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*サムライスピリッツ 天草降臨 【さむらいすぴりっつ あまくさこうりん】 |ジャンル|対戦格闘|CENTER:&amazon(B00014B0WC)&amazon(B00014B0VI)|CENTER:&amazon(B000069T0C)&amazon(B000069T0R)| |対応機種|アーケード(MVS)|~|~| |販売・開発元|SNK|~|~| |稼動開始日|1996年10月25日|~|~| |発売日|【NG】1996年11月29日&br()【NGCD】1996年12月27日|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年2月4日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【Switch】2017年4月13日/838円(税込)&br;【PS4】2018年4月19日/838円(税込)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|旧SNK版サムスピの集大成&br()基本的なシステムは前作を踏襲&br()「怒り爆発」「連斬」等の新システム追加&br()新システムの一部は後のシリーズの基本に&br()急速にコンボゲー化が進んだ|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[サムライスピリッツシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center(){{{ &font(b,120%){一七八九年}~ &font(b,120%){寛政の改革が 人々を圧迫せし頃}~ &font(b,120%){一ツの魔性の魂が 燐火を上げて蘇った}~ &font(b,120%){大地を揺がし 出現した城は}~ &font(b,120%){島原の人々を 災いに染めていった}~ &font(b,120%){それに呼応するかの如く 己が身を修羅に変え}~ &font(b,120%){定めに生きる者たちが 現れた}~ }}} ---- **概要 『[[サムライスピリッツ]]』のシリーズ4作目。通称『''天サム''』。~ ストーリーの時間軸は『[[サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣]]』(以下斬サム)と『[[真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変]]』(以下真サム)の中間。 ---- **ストーリー >時は1789年。~ 各地で冷害や洪水、大火、飢饉が打ち続く中、島原の地に不気味な城が忽然と姿を現した。~ その城の主の名は天草四郎時貞。~ 一度は魔界から復活し、野望半ばにして倒されたはずの天草四郎が、またしても現世を征服すべく蘇ってきたのだ。~ 島原半島を飲み込み、日に日に巨大化していく魔の城。~ 人々はいつしかその魔城を「天草城」と呼び、恐れながらも、救いを求め、崇めるようになったという。~ しかし、それがさらなる災厄を呼び込もうとは、まだ誰も知る由もなかった…。~ **特徴 -初代や『真サム』にも登場したキャラクターのプロフィールを本作のものと比較すると、誕生日が9月末日より前の者は「年齢」の欄が初代より一つ加算されていて『真サム』と一致するが、それ以降の者は加算されていない点から、本作の時期は1789年9月末~10月初旬頃と特定できる((なお、『斬サム』では「年齢」の欄が省略されている。))。 -前作『斬サム』が即死・永久連続技の宝庫でバランス崩壊ゲームだった((ほぼ全キャラにあるおかげである意味ではバランスが取れているとも言えたが。))反省から、様々な点で見直しが図られている。 --システムは『斬サム』をベースにしつつ、新基軸を追加している。 --新キャラクターの追加、旧キャラクターの復活なども図られている。 -ちなみに、旧SNK純正の2D『サムスピ』としては最後の作品となった((ネオジオポケット/〜カラーなどの携帯ゲーム機で発売されたシリーズは例外。))。 ---- **システム -基本的に『斬サム』のシステムを踏襲しているが、以下の追加・変更点がある。 -空中ガード、怒り溜めの廃止 --『斬サム』では当時の流行を取り入れて空中ガードが導入されたが、あまりにも強すぎてバランスを崩す原因の一つとなっていたためか本作では廃止された。 --ABC同時押しによる怒りゲージ溜めも廃止されたが、本作では後述する14連斬や自決で自発的に怒りゲージを溜める事が可能。 -「連斬」の追加 --CD同時押しで「連斬入り込み攻撃」を出し、これがヒットした後ボタンによる追加入力で攻撃をつなげていく新システム。感覚としては『リアルバウト餓狼伝説』のコンビネーションアタックやギースのデッドリーレイブに近い。本作を象徴するシステムともいえる。 ---ルートは「A・A・A」「A・B・C」「B・B・C」「→A・A・B・B・C・C・A・B・C・C・C・C・C (通称:14連斬)」が全キャラ共通のルート。 ---特に14連斬はただでさえ連斬中最も攻撃力が高い上、決めると怒りゲージがMAXになる((最終段のモーション終了時に怒りゲージが増えるため、最後をガードされても怒りMAXになるが、モーション中に反撃を受けると怒りMAXにならない。例として閑丸の14連斬は硬直が長く、画面端だと決めた後に相手にクイック起き上がりをされた場合出の早い技で反撃を受けてしまい、怒りもMAXにならない。))。そのため、服部半蔵など怒りにくいキャラクターにとってはこれをいかにヒットさせるかが重要になる。 ---「B・B・C」のC((何故かガルフォードのみキャンセル不可。))や14連斬の12段目にはキャンセルをかける事ができるので、武器飛ばし技を繋げられるキャラクターにとっては強力な武器となる。 ---また風間火月・風間蒼月・緋雨閑丸には固有ルートが存在する。とは言え使い勝手は悪い。 -「追い討ち攻撃」の追加とダウン時の体力回復 --ダウンした相手に対して、「接近して3+斬り」で弱、「一定距離内で8+斬り」で強の追い討ち攻撃が可能になった。 --またダウンした方も移動起き上がりに加え、レバー上要素でその場で最速で起き上がる「クイック起き上がり」、下要素でダウン時間が長くなる代わりに体力が少量回復する「体力回復」が行えるようになった。 -怒り状態での一部必殺技の強化 --怒りゲージがMAXになると「攻撃力の上昇」「武器飛ばし技の解禁」の恩恵が得られるのは『斬サム』同様だが、本作ではそれ以外にも一部必殺技の性能が変化するようになった。 --特に半蔵の爆炎龍や修羅蒼月の月光などは、怒り状態だと性能が大幅に上がり、半ば詐欺的な強さを誇る。 ---逆に、怒り時に隙が大きくなったり、使いにくくなったりする必殺技も存在する。 -新システムの追加 --以降のシリーズ作にも継承された「怒り爆発」関連は本作で初めて登場した。 --使用条件は「怒りゲージが存在すること」「地上にいること」「武器を持っていること」の三つが揃うこと。ABC同時押しで発動する。 --発動の瞬間は完全無敵で、ガード不能・ノーダメージの攻撃判定が出る。また条件を満たしていればガード硬直中や喰らいモーション中でも発動できる(投げ技などの特殊なのけぞりは例外的に発動できない)ため、相手の連続技や連係から抜けるのに使用できる。永久連続技から脱出する方法を編み出したのはこれが初めて((喰らいモーション中に出せる技は初代から半蔵・ガルフォードが持っているが、あれらは対処法を知っていればガード後反撃できるため永久連続技から完全に脱出できるとは限らない。))。 ---攻撃判定がヒットした相手はのけぞるが、爆発モーション終了とのけぞり終了がほぼ同時のため、例外を除いて怒り爆発から直接連続技に移行することはできない。 ---その例外とは修羅蒼月。設置技である「浮月」を相手の背後に設置することで、怒り爆発で相手を弾いて浮月ヒット→相手がよろけた所へ一閃、という連続技が成立する。 --発動すると怒りゲージは爆発するエフェクトとともに消滅し、その試合中は二度と復活しない。このため一試合中に一度きりしか発動できない。 ---怒りゲージの代わりに爆発ゲージが出現し、このゲージがある間は怒り爆発状態となる。爆発ゲージの初期量は体力ゲージの減少した分がそのまま充てられる(体力満タンだと殆どゲージが出現しない)。怒り爆発によって減少した体力ゲージの最大値はそのラウンドでは回復しない。 ---爆発中はキャラクターの肌が赤くなり、攻撃力の上昇、背景演出の変化、怒り爆発状態専用の特殊行動が使用可能になるなどの効果を得られる。 ---通常の怒り状態同様に武器飛ばし技も使用できるが、ヒットするとその時点で爆発ゲージを全消費し、怒り爆発状態は終了する。 ---爆発ゲージは特殊行動で消費する他、時間経過で徐々に減少するが、ダメージ時やダウン時、ガード硬直中は減らない。 ---爆発中はタイムカウントが完全に停止するため、相手の逃げ切りを防ぐのにも使える。 --怒り爆発状態専用の特殊動作には「一閃」「連ね斬り」が存在する。 -連ね斬り・一閃 --「連ね斬り」は爆発中にABC同時押しで発動。爆発ゲージを一定量消費する。 ---6ヒットの連続攻撃を繰り出す突進技で、突進距離は短い。無敵などは無いが、発生が1フレームと非常に早い。キャンセルのかかる通常技や連斬から連続技にすることが可能。硬直自体は非常に短く、目押しで通常技や連斬に繋ぐことも可能。ガードされた時の削りも存在する。 ---発動中はヒット・ガード・空振りを問わずABC同時押しで3回まで追加入力が可能となっており、2回目の追加入力までは爆発ゲージを消費しない(時間経過分は減る)。3回目の追加入力を行うと爆発ゲージの残量にかかわらず全ゲージを消費してフィニッシュを行い、怒り爆発状態が終了してしまう。 ---どこで止めても必殺技や武器飛ばし技でキャンセル可能。唯一一閃でキャンセル可能な技でもある。 ---あらゆる面で使い勝手が良く、怒り爆発中しか出せないことと、ロックがかからないためカス当たりしやすいことを除けば万能な技となっている。 --「一閃」は高速突進技で、爆発中にBCD同時押しで発動。発動の瞬間に爆発ゲージを全消費し、怒り爆発状態が終了する。 ---威力は爆発ゲージの残量に依存(ゲージ残量が多いほど高威力)し、最大時で6割前後。発生が早いが無敵判定はない。連ね斬りを一度でも使用するとダメージが固定になり、最大時の半分以下にまで落ち込む。 ---前方の攻撃判定は非常に弱く、タイミングを合わせられると投げられてしまうほどで、ほぼ地上の相手にしかヒットしない。代わりに背後の残像部分まで攻撃判定がある。 ---飛び込みや連ね斬りからの連続技の他、防御崩しや弾き返し、反確などの確定状況で使うのが基本。ガードされた場合は大きく後方にステップするので、直接反撃を受ける危険は少ない。 -「武器捨て挑発」「自決」「断末奥義」の追加 --「武器捨て挑発」はその名の通り、自ら武器を手放す挑発。使ったあとは当然素手状態になる。 ---何故かリムルルと蒼月は武器捨て挑発に追い打ち攻撃判定があるため、ダウンした相手への追い打ちに使えたりするが、基本的には役に立たない。 --「自決」も読んで字のごとく、各キャラクターごとの行動によって自ら命を断つ技である((閑丸のようにただ去っていくだけというのもあるが。))。コマンドは「4632+スタート」。当然使用すればそのラウンドは負けとなる。 ---使えないと思いきや使用した次のラウンドは怒りゲージがMAXになるので、残り体力が僅かになって勝てる見込みが無くなったときにわざと使って次のラウンドで怒りゲージをMAXにしておく、という使い方も出来る。 ---後述のCPU戦時に、1ラウンド目にわざと使って怒りゲージを即座にMAXにし、次のラウンドから一気に相手を倒し時間を短縮するという使い道もある。 --「断末奥義」はおまけの演出に近いもの。 ---特定条件下で対戦決着時に、KOされた相手がダウンせず、その場によろめく。このときに画面に表示されるコマンド「22866+C」を入力することで発動する。相手を残虐描写丸出しの技で倒す、さながら『モータルコンバット』の究極神拳を思わせるものである。 ---例外として少女相手に出すのは躊躇われたか、ナコルルとリムルルに対しては発動しない。一方で女性キャラクターのシャルロットや少年キャラクターの閑丸に対しては発動する。 ---また、火月(攻撃側)VS蒼月のみ、実の兄を殺すのに忍びないという演出が入り、蒼月は無事。 ---この断末奥義は一旦削除されたものの、後に『[[サムライスピリッツ零SPECIAL]]』で「絶命奥義」として復活した。しかし同作はこの絶命奥義が一つの騒動を起こす事にもなってしまった。詳細は同記事で。 -CPU戦はタイムアタック制を採用 --これに伴い前作までのスコア制のランキングが廃止され、クリアまでかかったタイムを競う形式に変更された。このタイムは各キャラクター毎でランキング付けされる。 --また、本作は一定時間内にノルマ数の敵を倒すことができたか否かでエンディングが分岐する仕組みになっており、その制限時間は使用キャラクター・ラウンド本数設定によって決まっている。 --ゲーム開始時に選択したキャラクターに対応したライバルキャラクター(例:火月に対する蒼月、覇王丸に対する幻十郎etc.)が出現。このライバルキャラクターは最終的にはラスボスとして登場する((即ち本作は使用キャラクターによってラスボスが変わる。))。 ---覇王丸を選ぶと幻十郎、幻十郎を選ぶと覇王丸となるが、ナコルルを選んでも幻十郎がライバルに出てくるなど対応は1対1ではない。なお、ナコルルとリムルル・閑丸・シャルロットは誰を選んでもライバルキャラクターとしては登場しない。 --制限時間までにノルマを制して中ボスの天草戦に辿りつかないと、先に天草を倒されてしまい斬紅郎も登場せず。その後ライバルキャラクターとの戦いになるが、倒してもバッドエンドになってしまう。 ---制限時間までに天草戦に辿りつけば、天草(中ボス1人目) → 斬紅郎(中ボス2人目) → ライバルキャラクター(ラスボス)との連戦となり、全部倒すとエンディングとなる。 -「剣客」「剣豪」「剣聖」のレベル選択の変更点 --初心者向けの「剣客」は「連斬の目押しが不要」「武器飛ばし技のコマンドがABCD同時押し」といった特典が用意される。 ---連斬入り込みは必殺技扱いとなっているため、通常技からキャンセルで出すことが可能。反面14連斬が使えない上、初段がガードされても出し切るので外すと隙が絶大というリスクを背負う。 ---また「怒り爆発」が使用不可能となっている代わりにダメージを受けたときの怒りゲージ増加量が多い。 --ノーマルモードの「剣豪」は変更点は無い。 --上級者向けの「剣聖」は相変わらずガード不能だが、本作では常時怒り状態は廃止されてしまった。攻撃力の増加もごく僅かなため完全に超ハンデ用・自殺モード化。 後述するように怒り状態で強化される必殺技持ちの一部が凶悪な強さになるためこうなったと思われる。 -その他 --体力ゲージが上下二本になり、実質的にダメージが半分近く減少した。 --『斬サム』では開幕前のキャラクター移動が可能だったが、本作では廃止された。 --気絶が無くなった。 --コンボ数(○○斬)が表示されるようになった。 ---…がしかしこの表示はかなりいい加減で、3斬以降からしかカウントしなかったり実際繋がっていなくても数字は増えたり、起き上がりに技を重ねて数字が増えたりする。その逆もあり、繋がっているのにカウントしない事も。 --武器飛ばし技のコマンドが全員共通(4632+AB)となった。 ---ガルフォード修羅のみ4632+CDのコマンドもある。コマンドによってガルフォードの出現位置が異なる。 --「当て身」「白羽取り」のコマンドが「2146+D」に変更された。 --『斬サム』まで存在していたアイテム(肉、爆弾)が廃止された。 --背後から攻撃を喰らった際ののけぞり時間が前からの場合とほぼ同じになり、『斬サム』のようなお手軽永久は減少した。また背後から一部の飛び道具や必殺技を喰らった際は真上に高く浮き、喰らい判定が消えた状態で落下するようになった(バグにより唯一の例外になった首斬り破沙羅は悲しみを背負う羽目になってしまったが…。詳細は後述)。 --ガード硬直中の相手に投げ技を決める事はできなくなった。従って、『斬サム』のようなキャンセルコマンド投げでのハメは不可能。 --骸羅と破沙羅に存在していたガードキャンセル必殺技は無くなった。 --覇王丸の弧月斬、幻十郎の光翼刃、シャルロットのパワーグラデーションと言った対空系の必殺技が軒並み強化された。今までのシリーズでは「幻十郎は光翼刃さえなければ強いのに」等と言われる程影が薄かったので、今作で躍進を遂げたと言えるだろう((ただし『真サム』でのゴミ技っぷりを見てきた一部のファンからは「こんなの光翼刃じゃない!!」と非難の声が上がったりしたが。))。 ---- **キャラクター -『斬サム』の13人(天草、斬紅郎含む)に新キャラクター2人と復活キャラクター3人を追加した18人。 --新キャラクターは「風間火月」「風間蒼月」の忍者兄弟。 --復活キャラクターは「柳生十兵衛」「シャルロット」「タムタム」の3人。 ---特にタムタムは初代以来久々の登場でファンを驚かせた。 -キャラクター別のBGMは本作では一部のみとなり、個別の曲を持たないキャラクターは各ステージごとに設定されている環境音楽が流れる。 --専用テーマ曲があるのは覇王丸、ナコルル、ガルフォード、右京、幻十郎、リムルル、シャルロット、蒼月、火月、天草、斬紅郎。シリーズの曲をリアレンジしたものが多い。 ---- **評価点 -対戦バランスの改善 --即死・永久がある程度改善された ---基本は『斬サム』ベースなので即死・永久は結構存在するが、体力ゲージが2倍になる事で相対的にダメージが大幅減少したため即死は状況限定が多くなり、永久は格ゲー初の食らい抜けシステムとも言える「怒り爆発」で一度だけなら抜けることも可能になったので、対戦バランスはかなり改善。 --空中ガードが廃止されたため、不用意なジャンプにはそれ相応のリスクが伴うようになった。 --前作では発生が遅すぎて使い物にならなかった防御崩しの発生が早くなり、普通の投げ感覚で使えるようになった。 ---ダッシュから防御崩しをスムーズに決められるようになり(投げ間合いの極端に狭い一部キャラ除く)、そこから強斬りや連続技、一閃が入るなど見返りも大きいため、ガン待ちも難しくなった。 --「当て身」がようやく実戦で使えるレベルになり、攻めにも守りにも緩急が必要に。 --『斬サム』で問題になっていたガード硬直中の相手をコマンド投げで投げられる投げハメも不可能になった。 ---それ自体はいいのだが、問題点も発生している。詳しくは後述。 -キャラクターの掛け合いやBGMなど、演出の完成度も高い --『斬サム』ではバランスの悪さに隠れて見落とされがちだったこれらの要素も、本作で改めて評価された。 ---- **賛否両論点 -『サムスピ』らしさはやや薄れた。 --本作ではこの時期から対戦格闘ゲームで流行し始めたコンボ要素が追加されたが、「強斬り一発で相手の体力を豪快に奪い取るのが魅力のサムスピシリーズにおいて、連続技は必要ない」という意見もあり、賛否が分かれている。 ---14連斬を決めると怒りゲージがMAXになる仕様も、一部のプレイヤーからは「何だかおかしい」「逆ギレ」と言われ、賛否両論である。 //賛否両論となってる部分を別へ ---- **問題点 -操作が複雑になったため、初心者がとっつき難くなった --連斬や怒り爆発、追い討ちなどできる事が多彩になり、やり込むほどに応えてくれる奥の深さを持つ反面、操作の複雑化を招いて初心者がとっつき難くなった感は否めない。 ---特に14連斬とそこからの連続技は、できるのとできないのとでは大きな差が出てしまう。これで敬遠してしまったプレイヤーも少なからず存在する。 --そもそもサムスピシリーズは強斬りによる一撃の重みを重視した作品であり、単純明快な操作性が売りの一つとなっていた。上記のコンボ要素と共に、ファンの間に「サムスピに小細工は必要ない」と言う考えがあるのも事実である。 --またCPU戦が上記の通り真エンディングを目指すだけでも一定時間以内にクリアする必要があるせいで、初心者にとってはじっくりプレイできないためとっつき辛いとの意見がある。 ---これに関しては、商売成立のためにはいくらインカム効率が重要なアーケードゲームとはいえ、当時から「インカム効率を悪くする遅延プレイへのペナルティを課すのに必死すぎ」などの苦言を呈されていた。 -防御崩しの強化に伴うコマンド投げの弱体化 --防御崩しがレバー横とCボタンのみで出せ、そこから高威力の追い打ちもかけられるのに対し、出すのにコマンド入力が必要で発生も防御崩しより遅く、ダメージも高いとはいえないコマンド投げはほとんど使う意味がなくなってしまった((高威力の修羅半蔵のCモズ落としと、決めると姿を消せる羅刹半蔵の爆炎微塵隠れ除く。))。 -リムルルの声 --本作ではリムルルの声優に当時の駆け出しのアイドルである松本恵(現・松本莉緒)氏を起用したのだが、これがあまりにも酷い演技だった。 --台詞はとにかく棒読みで、滑舌も悪い。『斬サム』やドラマCDではアニメのヒロインの経験もあるプロ声優である桜井智(現・櫻井智)氏を起用していただけに((その桜井氏も『斬サム』でゲーム収録初挑戦のためかやや聞き取りにくいボイスがあり、こちらにも批判の声が全くなかったわけではない。))これで幻滅したファンも多かった。 --RPG『[[武士道烈伝>真説サムライスピリッツ 武士道烈伝]]』でも宣伝のため彼女の起用が決まっており、本作でも起用したのだがむしろこれは「プロデューサーのミスキャスト」と非難されるべきだろう。 ---しかも、彼女は1996年当時は現役中学生であった。ただでさえ、俳優の声優挑戦は演技方法の違いなどから拙い演技に聞こえやすく、批判の的となることが多いのである。いくらTVドラマなどでの演技が評価を受けていた((彼女の名誉のために言うと、実力派若手女優の候補と目されており、『天サム』稼働後の話ではあるが有名マンガ「ガラスの仮面」のドラマ版で安達祐実氏演じる主人公のライバル役を演じ、高評価を受けている。))とはいえ、アフレコ経験のない中学生に声優をやらせるという判断自体が理解に苦しむと言わざるを得ないだろう。 ---ちなみに本作以降もリムルルの声優は作品ごとにコロコロ代わっている。具体的には実質的な次回作の『零サム』では生天目仁美氏になり、それ以降も『剣』では釘宮理恵氏が、パチスロ版『鬼』では加藤英美里氏がそれぞれ演じている。 ---SNK作品では『KOF'94』~『KOF'97』までの麻宮アテナでも、売出し中の女性アイドルを起用したために酷い演技になってしまったケースがある。こちらは『KOF'98』以降からプロ声優の池澤春菜氏に固定された。 //加藤英美里氏はどの作品で担当しましたか?神谷けいこ氏(ポリサム・アスラ・蒼紅・ナコりもの)と生天目仁美氏(零・零SP・閃)は知っていますが…。 //↑パチスロ版『サムライスピリッツ鬼』です。 -一部バグ --SNK作品の宿命か、本作にもバグが結構存在している。 --修羅十兵衛の武器飛ばし技「絶・水月刀」を相手のジャンプの頂点付近でヒットさせると、なぜか削りダメージ程度しか減らない上に武器も飛ばされず、怒りはしっかりと終了してしまう。 ---十兵衛は武器飛ばし技を当てると、その後14連斬を決めてもなぜか怒れないことが多い。 ---この他にも羅刹の武器飛ばし技「激・双嵐陣」がガードされただけで怒りが終了したり、ガードされたときだけ連ね斬りにキャンセルがかかるなど、十兵衛は謎の現象(バグ)が多い。 --修羅火月の「災炎」を3つ付けると激しく処理落ちする。14連斬すら出せなくなるほどなので、対戦相手には嫌がられる事間違いなし。 --蒼月の14連斬は、相手がガルフォードだと何故か14斬目がガードされてしまう。さらに14斬目がガルフォードの体を通り抜けてる時にガルフォード側が怒り爆発を行うと蒼月に怒り爆発がまず当たらない。この時蒼月は硬直中なので、ガルフォードの一閃が確定してしまう。 --閑丸の「真・雨流れ狂落斬」は、Dボタンを押し続けて最大五段階まで溜められるというコマンドだが、通常技キャンセル((キャンセルをかける通常技はヒットさせなければならない。))で狂落斬を出した直後に再びDボタンを押し続けると、狂落斬の溜めが維持されるというバグがある。 ---これを上手く使えば五段溜めの狂落斬を連発するという芸当も可能((五段溜め狂落斬は溜めきるまで最大80カウントもかかるが、威力は単発で6割まで減り、さらに突進に長い無敵が付くという非常に強力な技になる。))((その代償として溜めきるまでの間Dボタン絡みの動作(蹴り、連斬etc.)は一切使えない、怒り爆発で抜けられる、一部のキャラクターには一閃で反撃が確定するという弱点もある。))。 --これらのバグの中でも重大なものとして、首斬り破沙羅は''「バサラウィルス」''と呼ばれる致命的なバグを抱えていた((この現象を発見した人が天草降臨研究の同人製作物(コンボムービーを収録したビデオなど)を出しており、作品内での呼称として用いられたものが広まった。))。 ---バサラウィルスとは「(前述の)背後から飛び道具や一部の必殺技を当てた際に高く浮き上がった時、破沙羅のみ喰らい判定を残して浮くバグ」の通称。 これにより、対破沙羅専用の簡単で非常に実用的な永久が多数存在している。 ---例…羅刹覇王丸:引っ張り → 凪刃×n 、幻十郎:引っ張り → 桜華斬×n、引っ張り → 光翼刃×n ---つまり、飛び道具や浮かせ技を持つキャラクターに防御崩し(引っ張り)を決められたら破沙羅はそこで終わりなのである。怒り爆発も前述のように空中では使えない。 ---なお、このバサラウィルスは''全ての移植作でも再現されている。''破沙羅が何をしたというのか。 #region(バサラウィルス参考動画) &nicovideo2(sm10902609) #endregion -ある程度は調整されたが、なお悪いキャラクターバランス --上位キャラがそれぞれ尖った強みを持っているので、そのキャラ同士なら面白い勝負になるのは評価できる。一方で下位との差が激しく、弱キャラで強キャラに勝つのは至難の業。 --主な強キャラはナコルル(修羅)、半蔵(共通)、幻十郎(羅刹)、ガルフォード(羅刹・素手状態)。 ---修羅ナコルルは「アンヌムツベ」が異常に強力で、ただでさえ発生が早く無敵時間もある事に加え、ABCD同時押しで強制停止可能で隙を消す事ができる、怒り時はさらに性能アップという至れり尽くせりな技。高性能なダッシュ弱斬りをチラつかせた択一攻撃に防御崩しからの高火力~永久・即死連続技と、弱点らしい弱点が全く存在しない。武器飛ばし技の性能が悪いことと、アンヌムツベの緊急停止時に怒り爆発が暴発しやすいことが数少ない弱点と言える。 ---半蔵は怒り時の「爆炎龍」が多段ヒット技で追撃可能、発生が非常に早く隙も無い。この技ひとつで攻めの起点・コンボ・固め・ケズリなど全てをこなせてしまう。半蔵は怒りにくいのが欠点ではあるが、14連斬が決まればすぐ怒るためあまり関係なく自決とも相性が良い、しかもゲームの仕様上1回怒ればなかなか鎮まらない(詳しくは後述)。高威力の連続技が少なく攻めが単調になりやすいが、怒り爆炎龍絡みの連続技を数回決めれば相手は昇天するので気にはならない。 ---羅刹幻十郎は「裏桜華・菖蒲」を使った中段・下段の択一攻撃とそこからの連続技が強力。投げからの超簡単な永久コンボもある。防御面もパワーアップした光翼刃で安定。一方裏桜華・菖蒲はコマンドの関係で死に技の「紫暮」が暴発しやすいという弱点がある。((もっとも幻十郎はこれ以前のシリーズでも主要技と死に技のコマンドが被るため暴発との戦いが日常茶飯事のキャラではあったが…)) ---羅刹ガルフォードは前作の『斬サム』でも素手状態のプラズマファクター1回で気絶、気絶した相手に「立ちパンチ→プラズマファクター」を決めると気絶→気絶になるという有様であったが、''何故か本作でも素手状態の強さに調整が入っていない''。通常技とプラズマファクターの判定がとんでもなく強化され、ガードされても隙が皆無な上、本作では気絶そのものが無くなったが「プラズマファクターが当たりさえすれば、そこから再度プラズマファクターへと繋ぐ永久連続技が成立」してしまうという有様((本作では武器捨て挑発で自分から武器を捨てられるようになった分性質が悪くなったと言える。))。問題は武器を捨てるには武器飛ばしを喰らうか、武器捨て挑発をするか、鍔ぜりあいで負ける必要がある(=被ダメージやスキを作る必要がある)ということ((正確には白刃取りでも武器を奪われるが、機会が滅多にないため除いた。))。 --対して弱いキャラの筆頭格はと言うと、先にバグの紹介で出た首斬り破沙羅が最弱候補として名高い。タイトルとストーリーでフィーチャーされている天草も同レベル程度。 --閑丸も『斬サム』で強すぎた通常技が比較にならないほど弱体化し、さらに14連斬を画面端の相手に決めた後クイック起き上がりをされると反撃確定な上に怒りも阻止されてしまうなど、弱キャラになってしまった。上記狂落斬バグを使いこなせれば上位相手に戦えないことも無いが、それだけで勝ち残れるかというと…。 --また、本作品は修羅と羅刹で強さが極端に変わるキャラクターも多い。火月・骸羅・右京・狂死郎は典型例。 //ナコルルは羅刹も強キャラなので除外 -怒りゲージのシステム上の問題 --本作では「自分が喰らいモーション中」「必殺技(武器飛ばし技含む)を出しているモーション中」は怒り持続時間が減少しない。極論を言えば''必殺技を出し続ければ永遠に怒り続ける事も可能''である。 --そのため修羅蒼月などはとんでもない事になる(詳しくは後述)。 --また半蔵も前述のように戦法上爆炎龍を多用する上、怒り持続時間自体が全キャラ中トップクラスなのでなかなか鎮まらない。 ---さらに本作(及び本作ベースの『零サム』『零サムSP』)では怒り状態でラウンドが終了すると、次のラウンドでは今までカウントされていた怒り持続時間が初期化され、また怒った瞬間からのカウントとなる。そのため半蔵は一度怒ったら最後、''勝負がつくまで怒りが鎮まらない事も多い''。 -明らかに尖り過ぎている技の存在。それに頼るプレイへの対処のしにくさ --修羅蒼月の「C月光」は怒り時になると異常にヒット数が上がる。直撃させても痛いのだが、問題はガードしてしまった時。蒼月側が速く動けるため次のC月光が連続ガード(厳密には違う)になる。そして必殺技中は怒り持続時間が減らないという仕様のため、''C月光を連発するだけで永久ガード''になってしまう。わざとガードを解くこと((このゲームには厳密な意味での連続ガードが存在せず、多段ガードの最中でもガード側が任意でガードを解除することができる。))や怒り爆発で抜けられるとはいえ、今は亡き新声社から発売された「ゲーメスト」ムックでも、「''対戦相手とのトラブルを避けるために、蒼月は開幕直後に怒り爆発して怒りゲージを無くしてしまおう''」とまで書かれる始末。 --他にはタムタムの通常技、遠距離立ちAも非常に凶悪。発生早い・リーチ長い・隙が少ない・連打可能・キャンセル可能とあらゆる面で強すぎ、これをぶんぶん振り回すだけで何もできなくなるキャラもいる。ならばと飛び込んでも、タムタムは逃げジャンプCというこれまた凶悪な空中技を持っているので…((修羅の場合は連打で出る死に技の「パグナ・パグナ」が暴発しやすいという弱点はある。))((本作の連打系必殺技はインストカード表記では「レバー前+ボタン連打」となっているが、実はレバーを前に入れなくてもボタンを3~4連打するだけで出てしまう。))。 -前作ほどではないにしろ数多い即死・永久コンボ --キャラクター限定のものも含めればほぼ全キャラが即死コンボを持っている。 --とは言うものの、本作の即死コンボは連ね斬りを利用するため「怒り爆発+ゲージMAX状態」でないと入らず、怒り爆発で抜けられてしまうとその対戦中は決められなくなるものが多い。 --裏を返せばゲージの状況などお構いなしで入ってしまう永久コンボを持っているキャラクターは極悪。一度は怒り爆発で抜けられても二度目は無い。 ---有名なのは、幻十郎の「引っ張り(後ろ側への投げ)から、ダッシュB×α」、火月の「14連斬7斬止め×α」、羅刹覇王丸の「(14連斬12斬目キャンセル剛破)×α」など。 --狙って出来るものではないが、斬紅郎の武器飛ばし技の「無限砲」は、空中の相手にヒットすると、威力はそのままに多段ヒットするため実質的な即死技となってしまう((当たり方によっては即死しない場合もあるが、どの道瀕死である。))。 ---- **総評 前作『斬サム』が「10年早すぎた世紀末ゲー」と評された反省から、新機軸を盛り込みつつもバランスの改善を図ろうとした点は評価できるが、人によってはサムスピがコンボゲー化する元凶となったとも評されることとなった。 //言いたいことは分かるが「世紀末ゲー」は発売からずっと後のネタなので誤解を生じかねない だが作品そのものは「2Dサムスピの最終形態」ともいえる評価で、特に「怒り爆発」「一閃」システムは後のシリーズにも受け継がれた完成度の高いものであった。~ 後に悠紀エンタープライズ((一部が後に『アルカナハート』で知られるエクサムを立ち上げている。))が本作をベースに『[[サムライスピリッツ零]]』を製作したことにもそれが現れているといえよう。 しかし、『サムスピ』シリーズ自体は後の『ポリサム』やRPG『武士道烈伝』で著しく評価を落とすこととなってしまった。 ---- **CS機移植 ''NG版'' -1996年11月29日にSNKより発売。当然ながら移植度は完璧。 --2012年2月14日よりWiiのバーチャルコンソールで配信されている。価格は900Wiiポイント。 ''NGCD版'' -1996年12月27日にSNKより発売。BGMがアレンジ音源になっているが、ロードの長さは相変わらず。対戦でのみ斬紅郎が使える。 ''SS版'' -1997年10月2日にSNKより発売。拡張RAMカートリッジ専用のため基本的な移植度は高いのだが、14連斬中などに処理落ちが発生する。 --特に骸羅・天草・斬紅郎といったデカキャラ同士の対戦で14連斬を決めると目に見えて遅くなる。対戦とトレーニングでのみ斬紅郎が使える。 --拡張4MRAMカートリッジ発売後の発売なのだが、残念ながらこちらには対応していない((これに限らず、SNKの対戦格闘ゲームのSS版は拡張4M発売後のタイトルでも、それに非対応だったり対応でもそれに合わせた作りがされていなかった。同社の4M専用タイトルは存在すらせず。))。 ''PS版『サムライスピリッツ天草降臨SPECIAL』'' -1997年12月25日にSNKより、廉価版は2003年4月24日にSNKプレイモアより発売。 --追加要素として、チャムチャム((グラフィックは『真サム』からの流用、必殺技は新規。))が使用可能となっているが斬紅郎同様、対戦モードでしか使用できない(トレーニングでも使用できない)。 ---チャムチャムの絵は使い回しだが性能自体は手抜きではなく、修羅・羅刹ともにこれまでとは一味違うキャラクターに仕上がっている。 ---特に羅刹はパクパクを連れておらずほとんどオリジナル。それだけに本作の対戦モード限定だったのが惜しまれる。 --斬紅郎はNGCD版やSS版とは違い、羅刹版のカラーが別のカラーになっている((NGCD版とSS版ではプレイヤー版のカラーは修羅と羅刹は同じ色(1Pと2Pはちゃんと違う)。))。 --キャラクターのアニメーションがかなり削られたり(タムタムのダッシュが顕著)、各エフェクトに不自然なモザイクがかかっている。 --移植作独自の当たり判定も存在する。ロード時間も長く、「一本目、勝負」の直後にもローディングが起きる。 ---PS版『斬サム』ほどではないが劣化移植と言える。 ''NGP版『サムライスピリッツ!』'' -1998年12月25日にSNKより発売。本作では自決及び断末奥義といった残虐描写がカットされその代わりにコミカルな演出が追加されている。 --シャルロット、狂死郎、破沙羅、骸羅、タムタムが削除されているが、代わりに本作では『ポリサム』こと『侍魂』に登場する「色」がゲスト出演かつ初の2D化を果たした作品でもある。 --ネオポケ版の続編として『[[サムライスピリッツ!2]]』も後に発売されたが、そちらは『アスラ斬魔伝』がベースとなっている。 ''PS2/Wii『[[サムライスピリッツ六番勝負>サムライスピリッツ 天下一剣客伝#id_aafdeeb3]]』'' -2008年7月24日にSNKプレイモアより発売。2D『サムスピ』シリーズを網羅した『六番勝負』に収録されている((初代~『零』はネオジオROM版、『剣サム』はPS2版ベース。))。 --NG版ベースなので移植度は完璧だが、PS版とは違い斬紅郎やチャムチャムは使えない。 ''Windows(Steam/EPIC GAMES STORE)/Switch/PS4『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』'' -2020年6月12日(Win(EPIC))、2020年6月19日(Win(Steam))、2020年7月30日(PS4/Switch)にSNKからそれぞれ発売された。その名の通りネオジオ/MVSでリリースされた全作品(+α)を収録。移植は『SNK 40th Anniversary Collection』を手掛けたアメリカのDigital Eclipseで、全作MVS版ベースでの収録。 ---- **余談 -上記でも触れた「ゲーメスト」は数々の誤植でも有名だが、本作は『サムライスピリッツ 天草''システム''』と誤植されたことがあった。一体何をどう間違えたら「降臨」が「システム」に変わるというのか…。 --SNKも開き直ったのか、後にNEOGEO20周年特別企画の一環として[[''直''サムライスピリッツ>真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変]]や[[''飢餓''伝説>餓狼伝説 宿命の闘い]]や[[''餓死''伝説2>餓狼伝説2 新たなる闘い]]と共に''[[Tシャツ化>https://ebten.jp/p/7015010022727]]''された。 -前作の花諷院骸羅は花諷院和狆の孫とされていたが、「独身のはずの和狆に何故孫が?」という設定矛盾が起きていたためか、今作より「幼い頃に和狆に引き取られて育てられた」と変更され、血の繋がりは無いことになった。
