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※このページでは、PSP『ダンボール戦機』、PSP『ダンボール戦機BOOST』、3DS『ダンボール戦機 爆ブースト』の3作品について紹介しています。 ---- #contents ---- *ダンボール戦機 【だんぼーるせんき】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B001H9NV54)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2011年6月16日|~| |価格|5,980円|~| |判定|なし|~| **概要(無印) -レベルファイブ創立10周年記念、2009年発売予定で発表された作品。度重なる延期の末、2011年に発売された。 --ゲームシステムの全面変更、後述のメディアミックスとの調整などが考えられる。 -PVでは「プレイヤーを少年時代に引き戻すRPG」というコンセプトを打ち出し、キッズ層のみならず比較的上の世代も対象としていたことが窺える。 **ストーリー(無印) -2046年、外側からと内側からの衝撃を80%吸収する新素材「強化ダンボール」が発明された。これにより世界の物流が革新的な進歩を遂げただけでなく、その性能の高さから販売中止になっていたホビー用小型ロボット「LBX」がこの強化ダンボールの中で遊ぶことを条件に販売が再開され、ブームとなっていた。 -LBXが大好きな少年、山野バンはある日見知らぬ女性から謎のLBX「AX-00」を渡される。希望と絶望の両方が詰まっているというこのLBXを巡り、バンは巨大な陰謀に巻き込まれていく。 **特徴(無印) -本編はマップを探索しイベントをこなすRPGパートと、LBXを用いたリアルタイムアクションによるバトルパートの2つで構成される。 -RPGパートは、同社の[[イナズマイレブンシリーズ]]と似通っている部分が多い。 --本編は全12章のオムニバス制。各章終了後に主人公によるナレーション、次章予告が入る。 --全体マップから移動したいポイントを選択し、そのポイント内をキャラクターを移動させてイベントを起こしていく部分もほぼ同一。マップ画面はフル3Dと異なる。 --このパートでパーティメンバーの編成、メンバーのLBXのカスタマイズが可能。 ---頭、胴体、右腕、左腕、脚部の5つを組み合わせて、LBXを組み上げる。パーツ事にLP、防御、重さ、耐性などのパラメータが存在し、戦闘でアーマークラスを上げれば、LPや防御はより上昇する。更に武器を2~4種類装備可能。 ---内部の「コアパーツ」を選択。武器の強さに補正をかけるCPU、必殺ファンクションの装備数と種類を決めるコアメモリ、チャンスゲージやバッテリー消費量を決めるモーター、行動時に消費するバッテリー、文字通りの補助パーツといったパーツをパズルの様に配置する。感覚としては『[[ロックマンエグゼシリーズ>ロックマンシリーズ#id_ae0449a1]]』のナビカスに近い。 ---「必殺ファンクション」もここで選択。攻撃したりアイテムを使うと貯まる「チャンスゲージ」を決められた分消費し、名前通りの必殺技、チャージ後必中の超必殺技、姿を消したり攻撃力を引き上げるといった特殊効果を付与するものもあり多岐に渡る。 ---トドメを必殺ファンクションで決めれば「ファイナルブレイク」となり相手のLBXパーツを一つ確定で入手できる。ただし失敗すればオーバーヒートしてピンチに陥る。 -バトルパートでLBXバトルを行う。街中ではシンボルエンカウント制、ダンジョンにあたる場所ではランダムエンカウント制。 --戦闘は平均的な3Dアクションバトル。スライドパッドで移動、それぞれのボタンで攻撃やジャンプなどの行動を取る。 --戦闘中も好きなタイミングで他のLBXと操作を切り替える事ができる。撃破された場合も同様。 **評価点(無印) -問題点も後述するが、LBXのカスタマイズは概ね好評。 --肘と膝がある最近のSDガンダムのような3頭身体型。標準型の「ナイトフレーム」、軽量・高速型の「ストライダーフレーム」、重装甲・タンク型の「パンツァーフレーム」といった分類があり、性能が様々なのはもちろん、デザインも魅力的。 ---騎士型の「アキレス」や、その後継機で、飛行形態に変形出来る「オーディーン」などの正統派もあれば、キャタピラを持つ重厚ボディの「ブルド」シリーズや忍者をモチーフにした「クノイチ」「ジライヤ」、メイド型の「グレイメイド」「さくら☆零号機」、変形合体((ただし合体形態は敵専用))する「ZX3シリーズ」などの変わり種も存在し、非常にバラエティ豊か。 ---「ズール」は古参機として存在するためか過去シーンに多く登場したり、名ありのキャラクターが使用する一般機は塗装されているなど、小ネタに富んでいる。 ---グラフィックは携帯機の割には良く、マントが動きに合わせてなびく芸の細かい演出も。 ---種類が非常に多く、性能を無視して見た目だけで機体を作ったり、逆にとことん性能を突き詰めたりなどいろいろなカスタマイズが出来る。 --コアパーツのカスタマイズでは、形状も性能も異なるパーツをマス目上でパズルのように組み合わせていく。楽しさと悩ましさがあり奥深い。 --ウェポンは8種類あり、特徴的な見た目や性能での選択肢がある。 ---剣は操作が簡単で、スキが少ない上に盾も装備出来るために安定している。斬属性のロングソード、貫属性のレイピア、衝属性のヘビィソードがある。 ---槍は盾が装備可能で、連続攻撃も可能でリーチも長いが、その分テンション切れを起こしやすい。主人公機が槍使いのためか、イベントで武器や必殺ファンクションを習得可能である。貫属性のランス、斬属性の薙刀、衝属性の棍がある。 ---ナックルは文字通りのインファイター。攻撃の手数が多いため相手を圧倒しやすく、コンボを起こしやすい。軽量なためにスピードランクを落とし難いが、盾を装備できなかったり、自分の技キャンセルが効かないために隙が発生しやすい。ナックルと素手は衝属性、クナイ・爪は斬属性。 ---ハンマーは射程距離が短いために攻撃が命中し難く、盾を装備出来ず、攻撃の手数が少ない上、武器が重いためにスピードランクが下がりやすい。しかし、空中戦時以外はスーパーアーマーを持ち、必殺ファンクションが強力。主に衝属性のハンマー、斬属性のアックス、貫属性のサイスがある。 ---片手銃は盾が装備可能な射撃武器で、汎用性が高い。攻撃属性は一定しておらず、攻撃力と弾数のバランスがいいハンドガン、攻撃力の代わりに弾数が多いマシンガン、弾数の代わりに攻撃力が高いリボルバー、吹き飛ばし効果のあるショットガンと、バリエーションが多い。 ---両手銃は射程が長く、片手銃と同じくバリエーションが多い。一撃の威力が大きいAMライフル、二段ジャンプが可能なアサルトライフル、狙撃が可能なスナイパーライフル、弾速が速いショットガンが存在する。 ---ランチャーは誘導性能があり、命中すると相手の足を止められる。だが、重い上に盾が装備できず、射程から離れると全く当たらなくなる。また、遠距離武器にしては属性が豊富。ランチャーはチャージ攻撃が四発同時発射で(弾数も四発分減る)、バズーカのチャージ攻撃は山なりに飛んで、着弾すると爆発する。 ---武器腕は特殊な武器で、ナックルでの攻撃と射撃の攻撃が切り換えられる。腕パーツに当たるため、スピードランクを落としにくいが、LP・DFの概念が無いため耐久性が疎かになる。射撃には二発同時発射の射撃タイプと、多段攻撃する放射系が存在する。 ---盾はガード時に受けるダメージが大幅に減少可能で、装備していて損は無い。しかし、当然重くなってしまい、一部の耐性が下がる場合もある。 --組み立てたLBXを自分で動かし、派手な演出の必殺技でトドメを刺す。流れにハマればカスタマイズからバトルを一貫して楽しめる。後述の初期PVにあったコマンドバトルではこの快感は得られなかっただろう。 --パーティメンバーは全員シナリオ中で専用LBXを入手する。組み替えは自由だが、専用LBXの頭部を使用していると出撃時の台詞も専用のものになる((主人公「山野バン」なら「いっけぇー! アキレス!」「オーディーン! お前の力を見せてくれ!」の2つ。また、シナリオ中で入手・使用しないものもキャラごとにLBX1~2体が登録されている。))。自由度の高さを持ちながら、専用機というキャラゲー的な要素も大事にされている。 -クエストBBSは作品世界の補完の役割もあり、いわゆる小ネタとして楽しむことも可能。 --数も多く、クリア前の時点で70件、クリア後には100件にもなる。 --クエストをするかしないかは自由。一応、1件だけはクエストのチュートリアルとしてストーリー中に組み込まれている。 -DLCとしてカードやガシャポン、クエストなどを配信している。無料なのでもらえる環境にあるならいつでもダウンロードできる。 -近藤嶺氏が作曲したBGMは好評。オーケストラを用いられた物が多い。 --特にラスボス戦3曲名『希望と絶望の狭間で』は人気が高い。主人公「山野バン」側の『希望』とボス側の『絶望』が混りあっている雰囲気を上手く表現している。 -Little Blue boXが歌うOPも好評。 -登場キャラクターの一人である「檜山蓮」が『世界に伝えたかったメッセージ』は、大きく評価されている。 **問題点(無印) -レベルファイブ作品につきものの''「日野脚本」の存在。''「ハードでリアル」をコンセプトとしているが、そのシナリオは非常に粗い。日野晃博氏が手掛ける脚本の多くに共通しているのだが、設定や用語を他のキャラクターに説明させるだけで描写皆無な部分が非常に多い。以下に抜粋したものを記載する。 --タイトルにある「ダンボール」は、ストーリーでも説明したように強化ダンボールのことを指す。ダンボール戦機とは「''ダンボール''の中で''戦''う''機''械」であり、また現実世界でのプラモ展開と同じようにブランド名として使われているため、あらすじだけ見たらなんら問題のないタイトルである。 ---しかし、本編でダンボールの中で戦う機会はかなり少ない。大会や特定のNPCとのバトルはきちんとダンボール内で行われるのだが、敵組織とのバトルはほとんどがダンボール外。''第2章の中心イベント~ボス戦もいきなりダンボール外((就任パレード中の総理をLBXで狙撃して暗殺しようとする敵組織の計画を現場で阻止する、というもの。))。''&br()おもちゃのバトルが世界の命運を賭けた本当のバトルになっていく作品は決して珍しくないが、タイトルに冠したダンボールという戦場を平気で飛び出していくのは流石に如何なものか。 ---ちなみに作中でダンボール戦機という呼び名が使われたことは''全く無い''(強いて言えばナレーションくらい) --終盤にはNシティ、フェアリーテイル計画、ドングリといった、敵組織の本当の目的に関する単語が突然続出するが、主人公達がこれらの単語に関わることはほとんどない。「実は敵組織は○○に××を△△する予定だったんだ!」「そんなことはさせない!」概ねこんなノリである。 -''キャラクターの描写にもいい加減な部分が散見される。'' --代表的なキャラクターが、第6章のボス「灰原ユウヤ」。 ---世界大会の会場入口で主人公を見つめているという意味有りげな導入を見せ、大会中も異様な強さで勝ち上がるという見せ場があったものの、ボス戦後に退場して以降''ほぼ話題にならない。'' ---大事故に巻き込まれて孤児になった彼を敵組織が拾って人体実験を行っており、実戦投入したシステムが彼を暴走させる…という設定なのだが、ゲームのみでは敵組織に属している理由さえ分からなくなってしまっている。 ---主人公のライバルキャラ「海道ジン」も同じ事故に巻き込まれているが、彼についてはしっかり描写されている。なお、ユウヤに関するこれらの設定はアニメ版で語られた。 --ヒロイン、「川村アミ」は気の強い(普通の)女の子と言うキャラだが、前触れなしに驚異の推理力を発揮する。しかも車上での戦いという状況で証拠を集めているため、突飛な印象が強い。推理小説でも読んでいたのだろうか。 ---それ以前にも序盤の時点で、大人達を信用したと見せかけてLBXを使って盗聴を行ったり、普通の中学生ならまず知らないような言語に精通していたりといった不気味な描写がある。 --主人公が通う中学校の番長「郷田ハンゾウ」はLBXメーカー「プロメテウス」の御曹司なのだが、''公式サイトなどに設定が載っているだけで、一切説明がない。'' ---彼のLBX「ハカイオー」は、タンク型専門であるプロメテウス社で唯一の二足歩行型((『BOOST』でプロメテウス製の二足歩行型LBX「トゥルーパー」が登場する。))で、特注品であることには触れられているのだが、「誰のための、何のための特注品なのか」はゲーム内では分からない。 ---また、彼は上からの命令として模型店の「アキレス」を購入するのだが、何故か偽造カードを使用して購入している((適当な作りだが、店員は寝ぼけていたために気付かなかった。))。理由は一切不明。 --郷田のライバルキャラ「仙道ダイキ」は、後半で他のパーティーメンバーと同様にLBXの乗り換えを行うが、''彼の新型機だけ出自が不明。'' ---その新型機「ナイトメア」は、「社内に一機のみ存在していた試作品を何者かが持ち出し、経緯不明で仙道の手に渡った」という設定が存在しているが、大会に出場して見逃されているのは不自然である。 ---程度の違いこそあれ(郷田は前述の設定を知っていることが前提だが…)ナイトメア以外の機体は全て出自が明らかなので、尚更不自然である。 --いい加減…とは少し違うが、バンの父親で物語のキーパーソンである山野博士の万能キャラも問題。 ---変装して大会に参加したり、簡単な材料から爆薬を作ったり、戦いの最中にデータを送ったりするなど、ほとんどのピンチを彼が解決してしまうという有能さが目立つ。仲間にも「山野博士の事だから、別の解決策もあるだろう」と言われるほどである。 だがこれでも日野脚本の中ではまとまっているほうであり、盛り上がる展開も多く存在する。 -''コアカスタムのパーツバランス'' --小さいコアパーツを複数装着し高い性能を得られるのが必然的になっており、大きいパーツを装備する意味が薄れている。 -''バトル関連システムの練りこみ不足。'' --変形機構を持つ「オーディーン」は専用必殺ファンクション「JETストライカー」が使用できるのみで、バトル中に「変形して空中を移動する」というような行動をすることはできない。 ---後の『W』ではこれが可能になり、ファンを喜ばせた。 --NPC、特に仲間の頭が非常に悪く、仲間に作戦を出してある程度行動をコントロールできるはずなのだが、内容と違うような行動を行うことがあり、デフォルトの作戦「おまえにまかせる(自由に行動させる)」以外を指定する意味が薄れてしまっている。 --武器のカテゴリごとに攻撃方法とパーツ重量の違いがあるが、使える武器・使えない武器の格差が大きい。 ---後者の代表格が「武器腕」。最高級のダメージ補正と弾速を持つ代わりに、ほぼ攻撃不可能に近いデメリットばかりを背負わされている。&br()足を止めてスコープを覗き見る狙撃モード専用武器なので、攻撃前後の隙が大きすぎる。敵を自動ロックオン・自動追尾してしまう親切すぎるシステムと、ダッシュありきのスピーディーなバトルでは「狙撃」が難しい。必殺技の発動中には狙撃モードが使えないので''全武器中唯一「攻撃不可能」な隙が生じる。'' ---その為、スナイパーライフルによる長距離射撃を主戦法とする、メインキャラクターの一人「青島カズヤ」に対しても、彼をNPCとして動かせるのならば狙撃銃ではなく単発銃や剣などを持たせて戦わせる方がよほど勝率が上がる始末である。 --総じて戦略性にやや乏しく、強い武器で殴るだけに終始しがち。低年齢層・アクション・カスタマイズという要素を重ねると致し方ない点はあっただろうが、産廃武器は擁護できない。 --なお、これらのほとんどの問題は後の『W』で大きく改善されている。 ---具体的には、武器ごとの攻撃のパターン・手数が増えたり、狙撃銃の使用を中心に倒す大型の敵が出現した。 -''その他UIの不親切さ。'' --TIPSが不親切。「武器の使い方」や「バトルのルール」などのような単純な事しか書かれておらず、「バトルに負けてしまった場合のヒント」などのような基本的であれ重要な要素が書かれていない。 --カスタマイズを保存して呼び出す機能が無く、組み立て作業自体も一種のバトル。 --LBXのパーツの売却は1個ずつでしか行えない。パーツにレベル(熟練度)が存在するシステムの都合から難しかったのかもしれないが…。 -''作業と化す深すぎるやり込み要素。'' --LBXパーツの「グレード」「レベル」 ---本編クリア前のシナリオ中で手に入るほとんどのパーツは、下位「ノーマルグレード(NG)」で、限定商品などで販売されるのが中位「ハイグレード(HG)」。上位「マスターグレード(MG)」は、クリア後から手に入りやすくなる。&br()HGはNGより、MGはHGより高性能で、パーツのレベルでは覆せないほど。ただし上のグレードほど重量があり、スピードが下がる。しかし5部位のパーツで「スキル」を揃え、それに対応する武器を装備することで、スピードを上げる(下のグレード並に取り戻す)ことができる。 ---スキルはパーツごとの固有ではなく、パーツの入手時にランダムで付く。目当てのスキルを持つパーツの入手には多大な労力と時間を要する。 ---MGには別カラー版パーツが存在する。カラーエディット機能は存在せず、あくまで別パーツ。クリア後にもやり込んでようやく、である。 ---パーツでは肉抜き・パテ盛りで防御力とスピードを調節できる。しかしクリア後の攻撃力インフレにはパテ盛りでの防御強化が必須であり、肉抜きは使い所が無い。 ---一つ一つのパーツごとにレベルが設定されており、これによってHP量が大きく変わる重要な要素となっている。ただ最大が''Lv.100''と非常に高い。ストーリークリア時点ではNGパーツが大体40~50に到達できればいい程度で、後は敵と戦う事しか上げる方法は無い。これも作業感を加速させている。 -カードに描かれたLBXと戦い、LBXカードとパーツ、武器を入手していく''「カードバトル」'' ---カードには「シリーズ」が設定されており、後半のシリーズ(4/9)から5連戦の長丁場が始まる。''このゲームのラスボスでさえ3連戦なのだが。'' ---LBXカードバトルのシステムが非常に悪く、''ダブルアップでカードがダブる''(同じカードが2枚同時に出る)という笑えない事態も多発。 ---ルール上の穴もある。残機制の対戦なので弱いカードを大量に店買いしておいてセット、そして雑魚を集中攻撃すれば簡単に勝利できる。 ---そのため、カードを最も効率良く集められるのは''一戦目でさっさと負けてカードだけもらう''((負けるとパーツは入手できないが、カードはもらえる。レアカードが出ないなどの制約は無いが、勝利して終える方がレアカードは出やすい。))という異様な作業。もはや敗北の屈辱感さえ軽薄。 ---クリアしても記載されたパーツや武器がどう手に入るかは完全に''ランダム''。ファイナルブレイクも通用しないのでただただ出るまでやり続けるしかない。カード限定のパーツも非常に多く、さらにここからスキル厳選。とても子供向けゲームの仕様とは思えない狂ったバランスとなっている。 -大幅に強化された敵に挑む''「ランキングバトル」'' ---MGパーツ・AI強化・火力インフレ・回復アイテム解禁、レベル限界突破、今までとは比べ物にならないほど強化されすぎている。「攻撃力アップの補助技」と「攻撃力アップのアイテム」を重ねがけして、速攻で潰すという世紀末的な戦い方も止むを得ないほどで、戦略の自由性が薄れている。 ---こちらの攻撃をステップで瞬時に避けるような普通ではできない行動をしたり、ガードを瞬時に崩してきたり、時にはフィールドで逃げ回るなど非常に忙しく鬱陶しい動きをする。 ---機体は異常なまでのHPを持ち、高火力で押しつぶしてくる。さらに一定値までHPを減らしたら''回復アイテムで全快。''正気か? ---ランキングバトル後半になると、様々な特殊ルールが追加される。中には2対2で片方が撃墜されたらその時点で終了、というルールのバトルが導入されるが、大抵味方CPUが敵の圧倒的火力でねじ伏せられて敗北するパターンが殆どになるので、味方を外して1対2で戦う方が良いとまで言われる始末。 --カードバトル、ランキングバトルとも、結局のところ「強かったり色が違ったりするパーツ」目当ての作業…もとい苦行と化してしまい、''別のバトルになっている必要性を感じられない。'' --''通信対戦100勝が入荷条件のパーツがある。''協力プレイでの勝利数もカウントしてくれるとはいえ、ユーザー数人(または通信環境)と一緒にそれなり以上のプレイ時間を要する(しかし、そのパーツを一式装備して習得できる「必殺ファンクション」は射程威力共に高く使い勝手が良い。)。 **総評(無印) -ロボットをカスタマイズして戦わせるというゲームは『カスタムロボ』や『[[メダロット>メダロットシリーズ]]』、高年齢層でも『[[アーマード・コア>アーマード・コアシリーズ]]』といった作品がシリーズ化している前例から考えても、十分人気を勝ち取れるジャンルではあった。 -しかし、ロボットのデザインとカスタマイズ性の評価を、シナリオとゲーム性の問題で台無し寸前にしている。 -日野氏が手がける限りシナリオは大きな期待は出来ず、システムの不便さと行き過ぎたやり込みもレベルファイブ作品の慢性的な問題であり、早急な改善は難しい。 -ゲームバランスについても、調整不足な点は否めない。 -「ハードでリアルな世界観」というコンセプトをゲームでうまく表現しきれなかった佳作、といったところか。 **余談 -最初に公開されたPVでは、キャラクターグラフィックやゲームシステム(コマンドバトル制だった)が著しく異なっている。攻略本には、開発初期の没案などについても触れられている。 -ゲーム発売前からアニメ、プラモデルでのメディアミックスを先行させている。 -アニメの3DCGはグラフィックとモーションのどちらもハイクオリティ。ゲームのシナリオで不足していた描写がフォローされることもある。 -プラモデルはバンダイによる完成度の高さに加え、「ゲームやアニメと同じく、1/1で組み換え可能」というなりきり玩具的な側面とメディアミックス展開の成功で、ガンプラが無かったら死んでいるとまで言われるプラモ市場で爆発的なヒットを打ち出している。 -本作は「AX-00」のLBXプラモが同梱されてている。初期に設計されたためか市販プラモと比べて若干作りは粗いものの、ゲームの世界観体験や関連商品の宣伝としては十分な効果を上げている。 --「AX-00」は本作発売8年後の2019年4月13日に単体で再販され、模型店等ゲームソフトを扱わない店で入手できるようになった。 ---再販版「AX-00」にはキャンペーンでしか入手できなかった武装パーツ「鋼鉄棍」と「オートマチックガン」が付属している。 -本作のEDテーマである『Little smile』は日野氏自らが作詞を行った曲で、高い評価を受けているのだが、なぜか音源化されておらず、後に発売されたアニメ・ゲームの『ダンボール戦機』『ダンボール戦機W』のOP・ED曲を網羅したCDでも唯一の未収録曲となっている。 **その後の展開 -2012年に発売された[[ガンダムシリーズ]]の一作『機動戦士ガンダムAGE』のゲームである『[[機動戦士ガンダムAGE UNIVERSE ACCEL/COSMIC DRIVE]]』は本作のシステムを流用している。 -2017年にレベルファイブとDMMゲームズと共同で「LBXを美少女に擬人化」したソーシャルゲーム『装甲娘』が発表された。 --PCブラウザ向けに2018年1月から6月までサービスしたのち長期メンテナンス名目で休止。開発体制やゲームシステムを改めたリニューアル版『装甲娘 ミゼレムクライシス』が2020年中にPCブラウザ・iOS・Android向けにサービス開始。が、過去作ファンや新規からの高評価を得られないまま2021年7月6日にサービスを終了すると発表した。 --フィギュアの発売や雑誌『コロコロアニキ』でコミック連載などメディアミックスもされている。 --2021年からはアニメ『装甲娘戦機』が放送開始しているが、旧版開始時に企画が始まったために『ミゼレムクライシス』に合わせる事が困難となったため、世界観は旧版寄りになるなど独自路線の作品となっている。 &br ---- *ダンボール戦機BOOST 【だんぼーるせんき ぶーすと】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B005TESOY6)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2011年11月23日|~| |価格|4,980円|~| |判定|なし|~| **概要(BOOST) -ダンボール戦機に様々な要素を追加した完全版。新パーツ、新必殺ファンクションが大量に追加され、前作ではパーティに加わらなかったキャラクターを仲間にできる。 -OP・ED曲も一新。OPは前作から、そして今後も「ダンボール戦機」シリーズのOPを歌い続ける事になるLittle Blue boXの、EDには「W」までダンボール戦機を支え続けた前川紘毅氏の新曲がそれぞれ採用されている。 **評価点(BOOST) -メニュー周りの改善。カスタマイズ画面等でL/Rを押すとキャラやパーツ部位の変更が可能になったり、前作の不満点の一つであったパーツ売却がまとめてできるようになった。 -カスタマイズのマイセット登録も可能になり、状況に合わせたLBXをすぐ用意できるようになった。 -操作キャラクターが10名追加。それに伴い個々の差別化を図る為にそれぞれのキャラに固有の特殊能力が設定されている。 --オタレッドやマスターキングといった意外なキャラクターも仲間になる。特に女性キャラ追加は男性ファンから喜ばれた。 -新しい武器種として「二刀流(剣)」と「二丁拳銃(銃)」が追加。 --同じ武器限定ではあるが、盾の代わりに両手に武器を装備することで手数を生かした戦いなどが出来るように。 -ストーリーで戦った巨大ボスと何度でも戦える「ボスバトル」が追加。 --これまでのボス戦は途中で演出が挟まったりとイベント要素が強かったが、遂に本格的な強敵として立ち塞がる。 -次回作予定のダンボール戦機Wの前日談である「エピソード0」が追加されている、のだが…。 **問題点(BOOST) -前作のデータを引き継いでも''ストーリーは最初からやる必要がある''。 --そのため新しく追加されたLBX「イプシロン」などは最初から使用することができない。 --追加要素のエピソード0は次回作の新主人公である「大空ヒロ」の人となりを紹介する話ではあるのだが、プレイをするためには一度ストーリーをクリアしなければならないため、前作をクリアした人でもエピソード0をプレイするためにはもう一周する必要がある。 ---イベントスキップ機能などがやや不便だったためエピソード0を早くやりたい人には辛い仕様。 -パーツレベルや武器ごとのバランスといった物は改善されていない。新しい要素を追加したのはいいが粗末なバランスはそのまま。 -ただでさえ多かったLBXカードが更に追加され、コンプリートに至るまでには長い年月が掛かる。 -新要素である通信ポイント。これは通信対戦を行ったりストーリーを周回する度に貯まるポイントで、それを使って新しいパーツを入手出来たりするのだが、これが非常に貯め辛い仕様になっている。 -通信プレイができる友達がいればいいが、そうでない場合は必然的に周回プレイを余儀なくされる。しかもただ周回しただけではポイントはそこまで貯まらず、効率良く稼ぐには周回前にアイテムを揃える、パーツを鍛えておく等の必要がある。 --また、そもそも通信プレイでも大きくもらえるわけでもない。 --なんと前作のデータを引き継いでも、この通信ポイントを利用してパーツを買い戻す必要がある。ただでさえイベントスキップやダンジョンの作りに難がある本編をわざわざ何周もするのは苦行と言える。 --交換に必要なポイントが高いものが多く、パーツの場合はLV1で固定される。ここで手に入れるよりかは他で集めた方が断然いい仕様となっている。 -オーディーンに次ぐ機体として登場した「イプシロン」には、なんと''「行けっ、イプシロン!」のような出撃セリフが実装されていない''。 --コンプ特典で入手できる特殊機体にはキャラクターの専用出撃セリフが存在するため、残念という声が多い。 -キャラごとの固有特殊能力の殆どが「〇〇フレームの機体パーツで統一」「武器に○○を装備」を要求してくるので、自由なカスタマイズをした場合は恩恵を受けにくい。 --逆に言えば、それさえ満たせれば恩恵を受けることができるため、使い方次第では有用である。 -大して改善の見られないランキングバトル。よく対比として挙げられるカスタムロボと違い、ほとんどパラメータの上昇でバランスを取っているので非常に大味。今作で追加された裏ランキングバトルはさらに''悪化''しており、自分のカスタマイズした機体では勝てない事も普通に起こる。 --数少ない対策として、パーツは引き継げないので''1''から前作の倍である上限''200''までのLBXパーツの延々としたレベル上げや、カードバトルで比較的手に入りやすい追加装備を使って戦うしかない。 **総評(BOOST) 前作の反省は随所に見受けられ大きく改善した部分はあるが、レベルファイブ特有の「やり込ませ」が悪い方向で働いた結果、完全版と言うに相応しい『ボリューム』はあるものの、単調で飽きの早い作業ゲーになってしまっている。しかしダンボール戦機好きには嬉しい追加要素が多いのは事実であり、限定品であった『AX-00』も現在再販されているため、PSP版ではこちらを選ぶべきだろう。 &br ---- *ダンボール戦機 爆ブースト 【だんぼーるせんき ばくぶーすと】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B007UYAKR2)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2012年7月5日|~| |価格|4,400円|~| |判定|なし|~| **概要(爆ブースト) -ダンボール戦機BOOSTに様々な要素を追加した移植版(公式曰く究極パッケージ)。新パーツや新必殺ファンクションが追加され、無印、BOOSTで仲間にならなかったキャラクターが仲間になる。 **評価点(爆ブースト) -今回から合計6人での通信対戦が可能になった。(無印、BOOSTでは通信対戦は4人まで) -操作キャラクターが6名追加。BOOST同様、個々の差別化を図る為にそれぞれのキャラに固有の特殊能力が設定されている。 --シナリオ中に登場する謎の男「マスクドJ」とその息子「マスクドB」と妻「マスクドM」。次回作「ダンボール戦機W」より「山野バン(W)」、「大空ヒロ」、「花咲ラン」が使用できる。 ---それに伴い、Wでの彼らのLBXや、新たな必殺ファンクションが追加されている。 -新たなやり込み要素「アルテミスレジェンド」。シナリオ中に登場する様々なキャラクターとのトーナメントが何度でも楽しめる。 --そのキャラクターの中には操作キャラクターの面々から北島店長、財前総理などシナリオ中でバトルをしないキャラクターまで様々である。 --決勝戦はシナリオ中のアルテミス同様5人での対戦となる。 ---無印、BOOSTでは5人での対戦はシナリオ以外ではできなかったため、ユーザーからは喜ばれた。 --入手できる経験値が多いため、レベル上げがここで容易に行えるようになった。 --BOOSTで追加された通信ポイントをここで稼げるようになった。 ---これにより、友達との通信プレイや周回プレイをせずともに通信ポイントを稼げるようになった。 -前作までの全てのOP、EDを見られる。OPはタイトル画面でスタートボタンを押すことでOP映像が何度でも切り替わる。PSP版の映像もすべて3D映像となっており、一度見たファンも必見。 --当然、今作のOP・EDにもLittle Blue boXと前川紘毅氏それぞれの新曲が投入されている。 **問題点(爆ブースト) -相変わらず改善の見られないランキングバトル。無印、BOOST同様、ほとんどパラメータの上昇でバランスを取っているので非常に大味。 --その上、今回からは3vs3での戦いになったため、攻略が更に大変になった。プレイヤーからは役立たずのNPCが一人増えた、とまでいわれる始末である。 --前述の通りドロップアイテムは完全にランダムで、今作は相手に同じ機体のお供が一人増えたため、一部のアイテムは入手に時間がかかる。 -無印とBOOSTのDLCはネットワーク接続環境にあれば今でもダウンロード可能だが、今作では一部に期間限定配信の物が存在する為、今から本作をプレイしても一部のカラーのLBXは入手できず、現状復刻もないため、フルコンプをしたい人には厳しい仕様となっている。 --ただし、幸いにもDLCで入手できるLBXはフルコンプ条件から除外されている。 **総評(爆ブースト) ダンボール戦機2度目の移植。BOOSTで追加された要素の調整や補完が行われた一方で、ランキングバトルにカードバトルと課題はまだまだ残ったままである。 しかし、3DSを持っていて、まだダンボール戦機を遊んだことがないユーザーは買って損はないだろう。
