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F.E.A.R. 2: Project Origin」(2022/07/30 (土) 17:00:23) の最新版変更点

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Interactive Entertainment|~|~| |原語版開発元|Monolith Productions|~|~| |日本語版発売・開発元|サイバーフロント|~|~| |発売日|2009年2月10日(日本語版:2009年8月27日)|~|~| |定価|7,665円(税込)|~|~| |配信|【Win】1,480円(Steam) / $14.99(GOG.com)|~|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|AIが劣化&br()ホラーがお化け屋敷的な直球ビックリ系へ転換&br()日本語家庭機版限定でグロ要素の過剰な削除&br()難易度は万人向け|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''もう、彼女からは逃れられない。''} }} ~ ---- **あらすじ #region(長いので縮小) アーマカム・テクノロジー・コーポレーション(ATC)の女社長で「プロジェクト・オリジン」((前作で反乱を起こしたクローン兵に関する秘密計画のこと。クローン兵の指揮官であるパクストン・フェッテルもこの計画に関わった人物の1人。))の中心人物でもある、ジュヌビエーヴ・アリスティド。~ 彼女の身柄を保護するため、デルタフォースの一員でもあるマイケル・ベケットはケイラ・ストークス中尉率いる特殊部隊のメンバーとともに彼女の屋敷に向かっていた((時系列上では前作のEDの30分前の出来事。))。~ だが、ベケットたちが現場に到着後、彼女を快く思わないATCの幹部たちが雇った武装集団により屋敷は既に襲撃されており、やむを得ずベケットたちは武装集団と交戦状態になってしまう。~ 戦闘のさなか、ベケットは偶然にもアルマの幻影を見る。そして、アリスティドの身柄を保護した矢先、Point-Man((前作の主人公。))がプロジェクト・オリジンの施設にあった反応炉を爆破。大規模な爆発が起き、巻き込まれたベケットは意識を失う。~ 朦朧とする意識のなか、ベケットは「手術台に乗せられて、何かの手術を受けているようだが、化け物のような姿をした何かに内臓をひっかき回される」という幻覚に苦しめられ、再び意識を失う。~ 彼が再び目覚めたのは病院の地下深くにあるとある病室のベッドの上。彼以外に患者はおらず、辺りを見回すと病室内は荒れ放題であった。~ 目覚めるや否や部隊長であるストークス中尉からグリフィンとベケット以外の安否が確認できないとの無線連絡が入る。~ 同時に「スネークフィスト」と名乗る謎の人物が通信回線をハッキングし病院が破壊されることをベケットに伝える。~ その後、ストークス中尉ら生き残った特殊部隊メンバーと合流し、病院から脱出を試みるベケットたちだが、ATCの私設掃討部隊が目の前に立ちはだかった。~ 交戦の末、辛うじて脱出できた彼等は破壊された街中を進む。次々と起こる怪奇現象、レプリカ兵士との交戦、そして「ハービンジャー計画」の謎、スネークフィストの正体、アルマの行動、アリスティドの思惑などが交錯する中でベケットは…。 #endregion ---- **概要 ジャパニーズホラー要素をフィーチャーした他、賢く手強いだけではなく人間臭い動きをするAI兵士との銃撃戦が人気を博したホラーFPSの続編。~ ホラーFPSだがよくあるモンスターとの闘いを中心に置いたものではなく、ステージの雰囲気や演出、敵の出現の仕方を工夫するというアプローチ。~ また、時々唐突に挿入される幻覚がホラー感を強めている。 システムは一般的なFPS。武器は前作より1つ増え四種類まで携帯可能。その他にグレネードもある。~ また一部のステージではロボットに搭乗可能。近接戦闘が充実しているのも前作と同様。~ プレイヤーには前作同様"Slow-Mo"という能力があり、使用すると周囲が遅くなり相対的に速く撃てるようになる。もちろん制限なく使える訳ではない。 