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*1941 Counter Attack 【いちきゅうよんいち かうんたーあたっく】 |ジャンル|シューティング|&image(https://www.capcom-arcade-stadium.com/assets/images/ja/modal/logo_title16.png,height=160)| |対応機種|アーケード|~| |使用基板|CPシステム1|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1990年2月|~| |判定|なし|~| |ポイント|19シリーズ公式三代目&br()外観は正当進化&br()アドリブ要素減少&br()パターンゲーの色が濃い&br()戦闘機が壁でクルクル回る|~| |>|>|CENTER:''[[カプコン19シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1990年にカプコンからアーケードにリリースされた縦スクロールシューティング。『[[1942]]』『[[1943 ミッドウェイ海戦]]』に次ぐ、19シリーズの公式三代目にあたる((『1943改』は1943(原作)の派生作なのでここでは除外している。))。~ 今作では太平洋が舞台だった前作と打って変わって、ヨーロッパが舞台となっている。~ 当時におけるカプコンの最新基板「CPシステム」により製作され、過去作よりも様々な進化を遂げているのが特徴。~ 一人~二人同時プレイ可能。全6ステージ構成。 ---- **主なルール -1P側は「P-38 ライトニング」、2P側は「モスキート」の各機体を操作する(プレイヤーサイド毎に固定)。僅かではあるが、2P側の方が1P側よりも移動スピードが遅い、ショットの攻撃範囲が若干広い、当たり判定が大きいといった違いがある。 --2P側は攻撃力が高いと言われているが、実際はショットの同時発射数や連射速度の違いは無く、火力への影響は無い。 -レバー + 2ボタンによる操作。レバーにて自機の八方向移動、ボタンは各自、ショットボタンとメガクラッシュボタンに使用する。 --ショットボタンにてショットを発射する。また、ボタンを押しっぱなしにすると画面下部のゲージが上昇し、ゲージ段階に応じた箇所でボタンを離すと「徹甲弾」(いわゆるチャージショット)が放てる。共に使用回数無制限(但し、アイテムによるショット強化時では制限時間があるのでこの限りではない。(下記) --溜め撃ちはゲージ量により正面徹甲弾の威力と付随して発射されるホーミングミサイルの数が変わる。ゲージ1/3程度で2発、半ゲージほどで4発、ゲージ6/8ほどで6発、それ以上で8発が広角に発射される。ホーミングミサイルは挙動が独特で、正面徹甲弾が敵に当たらないと敵を追尾しないのと、何度も追尾するのではなく一度方向転換したらほぼ追尾しなくなるのでワイドショット的な使い方がメインとなる。徹甲弾は最大溜めよりもゲージ1/3~半ゲージ程度を小まめに撃つほうが蓄積ダメージは大きい。(2面道中の雑魚戦艦で顕著にそれが表れる) --メガクラッシュボタンを押せば、バイタリティを1消費して画面広範囲に強力な攻撃を放つ「メガクラッシュ」(一般的なシューティングのボム)が出せる。バイタリティに関してはルール項目最下記にて。 -ステージによっては壁が設置されている場面がある。これに自機をぶつけると一時的にローリングし、右回り、もしくは左回りにて360度方向にショットを撃つ「スピニングアタック」が出せる。但し、この状態はショットが拡散するので狭い地形で周囲から来る敵を撃つのに有用。自機が壁に当たってもダメージは受けない。 -赤編成機(稀に単独敵の場合もあり)を破壊するとアイテムが出現する。なお、アイテムには時間差で変化するものとしないもの(固定アイテム)がある。以下詳細。 --ショットアイテム系…これを取れば自機のショットを強化でき、チャージショットの性能も変化する。しかし、各ショットには時間制限があり(初回取得で60秒、最大99秒)それが0になると初期ショットに戻ってしまう為、定期的なアイテム入手が重要となる。 ---「マシンガン」…攻撃範囲は広くないが連射力に優れたショット。使いやすい安定型。 ---「ミサイル」…初期ショットに加え、左右側にミサイルを各自同時で三方向に放つ。攻撃範囲重視型。ミサイルは地形に触れるとそれに沿った動きを行う性質がある。また、耐久力の低い雑魚は貫通する。武器使用時間が切れる状況でなければショット幅の兼ね合いで基本的にミサイルで進むのが定石。 ---「スーパーシェル」…攻撃範囲、連射力共に低性能だが、敵貫通能力を持ち攻撃力の高いショット。前方集中型。 --バイタリティアイテム系…バイタリティを回復する。 ---「Pow」…バイタリティが1回復。バイタリティゲージ最大時に取ると5万点。 ---「弥七」…バイタリティ全回復。バイタリティゲージ最大時に取ると10万点。ステージ中の特定の編隊を全滅で出現。 --オプション系…自機をサポートする補助オプションを付ける。共に次ステージへの引継ぎは不可(そのステージをクリアすれば自動消滅)。 ---「サイドファイター」…自機左右各自にサイドファイターを付け、各自自機と同時にショットを放ってくれる。サイドファイターが敵などのダメージを一定回数もらうと消滅してしまう。過去作同様、サイドファイターに敵を体当たりさせた時の敵ダメージはかなり大きい。サイドファイターで敵を破壊するとスコアが2倍になる。装備時に重複して取ると2万点。 ---「アフターイメージ」…自機周りに残像型のイメージが付き、自機と同時にショットを放ってくれる。サイドファイターとは違いステージ内で消滅する要因はサイドファイターを取る以外は無い。装備時に重複して取ると2万点。 --スコアアップ系…赤敵機からは出現せず、何もない場所にショットを撃ち込むなどで出現するアイテム。スコアアップの効果で、アイテムにより(イチゴ、樽、うし等)入手スコアに差異がある。 -このゲームには「階級」というランクが存在する。ステージクリア後は殲滅した敵の数に応じて昇進し、昇進すればする程、敵撃破およびアイテム獲得時の入手スコアが増える仕掛けとなっている。((倍率は小数点単位で掛かるが、100点未満は切り捨てとなる。この為、素点100点の敵に倍率が掛かるには最低でも倍率が2倍となる「少佐」以上になる必要がある。)) -完全ライフ制で残機は存在しない。自機には「バイタリティ」というゲージがあり、被弾するかメガクラッシュを放つ度にゲージを1メモリ消費する。