※このページでは、PSP『ダンボール戦機』、PSP『ダンボール戦機BOOST』、3DS『ダンボール戦機 爆ブースト』の3作品について紹介しています。 ---- #contents ---- *ダンボール戦機 【だんぼーるせんき】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B001H9NV54)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2011年6月16日|~| |価格|5,980円|~| |判定|なし|~| **概要(無印) -レベルファイブ創立10周年記念、2009年発売予定で発表された作品。度重なる延期の末、2011年に発売された。 --ゲームシステムの全面変更、後述のメディアミックスとの調整などが考えられる。 -PVでは「プレイヤーを少年時代に引き戻すRPG」というコンセプトを打ち出し、キッズ層のみならず比較的上の世代も対象としていたことが窺える。 **ストーリー(無印) -2046年、外側からと内側からの衝撃を80%吸収する新素材「強化ダンボール」が発明された。これにより世界の物流が革新的な進歩を遂げただけでなく、その性能の高さから販売中止になっていたホビー用小型ロボット「LBX」がこの強化ダンボールの中で遊ぶことを条件に販売が再開され、ブームとなっていた。 -LBXが大好きな少年、山野バンはある日見知らぬ女性から謎のLBX「AX-00」を渡される。希望と絶望の両方が詰まっているというこのLBXを巡り、バンは巨大な陰謀に巻き込まれていく。 **特徴(無印) -本編はマップを探索しイベントをこなすRPGパートと、LBXを用いたリアルタイムアクションによるバトルパートの2つで構成される。 -RPGパートは、同社の[[イナズマイレブンシリーズ]]と似通っている部分が多い。 --本編は全12章のオムニバス制。各章終了後に主人公によるナレーション、次章予告が入る。 --全体マップから移動したいポイントを選択し、そのポイント内をキャラクターを移動させてイベントを起こしていく部分もほぼ同一。マップ画面はフル3Dと異なる。 --このパートでパーティメンバーの編成、メンバーのLBXのカスタマイズが可能。 ---頭、胴体、右腕、左腕、脚部の5つを組み合わせて、LBXを組み上げる。パーツ事にLP、防御、重さ、耐性などのパラメータが存在し、戦闘でアーマークラスを上げれば、LPや防御はより上昇する。更に武器を2~4種類装備可能。 ---内部の「コアパーツ」を選択。武器の強さに補正をかけるCPU、必殺ファンクションの装備数と種類を決めるコアメモリ、チャンスゲージやバッテリー消費量を決めるモーター、行動時に消費するバッテリー、文字通りの補助パーツといったパーツをパズルの様に配置する。感覚としては『[[ロックマンエグゼシリーズ>ロックマンシリーズ#id_ae0449a1]]』のナビカスに近い。 ---「必殺ファンクション」もここで選択。攻撃したりアイテムを使うと貯まる「チャンスゲージ」を決められた分消費し、名前通りの必殺技、チャージ後必中の超必殺技、姿を消したり攻撃力を引き上げるといった特殊効果を付与するものもあり多岐に渡る。 ---トドメを必殺ファンクションで決めれば「ファイナルブレイク」となり相手のLBXパーツを一つ確定で入手できる。ただし失敗すればオーバーヒートしてピンチに陥る。 -バトルパートでLBXバトルを行う。街中ではシンボルエンカウント制、ダンジョンにあたる場所ではランダムエンカウント制。 --戦闘は平均的な3Dアクションバトル。スライドパッドで移動、それぞれのボタンで攻撃やジャンプなどの行動を取る。 --戦闘中も好きなタイミングで他のLBXと操作を切り替える事ができる。撃破された場合も同様。 **評価点(無印) -問題点も後述するが、LBXのカスタマイズは概ね好評。 --肘と膝がある最近のSDガンダムのような3頭身体型。標準型の「ナイトフレーム」、軽量・高速型の「ストライダーフレーム」、重装甲・タンク型の「パンツァーフレーム」といった分類があり、性能が様々なのはもちろん、デザインも魅力的。 ---騎士型の「アキレス」や、その後継機で、飛行形態に変形出来る「オーディーン」などの正統派もあれば、キャタピラを持つ重厚ボディの「ブルド」シリーズや忍者をモチーフにした「クノイチ」「ジライヤ」、メイド型の「グレイメイド」「さくら☆零号機」、変形合体((ただし合体形態は敵専用))する「ZX3シリーズ」などの変わり種も存在し、非常にバラエティ豊か。 ---「ズール」は古参機として存在するためか過去シーンに多く登場したり、名ありのキャラクターが使用する一般機は塗装されているなど、小ネタに富んでいる。 ---グラフィックは携帯機の割には良く、マントが動きに合わせてなびく芸の細かい演出も。 ---種類が非常に多く、性能を無視して見た目だけで機体を作ったり、逆にとことん性能を突き詰めたりなどいろいろなカスタマイズが出来る。 --コアパーツのカスタマイズでは、形状も性能も異なるパーツをマス目上でパズルのように組み合わせていく。楽しさと悩ましさがあり奥深い。 --ウェポンは8種類あり、特徴的な見た目や性能での選択肢がある。 ---剣は操作が簡単で、スキが少ない上に盾も装備出来るために安定している。斬属性のロングソード、貫属性のレイピア、衝属性のヘビィソードがある。 ---槍は盾が装備可能で、連続攻撃も可能でリーチも長いが、その分テンション切れを起こしやすい。主人公機が槍使いのためか、イベントで武器や必殺ファンクションを習得可能である。貫属性のランス、斬属性の薙刀、衝属性の棍がある。 ---ナックルは文字通りのインファイター。攻撃の手数が多いため相手を圧倒しやすく、コンボを起こしやすい。軽量なためにスピードランクを落とし難いが、盾を装備できなかったり、自分の技キャンセルが効かないために隙が発生しやすい。ナックルと素手は衝属性、クナイ・爪は斬属性。 ---ハンマーは射程距離が短いために攻撃が命中し難く、盾を装備出来ず、攻撃の手数が少ない上、武器が重いためにスピードランクが下がりやすい。しかし、空中戦時以外はスーパーアーマーを持ち、必殺ファンクションが強力。主に衝属性のハンマー、斬属性のアックス、貫属性のサイスがある。 ---片手銃は盾が装備可能な射撃武器で、汎用性が高い。攻撃属性は一定しておらず、攻撃力と弾数のバランスがいいハンドガン、攻撃力の代わりに弾数が多いマシンガン、弾数の代わりに攻撃力が高いリボルバー、吹き飛ばし効果のあるショットガンと、バリエーションが多い。 ---両手銃は射程が長く、片手銃と同じくバリエーションが多い。一撃の威力が大きいAMライフル、二段ジャンプが可能なアサルトライフル、狙撃が可能なスナイパーライフル、弾速が速いショットガンが存在する。 ---ランチャーは誘導性能があり、命中すると相手の足を止められる。だが、重い上に盾が装備できず、射程から離れると全く当たらなくなる。また、遠距離武器にしては属性が豊富。ランチャーはチャージ攻撃が四発同時発射で(弾数も四発分減る)、バズーカのチャージ攻撃は山なりに飛んで、着弾すると爆発する。 ---武器腕は特殊な武器で、ナックルでの攻撃と射撃の攻撃が切り換えられる。腕パーツに当たるため、スピードランクを落としにくいが、LP・DFの概念が無いため耐久性が疎かになる。射撃には二発同時発射の射撃タイプと、多段攻撃する放射系が存在する。 ---盾はガード時に受けるダメージが大幅に減少可能で、装備していて損は無い。しかし、当然重くなってしまい、一部の耐性が下がる場合もある。 --組み立てたLBXを自分で動かし、派手な演出の必殺技でトドメを刺す。流れにハマればカスタマイズからバトルを一貫して楽しめる。後述の初期PVにあったコマンドバトルではこの快感は得られなかっただろう。 --パーティメンバーは全員シナリオ中で専用LBXを入手する。組み替えは自由だが、専用LBXの頭部を使用していると出撃時の台詞も専用のものになる((主人公「山野バン」なら「いっけぇー! アキレス!」「オーディーン! お前の力を見せてくれ!」の2つ。また、シナリオ中で入手・使用しないものもキャラごとにLBX1~2体が登録されている。))。自由度の高さを持ちながら、専用機というキャラゲー的な要素も大事にされている。 -クエストBBSは作品世界の補完の役割もあり、いわゆる小ネタとして楽しむことも可能。 --数も多く、クリア前の時点で70件、クリア後には100件にもなる。 --クエストをするかしないかは自由。一応、1件だけはクエストのチュートリアルとしてストーリー中に組み込まれている。 -DLCとしてカードやガシャポン、クエストなどを配信している。無料なのでもらえる環境にあるならいつでもダウンロードできる。 -近藤嶺氏が作曲したBGMは好評。オーケストラを用いられた物が多い。 --特にラスボス戦3曲名『希望と絶望の狭間で』は人気が高い。主人公「山野バン」側の『希望』とボス側の『絶望』が混りあっている雰囲気を上手く表現している。 -Little Blue boXが歌うOPも好評。 -登場キャラクターの一人である「檜山蓮」が『世界に伝えたかったメッセージ』は、大きく評価されている。 **問題点(無印) -レベルファイブ作品につきものの''「日野脚本」の存在。''「ハードでリアル」をコンセプトとしているが、そのシナリオは非常に粗い。日野晃博氏が手掛ける脚本の多くに共通しているのだが、設定や用語を他のキャラクターに説明させるだけで描写皆無な部分が非常に多い。以下に抜粋したものを記載する。 --タイトルにある「ダンボール」は、ストーリーでも説明したように強化ダンボールのことを指す。ダンボール戦機とは「''ダンボール''の中で''戦''う''機''械」であり、また現実世界でのプラモ展開と同じようにブランド名として使われているため、あらすじだけ見たらなんら問題のないタイトルである。 ---しかし、本編でダンボールの中で戦う機会はかなり少ない。大会や特定のNPCとのバトルはきちんとダンボール内で行われるのだが、敵組織とのバトルはほとんどがダンボール外。''第2章の中心イベント~ボス戦もいきなりダンボール外((就任パレード中の総理をLBXで狙撃して暗殺しようとする敵組織の計画を現場で阻止する、というもの。))。''&br()おもちゃのバトルが世界の命運を賭けた本当のバトルになっていく作品は決して珍しくないが、タイトルに冠したダンボールという戦場を平気で飛び出していくのは流石に如何なものか。 ---ちなみに作中でダンボール戦機という呼び名が使われたことは''全く無い''(強いて言えばナレーションくらい) --終盤にはNシティ、フェアリーテイル計画、ドングリといった、敵組織の本当の目的に関する単語が突然続出するが、主人公達がこれらの単語に関わることはほとんどない。「実は敵組織は○○に××を△△する予定だったんだ!」「そんなことはさせない!」概ねこんなノリである。 -''キャラクターの描写にもいい加減な部分が散見される。'' --代表的なキャラクターが、第6章のボス「灰原ユウヤ」。 ---世界大会の会場入口で主人公を見つめているという意味有りげな導入を見せ、大会中も異様な強さで勝ち上がるという見せ場があったものの、ボス戦後に退場して以降''ほぼ話題にならない。'' ---大事故に巻き込まれて孤児になった彼を敵組織が拾って人体実験を行っており、実戦投入したシステムが彼を暴走させる…という設定なのだが、ゲームのみでは敵組織に属している理由さえ分からなくなってしまっている。 ---主人公のライバルキャラ「海道ジン」も同じ事故に巻き込まれているが、彼についてはしっかり描写されている。なお、ユウヤに関するこれらの設定はアニメ版で語られた。 --ヒロイン、「川村アミ」は気の強い(普通の)女の子と言うキャラだが、前触れなしに驚異の推理力を発揮する。しかも車上での戦いという状況で証拠を集めているため、突飛な印象が強い。推理小説でも読んでいたのだろうか。 ---それ以前にも序盤の時点で、大人達を信用したと見せかけてLBXを使って盗聴を行ったり、普通の中学生ならまず知らないような言語に精通していたりといった不気味な描写がある。 --主人公が通う中学校の番長「郷田ハンゾウ」はLBXメーカー「プロメテウス」の御曹司なのだが、''公式サイトなどに設定が載っているだけで、一切説明がない。'' ---彼のLBX「ハカイオー」は、タンク型専門であるプロメテウス社で唯一の二足歩行型((『BOOST』でプロメテウス製の二足歩行型LBX「トゥルーパー」が登場する。))で、特注品であることには触れられているのだが、「誰のための、何のための特注品なのか」はゲーム内では分からない。 ---また、彼は上からの命令として模型店の「アキレス」を購入するのだが、何故か偽造カードを使用して購入している((適当な作りだが、店員は寝ぼけていたために気付かなかった。))。理由は一切不明。 --郷田のライバルキャラ「仙道ダイキ」は、後半で他のパーティーメンバーと同様にLBXの乗り換えを行うが、''彼の新型機だけ出自が不明。'' ---その新型機「ナイトメア」は、「社内に一機のみ存在していた試作品を何者かが持ち出し、経緯不明で仙道の手に渡った」という設定が存在しているが、大会に出場して見逃されているのは不自然である。 ---程度の違いこそあれ(郷田は前述の設定を知っていることが前提だが…)ナイトメア以外の機体は全て出自が明らかなので、尚更不自然である。 --いい加減…とは少し違うが、バンの父親で物語のキーパーソンである山野博士の万能キャラも問題。 ---変装して大会に参加したり、簡単な材料から爆薬を作ったり、戦いの最中にデータを送ったりするなど、ほとんどのピンチを彼が解決してしまうという有能さが目立つ。仲間にも「山野博士の事だから、別の解決策もあるだろう」と言われるほどである。 だがこれでも日野脚本の中ではまとまっているほうであり、盛り上がる展開も多く存在する。 -''コアカスタムのパーツバランス'' --小さいコアパーツを複数装着し高い性能を得られるのが必然的になっており、大きいパーツを装備する意味が薄れている。 -''バトル関連システムの練りこみ不足。'' --変形機構を持つ「オーディーン」は専用必殺ファンクション「JETストライカー」が使用できるのみで、バトル中に「変形して空中を移動する」というような行動をすることはできない。 ---後の『W』ではこれが可能になり、ファンを喜ばせた。 --NPC、特に仲間の頭が非常に悪く、仲間に作戦を出してある程度行動をコントロールできるはずなのだが、内容と違うような行動を行うことがあり、デフォルトの作戦「おまえにまかせる(自由に行動させる)」以外を指定する意味が薄れてしまっている。 --武器のカテゴリごとに攻撃方法とパーツ重量の違いがあるが、使える武器・使えない武器の格差が大きい。 ---後者の代表格が「スナイパーライフル」。最高級のダメージ補正と弾速を持つ代わりに、ほぼ攻撃不可能に近いデメリットばかりを背負わされている。&br()足を止めてスコープを覗き見る狙撃モード専用武器なので、攻撃前後の隙が大きすぎる。敵を自動ロックオン・自動追尾してしまう親切すぎるシステムと、ダッシュありきのスピーディーなバトルでは「狙撃」が難しい。必殺技の発動中には狙撃モードが使えないので''全武器中唯一「攻撃不可能」な隙が生じる。'' ---その為、スナイパーライフルによる長距離射撃を主戦法とする、メインキャラクターの一人「青島カズヤ」に対しても、彼をNPCとして動かせるのならば狙撃銃ではなく単発銃や剣などを持たせて戦わせる方がよほど勝率が上がる始末である。 --総じて戦略性にやや乏しく、強い武器で殴るだけに終始しがち。低年齢層・アクション・カスタマイズという要素を重ねると致し方ない点はあっただろうが、産廃武器は擁護できない。 --なお、これらのほとんどの問題は後の『W』で大きく改善されている。 ---具体的には、武器ごとの攻撃のパターン・手数が増えたり、狙撃銃の使用を中心に倒す大型の敵が出現した。 -''その他UIの不親切さ。'' --TIPSが不親切。「武器の使い方」や「バトルのルール」などのような単純な事しか書かれておらず、「バトルに負けてしまった場合のヒント」などのような基本的であれ重要な要素が書かれていない。 --カスタマイズを保存して呼び出す機能が無く、組み立て作業自体も一種のバトル。 --LBXのパーツの売却は1個ずつでしか行えない。パーツにレベル(熟練度)が存在するシステムの都合から難しかったのかもしれないが…。 -''作業と化す深すぎるやり込み要素。'' --LBXパーツの「グレード」「レベル」 ---本編クリア前のシナリオ中で手に入るほとんどのパーツは、下位「ノーマルグレード(NG)」で、限定商品などで販売されるのが中位「ハイグレード(HG)」。