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卒業II ~Neo Generation~

【そつぎょうつー ねおじぇねれーしょん】

ジャンル 育成シミュレーション
対応機種 PC-9800シリーズ
PCエンジン スーパーCD-ROM2
PC-FX
プレイステーション
セガサターン
3DO
Windows 95
発売元 【PC98】ジャパンホームビデオ
【PCE/FX/SS/PS】リバーヒルソフト
【3DO】北部通信工業
【Win】ゲームバンク
発売日 【PC98】1994年5月27
【PCE/FX】1994年12月23日
【SS】1995年8月11日
【PS】1995年10月27日
【3DO】1995年11月22日
【Win】1996年3月
定価 【PCE/FX】8,800円
【SS】6,800円
【PS】5,800円
【3DO】7,800円
レーティング 【PC98】18禁→EOCS:R (15才未満販売禁止)
【PCE/FX/PS】全年齢対象
【SS】セガ:18歳以上推奨
【3DO】16歳未満不適
周辺機器 【PCE】ACカード対応
備考 タイトル違い
【FX】『卒業II FX』
【3DO】『卒業II ~Neo Generation~ SPECIAL』
判定 良作
ポイント 前作と共にギャルゲーを語る上で外せない歴史的作品
卒業シリーズ


概要

  • 初版はPC-9800シリーズで発売されたのちに様々なコンシューマー機に移植された作品であり、2年前に発売された前作と同様に32bitゲーム機黎明期における代表的なギャルゲーとして有名な作品である。
  • 本作は『チームイノセント』『バトルヒート』と共に、PC-FXのローチンタイトルとして発売された。ちなみにPC-FXの全62作品のソフトのうち、NECHEが販売したのは本作を含む52作品であり、PC-FXソフトのNEC無双の第一弾が本作ということになる。
  • 前作に引き続き、プロデューサーは窪田正義が務めており、キャラクターデザインは こばやしひよこが担当している。
  • 本作のオープニングソングは前作のオープニングソング「卒業攻略法」と全く同じ音調のものであるが、歌詞は本作仕様に変更されている。曲名も「卒業II攻略法」と命名されており、全く別の曲として扱われている。

ゲームの流れ

  • 前作と同様、教師である主人公が名門・清華女子高等学校の3年B組に結集した5人のそれぞれに個性的な問題児を指導し、生徒たちを無事に卒業させるとともに一流大学合格を目指すという内容。その他の基本システムも前作のシステムを踏襲しつつも、多少の追加要素がある。
    • 卒業I』と『卒業II』の生徒が同時に登場する内容の物もある。その場合『卒業I』の生徒が優先的に3年生として登場するため『卒業II』の生徒は2年生として登場し、所属クラスは「2年B組」という設定となる。

登場人物

生徒たちの苗字はハナ肇・植木等を除いたハナ肇とクレイジーキャッツのメンバーから来ている。
プレイヤーである主人公と、プレイヤーのアドバイス役として機能する校長(六月十三 : 声-岸野幸正)以外を紹介する。
なお、添付する画像はPCE版である。

+ 石橋 美佐子
石橋 美佐子
いしばし みさこ
声 - 南場千絵子
身長161cm B 81 / W 56 / H 82
生徒会長。品行方正・成績優秀だが目上の者に対しては腰が低い反面、協調性に乏しいところがあり生徒同士では融通を利かせないため「堅物」扱いされている。
キャラクターデザイン当初の姓は植木だったが、石橋姓のキャラクター(石橋澪)がボツになったため植木から石橋に変更された。


+ 犬塚 さおり
犬塚 さおり
いぬづか さおり
声 - 萩森じゅん子
身長163cm B 84 / W 57 / H 84
大阪生まれで常にサイコロを持ち歩く生粋のギャンブラー気質。その一方で、家事が不得手な母親(父とは離婚し別居)に代わって炊事・洗濯を1人でこなす家庭的な面も併せ持っている。


