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*ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 【ぽけもんふしぎのだんじょん まぐなげーととむげんだいめいきゅう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&image(magnagate.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B009LUE0U6/,height=160) | |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br()ポケモン|~| |発売日|2012年11月23日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|第五世代のポケモンが新たに登場(全種類出る訳ではない)&br;システム面などの薄すぎる内容&br;改善点もあるが改悪点も多い&br;まさかの有料DLC&br;BGMとストーリーは変わらず良好|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シリーズ第4作。株式会社ポケモンの石原社長曰く「決定版」(任天堂公式ページに発売前に掲載された岩田社長との対談より)。しかし蓋を開けてみると…… **新要素 -''ポケモンパラダイス'' --本作では主人公とパートナーの家の周りの土地を開拓し、冒険に便利な施設を建てることができる「ポケモンパラダイス」作りを楽しめる。 --施設を建てるには、資金と依頼で手に入る「材料」が必要。さらに貴重な材料を手に入れれば施設をグレードアップすることもできる。 --ちなみにポケモンパラダイスにはダンジョンで仲間にしたポケモンが集まっている。 -''なかまモード'' --一旦主人公たちの冒険をセーブして中止し、ポケモンパラダイスに待機している仲間を操作してプレイできるモード。ダンジョン内以外ならいつでも行うことが可能。 --このモードで倉庫に預けた道具は主人公たちの倉庫につながるので、道具稼ぎに使える。 -''はっけん!マグナゲート'' --タイトル画面からプレイできる、3DSのカメラ機能を使ったモード。身の回りにある丸いものを写すと「マグナゲート」が見つかることがあり、ここからダンジョンに行くことができる。 --プレイヤーとして操作できるポケモンは、最初に主人公及びパートナーとして選べるポケモンとその進化系からランダムに決まる。 --手に入れた道具は本編に持ち込める。 -''わざの使いこみ'' --ダンジョンで「わざ」を使いこむと技のレベルが上がる。 --レベルが上がると威力・命中率・PPが上がり、さらに同じ名前の技なら上がったレベルをチームで共有できる。 --この仕様により、初代から前作まで存在していた技の威力を上げる道具「カテキン」は抹消されている。 --強力だが当たり辛い、PPが少ない……といった技も使いこんだり、アイテムの「ひけつ」を使う事によって欠点の無い完璧な技にする事もできる。 -''Vウェーブ'' --特定のタイプのポケモンが「技の威力が上がる」「経験値増加(該当ポケモンが敵にとどめを刺した場合のみ)」「PP消費を少なく抑えられる」などの様々な恩恵を受けることができる。対象となるタイプは毎日変化する。 ---当然敵にも効果があるので、高難易度のダンジョンに行く際は注意。 -''みんなでアタック'' --ダンジョン内で歩いたり、敵を倒したりすることで「心のはどう」が溜まると使える。 --多くの敵に大ダメージを与えることができ、更にリーダーにしているポケモンのタイプによって良い効果が起ったりもする。 -''不思議度'' --クリア後は各ダンジョン・依頼に「不思議度」というパラメータが付加される。1~5まであり、高いほどダンジョン内で不思議な現象が起こりやすい。 --不思議度の影響は各フロア開始時に「不思議なひずみ」となってランダムで発生。「敵が全員鈍足」などプラスのものも、「装備品が効果を発揮しない」などマイナスのものもある。 ---中でも凶悪なのが「食べ物を食べられない」効果。おなか(空腹度)要素ありのダンジョンでは当然ながら餓死に直結するし、更に恐ろしいのは死亡時に復活できる保険アイテムの「ふっかつのタネ」が無効になることである。 --時空が歪んで別のダンジョンに飛ばされることも。飛んだ先でしか仲間にできないポケモンもいる。 ---なお、依頼でダンジョンに行く場合、どのフロアでどのようなひずみが発生してどこに飛ばされるか否かがあらかじめ決まっている。(依頼を受けない場合はランダム) -''ローカル通信'' --シリーズ初のマルチプレイ対応。なかまモードで遊んでるときにメニューからローカル通信を選ぶと、近くでこのゲームを遊んでる友達と一緒にチャレンジ掲示板の依頼(おたずねものや伝説のポケモンとの戦い)を協力して行う事ができる。依頼の報酬は参加したプレイヤー全員に与えられる。 ---- **評価点・前作からの改善点 -グラフィックを細やかな3Dに一新。 --同じ携帯機だったDSの『救助隊』『探検隊』では2D、据え置きのWiiの『冒険団』ではデフォルメした簡易的な3Dだったが、本作では本格的な3Dグラフィックを実現している。 --『ポケモンバトルレボリューション』などの作品よりも繊細な3Dで、表情や仕草の変化も細かく表現されている。3D化によりカメラワークの自由度も広がっており、ムービーを用いた迫力ある演出も評価できる。 ---「ドット絵の方が味があってよい」という声もあるにはあるが。 ---また、後述する問題点から「無理にそんなことをしなくていいからポケモンを増やして欲しい」という声も上がった。 -往年のシリーズでも好評だったストーリー・BGMはやはり高評価。 --「希望」をテーマとする事もあり、序盤のドテッコツたちのエピソードからクライマックスまで、どんな絶望にも屈せずに仲間を増やして立ち向かう感動のストーリーが繰り広げられる。特にパートナーは主人公レベル程の働きぶりに加え、エンディング以降もひたむきに主人公を慕う健気さには心を打たれるばかりである。 --BGMも音源の向上により序盤から高音質の良曲揃い。本家ポケモンにはない壮大なBGMが揃っており、聴いてて飽きない。 -倉庫の中のアイテムは、同一アイテムの場合は全て1つの枠で束としてまとめられるようになった(『救助隊』と同じ仕様に戻った)。 --例としてリンゴを倉庫に複数預けた場合、『探検隊』『冒険団』では「リンゴ/リンゴ/リンゴ」のように個別にバラけていたが、今作では「リンゴ 10」のように1枠扱いになる。 --そのため倉庫がいっぱいになることはほとんどなくなった。 -技マシンが『[[ポケットモンスター ブラック・ホワイト]]』同様に何度でも使えるようになった。 --過去作と比較すると、全ての技マシンが前作までの「ひでんマシン」に相当する仕様になったということ。 ---前作までは、通常のわざマシンを使うと「しようごマシン」という残骸となっていた。「しようごマシン」は倉庫に預けられない上、ダンジョン内で直す技「リサイクル」を覚えられるポケモンも少ないので、大抵はそのまま捨てられていた。 --そのためか、本作の技マシンは全体的にレアになり、レベルリセットダンジョンではこれが問題になることに…。 -ポケモンパラダイスに待機しているポケモンにも経験値が入る仕様に変更され、レベル上げがしやすくなった。また、ダンジョン内で進化もできるようになった。 --さらに「なかまモード」の存在で、ストーリー中にイベントでポケモンパラダイスに戻れない時にレベルの上がったポケモンを使用できるので、ダンジョンで仲間にしたポケモンの存在意義が上がった。 --エモンガ、ノコッチ、ビリジオンなどストーリー中で強制出撃を要求されるポケモンがいることに対する配慮でないかと思われる。 ---ただし、使っていないポケモンも強制的にレベルアップしてしまうため、前作までのように「依頼で序盤のダンジョンに行く時は低レベルのポケモンを選び緊張感を保つ」ということができない。まあ、今作では序盤のダンジョンで美味しい報酬という依頼自体が少ないのだが。 -前作までの欠点だったテンポの悪さが改善された。 --操作ポケモンの四つの技がABXYの四ボタンに割り振られており、Lボタン+ABXYのどれかのボタンでいちいち技メニューを開かずともすべての技を繰り出せるようになった((前作まではL+Aで登録した技1種類のみを出せる仕様だった。))。 --Yボタンで技演出をスキップ。多くの敵に当たる部屋全体攻撃技もヒット時のアニメーションを省略可能。 ---しかし、技ショートカットで発動した場合もYでスキップなので、場合によっては二度手間になったり、押し忘れて無駄な時間を消費したりすることも。 -「みわたす」コマンドで広い部屋の様子を遠くまで見られるようになった。このコマンド自体は改善点と言ってもよいが、後述する視界の悪さのせいでこれを使わないとやってられない状態。 -リーダー交代も復活。しかしメニューボタンでは誰をリーダーにするか選べず、ステータスウィンドウにおける操作ポケモンの次のポケモンが自動でリーダーになるのでやや面倒。 --実は、「ステータス」→「さくせんかいぎ」からもリーダーを変更できる。一つ後ろの仲間と交代するときはこちらの方が便利かも。 -技の調整 --強すぎる性能だった「ふういん」や「オウムがえし」などの技も原作準拠で無難な効果に変更されている。 --逆に「みねうち」は原作準拠で有用性が薄い効果だったが、「倒した敵が仲間になりやすくなる」という役立つものに変更されている。 --地味だが、「まるくなる」使用後に一回だけ「ころがる」の威力が上がるようになった。(再び使用するにはもう一度「まるくなる」必要あり) ---もっとも、「ころがる」が、「外れるまで最大5回連続攻撃」のみ(当たるごとに威力が倍増したりしない)という仕様になったのだが。技を鍛えられる本作でそんな仕様があったらバランス大崩壊ものだから仕方ないか。 -ポケモンパラダイスを発展させる町造り要素。 --タネ・きのみ系アイテムを増やす「畑」、技の熟練度を1日1回格安で上げてくれる「道場」などの施設は活用すればとても有用。 --ミニゲームを遊べる施設もある。上手くクリアすればレアアイテムが手に入ることも。 --荒地が開拓され、施設が並び、仲間にしたポケモン達で賑わっていく様子は見ていて楽しい。『救助隊』の「ともだちエリア」の発展形とも言えるだろう。 ---- **賛否両論点 -ステータス「おなか」の事実上抹消と、通常攻撃の仕様変更。 --行動の度に減少し0になるとHPが減っていく「おなか」の消失により、ダンジョンを動き回りやすくなった。一方でPP消費なしに使える通常攻撃(技ではない攻撃)は''最大で5ダメージ''しか出せないようになり、実用度が大きく下がっている。 ---これにより、『「おなか」ではなくわざのPPや飛び道具が尽きた(=通常攻撃しか出来なくなった)ら探索限界』と言うバランスに変更されている。 --従来の「不思議のダンジョン」系ゲームとバランスが大きく異なる変更点であり、賛否両論。ただ、通常攻撃かわざかを選択する自由度が下がった点、仲間が通常攻撃を使ってしまう点は問題と言えるだろう。 ---似たシステムとして『風来のシレン4』及び『5』の「夜」が挙げられる。こちらは夜になると1フロアあたり様々な効果を発揮する技が8回まで使えるかわりに技以外の攻撃が1ダメージ固定になる。この「夜」も賛否両論ではあるが、うまく利用すればメリットも多く、肯定的な意見も少なくない。 --「おなか」のステータスが無くなった影響で、従来作の「かいふくリボン」にあった「おなか」が減りやすくなる性質が無くなって純粋なプラス装備になったり、壁の中では「おなか」の代わりにHPが最大値の5%ずつ減るようになったという変更点も。 ---壁ダメージは仲間も受けるので、仲間を壁の中に放置しておくと勝手に死んでしまうという問題も同時に生み出したが。 --一応、クリア後の高難易度ダンジョンやDLC配信ダンジョンのごく一部のみ、例外として「おなか」が存在するダンジョンもある。これに限り過去作と同様におなかが減り、リンゴなどの食べ物も出現。 -ポケモンシリーズとしては初の、有料DLCの存在 --有料DLCの内容は、仲間にしにくいポケモンや珍しい道具を簡単に入手、高難易度の冒険が楽しめるダンジョンに行けるようになるものが配信されているのだが……値段に釣り合う価値があるかどうかは人それぞれと言ったところだろうか。 #region(購入可能なDLC一覧、価格は消費税込み) ''ポケの森'' (154円) -ポケ(お金)がたくさん落ちているステージ。難易度は低く、序盤から挑戦できる。 --確かに落ちているお金は多いが、1個あたりの金額は10ポケ程度と、とても少ない。 --クリア後であれば、このダンジョンでお金を集めるくらいなら普通のダンジョンに向かった方がよほど稼げる。恩恵を受けられるのは序盤くらいであろう。 ---そもそもクリア後は熟睡していた敵が起きてしまうので、アイテムを拾われまくるストレスフルなダンジョンになってしまっているのだが。 -きのえだが手に入るのも密かなポイント。隅々まで探せば50本ほど手に入る。 --ゴローンのいし以外の飛び道具は、施設での入手以外では原則エンディング後の依頼が発生しないダンジョンにしか出現しない貴重品。通常攻撃よりもはるかに高いダメージを出せるため、PPの節約に役立つ。 -野生のデスカーンが出現する唯一のダンジョンでもある。 -また、このダンジョンのみ期間限定で無料DLできた(現在は有料)。 ''つたつたパーク''、''みじゅいろビーチ''、''ぴかぴかランド''、''キバキバロック''、''ぽかぽかマウンテン'' (各154円) -それぞれ対応する主人公・パートナー候補のポケモンが出現し、しかも仲間に出来る可能性があるダンジョン。 --もっとも仲間に出来る可能性はかなり低いので、根気がいる。 --しかし、通常はこれらのポケモンは、クリア後ダンジョンの迷い込み(特定ダンジョンの確率で発生)でのみ低確率で出現するものなので、早く仲間にしたい場合などには有用。 -難易度は普通。 -各種ドーピングアイテムの他、ダンジョンに応じてデバイスというアイテムが入手可能(つたつたパークにはくさのデバイス、みじゅいろビーチにはみずのデバイス等)。対応するタイプのHP以外の能力を2上昇させるドーピングアイテム。 --通常は、エンディング後のダンジョンに''依頼無しで''潜らないと入手できないという、入手条件自体に気付きにくいアイテムだったりする。 -また、技が成長しやすいオマケも存在する。 ''修行の山'' (205円) -技を鍛えるためのダンジョン。技の成長率はかなり高い。普段は後述のわきみちにしかないわざれんスイッチも出現する。 -かくとうタイプのポケモンが多く出現する。ドッコラー、ドテッコツはここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできない。 --…が、肝心の敵の初期配置が少なく、0体の時もあったりする。制限時間も短い。Lv6以降はなかなか上がりにくいので、道場を併用して効率よく稼ぎたい。 --手数を稼ぐよう工夫すれば、Lv1から一周でMAXにすることも可能ではある。 -さらに、「ひけつ」も床落ちアイテムで入手可能。てつのトゲやぎんのはりといった飛び道具も手に入る。 -後半には進化形の強力なポケモンがいるにもかかわらず、熟睡している敵がいない。後述のスキル・トレジャーと難易度を間違えているんじゃないかと思いたくなることも。 ''スキル・トレジャー'' (205円) -宝箱の出現率が高く、チームスキルを探したい場合に有用なダンジョン。 --しかし、このダンジョンで入手した宝箱からは「モモンのみ」や「10ポケ」といったハズレが大量に出現する。 ---宝箱の開封にかかるお金を無駄にしたくない場合、リロードを駆使する必要がある。 --エンディング後のダンジョンでしか入手できないようなスキルも入手できるため、引き次第ではゲームバランスが崩壊することも。 -各種進化アイテムも床落ちで手に入る。 --特にほのおのいし、みずのいし、リーフのいしはミニゲームで入手できない代物なのでかなり重要。 ''カクレオンのバザー'' (205円) -カクレオンの店がほぼ毎層出現するダンジョン。売られているアイテムは技マシンやひでんマシン、各種フラッグ。 --ギフト(後述)や金額1桁のポケが落ちている。ギフト集めにはもってこい。ただし、タイプ専用のギフトは出にくい。 --しかし、今作は持ち込めるお金の上限が低く、技マシンも高価なので1周あたりではほとんど買えない。 --また、今作の泥棒は難易度が高く(後述)、アイテムを持ち逃げすることも難しい。 -他には野生のイーブイやミネズミ等がいる。ほとんどがレベル5であまり強くない上、ギフトの現地調達も可能。ここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできないものばかり。 --特に「にげあし」ミネズミは、本作唯一の「はっこう」持ちであるミルホッグに進化可能な貴重な存在(「するどいめ」は進化前後で変化しない)。他のダンジョンで「はっこう」ミルホッグを直接仲間にすることもできなくはないが。 ''スイーツ・ロード'' (205円) -このダンジョンの限定アイテム「ミニドーナツ」「ドーナツ」「ビッグドーナツ」を入手可能。 --「ドーナツ」は食べると経験値が獲得できる(おなかの存在するダンジョンでは、おなかも回復する)。 ''究極の荒野'' (309円) -上級者向けのダンジョン。 --レベルリセット(Lv5からスタート)、99F、アイテム持ち込み不可、1匹のみ挑戦、チームスキル無効 と、今作のレベルリセットダンジョンでは最高難易度。 ---一応ふっかつのタネ(倒れた場合復活できる)が使用できるので、過去作の「うんめいのとう」ほど難しくはない。 --しかし、ダンジョンとしての評価は悪い。詳細は後述。 --クリアすると限定アイテムがもらえるが、効果は既存アイテムの上位互換なだけで、それ以外に何か特別なものが手に入るというわけではない。 --倒れるとアイテムが全部なくなってしまうので、アイテムを持ち帰るにはあなぬけのたまで脱出するかクリアする必要がある。 --ダンジョンの仕様上、実はエンディング前でも出動する仲間を自由に選ぶことができる。 ''最強の山道'' (257円) -上級者向けのダンジョン。 --レベルリセットなしで、過去作の「ゼロのしま ほくぶ」や「ゼロのしま ちゅうおうぶ」に相当する。 --こちらのダンジョンの難易度調整も「究極の荒野」同様微妙。 --道中で便利なアイテムも拾えず、クリアしても究極の荒野同様、大したものはもらえない。 ---一応、宝箱やキラキラ床から各種デバイスが入手できる他、技成長度も高いのだが、難易度の高さのせいでそれどころじゃない場合も。 #endregion --DLCのオマケに過去作の曲を聴ける、という特典があるのだが、購入するとトップメニューの音楽が聴けなくなってしまう問題がある。 --本編シリーズとしてではないものの、ポケモンシリーズで有料DLCを採用するのはどうなのか、という不評の意見も存在する。 -Vウェーブは「Vルーレット」を回すことで好みのものに変更できるのだが、一日一回しか回せないうえに場合によってはルーレットの回転が非常に速く、目押しはかなり厳しい。 --ポケを払って当たる確率を増やす事が出来るのだが、それに必要な金額はとにかく高い。確実に当てられるようにするには7777ポケ必要。 ---まあ前述の恩恵を考えれば妥当な仕様なのかもしれないが。 ---ルーレットの速度は遅い時もあるのでセーブ&リセットを繰り返すのもありかも。 -前作まではBGMが突然止まり、「……おや、なにかがうごいた。」というどこかホラー染みた演出であった警告メッセージは、BGMが止まらず「風が吹いてきた!」という普通の(?)演出に変更されている。 -あるダンジョンの特定のフロアには「わきみち」が存在する。カギを使ったり、あるタイプのポケモンを連れていったりすることで、閉ざされた道が開き、奥に進めるというものである。向こうには、強い敵ポケモン、ごうかなはこ、わざれんスイッチ、特別な効果を持つ床などが存在している。パラダイスの「わきみちあんない」でわきみちを利用するための様々なサポートを受けられる(見つけたり、入ったりしたわきみちはここで見ることができる)。 --だがカギは四種類あり、デスカーンの店で交換するか、「わきみちあんない」を最大までグレードアップして購入(こちらは一日一個ずつ)する必要がありやや面倒。と言うより、わざわざ四つに分ける必要性はあるのだろうか。 --中にあるものはというと…… ---強い敵ポケモン→わき道に入ると同時に中にいるポケモンが起きて襲いかかってくるが、これが(そのダンジョンに登場する他の敵と比較して)かなり強く、最初から二つ目のダンジョンにいきなりLv54のウォーグルがいたりする。クリア前のレベルだとあっという間にやられてしまう。道具で対処したり、入らないようにすれば済む話かもしれないが。 ---ごうかなはこ→一応スキルがやや出やすいという利点はあるものの、特にここでしか入手できない珍しい道具などは出てこない。 ---特別な床→場所によって様々な効果があるものの、わきみちでしか利用できないため結局空気。不思議なひずみで通常のフロアにも発生する事があり、わきみちにしか出ないわけではないため貴重性も薄い。 --依頼の際には目標に設定されたフロアまでしか進めないため、依頼の時に立ち寄るためには深い階層が目的地の依頼を受ける必要がある。 ---シナリオ中盤、他の仲間を連れていけなかったダンジョンにも依頼時限定のわきみちが存在するが、「わきみちあんない」では判別できないのでたちが悪い。 --期間限定のダンジョンにもわきみちが存在するが、こちらは機会を逃しても迷い込みで訪れることが可能になっている。 ---- **問題点・前作からの改悪点 -少なすぎるポケモンの種類 --『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で初登場したポケモン156種類の''大半''と、第四世代以前のポケモンの''ごく一部''が登場する。つまり、第五世代ですら、すべてのポケモンが登場するわけではない。 ---例えば、プルンゲルのような雌雄で外見の異なるポケモンは何れも省かれている。 --登場するポケモンは全152種類((キュレム・ブラックキュレム・ホワイトキュレムはまとめて1種類としている。))。そのうち144種類が仲間にできるが、この数は救助隊どころか初代ポケモン未満である。 ---そのため、序盤から同じポケモンが登場するダンジョンが続き、中盤に進んでもそのポケモンの進化系ばかりが登場する。 --今作に登場するポケモン自体は精細な3Dグラフィックなのだが、ポケモンの登場数そのものが減ってしまっては元も子もない。 --前作まではその当時までの本編シリーズのポケモンがほぼ全て登場し((『救助隊』ではRSまでの386種+DPからの顔見せゲスト、『探検隊』ではDPまでの493種がアルセウス以外全て、『冒険団』ではさらにアルセウスまで))、序盤から同じポケモンが違うダンジョンで出続けることはなかった。 --『救助隊』『探検隊』では往年のシリーズの御三家が全て選べ、その他のポケモンも多数いたのだが…… --また、往年のシリーズでおなじみの性格によるポケモン診断もなく、ただ5種類の内から選ぶだけとなっている。 ---心理テストに関しては3作目『冒険団』でも存在しなかったが、あちらはシリーズでは異色の外伝に近く、またチーム候補のポケモンが多数存在して序盤から任意に入れ替え可能であった。 --主人公の性別選択が無くなり、代わりにパートナーの性別を選択する。 -仲間ポケモンが固定の場面が多い。 --せっかくダンジョンで仲間にしたポケモンはストーリー中外さなければならないことが大半で((赤青ではラスボス戦に参加できたし、時闇空でもストーリーに関わるダンジョンに行けた))、ストーリーの進行上必ず仲間になるポケモン以外は蚊帳の外のようなセリフ・演出多数。 ---ゲーム開始画面にいるチラーミィやチュリネ、デモ映像でゾロアが仲間になっていたが、それらのようなポケモンも蚊帳の外なため好きなポケモンで旅をしてもイマイチ釈然としない。 --ちなみに強制的に仲間になるポケモンにはパートナー以外名前を付けられないので、人によっては愛着が沸きにくい。 -れんけつの廃止 --前作『冒険団』同様、「わざのれんけつ」は本作も存在しない。『空の探検隊』まではわざを連結することによって1ターンで技を複数繰り出すことができた。例えば「いやなおと」と「たいあたり」を連結することで、相手の防御を下げつつ体当たりで攻撃したりと、一見地味な技だったり、低レベルで弱い技しか無い場合でも活用することができたが、前作では廃止され今作でも復活はしなかった。因みに連結した技で敵を倒すと経験値が多めになるメリットがあったが、当然廃止。 --また、『冒険団』にはれんけつに代わるシステムとしてポケモン同士が積み重なって連続技を繰り出す「ポケモンタワー」があったのだが、こちらも同様に廃止。 -ダンジョンの構造が悪く、画面の視界が極端に狭い。 --通路が多く小部屋が多い構造となる場合が多く探索が非常に面倒。通路を歩くより「ワープスカーフ」を持ち歩き、時々生じる強制ランダムワープで運任せに部屋を渡り歩く方が早いとまで言われる始末。 --おまけに本作の敵は部屋にある道具を積極的に拾うので、運良く同じ部屋に道具が落ちているか(同じ部屋に操作キャラや仲間がいれば攻撃を優先してくる)、次のフロアに着いてすぐに「ひきよせのたま」を使うかしない限り、フロアのほとんどの道具が敵の手に渡る事になる ---所持者が死んだ時に自動復活する「ふっかつのタネ」(敵にも有効)など、拾われたらまず間違いなく使われてしまう道具もある。 ---もっとも、敵が道具を使うのはクリア後やDLCの一部のダンジョンのみなので、普段依頼をこなす上などではそれほど気にするものではない。探すのが面倒なだけで…… --他の物体との距離感がつかみにくい。時折仲間の4匹目が見えなくなることもある。一応マップに物体の位置が表示されるが、それでも分かりづらい。 ---メッセージ履歴にはちゃんと残っているので、気になるならチェックしておこう。天候ダメージで誰がいるのかもある程度分かる。 -一部のシステムの抹消により、それぞれのポケモンの個性が失われてしまった。 --ステータス上の性別の区別がなくなった。主人公の性別選択も無くなり、パートナーの性別を選択するのみとなった。 ---パートナーの性別選択に関しても、会話シーンでの口調が変わるだけでダンジョンでは区別がなくなる((ただし、ピカチュウをパートナーに選んだ場合、外見には反映される。))。 ---主人公の性別選択が無くなったため、主人公をピカチュウにした場合のグラフィックは♂の姿で固定。性別の概念が無かった『救助隊』でも主人公の性別だけは選べたのだが…… --前作『冒険団』同様、『空の探検隊』では全ポケモン分用意されていた「専用道具」は本作でも抹消されている。主人公やパートナーにできるポケモンにさえ存在しない。 --ダンジョン内で味方のポケモンとの会話ができなくなった。 --「かしこさ」の抹消。「かしこさ」はグループにより性能差にばらつきがあったため改善点と見れなくもないが、やはりポケモンを育てる楽しみが無くなってしまったのは痛い。 -上記「かしこさ」の代わりに導入された「チームスキル」だが、これも多くの問題を抱えていた。 --これは敵を倒した時に手に入る宝箱から確率で入手できるものであるが、そのランダムな入手性により、狙いのスキルを獲得するのは難しい。 --また、1度手に入れればチーム全員に適用されるため、個性も出ない。 --さらに、この「チームスキル」に前作にあったかしこさ「わざだけつかう」に当たるものがないため、仲間に補助技だけを使わせるために補助技のみを登録しているのに、敵に隣接すると前述の貧弱な通常攻撃を出してしまうという問題が生じている。そもそも通常攻撃をゴミ同然にしておいて「わざだけつかう」を無くすとは意味がわからない。 --チームスキルの中でも「にどめのスキル」は微妙な存在。このスキルは攻撃を外すと次の攻撃が当たりやすくなる、というものであるが、2度目でも低確率だが外す上、相手が「どたんばスキル」で回避した場合そちらが優先されることでさらに当てにくくなり、スキル入手の有無で差を感じられないことがある。 --また、「かわらずスキル」は仲間が進化しなくなる(レベルアップ時に進化確認が出なくなる)スキルだが、何故かこのスキルも宝箱から手に入れなければならない。効果としては初期から持っていても良さそうなスキルだが…。 --そして、ストーリー中盤以降は敵もチームスキルを習得している。(ストーリー中ではボス戦に状態異常の回復が速いポケモンがいるだけだが) ---特に「いあつのスキル」・「ふんばりスキル」・「どたんばスキル」を有している敵はかなり厄介。攻撃が通りにくく、ダメージを与えても耐え、さらに回避されやすいと、ただただしぶとい。 ---しかもクリア後やDLCの高難易度ダンジョン、レベルリセットダンジョンでは主にチームスキルでバランスをとっているものがある。難易度調整の仕方としては間違っていない気もするが、上記の通り「強い」のではなく、ただ「しぶとい」だけであるため、効率が悪くなり、ストレスが溜まりやすい。そのためプレイヤーからの評判は非常に悪い。 -掲示板での依頼が1つずつしか受けられなくなった。 --前作までのように、同じダンジョンの依頼をまとめて受けることは出来なくなった。そのためアイテムやランクを上げるために必要なポイントが稼ぎにくくなった。 ---ランクを最高のパーフェクトランクまで上げるのは苦行の一言。ちなみにそこまで上げないと、サウンドテストで聞ける曲は全曲解禁されない。 --この仕様により施設の開拓に必要な材料も集めにくくなっている。施設を最高までグレードアップするために必要な材料に関しては、入手できる依頼自体の出現率が低いためさらに入手しづらい。 ---おそらく、施設が簡単に最大まで育ってしまうのを防ぐための仕様。簡単に育ちすぎても飽きが早くなってしまうので難しいところだが、材料のレア度を上げる代わりに(ただし高級材料の比率は高めにした上で)複数の依頼を受けられるように……といった形でも良かったのではないだろうか? ---高級材料以外はミニゲームの「おたからサルベージ」やでゲットできるため、早めに作ると楽かも。だが、何故か水系の素材は一切出ない(水に関係したミニゲームのはずなのに)。 ---「くじびきてん」でも、各種くじの大当たり枠に材料があるが、セーブ&リセットで当たるまで粘れるスクラッチくじ以外ではとても狙って入手できるものではない上、こちらも水系の素材は入手できない。 -救助の方法がすれちがい通信のみ。 --前作までのWi-Fi救助、パスワード救助は全て抹消。つまり救助を求めるなら街中で運よくすれ違わないと救助してもらえない。 ---一応、起動中のゲーム以外でもすれちがい通信可能な3DSなので都市部に住んでいたり、すれちがい中継所を利用すれば、すれちがいの機会は多いが…… -実はあまり利用価値がない「はっけん!マグナゲート」。 --拾えるアイテムはシナリオが進めばダンジョンでも依頼でも手に入れられるようなものばかりだし、わざわざこのモードでアイテム稼ぎをする必要性はほとんどない。技マシンが拾えることがあるのが数少ない利点か((とはいえ、DLCでは技マシンをレア物含めて全種類拾えるダンジョンが配信されている))。 ---技の威力・命中率・PPを上昇させる「ひけつ」系アイテムも拾えるため、お気に入りの技を育てたいプレイヤーなら重宝するかも。 --また、前述のようにプレイヤーが育てたポケモンで挑むことができない。 ---技は本編のチームと共有しているので、使用される技を鍛えておけばいくらか楽にはなる。 -これまた利用価値の微妙なローカル通信。 --「自分の行動→仲間の行動→敵の行動」といった順番で行動するターン制を採用している不思議のダンジョンシリーズでは自分の行動を選んだ後、他のプレイヤーが行動を選び終わるまで待つことになるため、(一人で遊ぶ時より)テンポが悪い。チャレンジ掲示板の依頼(ボスとの戦い)しかできないのも納得がいく。そもそも不思議のダンジョンに限らずRPG(バトルがリアルタイム制のものを除き)は多人数プレイと相性が悪いので仕方のない事ではあるが…… ---そして、技の成長はどれだけ事前に鍛えていようとも全員とも(依頼の間だけ)初期化されるため、ポケモンも技も十分に鍛えた後は一人で挑んだ方が簡単な事も。もっとも、ポケモンが弱いうちは強い人と組んで難しい依頼をクリアしてもらうという事も一応できる。 -仲間のAIが賢くない --使用する技が完全にランダム。その敵ポケモンに対し効果抜群になる技を覚えていても、それを使ってくれるかは運次第。 --効果がないタイプの技であろうとそれを使って攻撃したり、敵と隣接しながらステータス上昇技を使うなど、イライラを募らせることもある。 --このため、時と場合によっては技のオンオフをいちいち切り替えないと仲間がまともに戦ってくれず、全員を連れているとその管理も面倒になってくる。 ---ただし、これについては前作までと同様の仕様である。 -連続技の脅威 --通常、連続攻撃できる技というのは数回攻撃できる分、1発1発の威力が下げられていることでその技の強さが調整されている。 --しかし、このゲームでは敵が使う連続技のダメージが単発の技のダメージとほぼ同等である。そのため、1発でも食らってしまうと相当な痛手になり、運が悪いと何もできずにHPが0になってしまう。 ---ただし、これについても前作までと同様の仕様である。 -メインのポケモンの1匹、ノコッチがあまりにも弱すぎる。 --初期レベルが低い点はポケモンパラダイスに放置して経験値を稼げば問題ないが、レベルを上げてもステータスの成長率が極端に低く、全く使えない。必ず使わなければならない局面はないが、本作ではその弱気なキャラから比較的人気があるポケモンなので、主要ポケモンらしくステータスが成長しやすくしたほうが良かったのではなかろうか。 --一応、最終的にはこうげきがかなり高くなるうえ、自力で覚える技も優秀なので、「すてみタックル」あたりをメインウエポンにして活躍させることはできなくもない。高レベルになればとぐろをまく→ころがるで無双もできる。 ---シナリオ中だと弱いが、ただの大器晩成型かもしれない。そこまで我慢して育てるプレイヤーがどれだけ居るのかという問題はあるが。 -対応するポケモンを必ず仲間に出来る「ギフト」という道具が追加されたが、これを作るための道具のレートがあまりにも高すぎるものがある。 --大半はオレンのみといった各種木の実などが数個とレートは低いのだが、中にはエンディング後の高難易度のダンジョンでしか手に入らないような道具が材料であるものがある。 --その一例として「メグロコギフト」←「ノーてんバンダナ×1」((天気の影響を受けなくなる道具。前述の「あられ」や「すなあらし」の危険性を聞けば、貴重さだけでなくその強さも窺えるだろう。))などが挙げられる。メグロコがクリア前から登場するにもかかわらずであり、プレイヤーに使わせる気がまずない。実際戦っていればいずれは仲間になるのだが、いったい誰がこんな貴重な道具を手放してまで作るのだろう。 ---一番酷いと思われるのが、ヒトモシ((序盤から出現。しかも出現率も決して低くなく倒した際に仲間にできる確率も高め。))用の「ヒトモシギフト」←「みとおしメガネ×1」((クリア後に行ける、DLCで行けるダンジョンを除くと本作最高難度のダンジョンである「かえらずの地」に落ちてるのを拾うしか入手方法がない。こちらもノーてんバンダナと同じく貴重なだけでなく強力。))。 -エンディング後は、多少のエピローグとダンジョンが増えるだけ。エンディング後も多数のエピソードが展開された『救助隊』『探検隊』のプレイヤーから見れば物足りない。 --一応依頼をこなしてランクを上げればコバルオンやテラキオンといった伝説のポケモンを仲間に出来る依頼が出現するが、前述の依頼が1つずつしか受けられなくなった仕様によりランクを上げる前に飽きる、というプレイヤーも多い。 --過去シリーズとは違い、エピローグではしばらくパートナーが事実上の主人公となるため、マンネリ化の打破には繋がっていると一応フォローする事はできる。 -依頼を受けるときは「なかまモード」を使わないと主人公とパートナーをチームから外す事が出来ない。前作までは普通に外す事もできたのだが、こうしないと「なかまモード」の存在価値が皆無になってしまうからだろうか。 --依頼に関係のない冒険に行く時は出撃前にメンバーの入れ替えができる。しかし、「なかまモード」では依頼以外の冒険に行けないため、固定メンバーで決まったダンジョンを周回したい場合は、毎回編成し直す必要がある。 -主人公やパートナーを進化させると顔グラフィックの変化が無くなってしまうという問題は、初代からずっと改善されていない。 -ポケダン恒例のレベルリセットダンジョン(今作ではレベル5からスタート)。だが、これらも色々な問題点を抱えていた。 #region(今作のレベルリセットダンジョンについて(一応ネタバレ注意!!)) ''「かえらずの地」'' -全99F、道具やお金を持ち込めず、リーダー一匹で挑む。過去作でいうところの「きよらかなもり」「ゼロのしまなんぶ」に該当するのだが…… --前述の通り技マシンが何度でも使えるためか一切出現しないため、使用ポケモンは毎回技構成が同じになってしまう。過去作ではダンジョン内に技マシンが落ちており、運が良ければ強力な技を習得できる……などのランダム要素があった。 --深層の敵の強さが前述のチームスキル頼み。低層から中層には厄介な技を持つ注意すべきポケモンもいるのだが、深層になると(これまでのシリーズと比較して)あまり強力な技を持っておらず、ステータスもさほど高くないポケモンばかり。(もちろん全てではないが) ---大して強くもないのにひたすら攻撃を耐えてくるため、鬱陶しいことこの上ない。 ''「ほりあてやダンジョン」'' -出現条件が少々特殊で、パラダイスに一定確率で出現するモグリューにお金を払って土地を掘ってもらう事によって出現し、入れるようになる。ダンジョンの風景や敵は掘る地形によって異なり、仲間を四匹まで連れていける、どうぐ持ち込み可の10F程度のレベルリセットダンジョンで、仲間ポケモンの進化に使う道具を入手できる旨味のあるダンジョンではあるが…… --中層、時には1Fから''かえらずの地深層に登場する敵に匹敵するほどのレベルとステータスを持った''敵がそれなりの出現率で複数種類出現する。こちらがレベル5スタートであるにもかかわらず。固定ダメージを与える技や道具があれば十分対処可能ではあるものの、それでも理不尽感が漂う。 ---救助隊シリーズの「しあわせのとう」にも理不尽な強さの敵が多いが、こちらも技や道具で十分対処できる。(特にヤバい敵に関しては)ある程度味方が育っていることが前提のフロアに出てきており、出現率もあまり高くはなく、それぞれの出現期間も離れている。 -土地を掘る際に場所によってはすでにある施設を潰す必要があり、最大にまでグレードアップした施設の場合はあきらめざるを得ない。(万が一潰すと建て直す際にまた材料と資金が必要になる) --さらに探検の成功、失敗にかかわらず一度入ると入口が消滅してしまう。上に挙げたような理不尽さがあるのに探検に失敗しても入口が消えてしまうのはどうなのか。 ''「眠りの氷穴」'' -''DLCを除けば''ここで挙げた中でもっとも問題点が多いといえる。ちなみに条件は「ほりあてやダンジョン」と同じで技マシンなども持ち込める。 --出現する敵は「かえらずの地」とほぼ一緒。せいぜい道中に1、2匹ほどの+αがある程度。これまではレベルリセットダンジョン同士でも出現する敵には色々と変更が加えられていたのだが…… --深層の敵の強さも当然スキル頼み。仲間や道具が存在する分、対処は容易ではあるが。 --BGMはなんと''1Fから98Fまで(99Fの宝物部屋を除く)ずっと同じ。''この曲(グレッシャーパレス 東の塔)自体はむしろ良曲ではあるが、最初から最後まで聴かされれば流石に飽きる。(一応救助隊の「しあわせのとう」にも言えることではあるが) ---ストーリーの終盤で東の塔に続けて訪れる事になる「グレッシャーパレス 西の塔」や「グレッシャーパレス 大結晶の塔」のBGMも東の塔のBGM同様に良曲だが、何故ここで使われなかったのだろうか? ''「究極の荒野」'' -先述の通り、DLCのレベルリセットダンジョン。”究極の難易度を有するレベルリセットダンジョン”とのことだが、その実態は「眠りの氷穴」よりも…… --DLCであるにもかかわらず、''ここで挙げるダンジョンの中では問題が最も多い''。 --やはり出現する敵は「かえらずの地」と同じところが多い。DLCでありながらこれでは、ただの手抜きにしか見えない。 --敵は''最初から''スキル頼みの強さ。仲間もいないため対処も難しい。 --しかもBGMは最下層まで同じ。BGMは過去作の曲で評価も高いが、いつまでも聞かされると流石に飽きる。 -一応、エンディング前にも挑戦でき、「かえらずの地」と同様のアイテムも手に入ること、限定アイテムの効果は序盤で大きな効力を発揮することから、Vウェーブ解禁直後ぐらい((さすがにそれ以前では仲間が足りず、PPもジリ貧になってしまう。))に攻略すれば、ゲームバランス崩階級の恩恵が受けられるダンジョンでもあるのだが。 -これまでのレベルリセットダンジョンはみな、道具や仲間ポケモンなど、「ここでしか手に入らないもの」がそれぞれに存在していた。 --一応「かえらずの地」にもレアな装備品(店売り限定)がこれまでの高難度ダンジョン同様に存在するので、行くメリットはある。 ---「究極の荒野」もクリアで限定の装備品が手に入る。苦労に見合った効果かどうかは微妙なところだが。 --しかし、それ以外のレベルリセットダンジョンで出る道具はほかでも入手可能なものばかりで、ドーピングアイテムなどのレアな道具が入手しやすいというわけでもない。 --また、この作品の他のレベルリセットダンジョン同様敵ポケモンも仲間にできない。つまり、わざわざ行くメリットは早い話''皆無''である。 #endregion ---- **総評 同じ携帯機版である第2作の完全版『[[空の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が非常に高評価だったこともあり、本作に寄せられる期待も当然大きなものであった。~ だが、追加した新要素は結局その面白さを最大限に生かすことができず、むしろそれら新要素と引換えになる形での「ゲーム性の大幅劣化・喪失」が目立ってしまう形となってしまった。~ ローグライクゲームのルールからは決して逸脱してはおらず、ローグライクを初めてプレイするプレイヤーならある程度は楽しめる内容となっている。~ 従来プレイヤーにとってもストーリーやBGMのクオリティをそのままに、グラフィックを一新したりと評価点も無い訳ではない。~ しかし「初心者から熱心なポケダンシリーズファンまで、すべてのプレイヤーが楽しめる内容か?」と問われると、どうしても疑問符をつけざるを得ない「惜しい」作品である。 //判定と矛盾しかねない内容のため文章修正 ---- **余談 -シリーズ(冒険団除く)では唯一主人公に明確な記憶喪失の描写が無いのが特徴。作中、とあるアイテムを見て人間界の道具を連想するという場面もある。 -過去作と違い、ダンジョンのカクレオンの店での泥棒が多少難しくなっている。「ひきよせのたま」を使用しても店の商品を引き寄せることができなくなり、店の商品を拾ってから「せいなるタネ」を使ってもワープした直後にその部屋にカクレオンが現れる仕様になったためである。 --それでもワープ後に「てきおびえだま」などのアイテムを使えば切り抜けられるので、『[[チョコボの不思議なダンジョン2]]』等の泥棒に比べればまだまだ楽ではある。 -本作だけの特徴の1つとしてエンディング後のストーリーイベントに&bold(){バッドエンド}が存在するという点がある。冒険団シリーズにも序盤に偽バッドエンド演出はあったものの、こちらは正真正銘のバッドエンドであり、パートナー達の努力や願いが完全に水泡に帰す後味の悪い結末を迎える事となる。とはいえ、問題の場面でわざとらしい選択肢を選ばなければ回避できるものであり、仮にバッドエンドを迎えたとしても初めから冒険に失敗した扱いになり改めてダンジョンに挑戦する事ができる。 -本作の発売前にアニメーション及び実写によるPVが3作公開された。ピカチュウ役に釘宮理恵、ミジュマル役に小清水亜美を起用するなど豪華キャストが勢揃いしている。 --後に、上記のアニメPVの完全版を収録したDVDがTSUTAYAで無料レンタルが行われた。現在では、ニンテンドーeショップで視聴可能。 -救助隊・探検隊と同じようなものを期待していたファンからは「ポケダンの黒歴史」「マグナゲートなんてなかった」といった扱いを受けてしまう事も少なくない。 --今作の一部の問題点は、実質的な次回作である『[[世界樹と不思議のダンジョン]]』で、ある程度改善はされているのだが…… ---ストーリーやBGMなどの点を評価しているファンも当然存在するため、SNSや掲示板等での書き込みの際にはその点を考慮すること。 -本作の発売前の2012年1月30日に株式会社enishの育成RPG「ポケダンモンスターズ」がGREEで配信された。当然ポケモン不思議のダンジョンシリーズとはまったく無関係であるため、「ポケダン」と聞いてポケダン最新作を期待したプレイヤーは大いに肩透かしを食らう事となった。これが影響したかは不明だが、「ポケダンモンスターズ」はその後「ぼくらのポケットダンジョン2」へと名称変更されている。 --その後、2023年10月に任天堂、クリーチャーズ、ゲームフリークの3社が突如「ポケダン」を商標登録。恐らく「ポケダンモンスターズ」の商標切れに伴う商標登録と思われる。 -後に、本作のシステムをベースに登場ポケモンを大幅増加したポケダンシリーズ5作目『[[ポケモン超不思議のダンジョン]]』が発売されている。
*ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 【ぽけもんふしぎのだんじょん まぐなげーととむげんだいめいきゅう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&image(magnagate.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B009LUE0U6/,height=160) | |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト&br()ポケモン|~| |発売日|2012年11月23日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|第五世代のポケモンが新たに登場(全種類出る訳ではない)&br;システム面などの薄すぎる内容&br;改善点もあるが改悪点も多い&br;まさかの有料DLC&br;BGMとストーリーは変わらず良好|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シリーズ第4作。株式会社ポケモンの石原社長曰く「決定版」(任天堂公式ページに発売前に掲載された岩田社長との対談より)。しかし蓋を開けてみると…… **新要素 -''ポケモンパラダイス'' --本作では主人公とパートナーの家の周りの土地を開拓し、冒険に便利な施設を建てることができる「ポケモンパラダイス」作りを楽しめる。 --施設を建てるには、資金と依頼で手に入る「材料」が必要。さらに貴重な材料を手に入れれば施設をグレードアップすることもできる。 --ちなみにポケモンパラダイスにはダンジョンで仲間にしたポケモンが集まっている。 -''なかまモード'' --一旦主人公たちの冒険をセーブして中止し、ポケモンパラダイスに待機している仲間を操作してプレイできるモード。ダンジョン内以外ならいつでも行うことが可能。 --このモードで倉庫に預けた道具は主人公たちの倉庫につながるので、道具稼ぎに使える。 -''はっけん!マグナゲート'' --タイトル画面からプレイできる、3DSのカメラ機能を使ったモード。身の回りにある丸いものを写すと「マグナゲート」が見つかることがあり、ここからダンジョンに行くことができる。 --プレイヤーとして操作できるポケモンは、最初に主人公及びパートナーとして選べるポケモンとその進化系からランダムに決まる。 --手に入れた道具は本編に持ち込める。 -''わざの使いこみ'' --ダンジョンで「わざ」を使いこむと技のレベルが上がる。 --レベルが上がると威力・命中率・PPが上がり、さらに同じ名前の技なら上がったレベルをチームで共有できる。 --この仕様により、初代から前作まで存在していた技の威力を上げる道具「カテキン」は抹消されている。 --強力だが当たり辛い、PPが少ない……といった技も使いこんだり、アイテムの「ひけつ」を使う事によって欠点の無い完璧な技にする事もできる。 -''Vウェーブ'' --特定のタイプのポケモンが「技の威力が上がる」「経験値増加(該当ポケモンが敵にとどめを刺した場合のみ)」「PP消費を少なく抑えられる」などの様々な恩恵を受けることができる。対象となるタイプは毎日変化する。 ---当然敵にも効果があるので、高難易度のダンジョンに行く際は注意。 -''みんなでアタック'' --ダンジョン内で歩いたり、敵を倒したりすることで「心のはどう」が溜まると使える。 --多くの敵に大ダメージを与えることができ、更にリーダーにしているポケモンのタイプによって良い効果が起ったりもする。 -''不思議度'' --クリア後は各ダンジョン・依頼に「不思議度」というパラメータが付加される。1~5まであり、高いほどダンジョン内で不思議な現象が起こりやすい。 --不思議度の影響は各フロア開始時に「不思議なひずみ」となってランダムで発生。「敵が全員鈍足」などプラスのものも、「装備品が効果を発揮しない」などマイナスのものもある。 ---中でも凶悪なのが「食べ物を食べられない」効果。おなか(空腹度)要素ありのダンジョンでは当然ながら餓死に直結するし、更に恐ろしいのは死亡時に復活できる保険アイテムの「ふっかつのタネ」が無効になることである。 --時空が歪んで別のダンジョンに飛ばされることも。飛んだ先でしか仲間にできないポケモンもいる。 ---なお、依頼でダンジョンに行く場合、どのフロアでどのようなひずみが発生してどこに飛ばされるか否かがあらかじめ決まっている。(依頼を受けない場合はランダム) -''ローカル通信'' --シリーズ初のマルチプレイ対応。なかまモードで遊んでるときにメニューからローカル通信を選ぶと、近くでこのゲームを遊んでる友達と一緒にチャレンジ掲示板の依頼(おたずねものや伝説のポケモンとの戦い)を協力して行う事ができる。依頼の報酬は参加したプレイヤー全員に与えられる。 ---- **評価点・前作からの改善点 -グラフィックを細やかな3Dに一新。 --同じ携帯機だったDSの『救助隊』『探検隊』では2D、据え置きのWiiの『冒険団』ではデフォルメした簡易的な3Dだったが、本作では本格的な3Dグラフィックを実現している。 --『ポケモンバトルレボリューション』などの作品よりも繊細な3Dで、表情や仕草の変化も細かく表現されている。3D化によりカメラワークの自由度も広がっており、ムービーを用いた迫力ある演出も評価できる。 ---「ドット絵の方が味があってよい」という声もあるにはあるが。 ---また、後述する問題点から「無理にそんなことをしなくていいからポケモンを増やして欲しい」という声も上がった。 -往年のシリーズでも好評だったストーリー・BGMはやはり高評価。 --「希望」をテーマとする事もあり、序盤のドテッコツたちのエピソードからクライマックスまで、どんな絶望にも屈せずに仲間を増やして立ち向かう感動のストーリーが繰り広げられる。 ---特にパートナーは主人公レベル程の働きぶりに加え、エンディング以降もひたむきに主人公を慕う健気さには心を打たれるばかりである。 --本作に於いても、『探検隊』と同様に表裏を裏返すかのような衝撃的な展開も用意されている。 #region(''ネタバレ注意!'') ---実は本編冒頭でサザンドラに襲われていたムンナはキュレムの配下で、主人公に襲いかかる。((『探検隊』でいうヨノワールに近いポジションである。)) ---逆にサザンドラの正体はというと、''この世に存在する生き物達の心が一つになった「命の声」の化身''であり((なので、厳密的にはポケモンではない。))、完全に主人公達の味方。凶暴そうなビジュアルに反してのあどけなくてお茶目で可愛げのある性格から、プレイヤーたちからの人気が高い。 #endregion --BGMも音源の向上により序盤から高音質の良曲揃い。本家ポケモンにはない壮大なBGMが揃っており、聴いてて飽きない。 -倉庫の中のアイテムは、同一アイテムの場合は全て1つの枠で束としてまとめられるようになった(『救助隊』と同じ仕様に戻った)。 --例としてリンゴを倉庫に複数預けた場合、『探検隊』『冒険団』では「リンゴ/リンゴ/リンゴ」のように個別にバラけていたが、今作では「リンゴ 10」のように1枠扱いになる。 --そのため倉庫がいっぱいになることはほとんどなくなった。 -技マシンが『[[ポケットモンスター ブラック・ホワイト]]』同様に何度でも使えるようになった。 --過去作と比較すると、全ての技マシンが前作までの「ひでんマシン」に相当する仕様になったということ。 ---前作までは、通常のわざマシンを使うと「しようごマシン」という残骸となっていた。「しようごマシン」は倉庫に預けられない上、ダンジョン内で直す技「リサイクル」を覚えられるポケモンも少ないので、大抵はそのまま捨てられていたか、売られていた。 --そのためか、本作の技マシンは全体的にレアになり、レベルリセットダンジョンではこれが問題になることに…。 -ポケモンパラダイスに待機しているポケモンにも経験値が入る仕様に変更され、レベル上げがしやすくなった。また、ダンジョン内で進化もできるようになった。 --さらに「なかまモード」の存在で、ストーリー中にイベントでポケモンパラダイスに戻れない時にレベルの上がったポケモンを使用できるので、ダンジョンで仲間にしたポケモンの存在意義が上がった。 --エモンガ、ノコッチ、ビリジオンなどストーリー中で強制出撃を要求されるポケモンがいることに対する配慮でないかと思われる。 ---ただし、使っていないポケモンも強制的にレベルアップしてしまうため、前作までのように「依頼で序盤のダンジョンに行く時は低レベルのポケモンを選び緊張感を保つ」ということができない。まあ、今作では序盤のダンジョンで美味しい報酬という依頼自体が少ないのだが。 -前作までの欠点だったテンポの悪さが改善された。 --操作ポケモンの四つの技がABXYの四ボタンに割り振られており、Lボタン+ABXYのどれかのボタンでいちいち技メニューを開かずともすべての技を繰り出せるようになった((前作まではL+Aで登録した技1種類のみを出せる仕様だった。))。 --Yボタンで技演出をスキップ。多くの敵に当たる部屋全体攻撃技もヒット時のアニメーションを省略可能。 ---しかし、技ショートカットで発動した場合もYでスキップなので、場合によっては二度手間になったり、押し忘れて無駄な時間を消費したりすることも。 -「みわたす」コマンドで広い部屋の様子を遠くまで見られるようになった。このコマンド自体は改善点と言ってもよいが、後述する視界の悪さのせいでこれを使わないとやってられない状態。 -リーダー交代も復活。しかしメニューボタンでは誰をリーダーにするか選べず、ステータスウィンドウにおける操作ポケモンの次のポケモンが自動でリーダーになるのでやや面倒。 --実は、「ステータス」→「さくせんかいぎ」からもリーダーを変更できる。一つ後ろの仲間と交代するときはこちらの方が便利かも。 -技の調整 --強すぎる性能だった「ふういん」や「オウムがえし」などの技も原作準拠で無難な効果に変更されている。 --逆に「みねうち」は原作準拠で有用性が薄い効果だったが、「倒した敵が仲間になりやすくなる」という役立つものに変更されている。 --地味だが、「まるくなる」使用後に一回だけ「ころがる」の威力が上がるようになった。(再び使用するにはもう一度「まるくなる」必要あり) ---もっとも、「ころがる」が、「外れるまで最大5回連続攻撃」のみ(当たるごとに威力が倍増したりしない)という仕様になったのだが。技を鍛えられる本作でそんな仕様があったらバランス大崩壊ものだから仕方ないか。 -ポケモンパラダイスを発展させる町造り要素。 --タネ・きのみ系アイテムを増やす「畑」、技の熟練度を1日1回格安で上げてくれる「道場」などの施設は活用すればとても有用。 --ミニゲームを遊べる施設もある。上手くクリアすればレアアイテムが手に入ることも。 --荒地が開拓され、施設が並び、仲間にしたポケモン達で賑わっていく様子は見ていて楽しい。『救助隊』の「ともだちエリア」の発展形とも言えるだろう。 ---- **賛否両論点 -ステータス「おなか」の事実上抹消と、通常攻撃の仕様変更。 --行動の度に減少し0になるとHPが減っていく「おなか」の消失により、ダンジョンを動き回りやすくなった。一方でPP消費なしに使える通常攻撃(技ではない攻撃)は''最大で5ダメージ''しか出せないようになり、実用度が大きく下がっている。 ---これにより、『「おなか」ではなくわざのPPや飛び道具が尽きた(=通常攻撃しか出来なくなった)ら探索限界』と言うバランスに変更されている。 --従来の「不思議のダンジョン」系ゲームとバランスが大きく異なる変更点であり、賛否両論。ただ、通常攻撃かわざかを選択する自由度が下がった点、仲間が通常攻撃を使ってしまう点は問題と言えるだろう。 ---似たシステムとして『風来のシレン4』及び『5』の「夜」が挙げられる。