上位「マスターグレード(MG)」は、クリア後から手に入りやすくなる。&br()HGはNGより、MGはHGより高性能で、パーツのレベルでは覆せないほど。ただし上のグレードほど重量があり、スピードが下がる。しかし5部位のパーツで「スキル」を揃え、それに対応する武器を装備することで、スピードを上げる(下のグレード並に取り戻す)ことができる。 ---スキルはパーツごとの固有ではなく、パーツの入手時にランダムで付く。目当てのスキルを持つパーツの入手には多大な労力と時間を要する。 ---MGには別カラー版パーツが存在する。カラーエディット機能は存在せず、あくまで別パーツ。クリア後にもやり込んでようやく、である。 ---パーツでは肉抜き・パテ盛りで防御力とスピードを調節できる。しかしクリア後の攻撃力インフレにはパテ盛りでの防御強化が必須であり、肉抜きは使い所が無い。 ---一つ一つのパーツごとにレベルが設定されており、これによってHP量が大きく変わる重要な要素となっている。ただ最大が''Lv.100''と非常に高い。ストーリークリア時点ではNGパーツが大体40~50に到達できればいい程度で、後は敵と戦う事しか上げる方法は無い。これも作業感を加速させている。 -カードに描かれたLBXと戦い、LBXカードとパーツ、武器を入手していく''「カードバトル」'' ---カードには「シリーズ」が設定されており、後半のシリーズ(4/9)から5連戦の長丁場が始まる。''このゲームのラスボスでさえ3連戦なのだが。'' ---LBXカードバトルのシステムが非常に悪く、''ダブルアップでカードがダブる''(同じカードが2枚同時に出る)という笑えない事態も多発。 ---ルール上の穴もある。残機制の対戦なので弱いカードを大量に店買いしておいてセット、そして雑魚を集中攻撃すれば簡単に勝利できる。 ---そのため、カードを最も効率良く集められるのは''一戦目でさっさと負けてカードだけもらう''((負けるとパーツは入手できないが、カードはもらえる。レアカードが出ないなどの制約は無いが、勝利して終える方がレアカードは出やすい。))という異様な作業。もはや敗北の屈辱感さえ軽薄。 ---クリアしても記載されたパーツや武器がどう手に入るかは完全に''ランダム''。ファイナルブレイクも通用しないのでただただ出るまでやり続けるしかない。カード限定のパーツも非常に多く、さらにここからスキル厳選。とても子供向けゲームの仕様とは思えない狂ったバランスとなっている。 -大幅に強化された敵に挑む''「ランキングバトル」'' ---MGパーツ・AI強化・火力インフレ・回復アイテム解禁、レベル限界突破、今までとは比べ物にならないほど強化されすぎている。「攻撃力アップの補助技」と「攻撃力アップのアイテム」を重ねがけして、速攻で潰すという世紀末的な戦い方も止むを得ないほどで、戦略の自由性が薄れている。 ---こちらの攻撃をステップで瞬時に避けるような普通ではできない行動をしたり、ガードを瞬時に崩してきたり、時にはフィールドで逃げ回るなど非常に忙しく鬱陶しい動きをする。 ---機体は異常なまでのHPを持ち、高火力で押しつぶしてくる。さらに一定値までHPを減らしたら''回復アイテムで全快。''正気か? ---ランキングバトル後半になると、様々な特殊ルールが追加される。中には2対2で片方が撃墜されたらその時点で終了、というルールのバトルが導入されるが、大抵味方CPUが敵の圧倒的火力でねじ伏せられて敗北するパターンが殆どになるので、味方を外して1対2で戦う方が良いとまで言われる始末。 --カードバトル、ランキングバトルとも、結局のところ「強かったり色が違ったりするパーツ」目当ての作業…もとい苦行と化してしまい、''別のバトルになっている必要性を感じられない。'' --''通信対戦100勝が入荷条件のパーツがある。''協力プレイでの勝利数もカウントしてくれるとはいえ、ユーザー数人(または通信環境)と一緒にそれなり以上のプレイ時間を要する(しかし、そのパーツを一式装備して習得できる「必殺ファンクション」は射程威力共に高く使い勝手が良い。)。 **総評(無印) -ロボットをカスタマイズして戦わせるというゲームは『カスタムロボ』や『[[メダロット>メダロットシリーズ]]』、高年齢層でも『[[アーマード・コア>アーマード・コアシリーズ]]』といった作品がシリーズ化している前例から考えても、十分人気を勝ち取れるジャンルではあった。 -しかし、ロボットのデザインとカスタマイズ性の評価を、シナリオとゲーム性の問題で台無し寸前にしている。 -日野氏が手がける限りシナリオは大きな期待は出来ず、システムの不便さと行き過ぎたやり込みもレベルファイブ作品の慢性的な問題であり、早急な改善は難しい。 -ゲームバランスについても、調整不足な点は否めない。 -「ハードでリアルな世界観」というコンセプトをゲームでうまく表現しきれなかった佳作、といったところか。 **余談 -最初に公開されたPVでは、キャラクターグラフィックやゲームシステム(コマンドバトル制だった)が著しく異なっている。攻略本には、開発初期の没案などについても触れられている。 -ゲーム発売前からアニメ、プラモデルでのメディアミックスを先行させている。 -アニメの3DCGはグラフィックとモーションのどちらもハイクオリティ。ゲームのシナリオで不足していた描写がフォローされることもある。 -プラモデルはバンダイによる完成度の高さに加え、「ゲームやアニメと同じく、1/1で組み換え可能」というなりきり玩具的な側面とメディアミックス展開の成功で、ガンプラが無かったら死んでいるとまで言われるプラモ市場で爆発的なヒットを打ち出している。 -本作は「AX-00」のLBXプラモが同梱されてている。初期に設計されたためか市販プラモと比べて若干作りは粗いものの、ゲームの世界観体験や関連商品の宣伝としては十分な効果を上げている。 --「AX-00」は本作発売8年後の2019年4月13日に単体で再販され、模型店等ゲームソフトを扱わない店で入手できるようになった。 ---再販版「AX-00」にはキャンペーンでしか入手できなかった武装パーツ「鋼鉄棍」と「オートマチックガン」が付属している。 -本作のEDテーマである『Little smile』は日野氏自らが作詞を行った曲で、高い評価を受けているのだが、なぜか音源化されておらず、後に発売されたアニメ・ゲームの『ダンボール戦機』『ダンボール戦機W』のOP・ED曲を網羅したCDでも唯一の未収録曲となっている。 **その後の展開 -2012年に発売された[[ガンダムシリーズ]]の一作『機動戦士ガンダムAGE』のゲームである『[[機動戦士ガンダムAGE UNIVERSE ACCEL/COSMIC DRIVE]]』は本作のシステムを流用している。 -2017年にレベルファイブとDMMゲームズと共同で「LBXを美少女に擬人化」したソーシャルゲーム『装甲娘』が発表された。 --PCブラウザ向けに2018年1月から6月までサービスしたのち長期メンテナンス名目で休止。開発体制やゲームシステムを改めたリニューアル版『装甲娘 ミゼレムクライシス』が2020年中にPCブラウザ・iOS・Android向けにサービス開始。が、過去作ファンや新規からの高評価を得られないまま2021年7月6日にサービスを終了すると発表した。 --フィギュアの発売や雑誌『コロコロアニキ』でコミック連載などメディアミックスもされている。 --2021年からはアニメ『装甲娘戦機』が放送開始しているが、旧版開始時に企画が始まったために『ミゼレムクライシス』に合わせる事が困難となったため、世界観は旧版寄りになるなど独自路線の作品となっている。 &br ---- *ダンボール戦機BOOST 【だんぼーるせんき ぶーすと】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B005TESOY6)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2011年11月23日|~| |価格|4,980円|~| |判定|なし|~| **概要(BOOST) -ダンボール戦機に様々な要素を追加した完全版。新パーツ、新必殺ファンクションが大量に追加され、前作ではパーティに加わらなかったキャラクターを仲間にできる。 -OP・ED曲も一新。