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この項目では『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』のアーケード版と移植版のSS版、PSのアレンジ版『EX EDITION』について解説しています。~ 判定はいずれも「&color(,white){''なし''}」。 ---- #contents() ---- *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード(CPシステムII)| |販売・開発元|カプコン| |稼動開始日|1997年7月23日| |プレイ人数|1人~2人| |判定|なし| |ポイント|相変わらずの永パ&br;一応シリーズで一番マイルドなゲーム調整&br;荒れに荒れた憲磨呂関連| |>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''| |>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ]]''| *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER (SS) 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー】 |対応機種|>|セガサターン|CENTER:&amazon(B000069TDY)&br&amazon(B000092PHG)| |メディア|>|CD-ROM 1枚|~| |発売元|>|カプコン|~| |発売日|>|1998年10月22日|~| |定価(税抜)|単品|5,800円|~| |~|拡張RAMカートリッジ4M同梱|7,800円|~| |レーティング|>|セガ審査:全年齢推奨|~| |周辺機器|>|要拡張RAMカートリッジ4M|~| |判定|>|なし|~| ※共通項目は省略 ---- ~ #center{&size(20){''熱 波 到 来。''}} ~ ---- **概要 『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』に続く、カプコンとマーベル・コミック社とのコラボ作『VS.』シリーズ第2弾((カプコン制作のマーベルコミック原作作品を含めるとアーケード第4弾。))。~ 本作はVS.シリーズで唯一、むしろゲーム全体としても異例の、高視聴率ゴールデン番組とコラボした作品でもある。 新システムとして、控えのパートナーがキャラ固有の援護攻撃を行う「ヴァリアブルアシスト」と、『[[ストリートファイターIII>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』シリーズと同様のスタンゲージシステムが導入された。 なお、本作は『VS.』シリーズにおいてスタンゲージシステムがある唯一の作品である。 ---- **登場キャラ -本作のストリートファイター側のキャラは前作で登場した「キャミィ」と「ナッシュ」を除いたキャラが続投((ただしナッシュはとある条件を満たすとシャドウと名乗って隠しキャラとして登場。なぜ彼がシャドウとして登場したのは前作参照。))しZEROシリーズの「さくら」と「火引弾」が参戦。 --そのせいもあって、リュウ、ケン、豪鬼、ダンと9人の枠のうち4人も胴着キャラになってしまっているが…。 //本作のさくらは「波動拳が正面に飛ばずに斜め上に飛ぶ」「咲桜拳が完全に突進技」で波動昇龍キャラとは言えない。 -一方マーベル側のキャラは前作からの続投キャラは「サイクロップス」と「ウルヴァリン」のみだが、前々作『[[MARVEL SUPER HEROES]]』からの多数の復活キャラと『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』から「オメガレッド」が復活参戦。 --ちなみに『MARVEL SUPER HEROES』からの復活組の「シュマゴラス」の1Pカラーは原作での配色変更に合わせて緑に変更されている((MSHでは初期の配色に合わせてピンク色が1Pカラーだったため、1P・2Pが逆転したことになる。))。 #region(MARVELサイド) -サイクロップス --X-MENのリーダー、ビーム系キャラの第一人者。MSHでのプレイアブル出演は無かったが、今作では前作から続投。クセの無く使いやすい通常技と各種ビームの画面制圧力を活かして立ち回る器用万能キャラ。 --ラピッドパンチ、ランニングネックブリーカードロップがタメ技となりダッシュからの選択に組み込めなくなったが、その分前者はコンボに使いやすくなった。 --ハイパーXの「メガオプティックブラスト」の発生が遅くなり、前作で出来たメガオプ絡みのコンボは結構な数が不可能となった。故に今作ではスーパーオプティックブラストの需要が増している。 --やたらと多い特殊入力技を絡めたエリアルレイブでの超多段コンボ・半永久パターンは健在。追加技は実装されず個々の技の調整に留まったものの、スタンダードな使いやすさはそのまま。 --ビームがウリのキャラクターの割に、Vアシストはライジングアッパーカットとなっている。バランス調整の一貫かもしれないが、キャラの方向性とはズレている様な… --他のキャラが後に追撃可能なのに対し、彼の場合は逆に反撃確定という憂き目にあってしまっている。 -キャプテン・アメリカ --アベンジャーズ・BIG3の中核を担う超人兵士。飛び道具のシールドスラッシュがシンボルアイテムであるシールドの有無に委ねられ、強パンチなど通常技の一部もシールドの有無で性能が微妙に変化するという変則的なスタンダードキャラで、主に火力に比重を置いている。 --MSHから地上のみ6ボタンチェーンとなり、地上コンボの火力がアップ。屈み弱K>屈み中P>屈み中K>立強Pといったチェーンのみでも十分減る上、画面端ではさらにハイパーコンボで追撃可能。 ---コンボ以外でも、隙が大きい立強Pを屈み強Kでキャンセルして隙を軽減するといった恩恵も得た。 --盾無し時の「スターズ&ストライプス」が、盾あり時同様に単発ヒットに統一された。 --新ハイパーコンボ「ハイパースターズ&ストライプス」「ハイパーチャージングスター」が追加。 ---前者はいわゆる烈破系、後者は発生が遅いものの正面からの飛び道具を完全に無効化する多段突進技((MSHにおけるパワージェム発動中での其々の強化版必殺技の再現。))。Vコンビネーションでは前衛がHS&S、後衛がHCSとなる。 ---HS&Sは画面端でヒットさせると、ダウン前の相手に追撃が可能なので、高い火力を引き出せる。画面端に追い込まれている状況でも、側転で立ち位置を入れ替えて強引に割り込めば形勢逆転も狙える。 --MSH時代からゲージの使い道が格段と増えたため、ゲージ依存の激しいキャラとなった。 -ハルク --ガンマ線実験の失敗により、山脈を砕く程の怪力を得た緑色の巨人。マーヴルにおける力の指数を図る際には何かと比較される役。動けるデカキャラ枠としてそれなりに機動力はあるが、運用は中々難しい中級者以上向け。 --待望のスーパーアーマーが追加。通常技キャンセルVアシストの連携がアーマー効果とガッチリ組み合い、非常に強力なものとなっている。 --ガンマスラムは純粋な地上飛び道具へと変更。発生が遅い上に射程制限があるため使い勝手はイマイチ。 --新ハイパーコンボ「ガンマウェイブ」が追加。 ---ガンマスラムの純粋強化版と言った所で、1ゲージ消費HCの中ではトップクラスのダメージを誇る。最大射程が発動位置に依存するため、画面端を背負った状態からフルヒットした際の威力は優に5割超えという恐ろしい火力を叩き出す一方で、相手が画面端に近い場合はその火力も大幅に軽減されてしまう。 --エリアルレイブ時の強Pからの追撃で、画面端ならばノーゲージ4割コンボも可能な反面、ガンマクラッシュは地上ヒットだと強攻撃1発分程度しか減らない((初段が地上ダウンしてしまう関係上、後半動作が単発ヒットしかしないため。空中ヒット時は他のハイパーコンボ同様にしっかりと減る。))など、妙なダメージ調整が図られている。 --前方ダッシュが相手をすり抜ける性能を持つため、アシストと組み合わせてかく乱戦法での攻めを展開したり、画面端に追い込まれている場合でも簡単に立ち位置を入れ替える事が出来る。意外と器用な動きが可能なキャラである。 --本作において最強クラスのヴァリアブルカウンターの性能も光る。繰り出す技はアーマー性能が省かれた強ガンマチャージ。画面8割に達する移動距離、判定の強さから来る対地&対空両方への対応、移動速度の速さ等、相手が硬直している分とにかく当たりやすい上にダメージも高い。 -ウルヴァリン --X-MENの切込隊長担当、野蛮な戦い方とハードボイルドな渋さに溢れた究極のタフガイ。圧倒的なスピード・コンボ・ゲージ回収率で、攻めの『維持』に特化した押しつけが異常な強さを誇る。 --猛威を振るったジャンプ中↓中K(通称・流星キック)が削除され、代わりに初代X-MENのみに存在した垂直真下に降下する踏みつけ攻撃が復活した。前方への軌道でない上、強K入力故にチェーンコンボにも繋げられないこの技への取り替えによって、空中からの攻めが大幅に弱体化している。 --中P投げの方向が画面の位置によって自動的に決定される仕様となり((画面端とは逆の方向に投げる。『ストリートファイターZERO』シリーズのソドムのダイキョウバーニング等に見られる仕様。))、中P投げで画面端に吹き飛ばし>追い打ちからのコンボというレシピが大幅に制限が掛かった。 ---強P投げは逆に、レバー入力方向に関わらず必ず前方にダウンさせる仕様となっている。こちらは間合いが大きく離れるため、最速ダッシュでなければ追い打ち自体がほぼ不可能。 --初代X-MENから「バーサーカーチャージ」が復活。大幅なスピードアップにより、屈み強Pだけで永久パターンとなってしまう。 ---この壊れ技の復活によって地上コンボの極悪ぶりが加速するかと思われたが、上記の変更点もあって「ゲージ消費で爆発的にコンボが伸びる」キャラとなった。発動中にゲージが溜まらない事もあって、それなりに落ち着いた調整となっている。 --新ハイパーコンボ「フェイタルクロー」が追加。 ---斜め上に飛び上がり、緩やかな軌道でXの文字に浮かび上がる爪の様なエフェクトを貼る。隙が非常に大きく連続技専用と言える性能だが、チェーン>屈み強Kからのお手軽コンボとして大いに活用出来る。空中版もあるが、暗転までが非常に遅くコンボに組みこめない上、無駄に特徴的な独特の動作で前兆が分かりやすく、ほぼ死に技と化している。 -シュマゴラス --異次元カオスディメンジョンの支配者として、特定の形を持たずに見た者が最も怖いと感じる姿に映し出される混沌の破壊神。でシュまシュ口調が特徴的((当然ながら、日本版だけの特徴。))な、みんな大好きシュマちゃん。 --強弱に関わらずキャンセル出来るP>Kチェーンという独自のルートで、一風変わった攻めが出来る。中P>弱Kや強P>中Kor弱Kといった逆方向への威力に繋げられるのは他のキャラには無い利点。このキャラにPとKの区別が果たして必要なのかは置いといて。 --ミスティックステアの攻撃範囲が狭まらなくなり、ヒット時は目玉が相手にくっついて一定時間後に爆破((爆破部分はガード不能だが、相手の攻撃を食らうとくっついた目玉は消失し追加ダメージは入らない。また、飛び道具部分のダメージはほぼゼロに等しい。主な狙いは多段ヒット故の削りへの期待値と、ゲージ溜め。))、追加ダメージが入るという性能へと変化。 --その強力な性能故にMSH時代、ゲージストックが1本のみであったのを踏まえてか、カオスディメンジョンがLV3専用となり、ゲージ管理に多大な影響を及ぼす事に。ゲージ消費数が1本少なく、火力もカオスディメンジョンを超えるが必ず交代してしまうVコンビネーションと共に、強力な性能故のゲージ依存率の高さをどうするかが課題となる。 --新ハイパーコンボ「カオススプリット」が追加。 ---分身を生み出し、本体より遅れて通常技をトレースして繰り出す強化モード。このモード専用でのそれなりに長いコンボも可能だが、強化系HCの中では性能はよろしくない((ミスティックステアが飛ばずにその場で消えてしまう上に、コンボの継続=ノックバック距離が増える仕様に加えて大元がP>Kチェーンなので火力自体が安い。更にバーサーカーチャージ等と違って一撃喰らえばモードが解除されてしまう。))。 --地上コンボは伸び悩むが、屈み強Kから手動スーパージャンプ>エリアルレイブと強引に繋ぐ事で、画面中央でもノーゲージで安定した火力が出せるのが救い。このゲームでは数少ない投げ抜け不能の純粋なコマンド投げも備えており、チェーンコンボは苦手なものの地上崩し能力に優れる。また、K投げが体力回復効果を持つので、オメガレッドと共にしぶとくしぶとく立ち回る事が出来る。ゲージが最大値まで溜まったシュマゴラスのプレッシャーはこのゲームでも随一。 --HC2つが上記通り特殊過ぎる技なので、ヴァリアブルコンビネーションではミスティックスマッシュを放つ分身をばら撒く専用技「ハイパーミスティックスマッシュ」が発動する(次々回作ではカオススプリットと入れ替わりでこちらがLv1HCとして採用される。)。 -オメガレッド --冷戦時代の最中に西側のプロジェクトで生み出された、紅の超人兵士。柔軟性の高い鞭・カーボナディウムコイルと致死性フェロモン・デスファクターを持ち合わせる。真っ当なヴィランポジションとして初代X-MENからの復活参戦を果たした上、ボイス全般が収録し直されている。 ---マーヴルサイドの他ヴィランポジションのキャラクターが色物の側面が非常に大きいキャラ2体なのに加え、前作まで皆勤で参戦していたマグニートー&ジャガーノートが未参戦となったため、スタンダードなヴィランとして貴重なポジションを得ている。 --移動速度の遅さ、リーチの長い通常技、屈み状態での体勢の低さ、必殺技の打ち分けの多彩さなどはそのまま引き継がれている。チェーンルートは地上、空中共にスタンダードな3ボタンチェーンとなった。 --新ハイパーコンボ「カーボナディウムスマッシュ((業務用インストラクションカードや家庭用のコマンドリストでは、「オメガスマッシャー」と誤植(或いは開発中の名称?)されている。))」が追加。 ---空中ダッシュの動作で突進、連続攻撃の後に鞭で拘束した相手を地面に叩きつけるロック系乱舞技。発生はやや遅いが突進中は無敵なので、ハイリスクではあるが割り込みにも使える。自分が画面端を背負っている状態限定ではあるが、エリアルレイブからカーボナディウムコイルの投げを絡めてコンボにも組み込む事も可能。 ---隙が大きく使い所が少ないオメガデストロイヤーと違ってカス当たりせずに安定したダメージを与えられるため、ゲージを持て余す事が減った事は大きい。オメガデストロイヤーはアポカリプス戦において最強の性能を発揮するのだが。 --必殺技のカーボナディウムコイル、オメガストライクは共に3方向に打ち分け可能(前者は空中版も含めると5方向)。 ---コイルヒット時は相手の体力orゲージを自らに還元したり、あらゆる方向へ投げる事が出来る。ストライクは技後のレバー+K入力で隙を軽減して発動位置に戻ったり、切り離して攻めを持続させたりと様々な戦術に派生可能。 --Vカウンター(弱・オメガストライク)の地上反撃性能が群を抜いて高く、画面端同士でも一瞬で届く移動距離と速度を誇る。ハルクと並んで非常に強力。 --屈み強Kのレバー方向での打ち分けや空中ダッシュなども含め、必殺技での牽制能力・攻めの持続力・逃げ性能・対応力といった様々な部分で高水準に仕立て上がっており、必然的に試合が長期化しやすい傾向にある。シュマゴラス同様にカーボナディウムコイルからの派生技であるデスファクターによる体力回復手段も持ち、とにかく相手の疲労度を溜めやすいキャラ。ある意味で原作再現度が高いと言える。 -スパイダーマン --放射線を浴びた蜘蛛に噛まれた事で超人的な身体能力を身に付けた、ご存知あなたの親愛なる隣人。スピード寄りのバランスキャラで、一通り万能に対応した必殺技構成から初心者から上級者まで運用しやすい。 --空中チェーンが3ボタンチェーンになり、飛び込みからの火力は抑えられた((尤も、スパイダーマンに限らずこのタイトルでは通常ジャンプ中に6ボタンチェーンに対応するキャラはいなくなっている。))。 --姿勢の低さ故の当たり判定の狭さと、飛び道具「ウェブボール(弱)」の硬直時間の短さを利用した、地上での隙の少ない攻めの継続力が光る。 --新ハイパーコンボ「クローラーアサルト」が追加。 ---地上での非ロック系乱舞。発生が若干遅いために強攻撃からしかコンボには組み込めないが、「コンボに組み込める地上ハイパーコンボ」の実装は非常に大きい((『MSH』時代の唯一のゲージ消費技「マキシマムスパイダー」は発生が非常に遅く、闇雲に出しても簡単にガードされるために使い所が殆ど存在せず、ゲージの用途はほぼカウンター1択であった。))。 --立中Pからのループ性の高いエリアルレイブは健在。 -ブラックハート --地獄の支配者メフィストに生み出され、その父に反逆を企てて地上へと追放された元地獄の王子。全キャラ1の特段大きな体格を持ち、鈍重な動きを1ボタンで複数の悪霊・亡者をバラまく戦法でカバーする、一際変則的な弾幕キャラ。 --シュマゴラスとは逆にK>Pチェーンというルートを持つ。マーヴルシリーズでもこのチェーンが引き継がれたキャラはブラックハートのみ((初代X-MENのウルヴァリンなどもK>Pチェーンであったが、続編以降は大方の作品で6ボタンチェーンとなっている。))。 --ジャンプ強攻撃後に反動で後方に飛び退く動作がなくなり、そのまま前方に着地する様になった。この変更により攻めを継続しつつ弾幕を押し付ける戦法がますます有効となり、地上の相手への一方的な防戦を強いる事も可能に。 --地上ダッシュは地面に潜って一定距離を進んで再出現という動作で、潜っている最中は完全無敵だが、移動後の隙が大きく微調整が効かないので実戦での使用には向かない。一応レバー入力で移動距離の制御は出来るのだが、焼け石に水。 ---反面、空中ダッシュは非常に速度が早く、一気に間合いを詰める事が出来る。