ゲージが0の状態ではメガクラッシュを使うことは出来ず、被弾するとゲームオーバー。 --前作『1943(改)』とは違い、時間経過では一切ゲージは減少しない。その変わり、ゲージの表示方式に変更があり、前作の「ダメージにてゲージ内の一定数が減少」ではなく「一律で1メモリ消費」というものになっている。 --ゲーム開始時におけるバイタリティゲージは初期/最大メモリでは3つだが、ステージ中の敵撃墜率により階級を上げることでバイタリティゲージの上限値が増える。ステージ内の敵を全滅させる(撃墜率100%)と”特別昇進”となり階級が一気に3上がる。ステージ1で達成するとゲージが2増えて2面開始時にバイタリティゲージが5で始まる。その代わり撃墜率が低いと”昇進保留”となりゲージが増えない場合がある。また、&bold(){ステージクリアするとバイタリティゲージは完全回復する}ので、ステージクリア時に&bold(){ゲージが0でも次の面で被弾即ゲームオーバー}という状況にはならない。 **評価点 -当時の最新基板にて製作されているだけあって、過去作と比べグラフィック周りなどがより繊細化し、同時期のACシューティングの中では外観上のクオリティが群を抜いていた。 --また過去作では海戦メインでグラフィックの使い回しが多かったが、本作は陸空海のあらゆるステージ舞台が用意され、非常に多彩なグラフィック使いとなっている。 --最新基板の恩威もありBGMのクオリティは過去作と引けを取らない程に高くゲームを盛り上げてくれる。 --PCM音源((CPシステムに搭載されているMSM6295の4チャンネルADPCM))による派手な敵破壊音もCPS1ならではであり、爽快感に一役買っている。 --通常の縦スクロールと、入り組んだ地形の中を進む斜めスクロールが交互に展開していく緩急織り交ぜたステージ演出は、他の縦STGでは見られない斬新さと面白さがある。 -「セミオート連射搭載のショット」「強力なチャージショットによる自機の火力強化」「一定時間で変化するようになったアイテム」「破壊率がステージ中の敵撃墜数の評価値となり、クリア条件でなくなった」など、以下の賛否両論点・問題点はあるものの前作と比べて遊びやすくなった点も存在している。これらの要素は次回作にも引き継がれた。 --連射装置は不要と言えるゲーム内容。やたらと硬い敵が物量で押し寄せてきて理不尽に追い詰められ潰されてしまうような展開は無い。ボス戦も弱点を覚えて攻めていけば長期戦にはならない。ノーマルショット含め各武装はどれも「バリバリ撃ち込んでいる感」があって爽快である。 **賛否両論点 ''前作からうって変わって「パターンゲー」の様相が強い'' - 前作『1943』では、「初心者は多少被弾しても回復アイテムを取り続けてリカバリーできる」という遊び方が許される一方で、「上級者は被弾せずに攻撃アイテムを取り続ける」という選択肢の幅があるため、幅広い層に支持を得たが、今作ではPowアイテムの出現数が極めて少ないため、リカバリーできないままミスになってしまうケースが多い。 -一見さんプレイヤーでもカジュアルにプレイできた過去作とは違い、きっちり攻略パターンを見出していかなければ前半ステージの突破も難しいゲームバランスになっている点は前作ファンには賛否が分かれる。 -- 後半ステージの苛烈ぶりは『1943』の方が顕著なため、「パターンさえ組めば難しくはない」というのが現在の評価だが、少なくとも初心者が2~3回遊んで楽しめるバランスとは言い難い。「間口が広く、奥に行くほど厳しくなっていく」前作とは正反対である。 - パターンゲーたりえる要因は下記の通り。 ''四方八方から容赦なく襲いかかる攻撃'' - 『19』シリーズを特徴づける要素ではあるものの、これでもかというほどに多数の敵が画面後方や下方横方向から登場し、弾をばらまいてくる。 -- 左方から、右方から、といった一箇所からの出現であれば、逆側に寄れば対処可能だが、場所によっては複数箇所から同時に登場することもあり、後方に下がっているだけでも被弾してしまうことも。 ---例を挙げると5面道中には敵出現が少し間を置いて、画面全体から雑魚が自機を囲むように出現する箇所がある。しかしそのような場所はほんの一部なので覚えていればメガクラッシュなしでも対処可能。その直後に弥七編隊も出る。 -画面後方に向かって攻撃する方法がほとんど存在しない(一部の攻撃で後方に飛ぶ攻撃もあるが主力にはなりえない)ため、やり過ごして下方から撃つのが基本的な対処方法となるが、そうしている間に第二陣が後方から現れることもある。 -前方から飛んできた際に撃ち漏らすと、画面外に飛び去っていかずに、後方でUターンする敵もいるため、避けることに精一杯の初心者はなおのこと囲まれやすいが、それが出るのは後半面なのでプレイを重ねていれば普通に対処ができるだろう。 -シューティングゲームにおいて、進行方向の後ろ側から敵が現れるというレベルデザインは、適度であればゲームに刺激を与えるスパイスになりえるが、本作では少々過剰気味。死因が「画面の1番下の方にいたせい」が多いというのは、理不尽に感じてしまうだろう。しかも1面序盤から中型機が複数同時出現である。 -それでも出現パターンを覚え、事前に敵を減らしておくことで対処可能なため、何度もプレイすることが肝要である。 ''「地形」を大きくフィーチャーしたステージデザイン'' - これまでのシリーズ作では登場しなかったが、『沙羅曼蛇』や『ドラゴンスピリット』のような当たり判定を持った「壁」がステージに登場する。 -ステージギミックとしてゲームの深みを増す要素ではあるものの、下記のような問題も併発している。 --緻密な書き込みのグラフィックスのおかげで、背景と壁の区別が非常につきづらい。 ---壁のあるゲームでは、背景は単色であったり、単純なパターンで描かれていることが多いが、前述の通り、本作では壁も背景も同様の描き込みがされていることが仇になっている。しかし通過出来ない地形はショットが止まるので余程目が悪くなければ普通に判別可能。 --移動範囲が大きく限られてしまう狭まった地形が多く、縦STGに慣れている人ほど不満に感じるだろう。この時代は地形に寄る移動制限のあるSTGが多かったが、地形に当たってもミスにならない今作はある意味親切とも言える。 --壁に設置されている小型砲台が多く、壁に寄ってそれらを撃破しようとするとクルクル回ってしまい、思わぬ事故が多発。 --横方向に攻撃できる手段が少ない上に避けられる範囲も狭いため、撃ち漏らしがあるとあっという間に窮地に陥る。ちなみにサブショットのミサイルは地形を這う動きをするので、如何にミサイルを保持するかが攻略に置いて重要である。 ---壁に接触しての回転ショットで攻撃する手段もあるが、ショットが大きく散らばるので離れた位置から狙って破壊することは難しいが敵弾の発射には周期があるのである程度近寄ってローリングすれば普通に破壊できる。 ''自機の当たり判定の大きさとバイタリティ制から来る被弾前提のレベルデザイン'' -『BATSUGUN』『首領蜂』などの、いわゆる「弾幕系」登場以前のSTGであり、当たり判定はほぼ自機の見た目通りである。 -それだけで言えば前作と変わりはないが、至近距離から広範囲に弾をばらまかれるケースが増しており、見た目の印象以上に隙間を抜けることが難しいが、隙間を抜けるだけが弾避けではなく纏めて大きく避けたり引き付けて避けるなどのテクニックを駆使することが重要である。 -1回の被弾で即ミスとなるSTGであれば、必ず避けられるポイントが想定された敵配置となっていることがほとんどだが、バイタリティ制であるがゆえに、完璧なパターンを組まない限りは半ば被弾することが避けられないようなバランスになっている。((エンディングのスタッフロールでは、開発スタッフ(?)によるダイジェストのデモが流れるが、これがことごとく被弾しており、バランス調整を放棄しているようにも見えなくもないのはただの主観であり、大抵のゲームのデモなどでも人工無能的な動きで被弾しまくっているのが大多数である。)) --バイタリティはステージクリアをすれば完全回復するため、ステージごとに何回かはうっかり被弾しても良いし、「少しでも危ないと思ったらむざむざ被弾するより無理せずバイタリティを1つ消費して決めボム」という攻略が基本である。 --もしもステージクリアでバイタリティが回復しない、もしくは回復が1などという仕様であれば、ゲーム性自体が大きく変わったであろう。本作は「ステージごとに独立したゲーム」と言って良く、いくらズタボロにされようとそのステージをクリア出来れば良いのだ。高難易度STGを求めていたユーザーには賛否が分かれる所である。 **問題点 -前述の通り、難易度は過去作『1942』『1943』より上昇しており「初見でもアドリブで何とかなる」ようなバランスは消え失せてしまった。 -まず、難易度上昇の要因の一つとして挙げられるのが、''「油断していると即効でなくなってしまうバイタリティの問題」''がある。 --まずメガクラッシュは、バイタリティを1つ消費する。事実上、被弾と同じ扱い。 --&bold(){「被弾時の無敵時間が短い&bold()(被弾から1.5秒の無敵時間)」}という仕様なので、連続して被弾するとバイタリティに余裕がある状態からでも瞬殺されてしまう事が多い。 --被弾時のエフェクトが視認しにくく、特に乱戦時には被弾した事自体に気付きにくい時が多い。いつの間にかバイタリティが1つ減ってるなという事が多々ある。 --また、時間によるバイタリティ消費がなくなった代償として、''過去作よりも回復アイテムの出現比率がかなり減ってしまった。'' --全滅させると弥七を出す編隊は5機が横一列に出現し、画面上部を2度往復した後は画面上部に飛び去ってしまうという、対処しづらい行動パターンである。特に2面では中央の1機がボスに重なってしまうため、意識しないと倒し損ねることのほうが多くなる。((バイタリティ残量があればメガクラッシュを使って強制的に編隊を倒してから弥七を取るという方法で一応対処は可能。)) --縦横問わずシューティングゲーム全般の基本がすでに身に付いている人であれば、本作のほとんどのパターンを体得するのは簡単な部類であり、早い人では10回程度で1コインクリア達成をするのは珍しくはない。しかしハイスコアやノーダメージクリアにこだわらないのであればボリューム不足に感じてしまう。 ---ライトユーザーには「難しすぎる」と敬遠され、そこそこの腕前程度のシューティングゲーマーでも「簡単すぎる」と、早々に卒業してしまうという両極端なゲームバランスである事は否めない。それ故に設置していても長期的に安定したインカムが得られにくく、「設置店を見つけたのでこれから本格的に遊ぼうと思ったら、すぐに撤去されてしまった」という事も。 ---このようなゲームバランスである事から、本格的なゲームセンターよりもデパートや観光施設の寂れたゲームコーナー、ドライブインやボウリング場、駄菓子屋の小型筐体でひっそりと長期稼働している事が多かった。 ---- **総評 硬派でリアル路線でありながら「壁でクルクル回る」という珍妙かつユニークな要素がある意欲作。道中に難しい箇所がいくつかあるとはいえ、ボス戦含めてほぼパターンゲームである。初見殺し的な罠のギミック、画面下から出てくるザコ敵、回復アイテムの場所と決めボムそれぞれを一度覚えてしまえば、遊ぶごとに着実に上達出来てサクサク進む事が出来るようになれるので、シューティング全般の中でも難易度はさほど高くはない。全面クリアまでのプレイ時間も短めでシューティングゲームの初心者にもお勧めである。 しかし、同年には『パロディウスだ!』や『雷電』といった注目作が稼動していた事もあり、当時のユーザーにはシューティングゲームは高難易度モノが求められていた。そして約1年後には格闘ゲームブームが始まり、本作を発売当初から長期間稼働させ続けていたゲームセンターは全国的にあまり多くはなかった。 それでいて中古基板は当時から相場が高めであり、格闘ゲーム全盛期&シューティングゲームも日進月歩であった時代に本作を中古で入荷させるゲームセンターは少なく、中古基板の流通数もあまり多くはなかったために基板プレイヤーでも入手しにくいものであった。 当時唯一の家庭用移植版は、「PCエンジン スーパーグラフィックス」の本体が必要で、さらに本作のソフトは出回りが非常に少なかった。それ故にアーケード版を含めてゲーム内容の認知と知名度の向上にも繋がらなかったりと、全国の大勢のユーザーにじっくり何度もプレイしてもらえる機会に長年恵まれなかった悲運の作品である。 「カプコンアーケードスタジアム」での完全移植の実現には長い長い年月がかかったために、未だに19シリーズの中では知名度が低く、次回作の『19XX』の影に隠れて過小評価されがちな本作ではあるが、今こそ大勢のユーザーに遊んでもらい再評価されるべき作品であろう。文字通り「カウンターアタック」(逆襲)の時が来たのだ! //外観上は間違いなく進化しており、19シリーズの人気ナンバリングタイトルになるポテンシャルは持っていた。しかし、同年には『パロディウスだ!』や『雷電』といった注目作が稼動していた事もあり、あまり注目されずマイナー寄りのタイトルとなってしまった感は否めない。 //次回作の『[[19XX>19XX THE WAR AGAINST DESTINY]]』は、プレイヤーを問わない傑作シューティングとしての評価を得ている。