*サムライスピリッツ 天草降臨 【さむらいすぴりっつ あまくさこうりん】 |ジャンル|対戦格闘|CENTER:&amazon(B00014B0WC)&amazon(B00014B0VI)|CENTER:&amazon(B000069T0C)&amazon(B000069T0R)| |対応機種|アーケード(MVS)|~|~| |販売・開発元|SNK|~|~| |稼動開始日|1996年10月25日|~|~| |発売日|【NG】1996年11月29日&br()【NGCD】1996年12月27日|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年2月4日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【Switch】2017年4月13日/838円(税込)&br;【PS4】2018年4月19日/838円(税込)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|旧SNK版サムスピの集大成&br()基本的なシステムは前作を踏襲&br()「怒り爆発」「連斬」等の新システム追加&br()新システムの一部は後のシリーズの基本に&br()急速にコンボゲー化が進んだ|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[サムライスピリッツシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center(){{{ &font(b,120%){一七八九年}~ &font(b,120%){寛政の改革が 人々を圧迫せし頃}~ &font(b,120%){一ツの魔性の魂が 燐火を上げて蘇った}~ &font(b,120%){大地を揺がし 出現した城は}~ &font(b,120%){島原の人々を 災いに染めていった}~ &font(b,120%){それに呼応するかの如く 己が身を修羅に変え}~ &font(b,120%){定めに生きる者たちが 現れた}~ }}} ---- **概要 『[[サムライスピリッツ]]』のシリーズ4作目。通称『''天サム''』。~ ストーリーの時間軸は『[[サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣]]』(以下斬サム)と『[[真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変]]』(以下真サム)の中間。 ---- **ストーリー >時は1789年。~ 各地で冷害や洪水、大火、飢饉が打ち続く中、島原の地に不気味な城が忽然と姿を現した。~ その城の主の名は天草四郎時貞。~ 一度は魔界から復活し、野望半ばにして倒されたはずの天草四郎が、またしても現世を征服すべく蘇ってきたのだ。~ 島原半島を飲み込み、日に日に巨大化していく魔の城。~ 人々はいつしかその魔城を「天草城」と呼び、恐れながらも、救いを求め、崇めるようになったという。~ しかし、それがさらなる災厄を呼び込もうとは、まだ誰も知る由もなかった…。~ **特徴 -初代や『真サム』にも登場したキャラクターのプロフィールを本作のものと比較すると、誕生日が9月末日より前の者は「年齢」の欄が初代より一つ加算されていて『真サム』と一致するが、それ以降の者は加算されていない点から、本作の時期は1789年9月末~10月初旬頃と特定できる((なお、『斬サム』では「年齢」の欄が省略されている。))。 -前作『斬サム』が即死・永久連続技の宝庫でバランス崩壊ゲームだった((ほぼ全キャラにあるおかげである意味ではバランスが取れているとも言えたが。))反省から、様々な点で見直しが図られている。 --システムは『斬サム』をベースにしつつ、新基軸を追加している。 --新キャラクターの追加、旧キャラクターの復活なども図られている。 -ちなみに、旧SNK純正の2D『サムスピ』としては最後の作品となった((ネオジオポケット/〜カラーなどの携帯ゲーム機で発売されたシリーズは例外。))。 ---- **システム -基本的に『斬サム』のシステムを踏襲しているが、以下の追加・変更点がある。 -空中ガード、怒り溜めの廃止 --『斬サム』では当時の流行を取り入れて空中ガードが導入されたが、あまりにも強すぎてバランスを崩す原因の一つとなっていたためか本作では廃止された。 --ABC同時押しによる怒りゲージ溜めも廃止されたが、本作では後述する14連斬や自決で自発的に怒りゲージを溜める事が可能。 -「連斬」の追加 --CD同時押しで「連斬入り込み攻撃」を出し、これがヒットした後ボタンによる追加入力で攻撃をつなげていく新システム。感覚としては『リアルバウト餓狼伝説』のコンビネーションアタックやギースのデッドリーレイブに近い。本作を象徴するシステムともいえる。 ---ルートは「A・A・A」「A・B・C」「B・B・C」「→A・A・B・B・C・C・A・B・C・C・C・C・C (通称:14連斬)」が全キャラ共通のルート。 ---特に14連斬はただでさえ連斬中最も攻撃力が高い上、決めると怒りゲージがMAXになる((最終段のモーション終了時に怒りゲージが増えるため、最後をガードされても怒りMAXになるが、モーション中に反撃を受けると怒りMAXにならない。例として閑丸の14連斬は硬直が長く、画面端だと決めた後に相手にクイック起き上がりをされた場合出の早い技で反撃を受けてしまい、怒りもMAXにならない。))。そのため、服部半蔵など怒りにくいキャラクターにとってはこれをいかにヒットさせるかが重要になる。 ---「B・B・C」のC((何故かガルフォードのみキャンセル不可。))や14連斬の12段目にはキャンセルをかける事ができるので、武器飛ばし技を繋げられるキャラクターにとっては強力な武器となる。 ---また風間火月・風間蒼月・緋雨閑丸には固有ルートが存在する。とは言え使い勝手は悪い。 -「追い討ち攻撃」の追加とダウン時の体力回復 --ダウンした相手に対して、「接近して3+斬り」で弱、「一定距離内で8+斬り」で強の追い討ち攻撃が可能になった。 --またダウンした方も移動起き上がりに加え、レバー上要素でその場で最速で起き上がる「クイック起き上がり」、下要素でダウン時間が長くなる代わりに体力が少量回復する「体力回復」が行えるようになった。 -怒り状態での一部必殺技の強化 --怒りゲージがMAXになると「攻撃力の上昇」「武器飛ばし技の解禁」の恩恵が得られるのは『斬サム』同様だが、本作ではそれ以外にも一部必殺技の性能が変化するようになった。 --特に半蔵の爆炎龍や修羅蒼月の月光などは、怒り状態だと性能が大幅に上がり、半ば詐欺的な強さを誇る。 ---逆に、怒り時に隙が大きくなったり、使いにくくなったりする必殺技も存在する。 -新システムの追加 --以降のシリーズ作にも継承された「怒り爆発」関連は本作で初めて登場した。 --使用条件は「怒りゲージが存在すること」「地上にいること」「武器を持っていること」の三つが揃うこと。ABC同時押しで発動する。 --発動の瞬間は完全無敵で、ガード不能・ノーダメージの攻撃判定が出る。また条件を満たしていればガード硬直中や喰らいモーション中でも発動できる(投げ技などの特殊なのけぞりは例外的に発動できない)ため、相手の連続技や連係から抜けるのに使用できる。永久連続技から脱出する方法を編み出したのはこれが初めて((喰らいモーション中に出せる技は初代から半蔵・ガルフォードが持っているが、あれらは対処法を知っていればガード後反撃できるため永久連続技から完全に脱出できるとは限らない。))。 ---攻撃判定がヒットした相手はのけぞるが、爆発モーション終了とのけぞり終了がほぼ同時のため、例外を除いて怒り爆発から直接連続技に移行することはできない。 ---その例外とは修羅蒼月。設置技である「浮月」を相手の背後に設置することで、怒り爆発で相手を弾いて浮月ヒット→相手がよろけた所へ一閃、という連続技が成立する。 --発動すると怒りゲージは爆発するエフェクトとともに消滅し、その試合中は二度と復活しない。このため一試合中に一度きりしか発動できない。 ---怒りゲージの代わりに爆発ゲージが出現し、このゲージがある間は怒り爆発状態となる。爆発ゲージの初期量は体力ゲージの減少した分がそのまま充てられる(体力満タンだと殆どゲージが出現しない)。怒り爆発によって減少した体力ゲージの最大値はそのラウンドでは回復しない。 ---爆発中はキャラクターの肌が赤くなり、攻撃力の上昇、背景演出の変化、怒り爆発状態専用の特殊行動が使用可能になるなどの効果を得られる。 ---通常の怒り状態同様に武器飛ばし技も使用できるが、ヒットするとその時点で爆発ゲージを全消費し、怒り爆発状態は終了する。 ---爆発ゲージは特殊行動で消費する他、時間経過で徐々に減少するが、ダメージ時やダウン時、ガード硬直中は減らない。 ---爆発中はタイムカウントが完全に停止するため、相手の逃げ切りを防ぐのにも使える。 --怒り爆発状態専用の特殊動作には「一閃」「連ね斬り」が存在する。 -連ね斬り・一閃 --「連ね斬り」は爆発中にABC同時押しで発動。爆発ゲージを一定量消費する。 ---6ヒットの連続攻撃を繰り出す突進技で、突進距離は短い。無敵などは無いが、発生が1フレームと非常に早い。キャンセルのかかる通常技や連斬から連続技にすることが可能。硬直自体は非常に短く、目押しで通常技や連斬に繋ぐことも可能。ガードされた時の削りも存在する。 ---発動中はヒット・ガード・空振りを問わずABC同時押しで3回まで追加入力が可能となっており、2回目の追加入力までは爆発ゲージを消費しない(時間経過分は減る)。