前作は2005年にリリースされたPCゲームの中でもトップクラスの名作であり、現在までに渡って高い評価を得ており、別会社制作ではあるが拡張パックが2本リリースされている。~ その人気から2006年にはPS3/360に移植され、こちらも高い評価を得た((ちなみにCS機の移植は『F.E.A.R. 3』のメイン開発を担当しているDay1 Studios。))。前作発売の1年前にデベロッパーのMonolith Productionsがワーナーの傘下に入ったため、今作からパブリッシャーがワーナーへと移っている((前作は開発中からSierra Entertainment及びVivendi Universal Gamesと販売契約を結んでいた関係で同社がパブリッシャーとなっている。))。 ***前作の概要 アーマカム・テクノロジー・コーポレーション(ATC)が研究開発を進めるクローン兵士大隊をテレパシー能力により運用する指揮官パクストン・フェッテルがATC施設の職員達を殺害、クローン大隊を起動し反乱を起こす。事件発生の丁度一週間前に配属されたばかりの主人公((名前は特に無く、「先陣を切る者」を意味する「Point-Man」という設定。))を含むF.E.A.R.(First Encounter Assault Recon、超自然現象鎭圧部隊)チームがフェッテルを追うが、主人公の前には謎の少女アルマの亡霊(?)が度々現れ…。 ---- **評価点 -(前作と比較しなければ)FPSを初めてプレイする人でも安心の万人受け調整。 -丁寧なグラフィック。同僚の女性隊員の顔が日本人でも違和感なく受け入れられる。 -前作のマップは同じような光景が続き、迷路の様だと揶揄される事もあったが、本作では企業ビルや病院、小学校等ステージ構成にバリエーションが増えた。 --質は高いながらもほぼ兵士と撃ち合う内容がほとんどであった前作に比べ、敵の種類が増加。加えて装甲車に乗っての機銃モード、パワードスーツに乗り込んでの圧倒的な掃討、ボス戦的シチュエーションがある等、構成がよりゲーム的になりメリハリをつけようとする工夫が見られる。 -味方NPCに名前が出るようになり、ハッキリわかるようになった。 --前作では特にDLCで味方であるデルタフォースと敵兵との視覚的区別がつけづらく、フレンドリーファイアも通ったため誤射してしまうことがあった。 --またイベントシーンでも(声優が同じなため)クローン兵に圧倒される味方軍なのか、それとも第三勢力がクローン兵を攻撃しているのかわかりづらかった。 ---- **問題点 -前作の最大の特徴でもあった「敵AI」「ジャパニーズホラー要素」が共に大きく減退。 -開発者の紹介によれば「AIは常に複数のプランを条件として持ち、比較検討した結果、最も有効と判定された行動を実行する」というが…。 --複数の進行ルートを敵も活用し、部隊を分けて挟撃を仕掛けてくる。 --分が悪くなると逃げ出し、体勢を立て直そうとする。 --不用意に身を晒さず、角の向こうで長時間の待ち伏せを「リアルタイムで」思考し実行する。 -実際には上記のように賢く人間臭いAIが全くと言っていいほど無くなっており、ひたすら前方からワラワラ現れてはこちらに突進してくるばかり。時折、遮蔽物に隠れたかと思うと、頭や体の一部分を晒したままであったりする。 -前作では家庭用版にも「リーン(上半身を傾けて角から覗き込む動作)」が採用され、コントローラーではやや操作し辛いとしても概ね受け入れられていたのに、本作では何を思ったのかリーンそのものを削除。 --そのため、全身を晒しながら真正面から撃ち合わねばならなくなった。その代わり前作でも敵が使っていた、マップ中のテーブルなどのオブジェクトで遮蔽物を作るのを、本作ではプレイヤーも「オブジェクトを倒して遮蔽物として使える!」とされていたのだが…。 --オブジェクトを引き倒す動作がもっさりしているので動作中に撃たれる。それ以前に壁や柱や大型の瓦礫などが沢山あり、弾幕の中を突っ込んでわざわざカバーを作る必要がないなど、存在意義が分からない機能となっている。 -体力は自動回復制にすると発表していたが、開発途中で前作と同様のヘルス式に戻すと発表。コアゲーマーはほっと胸をなで下ろした…かに見えたのだが、蓋を開けてみれば交戦しそうな場所には必ずと言っていいほどメディキットとアーマーが山盛りに配置してある他、倒した敵も携帯できないメディパックを落とす事があり、至れり尽くせりの過剰回復仕様。