+ シンディ桜井
シンディ桜井
シンディ さくらい
声 - 浦和めぐみ
身長169cm B 90 / W 59 / H 89
日系ブラジル人3世の帰国子女。その為か日本語は非常に怪しいが、前向き思考で行動力旺盛。しかし、規律に対する考え方が非常にルーズでハメを外すことが多い。


+ 谷 由利佳
谷 由利佳
たに ゆりか''
声 - 鈴木砂織
身長156cm B 79 / W 55 / H 81
常にハイテンションで周囲を振り回すトラブルメーカー。記憶力がネックで学力がなかなか伸びないが、運動神経は良い。家はフランス料理店で、生まれたばかりの妹・絵利佳(えりか)がいる。
キャラクターデザイン当初は運動神経が良い安田舞香(安田舞奈の双子の姉)と小柄で泣き虫の谷絵利佳がいたが、諸事情により生徒の数を減らすことになったため安田舞香と谷絵利佳の二人の特徴を取り入れたキャラクターとして谷由利佳が作られ、絵利佳の名は「生まれたばかりの由利香の妹」の名前として残った。
志村まみの後継キャラ。


+ 安田 舞奈
安田 舞奈
やすだ まいな
声 - 中島千里
身長164cm B 85 / W 56 / H 84
芸術家の両親を持ち、空想癖の傾向が強い箱入り娘。おっとりした外見からは想像も付かないが、趣味はコンピュータとオカルトで一般常識に欠けた所がある。




評価点

  • ユーザーインターフェイスの向上
    • 例えば一週間の生徒達の受講科目を選択するときは、選択画面の下にパラメータが表示される。どの予定をどこに入れると学力等がどう変化するのかが数字でわかりやすく表示されるため、生徒達の予定を設定する上で非常にありがたい。
    • 本作でシリーズ初登場の登場人物である、校長が追加されたのもユーザーインターフェイスの向上に一役かっている。しかしプレイヤーのアドバイス役としての存在なので、EDに近づくにつれて次第に校長の言葉も邪魔に感じ、スキップするようになる。しかも校長との遭遇のエンカウント率が高い。ちなみに校長もフルボイス。
    • 前作より細かな予定を設定できるようになり、やれることも多くなった。それに伴って操作が複雑化するのが通例なのだが、本作ではユーザーインターフェイスの向上のおかげが、前作より操作が複雑になったとは思うどころか、より操作性が良くなったと思えるような設計になっている。
      • プラットフォームによって、設定出来る細かさは異なる。
  • 隠しパラメータ
    • 数字には表示されない"隠しパラメータ"なるものも存在し、攻略する上で大変重要になってくるため、この隠しパラメータも気にしつつ生徒達を育てなければならない。したがって、周回プレイにて同じキャラを同じパラメータにしても全く違う行動をすることもあり、キャラの人間らしさがより際立っている。
    • また、この"隠しパラメータによる行動の違い"は主人公の過去の行動を振り返ると容易に想像がつくため、隠しパラメータが攻略の邪魔になることはなく、それどころか単調になりがちな周回プレイにおいてプレイヤーの良い刺激となり、作業感を感じにくくしてくれる。
  • 前作からの変更点
    • 席替えができるようになった。
      仲が良すぎる子を隣にしておくと、パラメータが伸びなかったり、後ろの席にすると集中しなかったりと色々影響がある。勉強してもパラメータが上がらない場合は席替えしてみると解消されたりする。
    • 主人公に対する「好意」と「敬意」が区別され「尊敬されど愛されず」という状態が発生し得る。
  • オープニングは現在のようなアニメ取り込みではなくすべて手描き。手描きアニメとしてはかなりの作業量で当時はよく動くと話題にもなった。