通常技キャンセル手動スーパージャンプ~空中ダッシュと入力し、強攻撃に頼らないラッシュも可能。手元の忙しさの割に火力に結びつかないが…。 --新ハイパーコンボ「ジャッジメントディ」が追加。 ---地上版は立強P、空中版は強Kの悪霊を無数にバラまく、このキャラにしては全うな飛び道具系HC。画面端では密着状態での屈み中Pから安定してコンボに出来る。遠近問わず、気軽に放てる削り技としても使いやすい。 --Vアシスト(弱・ダークサンダー)が地面際に対して全判定、かつ持続の長いレーザー系飛び道具という強力な性能を誇り、手元にも攻撃判定があるので密かに対空技としても機能するという万能技。ハルクやダルシムとの相性が抜群に高い。 --Vコンビネーション(アーマゲドン)は飛び道具判定が残っている最中から行動可能になるので、後衛として交代する際の安全性が非常に高くほぼノーリスクで交代出来る。 --空中通常技の性能と機動力、ハイパーコンボ全般の高い削り能力を駆使して、ゲージの蓄積と放出を両方まかなえるキャラクター。 #endregion #region(ストリートファイターサイド) -リュウ --お馴染みミスター格闘ゲーム。他の道着&波動昇龍キャラが様々な差別化が行われている中、スタンダードな主人公としての性能は変わらないまま。 --チェーンコンボのグループとしては過剰であった前作から3ボタンチェーンとなり、ノーゲージでのコンボ継続及び火力は大分自重された。 --地上特殊技の旋風脚(→+中K)から着地までに空中通常技が出せなくなり、空中ヒット時の謎の引き寄せも無くなったため、これを利用した永久コンボは不可能に。 --空中特殊技の旋風脚(空中で↑+強K)もエリアルフィニッシュ技としての性能が全うな下叩きつけダウンに変更されたため、同様にこの後の追撃による永久コンボも削除されている…が、通常の強K後の追撃による永久コンボが残っているのは皮肉な所。 --新ハイパーコンボ「真・昇龍拳」が追加。 ---ボディーブローから逆の腕で繰り出す強烈な昇龍拳。ケンの疾風迅雷脚、マヴカプ2の豪鬼の滅殺豪螺旋と並んで『ストIII』から『ZERO』シリーズのドットに輸入された、数少ない技の内の一つ。今作では雷のエフェクトが添付されており、派手になっている。 ---クリーンヒットしなかった場合は多段の昇龍拳となる。演出は地味だが画面端では追撃が可能なので、実はカス当ての方が火力上昇に繋がるという側面を秘めている。 --地味な部分で、勝利ポーズ(プレイヤーセレクトでの1人目決定時も同様)とダッシュ動作に新しいモーションが加わっている。 -ケン --お馴染み全米格闘王。今作では道着&波動昇龍ポジションの中で更にリュウとの差別化が図られた。 --3ボタンチェーンへの変更はもとより、射程制限と引き換えに巨大化した波動拳、緩い角度で斜め上へと飛び上がる軌道となった地上版の竜巻旋風脚といった風に、必殺技の性能もほぼリュウとは別モノと化した。また、昇龍拳は全ての威力で燃焼エフェクトが添付されている。 ---波動拳の射程制限はデメリットに思えるが、短い感覚で前作とは比較にならないほど判定が大きくなった(メカ豪鬼のものと同一)飛び道具を放てる点ではむしろメリットとなっている。空中からの連射間隔もリュウより早い。 --新ハイパーコンボ「疾風迅雷脚」が追加。 ---炎を纏った蹴りの連撃から竜巻旋風脚に繋ぐ突進技。発生時の無敵時間は長いものの、発生が遅く中攻撃からコンボに繋げられない為に昇龍烈破の代役とはならず、下位互換技としてほぼ趣味の技に留まっているのが悲しい所。 --リュウ同様、勝利ポーズと後方ダッシュに新しいモーションが加わった。 --前作同様、リュウとのタッグ限定でVコンビネーションが真空波動拳に変化するギミックがある。 -春麗 --やはりお馴染み、元祖紅一点のミス格闘ゲーム。マーヴルサイドから女性キャラがいなくなった結果、さくらと並んでこのタイトルの華としての地位を得た。 --スピード系キャラとして、ストリートファイター側で唯一の6ボタンチェーンによる隙の少ないラッシュが強烈。特に画面端では立ち&屈みの強Pヒット後にノーキャンセルで様々な通常技が繋がるため、ダッシュからのループコンボで高い火力を誇る。 --空中制御も頭一つ抜けており、空中ダッシュに加えて3段ジャンプも併せ持つ。スーパージャンプから百裂脚を一瞬だけ発動する事による空中停滞時間の延長・ゲージため能力も非常に高い。 ---前作での低空ダッシュ連携が強過ぎたこともあってか、今作の空中ダッシュには高度制限が追加され、ジャンプ頂点付近でしか発動出来なくなった。オメガレッドやブラックハートのものよりは見劣りする性能となったが、それでもまだまだ強力な接近手段となっている。 --VS.シリーズにおける旋円蹴は、『ZERO』シリーズのものに跳躍する動作が加わっており、移動攻撃としての性能に置き換わっている。同じ『ZERO』シリーズのアドンが使うジャガーキックと似た性能を連想すれば分かりやすいだろうか。発生は遅いが屈みガード不能の中段性能は従来通りとなる。 --今作以降、天翔脚(他作品における天昇脚)が純粋な昇龍コマンド(テンキーで言う「623」入力)へと変更された。待ち気味に使うのが前提だった『ZERO』シリーズや『X-MEN VS. STREET FIGHTER』と違ってとっさの対空手段や画面端でのコンボに気楽に使えるようになり、使用頻度が大幅に増える事となった。 --新特殊技「零式気功掌」が追加。 ---『ZERO』シリーズ規模にスケールダウンした気功掌で、リーチは短くキャンセルも掛からないが、飛び道具を相殺可能。しかし、前進しつつ強Pのループコンボを狙う際の暴発率が非常に高く、ほぼ不要の産物と化している。 --バランス調整の一環か、気功掌のダメージが大幅に減少している。元々発生が遅いこともあり、千裂脚以上の硬直時間&削り能力の低さにより、使用価値が激減してしまった。 -ダルシム --やはりお馴染み、元祖色物キャラとして名高いインドの修行僧。腕や足が伸びるわ、火を吹くわ、テレポートするわ、おまけに今作では浮遊もするわで、ストリートファイターサイドでもっともミュータントに近いキャラと称される。 ---前作のキャミィが未参戦となったことにより、今作において遠~近距離で通常技が変化する唯一のキャラとなった。 --地上チェーンコンボを持たない代わりに、他キャラを一回り圧倒する通常技のリーチを生かした中&遠距離での牽制能力が非常に高い。“全ての通常技がキャンセル可能”という仕様により、相手の懐に入らずに隙の無い攻めを展開出来るのが強み。 --空中では他キャラと同じく3ボタンチェーンとなっており、各種ドリルキックがチェーンコンボに組み込める。この為、適当なジャンプから弱ドリルキック>中K>強Kのルートで強引に繋げやすい。後方ジャンプから攻めのチェーンコンボに移行出来るのは他のキャラには無い特色である。 --吹き飛び状態からの復帰の際、自動的に特殊回避技のヨガエスケイプが発動する仕様となる。エリアルレイヴからの空中投げがほぼ無効化されるといった利点がある代わりに、吹き飛びからそのまま間合いを離す事が出来ず、一定の範囲内に必ず留まるというデメリットも持ち合わせる。 --遠距離での屈みK全般に対して、動作中に弱P+弱Kの同時押し入力で動作をキャンセルしてニュートラル状態に移行する、通称“スラキャン(スライディングキャンセル)”と呼ばれる隠しテクニックが存在する。 ---これを利用した硬直削減による隙消し、その他ループ性の高いコンボが可能。地上チェーンコンボが無い分こちらのテクニックの恩恵は絶大で、地上戦における攻め能力にも優れた性能を誇る。 --新特殊能力「浮遊」が追加。 ---従来の過去作でもストーム、マグニートー、アイアンマン、ベガなどが所持していた飛行と同等の特殊能力で、一定時間レバー制御で空中を移動可能になる。この状態からの空中チェーンによる牽制、ドリルキックでの攻め、ヨガテレポートによる攪乱といった様々な戦術に派生出来る。 ---画面端であれば、(ドリルキック~空中チェーンコンボ>キャンセル浮遊)×Nの押し付けが強力。数回ループして防戦一方に追い込ませ、そのまま着地して投げるといった強引な攻めもこのキャラならでは。 --様々な要素が噛み合ってトップクラスのポテンシャルを秘めたキャラだが、この上更に比較的難易度の低い実戦レベルでの永久パターンを所持しており、ハイパーコンボの使い難さ故のワンチャンスでの火力の低さ以外ではほぼ一人勝ちとも言える性能。 --地味にヨガインフェルノが空中で出せるようになったが、発生速度は地上版同様に遅くコンボに組み込めないので使用頻度は低め。 -ザンギエフ --投げキャラの第一人者として無二のポジションをキープする、赤きサイクロンの異名を持つロシアのプロレスラー。 --見た目通りの鈍重かつ一撃が重い単発火力重視の性能。投げ技が真骨頂なので打撃技によるコンボは少ないものの、少ない段数で十分なダメージを叩き出せる事から、事前知識がなくとも運用しやすい。 ---スーパージャンプ中も3ボタンチェーンなのでコンボは伸び難いが、空中必殺技を確定で決める事が重要視されるので弊害と呼べる弊害にはなっていない。それでも目押しコンボでの永久パターンも持っていたりするのがマーヴルシリーズの業の深さと言うか… --空中でも発動可能となったダブルラリアットにスクリューパイルドライバー、スーパーコンボから通常必殺技となり使い道が大幅に増えた上に移動技としても使えるエリアルロシアンスラム、スーパーアーマーが添付され強引に掴みに行く事も可能なフライングパワーボム&ファイナルアトミックバスターと、『ZERO』シリーズから過剰なスペック上昇を果たしている。 --新Vコンビネーション「ダブルファイナルアトミックバスター」が追加。 ---前衛時のみ発動可能な、唯一の“投げ性能のVコンビネーション”。控えキャラと挟み撃ちにした相手を掴み、画面頂点の高々度までジャンプして2人で一気に叩きつけるという、コンビネーション感全開の専用技である。簡単コマンドで控えキャラに左右されずに確定5割というお手軽さから、前衛時のVコンビネーションの使い道は前作の比にならない程に向上した。 --ストリートファイターサイドのキャラ&投げキャラのポジションとして、次回作に出演出来た数少ない続投キャラである。 -ベガ --秘密結社シャドルーの総帥として世界中で暗躍する、サイコパワーを操る魔人。VS.シリーズでは機械技術での改造人間制作に精を出しており、今作と次作ではそれらの設定を踏まえた隠しキャラが登場した。 --使い勝手のいい通常技と高い機動力、変則的な動きが可能な必殺技で画面場を所狭しと動き回り、相手の動きを制限しやすい。反面コンボ能力は控えめで、地上&空中では2ボタン、スーパージャンプ中もザンギエフ同様に3ボタンチェーンとなっている。こう書くと高機動低火力キャラに聞こえるが、その実で単発火力は非常に高い。特にサイコクラッシャーのダメージは一級品。 ---VS.シリーズではサイコショット&ダブルニープレスがコマンド技に変更された事で、タメキャラとしての性質故に常にレバーを斜め下に入力した状態になりがちという制限から解放された。ダブルニープレス、ヘッドプレス、ベガワープ、サイコクラッシャーといった多くの技が空中発動可能となり、前作から飛行も受け継ぎ、空中状態での多彩な動きをもって相手に的を絞らせない動きが可能となっている。 --オリジナル必殺技のサイコフィールドは、攻撃判定の発生速度が早くなった上に硬直も軽減され、Vアシストという共通システムの恩恵も受けて非常に使いやすくなった。対空、固め、ヘッドプレスやベガワープと織り交ぜた攪乱、といった戦術を展開でき、このキャラの立ち回りの中核を担う重要な技である。 --ベガワープの発動時に分身が出る様になり、幻惑効果がアップ。相手の起き上がりにサイコフィールドと組み合わせると、いっそう強力な攪乱効果を得られる。 --こういった点からキャラ単体での性能は悪くないが、Vコンビネーションに割り振られたハイパーコンボが『スパIIX』からの代名詞という側面をふまえてかニープレスナイトメアとなっており、その性能故に前衛発動では大概のキャラとの組み合わせでクリーンヒットが期待出来ないというパートナー泣かせなキャラでもある。 -豪鬼 --「殺意の波動」に魅入られ、実兄剛拳を禁断の技“瞬極殺”で屠り、以後自らを「拳を極めし者」と称して修羅の道をひたすらに歩み続ける漢。ハイスタンダードな性能と引き換えに防御力を切り捨てた性能、というのが従来作でのリュウとの差別化要素であったのだが… --ケンが波動拳のグラフィックが大きくなったのに対し、豪鬼の豪波動拳は前作と同じグラフィックのため、ダンを除けば道着キャラの中で波動拳が一番小さいという、設定にそぐわぬものになっている。射程制限が無い事と空中での発射角度の関係で3キャラで波動拳の性能が被る事は無くなったのだが。 --異常な程に高い威力で猛威を振るっていた弱・竜巻斬空脚の威力が相応のものに抑えられ、ようやく落ち着いた性能となった。反面、ゲージ依存度が低かった前作と比較すると、火力のために積極的にハイパーコンボを使う機会が増える事にもなった。 --滅殺豪波動&天魔豪斬空の発生速度が大幅に短縮され、使用頻度が増えた。特に天魔豪斬空は本作で大部分の火力が減る事となったこのキャラの安定したダメージ源として、その他の性能面でも様々な戦況から狙えるためにメインのゲージ放出要素として重宝する。 --瞬極殺は従来作と同じ様に3ゲージ消費技へと戻る形になったのだが、追い打ちが不可となった為にコンボの初段として使えなくなり、ほぼ趣味の技と化した。全ゲージ消費とあって、単体ダメージそのものは流石に前作よりは上がっているのだが。 --アシストで繰り出す強・竜巻斬空脚がコンボパーツとして優秀な性能を誇る。安定して追撃が可能な事から適当に繰り出すだけでも厄介な万能アシストで、一撃が重いキャラ程その恩恵を受けられる。思えばこの頃から『MVC3』での俗称“竜巻おじさん”の片鱗を見せていたと言えるかもしれない。 --天魔空刃脚が『ZERO2』時代までの基準のグラフィックだったのは今作まで((厳密には次回作のリュウにもモードチェンジ後の新規グラフィックで受け継がれてはいる。『MVC2』では『ZERO3』基準のグラフィックへと切り替わっている。))。 -さくら --ストリートファイターとして闘うリュウの姿に魅入られ、彼を追って世界へ飛び出した超行動派女子高生ファイター。明確な設定もなく波動拳を出す辺り、天性の格闘センスを持ち合わせているキャラだが、今作ではその方向性があまりにも上に行き過ぎてしまった。 --先ず波動拳の大きさからしてケンのものの4倍以上というケタ外れっぷり。その反動として、放つ方向は斜め上に固定されており、コマンドもテンキー表示で言う214入力となっている。対空能力としてはこれ以上無い程に強力で、空中版も斜め下へ向けて繰り出すので壁としての役割を果たしてくれるが、その見返りとして隙が非常に大きく、地上戦では至近距離以外では使いどころが無いのが残念な所。更に、その巨大さ故に見落としがちだが、射程そのものはケン以下の短さである。 --咲桜拳は本家『ZERO2』を踏襲したもので、地上移動中は衝撃波を纏って飛び道具を無効化する補助効果が添付され、キャプテンアメリカのチャージングスターと同じ様な使い方も可能に。加えて、『ZERO』シリーズと異なりガードされた場合は後方ジャンプで跳ね返る様になり、外しても飛び上がらずそのまま立ち止まる事で若干反撃を喰らいにくくなっている。また、波動拳のコマンドが逆になった関係でこちらが236入力となった。623入力の昇龍コマンドが苦手なプレイヤーにとってこの簡略化は嬉しい変更点だろう。 --春風脚の軌道も山なりに大きく移動するようになり、変則軌道の移動技として十分に機能するものとなった。空中でも発動可能になり、飛び込みを仕掛けやすくなっている。 --ハイパーコンボ全般も『ZERO2』のものと大きく性能変更されている。 ---真空波動拳はやはり斜め上に発射し、巨大な弾を乱れ打ちするが、微妙に当てづらいのが難点。なお、リュウと違い空中では撃てない。 ---乱れ桜はダッシュで突進するロック系乱舞技となり、ヒットすると連続攻撃の後に咲桜拳を叩き込むという、どことなく龍虎乱舞のような技に変化している。こちらも咲桜拳と同じくガードされても跳ね返るため隙が少ない。 ---春一番は垂直上昇しつつ相手を引き寄せて巻き込む性能に変更され、神龍拳…と言うか後発の滅殺豪螺旋の原型と言われたら納得しそうな程に別技となった。なお、春一番は元々は「真空竜巻旋風脚を見よう見真似しようとして失敗した技」という設定を持つため、本来の動作に近づいたと見ることもできる。…が、『ZERO2』にあった下段判定が無い上に垂直に高く飛び上がるため外すと隙だらけで使い勝手は下がっている。 --性能の差別化云々の前に、とにかくブッ飛んだ派手さに比重が傾いている故にオーバーな動きが多く、相当繊細な立ち回りを要求されるキャラで敷居は高い。ハイパーコンボの使いどころも極めて限られ、Vコンビネーションもムラがありすぎため、ゲージを持て余しがちなピーキーさに悩まされる。 -ダン --かつて豪鬼の実兄・剛拳に師事した事もある、我流の拳「サイキョー流」の開祖として己の流派を広めるために世界を廻る格闘家。中途半端な技と多彩な挑発が持ち味で、本作でもそのエンターテイナーっぷりに磨きをかけて参戦。 ---本作では、性能は元より最早「如何にして試合中にバラエティを発揮できるか」の様なキャラとなっている。一例を挙げれば、交代ポーズは春麗の挑発の自社パロディ、新必殺技としてサイン色紙を投げる、ある操作でラウンド開始前の登場シーンで爆発しながら落下してくる…など。ポートレート・VS.シーンでのグラフィックも相手を舐めきった表情やポーズで、「実力不相応の割にビッグマウスが目立つヘッポコキャラ」のイメージがやたら促進されている。 --初登場の『ZERO』でさえ持っていたチェーンコンボは当然の如く無し。流石にスーパージャンプ中は標準の6ボタンチェーンが可能。エリアルから空中挑発で締める事で、反撃不能の完全な挑発が成立する事に… --我道拳のサイズが『ZERO』シリーズよりも更に“縮小”した。