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井出洋介名人の実戦麻雀

【いでようすけめいじんのじっせんまーじゃん】

ジャンル テーブル/麻雀
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1MbitROM+64KRAMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1987年9月24日
定価 6,500円(税別)
プレイ人数 1人
周辺機器 専用コントローラー付属
※付属専用コントローラー以外でのプレイ不可
判定 なし
ポイント 豊富なゲームモード
対局は2人打ちのみ
地味なゲーム性にインパクトの強い専用コントローラー


概要

プロ雀士、井出洋介氏の全面協力を受けてカプコンから発売された麻雀ゲーム。
コンピューターとの対局はもちろんのこと、麻雀に関する知識を実戦に近いクイズ形式で学べるモードもあり、最低限のルールを知っている程度の初心者からベテランまで楽しめることを売りにしている。

本作には専用のコントローラーが同梱されており、ゲームセンターの麻雀ゲームにそれなりに近い感覚でのプレイを楽しめる。


基本ルール

  • トイメン勝負(2人打ち)
    • ただし、お互いにチーをすることが出来るようになっている。
      • また、点数の授受は4人麻雀の形に準じたものとなっており、ロンアガリの場合は通常通りに振り込んだ者が満額支払うことになるが、ツモアガリの場合は状況によって支払う点数が変わってくる*1ので、その具体例を下に挙げる。

自分が満貫のツモアガリをした場合
 自分が親:子から4000点ずつ貰える。そのため、コンピューターの支払いは4000点となる。
 自分が子:親から4000点、子から2000点ずつ貰える。そのためコンピューターは親の時は4000点、子の時は2000点の支払いとなる。

相手が満貫のツモアガリをした場合
 自分が親:4000点支払う。
 自分が子:アガったのが親の場合は4000点、子の場合は2000点の支払い。そのためコンピューターが親の場合は4000点、子の場合は2000点の支払い。

  • 25000点持ち
  • 1飜縛り
  • フリテン、形式テンパイあり
    • ただし、フリテンはツモアガリでしかアガれない
  • 喰い変えあり
  • 喰い平和の出アガリは30符で計算
  • 七対子は25符ベース2飜計算
  • 30符6飜は満貫に繰り上げずに正確に計算
  • 積み場表示は8本場まで
  • 場ゾロ2飜
  • リーチ宣言牌でアガった場合、リーチ棒も含まれる

モード紹介

実戦麻雀

コンピューターとの対局。
対局前にルールの変更が出来るほか、一部のローカルルールやマイナールールを認めるかどうかなども設定出来る。
このモードに限り、配牌が悪い時に1度だけ配り直す事が出来る「キャンセル」や手牌の中のドラ牌の上のアルファベットが点滅してドラを教えてくれる「ドラフラッシュ」、1局終了するごとに女の子が応援してくれる「ガールフレンド」の機能がある。
またBGMも様々なジャンルのBGMが用意されている。

名人リーグ戦

並み居る強豪雀士を打ち倒して名人の称号を目指すモード。
Bリーグ、Aリーグと勝ち上がると決勝戦で井出氏と対局出来る。
各リーグは自分と3人の雀士の総当たり戦で勝率がトップであれば勝ち上がることが出来る。
ただし、2勝1敗で並んだ場合は、プレーオフとして対象の1名と対局することになる。

このモードでは名人戦・最高位戦といった競技麻雀のルールを採用している。
下にこのモードのルールをまとめる。

  • 30000点持ち
  • 喰いタンヤオあり
  • カンドラ・裏ドラ・カン裏なし
  • 一発なし
  • フリテンリーチあり
  • 2飜縛りなし
  • ツモ平和あり
  • ABリーグ戦はノーテン親流れ、ノーテン罰符ありの東風戦。
  • 決勝はアガリのみ連荘、ノーテン罰符なしの東風戦3回戦。先に2勝した方の勝利。

実戦問題

実戦で役立つ問題が275問収録されている。
このモードは名人リーグ戦のルールに基づいて行われる。

必勝の一打(200問)

画面上の条件を踏まえ、もっとも不要と思われる牌を実際に切ることで回答する。
回答後に井出氏の監修による解説が表示される。

これでバッチリ多メンチャン(25問)

画面上に既にテンパイになった状態の手牌が表示されるので、待ち牌を全て選ぶ。
完全一致で正解となり、過不足があると不正解となる。
回答後に正解の待ち牌が表示される。

究極の点数計算問題(50問)

画面上には既にアガった状態の手牌が表示される。
画面に表示されている条件を踏まえて、そのアガリが何点になるのかを3択の中から選ぶ。
回答後に実際の点数計算の流れが細かく解説される。


評価点

初心者にも優しい作り

  • 実戦問題はそのモード名に違わず、実際に麻雀を打つ上で役に立つ問題が多く、解説も細かにされることもあってプレイしていくうちに自然と覚えていけるようになっている。
    • 麻雀の最低限のルールが解っていることが前提で、そこからステップアップしていけるようなつくりであるため、全く麻雀を知らない人がこのゲームで1からやっていくには流石に厳しいモノがあるが、ここまで丁寧なモードがあるのは評価出来るだろう。
      • 初めて麻雀に触れるという方には、本作よりは用語やルールを1から教えてくれる『ファミリーマージャン』(ナムコ)などの方がお薦め出来る。
  • 本作ではチョンボを取られることはなく、ノーテンリーチをしようとするとリーチまでは出来るが、牌を捨てた時点でリーチ棒が戻され、リーチをせずに牌を捨てたものとして局が継続される*2
    • また、役なしでアガろうとすると「ヤクナシ(役なし)」と表示されてアガる事が出来ず、合わせてSEでもアガれない事が解るように警告音が鳴る。

