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三國志IV

【さんごくしふぉー】

ジャンル 歴史シミュレーション

対応機種 PC-9801、FM-TOWNS、Macintosh、
Windows、スーパーファミコン、3DO、
セガサターン、メガドライブスーパー32X、
プレイステーション
発売・開発元 光栄
発売日 【PC98】1994年2月26日
【FMT】1994年6月2日
【SFC】1994年12月9日
【3DO】1995年3月28日
【SS】1995年4月28日
【32X】1995年7月28日
【PS】1995年9月29日
定価 【PC88/Mac/SFC/3DO/SS/32X】14,800円
【PS】10,800円(各税別)
判定 良作
ポイント 初期シリーズの完成形
妖術師諸葛亮
シリーズ初のパワーアップキット実装
三國志シリーズ


概要

『三國志』シリーズの4作目。
それまでのシリーズと同様に三国志の群雄の一人になって中国全土の統一を目指すことが目標。
前作『三國志III』のシステムがベースとなっているが、様々な部分がプレイしやすいように改良されている。
また、各武将に「特殊能力」が付くようになり、個性が増した。


前作からの改良点

  • 内政は「開発」「治水」「商業」「技術」の4つの項目に分かれ、それぞれに内政資金と実行武将を設定することで
    毎月資金を消費しながら自動で行われるようになった。都市内にいる武将を選択することで発展の様子をコメントしてくれる。
    資金がなくなると働いてくれなくなるので、その場合は工面する必要がある。
    また、内政や訓練等に従事していても(効果は半減するが)他のコマンドを実行することが可能。
    2人まで同じ内政分野に取り組めるが、相性の近い者同士で組むと消費資金が少なくなるというメリットがある。反対に相性が遠い(悪い)と消費資金が増加する。
    また、マスクデータとして「内政経験値」があり、内政経験を長期間積んでいる武将は、能力値の少々高い新参武将よりも効率が良い。
  • 前作では身分に応じて実行できるコマンドが決められていたが本作では撤廃された。
    しかし、「諜報」や「外交」等は「特殊能力」を持つ武将でなければ実行できない。
    また、一般武将を太守にした際の強制委任も廃止された。
  • それまでのシリーズでは委任していなければ毎ターン必ず各都市に命令をする必要があった。
    • しかし、本作では自ターンであれば任意の都市を選択して好きなタイミングで命令することができるようになり、テンポが改善された。
      • 同様に戦争中の部隊への命令も任意の部隊から選べるようになり、移動範囲も一括して表示されるように改良されている。
  • 「捜索」「密偵」の範囲が地方単位となり、個々の都市をわざわざ選択する必要がなくなった。
  • 「新武将」のシステムが改良され、武将同士で親子関係を結べるようになった。
    • 前作の「新武将」は全能力がランダムで決まっていたのでアンバランスな能力になりがちだったが、
      今作ではこれまでの新君主と同様にボーナスポイントで任意の能力を増加させる方式になり、ある程度は好きに決められる。

本作のシステム

武将

  • 各武将には「特殊能力」が設定され、戦争で特定の計略が使えるようになる。「外交」が行える、「諜報」ができるといった個性付けがされるようになった。
    • これにより能力が多少劣っていても「特殊能力」があれば活躍できる可能性が産まれ、より個性が出てくるようになった。初期保有最大は諸葛亮の21個、最低は夏侯楙の0個
      • 特に在野武将や捕虜を登用するのには「人材」の能力が必須であり、「人材」持ちはそれほど多くないため、どんな武将でも重宝された。
    • 逆に言えばどんなに能力値が高くても、該当する「特殊能力」を所持していない武将は、「外交」や「情報」を行うことはできない。「偵察は手の空き気味な低能力武将の役目」という前作までの認識は改める必要がある。
    • マスクデータである「経験値」を貯めることで、「特殊能力を習得する」という成長も可能。
  • 前作のパラメーターである「陸指」と「水指」は「統率」にまとめられ、部隊の攻撃力に関わるようになった。得意とする兵科の特殊能力(「歩兵」「騎兵」「弓兵」「海戦」)があり、中でも「海戦」はそれなりに貴重な特殊能力であるため、それを多く持つ傾向がある呉の武将が海戦で有利なのは変わらない。
  • 武将同士の血縁関係や、字や異名といった要素もマスクデータとして実装された。これにより「一騎討ち」等で武将のセリフが細かく変わり、より個性的になった。