このサイズで飛び道具を相殺出来るという事が相手から見ると挑発と言えるかもしれない… --本作でも晃龍拳の無敵時間添付の調整が施されている。条件は『ZERO2』無印のものをより簡易にしたもので、4回に1回の割合で確実に無敵時間が添付された晃龍拳を繰り出す事が可能。空中ガードがあるこのシリーズでは、対空よりも対地に主眼を置いて相打ち上等で使うと真価を発揮出来るだろう。 --必勝無頼拳はどの攻撃段数からでもヒットした時点で相手をロックし、空中ヒットであろうとカス当たりとならずに以後の攻撃が全ヒットする様に強化された。ダウン回避不能なので、画面端では更に追撃が可能。 ---上記の性能以外にもハイパーコンボ全般のダメージが非常に高く、震空我道拳は中足キャンセルから繋ぐだけで5割弱という超火力を発揮、晃龍烈火もダウン回避不能で空中ヒット時のみ追撃可能なので、画面端でゲージを放出しての火力は相当なものとなる。投げの威力も比較的高く設定されており、画面端でのK投げ後はそのまま空中投げを狙えたりもする。こう見えて実はワンチャンがかなり痛いキャラなのだ。 --新必殺技「プレミアムサイン」が追加。 ---上記に示したとおり、ニヤけ面で自画像を描いた色紙を見せつける(突き出した色紙に攻撃判定付き)→色紙を投げ飛ばすといった二工程で構成された、発生の遅い変則軌道の飛び道具。ボタンの威力によって、発生の速さと射程が反比例していく。弱は勢いが弱く画面半分程度で落下、強は逆に地面スレスレから勢いに乗って上昇していく軌道となる…が、初段の発生まで2秒近くかかるという遅さの死に技。こんな性能のせいか、この技でフィニッシュするとハイパーコンボフィニッシュ時同様のあけぼのフィニッシュとなる。 --新ハイパーコンボ「漢道」が追加。 ---3ゲージ消費の新技で、腕を交差して短い距離を移動、相手を掴んで自分もろとも大爆発を起こす特攻。その“自分への”即死級ダメージ(一応相手にも強攻撃2発分程度のダメージはある)は多くのプレイヤーのド肝を抜かせ、本作でのこのキャラクターのエンターテイナーぶりをいっそう脳裏に刻ませる事となった。が、何故大爆発を起こすのかには誰も突っ込まなかった。 --この様に様々な点でお笑いキャラへの道を確立したキャラであるが、ダッシュ時の姿勢の低さ故の当たり判定の狭さと断空脚の隙の少なさだけは本物((画面端では弱・断空脚ヒット後に様々な技が繋がる。一部の通常技も繋がり、キャンセルで弱・断空脚に繋げる事も可能。これを繰り返すと…つまりは、そういう事である。))。地上戦はこの技だけでも十分な程に大きな攻め手となる。また、挑発でゲージを溜める事が出来るのだが、その蓄積値も尋常ではなく、1回の挑発で1本の4割強のゲージを溜められる。スーパージャンプで逃げがちな相手に対して有効打となり得る辺り、このタイトルでの挑発も中々馬鹿にならなかったりする。 #endregion //キャラ説明はこちらへ移動 -''憲磨呂''(ノリマロ) --本作最大の特徴とも言える新キャラクター。日本テレビで放映されていたバラエティ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!(通称:生ダラ)』とのコラボレーション企画によって誕生したキャラクターであり、キャラクターデザインや声優はお笑いコンビ「とんねるず」の木梨憲武氏演じる「木梨憲太郎」((憲武氏が同番組内で演じていた「(憲武氏の)親戚で画家」という設定のキャラクター。コント設定だけでなく実際に本人も芸術家として活動しており、2000年頃までは『生ダラ』の宣伝も兼ねて自身の個展もこの名義で開いていた。))が担当している。 ---MARVELキャラクターとカプコンキャラクターのクロスオーバーである本作において''両陣営とも全く関係のないキャラクター''であり、作中のセリフでも場違いである事を突っ込まれている。 --キャラクター名は一般視聴者からの公募であり、採用者には賞品として本作の基板入りのゲーム筐体がプレゼントされた。 --デザインは木梨自身をコミカルにデフォルメキャラクター化したもので、見た目はフジテレビの番組『とんねるずのみなさんのおかげです』のコントに登場する「ノリ男」を三頭身化したといった感じである。 ---コミカルな動きや、コスプレ変化のハイパーコンボなどを取り入れている。技名がとにかく長く、開発時は「変身乱舞」と言われていたこのコスプレ変化のハイパーコンボが製品版では「''ウルトラバラエティプライベートメモリーズ''」となっていたりする。 ---ハイパーコンボだけでも他に「ハイパーストロングミラクルトレジャー」(飛び道具。開発時は「ごっつもの投げ」)・「アルティメットグランドチャンピオンジャンプ」(対空技)の2つがある。因みに普通の必殺技も例外ではなく、開発時は「だだっ子パンチ」と言われていた突進技が「ローリングパワフルアームズ」となっている。 ---1キャラクターとして見ると飛び道具・対空・突進技と一通りの技を持っており、2段ジャンプまで装備。立ち強Kのエリアル始動技で自爆の可能性があるバナナの皮を撒くなど、癖はあるが極端に人を選ぶほどでは無い。そのため、見た目や動きのイロモノっぷりに対して割合気軽に扱える。なお裏技で4段ジャンプが使えるようになる。 --1プレイ2コイン以上の設定では憲磨呂が選択不能になる。 ---テレビ番組で大きく宣伝されたことを受け、当時のゲームセンターにあったプレイ料金高騰化の風潮を懸念しての対策とのこと。 -中ボスは前作で登場した巨大な「アポカリプス」が、ラスボスは豪鬼がアポカリプスに改造されたという設定の「メカ豪鬼」が担当。 -これら以外にも条件を満たすと隠しキャラを使うことが可能。そのほとんどは既存キャラの色違いのマイナーチェンジ版。 --ただしコマンドが入力しにくく、失敗することもある。家庭用ではボタンひとつで出せるようになった。 --CPU戦で条件を満たせば、ストリートファイターサイドの隠しキャラのみ乱入キャラクターとしても登場する。 #region(隠しキャラ(ネタバレ注意)) ''MARVELサイド''(既存キャラのマイナーチェンジ3名) -アーマースパイダーマン --装甲スーツをまとった灰色のスパイダーマン。スーパーアーマーが添付&動きがやや重くなるなど若干性能が変化しているが、肝心のアーマーが弱攻撃+αにしか適用されないなど、使用感はほとんどノーマルと変わらない。 --空中からの降下時間の変化に伴い、エリアルレイヴからのループコンボはこちらの方が低難度となっている。 -メフィスト --ブラックハートの父。MSHの原作であるインフィニティ・ガントレットに出演していたのは本来こちら。 --本作ではブラックハートと同じ姿の色違いになっている。一部の技に燃焼演出のみ追加されているが、それ以外の性能は全く同じ。 -U.S.エージェント --キャプテン・アメリカと関係の深いヒーロー。本作ではキャプテンの色違いで、性能も全く同じ。 ''CAPCOMサイド''(復帰キャラのマイナーチェンジ1名+既存キャラのマイナーチェンジ2名) -シャドウ --前作EDにてシャドルーに捕まり改造され、黒い影のような姿になったナッシュ。 --技構成は前作のナッシュとほぼ同じだが、技にサイコパワーによる青い燃焼演出が追加され、新技の「ファイナルミッション」も追加されている。しかしハイパーコンボ発動時に目を光らせるため技の出が遅くなり、実質的に前作から弱体化している。 --乱入時のパートナーはベガ。ただし、乱入時はシャドルー兵士としての登場だが、プレイヤー操作時はシャドルーの手から逃れて独自に戦っている模様(しかしエンディングでは…)。 -メカザンギエフ --シャドルーからの旨い言葉に騙されて鋼鉄の肉体に改造されたザンギエフ。ガードができない代わりに、攻撃を食らっても一切のけぞらないハイパーアーマーを搭載している。また新必殺技として口から火を吐くウォッカファイヤーが使用可能。 --相手の攻撃を無視して強引に攻めて行ける反面、動作がやたら重く、遠距離からの攻撃(特にビーム系飛び道具)に非常に弱い。 --乱入時のパートナーはベガ。 -日焼けしたさくら --%%何故か%%殺意の波動関連の技が使え、今作さくらの変則的な部分がなくなりスタンダードに。 ---波動拳は波動コマンドで横に飛ぶ様になった。ケン同様に射程制限があるが、射程はケンよりは長く、強で出せば地上、空中ともに一応は一画面の端までは届く。性質上、スーパージャンプからの空中波動拳連発が最も強力に機能するキャラとなっている。 ---咲桜拳は昇龍コマンドで、通常のさくらと同じく突進するものの、地上版のみ飛び道具を相殺可能なバリアが削除された上に技を外しても強制的に飛び上がるようになり、強引に押せる性能ではなくなっている。空中版は通常のさくら同様にバリアが搭載されたままとなる。 ---豪鬼と同じく阿修羅閃空も会得しているが、その性能が『終わり際の硬直時間無し』という壊れ性能となっている((事実上、日焼けさくら版阿修羅閃空を絶え間なく繰り返すせば、完全無敵状態を維持出来る事になる。メカ豪鬼ですら阿修羅閃空の終了時には長い硬直があるという事を踏まえれば、これがどれだけ異常な調整かが分かるだろうか。))。 ---真空波動拳もリュウ同様の横へのビームとなった。…のはいいが、如何せんダメージが低過ぎるのがネック。具体的に言うと、連打でヒット数を増やしても''通常の波動拳を2回当てた方がダメージが高い。しかも通常のさくらと同じく空中では使えない。'' ---豪鬼のパロディで瞬獄殺ならぬ''春獄殺''も使える((なお、初出は『ストリートファイターEX plus α』の方が先。))が、本作では豪鬼の瞬獄殺からしてお察しな性能なので…相変わらずゲージの使い所に泣かされるキャラである。 --乱入時のパートナーは豪鬼。エンディングも豪鬼絡みのネタである。 #endregion ---- **評価点 -『VS.』シリーズという事もあり連続技の爽快感は健在。 --エリアルレイブを用いた連続技は相変わらず爽快感がある。が、問題点もある(後述。)。 -隠しキャラの多さ --一部コンパチもあるが6人も隠しキャラが使える。 -ヴァリアブルアシストが追加 --この援護攻撃により、戦術の幅が広がった。勿論どのようなアシストを行ってくれるかはキャラによって違うため、相方選びにさらに考慮点が加わった。 //上手く使うことができればコンボの幅をさらに広げることもできた。 //この時はまだ、アシスト呼んだら本体が長く硬直するからほとんどコンボには使えなかった記憶が。あとこの作品が格ゲーでのアシスト系の初出だっけ? -BGMの出来が秀逸 --ストリートファイター勢の前作のBGMは基本的に元作品(『ストリートファイター』シリーズ)をベースにしたアレンジであったものが多かったが、本作のストリートファイター勢の曲は完全に新規で作られた曲となっている。 ---それまでの作品でのキャラクターのイメージを壊すこと無く、それでいて今までのものとは違った曲となっているためにBGMに関してはおおむね好意的に受け入れられている。 ---ちなみにマーベル勢の復活組の曲は基本的に元作品のアレンジだが、なぜか「ハルク」だけは完全新曲が用意された。また、マーベル勢でも前作からの続投組は新曲になっている。~ 続編の『MARVEL VS. CAPCOM』では再び元作品のアレンジの曲が増えてしまったことを残念がる意見もあったりする。 ---- **賛否両論点 //『憲磨呂』のユーザー評価としては賛否だろう ''著しく増加したギャグ・パロディ路線'' -『憲磨呂』の存在についてはプレイヤーからも賛否分かれている --単純にゲーム中で浮いてしまっており、ギャグでもこんなのが混ざるのは許せないという意見もある一方、非常に凝った作りである事もあり、ネタキャラとして面白いと評価する声もある。 ---力を入れて作ったキャラだけに、良くも悪くも出来は良い。 --しかし、登場の経緯で[[大きな問題を起こしてしまった。>MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER#id_9652685a]] -本作のダンEDは彼自身の元ネタである『[[龍虎の拳]]』のEDのパロディとなっており、ダンがメカ豪鬼に襲いかかろうとしたところで突如ダンの''妹''(セーラー服で顔はダン似)が現れ「''お兄ちゃん、やめて!! その人は、その人は私たちの…!!''」とセリフを言い、「完」で終わるという内容となっている。 --どう見ても『龍虎』のサカザキ一家が元ネタにしか見えないのだが、''もちろん本作にSNKは関わっていない''。なお元ネタと違い特にメカ豪鬼が父親という訳ではないらしい。 --ちなみにこのEDがきっかけで、後に''本家であるSNK自身が''NGP『[[頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM]]』でダンの妹ネタを展開し、彼女本人は登場しないものの、ダンとリョウのタッグ名が「やめて!おにいちゃんズ」になったり、ダンがリョウに張りあって妹自慢をしたりしていた。 --さらに後のSNKプレイモアの『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』では、ダンがデミトリのミッドナイトブリス(敵を女体化させる技)を食らうとこの妹の姿になる。 --その後『ストリートファイターV』では公式サイトのキャラ図鑑でこの妹が登場し「''火引 百合子''(ひびき ゆりこ)」とフルネームが付けられた。プロフィールの一部も元ネタのユリを意識したものになっている。さすがにパラレル設定であると強調されていたが。 ---しかしその後、『ストリートファイターV』のゲーム内のショップの店員として''遂に百合子がシリーズ本編にて正式登場を果たした''。本作では姿が幾分可愛くなっており、新たにボイスも付いている。一緒に店を経営するダンを「お兄ちゃん」と慕っている。 -ちなみに上記のダン以外も、CAPCOM側のEDは過去作のパロディ((『II』とほぼ同じ話のリュウ、ダルシムとほぼ同じさくら。))や全体的にコミカルなノリ((夢オチだったケン、ヒーローも格闘家も全員しょっぴく春麗、シュマゴラスにカレーを振る舞うダルシム、ノリノリでナッシュを改造するベガ、改造されたダンを一撃で倒す豪鬼等…))。半面MARVELはクロスオーバーを強く意識((サイクロプスとキャップのEDにはリュウが、ハルクのEDにはブランカが登場する。))していたものだったり、原作のキャラクター((スパイダーマンのEDにはガールフレンドのメリー・ジェーンが登場する。))が登場したり、悪役がちゃんと悪役していたりする((ヒーローと格闘家を全滅させるブラックハートや、リュウを殺害するオメガレッドが該当。))など、しっかりしている。 --隠しキャラはCAPCOM側のみエンディングがあるものの、MARVEL側はメッセージが表示されるだけの手抜き仕様。 #region(''ネタに走った最終ボス''(ネタバレ注意)) -''メカ豪鬼'' --「豪鬼がアポカリプスに改造された」という設定だが、''豪鬼にマジンガーZのようなパーツをくっつけた''ギャグチックな見た目。 ---''元々ギャグとしてデザインされていた''らしく、上層部からは「''豪鬼のシリアスなキャラがぶち壊しになる''」とかなり否定的だった模様。 --メカの機動音のような勝利台詞、ハイパーコンボも「ハイメガ豪ビーム(=滅殺豪波動)」「スクランブル豪パンチ(=滅殺豪昇竜)」「サンダー豪シャワー(=天魔豪斬空)」「シャイニング豪ショック(=瞬獄殺)」とやりたい放題。 --ラスボスということもあり、強パンチのホーミングロケットパンチや2連射の空中豪波動、1ゲージで使える・移動がかなり速い、空中でも使えるシャイニング豪ショックなど性能面ではかなり高い。vsシリーズ特有のアッパー調整もあり「''シリーズ最強の豪鬼''」とまで言われるほど。 #endregion ''ゲーム内の様々な箇所で見受けられるナレーションボイス'' -本作では一部の隠しキャラクターと隠しハイパーコンボを除いてハイパーコンボでトドメを刺すと「''画面にその技名がアルファベットで表示され、更に技名を読み上げてくれる''」((前述の一部に該当する技に関しては一律で「Hyper combo finish!!」と読み上げられる。また、ヴァリアブルコンビネーションでフィニッシュを決めた場合は技名はそれぞれの技名の合成(例:真空波動拳+メガ・オプティックブラスト=真空オプティックブラスト)がアルファベット表示されるがボイスは「Variable combination finish!!」で統一されている。))という、(''一部の人には'')堪らない要素があった。 --この読み上げボイスはトニー・ダニエル氏によって成されていたもので、英語の技名は非常に格好いいものであったのだが、日本語の技名となると一気にギャグと化してしまう(例:シンクーハドーケーン!)。 ---公式の小冊子でも『あやしい日本語の発音が、かえってGood!!(笑)。ハイパー・コンボフィニッシュを決めたら、一緒に真似してくださいね。「''メサッツ、ゴォ、ハドォォォゥ!!''」。さぁ、みなさんごいっしょに…!!』とネタにされている((バーサスマガジン13月号より。))。 ---なお、ダメージをほとんど与えることが出来ず、フィニッシュを決めることが絶望的なダンのハイパーコンボ「挑発伝説((挑発を連続で繰り出す技。途中のサインを書いたあとに突き出す所に攻撃判定があるが、ダメージは雀の涙。))」のみ''発動時''に技名読み上げが入るという憎い心配りがなされている。 --次作『MARVEL VS. CAPCOM』では技名の表示はされるが、アナウンスが一律で「Hyper combo finish!!」になってしまっていたことを残念がる意見も少なくなかった。 #region(ハイパーコンボフィニッシュボイス。隠しキャラクターのも含まれているのでネタバレ注意。) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=LNcDlZogq9E) #endregion -また、フィニッシュボイス以外でもOPデモをはじめとして異様なテンションのナレーションが使用されているため、「うるさい」と感じたプレイヤーも少なくはなかった模様。 ---- **問題点 -色々と対策は練られているものの、恒例の無限コンボがやっぱりある。 -前作からその傾向があるのだが、強キャラがやはりマーベル側に圧倒的に多い。ストリートファイター側でタメを張って戦えるのは「スラキャン」という特殊テクニックを使いこなせるダルシム、隠しキャラである日焼けさくらやシャドウぐらい。そのシャドウも前作のナッシュと比べると大幅弱体化している。 -エリアルレイブに関しては大幅にコンボ補正がかかるようになり、攻撃力が前作に比べて激減した。一方、ハイパーコンボ関係はさほど調整されていないため、大抵のキャラで実は「地上で確実にハイパーコンボを絡めた連続技を入れる」ほうがダメージ効率が良くなってしまっている。 --実用性という点で弱体化したことにより、本作では永久狙いでなければ、ほとんどゲージ溜め用か魅せコンボ用としての役割しか果たさない。 -ステージは前作からの使い回しが多く目立つ。 ---- **総評 ゲームは『生ダラ』の宣伝もあってこのシリーズでは歴代トップのインカムをあげた。~ しかしながら、カプコンの悪乗りが過ぎた憲磨呂の件は言うに及ばず、キャラクター面での代わり映えの無さ(特にストリートファイターサイド)や賛否が割れる演出面などの要素も相まって、評価が非常に分かれている。~ 憲磨呂やその演出面をひっくるめてお祭りゲームとしてみればこの上なく雰囲気が出ているという意見もあるし、それらを悪乗りが過ぎて寒いと切って捨てる意見もある。~ ゲームとしてみても上記にあるコンボの制約が爽快感を殺いでいるという意見もあれば、それを踏まえてなお永久コンボの類があることを批判する意見もあったりと、評価の振れ幅に個人の感性による所が非常に大きいタイトルと言える。 ---- **その後の展開 -セガサターンとプレイステーションに移植された。 --SS版は画面比率を除いてアーケード版をほぼ再現。&bold(){但し、4MB拡張RAM専用ソフトとなっているため、拡張RAMカートジッジ無しや1MB拡張RAMカートリッジではゲームの起動/動作は一切できない点に注意。}((カプコンのSS版ソフトでは『X-MEN VS ストリートファイター』、『ヴァンパイアセイヴァー』、『ストリートファイター ZERO3』、『ファイナルファイトリベンジ』が同じ動作条件となっている。)) --PS版は移植度は低いが独自の要素がある。PS版の詳細は下記を参照。 -1年後である1998年に『[[MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』が発売。ストリートファイターのみならずヴァンパイアやロックマン等からもキャラが参戦した。 ---- **憲磨呂に関するゴタゴタ 本作の発売に際し、前述の憲麿呂関連で大きな問題を起こしてしまった。 -何が問題だったかというと、「''他社キャラクターの版権が絡んでいるゲームにCOLOR(red){版権元無許可で出演させてしまった事}''」である。 --言うまでもなく、思いっきり浮いているキャラクターであったために違和感は強烈で((そうした違和感を逆手にとってネタにしている部分もあり、アポカリプス戦前にはアポカリプスから「お前がここにいること自体が間違い」・「勘違いの大たわけ」等、散々に言われたりする。))、「マーベル社に対して失礼だ」といった意見も続出。ある誌面では数ヶ月にも渉り論争が繰り広げられたほど。 --登場に際しては「''こんなのにうちのヒーローが負けるのは許せない''」「''最初の契約の際に居なかったキャラクターを出すのはどうなのか''」といったマーベル社からの抗議があったといい、その影響で海外版では憲磨呂は使用出来なくなっている((開発スタッフの1人である秋友克也氏も「日本では有名な芸能人とのコラボであることと日本限定という条件で許してもらった」と述懐している。))。 ---X-MENの豪鬼が隠しキャラクター、MSHのアニタが通常の稼動では絶対に登場しない悪ノリキャラであったことと比べ、憲磨呂はデフォルトキャラクターである上にその存在自体がメディア経由で表に出すぎていたために大きく注目を浴びていたのもまずかった。マーベル社の信頼関係を公然と裏切るようなカプコンの姿勢は非難されて然るべきと言える。 --また、いくら人気芸人と言えど、『日本の芸人をモチーフにしたキャラ』を『アメリカの人気コミックキャラが集まった作品』に出してしまったのも不味い。~ 例えば、逆に''『日本のアニメをモチーフにしたゲームをアメリカで出した際に、アメリカの芸人をモチーフにしたキャラが勝手に追加されたら…』''と想像すれば、いかに場違いであるか、存在が問題となるかが分かるだろう。同じ無許可で出すにしても、元がゲームキャラクターやオリジナルキャラクターなら、まだマシだったかもしれない。 ---番組に出演していたカプコンの開発本部長(当時)である岡本吉起氏もこの企画には否定的だったと言う。後にゲーメスト誌で本音と裏事情を(かなり検閲が加えられた上で)吐露している。 --上記のことから、海外版ではキャラクターセレクト画面で本来憲磨呂がいるはずの枠はタイトルロゴになって選択不能になっている。 ---ただし海外版でも内部データには憲磨呂の一通りの未使用データが残されているようで、勝利デモの台詞などは勿論のこと、「ウルトラバラエティプライベートメモリーズ」後の決めポーズと一緒に出て来る「だから言っただろー!」が「I WARNED YOU!」となっていたり、挑発ボイスの「サインくれよ!」が「Sign please!」に変更されている。抗議がなければ使えるようにするつもりだったのかも知れない。 ---また、海外版では登場しないものの、その存在自体は「諸事情により消されたキャラ」として海外でも知られている。 --なぜ本作に登場したかというと、「一番早く完成したストリートファイターシリーズに登場させる」という契約だったため。同時期に開発されていた『ストリートファイターIII』に登場する可能性もあったという((スタッフは本作、前々作は『ストリートファイター』シリーズとは認識していなかった事がサウンドトラックのライナーノーツにて語られている。))。 ---とはいえ、いくらストリートファイターシリーズが絡んでいるとはいえ、他社版権キャラクターとの競演が前提となっているゲームに出すこと自体が問題なのは明らかで、あまつさえ無許可で出してまったカプコンのその行動はやはり問題であったと言わざるを得ないだろう。 //括弧内の台詞は実際に参考にした文献とは異なっています。発言意図は捻じ曲げてないはず -開発段階では相手にカンチョーを見舞う「''おかんちょうサービス''」なる技もあったが製品版ではカットされた。 --生ダラの中でその技を仕掛けている場面が放映されていた。この技が採用されていたら余計にマーベル側を怒らせていた可能性もあるが、没になったことを惜しむ声もあった。 ---ちなみに、ゲーム内の音声収録の際、木梨本人が春日野さくら役の笹本優子に対して「おかんちょうサービスを受けている時の声は、肛門に強い刺激が来たときの声を出してほしい」と発言して赤面させたらしい。~ こんな内容の技でありながら、技名の命名者は&bold(){なんと笹本本人}である。 -ちなみに、憲磨呂やその前身の「けんぢ」のデザインは開発チーム内でも酷評されていたが、当時カプコンのデザインチームのリーダーだったあきまんこと安田朗氏は「キャラデザの理に適っている」「自分には無い発想で面白い」と好評価を与えたという。 --ディレクターの富田氏も、キャラクターデザインの多様性を学べたり子供達に好かれるキャラになって、憲磨呂のキャラは気に入っているとの事。 -本作以降は実質無かったことにされている --歴代の『VS.』シリーズに登場したアーケード版におけるほぼ全プレイアブルキャラクターが登場した『MARVEL VS. CAPCOM 2』において憲磨呂とアニタ、他一部コンパチキャラクターが登場していない。 ---アニタは元々バランス無視のお遊びキャラクターであり、コンパチキャラクターは元のキャラクターは出ている。そのため結果的に憲磨呂のみ徹底的にハブられている様に見えてしまった。因みにそれ以外はアーケード版ではCOM専用だったアポカリプス・メカ豪鬼・オンスロートが登場していない。 --ただ、憲磨呂が出られないのは著作権の問題も絡んでいるため仕方ないのも事実。 ---実際、''日本テレビ・カプコン・アライバル(とんねるずの所属事務所)の3者が合同で著作権を保有している''ため、3者全ての許可なくしては使えないのである。 -2021年5月に元カプコンの岡本吉起氏が自身のYouTubeチャンネルにて憲磨呂誕生の裏話を[[語っている。>https://www.youtube.com/watch?v=ED0WZTtcKIs]] ---- **余談 -稼動にあたっては『生ダラ』を見てゲームセンターに遊びに行く人に配慮した「1P台設置のお願い」と言う要望書がカプコン側から用意されたという。 --ゲーセン側としては「対戦の方がインカムが高い」、特に個人経営のゲームセンターは「1P台を設置する余裕もない」というのが実情であり、結局殆どのゲーセンが1P台設置をしなかったと言われている。 -このゲーム完成後に、木梨氏が「東京ドームを借り切って対戦大会をしよう!」とテレビで公言していた。 --その後具体的な音沙汰がなかったため、問い合わせてみた人によると「木梨さんなどの芸能人が参加するので小さい会場で抽選で対戦する予定です」。 ---…だがしかし、とうとう対戦大会の要項が出ずになし崩しに中止になってしまった模様。 -没データの中に憲磨呂が「カプコンキャラでエロ妄想をして鼻血を噴き出して攻撃する技」が収録されている。また「KOした女性キャラのスカートの中を覗くようなしぐさをする勝利ポーズ」がある。 --かなり作り込まれたグラフィックなので使われなかったのは少々勿体ないが、採用された場合マーベルだけでなく日本のファンも敵に回す可能性もあったので致し方なしだろう。人によっては不快に思われるかもしれないので詮索は自己責任で。 -メカザンギエフのハイパーコンボ「シベリアンブリザード」は''ダブルラリアットで真上に上昇する''という極めてシュールなもの。 --回転コマンドとしては珍しく打撃技。 --一部では「これが本当の''ザンギュラのスーパーウリアッ上''ではないか?」と言われている。 --『[[スーパーストリートファイターIV>ストリートファイターIV]]』にて同名のウルトラコンボが登場した。技の内容は異なる。 -本作のMARVEL側の隠しキャラはほとんど元のキャラクターと性能が変わらず、特にキャプテンアメリカとU.S.エージェントに至っては全く変わらないため、疑似同キャラタッグが組める。 --このことが当時のゲーム雑誌『ゲーメスト』の攻略記事で紹介された際、これを「''議事堂キャラ''」と誤植してしまったためネタにされることがある。 --また、この2人のヴァリアブルコンビネーションは、前衛がハイパースターズ&ストライプス、後衛がハイパーチャージングスターと技の内容が変わる珍しいもの((元々のキャプテンアメリカが前衛・後衛で出す技が変わる仕様のため。))なのだが、どちらも前後に割り当てられた技名が「STAR」のため、この技でフィニッシュすると画面に「''STAR STAR''」というシュールな技名が表示されることで当時話題になった。 //基本情報表が分かれているので、PS版の情報のみ分割 ---- *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER EX EDITION 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー えっくすえでぃしょん】 |対応機種|プレイステーション|CENTER:&amazon(B00005OUKU)| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|バリューウェーブ|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|5,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |セーブデータ|1ブロック使用|~| |判定|なし|~| |ポイント|ラウンド取得時の次ラウンドでの体力調整&br;''無制限になったVカウンター''&br;SS版には無いトレーニングモードあり|~| ---- **概要(EX) セガサターンへの移植から4ヶ月後、プレイステーション向けにリリースされたアレンジ移植版。特徴は以下の通り。 ---- **変更点(EX) 以下は前作『X-MEN VS. STREET FIGHTER EX EDITION』(以下『XVS EX』)でも適用されていたもの。 -交代システムの削除。 --メモリ容量などのハードスペックによるものと思われ、それに伴い交代攻撃「ヴァリアブルアタック」が出来ない(後述の「クロスオーバー」モード時は除く)。 ---キャラクター自体は2人選ぶことになるが、2人目は完全にサポート専用となり、「ヴァリアブルアシスト」及び「ヴァリアブルコンビネーション」「ヴァリアブルカウンター」要員となる。 ---アーケード版のように試合直前のVS画面時のみ特殊操作でメインとサブを入れ替えること自体は可能。 -「''ハイパーキャンセル''」の導入 --必殺技をキャンセルしてハイパーコンボへ繋げたり、ハイパーコンボから別のハイパーコンボにキャンセルが出来る。 -「''リカバリーゲージシステム''」の導入 --交代システムの削除により、下がっている間の体力回復が出来なくなったため、ダメージを受けずにしばらく経過すると体力ゲージがヴァイタルソース分を上限に徐々に回復するようになった。 ---COM戦において、アーケード版では一人で戦うため、ヴァイタルソースが飾りとなっていたメカ豪鬼もこのシステムの恩恵にあやかれるようになったため、ある意味で難易度が更に上がったことになる。 以下は本作から導入されたもの。 -デフォルト2本先取の変則ラウンド制への変更 --1ラウンド終わった時点で負けた方はライフゲージが完全回復するが、勝った方はヴァイタルソース分のみ回復し、完全回復しない。 --前作『XVS EX』では普通のラウンド制だったが、今作からは完全回復しなくなったため、『[[ヴァンパイアセイヴァー]]』等に近くなった。 -「ヴァリアブルカウンター」がゲージ不要化 --前作『XVS』『XVS EX』や原作『MVS』ではゲージ1本を消費したガードキャンセル攻撃「ヴァリアブルカウンター」が、なんと今作『MVS EX』では''ゲージ消費無しで使い放題''になった。 ---チェーンコンボでの固めによるアンチシステムとしては『ジャスティス学園シリーズ』やSNKの『[[風雲スーパータッグバトル]]』等もガードキャンセル攻撃に条件を必要としないが、本作ではそもそもの仕様として『交代が出来ない→ヴァリアブルシステムに必要な控えキャラに体力の概念が無い』ため、出せる状態で出せばカウンターで出てきた控えキャラが迎撃されようとも全くリスクが無く、完全に出し得システムとなっている。開発側もその点を踏まえている様で、業務用やSS移植版では長い無敵時間が搭載されていたカウンター技も、ほぼ全て無敵時間が無くなっている。それでも強力無比な事には変わりなく、業務用と比較して本作以降の『VS.シリーズ・EXエディション』では、たった一つの通常技を出す事にも大きなプレッシャーを常に背負う・背負わせる事となった。特にサイクロップス、ダルシムといった広範囲攻撃のカウンター、ハルクやオメガレッドといった高速突進攻撃のカウンターがノーリスクでバンバン控えから飛んで来る光景は、本作での駆け引きを『空中に回避ゲー』から『地上で待ってカウンターゲー』へ、『メインで使うキャラよりも控えキャラのカウンター性能が重視される他力本願ゲー』へと著しく変貌させる事にもなってしまった。 --カウンターを行った控えキャラが画面内に残っている間は、エリアルレイブ終了後と同様にリミッターが掛かった状態となっている。この時は必殺技・HC・挑発等の通常技からキャンセル可能なシステムは出せないがエリアルレイヴには移行可能という絶妙なさじ加減となり、コンボが続いている間に控えキャラが退場すればリミッターも解除されるため、コンボ制度次第では火力を大きく伸ばす事も不可能ではない。 -「ハイパーキャンセル」がヴァリアブルコンビネーションに対応 --読んで字の如く。これにより、前作『XVS EX』から一部のキャラ以外では不可能となった「同技へのハイパーキャンセル(+控えキャラのコンビネーション対応ハイパーコンボ)」が全ゲージ消費というコストと引き換えに可能に。 ---元々EXエディションシリーズはオリジナルと比較してゲージ蓄積割合が非常に高く((一度の入力で多段ヒットする必殺技のゲージ蓄積割合が初段のみの業務用と違い、全段に搭載されている。これらはガードさせた際にも効力を発揮する。そのため、単純にヒット数が多ければ多いほどゲージ蓄積割合も多い。シュマゴラスのミスティックステアをガードさせた時などで顕著に差が現れる。))、気が付いたらゲージが最大まで溜まっていたという状況も多いため、予想以上に低リスクで実戦導入出来るレベルとなっている。 -特殊形式での2対2対戦システム「''クロスオーバー''」モードの正式実装 --ゲームモードの一つとして独立している。アーケード版同様のシステムを再現して2対2の交代ありで戦えるのだが、常に同キャラコンビかつメインキャラ違いのミラーマッチ(「リュウ&ケン vs. ケン&リュウ」のような形)の対戦になってしまう。 ---加えて、先述のPS版の要素はハイパーキャンセルなども含めて全て適用されない。 ---前作『XVS EX』では隠し操作で出現する対人戦専用の特殊なオマケモードだったが、本作では標準のモードとして搭載された。 --本作ではこちらを1人用モードとしても遊ぶことができ、この場合はCPU側のタッグが常にプレイヤー側と同じキャラクターのタッグとなり、操作するキャラクターが戦闘ごとに入れ替わっていく。 ---隠しキャラを含む全キャラを1周すると、最初に選んだキャラでメカ豪鬼との1vs1となる。 その他 -処理落ちがややある。分かりやすいのはメカ豪鬼のサンダー豪シャワー等。