程良いゲームバランス

  • コンピューター麻雀にありがちな「異常なほどいい手でアガれまくる」「コンピューターが異常に強くてまともな対局が出来ない」といったようなことはあまり見られない。
    • ここはタイトルで「実戦麻雀」を謳っているだけあって丁寧に調節したものと思われる。
      • ただし、名人リーグ戦モードの決勝戦で戦う井出氏はイカサマじみた名人の位に違わぬ強さを見せる。

付属コントローラー

  • 慣れるまでは流石に少々やりづらさを覚えるが、慣れると非常にプレイしやすくなっている。
    • ただ、それだけに事実上、本作と続編専用になってしまっている点は惜しまれる。

やたらと種類が豊富なBGM

  • 演歌、クラシック、中国の音楽、ラテン音楽、邦楽、琴の調べ、ムード音楽、それぞれのメドレー(局ごとにランダム)が用意されている。
    • 名人リーグ戦ではムード音楽固定になるので、実戦麻雀でしか他のBGMは聞けないが、それぞれの曲がしっかりとそのジャンルにあった個性を放っており、また、麻雀の対局中にかかって耳障りに感じない良質な曲になっている。
      • 因みに、BGMはいらないという人のためにちゃんと無音にも出来るのでご安心を。

問題点

タイトル故の不満点

  • 「実戦麻雀」を謳っているゲームなので、やはり4人対局が出来て欲しかったという意見は少なくない。
    • 点数授受や親の流れ*3など、擬似的に4人対局の体を取り入れてはいるが、やはり2人打ちでは「実戦?」となってしまうのも無理もない所か。
  • また、ゲーム開始時は必ずプレイヤーが起家になってしまう点も指摘される。
    • 実際にはサイコロを振って起家を決めるので、その辺を再現して欲しかったという意見もある。

ゲームテンポが悪い

  • 牌を配ったり、アガった後の点数授受など丁寧なのは良いのだが、逆にそれのせいでゲームテンポが悪くなっていると指摘する意見がある。
    • 特にアガった後は役が表示された後で一旦画面が戻ってプレイヤーの点数変動、コンピューターの点数変動、積み場清算、リーチ棒清算の段階を踏むため、どうしても気になってきてしまう。
      • 流局も同様にプレイヤーの結果を表示したあとで点数変動、その後コンピューターの結果を表示してこれまた点数変動と段階を踏む。

バグ?

  • ガールフレンドをありにしてプレイを続けていると、時折プレイヤーがアガったのに馬鹿にしたような発言をすることがある。
    • 一部の人にとってはたまらないかも知れないが、こちらが満貫などでアガってるのに「あなたバカよねー♪」なんて言われては、流石に不快感を覚えるだろう。
      • あくまで応援してくれるはずなのだが…あるいは、これは今で言う「ツンデレ」というものなのだろうか…?

付属コントローラー以外のプレイ不可

  • 確かに出来は良いのだが、付属コントローラー以外では一切操作を受け付けないため、コントローラーが万一壊れてしまうとゲーム自体がプレイ出来なくなってしまう。
    • それを考えるとやはり最低でも本体付属のコントローラーでのプレイもサポートして欲しかった所である。

総評

実戦問題モードによって麻雀初心者の人も様々な知識を学べるようになっているなど、親切な作りは評価出来る。
また、コンピューター麻雀にあってそこまで出鱈目な展開になりにくいと言うこともまたタイトルに違わぬ点であろう。

だが、細かい所に目をやるとどうしても粗が気になってしまう作りになっている所も否定出来ない。
加えて、出鱈目な展開になりにくかったり等の要素は裏を返すと地味さに直結してしまう点であり、地味ながらも頑張っている作品なのだが、ゲーム自体がネタになりにくい点も含めて、同梱のコントローラーだけが印象に残ってしまいがちな所も否めない。

今から敢えてプレイする価値があるかと言われると流石に苦しいが、機会があればプレイしても損はしないであろうタイトルである。
ただし、繰り返しになるが、あくまでルールなど、麻雀の最低限の知識を持っていることは前提条件になってしまうので、そこは悪しからず。


余談

本作取扱説明書について

本作の取扱説明書は、ゲーム中の操作などよりも麻雀における役や対局中の心構え(格言)、本作に収録されていないローカルルールなどの解説が非常に事細かに成されている*4
また、点数の早見表など、ゲームだけに留まらず、実際に麻雀をプレイする上でも参考になる情報も少なくない。
初心者の方は実戦問題を解くだけではなく、この説明書も熟読すると良いかも知れない。
ただ、「取説ってなんだっけ…?」という疑問がどうしても浮いてきてしまうのは仕方ない所だろうか。

外部出演について

アーケード版「クイズカプコンワールド」では、何故か井出氏が「いで洋介」の名前でステージボスとして登場している。
流石に問題があったのか、契約期間が過ぎたのか、移植版では別のカプコンキャラに差し替えられた。

また、直接本作との繋がりはないが、麻雀繋がりとして「セガNET麻雀MJ Arcade」「セガNET麻雀 MJ(アプリ版、PC版)」では解説ボイス設定で井出氏の声が選択可能になっている。

コピー商品?

「TV麻雀ゲーム」(通販向け)や「麻雀激闘伝説」(プライズ向け)という名称で、テレビと直結してプレイするコントローラー一体型の麻雀ゲームが流通している。
プレイ画面のレイアウトが本作と酷似しているほか、「キャンセル」「ドラフラッシュ」「ガールフレンド」といった機能が搭載されており、ソフト部分は本作のコピーではないかと目されている。参考1参考2参考3


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最終更新:1970年01月01日 09:00