また、その続編『[[1944>1944 THE LOOP MASTER]]』のゲームデザインは本作の影響を幾分か受けているという説がある(メモリゲージ制によるバイタリテイなど)。 //&bold(){※このゲームの問題点と賛否両論を書いている人は、明らかにこのゲームを嫌いな人が主観で書いている模様なので今現在の現行機種で直ぐに遊べる「カプコンアーケードスタジアム」で実際にプレイして真偽を確かめることをおすすめします。} //↑記事内容が間違っていることを指摘するなら、修正依頼を出してください。また、具体的にどう間違っているのか具体的な指摘がないと、記事を修正しようにも修正しようがありません。プレイ済なのであれば、自力で修正するのも手段の一つです。 ---- **余談 -海外版は日本版と仕様の違いが多い。特に目立つ部分としては --ステージ順が異なる(日本版における2→3→1→4→5→6の順)。またステージ開始時の攻撃目標表示が復活している --全体的に自機の火力が上がっており、溜め撃ちの溜め時間も短くなっている --ミサイル装備時の正面のショットが目に見えて派手になっている --メガクラッシュが宙返りせずに正面へ螺旋状に爆風を飛ばすようになっている --アイテムを出す敵が増えており、Powの出現数も増えている。ただし一部の弥七を出す編隊から出現するのが青いPow(ライフ2メモリ回復)になっていたり、ライフゲージの上限が4ゲージまでしか増えない …といった具合になっている。 **家庭用移植 -PCエンジン スーパーグラフィックス版(1991年8月23日、ハドソン) --そもそもスーパーグラフィックス自体が、色々あるPCエンジン本体の中でも特に微妙な立ち位置のモノであり、普通のPCエンジンをすでに持っている人にとっては買う気にはなれなかったシロモノで、身も蓋もない言い方をすれば売れなかった。(1989年12月発売で、総販売台数は約75000台)普通のPCエンジンとの下位互換こそあれど、専用ソフトはたったの5本しか発売されなかった。後に発売されたCDロムと一体化した発展機である「PCエンジンDuo」にもスーパーグラフィックスの互換機能は採用されなかった。 --本作はその5本しか存在しないスーパーグラフィックス専用ソフトであり、また最後のソフトでもある。画面レイアウトの変更(縦長→横長)こそあるものの移植度はハード性能も相まってか非常に高く、二人同時プレイも可能となっている。 --スーパーグラフィックスに見切りを付けられた末期に発売された事もあって出荷数が少なく、即プレミアが付いて入手困難。ソフトだけ手に入れても本体が無ければ遊べず、当時から近年までPCエンジンの各仕様の事情を知らずにソフトを買って泣きを見た人も。 --そしてスーパーグラフィックスは販売当時は約4万円と高価な上に、中古本体はあまり店頭には流通せず、仮に安く買えたところで肝心の1941は入手困難。現在ではマトモに動くスーパーグラフィックス本体は希少なため、これまた本体もプレミア気味。当時から今に至るまでPCエンジン版1941を遊びたくても遊べないという悪循環。さらにバーチャルコンソールなどにも今現在未配信。 --家庭用版がこのような状況だったので、パソコンもインターネットもネットオークションもまだ一般的では無かった90年代中期~2000年代前半頃には、入手しにくく中古も高めなスーパーグラフィックス本体と、「1941をプレミア価格で買う&そもそも買いたくても手に入れる手段が無いに等しい」という面倒臭く不愉快な思いをするぐらいなら、ゲーメストなどを読み基板プレイの環境と1941基板を購入し、家で「本物」を遊べるようにしたほうが手間と費用を考えても満足度が絶対に良いと考え、基板ゲーマーデビューをしてしまった者は少なからずいた。そして1941が好きだから基板は手放さないし、後述のように移植される気配も無かった。中古基板の流通量があまり市場に多くはなく相場も高めだったのは、このあたりも原因だろう。 --余談だが、同年のPCEにナグザットから『[[1943改>1943改 ミッドウェイ海戦#id_42ec6d65]]』がリリースされており、1991年に同じPCEにて19シリーズの移植が2本発売された事になる。 -日本での家庭用移植はスーパーグラフィックス版以降は明確な理由は不明だが冷遇されていた。 --1994年 プレイステーションとサターンが登場。アーケード版と遜色無い家庭用移植作が各メーカーから続々と発売され、カプコンも1941を移植するのは時間の問題だろう。→無かった。 --1998年 プレイステーションとサターンでの『カプコンジェネレーション』に収録される事が大いに期待されていたが実現しなかった。 --2000年頃 PS2やドリームキャストなどの新世代機の登場により、「他社みたいにリメイクとオリジナルを同時収録するようなリバイバル作品みたいなモノで1941が出ないかな?」→無かった。 ---2006年 PS2とXboxで『CAPCOM CLASSICS COLLECTION』が発売。『vol.2』には収録されたが、&bold(){vol.2は日本では販売されなかった。}Xbox版の方は日本仕様の本体でも起動できる。 --同じく2006年 PSPで&bold(){海外}で発売された『CAPCOM CLASSICS COLLECTION Remixed』にはほぼ完全移植のAC版が収録されている。日本仕様のPSP本体でも起動できる。 --2006年 Wiiが登場。アーケード作品も扱うし、競合ハードの中で唯一PCエンジンCDロム作品までDL販売されるなら、スーパーグラフィックス版と一緒に今度こそあり得るのでは?→無かった。 --2013年 PS3とXbox360『カプコンアーケードキャビネット』~ 「80年代」のカプコンのアーケード作品をいくつか集めたもの。もしかしたら「90年代」の第二弾が出るのかな?→無かった。 **悲願の日本での家庭用完全移植 -『[[カプコンアーケードスタジアム]]』(Switch・2021年2月18日、PS4/XboxOne/Windows・2021年5月25日) -ついに約30年の時を経て1941が晴れて日本で現行機に移植された。画面回転モードもあるのでアーケードそのままの感覚でプレイ可能。海外版も収録されている。 --どこでもセーブ機能に加えて巻き戻し機能やゲームスピードの変更機能が搭載されており、パターン要素の強い本作の反復練習にはうってつけである。
