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このページではアーケード版『怒』(判定なし)、ファミコン移植版(クソゲー/劣化ゲー)、MSX移植版(判定なし)を紹介する。
怒
【いかり】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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SNK
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稼動開始日
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1986年2月
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象) ※アーケードアーカイブスより付加
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判定
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なし
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配信
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アーケードアーカイブス 【Switch/PS4】2019年3月7日/823円(税込)
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怒シリーズ 怒 (FC) (MSX) / 怒号層圏 (FC) / 怒III (FC)
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概要
ラルフとクラークという2人の兵士が悪の組織に立ち向かうという筋書きの、SNKが世に放ったトップビューアクション。
いわゆる『戦場の狼』や『フロントライン』の二番煎じと言える作品だが、特徴的な入力装置を用いている。
特徴
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本作は2人プレイ可能なトップビューアクション。1Pがラルフを操作し、2Pがクラークを操作する。
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ゲームシステムとしてはひたすら画面上へ歩いて行き、ステージの最後にいるボスを倒せばよいというもの。
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操作は1ループレバーと2ボタン(ショット、手榴弾)。本作は同社のトップビューアクション『T.A.N.K.』の続編として位置付けられているので、前作同様にループレバーを採用している。
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ループレバーとはSNKが独自に開発した新しいタイプの入力装置で、レバーとダイヤルを融合させた変わり種なものとなっている。
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これによりレバーで8方向に歩きそれとは別にダイヤルで攻撃方向を変えられたので、「右に撃ちながら上に歩く」といった具合で、歩く方向と撃つ方向を別にして操作出来た。
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移動方向と攻撃方向が異なる点については『フロントライン』や『シェリフ』という前例があるが、双方のデバイスを一体化させていることと、ダイヤル操作は回転方向としての入力でありダイヤル自体の向きは無関係である点が異なる。
評価点
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ループレバーを用いた操作体系により、敵ごとに戦術を変えてうまく倒す点に独特の面白さが出た。
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手榴弾を投げた際の爆風に当たった建物や戦車は釣られて爆発するので、爆発の連鎖で沢山の敵を一斉に倒すのは爽快感がある。
問題点
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この当時のSNK作品のお約束として、難易度が高い。
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本作には「ランク」の概念があり、プレイヤーが倒した敵と経過時間に応じてアイテム・敵の出現する場所や数・タイミングをリアルタイムで変更しているのだが、出現させる量が極端すぎる。
総評
ループレバーによる操作は面白いが、難易度は高め。
本作と『T.A.N.K.』のヒットにより、以後もSNKは『ゲバラ』や『バミューダトライアングル』等ループレバーを採用した作品に力を入れるようになる。
移植
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PSP『SNKアーケードクラシックス ゼロ』
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本作発売から大分年月を過ぎた頃に発売された。同作を通じてようやく家庭用ハードでAC版『怒』がプレイできるようになった。
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ただし、二人同時プレイが行えず、ループレバーの操作性の再現に難があるため、完全な移植とは言い難い。
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アーケードアーカイブス(PS4/Switch)
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「左スティックで移動、右スティックで攻撃方向の変更(ボタンでの変更も可能)」という形で疑似的にループレバーの操作性を再現しているほか、後述の移植版のように移動方向に向きを変えるタイプへの変更も可能(こちらは固定ボタン押しっぱなしで方向固定)。また、二人同時プレイにも対応。
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Switch/PS4/One/Win『SNK 40th Anniversary Collection』
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AC版とFC版およびそれぞれの海外版を同時収録。アケアカ版と同様の操作でループレバーを再現。
余談
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本作は元々ランボーのゲーム化として企画されていた作品でもある。
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クラークのデザインはKOFの金髪にグラサンという容姿ではなく、単なるラルフの色違いだった。
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ちなみにラルフは前作『T.A.N.K.』でプレイヤー戦車のパイロットだった設定があるので、本作で生身のデビューを飾った。
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ラルフとクラークは、後に同社の格闘ゲーム『キング・オブ・ファイターズ』に本作の名を冠したチームとして登場し、常連チームのひとつとなった。
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更にその後は同社のアクションシューティングゲーム『メタルスラッグ』にも『6』より登場。その後はシリーズのレギュラーキャラクターと化して現在に至る。
怒 (FC)
【いかり】
ジャンル
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アクションシューティング
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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1.25MbitROMカートリッジ
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発売元
