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*バリーファイア 【ばりーふぁいあ】 |ジャンル|シューティング|&image(volleyfire.jpg)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|東映動画|~| //|開発元|不明|~| |発売日|1990年6月29日|~| |定価|3,900円|~| //|プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|縦シューかと思ったら全然違った&br()展開がタルイ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -主に[[北斗関連>北斗の拳シリーズ]]でクソゲーマイスターの呼び名をほしいままにする東映動画(現:東映アニメーション)が、GB初期に送り出したシューティング。 --東映が関わっているだけで身構える人も多いだろうが、本作は若干変な点はあるものの至って普通のシューティングである。 **物語 宇宙暦0089。突然、地球に馬頭星雲から来たカタール星人が侵略してきた。超科学を誇るカタール星人の猛攻に地球は、最終防衛システム『D』を発動させた。 『D』とはあらゆる攻撃を防ぐバリアを地球を包むように張るシステムで、これの前にはさすがのカタール星人も撤退を余儀なくされた。 しかしカタール星人も新兵器を開発し『D』を突破してきた。そこで地球側は『D』システム・エリアでも戦える兵器、大気圏迎撃戦闘機『VOLLEYFIRE』を誕 生させた。カタール星人の野望を打ち砕くため、『VOLLEYFIRE』の死闘が始まる。(説明書より) 多くのシューティングゲームがそうであるように、一応ストーリーは設定されているがゲームの内容そのものに深く関わるわけではない。頭の片隅にでも留めておけば十分だろう。 **システム(兼問題点) パッケージには宇宙戦闘機が隕石群をかいくぐりつつ、敵戦闘機と激しいドッグファイトを繰り広げるイラストが描かれている。~ 多くの方がパッケージイラストを見て期待するのは、「敵弾ひしめく中を華麗にかわしつつ敵機を颯爽と撃破していく縦シューティング」だろう。~ ところが、実際に期待を込めてゲームを始めると… -なんと敵一体、味方一体しかおらず、互いにヘボいレーザー攻撃を一発ずつ撃ち合う地味な戦闘が始まる。 --しかも敵機体のスペックは自機と''全く同じ''。つまり、自機が撃破されるのと同じ弾数だけ敵に攻撃を当てる必要がある。 ---さらに単なる雑魚にも拘らず、耐久力だけでなく''残機が設定されている(しかも自機と同じ2)''。敵に耐久力が設定されているシューティングは山ほどあるが、敵に残機が設定されているゲームは珍しい(シューティングに限らず)。 -縦方向への移動ができず、横にしか動けない変なシステム。 --自機が戦闘機の形をしている意義が全くない。システムだけで言うなら、一対一の構図を除けば同じく移動方向が限定されている『[[スペースインベーダー]]』などに近い。むしろ[[敵が攻撃してくるブロック崩し>ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!]]か? ---一部縦スクロールステージもある。しかし横にしか動けないのは相変わらず。ちなみに地形に挟まれると''即死''。 -独特のシステムにより、展開が退屈。 --敵と自機の間にはほとんどのステージで障害物が設置されており、これが両者の攻撃を遮ってしまうため、ほとんどの攻撃は相手に届かない。 ---敵弾と自機の弾は相殺可能。防御において重要なテクニックなのだが、当たり判定が曖昧なのかかすっただけでも相殺されてしまう。このため障害物をかいくぐって向こう側までたどり着いても相殺されるケースが多く、ダメージを与えられない。その上前述の通り敵にも残機があるので…。 ---自機の攻撃手段がレーザー一本というストイックさがまた退屈っぷりを加速させる。もちろんオプション、広範囲攻撃、ボムといった救済処置・緊急回避手段は搭載されていない。 ---敵CPUの頭が悪く、適当に行ったり来たりしながら弾をばらまくだけなのがさらに退屈さに拍車をかける。ボス戦では多くの場合3体同時に出現するが、的が大きい分こっちの方が爽快感があるようにも感じてしまう((実際には耐久力が雑魚以上に高く、残り一体になると雑魚同様の当てにくさなのでかかる時間はこちらの方が長いが。))。 ---また反射板((弾を当てるとその弾が反射し、発射したものの方に返ってくる障害物。))が登場するステージでは、自滅の方が怖い。敵は反射をほとんど考慮しないため、時間はかかるが放置した方が安全なことも。 -アイテムの仕様もなかなかに不便。 --アイテムは、出現するステージが完全に固定されている。出るかどうかだけでなく、中身も完全固定。 ---しかも基本一つのステージで一回しか出ないため、取り逃したら終了。特に貴重なパワーアップを逃したりすると…。 -時代と言えばそれまでだが、セーブまたはパスワードコンティニュー未搭載という設定も、展開が遅いこのゲームでは痛い。 --しかしコンティニューは、''現在のエリアから、スコアもそのまま保存、回数制限なし''というゆとり仕様。一応パワーアップは外れるが、本作のパワーアップは攻撃力を高めるだけなので、無しでも何とかなったりする。 ---尚、この仕様のせいでコンティニューした方がスコアを稼げるため、スコアがほぼ無意味な存在になっている。いくらハイスコアなどの記録機能がないとはいえ、もう少し考えられなかったのだろうか。 ---上記の仕様に加え、本作は敵の出現数固定+敵を全滅させないと先に進めない+クリア済みステージには引き返せないという仕様であるため、むしろ低スコアクリアの方が難しかったりする。 **評価点 -後に『[[ミスティックアーク]]』の作曲でその名が知られる森彰彦氏作曲のBGMは時としてGBとは思えないほど重厚でかっこいい。 --曲数も雑魚戦だけで何曲も用意してあるなど、非常に豪華な仕様である。 -そういうゲームと割り切れば十分遊べる出来。 --ステージごとに障害物のバリエーションが豊富で、以前のステージとはまた違った攻略法が要求される。 --またある程度の制限はあるが、次に攻略するステージを自由に選べるシステムがある。パワーアップアイテムを先に回収することで難易度を下げたり、簡単そうな方から先に進めたり自由度がかなり高い。 --確かに展開は遅いが、類似したシステムを持つゲームは現在でもあまりなく、そういう意味での希少価値はある。 ---%%「思いついても誰もやらなかっただけだろ」は禁句。%% -現在ではほぼ意味のない話だが、対人戦はなかなかに盛り上がる出来とのこと。 **総評 森彰彦氏のBGMは非常によくできている。既存のゲームをGBで出来るようにした作品が多かったGB初期に、意欲的なシステムを多く盛り込んだ点も評価できる。~ しかし、シューティングとは到底思えない爽快感のなさが最大の問題。現在に至るまで本作のフォロワーが全くと言っていいほど存在しないことからも、失敗だったと言わざるを得ない。~ とりあえず遊べないほど酷い完成度ではない。森彰彦氏のBGMを堪能しつつ、終始一発ずつ弾を撃ち合う展開が我慢できるならやってみてもいいだろう。
*バリーファイア 【ばりーふぁいあ】 |ジャンル|シューティング|&image(volleyfire.jpg)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|東映動画|~| //|開発元|不明|~| |発売日|1990年6月29日|~| |定価|3,900円|~| //|プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|縦シューかと思ったら全然違った&br()展開がタルイ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -主に[[北斗関連>北斗の拳シリーズ]]でクソゲーマイスターの呼び名をほしいままにする東映動画(現:東映アニメーション)が、GB初期に送り出したシューティング。 --東映が関わっているだけで身構える人も多いだろうが、本作は若干変な点はあるものの至って普通のシューティングである。 **物語 宇宙暦0089。突然、地球に馬頭星雲から来たカタール星人が侵略してきた。超科学を誇るカタール星人の猛攻に地球は、最終防衛システム『D』を発動させた。 『D』とはあらゆる攻撃を防ぐバリアを地球を包むように張るシステムで、これの前にはさすがのカタール星人も撤退を余儀なくされた。 しかしカタール星人も新兵器を開発し『D』を突破してきた。そこで地球側は『D』システム・エリアでも戦える兵器、大気圏迎撃戦闘機『VOLLEYFIRE』を誕 生させた。カタール星人の野望を打ち砕くため、『VOLLEYFIRE』の死闘が始まる。(説明書より) 多くのシューティングゲームがそうであるように、一応ストーリーは設定されているがゲームの内容そのものに深く関わるわけではない。頭の片隅にでも留めておけば十分だろう。 **システム(兼問題点) パッケージには宇宙戦闘機が隕石群をかいくぐりつつ、敵戦闘機と激しいドッグファイトを繰り広げるイラストが描かれている。~ 多くの方がパッケージイラストを見て期待するのは、「敵弾ひしめく中を華麗にかわしつつ敵機を颯爽と撃破していく縦シューティング」だろう。~ ところが、実際に期待を込めてゲームを始めると… -なんと敵一体、味方一体しかおらず、互いにヘボいレーザー攻撃を一発ずつ撃ち合う地味な戦闘が始まる。 --しかも敵機体のスペックは自機と''全く同じ''。つまり、自機が撃破されるのと同じ弾数だけ敵に攻撃を当てる必要がある。 ---さらに単なる雑魚にも拘らず、耐久力だけでなく''残機が設定されている(しかも自機と同じ2)''。敵に耐久力が設定されているシューティングは山ほどあるが、敵に残機が設定されているゲームは珍しい(シューティングに限らず)。 -縦方向への移動ができず、横にしか動けない変なシステム。 --自機が戦闘機の形をしている意義が全くない。システムだけで言うなら、一対一の構図を除けば同じく移動方向が限定されている『[[スペースインベーダー]]』などに近い。むしろ[[敵が攻撃してくるブロック崩し>ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!]]か? ---一部縦スクロールステージもある。しかし横にしか動けないのは相変わらず。ちなみに地形に挟まれると''即死''。 -独特のシステムにより、展開が退屈。 --敵と自機の間にはほとんどのステージで障害物が設置されており、これが両者の攻撃を遮ってしまうため、ほとんどの攻撃は相手に届かない。 ---敵弾と自機の弾は相殺可能。防御において重要なテクニックなのだが、当たり判定が曖昧なのかかすっただけでも相殺されてしまう。このため障害物をかいくぐって向こう側までたどり着いても相殺されるケースが多く、ダメージを与えられない。その上前述の通り敵にも残機があるので…。 ---自機の攻撃手段がレーザー一本というストイックさがまた退屈っぷりを加速させる。もちろんオプション、広範囲攻撃、ボムといった救済処置・緊急回避手段は搭載されていない。 ---敵CPUの頭が悪く、適当に行ったり来たりしながら弾をばらまくだけなのがさらに退屈さに拍車をかける。ボス戦では多くの場合3体同時に出現するが、的が大きい分こっちの方が爽快感があるようにも感じてしまう((実際には耐久力が雑魚以上に高く、残り一体になると雑魚同様の当てにくさなのでかかる時間はこちらの方が長いが。))。 ---また反射板((弾を当てるとその弾が反射し、発射したものの方に返ってくる障害物。))が登場するステージでは、自滅の方が怖い。敵は反射をほとんど考慮しないため、時間はかかるが放置した方が安全なことも。 -アイテムの仕様もなかなかに不便。 --アイテムは、出現するステージが完全に固定されている。出るかどうかだけでなく、中身も完全固定。 ---しかも基本一つのステージで一回しか出ないため、取り逃したら終了。特に貴重なパワーアップを逃したりすると…。 -時代と言えばそれまでだが、セーブまたはパスワードコンティニュー未搭載という設定も、展開が遅いこのゲームでは痛い。 --しかしコンティニューは、''現在のエリアから、スコアもそのまま保存、回数制限なし''というゆとり仕様。一応パワーアップは外れるが、本作のパワーアップは攻撃力を高めるだけなので、無しでも何とかなったりする。 ---尚、この仕様のせいでコンティニューした方がスコアを稼げるため、スコアがほぼ無意味な存在になっている。いくらハイスコアなどの記録機能がないとはいえ、もう少し考えられなかったのだろうか。 ---上記の仕様に加え、本作は敵の出現数固定+敵を全滅させないと先に進めない+クリア済みステージには引き返せないという仕様であるため、むしろ低スコアクリアの方が難しかったりする。 **評価点 -後に『[[ミスティックアーク]]』の作曲でその名が知られる森彰彦氏作曲のBGMは時としてGBとは思えないほど重厚でかっこいい。 --曲数も雑魚戦だけで何曲も用意してあるなど、非常に豪華な仕様である。 -そういうゲームと割り切れば十分遊べる出来。 --ステージごとに障害物のバリエーションが豊富で、以前のステージとはまた違った攻略法が要求される。 --またある程度の制限はあるが、次に攻略するステージを自由に選べるシステムがある。パワーアップアイテムを先に回収することで難易度を下げたり、簡単そうな方から先に進めたり自由度がかなり高い。 --確かに展開は遅いが、類似したシステムを持つゲームは現在でもあまりなく、そういう意味での希少価値はある。 ---%%「思いついても誰もやらなかっただけだろ」は禁句。%% -現在ではほぼ意味のない話だが、対人戦はなかなかに盛り上がる出来とのこと。 **総評 森彰彦氏のBGMは非常によくできている。既存のゲームをGBで出来るようにした作品が多かったGB初期に、意欲的なシステムを多く盛り込んだ点も評価できる。~ しかし、シューティングとは到底思えない爽快感のなさが最大の問題。現在に至るまで本作のフォロワーが全くと言っていいほど存在しないことからも、失敗だったと言わざるを得ない。~ とりあえず遊べないほど酷い完成度ではない。森彰彦氏のBGMを堪能しつつ、終始一発ずつ弾を撃ち合う展開が我慢できるならやってみてもいいだろう。

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