こちらは夜になると1フロアあたり様々な効果を発揮する技が8回まで使えるかわりに技以外の攻撃が1ダメージ固定になる。この「夜」も賛否両論ではあるが、うまく利用すればメリットも多く、肯定的な意見も少なくない。 --「おなか」のステータスが無くなった影響で、従来作の「かいふくリボン」にあった「おなか」が減りやすくなる性質が無くなって純粋なプラス装備になったり、壁の中では「おなか」の代わりにHPが最大値の5%ずつ減るようになったという変更点も。 ---壁ダメージは仲間も受けるので、仲間を壁の中に放置しておくと勝手に死んでしまうという問題も同時に生み出したが。 --一応、クリア後の高難易度ダンジョンやDLC配信ダンジョンのごく一部のみ、例外として「おなか」が存在するダンジョンもある。これに限り過去作と同様におなかが減り、リンゴなどの食べ物も出現。 -ポケモンシリーズとしては初の、有料DLCの存在 --有料DLCの内容は、仲間にしにくいポケモンや珍しい道具を簡単に入手、高難易度の冒険が楽しめるダンジョンに行けるようになるものが配信されているのだが……値段に釣り合う価値があるかどうかは人それぞれと言ったところだろうか。 #region(購入可能なDLC一覧、価格は消費税込み) ''ポケの森'' (154円) -ポケ(お金)がたくさん落ちているステージ。難易度は低く、序盤から挑戦できる。 --確かに落ちているお金は多いが、1個あたりの金額は10ポケ程度と、とても少ない。 --クリア後であれば、このダンジョンでお金を集めるくらいなら普通のダンジョンに向かった方がよほど稼げる。恩恵を受けられるのは序盤くらいであろう。 ---そもそもクリア後は熟睡していた敵が起きてしまうので、アイテムを拾われまくるストレスフルなダンジョンになってしまっているのだが。 -きのえだが手に入るのも密かなポイント。隅々まで探せば50本ほど手に入る。 --ゴローンのいし以外の飛び道具は、施設での入手以外では原則エンディング後の依頼が発生しないダンジョンにしか出現しない貴重品。通常攻撃よりもはるかに高いダメージを出せるため、PPの節約に役立つ。 -野生のデスカーンが出現する唯一のダンジョンでもある。 -また、このダンジョンのみ期間限定で無料DLできた(現在は有料)。 ''つたつたパーク''、''みじゅいろビーチ''、''ぴかぴかランド''、''キバキバロック''、''ぽかぽかマウンテン'' (各154円) -それぞれ対応する主人公・パートナー候補のポケモンが出現し、しかも仲間に出来る可能性があるダンジョン。 --もっとも仲間に出来る可能性はかなり低いので、根気がいる。 --しかし、通常はこれらのポケモンは、クリア後ダンジョンの迷い込み(特定ダンジョンの確率で発生)でのみ低確率で出現するものなので、早く仲間にしたい場合などには有用。 -難易度は普通。 -各種ドーピングアイテムの他、ダンジョンに応じてデバイスというアイテムが入手可能(つたつたパークにはくさのデバイス、みじゅいろビーチにはみずのデバイス等)。対応するタイプのHP以外の能力を2上昇させるドーピングアイテム。 --通常は、エンディング後のダンジョンに''依頼無しで''潜らないと入手できないという、入手条件自体に気付きにくいアイテムだったりする。 -また、技が成長しやすいオマケも存在する。 ''修行の山'' (205円) -技を鍛えるためのダンジョン。技の成長率はかなり高い。普段は後述のわきみちにしかないわざれんスイッチも出現する。 -かくとうタイプのポケモンが多く出現する。ドッコラー、ドテッコツはここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできない。 --…が、肝心の敵の初期配置が少なく、0体の時もあったりする。制限時間も短い。Lv6以降はなかなか上がりにくいので、道場を併用して効率よく稼ぎたい。 --手数を稼ぐよう工夫すれば、Lv1から一周でMAXにすることも可能ではある。 -さらに、「ひけつ」も床落ちアイテムで入手可能。てつのトゲやぎんのはりといった飛び道具も手に入る。 -後半には進化形の強力なポケモンがいるにもかかわらず、熟睡している敵がいない。後述のスキル・トレジャーと難易度を間違えているんじゃないかと思いたくなることも。 ''スキル・トレジャー'' (205円) -宝箱の出現率が高く、チームスキルを探したい場合に有用なダンジョン。 --しかし、このダンジョンで入手した宝箱からは「モモンのみ」や「10ポケ」といったハズレが大量に出現する。 ---宝箱の開封にかかるお金を無駄にしたくない場合、リロードを駆使する必要がある。 --エンディング後のダンジョンでしか入手できないようなスキルも入手できるため、引き次第ではゲームバランスが崩壊することも。 -各種進化アイテムも床落ちで手に入る。 --特にほのおのいし、みずのいし、リーフのいしはミニゲームで入手できない代物なのでかなり重要。 ''カクレオンのバザー'' (205円) -カクレオンの店がほぼ毎層出現するダンジョン。売られているアイテムは技マシンやひでんマシン、各種フラッグ。 --ギフト(後述)や金額1桁のポケが落ちている。ギフト集めにはもってこい。ただし、タイプ専用のギフトは出にくい。 --しかし、今作は持ち込めるお金の上限が低く、技マシンも高価なので1周あたりではほとんど買えない。 --また、今作の泥棒は難易度が高く(後述)、アイテムを持ち逃げすることも難しい。 -他には野生のイーブイやミネズミ等がいる。ほとんどがレベル5であまり強くない上、ギフトの現地調達も可能。ここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできないものばかり。 --特に「にげあし」ミネズミは、本作唯一の「はっこう」持ちであるミルホッグに進化可能な貴重な存在(「するどいめ」は進化前後で変化しない)。他のダンジョンで「はっこう」ミルホッグを直接仲間にすることもできなくはないが。 ''スイーツ・ロード'' (205円) -このダンジョンの限定アイテム「ミニドーナツ」「ドーナツ」「ビッグドーナツ」を入手可能。 --「ドーナツ」は食べると経験値が獲得できる(おなかの存在するダンジョンでは、おなかも回復する)。 ''究極の荒野'' (309円) -上級者向けのダンジョン。 --レベルリセット(Lv5からスタート)、99F、アイテム持ち込み不可、1匹のみ挑戦、チームスキル無効 と、今作のレベルリセットダンジョンでは最高難易度。 ---一応ふっかつのタネ(倒れた場合復活できる)が使用できるので、過去作の「うんめいのとう」ほど難しくはない。 --しかし、ダンジョンとしての評価は悪い。詳細は後述。 --クリアすると限定アイテムがもらえるが、効果は既存アイテムの上位互換なだけで、それ以外に何か特別なものが手に入るというわけではない。 --倒れるとアイテムが全部なくなってしまうので、アイテムを持ち帰るにはあなぬけのたまで脱出するかクリアする必要がある。 --ダンジョンの仕様上、実はエンディング前でも出動する仲間を自由に選ぶことができる。 ''最強の山道'' (257円) -上級者向けのダンジョン。 --レベルリセットなしで、過去作の「ゼロのしま ほくぶ」や「ゼロのしま ちゅうおうぶ」に相当する。 --こちらのダンジョンの難易度調整も「究極の荒野」同様微妙。 --道中で便利なアイテムも拾えず、クリアしても究極の荒野同様、大したものはもらえない。 ---一応、宝箱やキラキラ床から各種デバイスが入手できる他、技成長度も高いのだが、難易度の高さのせいでそれどころじゃない場合も。 #endregion --DLCのオマケに過去作の曲を聴ける、という特典があるのだが、購入するとトップメニューの音楽が聴けなくなってしまう問題がある。 --本編シリーズとしてではないものの、ポケモンシリーズで有料DLCを採用するのはどうなのか、という不評の意見も存在する。 -Vウェーブは「Vルーレット」を回すことで好みのものに変更できるのだが、一日一回しか回せないうえに場合によってはルーレットの回転が非常に速く、目押しはかなり厳しい。 --ポケを払って当たる確率を増やす事が出来るのだが、それに必要な金額はとにかく高い。確実に当てられるようにするには7777ポケ必要。 ---まあ前述の恩恵を考えれば妥当な仕様なのかもしれないが。 ---ルーレットの速度は遅い時もあるのでセーブ&リセットを繰り返すのもありかも。 -前作まではBGMが突然止まり、「……おや、なにかがうごいた。」というどこかホラー染みた演出であった警告メッセージは、BGMが止まらず「風が吹いてきた!」という普通の(?)演出に変更されている。 -あるダンジョンの特定のフロアには「わきみち」が存在する。カギを使ったり、あるタイプのポケモンを連れていったりすることで、閉ざされた道が開き、奥に進めるというものである。向こうには、強い敵ポケモン、ごうかなはこ、わざれんスイッチ、特別な効果を持つ床などが存在している。パラダイスの「わきみちあんない」でわきみちを利用するための様々なサポートを受けられる(見つけたり、入ったりしたわきみちはここで見ることができる)。 --だがカギは四種類あり、デスカーンの店で交換するか、「わきみちあんない」を最大までグレードアップして購入(こちらは一日一個ずつ)する必要がありやや面倒。と言うより、わざわざ四つに分ける必要性はあるのだろうか。 --中にあるものはというと…… ---強い敵ポケモン→わき道に入ると同時に中にいるポケモンが起きて襲いかかってくるが、これが(そのダンジョンに登場する他の敵と比較して)かなり強く、最初から二つ目のダンジョンにいきなりLv54のウォーグルがいたりする。クリア前のレベルだとあっという間にやられてしまう。道具で対処したり、入らないようにすれば済む話かもしれないが。 ---ごうかなはこ→一応スキルがやや出やすいという利点はあるものの、特にここでしか入手できない珍しい道具などは出てこない。 ---特別な床→場所によって様々な効果があるものの、わきみちでしか利用できないため結局空気。不思議なひずみで通常のフロアにも発生する事があり、わきみちにしか出ないわけではないため貴重性も薄い。 --依頼の際には目標に設定されたフロアまでしか進めないため、依頼の時に立ち寄るためには深い階層が目的地の依頼を受ける必要がある。 ---シナリオ中盤、他の仲間を連れていけなかったダンジョンにも依頼時限定のわきみちが存在するが、「わきみちあんない」では判別できないのでたちが悪い。 --期間限定のダンジョンにもわきみちが存在するが、こちらは機会を逃しても迷い込みで訪れることが可能になっている。 ---- **問題点・前作からの改悪点 -少なすぎるポケモンの種類 --『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で初登場したポケモン156種類の''大半''と、第四世代以前のポケモンの''ごく一部''が登場する。つまり、第五世代ですら、すべてのポケモンが登場するわけではない。 ---例えば、プルンゲルのような雌雄で外見の異なるポケモンは何れも省かれている。 --登場するポケモンは全152種類((キュレム・ブラックキュレム・ホワイトキュレムはまとめて1種類としている。))。そのうち144種類が仲間にできるが、この数は救助隊どころか初代ポケモン未満である。 ---そのため、序盤から同じポケモンが登場するダンジョンが続き、中盤に進んでもそのポケモンの進化系ばかりが登場する。 --今作に登場するポケモン自体は精細な3Dグラフィックなのだが、ポケモンの登場数そのものが減ってしまっては元も子もない。 --前作まではその当時までの本編シリーズのポケモンがほぼ全て登場し((『救助隊』ではRSまでの386種+DPからの顔見せゲスト、『探検隊』ではDPまでの493種がアルセウス以外全て、『冒険団』ではさらにアルセウスまで))、序盤から同じポケモンが違うダンジョンで出続けることはなかった。 --『救助隊』『探検隊』では往年のシリーズの御三家が全て選べ、その他のポケモンも多数いたのだが…… --また、往年のシリーズでおなじみの性格によるポケモン診断もなく、ただ5種類の内から選ぶだけとなっている。 ---心理テストに関しては3作目『冒険団』でも存在しなかったが、あちらはシリーズでは異色の外伝に近く、またチーム候補のポケモンが多数存在して序盤から任意に入れ替え可能であった。 --主人公の性別選択が無くなり、代わりにパートナーの性別を選択する。 -仲間ポケモンが固定の場面が多い。 --せっかくダンジョンで仲間にしたポケモンはストーリー中外さなければならないことが大半で((赤青ではラスボス戦に参加できたし、時闇空でもストーリーに関わるダンジョンに行けた))、ストーリーの進行上必ず仲間になるポケモン以外は蚊帳の外のようなセリフ・演出多数。 ---ゲーム開始画面にいるチラーミィやチュリネ、デモ映像でゾロアが仲間になっていたが、それらのようなポケモンも蚊帳の外なため好きなポケモンで旅をしてもイマイチ釈然としない。 --ちなみに強制的に仲間になるポケモンにはパートナー以外名前を付けられないので、人によっては愛着が沸きにくい。 -れんけつの廃止 --前作『冒険団』同様、「わざのれんけつ」は本作も存在しない。『空の探検隊』まではわざを連結することによって1ターンで技を複数繰り出すことができた。例えば「いやなおと」と「たいあたり」を連結することで、相手の防御を下げつつ体当たりで攻撃したりと、一見地味な技だったり、低レベルで弱い技しか無い場合でも活用することができたが、前作では廃止され今作でも復活はしなかった。因みに連結した技で敵を倒すと経験値が多めになるメリットがあったが、当然廃止。 --また、『冒険団』にはれんけつに代わるシステムとしてポケモン同士が積み重なって連続技を繰り出す「ポケモンタワー」があったのだが、こちらも同様に廃止。 -ダンジョンの構造が悪く、画面の視界が極端に狭い。 --通路が多く小部屋が多い構造となる場合が多く探索が非常に面倒。通路を歩くより「ワープスカーフ」を持ち歩き、時々生じる強制ランダムワープで運任せに部屋を渡り歩く方が早いとまで言われる始末。 --おまけに本作の敵は部屋にある道具を積極的に拾うので、運良く同じ部屋に道具が落ちているか(同じ部屋に操作キャラや仲間がいれば攻撃を優先してくる)、次のフロアに着いてすぐに「ひきよせのたま」を使うかしない限り、フロアのほとんどの道具が敵の手に渡る事になる ---所持者が死んだ時に自動復活する「ふっかつのタネ」(敵にも有効)など、拾われたらまず間違いなく使われてしまう道具もある。 ---もっとも、敵が道具を使うのはクリア後やDLCの一部のダンジョンのみなので、普段依頼をこなす上などではそれほど気にするものではない。探すのが面倒なだけで…… --他の物体との距離感がつかみにくい。時折仲間の4匹目が見えなくなることもある。一応マップに物体の位置が表示されるが、それでも分かりづらい。 ---メッセージ履歴にはちゃんと残っているので、気になるならチェックしておこう。天候ダメージで誰がいるのかもある程度分かる。 -一部のシステムの抹消により、それぞれのポケモンの個性が失われてしまった。 --ステータス上の性別の区別がなくなった。主人公の性別選択も無くなり、パートナーの性別を選択するのみとなった。 ---パートナーの性別選択に関しても、会話シーンでの口調が変わるだけでダンジョンでは区別がなくなる((ただし、ピカチュウをパートナーに選んだ場合、外見には反映される。))。 ---主人公の性別選択が無くなったため、主人公をピカチュウにした場合のグラフィックは♂の姿で固定。性別の概念が無かった『救助隊』でも主人公の性別だけは選べたのだが…… --前作『冒険団』同様、『空の探検隊』では全ポケモン分用意されていた「専用道具」は本作でも抹消されている。主人公やパートナーにできるポケモンにさえ存在しない。 --ダンジョン内で味方のポケモンとの会話ができなくなった。 --「かしこさ」の抹消。「かしこさ」はグループにより性能差にばらつきがあったため改善点と見れなくもないが、やはりポケモンを育てる楽しみが無くなってしまったのは痛い。 -上記「かしこさ」の代わりに導入された「チームスキル」だが、これも多くの問題を抱えていた。 --これは敵を倒した時に手に入る宝箱から確率で入手できるものであるが、そのランダムな入手性により、狙いのスキルを獲得するのは難しい。 --また、1度手に入れればチーム全員に適用されるため、個性も出ない。 --さらに、この「チームスキル」に前作にあったかしこさ「わざだけつかう」に当たるものがないため、仲間に補助技だけを使わせるために補助技のみを登録しているのに、敵に隣接すると前述の貧弱な通常攻撃を出してしまうという問題が生じている。そもそも通常攻撃をゴミ同然にしておいて「わざだけつかう」を無くすとは意味がわからない。 --チームスキルの中でも「にどめのスキル」は微妙な存在。このスキルは攻撃を外すと次の攻撃が当たりやすくなる、というものであるが、2度目でも低確率だが外す上、相手が「どたんばスキル」で回避した場合そちらが優先されることでさらに当てにくくなり、スキル入手の有無で差を感じられないことがある。 --また、「かわらずスキル」は仲間が進化しなくなる(レベルアップ時に進化確認が出なくなる)スキルだが、何故かこのスキルも宝箱から手に入れなければならない。効果としては初期から持っていても良さそうなスキルだが…。 --そして、ストーリー中盤以降は敵もチームスキルを習得している。(ストーリー中ではボス戦に状態異常の回復が速いポケモンがいるだけだが) ---特に「いあつのスキル」・「ふんばりスキル」・「どたんばスキル」を有している敵はかなり厄介。攻撃が通りにくく、ダメージを与えても耐え、さらに回避されやすいと、ただただしぶとい。 ---しかもクリア後やDLCの高難易度ダンジョン、レベルリセットダンジョンでは主にチームスキルでバランスをとっているものがある。難易度調整の仕方としては間違っていない気もするが、上記の通り「強い」のではなく、ただ「しぶとい」だけであるため、効率が悪くなり、ストレスが溜まりやすい。そのためプレイヤーからの評判は非常に悪い。 -掲示板での依頼が1つずつしか受けられなくなった。 --前作までのように、同じダンジョンの依頼をまとめて受けることは出来なくなった。そのためアイテムやランクを上げるために必要なポイントが稼ぎにくくなった。 ---ランクを最高のパーフェクトランクまで上げるのは苦行の一言。ちなみにそこまで上げないと、サウンドテストで聞ける曲は全曲解禁されない。 --この仕様により施設の開拓に必要な材料も集めにくくなっている。施設を最高までグレードアップするために必要な材料に関しては、入手できる依頼自体の出現率が低いためさらに入手しづらい。 ---おそらく、施設が簡単に最大まで育ってしまうのを防ぐための仕様。簡単に育ちすぎても飽きが早くなってしまうので難しいところだが、材料のレア度を上げる代わりに(ただし高級材料の比率は高めにした上で)複数の依頼を受けられるように……といった形でも良かったのではないだろうか? ---高級材料以外はミニゲームの「おたからサルベージ」やでゲットできるため、早めに作ると楽かも。だが、何故か水系の素材は一切出ない(水に関係したミニゲームのはずなのに)。 ---「くじびきてん」でも、各種くじの大当たり枠に材料があるが、セーブ&リセットで当たるまで粘れるスクラッチくじ以外ではとても狙って入手できるものではない上、こちらも水系の素材は入手できない。 -救助の方法がすれちがい通信のみ。 --前作までのWi-Fi救助、パスワード救助は全て抹消。つまり救助を求めるなら街中で運よくすれ違わないと救助してもらえない。 ---一応、起動中のゲーム以外でもすれちがい通信可能な3DSなので都市部に住んでいたり、すれちがい中継所を利用すれば、すれちがいの機会は多いが…… -実はあまり利用価値がない「はっけん!マグナゲート」。 --拾えるアイテムはシナリオが進めばダンジョンでも依頼でも手に入れられるようなものばかりだし、わざわざこのモードでアイテム稼ぎをする必要性はほとんどない。技マシンが拾えることがあるのが数少ない利点か((とはいえ、DLCでは技マシンをレア物含めて全種類拾えるダンジョンが配信されている))。 ---技の威力・命中率・PPを上昇させる「ひけつ」系アイテムも拾えるため、お気に入りの技を育てたいプレイヤーなら重宝するかも。 --また、前述のようにプレイヤーが育てたポケモンで挑むことができない。 ---技は本編のチームと共有しているので、使用される技を鍛えておけばいくらか楽にはなる。 -これまた利用価値の微妙なローカル通信。 --「自分の行動→仲間の行動→敵の行動」といった順番で行動するターン制を採用している不思議のダンジョンシリーズでは自分の行動を選んだ後、他のプレイヤーが行動を選び終わるまで待つことになるため、(一人で遊ぶ時より)テンポが悪い。チャレンジ掲示板の依頼(ボスとの戦い)しかできないのも納得がいく。そもそも不思議のダンジョンに限らずRPG(バトルがリアルタイム制のものを除き)は多人数プレイと相性が悪いので仕方のない事ではあるが…… ---そして、技の成長はどれだけ事前に鍛えていようとも全員とも(依頼の間だけ)初期化されるため、ポケモンも技も十分に鍛えた後は一人で挑んだ方が簡単な事も。もっとも、ポケモンが弱いうちは強い人と組んで難しい依頼をクリアしてもらうという事も一応できる。 -仲間のAIが賢くない --使用する技が完全にランダム。その敵ポケモンに対し効果抜群になる技を覚えていても、それを使ってくれるかは運次第。 --効果がないタイプの技であろうとそれを使って攻撃したり、敵と隣接しながらステータス上昇技を使うなど、イライラを募らせることもある。 --このため、時と場合によっては技のオンオフをいちいち切り替えないと仲間がまともに戦ってくれず、全員を連れているとその管理も面倒になってくる。 ---ただし、これについては前作までと同様の仕様である。 -連続技の脅威 --通常、連続攻撃できる技というのは数回攻撃できる分、1発1発の威力が下げられていることでその技の強さが調整されている。 --しかし、このゲームでは敵が使う連続技のダメージが単発の技のダメージとほぼ同等である。そのため、1発でも食らってしまうと相当な痛手になり、運が悪いと何もできずにHPが0になってしまう。 ---ただし、これについても前作までと同様の仕様である。 -メインのポケモンの1匹、ノコッチがあまりにも弱すぎる。 --初期レベルが低い点はポケモンパラダイスに放置して経験値を稼げば問題ないが、レベルを上げてもステータスの成長率が極端に低く、全く使えない。必ず使わなければならない局面はないが、本作ではその弱気なキャラから比較的人気があるポケモンなので、主要ポケモンらしくステータスが成長しやすくしたほうが良かったのではなかろうか。 --一応、最終的にはこうげきがかなり高くなるうえ、自力で覚える技も優秀なので、「すてみタックル」あたりをメインウエポンにして活躍させることはできなくもない。高レベルになればとぐろをまく→ころがるで無双もできる。 ---シナリオ中だと弱いが、ただの大器晩成型かもしれない。そこまで我慢して育てるプレイヤーがどれだけ居るのかという問題はあるが。 -対応するポケモンを必ず仲間に出来る「ギフト」という道具が追加されたが、これを作るための道具のレートがあまりにも高すぎるものがある。 --大半はオレンのみといった各種木の実などが数個とレートは低いのだが、中にはエンディング後の高難易度のダンジョンでしか手に入らないような道具が材料であるものがある。 --その一例として「メグロコギフト」←「ノーてんバンダナ×1」((天気の影響を受けなくなる道具。前述の「あられ」や「すなあらし」の危険性を聞けば、貴重さだけでなくその強さも窺えるだろう。))などが挙げられる。メグロコがクリア前から登場するにもかかわらずであり、プレイヤーに使わせる気がまずない。実際戦っていればいずれは仲間になるのだが、いったい誰がこんな貴重な道具を手放してまで作るのだろう。 ---一番酷いと思われるのが、ヒトモシ((序盤から出現。しかも出現率も決して低くなく倒した際に仲間にできる確率も高め。))用の「ヒトモシギフト」←「みとおしメガネ×1」((クリア後に行ける、DLCで行けるダンジョンを除くと本作最高難度のダンジョンである「かえらずの地」に落ちてるのを拾うしか入手方法がない。こちらもノーてんバンダナと同じく貴重なだけでなく強力。))。 -エンディング後は、多少のエピローグとダンジョンが増えるだけ。エンディング後も多数のエピソードが展開された『救助隊』『探検隊』のプレイヤーから見れば物足りない。 --一応依頼をこなしてランクを上げればコバルオンやテラキオンといった伝説のポケモンを仲間に出来る依頼が出現するが、前述の依頼が1つずつしか受けられなくなった仕様によりランクを上げる前に飽きる、というプレイヤーも多い。 --過去シリーズとは違い、エピローグではしばらくパートナーが事実上の主人公となるため、マンネリ化の打破には繋がっていると一応フォローする事はできる。 -依頼を受けるときは「なかまモード」を使わないと主人公とパートナーをチームから外す事が出来ない。前作までは普通に外す事もできたのだが、こうしないと「なかまモード」の存在価値が皆無になってしまうからだろうか。 --依頼に関係のない冒険に行く時は出撃前にメンバーの入れ替えができる。しかし、「なかまモード」では依頼以外の冒険に行けないため、固定メンバーで決まったダンジョンを周回したい場合は、毎回編成し直す必要がある。 -主人公やパートナーを進化させると顔グラフィックの変化が無くなってしまうという問題は、初代からずっと改善されていない。 -ポケダン恒例のレベルリセットダンジョン(今作ではレベル5からスタート)。だが、これらも色々な問題点を抱えていた。 #region(今作のレベルリセットダンジョンについて(一応ネタバレ注意!!)) ''「かえらずの地」'' -全99F、道具やお金を持ち込めず、リーダー一匹で挑む。過去作でいうところの「きよらかなもり」「ゼロのしまなんぶ」に該当するのだが…… --前述の通り技マシンが何度でも使えるためか一切出現しないため、使用ポケモンは毎回技構成が同じになってしまう。過去作ではダンジョン内に技マシンが落ちており、運が良ければ強力な技を習得できる……などのランダム要素があった。 --深層の敵の強さが前述のチームスキル頼み。低層から中層には厄介な技を持つ注意すべきポケモンもいるのだが、深層になると(これまでのシリーズと比較して)あまり強力な技を持っておらず、ステータスもさほど高くないポケモンばかり。(もちろん全てではないが) ---大して強くもないのにひたすら攻撃を耐えてくるため、鬱陶しいことこの上ない。 ''「ほりあてやダンジョン」'' -出現条件が少々特殊で、パラダイスに一定確率で出現するモグリューにお金を払って土地を掘ってもらう事によって出現し、入れるようになる。ダンジョンの風景や敵は掘る地形によって異なり、仲間を四匹まで連れていける、どうぐ持ち込み可の10F程度のレベルリセットダンジョンで、仲間ポケモンの進化に使う道具を入手できる旨味のあるダンジョンではあるが…… --中層、時には1Fから''かえらずの地深層に登場する敵に匹敵するほどのレベルとステータスを持った''敵がそれなりの出現率で複数種類出現する。こちらがレベル5スタートであるにもかかわらず。固定ダメージを与える技や道具があれば十分対処可能ではあるものの、それでも理不尽感が漂う。 ---救助隊シリーズの「しあわせのとう」にも理不尽な強さの敵が多いが、こちらも技や道具で十分対処できる。(特にヤバい敵に関しては)ある程度味方が育っていることが前提のフロアに出てきており、出現率もあまり高くはなく、それぞれの出現期間も離れている。 -土地を掘る際に場所によってはすでにある施設を潰す必要があり、最大にまでグレードアップした施設の場合はあきらめざるを得ない。(万が一潰すと建て直す際にまた材料と資金が必要になる) --さらに探検の成功、失敗にかかわらず一度入ると入口が消滅してしまう。上に挙げたような理不尽さがあるのに探検に失敗しても入口が消えてしまうのはどうなのか。 ''「眠りの氷穴」'' -''DLCを除けば''ここで挙げた中でもっとも問題点が多いといえる。ちなみに条件は「ほりあてやダンジョン」と同じで技マシンなども持ち込める。 --出現する敵は「かえらずの地」とほぼ一緒。せいぜい道中に1、2匹ほどの+αがある程度。これまではレベルリセットダンジョン同士でも出現する敵には色々と変更が加えられていたのだが…… --深層の敵の強さも当然スキル頼み。仲間や道具が存在する分、対処は容易ではあるが。 --BGMはなんと''1Fから98Fまで(99Fの宝物部屋を除く)ずっと同じ。''この曲(グレッシャーパレス 東の塔)自体はむしろ良曲ではあるが、最初から最後まで聴かされれば流石に飽きる。(一応救助隊の「しあわせのとう」にも言えることではあるが) ---ストーリーの終盤で東の塔に続けて訪れる事になる「グレッシャーパレス 西の塔」や「グレッシャーパレス 大結晶の塔」のBGMも東の塔のBGM同様に良曲だが、何故ここで使われなかったのだろうか? ''「究極の荒野」'' -先述の通り、DLCのレベルリセットダンジョン。”究極の難易度を有するレベルリセットダンジョン”とのことだが、その実態は「眠りの氷穴」よりも…… --DLCであるにもかかわらず、''ここで挙げるダンジョンの中では問題が最も多い''。 --やはり出現する敵は「かえらずの地」と同じところが多い。DLCでありながらこれでは、ただの手抜きにしか見えない。 --敵は''最初から''スキル頼みの強さ。仲間もいないため対処も難しい。 --しかもBGMは最下層まで同じ。BGMは過去作の曲で評価も高いが、いつまでも聞かされると流石に飽きる。 -一応、エンディング前にも挑戦でき、「かえらずの地」と同様のアイテムも手に入ること、限定アイテムの効果は序盤で大きな効力を発揮することから、Vウェーブ解禁直後ぐらい((さすがにそれ以前では仲間が足りず、PPもジリ貧になってしまう。))に攻略すれば、ゲームバランス崩階級の恩恵が受けられるダンジョンでもあるのだが。 -これまでのレベルリセットダンジョンはみな、道具や仲間ポケモンなど、「ここでしか手に入らないもの」がそれぞれに存在していた。 --一応「かえらずの地」にもレアな装備品(店売り限定)がこれまでの高難度ダンジョン同様に存在するので、行くメリットはある。 ---「究極の荒野」もクリアで限定の装備品が手に入る。苦労に見合った効果かどうかは微妙なところだが。 --しかし、それ以外のレベルリセットダンジョンで出る道具はほかでも入手可能なものばかりで、ドーピングアイテムなどのレアな道具が入手しやすいというわけでもない。 --また、この作品の他のレベルリセットダンジョン同様敵ポケモンも仲間にできない。つまり、わざわざ行くメリットは早い話''皆無''である。 #endregion ---- **総評 同じ携帯機版である第2作の完全版『[[空の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が非常に高評価だったこともあり、本作に寄せられる期待も当然大きなものであった。~ だが、追加した新要素は結局その面白さを最大限に生かすことができず、むしろそれら新要素と引換えになる形での「ゲーム性の大幅劣化・喪失」が目立ってしまう形となってしまった。~ ローグライクゲームのルールからは決して逸脱してはおらず、ローグライクを初めてプレイするプレイヤーならある程度は楽しめる内容となっている。~ 従来プレイヤーにとってもストーリーやBGMのクオリティをそのままに、グラフィックを一新したりと評価点も無い訳ではない。~ しかし「初心者から熱心なポケダンシリーズファンまで、すべてのプレイヤーが楽しめる内容か?」と問われると、どうしても疑問符をつけざるを得ない「惜しい」作品である。 //判定と矛盾しかねない内容のため文章修正 ---- **余談 -シリーズ(冒険団除く)では唯一主人公に明確な記憶喪失の描写が無いのが特徴。作中、とあるアイテムを見て人間界の道具を連想するという場面もある。 -過去作と違い、ダンジョンのカクレオンの店での泥棒が多少難しくなっている。「ひきよせのたま」を使用しても店の商品を引き寄せることができなくなり、店の商品を拾ってから「せいなるタネ」を使ってもワープした直後にその部屋にカクレオンが現れる仕様になったためである。 --それでもワープ後に「てきおびえだま」などのアイテムを使えば切り抜けられるので、『[[チョコボの不思議なダンジョン2]]』等の泥棒に比べればまだまだ楽ではある。 -本作だけの特徴の1つとしてエンディング後のストーリーイベントに&bold(){バッドエンド}が存在するという点がある。冒険団シリーズにも序盤に偽バッドエンド演出はあったものの、こちらは正真正銘のバッドエンドであり、パートナー達の努力や願いが完全に水泡に帰す後味の悪い結末を迎える事となる。とはいえ、問題の場面でわざとらしい選択肢を選ばなければ回避できるものであり、仮にバッドエンドを迎えたとしても初めから冒険に失敗した扱いになり改めてダンジョンに挑戦する事ができる。 -本作の発売前にアニメーション及び実写によるPVが3作公開された。ピカチュウ役に釘宮理恵、ミジュマル役に小清水亜美を起用するなど豪華キャストが勢揃いしている。 --後に、上記のアニメPVの完全版を収録したDVDがTSUTAYAで無料レンタルが行われた。現在では、ニンテンドーeショップで視聴可能。 -救助隊・探検隊と同じようなものを期待していたファンからは「ポケダンの黒歴史」「マグナゲートなんてなかった」といった扱いを受けてしまう事も少なくない。 --今作の一部の問題点は、実質的な次回作である『[[世界樹と不思議のダンジョン]]』で、ある程度改善はされているのだが…… ---ストーリーやBGMなどの点を評価しているファンも当然存在するため、SNSや掲示板等での書き込みの際にはその点を考慮すること。 -本作の発売前の2012年1月30日に株式会社enishの育成RPG「ポケダンモンスターズ」がGREEで配信された。当然ポケモン不思議のダンジョンシリーズとはまったく無関係であるため、「ポケダン」と聞いてポケダン最新作を期待したプレイヤーは大いに肩透かしを食らう事となった。これが影響したかは不明だが、「ポケダンモンスターズ」はその後「ぼくらのポケットダンジョン2」へと名称変更されている。 --その後、2023年10月に任天堂、クリーチャーズ、ゲームフリークの3社が突如「ポケダン」を商標登録。恐らく「ポケダンモンスターズ」の商標切れに伴う商標登録と思われる。 -後に、本作のシステムをベースに登場ポケモンを大幅増加したポケダンシリーズ5作目『[[ポケモン超不思議のダンジョン]]』が発売されている。

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