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ケイ・アミューズメントリース
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開発元
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マイクロニクス
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発売日
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1986年11月26日
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定価
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5,500円(税別)
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ポイント
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劣悪な操作性 理不尽過ぎる難易度 処理落ちがひどすぎる *いしのなかにいる* 長すぎるステージ このゲームそのものに「怒」
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概要(FC)
本作は業務用で人気を博したトップビューアクションシューティング『怒』(SNK)のファミコン移植版である…が、
開発元が劣化移植で悪名高いマイクロニクスの開発であったのが運の尽き…
システム(FC)
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十字ボタン+2ボタン(ショット、手榴弾)で操作。原作通り、機銃、手榴弾共に弾数制限がある。
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道中に置いてあったり、建物を破壊すると出現するアイテムを取るとプレイヤーがパワーアップする。
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道中に置いてある戦車に乗ると、敵の機銃では一切ダメージを受けなくなるが、爆発攻撃を受けたり、燃料切れになるとその戦車は爆発してしまうので、爆発に巻き込まれる前に降りなければならない。
問題点(FC)
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業務用のプレイ感覚は全く再現されておらず、難易度も業務用に輪をかけて理不尽な高さになっている。正直、敵の出現位置、出現パターンを完全記憶して何とかまともに攻略出来るというレベルである。
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業務用のループレバーによる操作は再現されておらず、プレイヤーのショットはプレイヤーが向いている方向にしか撃てない。つまり、「後退、または左右に動きながら前方に撃つ」といったことは出来ない。
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主人公の動きは常時処理落ちしているかのように遅い。業務用も決して機敏とは言えなかったが、本作はとにかく遅い。その癖、敵兵士はやけにちょこまかと動いてこちらを狙い撃ちしてくる。
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戦車に乗れば敵の機銃攻撃は効かなくなるので楽にはなる。というより戦車は命綱に等しい。激戦区では戦車を失う=ゲームオーバーと言っても過言ではない。
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戦車は原作のループレバーのように砲塔の向きを変えられるが、その最中は移動ができない。
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川を渡る場面があるが、戦車は川には入れないので、乗り捨てていかざるを得ない。ただでさえ遅いプレイヤーの動きがさらに遅くなるので、突破は困難を極める。
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つまり、ループレバーを考慮した敵の攻撃や弾数制限と、原作でのプレイヤー側の縛りはそのままにもかかわらず、操作系が大幅劣化。これではまともにプレイできる訳がない。
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マイクロニクスのゲームにはよくある事だが、本作もまた処理落ちが非常に酷い。画面上にキャラクターが3人ほど出た時点でチラツキが起こる有様。
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何が処理落ちで何がもともとの仕様なのかもはや分からない。
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兵士の服が単色であるなど、グラフィックも非常にのっぺりとしている。BGMも単音で非常に寂しい。
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ステージもあり得ないくらいに長いので、このBGMを長時間聴き続けるハメになる。
評価点(FC)
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ゲームオーバー表示中に「A・B・B・A」とボタンを押すと、何度でもその場でゲームを再開できる裏技がある。
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と言っても、3面と4面のスクロールストップ画面では使えないので、この裏技があってもクリアできるかどうか怪しい。
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復活できるステージでも、復活する位置は画面に対して固定なので、復活位置と進入不可能な地形が被っているスクロール位置で死んだ場合、
復活しても進入不可能地形の中にリスポーンする
ためどうしようもなくなる。こうなったらもう大人しく死んでゲームオーバーになるしかない。
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タイトル画面で入力するとステージセレクトが可能になる裏技コードがある。
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ただしその裏技コードはタイトル画面で上,下,A,A,B,左,右,A,B,上,A,下,右,右,左,B,上,左,A,右,B,左,右,A,左,上,A,下,A,右,左,B,スタートというとんでもない仕様。入力する間にデモプレイが始まった場合また最初からやり直しになる。
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道中に置いてあるヘリコプターに乗れるという、本作独自の要素がある。
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ただし戦車と違い補給不可の上、燃料の減りも異様に激しいため、ほんの一時しのぎにしかならない。ある意味でKOF94・95でみられた「墜落したヘリ」の再現をしろとばかりの使えなさである。
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2人同時プレイが出来る。
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本作最大の評価点と言っても過言ではないのがこの点である。
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当時のFCソフトで2人同時プレイといえばスポーツゲームなどの対戦ゲームがほとんどであり、協力して同じ目的を目指すというゲーム性は(プラットフォームメーカーである任天堂を除けば)稀有な時代だった。
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特に、アーケードからの移植作では、スペックの低いFCでゲーム性を維持するために2人同時プレイをオミットされるゲームは少なくなかったが、本作では(品質を犠牲にしてと言えるかもしれないが…)これを優先したという点では英断だったかもしれない。
