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マッピー

【まっぴー】

ジャンル アクション

対応機種 アーケード
MSX
ファミリーコンピュータ
他移植多数
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 AC 1983年5月25日
発売日 MSX 1984年1月18日
FC 1984年11月14日
定価(税別) FC 4,500円
プレイ人数 1~2人(交互プレイ)
セーブデータ なし
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信
:(配信時の消費税込)
バーチャルコンソール(FC版)
Wii 2008年1月29日/500Wiiポイント
WiiU 2013年5月15日/500円
3DS 2013年8月28日/500円
バーチャルコンソールアーケード
Wii 2009年4月14日/800Wiiポイント
アーケードアーカイブス
Switch 2021年10月7日/838円
PS4 2021年10月7日/837円
備考 GBA ファミコンミニシリーズ』第一弾
2004年2月14日発売
判定 良作
ポイント 革新的で奥深い内容
賢い敵キャラルーチン
耳に残る印象的なBGM


概要

パックマン』と並ぶナムコ最初期のヒット作。
ネズミの警官、マッピーを操作して猫の泥棒ニャームコ一味から盗品を奪い返すのが目標。


システム

基本的には『パックマン』同様のドットイートアクションの系譜なのだが、全体的なシステムは複雑化している。

  • 複数の階層に分かれたニャームコの屋敷内を探索し、奪われた盗品を全て奪い返すと1ステージクリア。全16ステージ(4パターン)で、17ステージ以降はゲームスピードの上がった2周目に突入するというこの時代にはありがちなノーエンディング仕様。
    • ゲームスピードの上昇は3周目で止まり、以降は3周目のゲームスピードで延々とプレイしていく。その後アーケード版では第255ステージをクリアすると再び1ステージに戻される。
      • 1面に戻されたとき、しっかりとオープニングデモが流れ、ゲームスピードも1周目に戻る。255面がキルスクリーンとなったパックマンと異なり、ちゃんとバグらないように処理されていることがわかる。
  • 盗品は5種類各2個の合計10個。
    • ラジカセ、テレビ、マイコン、モナリザ、金庫の順で点数が高い。
  • 登場キャラクターは主人公の「マッピー」、敵ボスの「ニャームコ」、ニャームコの子供達の「ミューキーズ」、永久パターン防止用のペナルティキャラ「ご先祖様*1」。ニャームコは時折盗品の影に隠れてしまい、その間は触れてもミスにならないどころかボーナス点を貰える(ただし倒せるわけではない)。
    • ニャームコは一味のボスとは言うもののそれは設定上だけで、ゲーム内ではマッピーを追尾することなく屋敷内を一定のパターンで移動しているだけなので、敵としてはミューキーズのほうがはるかに手強い。
    • 一定時間経過で、「HURRY UP!」の表示と共に増援としてミューキーズが追加され、さらに時間経過でトランポリンでも回避できないご先祖様が登場する。
  • マッピーの操作は左右移動とドアの開閉の1ボタンのみ。
    • 階層間の移動にはトランポリンを用いる。トランポリンで跳ね飛び上昇中の間は左右に移動できるので、これで行きたい階層に向けて位置を調整する。なお、敵キャラも階層移動にはトランポリンを使用する。
      • トランポリンで跳んでいる間は、ご先祖様を除き無敵になる。ただし、同じトランポリンを続けて跳んでいると緑→青→黄→赤とトランポリンの色が変化し、赤で乗るとトランポリンが破れてミスになってしまう。どこかの階層に着地すれば色は元に戻るが、敵と着地先まで重なってミスというケースも少なくない(屋敷の左右両端であるなら、外壁側にわざとぶつかることでタイミングをずらすテクニックもある)。
      • ステージによってはトランポリンが何重にもなっている場所があり、トランポリンを破ってもその下にトランポリンがあればミスにはならない。ちなみに、トランポリンを下から通過したり破ったりすることはできない。
    • 各階層にはいくつかのドアが設置されており、マッピーや敵が開け閉めできる。ドアは必ずノブの方に開き、敵がドアの開閉に直撃すると気絶して一定時間動けなくなる。またマッピーがドアの開閉に当たると弾かれて少し飛ばされる。この際敵に当たっても気絶させることが可能。
      ドアの開閉で、「警棒がかかった瞬間に閉める事でマッピーを1キャラ分瞬間移動させる吸い込み」「ドアに飛ばされる吹っ飛ばし」は、商業誌初のアーケード攻略・スーパーソフトマガジンで紹介された重要テクニックである。
      • このうち1ステージに4枚だけ分厚い「パワードア」が設置されており、開けるとマイクロ波がノブの方向から横一列に向けて発射される。このマイクロ波を敵に当てると、画面外に排除できる。またパワードアはご先祖様以外の敵は開けられない。一度開けると普通のドアに戻る。複数の敵を同時に巻き込むと得点に倍率がかかってより高得点を得られる。
    • 敵を排除する手段は、先のステージに進むにつれ増え、ベルと落とし穴が追加される。なお、どちらも一度しか使えない。
      • ベルはトランポリンの最高地点に設置されており、マッピーが触れると落下してジャンプしている最中の敵キャラが全員気絶してポイントが入る。
      • ステージが進むと一部の床が点滅するようになり、この上をマッピーが通過すると落とし穴になって一定時間通過した敵キャラを落とせる。ただし、マッピーも転落する。一定時間経過後は普通の床になる。
  • 数面毎に、一定時間以内に宙に浮いている赤い風船を回収しつつ建物の左奥にあるニャームコが入っている大きな風船を体当たりで打ち落とすボーナスステージが挟まれる。
    • このステージでは通常の床がない関係上、トランポリンの使用回数を回復できない。ただし落下してもボーナスステージが終わるだけでマッピー(残機)は減らない。
    • 専用のBGMが流れ、それが終わると時間切れ。つまり制限時間を音楽で教えてくれているのも粋な演出である。