異民族

  • 本作で「異民族」の要素が追加された。マップ上にはおらず、「外交」で他国の都市の襲撃を「要請」する形で登場する。
    • 後のシリーズに比べるとそれほど強くはないが、撃退した際に「異民族」の武将を捕らえることがある。それまでのシリーズに登場していた南蛮の孟獲達は本作では「君主」ではなく「異民族」として登場している。
      • 異民族との戦いは自動で行われる。迎撃しなかった場合は都市を荒らされてしまい、内政値などが下がってしまう。
      • 異民族は辺境の都市を中心に襲うため、マップの端の都市でも安全とは言えなくなった。
      • 異民族は羌・山越・南蛮・烏丸の4種類が存在し、襲撃対象に入っていない都市は全都市のうちの3分の1程度に過ぎない。実に中国全土の約3分の2が異民族の脅威に晒されているのである。
      • PK版での追加シナリオでは孟獲や羌の徹里吉も君主として使用可能になっている。今作では建寧・雲南といった都市が削除されているため、孟獲が江州・永安を支配しているという珍しい場面を見ることができる。

戦争

  • 各部隊に「大将」の他に「副将」を最大2人つけることが可能。各武将の「統率力」が部隊の攻撃力に関わるため、
    多少能力が劣る武将でも、固めることで優秀な武将一人の部隊にも太刀打ちできるようになっている。
    また、「知力」の高い武将を「副将」に混ぜることで猪武者の補佐ができるようにもなった。
    • そのため、個人管理だった兵士は都市管理となり、出陣の際にそれぞれの部隊に割り当てる形となった
    • 計略などの「特殊能力」は部隊に所属する各武将が使用する。そのため、「副将」を多く連れることで様々な「特殊能力」を使用できる。
    • 「特殊能力」の使用は武将の体力を消費するので同じ「特殊能力」を持つ武将を固めると使用可能回数が増える。
      • …といいことづくめのように見えるが、部隊が壊滅すると武将が全員捕縛されるデメリットもあるのでその点も踏まえる必要がある。
  • 戦闘中の「計略」が増加。ただし実行には「特殊能力」が必要になるため、武将によってはまったく「計略」が使えない場合も…。
  • 前作で導入された「武器・兵器」の種類がさらに増えた。「弩」「強弩」「連弩」「衝車」「発石車」の5種類。
    • 「弩」「強弩」は商人からも買えるが、都市の「技術力」を上げた上で特殊能力「製造」を持つ武将に製造させることでしか、「連弩」「衝車」「発石車」は入手できない。
    • 技術20で「弩」、技術40で「強弩」、技術60で「連弩」、技術80で「衝車」、技術100で「発石車」を製造できるようになる。
      • 弩3種類は技術が上がると1ヶ月に作れる数も増える。
    • 強弩は弩の2倍、連弩は弩の3倍の威力がある。なお火矢でさらに通常の1.6倍の威力を出せる。
    • 更に弩部隊を特殊能力「弓兵」を所持した武将が率いると攻撃力+100%。
    • 「衝車」「発石車」は「攻城兵器」であり技術力をかなり高めてからさらに製造に17ヶ月もかかるが、攻城戦を有利にすることができる。
      • 「衝車」は城門を直接攻撃し、「発石車」は投石で敵部隊や城門を攻撃する。
  • 戦争で守備側が迎撃してきた場合は必ず「野戦」が挟まるようになった*1
    守備側が「野戦」で退却するか、迎撃せずに立て篭もった場合は「攻城戦」へ移行する。
    • 「野戦」では守備側の軍師が戦う前に罠を仕掛けることが可能。前作にも登場した「落とし穴」の他、火計をかけると一面が一気に燃え広がる「柴草」が追加された。