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先述の通り、客観的に言えば到底褒められた品質ではないが、当時遊んだ子供にとっては、先の無限コンティニューの仕様もあり、パーティゲームとして兄弟や友人と楽しんだことを印象的に記憶しているという声は珍しくない。
総評(FC)
本当にテストプレイしたのか、と疑いたくなるような操作性、難易度。
皮肉にも「怒」というタイトル自体がこのソフトに対するプレイヤーの感情そのものを表してると言えよう。
余談(FC)
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本作パッケージイラストを担当しているのは漫画家のたがみよしひさ氏。
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ミリタリーものの漫画を多数手がけてきた漫画家だけに格好よさは抜群なのだが、肝心のゲームの出来が悲しいことになっているだけに不憫。
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本作は長らくの間は家庭用ハードで手軽に遊べる初代『怒』という位置づけであったが、現在ではアーケード版の怒が家庭用ハードでプレー出来る環境が増えつつあることから、本作の存在意義も失われる事になった。
移植(FC)
怒 (MSX)
【いかり】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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MSX2
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発売・開発元
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SNK
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発売日
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1987年
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定価
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6,800円
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判定
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なし
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ポイント
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SNK唯一のMSXソフト
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概要(MSX)
FC版発売の翌年にリリースされたMSX版。AC版の移植というよりは、FC版の再調整版とでもいうべき作りになっている。
『怒』のFC版は劣化では済まないクソゲーと化してしまったため、本作は「アクションゲームに向いているファミコンですら『怒』はクソゲーになったのだから、アクションに向かないMSX2ではもはやゲームにならないだろう」と、当初から期待されていなかったが、意外な出来の良さに驚かれた。
特徴(MSX)
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操作はFC版と同じく、十字ボタンで移動、攻撃はショットと手榴弾。ジョイスティックを2つ用意すれば、2人でプレイできる。
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やられた敵は死体として残る。本作だけの演出。おかげでプレイヤーが通った後には死体が散乱という事に。
評価点(MSX)
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操作系はFC版と同じものの、ゲームとしては本作の方が断然出来が良くなっている。
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グラフィックの再現度もFC版に比べ原作にずっと近い。
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画面がなめらかにスクロールしたり、キャラクターがキビキビ動いたりと、FC版のカクカクしたアニメーションとは雲泥の差。
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MSX2はハードウェア横スクロール機能を持ってないため、一般的にアクションゲームに不向きとされている。しかしなぜかハードウェア縦スクロール機能だけはあり、スプライト機能等もFCより上だったのが幸いし、FC版よりも見栄えがよくなっている。
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正反対の方向に歩いても振り向く操作ラグがなくなり、FCの『ゲバラ』のような機敏な立ち回りができるようになった。
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これはFC版に存在していた中間アニメの影響によるものとされる。
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難易度が低く怒シリーズ屈指のヌルゲーとなった。FC版との違いは様々な点に見られる。
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機敏な操作ができるようになった。
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敵が主人公をちょこまか狙い撃ちするといったAC版に近い動きが大きく緩和…と言うか単調化。
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弾数制限がなくなった。
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主人公が死ぬとその瞬間「ワーッ!」という叫び声と共に、
画面内の敵が全滅する。
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似た仕様は他のゲームにもちょくちょくあるが、本作ほどシュールなのはそうそうない。
問題点(MSX)
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遊べるとは言っても、やはりFC版の流れを汲む作りであるため、AC版のゲーム性を再現できていない。
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乗り物のグラフィックは単色な上、FC版以上に雑。
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敵の動きも後ろにプレイヤーがいるのにもかかわらず正面を撃ち続ける、足を止めて撃ち続ける、無防備にプレイヤーの前を横切るなど、殺しにかからない分かなり雑になっていたりする。
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BGMの再現も不十分。
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FC版ではポーズがかけられたが、本作ではできない。
総評(MSX)
前述の通り、本作はFC版を再調整したかのような作りとなっており、操作性を向上させ敵の難易度を見合ったものに下げたため、バランスのよいものとなった。
縦スクロールのゲームであるため、MSX2のハード的弱点も回避できており、総合的に見て悪くない出来のゲームになった。原作とは違うゲーム性になってはいるが、十分遊べると言っていいだろう。
ただし、純粋に移植ものとしてみれば、FC版がベースである以上、必然的に満足いくものとは言えない。
AC版とは別物でベースとなったファミコン版よりは大いにマシ、といったところに評価は落ち着くだろう。
余談(MSX)
SNKは『アテナ』もMSX2に移植する予定であったが、発売中止となっている。
本作の出来が良かっただけに残念である。尤も『アテナ』は横スクロールアクションなのでMSX2には厳しかったのかもしれない。
最終更新:1970年01月01日 09:00