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-全17章立ての構成。ほとんどの場合、「破魔陣」と呼ばれる場所で会話イベントが発生→フィールドへ出て探索や戦闘を繰り返すことでストーリーは進んでいく。 &bold(){従者システム} -本作には主人公である蒼鬼のほかに4人の仲間がいる。 --ある程度のシナリオ進行による制限はあるものの、仲間も主人公とほぼ同格の扱いを受けており、自由に使用することができる。鬼戦術や(前作までの鬼武者変身に準ずる)覚醒も5人全員使える。 ---覚醒の特性はキャラによって異なるが、共通して「無敵状態で体力が回復していく」という効果が有る。 ---前作までも仲間へのキャラチェンジはあったが、シナリオの進行状況でタイミングが固定されていたり、仲間は主人公に比べて技が少ない等の制限があった。 -破魔陣を出る際に、仲間から従者を一名選び、二人一組で冒険に出ることができる。 --破魔陣から出発した仲間は出撃回数がカウントされており、それに応じて友情度が上がる。 --フィールドにある特殊な破魔鏡で従者を切り替えることも可能。 -操作キャラクターは基本的に蒼鬼だが、任意のタイミングで操作キャラクターを仲間に切り替えることができる。 --仲間を操作している間は蒼鬼が従者として行動する。 --仲間のみにしか通過できない場所や動かせないギミックもあるので、従者の選択と切り替えは殊更に重要となっている。 --従者は力尽きても一定時間または回復アイテムを使うことで復活するが、操作しているキャラクターが倒れるとゲームオーバー。 -従者には「追従」「待機」「猛攻」「特殊」の四つの命令を出すことができ、従者はそれに従った行動をとる。 --「追従」 ---従者を操作キャラに追従させる。通常状態はこれ。 ---操作キャラと離れているときは操作キャラに近付くことを優先し、操作キャラに近い場所にいるときは付近の敵を攻撃する。 --「待機」 ---その場で仲間を待機・ガードさせ、仲間は一切攻撃を行わない。 ---仲間の体力が最大値の半分以下の場合は、半分の値になるまで少しずつ回復するため、ピンチをやり過ごさせるために使うことも。 --「猛攻」 ---敵の撃破を最優先させ、攻撃力を一時的に上げる。 ---反面防御や回避行動をめったに取らなくなる上に、何もしなくても体力を消費するため戦闘不能になりやすい。 --「特殊」 ---キャラに応じた特殊行動を行わせる。 #region(主人公や仲間たちとその特徴) -灰燼の蒼鬼(結城秀康) --本作の主人公で、伝説の黒き鬼の血を引く金髪碧眼の若者。通り名はその強さと容姿からつけられたもので、名を捨てているため本人も愛用している。 ---武器は大太刀を使用。重い大刀もあるが、基本的には攻撃範囲と攻撃力・速度を兼ね揃えたバランスキャラ。 ---覚醒はおなじみの「鬼武者変身」で、「攻撃ヒット毎に魂が出現し、動作にかかわらず常時魂を吸収し続ける」「奥義「浄化剣」発動の待ち時間が完全に消失する」という追加効果が備わっている。 ---従者として特殊命令を出すと、魂を回収してくれる。この命令をうまく利用することで、連続吸収のボーナスを大幅に上げることが出来る。 -柳生十兵衛 茜 --鬼の血を引く柳生一族の少女。幼いながらも居合の達人で、いわゆるオレっ娘。一族にまれに発現する「鬼ノ眼」を片方に持っている。 ---武器は居合刀を使用。攻撃範囲と単発威力が低く、手数で攻めるスピードタイプ。奥義として一閃よりも発動させやすいカウンター技「無刀取り」を持っている。 ---覚醒すると「鬼ノ眼」により、自分以外の時間の流れを遅く出来る。 ---特殊命令を出すと、敵を陽動しひきつける。 ---小柄で身軽なので、狭い場所や細い橋を通ることができる。 -南光坊天海 --人間でありながら鬼の力を使いこなす高僧。その正体は謎に包まれているが、シリーズ旧作を知っていれば所有アイテム・テーマ曲などからそれを察するのはそう難しくない。 ---パワー寄りのテクニカルタイプ。錫杖や槍といった長柄武器を使用するのでリーチが長く、攻撃範囲が広い。遠隔・設置攻撃の「浄化術」もあり、立ち回りはかなり器用。 ---覚醒すると「鬼の篭手」の力を引き出し、この状態専用の長距離突進攻撃が使えるようになる。 ---特殊命令を出すと、蒼鬼に攻撃力が上がる呪文をかける。天海自身は無防備で動けなくなるので注意。 ---修行の成果により、死者の魂の声を聞くことができ、これによりその箇所の攻略に必要な情報を得られる。 -お初 --亡き信長の妹・お市の娘。蒼鬼とは幼馴染。 ---武器は銃を使用するため、唯一空中の敵や屋上の敵に有効打を与えられる。~ 基本的には遠距離からの単体攻撃となるが、散弾や大筒など、近距離や広範囲で威力を発揮する武器もある。 ---彼女が魂の吸収をできるのは、「魔王の血」による幻魔由来の力のおかげ。覚醒すると魔殻蟲と呼ばれるオプションを出現させ、援護射撃を行わせることが可能。 ---特殊命令を出すと遠所から敵を気絶させる援護射撃をしてくれる。 ---フックショットを使って飛び越えられない場所を超えたり、火薬を使って障害物を吹き飛ばすことができる。 -ロベルト=フロイス --謎の多い南蛮人。幻魔の実験によって両腕を改造されており、素手で幻魔を殴り倒し魂を吸える「破魔の拳」の持ち主。 ---武器はナックルを使用。攻撃範囲が極めて狭いが、それなりの威力と圧倒的な攻撃速度を誇るスピード寄りテクニカルタイプ。 ---覚醒すると「破魔の拳」の力を引き出し、全ての攻撃が多段ヒットするようになって攻撃力が大幅に上がる。専用技としてその場で猛烈な連続攻撃を行うものもある。 ---特殊命令「狂戦士化」は猛攻と同様に敵の殲滅を行うが、スーパーアーマー状態になり体力減少もしないという利点がある。 ---見た目通り力が強く、重い物を動かしたり、鉄の扉をこじ開けて一時的に通ることができる。他の従者と違い、ロベルトを連れていれば蒼鬼も鉄の扉を通れる。 #endregion() &bold(){成長の概念} -「経験値」と「レベル」の概念が追加された。 --敵を倒すと経験値が溜まり、一定数溜めるとレベルアップ。~ 体力・鬼力・攻撃力と防御力が徐々に上昇し、技ポイント(後述)が入手できる。 -レベルに応じて、任意に技を成長させることもできるようになった。 --レベルアップで入手した技ポイントを技に振り分けることで、よく使うアクションを強化できる。 ---強化できるのは攻撃技の威力だけでなく、魂吸収の速度や緊急回避の無敵時間、「連鎖一閃」の最大回数や直前ガード「弾き」の猶予時間など様々な性能が対象。 --また一部の技を一定まで強化すると、技ポイントを一つ振り分けて特殊なコマンド技を習得することができる。 ---例えば蒼鬼の通常攻撃を強化すると「鳳凰剣」を、茜の通常攻撃を強化すると「乱れ桜」を覚えられる…といった具合。 ---この特殊技も他のアクションと同様に強化することが可能。 &bold(){***}鬼戦術 -鬼戦術の仕様が変更。 --本作では火・氷・風・地・闇・光の6属性があり、キャラ全員で共通する特殊攻撃を放つ。 --武器種の大幅増加に伴い、鬼力ゲージは武器毎ではなくキャラごとに持つようになっている。 --鬼戦術レベル3を発動するときに、従者と同時に部屋のほぼ全体を攻撃する「合体鬼戦術」を放つことができる。 &bold(){新しい一閃} -従来の一閃に加え、新しい一閃が増えた。 --崩し一閃 ---鬼戦術レベル1といった特定の攻撃を当てる、蹴りで防御を破る、直前ガードを決めることで体勢を崩した敵に対する一閃を行うことができる。 ---しかし威力は通常の一閃と比べるとかなり低くなっている。~ 今作では弾きを強化することで受付時間を伸ばせるようになっており、直前ガードから行う弾き一閃は基本的に通常一閃よりも容易に決めることが出来る。