      これにより、敵部隊をおびき寄せてから火計で焼き払うといった「博望坡の戦い」のような戦い方が可能。
    • 「攻城戦」は城門前の戦いとなり、攻撃側は守備側を全滅させるか、城門を開けた後の「最終決戦」に勝つかが勝利条件となる。
    • 城門は防御度が高く、通常部隊の攻撃でこじ開けるのは困難*2なので、状況に応じて守備隊を全滅させるか、城門を狙うかを定める必要がある。
    • 守備側は部隊を城壁の上に配置することができ、「落石」や「弩」で妨害することが可能。対して攻撃側は城壁に取り付くことで自動的に梯子をかけることができ、これをよじ登ることで城壁の上の部隊を攻撃できる。
      • 梯子につかまっている状態の部隊は防御力がガタ落ちになるほか、「落石」を受けると一段下に下がってしまうため、そこを狙われると被害は少なくない。特に攻撃側は注意しなければならない。
    • 城門の防御度が0になると開門し、「兵力」か「武力」かを決めて「最終決戦」が行われる。
      • 「兵力」:互いの兵力を元に自動的に勝敗を決する。
      • 「武力」:互いの武将を一騎討ち(1~5回)させ、勝った回数が多い方が戦争の勝者になる。
        一騎打ちで戦争の勝敗が決まるというのが珍しく、「発石車」で門をこじ開け、一騎討ちばかりをするという某三国志アニメのような戦法を取ることができる。そのため、一騎討ち要員を戦場に連れて行く重要性も高まった。
      • 「武力」を選ぶと戦場に出ていなかった武将も引きずり出されることになるため、攻められた側からは武力の低い文官タイプが一騎打ちに参加する羽目になる、といったことも珍しくない。
      • また、「弓兵」の能力を持っていると一騎打ちで逃げ出した武将を矢で一撃で仕留めるため、かなり有利になる。
  • 戦後処理では従来の「登用」「解放」「斬首」に加え「牢に繋ぐ」ことが可能となった。
    • 「登用」を断られたが「解放」も「斬首」もしたくない武将を捕虜のままにしておくことが可能。後で「登用」する*3他、「外交」で物資を条件に解放することもできる。このような仕様のため、今作では捕えた武将を解放するメリットは皆無に等しい。
    • 敵君主の領土と武将を全て奪った場合、戦後処理で直接君主を「登用」することが可能となった。運が良ければ曹操・孫堅といった有能な君主を殺さずに配下にできる。
      • もちろん断られた場合は「斬首」か「解放」するしかないので賭けにはなるが、「登用」できた時の喜びはひとしお。
      • 君主を捕らえた際にその君主の所領が攻め取った都市と隣接していない所にしか残ってない場合は解放もできず「斬首」しかできなくなる。

シリーズ初のパワーアップキット実装

  • 本作で初めて「パワーアップキット(PK)」が実装されるようになった。仮想シナリオの追加に加え、武将と都市のパラメータを自由に弄れるエディタ機能等が追加された。
    • 本作以降のPK版にはエディタ機能の搭載が定例となっているが、これには前作で発生した「三國志III事件*4」が背景にあると思われる。
    • 信長の野望 天翔記*5』や『水滸伝 天命の誓い』の武将を登場させることも可能*6
    • 「一騎討ちモード」が追加され、登場年代を無視した武将同士の一騎討ちが見られるようになった。
    • 各武将に武将列伝が用意されるようになり、その武将がどんな人物なのかが参照できるようになっている。
  • コピー印刷しようとしても真っ黒になる特殊印刷の説明書を使ったマニュアルプロテクトを採用している。
    • しかしこれも、半紙を挟んでコピーするとコピーできてしまった。