FPSに慣れたプレイヤーなら終盤まで死ぬ要素が無いとまで言われる有様である。 -任意セーブが廃止され、オートセーブのみになったのも不評。 --前作は任意セーブ、自動セーブ、チャプターセーブと3種類のセーブデータを持っており、好きなデータをロードできた。 --例えば戦闘中に数人倒した時点でセーブして、死亡後の再挑戦までの時間を減らしたり、戦闘前のデータをロードして武器選択からやり直したり融通が利いたのだが、今作では出来なくなった。 --分岐路でオートセーブが入った時にいったん戻ってアイテムを回収した場合も、新たにセーブされないのでリスタートの度に拾いなおす羽目になる。 -武器を捨てることができなくなり、残弾が無くなったり不要になった武器も持ち歩かなくてはならなくなった。 --持ち替えてしまった場合に、短いとはいえ一々モーションを挟むのでストレスになる。持ち替えなければいいといえばそうだが、戦闘中などの緊迫した状況で誤入力が全く起こらないとは言い切れない。 --持っていなければ持ち替えモーションは発生しない。 -エンディングがバッドエンドのような終わり方なのも不評。マルチエンディングではない。次回作への「引き」なのかもしれないが、あれだけ走り回って苦労してラスボスも倒したのに報われない。 -また前作の、何かが思わせ振りに視界に一瞬映ったり、階段を降りようと視界を変えた瞬間にアルマが見えたり、誰かの囁き声が聞こえるといったジャパニーズホラー要素がほとんど無くなり、典型的な視界不良の場面からクリーチャーが大写しで現れて襲い掛かってくるといったものが増えて雰囲気が変わってしまった。 -オリジナル版では道ばたに凄惨な死体が有ったりするのだが、日本語版ではバッサリカット。他にも「敵を倒した瞬間にパッと消えてなくなる」「あるイベントで登場キャラクタが首チ○○パされるシーンを全カット」等々。本作はレーティングがCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)にも拘わらず、厳しい表現規制がされている。 ---- **総評 洋ゲーでありながら雰囲気や演出で怖がらせるジャパニーズホラーの要素を上手く取り込み高い評価を得た前作とは打って変わり、本作では典型的な海外ホラーゲームへと成り下がってしまった。~ それに加え高度なAIは劣化し、日本語版に限ってはCOLOR(red){''CERO:Z''}でありながら雰囲気を損ねるほどの規制がなされている始末である。 とはいえ、本作単体で見れば平均的なFPSであり、初心者でも取っ付きやすい作品となっている。~ Win版は日本語且つ無修正なので、前作から劣化したゲーム要素が気にならず、対応するスペックのPCを所持している人はWin版の購入を検討してみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -元々、本作はユーザーからの一般公募によって選ばれた「Project Origin」というタイトルだった。その理由は『F.E.A.R.』の商標権を前作のパブリッシャーだったVivendi Universal Gamesが所有していたことから、この続編に「F.E.A.R.」の名前を使う事が出来なかった。 --だが、最終的にはVivendi Universal Gamesと合併したActivision Blizzardから商標権を買い取り、「当初のタイトルをサブタイトルとして付ける」という形で決着している。 -2009年9月には有料DLCとして「F.E.A.R. 2 Reborn」がリリースされている。こちらはボリュームが本編よりもかなり短い、''別人物の視点で展開される『F.E.A.R. 2』''という短編スピンオフである。 --プレイヤーはATCによって生み出されたレプリカ兵の1人「Foxtrot 813」となり、前作で登場したレプリカ部隊の指揮官であるフェッテルの声に導かれ、味方であったはずのレプリカ兵たちと戦うことになるというのが主な内容。 -Win版はDRMにSteamworksを使用しているため、パッケージ版であってもプレイ/認証にはSteamクライアント及びSteamアカウントが必要な点に注意。 -現在はSteamやGOG.comでDL配信されているため入手自体は容易だが日本語ローカライズはされていない。自己責任になるが有志による日本語化MODがあるので日本語表記でのプレイを所望するならそちらを利用する方法もある。 --2020年現在、GOG.comで配信されているものは本編とDLCの同梱版でかつDRMフリー。Steamでは本編が単体で配信されているものの、DLCの方は『F.E.A.R.』シリーズ全作と拡張パック/DLCがセットになった『F.E.A.R. Complete Pack』を購入しないと入手できなくなっている((1作目も本編は単体配信されているが拡張パックは前述のコンプリートパックを購入する以外の方法では入手できない。))。 ---- **その後の展開 -シリーズ最終作『F.E.A.R. 3((タイトルロゴの表記は『F.3.A.R.』となっている。))』が2011年7月21日に発売された。開発はMonolith ProductionsからDay 1 Studiosに変更されている。 --しかし『3』ではCS版はおろかWin日本語版にも表現規制が掛かっており、''本作より状況が悪化している。''幸いにもCS版は海外版に日本語が収録されており、Win版は購入方法によって無修正かつ日本語でのプレイが可能という抜け道がある。 --一方で本作まで開発担当だったMonolith Productionsはというと、映画『ロード・オブ・ザ・リング』と世界観を共有するアクションRPG『シャドウ・オブ・モルドール』と、その続編『シャドウ・オブ・ウォー』を開発しヒットさせている。 ---ちなみに、現在のMonolith Productionsは[[DCコミック>バットマンシリーズ]]の女性ヒーローを主人公としたゲーム『Wonder Woman』を開発している。
「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。ストーリーや総評を加筆できる方は修正をお願いします。 //とりあえず要強化は脱したとみなされ、以後は修正依頼での対応待ちとします。18/3/3 ---- *F.E.A.R. 2: Project Origin 【ふぃあー つー ぷろじぇくと おりじん】 |ジャンル|FPS|CENTER:&amazon(B0029U2C3C)&amazon(B0029U2C4G)|&amazon(B002GEKFA8)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360&br()Windows(要Steamアカウント及びクライアント)|~|~| |原語版発売元|Warner Bros. Interactive Entertainment|~|~| |原語版開発元|Monolith Productions|~|~| |日本語版発売・開発元|サイバーフロント|~|~| |発売日|2009年2月10日(日本語版:2009年8月27日)|~|~| |定価|7,665円(税込)|~|~| |配信|【Win】1,480円(Steam) / $14.99(GOG.com)|~|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|AIが劣化&br()ホラーがお化け屋敷的な直球ビックリ系へ転換&br()日本語家庭機版限定でグロ要素の過剰な削除&br()難易度は万人向け|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''もう、彼女からは逃れられない。''} }} ~ ---- **あらすじ #region(長いので縮小) アーマカム・テクノロジー・コーポレーション(ATC)の女社長で「プロジェクト・オリジン」((前作で反乱を起こしたクローン兵に関する秘密計画のこと。クローン兵の指揮官であるパクストン・フェッテルもこの計画に関わった人物の1人。))の中心人物でもある、ジュヌビエーヴ・アリスティド。~ 彼女の身柄を保護するため、デルタフォースの一員でもあるマイケル・ベケットはケイラ・ストークス中尉率いる特殊部隊のメンバーとともに彼女の屋敷に向かっていた((時系列上では前作のEDの30分前の出来事。))。