評価点

  • 高得点獲得パターンが複数種類存在する。
    • 盗品はペアで連続獲得していくと、得点倍率が上昇していく。全てを理想のパターンで取った場合、合計点は8500点になる。
    • 一方でニャームコが隠れている盗品をゲットすると、本来の得点とは別に1000点が手に入る。こちらのボーナスを重視するパターンもあったりと、とれるパターンが豊富。
    • あえてパワードアを開けずミューキーズを遮断する手段として用いる戦略もある。
    • 「敵をドアで気絶させると50点」「トランポリンを跳ぶだけで10点」などお手軽な点数獲得方法もあるが、時間が経過すると非常に厄介なご先祖様が出てきてしまう。「安全重視でガンガン先のステージに進む」「一つのステージで可能な限り点を稼ぐ」と、プレイヤーの個性に合わせて複数の攻略パターンが構築できるゲームは当時としては珍しかった。
  • 敵キャラの頭が結構良く、安易な攻略を許さない。
    • 自力でドアを開けてもマッピーの元に到達できない場合は、それを学習して迂回路を通ってくることもある、ただ、自分で開けたドアに当たって自分で気絶するなどたまにお馬鹿な場面もあったりするが…。
    • いかにうまく敵を誘導し、パワードアのマイクロ波で多数の敵を巻き込むか、が高得点獲得の上では重要な要素になる。
  • なんと言ってもBGMの良さが挙げられる。
    • 作曲はラリーXメトロクロスなどナムコビデオゲーム黎明期のBGMの多くを彩った大野木宣幸氏。当時は効果音だけ、イントロだけといった例も少なくなかったが、本作のBGMはイントロから、サビ、アウトロまで基本的な構成が1個の曲としてきっちりと成立しており、ポップミュージック風の軽快な曲調含め完成度が高い。コミカルでアップテンポなBGMはゲーム全体の雰囲気にも非常によくマッチしている。
    • あのすぎやまこういちが「ゲームで初めてちゃんとした音楽が付いていると思ったのが『マッピー』だった」と語っているエピソードは有名。本作がなければ、『ドラゴンクエスト』の著名なBGM群も生まれなかったかもしれない。
      • 後に発売されたナムコゲームミュージックのボーカルアレンジアルバムに、80年代中盤から大人気を博したアイドルグループおにゃんこクラブを意識した歌詞とアレンジで収録された。
  • 登場キャラクターのデザインやアクションがコミカルで親しみやすい。『パックマン』で生み出されたキャラクター路線をさらに継承発展させたものと言えるだろう。
    • 特にニャームコは盗品に隠れていて見つかった際には「1000点」と書かれた看板を出すなど、悪役ながらどこか憎めない、とぼけた味のあるキャラクターになっている。

問題点

  • ボーナスステージの4つ目が「最後の一つを残してニャームコに取らせる」のだが、4段階動くニャームコの導線が初見だと意表を突かれる。これを知らないとパーフェクトが取りにくい。
  • マッピーだけの話ではないが、当時のナムコは他社と考え方が違い「左手でボタン/右手でレバー操作」の筐体があり、*2テレビゲーム黎明期であるが違和感のあるものにあたる事が多々発生した。

総評

簡単ながら奥の深いシステム、親しみやすいキャラクター、完成度の高いBGMなど、当時としてはなかなか革新的な要素を盛り込んだ作品である。
現代でも通じるシンプルながら変わらない面白さを秘めた一作なので、機会があれば是非プレイしてもらいたい。


移植

ゲーム単体としては大成功を収めた作品であり、ナムコの代表作の一つなので移植機会には恵まれている。

  • FCをはじめとして多数の機種に移植されているが、縦画面の原作を横画面に移植したため、ニャームコ屋敷の構造が6階建てから5階建てに減らされているもの(一部機種に至っては4階建て)がほとんどである。
    • 中でもMZ-700/MZ-1200版は文字しか表示できなかったため、マッピー達はアスキーアート(と言っても2文字*2文字だが)、盗品は「キンコ.」「モナリサ(文字数の関係で濁点が無い)」と文字表記である。MZ-700はカラーモニターなのでまだましだが、1200はモノクロモニターなので最早まともにプレイできる代物ではなかった。一応、別売りのPCG*3を使えばまともな見た目にはなるが。
    • 6階建ての忠実な移植は、PSのナムコミュージアムVOL2を待たねばならなかった*4
  • 家庭用ではファミコンのみならずマイナーハードのスーパーカセットビジョン版も存在する。