この項目では『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』のアーケード版と移植版のSS版、PSのアレンジ版『EX EDITION』について解説しています。~ 判定はいずれも「&color(,white){''なし''}」。 ---- #contents() ---- *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード(CPシステムII)| |販売・開発元|カプコン| |稼動開始日|1997年7月23日| |プレイ人数|1人~2人| |判定|なし| |ポイント|相変わらずの永パ&br;一応シリーズで一番マイルドなゲーム調整&br;荒れに荒れた憲磨呂関連| |>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''| |>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ]]''| *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER (SS) 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー】 |対応機種|>|セガサターン|CENTER:&amazon(B000069TDY)&br&amazon(B000092PHG)| |メディア|>|CD-ROM 1枚|~| |発売元|>|カプコン|~| |発売日|>|1998年10月22日|~| |定価(税抜)|単品|5,800円|~| |~|拡張RAMカートリッジ4M同梱|7,800円|~| |レーティング|>|セガ審査:全年齢推奨|~| |周辺機器|>|要拡張RAMカートリッジ4M|~| |判定|>|なし|~| ※共通項目は省略 ---- ~ #center{&size(20){''熱 波 到 来。''}} ~ ---- **概要 『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』に続く、カプコンとマーベル・コミック社とのコラボ作『VS.』シリーズ第2弾((カプコン制作のマーベルコミック原作作品を含めるとアーケード第4弾。))。~ 本作はVS.シリーズで唯一、むしろゲーム全体としても異例の、高視聴率ゴールデン番組とコラボした作品でもある。 新システムとして、控えのパートナーがキャラ固有の援護攻撃を行う「ヴァリアブルアシスト」と、『[[ストリートファイターIII>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』シリーズと同様のスタンゲージシステムが導入された。 なお、本作は『VS.』シリーズにおいてスタンゲージシステムがある唯一の作品である。 ---- **登場キャラ -本作のストリートファイター側のキャラは前作で登場した「キャミィ」と「ナッシュ」を除いたキャラが続投((ただしナッシュはとある条件を満たすとシャドウと名乗って隠しキャラとして登場。なぜ彼がシャドウとして登場したのは前作参照。))しZEROシリーズの「さくら」と「火引弾」が参戦。 --そのせいもあって、リュウ、ケン、豪鬼、ダンと9人の枠のうち4人も胴着キャラになってしまっているが…。 //本作のさくらは「波動拳が正面に飛ばずに斜め上に飛ぶ」「咲桜拳が完全に突進技」で波動昇龍キャラとは言えない。 -一方マーベル側のキャラは前作からの続投キャラは「サイクロップス」と「ウルヴァリン」のみだが、前々作『[[MARVEL SUPER HEROES]]』からの多数の復活キャラと『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』から「オメガレッド」が復活参戦。 --ちなみに『MARVEL SUPER HEROES』からの復活組の「シュマゴラス」の1Pカラーは原作での配色変更に合わせて緑に変更されている((MSHでは初期の配色に合わせてピンク色が1Pカラーだったため、1P・2Pが逆転したことになる。))。 #region(MARVELサイド) -サイクロップス --X-MENのリーダー、ビーム系キャラの第一人者。MSHでのプレイアブル出演は無かったが、今作では前作から続投。クセの無く使いやすい通常技と各種ビームの画面制圧力を活かして立ち回る器用万能キャラ。 --ラピッドパンチ、ランニングネックブリーカードロップがタメ技となりダッシュからの選択に組み込めなくなったが、その分前者はコンボに使いやすくなった。 --ハイパーXの「メガオプティックブラスト」の発生が遅くなり、前作で出来たメガオプ絡みのコンボは結構な数が不可能となった。故に今作ではスーパーオプティックブラストの需要が増している。 --やたらと多い特殊入力技を絡めたエリアルレイブでの超多段コンボ・半永久パターンは健在。追加技は実装されず個々の技の調整に留まったものの、スタンダードな使いやすさはそのまま。 --ビームがウリのキャラクターの割に、Vアシストはライジングアッパーカットとなっている。バランス調整の一貫かもしれないが、キャラの方向性とはズレている様な… --他のキャラが後に追撃可能なのに対し、彼の場合は逆に反撃確定という憂き目にあってしまっている。 -キャプテン・アメリカ --アベンジャーズ・BIG3の中核を担う超人兵士。飛び道具のシールドスラッシュがシンボルアイテムであるシールドの有無に委ねられ、強パンチなど通常技の一部もシールドの有無で性能が微妙に変化するという変則的なスタンダードキャラで、主に火力に比重を置いている。 --MSHから地上のみ6ボタンチェーンとなり、地上コンボの火力がアップ。屈み弱K>屈み中P>屈み中K>立強Pといったチェーンのみでも十分減る上、画面端ではさらにハイパーコンボで追撃可能。 ---コンボ以外でも、隙が大きい立強Pを屈み強Kでキャンセルして隙を軽減するといった恩恵も得た。 --盾無し時の「スターズ&ストライプス」が、盾あり時同様に単発ヒットに統一された。 --新ハイパーコンボ「ハイパースターズ&ストライプス」「ハイパーチャージングスター」が追加。 ---前者はいわゆる烈破系、後者は発生が遅いものの正面からの飛び道具を完全に無効化する多段突進技((MSHにおけるパワージェム発動中での其々の強化版必殺技の再現。))。Vコンビネーションでは前衛がHS&S、後衛がHCSとなる。 ---HS&Sは画面端でヒットさせると、ダウン前の相手に追撃が可能なので、高い火力を引き出せる。画面端に追い込まれている状況でも、側転で立ち位置を入れ替えて強引に割り込めば形勢逆転も狙える。 --MSH時代からゲージの使い道が格段と増えたため、ゲージ依存の激しいキャラとなった。 -ハルク --ガンマ線実験の失敗により、山脈を砕く程の怪力を得た緑色の巨人。マーヴルにおける力の指数を図る際には何かと比較される役。動けるデカキャラ枠としてそれなりに機動力はあるが、運用は中々難しい中級者以上向け。 --待望のスーパーアーマーが追加。通常技キャンセルVアシストの連携がアーマー効果とガッチリ組み合い、非常に強力なものとなっている。 --ガンマスラムは純粋な地上飛び道具へと変更。発生が遅い上に射程制限があるため使い勝手はイマイチ。 --新ハイパーコンボ「ガンマウェイブ」が追加。 ---ガンマスラムの純粋強化版と言った所で、1ゲージ消費HCの中ではトップクラスのダメージを誇る。最大射程が発動位置に依存するため、画面端を背負った状態からフルヒットした際の威力は優に5割超えという恐ろしい火力を叩き出す一方で、相手が画面端に近い場合はその火力も大幅に軽減されてしまう。 --エリアルレイブ時の強Pからの追撃で、画面端ならばノーゲージ4割コンボも可能な反面、ガンマクラッシュは地上ヒットだと強攻撃1発分程度しか減らない((初段が地上ダウンしてしまう関係上、後半動作が単発ヒットしかしないため。空中ヒット時は他のハイパーコンボ同様にしっかりと減る。))など、妙なダメージ調整が図られている。 --前方ダッシュが相手をすり抜ける性能を持つため、アシストと組み合わせてかく乱戦法での攻めを展開したり、画面端に追い込まれている場合でも簡単に立ち位置を入れ替える事が出来る。意外と器用な動きが可能なキャラである。 --本作において最強クラスのヴァリアブルカウンターの性能も光る。繰り出す技はアーマー性能が省かれた強ガンマチャージ。画面8割に達する移動距離、判定の強さから来る対地&対空両方への対応、移動速度の速さ等、相手が硬直している分とにかく当たりやすい上にダメージも高い。 -ウルヴァリン --X-MENの切込隊長担当、野蛮な戦い方とハードボイルドな渋さに溢れた究極のタフガイ。圧倒的なスピード・コンボ・ゲージ回収率で、攻めの『維持』に特化した押しつけが異常な強さを誇る。 --猛威を振るったジャンプ中↓中K(通称・流星キック)が削除され、代わりに初代X-MENのみに存在した垂直真下に降下する踏みつけ攻撃が復活した。前方への軌道でない上、強K入力故にチェーンコンボにも繋げられないこの技への取り替えによって、空中からの攻めが大幅に弱体化している。 --中P投げの方向が画面の位置によって自動的に決定される仕様となり((画面端とは逆の方向に投げる。『ストリートファイターZERO』シリーズのソドムのダイキョウバーニング等に見られる仕様。))、中P投げで画面端に吹き飛ばし>追い打ちからのコンボというレシピが大幅に制限が掛かった。 ---強P投げは逆に、レバー入力方向に関わらず必ず前方にダウンさせる仕様となっている。こちらは間合いが大きく離れるため、最速ダッシュでなければ追い打ち自体がほぼ不可能。 --初代X-MENから「バーサーカーチャージ」が復活。大幅なスピードアップにより、屈み強Pだけで永久パターンとなってしまう。 ---この壊れ技の復活によって地上コンボの極悪ぶりが加速するかと思われたが、上記の変更点もあって「ゲージ消費で爆発的にコンボが伸びる」キャラとなった。発動中にゲージが溜まらない事もあって、それなりに落ち着いた調整となっている。 --新ハイパーコンボ「フェイタルクロー」が追加。 ---斜め上に飛び上がり、緩やかな軌道でXの文字に浮かび上がる爪の様なエフェクトを貼る。隙が非常に大きく連続技専用と言える性能だが、チェーン>屈み強Kからのお手軽コンボとして大いに活用出来る。空中版もあるが、暗転までが非常に遅くコンボに組みこめない上、無駄に特徴的な独特の動作で前兆が分かりやすく、ほぼ死に技と化している。 -シュマゴラス --異次元カオスディメンジョンの支配者として、特定の形を持たずに見た者が最も怖いと感じる姿に映し出される混沌の破壊神。でシュまシュ口調が特徴的((当然ながら、日本版だけの特徴。))な、みんな大好きシュマちゃん。 --強弱に関わらずキャンセル出来るP>Kチェーンという独自のルートで、一風変わった攻めが出来る。中P>弱Kや強P>中Kor弱Kといった逆方向への威力に繋げられるのは他のキャラには無い利点。このキャラにPとKの区別が果たして必要なのかは置いといて。 --ミスティックステアの攻撃範囲が狭まらなくなり、ヒット時は目玉が相手にくっついて一定時間後に爆破((爆破部分はガード不能だが、相手の攻撃を食らうとくっついた目玉は消失し追加ダメージは入らない。また、飛び道具部分のダメージはほぼゼロに等しい。主な狙いは多段ヒット故の削りへの期待値と、ゲージ溜め。))、追加ダメージが入るという性能へと変化。 --その強力な性能故にMSH時代、ゲージストックが1本のみであったのを踏まえてか、カオスディメンジョンがLV3専用となり、ゲージ管理に多大な影響を及ぼす事に。ゲージ消費数が1本少なく、火力もカオスディメンジョンを超えるが必ず交代してしまうVコンビネーションと共に、強力な性能故のゲージ依存率の高さをどうするかが課題となる。 --新ハイパーコンボ「カオススプリット」が追加。 ---分身を生み出し、本体より遅れて通常技をトレースして繰り出す強化モード。このモード専用でのそれなりに長いコンボも可能だが、強化系HCの中では性能はよろしくない((ミスティックステアが飛ばずにその場で消えてしまう上に、コンボの継続=ノックバック距離が増える仕様に加えて大元がP>Kチェーンなので火力自体が安い。更にバーサーカーチャージ等と違って一撃喰らえばモードが解除されてしまう。))。 --地上コンボは伸び悩むが、屈み強Kから手動スーパージャンプ>エリアルレイブと強引に繋ぐ事で、画面中央でもノーゲージで安定した火力が出せるのが救い。このゲームでは数少ない投げ抜け不能の純粋なコマンド投げも備えており、チェーンコンボは苦手なものの地上崩し能力に優れる。また、K投げが体力回復効果を持つので、オメガレッドと共にしぶとくしぶとく立ち回る事が出来る。ゲージが最大値まで溜まったシュマゴラスのプレッシャーはこのゲームでも随一。 --HC2つが上記通り特殊過ぎる技なので、ヴァリアブルコンビネーションではミスティックスマッシュを放つ分身をばら撒く専用技「ハイパーミスティックスマッシュ」が発動する(次々回作ではカオススプリットと入れ替わりでこちらがLv1HCとして採用される。)。 -オメガレッド --冷戦時代の最中に西側のプロジェクトで生み出された、紅の超人兵士。柔軟性の高い鞭・カーボナディウムコイルと致死性フェロモン・デスファクターを持ち合わせる。真っ当なヴィランポジションとして初代X-MENからの復活参戦を果たした上、ボイス全般が収録し直されている。 ---マーヴルサイドの他ヴィランポジションのキャラクターが色物の側面が非常に大きいキャラ2体なのに加え、前作まで皆勤で参戦していたマグニートー&ジャガーノートが未参戦となったため、スタンダードなヴィランとして貴重なポジションを得ている。 --移動速度の遅さ、リーチの長い通常技、屈み状態での体勢の低さ、必殺技の打ち分けの多彩さなどはそのまま引き継がれている。チェーンルートは地上、空中共にスタンダードな3ボタンチェーンとなった。 --新ハイパーコンボ「カーボナディウムスマッシュ((業務用インストラクションカードや家庭用のコマンドリストでは、「オメガスマッシャー」と誤植(或いは開発中の名称?)されている。))」が追加。 ---空中ダッシュの動作で突進、連続攻撃の後に鞭で拘束した相手を地面に叩きつけるロック系乱舞技。発生はやや遅いが突進中は無敵なので、ハイリスクではあるが割り込みにも使える。自分が画面端を背負っている状態限定ではあるが、エリアルレイブからカーボナディウムコイルの投げを絡めてコンボにも組み込む事も可能。 ---隙が大きく使い所が少ないオメガデストロイヤーと違ってカス当たりせずに安定したダメージを与えられるため、ゲージを持て余す事が減った事は大きい。オメガデストロイヤーはアポカリプス戦において最強の性能を発揮するのだが。 --必殺技のカーボナディウムコイル、オメガストライクは共に3方向に打ち分け可能(前者は空中版も含めると5方向)。 ---コイルヒット時は相手の体力orゲージを自らに還元したり、あらゆる方向へ投げる事が出来る。ストライクは技後のレバー+K入力で隙を軽減して発動位置に戻ったり、切り離して攻めを持続させたりと様々な戦術に派生可能。 --Vカウンター(弱・オメガストライク)の地上反撃性能が群を抜いて高く、画面端同士でも一瞬で届く移動距離と速度を誇る。ハルクと並んで非常に強力。 --屈み強Kのレバー方向での打ち分けや空中ダッシュなども含め、必殺技での牽制能力・攻めの持続力・逃げ性能・対応力といった様々な部分で高水準に仕立て上がっており、必然的に試合が長期化しやすい傾向にある。シュマゴラス同様にカーボナディウムコイルからの派生技であるデスファクターによる体力回復手段も持ち、とにかく相手の疲労度を溜めやすいキャラ。ある意味で原作再現度が高いと言える。 -スパイダーマン --放射線を浴びた蜘蛛に噛まれた事で超人的な身体能力を身に付けた、ご存知あなたの親愛なる隣人。スピード寄りのバランスキャラで、一通り万能に対応した必殺技構成から初心者から上級者まで運用しやすい。 --空中チェーンが3ボタンチェーンになり、飛び込みからの火力は抑えられた((尤も、スパイダーマンに限らずこのタイトルでは通常ジャンプ中に6ボタンチェーンに対応するキャラはいなくなっている。))。 --姿勢の低さ故の当たり判定の狭さと、飛び道具「ウェブボール(弱)」の硬直時間の短さを利用した、地上での隙の少ない攻めの継続力が光る。 --新ハイパーコンボ「クローラーアサルト」が追加。 ---地上での非ロック系乱舞。発生が若干遅いために強攻撃からしかコンボには組み込めないが、「コンボに組み込める地上ハイパーコンボ」の実装は非常に大きい((『MSH』時代の唯一のゲージ消費技「マキシマムスパイダー」は発生が非常に遅く、闇雲に出しても簡単にガードされるために使い所が殆ど存在せず、ゲージの用途はほぼカウンター1択であった。))。 --立中Pからのループ性の高いエリアルレイブは健在。 -ブラックハート --地獄の支配者メフィストに生み出され、その父に反逆を企てて地上へと追放された元地獄の王子。全キャラ1の特段大きな体格を持ち、鈍重な動きを1ボタンで複数の悪霊・亡者をバラまく戦法でカバーする、一際変則的な弾幕キャラ。 --シュマゴラスとは逆にK>Pチェーンというルートを持つ。マーヴルシリーズでもこのチェーンが引き継がれたキャラはブラックハートのみ((初代X-MENのウルヴァリンなどもK>Pチェーンであったが、続編以降は大方の作品で6ボタンチェーンとなっている。))。 --ジャンプ強攻撃後に反動で後方に飛び退く動作がなくなり、そのまま前方に着地する様になった。この変更により攻めを継続しつつ弾幕を押し付ける戦法がますます有効となり、地上の相手への一方的な防戦を強いる事も可能に。 --地上ダッシュは地面に潜って一定距離を進んで再出現という動作で、潜っている最中は完全無敵だが、移動後の隙が大きく微調整が効かないので実戦での使用には向かない。一応レバー入力で移動距離の制御は出来るのだが、焼け石に水。 ---反面、空中ダッシュは非常に速度が早く、一気に間合いを詰める事が出来る。通常技キャンセル手動スーパージャンプ~空中ダッシュと入力し、強攻撃に頼らないラッシュも可能。