3回目の追加入力を行うと爆発ゲージの残量にかかわらず全ゲージを消費してフィニッシュを行い、怒り爆発状態が終了してしまう。 ---どこで止めても必殺技や武器飛ばし技でキャンセル可能。唯一一閃でキャンセル可能な技でもある。 ---あらゆる面で使い勝手が良く、怒り爆発中しか出せないことと、ロックがかからないためカス当たりしやすいことを除けば万能な技となっている。 --「一閃」は高速突進技で、爆発中にBCD同時押しで発動。発動の瞬間に爆発ゲージを全消費し、怒り爆発状態が終了する。 ---威力は爆発ゲージの残量に依存(ゲージ残量が多いほど高威力)し、最大時で6割前後。発生が早いが無敵判定はない。連ね斬りを一度でも使用するとダメージが固定になり、最大時の半分以下にまで落ち込む。 ---前方の攻撃判定は非常に弱く、タイミングを合わせられると投げられてしまうほどで、ほぼ地上の相手にしかヒットしない。代わりに背後の残像部分まで攻撃判定がある。 ---飛び込みや連ね斬りからの連続技の他、防御崩しや弾き返し、反確などの確定状況で使うのが基本。ガードされた場合は大きく後方にステップするので、直接反撃を受ける危険は少ない。 -「武器捨て挑発」「自決」「断末奥義」の追加 --「武器捨て挑発」はその名の通り、自ら武器を手放す挑発。使ったあとは当然素手状態になる。 ---何故かリムルルと蒼月は武器捨て挑発に追い打ち攻撃判定があるため、ダウンした相手への追い打ちに使えたりするが、基本的には役に立たない。 --「自決」も読んで字のごとく、各キャラクターごとの行動によって自ら命を断つ技である((閑丸のようにただ去っていくだけというのもあるが。))。コマンドは「4632+スタート」。当然使用すればそのラウンドは負けとなる。 ---使えないと思いきや使用した次のラウンドは怒りゲージがMAXになるので、残り体力が僅かになって勝てる見込みが無くなったときにわざと使って次のラウンドで怒りゲージをMAXにしておく、という使い方も出来る。 ---後述のCPU戦時に、1ラウンド目にわざと使って怒りゲージを即座にMAXにし、次のラウンドから一気に相手を倒し時間を短縮するという使い道もある。 --「断末奥義」はおまけの演出に近いもの。 ---特定条件下で対戦決着時に、KOされた相手がダウンせず、その場によろめく。このときに画面に表示されるコマンド「22866+C」を入力することで発動する。相手を残虐描写丸出しの技で倒す、さながら『モータルコンバット』の究極神拳を思わせるものである。 ---例外として少女相手に出すのは躊躇われたか、ナコルルとリムルルに対しては発動しない。一方で女性キャラクターのシャルロットや少年キャラクターの閑丸に対しては発動する。 ---また、火月(攻撃側)VS蒼月のみ、実の兄を殺すのに忍びないという演出が入り、蒼月は無事。 ---この断末奥義は一旦削除されたものの、後に『[[サムライスピリッツ零SPECIAL]]』で「絶命奥義」として復活した。しかし同作はこの絶命奥義が一つの騒動を起こす事にもなってしまった。詳細は同記事で。 -CPU戦はタイムアタック制を採用 --これに伴い前作までのスコア制のランキングが廃止され、クリアまでかかったタイムを競う形式に変更された。このタイムは各キャラクター毎でランキング付けされる。 --また、本作は一定時間内にノルマ数の敵を倒すことができたか否かでエンディングが分岐する仕組みになっており、その制限時間は使用キャラクター・ラウンド本数設定によって決まっている。 --ゲーム開始時に選択したキャラクターに対応したライバルキャラクター(例:火月に対する蒼月、覇王丸に対する幻十郎etc.)が出現。このライバルキャラクターは最終的にはラスボスとして登場する((即ち本作は使用キャラクターによってラスボスが変わる。))。 ---覇王丸を選ぶと幻十郎、幻十郎を選ぶと覇王丸となるが、ナコルルを選んでも幻十郎がライバルに出てくるなど対応は1対1ではない。なお、ナコルルとリムルル・閑丸・シャルロットは誰を選んでもライバルキャラクターとしては登場しない。 --制限時間までにノルマを制して中ボスの天草戦に辿りつかないと、先に天草を倒されてしまい斬紅郎も登場せず。その後ライバルキャラクターとの戦いになるが、倒してもバッドエンドになってしまう。 ---制限時間までに天草戦に辿りつけば、天草(中ボス1人目) → 斬紅郎(中ボス2人目) → ライバルキャラクター(ラスボス)との連戦となり、全部倒すとエンディングとなる。 -「剣客」「剣豪」「剣聖」のレベル選択の変更点 --初心者向けの「剣客」は「連斬の目押しが不要」「武器飛ばし技のコマンドがABCD同時押し」といった特典が用意される。 ---連斬入り込みは必殺技扱いとなっているため、通常技からキャンセルで出すことが可能。反面14連斬が使えない上、初段がガードされても出し切るので外すと隙が絶大というリスクを背負う。 ---また「怒り爆発」が使用不可能となっている代わりにダメージを受けたときの怒りゲージ増加量が多い。 --ノーマルモードの「剣豪」は変更点は無い。 --上級者向けの「剣聖」は相変わらずガード不能だが、本作では常時怒り状態は廃止されてしまった。攻撃力の増加もごく僅かなため完全に超ハンデ用・自殺モード化。 後述するように怒り状態で強化される必殺技持ちの一部が凶悪な強さになるためこうなったと思われる。 -その他 --体力ゲージが上下二本になり、実質的にダメージが半分近く減少した。 --『斬サム』では開幕前のキャラクター移動が可能だったが、本作では廃止された。 --気絶が無くなった。 --コンボ数(○○斬)が表示されるようになった。 ---…がしかしこの表示はかなりいい加減で、3斬以降からしかカウントしなかったり実際繋がっていなくても数字は増えたり、起き上がりに技を重ねて数字が増えたりする。その逆もあり、繋がっているのにカウントしない事も。 --武器飛ばし技のコマンドが全員共通(4632+AB)となった。 ---ガルフォード修羅のみ4632+CDのコマンドもある。コマンドによってガルフォードの出現位置が異なる。 --「当て身」「白羽取り」のコマンドが「2146+D」に変更された。 --『斬サム』まで存在していたアイテム(肉、爆弾)が廃止された。 --背後から攻撃を喰らった際ののけぞり時間が前からの場合とほぼ同じになり、『斬サム』のようなお手軽永久は減少した。また背後から一部の飛び道具や必殺技を喰らった際は真上に高く浮き、喰らい判定が消えた状態で落下するようになった(バグにより唯一の例外になった首斬り破沙羅は悲しみを背負う羽目になってしまったが…。詳細は後述)。 --ガード硬直中の相手に投げ技を決める事はできなくなった。従って、『斬サム』のようなキャンセルコマンド投げでのハメは不可能。 --骸羅と破沙羅に存在していたガードキャンセル必殺技は無くなった。 --覇王丸の弧月斬、幻十郎の光翼刃、シャルロットのパワーグラデーションと言った対空系の必殺技が軒並み強化された。今までのシリーズでは「幻十郎は光翼刃さえなければ強いのに」等と言われる程影が薄かったので、今作で躍進を遂げたと言えるだろう((ただし『真サム』でのゴミ技っぷりを見てきた一部のファンからは「こんなの光翼刃じゃない!!」と非難の声が上がったりしたが。))。 ---- **キャラクター -『斬サム』の13人(天草、斬紅郎含む)に新キャラクター2人と復活キャラクター3人を追加した18人。 --新キャラクターは「風間火月」「風間蒼月」の忍者兄弟。 --復活キャラクターは「柳生十兵衛」「シャルロット」「タムタム」の3人。 ---特にタムタムは初代以来久々の登場でファンを驚かせた。 -キャラクター別のBGMは本作では一部のみとなり、個別の曲を持たないキャラクターは各ステージごとに設定されている環境音楽が流れる。 --専用テーマ曲があるのは覇王丸、ナコルル、ガルフォード、右京、幻十郎、リムルル、シャルロット、蒼月、火月、天草、斬紅郎。シリーズの曲をリアレンジしたものが多い。 ---- **評価点 -対戦バランスの改善 --即死・永久がある程度改善された ---基本は『斬サム』ベースなので即死・永久は結構存在するが、体力ゲージが2倍になる事で相対的にダメージが大幅減少したため即死は状況限定が多くなり、永久は格ゲー初の食らい抜けシステムとも言える「怒り爆発」で一度だけなら抜けることも可能になったので、対戦バランスはかなり改善。 --空中ガードが廃止されたため、不用意なジャンプにはそれ相応のリスクが伴うようになった。 --前作では発生が遅すぎて使い物にならなかった防御崩しの発生が早くなり、普通の投げ感覚で使えるようになった。 ---ダッシュから防御崩しをスムーズに決められるようになり(投げ間合いの極端に狭い一部キャラ除く)、そこから強斬りや連続技、一閃が入るなど見返りも大きいため、ガン待ちも難しくなった。 --「当て身」がようやく実戦で使えるレベルになり、攻めにも守りにも緩急が必要に。 --『斬サム』で問題になっていたガード硬直中の相手をコマンド投げで投げられる投げハメも不可能になった。 ---それ自体はいいのだが、問題点も発生している。詳しくは後述。 -キャラクターの掛け合いやBGMなど、演出の完成度も高い --『斬サム』ではバランスの悪さに隠れて見落とされがちだったこれらの要素も、本作で改めて評価された。 ---- **賛否両論点 -『サムスピ』らしさはやや薄れた。 --本作ではこの時期から対戦格闘ゲームで流行し始めたコンボ要素が追加されたが、「強斬り一発で相手の体力を豪快に奪い取るのが魅力のサムスピシリーズにおいて、連続技は必要ない」という意見もあり、賛否が分かれている。 ---14連斬を決めると怒りゲージがMAXになる仕様も、一部のプレイヤーからは「何故相手を斬りまくって勝手に怒るのか」と突っ込まれ''「逆ギレ」''と言われたりと、賛否両論である。 //賛否両論となってる部分を別へ ---- **問題点 -操作が複雑になったため、初心者がとっつき難くなった --連斬や怒り爆発、追い討ちなどできる事が多彩になり、やり込むほどに応えてくれる奥の深さを持つ反面、操作の複雑化を招いて初心者がとっつき難くなった感は否めない。 ---特に14連斬とそこからの連続技は、できるのとできないのとでは大きな差が出てしまう。これで敬遠してしまったプレイヤーも少なからず存在する。 --そもそもサムスピシリーズは強斬りによる一撃の重みを重視した作品であり、単純明快な操作性が売りの一つとなっていた。上記のコンボ要素と共に、ファンの間に「サムスピに小細工は必要ない」と言う考えがあるのも事実である。 --またCPU戦が上記の通り真エンディングを目指すだけでも一定時間以内にクリアする必要があるせいで、初心者にとってはじっくりプレイできないためとっつき辛いとの意見がある。 ---これに関しては、商売成立のためにはいくらインカム効率が重要なアーケードゲームとはいえ、当時から「インカム効率を悪くする遅延プレイへのペナルティを課すのに必死すぎ」などの苦言を呈されていた。 -防御崩しの強化に伴うコマンド投げの弱体化 --防御崩しがレバー横とCボタンのみで出せ、そこから高威力の追い打ちもかけられるのに対し、出すのにコマンド入力が必要で発生も防御崩しより遅く、ダメージも高いとはいえないコマンド投げはほとんど使う意味がなくなってしまった((高威力の修羅半蔵のCモズ落としと、決めると姿を消せる羅刹半蔵の爆炎微塵隠れ除く。))。 -リムルルの声 --本作ではリムルルの声優に当時の駆け出しのアイドルである松本恵(現・松本莉緒)氏を起用したのだが、これがあまりにも酷い演技だった。 --台詞はとにかく棒読みで、滑舌も悪い。『斬サム』やドラマCDではアニメのヒロインの経験もあるプロ声優である桜井智(現・櫻井智)氏を起用していただけに((その桜井氏も『斬サム』でゲーム収録初挑戦のためかやや聞き取りにくいボイスがあり、こちらにも批判の声が全くなかったわけではない。))これで幻滅したファンも多かった。 --RPG『[[武士道烈伝>真説サムライスピリッツ 武士道烈伝]]』でも宣伝のため彼女の起用が決まっており、本作でも起用したのだがむしろこれは「プロデューサーのミスキャスト」と非難されるべきだろう。 ---しかも、彼女は1996年当時は現役中学生であった。ただでさえ、俳優の声優挑戦は演技方法の違いなどから拙い演技に聞こえやすく、批判の的となることが多いのである。いくらTVドラマなどでの演技が評価を受けていた((彼女の名誉のために言うと、実力派若手女優の候補と目されており、『天サム』稼働後の話ではあるが有名マンガ「ガラスの仮面」のドラマ版で安達祐実氏演じる主人公のライバル役を演じ、高評価を受けている。))とはいえ、アフレコ経験のない中学生に声優をやらせるという判断自体が理解に苦しむと言わざるを得ないだろう。 ---ちなみに本作以降もリムルルの声優は作品ごとにコロコロ代わっている。具体的には実質的な次回作の『零サム』では生天目仁美氏になり、それ以降も『剣』では釘宮理恵氏が、パチスロ版『鬼』では加藤英美里氏がそれぞれ演じている。 ---SNK作品では『KOF'94』~『KOF'97』までの麻宮アテナでも、売出し中の女性アイドルを起用したために酷い演技になってしまったケースがある。こちらは『KOF'98』以降からプロ声優の池澤春菜氏に固定された。 //加藤英美里氏はどの作品で担当しましたか?神谷けいこ氏(ポリサム・アスラ・蒼紅・ナコりもの)と生天目仁美氏(零・零SP・閃)は知っていますが…。 //↑パチスロ版『サムライスピリッツ鬼』です。 -一部バグ --SNK作品の宿命か、本作にもバグが結構存在している。 --修羅十兵衛の武器飛ばし技「絶・水月刀」を相手のジャンプの頂点付近でヒットさせると、なぜか削りダメージ程度しか減らない上に武器も飛ばされず、怒りはしっかりと終了してしまう。 ---十兵衛は武器飛ばし技を当てると、その後14連斬を決めてもなぜか怒れないことが多い。 ---この他にも羅刹の武器飛ばし技「激・双嵐陣」がガードされただけで怒りが終了したり、ガードされたときだけ連ね斬りにキャンセルがかかるなど、十兵衛は謎の現象(バグ)が多い。 --修羅火月の「災炎」を3つ付けると激しく処理落ちする。14連斬すら出せなくなるほどなので、対戦相手には嫌がられる事間違いなし。 --蒼月の14連斬は、相手がガルフォードだと何故か14斬目がガードされてしまう。さらに14斬目がガルフォードの体を通り抜けてる時にガルフォード側が怒り爆発を行うと蒼月に怒り爆発がまず当たらない。この時蒼月は硬直中なので、ガルフォードの一閃が確定してしまう。 --閑丸の「真・雨流れ狂落斬」は、Dボタンを押し続けて最大五段階まで溜められるというコマンドだが、通常技キャンセル((キャンセルをかける通常技はヒットさせなければならない。))で狂落斬を出した直後に再びDボタンを押し続けると、狂落斬の溜めが維持されるというバグがある。 ---これを上手く使えば五段溜めの狂落斬を連発するという芸当も可能((五段溜め狂落斬は溜めきるまで最大80カウントもかかるが、威力は単発で6割まで減り、さらに突進に長い無敵が付くという非常に強力な技になる。))((その代償として溜めきるまでの間Dボタン絡みの動作(蹴り、連斬etc.)は一切使えない、怒り爆発で抜けられる、一部のキャラクターには一閃で反撃が確定するという弱点もある。))。 --これらのバグの中でも重大なものとして、首斬り破沙羅は''「バサラウィルス」''と呼ばれる致命的なバグを抱えていた((この現象を発見した人が天草降臨研究の同人製作物(コンボムービーを収録したビデオなど)を出しており、作品内での呼称として用いられたものが広まった。))。 ---バサラウィルスとは「(前述の)背後から飛び道具や一部の必殺技を当てた際に高く浮き上がった時、破沙羅のみ喰らい判定を残して浮くバグ」の通称。 これにより、対破沙羅専用の簡単で非常に実用的な永久が多数存在している。 ---例…羅刹覇王丸:引っ張り → 凪刃×n 、幻十郎:引っ張り → 桜華斬×n、引っ張り → 光翼刃×n ---つまり、飛び道具や浮かせ技を持つキャラクターに防御崩し(引っ張り)を決められたら破沙羅はそこで終わりなのである。怒り爆発も前述のように空中では使えない。 ---なお、このバサラウィルスは''全ての移植作でも再現されている。''破沙羅が何をしたというのか。 #region(バサラウィルス参考動画) &nicovideo2(sm10902609) #endregion -ある程度は調整されたが、なお悪いキャラクターバランス --上位キャラがそれぞれ尖った強みを持っているので、そのキャラ同士なら面白い勝負になるのは評価できる。一方で下位との差が激しく、弱キャラで強キャラに勝つのは至難の業。 --主な強キャラはナコルル(修羅)、半蔵(共通)、幻十郎(羅刹)、ガルフォード(羅刹・素手状態)。 ---修羅ナコルルは「アンヌムツベ」が異常に強力で、ただでさえ発生が早く無敵時間もある事に加え、ABCD同時押しで強制停止可能で隙を消す事ができる、怒り時はさらに性能アップという至れり尽くせりな技。高性能なダッシュ弱斬りをチラつかせた択一攻撃に防御崩しからの高火力~永久・即死連続技と、弱点らしい弱点が全く存在しない。武器飛ばし技の性能が悪いことと、アンヌムツベの緊急停止時に怒り爆発が暴発しやすいことが数少ない弱点と言える。 ---半蔵は怒り時の「爆炎龍」が多段ヒット技で追撃可能、発生が非常に早く隙も無い。この技ひとつで攻めの起点・コンボ・固め・ケズリなど全てをこなせてしまう。半蔵は怒りにくいのが欠点ではあるが、14連斬が決まればすぐ怒るためあまり関係なく自決とも相性が良い、しかもゲームの仕様上1回怒ればなかなか鎮まらない(詳しくは後述)。高威力の連続技が少なく攻めが単調になりやすいが、怒り爆炎龍絡みの連続技を数回決めれば相手は昇天するので気にはならない。 ---羅刹幻十郎は「裏桜華・菖蒲」を使った中段・下段の択一攻撃とそこからの連続技が強力。投げからの超簡単な永久コンボもある。防御面もパワーアップした光翼刃で安定。一方裏桜華・菖蒲はコマンドの関係で死に技の「紫暮」が暴発しやすいという弱点がある。((もっとも幻十郎はこれ以前のシリーズでも主要技と死に技のコマンドが被るため暴発との戦いが日常茶飯事のキャラではあったが…)) ---羅刹ガルフォードは前作の『斬サム』でも素手状態のプラズマファクター1回で気絶、気絶した相手に「立ちパンチ→プラズマファクター」を決めると気絶→気絶になるという有様であったが、''何故か本作でも素手状態の強さに調整が入っていない''。通常技とプラズマファクターの判定がとんでもなく強化され、ガードされても隙が皆無な上、本作では気絶そのものが無くなったが「プラズマファクターが当たりさえすれば、そこから再度プラズマファクターへと繋ぐ永久連続技が成立」してしまうという有様((本作では武器捨て挑発で自分から武器を捨てられるようになった分性質が悪くなったと言える。))。問題は武器を捨てるには武器飛ばしを喰らうか、武器捨て挑発をするか、鍔ぜりあいで負ける必要がある(=被ダメージやスキを作る必要がある)ということ((正確には白刃取りでも武器を奪われるが、機会が滅多にないため除いた。))。 --対して弱いキャラの筆頭格はと言うと、先にバグの紹介で出た首斬り破沙羅が最弱候補として名高い。タイトルとストーリーでフィーチャーされている天草も同レベル程度。 --閑丸も『斬サム』で強すぎた通常技が比較にならないほど弱体化し、さらに14連斬を画面端の相手に決めた後クイック起き上がりをされると反撃確定な上に怒りも阻止されてしまうなど、弱キャラになってしまった。上記狂落斬バグを使いこなせれば上位相手に戦えないことも無いが、それだけで勝ち残れるかというと…。 --また、本作品は修羅と羅刹で強さが極端に変わるキャラクターも多い。火月・骸羅・右京・狂死郎は典型例。 //ナコルルは羅刹も強キャラなので除外 -怒りゲージのシステム上の問題 --本作では「自分が喰らいモーション中」「必殺技(武器飛ばし技含む)を出しているモーション中」は怒り持続時間が減少しない。極論を言えば''必殺技を出し続ければ永遠に怒り続ける事も可能''である。 --そのため修羅蒼月などはとんでもない事になる(詳しくは後述)。 --また半蔵も前述のように戦法上爆炎龍を多用する上、怒り持続時間自体が全キャラ中トップクラスなのでなかなか鎮まらない。 ---さらに本作(及び本作ベースの『零サム』『零サムSP』)では怒り状態でラウンドが終了すると、次のラウンドでは今までカウントされていた怒り持続時間が初期化され、また怒った瞬間からのカウントとなる。そのため半蔵は一度怒ったら最後、''勝負がつくまで怒りが鎮まらない事も多い''。 -明らかに尖り過ぎている技の存在。それに頼るプレイへの対処のしにくさ --修羅蒼月の「C月光」は怒り時になると異常にヒット数が上がる。直撃させても痛いのだが、問題はガードしてしまった時。蒼月側が速く動けるため次のC月光が連続ガード(厳密には違う)になる。そして必殺技中は怒り持続時間が減らないという仕様のため、''C月光を連発するだけで永久ガード''になってしまう。わざとガードを解くこと((このゲームには厳密な意味での連続ガードが存在せず、多段ガードの最中でもガード側が任意でガードを解除することができる。))や怒り爆発で抜けられるとはいえ、今は亡き新声社から発売された「ゲーメスト」ムックでも、「''対戦相手とのトラブルを避けるために、蒼月は開幕直後に怒り爆発して怒りゲージを無くしてしまおう''」とまで書かれる始末。 --他にはタムタムの通常技、遠距離立ちAも非常に凶悪。発生早い・リーチ長い・隙が少ない・連打可能・キャンセル可能とあらゆる面で強すぎ、これをぶんぶん振り回すだけで何もできなくなるキャラもいる。ならばと飛び込んでも、タムタムは逃げジャンプCというこれまた凶悪な空中技を持っているので…((修羅の場合は連打で出る死に技の「パグナ・パグナ」が暴発しやすいという弱点はある。))((本作の連打系必殺技はインストカード表記では「レバー前+ボタン連打」となっているが、実はレバーを前に入れなくてもボタンを3~4連打するだけで出てしまう。))。 -前作ほどではないにしろ数多い即死・永久コンボ --キャラクター限定のものも含めればほぼ全キャラが即死コンボを持っている。 --とは言うものの、本作の即死コンボは連ね斬りを利用するため「怒り爆発+ゲージMAX状態」でないと入らず、怒り爆発で抜けられてしまうとその対戦中は決められなくなるものが多い。 --裏を返せばゲージの状況などお構いなしで入ってしまう永久コンボを持っているキャラクターは極悪。一度は怒り爆発で抜けられても二度目は無い。 ---有名なのは、幻十郎の「引っ張り(後ろ側への投げ)から、ダッシュB×α」、火月の「14連斬7斬止め×α」、羅刹覇王丸の「(14連斬12斬目キャンセル剛破)×α」など。 --狙って出来るものではないが、斬紅郎の武器飛ばし技の「無限砲」は、空中の相手にヒットすると、威力はそのままに多段ヒットするため実質的な即死技となってしまう((当たり方によっては即死しない場合もあるが、どの道瀕死である。))。 ---- **総評 前作『斬サム』が「10年早すぎた世紀末ゲー」と評された反省から、新機軸を盛り込みつつもバランスの改善を図ろうとした点は評価できるが、人によってはサムスピがコンボゲー化する元凶となったとも評されることとなった。 //言いたいことは分かるが「世紀末ゲー」は発売からずっと後のネタなので誤解を生じかねない だが作品そのものは「2Dサムスピの最終形態」ともいえる評価で、特に「怒り爆発」「一閃」システムは後のシリーズにも受け継がれた完成度の高いものであった。~ 後に悠紀エンタープライズ((一部が後に『アルカナハート』で知られるエクサムを立ち上げている。))が本作をベースに『[[サムライスピリッツ零]]』を製作したことにもそれが現れているといえよう。 しかし、『サムスピ』シリーズ自体は後の『ポリサム』やRPG『武士道烈伝』で著しく評価を落とすこととなってしまった。 ---- **CS機移植 ''NG版'' -1996年11月29日にSNKより発売。当然ながら移植度は完璧。 --2012年2月14日よりWiiのバーチャルコンソールで配信されている。価格は900Wiiポイント。 ''NGCD版'' -1996年12月27日にSNKより発売。BGMがアレンジ音源になっているが、ロードの長さは相変わらず。対戦でのみ斬紅郎が使える。 ''SS版'' -1997年10月2日にSNKより発売。拡張RAMカートリッジ専用のため基本的な移植度は高いのだが、14連斬中などに処理落ちが発生する。 --特に骸羅・天草・斬紅郎といったデカキャラ同士の対戦で14連斬を決めると目に見えて遅くなる。対戦とトレーニングでのみ斬紅郎が使える。 --拡張4MRAMカートリッジ発売後の発売なのだが、残念ながらこちらには対応していない((これに限らず、SNKの対戦格闘ゲームのSS版は拡張4M発売後のタイトルでも、それに非対応だったり対応でもそれに合わせた作りがされていなかった。同社の4M専用タイトルは存在すらせず。))。 ''PS版『サムライスピリッツ天草降臨SPECIAL』'' -1997年12月25日にSNKより、廉価版は2003年4月24日にSNKプレイモアより発売。 --追加要素として、チャムチャム((グラフィックは『真サム』からの流用、必殺技は新規。))が使用可能となっているが斬紅郎同様、対戦モードでしか使用できない(トレーニングでも使用できない)。 ---チャムチャムの絵は使い回しだが性能自体は手抜きではなく、修羅・羅刹ともにこれまでとは一味違うキャラクターに仕上がっている。 ---特に羅刹はパクパクを連れておらずほとんどオリジナル。それだけに本作の対戦モード限定だったのが惜しまれる。 --斬紅郎はNGCD版やSS版とは違い、羅刹版のカラーが別のカラーになっている((NGCD版とSS版ではプレイヤー版のカラーは修羅と羅刹は同じ色(1Pと2Pはちゃんと違う)。))。 --キャラクターのアニメーションがかなり削られたり(タムタムのダッシュが顕著)、各エフェクトに不自然なモザイクがかかっている。 --移植作独自の当たり判定も存在する。ロード時間も長く、「一本目、勝負」の直後にもローディングが起きる。 ---PS版『斬サム』ほどではないが劣化移植と言える。 ''NGP版『サムライスピリッツ!』'' -1998年12月25日にSNKより発売。本作では自決及び断末奥義といった残虐描写がカットされその代わりにコミカルな演出が追加されている。 --シャルロット、狂死郎、破沙羅、骸羅、タムタムが削除されているが、代わりに本作では『ポリサム』こと『侍魂』に登場する「色」がゲスト出演かつ初の2D化を果たした作品でもある。 --ネオポケ版の続編として『[[サムライスピリッツ!2]]』も後に発売されたが、そちらは『アスラ斬魔伝』がベースとなっている。 ''PS2/Wii『[[サムライスピリッツ六番勝負>サムライスピリッツ 天下一剣客伝#id_aafdeeb3]]』'' -2008年7月24日にSNKプレイモアより発売。2D『サムスピ』シリーズを網羅した『六番勝負』に収録されている((初代~『零』はネオジオROM版、『剣サム』はPS2版ベース。))。 --NG版ベースなので移植度は完璧だが、PS版とは違い斬紅郎やチャムチャムは使えない。 ''Windows(Steam/EPIC GAMES STORE)/Switch/PS4『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』'' -2020年6月12日(Win(EPIC))、2020年6月19日(Win(Steam))、2020年7月30日(PS4/Switch)にSNKからそれぞれ発売された。その名の通りネオジオ/MVSでリリースされた全作品(+α)を収録。移植は『SNK 40th Anniversary Collection』を手掛けたアメリカのDigital Eclipseで、全作MVS版ベースでの収録。 ---- **余談 -上記でも触れた「ゲーメスト」は数々の誤植でも有名だが、本作は『サムライスピリッツ 天草''システム''』と誤植されたことがあった。一体何をどう間違えたら「降臨」が「システム」に変わるというのか…。 --SNKも開き直ったのか、後にNEOGEO20周年特別企画の一環として[[''直''サムライスピリッツ>真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変]]や[[''飢餓''伝説>餓狼伝説 宿命の闘い]]や[[''餓死''伝説2>餓狼伝説2 新たなる闘い]]と共に''[[Tシャツ化>https://ebten.jp/p/7015010022727]]''された。 -前作の花諷院骸羅は花諷院和狆の孫とされていたが、「独身のはずの和狆に何故孫が?」という設定矛盾が起きていたためか、今作より「幼い頃に和狆に引き取られて育てられた」と変更され、血の繋がりは無いことになった。

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