~ だが、ベケットたちが現場に到着後、彼女を快く思わないATCの幹部たちが雇った武装集団により屋敷は既に襲撃されており、やむを得ずベケットたちは武装集団と交戦状態になってしまう。~ 戦闘のさなか、ベケットは偶然にもアルマの幻影を見る。そして、アリスティドの身柄を保護した矢先、Point-Man((前作の主人公。))がプロジェクト・オリジンの施設にあった反応炉を爆破。大規模な爆発が起き、巻き込まれたベケットは意識を失う。~ 朦朧とする意識のなか、ベケットは「手術台に乗せられて、何かの手術を受けているようだが、化け物のような姿をした何かに内臓をひっかき回される」という幻覚に苦しめられ、再び意識を失う。~ 彼が再び目覚めたのは病院の地下深くにあるとある病室のベッドの上。彼以外に患者はおらず、辺りを見回すと病室内は荒れ放題であった。~ 目覚めるや否や部隊長であるストークス中尉からグリフィンとベケット以外の安否が確認できないとの無線連絡が入る。~ 同時に「スネークフィスト」と名乗る謎の人物が通信回線をハッキングし病院が破壊されることをベケットに伝える。~ その後、ストークス中尉ら生き残った特殊部隊メンバーと合流し、病院から脱出を試みるベケットたちだが、ATCの私設掃討部隊が目の前に立ちはだかった。~ 交戦の末、辛うじて脱出できた彼等は破壊された街中を進む。次々と起こる怪奇現象、レプリカ兵士との交戦、そして「ハービンジャー計画」の謎、スネークフィストの正体、アルマの行動、アリスティドの思惑などが交錯する中でベケットは…。 #endregion ---- **概要 ジャパニーズホラー要素をフィーチャーした他、賢く手強いだけではなく人間臭い動きをするAI兵士との銃撃戦が人気を博したホラーFPSの続編。~ ホラーFPSだがよくあるモンスターとの闘いを中心に置いたものではなく、ステージの雰囲気や演出、敵の出現の仕方を工夫するというアプローチ。~ また、時々唐突に挿入される幻覚がホラー感を強めている。 システムは一般的なFPS。武器は前作より1つ増え四種類まで携帯可能。その他にグレネードもある。~ また一部のステージではロボットに搭乗可能。近接戦闘が充実しているのも前作と同様。~ プレイヤーには前作同様"Slow-Mo"という能力があり、使用すると周囲が遅くなり相対的に速く撃てるようになる。もちろん制限なく使える訳ではない。 前作は2005年にリリースされたPCゲームの中でもトップクラスの名作であり、現在までに渡って高い評価を得ており、別会社制作ではあるが拡張パックが2本リリースされている。~ その人気から2006年にはPS3/360に移植され、こちらも高い評価を得た((ちなみにCS機の移植は『F.E.A.R. 3』のメイン開発を担当しているDay1 Studios。))。前作発売の1年前にデベロッパーのMonolith Productionsがワーナーの傘下に入ったため、今作からパブリッシャーがワーナーへと移っている((前作は開発中からSierra Entertainment及びVivendi Universal Gamesと販売契約を結んでいた関係で同社がパブリッシャーとなっている。))。 ***前作の概要 アーマカム・テクノロジー・コーポレーション(ATC)が研究開発を進めるクローン兵士大隊をテレパシー能力により運用する指揮官パクストン・フェッテルがATC施設の職員達を殺害、クローン大隊を起動し反乱を起こす。事件発生の丁度一週間前に配属されたばかりの主人公((名前は特に無く、「先陣を切る者」を意味する「Point-Man」という設定。))を含むF.E.A.R.(First Encounter Assault Recon、超自然現象鎭圧部隊)チームがフェッテルを追うが、主人公の前には謎の少女アルマの亡霊(?)が度々現れ…。 ---- **評価点 -(前作と比較しなければ)FPSを初めてプレイする人でも安心の万人受け調整。 -丁寧なグラフィック。同僚の女性隊員の顔が日本人でも違和感なく受け入れられる。 -前作のマップは同じような光景が続き、迷路の様だと揶揄される事もあったが、本作では企業ビルや病院、小学校等ステージ構成にバリエーションが増えた。 --質は高いながらもほぼ兵士と撃ち合う内容がほとんどであった前作に比べ、敵の種類が増加。