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メルヘンメイズ

【めるへんめいず】

ジャンル アクションシューティング

対応機種 アーケード
発売元 ナムコ
開発元 NHシステム
稼動開始日 1988年
配信 バーチャルコンソールアーケード
【Wii】2009年9月29日/800Wiiポイント
判定 なし
ポイント メルヘンチックなファンタジーアクション
見た目に反して鬼難易度


概要

1988年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からアーケードにてリリースされた斜め見下ろし型アクションシューティング。
童話「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をモチーフとしており、時計うさぎによって鏡の世界に導かれたアリスが、世界を支配する闇の女王を倒すべく、シャボン玉を噴き出す魔法のストローを手に9つの世界を冒険する。

当時のアーケードゲームとしては極めて珍しいと思われる、クォータービュー視点のステージ構造が特徴で、メルヘンな外観とは裏腹に、玄人ゲーマー好みの高い難易度を持つ。全9ステージ構成。

キャラクターデザインは『銀河任侠伝』(ジャレコ)を手掛けた漫画家のANO清水氏*1

開発を手掛けたNHシステムはアルファ電子で『チャンピオンベースボール』の企画を担当した早川弘一氏らによって立ち上げられたデベロッパーで主にナムコ作品の下請けをメインとして活動していた会社である。*2

ゲーム内容

主なルール

  • 使用コントローラーはレバー+2ボタン。レバーにてアリスの移動操作、ボタンは各自シャボン玉攻撃とアリスのジャンプに使用する。
    • 概要に述べた通り、本作はクォータービュー視線であり、慣れない内はレバー操作の感覚に違和感を覚えやすい(例えば、レバーでの前方移動はゲーム中では斜めの移動となる為)。
    • シャボン玉攻撃ボタン(以下攻撃)を押すと、レバーとの組み合わせによってアリスが向いている八方向のいずれかに直進的な攻撃を放つ。連射すれば攻撃を連続で放つ事もできる。
    • 攻撃ボタンはボタン押しっぱなしにより溜める事が可能。溜め中にボタンを離すと攻撃判定と攻撃力が増した巨大シャボン玉を放つ事ができる。但し、溜めすぎるとシャボン玉が破裂して一からの溜め直しとなってしまう。
      • 溜めている最中でもアリスを動かすことは可能。また、溜めている最中にアリスの前方に攻撃判定が発生する為、溜めながら敵に体当たりというテクニックもできる。
    • ジャンプボタンを押すとアリスがジャンプする。ジャンプは浮遊している地形を飛び越えたり、敵や敵弾を交わす効果があり、クリアするのに要必至な基本アクションとなる。
      • また、ジャンプ中のレバーの組み合わせにてアリスの空中移動調整も可能である。しかし、ジャンプ中は一切の攻撃はできず、攻撃中にジャンプすると攻撃キャンセルとなってしまう*3
  • このゲームにおいては、アリスが敵に接触しただけではミスにならず、後方へ弾き飛ばされるだけですむ。
    • アリスが移動するフィールドは空中に浮いており、敵などに触れて弾き飛ばされてフィールドから落ちたり、着地ミスで空中に落ちてしまうことでミスとなる。
      弾き飛ばされた直後は無防備であるため、タイミングが悪いと連続で弾き飛ばされてしまうので常時、気を抜けない。
    • なお、レバーでの移動だけではフィールドから落ちることはない。あくまでジャンプによるフィールド外への落下と、敵の攻撃で弾き飛ばされて落ちることがミスの条件。
      通路に押し付けるようにしてアリスを歩かせることで、アリス1人分の幅しかない通路に転がる敵弾をギリギリすり抜けて避けていくなど、地形に応じた敵の攻撃の軌道の見極めも肝心。
  • アリスの攻撃は基本的に相手を弾き飛ばすだけの効果しかなく、シャボン玉で敵を弾き飛ばしてフィールドの外や穴に落とすことで初めて倒したことになる。
    • 例外として、ボスや一部の耐久力の設定された敵に対しては、他のシューティング同様に玉を撃ち込んで破壊する。
  • ときおり進む先に浮遊して常に動いている床があり、ジャンプボタンでそこに着地する必要がある。もちろんタイミングを誤ってしまうとミスとなってしまうので、慎重にジャンプしなければならない。
    • 通常のフィールドとボスの待つフィールドは足場が地続きではなく、専用の浮遊床を経由してボスのいる場所へ到達しなければいけないのだが、通常の浮遊床と違い、ジャンプした時のアリスの影が映らなくなっている。
  • 足場が途切れている所は、空中を飛んでいくアリスのシャボン玉は通過するが地面を転がってくる敵弾は落ちていく。地形によっては、これをうまく利用して一方的に攻撃可能。救済措置というよりは必須テクニックの一つだが、アーケード版には時間制限があるので過信は出来ない。
  • 道中に「?」のマークの付いたアイテムボックスがあり、それを攻撃で破壊するとアイテムが出現する。
    赤水晶 スコアボーナス
    青水晶 一定時間、溜めなしで最大攻撃ができるようになる。緑水晶と併用可。
    緑水晶 一定時間、シャボン玉が前方三方向(3WAY)攻撃となる。青水晶と併用可。
    紫水晶 一定時間、アリスの移動スピードが上がる。
    黄水晶 一定時間、敵の動きが止まる。
    風船 弾き飛ばされて足場から落下した際のミスを1度だけ帳消しにした上でその場復活。
    次ステージへの持越しはできない。
    うさぎのぬいぐるみ 一定時間、アリスの周囲にバリアが張られて完全無敵状態になり、
    体当たりで敵を弾き飛ばせる。ただし、落下のミスは防げない。
    ブーツ 一定時間アリスのジャンプ力が増す。
    ミニ時計 制限時間が一定量回復する。