評価点

  • 各登場人物がよく喋るようになった。
    • 内政を1つとっても「我々も働いているのだが今ひとつ…」といったボヤキや、「資金が沢山あるから仕事が進む」といった報告をくれるので状況の把握に加えて愛着が湧きやすくなっている。
      • 割り当て資金が尽きている状況の台詞では、まさにその武将の本性が出ている。脳筋だと仕事をサボる労働者へ怒鳴り散らしたり、担当者どうしの相性が悪い場合は相手に公金横領の疑いを掛けたりなど。
    • 城の兵士も訓練度が低い場合は「おい、隙を見て逃げ出さないか」と言ったりするが、訓練度が上がってくると「そこらの敵には負けないぞ!」と意気込んでくれる。それまで単なる数字だけだった兵士にも存在感が出た。
    • 武将の異名や字も実装されたため、一騎討ちの際に「我こそは燕人張飛」「呂奉先を知らぬか!」という小説等でよくある名乗りをしてくれるようになり、様になっている。
    • 戦後処理でも武将が喋るようになった。ただし処断した時は何故か「うわぁー」「ぐぇー」といった妙にコミカルな断末魔で死んでいく。
    • 本作ではPK版に限り、武将エディタで能力を変更した後にその武将からツッコミが入る*7なんて細かい芸まで。
    • 何らかの手段で「外交」能力を得た脳筋武将を交渉ごとに派遣したときの台詞が笑える。
      • 「なんか良くわからんが……」と口上を述べたり、成功の報告が「酒が美味かった」だったり。
  • 前作からの改良点により戦争と内政が非常にテンポよく進むようになった。
    • 特に委任していなければ全ての都市のコマンドを順に入力しなければならないという面倒さから解放されたのは大きい。
    • コマンド(内政、訓練)の効率が良い(訓練度が高い)ほど都市内の武将のアニメーションが活発になるため、状況を把握しやすくなっている。
    • 前作に引き続き、パラメーターの色による表現が採用されており、パラメーターが低い場合は赤、普通ならば黄、高ければ青で表示される。
      本作では金や兵糧等の都市パラメーターがマップ上に一斉に表示されるようになったためこの表現と相性がよく、一目で各都市の状況を把握できる。
      • 特に「民忠誠度」が赤色(59以下)で表現されるようになると住民反乱の危険があるため、黄色以上に保たなければ非常に危険である。
  • 歴史イベントの増加
    • それまでは「貂蝉」が武将扱いで登場するか(前作)なぜかエロイベント(『II』)だった「美女連環の計」が正式な歴史イベントとして追加された。3ヶ月にわたって演義と同様のイベントが行われる。
      • ただ、普通にプレイしているとなかなか発生しない*8条件が多く、隠し要素的な意味合いが強い。
    • PK版ではさらに「袁家後継者騒動」や「銅雀台作成」といったイベントも追加された。
  • 長生淳氏作曲のBGMについては、戦略画面で勢力が増大するにつれ曲が変わっていく、戦場で自軍が優勢・互角・劣勢につれ曲が変化する、などの前作にもあった仕様を採用している。
    • 勢力拡大や戦況の変化をBGMからも上手く盛り上げてくれる。

賛否両論点

  • 「埋伏」のチートじみた強さ・便利さ
    • 配下武将を相手勢力に仕官させる計略で、忠誠度95以上の武将のみ実行可能。
    • 戦争で敵兵を連れたまま寝返らせることができるため、敵の兵力を減らすと同時に兵力増強までできて非常に強力。
      • 一応、埋伏させたはずの武将が特定の条件*9で本当に相手勢力に寝返ってしまうリスクもあるが、それを考慮しても強力。
      • PK版では成功率が下方修正された。後のシリーズでも、知名度や能力の高い武将は埋伏させようとしても成功率が極端に低下したり、二線級の埋伏武将が運よく登用されても兵を持たせられる可能性が低くなるという形でバランスを取るようになった。
      • なお、うっかり埋伏させたまま開門・武力勝負してしまうと、埋伏させた強い武将と一騎打ちする羽目(引き分けになる効果もない)になる。
    • また、「埋伏」を使うことで「将軍・軍師に一度任命した武将を忠誠度の低下なしに解任できる」というのも地味に便利であった。
      • 将軍・軍師は戦場での体力回復が早くなるなどの恩恵が得られるが、通常の武将より支払う金や兵糧が高い。かといって将軍・軍師から「解任」しようものなら忠誠度が下がる。埋伏させるとその武将は復帰時に一般武将に戻るので、実際にはノーリスクで将軍・軍師から解任していることになる。
      • 埋伏中の俸禄支払いも節約できる。
      • 劉備のような貧乏な勢力だと、こうした所での節約が序盤の支えになってくる。
  • 武将捜索の仕様
    • 今作から「捜索」は州単位になったため、各都市を捜索する煩わしさは改善されたが、その一方で武将が発見されるかどうかはほぼ運任せになった。
      • そのため配下にしたい武将が登場する年になり、その州を捜索したにもかかわらず、なかなかその武将が発見されないということがよくある。
      • 捜索できる州も該当州を支配しているかどうかに関係なくできるため、はるか遠くにある勢力が支配している州から武将を見つけてくるという、従来のシリーズと比べるとやや違和感の残る仕様になってしまった。
  • シナリオ面
    • 今作も前作同様、『三國志』や『II』で選択できた215年の三国鼎立直後*10のシナリオは採用されていない。
      • このシナリオ選定は不評だったのか、次作『三國志V』からは再び採用されるようになる。
      • また『II』から今作まで採用されてきた221年の三国時代開始*11のシナリオは、本作を境に後のシリーズではあまり採用されなくなっていく*12
      • 「三国鼎立」と言っても、215年から221年頃の中間にあたる219年*13を舞台にすることが多い。