加えて装甲車に乗っての機銃モード、パワードスーツに乗り込んでの圧倒的な掃討、ボス戦的シチュエーションがある等、構成がよりゲーム的になりメリハリをつけようとする工夫が見られる。 -味方NPCに名前が出るようになり、ハッキリわかるようになった。 --前作では特にDLCで味方であるデルタフォースと敵兵との視覚的区別がつけづらく、フレンドリーファイアも通ったため誤射してしまうことがあった。 --またイベントシーンでも(声優が同じなため)クローン兵に圧倒される味方軍なのか、それとも第三勢力がクローン兵を攻撃しているのかわかりづらかった。 ---- **問題点 -前作の最大の特徴でもあった「敵AI」「ジャパニーズホラー要素」が共に大きく減退。 -開発者の紹介によれば「AIは常に複数のプランを条件として持ち、比較検討した結果、最も有効と判定された行動を実行する」というが…。 --複数の進行ルートを敵も活用し、部隊を分けて挟撃を仕掛けてくる。 --分が悪くなると逃げ出し、体勢を立て直そうとする。 --不用意に身を晒さず、角の向こうで長時間の待ち伏せを「リアルタイムで」思考し実行する。 -実際には上記のように賢く人間臭いAIが全くと言っていいほど無くなっており、ひたすら前方からワラワラ現れてはこちらに突進してくるばかり。時折、遮蔽物に隠れたかと思うと、頭や体の一部分を晒したままであったりする。 -前作では家庭用版にも「リーン(上半身を傾けて角から覗き込む動作)」が採用され、コントローラーではやや操作し辛いとしても概ね受け入れられていたのに、本作では何を思ったのかリーンそのものを削除。 --そのため、全身を晒しながら真正面から撃ち合わねばならなくなった。その代わり前作でも敵が使っていた、マップ中のテーブルなどのオブジェクトで遮蔽物を作るのを、本作ではプレイヤーも「オブジェクトを倒して遮蔽物として使える!」とされていたのだが…。 --オブジェクトを引き倒す動作がもっさりしているので動作中に撃たれる。それ以前に壁や柱や大型の瓦礫などが沢山あり、弾幕の中を突っ込んでわざわざカバーを作る必要がないなど、存在意義が分からない機能となっている。 -体力は自動回復制にすると発表していたが、開発途中で前作と同様のヘルス式に戻すと発表。コアゲーマーはほっと胸をなで下ろした…かに見えたのだが、蓋を開けてみれば交戦しそうな場所には必ずと言っていいほどメディキットとアーマーが山盛りに配置してある他、倒した敵も携帯できないメディパックを落とす事があり、至れり尽くせりの過剰回復仕様。FPSに慣れたプレイヤーなら終盤まで死ぬ要素が無いとまで言われる有様である。 -任意セーブが廃止され、オートセーブのみになったのも不評。 --前作は任意セーブ、自動セーブ、チャプターセーブと3種類のセーブデータを持っており、好きなデータをロードできた。 --例えば戦闘中に数人倒した時点でセーブして、死亡後の再挑戦までの時間を減らしたり、戦闘前のデータをロードして武器選択からやり直したり融通が利いたのだが、今作では出来なくなった。 --分岐路でオートセーブが入った時にいったん戻ってアイテムを回収した場合も、新たにセーブされないのでリスタートの度に拾いなおす羽目になる。 -武器を捨てることができなくなり、残弾が無くなったり不要になった武器も持ち歩かなくてはならなくなった。 --持ち替えてしまった場合に、短いとはいえ一々モーションを挟むのでストレスになる。持ち替えなければいいといえばそうだが、戦闘中などの緊迫した状況で誤入力が全く起こらないとは言い切れない。 --持っていなければ持ち替えモーションは発生しない。 -エンディングがバッドエンドのような終わり方なのも不評。マルチエンディングではない。次回作への「引き」なのかもしれないが、あれだけ走り回って苦労してラスボスも倒したのに報われない。 -また前作の、何かが思わせ振りに視界に一瞬映ったり、階段を降りようと視界を変えた瞬間にアルマが見えたり、誰かの囁き声が聞こえるといったジャパニーズホラー要素がほとんど無くなり、典型的な視界不良の場面からクリーチャーが大写しで現れて襲い掛かってくるといったものが増えて雰囲気が変わってしまった。 -オリジナル版では道ばたに凄惨な死体が有ったりするのだが、日本語版ではバッサリカット。他にも「敵を倒した瞬間にパッと消えてなくなる」「あるイベントで登場キャラクタが首チ○○パされるシーンを全カット」等々。