ステージが進むと敵が出現する罠のアイテムボックスも登場する。

  • 残機制の戻り復活。残機0でゲームオーバー。
    • ミス条件は「アリスが敵などに弾き飛ばされて足場や穴から落ちる」「浮遊床の着地を誤り穴に落ちる」
      「制限時間経過後に出現する永久パターン防止敵に触れる」のいずれか。

評価点

  • アリスシリーズの童話をモチーフにしているだけあって、メルヘンで可愛らしい外観となっている。世界観の雰囲気は非常に上手く表現されており、評価が高い。
    • 各ステージは「おかしの国」「おもちゃの国」「そらの国」などのメルヘン節全開な構成となっており、ステージによって様々な個性を持っていた。
      • また、見下ろし視点による背景は空間の高低差の表現が突出しており、擬似的な2Dグラフィックの表現ながら本当に高い足場で移動している感覚を味わわされる点も評価されている。
    • 世界観にぴったりマッチしたBGM。コンポーサーはNHシステム(当時)所属の小林智氏が担当している。
    • また、主人公のアリス嬢は当時のナムコヒロインの中でも人気が高く、ワンダーモモ、ワルキューレと並ぶ、80年代のナムコット三大ヒロインとして(主に大きなお友達から)支持を得ていたらしい。また当時のAC業界史上最年少のお子さまキャラとして触れ込まれてもいたようである。

問題点

  • 見た目が可愛らしくゲームではあるが、難易度は全然可愛げない鬼仕様。はっきりいって序盤から殺気むき出しの厳しさである。
    • クォータービュー故に視線感覚が慣れないと掴み辛い上、敵の攻撃がやたらと激しい。先ステージに進むにつれ鬼畜度が増し、後半ステージあたりは敵の多さと地形の狭さ故に弾き飛ばされる事は死を意味するといわんばかりの非道さ。
      ゲーム的にはMARCHENどころかHELLの領域といえるもしれない
    • 終盤では処理落ちするほどの雑魚の群れが高速で動き回ったり間断なく弾を吐き続けて来るため、時間制限もあって非常に厳しい戦いを強いられる。
    • そういう難易度だった為か、商業的にはさほどヒットしなかったのが惜しいところである。
    • ただ、ボスはさほど強くないのが救い。攻撃パターンも単純なので初見でも突破しやすい。あくまで道中の難易度が厳しいのである。
  • ジャンプ中はシャボン玉を撃てず、タメ撃ちもキャンセルされてしまう仕様のため、攻撃がし辛い。さらに攻撃パワーアップの効果は一定時間で消えてしまうため、ノーマル玉の連射というワンパターンになりがち。

