版で「サムライウェポンパック」に収録されている「アップグレードポイント3ポイント」「ボーンウェポンパック」に収録されている「オーブハーヴェスト」はまだしも、「ゴールデンウェポンパック」に収録されている「アイテムファインダー」は収録されていない。 -バージルダウンフォールにおける音声関連のバグはそのまま、それどころか悪化している。時と場合にもよるが酷いときは音が丸々消えることも。 -物理演算、エフェクト関連のバグがある。 -ターボモードが強制的にOFFになることがある。特にバージル戦で顕著。 --バージル戦では途中で挟まれるムービーをスキップしないと確実にターボ設定が切れてしまう。 -バージルのブラッディパレスに初見殺し的なギミックがある。スーパーキャラで無いと攻略難易度が高い。 -ストンプのファイアーワークスキャンセルができないように修正されてしまった。バグのようなテクニックではあったがコンボの幅が狭まってしまったと考えられる。 --本家もバグを利用したコンボが度々見られるため、こういったバグの修正はアクション的には損失とみられる((余談だが『4SE』でもダンテの薔薇バグと呼ばれるテクニックが使えなくなってしまった上にCS版ではターボ状態でネロのシャッフルをキャンセルできないという事態になっていた。))。 ---- **総評(DE) コアゲーマーに向けた様々な修正と要素の追加が行われ、初心者でも楽しめる手軽さはそのまま、上級者はより奥深いアクションをより快適に楽しめる作品となった。~ まだ細かい問題点はあるものの、それを補って余りある魅力をもつ紛れもない良作である。~ 海外専売&Win版なしということだけが惜しむべき点であるが、前述の通り日本語にローカライズされておりちゃんと起動して遊べるため、入手さえできれば海外版でも問題はない。~ 質の高いスタイリッシュアクションを体験したい人はプレイしてもらいたい一作である。

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