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クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー」(2024/03/04 (月) 23:24:01) の最新版変更点

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*クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー 【くらっしゅ ばんでぃくーふぉー さくれつ まじんぱわー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00005UF72)&amazon(B0000CGAF2)&amazon(B00006JJ7M)| |対応機種|プレイステーション2&br()Xbox&br()ニンテンドーゲームキューブ|~| |メディア|【PS2】CD-ROM&br()【Xb】DVD-ROM&br()【GC】8cm光ディスク|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|Travellers Tales|~| |発売日|【PS2】2001年12月20日&br()【Xb】2002年10月24日&br()【GC】2003年12月4日|~| |定価(税別)|【PS2】6,800円&br()【GC/Xb】4,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象((GC版で付与されたレーティングを記載。))|~| |廉価版|【PS2】PlayStation2 the Best&br() 2002年10月17日/2,800円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ゲーム性は従来通りの出来&br()PS2版はロード時間が長い&br()これまでと比べてもっさりアクション&br()''シリーズ凋落の始まり''|~| |>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気シリーズ『クラッシュ・バンディクー』シリーズの第4作目。PS2に進出した最初の作品である。~ 海外版のタイトルは『Crash Bandicoot Wrath of Cortex』であり、前作と同様にナンバリングは振られておらず、タイトルロゴ等にもシリーズ4作目であることを示すフォローはない。 ストーリー的な直接的繋がりはないが、ある程度意識されたストーリーにはなっている。PS2進出にして新体制による再出発作ということで仕切り直すような形になったと言えるか。~ 本作から日本の発売元がSCEからコナミとなった。開発元も『[[1>クラッシュ・バンディクー]]』『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!]]』『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』『[[レーシング>クラッシュ・バンディクー レーシング]]』を制作したノーティドッグではなく、後にレゴブロックの世界観を使ったビデオゲームシリーズ((『LEGO STAR WARS』や『LEGO BATMAN』等多数の作品がある))で知られるイギリスのトラベラーズテイルズへ変更となった。 開発会社が変わった経緯については[[こちら>クラッシュ・バンディクー#id_cc93a96b]]を参照。 ---- **ストーリー 過去3回にわたってネオ・コルテックスの世界征服の野望を阻止してきたクラッシュ。~ 失敗を重ねてウカウカにどやされたコルテックスはクラッシュを倒すため、自身が作り出した秘密兵器であるスーパーバンディクー「クランチ」を投入する。~ さらにこのクランチの力を存分に発揮すべく、ウカウカは強大な力を持つ4体の魔神たちの封印を解いてしまった。~ これを知ったクラッシュは再びコルテックスの野望を打ち砕くため、新たな冒険に立ち向かうのだった。 ---- **特徴 -ステージクリア方式など、基本的なシステムは『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』までと同じ。 --ステージはひみつのワープルームを含め全30ステージ。 --新たな乗り物が多数登場する。 ---前作では乗り物のステージでしか使用できなかったココも、単体でプレイヤーキャラとして使えるように。 -BGMは前作までのJosh Mancel氏から、Andy Blythe氏とMarten Joustra氏((彼らは作曲家コンビとして、関わるほぼ全作品で共作している。))に担当が変更。 ---- **評価点 -ゲーム性は『3』を踏襲しており、往年のシリーズのファンや初めてクラッシュをプレイする人まで楽しめる。 --今までのクラッシュのアクションも全て登場。加えて、ニトロ箱の上を爆発させずに歩くことができる「ソロソロあるき」が追加された。 --『3』にもあったレース面や水中面やシューティング面に加え、CRカプセルによる転がって進んでいくステージなどさらにステージの種類が増えた。 --ダイヤ集め、タイムアタック、ひみつのワープルームといったやりこみ要素は前作から変わっていない。 --シリーズ恒例の手前スクロールで逃げるステージも存在。前作より若干多く、追いかけるものも自然災害や動物だったりと異なる。 -これまでは出番が乗り物を使うステージ限定だったココが通常ステージでも使えるようになった。 -次世代機進出により画質のクオリティーは向上している。 --前作まで2Dアニメで描かれていたリンゴなどが3Dオブジェクトで描かれるようになった。 --一方でPS過去作である種写実性すら感じさせる程緻密に描き込まれたステージは、よりデフォルメの効いたカートゥーン風になっており、ここは好みが分かれる。 -ステージデザイン --水中ステージと研究所、ダンジョンステージ以外はステージデザインが全て異なっている。 --背景も繰り返しでは無く、スタート地点からゴール地点まで様々なオブジェクトを用いて作られている。地形や仕掛けも使い回しがかなり少なく、ステージごとの個性はかなり立っている。 ---例えばステージ1は、路地→スキー場→トンネル→湖と変化していく構成。 --ステージの構造にやや自由度が増しており、半分は乗り物で半分は通常アクションというステージも存在する。特に水中から通常アクションに移行するステージはかなり斬新。 -BGM --なんと''全ステージでBGMが異なっている。'' --従来のようなコミカルな曲がある中、シリアス路線を打ち出した曲が新鮮で、メロディ・アレンジ・楽器の使い方も上手く高品質。 ---例えば、ステージ4「すすめ!まほうのしろ」の音楽は、非常にコミカルなメロディと西洋の城の雰囲気にマッチした楽器が秀逸であり、気分が盛り上がる良曲。 ---ただしボーナスステージのBGMはステージの舞台ごとに固定。法則から外れているステージもある。 -『2』から続いている救済処置(一定回数死亡でアクアク付与)の要素は健在。ただし、?箱がC箱に代わる措置は無くなった。 -タイムアタックにアクアクを持ち込めるようになった。 -!ブロック(緑)が、遠いところのニトロ箱の爆風範囲内にある箱を壊してくれるようになった。これにより、パーフェクトに関係無いドクロ・ダイヤコースで、飛び移り用の箱や、アクアク箱・1up箱を設置したりできるようになったりとステージ設計に幅が広がった。 -プラチナトロフィーの規定タイムがエンディング前でも確認できるようになった。 ---- **賛否両論点 -ココが乗り物ステージ以外で使えるようになった。 --キャラ人気も高いので評価したいのだが、いかんせん使い勝手がクラッシュと比べて悪い。 --ココのアクションは「カンフーキック」「足払い」「ストンピング」「スピードシューズ」のみ。まともに使える攻撃方法は「カンフーキック」くらいで、クラッシュのダブルジャンプや竜巻スピンのように移動に有効なアクションに至っては皆無であり、クラッシュに比べると非常に扱いづらい。また、スピードシューズとスーパーボディプレス(ストンピングはボディプレスとほぼ同じアクション)以外のパワーアップ要素が追加されることもない。 ---ちなみに前述のココのアクションはココが「カンフー映画好き」という設定からなのだが、過去にそんな設定・イメージはなく、単体で使用させるために付け足した設定に思える((なお、『クラッシュバンディクーカーニバル』で登場した際はクラッシュと同じくスピンアタックを使用している。))。 ---一応限られたアクションの中でどう動くか、という点ではある意味アリなのかもしれない。