一種のバランス調整とも言える。 --アシスト一閃 ---プレイヤーが出した一閃に引き続き、従者が同レベルの一閃を放つ。 ---『2』に存在したアシスト一閃とは異なり、プレイヤーの任意で出すことが可能。ただし一度出した後は必ず連鎖一閃と交互に使用しなければならない(一回だけアシスト一閃は不可) ---アシスト一閃を受けた的はプレイヤーの連鎖一閃の対象に優先されるため、連鎖一閃の効果範囲を広げられる。 &bold(){装備関連} -武器の種類が一キャラクター当たり約30種類と大幅に増えた。 --各武器には属性と攻撃パターンが決められている。 ---前作までとは異なり、各キャラごとに「3種類の攻撃パターン×7種類(無属性を含む)属性を持った武器+α」が必ず存在している。 ---無属性武器は鬼戦術が使えない代わりに特殊な攻撃を使う。 --武器は魂を注入することで最大10段階まで強化が可能。 ---装備を強化すると攻撃力が上がるほか、使える鬼戦術のレベルが上がる。必要な魂の量は武器によって様々。 ---また、装備には固有の成長ボーナスが指定されており、指定されたレベルに達すれば「衝撃波を飛ばす」「ステータスが上がる」等の恩恵を受けることができる。 -キャラ毎の防具も100段階まで上げることができるようになった。 --一回一回の防御の上昇は微々たるものだが、代わりに1レベルごとの赤魂量は小さい。防具のレベルが一定値に達する毎に装備できる装飾品の数が増える。 -アクセサリの数も圧倒的に増えた。 --ステータスを上昇するものから、特定の属性攻撃を強化させるもの、敵がアイテムを落としやすくなるものなど効果は多彩。 --最初は1つしか装備できないが、防具レベルを上げることで最大4つ同時に装備が可能。 &bold(){アイテムの入手方法} -『3』にひき続いて、敵を倒すことによるドロップアイテムがある。 -また今作ではアイテムを売買できる「みの屋」が破魔陣から利用できるようになった。 --『2』のように敵を倒した時に落とすお金を集めたり、売却したお金でアイテムを購入することができる。 ---購入できるアイテムは装備品や回復アイテムなど。個数制限はあるがシナリオ進行状態に応じて商品が入荷される。 ---2周目以降は、回復アイテムのみ無限に購入が可能となる。 -「練成」システム --練成専用の素材アイテムを拾い集めて、仲間に練成を依頼することでアイテムを作ってもらえる。 ---錬成によって手に入るアイテムは仲間によって異なる組み合わせがある。 ---一度に練成してもらえる回数はその仲間との友情度に依存する。ただ一度戻り移動を使うと再度練成してもらうことができるので実質無いに等しい。 &bold(){鬼武侠} -ゲームの随所で「鬼武侠」というイベントが挟まる。 --いわゆるイベント・ミッションのようなものであり、「敵を素早く倒す」「魂を一定数集める」等の条件を課される。 --クリアしなくても進めることはできるが、クリアすると成績に応じてアイテムを貰うことができる。 &bold(){戻り移動} -一度クリアしたステージへ戻ることができる。 --イベントは発生しないが、魂や経験値、アイテムを稼ぎたいときに最適。 --シナリオ中ではいなかった仲間を連れて行って扉を開けてもらったり、そこでアイテムを回収することが可能。戻り移動することで出現する鬼武侠もある。 &bold(){魔空空間} -本作にも腕試しの場である魔空空間が登場。 --進度に応じて強力なアイテムを入手可能。 --そのフロア数なんと100階。しかもキャラクターごとに挑戦できるため、長丁場という意味では前作を遥かに越えた。 ---- **評価点 &bold(){圧倒的なボリューム} -鬼武者シリーズ初のDVD2枚組になっており、それに恥じないボリュームがある。 --一つ一つの章が比較的長めに作られてる事も合わさり、過去作とは比較にならない量と化した。 &bold(){多彩なアクション} -今作では様々な攻撃方法があり、シリーズの中でも共通・かつ明記されているがロックオンボタン+スティックによるコマンド入力タイプの技が増えている。この手の技は過去作では『2』の秘伝位しかなかったので、アクション性の強化に繋がる事に。 -キャラクター固有の技にも各々の個性が生かされており、キャラの印象付けに一役買っている。 &bold(){様々なやり込み要素} -100階まである魔空空間や装備・ステータスの強化、アイテム図鑑に鬼武侠コンプなどやり込み要素の数は過去作をゆうに超える。 --あまりの数なので、これら全てをコンプリートしようと思えば数十時間は遊べる程。 &bold(){カメラの操作} -カメラを自由に操作できるようになった。 --一部では固定されてしまうが、自分の任意の位置にカメラを合わせることができる。 --また、構えると自動的にキャラの正面に向くようになった。 &bold(){紫魂と覚醒の仕様変更} -本作では紫魂蓄積の代わりに心力ゲージが登場し、紫魂の効果も心力ゲージの回復になった。 --心力ゲージが一定値以上溜まっていれば任意のタイミングで覚醒可能となる。当然たくさん溜めてから覚醒したほうが効果時間は長い。 --これにより紫魂にも大きさの概念がついた。もちろん大きな紫魂ほど心力の回復力は高い。 &bold(){謎解き宝箱に対する救済} -謎解き宝箱の答えがどうしてもわからない場合、壊して開けることができるようになった。 --壊して開けた場合は、アイテムを使用する前に有料の鑑定を行う必要があるというペナルティもあり、バランスは取れている。 --とはいえ本作の謎解き宝箱は複数の解法が存在するものもあり、もともと難しくはない。 &bold(){楽曲} -それまでのシリーズとは毛色が違い現代的な作風だが出来は良く、特に主人公のテーマ「蒼鬼序章~蒼鬼のテーマ」などは高い人気を得ている。 --作曲は後に『[[ストリートファイターIV]]』などを手がける深澤秀行氏。 --タイアップ楽曲であるOPの「startin`」も、当時人気だった浜崎あゆみ氏の高い歌唱力と今作のテーマにマッチした歌詞とで好評。 ---- **賛否両論点 &bold(){作風の変化} -主人公が日本人でありながら金髪であったり、仲間の一人が「オレっ娘」であったり、若者言葉が飛び交うキャラゲー色強い作風には賛否ある。BGMも各キャラのテーマなどにその影響を大きく受けてしまっている。 --結果としては、同社の『[[戦国BASARA>戦国BASARAシリーズ]]』シリーズに少し近い作風というべきものになった。 &bold(){シナリオ} -今までの鬼武者とは異なり、少年漫画を彷彿とさせる展開が多い。 --しかしシナリオとしては王道を押さえており、特筆するほど悪いわけではない。また、時代考証もきちんとなされている。 &bold(){過去作ネタ} -数多く登場する武器やアイテムの中に、過去作に登場した武器等が多く登場する。 --しかし、(名前こそ異なるが)旧作で最強装備だった武器が一武器に成り下がっていたり、特殊な力を持った人物にしか扱えないはずの武器が平然と宝箱の中に入っていて使えるなどの矛盾がある。これらをファンサービスと取るか、過去ネタの大安売り・冒涜と取るかで賛否が分かれている。 ---- **問題点 &bold(){ゲーム全体の雰囲気の変化} -全体的に明るい雰囲気になったため、旧作のようなホラーテイストが無くなったという批判が多い。 &bold(){シナリオ} -「散っていったものがいた」「数多の命が消え去った」というセリフが繰り返される割にはシナリオ中で死者が出るイベントが少なく、違和感がある。 -終盤の「仲間4人+αの力を受け取り初代ラスボス(のそっくりさん)と空中戦>人間体が現れ通常の形式で戦闘」という流れもその影響なのだろうが、キャラとしては小物感が強く、戦闘に関しては見た目も内容もつまらない人間体のせいで前者と後者の間に酷い落差が生まれてしまった。 --空中戦の前に初代ラスボス(のそっくりさん)登場時と蒼鬼の覚醒時の2回プリレンダムービーが流れる事もそれに拍車を掛けている。 -主に豊臣秀吉関係の設定が前三部作と矛盾している。 --元々、木下藤吉郎と名乗っていた頃から野心家であり、どこか信用ならない人物として描かれていた。 --『3』本編では一切登場せず、エンドクレジット後に信長亡き後に歴史通り台頭、そして彼も既に幻魔と化していた事を示唆する不穏なムービーが流れて終わる。 --しかし今作では「人に優しい名君だったのに、ある日突然人が変わったように非道を働くようになった」と完全に別人になっている。 &bold(){イベントの表現} -多くのイベントが一枚絵とセリフという紙芝居形式で進む。 --グラフィックが美麗なだけに非常にもったいない。 -破魔陣でのイベント等はかなり大袈裟なボディランゲージ(さらに数秒でループし同じ動作を繰り返すのでかなりシュール)、口パクなしとこれまた残念な事に。 --仲間の一人が死亡した直後のイベントでもこれなので声優の熱演も悲壮感も台無しに。 &bold(){一閃の扱い} -一閃の種類が豊富になった一方で、あまりにも簡単に一閃が出せるようになってしまった。 --特に崩し一閃は、殆どの場合鬼戦術レベル1を使用した後に攻撃ボタンを連打するだけで出せてしまう。 --さらに連鎖一閃のタイミングも大きく緩和された結果、攻撃ボタンを連打するだけで次々と敵の群れを撫で切りにできる。 ---従来の作品の一閃は、ごく一部の例外を除けばボタン連打で出すことはかなり難しい仕様になっていた。 ---ただし一閃の種類によって威力が異なり、鬼戦術や弾き返しから頻繁に用いることになる崩し一閃はかなり弱く設定されている。~ また連鎖一閃も無敵状態の敵によってすり抜けられると強制的に途切れる問題がある。~ それでもそれなりの威力があることや、一閃中は他の敵の動向を気にしなくてよいこと等から、『鬼戦術→崩し一閃』のパターンが強力すぎる。 &bold(){鬼戦術の扱い} -6つも鬼戦術があるにもかかわらず、どの鬼戦術も効果が似たり寄ったりである。 --鬼戦術Lv1は、どの鬼戦術も武器による攻撃を正面に放つのみ。 --レベル2以降になると鬼戦術レベル1に加えて属性固有の攻撃を放つが、火・風・地・闇は、多少の差異こそあれど使用者の周囲を攻撃するのみで個性が無い。 ---必ずレベル1の鬼戦術の動作が入るので発動までに時間がかかり、とても敵に当てづらい。Lv2や3の鬼戦術を使うくらいなら、Lv1の鬼戦術からの崩し一閃を2,3回繰り返した方が強いとまで言われるありさまである。 --氷は直線上に氷柱を立てるというものだが、やはり発動が遅いので当てるのが難しいうえに、この属性だけはレベル1からの崩し一閃ができない。 --一方光は敵を追尾する光弾を放つものとなっている。お初以外のキャラはこの鬼戦術でしか高所・遠距離にいる敵を攻撃できないため、大抵はこの属性を優先されることになる。 &bold(){武器のバランスの悪さ} -武器を強化した時の最高攻撃力はどれも「初期攻撃力の2倍」。基本的には元から強い武器ほど強力。 --全ての武器を最強まで鍛えたとしても実用に耐えうるものはごく僅か。そのため武器の数こそ多いものの、ほとんどが死に武器になりがちである。思い入れのある武器を愛用し続けることはできない。 -しかもストーリー序盤には最高値が弱い武器しか手に入らず、ストーリー終盤になるほど強力な武器が手に入る。~ これ自体は理にかなっているが、武器強化の仕様によりせっかく武器を鍛えても少し後に出てきた武器の初期攻撃力にすら軽々抜かされてしまうという現象が多発。強化に使用した赤魂が無駄になってしまう。 ---赤魂の消費が少ない早熟型の装備や、&u(){高レベルまで上げると莫大なボーナスが手に入る晩成型の武器((こういった武器の弱点として、武器レベルによる攻撃力ボーナスが一閃には適用されない。))}であればまだフォローはされているが…。 -鬼戦術Lv1からの崩し一閃がとても便利なので、それを使えない無属性・氷属性武器は不遇。無属性武器専用特技も特別強いものではない。 --また各キャラが魔空空間で手に入れられる最強装備も無属性武器。確かに性能は良いが、快適なプレイをしたいのであればやはり鬼戦術が使える武器の中から最強を見繕った方がよい。 &bold(){キャラクターの強さのバランス} -蒼鬼 --使用武器の関係上接近戦を余儀なくされるが、ストーリー中盤で覚える奥義「浄化剣」を使えば射程のフォローは可能。 ---この浄化剣で敵を倒すと敵は必ず紫魂を出すため、覚醒中にこの攻撃で敵を倒せば心力ゲージの回収が出来る。 ---加えて覚醒中は奥義を溜め時間無しで放てるため、上手く戦って行けば''覚醒を維持した無敵状態のまま戦うことができる''。 -十兵衛 茜 --全キャラトップの移動スピードを誇り、小回りが利くキャラ。だが攻撃の威力が低く、中盤以降では敵との戦闘が厳しくなる。 --覚醒すると十兵衛 茜以外がスローになるが、この状態でも超反応の無敵動作によってこちらの攻撃を回避する敵がいることや、ダウンした敵の立ち上がりや敵を倒した際の魂の出現・吸収までもが遅くなるなど、どちらかと言うとボス戦向きの性能((集団戦の場合、光の鬼戦術レベル3を連発したほうが敵を手早く倒せる))。 --奥義「無刀取り」は構え中に攻撃を受けることで発動するカウンター技である。しかし反撃のリーチが短く敵に命中しないことも多いなど、発動のさせやすさは一閃に勝るが攻撃性能には難がある。 -お初 --唯一の銃器使用者という点で想像がつくだろうが、他メンバーの追随を許さない最長射程を誇る。~ 武器によっては敵をひるませることが難しいものがあるが、基本的に攻撃力も高めなので気にせず撃ちまくればリーチの長さも相まって大抵殲滅できる。 ---お初と同等の攻撃射程を持つ敵は2~3種類ほどしかいないので、遠距離から一方的に攻撃できる。~ 加えて、覚醒時に使える技のなかには敵のダウンを奪えるものあるので起き抜けを狙えば完封できるなど、かなり使いやすいキャラ。 --代償としてはプレイヤーが立ち入れぬ地点で敵を撃ち落としてしまうとお金を拾えなくなるなど、稼ぎに使うにはやや難しい程度。~ また奥義の火薬術は、通常の射撃技に比肩しうるほどの使い勝手を持っていない。 -ロベルト --近距離戦闘がメインのパワーキャラだがとにかくリーチの短さが問題となってくる。 ---武器に衝撃波を発生させて遠くから攻撃できる能力を持つものがあり、そして中盤以降使える奥義「バインドシュート」の射程はかなりのものなのでフォローは効く。 --回避行動が他キャラと違い「その場で身をかがめる」「その場で体を後ろに反らす」スウェー動作になっている。このため茜と違いヒット&アウェイが不可能。 ---回避を強化しきると穴のない無敵時間を得続けられるが、そこに至らない限り敵の攻撃を避け切れないことも。 -天海 --武器の特性上、お初を除いたメンバーの中では最長のリーチを誇る。 ---中でも突きのリーチはすさまじく、ほとんどの敵の射程外から一方的に攻撃が可能。武器の種類によっては空中に浮いている敵を地上に居ながら攻撃することもできる。 --特殊技の「喝」 ---この技はフィールド上に浮いている各種魂を爆発させて敵にダメージを与える技。赤魂はかなり大量に使うことになるためデメリットは大きい方だが、それを考慮しても基本威力が群を抜いて高い((具体的には、頑丈な鎧を破壊してから本体を攻撃しなければ倒せない「新・富岳」系や体力が多く倒すのに手間が掛かる「メンチース」系ですら当たり所によっては一撃で即死させられるほど))。 ---また魂が浮いてさえいればどこにでも攻撃出来る為、赤魂を犠牲に敵を倒して、そこから出現した魂を喝で起爆、その喝で倒れた敵からも魂が出現するのでまた喝…、といった具合で敵を瞬く間に殲滅できる。 ---後述の魔空空間も他キャラは踏破に最低でも2~3時間を必要とするのに対し、天海は早ければ1時間程度でクリア出来てしまえる。 --奥義の「浄化術」は覚醒での恩恵は受けないが、蒼鬼と同様に紫魂強制出現の効果を持つため、蒼鬼ほどではないが覚醒を持続しやすい。 &bold(){敵について} -道中の敵の種類は多く攻撃パターンも多彩なのだが、中型以上の雑魚にかなり堅い敵が多い。 --大型の敵や行く手を塞ぐ敵に多いケースとして、一閃を決められない場合は別段弱い装備でもないのに数十回の攻撃が必要。 --一方、同じ装備でも小型の雑魚敵は2~3発で倒してしまえるなどやたらと弱く、敵の耐久力がとても極端。そのため必然的に硬い敵との一騎討ちになりがちであり、戦闘が単調になる。 -堅いわけではないが、特技によってやたらと戦闘が長引く敵もいる。 --攻撃しにくい位置にいる上、もし当たってもダメージを受けずワープする事がある為、結果的に倒すのに時間がかかる雑魚がいる。 --主人公の一人である「ロベルト」のモーションを流用した雑魚は頻繁にスウェーやダッキング等を連発するが、この動作中は''無敵''なのでやはり倒すのに時間がかかる。連鎖一閃で倒そうにも、無敵中に重なってしまうと一閃が途切れさせられてしまう。 --地面に潜って移動した後飛び上がって攻撃してくる雑魚は、それ以外の技がないので地上にいる時間より地面に潜っている時間の方が長く、これまた倒すのに時間がかかる。 ---潜っている間も追い討ち攻撃は決められるが、単体ならまだしも乱戦で決めるのは無理がある。 ---ただし「地面から飛び上がってくる時に弾き一閃を決める」コツを掴めば倒しやすい部類ではある。 -本作の雑魚敵は、プレイヤー付近に出現した場合すぐに攻撃動作に移行し、不意打ちのような形になる事が多々ある。 --前作までは敵の出現時に専用のモーションが入っていたので、不意打ちされる事は滅多になかった。 -ボスたちはそのほとんどがチキン戦法に頼るものや、ひたすら遠距離攻撃ばかり使ってくるものなどばかり。戦って楽しいと思えるボスは''ほぼ皆無''である。 &bold(){魔空空間の仕様} -魔空空間が苦行。 --100階までの道のりは、難易度に関係なく''最低でも2~3時間はかかる''が、今まで同様途中で中断することはできない。~ つまり100階クリアするにはぶっ続けでプレイし続けるしかないという不親切設計。当然だが死ねば最初からやり直し。 ---もちろんメニューを開いて電源つけっぱなしで放置は可能だが、PS2の電源を消されたり停電が起きたりしても文句は言えない。 --後半のフロアになると1フロアを攻略するのにかなりの時間がかかるようになるが、「敵が強いから」ではなく「同じ敵のセットが何度も出現するから」。つまり、序盤の数フロア分が1フロアに圧縮されているというだけの話である。 ---敵が倒した先から次々と出現するのならまだマシなのだが、ご丁寧にも最初のセットが全滅してから次のセットが現れるので、本当にフロア移動と変わりがない。 ---上記の出来が悪い雑魚も頻繁に登場するので悪意を感じずにはいられない。正直、開発者が「難しい」「やりがいがある」という言葉を勘違いしたとしか思えない出来。 &bold(){特典が微妙} -特典と呼べるものは2周目プレイと難易度変更、衣装チェンジとおまけ武器程度。 --過去作恒例のミニゲームは無い。 ---ただしのちに販売された廉価版には、本作のキャラ・システムを用いた対戦ゲーム「新鬼武者 無頼伝」が追加されている。 --難易度変更は敵の攻撃力が高くなり、敵の堅さが上がるのみ((正確にはプレイヤーの攻撃力が下がり、かつ敵が堅くなる。))。 ---過去作のような仕様変更(一閃のタイミング幅や武器の強化に必要な魂の量)はなく、敵やアイテムの配置も全く変わらない。戦闘がひたすら長くなるだけである。 ---最高難易度の「超鬼難」だけは、敵の強さは「普通」と一緒だが敵の攻撃を耐えた場合に強制的に体力が1になる準オワタ式の特殊仕様。いままでとは違う立ち回りを求められると言えば確かではある。 ---「一閃」モードもなし。 --おまけ武器はある衣装と組み合わせる鑑賞用であり、武器としての性能は最低。ゲームとしては縛りプレイくらいにしか使い道が無い。 ---衣装は1人3種と充実しているのが救い。 &bold(){その他} -前作は無頼伝含めて全てスタッフロールはスキップ可能だったが、本作のみスキップ不可能。 -ディスク2前半の謎解きのヒントが紛らわしい。 --「動物の絵がある蔵の番号を描かれている動物の数が少ない方から順に入力」という謎解きのヒントに「初めの三つの絵」というフレーズがあるのだが、その直前に「描かれている動物の数を多い方から順に入力」という謎解きがあった為、「前エリアの蔵にあった三つの絵がある蔵の番号を動物の数が少ない方から順に入力」と勘違いする人が少なからずいた。 -舞台が広い、仲間入れ替えが必要な場所が多いなどの理由で移動に時間がかかる事が多い。 ---- **総評 新シリーズの出発ということで大幅なモデルチェンジが行われ、操作感も取っ付き易くライトな雰囲気の漂うアクションRPGへと変化を遂げた。 しかし、ものものしい雰囲気の漂うハードコアアクションを求めていた旧作ファンからは中途半端だと落胆の声が上がり、かといってアクションRPGとしても大味で特別光るものもなかったため、評判は思わしくなかった。~ その一方で、詰めの甘いところはあれどアクション自体の出来は良く、遊べる要素も多いためゲームとしては面白い部類には入り、現在では一定の好評も得ている。 様々なメディア展開でそれなりに大きく売り出し続編も臭わせていたが、結局シリーズは本作で途絶えた状態となっている。 ---- **余談 -『鬼武者』シリーズのシナリオを担当していた杉村升氏が本作の脚本を執筆後に死去しており、エンディングにおいてその旨が記されている。 -同社のコラボ格ゲー『[[タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES]]』に、「比較的最近のカプコン作品からのキャラクターを出したかった」との事で、『鬼武者』代表として本作の主人公・灰燼の蒼鬼がプレイアブルキャラとして出演している。 --これに関しては、『3』以前の『鬼武者』シリーズの主人公格キャラのモデリングに金城武氏や松田優作氏等実在の俳優が採用された結果肖像権が存在するため、それを避けての人選もあるかと思われる。
//「hetno」のテンプレ無断改変荒らしが確認されたため、テンプレ部分を差し戻しました。 ---- *新 鬼武者 DAWN OF DREAMS 【しん おにむしゃ どーん おぶ どりーむす】 |ジャンル|戦国サバイバルアクション|&amazon(B0009MZ1VC)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2006年1月26日|~| |定価|7,329円|~| |レーティング|CERO:15歳以上対象|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2006年10月19日/2,940円&br()2007年11月15日/2,090円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[鬼武者シリーズリンク>鬼武者シリーズ]]''| ----- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''ズババババッサリ感''} }} ~ ---- **ストーリー 幻魔王・織田信長が鬼武者たちによって倒され、信長の死とともに人間界を侵略せんとしていた幻魔の軍勢も姿を消していった。