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*PROJECT X ZONE 【ぷろじぇくと くろすぞーん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B009HKAR84)&AMAZON(B0086SQARA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|1Gbyte3DSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|モノリスソフト|~| |発売日|2012年10月11日|~| |定価|6,280円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|15個+コンティニューセーブ1個|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|テンポが良くシナリオの悪い『ナムカプ』&br()クロスするのはキャラ方面&br()影の薄いオリジナル主人公&br()周回プレイを妨げる致命的なバグ|~| |>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''&BR''[[セガ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''&BR''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[NAMCOxCAPCOM]]』(以下ナムカプ)に引き続き、バンダイナムコとカプコン、そしてセガの3社によるクロスオーバー作品。~ システムは前述の『ナムカプ』に近いがストーリー上の直接的な関係はない。ただし、何らかのクロスオーバー作品で競演したキャラクター同士は顔見知りという事になっている。 『ナムカプ』を越える参戦作品の競演や洗練された戦闘システムはよい評価を得たものの、単調なシナリオが批判された。 ---- **参戦作品・加入ユニット一覧 #region() |カプコン作品|[[ストリートファイターシリーズ]]|ペアユニット|リュウ| |~|~|~|ケン・マスターズ| |~|~|~|春麗(モリガンとのペア)| |~|~|ソロユニット|ハン・ジュリ| |~|[[バイオハザード リベレーションズ>BIOHAZARD REVELATIONS]]|ペアユニット|クリス・レッドフィールド| |~|~|~|ジル・バレンタイン| |~|[[ヴァンパイアシリーズ>ヴァンパイアセイヴァー]]|~|デミトリ・マキシモフ(ダンテとのペア)| |~|~|~|モリガン・アーンスランド(春麗とのペア)| |~|~|~|レイレイ(フランクとのペア)| |~|[[ロックマンXシリーズ>ロックマンX]]|~|エックス| |~|~|~|ゼロ| |~|[[デッドライジング>DEAD RISING]]|~|フランク・ウェスト(レイレイとのペア)| |~|[[デビルメイクライシリーズ]]|~|ダンテ(デミトリとのペア)| |~|~|ソロユニット|レディ| |~|[[魔界村>魔界村シリーズ]]|~|アーサー| |~|[[サイバーボッツ>サイバーボッツ フルメタルマッドネス]]|~|デビロット・ド・デスサタンIX世| |~|[[ロックマンDASHシリーズ>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]|~|トロン・ボーン&コブン| |~|[[ジャスティス学園シリーズ>私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES]]|~|一文字伐| |セガ作品|[[サクラ大戦シリーズ]]|ペアユニット|大神一郎(さくらとのペア)| |~|~|~|真宮寺さくら(大神とのペア)| |~|~|~|エリカ・フォンティーヌ(ジェミニとのペア)| |~|~|~|ジェミニ・サンライズ(エリカとのペア)| |~|[[バーチャファイターシリーズ>バーチャファイター]]|~|結城晶| |~|~|~|パイ・チェン| |~|[[シャイニング・フォース イクサ>シャイニングシリーズ]]|~|トウマ| |~|~|~|シリル| |~|[[戦場のヴァルキュリア3]]|~|クルト・アーヴィング| |~|~|~|リエラ・マルセリス| |~|~|ソロユニット|イムカ| |~|[[スペースチャンネル5]]|~|うらら| |~|[[ダイナマイト刑事シリーズ>ダイナマイト刑事]]|~|ブルーノ・デリンジャー| |~|[[ゾンビリベンジ]]|~|毒島力也| |~|ファイティングバイパーズシリーズ|~|バン| |~|[[エンド オブ エタニティ>END OF ETERNITY]]|ペアユニット|ゼファー| |~|~|~|リーンベル| |~|~|ソロユニット|ヴァシュロン| |バンダイナムコ作品|[[鉄拳シリーズ]]|ペアユニット|風間仁| |~|~|~|リン・シャオユウ| |~|~|ソロユニット|アリサ・ボスコノビッチ| |~|~|~|三島平八| |~|[[ゼノサーガシリーズ>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]|ペアユニット|KOS-MOS| |~|~|~|T-elos| |~|[[.hackシリーズ>.hack/感染拡大 Vol.1]]|~|カイト| |~|~|~|ブラックローズ| |~|[[無限のフロンティアシリーズ>無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ]]|~|ハーケン・ブロウニング| |~|~|~|楠舞神夜| |~|[[テイルズ オブ ヴェスペリア]]|~|ユーリ・ローウェル| |~|~|~|エステル| |~|~|ソロユニット|フレン・シーフォ| |~|[[スーパーロボット大戦シリーズ]]|~|ゼンガー・ゾンボルト| |~|[[ゆめりあ]]|~|ねねこ| |~|[[ゴッドイーターシリーズ>GOD EATERシリーズ]]|ペアユニット|ソーマ・シックザール| |~|~|~|アリサ・アミエーラ| |~|~|ソロユニット|雨宮リンドウ| |~|[[ワルキューレの冒険シリーズ>ワルキューレの冒険 時の鍵伝説]]|~|ワルキューレ| |~|[[NAMCOxCAPCOM]]|ペアユニット|有栖零児| |~|~|~|小牟| |~|~|ソロユニット|沙夜| |~|本作オリジナル|ペアユニット|天斎小吾郎| |~|~|~|黄龍寺美依| #endregion ---- **システム -ゲームのシステムは「ペアユニット」と呼ばれる二人一組のユニットに「ソロユニット」という1人ユニットを加入させ、3人1組で移動させる。『ナムカプ』とは違いソロユニットは単体で運用できない。 --戦闘シーンではボタン入力によるコマンドで技を決めていく。格闘ゲームのような複雑さはなく、「方向+ボタン」といった単純なもの。 ---技の構成は戦闘シーン時に使える通常技として最大5つ、後述の必殺技で1つ、マップ上で使える複数技で1つと分かりやすい構成。 ---現在習得している通常技を全て入力すると攻撃可能数が1つ増えてダメージをより与えられるのだが、それを無視してゲージを貯めやすい技や状態異常にかけられる技を連発するなどの戦略もある。 ---また、吹っ飛ばして落ちて来た相手が地上すれすれにいる時に攻撃を当てるとクリティカルヒットとなり、与えるダメージがアップする。技の出の速さや敵の重さは異なるため、練習が大事。 --コンボが決まると、「クロスゲージ」というエネルギーが溜まっていき、100%分消費して必殺技を発動することが可能。 ---威力は非常に高く、クリティカルヒットが出来れば非常に高いダメージをたたき出す。 ---しかし攻撃回数が0の時に着地させたり、相手のブロックを破れずに通常攻撃が出来なくなると必殺技が使えないため、使いどころが肝心。 --加入しているソロユニットを呼び出す「ソロアタック」と、隣接している他のペアユニットを戦闘中に呼び出す「サポートアタック」を1戦闘につきそれぞれ1回使える。 ---これはダメージは低く、XPも加算されないが、ペア・ソロ・サポートの攻撃のどれか2つが同時に当たると「クロスヒット」となる。これが発動している間は敵の位置を固定し、XPも加算される様になり、クロスゲージが150%まで溜まるようになる。 ---変な位置で固定してしまうとそれ以降の攻撃を当てるのが難しくなるため、どのタイミングで当ててクロスヒットを発動させるかが重要になってくる。 --マップシーンではキャラクターを移動させたり、コマンドで行動させたりできる。 ---アイテムの使用やスキルの発動で戦闘を有利に進めたり、宝箱の回収、障害物の破壊なども行える。 ---敵に倒されたユニットは、戦闘不能が敗北条件となっているユニットを除き、仲間が隣接しクロスゲージを100%、スキルや装備によっては50%消費することで「救援」をしてもらい復活することができる。 -マップクリア後には「インターミッション」が行える。 --ここでペアユニットとソロユニットの組み合わせを設定したり、装備を付けたりする。 --様々な設定ができる戦闘練習も可能。 ---- **評価点 -版権を越えたキャラクターの掛け合いの魅力。声優ネタやメタネタは勿論、熱い会話も多く原作を知っている人ならばニヤリとするものも。 --原作がそれほどメジャーではない作品のキャラクターを本作で知った人もおり、未プレイ者に好印象を持たせている。 --戦闘中は勿論、ストーリー中にも各原作の持ちネタを生かしたクロスオーバーが行われており、ゲーム本編そのものの演出が流れる事も。 ---例えば、グラマラスなキャラクターが登場した時にはフランクがシャッターを押して「PERFECT!!!EROTICA」のサインが出たり、ヴァシュロンが例のダンスを踊ったりする。~ また、大神の台詞に好感度が上がった女性キャラは、原作そのままの効果音が流れたりする。 ---リュウとケンが『ナムカプ』での空中戦艦バルログのシナリオを引きずったのか''やたら竜巻旋風脚で空を飛ぼうとする''といった、本作独自のネタもある。 ---スキルの名称やアイテム、装備の出典など細かい所も、原作の要素が反映され、細かい台詞の一つ一つには原作ネタや様々なゲームやアニメのパロディネタが練りこまれている。 --マイナーなネタや、掛け合うキャラクター同士が共演した作品についてのネタ、各作品の他媒体ネタ、更にはクロスオーバーしていない会社のパロディネタもある。 --一部のキャラは別作品のキャラとコンビを組んでいることもあるにもかかわらず、会話に違和感が全くない。 ---ヴァンパイアのキャラはどれも同じ作品のキャラとペアを組めていないが、デビルハンターと吸血鬼と言うペアながらも刺激好き同士のダンテ&デミトリ、正反対の性格で片方が片方をからかう春麗&モリガン、なんでも投げたり武器にする共通点があるフランク&レイレイとかなり噛み合っている。 ---サクラ大戦シリーズから参戦しているが、作品が違うために殆ど面識がない((DSで発売された外伝作品『君あるがため』で各作品のヒロイン達が共演しているが、二人だけの絡みはない。))設定のエリカとジェミニも、ドジ同士だったり独特のノリが特徴で、本作屈指の癒しペア。 --声優ネタとしては『魔界村』のステージでデミトリ・バツ・ハーケン・ステハニーが一堂に会し会話を行う(全員檜山修之氏が演じている)という凄まじいイベントがある。ついた愛称が''檜山村''。~ 他にも戦闘前会話でKOS-MOSとT-elosとネイト(ねねこの別人格)が掛け合いをする(三人とも鈴木麻里子氏)というものも。 -各技も作り込みが深い。 --仲間キャラほぼ全員の技を使うCOS-MOSや、兵種関係なしに武器を振るうクルト&リエラ、CMの歌に沿って攻撃するブルーノ、春麗がVSシリーズでしか使わない「七星閃空脚」を使用するなど、ファンサービスが旺盛。 --会社ネタとしては、デビロットは『サイドアーム』のモビちゃん、『超鋼戦機キカイオー』のキカイオー、同作のブロディアを出したり、うららは『ファンタジーゾーン』のオパオパ、『エイリアンストーム』のスクーター、『スペースハリアー』を呼び出す。ブルーノも『ゴールデンアックス』で突くなど、細かい所からキャラが出てくる。 ---デビロットやブルーノ、アーサーはばっちりと爆発したり、鎧が脱げたりする。 --戦闘のモーションも原作のものをほぼ再現しており、原作をプレイしていた人ならピンと来るモーションも多い。 ---一方でゼロのキャンセル斬りやエックスの真空波動拳等、裏技やバグ技スレスレのものも再現していたり、映画版で苦し紛れに相手の足を掴んだリュウがわざと相手の足を掴んでいたりなど、賛否あるネタもあるが。 --必殺技を放つ時にはアニメーション入りのカットインが入り、これも迫力があってカッコいい。 ---ペアユニットキャラには全員分用意されており、必殺技のカットインが静止画のキャラクターも複数技でアニメーションが入る。 ---大抵の女性キャラのカットイン時には、''乳房が揺れたり、生足がチラリしたりする。''そうでない作品のヒロインも眼福なアングルを見せてくれる。 --その必殺技の出来も良く、テーマ曲のサビを流しながら目まぐるしく攻撃する。カイト&ブラックローズの「データドレイン」は3D表示して見るべきだ。 ---ソーマ&アリサはOPアニメを再現していたり、トウマ&シリルはムービーが元ネタになっているなど原作再現が豊富。 ---リュウは原作の「昇龍拳→セービングキャンセル→滅・波動拳」を決める、フランクは爆風に吹き飛ばされた後、原作では発生するダメージをニードロップで回避するなど、本当に細かくモーションを作り込んでいる。 --サポートアタック発動時のカットイン絵にまで何らかの元ネタが盛り込まれている。ゼンガーは『スパロボ』でのカットインそのまま、バンは当時の店頭ポスターを元にしているなど。 -戦闘テンポも、ナムカプに比べて劇的に向上した。 --ナムカプで特に批判されたのは敵フェイズの戦闘だが、本作では''ボスクラスの必殺技と複数技以外はアニメなし''という大胆な演出によりテンポを向上させている。 --また、『無限のフロンティア』シリーズで批判の多かった必殺技についても、長いムービーをワンボタンでスキップ出来るようになった。 ---- **賛否両論点 -公式では『ナムカプ』の続編ではないということになっているが、『ナムカプ』で出会ったキャラは別ゲーム同士でも知り合いであり当時の話題を振ってくるなど、明らかに続編的なシナリオ展開がされている。 --そのため『ナムカプ』、及び直接つながりのある『無限のフロンティア』シリーズを知らないプレイヤーは、序盤は少々置いてきぼりにならざるを得ない。 --また、これら以外の作品でも原作の固有名詞や用語、本編では絡まないキャラの名前がストーリーや戦闘時の会話に登場する事もあるが、これに関しては大半をゲーム内で見れる辞典で確認可能である。 ---この図鑑は相当に気合が入っており、メインキャラから雑魚敵まで網羅している上に、名前と台詞のあるキャラは各キャラクターごとに自己紹介のボイスが数多く用意されていたり、ほぼすべての表情パターンを見れたりと非常に充実している。~ 見れない表情パターンは細かい所だが、力を解放したリエラやセルベリア、ゴーグルをかけたT-elosぐらい。 -出演作品にマイナーゲームがやや多い --平成初期からの世代やゲーマーから見ると問題ない点だが世代的に古い作品も多い。 --サイバーボッツ、ゆめりあ、スペースチャンネル、ジャスティス学園などはマイナーとして扱う人も多く、ゲームをプレイしないと分からない部分も多い。ストリートファイターや鉄拳のようなナンバリングタイトルが多く発売されている作品はやってなくても聞いた事のある、見た事のある程度で済ませられるが世代に分かれてしまうのがやや問題点。 --ゲームを知る事ができたと評価する意見も見かけるが実際やるにはそのゲーム機とソフトを買わないといけないのでかなり高コストとなる。 --続編ではシナリオ重視に変更された事でマイナー作品は外されて解消した。 -曲の作曲者の作風が強く出ており、曲ごとに質が大きく異なる --明らかに戦闘BGMには向かない曲も少なくない。特に『ゆめりあ』の「猫と好奇心」はコミカルな曲調と言えば聞こえはいいが、戦闘BGMとしては脱力どころではない。 ---これらの曲も出来自体は良いため「一種の清涼剤としてこれはこれで」という意見もあるが、やはりテンションが下がるのは事実。~ 戦闘に参加するユニットの中からランダムに選択されたユニットのBGMが流れると言うシステムのため、キャラに合わないBGMが流れるのも問題。 -2周目からは戦闘BGMが変更出来るが、昨今のスパロボにあるような個別戦闘曲変更と異なり、全体一括のBGM変更しか出来ない。 --つまり、これを設定すると誰にターンが回ろうが誰が必殺技を使おうが、本当にそのBGMだけになってしまう。 -OP映像の激しさとテーマ曲のゆったりさのギャップ --本作では『ナムカプ』にならい各キャラクターが共演するオリジナルのオープニングアニメーションが用意されている。~ しかし、テーマとして流れる「Wing Wonderer」がゆっくりとした曲調のためアニメ映像とのギャップが激しく、アニメ・楽曲ともにマッチしていた『ナムカプ』と比較するとやや劣る。 --ただし、アニメ映像そのものは『キルラキル』『ニンジャスレイヤー フロムアニメイション』等を手掛けたトリガーが制作しており、良い意味でアニメらしいデフォルメの効いた映像となっている。 ---『サクラ大戦』『バーチャファイター』のアニメOPの構図をまんま再現したり、エックスとKOS-MOSが同時にバスターを撃ったり((両者とも「Xバスター」という名前の技を持つ。))とネタは本編同様豊富であり、単体で見るならば非常に完成度が高い。楽曲も同様。 ---- **問題点 ***シナリオ面 -''とにかくシナリオが単調で、メリハリがない。本作の最大の問題点とされる。'' --序盤から、「キャラの顔見せや加入→わらわらと沸く中ボスキャラを倒して撤退させる→違うマップに飛ばされるor移動する」を延々と繰り返し、シナリオに起伏がほとんどない。~ 中盤になるとユニットが全員加入するため、そのイベントもなくなる事でさらに単調さが増す。終盤になるまではボス敵の完全退場も一切ない。 --このシナリオのせいで敵は「弱いくせに思わせぶりなことばかり言ってすぐ逃げる」という、味方は「トドメを刺せないままどこかに飛ばされまくる」という嫌なイメージが纏わりつく。 //--クロスオーバーとは言え、中盤までに全てのユニットが仲間になるのは、後述の会話シーン問題が必然的に多くなる事である。 //---『ナムカプ』では中盤までの全てのマップで仲間が加入する仕様だが、終盤でも仲間になるユニットも一部いたが…… //加入が遅すぎても原作ファンからすれば問題になるから、加入は中盤まででいいと思うが。実際ジューダスろくに使えない問題もあったし --また、「マップとマップの合間」が一部シナリオを除いてほとんど存在しない。基本的にインターミッションが終わったらマップ、マップが終わったらインターミッションであり、会話シーンがとにかく少ない。 --敵同士の会話シーンもあるが、オリジナル敵キャラのオロス・プロクス一味は内容がプレイヤー側からすれば理解できないし、シゾーの様に会話が少ない、スケィスなどは無い敵は何がしたいか分からないのもあって、敵の描写が薄く感じられる。 ---セルベリアに至っては、「この世界に飛ばされたが自力では時空移動が出来ないため、そこを敵に利用されては退場」の繰り返し。不憫。 ---マップが終わった瞬間にすぐ世界移動→次のマップを繰り返すため、休んでいる描写も暇も全くないという点も妙な点である。作中の描写を厳密に見れば、数十のマップを1日か2日で駆け抜けたとしか思えない。息抜きと思えるシーンは後半に少しある程度である。 ---冗長な世界移動を繰り返すシナリオは『ナムカプ』からしてそうだったのだが、こちらは「マップとマップの合間の会話」をきっちり挟んでおり、少なくとも本作のようにひっきりなしに移動している印象は避けていた。 -移動するマップにしても、味方のNPCキャラが殆ど登場しない(後述)せいで、民間人や仲間がいるはずなのに無人になっているマップが殆ど。~ 作中では「''人が足を踏み入れていない時間軸(原作開始前)の場所に来たから無人なんだ''」という説明がされているが、シナリオ上都合が良いように言い訳しているようにも見えてしまう。マップそのものも微妙な選出がされている。 --『シャイニング・フォース イクサ』からは原作での拠点であるジオフォートがステージで登場するが、ジオフォートに来た途端シゾーやVAVA、ファントムといった敵が出現し『スーパーロボット大戦』を元ネタにしたシナリオに移行してしまう。別段ロボットに関係する場所でもないため何故出したのかという疑問が残る。 --『ゼノサーガ』からは巡洋艦ヴォークリンデが登場しているが、原作ではそもそもエピソードIの序盤で破壊されて出番の無いステージである。KOS-MOSとT-elosは共にエピソードIII仕様なので違和感が強い。 ---そもそもゼノサーガ自体雑魚敵がちらほら出るだけで、『ナムカプ』から今までまともに原作再現されたことがない((ライターが序盤しかプレイしていないのでは、という疑惑すら上がっている。))。 --『TOV』はED後の時系列から参戦しているのだが、原作ではED後には消滅しているはずの『魔導器』をなぜか使用している。 -少ない会話シーンにどうにかしゃべらせようと1人がしゃべって、また別のキャラがしゃべって、また別の…という具合に会話が進むシーンもあり、「学芸会か」と揶揄されることも。 --会話ウインドウが『ナムカプ』や『スーパーロボット大戦』のような大きな一つのウインドウではなく、吹き出しのような小さな形で、1人分の台詞しか表示できないのが原因か。 --このためか、部隊分けが発生した時にその部隊にいないメンバーが喋りだすと言うテストプレイしているのかと疑いたくなるシーンもある。 --レディはほぼ会話に登場しない。彼女と同様の方法で加入するアーサーやイムカにはしっかりと存在するのだが…。 --また、シリアスな会話の途中にもネタ的な会話が入れられるため、緊張感がまるでない。本作でディレクターを務める森住惣一郎氏のシナリオの特色かつウリのようなものなので好みの問題でもあるが、そのネタ自体も過去作に比べると質が低い。 ---「不死桜が崩壊する!」「トウマが洗脳された!」などの危機的状況のシーンは、ネタ気味な会話シーンだけであっさりと済んでしまうと言うあんまりな展開。危機感など常に皆無である。~ ただし後者は戦闘システム的な問題とも言える、戦闘を挟んでしまうとその間シリルが動けない理由付けが必要になる、実際唯一イベントの間に戦闘を挟むエックス&ゼロは、ゼロが動けなくなった際にエックスはゼロを守るという理由で戦線離脱する。 ---「死亡フラグが立つ→そのキャラが死んでしまった事を悔やむ→さりげなくそのキャラが会話に絡む→驚かれる」という展開を何度も繰り返すワンパターン気味なところも目立つ。 -新規参戦作品のほとんどは「原作ストーリーの途中でこちらの世界に転移して来た」「原作ストーリー終了後で、過去の敵が復活した」「そもそも名前つきの敵が出て来ない」と言うものばかりで、原作再現性が薄い。 --「過去の敵が復活した」タイプの作品の場合は一応決着をつけてくれるが、「途中で転移して来た」タイプの作品は「元の世界に戻ったら決着をつける」という名目で敵との決着さえ付けてくれず、不完全燃焼どころの話ではない。 --「名前付きの敵が出て来ない」「名前付きの敵は出るが喋らない」タイプの作品はほとんど空気である。 -登場する敵は各作品のラスボスではなく、中ボスポジションがほとんどな上に、数が少ない。 --大ボスに関しては、確かに作品によっては明らかなオーバースペックなキャラがいるため出せなかったと推測することもできる。だが数の少なさは問題で、名前の有る敵キャラが出ない作品はそう少なくない。 ---名有り敵キャラが登場していても、無言で絡めなかったり、味方になったりして多くのキャラに埋もれてしまったりしていることも。~ 味方になるキャラは一応既存作品でも味方側になった経験のあるキャラがほとんどなのだが、「利害の一致、あわよくば利用してやる」という名目で手を組んでも結局なあなあで済ませており、大人数での世間話に混ざってるだけで何もしない。 --人選が謎めいている作品も。例えば『無限のフロンティア』シリーズからはネクロンとオミコンという敵が参戦しているが、これらは原作では設定も台詞もなく、グラフィックは雑魚の色違い。ストーリーにも絡まない。 //---『サクラ大戦3』からはシゾーが登場しているが原作では1話で倒される敵であり、それ故に大神やエリカとも絡みが少ないため参戦させたのに疑問が残る。シゾー自身も断片的にしか物事を喋らないので面白みが薄い。 //シゾーは派生作品の『ミステリアス巴里』やCDドラマにも登場しているし、舞台『サクラ大戦歌謡ショウ』には担当声優の高木渉氏自らが扮して連続出演しているぐらいファンの間では人気、知名度ともに高いので、参戦は妥当だと思う。 -空気キャラが多い。 --特に問題視されるのが主人公の天斎小吾郎&黄龍寺美依。主人公ということで一応ストーリーの中心ではあるのだが、その肝心のストーリーが薄いため、引っ張られてキャラが薄くなっている。 ---小吾郎は「忍者で家庭教師で私立探偵、口癖は『よしなに』、クールだが時折スケベ」、美依は「戦国時代の僧兵の血を引く財閥令嬢でチアリーダー。語尾には『ってね!』と付けるハイテンションな少女」と凝った設定だが、いかんせんごちゃごちゃしており、そもそもゲーム中ではその設定があまり生かされていない。 ---美依には特殊な能力があったり、それに纏わる伏線が有ったりもするのだが、キャラ立ちするには正直微妙。小吾郎にはその手の因縁すらない。数多くの他社作品キャラが共演するコラボ作品の主人公がこれでは…。 ---このゲーム単体で見れば、同じくらいかそれ以上に空気なキャラも多い。しかし他のキャラクターは元のゲームですでにキャラが確立している。対して主人公2人は本作で生み出されたキャラクターであり、当然ながら本作の中でその魅力を発揮しなければならなかったのだが、それが全く上手く行っていない。 ---『ナムカプ』の主人公である有栖零児と小牟がいるなら、普通に『ナムカプ』の続編としてこの2人を主人公にしたシナリオにすれば、キャラクターもシナリオももう少し深められたのではないかという意見もあるほど。実際、零児が目立つ場面は多い。 ---続編の『PXZ2』では本当に零児と小牟が主役になり、小吾郎と美依は名前のみの登場に落ち着いた。%%ホントに何のための主人公だったのか。哀れ。%% ---会話シーンで『ナムカプ』主人公組(特に小牟)、そして『ムゲフロ』主人公組(特にハーケン)が何かと目立ちすぎて、余計に新主人公組が空気になったのではないか…という意見もある。しかし実際には、特徴的なパロディ台詞や変わった呼び名があるから数少ない出番でも印象に残るだけで、彼ら旧主人公組も自身のイベント以外はほとんど活躍していない。 --その他の空気キャラはソロユニットに顕著。アーサーやねねこなどその作品の敵が出るなら出番は多少あるが、出ていても空気な場合もある。その他多数と共に驚き役同然。 ---特にバツに至っては原作再現も敵キャラも存在せず、シナリオ上登場する必然性のないタイミングで初登場して声優ネタをやってそのまま空気になる。極端な話''声優ネタをやりたいためだけに参戦させた''という邪推すら出来てしまう。 --仁は登場時からデビル因子で苦しんでいて戦闘時の台詞にも見られるが、本編中ではなんら問題が発生しない。彼の場合設定が空気である。 --うららは戦闘会話やマップ会話で頻繁にレポーターとして意見を伺おうとするキャラにされている。~ 空気ではないのだが本当に所構わず行う上に相手のキャラが触れて欲しくないような話題を軽々しく踏む、味方キャラに「ふざけるな」とたしなめられるなど、極端に空気の読めないキャラに改悪されている。原作ではそんな描写はない。 -戦闘を行わないキャラクターがほぼ登場しない。 --本作に登場する非戦闘キャラは、『.hack』シリーズのアウラと『ロックマンX』シリーズのアイリスの2名のみ。 --うちアイリスは1マップのみのほぼゲスト的な登場であるため、「プレイヤーの冒険を外部からサポートするキャラ」はアウラ以外に一切存在しないということになる。 --通常「使えないキャラが少ない」のは喜ばしいことであるはずなのだが、上記のように参戦キャラ達の描写が薄く、サブキャラもほとんど居ないことがシナリオの単調さを後押ししている。 -ペアユニット同士、ソロユニット同士の掛け合いが非常に薄い。 --本作では、今までに述べたとおり「キャラの戦闘掛け合いは豊富だがシナリオが薄い」と言う状態になっている。そして、戦闘掛け合いはクロスユニットを組んだキャラ同士、つまりペアユニット-ソロユニット間で発生する事になる。そのため、クロスユニットを形成出来ない同種ユニット間は戦闘掛け合いが存在せず、結果的にシナリオでの絡みも非常に薄い。 --また、『ナムカプ』では複数ユニットでの大胆なクロスオーバー合体攻撃があり、実用性こそないがキャラの魅力の形成に一役買っていた。しかし本作ではそれもない。 ---絡みが薄いのはもちろん問題だが、その上でも同作品内で複数のペアユニットが存在するキャラは特に問題。リュウ&ケンと春麗、デミトリとモリガン((レイレイもヴァンパイアシリーズ出身だが、デミトリやモリガンとは原作のバックストーリー上は特に絡みがない))、大神&さくらとエリカ、零児&小牟とハーケン&神夜((正式な出典は異なるが、無限のフロンティアシリーズで共演済。))がこれに当たり、同作品にもかかわらず会話がほとんど発生しない。 ---エリカはヴァシュロンと組ませた時発生する会話において「私には大神さんが…」と言っているのに、肝心の大神との絡みがほとんどないというのはなかなかに涙を誘う。 ***システム面 -『ナムカプ』で散々指摘されていた「バトルが単調かつ冗長でテンポが悪い」という欠点が全く解消されていない。 --戦闘システムが別物になったにもかかわらず、戦闘でのコマンドは相変わらず単調になりがち。通常技が最大5種類しかないのもあるが、「敵のブロックを砕く ⇒ 全てのコマンドを入力 ⇒ 援護攻撃」というパターンは変わらない。 --個々の技が細かく作りこまれている分そこそこ長い。加えて、クロスヒットを成立させると相手が固定されてタイミングをはかる必要がなくなるため、ゲーム性が低く作業度が大きく増す。 ---ソロユニットやサポートユニットを呼ぶと毎回カットインが表示される事もあり、特に技数が増えてくる後半の戦闘は、1戦闘ごとを見れば『ナムカプ』より遥かにテンポが悪い。流石に全体を比較すればこちらの方がテンポは良いが。 --クロスヒットは本作で最重要な点だが、ブルーノやジュリなどソロアタックにクセがあり、組む相手が限られてしまう面もある。 ---また、戦闘自体が最大5キャラが入り乱れて攻撃するのでゴチャゴチャしていて、CRT成功や攻撃ミスなどがちょっと見難いという問題もある。 --発売前のインタビューなどでは「テンポの良さを重要視して作っています」とナムカプの評判が悪かった部分への改良をうたっていたことが、余計に火に油を注いでいる。 ***SRPGとしてのゲーム性の面 -味方全員を出撃出来るようにしているためにマップが無駄に広く、移動に非常に手間がかかる。 --二手に分かれたユニット達を合流させる、アイテムを取りに行かせたユニットを戦場に戻す時などは大きな手間がかかり、着いた頃にはとっくに戦闘が終わっている事も多い。 -味方が多ければその分、敵もとにかく多い。中盤以降は、''うんざりするほどの敵増援がどのマップでも複数回存在する''と言っても過言ではない。 --その中盤以降は中ボスクラスのキャラも多く、終盤は必殺技を使ってくるボスキャラが当たり前の様に何体もいる。最終盤ではHP10万台のボスキャラすらわらわら出てくるため、やっていてかなり面倒くさい。 --増援の仕方もいやらしい。宝箱の周りに現れるために開けに行ったら包囲されたり、ようやくクリア条件を満たしたと思ったらやってきた増援にボコボコにされるなど。 --そのクリア条件もまた、条件を満たせば次のクリア条件が現れ、ついでに増援も現れる……とやっていてうんざりする。 ---一例をあげると、12話では「宝箱を開ける→敵の全滅→増援の特定ボス撃破」となっている。 --マップによっては70体以上の敵がフィールドに存在する事もある。 --ナムカプ本編でも1ステージ当たりの増援回数が多かったが、本作ではむしろ悪化していると言っていいレベルである。 -これだけ敵がいるのに、AIが変なために弱い。こちらが待っていると敵が全員突撃、こちらの体力に関係なく攻撃相手を選んだり、時々攻撃もしてこなかったり。流石に無防備な気絶状態のユニットは攻撃するが。 -複数の敵に攻撃可能な複数技もあるが、これも性能が微妙。 --クロスゲージを100%消費するために中盤までは気軽に使えない。 ---最終的には全ペアユニットにソロユニットを付けられる事からゲージはかなり回収しやすくなるため、クロスゲージをアイテムで10~20%程度上昇させる事を厭わなければ終盤では二、三人に一人のペースで放てるようになる。XP回復アイテムはHP回復アイテムよりも入手しにくいが、それでも少量回復のアイテムはたまに使わないと余りがちになるので勿体ないという訳でも無い。~ 一方で必殺技と違い攻撃前にゲージの上昇が行えないため、ゲージを消費するスキルとの併用は難しい。スキルを活用して攻略している場合には、終盤でも中々出せなくなってしまう。 --格ゲー主人公キャラが持つ「2体に大ダメージ」の複数技は使う所もそこそこ多いが、問題はそれ以外の「2~4体にそこそこのダメージ」の方。~ これが使えるようになる中盤頃はマップが広く、敵も密集している傾向にあり、敵のHPも低いために有用ではある。しかし後半になると入り組んだ地形も多く、HPの高い敵がまばらに配置されているため、使いどころが少なくなってしまう。 ---前述の味方キャラを包囲するように現れる敵増援、及びAIの問題から敵が固まって突撃してくる事が多いため、味方ユニットを固めて進軍させていると自然と3、4体攻撃出来る状況になりやすい。1周目なら雑魚敵のHPは2~4体用の複数技+一度の反撃で倒せる程度な事も多いため、反撃を多用して攻略する場合は終盤でもそこそこ役に立つ。 -部隊分けにより一部ユニットしか登場出来ないマップもあるが、少し小規模になるだけで問題はあまり変わらない。 --また、『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』のように「どちらかのルートを選択する」ので訳ではなく、ナムカプ同様の「全ての部隊のシナリオを順に体験する」タイプになっている。 --そのため部隊分けが発生すると、1マップごとに毎回ペアユニットとソロユニットの組み合わせを組み直したり、装備を変える必要があって非常に面倒。 -マップが見にくい。 --視点は右下を上空から見下ろした感じになっている。これは他のゲームでもよくある所だろう。 ---しかし、視点変更はできるが、「中央」「ちょっと右」「ちょっと左」程度と大差がない。 ---おかげでユニットが建物や柱の影に隠れ、そこに何がいて誰が攻撃できるのかとか、どの辺りまで移動できるのかが非常にわかりにくい。 --なのにデモシーンではマップを別の視点から見ていたりもする。嫌がらせか。 -そして最終話は、これらの問題点を集約したマップとなっている。 #region(最終話の問題点(ネタバレ注意)) -マップ開始時にはペアユニット4人とソロユニット3人しか味方がおらず、条件を満たすと2回に分けて味方増援が行われる。 --このシステムのためにペアユニットとソロユニットの組み合わせが一度全て解体され、増援のたびに組み直す必要がある。 ---しかもインターミッションでは、なんら問題なくユニットの組み合わせが設定できるので、「もうラストだ。組み合わせをしっかり考えよう」と思いがちなプレイヤー心理を突いて来るために余計に面倒さが増す。 -マップも今までのステージの中で群を抜いて広い。 --しかも、そこら中がデコボコしていたり、丸みがあったりとマップがどうなっているのか把握しにくい構造になっている。 --1回目に来る増援は位置がラスボスから一番遠く、最終決戦に参加させるためには道中の敵をほぼ全て倒して移動がZOCに引っかからないようにしなければならず面倒臭い。 -敵の面倒臭さも異常。 --今までに戦ったボスキャラのコピー何体も現れる。HPは約10万で必殺技も使ってくる始末。 --増援の頻度も高く、そして数もとても多い。 --またラスボスも囲まれてボコられることを考慮してか、周り1マス分の侵入不可エリアに登場する。大半の味方は射程が2マスのため、四方を囲んでしまうと攻撃が届かない味方が多い。 ---しかしその攻撃にしくい点も考慮してしまっているのか、そこまでタフという訳でも無い。必殺技込で10回も攻撃すれば余裕で倒せるため、アイテムを惜しみなく投与してスキルも多用するとあっさり倒せてしまう。そのため、最後の増援を出現させる前にどれだけの味方ユニットをラスボスへ接近させているかで体感的な強さは大きく変わる。 -展開自体はそこそこ燃えるが、ここでも残念な点がある。 --マップ終盤で流れる専用BGMは完全固定な上に、ループが短く設定されている。 ---ナムカプの名曲「素晴らしき新世界」と違い、曲自体は良いものの、ローテンポな曲調のためにであまり燃えない。 --一応、最終盤ではタイトル画面のBGMが流れるが、その頃にはラスボスをあと一回攻撃すれば倒せる頃なので…… -このように、狙っているとしか思えないほど全ての問題点が表出するマップである。最終話の高揚感も、面倒さの前には台無し。 #endregion() -ユニット育成に面白みが無い。 --もらえる経験値がすべての雑魚、ボスで一律決まっており、それに対してレベルの差が開くことで割合補正がかかるようになっているため、ひとつのユニットを突出して育てることが出来ない。 --また、とても粘ってコツコツ稼ごうとしても、100ターン経過すると理由もなしに問答無用でゲームオーバーになる。通常プレイではまず遭遇する事はないが…。 --1つのステージでレベルアップを延々行えないための対策ではないかとも言われているが、故に自由度がとても低い。 --経験値増加手段こそあるが、どうプレイしても全員がとにかく平均的なレベルになる。良くも悪くも格差が生まれることは無い。 ---最大レベルは99まで設定されているものの、プレイして届く値は登場する敵レベルの最大値と同じ55前後くらいである。 --そのユニット自体も、装備やソロユニットのスキルによって弱点の解消が難しくない。 -技はプレイヤースキル以外によって変えようがないが、言い方を変えれば持ち技によってキャラの性能がほぼ決まってしまう。 --唯一威力Sの通常技を持つエックス&ゼロ、高性能な技と自前の優秀なスキルを持つダンテ&デミトリ、攻撃範囲がとても広い・CRT補正が強い・XPも溜まりやすい技を持つハーケン&神夜に至っては、消費は膨大なものの味方全回復のスキルを唯一覚えるため、これらはとても使いやすい。一応当てにくい技が多く、最初に使うと必ずミスする攻撃がある、つかみ技はスカるとほとんどダメージがないという欠点があるにはある。 --逆に、技を覚えるのは早いが威力が低く、SPD以外のステータスが低い春麗&モリガン、平均的なステータスで技の性能もかなり微妙なクリス&ジルやクルト&リエラは、上述のユニットと比べると明らかに弱い点が目立つ。ただし春麗は敵のブロックを1発で破壊できる技を持ち、他のユニットも大幅に削れる技があるのでこれを最初に使えば総ダメージはかなりましになる。 --ちなみに、ソロユニットはそもそも成長しない。 -アイテムが余る。 --本作では、雑魚であろうと敵を倒す度に消費アイテムをランダムに獲得出来るため、アイテムがとにかく大量に手に入る。 ---所持上限がたったの20個なのですぐに上限に達するため、アイテムを大量に使っていくバランスだと言わんばかり。だがあまりに手に入るアイテムが多すぎるため、潤沢に使ってもなお余る。そのため、ゲームとしては簡単すぎる。 --HP回復アイテムは最も頻繁に登場する上に、「味方全員のHPを50%回復」等のかなり強力なアイテムも少なくない頻度で登場するため、HP回復は容易。自軍ユニットが倒れる事はまずあり得ないが、同時にHP回復スキルの価値は全く無いと言っても良い。 ---流石に入手できる数は限られているが、全員全回復+クロスゲージ100%増加の「スペシャルグミ」「不思議な水飴」、全員全回復+状態異常回復の「セブンシスターズ」と言うぶっ壊れアイテムもそこそこな数が入手できる始末。 ---かといって、HP回復スキルはあまり多くない上にクロスゲージを結構消費する。システム上、ダメージを受けずに攻略する事はほぼ不可能なので、回復アイテムを縛ってプレイするのは難しすぎる。 --状態異常回復アイテムも余る。状態異常がかかる度に逐一回復してもまず尽きる事はない。そのため、状態異常回復スキルもやはり価値がない。 ---そもそも、こちらがかかる状態異常は反撃が1回だけ出来ない崩し、行動順が回るまで無防備になる気絶、行動順が回ってくると1度だけダメージを受けるが倒れはしない毒、次の自分の行動が終わるまでスキル・アイテム使用ができない封印と少なく、崩しはすぐに消えるし、毒は封印と複合しない限りは回復アイテムを使えばいいために全然怖くない。~ 相手にかけられない封印はともかく、崩しと気絶はかければ強力なのもあって、状態異常に悩まされるのはむしろ相手の方である。 --クロスゲージ回復アイテムは他2種類に比べるとやや手に入りにくいが、それでも普通にプレイしている分には余る。だが、クロスゲージを贅沢に使用して手早く進めようとすると、今度は足りない。「非常に簡単だが、テンポ良く無双する事はできない」と言う一番面倒なバランス。 --なお、万が一使い過ぎた場合も、低級アイテムは普通に戦闘していればすぐに有り余るほど手に入るし、稼ぎも容易。 --また、何故かアイテムは同じ効果のものが2つ存在する。アイテム一覧で2番目にあるアイテムは1番目にあるのと比べて少しは入手しづらい。原作で似たような効果のアイテムを集めた結果かもしれないが、あまり意味が感じられない。 -2周目以降は強制的に高難易度モードになる。そのままの難易度で2周目は不可能。 --「取得経験値の減少」と「敵レベル増加」となっているが、1周目の装備とアイテムとプレイヤーの経験が残っているため、難易度的にはやや厳しめな最序盤さえ乗り切れればあとは通常プレイと大差ない。 ---むしろ、2周目以降で手に入る装備の性能はかなり壊れており、周回すれば周回する程に楽になってくる。 --引き継げる要素が所持品以外全くと言っていいほど無い上、周回プレイクリアに特典がつくわけでもない。その上、この2周目絡みではバグも存在する(後述)。 -数は少ないとはいえ、厄介なバグの存在。 --34話にて、ボスを撃破する前に敵の総数を21体未満にするとゲームが強制終了する。 ---ボスを撃破する前に雑魚を減らすのはこの手のゲームでは基本戦術であり、特に今作は敵の数がかなり多いため敵の頭数を減らそうとしてこのバグに引っかかった人が多い。 ---このバグに関しては公式からも発生条件に関する回答がなされており、「敵の残数を20体以下にする前に、プレリュードを倒さない」が回避条件らしい。また、そもそもこのバグが発生しなかった例もある。 --2周目以降の高難易度モードでは、敵増援が出現しきる前に中断して再開すると敵の増援のレベルや所持品が1周目と同じになってしまうバグが存在している。 ---一見敵のレベルが下がると有利にも見えるが、本来よりも取得経験値が減少してしまうことによりレベル上げができない(=スキルが揃わない)ため、かえってクリアが困難になってしまうので下手に中断ができなくなってしまっている。 ---2周目でしか手に入らないアイテムを落とす増援タイプのボスも、このバグにより取得判定が1周目のものにされてしまう(=限定アイテムが入手不可になる)。ラスボスのドロップアイテムも該当するため、かなり長いのに最終ステージは電源を切ることが出来ない。 ---なおラスボスはステージ開始時から出現しているが、バリアを破壊することで別敵扱いに変化し、2周目限定アイテムを落とすという判定になる。つまりバリアを破壊してからならこのバグの影響を受けず中断可能。 ---- **総評 『ナムカプ』からテンポがかなり改善されており戦闘時の凝った演出や掛け合いの楽しさも十分。~ また、「描写が薄い」「出番が少ない」という問題点はあっても、お祭りゲーの失敗作によくある「キャラが改悪された」「不快な描写をされた」というような問題点は一部を除いてほとんどない。~ 各々のキャラクターは元々のゲームの人気や楽しさとも合わさって、魅力的な存在となっており、本作で登場したゲームに興味を持ち、参戦作品の原作に触れたというプレイヤーも少なくない。~ ただしシナリオ面全般に大幅に難があるため、『ナムカプ』のようなゲームを期待していたプレイヤーを大いに失望させる事になってしまった。 『ナムカプ』に比べると「シナリオ面は大幅劣化」「システム面は完全とはいえないがやや改善」「作品同士の掛け合いはともかくキャラの魅力は主人公を除き十分」といったところで、総じて「ナムカプの長所と短所を大きく削ったゲーム」と言える。~ 人によって評価が分かれるためか比較的安価で手に入るので、気になる人は一度手にとってみるのもいいだろう。~ ---- **余談 -参戦作の1つ『.hack』シリーズは「ゲームのキャラクターが3次元に現れた」という力技だが、本作も外伝ではなく正史に含まれる。これは製作チームが「公式に発表されるシリーズは全て正史」というスタンスを取っているため。 -ブルーノは本作で初めて声がついた。演じるのはブルース・ウィリスの吹き替えでおなじみ樋浦勉氏。 -毒島力也は原作と声優が交代してしまっている。演じていたのは『ルパン三世』に登場する石川五ェ門でお馴染みの井上真樹夫氏だったが、同作品で浪川大輔氏と交代したのと同じく、こちらの毒島力也も浪川氏が演じている。 -『スーパーロボット大戦OG』からのゼンガーは原作がロボットゲームのため生身での戦闘シーンが無かったが、『[[無限のフロンティア EXCEED>無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ]]』のアクセルなどと同様に「搭乗機体の武装を模した武器で、ロボの技と同じ技を繰り出す」という力技で参戦が実現している。 --なお、開発初期は同じく『OG』からギリアム・イェーガーの参戦が検討されていた。 -レイレイの一人称が『[[MARVEL VS. CAPCOM 3>MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds]]』の「ボク」から「アタシ」に戻った。ボクッ娘だったレイレイの評判はいまいちよくなかったため、元に戻った事への批判は特にない。 --「社長が訊く」スタッフインタビューの中に名前こそでていないもののこの事だと思われる話題が挙がっている。インタビューにて「じつは担当者的には納得いってなかった」「担当者の気の迷い」などと言われていることから戻るのは必然だったと思われる。 -クリスのキャラ紹介のキャッチコピーは「''“あの街”を駆け抜けた''」となっている。おそらくあの街とはラクーンシティを指すのだろうが、''クリスがラクーンシティで活躍する作品は1つもない((続編ではクリスのキャッチコピーは「BSAA、オリジナルイレブンの猛者」に差し替えられ、こちらのキャッチは「ラクーンシティを駆け抜けた、クリスの相棒」と、文面をわかりやすく少々変えた上でジルのキャッチコピーに流用されている。ジルは実際にラクーンシティで活躍した経験があるので妥当な内容である。))。'' --レイレイのキャッチコピーでも似たようなミステイクが起きており、ナムカプの時点で『ハンター』準拠の設定で登場した流れを引き継いでいるはずにもかかわらず、『セイヴァー』の時の設定を意識したキャッチコピーが書かれている。 --また、本作中には''『BIOHAZARD』シリーズと『DEAD RISING』シリーズが世界観を共有していることを示唆するセリフがある''が、上記のいい加減さを見るに公式設定である可能性は低く、単なるファンサービス%%のつもり%%と思われる。 -『[[逆転裁判>逆転裁判シリーズ]]』シリーズは本作に参戦の予定があったが、同時期に『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』が進行中であったため、参戦は見送られた。 --次回作である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』には、同シリーズが正式に参戦している。 -本作の公式サイトでソロユニットの情報が更新された際、フレンの必殺技の項目での説明が''なぜか毒島の必殺技のものに丸ごと誤植されていた。'' --現在は修正されているが、''フレン=毒島流の使い手''として一部でネタ扱いされる羽目になった。 -ゼンガーとハーケンは本作の続編である『PXZ2』には参戦しなかったものの、代わりに『[[スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]』に参戦。 --「新西暦の世界へと転移したために本作の続編へは参戦できなかった」という理由が付けられ、限定版特典ブルーレイにて本作の後日談にして『OGMD』前日談となるピクチャードラマ「ゼンガーの帰還」が収録されている。 -本作オリジナルキャラで、敵キャラのドライ・ベラノス役を演じた声優・たてかべ和也氏が2015年6月に逝去。本作がゲームにおける最後の出演作になった。