問題点

  • 生徒達が平均的に
    • 前作では、語学が絶望的に低い生徒がいたり、学力や品位がかなり低いヤンキーがいたりと、個性がかなり豊かであった。故に先生であるプレイヤーからしても矯正のしがいがある問題児が揃っていたのだが、前作と比べて本作の生徒達はそれほど個性が強くない(前作が強すぎたというだけかもしれないが)。
  • 前作と同じく、おまけ要素がない。
    • 一方で、前作はサウンドテストがないため、生徒の歌を聴きたければ休日に低確率で起こるカラオケイベントを見るしかないが、本作では日本コロムビア発売のCD『ドラマコレクション 卒業II ~Neo Generation~』が1995年10月21日に発売されたので、聴きたい時に好きなだけ歌が聴ける。
  • 機種によってイベント数やパラメータ設定が異なり、特にPC-FX版はパラメータ調整において難易度が高い。

総評

初版がPC98で発売され、その後は複数のプラットフォームに移植されて人気を博した、ギャルゲーの歴史を語る上で外せない歴史的作品。一方でレーティングの歴史を語る上でも沙織事件と共によく挙げられる。
前作からシステム面で大きく進化しており、ユーザーインターフェイスの向上により、大変プレイしやすい。
しかしシナリオ面は前作の二番煎じという感触が強く、とてもではないが革新的とは言い難い。


余談

  • PC98版が発売されたその日、ギャルゲー史に残る名作『ときめきメモリアル』も産声を上げていた。
    それは「卒業」シリーズから「ときめきメモリアル」へと、ギャルゲーのメインストリームが変遷した瞬間でもあった。

18禁指定問題

  • 卒業II』は不良化した生徒の喫煙シーンや水商売のバイトなどが原因で、ゲーム史上初の「性的表現以外の理由で18禁指定を受けた作品」となった。
    • メーカー側のジャパンホームビデオはこれに反発、妥協案としてソフ倫が提示したものが15歳以下購入禁止の「R指定」である。つまり、「R指定」は『卒業II』がきっかけで制定された。
+ 詳細
  • PC98版の発売元であるジャパンホームビデオ(JHV)は、アダルトゲーム主に取り扱う「コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫/EOCS)」へ1993年に加盟したが、それに伴う倫理審査で本作は、パラメータの低下で非行化した生徒が行う「未成年者の飲酒・喫煙」の表現を理由に18歳未満販売禁止指定となった。性表現以外の理由を主として18歳未満販売禁止指定が下されたのは本作が初めてであったが、JHVはこの指定に反発してソフ倫脱退を決意。しかし、ソフ倫側は審査を通さないアダルトソフトは流通させないよう流通業者に通達しており、また青少年保護育成条例が施行されている46都道府県のうち21府県でゲームの販売規制を行う際の指定審査団体としてソフ倫を指定していることから、全国的に見てもアダルトゲームの発売において、ソフ倫または日本コンテンツ審査センター(旧・映像倫理機構)などによる審査が事実上必須となっているため、最終的にこれを断念せざるを得なかった。後にソフ倫側は妥協案として将来的な「R指定(15歳未満販売禁止)」の新設を提示。これに伴い、本作は18禁指定で発売された1ヶ月後の6月27日にR指定へ緩和された。
    • また、「EOCS:R」は2011年9月30日までに審査申請された作品を以て廃止された。しかし、廃止以前にR指定の下に設定されている「一般ソフト作品」(12才以上推奨)を二種に細分化し、15才以上推奨の区分を設けることにより、事実上はレーティングシステムの年齢設定には変更はない。
  • もっとも、この18禁指定に対しては「文脈上、非行防止の観点から描かれているのは明白であるにもかかわらず、杓子定規的に一場面のみを取り上げる形での18禁指定は問題ではないか」との批判が多かった。実際に、指定以前に誌面で扱っていたということもあるが、原則的には18禁ゲームの積極的な掲載をしていなかったマイコンBASICマガジンも、本作の紹介記事を載せている。これに対し、家庭用では最後発の3DO版が「16歳未満不適」であるのを除き全機種とも特に対象年齢の指定は行われていない。
    • ただし、PS版は問題となったイベントの多くが別のイベントに差し替えられている。


+ タグ編集
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最終更新:1970年01月01日 09:00