終盤のココを徒歩で動かせるステージでは、良くも悪くもクラッシュ操作ステージと比べて難易度が上がっている。 ---余談だが、本作では津波に襲われたかと思えば次のステージでは雪崩に襲われるなど、何かと不運な子でもある。 ---- **問題点 -PS2版ではロードが多い上に長い。 --本作で''最も非難されている問題点''。ロード時には長い場合''20~30秒''ほど待たされる。しかも、ロードの機会もこれまでと比べ多く、ゲームテンポが悪い。通常使われるDVD-ROMではないためか? --過去のシリーズでロードがあっても、大体が10秒程度で殆ど気にならないぐらいだったのだが。 ---GC/Xb版では改善されているので、今からプレイする方はこちらを推奨する。 -キャストの変更 --なぜか今作以降キャストが変更されるようになった。また、操作時のクラッシュに山口勝平((今作では水の魔神の声も担当している。))の音声が使われていない。『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!]]』でも山口氏の新録セリフが没になっていたが…。 --今作ではココの声優(池澤春菜→小暮英麻)が変更された。セリフは多くないのだが、やはり往年のファンから聞くと違和感を感じる。 --ただし、ココ以外のキャラの声優は変更されていないのが救いか。 -全体的に挙動がもっさりしている。 --ジャンプ・ハイジャンプ時には特にもっさり感が強い。ジャンプ直後から頂点までのスピードがほとんど変わらず、爽快感が薄い。 --『2』『3』の時にあったスライディング後の硬直をスピンアタックでキャンセルする小技が使えなくなっている。 ---この2つの改悪点はゲーム中の大半を占める動作のため、PS1の3作の様なキビキビとしたアクションは失われている。 --金網にぶら下がっての移動は前と比べ遅い。タイムアタックがあるのにこの仕様はイライラを募らせてしまう。 ---無敵時にスピードが上がるという仕様も存在しない。 ---金網下の穴は「アクアク所持状態でダメージを受けた時の無敵判定で一定時間駆け抜けられる」という謎の仕様があるのがタイムアタック時での救い。 --操作関係では無いが、文字やUIがもっさり、というよりかなりバタ臭く感じるものが多い。 ---影の陰影が激しいことも相まって、ビジュアル面はかえって劣化して見える場面も少なく無い。 -前作から不便になった要素 --''ボス戦にアクアクを連れていけない''。 ---地・風の魔神戦は特殊なボス戦なので仕方ないが、他のボス戦でも使えないのは初心者にかなり厳しい。 ---一応ボス自体は攻撃パターンが少なく、前の作品ほど強くないのが救いか。 --無敵状態が弱体化している。 ---前作よりも無敵時間は短くなり、当たり判定も弱体化しているため、いまいち爽快感が無い。 --リンゴバズーカが使いにくい。 ---リンゴバズーカの照準合わせが妙に厳しくなっており、微調整が必要。一応前作よりも射程は伸び、赤照準状態でも障害物を狙うことが可能になっているが。 ---リンゴバズーカでリンゴを狙うと消滅してしまう。 --ドクロコースの仕様変更 ---前作までにあった、1回ドクロコースに入れば通常コースでミスしても消えない仕様が消滅。 ---そのくせ前作にあったCブロックは本作では登場せず、再チャレンジする時は慎重になる必要ができた。 --C箱の仕様 ---本作ではC箱よりも先にある箱を壊してからC箱を壊しても、先に壊していておいた箱は復活してしまうという仕様がある。 ---前作までにはパーフェクトダイヤを狙う際にダイヤコースやひみつコースを回ったり通常ステージの逆走を求められることがあったが、この仕様により(?)本作ではそれは無くなっている。 ---分岐点があるCRカプセルステージでは、分岐先の箱を壊したあとにC箱を壊して保存しておくということができない。パーフェクト狙いの場合はミスするたびにいちいち分岐を回らないといけなくなってしまう。 --魔法研究員の魔法をスピンアタックで消せない。 ---『3』では消せたので、過去作経験者には初見殺しになっている。おまけにクラッシュやココで前に進んでも追尾してくるので避けるのが妙に難しくなった。 ---余談ではあるが、『3』ではリンゴバズーカで撃つと1回では倒せず代わりに服が脱げるシーンが見れたが、今作は普通に倒せてしまう。 -BGM --ステージでのBGMにリピートがない。 ---BGMが終わると''明らかに数秒間が開いた後に''再び最初から再生されることの繰り返しとなるため、違和感を覚えやすい。 --ドクロコース・ダイヤコースに突入してもBGMが変わらず、緊張感がいまいち出ない。 --曲自体は悪くないのだが、開発元が違うからかそれまでと比べ明らかに''BGMの雰囲気が浮いている''。 -ステージのバランスが悪い。 --全体的に見てもステージ1からいきなり雪山のステージ。構成も滑る床に爆弾箱、ニトロ箱と一通りの仕掛けをそろえている上、アクアクによるアクション要素の解説もない(というか、今作ではアクアクのヒント自体がほとんど存在しない((一方でアクアクの同じヒントが繰り返されるという問題点もある。)))ため、これまでのシリーズに比べ初心者に厳しい。にも拘らず、ノーミスで来ると進めるドクロステージが''ステージの終盤''に登場している。チュートリアルを兼ねるべきステージ1に相応しくない構成だろう。 ---そしてステージ2という序盤でいきなり戦闘機「CRグライダー」に乗ってのシューティングステージになる((ただし、シューティングステージの難易度は『3』に比べると大幅に下がっている。))。 //---『2』『3』と同様に難しいステージを後回しにしたいところだが、ステージ3は乗り物の「CRカプセル」、ステージ4は中盤で恐竜に追いかけられ、ステージ5でも前半が乗り物のトロッコという有様、操作性に慣れる機会があまり無い。トレーニングはワープルームでしろということだろうか。 //2と3も雪山(2のみ)、乗り物、追いかけられがステージ1~5に揃っているからこの構成に問題があるとは言いにくいと思う。 --一方で、後半のステージである20と22は後半にしては妙に楽だったりと、各ステージの難易度がバラバラ。 ---ただステージ22はシリーズ屈指のロングステージで、「地上→金網→乗り物→地上→金網→地上」の繰り返し、先述通り金網の速度も遅いのでかなりダレやすい。 --ステージごとの統一性もなく、前作のような「アラビアステージ」「古代ステージ」のようなカテゴリ分けがされていない((ちなみにステージ11はクラッシュが、ステージ26はココが同じ構成のステージを攻略する物になっている。))。各々の魔神が司る属性ごとに分けられている訳でもなく、炎の魔神と言いながら水属性のステージや雪山のステージが当たり前のように出て、無関係なところで火山のステージが出たりする。ステージ16~20は背景が雪なのに雪原ステージは1つしかない。 ---全体的に要塞チックなステージが多く((ステージ30以外の5の倍数のステージは、全て要塞のような構成になっている。))、出現する敵も研究員、装甲兵、ロボットと似たような面子ばかり。 --ステージ12の青ダイヤコースは事前に緑!ブロックを叩いてしまうと、''向こう側へ渡るための足場がなくなってゴール不可能''になってしまう、いわゆる「''詰み''」となる構造となっている。 ---コースの後半では、ニトロ箱の上に普通の木箱が乗った2段重ねの箱が空中に立ち並んでおり、1回限りのチャンスでこれを足場にしながら奥に進む構造になっている。そのため、先に緑!ブロックを叩いてコースの全てのニトロ箱を壊してしまうと、''ニトロ箱もろとも木箱も壊れてしまうので、先に進むことができず、クリアが不可能になってしまう''。初見でこうなると、なぜ先に足場が存在しないのかさえも分からなくなる。 ---これはダイヤコース・ドクロコースに壊さなければならない箱を用意しないことで「隠しコースを通り、かつ通常ルートを逆走をしないと箱を全部壊せない仕様」を改善するための配慮だと思われる((2の頃はドクロコースをクリア後に逆走をする必要があり、箱を全部壊して手に入るダイヤの難易度がかなり高い問題点があった。))。問題なのは緑!ブロックがある場所にダイヤコースの足場を配置してしまったこと、もしくは1回きりで壊れる足場に箱を使い回してしまったことだろう。 -水中ステージがダルい。 --今作にも水中ステージがあるが、全体的に長く、上下に広いうえに、薄暗くて柱や海藻が多いため視界が悪い。 --さらに、画面上空から速いスピードで落下してくる機雷の数が異常なほど多い((かなりの頻度で仕掛けられており、素通りしようとするとほぼ確実に食らってしまうため、落下地点直前で待たなければならない。))。海藻や岩で隠れていたり、視界外から降ってくることも多く非常にめんどくさい。 --左右に高速移動する敵や、上下に移動する魚、クラッシュの動きに合わせて上下に移動するダイバーの敵もいるので、一気に進むのが危険な状況になっている。 ---なぜか敵との当たり判定が少しズレていて、当たる寸前にスピンを押したら死ぬ、明らかに触れているのに避けられるなどの光景が多発している。 --しかもステージの半分はサブマリンに乗って進まなければならなく、この状態でも攻撃を食らったら1ミス扱いになるのでテンポが悪い(前作では乗り物が破壊されるだけだった)。このため、常に敵や機雷を警戒して長いステージを慎重に進まなければならないためにストレスがたまる。タイムアタックではイライラすること間違いなし。 ---利点を挙げるなら、サブマリンは前作のディープアップルと違い下方向にも爆弾で攻撃できる点と、水中ステージでも竜巻スピンアタックができて一気に移動できるということ。ただしサブマリンに乗っている間は当然ながらスピンアタックは使えない。 -視認性が悪いステージが多い。 --そのうえ箱がオレンジ色から茶色に変更されたため、背景に紛れて気づかず取り逃がしてしまいがち。 --おまけに水中やCRカプセルなど視点が遠いステージでは、箱の種類を判別しにくい。特に緑!ブロックが黄緑色からニトロ箱と同じ緑色に変更されたため紛らわしい。 --ステージ21と22にはドクロコースがあるが、足場が出現している状態だと初見ではそこに足場があることに気づきにくい。 --ステージ24は火の玉に追っかけられているという設定なのだが、どちらかというと黄色いガスに追いかけられているようにしか見えず、単純に画面が見にくいうえにどこまで接近されているのかが非常に分かりづらい。 --カメラワークが悪い場面も多々あり、距離感が分かりにくかったり真っ直ぐ前を見ることができなかったりする様なことが多々ある。 -ステージ内の「違和感」に到達しても何も無い。 --前作まではステージ内に「違和感」というか「おかしなモノ」があり、それが隠しステージの入り口だった。 ---例えばそれは、階段状に積み上げられた弾まないニトロ箱・ゴール直前の大ジャンプ中に一瞬だけ見える足場・パパ熊が落ちた穴の底に僅かに見える足場・1つだけ絵柄が違う道路標識など。 --今作にもそういったいかにも何かありそうな「違和感」はあり、到達するには往々にしてシビアな操作を求められる。 ---しかし、苦労してたどり着いても何も無いことが多く、肩透かしを食らう場面が非常に多い。と言うか、実のところ''本作にそういった隠しコース・ステージは1つもない。'' ---隠しステージは前作にもあったトロフィーの獲得数で入れるステージのみ。カラーダイヤも全てドクロコースで手に入るだけ。隠しダイヤもカラーダイヤや隠しコース以外で手に入れるものは1つしか存在しない。 -乗り物の使い勝手が悪い。 --CRサブマリンは前述したステージ構成の中をゆっくり動くのでスムーズに進めない。前作のディープアップルのような加速機能も付いていない。魚雷を発射できるが、肝心の機雷は隠れていることが多く、事前に破壊できないことも。また、上方向への攻撃は一切できない。 ---そもそもの話として、使用しているステージはどれもサブマリンを使わなければならないような場面になっているとは言い難く、乗る必要性に疑問符が付く。 --CRカプセルは球体を転がすという特性上好みが分かれやすい。 ---4ステージ+ボスステージと乗り物の中では一番多く割り当てられている。 ---思いっきり転がせる場所はそこまで多くなく、猛スピードで突っ込んだ結果落下する場面も多い。迷路になっていることが殆どなので、初見では道に迷いやすくストレスが溜まる。 ---敵の数は少ない方だが、この種のステージではアクアクを連れてくることが出来ないので、ノーミスでクリアしなければならない。 ---CRカプセルステージは他に比べてプラチナタイムがかなり厳しく、ほんの少しのミスで負けるほど。前述の通りアクアク無しでクリアしなければならないで難易度が高い。 ---ちなみにこちらに至ってもわざわざカプセルに入って進まなければならない理由はこれと言ってない。ステージが広いから移動は楽かもしれないが、普通に冒険する方が遥かに安全性が高い。 --CRバギーに乗るレーシングステージが存在するが、なぜか3のように穴に落ちたら落ちたそばからやり直しにならず、1ミス扱いになり最初からやり直しになる。 ---グリップ性能が悪く、当たり判定も大きくないので徐行運転していても箱を取り逃してしまいやすい。ミスしやすいのがかえって救いになってしまっている。 ---またタイムアタックでは1位にならないとタイムの判定をしてもらえない仕様であるため、前作で使えた「先に対戦相手を全員ゴールさせ、邪魔者がいない状態でスタートする」という小技が使えなくなっている。 --CRバタフライはCRグライダーと同様の飛行マシンで、武器が機銃からホーミングミサイルに変更されている。しかしこのホーミングミサイルの性能が悪く、敵が多いにもかかわらず敵一体に照準を合わせるのにいちいち時間がかかる上、狙いを付けたくない敵に照準を合わせてしまったりすることもある。初見ではミサイルを撃つ方法が分からず、戸惑うこと必至。 ---さらに、CRグライダーとは異なり気球の付いた箱はホーミングミサイルでは破壊できず、体当たりしないと破壊できない。ダイヤを狙う際は全ての気球にいちいち体当たりしなければならず、面倒なことこの上ない。 ---この乗り物を使うのはステージ9の1つだけだが、正直CRグライダーと分ける必要性があまり感じられない。 --CRジャイロは『2』のジェットパックとまんま同じだが、これに乗るステージ15はとにかく奥の距離感が掴みにくく、ミスが多発する。 ---前作同様のリングをくぐっていくステージもあるが、前作のような爽快感は全く無い。 --CRローダーというロボットを操縦するステージもあるが、動き、特にジャンプにモッサリ感が強い((立ち止まっている状態からジャンプするときは一瞬動きが止まってしまう。))。攻撃動作のリンゴバズーカも慣性がついて照準を合わせることが困難で使い辛い((ただし、着弾時の波紋で若干攻撃範囲が広い))。スピンアタック、2段ジャンプなどのアクションが使えず、食らったら1発アウトな点は変わらないので、重りをつけた状態で操作しているような不自由さを感じる。加速も出来ないのでタイムアタックではクリアまでに時間がかかってしまう。ボス戦以外ではわざわざ乗る必要性に疑問が浮かぶ。 --ココファイターによるシューティングステージでは宇宙ステーションを破壊するミッションを与えられるが、なぜかこの宇宙ステーションにぶつかると物凄い勢いで変な方向に弾き飛ばされ、数秒間動けなくなるうえに自分の居場所が分からなくなってしまう。見た目以上に当たり判定が広いので、運が悪いと連続でぶつかることもある。適度に距離を取って攻撃しないとタイムロスに繋がるので、タイムアタックではイライラさせられる。 --シリーズ恒例の背後から何かが迫ってくるいわゆる「追っかけられステージ」が5つと今までよりも多いが、最初のステージ以外は何かしらの乗り物に乗っている。 ---そのうちの3つは乗り物で加速し続けないとすぐ追いつかれる仕様になっている。もちろん操作方法に対してのフォローはなく((取扱説明書に書いてあるのみ。))、初見だと何故追いつかれて死ぬのかがわからない。 ---最後のステージに至っては先のCRローダーに乗っている時に襲われる。どう考えても降りた方が早く逃げられそうなので、降りろと突っ込みたくなったプレイヤーも多いはず。しかもこのステージではリンゴバズーカが使えるので、CRローダーが役立つ場面は皆無で存在意義が不明。 ---同じ乗り物に乗って戦うゲームに[[サルゲッチュ]]があるが、あちらは乗り物の攻撃でないと破壊出来ない壁や倒せない敵が存在しており、かつ任意に乗り換えが可能になっている。こちらはそれすら無いため、乗り物を操作する楽しさよりも煩わしさの方が勝ってしまっている。 --一部ステージではトロッコで進んでいくが、アクアクを連れていると露骨に視界妨害をしてくる。とはいえこれ専用の高難度コースもあるので、連れて行かないと厳しかったりする。 -新アクション「ソロソロあるき」の存在意義が薄い。 --移動速度が落ちる代わりにニトロ箱の上を歩けるようになるパワーアップアクションなのだが、他の足場から地続きとなっている場所しか使い道が無く、さらにそのような場所もゲーム中にあまり登場しない。アクション入手直後のボーナスステージで何度か出てくる程度。 ---ボタンをしっかりと押さないと、歩いている最中にニトロ箱が爆発するという事故が多発してしまうため、使い勝手が悪い。 --奥へ奥へと駆け抜けていく本シリーズにおいて、ゆっくり慎重に進むというある種アクションのスパイスとして働いたような気がしないでもないが、スライディング→ダブルジャンプ→竜巻スピンアタックでニトロ箱ごとやり過ごした方が時間がかからない為、それらのアクションを覚えた後はそちらを使った方が早い。 ---ただし、ステージ25の隠しステージのニトロ箱で出来た橋のようにどうしても使わざるを得ない場面も一応は出てくるが、ここまで来ると面倒な作業でしかない。と思いきや''リンゴバズーカで橋を破壊すれば''やはりスライディング→ダブルジャンプ→竜巻スピンアタックで突破出来てしまう… --ちなみに前作にも存在した「スーパーボディプレス」はなぜかステージ8の赤ダイヤステージに用意されている。 ---『3』と違って一定の距離を取るとニトロ箱をノーダメージで破壊できる利点があるが、赤ダイヤが後半のステージ21にある上に、その時点で「リンゴバズーカ」を習得しているため使い道がない。 ---前述にある通りココも習得できるが、なぜかココの場合だとニトロ箱をノーダメージで壊すことができない。この時点でココを操作して徒歩で攻略するステージは残り1つしかない上に、そのステージに配置されているニトロ箱は避けやすい・無理に壊す必要が全くないものばかりではあるが…。 -敵やトラップにやられた時のリアクションが少ない。 --ステージ・ギミック・敵の量と比較しても、普通に倒れる((『1』でのみ使われた黒背景の演出を踏襲している。))・幽霊になって昇天・身体の消滅が大半を占めており、凍る・黒コゲ・身体を真っ二つにされて下半身だけ歩き出すなどの面白いリアクションはごく一部のステージのみとかなり少ない。 ---フラスコ、ガス、レーザーを使う研究員がやたら出て来るが、やられモーションに面白みがない上にどれも同じなのは手抜きとしか言いがない。 ---機械の乗り物系は全部クラッシュが消滅し、機械がバラバラに崩れて終わるだけ。 ---水中ステージもやたら敵が多いが、殆どが潜水器具を残してクラッシュが消滅するだけ。 ---前述の通りココが普通のステージでも操作できるようになったが、こちらも死亡パターンはその場で目を回して倒れる、昇天する、溺れるくらいしかない。 --これまでの作品では死亡時のモーションが豊富で面白いパターンも多かったため、死亡パターンが減ったのは残念な点である。 -古参のボスキャラの扱いが酷い。 --各ステージのボスは全て魔神の力を借りたクランチであり、古参のボスキャラと戦う機会はない。 --古参のボスキャラからはエヌ・ジン、エヌ・トロピー、タイニータイガー、ディンゴダイルが登場しているのだが、特定のステージでレースの対戦相手やお邪魔キャラ、敵キャラとして登場するのみ。 ---タイニータイガー、ディンゴダイルはOPムービー・ステージに登場しているものの、セリフが一切存在しない。また、エヌ・ジンとエヌ・トロピーはOPムービーとステージで登場し、セリフはあるのだが、OPムービーで一言のみ((なお、エヌ・トロピーの声優である池田勝氏は風の魔神の声優も担当している。))と、どれも扱いが酷い。なお、エヌ・ジンはキャストは同じではあるが何故か従来の侍口調ではなくなり、違和感がある((一人称が「私」で、コルテックスを「あんた」呼ばわりするなど。))((同じく独特の喋り方をするエヌ・トロピーは本作ではその口調なのだが、以降の作品では普通の喋り方にされている。))。 --シリーズ通してラスボスを務めていたコルテックスに関しても、ラスボス戦でクランチと共に一応登場するのだが、攻撃してくるのはクランチのみで、コルテックスは攻撃をしないばかりかクランチに投げ飛ばされたりと散々な有様である。 ---ステージ名が「たいけつ!ネオ・コルテックス」なのにこんな扱いって… -設定がブレている。 --パワーストーンを集めるという設定は共通しているが、前作はパワーストーンが現代に無いため時空を超えて集める必要があった。本作では何の脈絡もなしにパワーストーンを集めており、矛盾が生じている。とはいえこれはシリーズが続く都合上仕方のないことかもしれない。 ---先述した要塞ステージはコルテックスのロゴが記されている点から、彼のアジトの1つであると推察される。しかし、何のために存在し、なぜここにパワーストーンがあるのかが不明。一応コルテックスが先に入手してアジトに隠したと推察できなくはないが。 ---ステージ2はコルテックスが村に竜巻発生装置を設置したという設定なのだが、一体この村に何の恨みがあってこんな嫌がらせをしているのかの説明がない。 ---あげくステージ18では宇宙ステーションから地球を攻撃しようと目論んでおり、それを阻止するという魔神とは無関係のシナリオになっている。というか''世界征服の野望はどうした?'' --ココを攻略するステージで水面に落ちると溺れてしまうのだが、前作では水中に落ちても溺れるシーンは無い。 --ステージ16~20は風の魔神のテリトリーなのだが、風に因んだステージは皆無(強いていうならステージ20が空中要塞ということくらい)。せめて竜巻発生装置のステージをここに持ってくるという発想はなかったのだろうか。 ---そのうえ風の魔神のボス戦で使うのはなぜか雷攻撃だったりする。ラスボス戦でも電撃を使ってくるので、むしろ雷の魔神と称した方がしっくりくる。 ---- **総評 過去作までに培ってきたゲーム性は失っておらず、アクションゲームとしての完成度は決して低くはない。~ だが、前作までの完成度の高さからするとシリーズ作品として劣化してしまっているのは否めない。~ またPS2版のロード時間は致命的であり、本作の評価を下げた最大の要因となっている。~ もしプレイしたいのならロード時間が改善されているGC/Xb版のプレイをおすすめする。 ---- **余談 -本作のPS2版が他機種版と比べロード時間が長いのには理由がある。 本作の開発初期はロード時間中にミニゲームが挟まる予定であった。ミニゲームの内容はクラッシュを操作してりんごを集めるというシンプルなものでその時に集めたりんごはステージに引き継がれる。 しかしナムコがロード画面中のミニゲームに関する特許を取っており、コナミはナムコと法的措置を取りたくなかったためミニゲームを削除した。しかし一部のものは時間の都合上削除できず、そのためこのような長いロード時間となった。 PS2版よりあとに作られたゲームキューブ、XBOX、PS2後期生産版ではミニゲームに関するものが一層削除されており、PS2初期版よりもロード時間が短縮されている。 -本作以降クラッシュ・バンディクーシリーズの人気は低迷し始め、TVCMの放映がなくなるなど破綻気味となり、凋落の道を歩んでゆくことになる。 -本作より初登場の悪役・クランチは、真のEDで意外な結末を迎えることになり、以降は次作である『[[クラッシュ・バンディクー アドバンス]]』を除く全てのシリーズに登場している。 -本作唯一の攻略本は、''ステージマップが一切載っていない''という、[[初代>クラッシュ・バンディクー]]の攻略本以下の残念な物になってしまっている。 -本作で初登場した乗り物・CRカプセルのステージは、クラッシュシリーズの立ち上げ人、マーク・サーニー氏の出世作『[[マーブルマッドネス]]』がモチーフと思われる。 -Xb版のみクラッシュの毛がふさふさになっているグラフィックに変わっている。 -ロード画面が機種ごとに異なっている。 ---- **その後の展開 -本作の発売から19年後の2020年に『[[クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース]]』が発売された。 --これにより''日本語訳でのみ『4』が2種類存在する状態になってしまい、ややこしいことになってしまった。''日本では本作を『旧4』と、マルチバースを『新4』として区別してる。 --原語版ではナンバリングされていない、一方で『新4』の方は原語版でもナンバリングされている。 ---『3』もナンバリングはされていなかったが、タイトルロゴで「3」作目であることを強調している、そのため本作も『マルチバース』も『4』としてリリースされたのである。 --ローカライズにおいてコナミが勝手にナンバリングしてしまったという俗説が流れているが、詳細は不明。 ---とはいえゲーム性からして本作をナンバリングタイトルとして扱っていてもおかしくはない、当時の公式も20年近く経ってから『4』の名前を冠するタイトルがリリースされるなんて思いもしないだろう。 --公式では一応別の時間軸とのことだが、『マルチバース』が真の続編と銘打たれており、こちらは実質ほぼ黒歴史に近い扱いである。 ---ただし『とんでもマルチバース』では本作を意識したであろう「4つの仮面がキーポイントになるストーリー」やクランチに関するメモが存在するためちょっとしたフォローはされている。 ---また、2021年配信の『ブッとび!マルチワールド』では本作に登場した魔神や『5』に登場したニーナといったキャラクターがボスとして登場するため、無かったことにされている訳では無いようだ。
*クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー 【くらっしゅ ばんでぃくーふぉー さくれつ まじんぱわー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00005UF72)&amazon(B0000CGAF2)&amazon(B00006JJ7M)| |対応機種|プレイステーション2&br()Xbox&br()ニンテンドーゲームキューブ|~| |メディア|【PS2】CD-ROM&br()【Xb】DVD-ROM&br()【GC】8cm光ディスク|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|Travellers Tales|~| |発売日|【PS2】2001年12月20日&br()【Xb】2002年10月24日&br()【GC】2003年12月4日|~| |定価(税別)|【PS2】6,800円&br()【GC/Xb】4,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象((GC版で付与されたレーティングを記載。))|~| |廉価版|【PS2】PlayStation2 the Best&br() 2002年10月17日/2,800円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ゲーム性は従来通りの出来&br()PS2版はロード時間が長い&br()これまでと比べてもっさりアクション&br()''シリーズ凋落の始まり''|~| |>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気シリーズ『クラッシュ・バンディクー』シリーズの第4作目。PS2に進出した最初の作品である。~ 海外版のタイトルは『Crash Bandicoot Wrath of Cortex』であり、前作と同様にナンバリングは振られておらず、タイトルロゴ等にもシリーズ4作目であることを示すフォローはない。 ストーリー的な直接的繋がりはないが、ある程度意識されたストーリーにはなっている。PS2進出にして新体制による再出発作ということで仕切り直すような形になったと言えるか。~ 本作から日本の発売元がSCEからコナミとなった。開発元も『[[1>クラッシュ・バンディクー]]』『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!]]』『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』『[[レーシング>クラッシュ・バンディクー レーシング]]』を制作したノーティドッグではなく、後にレゴブロックの世界観を使ったビデオゲームシリーズ((『LEGO STAR WARS』や『LEGO BATMAN』等多数の作品がある))で知られるイギリスのトラベラーズテイルズへ変更となった。 開発会社が変わった経緯については[[こちら>クラッシュ・バンディクー#id_cc93a96b]]を参照。 ---- **ストーリー 過去3回にわたってネオ・コルテックスの世界征服の野望を阻止してきたクラッシュ。~ 失敗を重ねてウカウカにどやされたコルテックスはクラッシュを倒すため、自身が作り出した秘密兵器であるスーパーバンディクー「クランチ」を投入する。~ さらにこのクランチの力を存分に発揮すべく、ウカウカは強大な力を持つ4体の魔神たちの封印を解いてしまった。~ これを知ったクラッシュは再びコルテックスの野望を打ち砕くため、新たな冒険に立ち向かうのだった。 ---- **特徴 -ステージクリア方式など、基本的なシステムは『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』までと同じ。 --ステージはひみつのワープルームを含め全30ステージ。 --新たな乗り物が多数登場する。 ---前作では乗り物のステージでしか使用できなかったココも、単体でプレイヤーキャラとして使えるように。 -BGMは前作までのJosh Mancel氏から、Andy Blythe氏とMarten Joustra氏((彼らは作曲家コンビとして、関わるほぼ全作品で共作している。))に担当が変更。 ---- **評価点 -ゲーム性は『3』を踏襲しており、往年のシリーズのファンや初めてクラッシュをプレイする人まで楽しめる。 --今までのクラッシュのアクションも全て登場。加えて、ニトロ箱の上を爆発させずに歩くことができる「ソロソロあるき」が追加された。 --『3』にもあったレース面や水中面やシューティング面に加え、CRカプセルによる転がって進んでいくステージなどさらにステージの種類が増えた。 --ダイヤ集め、タイムアタック、ひみつのワープルームといったやりこみ要素は前作から変わっていない。 --シリーズ恒例の手前スクロールで逃げるステージも存在。前作より若干多く、追いかけるものも自然災害や動物だったりと異なる。 -これまでは出番が乗り物を使うステージ限定だったココが通常ステージでも使えるようになった。 -次世代機進出により画質のクオリティーは向上している。 --前作まで2Dアニメで描かれていたリンゴなどが3Dオブジェクトで描かれるようになった。 --一方でPS過去作である種写実性すら感じさせる程緻密に描き込まれたステージは、よりデフォルメの効いたカートゥーン風になっており、ここは好みが分かれる。 -ステージデザイン --水中ステージと研究所、ダンジョンステージ以外はステージデザインが全て異なっている。 --背景も繰り返しでは無く、スタート地点からゴール地点まで様々なオブジェクトを用いて作られている。地形や仕掛けも使い回しがかなり少なく、ステージごとの個性はかなり立っている。 ---例えばステージ1は、路地→スキー場→トンネル→湖と変化していく構成。 --ステージの構造にやや自由度が増しており、半分は乗り物で半分は通常アクションというステージも存在する。特に水中から通常アクションに移行するステージはかなり斬新。 -BGM --なんと''全ステージでBGMが異なっている。'' --従来のようなコミカルな曲がある中、シリアス路線を打ち出した曲が新鮮で、メロディ・アレンジ・楽器の使い方も上手く高品質。 ---例えば、ステージ4「すすめ!まほうのしろ」の音楽は、非常にコミカルなメロディと西洋の城の雰囲気にマッチした楽器が秀逸であり、気分が盛り上がる良曲。 ---ただしボーナスステージのBGMはステージの舞台ごとに固定。法則から外れているステージもある。 -『2』から続いている救済処置(一定回数死亡でアクアク付与)の要素は健在。ただし、?箱がC箱に代わる措置は無くなった。 -タイムアタックにアクアクを持ち込めるようになった。 -!ブロック(緑)が、遠いところのニトロ箱の爆風範囲内にある箱を壊してくれるようになった。これにより、パーフェクトに関係無いドクロ・ダイヤコースで、飛び移り用の箱や、アクアク箱・1up箱を設置したりできるようになったりとステージ設計に幅が広がった。 -プラチナトロフィーの規定タイムがエンディング前でも確認できるようになった。 ---- **賛否両論点 -ココが乗り物ステージ以外で使えるようになった。 --キャラ人気も高いので評価したいのだが、いかんせん使い勝手がクラッシュと比べて悪い。 --ココのアクションは「カンフーキック」「足払い」「ストンピング」「スピードシューズ」のみ。まともに使える攻撃方法は「カンフーキック」くらいで、クラッシュのダブルジャンプや竜巻スピンのように移動に有効なアクションに至っては皆無であり、クラッシュに比べると非常に扱いづらい。また、スピードシューズとスーパーボディプレス(ストンピングはボディプレスとほぼ同じアクション)以外のパワーアップ要素が追加されることもない。 ---ちなみに前述のココのアクションはココが「カンフー映画好き」という設定からなのだが、過去にそんな設定・イメージはなく、単体で使用させるために付け足した設定に思える((なお、『クラッシュバンディクーカーニバル』で登場した際はクラッシュと同じくスピンアタックを使用している。))。 ---一応限られたアクションの中でどう動くか、という点ではある意味アリなのかもしれない。終盤のココを徒歩で動かせるステージでは、良くも悪くもクラッシュ操作ステージと比べて難易度が上がっている。 ---余談だが、本作では津波に襲われたかと思えば次のステージでは雪崩に襲われるなど、何かと不運な子でもある。 ---- **問題点 -PS2版ではロードが多い上に長い。 --本作で''最も非難されている問題点''。ロード時には長い場合''20~30秒''ほど待たされる。しかも、ロードの機会もこれまでと比べ多く、ゲームテンポが悪い。通常使われるDVD-ROMではないためか? --過去のシリーズでロードがあっても、大体が10秒程度で殆ど気にならないぐらいだったのだが。 ---GC/Xb版では改善されているので、今からプレイする方はこちらを推奨する。 -キャストの変更 --なぜか今作以降キャストが変更されるようになった。また、操作時のクラッシュに山口勝平((今作では水の魔神の声も担当している。))の音声が使われていない。『[[2>クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!]]』でも山口氏の新録セリフが没になっていたが…。 --今作ではココの声優(池澤春菜→小暮英麻)が変更された。セリフは多くないのだが、やはり往年のファンから聞くと違和感を感じる。 --ただし、ココ以外のキャラの声優は変更されていないのが救いか。 -全体的に挙動がもっさりしている。 --ジャンプ・ハイジャンプ時には特にもっさり感が強い。ジャンプ直後から頂点までのスピードがほとんど変わらず、爽快感が薄い。 --『2』『3』の時にあったスライディング後の硬直をスピンアタックでキャンセルする小技が使えなくなっている。 ---この2つの改悪点はゲーム中の大半を占める動作のため、PS1の3作の様なキビキビとしたアクションは失われている。 --金網にぶら下がっての移動は前と比べ遅い。タイムアタックがあるのにこの仕様はイライラを募らせてしまう。 ---無敵時にスピードが上がるという仕様も存在しない。 ---金網下の穴は「アクアク所持状態でダメージを受けた時の無敵判定で一定時間駆け抜けられる」という謎の仕様があるのがタイムアタック時での救い。 --操作関係では無いが、文字やUIがもっさり、というよりかなりバタ臭く感じるものが多い。 ---影の陰影が激しいことも相まって、ビジュアル面はかえって劣化して見える場面も少なく無い。 -前作から不便になった要素 --''ボス戦にアクアクを連れていけない''。 ---地・風の魔神戦は特殊なボス戦なので仕方ないが、他のボス戦でも使えないのは初心者にかなり厳しい。 ---一応ボス自体は攻撃パターンが少なく、前の作品ほど強くないのが救いか。 --無敵状態が弱体化している。 ---前作よりも無敵時間は短くなり、当たり判定も弱体化しているため、いまいち爽快感が無い。 --リンゴバズーカが使いにくい。 ---リンゴバズーカの照準合わせが妙に厳しくなっており、微調整が必要。一応前作よりも射程は伸び、赤照準状態でも障害物を狙うことが可能になっているが。 ---リンゴバズーカでリンゴを狙うと消滅してしまう。 --ドクロコースの仕様変更 ---前作までにあった、1回ドクロコースに入れば通常コースでミスしても消えない仕様が消滅。 ---そのくせ前作にあったCブロックは本作では登場せず、再チャレンジする時は慎重になる必要ができた。 --C箱の仕様 ---本作ではC箱よりも先にある箱を壊してからC箱を壊しても、先に壊していておいた箱は復活してしまうという仕様がある。 ---前作までにはパーフェクトダイヤを狙う際にダイヤコースやひみつコースを回ったり通常ステージの逆走を求められることがあったが、この仕様により(?)本作ではそれは無くなっている。 ---分岐点があるCRカプセルステージでは、分岐先の箱を壊したあとにC箱を壊して保存しておくということができない。パーフェクト狙いの場合はミスするたびにいちいち分岐を回らないといけなくなってしまう。 --魔法研究員の魔法をスピンアタックで消せない。 ---『3』では消せたので、過去作経験者には初見殺しになっている。おまけにクラッシュやココで前に進んでも追尾してくるので避けるのが妙に難しくなった。 ---余談ではあるが、『3』ではリンゴバズーカで撃つと1回では倒せず代わりに服が脱げるシーンが見れたが、今作は普通に倒せてしまう。 -BGM --ステージでのBGMにリピートがない。 ---BGMが終わると''明らかに数秒間が開いた後に''再び最初から再生されることの繰り返しとなるため、違和感を覚えやすい。 --ドクロコース・ダイヤコースに突入してもBGMが変わらず、緊張感がいまいち出ない。 --曲自体は悪くないのだが、開発元が違うからかそれまでと比べ明らかに''BGMの雰囲気が浮いている''。 -ステージのバランスが悪い。 --全体的に見てもステージ1からいきなり雪山のステージ。構成も滑る床に爆弾箱、ニトロ箱と一通りの仕掛けをそろえている上、アクアクによるアクション要素の解説もない(というか、今作ではアクアクのヒント自体がほとんど存在しない((一方でアクアクの同じヒントが繰り返されるという問題点もある。)))ため、これまでのシリーズに比べ初心者に厳しい。にも拘らず、ノーミスで来ると進めるドクロステージが''ステージの終盤''に登場している。チュートリアルを兼ねるべきステージ1に相応しくない構成だろう。 ---そしてステージ2という序盤でいきなり戦闘機「CRグライダー」に乗ってのシューティングステージになる((ただし、シューティングステージの難易度は『3』に比べると大幅に下がっている。))。 //---『2』『3』と同様に難しいステージを後回しにしたいところだが、ステージ3は乗り物の「CRカプセル」、ステージ4は中盤で恐竜に追いかけられ、ステージ5でも前半が乗り物のトロッコという有様、操作性に慣れる機会があまり無い。トレーニングはワープルームでしろということだろうか。 //2と3も雪山(2のみ)、乗り物、追いかけられがステージ1~5に揃っているからこの構成に問題があるとは言いにくいと思う。 --一方で、後半のステージである20と22は後半にしては妙に楽だったりと、各ステージの難易度がバラバラ。 ---ただステージ22はシリーズ屈指のロングステージで、「地上→金網→乗り物→地上→金網→地上」の繰り返し、先述通り金網の速度も遅いのでかなりダレやすい。 --ステージごとの統一性もなく、前作のような「アラビアステージ」「古代ステージ」のようなカテゴリ分けがされていない((ちなみにステージ11はクラッシュが、ステージ26はココが同じ構成のステージを攻略する物になっている。))。 ---全体的に要塞チックなステージが多く((ステージ30以外の5の倍数のステージは、全て要塞のような構成になっている。))、出現する敵も研究員、装甲兵、ロボットと似たような面子ばかり。 --ステージ12の青ダイヤコースは事前に緑!ブロックを叩いてしまうと、''向こう側へ渡るための足場がなくなってゴール不可能''になってしまう、いわゆる「''詰み''」となる構造となっている。 ---コースの後半では、ニトロ箱の上に普通の木箱が乗った2段重ねの箱が空中に立ち並んでおり、1回限りのチャンスでこれを足場にしながら奥に進む構造になっている。そのため、先に緑!ブロックを叩いてコースの全てのニトロ箱を壊してしまうと、''ニトロ箱もろとも木箱も壊れてしまうので、先に進むことができず、クリアが不可能になってしまう''。初見でこうなると、なぜ先に足場が存在しないのかさえも分からなくなる。 ---これはダイヤコース・ドクロコースに壊さなければならない箱を用意しないことで「隠しコースを通り、かつ通常ルートを逆走をしないと箱を全部壊せない仕様」を改善するための配慮だと思われる((2の頃はドクロコースをクリア後に逆走をする必要があり、箱を全部壊して手に入るダイヤの難易度がかなり高い問題点があった。))。問題なのは緑!ブロックがある場所にダイヤコースの足場を配置してしまったこと、もしくは1回きりで壊れる足場に箱を使い回してしまったことだろう。 -水中ステージがダルい。 --今作にも水中ステージがあるが、全体的に長く、上下に広いうえに、薄暗くて柱や海藻が多いため視界が悪い。 --さらに、画面上空から速いスピードで落下してくる機雷の数が異常なほど多い((かなりの頻度で仕掛けられており、素通りしようとするとほぼ確実に食らってしまうため、落下地点直前で待たなければならない。))。海藻や岩で隠れていたり、視界外から降ってくることも多く非常にめんどくさい。 --左右に高速移動する敵や、上下に移動する魚、クラッシュの動きに合わせて上下に移動するダイバーの敵もいるので、一気に進むのが危険な状況になっている。 ---なぜか敵との当たり判定が少しズレていて、当たる寸前にスピンを押したら死ぬ、明らかに触れているのに避けられるなどの光景が多発している。 --しかもステージの半分はサブマリンに乗って進まなければならなく、この状態でも攻撃を食らったら1ミス扱いになるのでテンポが悪い(前作では乗り物が破壊されるだけだった)。