問題点

  • COMの思考があまりにもお粗末(PS版)
    • ゲームレベルが「普通」「上級」問わず、COMはまともに領土拡大や人材配置を行わない。基本的に内政重視型の思考なのか多数の武将を抱え複数の領地があると1都市に武将を集中させ、片や一方は武将が一人という何がしたいのか意味不明の行動を取り続ける。そのため自軍が攻め込み都市を得ると、かなり開発が進んだ状態が多いので開発の手間が省けるとも言える。
      • さらにCOMのみ武将の移動制限がかからない。例を挙げると劉備軍が譙に武将を15人配置しているのに翌月には下邳に14人移動していたりする(譙と下邳間には徐州が在る)。
      • COMは場当たり的に戦争を仕掛けても積極的に戦争を行わない一方、羌王や山越王などの異民族に執拗に貢いでいるのかプレイヤーの所有都市が上記勢力の影響地域に入ると嫌がらせのごとく侵略要請を仕掛けてくるのでかなり鬱陶しい。撃退することもできて、運が良ければその勢力の武将を捕虜にもできるがプレイヤーも貢いで敵対度を下げておくと侵略されても早々に引き上げるなど乗り気ではない様子を見せてくれる。しかし兵士が居ない場合でも撃退に成功する時があるので撃退一択では有る。なおプレイヤーが先に侵略要請を許諾させると他勢力の要請が通らなくなる模様。
  • 偽アイテムでも能力値などの上昇効果が本来の効力を発揮してしまう。
    • 本作でもアイテムは健在だが、武器、名馬、書物などアイテムを参照した際に上昇数値やアイテム効力が表示されないものは偽物で、武将に与えて忠誠度を上げるか外交で贈り物にするくらいしか用途がなかった。 しかし、PS版では偽物であってもアイテムが持つ能力値上昇、退却成功率上昇などの効力は本物同様に発揮されてしまうため、非常に強力。SFCに至っては、偽アイテムは自軍の武将には何の効果も出ないが、敵武将では効果を発揮する鬼仕様。
    • ただし偽アイテムを持つと、たまに訪問する旅人の助言が全て偽アイテムに対する忠告になるため、助言が実質機能しなくなるというデメリットが存在する。
      • 旅人によっては訪問することでアイテムを貰えたり特定の特殊能力を習得することが可能なので、これらを気にする場合は配下武将か他君主に進呈する必要がある。
      • また、偽玉璽は、魅力と統率が100になる効果は出るが皇帝即位イベントが起こらない。特にシナリオ1ではバグなのか、偽物の玉璽しか手に入らずに皇帝になることができない上に配下にも与えられないので、敵君主か異民族に渡す以外に手放す方法がない。
  • 武将数の減少
    • 胡赤児・典満等の後漢末のマイナー武将が削除され、全体的に武将数が減少してしまった。ただし三国時代後期の武将数自体は増加しているので、後半のシナリオは前作よりは若干楽になっている。
      • 年代が若いシナリオでは武将数減が響いて来ることがあり、捜索の仕様変更により迂闊に武将を斬って数を減らしてしまうと後々苦労することになる。
      • このため、本作では武将を捕虜にできたり、戦争による戦死がほぼ無くなったため*14、武将が死ににくいバランスに落ち着いている。
  • 兵器のバランス
    • 「衝車」は性質上、城門に接していないと使えないため「落石」の格好の的になり*15、使い勝手が悪い。「発石車」は城門から離れて攻撃が可能なので実質「発石車」一択となっている。但し、製造するのに技術力が最大値の100必要であるため、かなり投資しなければならないのはネック。