続編・関連作

  • ホッピングマッピー(AC)
    • 本作と同じくニャームコ一味の盗品を取り戻すのが目的だが、マッピーがフィールドをホッピングで移動するのが特徴のゲーム。作曲は前作に続き大野木宣幸氏*5
  • マッピーランド(FC)
    • 横スクロールアクションにアレンジされた続編。
  • マッピーキッズ(FC)
    • マッピーではなくマッピーと嫁のマピコとの間にできた双子、ハッピーとラッピーが主人公の横スクロールアクション。マッピーから紹介されたピッキーというネズミ娘と結婚するため、家を建てるのが目的というストーリー。ピッキーを取り合う対戦プレイも可能。この作品でマッピーの口調が「○○でちゅー」という衝撃の事実が発覚(しかも時々「ちゅ」になったり一定ではない)。
  • マッピー・アレンジメント(AC)
    • ナムコクラシックコレクションVol.1収録。画面上下分割による二人同時プレイが可能。一人プレイ時でも画面構成は変わらないので、画面半分のみの表示となる。

余談

  • 元々「マッピー」とはナムコが開発していたマイクロマウス(迷路脱出ロボット)の名前である。マイクロマウスとしての性能は割と普通だが、機能一点張りの他のマイクロマウスと違い、可愛いガワを被せていたのが特徴で本作の主人公はそのデザインを流用したものである。
    • なお、「ニャームコ」も「マッピー」の前にナムコが開発していたマイクロマウス(猫なのに)である。一方、ミューキーズは本作オリジナル(当然、ご先祖様も)。
  • バンダイナムコのPS3用ソフト『エースコンバット インフィニティ』のキャンペーンモードでの敵エース「蝶使い」は、マッピーの意匠がデザインされたヘッドホンをつけており、マッピーのBGMを口ずさむシーンがある。
  • 人気があったので基板は大量生産された。しかし、流石に1年もすると人気も落ち込んだため、余った基板で何か作れないかと実験的に作られたのが『ドルアーガの塔』である。
  • 「マイコンベーシックマガジン」が突然、アーケードゲームを取り扱い出し「スーパーソフトマガジン」を付録、第一弾にマッピーの攻略法が掲載された。*6執筆者は当時大学生の「うる星あんず*7」。日本初のアーケードゲームライター/プロゲーマーの登場である。
    • マッピーを始め、ゼビウス、ドルアーガ、フォゾン、リブルラブル、ギャプラス等、当初は随分ナムコ寄り内容だったが、当時かなり画期的な企画だった。このコーナーで「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」攻略記事にお世話になった人も多いだろう。
    • 余談であるが、アーケードゲームコーナーで当時はまだアマチュアサークルだった「ゲームフリーク」や大手の「AMP」(アミューズメントマシンプレイ同好会)が紹介された。*8ゲームサークルが一気にメジャーになった瞬間でもある。
  • 初のテレビゲームのサウンドトラックである「ビデオゲームミュージック」のマッピーにて、本来あるはずのない11個目を取るSEが鳴っている。持っている方はじっくりとSEの数をカウントしてみてほしい。ちなみにゲーム機でなくこのアルバム上だけの話だが、マッピーの曲は「初のステレオでのゲームミュージック」である。*9
  • 未だに「本作当時のナムコのAC基板はPSGを使っている」と間違ったことが平気で散見されるが、この基板に乗っている音源はPSGではなくナムコ自身でカスタマイズした波形メモリ音源*10で、音の鳴り方からしてPSGとは明らかに違うことがわかる。*11
  • ゲーム紹介デモのパワードアの説明には英単語で「MICROWAVE」とある。これは要するに電子レンジで使われるマイクロ波のこと(転じて電子レンジそのものや、「レンジにかける」意味で動詞的にも使われる)なのだが、このことから「乾燥目的で猫を電子レンジにかけて死なせた消費者がいる」という都市伝説がこの頃には既に広まっていた(そしてゲーム内でそれをブラックジョーク的に用いた)ことがうかがえる。
  • 「カタログIPオープン化プロジェクト」*12にて、スマホアプリとして「タッチ ザ マッピー 復活のニャームコ団」が公開されている。
    • このプロジェクトを利用したドルアーガ等は一般クリエイターの2次創作だが、タッチ ザ マッピーはなんと、元ナムコスタッフの面々の手によるもの。監修が佐藤英治、デザインがMR.dotman、サウンドが小沢純子…など、錚々たる面々。
    • 移植ではない2次創作だが、無料公開で雰囲気を味わうのであれば申し分無い出来。
  • FM-7版のマッピーには担当したプログラマーの性癖と思われるちょっとアレな隠しメッセージが仕込まれている。
    • その他にも、氏が担当したゲームには同様にアレな主旨のメッセージが残されていたりする。
  • 2022年2月にメーシーから『ファミスロ』の第4号『SLOTマッピー』としてパチスロ化された。
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最終更新:1970年01月01日 09:00