OPは前作から、そして今後も「ダンボール戦機」シリーズのOPを歌い続ける事になるLittle Blue boXの、EDには「W」までダンボール戦機を支え続けた前川紘毅氏の新曲がそれぞれ採用されている。 **評価点(BOOST) -メニュー周りの改善。カスタマイズ画面等でL/Rを押すとキャラやパーツ部位の変更が可能になったり、前作の不満点の一つであったパーツ売却がまとめてできるようになった。 -カスタマイズのマイセット登録も可能になり、状況に合わせたLBXをすぐ用意できるようになった。 -操作キャラクターが10名追加。それに伴い個々の差別化を図る為にそれぞれのキャラに固有の特殊能力が設定されている。 --オタレッドやマスターキングといった意外なキャラクターも仲間になる。特に女性キャラ追加は男性ファンから喜ばれた。 -新しい武器種として「二刀流(剣)」と「二丁拳銃(銃)」が追加。 --同じ武器限定ではあるが、盾の代わりに両手に武器を装備することで手数を生かした戦いなどが出来るように。 -ストーリーで戦った巨大ボスと何度でも戦える「ボスバトル」が追加。 --これまでのボス戦は途中で演出が挟まったりとイベント要素が強かったが、遂に本格的な強敵として立ち塞がる。 -次回作予定のダンボール戦機Wの前日談である「エピソード0」が追加されている、のだが…。 **問題点(BOOST) -前作のデータを引き継いでも''ストーリーは最初からやる必要がある''。 --そのため新しく追加されたLBX「イプシロン」などは最初から使用することができない。 --追加要素のエピソード0は次回作の新主人公である「大空ヒロ」の人となりを紹介する話ではあるのだが、プレイをするためには一度ストーリーをクリアしなければならないため、前作をクリアした人でもエピソード0をプレイするためにはもう一周する必要がある。 ---イベントスキップ機能などがやや不便だったためエピソード0を早くやりたい人には辛い仕様。 -パーツレベルや武器ごとのバランスといった物は改善されていない。新しい要素を追加したのはいいが粗末なバランスはそのまま。 -ただでさえ多かったLBXカードが更に追加され、コンプリートに至るまでには長い年月が掛かる。 -新要素である通信ポイント。これは通信対戦を行ったりストーリーを周回する度に貯まるポイントで、それを使って新しいパーツを入手出来たりするのだが、これが非常に貯め辛い仕様になっている。 -通信プレイができる友達がいればいいが、そうでない場合は必然的に周回プレイを余儀なくされる。しかもただ周回しただけではポイントはそこまで貯まらず、効率良く稼ぐには周回前にアイテムを揃える、パーツを鍛えておく等の必要がある。 --また、そもそも通信プレイでも大きくもらえるわけでもない。 --なんと前作のデータを引き継いでも、この通信ポイントを利用してパーツを買い戻す必要がある。ただでさえイベントスキップやダンジョンの作りに難がある本編をわざわざ何周もするのは苦行と言える。 --交換に必要なポイントが高いものが多く、パーツの場合はLV1で固定される。ここで手に入れるよりかは他で集めた方が断然いい仕様となっている。 -オーディーンに次ぐ機体として登場した「イプシロン」には、なんと''「行けっ、イプシロン!」のような出撃セリフが実装されていない''。 --コンプ特典で入手できる特殊機体にはキャラクターの専用出撃セリフが存在するため、残念という声が多い。 -キャラごとの固有特殊能力の殆どが「〇〇フレームの機体パーツで統一」「武器に○○を装備」を要求してくるので、自由なカスタマイズをした場合は恩恵を受けにくい。 --逆に言えば、それさえ満たせれば恩恵を受けることができるため、使い方次第では有用である。 -大して改善の見られないランキングバトル。よく対比として挙げられるカスタムロボと違い、ほとんどパラメータの上昇でバランスを取っているので非常に大味。今作で追加された裏ランキングバトルはさらに''悪化''しており、自分のカスタマイズした機体では勝てない事も普通に起こる。 --数少ない対策として、パーツは引き継げないので''1''から前作の倍である上限''200''までのLBXパーツの延々としたレベル上げや、カードバトルで比較的手に入りやすい追加装備を使って戦うしかない。 **総評(BOOST) 前作の反省は随所に見受けられ大きく改善した部分はあるが、レベルファイブ特有の「やり込ませ」が悪い方向で働いた結果、完全版と言うに相応しい『ボリューム』はあるものの、単調で飽きの早い作業ゲーになってしまっている。しかしダンボール戦機好きには嬉しい追加要素が多いのは事実であり、限定品であった『AX-00』も現在再販されているため、PSP版ではこちらを選ぶべきだろう。 &br ---- *ダンボール戦機 爆ブースト 【だんぼーるせんき ばくぶーすと】 |ジャンル|プラモクラフトRPG|&amazon(B007UYAKR2)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~| |発売日|2012年7月5日|~| |価格|4,400円|~| |判定|なし|~| **概要(爆ブースト) -ダンボール戦機BOOSTに様々な要素を追加した移植版(公式曰く究極パッケージ)。新パーツや新必殺ファンクションが追加され、無印、BOOSTで仲間にならなかったキャラクターが仲間になる。 **評価点(爆ブースト) -今回から合計6人での通信対戦が可能になった。(無印、BOOSTでは通信対戦は4人まで) -操作キャラクターが6名追加。BOOST同様、個々の差別化を図る為にそれぞれのキャラに固有の特殊能力が設定されている。 --シナリオ中に登場する謎の男「マスクドJ」とその息子「マスクドB」と妻「マスクドM」。次回作「ダンボール戦機W」より「山野バン(W)」、「大空ヒロ」、「花咲ラン」が使用できる。 ---それに伴い、Wでの彼らのLBXや、新たな必殺ファンクションが追加されている。 -新たなやり込み要素「アルテミスレジェンド」。シナリオ中に登場する様々なキャラクターとのトーナメントが何度でも楽しめる。 --そのキャラクターの中には操作キャラクターの面々から北島店長、財前総理などシナリオ中でバトルをしないキャラクターまで様々である。 --決勝戦はシナリオ中のアルテミス同様5人での対戦となる。 ---無印、BOOSTでは5人での対戦はシナリオ以外ではできなかったため、ユーザーからは喜ばれた。 --入手できる経験値が多いため、レベル上げがここで容易に行えるようになった。 --BOOSTで追加された通信ポイントをここで稼げるようになった。 ---これにより、友達との通信プレイや周回プレイをせずともに通信ポイントを稼げるようになった。 -前作までの全てのOP、EDを見られる。OPはタイトル画面でスタートボタンを押すことでOP映像が何度でも切り替わる。PSP版の映像もすべて3D映像となっており、一度見たファンも必見。 --当然、今作のOP・EDにもLittle Blue boXと前川紘毅氏それぞれの新曲が投入されている。 **問題点(爆ブースト) -相変わらず改善の見られないランキングバトル。無印、BOOST同様、ほとんどパラメータの上昇でバランスを取っているので非常に大味。 --その上、今回からは3vs3での戦いになったため、攻略が更に大変になった。プレイヤーからは役立たずのNPCが一人増えた、とまでいわれる始末である。 --前述の通りドロップアイテムは完全にランダムで、今作は相手に同じ機体のお供が一人増えたため、一部のアイテムは入手に時間がかかる。 -無印とBOOSTのDLCはネットワーク接続環境にあれば今でもダウンロード可能だが、今作では一部に期間限定配信の物が存在する為、今から本作をプレイしても一部のカラーのLBXは入手できず、現状復刻もないため、フルコンプをしたい人には厳しい仕様となっている。 --ただし、幸いにもDLCで入手できるLBXはフルコンプ条件から除外されている。 **総評(爆ブースト) ダンボール戦機2度目の移植。BOOSTで追加された要素の調整や補完が行われた一方で、ランキングバトルにカードバトルと課題はまだまだ残ったままである。 しかし、3DSを持っていて、まだダンボール戦機を遊んだことがないユーザーは買って損はないだろう。

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