このため、常に敵や機雷を警戒して長いステージを慎重に進まなければならないためにストレスがたまる。タイムアタックではイライラすること間違いなし。 ---利点を挙げるなら、サブマリンは前作のディープアップルと違い下方向にも爆弾で攻撃できる点と、水中ステージでも竜巻スピンアタックができて一気に移動できるということ。ただしサブマリンに乗っている間は当然ながらスピンアタックは使えない。 -視認性が悪いステージが多い。 --そのうえ箱がオレンジ色から茶色に変更されたため、背景に紛れて気づかず取り逃がしてしまいがち。 --おまけに水中やCRカプセルなど視点が遠いステージでは、箱の種類を判別しにくい。特に緑!ブロックが黄緑色からニトロ箱と同じ緑色に変更されたため紛らわしい。 --ステージ21と22にはドクロコースがあるが、足場が出現している状態だと初見ではそこに足場があることに気づきにくい。 --ステージ24は火の玉に追っかけられているという設定なのだが、どちらかというと黄色いガスに追いかけられているようにしか見えず、単純に画面が見にくいうえにどこまで接近されているのかが非常に分かりづらい。 --カメラワークが悪い場面も多々あり、距離感が分かりにくかったり真っ直ぐ前を見ることができなかったりする様なことが多々ある。 -ステージ内の「違和感」に到達しても何も無い。 --前作まではステージ内に「違和感」というか「おかしなモノ」があり、それが隠しステージの入り口だった。 ---例えばそれは、階段状に積み上げられた弾まないニトロ箱・ゴール直前の大ジャンプ中に一瞬だけ見える足場・パパ熊が落ちた穴の底に僅かに見える足場・1つだけ絵柄が違う道路標識など。 --今作にもそういったいかにも何かありそうな「違和感」はあり、到達するには往々にしてシビアな操作を求められる。 ---しかし、苦労してたどり着いても何も無いことが多く、肩透かしを食らう場面が非常に多い。と言うか、実のところ''本作にそういった隠しコース・ステージは1つもない。'' ---隠しステージは前作にもあったトロフィーの獲得数で入れるステージのみ。カラーダイヤも全てドクロコースで手に入るだけ。隠しダイヤもカラーダイヤや隠しコース以外で手に入れるものは1つしか存在しない。 -乗り物の使い勝手が悪い。 --CRサブマリンは前述したステージ構成の中をゆっくり動くのでスムーズに進めない。前作のディープアップルのような加速機能も付いていない。魚雷を発射できるが、肝心の機雷は隠れていることが多く、事前に破壊できないことも。また、上方向への攻撃は一切できない。 ---そもそもの話として、使用しているステージはどれもサブマリンを使わなければならないような場面になっているとは言い難く、乗る必要性に疑問符が付く。 --CRカプセルは球体を転がすという特性上好みが分かれやすい。 ---4ステージ+ボスステージと乗り物の中では一番多く割り当てられている。 ---思いっきり転がせる場所はそこまで多くなく、猛スピードで突っ込んだ結果落下する場面も多い。迷路になっていることが殆どなので、初見では道に迷いやすくストレスが溜まる。 ---敵の数は少ない方だが、この種のステージではアクアクを連れてくることが出来ないので、ノーミスでクリアしなければならない。 ---CRカプセルステージは他に比べてプラチナタイムがかなり厳しく、ほんの少しのミスで負けるほど。前述の通りアクアク無しでクリアしなければならないで難易度が高い。 ---ちなみにこちらに至ってもわざわざカプセルに入って進まなければならない理由はこれと言ってない。ステージが広いから移動は楽かもしれないが、普通に冒険する方が遥かに安全性が高い。 --CRバギーに乗るレーシングステージが存在するが、なぜか3のように穴に落ちたら落ちたそばからやり直しにならず、1ミス扱いになり最初からやり直しになる。 ---グリップ性能が悪く、当たり判定も大きくないので徐行運転していても箱を取り逃してしまいやすい。ミスしやすいのがかえって救いになってしまっている。 ---またタイムアタックでは1位にならないとタイムの判定をしてもらえない仕様であるため、前作で使えた「先に対戦相手を全員ゴールさせ、邪魔者がいない状態でスタートする」という小技が使えなくなっている。 --CRバタフライはCRグライダーと同様の飛行マシンで、武器が機銃からホーミングミサイルに変更されている。しかしこのホーミングミサイルの性能が悪く、敵が多いにもかかわらず敵一体に照準を合わせるのにいちいち時間がかかる上、狙いを付けたくない敵に照準を合わせてしまったりすることもある。初見ではミサイルを撃つ方法が分からず、戸惑うこと必至。 ---さらに、CRグライダーとは異なり気球の付いた箱はホーミングミサイルでは破壊できず、体当たりしないと破壊できない。ダイヤを狙う際は全ての気球にいちいち体当たりしなければならず、面倒なことこの上ない。 ---この乗り物を使うのはステージ9の1つだけだが、正直CRグライダーと分ける必要性があまり感じられない。 --CRジャイロは『2』のジェットパックとまんま同じだが、これに乗るステージ15はとにかく奥の距離感が掴みにくく、ミスが多発する。 ---前作同様のリングをくぐっていくステージもあるが、前作のような爽快感は全く無い。 --CRローダーというロボットを操縦するステージもあるが、動き、特にジャンプにモッサリ感が強い((立ち止まっている状態からジャンプするときは一瞬動きが止まってしまう。))。攻撃動作のリンゴバズーカも慣性がついて照準を合わせることが困難で使い辛い((ただし、着弾時の波紋で若干攻撃範囲が広い))。スピンアタック、2段ジャンプなどのアクションが使えず、食らったら1発アウトな点は変わらないので、重りをつけた状態で操作しているような不自由さを感じる。加速も出来ないのでタイムアタックではクリアまでに時間がかかってしまう。ボス戦以外ではわざわざ乗る必要性に疑問が浮かぶ。 --ココファイターによるシューティングステージでは宇宙ステーションを破壊するミッションを与えられるが、なぜかこの宇宙ステーションにぶつかると物凄い勢いで変な方向に弾き飛ばされ、数秒間動けなくなるうえに自分の居場所が分からなくなってしまう。見た目以上に当たり判定が広いので、運が悪いと連続でぶつかることもある。適度に距離を取って攻撃しないとタイムロスに繋がるので、タイムアタックではイライラさせられる。 --シリーズ恒例の背後から何かが迫ってくるいわゆる「追っかけられステージ」が5つと今までよりも多いが、最初のステージ以外は何かしらの乗り物に乗っている。 ---そのうちの3つは乗り物で加速し続けないとすぐ追いつかれる仕様になっている。もちろん操作方法に対してのフォローはなく((取扱説明書に書いてあるのみ。))、初見だと何故追いつかれて死ぬのかがわからない。 ---最後のステージに至っては先のCRローダーに乗っている時に襲われる。どう考えても降りた方が早く逃げられそうなので、降りろと突っ込みたくなったプレイヤーも多いはず。しかもこのステージではリンゴバズーカが使えるので、CRローダーが役立つ場面は皆無で存在意義が不明。 ---同じ乗り物に乗って戦うゲームに[[サルゲッチュ]]があるが、あちらは乗り物の攻撃でないと破壊出来ない壁や倒せない敵が存在しており、かつ任意に乗り換えが可能になっている。こちらはそれすら無いため、乗り物を操作する楽しさよりも煩わしさの方が勝ってしまっている。 --一部ステージではトロッコで進んでいくが、アクアクを連れていると露骨に視界妨害をしてくる。とはいえこれ専用の高難度コースもあるので、連れて行かないと厳しかったりする。 -新アクション「ソロソロあるき」の存在意義が薄い。 --移動速度が落ちる代わりにニトロ箱の上を歩けるようになるパワーアップアクションなのだが、他の足場から地続きとなっている場所しか使い道が無く、さらにそのような場所もゲーム中にあまり登場しない。アクション入手直後のボーナスステージで何度か出てくる程度。 ---ボタンをしっかりと押さないと、歩いている最中にニトロ箱が爆発するという事故が多発してしまうため、使い勝手が悪い。 --奥へ奥へと駆け抜けていく本シリーズにおいて、ゆっくり慎重に進むというある種アクションのスパイスとして働いたような気がしないでもないが、スライディング→ダブルジャンプ→竜巻スピンアタックでニトロ箱ごとやり過ごした方が時間がかからない為、それらのアクションを覚えた後はそちらを使った方が早い。 ---ただし、ステージ25の隠しステージのニトロ箱で出来た橋のようにどうしても使わざるを得ない場面も一応は出てくるが、ここまで来ると面倒な作業でしかない。と思いきや''リンゴバズーカで橋を破壊すれば''やはりスライディング→ダブルジャンプ→竜巻スピンアタックで突破出来てしまう… --ちなみに前作にも存在した「スーパーボディプレス」はなぜかステージ8の赤ダイヤステージに用意されている。 ---『3』と違って一定の距離を取るとニトロ箱をノーダメージで破壊できる利点があるが、赤ダイヤが後半のステージ21にある上に、その時点で「リンゴバズーカ」を習得しているため使い道がない。 ---前述にある通りココも習得できるが、なぜかココの場合だとニトロ箱をノーダメージで壊すことができない。この時点でココを操作して徒歩で攻略するステージは残り1つしかない上に、そのステージに配置されているニトロ箱は避けやすい・無理に壊す必要が全くないものばかりではあるが…。 -敵やトラップにやられた時のリアクションが少ない。 --ステージ・ギミック・敵の量と比較しても、普通に倒れる((『1』でのみ使われた黒背景の演出を踏襲している。))・幽霊になって昇天・身体の消滅が大半を占めており、凍る・黒コゲ・身体を真っ二つにされて下半身だけ歩き出すなどの面白いリアクションはごく一部のステージのみとかなり少ない。 ---フラスコ、ガス、レーザーを使う研究員がやたら出て来るが、やられモーションに面白みがない上にどれも同じなのは手抜きとしか言いがない。 ---機械の乗り物系は全部クラッシュが消滅し、機械がバラバラに崩れて終わるだけ。 ---水中ステージもやたら敵が多いが、殆どが潜水器具を残してクラッシュが消滅するだけ。 ---前述の通りココが普通のステージでも操作できるようになったが、こちらも死亡パターンはその場で目を回して倒れる、昇天する、溺れるくらいしかない。 --これまでの作品では死亡時のモーションが豊富で面白いパターンも多かったため、死亡パターンが減ったのは残念な点である。 -古参のボスキャラの扱いが酷い。 --各ステージのボスは全て魔神の力を借りたクランチであり、古参のボスキャラと戦う機会はない。 --古参のボスキャラからはエヌ・ジン、エヌ・トロピー、タイニータイガー、ディンゴダイルが登場しているのだが、特定のステージでレースの対戦相手やお邪魔キャラ、敵キャラとして登場するのみ。 ---タイニータイガー、ディンゴダイルはOPムービー・ステージに登場しているものの、セリフが一切存在しない。また、エヌ・ジンとエヌ・トロピーはOPムービーとステージで登場し、セリフはあるのだが、OPムービーで一言のみ((なお、エヌ・トロピーの声優である池田勝氏は風の魔神の声優も担当している。))と、どれも扱いが酷い。なお、エヌ・ジンはキャストは同じではあるが何故か従来の侍口調ではなくなり、違和感がある((一人称が「私」で、コルテックスを「あんた」呼ばわりするなど。))((同じく独特の喋り方をするエヌ・トロピーは本作ではその口調なのだが、以降の作品では普通の喋り方にされている。))。 --シリーズ通してラスボスを務めていたコルテックスに関しても、ラスボス戦でクランチと共に一応登場するのだが、攻撃してくるのはクランチのみで、コルテックスは攻撃をしないばかりかクランチに投げ飛ばされたりと散々な有様である。 ---ステージ名が「たいけつ!ネオ・コルテックス」なのにこんな扱いって… -設定がブレている。 --パワーストーンを集めるという設定は共通しているが、前作はパワーストーンが現代に無いため時空を超えて集める必要があった。本作では何の脈絡もなしにパワーストーンを集めており、矛盾が生じている。とはいえこれはシリーズが続く都合上仕方のないことかもしれない。 ---先述した要塞ステージはコルテックスのロゴが記されている点から、彼のアジトの1つであると推察される。しかし、何のために存在し、なぜここにパワーストーンがあるのかが不明。一応コルテックスが先に入手してアジトに隠したと推察できなくはないが。 ---ステージ2はコルテックスが村に竜巻発生装置を設置したという設定なのだが、一体この村に何の恨みがあってこんな嫌がらせをしているのかの説明がない。 ---あげくステージ18では宇宙ステーションから地球を攻撃しようと目論んでおり、それを阻止するという魔神とは無関係のシナリオになっている。というか''世界征服の野望はどうした?'' --ココを攻略するステージで水面に落ちると溺れてしまうのだが、前作では水中に落ちても溺れるシーンは無い。 --ワープルームの各エリアのデザインは戦う魔神に合わせたものになっているのだが、魔神の属性とエリア内のステージが合っていない。 ---炎の魔神のエリアに水属性のステージや雪山のステージが配置されていたり、無関係なところで火山のステージが出たりしている。ステージ16~20は背景が雪なのに雪原ステージは1つしかない。そもそもこのエリアは風の魔神のテリトリーなのだが、風に因んだステージは皆無(強いていうならステージ20が空中要塞ということくらい)となっている。せめて竜巻発生装置のステージをここに持ってくるという発想はなかったのだろうか。 ---そのうえ風の魔神のボス戦で使うのはなぜか雷攻撃だったりする。ラスボス戦でも電撃を使ってくるので、むしろ雷の魔神と称した方がしっくりくる。 ---- **総評 過去作までに培ってきたゲーム性は失っておらず、アクションゲームとしての完成度は決して低くはない。~ だが、前作までの完成度の高さからするとシリーズ作品として劣化してしまっているのは否めない。~ またPS2版のロード時間は致命的であり、本作の評価を下げた最大の要因となっている。~ もしプレイしたいのならロード時間が改善されているGC/Xb版のプレイをおすすめする。 ---- **余談 -本作のPS2版が他機種版と比べロード時間が長いのには理由がある。 本作の開発初期はロード時間中にミニゲームが挟まる予定であった。ミニゲームの内容はクラッシュを操作してりんごを集めるというシンプルなものでその時に集めたりんごはステージに引き継がれる。 しかしナムコがロード画面中のミニゲームに関する特許を取っており、コナミはナムコと法的措置を取りたくなかったためミニゲームを削除した。しかし一部のものは時間の都合上削除できず、そのためこのような長いロード時間となった。 PS2版よりあとに作られたゲームキューブ、XBOX、PS2後期生産版ではミニゲームに関するものが一層削除されており、PS2初期版よりもロード時間が短縮されている。 -本作以降クラッシュ・バンディクーシリーズの人気は低迷し始め、TVCMの放映がなくなるなど破綻気味となり、凋落の道を歩んでゆくことになる。 -本作より初登場の悪役・クランチは、真のEDで意外な結末を迎えることになり、以降は次作である『[[クラッシュ・バンディクー アドバンス]]』を除く全てのシリーズに登場している。 -本作唯一の攻略本は、''ステージマップが一切載っていない''という、[[初代>クラッシュ・バンディクー]]の攻略本以下の残念な物になってしまっている。 -本作で初登場した乗り物・CRカプセルのステージは、クラッシュシリーズの立ち上げ人、マーク・サーニー氏の出世作『[[マーブルマッドネス]]』がモチーフと思われる。 -Xb版のみクラッシュの毛がふさふさになっているグラフィックに変わっている。 -ロード画面が機種ごとに異なっている。 ---- **その後の展開 -本作の発売から19年後の2020年に『[[クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース]]』が発売された。 --これにより''日本語訳でのみ『4』が2種類存在する状態になってしまい、ややこしいことになってしまった。''日本では本作を『旧4』と、マルチバースを『新4』として区別してる。 --原語版ではナンバリングされていない、一方で『新4』の方は原語版でもナンバリングされている。 ---『3』もナンバリングはされていなかったが、タイトルロゴで「3」作目であることを強調している、そのため本作も『マルチバース』も『4』としてリリースされたのである。 --ローカライズにおいてコナミが勝手にナンバリングしてしまったという俗説が流れているが、詳細は不明。 ---とはいえゲーム性からして本作をナンバリングタイトルとして扱っていてもおかしくはない、当時の公式も20年近く経ってから『4』の名前を冠するタイトルがリリースされるなんて思いもしないだろう。 --公式では一応別の時間軸とのことだが、『マルチバース』が真の続編と銘打たれており、こちらは実質ほぼ黒歴史に近い扱いである。 ---ただし『とんでもマルチバース』では本作を意識したであろう「4つの仮面がキーポイントになるストーリー」やクランチに関するメモが存在するためちょっとしたフォローはされている。 ---また、2021年配信の『ブッとび!マルチワールド』では本作に登場した魔神や『5』に登場したニーナといったキャラクターがボスとして登場するため、無かったことにされている訳では無いようだ。

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