手元の忙しさの割に火力に結びつかないが…。 --新ハイパーコンボ「ジャッジメントディ」が追加。 ---地上版は立強P、空中版は強Kの悪霊を無数にバラまく、このキャラにしては全うな飛び道具系HC。画面端では密着状態での屈み中Pから安定してコンボに出来る。遠近問わず、気軽に放てる削り技としても使いやすい。 --Vアシスト(弱・ダークサンダー)が地面際に対して全判定、かつ持続の長いレーザー系飛び道具という強力な性能を誇り、手元にも攻撃判定があるので密かに対空技としても機能するという万能技。ハルクやダルシムとの相性が抜群に高い。 --Vコンビネーション(アーマゲドン)は飛び道具判定が残っている最中から行動可能になるので、後衛として交代する際の安全性が非常に高くほぼノーリスクで交代出来る。 --空中通常技の性能と機動力、ハイパーコンボ全般の高い削り能力を駆使して、ゲージの蓄積と放出を両方まかなえるキャラクター。 #endregion #region(ストリートファイターサイド) -リュウ --お馴染みミスター格闘ゲーム。他の道着&波動昇龍キャラが様々な差別化が行われている中、スタンダードな主人公としての性能は変わらないまま。 --チェーンコンボのグループとしては過剰であった前作から3ボタンチェーンとなり、ノーゲージでのコンボ継続及び火力は大分自重された。 --地上特殊技の旋風脚(→+中K)から着地までに空中通常技が出せなくなり、空中ヒット時の謎の引き寄せも無くなったため、これを利用した永久コンボは不可能に。 --空中特殊技の旋風脚(空中で↑+強K)もエリアルフィニッシュ技としての性能が全うな下叩きつけダウンに変更されたため、同様にこの後の追撃による永久コンボも削除されている…が、通常の強K後の追撃による永久コンボが残っているのは皮肉な所。 --新ハイパーコンボ「真・昇龍拳」が追加。 ---ボディーブローから逆の腕で繰り出す強烈な昇龍拳。ケンの疾風迅雷脚、マヴカプ2の豪鬼の滅殺豪螺旋と並んで『ストIII』から『ZERO』シリーズのドットに輸入された、数少ない技の内の一つ。今作では雷のエフェクトが添付されており、派手になっている。 ---クリーンヒットしなかった場合は多段の昇龍拳となる。演出は地味だが画面端では追撃が可能なので、実はカス当ての方が火力上昇に繋がるという側面を秘めている。 --地味な部分で、勝利ポーズ(プレイヤーセレクトでの1人目決定時も同様)とダッシュ動作に新しいモーションが加わっている。 -ケン --お馴染み全米格闘王。今作では道着&波動昇龍ポジションの中で更にリュウとの差別化が図られた。 --3ボタンチェーンへの変更はもとより、射程制限と引き換えに巨大化した波動拳、緩い角度で斜め上へと飛び上がる軌道となった地上版の竜巻旋風脚といった風に、必殺技の性能もほぼリュウとは別モノと化した。また、昇龍拳は全ての威力で燃焼エフェクトが添付されている。 ---波動拳の射程制限はデメリットに思えるが、短い感覚で前作とは比較にならないほど判定が大きくなった(メカ豪鬼のものと同一)飛び道具を放てる点ではむしろメリットとなっている。空中からの連射間隔もリュウより早い。 --新ハイパーコンボ「疾風迅雷脚」が追加。 ---炎を纏った蹴りの連撃から竜巻旋風脚に繋ぐ突進技。発生時の無敵時間は長いものの、発生が遅く中攻撃からコンボに繋げられない為に昇龍烈破の代役とはならず、下位互換技としてほぼ趣味の技に留まっているのが悲しい所。 --リュウ同様、勝利ポーズと後方ダッシュに新しいモーションが加わった。 --前作同様、リュウとのタッグ限定でVコンビネーションが真空波動拳に変化するギミックがある。 -春麗 --やはりお馴染み、元祖紅一点のミス格闘ゲーム。マーヴルサイドから女性キャラがいなくなった結果、さくらと並んでこのタイトルの華としての地位を得た。 --スピード系キャラとして、ストリートファイター側で唯一の6ボタンチェーンによる隙の少ないラッシュが強烈。特に画面端では立ち&屈みの強Pヒット後にノーキャンセルで様々な通常技が繋がるため、ダッシュからのループコンボで高い火力を誇る。 --空中制御も頭一つ抜けており、空中ダッシュに加えて3段ジャンプも併せ持つ。スーパージャンプから百裂脚を一瞬だけ発動する事による空中停滞時間の延長・ゲージため能力も非常に高い。 ---前作での低空ダッシュ連携が強過ぎたこともあってか、今作の空中ダッシュには高度制限が追加され、ジャンプ頂点付近でしか発動出来なくなった。オメガレッドやブラックハートのものよりは見劣りする性能となったが、それでもまだまだ強力な接近手段となっている。 --VS.シリーズにおける旋円蹴は、『ZERO』シリーズのものに跳躍する動作が加わっており、移動攻撃としての性能に置き換わっている。同じ『ZERO』シリーズのアドンが使うジャガーキックと似た性能を連想すれば分かりやすいだろうか。発生は遅いが屈みガード不能の中段性能は従来通りとなる。 --今作以降、天翔脚(他作品における天昇脚)が純粋な昇龍コマンド(テンキーで言う「623」入力)へと変更された。待ち気味に使うのが前提だった『ZERO』シリーズや『X-MEN VS. STREET FIGHTER』と違ってとっさの対空手段や画面端でのコンボに気楽に使えるようになり、使用頻度が大幅に増える事となった。 --新特殊技「零式気功掌」が追加。 ---『ZERO』シリーズ規模にスケールダウンした気功掌で、リーチは短くキャンセルも掛からないが、飛び道具を相殺可能。しかし、前進しつつ強Pのループコンボを狙う際の暴発率が非常に高く、ほぼ不要の産物と化している。 --バランス調整の一環か、気功掌のダメージが大幅に減少している。元々発生が遅いこともあり、千裂脚以上の硬直時間&削り能力の低さにより、使用価値が激減してしまった。 -ダルシム --やはりお馴染み、元祖色物キャラとして名高いインドの修行僧。腕や足が伸びるわ、火を吹くわ、テレポートするわ、おまけに今作では浮遊もするわで、ストリートファイターサイドでもっともミュータントに近いキャラと称される。 ---前作のキャミィが未参戦となったことにより、今作において遠~近距離で通常技が変化する唯一のキャラとなった。 --地上チェーンコンボを持たない代わりに、他キャラを一回り圧倒する通常技のリーチを生かした中&遠距離での牽制能力が非常に高い。“全ての通常技がキャンセル可能”という仕様により、相手の懐に入らずに隙の無い攻めを展開出来るのが強み。 --空中では他キャラと同じく3ボタンチェーンとなっており、各種ドリルキックがチェーンコンボに組み込める。この為、適当なジャンプから弱ドリルキック>中K>強Kのルートで強引に繋げやすい。後方ジャンプから攻めのチェーンコンボに移行出来るのは他のキャラには無い特色である。 --吹き飛び状態からの復帰の際、自動的に特殊回避技のヨガエスケイプが発動する仕様となる。エリアルレイヴからの空中投げがほぼ無効化されるといった利点がある代わりに、吹き飛びからそのまま間合いを離す事が出来ず、一定の範囲内に必ず留まるというデメリットも持ち合わせる。 --遠距離での屈みK全般に対して、動作中に弱P+弱Kの同時押し入力で動作をキャンセルしてニュートラル状態に移行する、通称“スラキャン(スライディングキャンセル)”と呼ばれる隠しテクニックが存在する。 ---これを利用した硬直削減による隙消し、その他ループ性の高いコンボが可能。地上チェーンコンボが無い分こちらのテクニックの恩恵は絶大で、地上戦における攻め能力にも優れた性能を誇る。 --新特殊能力「浮遊」が追加。 ---従来の過去作でもストーム、マグニートー、アイアンマン、ベガなどが所持していた飛行と同等の特殊能力で、一定時間レバー制御で空中を移動可能になる。この状態からの空中チェーンによる牽制、ドリルキックでの攻め、ヨガテレポートによる攪乱といった様々な戦術に派生出来る。 ---画面端であれば、(ドリルキック~空中チェーンコンボ>キャンセル浮遊)×Nの押し付けが強力。数回ループして防戦一方に追い込ませ、そのまま着地して投げるといった強引な攻めもこのキャラならでは。 --様々な要素が噛み合ってトップクラスのポテンシャルを秘めたキャラだが、この上更に比較的難易度の低い実戦レベルでの永久パターンを所持しており、ハイパーコンボの使い難さ故のワンチャンスでの火力の低さ以外ではほぼ一人勝ちとも言える性能。 --地味にヨガインフェルノが空中で出せるようになったが、発生速度は地上版同様に遅くコンボに組み込めないので使用頻度は低め。 -ザンギエフ --投げキャラの第一人者として無二のポジションをキープする、赤きサイクロンの異名を持つロシアのプロレスラー。 --見た目通りの鈍重かつ一撃が重い単発火力重視の性能。投げ技が真骨頂なので打撃技によるコンボは少ないものの、少ない段数で十分なダメージを叩き出せる事から、事前知識がなくとも運用しやすい。 ---スーパージャンプ中も3ボタンチェーンなのでコンボは伸び難いが、空中必殺技を確定で決める事が重要視されるので弊害と呼べる弊害にはなっていない。それでも目押しコンボでの永久パターンも持っていたりするのがマーヴルシリーズの業の深さと言うか… --空中でも発動可能となったダブルラリアットにスクリューパイルドライバー、スーパーコンボから通常必殺技となり使い道が大幅に増えた上に移動技としても使えるエリアルロシアンスラム、スーパーアーマーが添付され強引に掴みに行く事も可能なフライングパワーボム&ファイナルアトミックバスターと、『ZERO』シリーズから過剰なスペック上昇を果たしている。 --新Vコンビネーション「ダブルファイナルアトミックバスター」が追加。 ---前衛時のみ発動可能な、唯一の“投げ性能のVコンビネーション”。控えキャラと挟み撃ちにした相手を掴み、画面頂点の高々度までジャンプして2人で一気に叩きつけるという、コンビネーション感全開の専用技である。簡単コマンドで控えキャラに左右されずに確定5割というお手軽さから、前衛時のVコンビネーションの使い道は前作の比にならない程に向上した。 --ストリートファイターサイドのキャラ&投げキャラのポジションとして、次回作に出演出来た数少ない続投キャラである。 -ベガ --秘密結社シャドルーの総帥として世界中で暗躍する、サイコパワーを操る魔人。VS.シリーズでは機械技術での改造人間制作に精を出しており、今作と次作ではそれらの設定を踏まえた隠しキャラが登場した。 --使い勝手のいい通常技と高い機動力、変則的な動きが可能な必殺技で画面場を所狭しと動き回り、相手の動きを制限しやすい。反面コンボ能力は控えめで、地上&空中では2ボタン、スーパージャンプ中もザンギエフ同様に3ボタンチェーンとなっている。こう書くと高機動低火力キャラに聞こえるが、その実で単発火力は非常に高い。特にサイコクラッシャーのダメージは一級品。 ---VS.シリーズではサイコショット&ダブルニープレスがコマンド技に変更された事で、タメキャラとしての性質故に常にレバーを斜め下に入力した状態になりがちという制限から解放された。ダブルニープレス、ヘッドプレス、ベガワープ、サイコクラッシャーといった多くの技が空中発動可能となり、前作から飛行も受け継ぎ、空中状態での多彩な動きをもって相手に的を絞らせない動きが可能となっている。 --オリジナル必殺技のサイコフィールドは、攻撃判定の発生速度が早くなった上に硬直も軽減され、Vアシストという共通システムの恩恵も受けて非常に使いやすくなった。対空、固め、ヘッドプレスやベガワープと織り交ぜた攪乱、といった戦術を展開でき、このキャラの立ち回りの中核を担う重要な技である。 --ベガワープの発動時に分身が出る様になり、幻惑効果がアップ。相手の起き上がりにサイコフィールドと組み合わせると、いっそう強力な攪乱効果を得られる。 --こういった点からキャラ単体での性能は悪くないが、Vコンビネーションに割り振られたハイパーコンボが『スパIIX』からの代名詞という側面をふまえてかニープレスナイトメアとなっており、その性能故に前衛発動では大概のキャラとの組み合わせでクリーンヒットが期待出来ないというパートナー泣かせなキャラでもある。 -豪鬼 --「殺意の波動」に魅入られ、実兄剛拳を禁断の技“瞬極殺”で屠り、以後自らを「拳を極めし者」と称して修羅の道をひたすらに歩み続ける漢。ハイスタンダードな性能と引き換えに防御力を切り捨てた性能、というのが従来作でのリュウとの差別化要素であったのだが… --ケンが波動拳のグラフィックが大きくなったのに対し、豪鬼の豪波動拳は前作と同じグラフィックのため、ダンを除けば道着キャラの中で波動拳が一番小さいという、設定にそぐわぬものになっている。射程制限が無い事と空中での発射角度の関係で3キャラで波動拳の性能が被る事は無くなったのだが。 --異常な程に高い威力で猛威を振るっていた弱・竜巻斬空脚の威力が相応のものに抑えられ、ようやく落ち着いた性能となった。反面、ゲージ依存度が低かった前作と比較すると、火力のために積極的にハイパーコンボを使う機会が増える事にもなった。 --滅殺豪波動&天魔豪斬空の発生速度が大幅に短縮され、使用頻度が増えた。特に天魔豪斬空は本作で大部分の火力が減る事となったこのキャラの安定したダメージ源として、その他の性能面でも様々な戦況から狙えるためにメインのゲージ放出要素として重宝する。 --瞬極殺は従来作と同じ様に3ゲージ消費技へと戻る形になったのだが、追い打ちが不可となった為にコンボの初段として使えなくなり、ほぼ趣味の技と化した。全ゲージ消費とあって、単体ダメージそのものは流石に前作よりは上がっているのだが。 --アシストで繰り出す強・竜巻斬空脚がコンボパーツとして優秀な性能を誇る。安定して追撃が可能な事から適当に繰り出すだけでも厄介な万能アシストで、一撃が重いキャラ程その恩恵を受けられる。思えばこの頃から『MVC3』での俗称“竜巻おじさん”の片鱗を見せていたと言えるかもしれない。 --天魔空刃脚が『ZERO2』時代までの基準のグラフィックだったのは今作まで((厳密には次回作のリュウにもモードチェンジ後の新規グラフィックで受け継がれてはいる。『MVC2』では『ZERO3』基準のグラフィックへと切り替わっている。))。 -さくら --ストリートファイターとして闘うリュウの姿に魅入られ、彼を追って世界へ飛び出した超行動派女子高生ファイター。明確な設定もなく波動拳を出す辺り、天性の格闘センスを持ち合わせているキャラだが、今作ではその方向性があまりにも上に行き過ぎてしまった。 --先ず波動拳の大きさからしてケンのものの4倍以上というケタ外れっぷり。その反動として、放つ方向は斜め上に固定されており、コマンドもテンキー表示で言う214入力となっている。対空能力としてはこれ以上無い程に強力で、空中版も斜め下へ向けて繰り出すので壁としての役割を果たしてくれるが、その見返りとして隙が非常に大きく、地上戦では至近距離以外では使いどころが無いのが残念な所。更に、その巨大さ故に見落としがちだが、射程そのものはケン以下の短さである。 --咲桜拳は本家『ZERO2』を踏襲したもので、地上移動中は衝撃波を纏って飛び道具を無効化する補助効果が添付され、キャプテンアメリカのチャージングスターと同じ様な使い方も可能に。加えて、『ZERO』シリーズと異なりガードされた場合は後方ジャンプで跳ね返る様になり、外しても飛び上がらずそのまま立ち止まる事で若干反撃を喰らいにくくなっている。また、波動拳のコマンドが逆になった関係でこちらが236入力となった。623入力の昇龍コマンドが苦手なプレイヤーにとってこの簡略化は嬉しい変更点だろう。 --春風脚の軌道も山なりに大きく移動するようになり、変則軌道の移動技として十分に機能するものとなった。空中でも発動可能になり、飛び込みを仕掛けやすくなっている。 --ハイパーコンボ全般も『ZERO2』のものと大きく性能変更されている。 ---真空波動拳はやはり斜め上に発射し、巨大な弾を乱れ打ちするが、微妙に当てづらいのが難点。なお、リュウと違い空中では撃てない。 ---乱れ桜はダッシュで突進するロック系乱舞技となり、ヒットすると連続攻撃の後に咲桜拳を叩き込むという、どことなく龍虎乱舞のような技に変化している。こちらも咲桜拳と同じくガードされても跳ね返るため隙が少ない。 ---春一番は垂直上昇しつつ相手を引き寄せて巻き込む性能に変更され、神龍拳…と言うか後発の滅殺豪螺旋の原型と言われたら納得しそうな程に別技となった。なお、春一番は元々は「真空竜巻旋風脚を見よう見真似しようとして失敗した技」という設定を持つため、本来の動作に近づいたと見ることもできる。…が、『ZERO2』にあった下段判定が無い上に垂直に高く飛び上がるため外すと隙だらけで使い勝手は下がっている。 --性能の差別化云々の前に、とにかくブッ飛んだ派手さに比重が傾いている故にオーバーな動きが多く、相当繊細な立ち回りを要求されるキャラで敷居は高い。ハイパーコンボの使いどころも極めて限られ、Vコンビネーションもムラがありすぎため、ゲージを持て余しがちなピーキーさに悩まされる。 -ダン --かつて豪鬼の実兄・剛拳に師事した事もある、我流の拳「サイキョー流」の開祖として己の流派を広めるために世界を廻る格闘家。中途半端な技と多彩な挑発が持ち味で、本作でもそのエンターテイナーっぷりに磨きをかけて参戦。 ---本作では、性能は元より最早「如何にして試合中にバラエティを発揮できるか」の様なキャラとなっている。一例を挙げれば、交代ポーズは春麗の挑発の自社パロディ、新必殺技としてサイン色紙を投げる、ある操作でラウンド開始前の登場シーンで爆発しながら落下してくる…など。ポートレート・VS.シーンでのグラフィックも相手を舐めきった表情やポーズで、「実力不相応の割にビッグマウスが目立つヘッポコキャラ」のイメージがやたら促進されている。 --初登場の『ZERO』でさえ持っていたチェーンコンボは当然の如く無し。流石にスーパージャンプ中は標準の6ボタンチェーンが可能。エリアルから空中挑発で締める事で、反撃不能の完全な挑発が成立する事に… --我道拳のサイズが『ZERO』シリーズよりも更に“縮小”した。このサイズで飛び道具を相殺出来るという事が相手から見ると挑発と言えるかもしれない… --本作でも晃龍拳の無敵時間添付の調整が施されている。