*1941 Counter Attack 【いちきゅうよんいち かうんたーあたっく】 |ジャンル|シューティング|&image(https://www.capcom-arcade-stadium.com/assets/images/ja/modal/logo_title16.png,height=160)| |対応機種|アーケード|~| |使用基板|CPシステム1|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1990年2月|~| |判定|なし|~| |ポイント|19シリーズ公式三代目&br()外観は正当進化&br()アドリブ要素減少&br()パターンゲーの色が濃い&br()戦闘機が壁でクルクル回る|~| |>|>|CENTER:''[[カプコン19シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1990年にカプコンからアーケードにリリースされた縦スクロールシューティング。『[[1942]]』『[[1943 ミッドウェイ海戦]]』に次ぐ、19シリーズの公式三代目にあたる((『1943改』は1943(原作)の派生作なのでここでは除外している。))。~ 今作では太平洋が舞台だった前作と打って変わって、ヨーロッパが舞台となっている。~ 当時におけるカプコンの最新基板「CPシステム」により製作され、過去作よりも様々な進化を遂げているのが特徴。~ 一人~二人同時プレイ可能。全6ステージ構成。 ---- **主なルール -1P側は「P-38 ライトニング」、2P側は「モスキート」の各機体を操作する(プレイヤーサイド毎に固定)。僅かではあるが、2P側の方が1P側よりも移動スピードが遅い、ショットの攻撃範囲が若干広い、当たり判定が大きいといった違いがある。 --2P側は攻撃力が高いと言われているが、実際はショットの同時発射数や連射速度の違いは無く、火力への影響は無い。 -レバー + 2ボタンによる操作。レバーにて自機の八方向移動、ボタンは各自、ショットボタンとメガクラッシュボタンに使用する。 --ショットボタンにてショットを発射する。また、ボタンを押しっぱなしにすると画面下部のゲージが上昇し、ゲージ段階に応じた箇所でボタンを離すと「徹甲弾」(いわゆるチャージショット)が放てる。共に使用回数無制限(但し、アイテムによるショット強化時では制限時間があるのでこの限りではない。(下記) --溜め撃ちはゲージ量により正面徹甲弾の威力と付随して発射されるホーミングミサイルの数が変わる。ゲージ1/3程度で2発、半ゲージほどで4発、ゲージ6/8ほどで6発、それ以上で8発が広角に発射される。ホーミングミサイルは挙動が独特で、正面徹甲弾が敵に当たらないと敵を追尾しないのと、何度も追尾するのではなく一度方向転換したらほぼ追尾しなくなるのでワイドショット的な使い方がメインとなる。徹甲弾は最大溜めよりもゲージ1/3~半ゲージ程度を小まめに撃つほうが蓄積ダメージは大きい。(2面道中の雑魚戦艦で顕著にそれが表れる) --メガクラッシュボタンを押せば、バイタリティを1消費して画面広範囲に強力な攻撃を放つ「メガクラッシュ」(一般的なシューティングのボム)が出せる。バイタリティに関してはルール項目最下記にて。 -ステージによっては壁が設置されている場面がある。これに自機をぶつけると一時的にローリングし、右回り、もしくは左回りにて360度方向にショットを撃つ「スピニングアタック」が出せる。但し、この状態はショットが拡散するので狭い地形で周囲から来る敵を撃つのに有用。自機が壁に当たってもダメージは受けない。 -赤編成機(稀に単独敵の場合もあり)を破壊するとアイテムが出現する。なお、アイテムには時間差で変化するものとしないもの(固定アイテム)がある。以下詳細。 --ショットアイテム系…これを取れば自機のショットを強化でき、チャージショットの性能も変化する。しかし、各ショットには時間制限があり(初回取得で60秒、最大99秒)それが0になると初期ショットに戻ってしまう為、定期的なアイテム入手が重要となる。 ---「マシンガン」…攻撃範囲は広くないが連射力に優れたショット。使いやすい安定型。 ---「ミサイル」…初期ショットに加え、左右側にミサイルを各自同時で三方向に放つ。攻撃範囲重視型。ミサイルは地形に触れるとそれに沿った動きを行う性質がある。また、耐久力の低い雑魚は貫通する。武器使用時間が切れる状況でなければショット幅の兼ね合いで基本的にミサイルで進むのが定石。 ---「スーパーシェル」…攻撃範囲、連射力共に低性能だが、敵貫通能力を持ち攻撃力の高いショット。前方集中型。 --バイタリティアイテム系…バイタリティを回復する。 ---「Pow」…バイタリティが1回復。バイタリティゲージ最大時に取ると5万点。 ---「弥七」…バイタリティ全回復。バイタリティゲージ最大時に取ると10万点。ステージ中の特定の編隊を全滅で出現。 --オプション系…自機をサポートする補助オプションを付ける。共に次ステージへの引継ぎは不可(そのステージをクリアすれば自動消滅)。 ---「サイドファイター」…自機左右各自にサイドファイターを付け、各自自機と同時にショットを放ってくれる。サイドファイターが敵などのダメージを一定回数もらうと消滅してしまう。過去作同様、サイドファイターに敵を体当たりさせた時の敵ダメージはかなり大きい。サイドファイターで敵を破壊するとスコアが2倍になる。装備時に重複して取ると2万点。 ---「アフターイメージ」…自機周りに残像型のイメージが付き、自機と同時にショットを放ってくれる。サイドファイターとは違いステージ内で消滅する要因はサイドファイターを取る以外は無い。装備時に重複して取ると2万点。 --スコアアップ系…赤敵機からは出現せず、何もない場所にショットを撃ち込むなどで出現するアイテム。スコアアップの効果で、アイテムにより(イチゴ、樽、うし等)入手スコアに差異がある。 -このゲームには「階級」というランクが存在する。ステージクリア後は殲滅した敵の数に応じて昇進し、昇進すればする程、敵撃破およびアイテム獲得時の入手スコアが増える仕掛けとなっている。((倍率は小数点単位で掛かるが、100点未満は切り捨てとなる。この為、素点100点の敵に倍率が掛かるには最低でも倍率が2倍となる「少佐」以上になる必要がある。)) -完全ライフ制で残機は存在しない。自機には「バイタリティ」というゲージがあり、被弾するかメガクラッシュを放つ度にゲージを1メモリ消費する。ゲージが0の状態ではメガクラッシュを使うことは出来ず、被弾するとゲームオーバー。 --前作『1943(改)』とは違い、時間経過では一切ゲージは減少しない。その変わり、ゲージの表示方式に変更があり、前作の「ダメージにてゲージ内の一定数が減少」ではなく「一律で1メモリ消費」というものになっている。 --ゲーム開始時におけるバイタリティゲージは初期/最大メモリでは3つだが、ステージ中の敵撃墜率により階級を上げることでバイタリティゲージの上限値が増える。ステージ内の敵を全滅させる(撃墜率100%)と”特別昇進”となり階級が一気に3上がる。ステージ1で達成するとゲージが2増えて2面開始時にバイタリティゲージが5で始まる。その代わり撃墜率が低いと”昇進保留”となりゲージが増えない場合がある。また、&bold(){ステージクリアするとバイタリティゲージは完全回復する}ので、ステージクリア時に&bold(){ゲージが0でも次の面で被弾即ゲームオーバー}という状況にはならない。 **評価点 -当時の最新基板にて製作されているだけあって、過去作と比べグラフィック周りなどがより繊細化し、同時期のACシューティングの中では外観上のクオリティが群を抜いていた。 --また過去作では海戦メインでグラフィックの使い回しが多かったが、本作は陸空海のあらゆるステージ舞台が用意され、非常に多彩なグラフィック使いとなっている。 --最新基板の恩威もありBGMのクオリティは過去作と引けを取らない程に高くゲームを盛り上げてくれる。 --PCM音源((CPシステムに搭載されているMSM6295の4チャンネルADPCM))による派手な敵破壊音もCPS1ならではであり、爽快感に一役買っている。 --通常の縦スクロールと、入り組んだ地形の中を進む斜めスクロールが交互に展開していく緩急織り交ぜたステージ演出は、他の縦STGでは見られない斬新さと面白さがある。 -「セミオート連射搭載のショット」「強力なチャージショットによる自機の火力強化」「一定時間で変化するようになったアイテム」「破壊率がステージ中の敵撃墜数の評価値となり、クリア条件でなくなった」など、以下の賛否両論点・問題点はあるものの前作と比べて遊びやすくなった点も存在している。これらの要素は次回作にも引き継がれた。 --連射装置は不要と言えるゲーム内容。やたらと硬い敵が物量で押し寄せてきて理不尽に追い詰められ潰されてしまうような展開は無い。ボス戦も弱点を覚えて攻めていけば長期戦にはならない。ノーマルショット含め各武装はどれも「バリバリ撃ち込んでいる感」があって爽快である。 **賛否両論点 ''前作からうって変わって「パターンゲー」の様相が強い'' - 前作『1943』では、「初心者は多少被弾しても回復アイテムを取り続けてリカバリーできる」という遊び方が許される一方で、「上級者は被弾せずに攻撃アイテムを取り続ける」という選択肢の幅があるため、幅広い層に支持を得たが、今作ではPowアイテムの出現数が極めて少ないため、リカバリーできないままミスになってしまうケースが多い。 -一見さんプレイヤーでもカジュアルにプレイできた過去作とは違い、きっちり攻略パターンを見出していかなければ前半ステージの突破も難しいゲームバランスになっている点は前作ファンには賛否が分かれる。 -- 後半ステージの苛烈ぶりは『1943』の方が顕著なため、「パターンさえ組めば難しくはない」というのが現在の評価だが、少なくとも初心者が2~3回遊んで楽しめるバランスとは言い難い。「間口が広く、奥に行くほど厳しくなっていく」前作とは正反対である。 - パターンゲーたりえる要因は下記の通り。 ''四方八方から容赦なく襲いかかる攻撃'' - 『19』シリーズを特徴づける要素ではあるものの、これでもかというほどに多数の敵が画面後方や下方横方向から登場し、弾をばらまいてくる。 -- 左方から、右方から、といった一箇所からの出現であれば、逆側に寄れば対処可能だが、場所によっては複数箇所から同時に登場することもあり、後方に下がっているだけでも被弾してしまうことも。 ---例を挙げると5面道中には敵出現が少し間を置いて、画面全体から雑魚が自機を囲むように出現する箇所がある。しかしそのような場所はほんの一部なので覚えていればメガクラッシュなしでも対処可能。その直後に弥七編隊も出る。 -画面後方に向かって攻撃する方法がほとんど存在しない(一部の攻撃で後方に飛ぶ攻撃もあるが主力にはなりえない)ため、やり過ごして下方から撃つのが基本的な対処方法となるが、そうしている間に第二陣が後方から現れることもある。 -前方から飛んできた際に撃ち漏らすと、画面外に飛び去っていかずに、後方でUターンする敵もいるため、避けることに精一杯の初心者はなおのこと囲まれやすいが、それが出るのは後半面なのでプレイを重ねていれば普通に対処ができるだろう。 -シューティングゲームにおいて、進行方向の後ろ側から敵が現れるというレベルデザインは、適度であればゲームに刺激を与えるスパイスになりえるが、本作では少々過剰気味。死因が「画面の1番下の方にいたせい」が多いというのは、理不尽に感じてしまうだろう。しかも1面序盤から中型機が複数同時出現である。 -それでも出現パターンを覚え、事前に敵を減らしておくことで対処可能なため、何度もプレイすることが肝要である。 ''「地形」を大きくフィーチャーしたステージデザイン'' - これまでのシリーズ作では登場しなかったが、『沙羅曼蛇』や『ドラゴンスピリット』のような当たり判定を持った「壁」がステージに登場する。 -ステージギミックとしてゲームの深みを増す要素ではあるものの、下記のような問題も併発している。 --緻密な書き込みのグラフィックスのおかげで、背景と壁の区別が非常につきづらい。 ---壁のあるゲームでは、背景は単色であったり、単純なパターンで描かれていることが多いが、前述の通り、本作では壁も背景も同様の描き込みがされていることが仇になっている。しかし通過出来ない地形はショットが止まるので余程目が悪くなければ普通に判別可能。 --移動範囲が大きく限られてしまう狭まった地形が多く、縦STGに慣れている人ほど不満に感じるだろう。この時代は地形に寄る移動制限のあるSTGが多かったが、地形に当たってもミスにならない今作はある意味親切とも言える。 --壁に設置されている小型砲台が多く、壁に寄ってそれらを撃破しようとするとクルクル回ってしまい、思わぬ事故が多発。 --横方向に攻撃できる手段が少ない上に避けられる範囲も狭いため、撃ち漏らしがあるとあっという間に窮地に陥る。ちなみにサブショットのミサイルは地形を這う動きをするので、如何にミサイルを保持するかが攻略に置いて重要である。 ---壁に接触しての回転ショットで攻撃する手段もあるが、ショットが大きく散らばるので離れた位置から狙って破壊することは難しいが敵弾の発射には周期があるのである程度近寄ってローリングすれば普通に破壊できる。 ''自機の当たり判定の大きさとバイタリティ制から来る被弾前提のレベルデザイン'' -『BATSUGUN』『首領蜂』などの、いわゆる「弾幕系」登場以前のSTGであり、当たり判定はほぼ自機の見た目通りである。 -それだけで言えば前作と変わりはないが、至近距離から広範囲に弾をばらまかれるケースが増しており、見た目の印象以上に隙間を抜けることが難しいが、隙間を抜けるだけが弾避けではなく纏めて大きく避けたり引き付けて避けるなどのテクニックを駆使することが重要である。 -1回の被弾で即ミスとなるSTGであれば、必ず避けられるポイントが想定された敵配置となっていることがほとんどだが、バイタリティ制であるがゆえに、完璧なパターンを組まない限りは半ば被弾することが避けられないようなバランスになっている。((エンディングのスタッフロールでは、開発スタッフ(?)によるダイジェストのデモが流れるが、これがことごとく被弾しており、バランス調整を放棄しているようにも見えなくもないのはただの主観であり、大抵のゲームのデモなどでも人工無能的な動きで被弾しまくっているのが大多数である。)) --バイタリティはステージクリアをすれば完全回復するため、ステージごとに何回かはうっかり被弾しても良いし、「少しでも危ないと思ったらむざむざ被弾するより無理せずバイタリティを1つ消費して決めボム」という攻略が基本である。 --もしもステージクリアでバイタリティが回復しない、もしくは回復が1などという仕様であれば、ゲーム性自体が大きく変わったであろう。本作は「ステージごとに独立したゲーム」と言って良く、いくらズタボロにされようとそのステージをクリア出来れば良いのだ。高難易度STGを求めていたユーザーには賛否が分かれる所である。 **問題点 -前述の通り、難易度は過去作『1942』『1943』より上昇しており「初見でもアドリブで何とかなる」ようなバランスは消え失せてしまった。 -まず、難易度上昇の要因の一つとして挙げられるのが、''「油断していると即効でなくなってしまうバイタリティの問題」''がある。 --まずメガクラッシュは、バイタリティを1つ消費する。事実上、被弾と同じ扱い。 --&bold(){「被弾時の無敵時間が短い&bold()(被弾から1.5秒の無敵時間)」}という仕様なので、連続して被弾するとバイタリティに余裕がある状態からでも瞬殺されてしまう事が多い。 --被弾時のエフェクトが視認しにくく、特に乱戦時には被弾した事自体に気付きにくい時が多い。いつの間にかバイタリティが1つ減ってるなという事が多々ある。 --また、時間によるバイタリティ消費がなくなった代償として、''過去作よりも回復アイテムの出現比率がかなり減ってしまった。'' --全滅させると弥七を出す編隊は5機が横一列に出現し、画面上部を2度往復した後は画面上部に飛び去ってしまうという、対処しづらい行動パターンである。特に2面では中央の1機がボスに重なってしまうため、意識しないと倒し損ねることのほうが多くなる。((バイタリティ残量があればメガクラッシュを使って強制的に編隊を倒してから弥七を取るという方法で一応対処は可能。)) --縦横問わずシューティングゲーム全般の基本がすでに身に付いている人であれば、本作のほとんどのパターンを体得するのは簡単な部類であり、早い人では10回程度で1コインクリア達成をするのは珍しくはない。しかしハイスコアやノーダメージクリアにこだわらないのであればボリューム不足に感じてしまう。 ---ライトユーザーには「難しすぎる」と敬遠され、そこそこの腕前程度のシューティングゲーマーでも「簡単すぎる」と、早々に卒業してしまうという両極端なゲームバランスである事は否めない。それ故に設置していても長期的に安定したインカムが得られにくく、「設置店を見つけたのでこれから本格的に遊ぼうと思ったら、すぐに撤去されてしまった」という事も。 ---このようなゲームバランスである事から、本格的なゲームセンターよりもデパートや観光施設の寂れたゲームコーナー、ドライブインやボウリング場、駄菓子屋の小型筐体でひっそりと長期稼働している事が多かった。 ---- **総評 硬派でリアル路線でありながら「壁でクルクル回る」という珍妙かつユニークな要素がある意欲作。道中に難しい箇所がいくつかあるとはいえ、ボス戦含めてほぼパターンゲームである。初見殺し的な罠のギミック、画面下から出てくるザコ敵、回復アイテムの場所と決めボムそれぞれを一度覚えてしまえば、遊ぶごとに着実に上達出来てサクサク進む事が出来るようになれるので、シューティング全般の中でも難易度はさほど高くはない。全面クリアまでのプレイ時間も短めでシューティングゲームの初心者にもお勧めである。 しかし、同年には『パロディウスだ!』や『雷電』といった注目作が稼動していた事もあり、当時のユーザーにはシューティングゲームは高難易度モノが求められていた。そして約1年後には格闘ゲームブームが始まり、本作を発売当初から長期間稼働させ続けていたゲームセンターは全国的にあまり多くはなかった。 それでいて中古基板は当時から相場が高めであり、格闘ゲーム全盛期&シューティングゲームも日進月歩であった時代に本作を中古で入荷させるゲームセンターは少なく、中古基板の流通数もあまり多くはなかったために基板プレイヤーでも入手しにくいものであった。 当時唯一の家庭用移植版は、「PCエンジン スーパーグラフィックス」の本体が必要で、さらに本作のソフトは出回りが非常に少なかった。それ故にアーケード版を含めてゲーム内容の認知と知名度の向上にも繋がらなかったりと、全国の大勢のユーザーにじっくり何度もプレイしてもらえる機会に長年恵まれなかった悲運の作品である。 「カプコンアーケードスタジアム」での完全移植の実現には長い長い年月がかかったために、未だに19シリーズの中では知名度が低く、次回作の『19XX』の影に隠れて過小評価されがちな本作ではあるが、今こそ大勢のユーザーに遊んでもらい再評価されるべき作品であろう。文字通り「カウンターアタック」(逆襲)の時が来たのだ! //外観上は間違いなく進化しており、19シリーズの人気ナンバリングタイトルになるポテンシャルは持っていた。しかし、同年には『パロディウスだ!』や『雷電』といった注目作が稼動していた事もあり、あまり注目されずマイナー寄りのタイトルとなってしまった感は否めない。 //次回作の『[[19XX>19XX THE WAR AGAINST DESTINY]]』は、プレイヤーを問わない傑作シューティングとしての評価を得ている。また、その続編『[[1944>1944 THE LOOP MASTER]]』のゲームデザインは本作の影響を幾分か受けているという説がある(メモリゲージ制によるバイタリテイなど)。 //&bold(){※このゲームの問題点と賛否両論を書いている人は、明らかにこのゲームを嫌いな人が主観で書いている模様なので今現在の現行機種で直ぐに遊べる「カプコンアーケードスタジアム」で実際にプレイして真偽を確かめることをおすすめします。} //↑記事内容が間違っていることを指摘するなら、修正依頼を出してください。また、具体的にどう間違っているのか具体的な指摘がないと、記事を修正しようにも修正しようがありません。プレイ済なのであれば、自力で修正するのも手段の一つです。 ---- **余談 -海外版は日本版と仕様の違いが多い。特に目立つ部分としては --ステージ順が異なる(日本版における2→3→1→4→5→6の順)。またステージ開始時の攻撃目標表示が復活している --全体的に自機の火力が上がっており、溜め撃ちの溜め時間も短くなっている --ミサイル装備時の正面のショットが目に見えて派手になっている --メガクラッシュが宙返りせずに正面へ螺旋状に爆風を飛ばすようになっている --アイテムを出す敵が増えており、Powの出現数も増えている。ただし一部の弥七を出す編隊から出現するのが青いPow(ライフ2メモリ回復)になっていたり、ライフゲージの上限が4ゲージまでしか増えない …といった具合になっている。 **家庭用移植 -PCエンジン スーパーグラフィックス版(1991年8月23日、ハドソン) --そもそもスーパーグラフィックス自体が、色々あるPCエンジン本体の中でも特に微妙な立ち位置のモノであり、普通のPCエンジンをすでに持っている人にとっては買う気にはなれなかったシロモノで、身も蓋もない言い方をすれば売れなかった。(1989年12月発売で、総販売台数は約75000台)普通のPCエンジンとの下位互換こそあれど、専用ソフトはたったの5本しか発売されなかった。後に発売されたCDロムと一体化した発展機である「PCエンジンDuo」にもスーパーグラフィックスの互換機能は採用されなかった。 --本作はその5本しか存在しないスーパーグラフィックス専用ソフトであり、また最後のソフトでもある。画面レイアウトの変更(縦長→横長)こそあるものの移植度はハード性能も相まってか非常に高く、二人同時プレイも可能となっている。 --スーパーグラフィックスに見切りを付けられた末期に発売された事もあって出荷数が少なく、即プレミアが付いて入手困難。ソフトだけ手に入れても本体が無ければ遊べず、当時から近年までPCエンジンの各仕様の事情を知らずにソフトを買って泣きを見た人も。 --そしてスーパーグラフィックスは販売当時は約4万円と高価な上に、中古本体はあまり店頭には流通せず、仮に安く買えたところで肝心の1941は入手困難。現在ではマトモに動くスーパーグラフィックス本体は希少なため、これまた本体もプレミア気味。当時から今に至るまでPCエンジン版1941を遊びたくても遊べないという悪循環。さらにバーチャルコンソールなどにも今現在未配信。 --家庭用版がこのような状況だったので、パソコンもインターネットもネットオークションもまだ一般的では無かった90年代中期~2000年代前半頃には、入手しにくく中古も高めなスーパーグラフィックス本体と、「1941をプレミア価格で買う&そもそも買いたくても手に入れる手段が無いに等しい」という面倒臭く不愉快な思いをするぐらいなら、ゲーメストなどを読み基板プレイの環境と1941基板を購入し、家で「本物」を遊べるようにしたほうが手間と費用を考えても満足度が絶対に良いと考え、基板ゲーマーデビューをしてしまった者は少なからずいた。そして1941が好きだから基板は手放さないし、後述のように移植される気配も無かった。中古基板の流通量があまり市場に多くはなく相場も高めだったのは、このあたりも原因だろう。 --余談だが、同年のPCEにナグザットから『[[1943改>1943改 ミッドウェイ海戦#id_42ec6d65]]』がリリースされており、1991年に同じPCEにて19シリーズの移植が2本発売された事になる。 -日本での家庭用移植はスーパーグラフィックス版以降は明確な理由は不明だが冷遇されていた。 --1994年 プレイステーションとサターンが登場。アーケード版と遜色無い家庭用移植作が各メーカーから続々と発売され、カプコンも1941を移植するのは時間の問題だろう。→無かった。 --1998年 プレイステーションとサターンでの『カプコンジェネレーション』に収録される事が大いに期待されていたが実現しなかった。 --2000年頃 PS2やドリームキャストなどの新世代機の登場により、「他社みたいにリメイクとオリジナルを同時収録するようなリバイバル作品みたいなモノで1941が出ないかな?」→無かった。 ---2006年 PS2とXboxで『CAPCOM CLASSICS COLLECTION』が発売。『vol.2』には収録されたが、&bold(){vol.2は日本では販売されなかった。}Xbox版の方は日本仕様の本体でも起動できる。 --同じく2006年 PSPで&bold(){海外}で発売された『CAPCOM CLASSICS COLLECTION Remixed』にはほぼ完全移植のAC版が収録されている。日本仕様のPSP本体でも起動できる。 --2006年 Wiiが登場。アーケード作品も扱うし、競合ハードの中で唯一PCエンジンCDロム作品までDL販売されるなら、スーパーグラフィックス版と一緒に今度こそあり得るのでは?→無かった。 --2013年 PS3とXbox360『カプコンアーケードキャビネット』~ 「80年代」のカプコンのアーケード作品をいくつか集めたもの。もしかしたら「90年代」の第二弾が出るのかな?→無かった。 --2020年 PCエンジン復刻版ミニハード『[[PCエンジンmini>復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク#id_b5165ad6]]』 スーパーグラフィックス用ソフトも収録されるなら、収録ラインナップに入るかも?→無かった。 **悲願の日本での家庭用完全移植 -『[[カプコンアーケードスタジアム]]』(Switch・2021年2月18日、PS4/XboxOne/Windows・2021年5月25日) -ついに約30年の時を経て1941が晴れて日本で現行機に移植された。画面回転モードもあるのでアーケードそのままの感覚でプレイ可能。海外版も収録されている。 --どこでもセーブ機能に加えて巻き戻し機能やゲームスピードの変更機能が搭載されており、パターン要素の強い本作の反復練習にはうってつけである。

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