    • 同様に、武装も「連弩」が非常に強力であり、兵力3万の部隊に持たせると*16一度の攻撃で3,000人近くの兵を倒すことができる。もはやマシンガン。しかもこちらは技術力60程度から製造することができるため、割合早くから登場させられる。
      • 一例を挙げると、特殊能力「弓兵」持ちの将軍に任命してある武将(将軍になると戦闘での攻撃力が上がる)を3人編成し兵3万を預け、天候が豪雨で(弓部隊攻撃力UP)敵部隊が川*17にいる際に連弩で攻撃すると敵部隊の兵数にも寄るが1回で6000ほど持っていく場合がある。関での戦いも関の上に連弩部隊に陣取られると一方的な虐殺の様相となり正攻法で攻め落とすのは最早不可能。また、前作にあった使用回数も撤廃されたために弾切れの心配もない。チートと揶揄される程の強力さ故か、前作までのシリーズのような戦闘を楽しみたいが故に連弩縛りをするプレイヤーも。
  • 住民反乱がきつい
    • 空白都市に移動することで占領することが可能だが、「民忠誠度」が低いことが多く、住民反乱が起こりやすい。
      • 住民反乱は季節の変わり目で発生するので、序盤はきつい面もあるが、それを見越した領土拡大と施し用の武将を連れて一気に6~70程度まで上げればある程度は防げる。計略は仕方ない。
      • 住民反乱が起こると兵士を含めた都市パラメーターがズタボロになる上に「民忠誠度」もガタ落ちになる。上げるのには膨大な施しが必要になる上に、上げている途中にも起こる可能性があり、最悪ドツボにハマる。
      • なお民忠が高くても敵国が計略してくると否応なく住民反乱は起きる。民忠誠度が90程度でも一発で住民反乱が起こる時があり理不尽この上ない。ちなみにプレイヤーが1都市に執拗に住民反乱を仕掛け続けると洛陽や長安でも人口が1000人を切る。ここまで下げても民忠誠度を80まで上げると土地・治水・商業が0であろうと収入がそれなりに入る。あくまでも都市の規模により収入が決定するので、人口数は然程影響を与えない仕様。
  • 新武将の自由度
    • パラメーターはある程度いじれるが、特殊能力に関してはランダムなため、文官にバリバリの戦闘向け特殊能力がついたり、脳筋武将に「天変」といった妖術がついてしまうといったことが起こりうる。気になるのならPK版で武将エディタを使おう。
  • 放浪君主が鬱陶しい
    • 戦争で逃がした君主は「在野武将」にはならずに「放浪中」になる。放浪中の君主は登用できない上に定期的に物資をタカリに来るので非常に煩わしい存在になっている。そのせいで斬ってしまったほうが楽になる。
  • COMの斬首基準が厳しい
    • 今作から、COMが能力の低い武将を斬首するようになった。通常版では武力+知力+政治の合計が150未満の武将は斬首となる。これはかなり厳しく、一芸に秀でていても問答無用で処刑してしまう。
      • PK版では、どれか一つの能力が70を超えていれば斬られなくなった。しかし、いずれにしても能力の低い武将を愛でるプレイは難しくなっている。
  • 攻められて開門 ⇒ 一騎打ちだと、勝っても都市の物資が0になるというバグがある。
    • 兵力勝負ならバグを回避できる。そのため、クリア直前の攻城戦以外での最終決戦は兵力一択と言っていい程。