条件は『ZERO2』無印のものをより簡易にしたもので、4回に1回の割合で確実に無敵時間が添付された晃龍拳を繰り出す事が可能。空中ガードがあるこのシリーズでは、対空よりも対地に主眼を置いて相打ち上等で使うと真価を発揮出来るだろう。 --必勝無頼拳はどの攻撃段数からでもヒットした時点で相手をロックし、空中ヒットであろうとカス当たりとならずに以後の攻撃が全ヒットする様に強化された。ダウン回避不能なので、画面端では更に追撃が可能。 ---上記の性能以外にもハイパーコンボ全般のダメージが非常に高く、震空我道拳は中足キャンセルから繋ぐだけで5割弱という超火力を発揮、晃龍烈火もダウン回避不能で空中ヒット時のみ追撃可能なので、画面端でゲージを放出しての火力は相当なものとなる。投げの威力も比較的高く設定されており、画面端でのK投げ後はそのまま空中投げを狙えたりもする。こう見えて実はワンチャンがかなり痛いキャラなのだ。 --新必殺技「プレミアムサイン」が追加。 ---上記に示したとおり、ニヤけ面で自画像を描いた色紙を見せつける(突き出した色紙に攻撃判定付き)→色紙を投げ飛ばすといった二工程で構成された、発生の遅い変則軌道の飛び道具。ボタンの威力によって、発生の速さと射程が反比例していく。弱は勢いが弱く画面半分程度で落下、強は逆に地面スレスレから勢いに乗って上昇していく軌道となる…が、初段の発生まで2秒近くかかるという遅さの死に技。こんな性能のせいか、この技でフィニッシュするとハイパーコンボフィニッシュ時同様のあけぼのフィニッシュとなる。 --新ハイパーコンボ「漢道」が追加。 ---3ゲージ消費の新技で、腕を交差して短い距離を移動、相手を掴んで自分もろとも大爆発を起こす特攻。その“自分への”即死級ダメージ(一応相手にも強攻撃2発分程度のダメージはある)は多くのプレイヤーのド肝を抜かせ、本作でのこのキャラクターのエンターテイナーぶりをいっそう脳裏に刻ませる事となった。が、何故大爆発を起こすのかには誰も突っ込まなかった。 --この様に様々な点でお笑いキャラへの道を確立したキャラであるが、ダッシュ時の姿勢の低さ故の当たり判定の狭さと断空脚の隙の少なさだけは本物((画面端では弱・断空脚ヒット後に様々な技が繋がる。一部の通常技も繋がり、キャンセルで弱・断空脚に繋げる事も可能。これを繰り返すと…つまりは、そういう事である。))。地上戦はこの技だけでも十分な程に大きな攻め手となる。また、挑発でゲージを溜める事が出来るのだが、その蓄積値も尋常ではなく、1回の挑発で1本の4割強のゲージを溜められる。スーパージャンプで逃げがちな相手に対して有効打となり得る辺り、このタイトルでの挑発も中々馬鹿にならなかったりする。 #endregion //キャラ説明はこちらへ移動 -''憲磨呂''(ノリマロ) --本作最大の特徴とも言える新キャラクター。日本テレビで放映されていたバラエティ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!(通称:生ダラ)』とのコラボレーション企画によって誕生したキャラクターであり、キャラクターデザインや声優はお笑いコンビ「とんねるず」の木梨憲武氏演じる「木梨憲太郎」((憲武氏が同番組内で演じていた「(憲武氏の)親戚で画家」という設定のキャラクター。コント設定だけでなく実際に本人も芸術家として活動しており、2000年頃までは『生ダラ』の宣伝も兼ねて自身の個展もこの名義で開いていた。))が担当している。 ---MARVELキャラクターとカプコンキャラクターのクロスオーバーである本作において''両陣営とも全く関係のないキャラクター''であり、作中のセリフでも場違いである事を突っ込まれている。 --キャラクター名は一般視聴者からの公募であり、採用者には賞品として本作の基板入りのゲーム筐体がプレゼントされた。 --デザインは木梨自身をコミカルにデフォルメキャラクター化したもので、見た目はフジテレビの番組『とんねるずのみなさんのおかげです』のコントに登場する「ノリ男」を三頭身化したといった感じである。 ---コミカルな動きや、コスプレ変化のハイパーコンボなどを取り入れている。技名がとにかく長く、開発時は「変身乱舞」と言われていたこのコスプレ変化のハイパーコンボが製品版では「''ウルトラバラエティプライベートメモリーズ''」となっていたりする。 ---ハイパーコンボだけでも他に「ハイパーストロングミラクルトレジャー」(飛び道具。開発時は「ごっつもの投げ」)・「アルティメットグランドチャンピオンジャンプ」(対空技)の2つがある。因みに普通の必殺技も例外ではなく、開発時は「だだっ子パンチ」と言われていた突進技が「ローリングパワフルアームズ」となっている。 ---1キャラクターとして見ると飛び道具・対空・突進技と一通りの技を持っており、2段ジャンプまで装備。立ち強Kのエリアル始動技で自爆の可能性があるバナナの皮を撒くなど、癖はあるが極端に人を選ぶほどでは無い。そのため、見た目や動きのイロモノっぷりに対して割合気軽に扱える。なお裏技で4段ジャンプが使えるようになる。 --1プレイ2コイン以上の設定では憲磨呂が選択不能になる。 ---テレビ番組で大きく宣伝されたことを受け、当時のゲームセンターにあったプレイ料金高騰化の風潮を懸念しての対策とのこと。 -中ボスは前作で登場した巨大な「アポカリプス」が、ラスボスは豪鬼がアポカリプスに改造されたという設定の「メカ豪鬼」が担当。 -これら以外にも条件を満たすと隠しキャラを使うことが可能。そのほとんどは既存キャラの色違いのマイナーチェンジ版。 --ただしコマンドが入力しにくく、失敗することもある。家庭用ではボタンひとつで出せるようになった。 --CPU戦で条件を満たせば、ストリートファイターサイドの隠しキャラのみ乱入キャラクターとしても登場する。 #region(隠しキャラ(ネタバレ注意)) ''MARVELサイド''(既存キャラのマイナーチェンジ3名) -アーマースパイダーマン --装甲スーツをまとった灰色のスパイダーマン。スーパーアーマーが添付&動きがやや重くなるなど若干性能が変化しているが、肝心のアーマーが弱攻撃+αにしか適用されないなど、使用感はほとんどノーマルと変わらない。 --空中からの降下時間の変化に伴い、エリアルレイヴからのループコンボはこちらの方が低難度となっている。 -メフィスト --ブラックハートの父。MSHの原作であるインフィニティ・ガントレットに出演していたのは本来こちら。 --本作ではブラックハートと同じ姿の色違いになっている。一部の技に燃焼演出のみ追加されているが、それ以外の性能は全く同じ。 -U.S.エージェント --キャプテン・アメリカと関係の深いヒーロー。本作ではキャプテンの色違いで、性能も全く同じ。 ''CAPCOMサイド''(復帰キャラのマイナーチェンジ1名+既存キャラのマイナーチェンジ2名) -シャドウ --前作EDにてシャドルーに捕まり改造され、黒い影のような姿になったナッシュ。 --技構成は前作のナッシュとほぼ同じだが、技にサイコパワーによる青い燃焼演出が追加され、新技の「ファイナルミッション」も追加されている。しかしハイパーコンボ発動時に目を光らせるため技の出が遅くなり、実質的に前作から弱体化している。 --乱入時のパートナーはベガ。ただし、乱入時はシャドルー兵士としての登場だが、プレイヤー操作時はシャドルーの手から逃れて独自に戦っている模様(しかしエンディングでは…)。 -メカザンギエフ --シャドルーからの旨い言葉に騙されて鋼鉄の肉体に改造されたザンギエフ。ガードができない代わりに、攻撃を食らっても一切のけぞらないハイパーアーマーを搭載している。また新必殺技として口から火を吐くウォッカファイヤーが使用可能。 --相手の攻撃を無視して強引に攻めて行ける反面、動作がやたら重く、遠距離からの攻撃(特にビーム系飛び道具)に非常に弱い。 --乱入時のパートナーはベガ。 -日焼けしたさくら --%%何故か%%殺意の波動関連の技が使え、今作さくらの変則的な部分がなくなりスタンダードに。 ---波動拳は波動コマンドで横に飛ぶ様になった。ケン同様に射程制限があるが、射程はケンよりは長く、強で出せば地上、空中ともに一応は一画面の端までは届く。性質上、スーパージャンプからの空中波動拳連発が最も強力に機能するキャラとなっている。 ---咲桜拳は昇龍コマンドで、通常のさくらと同じく突進するものの、地上版のみ飛び道具を相殺可能なバリアが削除された上に技を外しても強制的に飛び上がるようになり、強引に押せる性能ではなくなっている。空中版は通常のさくら同様にバリアが搭載されたままとなる。 ---豪鬼と同じく阿修羅閃空も会得しているが、その性能が『終わり際の硬直時間無し』という壊れ性能となっている((事実上、日焼けさくら版阿修羅閃空を絶え間なく繰り返すせば、完全無敵状態を維持出来る事になる。メカ豪鬼ですら阿修羅閃空の終了時には長い硬直があるという事を踏まえれば、これがどれだけ異常な調整かが分かるだろうか。))。 ---真空波動拳もリュウ同様の横へのビームとなった。…のはいいが、如何せんダメージが低過ぎるのがネック。具体的に言うと、連打でヒット数を増やしても''通常の波動拳を2回当てた方がダメージが高い。しかも通常のさくらと同じく空中では使えない。'' ---豪鬼のパロディで瞬獄殺ならぬ''春獄殺''も使える((なお、初出は『ストリートファイターEX plus α』の方が先。))が、本作では豪鬼の瞬獄殺からしてお察しな性能なので…相変わらずゲージの使い所に泣かされるキャラである。 --乱入時のパートナーは豪鬼。エンディングも豪鬼絡みのネタである。 #endregion ---- **評価点 -『VS.』シリーズという事もあり連続技の爽快感は健在。 --エリアルレイブを用いた連続技は相変わらず爽快感がある。が、問題点もある(後述。)。 -隠しキャラの多さ --一部コンパチもあるが6人も隠しキャラが使える。 -ヴァリアブルアシストが追加 --この援護攻撃により、戦術の幅が広がった。勿論どのようなアシストを行ってくれるかはキャラによって違うため、相方選びにさらに考慮点が加わった。 //上手く使うことができればコンボの幅をさらに広げることもできた。 //この時はまだ、アシスト呼んだら本体が長く硬直するからほとんどコンボには使えなかった記憶が。あとこの作品が格ゲーでのアシスト系の初出だっけ? -BGMの出来が秀逸 --ストリートファイター勢の前作のBGMは基本的に元作品(『ストリートファイター』シリーズ)をベースにしたアレンジであったものが多かったが、本作のストリートファイター勢の曲は完全に新規で作られた曲となっている。 ---それまでの作品でのキャラクターのイメージを壊すこと無く、それでいて今までのものとは違った曲となっているためにBGMに関してはおおむね好意的に受け入れられている。 ---ちなみにマーベル勢の復活組の曲は基本的に元作品のアレンジだが、なぜか「ハルク」だけは完全新曲が用意された。また、マーベル勢でも前作からの続投組は新曲になっている。~ 続編の『MARVEL VS. CAPCOM』では再び元作品のアレンジの曲が増えてしまったことを残念がる意見もあったりする。 ---- **賛否両論点 //『憲磨呂』のユーザー評価としては賛否だろう ''著しく増加したギャグ・パロディ路線'' -『憲磨呂』の存在についてはプレイヤーからも賛否分かれている --単純にゲーム中で浮いてしまっており、ギャグでもこんなのが混ざるのは許せないという意見もある一方、非常に凝った作りである事もあり、ネタキャラとして面白いと評価する声もある。 ---力を入れて作ったキャラだけに、良くも悪くも出来は良い。 --しかし、登場の経緯で[[大きな問題を起こしてしまった。>MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER#id_9652685a]] -本作のダンEDは彼自身の元ネタである『[[龍虎の拳]]』のEDのパロディとなっており、ダンがメカ豪鬼に襲いかかろうとしたところで突如ダンの''妹''(セーラー服で顔はダン似)が現れ「''お兄ちゃん、やめて!! その人は、その人は私たちの…!!''」とセリフを言い、「完」で終わるという内容となっている。 --どう見ても『龍虎』のサカザキ一家が元ネタにしか見えないのだが、''もちろん本作にSNKは関わっていない''。なお元ネタと違い特にメカ豪鬼が父親という訳ではないらしい。 --ちなみにこのEDがきっかけで、後に''本家であるSNK自身が''NGP『[[頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM]]』でダンの妹ネタを展開し、彼女本人は登場しないものの、ダンとリョウのタッグ名が「やめて!おにいちゃんズ」になったり、ダンがリョウに張りあって妹自慢をしたりしていた。 --さらに後のSNKプレイモアの『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』では、ダンがデミトリのミッドナイトブリス(敵を女体化させる技)を食らうとこの妹の姿になる。 --その後『ストリートファイターV』では公式サイトのキャラ図鑑でこの妹が登場し「''火引 百合子''(ひびき ゆりこ)」とフルネームが付けられた。プロフィールの一部も元ネタのユリを意識したものになっている。さすがにパラレル設定であると強調されていたが。 ---しかしその後、『ストリートファイターV』のゲーム内のショップの店員として''遂に百合子がシリーズ本編にて正式登場を果たした''。本作では姿が幾分可愛くなっており、新たにボイスも付いている。一緒に店を経営するダンを「お兄ちゃん」と慕っている。 -ちなみに上記のダン以外も、CAPCOM側のEDは過去作のパロディ((『II』とほぼ同じ話のリュウ、ダルシムとほぼ同じさくら。))や全体的にコミカルなノリ((夢オチだったケン、ヒーローも格闘家も全員しょっぴく春麗、シュマゴラスにカレーを振る舞うダルシム、ノリノリでナッシュを改造するベガ、改造されたダンを一撃で倒す豪鬼等…))。半面MARVELはクロスオーバーを強く意識((サイクロプスとキャップのEDにはリュウが、ハルクのEDにはブランカが登場する。))していたものだったり、原作のキャラクター((スパイダーマンのEDにはガールフレンドのメリー・ジェーンが登場する。))が登場したり、悪役がちゃんと悪役していたりする((ヒーローと格闘家を全滅させるブラックハートや、リュウを殺害するオメガレッドが該当。))など、しっかりしている。 --隠しキャラはCAPCOM側のみエンディングがあるものの、MARVEL側はメッセージが表示されるだけの手抜き仕様。 #region(''ネタに走った最終ボス''(ネタバレ注意)) -''メカ豪鬼'' --「豪鬼がアポカリプスに改造された」という設定だが、''豪鬼にマジンガーZのようなパーツをくっつけた''ギャグチックな見た目。 ---''元々ギャグとしてデザインされていた''らしく、上層部からは「''豪鬼のシリアスなキャラがぶち壊しになる''」とかなり否定的だった模様。 --メカの機動音のような勝利台詞、ハイパーコンボも「ハイメガ豪ビーム(=滅殺豪波動)」「スクランブル豪パンチ(=滅殺豪昇竜)」「サンダー豪シャワー(=天魔豪斬空)」「シャイニング豪ショック(=瞬獄殺)」とやりたい放題。 --ラスボスということもあり、強パンチのホーミングロケットパンチや2連射の空中豪波動、1ゲージで使える・移動がかなり速い、空中でも使えるシャイニング豪ショックなど性能面ではかなり高い。vsシリーズ特有のアッパー調整もあり「''シリーズ最強の豪鬼''」とまで言われるほど。 #endregion ''ゲーム内の様々な箇所で見受けられるナレーションボイス'' -本作では一部の隠しキャラクターと隠しハイパーコンボを除いてハイパーコンボでトドメを刺すと「''画面にその技名がアルファベットで表示され、更に技名を読み上げてくれる''」((前述の一部に該当する技に関しては一律で「Hyper combo finish!!」と読み上げられる。また、ヴァリアブルコンビネーションでフィニッシュを決めた場合は技名はそれぞれの技名の合成(例:真空波動拳+メガ・オプティックブラスト=真空オプティックブラスト)がアルファベット表示されるがボイスは「Variable combination finish!!」で統一されている。))という、(''一部の人には'')堪らない要素があった。 --この読み上げボイスはトニー・ダニエル氏によって成されていたもので、英語の技名は非常に格好いいものであったのだが、日本語の技名となると一気にギャグと化してしまう(例:シンクーハドーケーン!)。 ---公式の小冊子でも『あやしい日本語の発音が、かえってGood!!(笑)。ハイパー・コンボフィニッシュを決めたら、一緒に真似してくださいね。「''メサッツ、ゴォ、ハドォォォゥ!!''」。さぁ、みなさんごいっしょに…!!』とネタにされている((バーサスマガジン13月号より。))。 ---なお、ダメージをほとんど与えることが出来ず、フィニッシュを決めることが絶望的なダンのハイパーコンボ「挑発伝説((挑発を連続で繰り出す技。途中のサインを書いたあとに突き出す所に攻撃判定があるが、ダメージは雀の涙。))」のみ''発動時''に技名読み上げが入るという憎い心配りがなされている。 --次作『MARVEL VS. CAPCOM』では技名の表示はされるが、アナウンスが一律で「Hyper combo finish!!」になってしまっていたことを残念がる意見も少なくなかった。 #region(ハイパーコンボフィニッシュボイス。隠しキャラクターのも含まれているのでネタバレ注意。) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=LNcDlZogq9E) #endregion -また、フィニッシュボイス以外でもOPデモをはじめとして異様なテンションのナレーションが使用されているため、「うるさい」と感じたプレイヤーも少なくはなかった模様。 ---- **問題点 -色々と対策は練られているものの、恒例の無限コンボがやっぱりある。 -前作からその傾向があるのだが、強キャラがやはりマーベル側に圧倒的に多い。ストリートファイター側でタメを張って戦えるのは「スラキャン」という特殊テクニックを使いこなせるダルシム、隠しキャラである日焼けさくらやシャドウぐらい。そのシャドウも前作のナッシュと比べると大幅弱体化している。 -エリアルレイブに関しては大幅にコンボ補正がかかるようになり、攻撃力が前作に比べて激減した。一方、ハイパーコンボ関係はさほど調整されていないため、大抵のキャラで実は「地上で確実にハイパーコンボを絡めた連続技を入れる」ほうがダメージ効率が良くなってしまっている。 --実用性という点で弱体化したことにより、本作では永久狙いでなければ、ほとんどゲージ溜め用か魅せコンボ用としての役割しか果たさない。 -ステージは前作からの使い回しが多く目立つ。 ---- **総評 ゲームは『生ダラ』の宣伝もあってこのシリーズでは歴代トップのインカムをあげた。~ しかしながら、カプコンの悪乗りが過ぎた憲磨呂の件は言うに及ばず、キャラクター面での代わり映えの無さ(特にストリートファイターサイド)や賛否が割れる演出面などの要素も相まって、評価が非常に分かれている。~ 憲磨呂やその演出面をひっくるめてお祭りゲームとしてみればこの上なく雰囲気が出ているという意見もあるし、それらを悪乗りが過ぎて寒いと切って捨てる意見もある。~ ゲームとしてみても上記にあるコンボの制約が爽快感を殺いでいるという意見もあれば、それを踏まえてなお永久コンボの類があることを批判する意見もあったりと、評価の振れ幅に個人の感性による所が非常に大きいタイトルと言える。 ---- **その後の展開 -セガサターンとプレイステーションに移植された。 --SS版は画面比率を除いてアーケード版をほぼ再現。&bold(){但し、4MB拡張RAM専用ソフトとなっているため、拡張RAMカートジッジ無しや1MB拡張RAMカートリッジではゲームの起動/動作は一切できない点に注意。}((カプコンのSS版ソフトでは『X-MEN VS ストリートファイター』、『ヴァンパイアセイヴァー』、『ストリートファイター ZERO3』、『ファイナルファイトリベンジ』が同じ動作条件となっている。)) --PS版は移植度は低いが独自の要素がある。PS版の詳細は下記を参照。 -1年後である1998年に『[[MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』が発売。ストリートファイターのみならずヴァンパイアやロックマン等からもキャラが参戦した。 ---- **憲磨呂に関するゴタゴタ 本作の発売に際し、前述の憲麿呂関連で大きな問題を起こしてしまった。 -何が問題だったかというと、「''他社キャラクターの版権が絡んでいるゲームにCOLOR(red){版権元無許可で出演させてしまった事}''」である。 --言うまでもなく、思いっきり浮いているキャラクターであったために違和感は強烈で((そうした違和感を逆手にとってネタにしている部分もあり、アポカリプス戦前にはアポカリプスから「お前がここにいること自体が間違い」・「勘違いの大たわけ」等、散々に言われたりする。))、「マーベル社に対して失礼だ」といった意見も続出。ある誌面では数ヶ月にも渉り論争が繰り広げられたほど。 --登場に際しては「''こんなのにうちのヒーローが負けるのは許せない''」「''最初の契約の際に居なかったキャラクターを出すのはどうなのか''」といったマーベル社からの抗議があったといい、その影響で海外版では憲磨呂は使用出来なくなっている((開発スタッフの1人である秋友克也氏も「日本では有名な芸能人とのコラボであることと日本限定という条件で許してもらった」と述懐している。))。 ---X-MENの豪鬼が隠しキャラクター、MSHのアニタが通常の稼動では絶対に登場しない悪ノリキャラであったことと比べ、憲磨呂はデフォルトキャラクターである上にその存在自体がメディア経由で表に出すぎていたために大きく注目を浴びていたのもまずかった。マーベル社の信頼関係を公然と裏切るようなカプコンの姿勢は非難されて然るべきと言える。 --また、いくら人気芸人と言えど、『日本の芸人をモチーフにしたキャラ』を『アメリカの人気コミックキャラが集まった作品』に出してしまったのも不味い。~ 例えば、逆に''『日本のアニメをモチーフにしたゲームをアメリカで出した際に、アメリカの芸人をモチーフにしたキャラが勝手に追加されたら…』''と想像すれば、いかに場違いであるか、存在が問題となるかが分かるだろう。同じ無許可で出すにしても、元がゲームキャラクターやオリジナルキャラクターなら、まだマシだったかもしれない。 ---番組に出演していたカプコンの開発本部長(当時)である岡本吉起氏もこの企画には否定的だったと言う。後にゲーメスト誌で本音と裏事情を(かなり検閲が加えられた上で)吐露している。 --上記のことから、海外版ではキャラクターセレクト画面で本来憲磨呂がいるはずの枠はタイトルロゴになって選択不能になっている。 ---ただし海外版でも内部データには憲磨呂の一通りの未使用データが残されているようで、勝利デモの台詞などは勿論のこと、「ウルトラバラエティプライベートメモリーズ」後の決めポーズと一緒に出て来る「だから言っただろー!」が「I WARNED YOU!」となっていたり、挑発ボイスの「サインくれよ!」が「Sign please!」に変更されている。抗議がなければ使えるようにするつもりだったのかも知れない。 ---また、海外版では登場しないものの、その存在自体は「諸事情により消されたキャラ」として海外でも知られている。 --なぜ本作に登場したかというと、「一番早く完成したストリートファイターシリーズに登場させる」という契約だったため。同時期に開発されていた『ストリートファイターIII』に登場する可能性もあったという((スタッフは本作、前々作は『ストリートファイター』シリーズとは認識していなかった事がサウンドトラックのライナーノーツにて語られている。))。 ---とはいえ、いくらストリートファイターシリーズが絡んでいるとはいえ、他社版権キャラクターとの競演が前提となっているゲームに出すこと自体が問題なのは明らかで、あまつさえ無許可で出してまったカプコンのその行動はやはり問題であったと言わざるを得ないだろう。 //括弧内の台詞は実際に参考にした文献とは異なっています。発言意図は捻じ曲げてないはず -開発段階では相手にカンチョーを見舞う「''おかんちょうサービス''」なる技もあったが製品版ではカットされた。 --生ダラの中でその技を仕掛けている場面が放映されていた。この技が採用されていたら余計にマーベル側を怒らせていた可能性もあるが、没になったことを惜しむ声もあった。 ---ちなみに、ゲーム内の音声収録の際、木梨本人が春日野さくら役の笹本優子に対して「おかんちょうサービスを受けている時の声は、肛門に強い刺激が来たときの声を出してほしい」と発言して赤面させたらしい。~ こんな内容の技でありながら、技名の命名者は&bold(){なんと笹本本人}である。 -ちなみに、憲磨呂やその前身の「けんぢ」のデザインは開発チーム内でも酷評されていたが、当時カプコンのデザインチームのリーダーだったあきまんこと安田朗氏は「キャラデザの理に適っている」「自分には無い発想で面白い」と好評価を与えたという。 --ディレクターの富田氏も、キャラクターデザインの多様性を学べたり子供達に好かれるキャラになって、憲磨呂のキャラは気に入っているとの事。 -本作以降は実質無かったことにされている --歴代の『VS.』シリーズに登場したアーケード版におけるほぼ全プレイアブルキャラクターが登場した『MARVEL VS. CAPCOM 2』において憲磨呂とアニタ、他一部コンパチキャラクターが登場していない。 ---アニタは元々バランス無視のお遊びキャラクターであり、コンパチキャラクターは元のキャラクターは出ている。そのため結果的に憲磨呂のみ徹底的にハブられている様に見えてしまった。因みにそれ以外はアーケード版ではCOM専用だったアポカリプス・メカ豪鬼・オンスロートが登場していない。 --ただ、憲磨呂が出られないのは著作権の問題も絡んでいるため仕方ないのも事実。 ---実際、''日本テレビ・カプコン・アライバル(とんねるずの所属事務所)の3者が合同で著作権を保有している''ため、3者全ての許可なくしては使えないのである。 -2021年5月に元カプコンの岡本吉起氏が自身のYouTubeチャンネルにて憲磨呂誕生の裏話を[[語っている。>https://www.youtube.com/watch?v=ED0WZTtcKIs]] ---- **余談 -稼動にあたっては『生ダラ』を見てゲームセンターに遊びに行く人に配慮した「1P台設置のお願い」と言う要望書がカプコン側から用意されたという。 --ゲーセン側としては「対戦の方がインカムが高い」、特に個人経営のゲームセンターは「1P台を設置する余裕もない」というのが実情であり、結局殆どのゲーセンが1P台設置をしなかったと言われている。 -このゲーム完成後に、木梨氏が「東京ドームを借り切って対戦大会をしよう!」とテレビで公言していた。 --その後具体的な音沙汰がなかったため、問い合わせてみた人によると「木梨さんなどの芸能人が参加するので小さい会場で抽選で対戦する予定です」。 ---…だがしかし、とうとう対戦大会の要項が出ずになし崩しに中止になってしまった模様。 -没データの中に憲磨呂が「カプコンキャラでエロ妄想をして鼻血を噴き出して攻撃する技」が収録されている。また「KOした女性キャラのスカートの中を覗くようなしぐさをする勝利ポーズ」がある。 --かなり作り込まれたグラフィックなので使われなかったのは少々勿体ないが、採用された場合マーベルだけでなく日本のファンも敵に回す可能性もあったので致し方なしだろう。人によっては不快に思われるかもしれないので詮索は自己責任で。 -メカザンギエフのハイパーコンボ「シベリアンブリザード」は''ダブルラリアットで真上に上昇する''という極めてシュールなもの。 --回転コマンドとしては珍しく打撃技。 --一部では「これが本当の''ザンギュラのスーパーウリアッ上''ではないか?」と言われている。 --『[[スーパーストリートファイターIV>ストリートファイターIV]]』にて同名のウルトラコンボが登場した。技の内容は異なる。 -本作のMARVEL側の隠しキャラはほとんど元のキャラクターと性能が変わらず、特にキャプテンアメリカとU.S.エージェントに至っては全く変わらないため、疑似同キャラタッグが組める。 --このことが当時のゲーム雑誌『ゲーメスト』の攻略記事で紹介された際、これを「''議事堂キャラ''」と誤植してしまったためネタにされることがある。 --また、この2人のヴァリアブルコンビネーションは、前衛がハイパースターズ&ストライプス、後衛がハイパーチャージングスターと技の内容が変わる珍しいもの((元々のキャプテンアメリカが前衛・後衛で出す技が変わる仕様のため。))なのだが、どちらも前後に割り当てられた技名が「STAR」のため、この技でフィニッシュすると画面に「''STAR STAR''」というシュールな技名が表示されることで当時話題になった。 //基本情報表が分かれているので、PS版の情報のみ分割 ---- *MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER EX EDITION 【まーう゛るすーぱーひーろーず ばーさす すとりーとふぁいたー えっくすえでぃしょん】 |対応機種|プレイステーション|CENTER:&amazon(B00005OUKU)| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|バリューウェーブ|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|5,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |セーブデータ|1ブロック使用|~| |判定|なし|~| |ポイント|ラウンド取得時の次ラウンドでの体力調整&br;''無制限になったVカウンター''&br;SS版には無いトレーニングモードあり|~| ---- **概要(EX) セガサターンへの移植から4ヶ月後、プレイステーション向けにリリースされたアレンジ移植版。特徴は以下の通り。 ---- **変更点(EX) 以下は前作『X-MEN VS. STREET FIGHTER EX EDITION』(以下『XVS EX』)でも適用されていたもの。 -交代システムの削除。 --メモリ容量などのハードスペックによるものと思われ、それに伴い交代攻撃「ヴァリアブルアタック」が出来ない(後述の「クロスオーバー」モード時は除く)。 ---キャラクター自体は2人選ぶことになるが、2人目は完全にサポート専用となり、「ヴァリアブルアシスト」及び「ヴァリアブルコンビネーション」「ヴァリアブルカウンター」要員となる。 ---アーケード版のように試合直前のVS画面時のみ特殊操作でメインとサブを入れ替えること自体は可能。 -「''ハイパーキャンセル''」の導入 --必殺技をキャンセルしてハイパーコンボへ繋げたり、ハイパーコンボから別のハイパーコンボにキャンセルが出来る。 -「''リカバリーゲージシステム''」の導入 --交代システムの削除により、下がっている間の体力回復が出来なくなったため、ダメージを受けずにしばらく経過すると体力ゲージがヴァイタルソース分を上限に徐々に回復するようになった。 ---COM戦において、アーケード版では一人で戦うため、ヴァイタルソースが飾りとなっていたメカ豪鬼もこのシステムの恩恵にあやかれるようになったため、ある意味で難易度が更に上がったことになる。 以下は本作から導入されたもの。 -デフォルト2本先取の変則ラウンド制への変更 --1ラウンド終わった時点で負けた方はライフゲージが完全回復するが、勝った方はヴァイタルソース分のみ回復し、完全回復しない。 --前作『XVS EX』では普通のラウンド制だったが、今作からは完全回復しなくなったため、『[[ヴァンパイアセイヴァー]]』等に近くなった。 -「ヴァリアブルカウンター」がゲージ不要化 --前作『XVS』『XVS EX』や原作『MVS』ではゲージ1本を消費したガードキャンセル攻撃「ヴァリアブルカウンター」が、なんと今作『MVS EX』では''ゲージ消費無しで使い放題''になった。 ---チェーンコンボでの固めによるアンチシステムとしては『ジャスティス学園シリーズ』やSNKの『[[風雲スーパータッグバトル]]』等もガードキャンセル攻撃に条件を必要としないが、本作ではそもそもの仕様として『交代が出来ない→ヴァリアブルシステムに必要な控えキャラに体力の概念が無い』ため、出せる状態で出せばカウンターで出てきた控えキャラが迎撃されようとも全くリスクが無く、完全に出し得システムとなっている。開発側もその点を踏まえている様で、業務用やSS移植版では長い無敵時間が搭載されていたカウンター技も、ほぼ全て無敵時間が無くなっている。それでも強力無比な事には変わりなく、業務用と比較して本作以降の『VS.シリーズ・EXエディション』では、たった一つの通常技を出す事にも大きなプレッシャーを常に背負う・背負わせる事となった。特にサイクロップス、ダルシムといった広範囲攻撃のカウンター、ハルクやオメガレッドといった高速突進攻撃のカウンターがノーリスクでバンバン控えから飛んで来る光景は、本作での駆け引きを『空中に回避ゲー』から『地上で待ってカウンターゲー』へ、『メインで使うキャラよりも控えキャラのカウンター性能が重視される他力本願ゲー』へと著しく変貌させる事にもなってしまった。 --カウンターを行った控えキャラが画面内に残っている間は、エリアルレイブ終了後と同様にリミッターが掛かった状態となっている。この時は必殺技・HC・挑発等の通常技からキャンセル可能なシステムは出せないがエリアルレイヴには移行可能という絶妙なさじ加減となり、コンボが続いている間に控えキャラが退場すればリミッターも解除されるため、コンボ制度次第では火力を大きく伸ばす事も不可能ではない。 -「ハイパーキャンセル」がヴァリアブルコンビネーションに対応 --読んで字の如く。これにより、前作『XVS EX』から一部のキャラ以外では不可能となった「同技へのハイパーキャンセル(+控えキャラのコンビネーション対応ハイパーコンボ)」が全ゲージ消費というコストと引き換えに可能に。 ---元々EXエディションシリーズはオリジナルと比較してゲージ蓄積割合が非常に高く((一度の入力で多段ヒットする必殺技のゲージ蓄積割合が初段のみの業務用と違い、全段に搭載されている。これらはガードさせた際にも効力を発揮する。そのため、単純にヒット数が多ければ多いほどゲージ蓄積割合も多い。シュマゴラスのミスティックステアをガードさせた時などで顕著に差が現れる。))、気が付いたらゲージが最大まで溜まっていたという状況も多いため、予想以上に低リスクで実戦導入出来るレベルとなっている。 -特殊形式での2対2対戦システム「''クロスオーバー''」モードの正式実装 --ゲームモードの一つとして独立している。アーケード版同様のシステムを再現して2対2の交代ありで戦えるのだが、常に同キャラコンビかつメインキャラ違いのミラーマッチ(「リュウ&ケン vs. ケン&リュウ」のような形)の対戦になってしまう。 ---加えて、先述のPS版の要素はハイパーキャンセルなども含めて全て適用されない。 ---前作『XVS EX』では隠し操作で出現する対人戦専用の特殊なオマケモードだったが、本作では標準のモードとして搭載された。 --本作ではこちらを1人用モードとしても遊ぶことができ、この場合はCPU側のタッグが常にプレイヤー側と同じキャラクターのタッグとなり、操作するキャラクターが戦闘ごとに入れ替わっていく。 ---隠しキャラを含む全キャラを1周すると、最初に選んだキャラでメカ豪鬼との1vs1となる。 その他 -処理落ちがややある。分かりやすいのはメカ豪鬼のサンダー豪シャワー等。

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