~ 信長の死後、その重臣である豊臣秀吉によって天下は平定され、戦乱の世は終焉を迎えたと思われた。 しかし1596年、禍々しい妖星が天に現れると同時に秀吉は豹変し、再び日本は乱れ始めた。~ そして人心の乱れに呼応するように幻魔が再び地上に現れ、人々を恐怖に陥れようとしていた。 時を同じくして、方々で人を襲う幻魔を狩りながら、秀吉が諸国より集める"桜"を燃やす男が現れた。~ 身の丈ほどもある大太刀を振るいながら猛然と幻魔を倒す様を見た人々は、彼を鬼と呼んだ。~ ある者は「黒い鬼」、またある者は「灰燼の蒼鬼」と…。  ---- **概要 幻魔と鬼の一族との戦いを描いたアクションゲーム『鬼武者』の続編。~ 3部作として作成され完結していたが、続編要望の声が高かったため新シリーズとしてこの名前がつけられた。 ---- **特徴 //項目数が多い割に文章量自体が少ないため読みづらく、目次も縦長で見づらくなっていたため、小見出し(***)を全て普通の太字に変更。 本作では旧3部作から大幅なモデルチェンジが行われている。 &bold(){シナリオ} -全17章立ての構成。ほとんどの場合、「破魔陣」と呼ばれる場所で会話イベントが発生→フィールドへ出て探索や戦闘を繰り返すことでストーリーは進んでいく。 &bold(){従者システム} -本作には主人公である蒼鬼のほかに4人の仲間がいる。 --ある程度のシナリオ進行による制限はあるものの、仲間も主人公とほぼ同格の扱いを受けており、自由に使用することができる。鬼戦術や(前作までの鬼武者変身に準ずる)覚醒も5人全員使える。 ---覚醒の特性はキャラによって異なるが、共通して「無敵状態で体力が回復していく」という効果が有る。 ---前作までも仲間へのキャラチェンジはあったが、シナリオの進行状況でタイミングが固定されていたり、仲間は主人公に比べて技が少ない等の制限があった。 -破魔陣を出る際に、仲間から従者を一名選び、二人一組で冒険に出ることができる。 --破魔陣から出発した仲間は出撃回数がカウントされており、それに応じて友情度が上がる。 --フィールドにある特殊な破魔鏡で従者を切り替えることも可能。 -操作キャラクターは基本的に蒼鬼だが、任意のタイミングで操作キャラクターを仲間に切り替えることができる。 --仲間を操作している間は蒼鬼が従者として行動する。 --仲間のみにしか通過できない場所や動かせないギミックもあるので、従者の選択と切り替えは殊更に重要となっている。 --従者は力尽きても一定時間または回復アイテムを使うことで復活するが、操作しているキャラクターが倒れるとゲームオーバー。 -従者には「追従」「待機」「猛攻」「特殊」の四つの命令を出すことができ、従者はそれに従った行動をとる。 --「追従」 ---従者を操作キャラに追従させる。通常状態はこれ。 ---操作キャラと離れているときは操作キャラに近付くことを優先し、操作キャラに近い場所にいるときは付近の敵を攻撃する。 --「待機」 ---その場で仲間を待機・ガードさせ、仲間は一切攻撃を行わない。 ---仲間の体力が最大値の半分以下の場合は、半分の値になるまで少しずつ回復するため、ピンチをやり過ごさせるために使うことも。 --「猛攻」 ---敵の撃破を最優先させ、攻撃力を一時的に上げる。 ---反面防御や回避行動をめったに取らなくなる上に、何もしなくても体力を消費するため戦闘不能になりやすい。 --「特殊」 ---キャラに応じた特殊行動を行わせる。 #region(主人公や仲間たちとその特徴) -灰燼の蒼鬼(結城秀康) --本作の主人公で、伝説の黒き鬼の血を引く金髪碧眼の若者。通り名はその強さと容姿からつけられたもので、名を捨てているため本人も愛用している。 ---武器は大太刀を使用。重い大刀もあるが、基本的には攻撃範囲と攻撃力・速度を兼ね揃えたバランスキャラ。 ---覚醒はおなじみの「鬼武者変身」で、「攻撃ヒット毎に魂が出現し、動作にかかわらず常時魂を吸収し続ける」「奥義「浄化剣」発動の待ち時間が完全に消失する」という追加効果が備わっている。 ---従者として特殊命令を出すと、魂を回収してくれる。この命令をうまく利用することで、連続吸収のボーナスを大幅に上げることが出来る。 -柳生十兵衛 茜 --鬼の血を引く柳生一族の少女。幼いながらも居合の達人で、いわゆるオレっ娘。一族にまれに発現する「鬼ノ眼」を片方に持っている。 ---武器は居合刀を使用。攻撃範囲と単発威力が低く、手数で攻めるスピードタイプ。奥義として一閃よりも発動させやすいカウンター技「無刀取り」を持っている。 ---覚醒すると「鬼ノ眼」により、自分以外の時間の流れを遅く出来る。 ---特殊命令を出すと、敵を陽動しひきつける。 ---小柄で身軽なので、狭い場所や細い橋を通ることができる。 -南光坊天海 --人間でありながら鬼の力を使いこなす高僧。その正体は謎に包まれているが、シリーズ旧作を知っていれば所有アイテム・テーマ曲などからそれを察するのはそう難しくない。 ---パワー寄りのテクニカルタイプ。錫杖や槍といった長柄武器を使用するのでリーチが長く、攻撃範囲が広い。遠隔・設置攻撃の「浄化術」もあり、立ち回りはかなり器用。 ---覚醒すると「鬼の篭手」の力を引き出し、この状態専用の長距離突進攻撃が使えるようになる。 ---特殊命令を出すと、蒼鬼に攻撃力が上がる呪文をかける。天海自身は無防備で動けなくなるので注意。 ---修行の成果により、死者の魂の声を聞くことができ、これによりその箇所の攻略に必要な情報を得られる。 -お初 --亡き信長の妹・お市の娘。蒼鬼とは幼馴染。 ---武器は銃を使用するため、唯一空中の敵や屋上の敵に有効打を与えられる。~ 基本的には遠距離からの単体攻撃となるが、散弾や大筒など、近距離や広範囲で威力を発揮する武器もある。 ---彼女が魂の吸収をできるのは、「魔王の血」による幻魔由来の力のおかげ。覚醒すると魔殻蟲と呼ばれるオプションを出現させ、援護射撃を行わせることが可能。 ---特殊命令を出すと遠所から敵を気絶させる援護射撃をしてくれる。 ---フックショットを使って飛び越えられない場所を超えたり、火薬を使って障害物を吹き飛ばすことができる。 -ロベルト=フロイス --謎の多い南蛮人。幻魔の実験によって両腕を改造されており、素手で幻魔を殴り倒し魂を吸える「破魔の拳」の持ち主。 ---武器はナックルを使用。攻撃範囲が極めて狭いが、それなりの威力と圧倒的な攻撃速度を誇るスピード寄りテクニカルタイプ。 ---覚醒すると「破魔の拳」の力を引き出し、全ての攻撃が多段ヒットするようになって攻撃力が大幅に上がる。専用技としてその場で猛烈な連続攻撃を行うものもある。 ---特殊命令「狂戦士化」は猛攻と同様に敵の殲滅を行うが、スーパーアーマー状態になり体力減少もしないという利点がある。 ---見た目通り力が強く、重い物を動かしたり、鉄の扉をこじ開けて一時的に通ることができる。他の従者と違い、ロベルトを連れていれば蒼鬼も鉄の扉を通れる。 #endregion() &bold(){成長の概念} -「経験値」と「レベル」の概念が追加された。 --敵を倒すと経験値が溜まり、一定数溜めるとレベルアップ。~ 体力・鬼力・攻撃力と防御力が徐々に上昇し、技ポイント(後述)が入手できる。 -レベルに応じて、任意に技を成長させることもできるようになった。 --レベルアップで入手した技ポイントを技に振り分けることで、よく使うアクションを強化できる。 ---強化できるのは攻撃技の威力だけでなく、魂吸収の速度や緊急回避の無敵時間、「連鎖一閃」の最大回数や直前ガード「弾き」の猶予時間など様々な性能が対象。 --また一部の技を一定まで強化すると、技ポイントを一つ振り分けて特殊なコマンド技を習得することができる。 ---例えば蒼鬼の通常攻撃を強化すると「鳳凰剣」を、茜の通常攻撃を強化すると「乱れ桜」を覚えられる…といった具合。 ---この特殊技も他のアクションと同様に強化することが可能。 &bold(){***}鬼戦術 -鬼戦術の仕様が変更。 --本作では火・氷・風・地・闇・光の6属性があり、キャラ全員で共通する特殊攻撃を放つ。 --武器種の大幅増加に伴い、鬼力ゲージは武器毎ではなくキャラごとに持つようになっている。 --鬼戦術レベル3を発動するときに、従者と同時に部屋のほぼ全体を攻撃する「合体鬼戦術」を放つことができる。 &bold(){新しい一閃} -従来の一閃に加え、新しい一閃が増えた。 --崩し一閃 ---鬼戦術レベル1といった特定の攻撃を当てる、蹴りで防御を破る、直前ガードを決めることで体勢を崩した敵に対する一閃を行うことができる。 ---しかし威力は通常の一閃と比べるとかなり低くなっている。~ 今作では弾きを強化することで受付時間を伸ばせるようになっており、直前ガードから行う弾き一閃は基本的に通常一閃よりも容易に決めることが出来る。一種のバランス調整とも言える。 --アシスト一閃 ---プレイヤーが出した一閃に引き続き、従者が同レベルの一閃を放つ。 ---『2』に存在したアシスト一閃とは異なり、プレイヤーの任意で出すことが可能。ただし一度出した後は必ず連鎖一閃と交互に使用しなければならない(一回だけアシスト一閃は不可) ---アシスト一閃を受けた的はプレイヤーの連鎖一閃の対象に優先されるため、連鎖一閃の効果範囲を広げられる。 &bold(){装備関連} -武器の種類が一キャラクター当たり約30種類と大幅に増えた。 --各武器には属性と攻撃パターンが決められている。 ---前作までとは異なり、各キャラごとに「3種類の攻撃パターン×7種類(無属性を含む)属性を持った武器+α」が必ず存在している。 ---無属性武器は鬼戦術が使えない代わりに特殊な攻撃を使う。 --武器は魂を注入することで最大10段階まで強化が可能。 ---装備を強化すると攻撃力が上がるほか、使える鬼戦術のレベルが上がる。必要な魂の量は武器によって様々。 ---また、装備には固有の成長ボーナスが指定されており、指定されたレベルに達すれば「衝撃波を飛ばす」「ステータスが上がる」等の恩恵を受けることができる。 -キャラ毎の防具も100段階まで上げることができるようになった。 --一回一回の防御の上昇は微々たるものだが、代わりに1レベルごとの赤魂量は小さい。防具のレベルが一定値に達する毎に装備できる装飾品の数が増える。 -アクセサリの数も圧倒的に増えた。 --ステータスを上昇するものから、特定の属性攻撃を強化させるもの、敵がアイテムを落としやすくなるものなど効果は多彩。 --最初は1つしか装備できないが、防具レベルを上げることで最大4つ同時に装備が可能。 &bold(){アイテムの入手方法} -『3』にひき続いて、敵を倒すことによるドロップアイテムがある。 -また今作ではアイテムを売買できる「みの屋」が破魔陣から利用できるようになった。 --『2』のように敵を倒した時に落とすお金を集めたり、売却したお金でアイテムを購入することができる。 ---購入できるアイテムは装備品や回復アイテムなど。個数制限はあるがシナリオ進行状態に応じて商品が入荷される。 ---2周目以降は、回復アイテムのみ無限に購入が可能となる。 -「練成」システム --練成専用の素材アイテムを拾い集めて、仲間に練成を依頼することでアイテムを作ってもらえる。 ---錬成によって手に入るアイテムは仲間によって異なる組み合わせがある。 ---一度に練成してもらえる回数はその仲間との友情度に依存する。ただ一度戻り移動を使うと再度練成してもらうことができるので実質無いに等しい。 &bold(){鬼武侠} -ゲームの随所で「鬼武侠」というイベントが挟まる。 --いわゆるイベント・ミッションのようなものであり、「敵を素早く倒す」「魂を一定数集める」等の条件を課される。 --クリアしなくても進めることはできるが、クリアすると成績に応じてアイテムを貰うことができる。 &bold(){戻り移動} -一度クリアしたステージへ戻ることができる。 --イベントは発生しないが、魂や経験値、アイテムを稼ぎたいときに最適。 --シナリオ中ではいなかった仲間を連れて行って扉を開けてもらったり、そこでアイテムを回収することが可能。戻り移動することで出現する鬼武侠もある。 &bold(){魔空空間} -本作にも腕試しの場である魔空空間が登場。 --進度に応じて強力なアイテムを入手可能。 --そのフロア数なんと100階。しかもキャラクターごとに挑戦できるため、長丁場という意味では前作を遥かに越えた。 ---- **評価点 &bold(){圧倒的なボリューム} -鬼武者シリーズ初のDVD2枚組になっており、それに恥じないボリュームがある。 --一つ一つの章が比較的長めに作られてる事も合わさり、過去作とは比較にならない量と化した。 &bold(){多彩なアクション} -今作では様々な攻撃方法があり、シリーズの中でも共通・かつ明記されているがロックオンボタン+スティックによるコマンド入力タイプの技が増えている。この手の技は過去作では『2』の秘伝位しかなかったので、アクション性の強化に繋がる事に。 -キャラクター固有の技にも各々の個性が生かされており、キャラの印象付けに一役買っている。 &bold(){様々なやり込み要素} -100階まである魔空空間や装備・ステータスの強化、アイテム図鑑に鬼武侠コンプなどやり込み要素の数は過去作をゆうに超える。 --あまりの数なので、これら全てをコンプリートしようと思えば数十時間は遊べる程。 &bold(){カメラの操作} -カメラを自由に操作できるようになった。 --一部では固定されてしまうが、自分の任意の位置にカメラを合わせることができる。 --また、構えると自動的にキャラの正面に向くようになった。 &bold(){紫魂と覚醒の仕様変更} -本作では紫魂蓄積の代わりに心力ゲージが登場し、紫魂の効果も心力ゲージの回復になった。 --心力ゲージが一定値以上溜まっていれば任意のタイミングで覚醒可能となる。当然たくさん溜めてから覚醒したほうが効果時間は長い。 --これにより紫魂にも大きさの概念がついた。もちろん大きな紫魂ほど心力の回復力は高い。 &bold(){謎解き宝箱に対する救済} -謎解き宝箱の答えがどうしてもわからない場合、壊して開けることができるようになった。 --壊して開けた場合は、アイテムを使用する前に有料の鑑定を行う必要があるというペナルティもあり、バランスは取れている。 --とはいえ本作の謎解き宝箱は複数の解法が存在するものもあり、もともと難しくはない。 &bold(){楽曲} -それまでのシリーズとは毛色が違い現代的な作風だが出来は良く、特に主人公のテーマ「蒼鬼序章~蒼鬼のテーマ」などは高い人気を得ている。 --作曲は後に『[[ストリートファイターIV]]』などを手がける深澤秀行氏。 --タイアップ楽曲であるOPの「startin`」も、当時人気だった浜崎あゆみ氏の高い歌唱力と今作のテーマにマッチした歌詞とで好評。 ---- **賛否両論点 &bold(){作風の変化} -主人公が日本人でありながら金髪であったり、仲間の一人が「オレっ娘」であったり、若者言葉が飛び交うキャラゲー色強い作風には賛否ある。BGMも各キャラのテーマなどにその影響を大きく受けてしまっている。 --結果としては、同社の『[[戦国BASARA>戦国BASARAシリーズ]]』シリーズに少し近い作風というべきものになった。 &bold(){シナリオ} -今までの鬼武者とは異なり、少年漫画を彷彿とさせる展開が多い。 --しかしシナリオとしては王道を押さえており、特筆するほど悪いわけではない。また、時代考証もきちんとなされている。 &bold(){過去作ネタ} -数多く登場する武器やアイテムの中に、過去作に登場した武器等が多く登場する。 --しかし、(名前こそ異なるが)旧作で最強装備だった武器が一武器に成り下がっていたり、特殊な力を持った人物にしか扱えないはずの武器が平然と宝箱の中に入っていて使えるなどの矛盾がある。これらをファンサービスと取るか、過去ネタの大安売り・冒涜と取るかで賛否が分かれている。 ---- **問題点 &bold(){ゲーム全体の雰囲気の変化} -全体的に明るい雰囲気になったため、旧作のようなホラーテイストが無くなったという批判が多い。 &bold(){シナリオ} -「散っていったものがいた」「数多の命が消え去った」というセリフが繰り返される割にはシナリオ中で死者が出るイベントが少なく、違和感がある。 -終盤の「仲間4人+αの力を受け取り初代ラスボス(のそっくりさん)と空中戦>人間体が現れ通常の形式で戦闘」という流れもその影響なのだろうが、キャラとしては小物感が強く、戦闘に関しては見た目も内容もつまらない人間体のせいで前者と後者の間に酷い落差が生まれてしまった。 --空中戦の前に初代ラスボス(のそっくりさん)登場時と蒼鬼の覚醒時の2回プリレンダムービーが流れる事もそれに拍車を掛けている。 -主に豊臣秀吉関係の設定が前三部作と矛盾している。 --元々、木下藤吉郎と名乗っていた頃から野心家であり、どこか信用ならない人物として描かれていた。 ---『3』本編では一切登場せず、エンドクレジット後に信長亡き後に歴史通り台頭、そして彼も既に幻魔と化していた事を示唆する不穏なムービーが流れて終わる。 --しかし本作では「人に優しい名君だったのに、ある日突然人が変わったように非道を働くようになった」と完全に別人になっている。 ---なお、本作での描写では幻魔化しておらず、むしろ幻魔の被害者扱いになっている。 &bold(){イベントの表現} -多くのイベントが一枚絵とセリフという紙芝居形式で進む。 --グラフィックが美麗なだけに非常にもったいない。 -破魔陣でのイベント等はかなり大袈裟なボディランゲージ(さらに数秒でループし同じ動作を繰り返すのでかなりシュール)、口パクなしとこれまた残念な事に。 --仲間の一人が死亡した直後のイベントでもこれなので声優の熱演も悲壮感も台無しに。 &bold(){一閃の扱い} -一閃の種類が豊富になった一方で、あまりにも簡単に一閃が出せるようになってしまった。 --特に崩し一閃は、殆どの場合鬼戦術レベル1を使用した後に攻撃ボタンを連打するだけで出せてしまう。 --さらに連鎖一閃のタイミングも大きく緩和された結果、攻撃ボタンを連打するだけで次々と敵の群れを撫で切りにできる。 ---従来の作品の一閃は、ごく一部の例外を除けばボタン連打で出すことはかなり難しい仕様になっていた。 ---ただし一閃の種類によって威力が異なり、鬼戦術や弾き返しから頻繁に用いることになる崩し一閃はかなり弱く設定されている。~ また連鎖一閃も無敵状態の敵によってすり抜けられると強制的に途切れる問題がある。~ それでもそれなりの威力があることや、一閃中は他の敵の動向を気にしなくてよいこと等から、『鬼戦術→崩し一閃』のパターンが強力すぎる。 &bold(){鬼戦術の扱い} -6つも鬼戦術があるにもかかわらず、どの鬼戦術も効果が似たり寄ったりである。 --鬼戦術Lv1は、どの鬼戦術も武器による攻撃を正面に放つのみ。 --レベル2以降になると鬼戦術レベル1に加えて属性固有の攻撃を放つが、火・風・地・闇は、多少の差異こそあれど使用者の周囲を攻撃するのみで個性が無い。 ---必ずレベル1の鬼戦術の動作が入るので発動までに時間がかかり、とても敵に当てづらい。Lv2や3の鬼戦術を使うくらいなら、Lv1の鬼戦術からの崩し一閃を2,3回繰り返した方が強いとまで言われるありさまである。 --氷は直線上に氷柱を立てるというものだが、やはり発動が遅いので当てるのが難しいうえに、この属性だけはレベル1からの崩し一閃ができない。 --一方光は敵を追尾する光弾を放つものとなっている。お初以外のキャラはこの鬼戦術でしか高所・遠距離にいる敵を攻撃できないため、大抵はこの属性を優先されることになる。 &bold(){武器のバランスの悪さ} -武器を強化した時の最高攻撃力はどれも「初期攻撃力の2倍」。基本的には元から強い武器ほど強力。 --全ての武器を最強まで鍛えたとしても実用に耐えうるものはごく僅か。そのため武器の数こそ多いものの、ほとんどが死に武器になりがちである。思い入れのある武器を愛用し続けることはできない。 -しかもストーリー序盤には最高値が弱い武器しか手に入らず、ストーリー終盤になるほど強力な武器が手に入る。~ これ自体は理にかなっているが、武器強化の仕様によりせっかく武器を鍛えても少し後に出てきた武器の初期攻撃力にすら軽々抜かされてしまうという現象が多発。強化に使用した赤魂が無駄になってしまう。 ---赤魂の消費が少ない早熟型の装備や、&u(){高レベルまで上げると莫大なボーナスが手に入る晩成型の武器((こういった武器の弱点として、武器レベルによる攻撃力ボーナスが一閃には適用されない。))}であればまだフォローはされているが…。 -鬼戦術Lv1からの崩し一閃がとても便利なので、それを使えない無属性・氷属性武器は不遇。無属性武器専用特技も特別強いものではない。 --また各キャラが魔空空間で手に入れられる最強装備も無属性武器。確かに性能は良いが、快適なプレイをしたいのであればやはり鬼戦術が使える武器の中から最強を見繕った方がよい。 &bold(){キャラクターの強さのバランス} -蒼鬼 --使用武器の関係上接近戦を余儀なくされるが、ストーリー中盤で覚える奥義「浄化剣」を使えば射程のフォローは可能。 ---この浄化剣で敵を倒すと敵は必ず紫魂を出すため、覚醒中にこの攻撃で敵を倒せば心力ゲージの回収が出来る。 ---加えて覚醒中は奥義を溜め時間無しで放てるため、上手く戦って行けば''覚醒を維持した無敵状態のまま戦うことができる''。 -十兵衛 茜 --全キャラトップの移動スピードを誇り、小回りが利くキャラ。だが攻撃の威力が低く、中盤以降では敵との戦闘が厳しくなる。 --覚醒すると十兵衛 茜以外がスローになるが、この状態でも超反応の無敵動作によってこちらの攻撃を回避する敵がいることや、ダウンした敵の立ち上がりや敵を倒した際の魂の出現・吸収までもが遅くなるなど、どちらかと言うとボス戦向きの性能((集団戦の場合、光の鬼戦術レベル3を連発したほうが敵を手早く倒せる))。 --奥義「無刀取り」は構え中に攻撃を受けることで発動するカウンター技である。しかし反撃のリーチが短く敵に命中しないことも多いなど、発動のさせやすさは一閃に勝るが攻撃性能には難がある。 -お初 --唯一の銃器使用者という点で想像がつくだろうが、他メンバーの追随を許さない最長射程を誇る。~ 武器によっては敵をひるませることが難しいものがあるが、基本的に攻撃力も高めなので気にせず撃ちまくればリーチの長さも相まって大抵殲滅できる。 ---お初と同等の攻撃射程を持つ敵は2~3種類ほどしかいないので、遠距離から一方的に攻撃できる。~ 加えて、覚醒時に使える技のなかには敵のダウンを奪えるものあるので起き抜けを狙えば完封できるなど、かなり使いやすいキャラ。 --代償としてはプレイヤーが立ち入れぬ地点で敵を撃ち落としてしまうとお金を拾えなくなるなど、稼ぎに使うにはやや難しい程度。~ また奥義の火薬術は、通常の射撃技に比肩しうるほどの使い勝手を持っていない。 -ロベルト --近距離戦闘がメインのパワーキャラだがとにかくリーチの短さが問題となってくる。 ---武器に衝撃波を発生させて遠くから攻撃できる能力を持つものがあり、そして中盤以降使える奥義「バインドシュート」の射程はかなりのものなのでフォローは効く。 --回避行動が他キャラと違い「その場で身をかがめる」「その場で体を後ろに反らす」スウェー動作になっている。このため茜と違いヒット&アウェイが不可能。 ---回避を強化しきると穴のない無敵時間を得続けられるが、そこに至らない限り敵の攻撃を避け切れないことも。 -天海 --武器の特性上、お初を除いたメンバーの中では最長のリーチを誇る。 ---中でも突きのリーチはすさまじく、ほとんどの敵の射程外から一方的に攻撃が可能。武器の種類によっては空中に浮いている敵を地上に居ながら攻撃することもできる。 --特殊技の「喝」 ---この技はフィールド上に浮いている各種魂を爆発させて敵にダメージを与える技。赤魂はかなり大量に使うことになるためデメリットは大きい方だが、それを考慮しても基本威力が群を抜いて高い((具体的には、頑丈な鎧を破壊してから本体を攻撃しなければ倒せない「新・富岳」系や体力が多く倒すのに手間が掛かる「メンチース」系ですら当たり所によっては一撃で即死させられるほど))。 ---また魂が浮いてさえいればどこにでも攻撃出来る為、赤魂を犠牲に敵を倒して、そこから出現した魂を喝で起爆、その喝で倒れた敵からも魂が出現するのでまた喝…、といった具合で敵を瞬く間に殲滅できる。 ---後述の魔空空間も他キャラは踏破に最低でも2~3時間を必要とするのに対し、天海は早ければ1時間程度でクリア出来てしまえる。 --奥義の「浄化術」は覚醒での恩恵は受けないが、蒼鬼と同様に紫魂強制出現の効果を持つため、蒼鬼ほどではないが覚醒を持続しやすい。 &bold(){敵について} -道中の敵の種類は多く攻撃パターンも多彩なのだが、中型以上の雑魚にかなり堅い敵が多い。 --大型の敵や行く手を塞ぐ敵に多いケースとして、一閃を決められない場合は別段弱い装備でもないのに数十回の攻撃が必要。 --一方、同じ装備でも小型の雑魚敵は2~3発で倒してしまえるなどやたらと弱く、敵の耐久力がとても極端。そのため必然的に硬い敵との一騎討ちになりがちであり、戦闘が単調になる。 -堅いわけではないが、特技によってやたらと戦闘が長引く敵もいる。 --攻撃しにくい位置にいる上、もし当たってもダメージを受けずワープする事がある為、結果的に倒すのに時間がかかる雑魚がいる。 --主人公の一人である「ロベルト」のモーションを流用した雑魚は頻繁にスウェーやダッキング等を連発するが、この動作中は''無敵''なのでやはり倒すのに時間がかかる。連鎖一閃で倒そうにも、無敵中に重なってしまうと一閃が途切れさせられてしまう。 --地面に潜って移動した後飛び上がって攻撃してくる雑魚は、それ以外の技がないので地上にいる時間より地面に潜っている時間の方が長く、これまた倒すのに時間がかかる。 ---潜っている間も追い討ち攻撃は決められるが、単体ならまだしも乱戦で決めるのは無理がある。 ---ただし「地面から飛び上がってくる時に弾き一閃を決める」コツを掴めば倒しやすい部類ではある。 -本作の雑魚敵は、プレイヤー付近に出現した場合すぐに攻撃動作に移行し、不意打ちのような形になる事が多々ある。 --前作までは敵の出現時に専用のモーションが入っていたので、不意打ちされる事は滅多になかった。 -ボスたちはそのほとんどがチキン戦法に頼るものや、ひたすら遠距離攻撃ばかり使ってくるものなどばかり。戦って楽しいと思えるボスは''ほぼ皆無''である。 &bold(){魔空空間の仕様} -魔空空間が苦行。 --100階までの道のりは、難易度に関係なく''最低でも2~3時間はかかる''が、今まで同様途中で中断することはできない。~ つまり100階クリアするにはぶっ続けでプレイし続けるしかないという不親切設計。当然だが死ねば最初からやり直し。 ---もちろんメニューを開いて電源つけっぱなしで放置は可能だが、PS2の電源を消されたり停電が起きたりしても文句は言えない。 --後半のフロアになると1フロアを攻略するのにかなりの時間がかかるようになるが、「敵が強いから」ではなく「同じ敵のセットが何度も出現するから」。つまり、序盤の数フロア分が1フロアに圧縮されているというだけの話である。 ---敵が倒した先から次々と出現するのならまだマシなのだが、ご丁寧にも最初のセットが全滅してから次のセットが現れるので、本当にフロア移動と変わりがない。 ---上記の出来が悪い雑魚も頻繁に登場するので悪意を感じずにはいられない。正直、開発者が「難しい」「やりがいがある」という言葉を勘違いしたとしか思えない出来。 &bold(){特典が微妙} -特典と呼べるものは2周目プレイと難易度変更、衣装チェンジとおまけ武器程度。 --過去作恒例のミニゲームは無い。 ---ただしのちに販売された廉価版には、本作のキャラ・システムを用いた対戦ゲーム「新鬼武者 無頼伝」が追加されている。 --難易度変更は敵の攻撃力が高くなり、敵の堅さが上がるのみ((正確にはプレイヤーの攻撃力が下がり、かつ敵が堅くなる。))。 ---過去作のような仕様変更(一閃のタイミング幅や武器の強化に必要な魂の量)はなく、敵やアイテムの配置も全く変わらない。戦闘がひたすら長くなるだけである。 ---最高難易度の「超鬼難」だけは、敵の強さは「普通」と一緒だが敵の攻撃を耐えた場合に強制的に体力が1になる準オワタ式の特殊仕様。いままでとは違う立ち回りを求められると言えば確かではある。 ---「一閃」モードもなし。 --おまけ武器はある衣装と組み合わせる鑑賞用であり、武器としての性能は最低。ゲームとしては縛りプレイくらいにしか使い道が無い。 ---衣装は1人3種と充実しているのが救い。 &bold(){その他} -前作は無頼伝含めて全てスタッフロールはスキップ可能だったが、本作のみスキップ不可能。 -ディスク2前半の謎解きのヒントが紛らわしい。 --「動物の絵がある蔵の番号を描かれている動物の数が少ない方から順に入力」という謎解きのヒントに「初めの三つの絵」というフレーズがあるのだが、その直前に「描かれている動物の数を多い方から順に入力」という謎解きがあった為、「前エリアの蔵にあった三つの絵がある蔵の番号を動物の数が少ない方から順に入力」と勘違いする人が少なからずいた。 -舞台が広い、仲間入れ替えが必要な場所が多いなどの理由で移動に時間がかかる事が多い。 ---- **総評 新シリーズの出発ということで大幅なモデルチェンジが行われ、操作感も取っ付き易くライトな雰囲気の漂うアクションRPGへと変化を遂げた。 しかし、ものものしい雰囲気の漂うハードコアアクションを求めていた旧作ファンからは中途半端だと落胆の声が上がり、かといってアクションRPGとしても大味で特別光るものもなかったため、評判は思わしくなかった。~ その一方で、詰めの甘いところはあれどアクション自体の出来は良く、遊べる要素も多いためゲームとしては面白い部類には入り、現在では一定の好評も得ている。 様々なメディア展開でそれなりに大きく売り出し続編も臭わせていたが、結局シリーズは本作で途絶えた状態となっている。 ---- **余談 -『鬼武者』シリーズのシナリオを担当していた杉村升氏が本作の脚本を執筆後に死去しており、エンディングにおいてその旨が記されている。 -同社のコラボ格ゲー『[[タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES]]』に、「比較的最近のカプコン作品からのキャラクターを出したかった」との事で、『鬼武者』代表として本作の主人公・灰燼の蒼鬼がプレイアブルキャラとして出演している。 --これに関しては、『3』以前の『鬼武者』シリーズの主人公格キャラのモデリングに金城武氏や松田優作氏等実在の俳優が採用された結果肖像権が存在するため、それを避けての人選もあるかと思われる。

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