*PROJECT X ZONE 【ぷろじぇくと くろすぞーん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B009HKAR84)&AMAZON(B0086SQARA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|1Gbyte3DSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|モノリスソフト|~| |発売日|2012年10月11日|~| |定価|6,280円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|15個+コンティニューセーブ1個|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|テンポが良くシナリオの悪い『ナムカプ』&br()クロスするのはキャラ方面&br()影の薄いオリジナル主人公&br()周回プレイを妨げる致命的なバグ|~| |>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''&BR''[[セガ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''&BR''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[NAMCOxCAPCOM]]』(以下ナムカプ)に引き続き、バンダイナムコとカプコン、そしてセガの3社によるクロスオーバー作品。~ システムは前述の『ナムカプ』に近いがストーリー上の直接的な関係はない。ただし、何らかのクロスオーバー作品で競演したキャラクター同士は顔見知りという事になっている。 『ナムカプ』を越える参戦作品の競演や洗練された戦闘システムはよい評価を得たものの、単調なシナリオが批判された。 ---- **参戦作品・加入ユニット一覧 #region() |カプコン作品|[[ストリートファイターシリーズ]]|ペアユニット|リュウ| |~|~|~|ケン・マスターズ| |~|~|~|春麗(モリガンとのペア)| |~|~|ソロユニット|ハン・ジュリ| |~|[[バイオハザード リベレーションズ]]|ペアユニット|クリス・レッドフィールド| |~|~|~|ジル・バレンタイン| |~|[[ヴァンパイアシリーズ>ヴァンパイアセイヴァー]]|~|デミトリ・マキシモフ(ダンテとのペア)| |~|~|~|モリガン・アーンスランド(春麗とのペア)| |~|~|~|レイレイ(フランクとのペア)| |~|[[ロックマンXシリーズ>ロックマンX]]|~|エックス| |~|~|~|ゼロ| |~|[[デッドライジング>DEAD RISING]]|~|フランク・ウェスト(レイレイとのペア)| |~|[[デビルメイクライシリーズ]]|~|ダンテ(デミトリとのペア)| |~|~|ソロユニット|レディ| |~|[[魔界村>魔界村シリーズ]]|~|アーサー| |~|[[サイバーボッツ>サイバーボッツ フルメタルマッドネス]]|~|デビロット・ド・デスサタンIX世| |~|[[ロックマンDASHシリーズ>ロックマンDASH 鋼の冒険心]]|~|トロン・ボーン&コブン| |~|[[ジャスティス学園シリーズ>私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES]]|~|一文字伐| |セガ作品|[[サクラ大戦シリーズ]]|ペアユニット|大神一郎(さくらとのペア)| |~|~|~|真宮寺さくら(大神とのペア)| |~|~|~|エリカ・フォンティーヌ(ジェミニとのペア)| |~|~|~|ジェミニ・サンライズ(エリカとのペア)| |~|[[バーチャファイターシリーズ>バーチャファイター]]|~|結城晶| |~|~|~|パイ・チェン| |~|[[シャイニング・フォース イクサ>シャイニングシリーズ]]|~|トウマ| |~|~|~|シリル| |~|[[戦場のヴァルキュリア3]]|~|クルト・アーヴィング| |~|~|~|リエラ・マルセリス| |~|~|ソロユニット|イムカ| |~|[[スペースチャンネル5]]|~|うらら| |~|[[ダイナマイト刑事シリーズ>ダイナマイト刑事]]|~|ブルーノ・デリンジャー| |~|[[ゾンビリベンジ]]|~|毒島力也| |~|ファイティングバイパーズシリーズ|~|バン| |~|[[エンド オブ エタニティ>END OF ETERNITY]]|ペアユニット|ゼファー| |~|~|~|リーンベル| |~|~|ソロユニット|ヴァシュロン| |バンダイナムコ作品|[[鉄拳シリーズ]]|ペアユニット|風間仁| |~|~|~|リン・シャオユウ| |~|~|ソロユニット|アリサ・ボスコノビッチ| |~|~|~|三島平八| |~|[[ゼノサーガシリーズ>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]|ペアユニット|KOS-MOS| |~|~|~|T-elos| |~|[[.hackシリーズ>.hack/感染拡大 Vol.1]]|~|カイト| |~|~|~|ブラックローズ| |~|[[無限のフロンティアシリーズ>無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ]]|~|ハーケン・ブロウニング| |~|~|~|楠舞神夜| |~|[[テイルズ オブ ヴェスペリア]]|~|ユーリ・ローウェル| |~|~|~|エステル| |~|~|ソロユニット|フレン・シーフォ| |~|[[スーパーロボット大戦シリーズ]]|~|ゼンガー・ゾンボルト| |~|[[ゆめりあ]]|~|ねねこ| |~|[[ゴッドイーターシリーズ>GOD EATERシリーズ]]|ペアユニット|ソーマ・シックザール| |~|~|~|アリサ・アミエーラ| |~|~|ソロユニット|雨宮リンドウ| |~|[[ワルキューレの冒険シリーズ>ワルキューレの冒険 時の鍵伝説]]|~|ワルキューレ| |~|[[NAMCOxCAPCOM]]|ペアユニット|有栖零児| |~|~|~|小牟| |~|~|ソロユニット|沙夜| |~|本作オリジナル|ペアユニット|天斎小吾郎| |~|~|~|黄龍寺美依| #endregion ---- **システム -ゲームのシステムは「ペアユニット」と呼ばれる二人一組のユニットに「ソロユニット」という1人ユニットを加入させ、3人1組で移動させる。『ナムカプ』とは違いソロユニットは単体で運用できない。 --戦闘シーンではボタン入力によるコマンドで技を決めていく。格闘ゲームのような複雑さはなく、「方向+ボタン」といった単純なもの。 ---技の構成は戦闘シーン時に使える通常技として最大5つ、後述の必殺技で1つ、マップ上で使える複数技で1つと分かりやすい構成。 ---現在習得している通常技を全て入力すると攻撃可能数が1つ増えてダメージをより与えられるのだが、それを無視してゲージを貯めやすい技や状態異常にかけられる技を連発するなどの戦略もある。 ---また、吹っ飛ばして落ちて来た相手が地上すれすれにいる時に攻撃を当てるとクリティカルヒットとなり、与えるダメージがアップする。技の出の速さや敵の重さは異なるため、練習が大事。 --コンボが決まると、「クロスゲージ」というエネルギーが溜まっていき、100%分消費して必殺技を発動することが可能。 ---威力は非常に高く、クリティカルヒットが出来れば非常に高いダメージをたたき出す。 ---しかし攻撃回数が0の時に着地させたり、相手のブロックを破れずに通常攻撃が出来なくなると必殺技が使えないため、使いどころが肝心。 --加入しているソロユニットを呼び出す「ソロアタック」と、隣接している他のペアユニットを戦闘中に呼び出す「サポートアタック」を1戦闘につきそれぞれ1回使える。 ---これはダメージは低く、XPも加算されないが、ペア・ソロ・サポートの攻撃のどれか2つが同時に当たると「クロスヒット」となる。これが発動している間は敵の位置を固定し、XPも加算される様になり、クロスゲージが150%まで溜まるようになる。 ---変な位置で固定してしまうとそれ以降の攻撃を当てるのが難しくなるため、どのタイミングで当ててクロスヒットを発動させるかが重要になってくる。 --マップシーンではキャラクターを移動させたり、コマンドで行動させたりできる。 ---アイテムの使用やスキルの発動で戦闘を有利に進めたり、宝箱の回収、障害物の破壊なども行える。 ---敵に倒されたユニットは、戦闘不能が敗北条件となっているユニットを除き、仲間が隣接しクロスゲージを100%、スキルや装備によっては50%消費することで「救援」をしてもらい復活することができる。 -マップクリア後には「インターミッション」が行える。 --ここでペアユニットとソロユニットの組み合わせを設定したり、装備を付けたりする。 --様々な設定ができる戦闘練習も可能。 ---- **評価点 -版権を越えたキャラクターの掛け合いの魅力。声優ネタやメタネタは勿論、熱い会話も多く原作を知っている人ならばニヤリとするものも。 --原作がそれほどメジャーではない作品のキャラクターを本作で知った人もおり、未プレイ者に好印象を持たせている。 --戦闘中は勿論、ストーリー中にも各原作の持ちネタを生かしたクロスオーバーが行われており、ゲーム本編そのものの演出が流れる事も。 ---例えば、グラマラスなキャラクターが登場した時にはフランクがシャッターを押して「PERFECT!!!EROTICA」のサインが出たり、ヴァシュロンが例のダンスを踊ったりする。~ また、大神の台詞に好感度が上がった女性キャラは、原作そのままの効果音が流れたりする。 ---リュウとケンが『ナムカプ』での空中戦艦バルログのシナリオを引きずったのか''やたら竜巻旋風脚で空を飛ぼうとする''といった、本作独自のネタもある。 ---スキルの名称やアイテム、装備の出典など細かい所も、原作の要素が反映され、細かい台詞の一つ一つには原作ネタや様々なゲームやアニメのパロディネタが練りこまれている。 --マイナーなネタや、掛け合うキャラクター同士が共演した作品についてのネタ、各作品の他媒体ネタ、更にはクロスオーバーしていない会社のパロディネタもある。 --一部のキャラは別作品のキャラとコンビを組んでいることもあるにもかかわらず、会話に違和感が全くない。 ---ヴァンパイアのキャラはどれも同じ作品のキャラとペアを組めていないが、デビルハンターと吸血鬼と言うペアながらも刺激好き同士のダンテ&デミトリ、正反対の性格で片方が片方をからかう春麗&モリガン、なんでも投げたり武器にする共通点があるフランク&レイレイとかなり噛み合っている。 ---サクラ大戦シリーズから参戦しているが、作品が違うために殆ど面識がない((DSで発売された外伝作品『君あるがため』で各作品のヒロイン達が共演しているが、二人だけの絡みはない。))設定のエリカとジェミニも、ドジ同士だったり独特のノリが特徴で、本作屈指の癒しペア。 --声優ネタとしては『魔界村』のステージでデミトリ・バツ・ハーケン・ステハニーが一堂に会し会話を行う(全員檜山修之氏が演じている)という凄まじいイベントがある。ついた愛称が''檜山村''。~ 他にも戦闘前会話でKOS-MOSとT-elosとネイト(ねねこの別人格)が掛け合いをする(三人とも鈴木麻里子氏)というものも。 -各技も作り込みが深い。 --仲間キャラほぼ全員の技を使うCOS-MOSや、兵種関係なしに武器を振るうクルト&リエラ、CMの歌に沿って攻撃するブルーノ、春麗がVSシリーズでしか使わない「七星閃空脚」を使用するなど、ファンサービスが旺盛。 --会社ネタとしては、デビロットは『サイドアーム』のモビちゃん、『超鋼戦機キカイオー』のキカイオー、同作のブロディアを出したり、うららは『ファンタジーゾーン』のオパオパ、『エイリアンストーム』のスクーター、『スペースハリアー』を呼び出す。ブルーノも『ゴールデンアックス』で突くなど、細かい所からキャラが出てくる。 ---デビロットやブルーノ、アーサーはばっちりと爆発したり、鎧が脱げたりする。 --戦闘のモーションも原作のものをほぼ再現しており、原作をプレイしていた人ならピンと来るモーションも多い。 ---一方でゼロのキャンセル斬りやエックスの真空波動拳等、裏技やバグ技スレスレのものも再現していたり、映画版で苦し紛れに相手の足を掴んだリュウがわざと相手の足を掴んでいたりなど、賛否あるネタもあるが。 --必殺技を放つ時にはアニメーション入りのカットインが入り、これも迫力があってカッコいい。 ---ペアユニットキャラには全員分用意されており、必殺技のカットインが静止画のキャラクターも複数技でアニメーションが入る。 ---大抵の女性キャラのカットイン時には、''乳房が揺れたり、生足がチラリしたりする。''そうでない作品のヒロインも眼福なアングルを見せてくれる。 --その必殺技の出来も良く、テーマ曲のサビを流しながら目まぐるしく攻撃する。カイト&ブラックローズの「データドレイン」は3D表示して見るべきだ。 ---ソーマ&アリサはOPアニメを再現していたり、トウマ&シリルはムービーが元ネタになっているなど原作再現が豊富。 ---リュウは原作の「昇龍拳→セービングキャンセル→滅・波動拳」を決める、フランクは爆風に吹き飛ばされた後、原作では発生するダメージをニードロップで回避するなど、本当に細かくモーションを作り込んでいる。 --サポートアタック発動時のカットイン絵にまで何らかの元ネタが盛り込まれている。ゼンガーは『スパロボ』でのカットインそのまま、バンは当時の店頭ポスターを元にしているなど。 -戦闘テンポも、ナムカプに比べて劇的に向上した。 --ナムカプで特に批判されたのは敵フェイズの戦闘だが、本作では''ボスクラスの必殺技と複数技以外はアニメなし''という大胆な演出によりテンポを向上させている。 --また、『無限のフロンティア』シリーズで批判の多かった必殺技についても、長いムービーをワンボタンでスキップ出来るようになった。 ---- **賛否両論点 -公式では『ナムカプ』の続編ではないということになっているが、『ナムカプ』で出会ったキャラは別ゲーム同士でも知り合いであり当時の話題を振ってくるなど、明らかに続編的なシナリオ展開がされている。 --そのため『ナムカプ』、及び直接つながりのある『無限のフロンティア』シリーズを知らないプレイヤーは、序盤は少々置いてきぼりにならざるを得ない。 --また、これら以外の作品でも原作の固有名詞や用語、本編では絡まないキャラの名前がストーリーや戦闘時の会話に登場する事もあるが、これに関しては大半をゲーム内で見れる辞典で確認可能である。 ---この図鑑は相当に気合が入っており、メインキャラから雑魚敵まで網羅している上に、名前と台詞のあるキャラは各キャラクターごとに自己紹介のボイスが数多く用意されていたり、ほぼすべての表情パターンを見れたりと非常に充実している。~ 見れない表情パターンは細かい所だが、力を解放したリエラやセルベリア、ゴーグルをかけたT-elosぐらい。 -出演作品にマイナーゲームがやや多い --平成初期からの世代やゲーマーから見ると問題ない点だが世代的に古い作品も多い。 --サイバーボッツ、ゆめりあ、スペースチャンネル、ジャスティス学園などはマイナーとして扱う人も多く、ゲームをプレイしないと分からない部分も多い。ストリートファイターや鉄拳のようなナンバリングタイトルが多く発売されている作品はやってなくても聞いた事のある、見た事のある程度で済ませられるが世代に分かれてしまうのがやや問題点。 --ゲームを知る事ができたと評価する意見も見かけるが実際やるにはそのゲーム機とソフトを買わないといけないのでかなり高コストとなる。 --続編ではシナリオ重視に変更された事でマイナー作品は外されて解消した。 -曲の作曲者の作風が強く出ており、曲ごとに質が大きく異なる --明らかに戦闘BGMには向かない曲も少なくない。特に『ゆめりあ』の「猫と好奇心」はコミカルな曲調と言えば聞こえはいいが、戦闘BGMとしては脱力どころではない。 ---これらの曲も出来自体は良いため「一種の清涼剤としてこれはこれで」という意見もあるが、やはりテンションが下がるのは事実。~ 戦闘に参加するユニットの中からランダムに選択されたユニットのBGMが流れると言うシステムのため、キャラに合わないBGMが流れるのも問題。 -2周目からは戦闘BGMが変更出来るが、昨今のスパロボにあるような個別戦闘曲変更と異なり、全体一括のBGM変更しか出来ない。 --つまり、これを設定すると誰にターンが回ろうが誰が必殺技を使おうが、本当にそのBGMだけになってしまう。 -OP映像の激しさとテーマ曲のゆったりさのギャップ --本作では『ナムカプ』にならい各キャラクターが共演するオリジナルのオープニングアニメーションが用意されている。~ しかし、テーマとして流れる「Wing Wonderer」がゆっくりとした曲調のためアニメ映像とのギャップが激しく、アニメ・楽曲ともにマッチしていた『ナムカプ』と比較するとやや劣る。 --ただし、アニメ映像そのものは『キルラキル』『ニンジャスレイヤー フロムアニメイション』等を手掛けたトリガーが制作しており、良い意味でアニメらしいデフォルメの効いた映像となっている。 ---『サクラ大戦』『バーチャファイター』のアニメOPの構図をまんま再現したり、エックスとKOS-MOSが同時にバスターを撃ったり((両者とも「Xバスター」という名前の技を持つ。))とネタは本編同様豊富であり、単体で見るならば非常に完成度が高い。楽曲も同様。 ---- **問題点 ***シナリオ面 -''とにかくシナリオが単調で、メリハリがない。本作の最大の問題点とされる。'' --序盤から、「キャラの顔見せや加入→わらわらと沸く中ボスキャラを倒して撤退させる→違うマップに飛ばされるor移動する」を延々と繰り返し、シナリオに起伏がほとんどない。~ 中盤になるとユニットが全員加入するため、そのイベントもなくなる事でさらに単調さが増す。終盤になるまではボス敵の完全退場も一切ない。 --このシナリオのせいで敵は「弱いくせに思わせぶりなことばかり言ってすぐ逃げる」という、味方は「トドメを刺せないままどこかに飛ばされまくる」という嫌なイメージが纏わりつく。 //--クロスオーバーとは言え、中盤までに全てのユニットが仲間になるのは、後述の会話シーン問題が必然的に多くなる事である。 //---『ナムカプ』では中盤までの全てのマップで仲間が加入する仕様だが、終盤でも仲間になるユニットも一部いたが…… //加入が遅すぎても原作ファンからすれば問題になるから、加入は中盤まででいいと思うが。実際ジューダスろくに使えない問題もあったし --また、「マップとマップの合間」が一部シナリオを除いてほとんど存在しない。基本的にインターミッションが終わったらマップ、マップが終わったらインターミッションであり、会話シーンがとにかく少ない。 --敵同士の会話シーンもあるが、オリジナル敵キャラのオロス・プロクス一味は内容がプレイヤー側からすれば理解できないし、シゾーの様に会話が少ない、スケィスなどは無い敵は何がしたいか分からないのもあって、敵の描写が薄く感じられる。 ---セルベリアに至っては、「この世界に飛ばされたが自力では時空移動が出来ないため、そこを敵に利用されては退場」の繰り返し。不憫。 ---マップが終わった瞬間にすぐ世界移動→次のマップを繰り返すため、休んでいる描写も暇も全くないという点も妙な点である。作中の描写を厳密に見れば、数十のマップを1日か2日で駆け抜けたとしか思えない。息抜きと思えるシーンは後半に少しある程度である。 ---冗長な世界移動を繰り返すシナリオは『ナムカプ』からしてそうだったのだが、こちらは「マップとマップの合間の会話」をきっちり挟んでおり、少なくとも本作のようにひっきりなしに移動している印象は避けていた。 -移動するマップにしても、味方のNPCキャラが殆ど登場しない(後述)せいで、民間人や仲間がいるはずなのに無人になっているマップが殆ど。~ 作中では「''人が足を踏み入れていない時間軸(原作開始前)の場所に来たから無人なんだ''」という説明がされているが、シナリオ上都合が良いように言い訳しているようにも見えてしまう。マップそのものも微妙な選出がされている。 --『シャイニング・フォース イクサ』からは原作での拠点であるジオフォートがステージで登場するが、ジオフォートに来た途端シゾーやVAVA、ファントムといった敵が出現し『スーパーロボット大戦』を元ネタにしたシナリオに移行してしまう。別段ロボットに関係する場所でもないため何故出したのかという疑問が残る。 --『ゼノサーガ』からは巡洋艦ヴォークリンデが登場しているが、原作ではそもそもエピソードIの序盤で破壊されて出番の無いステージである。KOS-MOSとT-elosは共にエピソードIII仕様なので違和感が強い。 ---そもそもゼノサーガ自体雑魚敵がちらほら出るだけで、『ナムカプ』から今までまともに原作再現されたことがない((ライターが序盤しかプレイしていないのでは、という疑惑すら上がっている。))。 --『TOV』はED後の時系列から参戦しているのだが、原作ではED後には消滅しているはずの『魔導器』をなぜか使用している。 -少ない会話シーンにどうにかしゃべらせようと1人がしゃべって、また別のキャラがしゃべって、また別の…という具合に会話が進むシーンもあり、「学芸会か」と揶揄されることも。 --会話ウインドウが『ナムカプ』や『スーパーロボット大戦』のような大きな一つのウインドウではなく、吹き出しのような小さな形で、1人分の台詞しか表示できないのが原因か。 --このためか、部隊分けが発生した時にその部隊にいないメンバーが喋りだすと言うテストプレイしているのかと疑いたくなるシーンもある。 --レディはほぼ会話に登場しない。彼女と同様の方法で加入するアーサーやイムカにはしっかりと存在するのだが…。 --また、シリアスな会話の途中にもネタ的な会話が入れられるため、緊張感がまるでない。本作でディレクターを務める森住惣一郎氏のシナリオの特色かつウリのようなものなので好みの問題でもあるが、そのネタ自体も過去作に比べると質が低い。 ---「不死桜が崩壊する!」「トウマが洗脳された!」などの危機的状況のシーンは、ネタ気味な会話シーンだけであっさりと済んでしまうと言うあんまりな展開。危機感など常に皆無である。~ ただし後者は戦闘システム的な問題とも言える、戦闘を挟んでしまうとその間シリルが動けない理由付けが必要になる、実際唯一イベントの間に戦闘を挟むエックス&ゼロは、ゼロが動けなくなった際にエックスはゼロを守るという理由で戦線離脱する。 ---「死亡フラグが立つ→そのキャラが死んでしまった事を悔やむ→さりげなくそのキャラが会話に絡む→驚かれる」という展開を何度も繰り返すワンパターン気味なところも目立つ。 -新規参戦作品のほとんどは「原作ストーリーの途中でこちらの世界に転移して来た」「原作ストーリー終了後で、過去の敵が復活した」「そもそも名前つきの敵が出て来ない」と言うものばかりで、原作再現性が薄い。 --「過去の敵が復活した」タイプの作品の場合は一応決着をつけてくれるが、「途中で転移して来た」タイプの作品は「元の世界に戻ったら決着をつける」という名目で敵との決着さえ付けてくれず、不完全燃焼どころの話ではない。 --「名前付きの敵が出て来ない」「名前付きの敵は出るが喋らない」タイプの作品はほとんど空気である。 -登場する敵は各作品のラスボスではなく、中ボスポジションがほとんどな上に、数が少ない。 --大ボスに関しては、確かに作品によっては明らかなオーバースペックなキャラがいるため出せなかったと推測することもできる。だが数の少なさは問題で、名前の有る敵キャラが出ない作品はそう少なくない。 ---名有り敵キャラが登場していても、無言で絡めなかったり、味方になったりして多くのキャラに埋もれてしまったりしていることも。~ 味方になるキャラは一応既存作品でも味方側になった経験のあるキャラがほとんどなのだが、「利害の一致、あわよくば利用してやる」という名目で手を組んでも結局なあなあで済ませており、大人数での世間話に混ざってるだけで何もしない。 --人選が謎めいている作品も。例えば『無限のフロンティア』シリーズからはネクロンとオミコンという敵が参戦しているが、これらは原作では設定も台詞もなく、グラフィックは雑魚の色違い。ストーリーにも絡まない。 //---『サクラ大戦3』からはシゾーが登場しているが原作では1話で倒される敵であり、それ故に大神やエリカとも絡みが少ないため参戦させたのに疑問が残る。シゾー自身も断片的にしか物事を喋らないので面白みが薄い。 //シゾーは派生作品の『ミステリアス巴里』やCDドラマにも登場しているし、舞台『サクラ大戦歌謡ショウ』には担当声優の高木渉氏自らが扮して連続出演しているぐらいファンの間では人気、知名度ともに高いので、参戦は妥当だと思う。 -空気キャラが多い。 --特に問題視されるのが主人公の天斎小吾郎&黄龍寺美依。主人公ということで一応ストーリーの中心ではあるのだが、その肝心のストーリーが薄いため、引っ張られてキャラが薄くなっている。 ---小吾郎は「忍者で家庭教師で私立探偵、口癖は『よしなに』、クールだが時折スケベ」、美依は「戦国時代の僧兵の血を引く財閥令嬢でチアリーダー。語尾には『ってね!』と付けるハイテンションな少女」と凝った設定だが、いかんせんごちゃごちゃしており、そもそもゲーム中ではその設定があまり生かされていない。 ---美依には特殊な能力があったり、それに纏わる伏線が有ったりもするのだが、キャラ立ちするには正直微妙。小吾郎にはその手の因縁すらない。数多くの他社作品キャラが共演するコラボ作品の主人公がこれでは…。 ---このゲーム単体で見れば、同じくらいかそれ以上に空気なキャラも多い。しかし他のキャラクターは元のゲームですでにキャラが確立している。対して主人公2人は本作で生み出されたキャラクターであり、当然ながら本作の中でその魅力を発揮しなければならなかったのだが、それが全く上手く行っていない。 ---『ナムカプ』の主人公である有栖零児と小牟がいるなら、普通に『ナムカプ』の続編としてこの2人を主人公にしたシナリオにすれば、キャラクターもシナリオももう少し深められたのではないかという意見もあるほど。実際、零児が目立つ場面は多い。 ---続編の『PXZ2』では本当に零児と小牟が主役になり、小吾郎と美依は名前のみの登場に落ち着いた。%%ホントに何のための主人公だったのか。哀れ。%% ---会話シーンで『ナムカプ』主人公組(特に小牟)、そして『ムゲフロ』主人公組(特にハーケン)が何かと目立ちすぎて、余計に新主人公組が空気になったのではないか…という意見もある。しかし実際には、特徴的なパロディ台詞や変わった呼び名があるから数少ない出番でも印象に残るだけで、彼ら旧主人公組も自身のイベント以外はほとんど活躍していない。 --その他の空気キャラはソロユニットに顕著。アーサーやねねこなどその作品の敵が出るなら出番は多少あるが、出ていても空気な場合もある。その他多数と共に驚き役同然。 ---特にバツに至っては原作再現も敵キャラも存在せず、シナリオ上登場する必然性のないタイミングで初登場して声優ネタをやってそのまま空気になる。極端な話''声優ネタをやりたいためだけに参戦させた''という邪推すら出来てしまう。 --仁は登場時からデビル因子で苦しんでいて戦闘時の台詞にも見られるが、本編中ではなんら問題が発生しない。彼の場合設定が空気である。 --うららは戦闘会話やマップ会話で頻繁にレポーターとして意見を伺おうとするキャラにされている。~ 空気ではないのだが本当に所構わず行う上に相手のキャラが触れて欲しくないような話題を軽々しく踏む、味方キャラに「ふざけるな」とたしなめられるなど、極端に空気の読めないキャラに改悪されている。原作ではそんな描写はない。 -戦闘を行わないキャラクターがほぼ登場しない。 --本作に登場する非戦闘キャラは、『.hack』シリーズのアウラと『ロックマンX』シリーズのアイリスの2名のみ。 --うちアイリスは1マップのみのほぼゲスト的な登場であるため、「プレイヤーの冒険を外部からサポートするキャラ」はアウラ以外に一切存在しないということになる。 --通常「使えないキャラが少ない」のは喜ばしいことであるはずなのだが、上記のように参戦キャラ達の描写が薄く、サブキャラもほとんど居ないことがシナリオの単調さを後押ししている。 -ペアユニット同士、ソロユニット同士の掛け合いが非常に薄い。 --本作では、今までに述べたとおり「キャラの戦闘掛け合いは豊富だがシナリオが薄い」と言う状態になっている。そして、戦闘掛け合いはクロスユニットを組んだキャラ同士、つまりペアユニット-ソロユニット間で発生する事になる。そのため、クロスユニットを形成出来ない同種ユニット間は戦闘掛け合いが存在せず、結果的にシナリオでの絡みも非常に薄い。 --また、『ナムカプ』では複数ユニットでの大胆なクロスオーバー合体攻撃があり、実用性こそないがキャラの魅力の形成に一役買っていた。しかし本作ではそれもない。 ---絡みが薄いのはもちろん問題だが、その上でも同作品内で複数のペアユニットが存在するキャラは特に問題。リュウ&ケンと春麗、デミトリとモリガン((レイレイもヴァンパイアシリーズ出身だが、デミトリやモリガンとは原作のバックストーリー上は特に絡みがない))、大神&さくらとエリカ、零児&小牟とハーケン&神夜((正式な出典は異なるが、無限のフロンティアシリーズで共演済。))がこれに当たり、同作品にもかかわらず会話がほとんど発生しない。 ---エリカはヴァシュロンと組ませた時発生する会話において「私には大神さんが…」と言っているのに、肝心の大神との絡みがほとんどないというのはなかなかに涙を誘う。 ***システム面 -『ナムカプ』で散々指摘されていた「バトルが単調かつ冗長でテンポが悪い」という欠点が全く解消されていない。 --戦闘システムが別物になったにもかかわらず、戦闘でのコマンドは相変わらず単調になりがち。通常技が最大5種類しかないのもあるが、「敵のブロックを砕く ⇒ 全てのコマンドを入力 ⇒ 援護攻撃」というパターンは変わらない。 --個々の技が細かく作りこまれている分そこそこ長い。加えて、クロスヒットを成立させると相手が固定されてタイミングをはかる必要がなくなるため、ゲーム性が低く作業度が大きく増す。 ---ソロユニットやサポートユニットを呼ぶと毎回カットインが表示される事もあり、特に技数が増えてくる後半の戦闘は、1戦闘ごとを見れば『ナムカプ』より遥かにテンポが悪い。流石に全体を比較すればこちらの方がテンポは良いが。 --クロスヒットは本作で最重要な点だが、ブルーノやジュリなどソロアタックにクセがあり、組む相手が限られてしまう面もある。 ---また、戦闘自体が最大5キャラが入り乱れて攻撃するのでゴチャゴチャしていて、CRT成功や攻撃ミスなどがちょっと見難いという問題もある。 --発売前のインタビューなどでは「テンポの良さを重要視して作っています」とナムカプの評判が悪かった部分への改良をうたっていたことが、余計に火に油を注いでいる。 ***SRPGとしてのゲーム性の面 -味方全員を出撃出来るようにしているためにマップが無駄に広く、移動に非常に手間がかかる。 --二手に分かれたユニット達を合流させる、アイテムを取りに行かせたユニットを戦場に戻す時などは大きな手間がかかり、着いた頃にはとっくに戦闘が終わっている事も多い。 -味方が多ければその分、敵もとにかく多い。中盤以降は、''うんざりするほどの敵増援がどのマップでも複数回存在する''と言っても過言ではない。 --その中盤以降は中ボスクラスのキャラも多く、終盤は必殺技を使ってくるボスキャラが当たり前の様に何体もいる。最終盤ではHP10万台のボスキャラすらわらわら出てくるため、やっていてかなり面倒くさい。 --増援の仕方もいやらしい。宝箱の周りに現れるために開けに行ったら包囲されたり、ようやくクリア条件を満たしたと思ったらやってきた増援にボコボコにされるなど。 --そのクリア条件もまた、条件を満たせば次のクリア条件が現れ、ついでに増援も現れる……とやっていてうんざりする。 ---一例をあげると、12話では「宝箱を開ける→敵の全滅→増援の特定ボス撃破」となっている。 --マップによっては70体以上の敵がフィールドに存在する事もある。 --ナムカプ本編でも1ステージ当たりの増援回数が多かったが、本作ではむしろ悪化していると言っていいレベルである。 -これだけ敵がいるのに、AIが変なために弱い。こちらが待っていると敵が全員突撃、こちらの体力に関係なく攻撃相手を選んだり、時々攻撃もしてこなかったり。流石に無防備な気絶状態のユニットは攻撃するが。 -複数の敵に攻撃可能な複数技もあるが、これも性能が微妙。 --クロスゲージを100%消費するために中盤までは気軽に使えない。 ---最終的には全ペアユニットにソロユニットを付けられる事からゲージはかなり回収しやすくなるため、クロスゲージをアイテムで10~20%程度上昇させる事を厭わなければ終盤では二、三人に一人のペースで放てるようになる。XP回復アイテムはHP回復アイテムよりも入手しにくいが、それでも少量回復のアイテムはたまに使わないと余りがちになるので勿体ないという訳でも無い。~ 一方で必殺技と違い攻撃前にゲージの上昇が行えないため、ゲージを消費するスキルとの併用は難しい。スキルを活用して攻略している場合には、終盤でも中々出せなくなってしまう。 --格ゲー主人公キャラが持つ「2体に大ダメージ」の複数技は使う所もそこそこ多いが、問題はそれ以外の「2~4体にそこそこのダメージ」の方。~ これが使えるようになる中盤頃はマップが広く、敵も密集している傾向にあり、敵のHPも低いために有用ではある。しかし後半になると入り組んだ地形も多く、HPの高い敵がまばらに配置されているため、使いどころが少なくなってしまう。 ---前述の味方キャラを包囲するように現れる敵増援、及びAIの問題から敵が固まって突撃してくる事が多いため、味方ユニットを固めて進軍させていると自然と3、4体攻撃出来る状況になりやすい。1周目なら雑魚敵のHPは2~4体用の複数技+一度の反撃で倒せる程度な事も多いため、反撃を多用して攻略する場合は終盤でもそこそこ役に立つ。 -部隊分けにより一部ユニットしか登場出来ないマップもあるが、少し小規模になるだけで問題はあまり変わらない。 --また、『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』のように「どちらかのルートを選択する」ので訳ではなく、ナムカプ同様の「全ての部隊のシナリオを順に体験する」タイプになっている。 --そのため部隊分けが発生すると、1マップごとに毎回ペアユニットとソロユニットの組み合わせを組み直したり、装備を変える必要があって非常に面倒。 -マップが見にくい。 --視点は右下を上空から見下ろした感じになっている。これは他のゲームでもよくある所だろう。 ---しかし、視点変更はできるが、「中央」「ちょっと右」「ちょっと左」程度と大差がない。 ---おかげでユニットが建物や柱の影に隠れ、そこに何がいて誰が攻撃できるのかとか、どの辺りまで移動できるのかが非常にわかりにくい。 --なのにデモシーンではマップを別の視点から見ていたりもする。嫌がらせか。 -そして最終話は、これらの問題点を集約したマップとなっている。 #region(最終話の問題点(ネタバレ注意)) -マップ開始時にはペアユニット4人とソロユニット3人しか味方がおらず、条件を満たすと2回に分けて味方増援が行われる。 --このシステムのためにペアユニットとソロユニットの組み合わせが一度全て解体され、増援のたびに組み直す必要がある。 ---しかもインターミッションでは、なんら問題なくユニットの組み合わせが設定できるので、「もうラストだ。組み合わせをしっかり考えよう」と思いがちなプレイヤー心理を突いて来るために余計に面倒さが増す。 -マップも今までのステージの中で群を抜いて広い。 --しかも、そこら中がデコボコしていたり、丸みがあったりとマップがどうなっているのか把握しにくい構造になっている。 --1回目に来る増援は位置がラスボスから一番遠く、最終決戦に参加させるためには道中の敵をほぼ全て倒して移動がZOCに引っかからないようにしなければならず面倒臭い。 -敵の面倒臭さも異常。 --今までに戦ったボスキャラのコピー何体も現れる。HPは約10万で必殺技も使ってくる始末。 --増援の頻度も高く、そして数もとても多い。 --またラスボスも囲まれてボコられることを考慮してか、周り1マス分の侵入不可エリアに登場する。大半の味方は射程が2マスのため、四方を囲んでしまうと攻撃が届かない味方が多い。 ---しかしその攻撃にしくい点も考慮してしまっているのか、そこまでタフという訳でも無い。必殺技込で10回も攻撃すれば余裕で倒せるため、アイテムを惜しみなく投与してスキルも多用するとあっさり倒せてしまう。そのため、最後の増援を出現させる前にどれだけの味方ユニットをラスボスへ接近させているかで体感的な強さは大きく変わる。 -展開自体はそこそこ燃えるが、ここでも残念な点がある。 --マップ終盤で流れる専用BGMは完全固定な上に、ループが短く設定されている。 ---ナムカプの名曲「素晴らしき新世界」と違い、曲自体は良いものの、ローテンポな曲調のためにであまり燃えない。 --一応、最終盤ではタイトル画面のBGMが流れるが、その頃にはラスボスをあと一回攻撃すれば倒せる頃なので…… -このように、狙っているとしか思えないほど全ての問題点が表出するマップである。最終話の高揚感も、面倒さの前には台無し。 #endregion() -ユニット育成に面白みが無い。 --もらえる経験値がすべての雑魚、ボスで一律決まっており、それに対してレベルの差が開くことで割合補正がかかるようになっているため、ひとつのユニットを突出して育てることが出来ない。 --また、とても粘ってコツコツ稼ごうとしても、100ターン経過すると理由もなしに問答無用でゲームオーバーになる。通常プレイではまず遭遇する事はないが…。 --1つのステージでレベルアップを延々行えないための対策ではないかとも言われているが、故に自由度がとても低い。 --経験値増加手段こそあるが、どうプレイしても全員がとにかく平均的なレベルになる。良くも悪くも格差が生まれることは無い。 ---最大レベルは99まで設定されているものの、プレイして届く値は登場する敵レベルの最大値と同じ55前後くらいである。 --そのユニット自体も、装備やソロユニットのスキルによって弱点の解消が難しくない。 -技はプレイヤースキル以外によって変えようがないが、言い方を変えれば持ち技によってキャラの性能がほぼ決まってしまう。 --唯一威力Sの通常技を持つエックス&ゼロ、高性能な技と自前の優秀なスキルを持つダンテ&デミトリ、攻撃範囲がとても広い・CRT補正が強い・XPも溜まりやすい技を持つハーケン&神夜に至っては、消費は膨大なものの味方全回復のスキルを唯一覚えるため、これらはとても使いやすい。一応当てにくい技が多く、最初に使うと必ずミスする攻撃がある、つかみ技はスカるとほとんどダメージがないという欠点があるにはある。 --逆に、技を覚えるのは早いが威力が低く、SPD以外のステータスが低い春麗&モリガン、平均的なステータスで技の性能もかなり微妙なクリス&ジルやクルト&リエラは、上述のユニットと比べると明らかに弱い点が目立つ。ただし春麗は敵のブロックを1発で破壊できる技を持ち、他のユニットも大幅に削れる技があるのでこれを最初に使えば総ダメージはかなりましになる。 --ちなみに、ソロユニットはそもそも成長しない。 -アイテムが余る。 --本作では、雑魚であろうと敵を倒す度に消費アイテムをランダムに獲得出来るため、アイテムがとにかく大量に手に入る。 ---所持上限がたったの20個なのですぐに上限に達するため、アイテムを大量に使っていくバランスだと言わんばかり。だがあまりに手に入るアイテムが多すぎるため、潤沢に使ってもなお余る。そのため、ゲームとしては簡単すぎる。 --HP回復アイテムは最も頻繁に登場する上に、「味方全員のHPを50%回復」等のかなり強力なアイテムも少なくない頻度で登場するため、HP回復は容易。自軍ユニットが倒れる事はまずあり得ないが、同時にHP回復スキルの価値は全く無いと言っても良い。 ---流石に入手できる数は限られているが、全員全回復+クロスゲージ100%増加の「スペシャルグミ」「不思議な水飴」、全員全回復+状態異常回復の「セブンシスターズ」と言うぶっ壊れアイテムもそこそこな数が入手できる始末。 ---かといって、HP回復スキルはあまり多くない上にクロスゲージを結構消費する。システム上、ダメージを受けずに攻略する事はほぼ不可能なので、回復アイテムを縛ってプレイするのは難しすぎる。 --状態異常回復アイテムも余る。状態異常がかかる度に逐一回復してもまず尽きる事はない。そのため、状態異常回復スキルもやはり価値がない。 ---そもそも、こちらがかかる状態異常は反撃が1回だけ出来ない崩し、行動順が回るまで無防備になる気絶、行動順が回ってくると1度だけダメージを受けるが倒れはしない毒、次の自分の行動が終わるまでスキル・アイテム使用ができない封印と少なく、崩しはすぐに消えるし、毒は封印と複合しない限りは回復アイテムを使えばいいために全然怖くない。~ 相手にかけられない封印はともかく、崩しと気絶はかければ強力なのもあって、状態異常に悩まされるのはむしろ相手の方である。 --クロスゲージ回復アイテムは他2種類に比べるとやや手に入りにくいが、それでも普通にプレイしている分には余る。だが、クロスゲージを贅沢に使用して手早く進めようとすると、今度は足りない。「非常に簡単だが、テンポ良く無双する事はできない」と言う一番面倒なバランス。 --なお、万が一使い過ぎた場合も、低級アイテムは普通に戦闘していればすぐに有り余るほど手に入るし、稼ぎも容易。 --また、何故かアイテムは同じ効果のものが2つ存在する。アイテム一覧で2番目にあるアイテムは1番目にあるのと比べて少しは入手しづらい。原作で似たような効果のアイテムを集めた結果かもしれないが、あまり意味が感じられない。 -2周目以降は強制的に高難易度モードになる。そのままの難易度で2周目は不可能。 --「取得経験値の減少」と「敵レベル増加」となっているが、1周目の装備とアイテムとプレイヤーの経験が残っているため、難易度的にはやや厳しめな最序盤さえ乗り切れればあとは通常プレイと大差ない。 ---むしろ、2周目以降で手に入る装備の性能はかなり壊れており、周回すれば周回する程に楽になってくる。 --引き継げる要素が所持品以外全くと言っていいほど無い上、周回プレイクリアに特典がつくわけでもない。その上、この2周目絡みではバグも存在する(後述)。 -数は少ないとはいえ、厄介なバグの存在。 --34話にて、ボスを撃破する前に敵の総数を21体未満にするとゲームが強制終了する。 ---ボスを撃破する前に雑魚を減らすのはこの手のゲームでは基本戦術であり、特に今作は敵の数がかなり多いため敵の頭数を減らそうとしてこのバグに引っかかった人が多い。 ---このバグに関しては公式からも発生条件に関する回答がなされており、「敵の残数を20体以下にする前に、プレリュードを倒さない」が回避条件らしい。また、そもそもこのバグが発生しなかった例もある。 --2周目以降の高難易度モードでは、敵増援が出現しきる前に中断して再開すると敵の増援のレベルや所持品が1周目と同じになってしまうバグが存在している。 ---一見敵のレベルが下がると有利にも見えるが、本来よりも取得経験値が減少してしまうことによりレベル上げができない(=スキルが揃わない)ため、かえってクリアが困難になってしまうので下手に中断ができなくなってしまっている。 ---2周目でしか手に入らないアイテムを落とす増援タイプのボスも、このバグにより取得判定が1周目のものにされてしまう(=限定アイテムが入手不可になる)。ラスボスのドロップアイテムも該当するため、かなり長いのに最終ステージは電源を切ることが出来ない。 ---なおラスボスはステージ開始時から出現しているが、バリアを破壊することで別敵扱いに変化し、2周目限定アイテムを落とすという判定になる。つまりバリアを破壊してからならこのバグの影響を受けず中断可能。 ---- **総評 『ナムカプ』からテンポがかなり改善されており戦闘時の凝った演出や掛け合いの楽しさも十分。~ また、「描写が薄い」「出番が少ない」という問題点はあっても、お祭りゲーの失敗作によくある「キャラが改悪された」「不快な描写をされた」というような問題点は一部を除いてほとんどない。~ 各々のキャラクターは元々のゲームの人気や楽しさとも合わさって、魅力的な存在となっており、本作で登場したゲームに興味を持ち、参戦作品の原作に触れたというプレイヤーも少なくない。~ ただしシナリオ面全般に大幅に難があるため、『ナムカプ』のようなゲームを期待していたプレイヤーを大いに失望させる事になってしまった。 『ナムカプ』に比べると「シナリオ面は大幅劣化」「システム面は完全とはいえないがやや改善」「作品同士の掛け合いはともかくキャラの魅力は主人公を除き十分」といったところで、総じて「ナムカプの長所と短所を大きく削ったゲーム」と言える。~ 人によって評価が分かれるためか比較的安価で手に入るので、気になる人は一度手にとってみるのもいいだろう。~ ---- **余談 -参戦作の1つ『.hack』シリーズは「ゲームのキャラクターが3次元に現れた」という力技だが、本作も外伝ではなく正史に含まれる。これは製作チームが「公式に発表されるシリーズは全て正史」というスタンスを取っているため。 -ブルーノは本作で初めて声がついた。演じるのはブルース・ウィリスの吹き替えでおなじみ樋浦勉氏。 -毒島力也は原作と声優が交代してしまっている。演じていたのは『ルパン三世』に登場する石川五ェ門でお馴染みの井上真樹夫氏だったが、同作品で浪川大輔氏と交代したのと同じく、こちらの毒島力也も浪川氏が演じている。 -『スーパーロボット大戦OG』からのゼンガーは原作がロボットゲームのため生身での戦闘シーンが無かったが、『[[無限のフロンティア EXCEED>無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ]]』のアクセルなどと同様に「搭乗機体の武装を模した武器で、ロボの技と同じ技を繰り出す」という力技で参戦が実現している。 --なお、開発初期は同じく『OG』からギリアム・イェーガーの参戦が検討されていた。 -レイレイの一人称が『[[MARVEL VS. CAPCOM 3>MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds]]』の「ボク」から「アタシ」に戻った。ボクッ娘だったレイレイの評判はいまいちよくなかったため、元に戻った事への批判は特にない。 --「社長が訊く」スタッフインタビューの中に名前こそでていないもののこの事だと思われる話題が挙がっている。インタビューにて「じつは担当者的には納得いってなかった」「担当者の気の迷い」などと言われていることから戻るのは必然だったと思われる。 -クリスのキャラ紹介のキャッチコピーは「''“あの街”を駆け抜けた''」となっている。おそらくあの街とはラクーンシティを指すのだろうが、''クリスがラクーンシティで活躍する作品は1つもない((続編ではクリスのキャッチコピーは「BSAA、オリジナルイレブンの猛者」に差し替えられ、こちらのキャッチは「ラクーンシティを駆け抜けた、クリスの相棒」と、文面をわかりやすく少々変えた上でジルのキャッチコピーに流用されている。ジルは実際にラクーンシティで活躍した経験があるので妥当な内容である。))。'' --レイレイのキャッチコピーでも似たようなミステイクが起きており、ナムカプの時点で『ハンター』準拠の設定で登場した流れを引き継いでいるはずにもかかわらず、『セイヴァー』の時の設定を意識したキャッチコピーが書かれている。 --また、本作中には''『バイオハザード』シリーズと『DEAD RISING』シリーズが世界観を共有していることを示唆するセリフがある''が、上記のいい加減さを見るに公式設定である可能性は低く、単なるファンサービス%%のつもり%%と思われる。 -『[[逆転裁判>逆転裁判シリーズ]]』シリーズは本作に参戦の予定があったが、同時期に『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』が進行中であったため、参戦は見送られた。 --次回作である『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』には、同シリーズが正式に参戦している。 -本作の公式サイトでソロユニットの情報が更新された際、フレンの必殺技の項目での説明が''なぜか毒島の必殺技のものに丸ごと誤植されていた。'' --現在は修正されているが、''フレン=毒島流の使い手''として一部でネタ扱いされる羽目になった。 -ゼンガーとハーケンは本作の続編である『PXZ2』には参戦しなかったものの、代わりに『[[スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]』に参戦。 --「新西暦の世界へと転移したために本作の続編へは参戦できなかった」という理由が付けられ、限定版特典ブルーレイにて本作の後日談にして『OGMD』前日談となるピクチャードラマ「ゼンガーの帰還」が収録されている。 -本作オリジナルキャラで、敵キャラのドライ・ベラノス役を演じた声優・たてかべ和也氏が2015年6月に逝去。本作がゲームにおける最後の出演作になった。

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