総評

それまでボリュームアップを重ねてきた『III』をさらに発展させ、特殊能力といった武将の個性付けを行った。
複雑な要素もなくUIも改良され、難易度も手頃なので敷居が低くシリーズの入門者にオススメできる作品となっている。
本作以降の作品は本作の発展形というよりは陣形や名声全武将プレイといった独自の路線で味付けがされているため、本作がシリーズの一つの完成形ともいえる。
また、GBA版『三國志』『三國志DS2』は本作コンシューマ版がベースとなっており、モバイル版で移植されたり、SFC版がバーチャルコンソールで配信されていたため、古い作品でありながらシリーズの中では比較的プレイしやすい状況にある。


余談

  • 本作の諸葛亮は特殊能力を非常に多く持っており、他の軍師と一線を画している。
    • 本作は「火計」が非常に強力だが、天候や風向きに左右されるし、これらはころころと変わるので中々思い通りにはならない。しかし、諸葛亮ならレア特殊能力の「天変」「風変」を持っているため思いのままに天候と風向きを操れる
      火を放って敵のいる方角に向けて「風変」するだけでたちまち戦場と敵部隊が火だるまになりあっという間に殲滅される。毎戦場で赤壁の戦いのような大勝利を収めることが可能。
      経験を積めば「落雷」を習得する可能性もあり、そうなると戦場を豪雨に変えて雷を落として一撃で敵(たまに自分も)を瀕死にするといった強さを発揮し、妖術師じみた風貌とあいまって非常に印象に残る存在になっている。
      • 「天変」あるいは「風変」だけを持つ武将は*18存在するが、本作の諸葛亮は両方共兼ね備えていて、かつ知力が非常に高いため、ほぼ確実に成功させる点においても異例の存在である。
      • 本作PC版の諸葛亮はパッケージ画像を反映して頭に被っているものがカボチャ型の頭巾と、他シリーズとの顔グラフィックと比べると非常に独特なものになっている*19。イメージに合わないとの声があったか、コンシューマ版(SFC版、SS版、PS版等)では冠を被った従来通りの顔グラフィックに変わってしまった*20
      • 後の『三國志VII』では天変・風変に加えてついに落雷を初期状態で修得。
  • なお、我らが『三國志』シリーズのネタキャラ・曹豹の所有する特殊能力は「罵声」であるが、その知力の低さ故に掛かる敵はほとんどいない「死に能力」である。それでも彼の重要な個性に他ならないため、「曹豹血盟軍」における投稿「魔人の罵声」の由来となった。
    • そしてスーパー32X版のみ曹豹が一騎討ちにおいて異常に強くなっている事が2022年発覚した。バグなのかスタッフの意図的なお遊びなのかは謎である。
  • 本作は機種毎にBGMが大きく変わるのも特徴となっている。
    • PC98版:いわゆるオリジナル。音源の都合もあるが、最も曲数が多く、他機種と比べてもメロディーの短縮などが無い。
    • CS版:曲数はPC98版とほぼ同じだが、久保田邦夫氏によるシンセアレンジ盤『三國志IV 電脳電撃編』からの出典であり、メロディーの追加及び変更がされて雰囲気が大きく異なる。SFC版は人気が高いが、主に戦争時のBGMでメロディーが短縮されている部分が多くみられる。
    • Win(withパワーアップキット)版:ハンガリー交響楽団の演奏によるサウンドウェア版の流用。CD音源による豪華な仕様となったが、複数のBGMがひとまとめにされてしまい曲数自体が大幅に減少*21、特に戦争時は野戦も籠城戦も一騎打ちまで含めた含めてメドレー形式のBGMにされてしまい、戦況によるBGMの変化を感じにくくなった上に本来の一騎打ちのシーンでは何故かPC98版の海戦BGMが使用されるといった問題点もある。同様の問題点は同時期に発売された『信長の野望 天翔記』にも見られる。現在配信されているSteam版もこれに該当する。
      • どの機種にもそれぞれの長所や短所があり、それぞれにファンがいる。
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最終更新:1970年01月01日 09:00