総評

「可愛らしくメルヘンな外見に釣られてプレイしたら、そこは地獄という名の迷宮だった」…そんなゲームであろう。少なくともライト感覚でプレイしようものなら、泣きをみるというべき存在だったように思える。
ファンシーな皮を被った高難度ゲームというところは、いかにも80年代のアーケードゲームらしいといえようか。


家庭用移植

  • PCE Huカード版(1990年12月11日発売、ナムコ/NHシステム、ノバ)
    • PCE版最大の特徴としてはクォータービューが廃止されトップビューになった事が挙げられる。ゲーム自体もほとんどのステージが一新され、奇々怪界のようなトップビューの全方位アクションシューティングといった趣きになっているため、アレンジ移植といったほうが正確か。
      • クォータービューの廃止については「PCEのハードスペックの問題とPCEコントローラーが斜め入力し辛いため」と言われていたが、AC版の後期ゲームデザイン及びPCE版のプログラマーであった中村伸武氏はこれをきっぱりと否定しており、ナムコの営業サイドから「斜めスクロールは難しくて受け入れられないので縦スクロール仕様にしてほしい」という要望があった為だと後年のインタビューで述べている。
    • アイテムの風船が残機の役割に変更され、ミス時はその場復活で継続する。
    • 制限時間とスコアが廃止され、マップ構成もAC版に比べて平易になっているため難易度は下がっている。
      その反面、敵と接触した際の後方への弾き飛ばし距離がAC版よりも大きく、弾き飛ばし方もかなり勢いよくなっているため、それなりに死に易く、そこそこ難しい。
    • ステージ数自体はAC版と同じ全9ステージ。ただし、一部を除いてほとんどのステージがPCE版のみの新規ステージに差し替えられており、原作には無かったフィールド上の仕掛けや新規の敵キャラも多く追加されている。
    • オープニングとエンディングに会話デモが追加。ストーリー性が深められている。
    • PCエンジン版の開発も当初はAC版同様NHシステムが手がけていたが、1990年の2月にNHシステムが倒産。開発も一時中断となったが倒産直前時点でゲーム部分はほぼ完成していたため、同じくナムコの下請けなどを担当していたノバに開発が引き継がれた。当初の仕様からステージ開始時のグラフィックに変更が加えられている。
  • X68000版(1991年3月14日発売、SPS)
    • こちらはかなりAC版に忠実な移植となっている。AC版の開発メンバーである中村氏がSPS-NETの会員であったことからX68000版の開発を聞き、その際に素性を明かしたのがきっかけで外部アドバイザーのような形で関わっている。
      上記の経緯もあり、スタッフロールにはスペシャルサンクスとして中村氏の名前も載っている。
  • Wiiバーチャルコンソール版(※サービス終了に付きDL不可)
    • AC版の忠実移植。

余談

  • PCE移植版は前述の通り1990年12月11日だが、何の偶然かその8日後に本作と並びPCEの二大アリスゲーと称される不思議の夢のアリスが発売されている。
    • ジャンル自体は異なるが、どちらも「アリスが溜め攻撃を持つ」「高難易度なゲーム」という妙な共通点がある。
  • 2002年にアリカからリリースされたアーケードの音楽ゲーム『テクニクビート』がナムコのレトロゲーム楽曲とコラボした際、本作のBGMもアレンジ収録される予定だった。
    • しかし、外部開発作品であるため権利問題で折り合いが付かず、ロケテストのみの幻の楽曲となった(家庭用ソフト及びサントラにも未収録)。
  • 2002年6月14日に旧ナムコから発売されたGBA用ソフト『ファミリーテニスアドバンス』で、本作のアリスが隠しキャラクターとして出演した。
  • ゲーム番組「ゲームセンターCX」でも有野課長がPCエンジン版に挑戦しており、今作の高い難易度に課長もかなり苦戦した。 その苦戦具合は、管プロデューサー(番組のナレーションも担当)から「よくメルヘンメイズという名前をつけれたな」と言われたほどである。

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最終更新:1970年01月01日 09:00