本作はレーティングがCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)にも拘わらず、厳しい表現規制がされている。 ---- **総評 洋ゲーでありながら雰囲気や演出で怖がらせるジャパニーズホラーの要素を上手く取り込み高い評価を得た前作とは打って変わり、本作では典型的な海外ホラーゲームへと成り下がってしまった。~ それに加え高度なAIは劣化し、日本語版に限ってはCOLOR(red){''CERO:Z''}でありながら雰囲気を損ねるほどの規制がなされている始末である。 とはいえ、本作単体で見れば平均的なFPSであり、初心者でも取っ付きやすい作品となっている。~ Win版は日本語且つ無修正なので、前作から劣化したゲーム要素が気にならず、対応するスペックのPCを所持している人はWin版の購入を検討してみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -元々、本作はユーザーからの一般公募によって選ばれた「Project Origin」というタイトルだった。その理由は『F.E.A.R.』の商標権を前作のパブリッシャーだったVivendi Universal Gamesが所有していたことから、この続編に「F.E.A.R.」の名前を使う事が出来なかった。 --だが、最終的にはVivendi Universal Gamesと合併したActivision Blizzardから商標権を買い取り、「当初のタイトルをサブタイトルとして付ける」という形で決着している。 -2009年9月には有料DLCとして「F.E.A.R. 2 Reborn」がリリースされている。こちらはボリュームが本編よりもかなり短い、''別人物の視点で展開される『F.E.A.R. 2』''という短編スピンオフである。 --プレイヤーはATCによって生み出されたレプリカ兵の1人「Foxtrot 813」となり、前作で登場したレプリカ部隊の指揮官であるフェッテルの声に導かれ、味方であったはずのレプリカ兵たちと戦うことになるというのが主な内容。 -Win版はDRMにSteamworksを使用しているため、パッケージ版であってもプレイ/認証にはSteamクライアント及びSteamアカウントが必要な点に注意。 -現在はSteamやGOG.comでDL配信されているため入手自体は容易だが日本語ローカライズはされていない。自己責任になるが有志による日本語化MODがあるので日本語表記でのプレイを所望するならそちらを利用する方法もある。 --2020年現在、GOG.comで配信されているものは本編とDLCの同梱版でかつDRMフリー。Steamでは本編が単体で配信されているものの、DLCの方は『F.E.A.R.』シリーズ全作と拡張パック/DLCがセットになった『F.E.A.R. Complete Pack』を購入しないと入手できなくなっている((1作目も本編は単体配信されているが拡張パックは前述のコンプリートパックを購入する以外の方法では入手できない。))。 ---- **その後の展開 -シリーズ最終作『F.E.A.R. 3((タイトルロゴの表記は『F.3.A.R.』となっている。))』が2011年7月21日に発売された。開発はMonolith ProductionsからDay 1 Studiosに変更されている。 --しかし『3』ではCS版はおろかWin日本語版にも表現規制が掛かっており、''本作より状況が悪化している。''幸いにもCS版は海外版に日本語が収録されており、Win版は購入方法によって無修正かつ日本語でのプレイが可能という抜け道がある。 --一方で本作まで開発担当だったMonolith Productionsはというと、映画『ロード・オブ・ザ・リング』と世界観を共有するアクションRPG『シャドウ・オブ・モルドール』と、その続編『シャドウ・オブ・ウォー』を開発しヒットさせている。 ---ちなみに、現在のMonolith Productionsは[[DCコミック>バットマンシリーズ]]の女性ヒーローを主人公としたゲーム『Wonder Woman』を開発している。

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